JP2002057161A5 - - Google Patents
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【書類名】 明細書
【発明の名称】窒化物化合物半導体層の熱処理方法及び半導体素子の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上加熱することを特徴とする窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項2】
加熱雰囲気は大気雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項3】
加熱雰囲気は、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項4】
加熱雰囲気は、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項5】
加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気、若しくは、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項6】
加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていることを特徴とする請求項5に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項7】
200分以上加熱することを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項8】
500分以上加熱することを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項9】
窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項10】
p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上加熱する工程を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項11】
加熱雰囲気は大気雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
加熱雰囲気は、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項13】
加熱雰囲気は、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項14】
加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気、若しくは、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項15】
加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項16】
200分以上加熱することを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項17】
500分以上加熱することを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項18】
窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物化合物半導体層の熱処理方法及び半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GaN、AlGaN混晶あるいはAlInGaN混晶等の窒化ガリウム系化合物半導体が、可視領域から紫外線領域まで発光し得る半導体素子の構成材料として有望視されている。特に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が実用化されて以来、大きな注目を集めている。また、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体レーザ(LD:Laser Diode)の実現も報告されており、光ディスク装置の光源を初めとした応用が期待されている。
【0003】
ところで、p型不純物が添加された窒化ガリウム系化合物半導体層を気相成長法に基づき形成したとき、そのままでは、かかる窒化ガリウム系化合物半導体層はp型とはならず、抵抗率が108Ω・cm以上の高抵抗の半絶縁性層、即ち、i型化合物半導体層となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような高抵抗のi型化合物半導体層を低抵抗化し、p型化合物半導体層とするための手段が、例えば、特開平2−257679号公報から公知である。この特許公開公報に開示された技術においては、p型不純物としてMgをドーピングして得られたi型窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に電子線を照射することによって、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面を低抵抗化する。しかしながら、このような方法では、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面しか低抵抗化することができず、しかも、電子線を走査するために長い処理時間を要し、更には、ウエハ面内において窒化ガリウム系化合物半導体層を均一に低抵抗化することが困難であるといった問題を有する。
【0005】
特許公報第2540791号には、気相成長法によりp型不純物がドープされた窒化ガリウム系化合物半導体を成長させた後、400゜C以上、実用的なキャリア濃度を得るためには600゜C以上の温度で、熱処理を行う技術が開示されている。尚、熱処理雰囲気は、NH3やH2といった水素原子を含まない、真空あるいは不活性ガス雰囲気であり、熱処理時間は10〜20分程度である。
【0006】
ところが、半導体レーザを製造する場合、熱処理温度が高いほど、例えば、Mg等のp型不純物の拡散が生じ易くなり、あるいは又、Inの拡散による超格子構造における界面の急峻性が崩壊し易くなると考えられ、例えば、閾値電流Ithの増加、短寿命化といった、活性層の劣化が進行し易くなる。
【0007】
更には、高温で熱処理を行うと、窒素原子の乖離によって窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に劣化が生じる。このような現象の発生を防止するために、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面にキャップ層を形成する技術も、特許公報第2540791号に開示されている。しかしながら、キャップ層を構成する材料は、GaXAl1-XN(0≦X≦1)、AlN、Si3N4、SiO2であり、これらの材料から構成されたキャップ層を、最終的に窒化ガリウム系化合物半導体層の表面から除去しなければならず、工程の増加といった問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を、従来の技術におけるよりも一層低温にて行うことを可能とする窒化物化合物半導体層の熱処理方法、及び、かかる窒化物化合物半導体層の熱処理方法を適用した半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上、好ましくは200分以上、より好ましくは500分以上、一層好ましくは20時間以上、更に好ましくは30時間以上、より一層好ましくは3×103分(50時間)以上、更に一層好ましくは1×102時間以上、加熱することを特徴とする。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上、好ましくは200分以上、より好ましくは500分以上、一層好ましくは20時間以上、更に好ましくは30時間以上、より一層好ましくは3×103分(50時間)以上、更に一層好ましくは1×102時間以上、加熱する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、係数α=1.04×104、係数ln(D0)=53、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度をC(単位:cm-3)としたとき、加熱温度T(単位:K)及び加熱時間t(単位:分)が、t≧100、好ましくは、t≧200、一層好ましくはt≧500、より一層好ましくはt≧2×103であって、且つ、以下の式(1)の条件を満たす状態で、熱処理することを特徴とする。
