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JP2002069189A - ポリオルガノシロキサンエマルジョン及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンエマルジョン及びそれを含有する化粧料

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Publication number
JP2002069189A
JP2002069189A JP2000254147A JP2000254147A JP2002069189A JP 2002069189 A JP2002069189 A JP 2002069189A JP 2000254147 A JP2000254147 A JP 2000254147A JP 2000254147 A JP2000254147 A JP 2000254147A JP 2002069189 A JP2002069189 A JP 2002069189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
emulsion
group
polyorganosiloxane
polymerization
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000254147A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Shikanuma
浩二 鹿沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GE Toshiba Silicones Co Ltd filed Critical GE Toshiba Silicones Co Ltd
Priority to JP2000254147A priority Critical patent/JP2002069189A/ja
Publication of JP2002069189A publication Critical patent/JP2002069189A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乳化重合反応のコントロール性に極めて優
れ、エマルジョンの安定性にも優れたエマルジョンを提
供する。 【解決手段】(A)シラノール基末端ポリジオルガノシ
ロキサン、及び/又は環状ポリジオルガノシロキサンと
(B)一般式(III) 【化1】 (式中、R3は前記R1と同義であり、R4はR3もしくは
アルコキシ基であり、R 5はアルコキシ基であり、式(I
II)中のa、bは、式(III)中の(全アルコキシ基)
/(アルコキシ基以外の全置換基数)の割合を1/1〜
1/100とする値であり、a+bは1〜1000であ
る)で示されるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物と
を、(B)/(A)で示される両者の重量平均混合比が
1/2000〜1/2となり、且つ(A)、(B)全体
の(全アルコキシ基)/(アルコキシ基以外の全置換基
数)の割合が1/20000〜1/300となるように
混合し、(C)界面活性剤の存在下に水中で乳化重合さ
せてポリオルガノシロキサンエマルジョンを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化重合によって
得られる高分子量のポリオルガノシロキサンを含有する
エマルジョンと該高分子量ポリオルガノシロキサンエマ
ルジョンを用いる化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】低分子量シロキサン、特に環状シロキサ
ンオリゴマーを、界面活性剤、重合触媒および水ととも
に乳化状態に分散させて開環重合させて、シリコーンオ
イルからシリコーン生ゴムに至る広い粘度範囲の高分子
量ポリオルガノシロキサンを含有するエマルジョンを製
造することができる。たとえば、低分子量シロキサンを
乳化させた後、強酸または強アルカリ触媒を添加して乳
化重合させる方法(特公昭34−2041号公報)、低
分子量シロキサンを、触媒活性を有する界面活性剤を用
いて乳化させるとともに重合させる方法(特公昭43−
18800号公報)などが提案されている。また、特公
昭54−19440号公報には、塩型のアニオン性界面
活性剤の水溶液中にオルガノシロキサン類を加えて乳化
し、得られたエマルジョンを酢酸型カチオン交換樹脂と
接触させて、界面活性剤を酸型に変換することにより、
該ポリオルガノシロキサン類を重合させる方法が開示さ
れている。
【0003】さらに、特公昭41−1399号公報およ
び特公昭44−20116号公報には、脂肪族炭化水素
基で置換されたベンゼンスルホン酸およびナフタレンス
ルホン酸、脂肪族炭化水素スルホン酸ならびにシリルア
ルキルスルホン酸から選ばれる、界面活性を有するスル
ホン酸触媒の存在下に、オルガノシロキサン類とシラノ
ール基含有ジシルカルバンとを、水性溶媒中で乳化重合
させる方法が開示されている。また、分子鎖末端がシラ
ノール基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンを、こ
れらの界面活性を有する触媒とともに高圧ホモジナイザ
ーで乳化した後、室温に放置して重合させることが開示
されている。また、特開昭63−265924号公報お
よび特開平4−178429号公報には、出発原料とし
て分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたポリジオルガ
ノシロキサンを用い、乳化重合によって高分子量ポリオ
ルガノシロキサンを含有するエマルジョンを製造するこ
とが開示されている。また、用いる界面活性剤について
も、種々の研究がなされている。
【0004】一方、特開平6−49210号公報には、
