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JP2002049177A - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

トナー及び画像形成方法

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JP2002049177A
JP2002049177A JP2000169917A JP2000169917A JP2002049177A JP 2002049177 A JP2002049177 A JP 2002049177A JP 2000169917 A JP2000169917 A JP 2000169917A JP 2000169917 A JP2000169917 A JP 2000169917A JP 2002049177 A JP2002049177 A JP 2002049177A
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toner
binder resin
mass
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wax
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Satoshi Matsunaga
聡 松永
Ryota Kashiwabara
良太 柏原
Manabu Ono
学 大野
Tomohito Handa
智史 半田
Koji Inaba
功二 稲葉
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な低温定着性を示し、かつ低温から高温
までオフセットによる加熱部材の汚染を生じることのな
いトナーを提供することにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス
及び有機アルミニウム化合物を含有するトナーであっ
て、 a)該結着樹脂が、酸価1乃至40mgKOH/gを有
しており、 b)該結着樹脂が、結着樹脂を基準として2乃至50質
量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含有し、 c)該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分が、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によ
るクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至3万の
領域にメインピークを有し、 d)該有機アルミニウム化合物が、未置換又は置換基を
有するベンジル酸のアルミニウム化合物であることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法,静電
記録法,静電印刷法,トナージェット方式記録法などを
利用した記録方法に用いられるトナー及び画像形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号公報、特公昭42−23910号公報及び
特公昭43−24748号公報に記載されている如く多
数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次
いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じて
紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧
力、加熱加圧或るいは溶剤蒸気により定着し、トナー画
像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発
されているが、現在、最も一般的な方法は熱ローラー又
は加熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱
方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを
通過させることによりトナー像の定着を行なうものであ
る。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上のト
ナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シ
ート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速
に定着を行うことができる。
【0005】しかしながら、圧着加熱方式は、加熱ロー
ラー表面と軟化・溶融状態にあるトナー画像が加圧下で
接触する為に、トナー像の一部が定着ローラー表面に付
着・転移し、次に被定着シートにこれが再転移すること
により被定着シートを汚す、所謂オフセット現象が生じ
やすい。このオフセット現象は定着速度、定着温度の影
響を大きく受ける。一般に定着速度が遅い場合は、加熱
ローラーの表面温度は比較的低く設定され、定着速度が
速い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設定
される。これは、トナーを定着させる為に加熱ローラー
からトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一定
にするためである。
【0006】被定着シート上のトナーは、何層かのトナ
ー層を形成している。定着速度が速く、加熱ローラーの
表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接触する
トナー層と、被定着シートに接触している最下層のトナ
ー層との温度差が大きくなる。加熱ローラーの表面温度
が高い場合には、最上層のトナー層が過剰に軟化・溶融
してオフセット現象を起こしやすくなる。また、加熱ロ
ーラーの表面温度が低い場合は、最下層のトナーは定着
するに充分な程度に溶けない為に、被定着シート上にト
ナーが定着しない低温オフセットという現象が起きやす
い。
【0007】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げて被定着シートへ
トナーをアンカーリングさせる方法が、通常行われてい
る。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げる
ことができ、トナーの高温オフセット現象を防ぐことは
可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常に
大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻きつ
き、巻きつきオフセットが発生したり、定着ローラーか
ら被定着シートを分離するために分離爪を用いる場合に
は、分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さら
には、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押し
つぶされたり、トナーが飛び散ったりして定着画像の画
像劣化を生じ易い。
【0008】また静電荷像を形成するトナーは、現像さ
れる静電荷像の極性及び現像方法に応じて、正または負
の電荷を有する必要がある。
【0009】トナーに電荷を保有せしめるためには、ト
ナーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することもで
きるが、一般に樹脂の帯電性は低い。そのため、所望の
摩擦帯電性をトナーに付与するために、帯電性を付与す
るための染料及び/又は顔料、更には荷電制御剤をトナ
ーに添加することが行われている。
【0010】正摩擦帯電性の荷電制御剤としては、ニグ
ロシン染料,アジン系染料,銅フタロシアニン顔料,4
級アンモニウム塩、或いは4級アンモニウム塩を側鎖に
有するポリマー等が知られている。また、負摩擦帯電性
の荷電制御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩;サリ
チル酸,ナフトエ酸,ダイカルボン酸又はそれらの誘導
体の金属錯体;又は金属塩;酸基を有する樹脂等が知ら
れている。
【0011】これらの中でも無色や白色、又は淡色のも
のはカラートナー用の荷電制御剤として有用である。
【0012】これまでに、オキシカルボン酸の金属化合
物を含有するトナーに関する提案がある。例えば、特開
平6−214424号公報では芳香族オキシカルボン酸
のアルミニウム化合物を帯電促進添加剤として含有する
トナーが開示され、特開昭62−63941号公報、特
開平2−221967号公報、特開平3−39973号
公報、特開平5−72812号公報等ではベンジル酸の
ホウ素化合物を含有するトナーが開示され、特開平5−
165257号公報ではベンジル酸のホウ素錯塩とシリ
コーンオイルで疎水化処理した無機微粉体を含有するカ
ラートナーが開示され、特開平6−301240号公報
ではカウンターイオンにアミドを有するベンジル酸の金
属錯塩を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、これらのトナーは帯電速度にある程度の改善が見ら
れるもののトナーの摩擦帯電量が十分に付与されないと
いう欠点を有していた。上記問題点を解消するために、
特開平10−312089号公報ではベンジル酸のホウ
素錯塩とサリチル酸誘導体の金属塩を併用したトナーが
開示されている。本発明者らの検討によれば、ベンジル
酸のホウ素錯塩とサリチル酸誘導体の金属塩を併用する
ことによりトナーの摩擦帯電量と帯電速度の改善が図ら
れるものの、異なった帯電系列を呈する荷電制御剤が混
在するため、トナーの摩擦帯電量分布がブロードになっ
てしまい未だ改善する余地を有していた。
【0013】また、トナーの製造においては、添加され
る種々の添加剤の分散に関する問題がある。特にワック
スを均一分散させることは困難であり、分散が不均一で
ある場合にはトナーの定着性能ばかりでなく、現像性に
も問題が生じやすく、特に近年、微粒子化が進んでいる
ためこの問題が顕著となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したトナー及び画像形成方法を提供
するものである。
【0015】即ち、本発明の目的は、熱ロール定着器を
使用する中〜高速機、あるいは、耐熱フィルムを介した
固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用する中
〜低速機であっても良好な低温定着性を示し、かつ低温
から高温までオフセットによる加熱部材の汚染を生じる
ことのないトナー及び画像形成方法を提供することにあ
る。
【0016】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に用い
た場合においても良好なハーフトーン定着性を示す低温
定着性に優れたトナー及び画像形成方法を提供すること
にある。
【0017】本発明の目的は、トナーの摩擦帯電量や帯
電速度に優れ、良好な環境安定性を維持し、高品位な画
像を長期にわたって安心して実現し得るトナー及び画像
形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】即ち、本発明
は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス及び有機ア
ルミニウム化合物を含有するトナーであって、 a)該結着樹脂が、酸価1乃至40mgKOH/gを有
しており、 b)該結着樹脂が、結着樹脂を基準として2乃至50質
量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含有し、 c)該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分が、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によ
るクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至3万の
領域にメインピークを有し、 d)該有機アルミニウム化合物が、下記式(1)で表さ
れる未置換又は置換基を有するベンジル酸のアルミニウ
ム化合物であることを特徴とするトナーに関する。
【0019】
【化4】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)
【0020】更に、本発明は、静電荷像を担持するため
の像担持体を帯電する帯電工程;帯電された像担持体に
露光によって静電荷像を形成する露光工程;該静電荷像
をトナー担持体の表面に担持されているトナーによって
現像し、トナー像を形成する現像工程;該像担持体の表
面に形成されたトナー像を、中間転写体を介して又は介
さずに転写材に転写する転写工程;及び該転写材上に転
写されたトナー像を転写材に定着する定着工程を少なく
とも有している画像形成方法であって、該トナーが、少
なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス及び有機アルミニ
ウム化合物を有しており、 i)該結着樹脂が、酸価1乃至40mgKOH/gを有
しており、 ii)該結着樹脂が、結着樹脂を基準として2乃至50
質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含有
し、 iii)該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分が、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定
によるクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至3
万の領域にメインピークを有し、 iv)該有機アルミニウム化合物が、上記式(1)で表
される未置換又は置換基を有するベンジル酸のアルミニ
ウム化合物であることを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者の検討によれば、定着器
の加熱方式によらずオフセットによる定着部材の汚染を
発生させないためには、トナーの低温定着性、耐高温オ
フセット性を改良するだけでは不充分であり、定着部材
に対するトナーの離型性を向上させることが重要である
ことが判った。
【0022】従来は、トナーのオフセット現象を改良す
ることとトナーの定着性を改良することは同一視されて
きたが、結着樹脂、トナーに含有されるワックス等の改
良による定着性向上に付随する形でのオフセット改良で
は限界があり、不充分である。
【0023】また、定着部材、クリーニング部材の離型
性が向上してもトナーの離型性が不充分である場合は、
これらの部材の使用初期の段階では充分なオフセット防
止効果が期待できても長期間使用した場合には各部材の
経年劣化を生じ、最終的にはオフセットが発生する場合
がある。
【0024】従来、トナーの結着樹脂がクロロホルム、
THF等の有機溶媒に対する不溶分を含有することはト
ナーの耐ホットオフセット性改良の観点で提案される
が、この様なトナーであっても経年劣化した定着部材、
クリーニング部材に対しては充分なオフセット防止効果
を発揮しない場合がある。また、トナーは離型性を付与
する目的でワックスを含有させる場合があるが、経年劣
化した定着部材、クリーニング部材に対して充分なオフ
セット防止効果を維持するためには多量のワックスを含
有させる必要がある。この場合にはトナーの現像性すな
わち、耐久による画像濃度の低下、カブリ濃度の上昇等
の問題が生じる場合がある。更にはトナー粒子に含有さ
れるワックスの分散状態を制御するのが困難であり、ト
ナーが遊離したワックスを多量に含有することになる。
結果的に、感光体上のトナーのクリーニングが充分にで
きずに残存し、画像欠陥となる場合がある。
【0025】経年劣化した定着部材及びクリーニング部
材に対しても充分なオフセット防止効果を維持するに
は、トナーの離型性の向上とトナーの現像性を両立する
必要がある。
【0026】本発明者の検討によれば、トナーが特定の
酸価を有し、特定のTHF不溶分を含有し、トナーの結
着樹脂のTHF可溶分が特定の分子領域にメインピーク
を有し、特定の分子量成分を含有するトナーにより達成
される。
【0027】本発明のトナーにおいて、結着樹脂の酸価
は1乃至40mgKOH/gであれば良いが、より好ま
しくは2乃至40mgKOH/gである。更に、結着樹
脂がポリエステルを主成分とする樹脂或いはポリエステ
ルユニットとビニル系重合体ユニットとを有するハイブ
リッド樹脂成分を含有する樹脂である場合には、5乃至
35mgKOH/gであることがより好ましく、更には
10乃至30mgKOH/gであることが好ましい。ま
た、結着樹脂がビニル系重合体を主成分とする樹脂であ
る場合には、2乃至30mgKOH/gであることがよ
り好ましく、更には5乃至20mgKOH/gであるこ
とが好ましい。結着樹脂の酸価が、1mgKOH/g未
満となる場合、或いは40mgKOH/gを超える場合
には、荷電制御剤としてベンジル酸アルミニウムを含有
するトナーにおいては、アルミニウム化合物の分散が必
ずしも好適な状態になるわけではなく、耐久により画像
濃度が低下する場合があり好ましくない。
【0028】本発明のトナーにおいて、トナーに含有さ
れる結着樹脂は、2乃至50質量%のTHF不溶分を含
有する必要がある。もし、トナーの結着樹脂に含有され
るTHF可溶分が2質量%未満となる場合或いは50質
量%超となる場合のいずれの場合でも、荷電制御剤とし
てベンジル酸のアルミニウム化合物を含有するトナーに
おいては、トナーに含有されるワックスの分散を最適な
状態に保持することが困難であり、耐久により定着部材
へのトナー付着が顕在化してしまう。
【0029】結着樹脂がポリエステルを主成分とする樹
脂或いはポリエステルユニットとビニル系重合体ユニッ
トとを有するハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂であ
る場合には、好ましくはTHF不溶分が5乃至40質量
%含有するものであり、更に好ましくは7乃至30質量
%含有するものである。
【0030】また、結着樹脂がビニル系重合体を主成分
とする樹脂である場合には、好ましくは、3乃至50質
量%含有するものであり、更に好ましくは5乃至30質
量%含有するものである。
【0031】本発明のトナーにおいて、結着樹脂は、分
子量2000乃至3万の領域にメインピークを有してい
なければならない。もし、結着樹脂が分子量2000乃
至3万の領域にメインピークを有さない場合には、トナ
ーの耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性、低温定
着性のいずれかが劣るようになる。
【0032】結着樹脂がポリエステルを主成分とする樹
脂である場合には、分子量2000乃至15000の領
域にメインピークを有することが好ましく、更に好まし
くは、分子量4000乃至12000の領域、特には分
子量6000乃至1万の領域にメインピークを有するこ
とである。
【0033】また、結着樹脂がポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂成
分を含有する樹脂である場合には、分子量2000乃至
15000の領域にメインピークを有することが好まし
く、更に好ましくは、分子量3000乃至1万の領域、
特には分子量4000乃至9000の領域にメインピー
クを有することである。
【0034】更に、結着樹脂がビニル系重合体を主成分
とする樹脂である場合には、分子量5000乃至3万の
領域にメインピークを有することが好ましく、更に好ま
しくは、分子量7000乃至25000の領域、特には
分子量9000乃至2万の領域にメインピークを有する
ことである。
【0035】本発明のトナーにおいて、トナーに含有さ
れる結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする樹脂であ
る場合、結着樹脂のTHF可溶分は、分子量10万以上
1000万未満の成分を5乃至30質量%含有している
ことが好ましく、より好ましくは7乃至27質量%含有
する場合であり、更に好ましくは10乃至25質量%含
有する場合である。また、トナーに含有される結着樹脂
が、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットと
を有するハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂である場
合には、該分子量成分を5乃至40質量%含有している
ことが好ましく、より好ましくは7乃至35質量%含有
する場合であり、更に好ましくは10乃至30質量%含
有する場合である。もし、該分子量成分をそれぞれの樹
脂における下限値未満しか含有しない場合には、トナー
が耐高温オフセット性に劣るようになる場合があり、そ
れぞれの樹脂における上限値を超えて含有されている場
合には、トナーの低温定着性が低下してしまう場合があ
り好ましくない。
【0036】本発明のトナーにおいて、トナーに含有さ
れる結着樹脂が、ポリエステルを主成分とする樹脂であ
る場合、結着樹脂のTHF可溶分は、分子量5000以
上10万未満の成分を50乃至80質量%含有している
ことが好ましく、より好ましくは52乃至78質量%含
有する場合であり、更に好ましくは55乃至75質量%
含有する場合である。また、トナーに含有される結着樹
脂が、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニット
とを有するハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂である
場合には、該分子量成分を40乃至70質量%含有して
いることが好ましく、より好ましくは42乃至68質量
%含有する場合であり、更に好ましくは45乃至65質
量%含有する場合である。もし、該分子量成分をそれぞ
れの樹脂における下限値未満しか含有しない場合には、
トナーに含有されるベンジル酸のアルミニウム化合物の
分散を好適な状態に保持することが困難であり、耐久に
より画像濃度が低下する場合があり好ましくない。
【0037】トナーに含有される結着樹脂が、ポリエス
テルを主成分とする樹脂或いはポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂成
分を含有する樹脂である場合、結着樹脂のTHF可溶分
は、分子量1000以上5000未満の成分を10乃至
30質量%含有していることが好ましく、より好ましく
は12乃至28質量%含有する場合であり、更に好まし
くは15乃至25質量%含有する場合である。もし、該
分子量成分を10質量%未満しか含有しない場合にはト
ナーが低温定着性に劣るようになる場合があり、30質
量%を超えて含有されている場合には、トナーが耐ブロ
ッキング性に劣るものとなってしまう場合があり好まし
くない。
【0038】トナーに含有される結着樹脂が、ビニル系
重合体を主成分とする樹脂である場合、結着樹脂のTH
F可溶分は、分子量20万乃至150万の領域にサプピ
ーク及び/又はショルダーを少なくとも1個以上有して
いることが好ましく、より好ましくは分子量30万乃至
120万の領域に有することであり、更に好ましくは分
子量40万乃至100万の領域に有することである。も
し、該分子量領域にサブピーク及びショルダーのいずれ
も有さない場合には、トナーの低温定着性と耐高温オフ
セット性を両立することが困難となる場合があり好まし
くない。
【0039】本発明のトナーにおいて、周波数100k
Hzで測定したトナーの誘電正接(tanδ)は1×1
-3乃至3×10-2であることが好ましい。トナーの誘
電正接が、1×10-3未満となる場合には、常温低湿下
でのトナーの画像濃度安定性に問題が生じやすく、誘電
正接が3×10-2超となる場合には、高温高湿環境下ば
かりでなく常温常湿下においてもトナーの画像濃度安定
性に問題が生じやすくなる。
【0040】トナーに含有される結着樹脂が、ポリエス
テルを主成分とする樹脂である場合、トナーの誘電正接
は、5×10-3乃至3×10-2であることがより好まし
く、更に好ましくは7×10-3乃至2×10-2であり、
特には8×10-3乃至1.5×10-2であることが好ま
しい。
【0041】またトナーに含有される結着樹脂が、ポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有するハ
イブリッド樹脂成分を含有する樹脂である場合、トナー
の誘電正接は、3×10-3乃至3×10-2であることが
より好ましく、更に好ましくは4×10-3乃至2×10
-2であり、特には5×10-3乃至1.5×10-2である
ことが好ましい。
【0042】更にトナーに含有される結着樹脂が、ビニ
ル系重合体を主成分とする樹脂である場合、トナーの誘
電正接は、1×10-3乃至2×10-2であることがより
好ましく、更に好ましくは3×10-3乃至1.5×10
-2であり、特には5×10-3乃至1×10-2であること
が好ましい。
【0043】また、本発明のトナーにおいて、トナーの
水に対する接触角は105乃至130度、好ましくは1
07乃至127度、更に好ましくは110乃至125度
となる場合が良い。もし、トナーの水に対する接触角が
105度未満となる場合には、耐久劣化した定着部材及
びクリーニング部材に対する充分なオフセット防止効果
を維持することが困難であり、トナーの水に対する接触
角が130度超となる場合には、トナーの現像性、感光
体上に残存したトナーのクリーニング性に問題が生じる
場合があり好ましくない。
【0044】本発明のトナーに含有されるワックスは、
GPCで測定されるメインピーク分子量(Mp)が50
0乃至20000、重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.0乃至20で
あることが好ましく、より好ましくはMpが600乃至
15000、比(Mw/Mn)が1.1乃至18となる
場合であり、更に好ましくはMpが700乃至1000
0、比(Mw/Mn)が1.2乃至10となる場合であ
る。もし、Mpが500未満、比(Mw/Mn)が1.
