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JP2002048078A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

Info

Publication number
JP2002048078A
JP2002048078A JP2000232172A JP2000232172A JP2002048078A JP 2002048078 A JP2002048078 A JP 2002048078A JP 2000232172 A JP2000232172 A JP 2000232172A JP 2000232172 A JP2000232172 A JP 2000232172A JP 2002048078 A JP2002048078 A JP 2002048078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scroll
lubricating oil
pressure
compression mechanism
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000232172A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Bito
宏明 尾藤
Katsumi Hirooka
勝美 広岡
Hisao Mizuno
尚夫 水野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000232172A priority Critical patent/JP2002048078A/ja
Publication of JP2002048078A publication Critical patent/JP2002048078A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転時の回転数に影響されることなく、スク
ロール型圧縮機構内の潤滑およびシールを確実に実施す
ることができるスクロール圧縮機を提供する。 【解決手段】 高圧ハウジング32内における潤滑油の
貯留部51をスクロール型圧縮機構34により圧縮され
た高圧ガスの雰囲気中に設ける。そして、貯留部51
と、貯留部51の圧力より低いスクロール型圧縮機構3
4の圧縮室Pとの間を連結する潤滑油流路52を設け、
差圧で潤滑油を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍装置
や空気調和装置などに使用されるスクロール圧縮機に係
り、特に、インバータ制御等により広範囲にわたる運転
回転数で使用されるスクロール圧縮機の潤滑に用いて好
適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置や空気調和装置で冷
媒ガスなどの圧縮に広く使用されているスクロール圧縮
機においては、固定スクロール、旋回スクロール及び自
転阻止機構を具備することでスクロール型圧縮機構を構
成している。このスクロール型圧縮機構において、一方
の固定スクロールは、吸入管及び吐出管を接続したハウ
ジング内に固定支持された不動のスクロールである。他
方の旋回スクロールは、固定スクロールと上下または左
右方向に噛み合わされた状態で配置され、自転阻止機構
により自転を阻止されると共に、電動モータなどの駆動
源と連結されて、固定スクロールに対し公転旋回運動を
行うものである。この旋回スクロールは、固定スクロー
ルと複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成
し、同圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ
移動することにより、吸入・圧縮・吐出を同時に行うこ
とができる。
【0003】また、スクロール圧縮機においても、焼き
付きの防止や冷却等を目的として各摺動部の潤滑が必要
になる。このため、スクロール圧縮機では、従来よりハ
ウジングの底部に潤滑油を貯留する貯留部が設けられ、