分子鎖両末端水酸基封鎖オルガノポリシロキサンを用い
た乳化重合における反応時間短縮を目的として、鎖伸長
剤としてアルコキシ基含有シロキサンオリゴマー化合物
を併用することが提案されている。しかしながら、本発
明者等の追試によれば、この方法では、粘度が高いポリ
オルガノシロキサンエマルジョンを製造するのは困難で
あり、また反応の制御も難しく、容易にゲル化してしま
い、エマルジョンの安定性が悪いという問題がある。
【0005】また、特開平9−132646号公報に
は、ゲルのないマイクロエマルジョンを製造するため
に、環状シロキサンと多官能性シランを望みの分子量増
加が得られるまで共重合する共に、シラン濃度とシラノ
ール濃度を特殊な方法で制御することを開示している。
しかしながら、反応の管理が煩雑であり、汎用的な方法
とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳化
重合反応のコントロール性に極めて優れ、エマルジョン
の安定性にも優れたエマルジョンを提供することであ
る。本発明のもうひとつの目的は、このようなエマルジ
ョンを含んでなる化粧料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討した結果、シラノール基末端ポリ
ジオルガノシロキサン、及び/又は、環状ポリジオルガ
ノシロキサンと共に、特定のアルコキシ基含量を有する
特定のアルコキシ基含有有機ケイ素化合物とを、特定の
比率で混合し、乳化重合させることにより、上記目的が
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、 (A) 一般式 HO[(R12SiO]mH (I) (式中、R1はたがいに同一になっても異なっていても
良い、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、m
は成分(I)の25℃における粘度を10〜100,0
00cSt にする値である)で示されるシラノール基末端
ポリジオルガノシロキサン、及び/又は 一般式 [(R22SiO]n (II) (式中、R2は前記R1と同義であり、nは3〜6の整数
である)で示される環状ポリジオルガノシロキサンと
(B)一般式(III)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R3は前記R1と同義であり、R4
はR3もしくはアルコキシ基であり、R 5はアルコキシ基
であり、式(III)中のa、bは、式(III)中の(全ア
ルコキシ基)/(アルコキシ基以外の全置換基数)の割
合を1/1〜1/100とする値であり、a+bは1〜
1000である)で示されるアルコキシ基含有有機ケイ
素化合物とを、(B)/(A)で示される両者の重量平
均混合比が1/2000〜1/2となり、且つ(A)、
(B)全体の(全アルコキシ基)/(アルコキシ基以外
の全置換基数)の割合が1/20000〜1/300と
なるように混合し、(C)界面活性剤の存在下に水中で
乳化重合させて得られるポリオルガノシロキサンエマル
ジョン、及び該ポリオルガノシロキサンエマルジョンを
含有する化粧料である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でポリオルガノシロキサンを与えるモノマーとし
て使用する成分(A)は、分子鎖末端がシラノール基で
封鎖されたポリジオルガノシロキサンであって、一般式
(I)で示されるものである。このポリジオルガノシロ
キサンは、以下において、α,ω−ジヒドロキシポリジ
オルガノシロキサンと呼ぶことがある。また、このポリ
オルガノシロキサンは、最終重縮合反応産物であるポリ
オルガノシロキサンに対してモノマーの関係に立つか
ら、その重合度は最終重縮合産物のそれよりも低く、オ
リゴジオルガノシロキサンということもできる。
【0012】成分(A)である、分子鎖末端がシラノー
ル基で封鎖されたポリジオルガノシロキサンは、乳化重
合の主原料である。その分子構造は、一般式(I)で示
されるように直鎖状であるが、分子鎖末端がシラノール
基で封鎖されたものでさえあれば、一部に分岐構造が含
まれていてもよい。mは、25℃における該ポリジオル
ガノシロキサンの粘度を10〜100,000cSt 、好
ましくは15〜10,000cSt 、特に好ましくは20
〜3,000cSt の範囲にする値のものである。すなわ
ち、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンの粘度が
10cSt 未満のものは、安定に合成し、精製することが
困難であり、100,000cSt を越えると乳化が困難
になる。なお、mはケイ素原子に結合したR1の種類や
その相互の比率によっても異なる。たとえば、最も好ま
しいポリジメチルシロキサンの場合、mは8〜500の
範囲である。
【0013】式(I)において、ケイ素原子に結合する
1としては、(1)炭素数1〜30、好ましくは1〜
10、のアルキル基、たとえば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシルなど、
(2)炭素数4〜7、好ましくは6、のシクロアルキル
基、たとえば、シクロヘキシルなど、(3)炭素数2〜
8、好ましくは2〜3、のアルケニル基、たとえば、ビ
ニル、アリルなど、(4)アラルキル基、特にアリール
部分がフェニルまたは低級アルキル(C4程度まで)置
換フェニルで、アルキル部分がC4程度までのもの、た
とえば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルな
ど、(5)アリール基、特にフェニルまたは置換フェニ
ル(置換基は、たとえばC4程度までのアルキル基)、
たとえば、フェニル基、トリル基など、および(6)置
換炭化水素基、特に置換基がハロゲンであるもの、たと
えば、3,3,3−トリフルオロプロピルなど、(7) ア
ミノ基置換アルキル基、たとえば3−アミノプロピル、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルなど、
