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JP2002069444A - 団粒構造安定化材、その製造方法、及び土壌の団粒化方法 - Google Patents

団粒構造安定化材、その製造方法、及び土壌の団粒化方法

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JP2002069444A
JP2002069444A JP2000260720A JP2000260720A JP2002069444A JP 2002069444 A JP2002069444 A JP 2002069444A JP 2000260720 A JP2000260720 A JP 2000260720A JP 2000260720 A JP2000260720 A JP 2000260720A JP 2002069444 A JP2002069444 A JP 2002069444A
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soil
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agglomerated
aggregate structure
stabilizing material
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Tsutomu Hida
務 飛田
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EKOMAKKU KK
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EKOMAKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性のある団粒構造が得られる土壌の団粒
化方法を提供する。また、それに用いられる団粒構造安
定化材、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 耐水性をもつ団粒構造を土壌に付与する
ために用いられる団粒構造安定化材を以下の工程により
製造する。 (1)上水汚泥を脱水・乾燥して得られる脱水ケーキを
解砕する工程 (2)工程(1)で得られた脱水ケーキ解砕物を、団粒
化篩選別機に投入し、団粒化しながら篩い選別すること
により、団粒構造を有し、粒径が所定値以下の安定化材
原料を得る工程 (3)工程(2)で得られた安定化材原料を、粒径が所
定値以下の多孔性材料と混合し、混練機で混練してさら
に団粒化する工程

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性をもつ団粒
構造を土壌に付与する団粒構造安定化材、その製造方
法、及び土壌の団粒化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】学校等のグラウンド、各種競技施設、あ
るいは公園等の屋外施設の土壌は、一般的に次のような
性質を有することが好ましい。
【0003】(1)透水性(水はけ)がよいこと。
【0004】(2)適度な弾力性を有すること。
【0005】(3)適度な保水性を有すること。
【0006】上記(1)の性質により、降雨後にぬかる
みが生じず、短時間で施設が使用可能となる。また、
(2)の性質により、運動時に地面から受ける衝撃によ
り身体に故障を生じたり、転んだ際にケガをするのを防
止することができる。さらに、(3)の性質により、降
雨の少ない時期にも土埃りが立ちにくくなり、施設使用
者が快適に使用できるのみならず、周辺地域への飛散も
避けることができる。
【0007】上記(1)〜(3)のような性質は、表層
土が団粒構造を有する場合に得ることができる。団粒構
造とは、土壌を構成する粒子が集まってミリ単位の塊を
形成し、塊相互の間に隙間(気相、水相)が形成された
状態をいう。これに対し、土を構成する粒子が上記のよ
うな塊を形成せず、相互に密に接触して固結し、粒子間
に隙間がほとんど形成されていない状態を単粒構造とい