T≧α/[ln(√t)+ln(D0)−ln(C)] (1)
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、係数α=1.04×103、係数ln(D0)=53、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度をC(単位:cm-3)としたとき、加熱温度T(単位:K)及び加熱時間t(単位:分)が、t≧100、好ましくは、t≧200、一層好ましくはt≧500、より一層好ましくはt≧2×103であって、且つ、上記の式(1)の条件を満たす状態で、熱処理する工程を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第2の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)においては、更に、加熱温度T(K)を、473(K)≦T<673(K)、好ましくは498(K)≦T<673(K)、一層好ましくは523(K)≦T<673(K)、更に一層好ましくは573(K)≦T<673(K)の条件を満たす状態とすることが好ましい。尚、加熱温度Tをセルシウス温度で表現すれば、加熱温度を200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満とすることが好ましい。また、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cは、1.0×1017cm-3以上、好ましくは3.0×1017cm-3以上、一層好ましくは5.0×1017cm-3以上、更に一層好ましくは1.0×1018cm-3以上であることが望ましい。
【0014】
本発明の第1の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第1の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)、若しくは、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱雰囲気を大気雰囲気(圧力は、大気圧、減圧状態、加圧状態のいずれであってもよい)とすることができる。あるいは又、加熱雰囲気を、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気とすることができ、この場合、加熱雰囲気は、酸素ガスのみが供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気であってもよいし、これらに更に不活性ガスが供給された雰囲気であってもよい。あるいは又、加熱雰囲気を、不活性ガス雰囲気、若しくは、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気とすることができ、この場合、加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていてもよい。ここで、不活性ガスとして、窒素(N2)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、あるいは、これらのガスの混合ガスを挙げることができる。尚、酸素ガスと水素ガスとを供給する場合、あるいは酸素ガスと水素ガスと水蒸気を供給する場合、酸素ガスと水素ガスの混合ガス中の水素ガスの割合は燃焼範囲の下限値(4体積%)未満とする必要がある。また、酸素ガス/水蒸気の供給割合、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気中の水蒸気の割合は、本質的には任意である。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、
(A)大気、
(B)酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、
(C)酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、
(D)酸素ガス、水素ガス、及び水蒸気が供給された雰囲気、
(E)水蒸気を含む不活性ガス雰囲気、並びに、
(F)水蒸気を含む、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気、
の内のいずれか一種の雰囲気中で、200゜C以上1200゜C以下の温度で加熱することを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、
(A)大気、
(B)酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、
(C)酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、
(D)酸素ガス、水素ガス、及び水蒸気が供給された雰囲気、
(E)水蒸気を含む不活性ガス雰囲気、並びに、
(F)水蒸気を含む、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気、
の内のいずれか一種の雰囲気中で、200゜C以上1200゜C以下の温度で加熱する工程を含むことを特徴とする。
【0017】
尚、本発明の第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第3の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)においては、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、あるいは、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気における酸素ガスと水素ガスの混合ガス中の水素ガスの割合は燃焼範囲の下限値(4体積%)未満とする必要がある。また、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気における酸素ガス/水蒸気の供給割合、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気中の水蒸気の割合は、本質的には任意である。また、(A)〜(E)の雰囲気は、大気圧の状態、減圧状態、加圧状態のいずれであってもよい。また、上記の(B)、(C)及び(D)の雰囲気には、更に、上述した不活性ガスが供給されてもよい。
【0018】
本発明の第3の態様に係る方法においては、加熱温度の下限値を、200゜C以上、好ましくは225゜C以上、一層好ましくは250゜C以上、更に一層好ましくは300゜C以上とすることが望ましい。一方、加熱温度の上限値を、1200゜C以下、好ましくは700゜C以下、一層好ましくは600゜C以下、より一層好ましくは500゜C以下、更に一層好ましくは400゜C未満とすることが望ましい。加熱温度の上限値を700゜C以下とすることによって、窒化物化合物半導体層を構成する原子(例えば、In)の拡散による超格子構造における界面の急峻性の崩壊が生じ難くなる。また、加熱温度の上限値を600゜C以下、更には500゜C以下、更には400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを一層確実に防止し得るし、Mg等のp型不純物の拡散が一層生じ難くなる。また、熱処理雰囲気にも依るが、窒化物化合物半導体層の表面が一層酸化され難くなる。
【0019】
本発明の第1の態様、第2の態様若しくは第3の態様に係る方法にあっては、窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されている構成とすることもできる。この場合、水素透過性膜を構成する材料として、例えばパラジウム(Pd)といった所謂水素吸蔵金属や、水素吸蔵合金を挙げることができる。尚、水素透過性膜の膜厚は、熱処理によって窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを防止できる膜厚ならばよい。水素透過性膜は、構成する材料に依存して、例えば、スパッタ法や真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法)や、化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。例えばパラジウム(Pd)から成る水素透過性膜は、高温で水素ガスを透過させるので、窒化物化合物半導体層中の水素原子を熱処理雰囲気中に放出させ、しかも、窒化物化合物半導体層の表面が酸化されることを防止し得る。更には、パラジウムは、窒化物化合物半導体層から容易に剥離させることができるし、p側電極としても使用可能なため、特許公報第2540791号に開示されているキャップ層と比較して、半導体素子等の製造プロセスにおける工程増を左程招くことがない。
