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JP2002067229A - 複合成形体およびその製造方法 - Google Patents

複合成形体およびその製造方法

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Publication number
JP2002067229A
JP2002067229A JP2000259057A JP2000259057A JP2002067229A JP 2002067229 A JP2002067229 A JP 2002067229A JP 2000259057 A JP2000259057 A JP 2000259057A JP 2000259057 A JP2000259057 A JP 2000259057A JP 2002067229 A JP2002067229 A JP 2002067229A
Authority
JP
Japan
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molding
mold
resin
polyester resin
polynorbornene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000259057A
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English (en)
Inventor
Koji Miyazaki
光司 宮崎
Katsuo Suzuki
勝雄 鈴木
Toshio Miyake
俊男 三宅
Kazufumi Harumiya
一文 春宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
DaikyoNishikawa Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
GP Daikyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd, GP Daikyo Corp filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2000259057A priority Critical patent/JP2002067229A/ja
Publication of JP2002067229A publication Critical patent/JP2002067229A/ja
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    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/02Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor of articles of definite length, i.e. discrete articles
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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    • B29K2105/25Solid
    • B29K2105/253Preform
    • B29K2105/256Sheets, plates, blanks or films
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
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  • Bathtubs, Showers, And Their Attachments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材と積層材との接着性が改良され、しかも
強度が向上した複合成形体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリノルボルネン系樹脂からなる基材が
内部に配置してある金型装置20のキャビティ内に、不
飽和ポリエステル樹脂を有するバルクモールディングコ
ンパウンドまたはシートモールディングコンパウンドか
らなる成形材料30を供給し、圧縮成形または射出成形
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば浴槽や洗
面ボールなどに適用して好適な、ポリノルボルネン系樹
脂からなる基材上に熱硬化性ポリエステル樹脂からなる
積層材が形成してある複合成形体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリノルボルネン系樹脂は、耐熱性およ
び耐薬品性に優れ、軽量強靱で、大型で複雑な形状に成
形できることが知られているが、変色の問題から外観部
品としてそのまま使用することは困難であり、表面に塗
装などを施し、複合成形体の形態で用いることが一般的
である。ところが、ポリノルボルネン系樹脂を成形した
後、これに塗装を施す2段階の方法では、塗料の塗布や
乾燥工程の煩雑さにより、得られる成形体のコストアッ
プに繋がる上に、塗装面が傷つき易いなど耐久性が問題
になる場合があった。
【0003】これに対し、FRPは、浴槽などの外観部
品の成形に広く利用されている。この種の浴槽は、通
常、BMC法にて表面層が形成され、ハンドレイアップ
法でバックアップ層(裏打ち層)が形成される。ところ
が、表面層を形成した後、バックアップ層を形成する2
段階の方法であるゆえ、上述したポリノルボルネン系樹
脂における場合と同様に、作業が煩雑になる上に、コス
ト高を招き、しかも臭気や粉塵など労働衛生上の問題を
も有していた。
【0004】そこで、従来から、ノルボルネン系モノマ
ーの開環重合体で形成された基材の上に、特定の樹脂で
形成された層(積層材)を有する複合成形品に関し、種
