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JP2002052960A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

Info

Publication number
JP2002052960A
JP2002052960A JP2000239818A JP2000239818A JP2002052960A JP 2002052960 A JP2002052960 A JP 2002052960A JP 2000239818 A JP2000239818 A JP 2000239818A JP 2000239818 A JP2000239818 A JP 2000239818A JP 2002052960 A JP2002052960 A JP 2002052960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slip
driving force
engine output
vehicle
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000239818A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiko Nakane
文彦 中根
Shinichi Yoshida
信一 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000239818A priority Critical patent/JP2002052960A/ja
Publication of JP2002052960A publication Critical patent/JP2002052960A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スリップの発生時において、車両挙動を早期に
安定した状態とすることができる車両制御装置を提供す
る。 【解決手段】エンジン1の出力軸にはトランスミッショ
ンが連結されており、同トランスミッション2はエンジ
ン出力を駆動輪34へ伝達する。ECU20は、車両運
転状態に基づいてモータ7を駆動し、スロットルバルブ
6の開度を調整することでエンジン出力を制御する。車
両のスリップの発生時に、ECU20は、スロットル開
度の調整によりエンジン出力を減少側に制御して、スリ
ップを抑制させる。エンジン出力を減少側に制御して
も、スリップが発生している場合には、ECU20は、
トランスミッション2におけるライン油圧を制御して駆
動輪34への駆動力の伝達率を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輪のスリップや
横滑り等、車両のスリップを抑制する車両制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、滑りやすい路面上での発進や急加
速時等において駆動輪がスリップしないように最適な駆
動力を得て車両の安定性を確保する、いわゆる車両安定
性制御(例えば、トラクション制御等)が知られてい
る。トラクション制御を実施する車両制御装置において
は、車載エンジンのスロットルバルブをモータにて駆動
できるようになっており、車両のスリップ時には、モー
タでスロットルバルブの開度を制御してエンジン出力を
低下させる。これにより、駆動輪に加わる駆動力が減少
されて、車両のスリップが抑制される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車両制
御装置において、スリップ発生時にスロットルバルブの
開度を制御したとき、それに従い実際にエンジン出力が
変化し駆動輪への駆動力が変化するまでにはタイムラグ
が生じる。そのため、トラクション制御の初期段階にお
いて、車輪に伝わる駆動力を精度よく制御することが難
しい場合がある。この場合、車両挙動を安定した状態に
収束させるのに時間がかかるおそれがある。
【0004】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、スリップの発生
時において、車両挙動を早期に安定した状態とすること
ができる車両制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、車両のスリップの発生時には、エンジン出力制
御手段によりアクチュエータが駆動されエンジン出力が
減少側に制御される。これにより、車輪に伝達される駆
動力が減少されてスリップが抑制される。こうしたエン
ジン出力の制御は応答性が悪いため、車輪に加わる駆動
力の減少が遅れる。この場合、駆動力制御手段によりト
ランスミッション内の作動油圧が制御され、車輪に対す
る駆動力の伝達率が減少される。これにより、エンジン
出力制御のみの場合と比較して、車輪に加わる駆動力が
より早く減少される。よって、スリップを早期に抑制で
き、ひいては車両挙動を早期に安定した状態とすること
ができる。なお、本明細書において、「車両のスリッ