たとえば電動モータの回転シャフト下端部付近に設けた
潤滑油ポンプ機構によって、回転シャフト等に設けた油
通路を通して回転シャフト上部の偏心ピン(ドライブピ
ン)上端面から各摺動部へ潤滑油を供給するように構成
した潤滑システムを備えている。
【0004】以下、従来例として密閉縦型のスクロール
圧縮機の構成及び潤滑システムを図5及び図6に基づい
て簡単に説明する。このスクロール圧縮機1は、有底筒
形状のハウジング2と、該ハウジング2内部の上部にフ
レーム3で支持されたスクロール型圧縮機構4と、該ス
クロール型圧縮機構4の下方、すなわちハウジング2内
部の下部にフレーム3などで支持して配設された駆動手
段のモータ5とを備え、該モータ5の回転シャフト6
が、スクロール型圧縮機構4の下部に連結されている。
【0005】前記ハウジング2は、筒部2aの下端及び
上端が底部2b及び蓋部2cでそれぞれ閉塞状態とさ
れ、筒部2aには吸入管7が内部と貫通状態に接続され
るとともに、蓋部2cには吐出管8が内部に突出状態に
接続された閉空間を形成している。前記スクロール型圧
縮機構4は、フレーム3に固定された固定スクロール9
と、フレーム3と固定スクロール9との間にスラスト軸
受10を介して公転旋回運動が可能に支持された旋回ス
クロール11と、該旋回スクロール11の外面に設けら
れ旋回スクロール11の公転旋回運動を許容しながらそ
の自転を阻止する周知のオルダムリンク等よりなる自転
阻止機構12とを備えている。
【0006】前記固定スクロール9は、固定側端板9a
と、該固定側端板9aの内面に立設された渦巻き状の固
定側渦巻体9bと、固定側端板9aの周縁部に形成され
た円筒状の周壁部9cとを備え、該固定側渦巻体9bの
先端面にはチップシール13が嵌装されている。前記固
定側端板9aには、その中央部に吐出通路14が上下に
貫通状態に形成されるとともに、その上面にはハウジン
グ2内を高圧室HRと低圧室LRとに分割する仕切部材
として、ディスチャージカバー15が配設されている。
このディスチャージカバー15の中央部には吐出ポート
16が開口しており、同吐出ポート16を開閉する吐出
弁17が設けられている。なお、高圧室HRには、前記
吐出管8の開口端が貫通状態に固定され、吐出管8と高
圧室HRとが接続されている。
【0007】また、フレーム3の外周部には、吸入管7
からハウジング2内に導入してこれから圧縮しようとす
る流体(以下、圧縮流体と呼ぶ)を固定スクロール3の
固定側端板9a及び固定壁9cの内面側に導く吸入口1
8が形成されている。この吸入口18は、固定スクロー
ル9と旋回スクロール11との間に形成される吸入室1
9に接続されている。従って、吸入管7からハウジング
2内に導入した圧縮流体は、吸入口18を通って吸入室
19からスクロール型圧縮機構4へと吸入されていく。
【0008】前記旋回スクロール11は、前記固定側端
板9aに対向状態に配された旋回側端板11aと、該旋
回側端板11aの内面に立設された固定側渦巻体9bと
噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体11bとを備
え、該旋回側渦巻体11bの先端面にはチップシール1
3が嵌装されている。前記旋回側端板11aには、その
外面に円筒形状のボス20が軸線を同じくして立設さ
れ、該ボス20の内部には、ブッシュ21が旋回軸受2
2を介して回転可能に嵌装されている。また、該ブッシ
ュ21には、その内部に軸線から偏心した貫通孔21a
が形成されている。
【0009】固定スクロール9と旋回スクロール11と
は、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、固定側渦巻
体9bと旋回側渦巻体11bとの互いの側面が複数個所
で線接触するように180度の位相差をもって噛み合わ
されている。また、この状態で、固定側渦巻体9b及び
旋回側渦巻体11bのチップシール13がそれぞれ旋回
側端板11a及び固定側端板9aの内面に密接して、図
6に示すように、固定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11