0未満となる場合にはトナー粒子におけるワックスの分
散粒径が小さくなりすぎ、Mpが20000を超える場
合、又は比(Mw/Mn)が20を超える場合には分散
粒径が大きくなりすぎ、どちらの場合でもワックスの分
散粒径を制御することが困難であり好ましくない。
【0045】本発明のトナーにおいて、異なる2種以上
のワックスを含有していても良く、その場合にはGPC
で測定されるMpが500乃至20000、比(Mw/
Mn)が1.2乃至25であれば良いが、好ましくは7
00乃至15000、比(Mw/Mn)が1.5乃至2
2となる場合であり、更に好ましくは1200乃至10
000、比(Mw/Mn)が2乃至20となる場合であ
る。もし、Mpが500未満、比(Mw/Mn)が1.
2未満となる場合、Mpが20000超、比(Mw/M
n)が25超となる場合のどちらの場合でもトナー粒子
内のワックスの粒度分布が広くなり、制御することが困
難であり好ましくない。
【0046】本発明のトナーに含有されるワックスは、
エステルワックス、炭化水素系ワックス、ポリエチレン
系ワックスまたはポリプロピレン系ワックスのいずれか
から選択されるものであることが好ましく、中でも炭化
水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポリプ
ロピレン系ワックスが特に好ましい。
【0047】本発明のトナーに含有されるワックスは、
一酸化炭素及び水素を原料とするアーゲ法により得られ
る炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素、ある
いはこれらを水素添加して得られるワックスがよい。更
に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶
方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、よ
り好ましく用いられる。
【0048】本発明のトナーに含有されるワックスは、
式(2)で表せる構造を有するものである。
【0049】
【化5】 式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは2
0乃至60の整数を表すが、好ましくはAが水酸基を表
し、aが30乃至50の整数を表す場合である。
【0050】本発明のトナーに含有されるワックスは、
酸変性ポリエチレンである場合には、1乃至20mgK
OH/gの酸価を有し、ポリエチレンをマレイン酸、マ
レイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸のうち少なく
とも1種類以上から選択される酸モノマーにより変性さ
れているものであり、好ましくは1.5乃至15mgK
OH/gの酸価を有するものである。
【0051】本発明のトナーに含有されるワックスは、
酸変性ポリプロピレンである場合には、1乃至20mg
KOH/gの酸価を有し、ポリエチレンをマレイン酸、
マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸のうち少な
くとも1種類以上から選択される酸モノマーにより変性
されているものであり、好ましくは1.5乃至15mg
KOH/gを有するものである。
【0052】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合には、好ましくは、少なくとも1種のワックス
が上述したワックスを使用することである。
【0053】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合の好ましいワックスの組合せを以下の表1に示
す。
【0054】
【表1】
【0055】本発明のトナーに含有されるワックスは、
ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計(DSC)
で測定されるDSC曲線において、温度40乃至150
℃の領域に吸熱メインピークを有するものが好ましく、
より好ましくは温度70乃至140℃、更には好ましく
は温度75乃至135℃の領域に吸熱メインピークを有
する場合であり、更に好ましくは温度80乃至130℃
の領域に吸熱メインピークを有し、同時に吸熱サブピー
クまたは吸熱ショルダーを有するものである。もし、上
記温度領域以外に吸熱メインピークを有する場合には、
低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐ブロッキング
性の全てを同時に満足することが困難となる。
【0056】本発明に好ましく用いられるベンジル酸
は、以下の式(1)で表わされるものである。
【0057】
【化6】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
整数を示す。)
【0058】以下に具体例を挙げるが、本発明はこれら
のベンジル酸に限定されるわけではない。
【0059】
【化7】
【0060】次に、本発明のトナーにおいて好ましく用
いられるベンジル酸のアルミニウムとの化合物の構造式
を挙げるが、本発明はこれらのベンジル酸のアルミニウ
ムとの化合物に限定されるものではない。
【0061】
【化8】 (式中、Xは1価のカチオンを表し、具体的には、水
素、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム及
びアルキルアンモニウムのイオンを表す。)
【0062】
【化9】
【0063】本発明のトナーに好ましく用いられるベン
ジル酸のアルミニウム化合物の具体例を以下に挙げる
が、本発明はこれらのベンジル酸のアルミニウム化合物
に限定されるわけではない。
【0064】
【化10】
【0065】
【化11】
【0066】本発明のトナーに好ましく用いられるベン
ジル酸のアルミニウム化合物は、例えば、上記の如き未
置換又は置換基を有するベンジル酸と硫酸アルミニウム
(Al2(SO43)、等のアルミニウム塩とを所望の
モル比で混合し、アルカリ雰囲気下で加熱反応させ、得
られた沈殿物を濾別採取し、更に水洗、乾燥することに
よって得ることができる。但し、本発明に係るベンジル
酸のアルミニウム化合物の製法はこれに限定されるもの
ではない。
【0067】また、本発明に係るベンジル酸のアルミニ
ウム化合物は透明性に優れるため、カラートナーに用い
た際には鮮明な色彩画像が得られるので非常に好まし
い。
【0068】前記の如き未置換又は置換基を有するベン
ジル酸は、アルミニウムと化合物を生成することによっ
て、トナーの摩擦帯電量や帯電速度を大幅に改善するだ
けではなく、良好な環境安定性を維持し、高品位な画像
を長期にわたって安定して実現し得る荷電制御能を呈す
る様になる。
【0069】本発明のトナーにおいて、ベンジル酸のア
ルミニウム化合物は、荷電制御剤としてトナーに0.1
乃至5質量%含有されていることが好ましく、より好ま
しくは0.5乃至3質量%であり、更には0.7乃至2
質量%含有されていることが好ましい。もし、トナーに
含有されるベンジル酸のアルミニウム化合物が0.1質
量%未満である場合及び5質量%を超える場合には、耐
久により画像濃度が低下する場合があり好ましくない。
【0070】本発明のトナーにおいて用いられる結着樹
脂としては、トナー用の結着樹脂として公知の樹脂をい
ずれも用いることが可能であるが、好ましくは、ポリエ
ステルを主成分とする樹脂、ポリエステルユニットとビ
ニル系重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂成分
を含有する樹脂、ビニル系重合体を主成分とする樹脂の
いずれかである。本発明において、「主成分」とは、結
着樹脂全体に対して50質量%超で含有されていること
を意味する。
【0071】本発明のトナーにおいて、結着樹脂として
ポリエステルを主成分とする樹脂を用いる場合には、ポ
リエステルは、トナーの現像性及び定着性能を向上する
目的で、クロロホルム不溶分を実質的に含有しないか、
または10質量%未満含有するポリエステル及びクロロ
ホルム不溶分を10乃至60質量%含有するポリエステ
ルを質量比で2:8乃至8:2で混合して使用すること
が好ましく、より好ましくは質量比で3:7乃至7:3
で混合して使用することであり、更に好ましくは、4:
6乃至6:4で混合して使用する場合である。
【0072】本発明のトナーにおいて、ポリエステルの
モノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0073】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(3)
で表わされるビスフェノール誘導体及び下記式(4)で
示されるジオール類が挙げられる。
【0074】
【化12】
【0075】
【化13】
【0076】酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0077】次に、トナーに含有される結着樹脂とし
て、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを
有するハイブリッド樹脂成分を含有する樹脂を用いる場
合について記載する。ハイブリッド樹脂成分の存在は13
C−NMR測定により確認することができる。13C−N
MRスペクトルの分解能を阻害する磁性体を含有する磁
性トナーの場合には、磁性トナーを濃塩酸水溶液中に添
加して室温で70乃至80時間撹拌することにより磁性
体を溶解したものを測定試料とし、測定することができ
る。また、カーボンブラック、有機顔料を含有するトナ
ーは、そのままで測定試料とすることができる。以下に
ビニル系重合体としてアクリル酸エステルを用いた場合
13C−NMRの測定結果の一例を示す。
【0078】13C−NMRスペクトルの測定は以下の条
件で行った。 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :20000回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgを直径10mmのサン
プルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、
これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0079】
【表2】
【0080】本発明のトナーにおいて、結着樹脂に含有
されるビニル系重合体ユニットとポリエステルユニット
を有するハイブリッド樹脂成分は、芳香族ビニルモノマ
ー及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーを付加重合
したビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットと
が化学的に結合したものである。ポリエステルユニット
にはワックスの分散を制御する効果を有するアルコール
成分及び/またはカルボン酸を含有するものである。
【0081】また、ハイブリッド樹脂成分はポリエステ
ルのモノマーであるアルコールと(メタ)アクリル酸エ
ステルとのエステル交換反応により生成する。上記ハイ
ブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体ユニットを構成す
る(メタ)アクリル酸エステルの10乃至60モル%が
ポリエステルユニットとエステル化反応していれば良い
が、好ましくは15乃至50モル%エステル化反応する
場合であり、更に好ましくは20乃至45モル%エステ
ル化反応している場合である。もし、ビニル系重合体ユ
ニットを構成する(メタ)アクリル酸エステルの10モ
ル%未満しかポリエステルユニットとエステル化反応し
ていない場合には、ワックスの分散状態の制御効果が十
分に得られにくく、60モル%超となる場合には相対的
に分子量の大きな成分が増大する結果トナーの低温定着
性が低下する場合があり好ましくない。
【0082】ハイブリッド樹脂組成物を構成するポリエ
ステルユニットとビニル系重合体ユニットの組成は、質
量比で30:70乃至90:10であることが好まし
く、より好ましくは40:60乃至80:20となる場
合であり、更に好ましくは50:50乃至70:30と
なる場合である。もし、ハイブリッド樹脂成分を形成す
るポリエステルユニットの含有量が30質量%未満とな
る場合または90質量%超となる場合のいずれの場合で
もハイブリッド樹脂成分とベンジル酸のアルミニウム化
合物との相互作用を最適化することが困難であり、ワッ
クスの分散状態を制御することが困難となる場合があり
好ましくない。
【0083】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットを形成するモノマーとしては上記したアルコール
成分及び酸成分をそのまま用いることができる。
【0084】ビニル系重合体ユニットを形成するための
ビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられ
る。
【0085】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が
挙げられる。
【0086】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0087】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0088】ハイブリッド樹脂成分において、ポリエス
テルユニットは、三価以上の多価カルボン酸またはその
無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋され
た架橋構造を有していることが好ましい。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,−シク
ロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物ま
たは低級アルキルエステルが挙げられ、三価以上の多価
アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパント
リオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオー
ル、ペンタエリスリトールが挙げられるが、好ましくは
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその酸無水物
である。
【0089】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0090】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0091】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、0.01〜10質量部(さらに好ま
しくは0.03〜5質量部)用いることができる。
【0092】これらの架橋剤のうち、トナー用樹脂に定
着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものと
して、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ばれた
ジアクリレート化合物が挙げられる。
【0093】ハイブリッド樹脂成分においては、ビニル
系重合体成分及び/又はポリエステル成分中に、両樹脂
成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。
ポリエステル成分を構成するモノマーのうちビニル系共
重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジ
カルボン酸又はその無水物が挙げられる。ビニル系共重
合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成
分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒド
ロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸エステル類が挙げられる。
【0094】ビニル系重合体とポリエステル樹脂の反応
生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系重合体
及びポリエステルのそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0095】ビニル系重合体を製造する場合に用いられ
る重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’
−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−
2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビ
ス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カー
バモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾ
ビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニ
ルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如き
ケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−
テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−
ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,
5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイ
ド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n
−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキ
シエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3
−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチル
シクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブ
チルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオ
キシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオ
キシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパ
ーオキシアゼレートがあげられる。
【0096】ハイブリッド樹脂成分を含有し、本発明に
係る物性を有する結着樹脂を調製できる製造方法として
は、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙
げることができる。
【0097】(1)ビニル系重合体、ポリエステル及び
ハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする
方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)
に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであり、
好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加してワ
ックスを含有する結着樹脂として製造する。尚、ハイブ
リッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂
を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エ
ステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することに
よりエステル交換反応を行なって合成することによって
得ることができる。
【0098】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0099】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0100】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0101】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0102】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0103】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0104】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0105】次に、トナーに含有される結着樹脂とし
て、ビニル系重合体を主成分とする樹脂を用いる場合に
ついて記載する。
【0106】ビニル系重合体を得るためのモノマーとし
ては、上記したビニル系モノマーをそのまま用いること
ができるが、好ましくはスチレン−(メタ)アクリル系
共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好まし
い。
【0107】粉砕法によってトナーを製造する場合に用
いられるビニル系重合体の製造においては、酸価を調整
するモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、α−
エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢
酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸及びそれらのα−或
いはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シト
ラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン
酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽
和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物
を用いることができる。このようなモノマーを単独、或
いは混合して、他のモノマーと共重合させることにより
所望の酸価を有する結着樹脂を得ることができる。この
中でも、特に不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体
を用いることが酸価をコントロールする上で好ましい。
【0108】例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン
酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ
オクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェ
ニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマ
ル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのような
α,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブ
テニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モ
ノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデ
セニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸
モノブチルのようなアルケニルジカルボン酸のモノエス
テル類などが挙げられる。
【0109】以上のようなカルボキシル基含有モノマー
は、結着樹脂を構成するための全モノマー100質量部
に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質
量部添加すればよい。
【0110】上記のようなジカルボン酸のモノエステル
モノマーが選択される理由としては、水系の懸濁液に対