プ」とは、車輪の空転だけでなく横滑りも含むこととす
る。
【0006】請求項2に記載の発明では、スリップの発
生時に、エンジン出力制御手段によりエンジン出力が減
少側に制御された後、所定時間が経過してもスリップ量
が減少しないとき、駆動力制御手段により駆動力の伝達
率を減少させる制御が開始される。この場合、エンジン
出力制御手段によるスリップ時の制御は、スリップ発生
の初期段階で見込み的に実施され、これに対して、駆動
力制御手段によるスリップ時の制御は、エンジン出力制
御手段によるスリップ制御を補助する目的で実施され
る。
【0007】請求項3に記載の発明では、スリップの収
束に伴いエンジン出力制御手段によりエンジン出力を復
帰させている時に、スリップが上昇する場合、駆動力制
御手段により駆動力の伝達率を減少させる制御が開始さ
れる。つまり、エンジン出力の復帰中にスリップが再び
上昇する場合、エンジン出力制御手段によるエンジン出
力の調整にてスリップを解消しようとすると、その出力
変動が大きくなってしまう。そのため、駆動力制御手段
によるスリップ時の制御を実施することにより、エンジ
ン出力の変動が抑えられる。
【0008】また、請求項4に記載の発明によれば、ト
ランスミッションにおける油圧回路のライン油圧が制御
される。この場合、ライン油圧を制御することにより、
駆動力の伝達率を0%〜100%の範囲で精度よく調整
できる。
【0009】請求項5に記載の発明では、その時々のエ
ンジン出力が大きいほど駆動力の伝達率が減少され、ま
た、請求項6に記載の発明では、その時々のスリップ量
が大きいほど駆動力の伝達率が減少される。このように
すれば、車輪に加わる駆動力を精度よく制御できるの
で、車両のスリップをより的確に抑制できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した実施
の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態
における車両制御装置の概略を示す構成図である。
【0011】詳述すると、車両には、図1に示すよう
に、エンジン1及びトランスミッション2等が搭載され
ている。本実施の形態では、エンジン1は多気筒ガソリ
ンエンジンを用いており、同エンジン1の出力軸はトラ
ンスミッション2に連結している。トランスミッション
2は、自動変速機を採用しており、エンジン出力を伝達
するためのトルクコンバータ3と、このトルクコンバー
タ3によって駆動される変速機構4と、車速やエンジン
出力等に応じて変速機構4の変速段を切り替える油圧回
路(図示せず)とを備えている。
【0012】エンジン1には、吸気通路5が接続されて
おり、同吸気通路5内には、エンジン1への吸入空気量
を調整するためのスロットルバルブ6が配設されてい
る。スロットルバルブ6は、モータ7と駆動連結され、
同モータ7の駆動にてスロットルバルブ6の開度(スロ
ットル開度)が調整できるようになっている。スロット
ルバルブ6の開度(スロットル開度)はスロットルセン
サ8にて検出されるようになっている。
【0013】また、エンジン1には、インジェクタ9が
配設されており、インジェクタ9から噴射供給される燃
料は、吸気通路5からの吸入空気と混合されてエンジン
1の各気筒に供給される。そして、エンジン1に供給さ
れた混合気は、イグナイタ10により所定のタイミング
(点火時期)で点火されてエンジン1が運転される。
【0014】一方、トランスミッション2の変速機構4
には、変速用のソレノイドバルブS1,S2及びライン
油圧調整用のリニアソレノイドバルブSLT等が設けら
れている。ソレノイドバルブS1,S2は、変速段に応
じた所定の組み合わせでオン又はオフされる。また、リ
ニアソレノイドバルブSLTは、油圧回路のライン油圧
を調整すべくデューティ制御される。これらソレノイド
バルブS1,S2,SLTの駆動によって、トランスミ
ッション2の変速が制御される。
【0015】本実施の形態において、前記スロットルバ
ルブ6の駆動制御(電子スロットル制御)、噴射・点火
制御等のエンジン制御、及びトランスミッション制御
は、電子制御装置(ECU)20により統括的に実施さ
れるようになっている。
【0016】ECU20は、CPU、ROM、RAM、
入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュータを中
心に構成されている。ECU20には、スロットルセン
サ8、エンジン回転数センサ21、エアフロメータ2
2、アクセルセンサ23、シフトポジションスイッチ2
4、モータ7、インジェクタ9、イグナイタ10、ソレ
ノイドバルブS1,S2、リニアソレノイドバルブSL
T等が接続されている。
【0017】エンジン回転数センサ21はエンジン1の
回転数を検出し、エアフロメータ22はエンジン1へ供
給される吸入空気量を検出する。また、アクセルセンサ
23はアクセルペダル25の操作量(アクセル開度)を
検出し、シフトポジションスイッチ24は、運転者によ
るシフトレバーの操作位置(シフト位置)を検出する。
【0018】ECU20は、これら各センサ・スイッチ
等の検出信号により車両の運転状態を判定して、その運