い、土壌が団粒構造から単粒構造に変化することを劣化
という。劣化した土壌を掘削し、攪拌するだけでも、団
粒構造は形成されるが、そのような団粒構造は一般的に
は非常に不安定であり、気象条件等にもよるが、長くと
も数ヶ月の内には再び劣化してしまうのが通常である。
【0008】従来の屋外施設は、外部で採取し、運搬し
てきた真砂土等の自然土をそのまま敷き詰めたものがほ
とんどであったため、施工当初は、土壌が団粒構造を有
しており、透水性、弾力性、保水性共に優れるものの、
降雨や積雪等に頻繁にさらされているうちに表層土が劣
化し、上記(1)〜(3)の性質を失うという問題があ
った。
【0009】従って、良好な状態を維持しようとすれ
ば、一定期間毎に改修工事が必要となるが、上記のよう
な自然土を用いた屋外施設の改修工事には、膨大な費用
がかかるのみならず、様々な問題が伴うことになる。
【0010】まず、掘削して廃棄される劣化土は産業廃
棄物として処理されるのであるが、その廃棄場所が大幅
に不足しているのが現状である。一方で、良質な自然土
は長年の採取で枯渇し、今日では極めて入手困難となっ
ている。我が国は、国土が狭いために、これらの問題が
すでに深刻となっているが、仮に良質な自然土や劣化土
の廃棄場所が十分にあったとしても、自然土の採取や劣
化土の廃棄は、一定限度を超えると必然的に自然破壊を
引き起こすため、安易に行うべきではない。
【0011】さらに、改修工事に際しては、ダンプカー
等の大型車両が現場に頻繁に出入りし、その騒音や排気
ガス等により付近の環境を悪化させ、住民に迷惑をかけ
るという問題もある。
【0012】従って、施工当初の団粒構造を維持して、
優れた透水性や弾力性を長く持続させることができれ
ば、上記諸問題を解決、あるいは大幅に軽減することが
でき、自然環境の保全にも寄与することができる。
【0013】ところで、上記のように当初は団粒構造を
有していた表層土が劣化する主要な原因の一つは、表面
又は地中2〜3cmのところに、シルト及び粘土の懸濁
が堆積して、目詰まりを生じ、クラストを形成すること
であると考えられている。
【0014】そのメカニズムは、八幡敏雄著「土壌の物
理」(東大出版、1975年出版)によれば、次の通り
である。
【0015】すなわち、降り始めの雨滴は地面の表層に
並ぶ土粒子の集合体をたたき、揺さぶりをかけるととも
に、それを急速に水浸しにすることによってスレーキン
グを起こさせ、粒子相互の結合をゆるめる仕事をする
(スレーキングというのは、乾いた土塊を急激に水に浸
したとき、土塊の外側がいち早く飽和し、そのため内部
に空気が閉じ込められ、その圧によって土塊が崩れる現
象である)。引き続く雨滴は以後の打撃によって地表の
表層に厚さの極めて薄い、やや目詰まりしたクラストを
つくる。これが原因となって、侵入が少々衰え、地面に
雨水がたまり気味になる。そこへ、さらに降ってくる雨
滴が雨水と分散した土粒子とを混ぜ合わせる。こうし
て、そこに大部分の懸濁質がシルト・粘土であるところ
の懸濁水ができあがる。そして、それが細かい亀裂やク
ラストの薄い部分などから土壌層の内部へと流れ込んで
いくものと考えられる。
【0016】以上のことから、施工当初の土壌の団粒構
造を長く保持するためには、団粒構造を耐水性にし、降
雨等による水の影響を最小限にとどめることが重要であ
るのが分かる。
【0017】土壌の団粒化方法やそのための土壌改良材
は、これまでにも提案されているが、従来の方法では団
粒化の状態にムラがあったり、団粒構造の持続性が不十
分であったりして、実用化されているもので満足のいく
ものは未だないのが実状である。その理由の一つとし
て、理想的な団粒構造を形成することは実験室レベルで
は比較的容易であるが、屋外施設の施工では大量の土壌
の処理が要求され、設備や費用の面で様々な制約を受け
ることが挙げられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたものであり、緻密でムラのない構造を有し、
かつ降雨等によって水に接触しても容易には劣化せず持
続性のある団粒構造、すなわち耐水性団粒構造を土壌に
付与する方法を提供することを目的とする。また、それ