bの中心に対して点対称の位置関係となる複数個所に密
閉空間となる圧縮室Pが形成される。なお、旋回スクロ
ール11は、周知のオルダムリンクを備えた自転阻止機
構12によって、フレーム3及び同フレーム3に固定さ
れた固定スクロール9に対して、自転が阻止された状態
で公転旋回運動可能に配されている。
【0010】前記モータ5の回転シャフト6は、フレー
ム3の内周面に配された上部軸受23及びモータ5の下
方に位置する下部軸受24に軸支され、軸線から所定量
偏心された偏心ピン25が上端に突出状態に設けられて
いる。偏心ピン25は、ブッシュ21の貫通孔21aに
挿入され、ブッシュ21を回転可能に支持している。な
お、回転シャフト6などの適所には、一体に回転するバ
ランスウエイトが固定されている。
【0011】偏心ピン25及び回転シャフト6には、こ
れらを上下に貫通する油通路26が形成されるととも
に、回転シャフト6の下端には潤滑油ポンプ機構27が
設けられている。この潤滑油ポンプ機構27は、油通路
26の下端に接続されている。また、ハウジング2の底
部2bには潤滑油の貯留部28が設けられており、該貯
留部28の潤滑油内に回転シャフト6下端の潤滑油ポン
プ機構27が配されている。なお、図中の符号Lは、貯
留部28に貯留されている潤滑油の油面を示している。
【0012】次に、上記構成のスクロール圧縮機1にお
けるガス(圧縮流体)の圧縮方法について説明する。モ
ータ5を駆動することにより、回転シャフト6の回転が
偏心ピン25、ブッシュ21、旋回軸受22及びボス2
0を介して旋回スクロール11に伝達されるとともに、
旋回スクロール11が自転阻止機構12によって自転が
阻止された状態で固定スクロール9に対して公転旋回運
動を行う。このとき、圧縮流体のガスは、吸入管7から
ハウジング2内に供給されてモータ5を冷却するととも
に、さらに吸入口18及び吸入室19を経て圧縮室Pへ
と供給される。
【0013】そして、圧縮室P内のガスは、旋回スクロ
ール11の上記公転旋回運動による圧縮室Pの容積縮小
に伴い、圧縮されながら中央部に移送される。このよう
にして、さらに圧縮されたガスは、吐出通路14及び吐
出ポート16から吐出弁17を押し開けて高圧室HR内
に排出され、該高圧室HRから吐出管8によって圧縮機
の外部へと導かれる。
【0014】また、底部2bの貯留部28に貯留された
潤滑油は、潤滑油ポンプ機構27によって吸い上げられ
るとともに油通路26内を通って偏心ピン25先端の給
油出口26aから吐出され、ブッシュ21、旋回軸受2
2及び偏心ピン25を潤滑した後、油だまり29に溜ま
る。そして、この潤滑油はさらに、油だまり29の上部
から溢れるようにしてスラスト軸受10及び自転阻止機
構12等の各潤滑部へと供給され、各部を通過して潤滑
した後、ハウジング2底部の貯留部28に戻されて繰り
返し循環される。さらに、貯留部28内の潤滑油は、駆
動モータ5の回転によって撹拌され、ミスト状となる。
ミスト状となった潤滑油は、圧縮流体のガスと共に吸入
口18及び吸入室19を経て圧縮室Pに供給され、スク
ロール圧縮機構4内の摺動部を潤滑すると共に、圧縮室
P間のシールをしている。なお、図中の符号30は、油
だまり29内の潤滑油を底部2bの貯留部28へ排出す
る排油孔である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスクロール圧縮機の潤滑システムには、下記の
問題点があった。すなわち、上述した従来の潤滑システ
ムにおいては、吸入管7より吸入された冷媒ガスなどの
圧縮流体と共にミスト状の潤滑油がスクロール圧縮機構
4内へ供給されるようになっているため、たとえばイン
バータ制御されるモータ5を駆動源として広い回転数領
域で運転されるような場合、低回転数で運転される領域
では撹拌によりミスト状となる潤滑油の量が減少する。
このため、系内における潤滑油の循環量も減少すること
になり、結果としてスクロール型圧縮機構4へ供給され
る潤滑油の供給量が減少し、スクロール型圧縮機構4に
おける潤滑性能、およびシール性の低下が問題となる。
【0016】このような潤滑性能の低下は、圧縮室P間
のシール機能を低下させることからスクロール圧縮機1