して溶解度が低く、一方、有機溶媒や他のモノマーへの
溶解度の高いエステルの形で用いるのが好ましいからで
ある。
【0111】上記のモノマーを重合して得られた重合体
中のカルボン酸基及びカルボン酸エステル部位はアルカ
リ処理を行い、ケン化させても良い。即ち、アルカリの
カチオン成分と反応させて、カルボン酸基或いはカルボ
ン酸エステル部位を極性官能基に変化させても良い。
【0112】このアルカリ処理は、結着樹脂製造後、重
合時に使用した溶媒中にアルカリ水溶液として投入し、
撹拌しながら行なえばよい。本発明に用いることのでき
るアルカリとしては、Na,K,Ca,Li,Mg,B
aの如きアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化
物;Zn,Ag,Pb,Niの如き遷移金属の水酸化
物;アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、ピリジ
ウム塩の如き4級アンモニウム塩の水酸化物が挙げられ
る。特に好ましい例として、NaOHやKOHが挙げら
れる。
【0113】上記ケン化反応は、重合体中のカルボン酸
基及びカルボン酸エステル部位の全てに渡って行われる
必要はなく、部分的にケン化反応が進行し、極性官能基
に変わっていればよい。
【0114】ケン化反応に用いるアルカリの量は、重合
体中の極性基の種類、分散方法、構成モノマーの種類に
より一概に決定し難いのであるが、結着樹脂の酸価の
0.02〜5倍当量であればよい。0.02倍当量より
少ない場合はケン化反応が十分でなく、反応によって生
じる極性官能基の数が少なくなり、結果として後のケン
化による架橋反応が不十分となる。逆に5倍当量を超え
る場合は、カルボン酸エステル部位などの官能基に対
し、エステルの加水分解、ケン化反応による塩の生成な
どによって官能基に悪影響を及ぼす。
【0115】酸価の0.02〜5倍当量のアルカリ処理
を施した時は、処理後の残存カチオン濃度が5〜100
0ppmの間に含まれ、アルカリの量を規定するのに好
ましく用いることができる。
【0116】粉砕法によってトナーを製造する場合に用
いられるビニル系重合体の合成方法としては、溶液重合
法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
【0117】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)
と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結
果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。更
に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生
成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、
着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易で
あることの理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方
法として有利な点がある。
【0118】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都
合である。
【0119】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤と
しては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール
部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に
水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部使用
される。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用
する重合開始剤、生成するポリマーによって適宜選択さ
れる。
【0120】ビニル系重合体を懸濁重合で製造する場合
には、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独ある
いは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ま
しい。
【0121】多官能構造を有する多官能性重合開始剤の
具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス
−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオ
キシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
シクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブ
タン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックア
シッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパー
オキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチ
ルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチ
ルパーオキシシクロヘキシル)プロパン及び2,2−t
−ブチルパーオキシオクタンの如き1分子内に2つ以上
のパーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基
を有する多官能性重合開始剤;及びジアリルパーオキシ
ジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t
−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチル
パーオキシイソプロピルフマレートの如き1分子内に、
パーオキサイド基の如き重合開始機能を有する官能基と
重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤が挙
げられる。
【0122】これらの内、より好ましいものは、1,1
−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシ
クロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイド
ロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレー
ト及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)プロパン、及びt−ブチルパーオ
キシアリルカーボネートである。
【0123】これらの多官能性重合開始剤は、トナーの
結着樹脂として要求される種々の性能を満足する為に、
単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に
半減期10時間を得る為の分解温度が、併用する多官能
性重合開始剤よりも低い重合開始剤を用いることが好ま
しい。
【0124】具体的には、ベンゾイルパーオキシド、
1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t
−ブチルパーオキシドの如き有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼンの如きア
ゾおよびジアゾ化合物が挙げられる。
【0125】これらの単官能性重合開始剤は、前記多官
能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良い
が、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、
重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を
経過した後に添加するのが好ましい。
【0126】本発明のトナーにおいて、結着樹脂を構成
するビニル系重合体を溶液重合や塊状重合等により製造
する場合には、通常のラジカル重合法によって製造する
ことも可能であるが、パーオキサイド基を分子内に2個
以上有し、各々のパーオキサイド基の開裂反応が起こる
10時間半減温度の温度差が5℃以上、好ましくは7℃
以上、更に好ましくは10℃以上であるラジカル重合開
始剤を用いて、ラジカル重合の反応温度差を5℃以上、
好ましくは7℃以上、更に好ましくは10℃以上かえ
て、各々の重合温度において、モノマー組成物を添加し
て製造される重合体を使用することもできる。
【0127】これらの重合開始剤は、効率の点からモノ
マー100質量部に対し0.05〜2質量部で用いるの
が好ましい。
【0128】この場合、ビニル系重合体は、架橋性モノ
マーで架橋されていることも好ましい。
【0129】架橋性モノマーとしては主として2個以上
の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いらる。具
体例としては、芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコ
ールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むア
ルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
アクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアク
リレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレ
ート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以
上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたも
の);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート、及び、以上の化合物のアクリレートをメタクリ
レートに代えたもの);ポリエステル型ジアクリレート
化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が
挙げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テ
トラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアク
リレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリ
アリルトリメリテートが挙げられる。
【0130】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0質量部に対して、0.0001〜1質量部、好ましく
は0.001〜0.5質量部の範囲で用いることが好ま
しい。
【0131】これらの架橋性モノマーのうち、トナーの
定着性,耐オフセット性の点から好適に用いられるもの
として、芳香族ジビニル化合物(例えばジビニルベンゼ
ン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類が挙げられる。
【0132】その他の合成方法としては、塊状重合方
法、溶液重合方法を用いることが出来る。しかしなが
ら、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を
速めることで、任意の重合体を得ることができるが、反
応をコントロールしにくい問題点がある。その点、溶液
重合法では、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用
して、また、開始剤量や反応温度を調整することで低分
子量の重合体も容易に得ることができ好ましい。特に、
重合開始剤使用量を最小限に抑え、開始剤が残留するこ
とによる影響を極力抑えるという点で、加圧条件下にお
いて重合を行うことが好ましい。
【0133】また、直接重合法によってトナーを製造す
る際においても、ビニル系重合体を構成するビニル系モ
ノマーとしては、上記のビニル系モノマーをそのまま用
いることができる。この場合においても、トナーの機械
的強度を高めて安定した帯電特性を得るために重合時に
架橋剤を用いても良い。
【0134】架橋剤としては、上記したものを全て用い
ることができ、その添加量は、他のビニル系単量体10
0質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、
より好ましくは0.1〜5質量部である。
【0135】直接重合法によってトナーを製造する場合
には、トナーの帯電特性に影響を与えない範囲でポリエ
ステル、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレ
ン−ブタジエン共重合体の如き極性樹脂をトナーに含有
させることができる。
【0136】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合には、トナー中に磁性体が含有される。本発明に用
いられる磁性体は、異種元素を含有するマグネタイト、
マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄及びその混
合物が好ましく用いられる。
【0137】中でもリチウム、ベリリウム、ボロン、マ
グネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、イオウ、
ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、錫、鉛、亜鉛、
カルシウム、バリウム、スカンジウム、バナジウム、ク
ロム、マンガン、コバルト、銅、ニッケル、ガリウム、
インジウム、銀、パラジウム、金、白金、タングステ
ン、モリブデン、ニオブ、オスミウム、ストロンチウ
ム、イットリウム、テクネチウム、ルテニウム、ロジウ
ム、ビスマスから選ばれる少なくとも一つ以上の元素を
含有する磁性酸化鉄であることが好ましい。特にリチウ
ム、ベリリウム、ボロン、マグネシウム、アルミニウ
ム、シリコン、リン、ゲルマニウム、ジルコニウム、
錫、イオウ、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、
亜鉛及びガリウムが好ましい。最も好ましくは、異種元
素としてマグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン
及びジルコニウムからなるグループから選択される元素
を含む磁性酸化鉄である。これらの元素は酸化鉄結晶格
子の中に取り込まれても良いし、酸化物として酸化鉄中
に取り込まれていても良いし、表面に酸化物あるいは水
酸化物として存在しても良い。また、酸化物として含有
されているのが好ましい形態である。
【0138】これらの元素は、磁性体生成時に各々の元
素の塩を混在させpH調整により、粒子中に取り込むこ
とが出来る。また、磁性体粒子生成後にpH調整、ある
いは各々の元素の塩を添加しpH調整することにより粒
子表面に析出させることが出来る。
【0139】これらの元素を有する磁性体は、結着樹脂
に対し馴染みが良く、非常に分散性が良い。更にこの分
散性のよさが、本発明で用いられるベンジル酸のアルミ
ニウム化合物の分散性を向上することができ、該化合物
の効果を十分に発揮することが出来る。磁性体が分散メ
ディアとして働き、ベンジル酸のアルミニウム化合物の
分散を磁性体の分散性の良さが援助し、ベンジル酸のア
ルミニウム化合物の分散性を向上させる。また、これら
の磁性体は水分子を吸着し、ベンジル酸のアルミニウム
化合物が、水分子による帯電に強調を発揮しやすくする
効果を持っている。この効果は酸価を有する結着樹脂と
共に用いると一層効果的に発揮できる。またこれらの磁
性体は、粒度分布が揃い、その結着樹脂中への分散性と
あいまって、トナーの帯電性を安定化することが出来
る。
【0140】これらの異種元素の含有率は、磁性酸化鉄
の鉄元素を基準として0.05〜10質量%であること
が好ましい。更に好ましくは0.1〜7質量%であり、
特に好ましくは0.2〜5質量%、更には0.3〜4質
量%である。異種元素の含有率が0.05質量%より少
ないと、これら元素の含有効果が得られなく、良好な分
散性、帯電均一性が得られなくなる。異種元素の含有率
が10質量%より多くなると、電荷の放出が多くなり帯
電不足を生じ、画像濃度が低くなったり、カブリが増加
することがある。
【0141】また、これら異種元素の存在状態におい
て、磁性体の表面に近い方に多く存在しているものが好
ましい。たとえば、酸化鉄の鉄元素の溶解率が20%の
ときの異種元素の溶解率が、全異種元素の存在量の20
%〜100%が好ましい。さらには25%〜100%が
よく、30%〜100%が特に好ましい。表面存在量を
多くすることにより分散効果や電気的拡散効果を、より
向上させることができる。
【0142】これらの磁性体は個数平均粒径が0.05
〜1.0μmであることが好ましく、さらには0.1〜
0.5μmのものが好ましい。磁性体はBET比表面積
は2〜40m2/g(より好ましくは、4〜20m2
g)のものが好ましく用いられる。形状には特に制限は
なく、任意の形状のものが用いられる。磁気特性として
は、磁場795.8kA/m下で飽和磁化が10〜20
0Am2/kg(より好ましくは、70〜100Am2
kg)であり、残留磁化が1〜100Am2/kg(よ
り好ましくは、2〜20Am2/kg)であり、抗磁力
が1〜30kA/m(より好ましくは、2〜15kA/
m)であるものが好ましく用いられる。これらの磁性体
は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部で
用いられる。
【0143】磁性酸化鉄中の元素量は、蛍光X線分析装
置SYSTEM3080(理学電機工業(株)社製)を
使用し、JIS K0119蛍光X線分析通則に従っ
て、蛍光X線分析を行なうことにより測定することがで
きる。元素分布については、塩酸又はフッ酸溶解しなが
らの元素量をプラズマ発光分光(ICP)により測定定
量し、各元素の全溶時の濃度に対する各溶解時の各元素
濃度からその溶解率を求めることにより得られる。
【0144】また、磁性体の個数平均径は透過電子顕微
鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定する
ことにより求めることが出来る。磁性体の磁気特性は、
「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業社
製)を用いて外部磁場795.8kA/mの下で測定し
た値である。比表面積は、BET法に従って、比表面積
測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用
いて試科表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用
いて比表面積を算出する。
【0145】本発明のトナーに使用できる着色剤として
は、カーボンブラック、チタンホワイトやその他の顔料
及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明の
トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染
料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダ
イレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.
I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド3
0、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクト
ブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッ
ドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.
ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、
C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグ
リーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。顔料
としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロ
ー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマ
ネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデ
ンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロン
オレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、
パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウ
ム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マ
ンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビ
クトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、ピグメ
ントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナ
ルイエローグリーンGがある。
【0146】本発明に用いられるカーボンブラックは、
一次粒子の平均粒径が25〜80nmであるものが好ま
しく、より好ましくは35〜55nmである。
【0147】カーボンブラックの一次粒子の平均粒径が
25nmよりも小さいとトナーの帯電特性に影響を生じ
る。また、80nmを超えると着色力が不十分となり、
低画像濃度のプリントアウト画像しか得られない。
【0148】トナー中に添加されたカーボンブラックの
一次粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)に
よる拡大TEM写真から求めることができる。
【0149】また、本発明に用いられるカーボンブラッ
クは、DBP吸油量が40〜150ml/100gであ
ることが好ましく、より好ましくは50〜140ml/
100gである。
【0150】DBP吸油量が40ml/100g未満の
場合には、カーボンブラックのストラクチャー構造が短
いため、トナーの帯電量が低くなる傾向にあり、DBP
吸油量が150ml/100gを超えると長く強固なス
トラクチャー構造となるため、トナーの均一帯電が困難
となる。
【0151】カーボンブラックのDBP吸油量は、「A
STM D2414−79」に準じて測定される。
【0152】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0153】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0154】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料があ
げられる。
【0155】
【化14】
【0156】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
が挙げられる。
【0157】非磁性トナーにおいて、着色剤の使用量は
結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、
好ましくは0.2〜10質量部である。
【0158】本発明のトナーは、上記の如きベンジル酸
のアルミニウム化合物と共に他の荷電制御剤を併用して
も良い。
【0159】ベンジル酸のアルミニウム化合物と併用で
きる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、
帯電速度が速く、且つ一定の帯電量を安定して維持でき
る荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、負摩
擦帯電性として、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボ
ン酸またはその誘導体の金属化合物、アゾ顔料またはそ
の誘導体の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖
に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケ
イ素化合物、カリークスアレーンが利用できる。また、
正摩擦帯電性としてニグロシン、トリフェニルメタン系
化合物、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側
鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダ
ゾール化合物が好ましく用いられる。
【0160】これらの荷電制御剤は、結着樹脂100質
量部に対して0.1〜10質量部で、より好ましくは
0.5〜5質量部使用することができるが、必ずしも必
須ではない。
【0161】本発明のトナーは、重量平均粒径が2.5
乃至10μmであることが好ましく、より好ましくは
2.5乃至6.0μmである。
【0162】重量平均粒径が2.5乃至6.0μmであ
るトナーは、極めて高精細な画像を得ることができるた
め好ましいものである。重量平均粒径が2.5μm未満
である場合には十分な画像濃度が得られにくいため好ま
しくない。一方でトナーの小粒径化が進むとベンジル酸
のアルミニウム化合物の遊離も生じやすくなるが、本発
明のトナーは帯電均一性に優れているので多少のベンジ
ル酸のアルミニウム化合物が遊離し、スリーブ汚染が生
じたとしても、その影響を受けにくくなる。
【0163】ところで本発明のトナーに無機微粉体を含
有させることは、トナーの帯電安定性、現像性、流動性
及び耐久性を向上させる上で好適な実施形態の一つであ
る。
【0164】本発明に用いられる無機微粉体としては、
例えば、シリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微
粉体の如き無機酸化物の微粉体を単独或いは併用して用
いられる。
【0165】また、本発明に用いられる無機微粉体は、
疎水化や帯電性のコントロール等を目的とし、必要に応
じて、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、
シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン
カップリング剤、官能基を有するシランカップリング
剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤、或いは種
々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
これらの中でもシリコーンワニス、各種変性シリコーン
ワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル
によるシリコーンオイル処理が好ましい。
【0166】本発明のトナーには、未処理の無機微粉体
と疎水性無機微粉体を混合して用いても良い。
【0167】例えば本発明に用いられるシリカ微粉体
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たいわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾
式シリカ、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式
シリカの両方が使用可能であるが、表面及び内部にある
シラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方
が好ましい。
【0168】更に、本発明に用いるシリカ微粉体は疎水
化処理されているものが好ましい。疎水化処理するに
は、シリカ微粉体と反応、或いは物理吸着する有機ケイ
素化合物等で化学的に処理することによって付与され
る。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸
気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシランカ
ップリング剤で処理した後、或いはシランカップリング
剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ
素化合物で処理する方法が挙げられる。
【0169】疎水化処理に使用されるシランカップリン
グ剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリ
メチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリク
ロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェ
ニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、
ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチル
トリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラ
ン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノ
シランメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、
トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセ
トキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメ
チルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサ
ンが挙げられる。
【0170】有機ケイ素化合物としては、シリコーンオ
イルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度がおよそ30〜1000mm2
/sec(cSt)のものが用いられ、例えばジメチル
シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、
α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェ
ニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが
好ましい。
【0171】シリコーンオイル処理の方法は、例えば、
シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリ
コーンオイルをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
直接混合しても良いし、母体となるシリカにシリコーン
オイルを噴射する方法によっても良い。又は適当な溶剤
にシリコーンオイルを溶解、或いは分散せしめた後、母
体のシリカ微粉体とを混合し、溶剤を除去して調製して
も良い。
【0172】上記のシリカ微粉体における疎水化処理を
酸化チタン微粉体に施したものも本発明のトナーに好ま
しく用いられる。
【0173】上記の如きシリコーンオイル処理を施した
無機微粉体の中でも一次粒子の平均粒径が5〜100n
m、更には5〜70nmであるものが流動性や帯電性に
対して良好な結果を与え、本発明に係るベンジル酸のア
ルミニウム化合物とのマッチングが良好なものとなる。
BET法で測定した窒素吸着による比表面積では30m
2/g以上(特に60〜400m2/g)の範囲のものが
母体微粉体として好ましく、表面処理された微粉体とし
ては、20m2/g以上(特に40〜300m2/g)の
範囲のものが好ましい。
【0174】トナー中に添加された無機微粒子の一次粒
子の平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)によるSE
M写真から求めることができる。具体的には、トナーの
拡大SEM写真中から無機微粉体の一次粒子が確認でき
る部分を300箇所選び出し、次いで各々の無機微粉体
の粒子径を計測し、それらの平均値を無機微粉体の一次
粒子の平均粒径とする。
【0175】本発明に用いられる無機微粉体は、トナー
100質量部に対して0.03〜8質量部使用するのが
好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
【0176】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した添加剤としては、例えば、以下のようなものが用い
られる。
【0177】(1)研磨剤としては、チタン酸ストロン
チウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネ
シウム,酸化クロムの如き金属酸化物;窒化ケイ素の如
き窒化物;炭化ケイ素の如き炭化物;及び硫酸カルシウ
ム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムの如き金属塩が用い
られる。
【0178】(2)滑剤としては、ポリフッ化ビニリデ
ン,ポリテトラフルオロエチレンのごときフッ素系樹脂
粉末;ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムの如
き脂肪酸金属塩が用いられる。
【0179】(3)荷電制御性粒子としては、酸化錫,
酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニウム
の如き金属酸化物;カーボンブラック;樹脂微粒子が用
いられる。
【0180】これら添加剤は、トナー100質量部に対
し、0.05〜10質量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5質量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、また、複数併用しても良い。
【0181】本発明のトナーは、キャリアと混合して二
成分現像剤として使用しても良い。キャリアの抵抗値
は、キャリア表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量を調
整して106〜1010Ω・cmにするのが良い。
【0182】キャリアコアを樹脂で被覆した構成を有す
るキャリアを用いる場合、キャリア表面を被覆する樹脂
としては、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エ
ステル共重合体、メタクリル酸エステル共重合体、シリ
コーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリアミド樹脂、アイオ
ノマー樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂或いは、
これらの混合物を用いることができる。
【0183】被覆樹脂による処理量は、キャリアコアに
対して0.1〜30質量%であり、好ましくは0.5〜
20質量%である。これらキャリアの平均粒径は10〜
100μm、好ましくは20〜70μmを有することが
好ましい。
【0184】キャリアコアの磁性材料としては、フェラ
イト、鉄過剰型フェライト、マグネタイト、γ−酸化鉄
の如き酸化物や、鉄、コバルト、ニッケルのような金属
或いはこれらの合金を用いることができる。また、これ
らの磁性材料に含まれる元素としては、鉄、コバルト、
ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムが挙げられる。
【0185】本発明のトナーを製造する方法としては、
上述したようなトナー構成材料をボールミルその他の混
合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エクス
トルーダーの如き熱混練機を用いて良く混練し、冷却固
化後、機械的に粉砕し、粉砕粉を分級することによって
トナーを得る方法が好ましい。他には、結着樹脂を構成
すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁液とした
後に、重合させてトナーを得る重合法トナー製造法;コ
ア材及びシェル材から成るいわゆるマイクロカプセルト
ナーにおいて、コア材あるいはシェル材、あるいはこれ
らの両方に所定の材料を含有させる方法;結着樹脂溶液
中に構成材料を分散した後、噴霧乾燥することによりト
ナーを得る方法が挙げられる。さらに必要に応じ所望の
添加剤とトナーとをヘンシェルミキサーの如き混合機に
より十分に混合し、本発明のトナーを製造することがで
きる。
【0186】次に本発明のトナーが好ましく用いられる
画像形成方法について説明する。
【0187】まず、本発明の画像形成方法に適用できる
現像手段について説明する。
【0188】図1において、公知のプロセスにより形成
された静電荷像を担持する像担持体、例えば電子写真感
光ドラム7は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体
としての現像スリーブ14は、ホッパー9から供給され
た一成分現像剤としてのトナー10を担持して、矢印A
方法に回転することにより、現像スリーブ14と感光ド
ラム7とが対向した現像部Dにトナー10を搬送する。
現像スリーブ14内には、トナー10が磁性トナーであ
る場合には、現像スリーブ14上に磁気的に吸引及び保
持するために、磁石11が配置されている。トナー10
は現像スリーブ14との摩擦により、感光ドラム7上の
静電荷像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
【0189】現像部Dに搬送されるトナー10の層厚を
規制するために、磁性トナーである場合には強磁性金属
からなる規制磁性ブレード8が、現像スリーブ14の表
面から約200〜300μmのギャップ幅を持って現像
スリーブ14に臨むように、ホッパー9から垂下されて
いる。磁石11の磁極N1からの磁力線がブレード8に
集中することにより、現像スリーブ14上にトナー10
の薄層が形成される。ブレード8としては非磁性ブレー
ドを使用することもできる。また、トナー10が非磁性
トナーである場合には、ウレタンゴム、シリコーンゴ
ム、チップブレードなどの弾性ブレードが用いられる。
【0190】現像スリーブ14上に形成されるトナー1
0の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14
と感光ドラム7との間の最小間隙よりも更に薄いもので
あることが好ましい。このようなトナー薄層により静電
荷像を現像する方式の現像装置(即ち非接触型現像装
置)に、本発明の現像方法は特に有効である。しかし、
現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と
感光ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像装
置(即ち接触型現像装置)にも、本発明の現像方法は適
用することができる。
【0191】以下、非接触型現像装置の例を説明する。
【0192】上記現像スリーブ14には、これに担持さ
れたトナー10を飛翔させるために、電源15により現
像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧と
して直流電圧を使用するときは、静電荷像の画像部(ト
ナー10が付着して可視化される領域)の電位と背景部
の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ14に印加さ
れることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或は
階調性を向上するために、現像スリーブ14に交番バイ
アス電圧を印加して、現像部Dに向きが交互に反転する
振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電
位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳
された交番バイアス電圧を現像スリーブ14に印加する
ことが好ましい。
【0193】また、高電位部と低電位部を有する静電荷
像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、いわゆ
る正規現像では、静電荷像の極性と逆極性に帯電するト
ナーを使用し、一方、静電荷像の低電位部にトナーを付
着させて可視化する、反転現像では、トナーは静電荷像
の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位と
低電位というのは、絶対値による表現である。いずれに
しても、トナー10は現像スリーブ14との摩擦により
静電荷像を現像するための極性に帯電する。
【0194】図2の現像装置では、現像スリーブ14上
のトナー10の層厚を規制する部材として、ウレタンゴ
ム,シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或は
リン青銅,ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料で
形成された弾性板17を使用し、この弾性板17を現像
スリーブ14に圧接させていることが特徴である。この
ような現像装置では、現像スリーブ8上に更に薄いトナ
ー層を形成することができる。図2の現像装置のその他
の構成は、図1に示した現像装置と基本的に同じで、図
2において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材
を示す。
【0195】上記のようにして現像スリーブ14上にト
ナー層を形成する図2に示すような現像装置は、弾性板
17によりトナーを現像スリーブ14上に擦りつけるた
め、トナーの摩擦帯電量も多くなり、画像濃度の向上が
図られる。また、非磁性一成分トナーにおいては、この
ような現像装置が用いられる。
【0196】本発明に用いられる現像剤担持体である現
像スリーブは、円筒状基体12と、該基体表面を被覆す
る被膜層13(樹脂層)を有することも好ましい。その
構成は図3に示したようなものである。該樹脂層1は、
結着樹脂4、場合によっては導電性物質2、充填剤3、
固体潤滑剤5を含有し、円筒状基体6上に被覆されてい
る。導電性物質2が含有されている場合、樹脂層1は導
電性なのでトナーの過剰帯電が防止できる。また充填剤
3が含有されている場合には、トナーによる該樹脂層1
の摩耗を防ぎ、更に充填剤3の帯電付与性により、トナ
ーの帯電も好適にコントロールできる。また、固体潤滑
剤5が含有される場合には、トナーとスリーブとの離型
性が向上され、その結果トナーのスリーブ上への融着が
防止できる。
【0197】本発明のスリーブにおいて、樹脂層に導電
性物質を含有させる場合、該樹脂層の体積抵抗が106
Ω・cm以下、好ましくは103Ω・cm以下であるも
のがよい。樹脂層の体積抵抗が106Ω・cmを超える
場合には、トナーのチャージアップが発生しやすくな
り、ブロッチの発生や現像特性の劣化を引き起こすこと
がある。
【0198】また、該樹脂層の表面粗さは、JIS中心
線平均粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にある
ことが好ましい。Raが0.2μm未満ではスリーブ近
傍のトナーの帯電量が高くなりすぎ、鏡映力によりトナ
ーがスリーブ上に引きつけられ、新たなトナーがスリー
ブから帯電付与を受けられず、現像性が低下する。Ra
が3.5μmを超えると、スリーブ上のトナーコート量
が増加しすぎてトナーが十分な帯電量を得られず、かつ
不均一な帯電となり、画像濃度の低下や濃度ムラの原因
となる。
【0199】次に該樹脂層1を構成する各材料について
説明する。
【0200】図3において導電性物質2としては、例え
ばアルミニウム、銅、ニッケル、銀の如き金属粉体;酸
化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズの如き金属酸
化物;カーボンファイバー、カーボンブラック、グラフ
ァイトの如き炭素同素体が挙げられる。このうちカーボ
ンブラックは特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填
して導電性を付与したり、添加量のコントロールで、あ
る程度任意の導電度を得ることができるために好適に用
いられる。本発明に使用するカーボンブラックの個数平
均粒径は0.001〜1.0μm、好ましくは0.01
μm〜0.8μmのものが良い。カーボンブラックの個
数平均粒径が1μmを超える場合には、樹脂層の体積抵
抗を制御しづらくなり好ましくない。
【0201】導電性物質の使用量としては、結着樹脂1
00質量部に対して、好ましくは0.1〜300質量部
であり、より好ましくは1〜100質量部である。
【0202】充填剤3としては、従来より公知のトナー
用ネガ帯電性荷電制御剤、あるいはポジ帯電性荷電制御
剤を添加しても良い。このほかの物質として、例えばア
ルミナ、アスベスト、ガラス繊維、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、シリ
カ、ケイ酸カルシウムの如き無機化合物;フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、P
MMA、メタクリレートのターポリマー(例えばポリス
チレン/n−ブチルメタクリレート/シランターポリマ
ー)、スチレン−ブタジエン系共重合体、ポリカプロラ
クトン;ポリカプロラクタム、ポリビニルピリジン、ポ
リアミドの如き含窒素化合物;ポリフッ化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテ
トラクロロフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシ
ル化エチレン、ポリテトラフルオロアルコキシエチレ
ン、フッ素化エチレンプロピレン−ポリテトラフルオロ
エチレン共重合体、トリフルオロクロロエチレン−塩化
ビニル共重合体といった高度にハロゲン化された重合
体;ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられる。中
でもシリカ及びアルミナが、それ自身の硬さ及びトナー
に対する帯電制御性を有するので好ましく用いられる。
【0203】充填剤の使用量としては、結着樹脂100
質量部に対して、好ましくは0.1〜500質量部、よ
り好ましくは1〜200質量部である。
【0204】固体潤滑剤5としては、例えば二硫化モリ
ブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイ
ト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイ
ト、滑石が挙げられる。このうちグラファイトは潤滑性
と共に導電性を有し、高すぎる電荷を有するトナーを減
少させ、現像に好適な帯電量を持たせる働きがあること
から好適に用いられる。
【0205】固体潤滑剤の使用量としては、結着樹脂1
00質量部に対して、好ましくは0.1〜300質量部
であり、より好ましくは1〜150質量部である。
【0206】場合によっては、該導電性物質2、該充填
剤3や固体潤滑剤5が分散される結着樹脂4としては、
フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹
脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂の如き樹脂が用い
られる。特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好まし
い。
【0207】また本発明におけるスリーブ表面の樹脂層
中の導電性物質、或いは充填剤や固体潤滑剤を表面に好
適に露出させるために、または、表面を平滑化処理して
均一な凹凸表面を作るために、後述の磨き加工等の手段
により表面を平滑化処理することにより、さらに好まし
い性能を付与することが可能である。特に、ベタ黒やハ
ーフトーン画像に発生する縦スジ現象や初期の画像濃度
の立上がりに効果があり、特に高温高湿下での効果が大
きい。フェルトや砥粒の付着した帯状研磨材での磨き加
工を施すことで、スリーブの表面凹凸を均一に仕上げる
ことができるので、スリーブ上のトナーコート量が均一
化し、その結果スリーブとの摩擦帯電を受けたトナーの
みが現像領域に搬送されるようになる。従って、上記効
果が得られるものと考えられる。
【0208】上記のように平滑化処理を施した後も、コ
ート層表面はJIS B 0601におけるRaで0.