転状態に基づいてインジェクタ9やイグナイタ10等を
駆動する。これにより、インジェクタ9による燃料噴射
量やイグナイタ10による点火時期等が制御される。ま
た、ECU20は、アクセル開度等に基づいてスロット
ルバルブ6の目標開度を算出し、その目標開度に従いモ
ータ7を駆動する。これにより、スロットルバルブ6の
開度が調整され、エンジン1への吸入空気量が制御され
る。
【0019】さらに、ECU20は、シフト位置や車速
等に応じて、その時の最適な変速段を求める。そして、
ECU20は、その算出した変速段となるように所定の
組み合わせでソレノイドバルブS1,S2をオン又はオ
フする。これにより、トランスミッション2の油圧回路
が切り替えられて変速動作が行われる。また、ECU2
0は、エンジン1の出力トルク等に応じてリニアソレノ
イドバルブSLTをデューティ制御する。これにより、
油圧回路のライン油圧が制御されて、変速機構4におけ
るトルク伝達率が調整できるようになっている。
【0020】トランスミッション2の出力は、プロペラ
シャフト31に伝達されるとともに、ディファレンシャ
ルギア32及びアクスルシャフト33を介して駆動輪
(後輪)34に伝達される。これにより、駆動輪34が
回転駆動される。ここで、左右の駆動輪34の回転速度
が駆動輪速センサ35にて検出される。また、左右の従
動輪(前輪)36の回転速度が従動輪速センサ37にて
検出される。そして、これら各センサ35,37の検出
信号がECU20に取り込まれて、車両のスリップ量S
が算出される。具体的には、ECU20は、駆動輪34
の回転速度V1と従動輪36の回転速度V2との差でス
リップ量S(=V1−V2)を求める。本実施の形態で
は、このスリップ量Sに基づいて駆動輪34のスリップ
(空転)の発生が判断され、その際に、トラクション制
御(車両安定性制御)が実行されるようになっている。
【0021】このトラクション制御では、図示しないブ
レーキ装置が作動されて、駆動輪34に所望の制動力が
加えられるようになっている。また、本実施の形態で
は、ブレーキ装置の作動に加えて、スロットル開度によ
りエンジン出力が調整され、スリップが抑制されるよう
になってる。より詳しくは、ECU20は、スリップの
発生時にて、アクチュエータとしてのモータ7によって
スロットル開度を減少側に制御する。これにより、エン
ジン出力が減少し、ひいては駆動輪34へかかる駆動力
が減少して、駆動輪34のスリップを抑制できる。
【0022】また加えて、ECU20は、トランスミッ
ション2におけるライン油圧制御を利用して、駆動輪3
4への駆動力の伝達率を減少させるようにしている。な
お、本実施の形態では、ECU20がエンジン出力制御
手段及び駆動力制御手段に相当する。
【0023】次に、本実施の形態における作用を、図2
のタイムチャートと図3及び図4のフローチャートを用
いて説明する。なお、図3及び図4は、ECU20が実
行する処理である。
【0024】先ず、スリップ発生時における電子スロッ
トル制御について説明する。図3に示すように、ステッ
プ100にて、ECU20は、アクセルセンサ23にて
検出されるアクセル開度に対応した目標スロットル開度
を算出する。そして、ステップ110において、ECU
20はスリップ量Sが所定のしきい値X1以上であるか
否かを判定する。同ステップ110にて、肯定判別した
場合、ECU20はステップ120に移行してスリップ
制御実行フラグF1に「1」をセットした後ステップ1
30に移行する。また、ステップ110にて、否定判別
した場合、ステップ120を迂回してステップ130に
移行する。
【0025】ステップ130にてECU20は、フラグ
F1=1であるか否かを判定し、F1=0である場合、
ステップ140〜190の処理を迂回し、ステップ20
0において、ステップ100で求めた目標スロットル開
度に対応した信号を出力する。一方、ステップ130に
て、F1=1である場合、ECU20はステップ140
に移行して、スロットル開度の補正によるスリップ制御
を実施する。
【0026】詳しくは、ECU20はステップ140に
て、スリップ量Sが「0」であるか否かを判定し、スリ
ップ量S=0でなければステップ150に進み、補正量
を算出する。続くステップ160において、ECU20
は、ステップ100で求めた目標スロットル開度に対し
補正量を減算することにより、スロットル開度を減少側
に補正し、ステップ200にて、補正後のスロットル開
度に応じた信号を出力する。
【0027】つまり、図2に示すように、スリップ量S
がX1未満であるt10以前では、スリップ制御実行フ
ラグF1はオフであり、運転者のアクセル操作に応じて
スロットル開度が制御される。一方、スリップ量Sの増
加によりt10のタイミングでS≧X1となり、スリッ
プ制御実行フラグF1がオンされると、スロットル開度
が減少側に補正され、エンジン出力が減少される。
【0028】その後、スリップ量Sが抑制され、t20
のタイミングでスリップ量Sが「0」となると、ECU
20は、図3のステップ140にて肯定判別し、ステッ
プ170に移行して、復帰時の補正量を算出する。続く