々の提案がなされている。
【0005】たとえば、特開昭62−122718号公
報では、不飽和ポリエステルなどをガラス繊維などで強
化した硬質プラスチック板などからなる積層材間にノル
ボルネン系モノマーを含む反応原液を注入して塊状重合
させることにより、前記積層材間にポリノルボルネン系
樹脂からなる基材を有するプラスチックサンドイッチ板
を製造する方法が開示してある。
【0006】また、特開平1−316262号公報で
は、オレフィン系ポリマーなどからなる積層材が予め内
部に配設してある金型に、特定のノルボルネン系モノマ
ーを含む反応原液を供給して塊状重合させることによ
り、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材の少なくとも
1つの面上にオレフィン系ポリマーなどからなる積層材
を有する複合材料を製造する方法が開示してある。
【0007】また、特開平3−65319号公報では、
オレフィン系ポリマーなどからなるシートを真空成形な
どにより金型内部に密着させて所定形状の積層材を成形
した後に、前記金型内の空隙に、特定のノルボルネン系
モノマーを含む反応原液を供給して塊状重合させること
により、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材の少なく
とも1つの面上にオレフィン系ポリマーなどからなる積
層材を有する複合材料を製造する方法が開示してある。
【0008】さらに、特開平3−69356号公報およ
び特開平3−69357号公報では、オレフィン系ポリ
マーなどからなる中空体の外周を金型で囲い、この中空
体の外周面と金型内面との間の空隙に、特定のノルボル
ネン系モノマーを含む反応原液を供給して塊状重合させ
ることにより、オレフィン系ポリマーなどからなる中空
体(積層材)の外周にポリノルボルネン系樹脂からなる
層(基材)を有する中空複合体を製造する方法が開示し
てある。
【0009】さらにまた、特開平3−69322号公報
では、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸ヘキシルなどのエステル系ポリマーなどか
らなる耐光性重合体皮膜を金型内部に形成した後、この
金型内にノルボルネン系モノマーを含む反応原液を供給
して塊状重合させることにより、ポリノルボルネン系樹
脂からなる基材に前記皮膜が一体化された複合成形品を
製造する方法が開示してある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記公報記載の製造方
法により得られる複合成形体では、積層材の着色が自在
で、耐候性が改良され、ヒケがないなど、優れた特性を
有するものであったが、基材に対する積層材の接着力が
不足気味であり、こうした接着性のさらなる向上が求め
られていた。
【0011】本発明の目的は、基材と積層材との接着性
が改良され、しかも強度が向上した複合成形体およびそ
の製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱硬化性
ポリエステル樹脂とポリノルボルネン系樹脂とを良好な
界面接着性をもって複合化させることについて鋭意検討
したところ、特定形態の成形材料を用いて複合化を行う
ことにより、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材上
に、良好な界面接着性を有する熱硬化性ポリエステル樹
脂からなる積層材を形成できることを見出し、本発明を
完成させるに至った。
【0013】すなわち、第1の観点に係る複合成形体
は、熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積層材が、ポリ
ノルボルネン系樹脂からなる基材の少なくとも一部に形
成してあり、測定温度23℃におけるJIS−K691
1に準じた曲げ強度および曲げ歪みが、曲げ強度:7.
0kgf/mm以上および曲げ歪み:50%以上で
あることを特徴とする。
【0014】第2の観点に係る複合成形体は、不飽和ポ
リエステル樹脂を有するバルクモールディングコンパウ
ンド(以下、BMCと略記することもある)またはシー
トモールディングコンパウンド(以下、SMCと略記す
ることもある)からなる成形材料を圧縮成形または射出
成形して得られる熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積
層材が、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材の少なく
とも一部に形成してあることを特徴とする。
【0015】本発明に係る複合成形体の製造方法は、ポ
リノルボルネン系樹脂からなる基材が内部に配置してあ
る金型装置のキャビティ内に、不飽和ポリエステル樹脂
を有するバルクモールディングコンパウンドまたはシー
トモールディングコンパウンドからなる成形材料を供給
し、圧縮成形または射出成形することを特徴とする。
【0016】
【作用】ポリノルボルネン系樹脂と熱硬化性ポリエステ
ル樹脂との複合化を、通常の方法で行った場合には、両
界面間における接着性が不十分であることが本発明者ら
により明らかにされている。
【0017】これに対し、本発明に係る複合成形体の製
造方法では、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材を取
り付けた金型のキャビティ内に、不飽和ポリエステル樹
脂を有するバルクモールディングコンパウンドまたはシ
ートモールディングコンパウンドからなる成形材料を供
給し、圧縮成形または射出成形する。すなわち、本発明
では、特定形態の成形材料を用いてポリノルボルネン系
樹脂と熱硬化性ポリエステル樹脂との複合化を行うこと
により、ポリノルボルネン系樹脂と熱硬化性ポリエステ
ル樹脂との界面接着性が極めて良好な、換言すれば熱硬
化性ポリエステル樹脂がポリノルボルネン系樹脂に対し
て一層強固に接合し、しかも強度が改良された複合成形
体を製造できる。
【0018】このように、本発明方法による場合に、ポ
リノルボルネン系樹脂と熱硬化性ポリエステル樹脂とが
強固に接着する理由は、必ずしも明らかではないが、ポ