の性能低下につながる。また、固定スクロール9及び旋
回スクロール11間の摺動部では潤滑油不足となるた
め、最悪の場合には焼き付きを生じて耐久性や信頼性を
低下させることが懸念される。さらに、シール性が低下
することにより、複数ある圧縮室間での圧縮ガスの漏れ
が多くなり、性能の低下を引き起こす。本発明は、上記
の事情に鑑みてなされたもので、スクロール圧縮機の回
転数に影響されることなく、スクロール型圧縮機構内の
潤滑およびシールを実施することができるスクロール圧
縮機の提供を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
スクロール圧縮機は、ハウジング内における潤滑油の貯
留部をスクロール型圧縮機構により圧縮された高圧ガス
の雰囲気中に設け、前記貯留部と、該貯留部の圧力より
低い前記スクロール型圧縮機構の圧縮室との間を連結す
る潤滑油流路を設けたことを特徴とするものである。
【0018】このようなスクロール圧縮機によれば、ス
クロール型圧縮機構により圧縮された高圧ガスの雰囲気
中にある貯留部の潤滑油が、潤滑油流路を通って貯留部
よりも低圧の状態にある圧縮室まで差圧により押し出さ
れるので、スクロール型圧縮機構の運転回転数に影響さ
れることなく安定した潤滑油の供給が可能になる。
【0019】請求項2に記載の背圧型のスクロール圧縮
機は、ハウジング内における潤滑油の貯留部をスクロー
ル型圧縮機構により圧縮された高圧ガスの雰囲気中に設
け、前記貯留部から供給される潤滑油の油溜まりをスク
ロール型圧縮機構の背圧室に形成し、前記油溜まりと、
該油溜まりの圧力より低い前記スクロール型圧縮機構の
圧縮室との間を連結する潤滑油流路を設けたことを特徴
とするものである。
【0020】このようなスクロール圧縮機によれば、高
圧側となる背圧室の油溜まりにある潤滑油が、潤滑油流
路を通って油溜まり(背圧室)よりも低圧の状態にある
圧縮室まで差圧により押し出されるので、スクロール型
圧縮機構の運転回転数に影響されることなく安定した潤
滑油の供給が可能になる。
【0021】上述した請求項1または2に記載のスクロ
ール圧縮機においては、前記潤滑油流路のスクロール型
圧縮機構側の出口を、吸入締切旋回角で形成される圧縮
室から吐出側の位置の吐出側端部に連結するのが好まし
く、これにより、圧縮される前の吸入ガスが高温の潤滑
油に加熱されて膨張するのを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスクロール圧
縮機の第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明す
る。このスクロール圧縮機31は、有底筒形状の高圧ハ
ウジング32と、該高圧ハウジング32内部の上部にフ
レーム33で支持されたスクロール型圧縮機構34と、
該スクロール型圧縮機構34の下方、すなわちハウジン
グ32内部の下部にフレーム33などで支持して配設さ
れた駆動手段のモータ35とを備え、該モータ35の回
転シャフト36が、スクロール型圧縮機構34の下部に
連結されている。
【0023】前記高圧ハウジング32は、筒部32aの
下端及び上端が底部32b及び蓋部32cでそれぞれ閉
塞状態とされ、ハウジング全体がスクロール型圧縮機構
34で圧縮された高圧のガス圧力に耐えうる圧力容器と
なっている。そして、高圧ハウジング32の筒部32a
には、圧縮する冷媒ガスを導入する吸入管37がスクロ
ール型圧縮機構34の内部と貫通状態に接続され、さら
に、筒部32aには、スクロール型圧縮機構34で圧縮
された高圧の圧縮流体を外部へ導く吐出管38が接続さ
れており、一端が高圧ハウジング32内部の高圧ガス雰
囲気中に開口している。
【0024】前記スクロール型圧縮機構34は、フレー
ム33に密封状態で固定された固定スクロール39と、
フレーム33と固定スクロール39とで形成された密封
空間内にスラスト軸受40を介して公転旋回運動が可能
に支持された旋回スクロール41と、該旋回スクロール
41の外面に設けられ旋回スクロール41の公転旋回運
動を許容しながらその自転を阻止する周知のオルダムリ
ンク等よりなる自転阻止機構42とを備えている。