【0020】
本発明における窒化物化合物半導体層として、具体的には、例えば、GaN、AlGaN混晶あるいはAlInGaN混晶、BAlInGaN混晶、InGaN混晶、InN、AlNを挙げることができ、例えば、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)によって形成することができる。p型不純物として、Mg、Zn、Cd、Be、Ca、Ba、Oを挙げることができる。
【0021】
本発明の第1の態様、第2の態様若しくは第3の態様に係る半導体素子の製造方法における半導体素子として、半導体レーザ(LD)、発光ダイオード(LED)、HBT等のトランジスタを例示することができる。
【0022】
熱処理は、例えば、電気炉、熱風加熱装置等の加熱気体を用いた加熱装置といった各種の加熱装置、赤外線、紫外線、マイクロ波照射等の光照射装置や電磁波照射装置を用いて行うことができる。
【0023】
本発明の第1の態様に係る方法においては、加熱温度を200゜C以上400゜C未満といった、従来よりも低温とし、しかも、従来よりも長時間熱処理することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。また、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱温度T及び加熱時間tが、t≧100であって、且つ、式(1)の条件を満たす状態で、熱処理するので、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を確実に図ることができる。更には、本発明の第3の態様に係る方法においては、酸素ガスが含まれ、あるいは又、水蒸気が含まれた雰囲気において熱処理を行うが故に、加熱温度の下限値を従来の技術と比較して低下させることが可能となる。しかも、本発明の第1の態様、第2の態様、若しくは第3の態様に係る方法においては、特に、加熱雰囲気を、大気雰囲気とし、あるいは、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気とすることによって、短い加熱時間で窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。これは、例えば大気雰囲気中に含まれている水分が、熱処理時、窒化物化合物半導体層の表面で一種の触媒として作用し、あるいは又、酸素が一種の触媒として作用し、窒化物化合物半導体層中の水素の脱離を促進しているものと推定される。
【0024】
【実施例】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【0025】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様、第2の態様及び第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法に関する。実施例1においては、加熱雰囲気を大気雰囲気(圧力:大気圧)とした。
【0026】
実施例1においては、先ず、サファイア基板上に、厚さ40nmのバッファ層を形成し、その上に不純物を含有していないノンドープの厚さ1μmのGaN層を形成し、更に、GaN層の上に、p型不純物としてMgが添加されたGaNから成る厚さ1μmの窒化物化合物半導体層を形成した。これらの各層の形成は、MOCVD法に基づき行った。こうして得られた試料を5mm角に切断し、四隅に厚さ0.3μmのパラジウム(Pd)から成る電極を蒸着法によって形成し、熱処理評価用試料とした。
【0027】
この熱処理評価用試料をT゜C(具体的には、385゜C,415゜C,485゜C)に加熱されたステンレス鋼製の加熱板上に置き、熱処理評価用試料の上にステンレス鋼製の重りを乗せ、熱処理評価用試料と加熱板との密着性を高めた。加熱雰囲気を大気雰囲気(平均温度28゜C、平均相対湿度68%)とした。熱処理の際、加熱板と熱処理評価用試料との間の微小な隙間を通って、熱処理評価用試料から水素が放出された。
【0028】
所定の時間経過後、熱処理評価用試料を加熱板から外し、ファン・デル・ポー法に基づき、熱処理評価用試料の電気抵抗率及びホール係数の測定を行った。その後、再び、熱処理評価用試料を加熱板上に乗せ、熱処理を継続した。
【0029】
尚、厚さ0.3μmのパラジウム(Pd)から成る水素透過性膜を、p型不純物としてMgが添加されたGaNから成る厚さ1μmの窒化物化合物半導体層上に形成した熱処理評価用試料の電気抵抗率及びホール係数の測定を、併せて、行った。尚、この試料においては、電気抵抗率及びホール係数の測定の前に、電極に相当する部分の水素透過性膜を残し、他の水素透過性膜の部分をエッチングによって除去した。
【0030】
T=385゜C、415゜C、485゜Cにおける電気抵抗率、及び、ホール係数測定結果に基づくキャリア密度を、ぞれぞれ、図1及び図2に示す。図1のグラフにおいて、横軸は加熱時間t(単位:分)の平方根であり、縦軸はキャリア密度である。また、図2のグラフにおいて、横軸は加熱時間t(単位:分)の平方根であり、縦軸は電気抵抗率測定結果である。ここで、図1のグラフにおいて、黒四角印は、T=385゜Cにおけるキャリア密度、白四角印は、T=415゜Cにおけるキャリア密度、白丸印は、T=485゜Cにおけるキャリア密度を示す。更には、図2のグラフにおいて、黒四角印は、T=385゜Cにおける電気抵抗率、白四角印は、T=415゜Cにおける電気抵抗率、白丸印は、T=485゜Cにおける電気抵抗率を示す。また、図1における黒丸印及び図2における黒丸印は、それぞれ、水素透過性膜が形成された熱処理評価用試料におけるT=385゜Cでのキャリア密度及び電気抵抗率である。図1及び図2から、加熱温度が400゜C未満であっても、加熱時間が長くなるに従い、キャリア密度が増加し、電気抵抗率が低下していくことが判る。尚、水素透過性膜を形成した熱処理評価用試料における測定結果は、水素透過性膜の形成されていない熱処理評価用試料における測定結果よりも悪いが、これは、水素透過性膜によって水素の拡散速度が遅くなっているためと考えられる。
【0031】
図1に示した結果から、キャリア密度Cが加熱時間tの平方根にほぼ比例していることが判る。この結果から、キャリア密度の増加、即ち、活性化は拡散により進行しているものと推定され、以下の式(2)に従うと仮定することができる。ここで、Tは、加熱温度(単位:K)である。
【0032】
C=D0・(√t)・exp[−α/T] (2)
【0033】
ここで、加熱温度385゜C、415゜C、485゜Cにおけるキャリア密度C1,C2,C3が加熱時間tの平方根に比例しているとして、加熱温度385゜C、415゜C、485゜Cにおける係数D1,D2,D3を求めた。
【0034】
C1=D1√(t) (3−1)
C2=D2√(t) (3−2)
C3=D3√(t) (3−3)
【0035】
その結果、
D1=1.39×1016
D2=3.61×1016
D3=1.17×1017
という結果が得られた。
【0036】
この結果を基に、以下の式(4)から係数D0、αを求めた。尚、Dの値として、上記のD1,D2,D3の値を用いた。その結果、係数ln(D0)=53、α=1.04×103を得た。
【0037】
D=D0exp[−α/T] (4)
【0038】
式(2)を変形すると、以下の式(5)が得られる。従って、式(5)の右辺よりも左辺の加熱温度Tが高ければ、熱処理後に所望のキャリア密度を得ることができる。
【0039】
T=α/[ln(√t)+ln(D0)−ln(C)] (5)
【0040】
式(5)において、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度C(単位:cm-3)を変えたときのグラフを図3に示す。尚、図3の縦軸は加熱温度T(単位:゜C)であり、横軸は加熱時間(単位:分)である。図3中、黒菱型印は、C=1×1016cm-3の場合であり、黒四角印は、C=5×1016cm-3の場合であり、黒三角印は、C=1×1017cm-3の場合であり、「×」印は、C=3×1017cm-3の場合であり、「*」印は、C=5×1017cm-3の場合であり、黒丸印は、C=1×1018cm-3の場合である。
【0041】
図3及び式(5)から、例えば、加熱温度を400゜C、385゜Cとしたときの加熱時間tと熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cとの関係を、以下の表1及び表2に示す。尚、41時間あるいは82時間という加熱時間は、半導体素子の製造上、問題とはならない時間である。