2〜3.5μmの範囲の凹凸を保持していることが好ま
しく、より好ましくは0.3〜2.5μm程度である。
理由は前記と同様である。
【0209】円筒基体6としては、非磁性金属円筒管、
樹脂円筒が好ましく用いられ、例えば、ステンレス円筒
管、アルミニウム円筒管、銅合金円筒管等の非磁性の円
筒管が用いられる。円筒管を作製する方法としては、引
き抜き法や押し出し法があり、更に円筒管自体の寸法精
度を上げる場合には、切削や研磨を施して所定の寸法精
度とする。円筒管の真直度は30μm以下であることが
好ましく、さらには20μm以下が好ましく良好な画像
が得られる。また必要に応じて適度な凹凸を表面に付与
するためにサンドブラストや研磨により粗面を形成して
もよい。ブラストに用いられる砥粒は定形粒子でも不定
形粒子でも構わない。
【0210】次に、本発明の現像方法を適用し得る画像
形成方法を、図4に概略的に示す接触帯電手段及び接触
転写手段を有する画像形成装置を参照しながら説明す
る。本発明の現像方法は、コロナ帯電方式及び/又はコ
ロナ転写方式を使用する画像形成方法にも適用できる。
【0211】光導電層801a及び導電性基層801b
を有する回転ドラム型の感光体801は、図面上時計の
針の回転方向に所定の周速(プロセススピード)で回転
される。導電性弾性層802a及び芯金802bを有し
ている帯電ローラ802は、帯電バイアス電源803に
よりバイアスが印加されている。帯電ローラ802は、
感光体801に押圧力により圧接されており、感光体8
01の回転に伴い従動回転する。
【0212】帯電ローラ802にバイアスV2が印加さ
れることで感光体801の表面が所定の極性・電位に帯
電される。次いで画像露光804によって静電荷像が形
成され、現像手段805によりトナー画像として順次可
視化されていく。
【0213】現像手段805を構成する現像スリーブに
は、現像バイアス印加手段813よりバイアスV1が印
加される。現像により像担持体上に形成されたトナー像
は、転写バイアス電源807により転写バイアスV3
印加された当接転写手段としての転写ローラー806
(導電性弾性層806a,芯金806b)により転写材
808に静電転写され、転写材上のトナー像は、加熱ロ
ーラ811a及び加圧ローラ811bを有する加熱加圧
手段811により加熱加圧定着される。トナー画像転写
後の感光体801面では転写残りトナーの如き付着汚染
物質を、感光体801にカウンター方向に圧接した弾性
クリーニングブレードを具備したクリーニング装置80
9で清浄面化され、更に除電露光装置810により除電
されて、繰り返して作像される。
【0214】一次帯電手段としては、以上のごとく接触
帯電手段として帯電ローラー802を用いて説明した
が、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でも
よく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。接触帯
電手段の方が帯電工程におけるオゾンの発生が少ないた
め好ましい。転写手段としては、以上のごとく転写ロー
ラー806を用いて説明したが転写ブレード又は転写ベ
ルトの如き接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ
転写手段でもよい。接触転写手段の方が転写工程におけ
るオゾンの発生が少ない。
【0215】また更に、本発明の画像形成方法に適用で
きる別の定着法について図5に示す定着手段を用いて説
明する。図5は、トナー顕画像が形成されている記録材
519を、固定支持された加熱体511と該加熱体に対
向圧接し且つフィルム515を介して該記録材を該加熱
体に密着させる加圧ローラー518とにより加熱定着す
る手段を示す。
【0216】図5に示す定着装置において加熱体511
は、従来の熱ロールに比べて熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するものであって、加熱部の最高温度は100
〜300℃であることが好ましい。
【0217】また、加熱体511と加圧部材としての加
圧ローラー518との間に位置する定着フィルム515
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性の高い、
ポリエステル,PET(ポリエチレンテレフタレー
ト),PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体),PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン),ポリイミド,ポリアミドの如
きポリマーシートの他、アルミニウムの如き金属シート
及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミ
ネートシートが用いられる。
【0218】より好ましい定着フィルムの構成として
は、これら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を
有していることである。
【0219】511は、装置に固定支持された低熱容量
線状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,幅1
0mm,長手長240mmのアルミナ基板512に抵抗
材料513を幅1.0mmに塗工したもので、長手方向
両端より通電される。通電はDC100Vの周期20m
secのパルス状波形で検温素子514によりコントロ
ールされた所望の温度、エネルギー放出量に応じたパル
スをそのパルス幅を変化させて与える。略パルス幅は
0.5msec〜5msecとなる。この様にエネルギ
ー及び温度を制御された加熱体511に当接して、図中
矢印方向に定着フィルム515は移動する。
【0220】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えば、ポリイミド,ポリエーテル
イミド,PES,PFAに少なくとも画像当接面側にP
TFE,PAFの如き弗素樹脂)に導電剤を添加した離
型層を10μmコートしたエンドレスフィルムである。
一般的には総厚は100μm未満、より好ましく40μ
m未満が良い。フィルムの駆動は駆動ローラー516と
従動ローラー517による駆動とテンションにより矢印
方向に皺を生じることなく移動する。
【0221】518は、シリコーンゴムの如き離型性の
良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20
kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧
接回転する。記録材519上の未定着トナー520は、
入口ガイド521により定着部に導かれ、上述の加熱に
より定着画像を得るものである。
【0222】なお、定着フィルム515は、エンドレス
ベルトで説明したが、シート送り出し軸及び巻き取り軸
を使用し、定着フィルムは有端のフィルムであってもよ
い。
【0223】次に、二成分系現像剤を用いる現像装置に
ついて記載する。
【0224】図6は、二成分系現像剤を使用する現像装
置の概略的説明図であり、現像剤室R1と撹拌室R2
は、トナーと磁性キャリアとを混合して得られた二成分
系現像剤49が投入される。二成分系現像剤49は、ス
クリュー43と44によって混合撹拌されながら搬送さ
れ、現像剤室R1と撹拌室R2とを循環する。撹拌室R2
の上部には、補給用トナーを収容したトナー貯蔵室R3
が設けられている。現像剤室R1に搬送された二成分系
現像剤は、現像スリーブ41の回転に伴い、マグネット
ローラ42の有する磁力によって、現像スリーブ41の
表面に担持されることで磁気ブラシ49bを形成する。
そして磁気ブラシを感光体ドラムの表面に接触させるこ
とで、感光体ドラム表面に担持された静電荷像が現像さ
れる。
【0225】本発明のトナーに係る物性の測定方法を以
下に示す。
【0226】(1)酸価の測定 JIS K0070に記載の測定方法に準拠して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調製 :トナー1.0gをトルエン120mlに添
加して室温(約25℃)で約10時間マグネチックスタ
ーラーで撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを
添加して試料溶液とする。
【0227】測定操作: 1)試料は予め結着樹脂(重合体成分)以外の添加物を
除去して使用するか、結着樹脂及び架橋された結着樹脂
以外の成分の酸価及び含有量を予め求めておく。試料の
粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、重合体成分の重
さをW(g)とする。例えば、トナーから結着樹脂の酸
価を測定する場合は、着色剤又は磁性体等の酸価及び含
有量を別途測定しておき、計算により結着樹脂の酸価を
求める。 2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン
/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え
溶解する。 3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用い
て、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電
子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(win
workstation)とABP−410電動ビュレ
ットを用いての自動滴定が利用できる)。 4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同
時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量を
B(ml)とする。 5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクタ
ーである。
【0228】酸価(mgKOH/g)={(S−B)×
f×5.61}/W
【0229】(2)THF可溶分の分子量測定 結着樹脂又はトナーのTHF可溶分のTHF(テトラハ
イドロフラン)を溶媒としたGPCによる分子量分布は
次の条件で測定し、分子量1000以上を測定するもの
とする。
【0230】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTH
Fを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約10
0μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたって
は試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレ
ン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント
値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチ
レン試料としては、例えば東ソー社製あるいは昭和電工
社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なく
とも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適
当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用
いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェ
ルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電
工社製のshodex GPC KF−801、80
2、803、804、805、806、807、800
Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G10
00H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(H XL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせ
を挙げることができる。
【0231】上記の方法で得られたGPCによる分子量
分布から、各分子量領域の成分の含有量、メインピーク
分子量、サブピーク又はショルダーの位置を求める。
【0232】また、試料は以下の様にして作製する。
【0233】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無
くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時TH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜
0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2
(東ソー社製)などが使用できる。)を通過させたもの
をGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分
が、0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0234】(3)THF不溶分の測定 トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、
円筒濾紙(例えば東洋濾紙社製No.86R)を入れて
ソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200m
lを用いて10時間抽出し、溶媒によって抽出された可
溶成分溶液をエバポレートした後、100℃で数時間真
空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W
2g)。トナー中の樹脂成分以外の重さを求める(W
3g)。THF不溶分は下記式から求められる。
【0235】
【数1】
【0236】あるいは、抽出成分(W4g)を秤量し、
THF不溶分を下記式から求めてもよい。
【0237】
【数2】
【0238】(4)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0239】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。
【0240】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0241】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックス
の融点とする。
【0242】(5)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0243】(6)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0244】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0245】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲
におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0246】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0247】(7)ワックスの分子量分布の測定 GPC測定装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0248】(8)トナーの水に対する接触角の測定 測定装置:FACE接触角測定装置(協和界面化学社
製) 測定温度:23〜25℃ 測定湿度:相対湿度40〜60% 試料調製:約10gのトナーを200kgf/cm2
圧力で2分間圧縮成型して、直径25mm,厚さ約10
mmの円盤状の試料を作製する。これを内径約27mm
のガラス製サンプルビン(例えば、スナップカップN
o.30)に入れ、100〜120℃に加熱されたホッ
トプレート上でテフロン(登録商標)製のシートを介し
て5〜10分程度490〜980kPa(5〜10kg
f/cm2)の圧力をかける。トナーが軟化・溶融した
ならば、室温まで冷却してガラス製サンプルビンを破壊
してトナーの溶融・成型物を取り出す。これを#280
→#800→#1500の研磨剤を用いて順次研磨する
ことにより直径25mm,厚さ5mmの円盤状試料とす
る。接触角の測定面は目視で傷がない様に仕上げる。
尚、測定にはイオン交換水または市販の精製水を使用
し、各試料について5回接触角を測定してその平均値を
もってトナーの水に対する接触角とする。
【0249】(9)トナーの粒度分布の測定 本発明のトナーの粒度分布の測定は、コールターカウン
ターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー
(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例え
ば、ISOTONR−II(コールターサイエンティフ
ィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、
前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界
面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩
を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜
3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパー
チャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm
以上のトナーの体積、個数を各チャンネル毎に測定して
体積分布と個数分布とを算出し、得られたトナー粒子の
体積分布から重量基準のトナーの重量平均粒径(D
4)、及び個数分布から個数平均粒径(D1)を求め
た。
【0250】測定チャンネルとしては、2.00〜2.
52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17
〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;
5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm
未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜1
2.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;
16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.
40μm未満;25.40〜32.00μm未満;3
2.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用い
る。
【0251】(10)トナーの誘電正接の測定 4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット
・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの
周波数で校正後、周波数100kHzにおける複素誘電
率の測定値から誘電正接(tanδ=ε”/ε’)を算
出する。
【0252】トナーを0.5〜0.7g秤量し、392
00kPa(400kgf/cm2)の荷重を2分間か
けて成型し、直径25mm,厚さ1mm以下(好ましく
は、0.5〜0.9mm)の円盤状の測定試料にする。
この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)
を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフ
ィック・エフ・イー社製)に装着し、温度150℃まで
加熱して溶融固定する。その後、温度25℃まで冷却
し、500gの荷重をかけた状態で100kHzを含
む、100Hz〜1MHzの周波数範囲で測定すること
により得られる。
【0253】
【実施例】以下、製造例及び実施例によって本発明を説
明する。
【0254】 〔低分子量ポリエステル樹脂の製造〕 [製造例1] ・テレフタル酸 42モル% ・イソフタル酸 3モル% ・アジピン酸 2モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 53モル% 上記カルボン酸及びアルコールにエステル化触媒を添加
して縮重合して、THF不溶分を実質的に含有しない、
11mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂
(L−1)を得た。
【0255】[製造例2]製造例1において、酸成分及
びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、1
0質量部となる量の表3に示すワックス(3)を添加す
る以外は同様にして、低分子量ポリエステル(L−2)
を得た。
【0256】 [製造例3] ・テレフタル酸 42モル% ・イソフタル酸 3モル% ・アジピン酸 2モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 50モル% ・上記酸成分及び上記アルコール成分の合計量を100質量部とした時、3質量 部となる量のワックス(2) (aの平均値が40) 上記の処方で製造例1と同様にして、低分子量ポリエス
テル(L−3)を得た。
【0257】 [製造例4] ・テレフタル酸 5モル% ・フマル酸 35モル% ・トリメリット酸 17モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 18モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y=2.2) 25モル% 上記カルボン酸及びアルコールを用いた以外は製造例1
と同様にして、THF不溶分を実質的に含有しない、3
6mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂(L
−4)を得た。
【0258】 [製造例5] ・テレフタル酸 30モル% ・アジピン酸 20モル% ・トリメリット酸 3モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y=2.2) 47モル% 上記カルボン酸及びアルコールを用いた以外は製造例1
と同様にして、THF不溶分を実質的に含有しない、1
6mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂(L
−5)を得た。
【0259】 〔高分子量ポリエステル樹脂の製造〕 [製造例6] ・テレフタル酸 23モル% ・アジピン酸 10モル% ・トリメリット酸 19モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y=2.2) 48モル% 上記カルボン酸及びアルコールを重縮合してTHF不溶
分を約38質量%含有し、酸価は9mgKOH/gであ
る高分子量ポリエステル樹脂(H−1)を得た。
【0260】[製造例7]製造例6において、酸成分及
びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、1
0質量部となる量のワックス(3)を添加する以外は同
様にして、高分子量ポリエステル(H−2)を得た。
【0261】 [製造例8] ・テレフタル酸 20モル% ・アジピン酸 18モル% ・トリメリット酸 11モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y:2.2) 32モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 16モル% ・上記酸成分及びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、3質量部と なる量のワックス(2) (aの平均値が40) 上記の処方で製造例6と同様にして、高分子量ポリエス