が例示される。乳化重合によって得られる高分子量ポリ
オルガノシロキサンが、表面張力が低くて塗布したとき
に広がりがよく、伸び、撥水性、つやなどが優れ、また
生理活性がないことから、分子中のR1の85%以上が
メチル基であることが好ましく、実質的にすべてがメチ
ル基であることが特に好ましい。従って、成分(A)と
して好ましいものは、α,ω−ジヒドロキシポリ(ジメ
チルシロキサン)、およびそのジメチルシロキサン単位
の一部がメチルエチルシロキサン単位、メチルヘキシル
シロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、ジフ
ェニルシロキサン単位などで置換された共重合ポリシロ
キサンである。これらのうちでも、α,ω−ジヒドロキ
シポリ(ジメチルシロキサン)が特に好ましい。
【0014】このようなシラノール基末端ポリジオルガ
ノシロキサンは、たとえば、ジメチルジクロロシランを
加水分解して重縮合させることによって合成されたもの
が好ましい。希望するならば、たとえば、水を末端停止
体として、硫酸のような酸性触媒、または水酸化カリウ
ム、カリウムシラノラートのようなアルカリ性触媒の存
在下に、対応する環状シロキサンオリゴマーを開環重合
させて合成したものであっても良い。
【0015】また、本発明では、(A)成分として、一
般式 [(R22SiO]n (II) (式中、R2は前記R1と同義であり、nは3〜6の整数
である)で示される環状ポリジオルガノシロキサンを単
独でまたは複数使用してもよい。なお、前記分子鎖末端
シラノール基封鎖ポリジオルガノシロキサンと環状ポリ
ジオルガノシロキサンを共に用いてもよい。
【0016】併用する場合の混合比率は特に限定されな
いが、(分子鎖末端シラノール基封鎖ポリジオルガノシ
ロキサン)/(環状ポリジオルガノシロキサン)の割合
(重量比)を1/10〜10/1とするのが好ましい。
【0017】このような混合比率となるものとしては、
たとえばジメチルジクロロシランを加水分解して得られ
る分子鎖末端シラノール基封鎖ポリジオルガノシロキサ
ンと環状ポリジオルガノシロキサンの混合物が挙げられ
る。本発明で得られる乳化重合エマルジョン中の環状ポ
リジオルガノシロキサン含有量を少なくしたい場合に
は、分子鎖末端シラノール基封鎖ポリジオルガノシロキ
サンを単独で使用することもできる。
【0018】次に、本発明で用いられる成分(B)は、
前記一般式(III)で示されるものである。
【0019】ここで、一般式(III)中、R3は前記R1
と同義であり、R4はR3もしくはアルコキシ基であり、
5はアルコキシ基である。
【0020】また、式(III)中のa、bは、式(III)
中の(全アルコキシ基)/(アルコキシ基以外の全置換
基数)の割合を1/1〜1/100とする値であり、a
+bは1〜1000である。
【0021】本発明は、(B)成分と前記(A)成分と
を、(B)/(A)で示される両者の重量平均混合比が
1/2000〜1/2となり、且つ(A)、(B)全体
の(全アルコキシ基)/(アルコキシ基以外の全置換基
数)の割合が1/20000〜1/300となるように
混合することを特徴とするものである。
【0022】ここで、式(III)中の(全アルコキシ
基)/(アルコキシ基以外の全置換基数)の割合が1/
1よりも大きくなると、(B)成分のみの重合反応が起
こりやすく、また1/100よりも小さい場合は架橋剤
としての効果が小さくなる。好ましい範囲は1/2〜1
/80である。また、a+bは1〜1000の範囲であ
るが、(B)成分の製造のし易さから、好ましくは5〜
300の範囲である。
【0023】また、(B)/(A)で示される両者の重
量平均混合比が1/2000よりも小さいと高分子量ポ
リオルガノシロキサンポリマーを含有するエマルジョン
の製造が難しくなり、また1/2よりも大きくなると使
用する(B)成分量が多くなり製造コストが増加する。
好ましい両者の重量平均混合比は1/1000〜1/5
の範囲である。更に、(A)、(B)全体の(全アルコ
キシ基)/(アルコキシ基以外の全置換基数)の割合も
重要であり、1/20000よりも小さいと、乳化重合
後のポリマー粘度上昇が少なく、1/300よりも大き
くなると、エマルジョン中にゲルが生成し易くなる。好
ましい範囲は、1/10000〜1/500である。
【0024】本発明で用いられる成分(C)の界面活性
剤は、成分(A)、成分(B)を水中に乳化させるため
に必要な成分であり、これには、非イオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤また
は両性界面活性剤がある。
【0025】非イオン系界面活性剤としては、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン
アルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアル
キルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキ
ルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ジエチレングリコール等が例示される。
【0026】アニオン系界面活性剤としては、ヘキシル
ベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デ
シルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンス
ルホン酸のようなアルキルベンゼンスルホン酸及びこれ
らの塩、各種ポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫
酸エステル、アルキルナフチルスルホン酸等のナトリウ
ム塩、カリウム塩またはアミン塩等が例示される。
【0027】カチオン系界面活性剤としては、オクチル
トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメ
チルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジ
ルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジル
アンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、牛脂トリメチルアンモニウムヒドロ
キシド、ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドの
ような第4級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの
塩が例示される。
【0028】両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベ
タイン酸型界面活性剤が例示される。
【0029】また、成分(C)は、このような乳化剤と
して機能する他に、成分(A)に対する重合用触媒とし
ても機能しうる場合がある。
【0030】上記のような成分(C)は、酸の形で成分
(A)および成分(B)ともに配合して乳化に供しても
よいが、水溶性塩ないし中和塩の形で乳化剤として用い
た後、酸を添加し、反応系内で酸型の成分(C)を生成
させて、乳化重合触媒として機能させることもできる。
特に、乳化を高温で行う場合、または乳化の際に温度が
上昇する場合には、成分(C)は、後者のように、はじ
めは界面活性剤として作用させ、その後は重合用触媒と
して作用させるように使用するのが好ましい。すなわ
ち、これらの場合には、乳化重合条件の制御が容易であ
り、また乳化状態が良好であって、保存中に高分子量ポ
リオルガノシロキサンの浮きが発生しない、安定性の優
れたエマルジョンが得られるからである。
【0031】成分(C)の使用量は、それを界面活性剤
として使用する場合、および重合触媒として使用する場
合のいずれをも考慮して、合目的的な任意のものであり
うる。該使用量の代表的な具体例を挙げれば、下記の通
りである。すなわち、酸型またはその塩のアニオン系界
面活性剤の合計量は、成分(A)と成分(B)100重
量部に対してそれぞれ酸に換算して、0.5〜100重
量部となる量が好ましく、1〜50重量部がより好まし
く、2〜10重量部が特に好ましい。0.5重量部未満
ではエマルジョンの安定性が悪くて分離することがあ
り、100重量部を越えるとエマルジョンが増粘して流
動性が悪くなる場合がある。
【0032】本発明では、重合用触媒を用いてもよい。
成分(A)の重合は、末端水酸基の脱水を伴う重合、す
なわち重縮合の範疇に属するものである。このような成
分としては、無機酸および有機酸がある。無機酸として
は、塩酸、硫酸、リン酸、スルファミン酸、その他があ
る。有機酸としては、カルボン酸(ギ酸を包含する)、
スルホン酸、スルファミン酸、硫酸モノエステル、その
他がある。有機酸のうち、スルホン酸および/または硫
酸モノエステルは、その有機基の寄与の大きいもの、従
って界面活性を有するもの、をも包含する。従って、成
分(C)に触媒作用を有する界面活性剤を使用する場合
は、重合用触媒はその少なくとも一部を省略することが
できる。
【0033】すなわち、前記したように、重合用触媒
は、乳化剤として加えられた塩型の界面活性剤を、乳化
後に酸を加えて、酸型の界面活性剤に変えることにより
得ることもできる。この場合、乳化後に添加される酸
は、塩型の界面活性剤の少なくとも一部を酸型に変換し
て、重合用触媒として作用させる働きをもつ。このよう
な酸としては、硫酸、塩酸、リン酸、ギ酸などが例示さ
れる。このうち、それ自体も成分(A)の重合反応の触
媒として機能し、且つ低温でも大きな重合速度が得られ
ることから、硫酸および塩酸が好ましい。このようにし
て酸を併用する場合は、その酸の使用量は特に限定され
ないが、成分(A)と成分(B)100重量部に対して
0.05〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部が
特に好ましい。
【0034】また、水は、成分(A)と成分(B)を分
散・乳化させる媒体である。成分(C)の使用量は、成
分(A)と成分(B)の合計100重量部に対して、通
常、30〜1,000重量部であり、エマルジョン中の
成分(A)、(B)の濃度が10〜70重量%となるよ
うな量が好ましい。
【0035】なお、成分(A)、(B)を分散させる媒
体としては、水の他に、脂肪族炭化水素および芳香族炭
化水素のような各種の溶媒を含めることも考えられる。
しかしながら、本発明では、乳化重合前には、これら溶
媒を含めないこと、すなわち溶媒不含の媒体を使用する
こと、が望ましい。
【0036】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンは、上記の成分(A)〜(C)及び水を含有するエ
マルジョンについて、成分(A)、(B)の重合を行わ
せることによって得られるものであるが、このエマルジ
ョンは成分(A)〜(C)を必須成分として含有するも
のであれば、本発明の趣旨を損わない限り、各種の補助
的成分を溶存ないし分散させて含有するものであっても
よい。なお、そのような補助的成分は、重合前のまたは
重合中の前記エマルジョンに添加してもよいし、重合後
のエマルジョンに添加してもよい。成分(A)、(B)
の重合を阻害しないものである限り、これらの補助的成
分は、重合前または重合中に添加する方が、その分散性
が良好となるのがふつうである。
【0037】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンは、次のようにして製造することができる。すなわ
ち、シラノール基末端ポリジオルガノシロキサン、及び
/又は環状ポリジオルガノシロキサン(A)と特定のア
ルコキシ基含有有機ケイ素化合物(B)、界面活性剤