に用いられる団粒構造安定化材、及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の団粒構造安定
化材の製造方法は、土壌に持続性のある団粒構造を付与
するために用いられる団粒構造安定化材の製造方法であ
って、上記の課題を解決するために、以下の工程からな
る。
【0020】(1)上水汚泥を脱水・乾燥して得られる
脱水ケーキを解砕する工程 (2)工程(1)で得られた脱水ケーキ解砕物を、団粒
化篩選別機に投入し、団粒化しながら篩い選別すること
により、粒径が所定値以下の安定化材原料を得る工程 (3)工程(2)で得られた安定化材原料を、粒径が所
定値以下の多孔性材料と混合し、混練機で混練する工
程。
【0021】上記団粒構造安定化材の製造方法において
は、工程(2)で、2個の電磁波振動機を有する団粒化
篩選別機を用い、これら2個の電磁波振動機の周波数を
同一にすることが好ましい(請求項2)。
【0022】また、工程(1)で得られた脱水ケーキ解
砕物は、必要に応じ、前記工程(2)の前又は工程
(2)と同時に、マイクロプラズマ装置で照射する(請
求項3)。
【0023】工程(3)で用いられる多孔性材料として
は、粒径約5mm以下の多孔性砂を用いることができる
(請求項4)。
【0024】請求項5の団粒構造安定化材は、上記いず
れかの方法により製造されたものである。
【0025】請求項6の土壌の団粒化方法は、以下の工
程からなる。
【0026】(1)掘削土を団粒化篩選別機に投入し、
団粒化しながら篩い選別することにより、団粒構造を有
し、粒径が所定値以下の団粒構造土を得る工程 (2)工程(1)で得られた団粒構造土を団粒構造安定
化材と混合し、混練機で混練する工程。
【0027】上記土壌の団粒化方法においては、工程
(2)で、2個の電磁波振動機を有する団粒化篩選別機
を用い、これら2個の電磁波振動機の周波数を同一にす
ることが好ましい(請求項7)。
【0028】また、掘削土は、必要に応じ、工程(1)
の前又は工程(1)と同時に、マイクロプラズマ装置で
照射する(請求項8)。
【0029】団粒構造安定化材としては、上記の方法に
より得られた本発明の団粒構造安定化材が好適に用いら
れる(請求項9)。
【0030】
【発明の実施の形態】1.団粒構造安定化材及びその製
造方法 本発明の団粒構造安定化材は、上水(浄水)汚泥と多孔
性材料から次のような工程により得られる。
【0031】(1)上水汚泥の脱水・乾燥工程 上水汚泥とは、浄水場で原水に硫酸アルミニウムやポリ
塩化アルミニウム等の凝集剤と凝集補助剤を添加して浮
遊物を凝集・沈殿させたものである。
【0032】この上水汚泥を、加圧等により脱水して脱
水ケーキとし、これを天日乾燥等の手段によりさらに脱
水・乾燥する。その後、好ましくは屋外に引きならし、
太陽光に曝して、紫外線による滅菌(低温殺菌)及びさ
らなる乾燥を行う。
【0033】脱水・乾燥後の脱水ケーキは、貯蔵庫に貯
蔵し、必要量を適宜使用することができる。
【0034】上記により得られた脱水ケーキは、解砕機
等で適当な大きさに解砕した後、次の団粒化篩選別工程
に供する。
【0035】その際、好ましくは、マイクロプラズマ
(遠赤外線)装置で数秒間照射し、約70〜80℃に達
するまで加熱することにより、滅菌(高温殺菌)及び雑
草種子滅去処理を行う。遠赤外線は浸透性に優れるの
で、短時間の照射で表面のみならず内部まで加熱でき、
効果的な滅菌・種子滅去処理を行うことができる。この
処理は、独立した工程として行ってもよいが、次に述べ
る団粒化篩選別工程と同時に行って工程を簡略化するこ
ともできる。
【0036】(2)脱水ケーキの団粒化篩選別工程 次に、上記により得られた脱水ケーキ(解砕物、以下同
様)を団粒化しつつ、篩い分ける。そのような処理は、
例えば次のような団粒化篩選別機を用いることにより可
能となる。
【0037】図1は、団粒化篩選別機の模式側面図であ
り、図2は、同正面図である。
【0038】図1に示すように、本装置は符号1〜3で
表された3枚の篩を有し、符号4,5で表された2個の
電磁波振動機によって全体が振動するようになされてい
る。本装置は符号7〜9で表された合計4個のスプリン