テル(H−3)を得た。
【0262】[製造例9]製造例8において、酸成分及
びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、1
0質量部となる量のワックス(3)にワックスを変更す
る以外は同様にして、高分子量ポリエステル(H−4)
を得た。
【0263】[製造例10]製造例8において、酸成分
及びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、
10質量部となる量のワックス(1)にワックスを変更
する以外は同様にして、高分子量ポリエステル(H−
5)を得た。
【0264】[製造例11]製造例8において、酸成分
及びアルコール成分の合計量を100質量部とした時、
10質量部となる量のワックス(5)にワックスを変更
する以外は同様にして、高分子量ポリエステル(H−
6)を得た。
【0265】 [製造例12] ・フマル酸 39モル% ・トリメリット酸 17モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y=2.2) 26モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 18モル% 上記カルボン酸及びアルコールを用いた以外は製造例6
と同様にして、THF不溶分を約27質量%含有し、3
2mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂(H
−7)を得た。
【0266】[製造例13]製造例12において、酸成
分及びアルコール成分の合計量を100質量部とした
時、10質量部となる量のワックス(3)を添加する以
外は同様にして、高分子量ポリエステル(H−8)を得
た。
【0267】 [製造例14] ・フマル酸 35モル% ・トリメリット酸 20モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 15モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:プロピレン基、x+y=2.2) 25モル% 上記カルボン酸及びアルコールを用いた以外は製造例6
と同様にして、THF不溶分を約42質量%含有し、3
4mgKOH/gの酸価を有するポリエステル樹脂(H
−9)を得た。
【0268】[製造例15]製造例14において、酸成
分及びアルコール成分の合計量を100質量部とした
時、10質量部となる量のワックス(4)を添加する以
外は同様にして、高分子量ポリエステル(H−10)を
得た。
【0269】 [比較製造例1] ・テレフタル酸 30モル% ・トリメリット酸 15モル% ・ステアリルアルコール 25モル% ・1,2,3−プロパントリオール 25モル% 上記カルボン酸及びアルコールを重縮合してTHF不溶
分を約82質量%含有し、酸価は1mgKOH/gであ
る比較用ポリエステル樹脂(1)を得た。
【0270】[比較製造例2]比較製造例1において、
酸成分及びアルコール成分の合計量を100質量部とし
た時、10質量部となる量のワックス(6)を添加する
以外は同様にして、比較用ポリエステル(2)を得た。
【0271】 [比較製造例3] ・テレフタル酸 35モル% ・トリメリット酸 15モル% ・エチレングリコール 45モル% 上記カルボン酸及びアルコールを重縮合して実質的にT
HF不溶分を含有しなく、酸価は46mgKOH/gで
ある比較用ポリエステル樹脂(3)を得た。
【0272】 <実施例1> ・低分子量ポリエステル樹脂(L−1) 50質量部 ・高分子量ポリエステル樹脂(H−1) 50質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ワックス(3) 5質量部 ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウム原子1モルからなる化 合物) 上記原料混合物を130℃に加熱された二軸混練押出機
によって溶融混練を行った。混練物は放冷後、カッター
ミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、得られ
た微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径7.3
μmの磁性トナーを得た。
【0273】この磁性トナー100質量部に、疎水性乾
式シリカ(BET比表面積200m 2/g)1.0質量
部をヘンシェルミキサーで外添混合して磁性トナー
(1)とした。
【0274】このトナー(1)のTHF不溶分を測定し
たところ、表4に示す様に、結着樹脂に対して37質量
%のTHF不溶分を含有していた。THF可溶分の分子
量を測定したところ、ピーク分子量7200、分子量1
0万以上乃至1000万未満の成分を11質量%含有
し、分子量5000以上乃至10万未満の成分を63質
量%含有し、かつ分子量1000以上乃至5000未満
の成分を21質量%含有していた。また、トナーの酸価
を測定したところ、20mgKOH/gであった。トナ
ー及びトナーに含有される結着樹脂の各物性を表4に示
す。
【0275】このトナーを用いて、常温常湿環境下(2
3.5℃/60%RH)において、キヤノン製複写機G
P−215及びNP−6085で画像特性の評価及び定
着部材に対するトナーの付着状態を評価したところ、表
5に示したような良好な結果が得られた。
【0276】次に、NP−6085の定着器をとりはず
し外部駆動装置、定着器の温度制御装置及びローラーの
加圧力を調整する装置を装着した定着試験装置を試作し
た。ローラー周速を150mm/秒、総加圧力を392
N(40kgf)として、1.2の画像濃度を与えるト
ナーを現像した未定着画像を用いて、ローラー表面温度
を150℃に設定して低温定着試験を行ない、ローラー
表面温度を220℃に設定して耐高温オフセット性を評
価したところ、表5に示したような良好な結果が得られ
た。
【0277】<実施例2〜14>実施例1において、表
4に示すポリエステル及びワックスを用いた以外は同様
にして本発明の磁性トナー(2)〜(14)を製造し、
評価した。
【0278】<実施例15>実施例1において、ベンジ
ル酸のアルミニウム化合物を、それぞれの芳香環のp−
位にt−ブチル基を有するベンジル酸2モルとアルミニ
ウム原子1モルからなる化合物に変更する以外は同様に
して本発明の磁性トナー(15)を製造し、評価した。
【0279】 <比較例1> ・比較用ポリエステル樹脂(1) 100質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ワックス(6) 5質量部 ・ベンジル酸のホウ素化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとホウ素原子1モルからなる化合物) 上記ポリエステル樹脂、ワックス等を用いた以外は実施
例1と同様にして比較用磁性トナー(1)を製造した。
評価結果を表5に示す。
【0280】<比較例2>比較例1において、結着樹脂
を比較用ポリエステル(2)105質量部に変更し、ワ
ックス(6)を用いないこと以外は同様にして比較用磁
性トナー(2)を製造した。評価結果を表5に示す。
【0281】<比較例3>比較例1において、結着樹脂
を比較用ポリエステル(3)100質量部に変更し、ワ
ックスをワックス(7)に変更した以外は同様にして比
較用磁性トナー(3)を製造した。評価結果を表5に示
す。
【0282】<比較例4>比較例1において、ベンジル
酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合物
(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウ
ム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様に
して比較用磁性トナー(4)を製造し、評価した。
【0283】<比較例5>比較例3において、ベンジル
酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合物
(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウ
ム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様に
して比較用磁性トナー(5)を製造し、評価した。
【0284】・低温定着性のランク(4.9kPa(5
0g/cm2)の加重を加えて摺擦) ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満 ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満 ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満 ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満 ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
【0285】・ホットオフセットのランク ランク5:まったく発生せず ランク4:軽微なオフセット発生するが、実用的には許
容できる ランク3:目視で容易に判別できるオフセット発生 ランク2:顕著なオフセット発生 ランク1:紙がローラーに巻き付く
【0286】・定着器の加熱部材のトナー汚染のランク ランク5:まったくトナー汚染発見られず ランク4:軽微な汚染有るが、実用的には許容できる ランク3:目視で容易に判別できる汚染見られる ランク2:顕著な汚染見られる ランク1:紙の表面、裏面等に汚染トナーが付着する
【0287】・トナーのブロッキング評価(50℃の環
境に72時間放置して評価) ランク5:トナーの流動性に変化が見られない ランク4:トナーの流動性が若干低下している ランク3:トナーの凝集体が見られるが、容易にほぐれ
る ランク2:トナーの凝集体が見られ、芯があり完全には
ほぐれない ランク1:ケーキング
【0288】
【表3】
【0289】
【表4】
【0290】
【表5】
【0291】 [製造例16] ・テレフタル酸 28モル% ・イソフタル酸 21.5モル% ・フマル酸 2.5モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 48モル% 上記カルボン酸及びアルコールにエステル化触媒を添加
して縮重合して、THF不溶分を実質的に含有しない、
酸価が7mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)が6
1℃、9500のピーク分子量を有するハイブリッド樹
脂成分のポリエステルユニットを構成する不飽和ポリエ
ステル樹脂(U−1)を得た。
【0292】次に、キシレン200質量部を、還流管,
撹拌機,温度計,窒素導入管,滴下装置及び減圧装置を
備えた反応容器に投入した後に、上記不飽和ポリエステ
ル(U−1)100質量部を添加して窒素を導入しなが
ら反応容器の内温を115〜120℃まで加熱した。次
に、ビニル系重合体ユニットを形成するスチレン84質
量部、アクリル酸ブチル16質量部及び重合開始剤とし
てジ−t−ブチルパーオキサイドを1質量部からなるモ
ノマー混合物を添加して8時間ラジカル重合反応を行っ
た。キシレンを留去して得られたハイブリッド樹脂組成
物の分子量及び酸価を測定したところ、分子量5500
にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は6
7.3℃、酸価は5.4mgKOH/gであり、約21
質量%のTHF不溶分を有していた。これを本発明のハ
イブリッド樹脂組成物(Y−1)とする。
【0293】[製造例17]製造例16において、ビニ
ル系重合体ユニットとしてスチレン77質量部、アクリ
ル酸ブチル24質量部、メタクリル酸3質量部からなる
モノマー混合物を用いた以外は同様にして、分子量75
00にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)は
64.7℃、酸価は12.9mgKOH/gであり、約
21質量%のTHF不溶分を有するハイブリッド樹脂組
成物(Y−2)を得た。
【0294】[製造例18]製造例16において、ビニ
ル系重合体ユニットとしてスチレン74質量部、アクリ
ル酸ブチル24質量部、アクリル酸3質量部からなるモ
ノマー混合物を用いた以外は同様にして、分子量1万3
000にメインピークを有し、ガラス転移温度(Tg)
は64.7℃、酸価は14.2mgKOH/gであり、
約35質量%のTHF不溶分を有するハイブリッド樹脂
組成物(Y−3)を得た。
【0295】[製造例19]製造例16において、ビニ
ル系重合体の重合反応終了後に表3に示すワックス
(2)を5質量部キシレン添加した以外は、製造例16
と同様にして、ワックスを含有するハイブリッド樹脂組
成物(Y−4)を得た。
【0296】[製造例20]製造例16において、ビニ
ル系重合体の重合反応終了後に表3に示すワックス
(3)を5質量部キシレンに添加した以外は、製造例1
6と同様にして、ワックスを含有するハイブリッド樹脂
組成物(Y−5)を得た。
【0297】[製造例21]製造例16において、ビニ
ル系重合体の重合反応終了後に表3に示すワックス
(5)を5質量部キシレンに添加した以外は、製造例1
6と同様にして、ワックスを含有するハイブリッド樹脂
組成物(Y−6)を得た。
【0298】[製造例22]製造例16において、ビニ
ル系重合体の重合反応終了後に表3に示すワックス
(3)を2.5質量部及びワックス(5)を2.5質量
部キシレンに添加した以外は、製造例16と同様にし
て、ワックスを含有するハイブリッド樹脂組成物(Y−
7)を得た。
【0299】 [製造例23] ・テレフタル酸 42モル% ・イソフタル酸 3モル% ・フマル酸 1.5モル% ・式(3)で表されるビスフェノールA誘導体 (R:エチレン基、x+y=2.2) 53.5モル% 上記カルボン酸及びアルコールにエステル化触媒を添加
して縮重合して、THF不溶分を実質的に含有しない、
酸価が6mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)が6
1℃、分子量6500にピークを有するハイブリッド樹
脂組成物のポリエステルユニットを構成する不飽和ポリ
エステル樹脂(U−2)を得た。
【0300】上記ポリエステル樹脂100質量部を、ス
チレン73質量部、アクリル酸ブチル27質量部、ジビ
ニルベンゼン0.3質量部及び重合開始剤としてベンゾ
イルパーオキサイド0.5質量部からなるモノマー混合
物に溶解し、ポリビニールアルコール2質量部と脱気し
たイオン交換水200質量部を入れた還流管,撹拌機,
温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に投入して懸濁
する。窒素を通気しながら77℃まで加熱し、その温度
で20時間保持し、更に95℃まで加熱してその温度で
2時間保持して重合反応を終了した。反応終了後の懸濁
液を濾別して水洗、乾燥することにより、Tg=56.
5℃、酸価が約11mgKOH/gであり、THF不溶
分を約36質量%含有するハイブリッド樹脂組成物(Y
−8)を得た。
【0301】[製造例24]製造例23において、不飽
和ポリエステル樹脂(U−2)100質量部とともにワ
ックス(2)5質量部を添加した以外は製造例23と同
様にしてワックスを含有するハイブリッド樹脂組成物
(Y−9)を得た。
【0302】[製造例25]製造例23において、不飽
和ポリエステル樹脂(U−2)100質量部とともにワ
ックス(3)5質量部を添加した以外は製造例23と同
様にしてワックスを含有するハイブリッド樹脂組成物
(Y−10)を得た。
【0303】[製造例26]製造例23において、不飽
和ポリエステル樹脂(U−2)100質量部とともにワ
ックス(5)5質量部を添加した以外は製造例23と同
様にしてワックスを含有するハイブリッド樹脂組成物
(Y−11)を得た。
【0304】[製造例27]製造例23において、不飽
和ポリエステル樹脂(U−2)100質量部とともにワ
ックス(3)2.5質量部及びワックス(5)2.5質
量部を添加した以外は製造例23と同様にしてワックス
を含有するハイブリッド樹脂組成物(Y−12)を得
た。
【0305】 [比較製造例4] ・テレフタル酸 24モル% ・イソフタル酸 22モル% ・1,4−シクロヘキサンジオール 54モル% 上記カルボン酸及びアルコールからなるポリエステル樹
脂を用い、スチレン84質量部、アクリル酸ブチル16
質量部及び重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサ
イドを10質量部からなるモノマー混合物を用いた以外
は製造例16と同様にして、分子量1700にメインピ
ークを有し、酸価は45mgKOH/gであり、約0.
5質量%のTHF不溶分を有する比較用ハイブリッド樹
脂(R−1)を得た。
【0306】 [比較製造例5] ・テレフタル酸 24モル% ・イソフタル酸 22モル% ・フマル酸 2モル% ・1,4−シクロヘキサンジオール 52モル% 上記カルボン酸及びアルコールからなるポリエステル樹
脂を用い、スチレン65質量部、アクリル酸ブチル3
4.5質量部、ジビニルベンゼン0.5質量部及び重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.2質量部か
らなるモノマー混合物を用いた以外は製造例16と同様
にして、分子量1万8000にメインピークを有し、酸
価は約0.5mgKOH/gであり、55質量%のTH
F不溶分を有する比較用ハイブリッド樹脂(R−2)を
得た。
【0307】 <実施例16> ・ハイブリッド樹脂(Y−1) 100質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ワックス(3) 5質量部 ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウム原子1モルからなる化 合物) 上記原料混合物を130℃に加熱された二軸混練押出機
によって溶融混練を行った。混練物は放冷後、カッター
ミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、得られ
た微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径7.4
μmの磁性トナーを得た。
【0308】この磁性トナー100質量部に、疎水性乾
式シリカ(BET比表面積200m 2/g)1.0質量
部をヘンシェルミキサーで外添混合して磁性トナー(1
6)とした。
【0309】このトナー(16)のTHF不溶分を測定
したところ、結着樹脂100質量部に対して13質量%
含有していた。THF可溶分の分子量を測定したとこ
ろ、ピーク分子量5200、分子量10万以上乃至10
00万未満の成分を9質量%含有し、分子量5000以
上乃至10万未満の成分を64質量%含有し、かつ分子
量1000以上乃至5000未満の成分を25質量%含
有していた。また、トナーの酸価を測定したところ、4
mgKOH/gであった。また、トナーから磁性体を塩
酸で溶解、除去した試料の13C−NMRスペクトルを測
定したところ、約168ppmに新たなシグナルが検出
され、ハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認
した。
【0310】このトナーを用いて、実施例1と同様の評
価を行った。評価結果を表7に示す。
【0311】<実施例17〜27>実施例16におい
て、表6に示すハイブリッド樹脂及びワックスを用いた
以外は同様にして本発明の磁性トナー(17)〜(2
7)を製造し、評価した。
【0312】なお、すべてのハイブリッド樹脂は13C−
NMRの測定により、ハイブリッド樹脂成分を含有して
いることが確認された。
【0313】<実施例28>実施例16において、ベン
ジル酸のアルミニウム化合物を、それぞれの芳香環のp
−位にt−ブチル基を有するベンジル酸2モルとアルミ
ニウム原子1モルからなる化合物に変更する以外は同様
にして本発明の磁性トナー(28)を製造し、評価し
た。
【0314】 <比較例6> ・比較用ハイブリッド樹脂(R−1) 100質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ワックス(8) 5質量部 ・ベンジル酸のホウ素化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとホウ素原子1モルからなる化合物) 上記比較用ハイブリッド樹脂、ワックス等を用いた以外
は同様にして比較用磁性トナー(6)を製造した。評価
結果を表7に示す。
【0315】<比較例7>比較例6において、ワックス
(8)に替えて、ワックス(9)5質量部を使用した以
外は同様にして比較用磁性トナー(7)を製造した。評
価結果を表7に示す。
【0316】<比較例8>比較例6において、結着樹脂
として比較用ハイブリッド樹脂(R−2)100質量部
を使用する様に変更した以外は同様にして比較用磁性ト
ナー(8)を製造した。評価結果を表7に示す。
【0317】<比較例9>比較例8において、ワックス
(8)に替えて、ワックス(9)5質量部を使用した以
外は同様にして比較用磁性トナー(9)を製造した。評
価結果を表7に示す。
【0318】<比較例10>比較例6において、ベンジ
ル酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合物
(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウ
ム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様に
して比較用磁性トナー(10)を製造し、評価した。
【0319】<比較例11>比較例8において、ベンジ
ル酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合物
(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウ
ム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様に
して比較用磁性トナー(11)を製造し、評価した。
【0320】
【表6】
【0321】
【表7】
【0322】{低分子量ビニル系重合体の製造} [製造例28]還流管,撹拌機,温度計,窒素導入管,
モノマー滴下装置及び減圧装置を備えた反応容器に、キ
シレン200質量部を投入して還流温度まで加熱する。
キシレンが還流したならば、スチレン73質量部、アク
リル酸ブチル25質量部、マレイン酸モノブチル2質量
部及び重合開始剤であるジ−t−ブチルパーオキサイド
3質量部を2時間かけて滴下し、更に8時間還流を継続
した。減圧してキシレンを留去することにより低分子量
ビニル系重合体(L−6)を得た。
【0323】なお、L−6はピーク分子量(Mp)=9
500、重量平均分子量(Mw)=11000、重量平
均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)=2.4で
あり、酸価(Av)=7.2mgKOH/gであり、ガ
ラス転移温度(Tg)=60.2℃であった。
【0324】[製造例29]製造例28において、スチ
レン70質量部、アクリル酸ブチル21質量部、マレイ
ン酸モノブチル4質量部及び重合開始剤であるジ−t−
ブチルパーオキサイド4質量部とした以外は同様にし
て、Mp=7200、Mw=7700、Mw/Mn=
2.6、Av=14.5mgKOH/g、Tg=58.
3℃である低分子量ビニル系重合体(L−7)を得た。
【0325】[製造例30]製造例28において、スチ
レン76質量部、アクリル酸ブチル23質量部、マレイ
ン酸モノブチル1質量部及び重合開始剤であるジ−t−
ブチルパーオキサイド2質量部とした以外は同様にし
て、Mp=18000、Mw=19500、Mw/Mn
=2.5、Av=3.3mgKOH/g、Tg=61.
6℃である低分子量ビニル系重合体(L−8)を得た。
【0326】[製造例31]製造例28において、スチ
レン67質量部、アクリル酸ブチル25質量部、マレイ
ン酸モノブチル7質量部及び重合開始剤であるジ−t−
ブチルパーオキサイド5質量部とした以外は同様にし
て、Mp=7500、Mw=8100、Mw/Mn=
2.5、Av=30.8mgKOH/g、Tg=57.