【0042】
【表1】
加熱温度T=400゜C
キャリア密度C(cm-3) 加熱時間t(時間)
3×1017 3.7
5×1017 10
1×1018 41
【0043】
【表2】
加熱温度T=385゜C
キャリア密度C(cm-3) 加熱時間t(時間)
3×1017 7.4
5×1017 21
1×1018 82
【0044】
尚、熱処理雰囲気を、大気雰囲気から、酸素ガスが供給された雰囲気、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、不活性ガス雰囲気、水蒸気が含まれた不活性ガス雰囲気、減圧雰囲気、並びに、水蒸気が含まれた減圧雰囲気にて同様の試験を行ったが、大気雰囲気と同様の傾向が得られた。
【0045】
(実施例2)
実施例2は、半導体レーザから成る半導体素子の製造方法に関する。以下、気相成長法の一種である加圧MOCVD法に基づく係る製造方法の概要を説明する。尚、加圧MOCVD法においては、各種の化合物半導体層を成膜するときのMOCVD装置内の圧力を1.1気圧乃至2.0気圧、好ましくは1.2気圧乃至1.8気圧とすることが望ましい。このように、加圧MOCVD法を採用することによって、化合物半導体層の成長中に窒素が脱離し、化合物半導体層が窒素不足となるといった現象の発生を確実に防止し得る。以下の説明においては、各種の化合物半導体層を成膜するときのMOCVD装置内の圧力を1.2気圧に設定した。尚、MOCVD装置内の圧力を常圧としてもよい。また、バッファ層及び活性層以外の各種の化合物半導体層の成膜温度を約1000゜Cとし、活性層の成膜温度を、Inの分解を抑えるために、700〜800゜Cとし、バッファ層の成膜温度を約560゜Cとした。
【0046】
先ず、例えば、サファイア基板10をMOCVD装置(図示せず)内に搬入し、MOCVD装置を排気した後、水素ガスを流しながらサファイア基板10を加熱し、サファイア基板10の表面の酸化物を除去する。次に、MOCVD法に基づき、GaNから成るバッファ層11をサファイア基板10上に形成する。尚、各層の形成においては、Ga源としてトリメチルガリウム(TMG)ガスを用い、N源としてアンモニアガスを用いればよい。
【0047】
その後、例えば、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型GaN層から成るn側コンタクト層12、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型AlGaN混晶層から成るn型クラッド層13、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型GaN層から成るn型ガイド層14を、順次、成長させる。尚、Si源としてモノシランガス(SiH4ガス)を用い、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)ガスを用いればよい。
【0048】
引き続き、n型ガイド層14上に、組成の異なるGaXIn1-XN(但し、X≧0)の混晶層を積層した多重量子井戸構造を有する活性層15を形成する。尚、In源としてトリメチルインジウム(TMI)ガスを用いればよい。
【0049】
活性層15を成長させた後、活性層15上に、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型GaNから成るp型ガイド層16、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型AlGaN混晶層から成るp型クラッド層17、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型GaN層から成るp側コンタクト層18を、順次、成長させる。尚、Mg源として、シクロペンタジエニルマグネシウムガスを用いればよい。
【0050】
その後、実施例1にて説明したと実質的に同様の方法で、例えば、熱風乾燥装置を使用して、熱処理を行う。熱処理雰囲気を大気中とし、加熱温度を385゜C、加熱時間を84時間(3.5日間)とした。これによって、p型ガイド層16、p型クラッド層17、p側コンタクト層18に含まれるp型不純物が活性化され、且つ、これらの各層の電気抵抗率の低下を図ることができる。
【0051】
次に、n側電極20を形成すべき位置の上方のp側コンタクト層18が露出するようにp側コンタクト層18上にレジスト層を形成し、かかるレジスト層をエッチング用マスクとして、p側コンタクト層18、p型クラッド層17、p型ガイド層16、活性層15、n型ガイド層14、n型クラッド層13を選択的に除去し、n側コンタクト層12を露出させる。次いで、レジスト層を除去し、露出したp側コンタクト層18上に、例えば、白金(Pt)層及び金(Au)層を順次蒸着して、p側電極19を形成する。また、露出させたn側コンタクト層12上に、例えば、チタン(Ti)層、アルミニウム(Al)層、白金層、金層を順次蒸着して、n側電極20を形成する。その後、加熱処理を行うことによって、n側電極20を合金化する。こうして、図4に模式的な断面図を示す半導体レーザを完成させることができる。
【0052】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例において説明した条件や各種数値、使用した材料等は例示であり、適宜変更することができる。窒化物化合物半導体から成る各層の形成は、MOCVD法に限定されず、MBE法、ハロゲンが輸送あるいは反応に寄与するハイドライド気相成長法等によって行うこともできる。また、基板としてサファイア基板以外にも、GaN基板、SiC基板を用いることができる。また、実施例においては、半導体素子として半導体レーザを挙げたが、発光ダイオード(LED)や、HBT等のトランジスタも、本発明の半導体素子の製造方法を適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の第1の態様に係る方法においては、加熱温度を従来よりも低温とし、しかも、従来よりも長時間熱処理することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。また、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱温度T及び加熱時間tを規定することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を確実に図ることができる。更には、本発明の第3の態様に係る方法においては、酸素ガスが含まれ、あるいは又、水蒸気が含まれた雰囲気において熱処理を行うが故に、加熱温度の下限値を従来の技術と比較して低下させることが可能となる。しかも、加熱温度を400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層の分解圧が実質的に0となるが故に、窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを確実に防止し得る。また、加熱温度を従来よりも低温とすることができるが故に、Mg等のp型不純物の拡散が生じ難く、あるいは又、窒化物化合物半導体層を構成する原子(例えば、In)の拡散による超格子構造における界面の急峻性の崩壊が生じ難く、例えば半導体レーザの活性層を劣化させることが少なく、高品質の半導体レーザを製造することができる。更には、従来よりも長時間熱処理する必要があるが、加熱温度が400゜C未満とすれば、一度に大量の処理が可能となり、半導体素子の量産化に充分対応可能である。更には、加熱温度を400゜C未満とすることによって、熱処理雰囲気にも依るが、窒化物化合物半導体層の表面が酸化され難くなる。窒化物化合物半導体層を熱処理した後、窒化物化合物半導体層の表面にp側電極を形成する場合には、窒化物化合物半導体層の表面の酸化膜を除去する必要があるが、加熱温度を400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層の表面に形成された酸化膜の除去が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
加熱温度T=385゜C、415゜C、485゜Cにおけるホール係数測定結果に基づくキャリア密度を示すグラフである。
【図2】
加熱温度T=385゜C、415゜C、485゜Cにおける電気抵抗率を示すグラフである。
【図3】
熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cを変えたときの、加熱温度Tと加熱時間tの関係を示すグラフである。
【図4】
半導体レーザの模式的な断面図である。
【符号の説明】