グ(1個は図示せず)を介して支持枠(図示せず)に取
り付けられている。
【0039】篩1〜3は、上方のものから下方のものへ
と順に網目が細かくなっており、それぞれ斜めに設けら
れている。従って、投入口6から投入された脱水ケーキ
は、篩1〜3によって大きい粒子から順に除外されてB
に集められ、最終的に篩3を通過した粒子がAに集めら
れる。
【0040】Aに集められた粒子は次の混練団粒化工程
に供され、除外されてBに集められた粒子は、解砕機で
解砕した後、団粒化篩選別機に再度投入される。Bに集
められる粒子は、解砕及び再投入する操作を繰り返し、
脱水ケーキをなるべく有効に利用するのが好ましい。
【0041】Aに集められ、次工程に供される粒子の好
ましい粒径は、団粒構造安定化材の用途にもよるが、通
常は3〜7mm以下であり、最も一般的には約5mm以
下である。従って、篩1〜3の網目の形状及び大きさ
も、得ようとする粒子の用途及び粒径によって決定され
るが、一例を挙げれば、篩1が35〜30mm角、篩2
が30〜10mm角、篩3が10〜8mm角、2〜1m
m角又は2mmハープ(長溝)である。
【0042】なお、篩の数は上記の例では3枚である
が、これに限定されない。具体的には、上記した篩効果
と団粒化効果が共に得られる範囲で適宜変更することが
できるが、少なすぎると上記効果が十分に得られず、多
すぎると作業効率が低下するので一般的には3〜5枚の
範囲が好ましい。
【0043】上記のような構成を有する団粒化篩選別機
においては、脱水ケーキが振動を受けて篩を順に通過す
る間に団粒化が進行する。発明者が繰り返し実験を行っ
た結果、特に、2個の電磁波振動機の周波数を同一にし
た時に、良好な状態の団粒構造が得られることが分かっ
た。これは2個の振動機間で共振が生じて振幅が増大
し、結合を促進するためであると考えられる。
【0044】(3)混練団粒化工程 次に、上記で得られた安定化材原料を、所定粒径以下の
多孔性材料と所定の割合で混合し、混練機で混練する。
【0045】多孔性材料は、上記により得られた団粒構
造の安定化材原料が相互に付着し合って単粒構造に戻る
のを防止する働きをする。多孔性材料の例としては、砂
(但し、多孔性のもの)、軽石、シラス等が挙げられ
る。中でも安価かつ入手が容易な点で、粒径調整した洗
い砂が好適に用いられる。
【0046】多孔性材料の粒径は、団粒構造安定化材の
用途により異なるが、通常は3〜7mm以下であり、最
も一般的には約5mm以下である。
【0047】上記安定化材原料と多孔性材料は、通常は
ベルトコンベヤでそれぞれ搬送して混練機に供給する。
従って、それぞれの供給量(ベルトコンベヤの速度)を
配合処方に従いインバータ制御することにより正確に配
合することができる。配合割合は、上水汚泥の成分、水
分含量、多孔性材料の種類等により異なるが、おおよそ
の目安としては、浄水汚泥100重量部に対して、多孔
性材料10〜40重量部の範囲である。
【0048】本発明で用いられる混練機は、例えば、2
本の回転翼が平行に設けられ、互いに逆方向に回転する
ようになされたものである。このような混練機で混練し
つつ、振動を与えることにより、団粒化がさらに進行す
る。特に、これら2本の回転翼を同一の回転数で回転さ
せた場合に団粒化がより促進される。これも共振現象に
より振動が増幅されるためであると考えられる。
【0049】上記篩選別工程及び混練工程において振動
を受けて起こる団粒化の過程には、複雑な機構が絡んで
いるはずであるが、主として、次のような反応が起こっ
ていると考えられる。
【0050】脱水ケーキは、単粒構造をなす劣化土と同
様の凝集状態にあるが、これは脱水ケーキ中の粘土の主
成分である二酸化珪素とアルミナが水分子を介して相互
に結合しているためと考えられる。この凝集状態を破壊
して、種々の粒径の粒子となったものを篩い分けるので
あるが、その間、これに連続的な振動を加えることによ
り、やはり水分子の介在により二酸化珪素とアルミナと
が徐々に結合し、粘土粒子は内部に気相(空隙)を含ん
だ塊まり、すなわち団粒構造となる。ただし、この段階
の団粒構造は耐水性をもたず、例えば圧力を加えること