(成分(C))および水を予備混合する。混合順序は任
意であるが、たとえば撹拌槽中で水に成分界面活性剤を
混合して溶解し、撹拌しながらこれに成分(A)、
(B)を添加する。ついで、ホモジナイザー、コロイド
ミル、ラインミキサー、ソノレーターなどの乳化機を通
す。ホモミキサー、コロイドミルまたはラインミキサー
などの乳化機を用いて粗乳化し、さらに加圧ホモジナイ
ザーや超音波ホモジナイザーなどの乳化機を通して乳化
することが好ましい。必要であればさらに水を加えて均
一に乳化分散させる。乳化の際に成分(C)として塩を
用いたときは、酸を加えて分散させて、成分(C)であ
るアルキル硫酸などを生成させる。これらは、前記した
ように、乳化重合用の触媒として機能するものであり、
また、このように重合触媒を「現場(in situ)」形成
することもできることは前記したところである。
【0038】撹拌を継続すると、成分(A)の分子鎖末
端のシラノール基、及び/又は環状ポリジオルガノシロ
キサンの重合反応によって、高分子量ポリオルガノシロ
キサンが合成され、それを含有するエマルジョンが形成
される。より高い重合度のポリオルガノシロキサンを得
るためには、重合反応の温度は低いほど好ましいが、加
熱して重合時間を短縮させてもよい。好ましい重合条件
は、エマルジョン凍結点〜90℃、より好ましくはエマ
ルジョン凍結点〜40℃、さらに好ましくはエマルジョ
ン凍結点〜30℃で2〜48時間であるが、必要に応じ
てさらに長時間をかけたり、途中で加熱しても差支えな
い。また、特に好ましい重合条件は、エマルジョン凍結
点〜5℃未満である。
【0039】所望の重合度に達したならば、アルカリ性
物質を添加することにより、触媒である酸型のアニオン
系界面活性剤ならびに添加されて存在する酸を中和し
て、重合反応を停止する。アルカリ性物質としては、た
とえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニ
ア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸アンモニウムおよび酢酸カリウムのような無機
物質、ならびにトリエタノールアミンのようなアミン類
などが例示される。
【0040】このようにして、高分子量ポリオルガノシ
ロキサンを含有する安定なエマルジョンを製造できる。
乳化重合によって得られるポリオルガノシロキサンは、
分子鎖末端にシラノール基を有し、25℃における粘度
が好ましくは500cSt 以上であり、より好ましくは1
0,000〜30,000,000cStである。
【0041】あるいは、目的に応じて、後述の末端停止
剤を配合することにより、分子鎖末端にトリオルガノシ
リル基、たとえばトリメチルシリル基を有し、25℃に
おける粘度が500〜10,000,000cStのポリ
オルガノシロキサンを制御よく得ることもできる。
【0042】また、乳化重合によって得られる高分子量
ポリオルガノシロキサンの分子末端のシラノール基を安
定なトリオルガノシリル基で封鎖するために、または該
ポリオルガノシロキサンの平均重合度を所望の値に制御
する末端停止剤として、乳化の際に、該トリオルガノシ
リル基を有するシロキサンオリゴマーを微量添加するこ
とができる。トリオルガノシリル基がトリメチルシリル
基の場合、添加されるシロキサンオリゴマーとしては、
ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサ
ン、デカメチルテトラシロキサンなどが例示され、エマ
ルジョン凍結点〜30℃の温度領域で、酸性触媒による
反応速度に優れ、かつ過剰に添加した場合にも、残存分
を揮発によって容易に除去しうることから、ヘキサメチ
ルジシロキサンが好ましい。また、1,3−ジビニルテ
トラメチルジシロキサンのような、ビニル基を有するシ
ロキサンオリゴマーを添加して、分子末端にトリオルガ
ノシリル基としてビニルジメチルシリル基を導入し、ビ
ニル基の反応性を利用して、架橋性の高分子量ベースポ
リマーのエマルジョンとすることもできる。
【0043】乳化重合によって得られるポリオルガノシ
ロキサンエマルジョンを、各種基材の表面処理に用い
て、強固な被膜を形成するために、メチルジメトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンのような反応性シランを、また基材の表面に良好な滑
り性、柔軟性を付与するために、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
3−アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、お
よび3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
のような反応性シランを、乳化重合の際、または乳化重
合後に、少量添加することもできる。また、このように
して得られたポリオルガノシロキサンエマルジョンを安
定化するために、グリセリン、水溶性アルキレングリコ
ールまたは水溶性ポリアルキレングリコールなどを添加
してもよい。さらに、エマルジョンを保存するための防
腐剤、防カビ剤、金属の腐食を防止するための防錆剤な
どを添加してもよい。
【0044】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンは、主成分として高分子量ポリオルガノシロキサン
を含有しながら、このようなポリオルガノシロキサンを
機械的に乳化して得られるエマルジョンと比較して、エ
マルジョンの状態とその安定性がきわめて優れている。
さらに、得られるエマルジョンの粒子径が小さいため皮
膚に対する感触が良好である。したがって、本発明のポ
リオルガノシロキサンエマルジョンは、化粧料などに用
いて、シリコーン特有ののび、触感、つやなどを与える
ことができる。そのほか、家具、雑貨、自動車の内・外
装などの保護材、これらの外観をよくするためのつや出
し剤、および織物、室内装飾材、掛け布類などの繊維処