10・・・サファイア基板、11・・・バッファ層、12・・・n側コンタクト層、13・・・n型クラッド層、14・・・n型ガイド層、15・・・活性層、16・・・p型ガイド層、17・・・p型クラッド層、18・・・p側コンタクト層、19・・・p側電極、20・・・n側電極
【発明の名称】窒化物化合物半導体層の熱処理方法及び半導体素子の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上加熱することを特徴とする窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項2】
加熱雰囲気は大気雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項3】
加熱雰囲気は、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項4】
加熱雰囲気は、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項5】
加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気、若しくは、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項6】
加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていることを特徴とする請求項5に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項7】
200分以上加熱することを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項8】
500分以上加熱することを特徴とする請求項1に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項9】
窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の窒化物化合物半導体層の熱処理方法。
【請求項10】
p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上加熱する工程を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
【請求項11】
加熱雰囲気は大気雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項12】
加熱雰囲気は、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項13】
加熱雰囲気は、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であることを特徴とする請求項12に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項14】
加熱雰囲気は、不活性ガス雰囲気、若しくは、減圧雰囲気であることを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項15】
加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていることを特徴とする請求項14に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項16】
200分以上加熱することを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項17】
500分以上加熱することを特徴とする請求項10に記載の半導体素子の製造方法。
【請求項18】
窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化物化合物半導体層の熱処理方法及び半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、GaN、AlGaN混晶あるいはAlInGaN混晶等の窒化ガリウム系化合物半導体が、可視領域から紫外線領域まで発光し得る半導体素子の構成材料として有望視されている。特に、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が実用化されて以来、大きな注目を集めている。また、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体レーザ(LD:Laser Diode)の実現も報告されており、光ディスク装置の光源を初めとした応用が期待されている。
【0003】
ところで、p型不純物が添加された窒化ガリウム系化合物半導体層を気相成長法に基づき形成したとき、そのままでは、かかる窒化ガリウム系化合物半導体層はp型とはならず、抵抗率が108Ω・cm以上の高抵抗の半絶縁性層、即ち、i型化合物半導体層となってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような高抵抗のi型化合物半導体層を低抵抗化し、p型化合物半導体層とするための手段が、例えば、特開平2−257679号公報から公知である。この特許公開公報に開示された技術においては、p型不純物としてMgをドーピングして得られたi型窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に電子線を照射することによって、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面を低抵抗化する。しかしながら、このような方法では、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面しか低抵抗化することができず、しかも、電子線を走査するために長い処理時間を要し、更には、ウエハ面内において窒化ガリウム系化合物半導体層を均一に低抵抗化することが困難であるといった問題を有する。
【0005】
特許公報第2540791号には、気相成長法によりp型不純物がドープされた窒化ガリウム系化合物半導体を成長させた後、400゜C以上、実用的なキャリア濃度を得るためには600゜C以上の温度で、熱処理を行う技術が開示されている。尚、熱処理雰囲気は、NH3やH2といった水素原子を含まない、真空あるいは不活性ガス雰囲気であり、熱処理時間は10〜20分程度である。
【0006】
ところが、半導体レーザを製造する場合、熱処理温度が高いほど、例えば、Mg等のp型不純物の拡散が生じ易くなり、あるいは又、Inの拡散による超格子構造における界面の急峻性が崩壊し易くなると考えられ、例えば、閾値電流Ithの増加、短寿命化といった、活性層の劣化が進行し易くなる。
【0007】
更には、高温で熱処理を行うと、窒素原子の乖離によって窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に劣化が生じる。このような現象の発生を防止するために、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面にキャップ層を形成する技術も、特許公報第2540791号に開示されている。しかしながら、キャップ層を構成する材料は、GaXAl1-XN(0≦X≦1)、AlN、Si3N4、SiO2であり、これらの材料から構成されたキャップ層を、最終的に窒化ガリウム系化合物半導体層の表面から除去しなければならず、工程の増加といった問題がある。
【0008】
従って、本発明の目的は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を、従来の技術におけるよりも一層低温にて行うことを可能とする窒化物化合物半導体層の熱処理方法、及び、かかる窒化物化合物半導体層の熱処理方法を適用した半導体素子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上、好ましくは200分以上、より好ましくは500分以上、一層好ましくは20時間以上、更に好ましくは30時間以上、より一層好ましくは3×103分(50時間)以上、更に一層好ましくは1×102時間以上、加熱することを特徴とする。
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満の温度で、100分以上、好ましくは200分以上、より好ましくは500分以上、一層好ましくは20時間以上、更に好ましくは30時間以上、より一層好ましくは3×103分(50時間)以上、更に一層好ましくは1×102時間以上、加熱する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、係数α=1.04×104、係数ln(D0)=53、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度をC(単位:cm-3)としたとき、加熱温度T(単位:K)及び加熱時間t(単位:分)が、t≧100、好ましくは、t≧200、一層好ましくはt≧500、より一層好ましくはt≧2×103であって、且つ、以下の式(1)の条件を満たす状態で、熱処理することを特徴とする。