ステップ180にて、補正量が「0」か否かを判定し、
補正量=0でなければ、ステップ160にてスロットル
開度を補正した後、ステップ200に移行して補正後の
スロットル開度に対応した信号を出力する。これによ
り、図2のt20のタイミング以降でスロットル開度が
徐々に増加される。そして、補正量が「0」となるt3
0のタイミングでは、ECU20は、図3のステップ1
80にて肯定判別し、ステップ190に移行する。そし
て、ECU20は、スリップ制御実行フラグF1を
「0」にクリアした後、ステップ200に移行して、ス
テップ100で求めた目標スロットル開度に対応した開
度信号を出力する。
【0029】つまり、図2のt30のタイミングで、ス
ロットル開度の補正によるスリップ制御が終了され、こ
のt30以降では、スリップ量S=0、フラグF1がオ
フであるので、ステップ110及びステップ130で否
定判別される。この場合、ステップ100で求めた目標
スロットル開度に対応した信号がECU20から出力さ
れる。これにより、t30以降では、運転者のアクセル
操作に応じてスロットル開度が制御されることとなる。
【0030】次に、スリップ発生時におけるライン油圧
制御について説明する。図4に示すように、ステップ3
00にてECU20は、エンジン出力やトランスミッシ
ョン2の変速状態に基づいてリニアソレノイドバルブS
LTの基本Dutyを算出する。続く、ステップ310
において、ECU20は、以下に示す開始条件が成立し
ているか否かを判定する。
【0031】ここで、本実施の形態における開始条件
は、(a)スロットル開度によるスリップ制御の開始後
(図2のt10のタイミング後)、所定時間T(具体的
には、数百ms)が経過してもスリップ量Sが減少して
いないこと、(b)スロットル開度の復帰時(図2のt
20〜t30)にて、スリップ量Sが所定のしきい値X
2以上(S≧X2)となること、であり、これら(a)
又は(b)のいずれかの条件が成立した場合(図2のt
11又はt21)、ECU20はステップ320に移行
して、補正実行フラグF2に「1」をセットした後、ス
テップ330に移行する。また、開始条件(a),
(b)が共に非成立の場合には、ステップ320を迂回
してステップ330に移行する。
【0032】そして、ステップ330にてECU20
は、補正実行フラグF2=1であるか否かを判定し、F
2=0である場合、補正処理(ステップ340〜370
の処理)を迂回し、ステップ380において、ステップ
300で求めた基本Dutyに応じた信号を出力した後
本処理を終了する。一方、ステップ330にて、F2=
1である場合、ECU20はステップ340に移行して
補正処理を実行する。
【0033】詳しくは、ECU20はステップ340に
て、スリップ量Sが所定のしきい値X3より大きいか否
かを判定し、S>X3であれば、ステップ350に進
み、補正量を算出する。ここで、補正量を算出するため
に、図5のマップデータが用意されており、同マップデ
ータを用いて、その時々のスリップ量Sと出力トルクに
応じた補正量が算出される。なお、補正量は、図5に示
すように、スリップ量Sが大きくなるほど、また出力ト
ルクが大きくなるほど、増大する。また、出力トルク
は、エンジン1の吸入空気量やエンジン回転数等により
求められる。
【0034】続くステップ360において、ECU20
は、ステップ300で求めた基本Dutyに補正量を加
え、続くステップ380にて、補正したDutyに対応
した信号を出力した後本処理を終了する。このように、
Dutyを増加側に補正すると、リニアソレノイドバル
ブSLTの駆動電流が増加する。ここで、図6に示すよ
うに、リニアソレノイドバルブSLTの駆動電流が増加
するほど、ライン油圧は減少する。これにより、変速機
構4によるトルク伝達率が減少される。従って、駆動輪
34へ加わる駆動力が減少されてスリップが抑制され
る。
【0035】また、スリップ量Sがしきい値X3以下と
なると、ECU20は、ステップ340にて否定判別
し、ステップ370に移行して補正実行フラグを「0」
にクリアする(図2のt12,t22)。その後、ステ
ップ380にてECU20は、ステップ300で求めた
基本Dutyに対応した信号を出力して、本処理を終了
する。
【0036】このように、本実施の形態によれば、図2
のt10のタイミングで、電子スロットル制御における
スリップ時の制御が開始(フラグF1がオン)される
と、スロットル開度が減少側に制御されエンジン出力が
低減される。その後、所定時間Tが経過しても、スリッ
プ量Sが減少しないときには、スリップ量Sがしきい値
X3以下となる(t11〜t12)まで、ライン油圧制
御におけるスリップ時の制御が実施される。具体的に
は、図2にて点線で示す基本Dutyに補正量が加算さ
れ、増加されたDutyでリニアソレノイドバルブSL
Tが駆動される。なお、補正後のDutyが所定の上限
値を超える場合は、その上限値でガードされる。これに
より、トランスミッション2におけるライン油圧が減少
されて、駆動輪34への駆動力の伝達率が減少される。
その結果、スリップ量Sは、点線で示すようにスロット
ル開度のみで制御した場合と比較して早期に抑制され