理剤としても有用である。また、離型剤、潤滑剤、消泡
剤、塗料成分等にも有用である。
【0045】以上のようにして得られた本発明のポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンは、それ自体をハンドク
リームや枝毛防止剤のような化粧料として用いることが
できる。また、該エマルジョンを0.1重量%以上配合
し、本発明の目的を損なわない範囲で他の任意の成分
(後述する化粧料調製成分)を配合することにより、各
種の化粧料を調製することができる。このような化粧料
としては、髪油、染毛料、スキ油、セットローション、
チック、びん付油、ヘアクリーム、ヘアトニック、ヘア
リキッド、ヘアスプレー、ポマード、シャンプー、ヘア
リンス、ヘアコンディショナー、ヘアローション、枝毛
防止剤のような毛髪化粧料、ならびに、ハンドクリー
ム、ハンドローション、スキンクリーム、ファウンデー
ション、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、洗顔
料、制汗剤のような皮膚化粧料などが例示される。化粧
料の形態としては、固形状、ゲル状、液状、ペースト状
などが例示される。
【0046】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンを配合し、それを用いて化粧料を調製するのに使用
される他の成分(化粧料調製成分)としては、下記のも
のが例示される。すなわち、該成分としては、(1)炭
化水素類、たとえば、流動パラフィン、ワセリン、固形
パラフィン、スクワランおよびオレフィンオリゴマーな
ど、(2)エステル類、たとえば、パルミチン酸イソプ
ロピル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸オクチ
ルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、酢酸ラノリ
ン、および2−エチルヘキサン酸トリグリセリドなど、
(3)高級アルコール、たとえば、ラウリルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリ
ンアルコール、およびミツロウなど、(4)パルミチン
酸、ステアリン酸のような高級脂肪酸およびそれを中和
するジエタノールアミンのようなアミン類など、(5)
保湿剤、たとえば、エチレングリコール、プロピレング
リコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、
およびソルビトールなど、(6)無機粉体、たとえば、
酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、セリサイト、
タルク、カオリン、およびマイカなど、(7)有機高分
子粉体、たとえば、ナイロン、ポリエチレン、およびポ
リ(メタ)アクリル酸エステルなど、(8)溶媒、たと
えば、水およびエタノールなど、(9)前述のポリオル
ガノシロキサンの乳化重合の際に任意に配合される界面
活性剤として例示されたアニオン系およびノニオン系の
界面活性剤、ならびにベタインのような両性界面活性
剤、(10)防腐剤、(11)着色剤、ならびに(1
2)香料、などが例示されるが、これらに限定されるも
のではない。
【0047】これらの成分を配合するには、本発明のポ
リオルガノシロキサンエマルジョンおよび他の成分を、
単に均一に混合するか、または該エマルジョン以外の成
分をあらかじめホモジナイザー、コロイドミル、ライン
ミキサーなどの乳化機によって乳化し、または撹拌機に
よって均一に混合しておき、これに該エマルジョンを添
加して分散させるなど、各種の方法をとることができ
る。このようにして得られた化粧料は本発明によるエマ
ルジョンを含有するので、そのエマルジョンの有する性
質、すなわち、塗布したときに広がり性、伸び、撥水
性、つやなどに優れ、良好な安定性を有し、かつ皮膚に
対する感触が良い、等の優れた性質を化粧料とされた場
合にも保持することができるため、その結果、得られた
化粧料は、シリコーン特有ののび、良好な触感、および
つやなどの優れた性質を発揮することが可能となってい
る。
【0048】
【発明の効果】本発明によるポリオルガノシロキサンエ
マルジョンが、ポリオルガノシロキサンの高分子量化、
エマルジョンの安定性についての問題点を解決したもの
であること、ならびに、本発明による化粧料が、シリコ
ーン特有ののび、触感、つやなどの優れた性質を発揮す
ることができることは前記したところである。
【0049】
【実施例】以下の実施例および比較例は、本発明をさら
に詳細に説明するものである。実施例中の部および%
は、特に断らない限り、重量部および重量%であり、粘
度は25℃における値である。また、Meはメチル基
を、Etはエチル基を示す。本発明は、これらの実施例
によって限定されるものではない。
【0050】乳化重合によって得られたエマルジョンに
含まれる高分子量ポリオルガノシロキサンの粘度、安定
性試験は、次のようにして測定ないし実施したものであ
る。 (1)粘度 ポリオルガノシロキサンの粘度エマルジョン100部に
イソプロピルアルコールを200部加えて、充分に撹拌
し、24時間静置して2層に分離させた後、オイル層の
みをシャーレに移して、150℃で45分間オーブンに
入れ、残存するイソプロピルアルコールと水分を完全に
蒸発させて、ポリオルガノシロキサンを得た。これを2
5℃に冷却して、粘度を回転粘度計を用いて測定した。 (2)安定性 (分離状態)エマルジョンを50℃の乾燥器に入れて3
0日間保存した場合の分離状態を以下の基準で評価し
た。 ○ : 分離なし △ : オイル浮きがわずかに見られる × : オイル層が見られる (ゲル状物の発生状況)エマルジョンを50℃の乾燥器
に入れて30日間保存した場合のゲル状物の発生状況を
以下の基準で評価した。 ○ : 発生せず △ : わずかに発生が見られる × : 発生が見られる 実施例1 ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン15