T≧α/[ln(√t)+ln(D0)−ln(C)] (1)
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、係数α=1.04×103、係数ln(D0)=53、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度をC(単位:cm-3)としたとき、加熱温度T(単位:K)及び加熱時間t(単位:分)が、t≧100、好ましくは、t≧200、一層好ましくはt≧500、より一層好ましくはt≧2×103であって、且つ、上記の式(1)の条件を満たす状態で、熱処理する工程を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第2の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)においては、更に、加熱温度T(K)を、473(K)≦T<673(K)、好ましくは498(K)≦T<673(K)、一層好ましくは523(K)≦T<673(K)、更に一層好ましくは573(K)≦T<673(K)の条件を満たす状態とすることが好ましい。尚、加熱温度Tをセルシウス温度で表現すれば、加熱温度を200゜C以上400゜C未満、好ましくは225゜C以上400゜C未満、一層好ましくは250゜C以上400゜C未満、更に一層好ましくは300゜C以上400゜C未満とすることが好ましい。また、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cは、1.0×1017cm-3以上、好ましくは3.0×1017cm-3以上、一層好ましくは5.0×1017cm-3以上、更に一層好ましくは1.0×1018cm-3以上であることが望ましい。
【0014】
本発明の第1の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第1の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)、若しくは、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱雰囲気を大気雰囲気(圧力は、大気圧、減圧状態、加圧状態のいずれであってもよい)とすることができる。あるいは又、加熱雰囲気を、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気とすることができ、この場合、加熱雰囲気は、酸素ガスのみが供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気であってもよいし、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気であってもよいし、これらに更に不活性ガスが供給された雰囲気であってもよい。あるいは又、加熱雰囲気を、不活性ガス雰囲気、若しくは、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気とすることができ、この場合、加熱雰囲気には、水蒸気が含まれていてもよい。ここで、不活性ガスとして、窒素(N2)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、あるいは、これらのガスの混合ガスを挙げることができる。尚、酸素ガスと水素ガスとを供給する場合、あるいは酸素ガスと水素ガスと水蒸気を供給する場合、酸素ガスと水素ガスの混合ガス中の水素ガスの割合は燃焼範囲の下限値(4体積%)未満とする必要がある。また、酸素ガス/水蒸気の供給割合、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気中の水蒸気の割合は、本質的には任意である。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、
(A)大気、
(B)酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、
(C)酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、
(D)酸素ガス、水素ガス、及び水蒸気が供給された雰囲気、
(E)水蒸気を含む不活性ガス雰囲気、並びに、
(F)水蒸気を含む、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気、
の内のいずれか一種の雰囲気中で、200゜C以上1200゜C以下の温度で加熱することを特徴とする。
【0016】
上記の目的を達成するための本発明の第3の態様に係る半導体素子の製造方法は、p型不純物が添加された窒化物化合物半導体層を、
(A)大気、
(B)酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、
(C)酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、
(D)酸素ガス、水素ガス、及び水蒸気が供給された雰囲気、
(E)水蒸気を含む不活性ガス雰囲気、並びに、
(F)水蒸気を含む、大気圧未満の圧力の減圧雰囲気、
の内のいずれか一種の雰囲気中で、200゜C以上1200゜C以下の温度で加熱する工程を含むことを特徴とする。
【0017】
尚、本発明の第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法あるいは半導体素子の製造方法(以下、これらを総称して、本発明の第3の態様に係る方法と呼ぶ場合がある)においては、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、あるいは、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気における酸素ガスと水素ガスの混合ガス中の水素ガスの割合は燃焼範囲の下限値(4体積%)未満とする必要がある。また、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気における酸素ガス/水蒸気の供給割合、不活性ガス雰囲気若しくは減圧雰囲気中の水蒸気の割合は、本質的には任意である。また、(A)〜(E)の雰囲気は、大気圧の状態、減圧状態、加圧状態のいずれであってもよい。また、上記の(B)、(C)及び(D)の雰囲気には、更に、上述した不活性ガスが供給されてもよい。
【0018】
本発明の第3の態様に係る方法においては、加熱温度の下限値を、200゜C以上、好ましくは225゜C以上、一層好ましくは250゜C以上、更に一層好ましくは300゜C以上とすることが望ましい。一方、加熱温度の上限値を、1200゜C以下、好ましくは700゜C以下、一層好ましくは600゜C以下、より一層好ましくは500゜C以下、更に一層好ましくは400゜C未満とすることが望ましい。加熱温度の上限値を700゜C以下とすることによって、窒化物化合物半導体層を構成する原子(例えば、In)の拡散による超格子構造における界面の急峻性の崩壊が生じ難くなる。また、加熱温度の上限値を600゜C以下、更には500゜C以下、更には400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを一層確実に防止し得るし、Mg等のp型不純物の拡散が一層生じ難くなる。また、熱処理雰囲気にも依るが、窒化物化合物半導体層の表面が一層酸化され難くなる。
【0019】
本発明の第1の態様、第2の態様若しくは第3の態様に係る方法にあっては、窒化物化合物半導体層の表面には、水素透過性膜が形成されている構成とすることもできる。この場合、水素透過性膜を構成する材料として、例えばパラジウム(Pd)といった所謂水素吸蔵金属や、水素吸蔵合金を挙げることができる。尚、水素透過性膜の膜厚は、熱処理によって窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを防止できる膜厚ならばよい。水素透過性膜は、構成する材料に依存して、例えば、スパッタ法や真空蒸着法等の物理的気相成長法(PVD法)や、化学的気相成長法(CVD法)にて形成することができる。例えばパラジウム(Pd)から成る水素透過性膜は、高温で水素ガスを透過させるので、窒化物化合物半導体層中の水素原子を熱処理雰囲気中に放出させ、しかも、窒化物化合物半導体層の表面が酸化されることを防止し得る。更には、パラジウムは、窒化物化合物半導体層から容易に剥離させることができるし、p側電極としても使用可能なため、特許公報第2540791号に開示されているキャップ層と比較して、半導体素子等の製造プロセスにおける工程増を左程招くことがない。