4℃である低分子量ビニル系重合体(L−9)を得た。
【0327】[製造例32]還流管,撹拌機,温度計,
窒素導入管,モノマー滴下装置及び減圧装置を備えた反
応容器にキシレン200質量部を投入して107℃まで
加熱して、第1段階の重合反応としてスチレン34質量
部、アクリル酸ブチル13質量部、マレイン酸モノブチ
ル3質量部及び重合開始剤として1,1−ビス(t−ブ
チルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン2.5質
量部を1時間かけて滴下してその温度を3時間保持し
た。次に第2段階の重合反応として112℃まで加熱し
てスチレン37質量部、アクリル酸ブチル13質量部及
びキシレン30質量部からなるモノマー組成物を1時間
かけて滴下し、更にその温度で5時間保持して重合反応
を終了した。キシレンを減圧留去することによりMp=
16700、Mw=18800、Mw/Mn=2.1、
Av=4.1mgKOH/g、Tg=60.2℃である
低分子量ビニル系重合体(L−10)を得た。
【0328】[製造例33]製造例5において、重合開
始剤を2質量部とした以外は同様にして、Mp=210
00、Mw=22800、Mw/Mn=2.3、Av=
2.9mgKOH/g,Tg=61.1℃である低分子
量ビニル系重合体(L−11)を得た。
【0329】{高分子量ビニル系重合体の製造} [製造例34]還流管,撹拌機,温度計及び窒素導入管
を備えた反応容器にポリビニールアルコール2質量部と
脱気したイオン交換水200質量部を投入して窒素を通
気しながら77℃まで加熱し、スチレン70質量部、ア
クリル酸2−エチルヘキシル28質量部、マレイン酸モ
ノブチル2質量部及び重合開始剤として2,2’−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)
プロパン0.7質量部を添加して懸濁した。その温度で
20時間保持し、次にベンゾイルパーオキサイド0.5
質量部を添加して更に4時間保持して、95℃まで加熱
して2時間保持して重合反応を終了した。
【0330】反応終了後の懸濁液を濾別し、水洗、乾燥
することによりMp=883000、Mw=126万、
Mw/Mn=3.2、Tg=56.7℃、Av=5.3
mgKOH/gである高分子量ビニル系重合体(H−1
1)を得た。
【0331】[製造例35]製造例34において、重合
開始剤である2,2’−ビス(4,4−ジ−t−ブチル
パーオキシシクロヘキシル)プロパン0.4質量部添加
した以外は同様にして、Mp=114万、Mw=138
万、Mw/Mn=3.4、Tg=57.3℃、Av=
4.7mgKOH/gである高分子量ビニル系重合体
(H−12)を得た。
【0332】[製造例36]製造例34において、重合
開始剤をベンゾイルパーオキサイド2質量部とした以外
は同様にして、Mp=338000、Mw=36400
0、Mw/Mn=2.7、Tg=56.3℃、Av=
6.2mgKOH/gである高分子量ビニル系重合体
(H−13)を得た。
【0333】{結着樹脂の製造} [製造例37]還流管,撹拌機,温度計及び窒素導入管
を備えた反応容器にキシレン200質量部を投入し、撹
拌しながら低分子量重合体(L−6)70質量部、高分
子量重合体(H−11)30質量部及び表8に示すワッ
クス(12)5質量部を添加して還流温度まで加熱し
た。2時間撹拌を継続してからキシレンを減圧留去する
ことによりワックス(12)を5質量部含有するビニル
系重合体(1)を得た。ビニル系重合体(1)は分子量
11000にメインピークを有し、分子量87万600
0にサブピークを有し、酸価は5.1mgKOH/gで
あった。
【0334】[製造例38]製造例37において、ワッ
クスを添加しなかった以外は同様にして、ビニル系重合
体(2)を得た。
【0335】[製造例39〜43]製造例37におい
て、ワックス(12)の代わりに表9に示すワックスを
添加した以外は同様にして、ビニル系重合体(3)〜
(7)を得た。
【0336】[製造例44〜49]製造例37におい
て、表9に示す低分子量重合体及び高分子量重合体を使
用した以外は同様にして、ビニル系重合体(8)〜(1
3)を得た。
【0337】[製造例48]製造例37において、ワッ
クス(12)の添加量を10質量部とした以外は同様に
して、ビニル系重合体(14)を得た。
【0338】[製造例50]製造例37において、ワッ
クス(12)の添加量を3質量部とした以外は同様にし
て、ビニル系重合体(15)を得た。
【0339】[比較製造例6]スチレン58質量部、ア
クリル酸ブチル20質量部、マレイン酸モノブチル22
質量部及びt−ブチルパーオキサイド8質量部からなる
モノマー混合物を使用した以外は製造例28と同様にし
て、Mp=4500、Mw=4700、Mw/Mn=
2.8、Tg=57.7℃、酸価は48.6mgKOH
/gである比較用低分子量ビニル系重合体(RL−1)
を得た。
【0340】[比較製造例7]スチレン78質量部、ア
クリル酸ブチル22質量部及びt−ブチルパーオキサイ
ド10質量部からなるモノマー混合物を使用した以外は
製造例28と同様にして、Mp=4100、Mw=42
00、Mw/Mn=2.7、Tg=58.3℃、酸価は
0.2mgKOH/gである比較用低分子量ビニル系重
合体(RL−2)を得た。
【0341】[比較製造例8]スチレン80質量部、ア
クリル酸ブチル20質量部及びt−ブチルパーオキサイ
ド1.2質量部からなるモノマー混合物を使用した以外
は製造例28と同様にして、Mp=31500、Mw=
34000、Mw/Mn=3.4、Tg=61.1℃、
酸価は0.3mgKOH/gである比較用低分子量ビニ
ル系重合体(RL−3)を得た。
【0342】[比較製造例9]スチレン52質量部、ア
クリル酸ブチル26質量部、マレイン酸モノブチル22
質量部及びベンゾイルパーオキサイド4質量部からなる
モノマー混合物を使用した以外は製造例28と同様にし
て、Mp=3400、Mw=3600、Mw/Mn=
3.9、Tg=58.1℃、酸価は44.3mgKOH
/gである比較用低分子量ビニル系重合体(RL−4)
を得た。
【0343】[比較製造例10]スチレン82質量部、
アクリル酸ブチル18質量部及びt−ブチルパーオキサ
イド3質量部からなるモノマー混合物を使用した以外は
製造例34と同様にして、Mp=191000、Mw=
193000、Mw/Mn=4.1、Tg=62.0
℃、酸価は0.4mgKOH/gである比較用高分子量
ビニル系重合体(RH−1)を得た。
【0344】[比較製造例11]スチレン52質量部、
アクリル酸ブチル28質量部、マレイン酸モノブチル2
0質量部及びベンゾイルパーオキサイド1.8質量部か
らなるモノマー混合物を使用した以外は製造例34と同
様にして、Mp=178000、Mw=182000、
Mw/Mn=3.7、Tg=60.5℃、酸価は42.
1mgKOH/gである比較用高分子量ビニル系重合体
(RH−2)を得た。
【0345】{比較用結着樹脂の製造} [比較製造例12]製造例37において、比較用低分子
量ビニル系重合体(RL−1)70質量部、比較用高分
子量ビニル系重合体(RH−1)70質量部及びワック
ス(15)を5質量部添加した以外は同様にして、比較
用ビニル系重合体(1)を得た。比較用ビニル系重合体
(1)は分子量4200にメインピークを有し、分子量
86000にサブピークを有し、酸価は44.3mgK
OH/gであった。
【0346】[比較製造例13〜16]製造例37にお
いて、表9に示す低分子量ビニル系重合体及び高分子量
ビニル系重合体を使用した以外は同様にして、比較用ビ
ニル系重合体(2)〜(5)を得た。
【0347】 <実施例29> ・ビニル系重合体(1) 105質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニウム原子1モルからなる化 合物) 上記原料混合物を130℃に加熱された2軸混練押出機
によって溶融混練を行った。混練物は放冷後、カッター
ミルで粗粉砕した後、ジェットミルで微粉砕し、得られ
た微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均粒径7.6
μmの磁性トナーを得た。
【0348】この磁性トナー100質量部に、疎水性乾
式シリカ(BET比表面積200m 2/g)1.0質量
部をヘンシェルミキサーで外添混合して磁性トナー(2
7)とした。
【0349】この磁性トナー(29)のTHF不溶分を
測定したところ、結着樹脂100質量部に対して5質量
%含有しており、THF可溶分は分子量11000にピ
ークを有し、分子量876000にサブピークを有し、
ショルダーは有していなかった。トナーの酸価は6mg
KOH/gであり、周波数100kHzで測定したトナ
ーの誘電正接は3.2×10-3であり、市販の精製水を
用いて測定した接触角は125度であった。
【0350】このトナーを用いて実施例1と同様の評価
を行った。評価結果を表10に示す。但し、NP−60
85を使用した定着試験は、ローラーの総加圧力を29
4N(30kgf)に変更して行った。
【0351】<実施例30〜43>実施例29におい
て、表9に示す結着樹脂及びワックスを用いた以外は同
様にして本発明の磁性トナー(30)〜(43)を製造
し、評価した。
【0352】<実施例44>実施例29において、ベン
ジル酸のアルミニウム化合物を、それぞれの芳香環のp
−位にt−ブチル基を有するベンジル酸2モルとアルミ
ニウム原子1モルからなる化合物に変更する以外は同様
にして本発明の磁性トナー(44)を製造し、評価し
た。
【0353】 <比較例12> ・比較用ビニル系重合体(1) 100質量部 ・磁性体 90質量部 (平均粒径0.22μm、保磁力9.6kA/m、飽和磁化83Am2/kg、 残留磁化15Am2/kg) ・ワックス(15) 5質量部 ・ベンジル酸のホウ素化合物 2質量部 (置換基を有していないベンジル酸2モルとホウ素原子1モルからなる化合物) 上記結着樹脂及びワックスを用いた以外は実施例29と
同様にして比較用磁性トナー(12)を製造した。評価
結果を表10に示す。
【0354】<比較例13〜16>比較例12におい
て、表9に示す結着樹脂及びワックスを用いた以外は同
様にして比較用磁性トナー(13)〜(16)を製造
し、評価した。
【0355】<比較例17>比較例12において、ベン
ジル酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合
物(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニ
ウム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様
にして比較用磁性トナー(17)を製造し、評価した。
【0356】<比較例18>比較例14において、ベン
ジル酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合
物(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニ
ウム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様
にして比較用磁性トナー(18)を製造し、評価した。
【0357】<比較例19>比較例15において、ベン
ジル酸のホウ素化合物をベンジル酸のアルミニウム化合
物(置換基を有していないベンジル酸2モルとアルミニ
ウム原子1モルからなる化合物)に変更する以外は同様
にして比較用磁性トナー(19)を製造し、評価した。
【0358】
【表8】
【0359】
【表9】
【0360】
【表10】
【0361】 <実施例45> ・結着樹脂 100質量部 (スチレン−アクリル酸ブチル−ジビニルベンゼン共重合体、Tg=60℃、ピ ーク分子量=1.8万、Mw/Mn=10) ・磁性体 90質量部 (球状マグネタイト、平均粒径=0.25μm、保磁力=10kA/m、飽和磁 化=80Am2/kg、残留磁化=15Am2/kg) ・ワックス成分 4質量部 (長鎖アルコールワックス、mp=70℃、Tonset(吸熱ピークの始点のオン セット温度)=55℃) ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2molとアルミニウム原子1molからな る化合物) 上記原材料の混合物を二軸エクストルーダーで溶融混練
し、得られた混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕
し、更に粗粉砕物をジェットミルで微粉砕した。得られ
た微粉砕物を分級してトナーを得た。
【0362】該トナー100質量部と疎水性オイル処理
シリカ微粉体(一次粒子の平均粒径=15nm)2.0
質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で乾式混
合して、磁性トナー(45)とした。該トナー(45)
の重量平均粒径(D4)は6.1μmで、個数分布にお
ける変動係数(A)は22%であった。得られたトナー
の物性を表11に示す。
【0363】上記で得られた磁性トナー(45)を用い
て、常温常湿(N/N;25℃/60%RH)、高温高
湿(H/H;30℃/80%RH)、及び低温低湿(L
/L;15℃/10%RH)の各環境下における摩擦帯
電量と帯電速度を評価した。
【0364】更に、市販のレーザービームプリンターL
BP−930(キヤノン社製)のプロセスカートリッジ
等を改造し、高温高湿環境下、5000枚分のプリント
アウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を評価
した。
【0365】評価結果を下記の表12に示す。
【0366】<実施例46>ベンジル酸のアルミニウム
化合物としてベンジル酸3molとアルミニウム原子1
molからなる化合物4質量部に変更する以外は、実施
例45と同様にして磁性トナー(46)を調製し、評価
を行った。
【0367】磁性トナー(46)の物性を表11に、評
価結果を表12に示す。
【0368】<比較例20>ベンジル酸のアルミニウム
化合物の代わりにベンジル酸のホウ素化合物(置換基を
有していないベンジル酸2molとホウ素原子1mol
からなる化合物)3質量部を用いる以外は、実施例45
と同様にして比較用磁性トナー(20)を調製し、評価
を行った。
【0369】比較用磁性トナー(20)の物性を表11
に、評価結果を表12に示す。
【0370】
【表11】
【0371】
【表12】
【0372】 <実施例47> ・結着樹脂 100質量部 (スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸モノブチル共重合体、Tg=65℃ 、ピーク分子量=2.4万、Mw/Mn=6) ・カーボンブラック 7質量部 (平均粒径=35nm、吸油量=65ml/100g) ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 3質量部 (置換基を有していないベンジル酸2molとアルミニウム原子1molからな る化合物) 上記原材料を実施例45と同様にしてトナーを得た。
【0373】該トナー100質量部と疎水性オイル処理
酸化チタン微粉体(一次粒子の平均粒径=10nm)
1.5質量部をヘンシェルミキサー(三井金属社製)で
乾式混合して、本発明の非磁性トナー(47)とした。
【0374】該非磁性トナー(47)の重量平均粒径
(D4)は6.9μmで、個数分布における変動係数
(A)は23%であった。
【0375】上記で得られた非磁性トナー(47)を実
施例45と同様にしてトナーの摩擦帯電量と帯電速度を
評価した。
【0376】更に、上記で得られた非磁性トナー(4
7)5質量部と、シリコーン樹脂1質量%をコートした
磁性フェライトキャリア(平均粒径=45μm)95質
量部とを混合して二成分系現像剤を調製し、コントラス
ト電位を−250Vに設定した市販のフルカラーデジタ
ル複写機CLC−800(キヤノン社製)を用い、低温
低湿環境下、非磁性トナー(47)を逐次補給しながら
単色モードで5000枚分のプリントアウト試験を行
い、得られたプリントアウト画像を評価した。
【0377】非磁性トナー(47)の物性を表13に、
評価結果を表14に示す。
【0378】<比較例21>ベンジル酸のアルミニウム
化合物の代わりにベンジル酸のホウ素化合物(置換基を
有していないベンジル酸2molとホウ素原子1mol
からなる化合物)2質量部を用いる以外は、実施例47
と同様にして比較用非磁性トナー(21)、及び比較用
二成分系現像剤を調製し、評価を行った。
【0379】比較用非磁性トナー(21)の物性を表1
3に、評価結果を表14に示す。
【0380】
【表13】
【0381】
【表14】
【0382】<実施例48>高速撹拌装置TK式ホモミ
キサー(特殊機化工業社製)を具備した2リットル用4
つ口フラスコ中に、イオン交換水650質量部と0.1
mol/リットル−Na3PO4水溶液500質量部を投
入し、回転数を12000rpmに調整し、70℃に加
温せしめた。ここに1.0mol/リットル−CaCl
2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分
散剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
【0383】一方、分散質として、 ・スチレン単量体 77質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート単量体 23質量部 ・ジビニルベンゼン単量体 0.2質量部 ・着色剤 8質量部 (カーボンブラック、平均粒径=70nm、吸油量=65ml/100g) ・ポリエステル樹脂 5質量部 (プロポキシ化ビスフェノールAとテレフタル酸の縮合重合体、ピーク分子量= 8000) ・ワックス成分 10質量部 (高級エステルワックス、mp=65℃、Tonset=60℃) ・ベンジル酸のアルミニウム化合物 1質量部 (置換基を有していないベンジル酸2molとアルミニウム原子1molからな る化合物) からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)10質量部を添加し、重合性単
量体組成物を調製した。
【0384】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温60℃のN 2雰囲気下で、高速
撹拌器の回転数を12000rpmに維持しつつ、15
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌器をパドル撹拌羽根に換え、50rpmで撹拌
しながら同温度に5時間保持し、更に85℃に昇温して
10時間保持して重合を完了した。
【0385】次いで、冷却後に希塩酸を添加して難水溶
性分散剤を溶解せしめ、加熱減圧下で乾燥処理を6時間
行い、トナーを得た。
【0386】トナーの結着樹脂のGPCによる分子量分
布は、ピーク分子量が1.9万で、Mw/Mnが15で
あった。
【0387】このトナー100質量部にベンジル酸のア
ルミニウム化合物(上記の重合性単量体組成物に用いた
ものと同一)0.1質量部をハイブリタイザー(奈良機
械社製)で固着担持させた後、更に疎水性酸化チタン微
粉体1質量部(一次粒径=7nm)と疎水性オイル処理
シリカ微粉体(一次粒径=20nm)0.5質量部と共
にヘンシェルミキサー(三井金属社製)で乾式混合し
て、非磁性トナー(48)とした。
【0388】上記で得られた非磁性トナー(48)を実
施例45と同様にしてトナーの摩擦帯電量と帯電速度を
評価した。
【0389】更に、市販のレーザービームプリンターL
BP−2040(キヤノン社製)を用い、常温常湿環境
下、単色モードで3000枚分のプリントアウト試験を
行い、得られたプリントアウト画像を評価した。
【0390】非磁性トナー(48)の物性を表15及び
16に、またトナーの評価結果を表17に示す。
【0391】<実施例49〜51>ベンジル酸のアルミ
ニウム化合物の種類と添加量、及び着色剤の種類と添加
量を変更する以外は前記の実施例48と同様にして、非
磁性トナー(49)〜(51)を得、評価を行った。
【0392】それぞれの実施例におけるベンジル酸のア
ルミニウム化合物の種類と添加量、着色剤の種類と添加
量、及びトナーの物性を表15及び16に、またトナー
の評価結果を表17に示す。
【0393】<比較例22〜25>ベンジル酸のアルミ
ニウム化合物の代わりにベンジル酸のホウ素化合物(置
換基を有していないベンジル酸2molとホウ素原子1
molからなる化合物)を用いる以外は前記の実施例4
8〜51と同様にして、比較用非磁性トナー(22)〜
(25)を調製し、評価を行った。
【0394】それぞれの比較例におけるベンジル酸のホ
ウ素化合物の添加量、着色剤の種類と添加量、及びトナ
ーの物性を表15及び16に、またトナーの評価結果を
表17に示す。
【0395】
【表15】
【0396】
【表16】
【0397】
【表17】
【0398】上記実施例及び比較例中に記載の評価項目
の説明とその評価基準について述べる。
【0399】[摩擦帯電量と帯電速度の評価]本発明に
おいて、トナーの摩擦帯電量と帯電速度は吸引法により
測定した。先ず、トナー0.5gとキャリア(EFV−
200/300、パウダーテック社製)9.5gを秤量
し、これを50mlのポリエチレン容器に入れ、測定環
境下に2日間放置する。その後、各環境下で容器に密栓
をし、ターブラーミキサー(WAB社製)で5分間振と
うして、トナーとキャリアの混合サンプルを調製する。
【0400】本発明で使用した帯電量測定装置を図7に
示す。キャリアを捕捉し、トナーのみを吸引除去し得る
開口径を有する目開き25μm(500メッシュ)の導
電性スクリーン53を底部に備えた金属製の測定容器5
2に、上記混合サンプル1gを秤量して入れ、金属製の
蓋54をする。次に、測定容器52と絶縁部を介して接
続された吸引機を用いて、風量調整弁56により真空計
55が250mmH2Oとなるように吸引口57から2
分間吸引する。この時、電位計59に示される電圧値V
(V)とコンデンサー58の静電容量C(μF)から算
出される電荷量を吸引除去したトナー量(g)で除した
ものを摩擦帯電量Q(μC/g)とした。
【0401】摩擦帯電量は、以下の基準で評価した。 A:Q≦−45μC/g B:−45μC/g<Q≦−35μC/g C:−35μC/g<Q≦−20μC/g D:−20μC/g<Q
【0402】一方、帯電速度は、トナーとキャリアとを
混合したサンプルをターブラーミキサーで振とうし、そ
の際の振とう時間に対する摩擦帯電量の変化量から求め
評価した。 A:優れる、B:良好、C:やや劣る、D:劣る
【0403】[プリントアウト画像評価] (1)画像濃度 通常の複写機用普通紙(75g/m2)に所定の枚数の
プリントアウトを終了した時の画像濃度により評価し
た。尚、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 R
D918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.