によって比較的容易に破壊されるものである。
【0051】一方、脱水ケーキ中に存在する酸化カルシ
ウムは水和反応により消石灰に変化し、Ca2+イオン
とOHイオンとに解離する。このCa2+イオンが粘
土表面に吸着し、粘土粒子同士の結合、団粒化をさらに
促進させる。
【0052】次に粘土粒子表面に吸着したCa2+イオ
ンが粘土中に存在する他の陽イオン(Na、K等)
と交換するイオン交換反応が起こる。
【0053】さらに、粘土を構成する上記二酸化珪素及
びアルミナが、イオン交換反応により遊離したCa2+
と反応し、耐水性のあるケイ酸カルシウム水和物、アル
ミン酸カルシウム水和物、ケイ酸カルシウムアルミネー
ト水和物を生じる(ポゾラン反応)ことにより、水にさ
らされても団粒構造が保持される、耐水性団粒構造安定
化材が得られると考えられる。
【0054】以上述べた方法により得られる本発明の団
粒構造安定化材は、ムラのない団粒構造を有し、耐水性
に優れたものとなる。これは、上記のように二段階の工
程を経て団粒化を行うためであり、その際に十分な振動
が与えられるためであると考えられる。上記団粒構造の
形成に関わる各反応は固相反応であるため、反応の促進
には十分な振動を与えることが必要だからである。そし
て、上記したような電磁波振動の共振が、十分な振動を
与える上で有効であると考えられる。
【0055】2.土壌の団粒化方法 本発明の土壌の団粒化方法は、掘削土を団粒化篩選別工
程と混練団粒化工程との二段階で団粒化することを特徴
とする。
【0056】(1)掘削土の団粒化篩選別工程 本発明で用いる掘削土とは、通常は、施工現場あるいは
その周辺から掘削した単粒構造を有する劣化土である。
【0057】掘削土は、好ましくは、上記脱水ケーキと
同様に、マイクロプラズマ装置で照射して加熱すること
により、滅菌及び雑草種子滅去を行う。
【0058】掘削土の団粒化篩選別は、上記脱水ケーキ
の団粒化篩選別と同様にして行うことができる。団粒化
篩選別機としては、上記の図1を用いて説明したものが
使用できる。団粒化篩選別によって得る団粒構造土粒子
の粒径は、その用途にもよるが、通常は約3〜7mm以
下とし、最も一般的には約5mm以下とする。
【0059】(2)混練団粒化工程 工程(1)で得られた所定の粒径以下の団粒構造掘削土
を団粒構造安定化材と混合し、混練機で混練して団粒化
する。団粒構造安定化材としては、好ましくは上記工程
により得られる本発明の団粒構造安定化材を用いる。団
粒構造掘削土と団粒構造安定化材は、通常は、上記と同
様、ベルトコンベヤで搬送して混練機に供給し、それぞ
れの供給量を配合処方に従いインバータ制御する。配合
割合は、主に掘削土の成分、水分含量等により決められ
るが、おおよその目安としては、掘削土100重量部に
対して、団粒構造安定化材10〜40重量部の範囲であ
る。
【0060】混練機は、上記団粒構造安定化材の製造で
述べたのと同様のものを用いることができ、好ましくは
2本の回転翼の回転数を同一にする。
【0061】上記した本発明の団粒化方法では、次のよ
うな機構で耐水性団粒構造が形成されると考えられる。
【0062】まず、団粒化篩選別工程で、単粒構造をな
す土塊が振動を受けて分解され、それと共に水分子の介
在により土粒子中の二酸化珪素とアルミナとの結合が進
み、団粒構造が形成される。
【0063】次に混練団粒化工程で、団粒構造安定化材
を混合して、混練しつつ振動を与えることにより、上記
により得られた団粒構造土と団粒構造安定化材とが遊離
のCa2+等を介して結合し、上記と同様のイオン交換
反応及びポゾラン反応を経て、耐水性団粒構造土が得ら
れると考えられる。
【0064】上記により得られる本発明の団粒構造土
は、ムラのない団粒構造を有し、耐水性に優れたものと
なる。これは上記団粒構造安定化材と同様に振動を与え
つつ、二段階の団粒化工程を経て得られるためであると
考えられる。
【0065】しかも、本発明の団粒構造安定化材を用い
た場合、団粒構造安定化材自体も耐水性団粒構造を有す
るので、これと掘削土の土粒子とが一緒になってさらに
高次の耐水性団粒構造を形成することにより、透水性、
弾力性、保水性等の諸性質が極めて良好な土壌を得るこ
とが可能となる。