【0020】
本発明における窒化物化合物半導体層として、具体的には、例えば、GaN、AlGaN混晶あるいはAlInGaN混晶、BAlInGaN混晶、InGaN混晶、InN、AlNを挙げることができ、例えば、有機金属化学的気相成長法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)によって形成することができる。p型不純物として、Mg、Zn、Cd、Be、Ca、Ba、Oを挙げることができる。
【0021】
本発明の第1の態様、第2の態様若しくは第3の態様に係る半導体素子の製造方法における半導体素子として、半導体レーザ(LD)、発光ダイオード(LED)、HBT等のトランジスタを例示することができる。
【0022】
熱処理は、例えば、電気炉、熱風加熱装置等の加熱気体を用いた加熱装置といった各種の加熱装置、赤外線、紫外線、マイクロ波照射等の光照射装置や電磁波照射装置を用いて行うことができる。
【0023】
本発明の第1の態様に係る方法においては、加熱温度を200゜C以上400゜C未満といった、従来よりも低温とし、しかも、従来よりも長時間熱処理することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。また、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱温度T及び加熱時間tが、t≧100であって、且つ、式(1)の条件を満たす状態で、熱処理するので、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を確実に図ることができる。更には、本発明の第3の態様に係る方法においては、酸素ガスが含まれ、あるいは又、水蒸気が含まれた雰囲気において熱処理を行うが故に、加熱温度の下限値を従来の技術と比較して低下させることが可能となる。しかも、本発明の第1の態様、第2の態様、若しくは第3の態様に係る方法においては、特に、加熱雰囲気を、大気雰囲気とし、あるいは、少なくとも酸素ガスが供給された雰囲気とすることによって、短い加熱時間で窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。これは、例えば大気雰囲気中に含まれている水分が、熱処理時、窒化物化合物半導体層の表面で一種の触媒として作用し、あるいは又、酸素が一種の触媒として作用し、窒化物化合物半導体層中の水素の脱離を促進しているものと推定される。
【0024】
【実施例】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【0025】
(実施例1)
実施例1は、本発明の第1の態様、第2の態様及び第3の態様に係る窒化物化合物半導体層の熱処理方法に関する。実施例1においては、加熱雰囲気を大気雰囲気(圧力:大気圧)とした。
【0026】
実施例1においては、先ず、サファイア基板上に、厚さ40nmのバッファ層を形成し、その上に不純物を含有していないノンドープの厚さ1μmのGaN層を形成し、更に、GaN層の上に、p型不純物としてMgが添加されたGaNから成る厚さ1μmの窒化物化合物半導体層を形成した。これらの各層の形成は、MOCVD法に基づき行った。こうして得られた試料を5mm角に切断し、四隅に厚さ0.3μmのパラジウム(Pd)から成る電極を蒸着法によって形成し、熱処理評価用試料とした。
【0027】
この熱処理評価用試料をT゜C(具体的には、385゜C,415゜C,485゜C)に加熱されたステンレス鋼製の加熱板上に置き、熱処理評価用試料の上にステンレス鋼製の重りを乗せ、熱処理評価用試料と加熱板との密着性を高めた。加熱雰囲気を大気雰囲気(平均温度28゜C、平均相対湿度68%)とした。熱処理の際、加熱板と熱処理評価用試料との間の微小な隙間を通って、熱処理評価用試料から水素が放出された。
【0028】
所定の時間経過後、熱処理評価用試料を加熱板から外し、ファン・デル・ポー法に基づき、熱処理評価用試料の電気抵抗率及びホール係数の測定を行った。その後、再び、熱処理評価用試料を加熱板上に乗せ、熱処理を継続した。
【0029】
尚、厚さ0.3μmのパラジウム(Pd)から成る水素透過性膜を、p型不純物としてMgが添加されたGaNから成る厚さ1μmの窒化物化合物半導体層上に形成した熱処理評価用試料の電気抵抗率及びホール係数の測定を、併せて、行った。尚、この試料においては、電気抵抗率及びホール係数の測定の前に、電極に相当する部分の水素透過性膜を残し、他の水素透過性膜の部分をエッチングによって除去した。
【0030】
T=385゜C、415゜C、485゜Cにおける電気抵抗率、及び、ホール係数測定結果に基づくキャリア密度を、ぞれぞれ、図1及び図2に示す。図1のグラフにおいて、横軸は加熱時間t(単位:分)の平方根であり、縦軸はキャリア密度である。また、図2のグラフにおいて、横軸は加熱時間t(単位:分)の平方根であり、縦軸は電気抵抗率測定結果である。ここで、図1のグラフにおいて、黒四角印は、T=385゜Cにおけるキャリア密度、白四角印は、T=415゜Cにおけるキャリア密度、白丸印は、T=485゜Cにおけるキャリア密度を示す。更には、図2のグラフにおいて、黒四角印は、T=385゜Cにおける電気抵抗率、白四角印は、T=415゜Cにおける電気抵抗率、白丸印は、T=485゜Cにおける電気抵抗率を示す。また、図1における黒丸印及び図2における黒丸印は、それぞれ、水素透過性膜が形成された熱処理評価用試料におけるT=385゜Cでのキャリア密度及び電気抵抗率である。図1及び図2から、加熱温度が400゜C未満であっても、加熱時間が長くなるに従い、キャリア密度が増加し、電気抵抗率が低下していくことが判る。尚、水素透過性膜を形成した熱処理評価用試料における測定結果は、水素透過性膜の形成されていない熱処理評価用試料における測定結果よりも悪いが、これは、水素透過性膜によって水素の拡散速度が遅くなっているためと考えられる。
【0031】
図1に示した結果から、キャリア密度Cが加熱時間tの平方根にほぼ比例していることが判る。この結果から、キャリア密度の増加、即ち、活性化は拡散により進行しているものと推定され、以下の式(2)に従うと仮定することができる。ここで、Tは、加熱温度(単位:K)である。
【0032】
C=D0・(√t)・exp[−α/T] (2)
【0033】
ここで、加熱温度385゜C、415゜C、485゜Cにおけるキャリア密度C1,C2,C3が加熱時間tの平方根に比例しているとして、加熱温度385゜C、415゜C、485゜Cにおける係数D1,D2,D3を求めた。
【0034】
C1=D1√(t) (3−1)
C2=D2√(t) (3−2)
C3=D3√(t) (3−3)
【0035】
その結果、
D1=1.39×1016
D2=3.61×1016
D3=1.17×1017
という結果が得られた。
【0036】
この結果を基に、以下の式(4)から係数D0、αを求めた。尚、Dの値として、上記のD1,D2,D3の値を用いた。その結果、係数ln(D0)=53、α=1.04×103を得た。
【0037】
D=D0exp[−α/T] (4)
【0038】
式(2)を変形すると、以下の式(5)が得られる。従って、式(5)の右辺よりも左辺の加熱温度Tが高ければ、熱処理後に所望のキャリア密度を得ることができる。
【0039】
T=α/[ln(√t)+ln(D0)−ln(C)] (5)
【0040】
式(5)において、熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度C(単位:cm-3)を変えたときのグラフを図3に示す。尚、図3の縦軸は加熱温度T(単位:゜C)であり、横軸は加熱時間(単位:分)である。図3中、黒菱型印は、C=1×1016cm-3の場合であり、黒四角印は、C=5×1016cm-3の場合であり、黒三角印は、C=1×1017cm-3の場合であり、「×」印は、C=3×1017cm-3の場合であり、「*」印は、C=5×1017cm-3の場合であり、黒丸印は、C=1×1018cm-3の場合である。
【0041】
図3及び式(5)から、例えば、加熱温度を400゜C、385゜Cとしたときの加熱時間tと熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cとの関係を、以下の表1及び表2に示す。尚、41時間あるいは82時間という加熱時間は、半導体素子の製造上、問題とはならない時間である。
【0042】