00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度
を測定した。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
【0404】(2)画像飛び散り 図8(a)に示した「電」文字パターンを普通紙(75
g/m2)にプリントアウトした際の文字周辺部へのト
ナー飛び散り(図8(b)の状態)を目視で評価した。 A:ほとんど発生せず。 B:軽微な飛び散りが見られる。 C:若干の飛び散りが見られる。 D:顕著な飛び散りが見られる。
【0405】(3)画像カブリ ベタ白画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイ
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マクベス反射濃度計RD
918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラー
テープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引い
た数値を用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリ
が抑制されていることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.15未満 D:0.15以上
【0406】(4)ドット再現性 潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい図9に
示す様な小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像
をプリントアウトし、そのドット再現性を評価した。 A:100個中の欠損が2個以下 B:100個中の欠損が3〜5個 C:100個中の欠損が6〜10個 D:100個中の欠損が11個以上
【0407】<実施例52>トナーとして非磁性トナー
(48)〜(51)を用い、フルカラーモードでプリン
トアウトする以外は実施例48と同様にしてプリントア
ウト試験を行ったところ、画像濃度ムラや画像飛び散り
もなく色再現性に優れた高精細なフルカラー画像が得ら
れた。
【0408】<比較例26>トナーとして比較用非磁性
トナー(22)〜(25)を用い、実施例52と同様に
してプリントアウト試験を行ったところ、得られたフル
カラー画像には画像濃度ムラや画像飛び散りが発生し、
色再現性も十分なものではなかった。
【0409】
【発明の効果】本発明は、トナーの低温定着性及び耐高
温オフセット性が十分なことに加え、定着部材に対する
離型性の向上がなされているため、定着器の加熱方式に
よらず長期使用によってもオフセットが発生せず、高品
質の画像を得ることができる。
【0410】また、トナーの摩擦帯電量や帯電速度に優
れ、良好な環境安定性を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像剤担持体が組み込まれる現像剤補給系現像
装置の一例(規制部材に磁性ブレードを使用)を示す概
略図である。
【図2】現像剤担持体が組み込まれる現像剤補給系現像
装置の一例(規制部材に弾性ブレードを使用)を示す概
略図である。
【図3】現像剤担持体の一部分の断面の概略図である。
【図4】画像形成方法の概略的説明図である。
【図5】画像形成方法に適用し得る定着装置の概略図で
ある。
【図6】二成分系現像剤を用いる現像装置の概略図であ
る。
【図7】トナーの帯電特性を評価するための測定装置の
説明図である。
【図8】文字画像の飛び散りの状態を示す模式図であ
る。
【図9】トナーの現像特性をチャックするための孤立ド
ットパターンの説明図である。
【符号の説明】
7 像担持体(感光体) 8 規制ブレード 10 トナー 14 現像剤担持体(スリーブ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2000−152539(P2000−152539) (32)優先日 平成12年5月24日(2000.5.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大野 学 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 半田 智史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲葉 功二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AB02 CA02 CA08 CA13 CA14 CA18 DA01 DA06 DA07 EA01 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス
    及び有機アルミニウム化合物を含有するトナーであっ
    て、 a)該結着樹脂が、酸価1乃至40mgKOH/gを有
    しており、 b)該結着樹脂が、結着樹脂を基準として2乃至50質
    量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含有し、 c)該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分が、ゲルパ
    ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によ
    るクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至3万の
    領域にメインピークを有し、 d)該有機アルミニウム化合物が、下記式(1)で表さ
    れる未置換又は置換基を有するベンジル酸のアルミニウ
    ム化合物であることを特徴とするトナー。 【化1】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
    く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
    ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
    整数を示す。)
  2. 【請求項2】 該結着樹脂が、ポリエステルを主成分と
    する樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のトナ
    ー。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂が、酸価2乃至40mgKO
    H/gを有していることを特徴とする請求項2に記載の
    トナー。
  4. 【請求項4】 該結着樹脂が、酸価5乃至35mgKO
    H/gを有していることを特徴とする請求項2に記載の
    トナー。
  5. 【請求項5】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として5
    乃至40質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分
    を含有していることを特徴とする請求項2乃至4のいず
    れかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として7
    乃至30質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分
    を含有していることを特徴とする請求項2乃至4のいず
    れかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分
    が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量200
    0乃至15000の領域にメインピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分
    が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量400
    0乃至12000の領域にメインピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分
    が、分子量10万以上1000万未満の成分を5乃至3
    0質量%有していることを特徴とする請求項2乃至8の
    いずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量5000以上10万未満の成分を50乃至
    80質量%有していることを特徴とする請求項2乃至9
    のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量1000以上5000未満の成分を10乃
    至30質量%有していることを特徴とする請求項2乃至
    10のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、1×10-3乃至3×10
    -2であることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか
    に記載のトナー。
  13. 【請求項13】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、5×10-3乃至3×10
    -2であることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか
    に記載のトナー。
  14. 【請求項14】 該結着樹脂が、ポリエステルユニット
    とビニル系重合体ユニットとを有するハイブリッド樹脂
    成分を含有する樹脂であることを特徴とする請求項1に
    記載のトナー。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂が、酸価2乃至40mgK
    OH/gを有していることを特徴とする請求項14に記
    載のトナー。
  16. 【請求項16】 該結着樹脂が、酸価5乃至35mgK
    OH/gを有していることを特徴とする請求項14に記
    載のトナー。
  17. 【請求項17】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として
    5乃至40質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶
    分を含有していることを特徴とする請求項14乃至16
    のいずれかに記載のトナー。
  18. 【請求項18】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として
    7乃至30質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶
    分を含有していることを特徴とする請求項14乃至16
    のいずれかに記載のトナー。
  19. 【請求項19】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量200
    0乃至15000の領域にメインピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の
    トナー。
  20. 【請求項20】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量300
    0乃至1万の領域にメインピークを有していることを特
    徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載のトナ
    ー。
  21. 【請求項21】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量10万以上1000万未満の成分を5乃至
    40質量%有していることを特徴とする請求項14乃至
    20のいずれかに記載のトナー。
  22. 【請求項22】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量5000以上10万未満の成分を40乃至
    70質量%有していることを特徴とする請求項14乃至
    21のいずれかに記載のトナー。
  23. 【請求項23】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量1000以上5000未満の成分を10乃
    至30質量%有していることを特徴とする請求項14乃
    至22のいずれかに記載のトナー。
  24. 【請求項24】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、1×10-3乃至3×10
    -2であることを特徴とする請求項14乃至23のいずれ
    かに記載のトナー。
  25. 【請求項25】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、3×10-3乃至3×10
    -2であることを特徴とする請求項14乃至23のいずれ
    かに記載のトナー。
  26. 【請求項26】 該結着樹脂が、ビニル系重合体を主成
    分とする樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の
    トナー。
  27. 【請求項27】 該結着樹脂が、酸価2乃至30mgK
    OH/gを有していることを特徴とする請求項26に記
    載のトナー。
  28. 【請求項28】 該結着樹脂が、酸価5乃至20mgK
    OH/gを有していることを特徴とする請求項26に記
    載のトナー。
  29. 【請求項29】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として
    3乃至50質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶
    分を含有していることを特徴とする請求項26乃至28
    のいずれかに記載のトナー。
  30. 【請求項30】 該結着樹脂が、結着樹脂を基準として
    5乃至30質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶
    分を含有していることを特徴とする請求項26乃至28
    のいずれかに記載のトナー。
  31. 【請求項31】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量500
    0乃至3万の領域にメインピークを有していることを特
    徴とする請求項26乃至31のいずれかに記載のトナ
    ー。
  32. 【請求項32】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
    C)測定によるクロマトグラムにおいて、分子量700
    0乃至25000の領域にメインピークを有しているこ
    とを特徴とする請求項26乃至28のいずれかに記載の
    トナー。
  33. 【請求項33】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量20万乃至150万の領域にサブピーク及
    び/又はショルダーを少なくとも1つ有していることを
    特徴とする請求項26乃至32のいずれかに記載のトナ
    ー。
  34. 【請求項34】 該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶
    分が、分子量30万乃至120万の領域にサブピーク及
    び/又はショルダーを少なくとも1つ有していることを
    特徴とする請求項26乃至32のいずれかに記載のトナ
    ー。
  35. 【請求項35】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、1×10-3乃至3×10
    -2であることを特徴とする請求項26乃至34のいずれ
    かに記載のトナー。
  36. 【請求項36】 周波数100kHzで測定した該トナ
    ーの誘電正接(tanδ)が、1×10-3乃至2×10
    -2であることを特徴とする請求項26乃至34のいずれ
    かに記載のトナー。
  37. 【請求項37】 水に対する接触角が105乃至130
    度であることを特徴とする請求項1乃至36のいずれか
    に記載のトナー。
  38. 【請求項38】 水に対する接触角が107乃至127
    度であることを特徴とする請求項1乃至36のいずれか
    に記載のトナー。
  39. 【請求項39】 該有機アルミニウム化合物の含有量
    が、0.1乃至5質量%であることを特徴とする請求項
    1乃至38のいずれかに記載のトナー。
  40. 【請求項40】 該有機アルミニウム化合物の含有量
    が、0.5乃至3質量%であることを特徴とする請求項
    1乃至38のいずれかに記載のトナー。
  41. 【請求項41】 該有機アルミニウム化合物の含有量
    が、0.7乃至2質量%であることを特徴とする請求項
    1乃至38のいずれかに記載のトナー。
  42. 【請求項42】 該有機アルミニウム化合物が、式
    (1)で表されるベンジル酸を2分子配位したアルミニ
    ウム錯体及び/又は錯塩であることを特徴とする請求項
    1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  43. 【請求項43】 該有機アルミニウム化合物が、式
    (1)で表されるベンジル酸を3分子配位したアルミニ
    ウム錯体及び/又は錯塩であることを特徴とする請求項
    1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  44. 【請求項44】 該有機アルミニウム化合物が、式
    (1)で表されるベンジル酸を2又は3分子配位したア
    ルミニウム錯体及び/又は錯塩の混合物であることを特
    徴とする請求項1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  45. 【請求項45】 該ワックスが、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラ
    ムにおいて、分子量500乃至2万の領域にメインピー
    クを有するワックスであることを特徴とする請求項1乃
    至44のいずれかに記載のトナー。
  46. 【請求項46】 該ワックスは、重量平均分子量(M
    w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が
    1.0乃至20であることを特徴とする請求項1乃至4
    4のいずれかに記載のトナー。
  47. 【請求項47】 該ワックスが、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラ
    ムにおいて、分子量500乃至2万の領域にメインピー
    クを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が1.0乃至20であること
    を特徴とする請求項1乃至44のいずれかに記載のトナ
    ー。
  48. 【請求項48】 該ワックスが、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラ
    ムにおいて、分子量600乃至15000の領域にメイ
    ンピークを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子
    量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.1乃至18であ
    ることを特徴とする請求項1乃至44のいずれかに記載
    のトナー。
  49. 【請求項49】 該ワックスが、ゲルパーミエーション
    クロマトグラフィー(GPC)測定によるクロマトグラ
    ムにおいて、分子量700乃至1万の領域にメインピー
    クを有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が1.2乃至10であること
    を特徴とする請求項1乃至44のいずれかに記載のトナ
    ー。
  50. 【請求項50】 該ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定されるDSC曲線において、40乃至140
    ℃の領域に吸熱メインピークを有することを特徴とする
    請求項1乃至49のいずれかに記載のトナー。
  51. 【請求項51】 該ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定されるDSC曲線において、70乃至140
    ℃の領域に吸熱メインピークを有することを特徴とする
    請求項1乃至49のいずれかに記載のトナー。
  52. 【請求項52】 該ワックスが、示差走査熱量計(DS
    C)で測定されるDSC曲線において、75乃至135
    ℃の領域に吸熱メインピークを有することを特徴とする
    請求項1乃至49のいずれかに記載のトナー。
  53. 【請求項53】 該ワックスが、炭化水素系ワックス、
    ポリエチレン系ワックス或いはポリプロピレン系ワック
    スであることを特徴とする請求項1乃至52のいずれか
    に記載のトナー。
  54. 【請求項54】 該ワックスが、2種以上の異なる種類
    のワックスを含有していることを特徴とする請求項1乃
    至53のいずれかに記載のトナー。
  55. 【請求項55】 該ワックスが、下記式(2)で表され
    るワックスを含有していることを特徴とする請求項1乃
    至54のいずれかに記載のトナー。 【化2】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    20乃至60の整数を表す。)
  56. 【請求項56】 該ワックスが、1乃至20mgKOH
    /gの酸価を有する酸変性ポリエチレンを含有している
    ことを特徴とする請求項1乃至55のいずれかに記載の
    トナー。
  57. 【請求項57】 該ワックスが、1乃至20mgKOH
    /gの酸価を有する酸変性ポリプロピレンを含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至55のいずれかに記載
    のトナー。
  58. 【請求項58】 該ワックスが、結着樹脂製造時に添加
    されていることを特徴とする請求項1乃至57のいずれ
    かに記載のトナー。
  59. 【請求項59】 該トナーの重量平均粒径が、2.5乃
    至10μmであることを特徴とする請求項1乃至58の
    いずれかに記載のトナー。
  60. 【請求項60】 該トナーの重量平均粒径が、2.5乃
    至6.0μmであることを特徴とする請求項1乃至58
    のいずれかに記載のトナー。
  61. 【請求項61】 静電荷像を担持するための像担持体を
    帯電する帯電工程;帯電された像担持体に露光によって
    静電荷像を形成する露光工程;該静電荷像をトナー担持
    体の表面に担持されているトナーによって現像し、トナ
    ー像を形成する現像工程;該像担持体の表面に形成され
    たトナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材
    に転写する転写工程;及び該転写材上に転写されたトナ
    ー像を転写材に定着する定着工程を少なくとも有してい
    る画像形成方法であって、 該トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス及
    び有機アルミニウム化合物を有しており、 i)該結着樹脂が、酸価1乃至40mgKOH/gを有
    しており、 ii)該結着樹脂が、結着樹脂を基準として2乃至50
    質量%のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含有
    し、 iii)該結着樹脂のテトラヒドロフラン可溶分が、ゲ
    ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定
    によるクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至3
    万の領域にメインピークを有し、 iv)該有機アルミニウム化合物が、下記式(1)で表
    される未置換又は置換基を有するベンジル酸のアルミニ
    ウム化合物であることを特徴とする画像形成方法。 【化3】 (式中、R1とR2は同一であっても異なっていても良
    く、各々、直鎖または分岐したアルキル基、アルケニル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ
    基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグル
    ープより選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の
    整数を示す。)
  62. 【請求項62】 現像工程において、該トナー担持体に
    交番バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請
    求項61に記載の画像形成方法。
  63. 【請求項63】 現像工程において、該トナー担持体に
    直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧が印加され
    ていることを特徴とする請求項61に記載の画像形成方
    法。
  64. 【請求項64】 静電荷像を担持するための像担持体を
    帯電する帯電工程;帯電された像担持体に露光によって
    静電荷像を形成する露光工程;該静電荷像をトナー担持
    体の表面に担持されているトナーによって現像し、トナ
    ー像を形成する現像工程;該像担持体の表面に形成され
    たトナー像を、中間転写体を介して又は介さずに転写材
    に転写する転写工程;及び該転写材上に転写されたトナ
    ー像を転写材に定着する定着工程を少なくとも有してい
    る画像形成方法であって、 該トナーが、請求項2乃至60のいずれかに記載された
    トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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