【0066】なお、上記した団粒構造安定化材の製造方
法及び土壌の団粒化方法の一連の工程は、マイクロプラ
ズマ装置、団粒化篩選別機、混練機等の必要な装置を適
当な位置に設置し、各装置間をベルトコンベアで接続し
てなる移動式のプラントで連続的に行うことができる。
従って、施工現場にそのようなプラントを設置し、掘削
した土をその場で処理することにより、良質の団粒構造
土を容易に得ることができる。よって、劣化土の廃棄問
題、良質な自然土の枯渇問題、施工の際の周辺地域の騒
音問題等の解決手段としても極めて有効である。
【0067】
【実施例】1.団粒構造安定化材の製造 加圧脱水したのち天日乾燥した上水汚泥(脱水ケーキ)
を解砕機(大平洋機工(株)製、ミニファイザー)で解
砕し、ホッパーに投入して、マイクロプラズマ装置(エ
コマック型マイクロプラズマ)付の団粒化篩選別機(荏
原工機(株)製、エコマック・モノレイア型)で遠赤外
線照射しながら団粒化篩選別し、粒径5mm以下の安定
化材原料を得た。
【0068】上記安定化材原料を粒径5mm以下の粒度
調整洗い砂と混合し、混練機(エコマック・モノレイア
型)で混練し、団粒構造安定化材を得た。
【0069】上記において、上水汚泥と洗い砂をそれぞ
れ運搬するベルトコンベアのスピードをインバータ制御
により調整し、両者の配合比率が重量比で100:20
となるようにした。
【0070】2.土壌の団粒化 山東産真砂土をホッパーに投入して、上記マイクロプラ
ズマ装置付の団粒化篩選別機で遠赤外線照射しながら団
粒化篩選別し、粒径5mm以下の団粒構造掘削土を得
た。
【0071】この団粒構造掘削土を上記により得られた
団粒構造安定化材と混合し、上記混練機で混練して、耐
水性団粒構造結合土を得た。
【0072】上記において、団粒構造掘削土と団粒構造
安定化材をそれぞれ運搬するベルトコンベアのスピード
をインバータ制御により調整し、両者の配合比率が重量
比で80:20となるようにした。
【0073】本発明による団粒構造結合土の耐水性を評
価するために、以下の試験を行った。
【0074】[実施例1]上記により得られた団粒構造
結合土を縦15mm、横15mm、高さ10mmの型に
入れ、突き固めて型から取り出して複数の試料を形成
し、それらの重量を測定して平均値を求めた。
【0075】上記試料を金網に載せて水に漬け、所定の
時間毎に引き上げて崩壊しないで残った部分をフライパ
ンで加熱して乾燥させ、重量を測定した。結果を表1に
示す。
【0076】[比較例1]上記山東産真砂土のみを用い
て実施例1と同様にして試料を作成した。この試料につ
き、実施例1と同様にして水に漬けて崩壊性を調べたと
ころ、瞬時に全体が崩壊するのが認められた。
【0077】[比較例2]上記で用いた脱水ケーキ解砕
物を手作業で篩い分け、粒径5mm以下のものを得た。
これを上記山東産真砂土と混合し、混練機で混練して団
粒構造結合土を得た。
【0078】得られた団粒構造結合土を用いて実施例1
と同様にして試料を作成した。この試料につき、実施例
1と同様にして水に漬けた場合の崩壊性を調べた。結果
を表1に示す。
【0079】
【表1】
【0080】なお、実施例1のものについては、24時
間経過後においても、10分経過後とほぼ同じ重量を保
持していることが確認された。
【0081】
【発明の効果】請求項1の製造方法によれば、ムラのな
い構造を有し、耐水性に優れた団粒構造安定化材が得ら
れる。
【0082】請求項2の製造方法によれば、団粒化が促
進されて、より良質の団粒構造安定化材が得られる。
【0083】請求項3の製造方法によれば、脱水ケーキ
中の雑菌が滅菌され、また雑草種子の生育可能性を絶つ
ことができる。
【0084】請求項4の製造方法によれば、団粒構造安
定化材の団粒構造をより安定化し、保水性も高めること
ができる。
【0085】請求項5の団粒構造安定化材によれば、透
水性、弾力性、保水性等の諸性質に優れ、水によって劣
化しない団粒構造土が得られる。
【0086】請求項6の土壌の団粒化方法によれば、ム
ラのない構造を有し、耐水性に優れた団粒構造土が得ら
れる。
【0087】請求項7の団粒化方法によれば、団粒化が
促進されて、より良質の団粒構造土が得られる。