部とラウリル硫酸ナトリウム15部を、脱イオン水40
0部中に均一に分散させた。
【0051】この分散液に、粘度85cSt のα,ω−ジ
ヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)498部と、下
記式(1) で示されるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物
【0052】
【化3】
【0053】2部を添加し、撹拌により予備混合した
後、加圧ホモジナイザー(圧力500kgf/cm2
で2回処理することにより、エマルジョンを得た。この
エマルジョンに、硫酸1.2部を添加し、撹拌しながら
25℃にて16時間反応を行った。次いで、撹拌を続け
ながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるま
で滴下することにより、重合反応を停止させて、非線状
ポリオルガノシロキサンを含むエマルジョンE−1を製
造した。
【0054】このエマルジョンの油層平均粒径を測定し
たところ、220nmであった。また、ポリマー粘度は
520万cStであった。
【0055】また、エマルジョンの安定性については、
50℃で30日間保存後にも、オイルの分離やゲルの発
生は見られず、良好であった。 比較例1 実施例1において、式(1) で示されるアルコキシ基含有
有機ケイ素化合物の代わりに、MeSi(OEt)3
使用した以外は、実施例1と同様にしてエマルジョンを
製造したところ、油層平均粒径240nm、ポリマー粘
度は134万cStのエマルジョンEC−1が得られた。
【0056】このエマルジョンを50℃で30日間保存
したところ、エマルジョンの上層部及び保管容器側面に
ゲル状物が観察された。 実施例2 ドデシルベンゼンスルホン酸30部を、脱イオン水45
5部中に均一に分散させた。
【0057】この分散液に、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン500部と、実施例1で用いた式(1) で示さ
れるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物10部を添加
し、撹拌により予備混合した後、加圧ホモジナイザー
(圧力500kgf/cm2)で1回処理することによ
り、エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌しな
がら85℃にて3時間保持し、3時間かけて25℃まで
冷却した後、さらに撹拌しながら25℃にて5時間反応
を行った。次いで、撹拌を続けながら10%炭酸ナトリ
ウム水溶液をpHが7になるまで滴下することにより、
重合反応を停止させて、非線状ポリオルガノシロキサン
を含むエマルジョンE−2を製造した。
【0058】このエマルジョンの油層平均粒径を測定し
たところ、210nmであった。また、ポリマー粘度は
1916万cStであった。
【0059】また、エマルジョンの安定性については、
50℃で30日間保存後にも、オイルの分離やゲルの発
生は見られず、良好であった。 比較例2 実施例2において、式(1) で示されるアルコキシ基含有
有機ケイ素化合物の代わりに、MeSi(OEt)3
使用した以外は、実施例2と同様にしてエマルジョンを
製造したところ、油層平均粒径235nm、ポリマー粘
度は1250万cStのエマルジョンEC−2が得られ
た。
【0060】このエマルジョンを50℃で30日間保存
したところ、エマルジョンの上層部にゲル状物が観察さ
れた。 実施例3 ドデシルベンゼンスルホン酸100部とポリオキシエチ
レン(6)ラウリルエーテル20部を、脱イオン水50
0部中に均一に分散させた。
【0061】この分散液を40℃まで昇温させたのち、
オクタメチルシクロテトラシロキサン200部と、下記
式(2) で示されるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物
【0062】
【化4】
【0063】10部の混合物を、40℃の温度で撹拌し
ながら8時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに90
℃で5時間加熱撹拌し、次いで15℃で10時間撹拌し
た。その後、トリエタノールアミンをpHが7になるま
で滴下することにより、重合反応を停止させて、非線状
ポリオルガノシロキサンを含むエマルジョンE−3を製
造した。
【0064】このエマルジョンの外観は淡黄色透明であ
り、油層平均粒径を測定したところ、28nmであっ
た。また、ポリマー粘度は46万cStであった。
【0065】また、エマルジョンの安定性については、
50℃で30日間保存後にも、オイルの分離やゲルの発
生は見られず、良好であった。 比較例3 実施例3において、式(2) で示されるアルコキシ基含有
有機ケイ素化合物の代わりに、MeSi(OEt)3
0.7部使用した以外は、実施例3と同様にしてエマル
ジョンの製造を試みたところ、40℃の温度で撹拌しな
がら混合物を滴下している途中でゲル状物が生成し、均
一なエマルジョンを製造することはできなかった。 比較例4 実施例3において、式(2) で示されるアルコキシ基含有
有機ケイ素化合物を30部使用した以外は、実施例3と
同様にしてエマルジョンの製造を試みたところ、90℃
で加熱撹拌している途中でゲル状物が生成し、油層と水
相の2層に分離して均一なエマルジョンを製造すること
はできなかった。 実施例4 ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム15部とラウリル硫酸ナトリウム15部を、脱イオ
ン水400部中に均一に分散させた。
【0066】この分散液に、粘度85cSt のα,ω−ジ
ヒドロキシポリ(ジメチルシロキサン)497部と、実
施例3で使用した式(2) で示されるアルコキシ基含有有
機ケイ素化合物3部を添加し、撹拌により予備混合した