リノルボルネン系樹脂からなる基材表面に存在するミク
ロ凹凸によるアンカー効果か、BMCまたはSMCのラ
ジカル硬化反応により、ポリノルボルネン系樹脂とBM
Cとがグラフト重合しているか、のいずれかが関係して
いるものと考えられる。
【0019】本発明により得られる複合成形体は、外観
面が熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積層材であり、
裏面がポリノルボルネン系樹脂からなる基材であること
から、比較的軽量でありながら、優れた意匠性を有し、
高硬度の外観を備え、裏面の基材については補強用のリ
ブ構造や部品取り付けのナット一体成形など複雑な組み
込み形状に対応できる利点がある。
【0020】本発明に係る複合成形体は、たとえば、浴
槽、洗面ボール、洗面カウンター、洗い場パンなど各種
の広範な用途に用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき詳細に説明する。図1(A)〜(C)は本
発明の一実施形態に係る複合成形体の製造方法を示す概
略図、図2は本発明の一実施形態に係る複合成形体を示
す断面図である。
【0022】本実施形態では、図2を参照しつつ複合成
形体を説明した後、図1(A)〜(C)を参照しながら
複合成形体の製造方法を説明する。
【0023】複合成形体2 図2に示されるように、本実施形態に係る複合成形体2
は、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材4に、熱硬化
性ポリエステル樹脂からなる積層材6が形成してある。
以下、それぞれの構成要素を詳述する。
【0024】基材4 基材4を構成するポリノルボルネン系樹脂は、ノルボル
ネン系モノマーを、メタセシス触媒の存在下に金型のキ
ャビティ内で塊状重合させることにより得られる。塊状
重合に際しては、必要に応じて活性剤を用いてもよい。
【0025】本発明で使用可能なノルボルネン系モノマ
ーとしては、ノルボルネン環を有するものであればよ
く、その具体例としては、ノルボルネン、ノルボルナジ
エンなどの二環体、ジシクロペンタジエン(シクロペン
タジエン二量体)、ジヒドロジシクロペンタジエンなど
の三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体、シクロ
ペンタジエン三量体などの五環体、シクロペンタジエン
四量体などの七環体、およびこれら二環体〜七環体のメ
チル、エチル、プロピルおよびブチルなどのアルキル、
ビニルなどのアルケニル、エチリデンなどのアルキリデ
ン、フェニル、トリルおよびナフチルなどのアリールな
どの置換体、更には、これら二環体〜七環体のエステル
基、エーテル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基
を有する置換体などが例示される。中でも入手が容易で
あり、反応性に優れることから、三環体以上の多環ノル
ボルネン系モノマーが好ましく、より好ましくは三環
体、四環体、あるいは五環体のノルボルネン系モノマー
である。これらノルボルネン系モノマーは、それぞれ単
独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0026】また、生成する開環重合体は熱硬化型とす
ることが好ましく、そのためには上記ノルボルネン系モ
ノマーの中でも、シクロペンタジエン三量体等の反応性
の二重結合を二個以上有する架橋性モノマーを少なくと
も含むものが用いられる。全ノルボルネン系モノマー中
の架橋性モノマーの割合は2〜30重量%が好ましい。
【0027】なお、ノルボルネン系モノマーと開環共重
合し得るシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタ
ジエン、シクロオクテン、シクロドデセンなどの単環シ
クロオレフィンなどを、コモノマーとして用いることも
できる。
【0028】本発明で使用可能なメタセシス触媒として
は、反応射出成形(RIM)法でノルボルネン系モノマ
ーを開環重合できるものであれば特に限定されず、公知
のもので良い。たとえば、六塩化タングステン、または
トリドデシルアンモニウムモリブデート、もしくはトリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデートなどのモリブ
デン酸有機アンモニウム塩、などのノルボルネン系モノ
マーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒であ
れば特に制限はないが、モリブデン酸有機アンモニウム
塩が好ましい。また、メタセシス触媒として、公知のル
テニウムカルベン錯体(WO97/06185、特表平
10−508891号公報、特開平11−322953
号公報など)を適用することもできる。
【0029】メタセシス触媒の使用量は、反応液全体で
使用するモノマー1モルに対し、通常0.01ミリモル
以上、好ましくは0.1ミリモル以上、かつ50ミリモ
ル以下、好ましくは20ミリモル以下である。メタセシ
ス触媒の使用量が少なすぎると重合活性が低すぎて反応
に時間がかかるため生産効率が悪く、使用量が多すぎる
と反応が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬
化したり、触媒が析出し易くなり均質に保存することが
困難になる。
【0030】メタセシス触媒は、通常、モノマーに溶解
して用いるが、得られる成形体の性質を本質的に損なわ
れない範囲であれば、少量の溶剤に懸濁させ溶解させた
上で、モノマーと混合することにより、析出しにくくし
たり、溶解性を高めて用いても良い。
【0031】活性剤(共触媒)としては、特開昭58−
127728号公報、特開平4−226124号公報、
特開昭58−129013号公報、特開平4−1452
47号公報に開示してあるような公知の活性剤であれ
ば、特に制限はなく、たとえば、エチルアルミニウムジ
クロリド、ジエチルアルミニウムクロリドなどのアルキ
ルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニ
ウムハライドなどの有機アルミ化合物、有機スズ化合物
などが挙げられる。なお、メタセシス触媒としてルテニ
ウムカルベン錯体を用いる場合には、活性剤を用いても
用いなくてもよい。
【0032】活性剤の使用量は、特に限定されないが、
通常、反応原液全体で使用するメタセシス触媒1モルに
対して、0.1モル以上、好ましくは1モル以上、かつ
100モル以下、好ましくは10モル以下である。活性
剤を用いないか、または活性剤の使用量が少なすぎる
と、重合活性が低すぎて反応に時間がかかるため生産効
率が悪くなる。また、逆に、使用量が多すぎると、反応
が激しすぎるため型内に十分に充填される前に硬化する
ことがある。
【0033】活性剤は、モノマーに溶解して用いるが、
得られる成形体の性質を本質的に損なわない範囲であれ
ば、少量の溶剤に懸濁させた上で、モノマーと混合する
ことにより、析出しにくくしたり、溶解性を高めて用い
てもよい。
【0034】本発明では、上記活性剤に活性調節剤を併
用してもよい。活性調節剤を併用することにより、反応
速度や、反応液の混合から反応開始までの時間、反応活
性などを変化させることができる。
【0035】本発明で使用可能な活性調節剤としては、
メタセシス触媒を還元する作用を持つ化合物などが用い
られ、活性調節剤としては、アルコール類、ハロアルコ
ール類、エステル類、エーテル類、ニトリル類などが例
示される。この中で、たとえばアルコール類の具体例と
しては、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキ
サノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、t−ブチルアルコールなどが挙
げられ、ハロアルコール類の具体例としては、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール、2−クロロエタノール、
1−クロロブタノールなどが挙げられる。なお、活性調
整剤の添加量は、用いる化合物によって変わり、一様で
はない。
【0036】基材4には、必要に応じて、たとえば、補
強材、酸化防止剤、充填剤、顔料、着色剤、発泡剤、摺
動付与剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン系熱重
合樹脂およびその水添物など種々の添加剤が配合してあ
ってもよい。特に機械的強度の高い成形体を得る目的
で、補強材を金型内に予め充填しておき、次いでノルボ
ルネン系モノマーを金型内に注入し、硬化させることも
できる。
【0037】基材4の厚みは、特に限定されないが、好
ましくは1〜20mm、より好ましくは3〜10mmで
ある。
【0038】基材4の大きさおよび形状は、特に限定さ
れないが、後述するように本実施形態では、浴槽を例示
する。
【0039】積層材6 複合成形体2を構成する積層材6は、熱硬化性ポリエス
テル樹脂を含有する。
【0040】熱硬化性ポリエステル樹脂は、後述するよ
うに、不飽和ポリエステル樹脂を有するBMCまたはS
MCからなる成形材料を用いて、圧縮成形または射出成
形することにより製造される。
【0041】積層材6には、必要に応じて、補強材、無
機充填剤、離型剤、着色剤などの各種添加剤が配合して
あってもよい。この場合の配合量は、前記熱硬化性ポリ
エステル樹脂100重量部に対して、通常5〜100重
量部程度である。
【0042】積層材6の厚みは、特に限定されないが、
好ましくは1〜10mm、より好ましくは2〜6mmで
ある。
【0043】積層材6の基材4に対する占有面積は、基
材4の面積と同じでも異なっていてもよく、使用目的に
応じて適宜決定すればよい。
【0044】このような構成の本実施形態に係る複合成
形体2は、たとえば以下のようにして製造することが好
ましい。
【0045】複合成形体の製造方法 (1)まず、金型(図示省略)の内部に形成されたキャ
ビティ内に、少なくともノルボルネン系モノマーおよび
メタセシス触媒を含む反応原液を供給して塊状重合を進
行させることにより、後述する雌型としてのポリノルボ
ルネン系樹脂からなる硬化物(図1(A)における基材
4に相当する)を成形する。
【0046】本発明で用いる反応原液には、必要に応じ
て、上述した種々の添加剤が配合してあってもよい。特
に機械的強度の高い基材を得る目的で、補強材をキャビ
ティ内に予め充填しておき、次いで反応原液を注入して
硬化させることもできる。
【0047】本発明では、ノルボルネン系モノマーは、
2つ以上の反応原液に分けて用いる。具体的には、メタ
セシス触媒を含むノルボルネン系モノマーからなる反応
原液(B液)と、活性剤を含むノルボルネン系モノマー
からなる反応原液(A液)との少なくとも2つの反応原
液を用意し、必要に応じて上述した任意成分を、これら
の反応原液の少なくとも1つに含有させる。これらA液
とB液とは、それぞれを別のタンクに入れておくことが
好ましい。各反応原液はそれぞれ単独ではノルボルネン
系モノマーの重合は起こらないが、各反応原液を混合す
ると塊状重合が起こる。各反応原液に含まれる各成分の
和が本発明の塊状重合に必要な成分の量に相当する。な
お、上述した添加剤を添加する場合には、予め、前記添
加剤を反応原液のいずれか一方または双方に混合してお
くか、あるいは金型(図示省略)のキャビティに入れて
おくことが好ましい。塊状重合を行うに際しては、2ま
たはそれ以上の反応原液をミキシングヘッドなどを用い
て瞬間的に混合し、直ちにその混合液を金型(図示省
略)のキャビティ内に注入して重合を開始させる。そし
て、金型装置のキャビティ内での塊状重合(反応射出成
形)が終了し、成形体が固化した段階で金型を型開きす
ることにより、成形体(図1(A)における基材4に相
当する)が得られる。なお、用いる金型の材質および大
きさ、成形時の重合時間、金型温度その他の条件は、通
常のポリノルボルネン系樹脂の塊状重合による成形と同
様であってよい。
【0048】(2)次いで、図1(A)に示されるよう
に、こうして得られたポリノルボルネン系樹脂からなる
硬化物を、たとえば以下に示す金型装置20にセットす
る。
【0049】図1(A)に示されるように、本実施形態