る。
【0037】また、t20のタイミングでスリップ量S
が「0」となると、スロットル開度が徐々に復帰され、
それに従いエンジン出力が増加される。これによって、
スリップが再び発生し、t21のタイミングで、スリッ
プ量Sがしきい値X2以上となると、スリップ量Sがし
きい値X3以下となる(t21〜t22)まで、ライン
油圧制御におけるスリップ時の制御が実施される。つま
り、点線で示す基本Dutyに補正量が加算され、増加
されたDutyでリニアソレノイドバルブSLTが駆動
される。これにより、ライン油圧が減少されて、駆動輪
34への駆動力の伝達率が減少される。このスロットル
開度の復帰時(t20〜t30)において、スロットル
開度を点線で示すように制御してスリップを抑制する場
合には、出力トルクの変動が大きくなり、スリップ量S
を早期に収束させることが困難となる。これに対して、
本実施の形態では、スロットル開度の復帰を継続しつ
つ、ライン油圧制御によるスリップ制御を行うことによ
り、出力トルクの変動が抑えられ、点線で示すようにス
ロットル開度のみで制御した場合と比較してスリップ量
Sが早期に抑制される。
【0038】なおここで、電子スロットル制御によるス
リップ制御は、スリップ発生の初期段階に実施されるの
に対し、ライン油圧制御によるスリップ制御は、スリッ
プの初期状態が解消されない場合に実施される。これに
より、ライン油圧制御によるスリップ制御は、電子スロ
ットル制御によるスリップ制御に対して補助的に実施さ
れることとなる。この場合、スリップ解消のためのライ
ン油圧制御では、エンジン出力や変速状態に基づき設定
される最適なライン油圧に対して、トルク伝達率を減ら
す側への補正が行われる。このトルク伝達率の補正を行
うと、トルク伝達部(クラッチ等)の負担が生じるが、
上記の通り、補助的な役割でライン油圧制御によるスリ
ップ制御が実施されるので、トルク伝達部の負担が軽減
される。
【0039】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (1)車両のスリップの発生時において、トランスミッ
ション2における油圧回路のライン油圧を低下させ、駆
動輪34に対する駆動力の伝達率を減少させるようにし
た。このようにすれば、スロットル開度によるスリップ
制御のみの場合と比較して、駆動輪34に加わる駆動力
がより早く減少される。よって、スリップを早期に抑制
でき、ひいては車両挙動を早期に安定した状態とするこ
とができる。
【0040】(2)トランスミッション2におけるライ
ン油圧を制御するようにした。この場合、ライン油圧を
制御することにより、駆動力の伝達率を0%〜100%
の範囲で精度よく調整できる。また、ライン油圧制御に
よるスリップ制御を行うことにより、エンジン出力の変
動を抑えることができ、その出力変動に伴うショックを
防止できる。
【0041】(3)ライン油圧制御によるスリップ制御
では、図5に示すように、エンジン出力が大きいほど、
またスリップ量Sが大きいほど補正量が大きくなり、そ
れに伴い駆動力の伝達率が減少される。この場合、発生
するスリップ量Sはエンジン出力により異なるが、補正
量がエンジン出力に応じて決定されるので、その補正量
は、今後予測される状態(スリップ量S)を見込んだ値
となる。また、補正量がスリップ量Sに応じて決定され
るので、その補正量は、現時点での状態を反映した値と
なる。このようにすれば、駆動輪34に加わる駆動力を
精度よく制御できるので、車両のスリップをより的確に
抑制できる。
【0042】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具
体化できる。上記実施の形態では、トランスミッション
2におけるライン油圧を制御することにより、駆動輪3
4への伝達率を補正するものであったが、これに限定す
るものではない。一般に、トランスミッション2におい
て、ライン油圧調整用のリニアソレノイドバルブSLT
とは別に、クラッチやブレーキを作動させるための係合
圧を制御するリニアソレノイドバルブが配設されてい
る。この場合、スリップの発生時において、その係合圧
制御用のリニアソレノイドバルブのデューティ制御量を
補正し、係合圧を減少させるようにしてもよい。このよ
うにしても、駆動輪34への駆動率を低減できるので、
スリップが抑制されて車両挙動を早期に安定した状態と
することができる。
【0043】上記実施の形態では、図5に示すように、
補正量は、出力トルクとスリップ量Sとに応じて決定す
るものであったがこれに限定するものではなく、出力ト
ルクまたはスリップ量Sのいずれかに応じて補正量を決
定してもよい。
【0044】上記実施の形態におけるECU20は、ス
リップ発生時において、スロットル開度を制御してエン
ジン出力を減少させるものであったが、燃料噴射量や点
火時期等を制御してエンジン出力を減少させるようにし
てもよい。なおこの場合、インジェクタ9またはイグナ
イタ10がアクチュエータに相当する。
【0045】上記実施の形態では、駆動輪34のスリッ
プ(空転)を抑制するトラクション制御を行うための車
両制御装置に適用するものであったが、これに限るもの