後、加圧ホモジナイザー(圧力500kgf/cm2
で2回処理することにより、エマルジョンを得た。この
エマルジョンに、硫酸1.5部を添加し、撹拌しながら
25℃にて16時間反応を行った。次いで、撹拌を続け
ながら10%炭酸ナトリウム水溶液をpHが7になるま
で滴下することにより、重合反応を停止させて、非線状
ポリオルガノシロキサンを含むエマルジョンE−4を製
造した。
【0067】このエマルジョンの油層平均粒径を測定し
たところ、255nmであった。また、ポリマー粘度は
317万cStであった。
【0068】また、エマルジョンの安定性については、
50℃で30日間保存後にも、オイルの分離やゲルの発
生は見られず、良好であった。 比較例5 特開平6−49210号公報の実施例1に準じてエマル
ジョンを製造した。即ち、粘度約2500cStの分子鎖
両末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン39.2部
と、(MeO)2Si[OSi(Me)32で示される
アルコキシ基含有有機けい素化合物0.8部を均一に混
合後、これにポリオキシエチレン(6モル)ラウリルエ
ーテル4部とC1633N(CH33Clを2部と水54
部を加えて、コロイドミル型乳化機で乳化しエマルジョ
ンをを製造した。
【0069】このエマルジョンの外観は乳白色であり、
油層平均粒径を測定したところ、280nmであった。
また、ポリマー粘度は約2万3千cStであった。
【0070】また、エマルジョンの安定性については、
50℃で30日間保存後したところ、若干のゲルの発生
が見られた。
【0071】これらの結果をまとめて表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】実施例5〜7、比較例6(リンス) 上記実施例1、2、4で得たエマルジョンE−1、E−
2、E−4及び比較例2で得たエマルジョンEC−2の
夫々10部と表2に示す各成分を混合して、リンスを調
製した。
【0074】得られたリンスについて、安定性と使用感
(滑らかさ、櫛通り、感触、つや)を評価した。結果を
表2に示す。 (安定性) ○ : 50℃、4週間でも安定 △ : 50℃、2週間で分離 × : 50℃、1週間で分離 (使用感)リンスを使用し、髪を乾燥させたあとの使用
感について、20人の女性パネラーによる以下の基準で
評価し、平均点を求めた。 3 : 極めて良好 2 : 良好 1 : 普通
【0075】
【表2】
【0076】実施例8〜9、比較例7(シャンプー) 上記実施例1、3で得たエマルジョンE−1、E−3、
及び比較例1で得たエマルジョンEC−1の夫々5部と
表3に示す各成分を混合して、シャンプーを調製した。
【0077】得られたシャンプーについて、安定性と使
用感(洗髪中の感触)を評価した(評価基準はシャンプ
ーの場合と同様である)。結果を表3に示す。
【0078】
【表3】
【0079】実施例10〜12、比較例8(ヘアセット
ローション) 上記実施例1、2、4で得たエマルジョンE−1、E−
2、E−4及び比較例2で得たエマルジョンEC−2の
夫々5部と表4に示す各成分を混合して、ヘアセットロ
ーションを調製した。
【0080】得られたヘアセットローションについて、
安定性と使用感を評価した。安定性評価方法はリンスの
場合と同様である。また、使用感は下記の通り評価し
た。結果を表4に示す。 (使用感)20人の女性パネラーにより、使用時のべた
つき感について以下の基準で評価し、平均点を求めた。 3 : べたつき感なく感触に優れる 2 : わずかにべたつきを感じる 1 : べたつきを感じる
【0081】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB332 AC072 AC102 AC122 AC182 AC392 AC422 AC432 AC482 AC642 AC692 AC792 AD132 AD161 AD162 AD171 AD172 AD282 BB01 CC32 CC38 CC39 DD31 4J035 BA02 CA01K CA051 CA061 EA01 EB02 LA03 LB14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 一般式 HO[(R12SiO]mH (I) (式中、R1はたがいに同一になっても異なっていても
    良い、置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、m
    は成分(I)の25℃における粘度を10〜100,0
    00cSt にする値である)で示されるシラノール基末端
    ポリジオルガノシロキサン、及び/又は 一般式 [(R22SiO]n (II) (式中、R2は前記R1と同義であり、nは3〜6の整数
    である)で示される環状ポリジオルガノシロキサンと
    (B)一般式(III) 【化1】 (式中、R3は前記R1と同義であり、R4はR3もしくは
    アルコキシ基であり、R 5はアルコキシ基であり、式(I
    II)中のa、bは、式(III)中の(全アルコキシ基)
    /(アルコキシ基以外の全置換基数)の割合を1/1〜
    1/100とする値であり、a+bは1〜1000であ
    る)で示されるアルコキシ基含有有機ケイ素化合物と
    を、(B)/(A)で示される両者の重量平均混合比が
    1/2000〜1/2となり、且つ(A)、(B)全体
    の(全アルコキシ基)/(アルコキシ基以外の全置換基
    数)の割合が1/20000〜1/300となるように
    混合し、(C)界面活性剤の存在下に水中で乳化重合さ
    せて得られるポリオルガノシロキサンエマルジョン。
  2. 【請求項2】請求項1項記載のポリオルガノシロキサン
    エマルジョンを含有する化粧料。
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