に係る金型装置20は、分割面22に沿って分割可能な
雄型としてのコア型24と、雌型としての基材4がキャ
ビ型本体26aに配置してあるキャビ型26とを有し、
これらコア型24とキャビ型26とを分割面22で型締
めすることにより、内部にキャビティ(図示省略)が形
成されるようになっている。本実施形態では、コア型2
4及びキャビ型本体26aは、たとえば合成樹脂や金属
などで構成される。なお、本実施形態では、凸型をコア
型と、凹型をキャビ型と呼んでいるが、製品面側に接す
る金型をキャビ型と、非製品面側に接する金型をコア型
と呼ぶ場合もある。
【0050】キャビ型26を構成するキャビ型本体26
aに配置してある基材4の形状および大きさは、特に限
定されないが、本実施形態では、基材の一例として浴槽
を例示している。強度などが必要な場合には、基材4の
裏面(キャビ型本体26aと接する側)にリブを設ける
こともできる。
【0051】(3)次いで、上述した金型装置20を開
型状態にした後、キャビ型本体26aに配置してある基
材4上に、成形材料としてのBMC30を供給する。
【0052】本実施形態では、BMC30は、不飽和ポ
リエステル樹脂(A)と、液状重合性単量体(B)と、
硬化剤(C)と、増粘剤(D)とを含有する。このよう
に特定形態の成形材料であるBMC30を用いて、後述
する圧縮成形を行うことにより、ポリノルボルネン系樹
脂からなる基材4に対して優れた密着性を有する積層材
6を形成できる。
【0053】本発明で使用可能な不飽和ポリエステル樹
脂(A)としては、特に限定されず、従来一般の不飽和
ポリエステル樹脂成形品に慣用されている公知の不飽和
ポリエステル樹脂が挙げられる。この種の不飽和ポリエ
ステル樹脂は、α,β−不飽和カルボン酸または場合に
より飽和カルボン酸を含むα,β−不飽和カルボン酸と
アルコールとから得ることができる。
【0054】α,β−不飽和カルボン酸としては、たと
えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、
あるいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられ
る。これらのα,β−不飽和カルホン酸はそれぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0055】飽和カルボン酸としては、たとえば、フタ
ル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘ
ット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバ
チン酸、アゼライン酸などが挙げられる。これらの飽和
カルボン酸はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0056】アルコールとしては、たとえば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、グリセリンモノアリルエーテル、水素化ビスフェノ
ールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシプロボキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパンなどのジオール類、トリメチロー
ルプロパンなどのトリオール類、ペンタエリスリトール
などのテトラオール類などが挙げられる。これらのアル
コールはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0057】上述した不飽和ポリエステル樹脂は、その
一部を、耐薬品性改善などのためにエポキシアクリレー
ト樹脂で、あるいはインサート加工などでの接着性改善
などのためにウレタンアクリレート樹脂で置換すること
もできる。
【0058】この場合におけるエポキシアクリレート樹
脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などにア
クリル酸やメタクリル酸を付加させたものが挙げられ
る。
【0059】ウレタンアクリレート樹脂としては、たと
えば、特公昭55−30527号公報、特公昭60−2
6132号公報および特公昭60−26133号公報に
開示されたエチレングリコールの両端にトリレンジイソ
シアネートを付加させ、さらに2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを両末端に付加させたものなどが挙げられ
る。
【0060】本発明で使用可能な液状重合性単量体
(B)としては、通常、不飽和ポリエステル樹脂の溶媒
としても使われる、常温、常圧で液状のものであり、た
とえば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
芳香族ビニル化合物、芳香族アリル化合物などが挙げら
れる。この液状重合性単量体は、成形時に上述した不飽
和ポリエステル樹脂と架橋反応を起こす。
【0061】アクリル酸エステルとしては、たとえば、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブ
チルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキ
シルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレー
トなどが挙げられる。
【0062】メタクリル酸エステルとしては、たとえ
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。
【0063】芳香族ビニル化合物としては、たとえば、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−
ブチルスチレン、α−クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
【0064】芳香族アリル化合物としては、たとえば、
ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリア
リルトリメリテートなどが挙げられる。これらの液状重
合性単量体の中でも、特にスチレンが好ましい。これら
の液状重合性単量体はそれぞれ単独で用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0065】液状重合性単量体の配合量は、前記不飽和
ポリエステル樹脂100重量部に対して、通常10〜1
00重量部、好ましくは15〜80重量部である。配合
量が10重量部未満では組成物の流動性が悪くなった
り、最終的に得られる積層材の耐水性が低下し、100
重量部を超えると最終的に得られる積層材が脆くなる傾
向がある。
【0066】本発明で使用可能な硬化剤(C)は、加熱
により分解してラジカルを発生し、前記不飽和ポリエス
テル樹脂に前記液状重合性単量体を架橋、重合して、組
成物全体を硬化させる作用を有するものである。このよ
うなものとしては、たとえば、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルケ
トンパーオキシド、シクミルパーオキシド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチ
ルヒドロパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、1,
1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)
パーオキシカーボネートなどの有機過酸化物などが挙げ
られる。必要に応じて、ヒドロキノン、ナフトキノン、
t−ブチルカテコールなどの硬化安定剤を、前記硬化剤
と組み合わせて用いることもできる。これらの硬化剤は
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0067】硬化剤の配合量は、前記不飽和ポリエステ
ル樹脂100重量部に対して、通常0.5〜2.0重量
部、好ましくは0.7〜1.8重量部である。配合量が
0.5重量部未満では成形時の硬化が不十分になるおそ
れがあり、2.0重量部を超えると組成物の貯蔵安定性
が低下するおそれがある。
【0068】本発明で使用可能な増粘剤(D)として
は、たとえば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属の酸化物あ
るいは水酸化物などが挙げられる。増粘剤の配合量は、
前記不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、通
常0.5〜2.0重量部、好ましくは0.7〜1.8重
量部である。配合量が0.5重量部未満では増粘効果が
乏しく、2.0重量部を超えると取り扱い性が悪くなる
傾向がある。
【0069】本実施形態で用いるBMC30には、必要
に応じて、たとえば、補強材、低収縮化剤、無機充填剤
(増量剤)、離型剤などの添加剤が配合してあってもよ
い。
【0070】補強材としては、たとえば、ガラス繊維、
ポリエステル繊維、フェノール繊維、ポリビニルアルコ
ール繊維、芳香族ポリアミド繊維(ケブラー繊維、デュ
ポン社製商品名)、ナイロン繊維、炭素繊維など、FR
P(Fiber Reinforced Plasti
cs)の製造に慣用されているものが挙げられる。これ
らの補強材の形態としては、たとえば、チョップドスト
ランド、チョップドストランドマット、ロービング、織
物状などが挙げられる。これらの補強材は、組成物の粘
度や得られる成形品の強度などを考慮して適宜選ばれ
る。このような補強材を加えることにより、得られる積
層材に十分な機械的強度を与えることができる。なお、
チョップドストランドの長さは通常、BMCでは2〜8
mmであるが、SMCでは5〜60mmである。短い方
が加熱された際、成形材料が流動しやすい反面、成形品
の機械的強度は低下する。
【0071】低収縮化剤としては、たとえば、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクタム、飽和
ポリエステル、スチレン−アクリロニトリル共重合体な
どの熱可塑性樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体などのゴム状重合体などが挙げられ
る。低収縮化剤の添加量は、不飽和ポリエステル樹脂1
00重量部に対して、通常5〜20重量部程度である。
【0072】無機充填剤(増量剤)としては、たとえ
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、ア
スベスト、バーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ド
ロマイト石灰石、セッコウ、アルミニウム微粉、中空バ
ルーン、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニウム、寒
水石、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、酸化チタ
ン、二酸化モリブデンなどが挙げられる。これらの無機
充填剤は、作業性や得られる成形品の強度、外観、経済
性などを考慮して適宜選ばれるが、通常、炭酸カルシウ
ムや水酸化アルミニウムが用いられる。無機充填剤の配
合量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対
して、通常50〜300重量部程度である。
【0073】離型剤としては、たとえば、ステアリン酸
などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸
塩、あるいはアルキルリン酸エステルなどが挙げられ
る。この離型剤の配合量は、前記不飽和ポリエステル樹
脂100重量部に対して、通常3〜7重量部程度であ
る。
【0074】これらの他に、硬化促進剤、着色剤、消泡
剤、減粘剤などを必要に応じて用いることができる。
【0075】本実施形態で用いるBMC30は、たとえ
ば、予め不飽和ポリエステル樹脂を液状重合性単量体の
全部又は一部に溶解し、これに、例えば、プラネタリー
ミキサー、ニーダー、ディスパーなどの公知の混合機を