【0088】請求項8の団粒化方法によれば、掘削土中
の雑菌が滅菌され、また雑草種子の生育可能性を絶つこ
とができる。
【0089】請求項9の団粒化方法によれば、上記各特
長が顕著に表れた団粒構造土が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】団粒化篩選別機の模式側面図である。
【図2】団粒化篩選別機の模式正面図である。
【符号の説明】
1〜3……篩 4,5……電磁波振動機 6 ……投入口 7〜9……スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09K 103:00 E01C 13/00 A Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐水性をもつ団粒構造を土壌に付与するた
    めに用いられる団粒構造安定化材の製造方法であって、
    以下の工程からなることを特徴とする製造方法。 (1)上水汚泥を脱水・乾燥して得られる脱水ケーキを
    解砕する工程 (2)工程(1)で得られた脱水ケーキ解砕物を、団粒
    化篩選別機に投入し、団粒化しながら篩い選別すること
    により、粒径が所定値以下の安定化材原料を得る工程 (3)工程(2)で得られた安定化材原料を、粒径が所
    定値以下の多孔性材料と混合し、混練機で混練する工程
  2. 【請求項2】前記工程(2)で、2個の電磁波振動機を
    有する団粒化篩選別機を用い、これら2個の電磁波振動
    機の周波数を同一にすることを特徴とする、請求項1に
    記載の団粒構造安定化材の製造方法。
  3. 【請求項3】前記工程(1)で得られた脱水ケーキ解砕
    物を、前記工程(2)の前又は工程(2)と同時に、マ
    イクロプラズマ装置で照射することを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の団粒構造安定化材の製造方法。
  4. 【請求項4】前記工程(3)で用いられる多孔性材料が
    粒径約5mm以下の多孔性砂であることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の団粒構造安定化材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法
    により製造された団粒構造安定化材。
  6. 【請求項6】以下の工程からなることを特徴とする、土
    壌の団粒化方法。 (1)掘削土を団粒化篩選別機に投入し、団粒化しなが
    ら篩い選別することにより、粒径が所定値以下の団粒構
    造土を得る工程 (2)工程(1)で得られた団粒構造土を団粒構造安定
    化材と混合し、混練機で混練する工程
  7. 【請求項7】前記工程(2)で、2個の電磁波振動機を
    有する団粒化篩選別機を用い、これら2個の電磁波振動
    機の周波数を同一にすることを特徴とする、請求項6に
    記載の団粒構造安定化材の製造方法。
  8. 【請求項8】前記掘削土を、前記工程(1)の前又は工
    程(1)と同時に、マイクロプラズマ装置で照射するこ
    とを特徴とする、請求項6又は7に記載の土壌の団粒化
    方法。
  9. 【請求項9】前記団粒構造安定化材として請求項5に記
    載のものを用いることを特徴とする、請求項6〜8のい
    ずれか1項に記載の土壌の団粒化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007070818A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Haikuree:Kk 土系保水性舗装材および土系保水性舗装面の舗装方法
JP2010275781A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Towa Sports Shisetsu Kk グラウンド用土壌

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