【表1】
加熱温度T=400゜C
キャリア密度C(cm-3) 加熱時間t(時間)
3×1017 3.7
5×1017 10
1×1018 41
【0043】
【表2】
加熱温度T=385゜C
キャリア密度C(cm-3) 加熱時間t(時間)
3×1017 7.4
5×1017 21
1×1018 82
【0044】
尚、熱処理雰囲気を、大気雰囲気から、酸素ガスが供給された雰囲気、酸素ガス及び水素ガスが供給された雰囲気、酸素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、酸素ガス、水素ガス及び水蒸気が供給された雰囲気、不活性ガス雰囲気、水蒸気が含まれた不活性ガス雰囲気、減圧雰囲気、並びに、水蒸気が含まれた減圧雰囲気にて同様の試験を行ったが、大気雰囲気と同様の傾向が得られた。
【0045】
(実施例2)
実施例2は、半導体レーザから成る半導体素子の製造方法に関する。以下、気相成長法の一種である加圧MOCVD法に基づく係る製造方法の概要を説明する。尚、加圧MOCVD法においては、各種の化合物半導体層を成膜するときのMOCVD装置内の圧力を1.1気圧乃至2.0気圧、好ましくは1.2気圧乃至1.8気圧とすることが望ましい。このように、加圧MOCVD法を採用することによって、化合物半導体層の成長中に窒素が脱離し、化合物半導体層が窒素不足となるといった現象の発生を確実に防止し得る。以下の説明においては、各種の化合物半導体層を成膜するときのMOCVD装置内の圧力を1.2気圧に設定した。尚、MOCVD装置内の圧力を常圧としてもよい。また、バッファ層及び活性層以外の各種の化合物半導体層の成膜温度を約1000゜Cとし、活性層の成膜温度を、Inの分解を抑えるために、700〜800゜Cとし、バッファ層の成膜温度を約560゜Cとした。
【0046】
先ず、例えば、サファイア基板10をMOCVD装置(図示せず)内に搬入し、MOCVD装置を排気した後、水素ガスを流しながらサファイア基板10を加熱し、サファイア基板10の表面の酸化物を除去する。次に、MOCVD法に基づき、GaNから成るバッファ層11をサファイア基板10上に形成する。尚、各層の形成においては、Ga源としてトリメチルガリウム(TMG)ガスを用い、N源としてアンモニアガスを用いればよい。
【0047】
その後、例えば、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型GaN層から成るn側コンタクト層12、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型AlGaN混晶層から成るn型クラッド層13、n型不純物としてケイ素(Si)を添加したn型GaN層から成るn型ガイド層14を、順次、成長させる。尚、Si源としてモノシランガス(SiH4ガス)を用い、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)ガスを用いればよい。
【0048】
引き続き、n型ガイド層14上に、組成の異なるGaXIn1-XN(但し、X≧0)の混晶層を積層した多重量子井戸構造を有する活性層15を形成する。尚、In源としてトリメチルインジウム(TMI)ガスを用いればよい。
【0049】
活性層15を成長させた後、活性層15上に、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型GaNから成るp型ガイド層16、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型AlGaN混晶層から成るp型クラッド層17、p型不純物としてマグネシウム(Mg)を添加したp型GaN層から成るp側コンタクト層18を、順次、成長させる。尚、Mg源として、シクロペンタジエニルマグネシウムガスを用いればよい。
【0050】
その後、実施例1にて説明したと実質的に同様の方法で、例えば、熱風乾燥装置を使用して、熱処理を行う。熱処理雰囲気を大気中とし、加熱温度を385゜C、加熱時間を84時間(3.5日間)とした。これによって、p型ガイド層16、p型クラッド層17、p側コンタクト層18に含まれるp型不純物が活性化され、且つ、これらの各層の電気抵抗率の低下を図ることができる。
【0051】
次に、n側電極20を形成すべき位置の上方のp側コンタクト層18が露出するようにp側コンタクト層18上にレジスト層を形成し、かかるレジスト層をエッチング用マスクとして、p側コンタクト層18、p型クラッド層17、p型ガイド層16、活性層15、n型ガイド層14、n型クラッド層13を選択的に除去し、n側コンタクト層12を露出させる。次いで、レジスト層を除去し、露出したp側コンタクト層18上に、例えば、白金(Pt)層及び金(Au)層を順次蒸着して、p側電極19を形成する。また、露出させたn側コンタクト層12上に、例えば、チタン(Ti)層、アルミニウム(Al)層、白金層、金層を順次蒸着して、n側電極20を形成する。その後、加熱処理を行うことによって、n側電極20を合金化する。こうして、図4に模式的な断面図を示す半導体レーザを完成させることができる。
【0052】
以上、本発明を、好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例において説明した条件や各種数値、使用した材料等は例示であり、適宜変更することができる。窒化物化合物半導体から成る各層の形成は、MOCVD法に限定されず、MBE法、ハロゲンが輸送あるいは反応に寄与するハイドライド気相成長法等によって行うこともできる。また、基板としてサファイア基板以外にも、GaN基板、SiC基板を用いることができる。また、実施例においては、半導体素子として半導体レーザを挙げたが、発光ダイオード(LED)や、HBT等のトランジスタも、本発明の半導体素子の製造方法を適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の第1の態様に係る方法においては、加熱温度を従来よりも低温とし、しかも、従来よりも長時間熱処理することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を図ることができる。また、本発明の第2の態様に係る方法においては、加熱温度T及び加熱時間tを規定することによって、窒化物化合物半導体層の低抵抗化、活性化を確実に図ることができる。更には、本発明の第3の態様に係る方法においては、酸素ガスが含まれ、あるいは又、水蒸気が含まれた雰囲気において熱処理を行うが故に、加熱温度の下限値を従来の技術と比較して低下させることが可能となる。しかも、加熱温度を400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層の分解圧が実質的に0となるが故に、窒化物化合物半導体層から窒素原子が乖離することを確実に防止し得る。また、加熱温度を従来よりも低温とすることができるが故に、Mg等のp型不純物の拡散が生じ難く、あるいは又、窒化物化合物半導体層を構成する原子(例えば、In)の拡散による超格子構造における界面の急峻性の崩壊が生じ難く、例えば半導体レーザの活性層を劣化させることが少なく、高品質の半導体レーザを製造することができる。更には、従来よりも長時間熱処理する必要があるが、加熱温度が400゜C未満とすれば、一度に大量の処理が可能となり、半導体素子の量産化に充分対応可能である。更には、加熱温度を400゜C未満とすることによって、熱処理雰囲気にも依るが、窒化物化合物半導体層の表面が酸化され難くなる。窒化物化合物半導体層を熱処理した後、窒化物化合物半導体層の表面にp側電極を形成する場合には、窒化物化合物半導体層の表面の酸化膜を除去する必要があるが、加熱温度を400゜C未満とすることによって、窒化物化合物半導体層の表面に形成された酸化膜の除去が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
加熱温度T=385゜C、415゜C、485゜Cにおけるホール係数測定結果に基づくキャリア密度を示すグラフである。
【図2】
加熱温度T=385゜C、415゜C、485゜Cにおける電気抵抗率を示すグラフである。
【図3】
熱処理後の窒化物化合物半導体層のキャリア密度Cを変えたときの、加熱温度Tと加熱時間tの関係を示すグラフである。
【図4】
半導体レーザの模式的な断面図である。
【符号の説明】
10・・・サファイア基板、11・・・バッファ層、12・・・n側コンタクト層、13・・・n型クラッド層、14・・・n型ガイド層、15・・・活性層、16・・・p型ガイド層、17・・・p型クラッド層、18・・・p側コンタクト層、19・・・p側電極、20・・・n側電極
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