用いて、所定量の残りの各成分を一括して撹拌混合し、
混合機から取り出して所定の大きさ形状とし、これを熟
成させることにより得ることができる。
【0076】熟成は、通常、半日〜2日、30〜60℃
の温度条件下に材料を置くことにより行われる。
【0077】本実施形態で用いるBMC30の使用量
は、最終的に形成される積層材の大きさなどに応じて適
宜選択される。
【0078】本実施形態で用いるBMC30は、ペレッ
ト状、小石状、レンガ状など種々の形状と大きさが可能
であるが、通常、径又は一辺が0.5〜50cmの大き
さである。通常、一辺または短辺が約10cm以上の立
方体、直方体や、径又は小径が約10cm以上の球形、
楕円体などのバルクは、離型フィルムで被覆して貯蔵さ
れる。
【0079】(4)次いで、図1(B)に示されるよう
に、型締めを行い、前記BMC30の圧縮成形を行う。
成形条件は、製品表面に接するコア型24の金型温度
が、好ましくは80〜140℃であり、製品裏面に接す
る基材4側(キャビ型26)の温度が、好ましくは40
〜100℃である。また、成形時間は、好ましくは2〜
10分程度、成形圧力は、好ましくは2〜20MPa程
度である。
【0080】(5)そして、図1(C)に示されるよう
に、所定時間経過の後、型開きし、脱型を行うことによ
り、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材4上に熱硬化
性ポリエステル樹脂からなる積層材6が形成してある、
本実施形態に係る複合成形体(浴槽)2が得られる。
【0081】このようにして得られる複合成形体2は、
基材4と積層材6との間における界面接着性と強度が極
めて優れている。具体的には、測定温度23℃における
JIS−K6911に準じた曲げ強度が、7.0kgf
/mm以上、好ましくは8.0kgf/mm
上である。また、測定温度23℃におけるJIS−K6
911に準じた曲げ弾性率が、200kgf/mm
以上、好ましくは300kgf/mm以上である。
さらに、測定温度23℃におけるJIS−K6911に
準じた曲げ歪みが、50%以上、好ましくは100%以
上である。
【0082】本発明に係る複合成形体の大きさや形状な
どは、特に限定されず、目的などに応じて所望の大きさ
および形状にすることができる。
【0083】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において
種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0084】たとえば、上述した実施形態では、BMC
30を圧縮成形することにより複合成形体2を製造する
こととしているが、射出成形により製造することとして
もよい。この場合における成形条件は、通常の条件で行
えばよい。
【0085】また、成形に用いる材料の形態もBMCに
は限定されず、SMC(シートモールディングコンパウ
ンド)材料であってもよい。SMC材料を用いる場合に
は、公知の方法によりシート状にすることができる。
【0086】さらに、上述した実施形態では、ポリノル
ボルネン系樹脂からなる基材4を成形した後、別の金型
装置20にセットして圧縮成形することとしているが、
一つの金型装置を用い、ポリノルボルネン系樹脂からな
る基材を成形した後、金型を少し開き、この隙間にBM
Cなどの成形材料を供給し、圧縮成形することとしても
よい。
【0087】
【実施例】以下に参考例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
の例により限定されるものではない。以下の例では、特
に断りのない限り、部および%は重量基準である。
【0088】参考例1(DCPポリマー成形体の調製) ジシクロペンタジエン(DCP)100部に、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(クインタッ
ク3530、日本ゼオン社製)7部と、フェノール系酸
化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリテ
ィーケミカルズ社製)2部とを溶解させ、これを2つの
容器に入れた。一方の容器には、DCPに対して、ジエ
チルアルミニウムクロライド(DEAC)を53ミリモ
ル濃度と、1,3−ジクロロ−2−プロパノールを53
ミリモル濃度、四塩化ケイ素を20ミリモル濃度になる
ように添加した(A液)。他方の容器には、DCPに対
して、トリ(トデシル)アンモニウムモリブデートを1
1ミリモル濃度になるように添加した(B液)。
【0089】このようにして調製されたA,B両反応原
液を、2液衝突混合注入装置を用いて1:1の比率で混
合した後、キャビティ面85℃/コア面55℃に加熱し
た金型内(500mm×500mm×3mm)に注入し
た。注入後、約3分間重合反応を行い、DCPポリマー
の板状成形体を得た。得られた成形体を用い、JIS−
K−6911の試験法(測定温度23℃)に準じて、曲
げ強度、曲げ弾性率および曲げ歪みを測定した結果を表
1に示す。
【0090】実施例1(複合成形体の調製) 電熱プレス機の上下定盤を125℃に加熱し、下側定盤
上に、上述した参考例1で調製したDCPポリマーの板
状成形物(前日に調製したもの)を置き、さらにその上
にステンレス製の角型スペーサー(200mm×300
mm×4mmt)を置いた。このスペーサーの中央部
に、オルソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂100部
に対して、液状重合性単量体(スチレン)30部、硬化
剤(ベンゾイルパーオキシド)1部、および増粘剤(酸
化マグネシウム)1.5部を含有してなるBMC500
gを置いた後、上下定盤を型締め力100トン/cm
で締めて、6分間熱プレス成形をした。このように
して得られたDCPポリマー(厚み3mm)とポリエス
テル樹脂(厚み4mm)からなる板状の複合成形体を用
い、参考例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0091】実施例2(複合成形体の調製) 実施例1のステンレス製の角型スペーサーの高さを2m