ではない。例えば、ヨーレートセンサや操舵角センサ等
を用いて車両の横滑りを抑制する車両安定性制御を行う
ための車両制御装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における車両制御装置の概要を示す
構成図。
【図2】実施の形態における作用を説明するためのタイ
ムチャート。
【図3】電子スロットル制御を説明するためのフローチ
ャート。
【図4】ライン油圧制御を説明するためのフローチャー
ト。
【図5】補正量を決定するための特性図。
【図6】駆動電流とライン油圧との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…トランスミッション、6…スロット
ルバルブ、7…アクチュエータとしてのモータ、20…
エンジン出力制御手段及び駆動力制御手段としてのEC
U、34…車輪としての駆動輪、S…スリップ量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 61/02 F16H 61/02 // F16H 59:46 59:46 59:66 59:66 Fターム(参考) 3D041 AA48 AB01 AC01 AC08 AC15 AC18 AD02 AD04 AD05 AD10 AD23 AD31 AD50 AE04 AE07 AE09 AE39 AF01 AF03 3G093 AA05 BA01 CB05 CB06 DA01 DA06 DA09 DB03 DB04 DB11 DB17 EA01 EA05 EA09 EA12 EB03 EC02 EC04 FA11 FA12 FA14 FB02 3J552 MA01 MA12 NA01 NB04 PA40 QA13C QB04 RB26 SA52 UA08 VA62Z VB01Z VB02Z VB03W VC01Z VC03Z VC05Z VC06Z VD02Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両運転状態に基づいてアクチュエータ
    を駆動してエンジン出力を制御するエンジン出力制御手
    段と、前記エンジン出力を車輪へ伝達するためのトラン
    スミッションとを備え、車両のスリップの発生時には、
    エンジン出力制御手段によりエンジン出力を減少側に制
    御してスリップを抑制させるようにした車両制御装置に
    おいて、 前記スリップの発生時に、前記トランスミッション内の
    作動油圧を制御して、前記車輪に対する駆動力の伝達率
    を減少させる駆動力制御手段を備えたことを特徴とする
    車両制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両制御装置におい
    て、 スリップの発生時に、前記エンジン出力制御手段により
    エンジン出力が減少側に制御された後、所定時間が経過
    してもスリップ量が減少しないとき、前記駆動力制御手
    段は、前記駆動力の伝達率を減少させる制御を開始する
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の車両制御装置に
    おいて、 スリップの収束に伴いエンジン出力制御手段によりエン
    ジン出力を復帰させている時に、スリップが上昇する場
    合、前記駆動力制御手段は、前記駆動力の伝達率を減少
    させる制御を開始することを特徴とする車両制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の車両制
    御装置において、 前記駆動力制御手段は、トランスミッションにおける油
    圧回路のライン油圧を制御することを特徴とする車両制
    御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の車両制
    御装置において、 前記駆動力制御手段は、その時々のエンジン出力が大き
    いほど前記駆動力の伝達率を減少させることを特徴とす
    る車両制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の車両制
    御装置において、 前記駆動力制御手段は、その時々のスリップ量が大きい
    ほど前記駆動力の伝達率を減少させることを特徴とする
    車両制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013032743A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Denso Corp 車両の制御装置

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JP2013032743A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Denso Corp 車両の制御装置

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