mtとし、BMCの量を250gに代えた以外は、実施
例1と同様に熱プレス成形して、DCPポリマー(厚み
3mm)とポリエステル樹脂(厚み2mm)からなる板
状の複合成形体を得た。この複合成形体について、参考
例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
【0092】比較例1(ポリエステル成形体の調製) DCPポリマー成形体を用いなかった以外は、実施例1
と同様に熱プレス成形して、ポリエステル樹脂(厚み4
mm)からなる板状のポリエステル樹脂成形体を得た。
この成形体について、参考例1と同様の評価を行った結
果を表1に示す。
【0093】
【表1】
【0094】表1に示される結果から、参考例1のよう
にDCPポリマー単独の成形体では、曲げ歪みが350
%と高いが、曲げ強度6.6kgf/mm、曲げ弾
性率170kgf/mmであり、比較的柔らかくて
粘りのある特性を示した。また、比較例1のようにBM
C単独の成形体では、曲げ弾性率は1378kgf/m
と高いが、曲げ強度が8.0kgf/mm
低く、曲げ歪みが28%と低く、比較的硬くて脆いとい
う特性を示した。
【0095】これに対して、実施例1〜2のように、B
MCからなる成形材料を用いてDCPポリマー成形体と
の複合化を行った場合には、曲げ弾性率は469kgf
/mm(実施例1)および352kgf/mm
(実施例2)と低いが、曲げ強度が8.3kgf/mm
(実施例1)および9.6kgf/mm(実施
例2)と高く、曲げ歪みも138%(実施例1)および
183%(実施例2)と高く、強靱な特性を示した。こ
のことから、実施例1〜2の複合成形体では、基材と積
層材とがより強固に接合してあることに加え、強度が両
材料の平均値より向上するという複合効果が確認でき
た。
【0096】また、実施例1〜2の複合成形体は、曲げ
試験において、界面剥離が認められず、降伏点において
ポリエステル樹脂のみが破壊した。このことからも、強
固に接合した一体成形体になっていることが確認でき
た。
【0097】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、基材と積層材との接着性が改良され、しかも強度が
向上した複合成形体およびその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)は本発明の一実施形態に
係る複合成形体の製造方法を示す概略図である。
【図2】 図2は本発明の一実施形態に係る複合成形体
を示す断面図である。
【符号の説明】
2… 複合成形体 4… ポリノルボルネン系樹脂からなる基材 6… 熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積層材 20… 金型装置 22… 分割面 24… コア型 26… キャビ型 26a… キャビ型本体 30… BMC
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 283/01 C08F 283/01 B29K 67:00 B29K 67:00 105:08 105:08 B29L 31:00 B29L 31:00 (72)発明者 宮崎 光司 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 鈴木 勝雄 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 三宅 俊男 広島県賀茂郡大和町上草井505 大協株式 会社大和工場内 (72)発明者 春宮 一文 広島県賀茂郡大和町上草井505 大協株式 会社大和工場内 Fターム(参考) 2D032 AB02 4F100 AK02B AK44A BA02 BA15 DH01A EH112 EH312 EH36A EH362 EJ17A EJ172 EJ20 GB08 JB13A JK01 JK04 JK06 JL11 YY00 4F204 AA41 AD05 AD16 AG03 AH49 FA01 FB01 FB12 FB13 FN11 4J027 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB19 AB23 AB24 AB25 AB32 AC03 AC06 AE02 AE03 AE05 AG01 AJ08 AJ09 BA05 BA07 BA10 BA17 BA22 BA23 BA26 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CA07 CA08 CA10 CA12 CA14 CA16 CA18 CA19 CA32 CA36 CA38 CB03 CC02 CD01 CD02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積層
    材が、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材の少なくと
    も一部に形成してあり、 測定温度23℃におけるJIS−K6911に準じた曲
    げ強度および曲げ歪みが、曲げ強度:7.0kgf/m
    以上、曲げ歪み:50%以上であることを特徴と
    する複合成形体。
  2. 【請求項2】 不飽和ポリエステル樹脂を有するバルク
    モールディングコンパウンドまたはシートモールディン
    グコンパウンドからなる成形材料を圧縮成形または射出
    成形して得られる熱硬化性ポリエステル樹脂からなる積
    層材が、ポリノルボルネン系樹脂からなる基材の少なく
    とも一部に形成してある複合成形体。
  3. 【請求項3】 ポリノルボルネン系樹脂からなる基材が
    内部に配置してある金型装置のキャビティ内に、不飽和
    ポリエステル樹脂を有するバルクモールディングコンパ
    ウンドまたはシートモールディングコンパウンドからな
    る成形材料を供給し、圧縮成形または射出成形すること
    を特徴とする複合成形体の製造方法。
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