【0025】前記固定スクロール39は、固定側端板3
9aと、該固定側端板39aの内面に立設された渦巻き
状の固定側渦巻体39bと、固定側端板39aの周縁部
に形成された円筒状の周壁部39cとを備え、該固定側
渦巻体39bの先端面には図示省略のチップシールが嵌
装されている。このうち、前記固定側端板39aには、
その中央部に吐出ポート43が上下に貫通状態に形成さ
れると共に、同吐出ポート43を開閉する吐出弁44が
設けられている。また、前記周壁部39cには前述した
吸入管37が接続されており、該吸入管37によりスク
ロール圧縮機構34の密封空間内にこれから圧縮する圧
縮流体を吸入するようになっている。
【0026】前記旋回スクロール41は、前記固定側端
板39aに対向状態に配された旋回側端板41aと、該
旋回側端板41aの内面に立設された固定側渦巻体39
bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体41bとを
備え、該旋回側渦巻体41bの先端面には図示省略のチ
ップシールが嵌装されている。前記旋回側端板41aに
は、その外面に円筒形状のボス45が軸線を同じくして
立設され、該ボス45の内部には、ブッシュ46が旋回
軸受47を介して回転可能に嵌装されている。また、該
ブッシュ46には、その内部に軸線から偏心した貫通孔
が形成されている。
【0027】固定スクロール39と旋回スクロール41
とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、固定側渦
巻体39bと旋回側渦巻体41bとの互いの側面が複数
個所で線接触するように180度の位相差をもって噛み
合わされている。また、この状態で、固定側渦巻体39
b及び旋回側渦巻体41bの先端(チップシール)がそ
れぞれ旋回側端板41a及び固定側端板39aの内面に
密接して、固定側渦巻体39bと旋回側渦巻体41bの
中心に対して点対称の位置関係となる複数個所に密閉空
間となる圧縮室Pが形成される(図2(b)参照)。な
お、旋回スクロール41は、周知のオルダムリンクを備
えた自転阻止機構42によって、フレーム33及び同フ
レーム33に固定された固定スクロール39に対して、
自転が阻止された状態で公転旋回運動可能に配されてい
る。
【0028】前記モータ35の回転シャフト36は、フ
レーム33に配された上部軸受及びモータ35の下方に
位置する下部軸受に軸支され、軸線から所定量偏心され
た偏心ピン48が上端に突出状態に設けられている。偏
心ピン48は、ブッシュ46の貫通孔に挿入され、ブッ
シュ46を回転可能に支持している。なお、回転シャフ
ト36などの適所には、一体に回転するバランスウエイ
トが固定されている。
【0029】偏心ピン48及び回転シャフト36には、
これらを上下に貫通する油通路49が形成されるととも
に、回転シャフト36の下端には潤滑油ポンプ機構50
が設けられている。この潤滑油ポンプ機構50は、油通
路49の下端に接続されている。また、スクロール圧縮
機構34により圧縮された圧縮流体(高圧ガス)の雰囲
気中となるハウジング32の底部32bには、潤滑油を
貯留しておく貯留部51が設けられており、該貯留部5
1に所定量以上の潤滑油が溜まった正常な状態では、回
転シャフト36下端の潤滑油ポンプ機構50が潤滑油中
に位置するようになっている。なお、図中のLは潤滑油
の油面を示している。
【0030】さらに、貯留部51には、潤滑油流路52
の一端が潤滑油入口53として開口している。この潤滑
油流路52は、貯留部51とスクロール圧縮機構34の
圧縮室Pとを連結して、圧縮室P内へ潤滑油を供給する
ための流路(管路)であり、圧縮室P側に開口する潤滑
油出口54は、吐出圧力と一致あるいはほぼ一致する高
圧ガスの雰囲気中にある貯留部51の圧力よりも低い位
置に、固体側端板39aを貫通して設けられている。な
お、上述した潤滑油出口54は、180度のずれで点対
称の位置に形成されるスクロール外周側の二つの圧縮室
Pに対応して2箇所設けられているが、それぞれに独立
した潤滑油流路52を設けてもよいし、1本の潤滑油流
路52を適所で分岐させて使用してもよい。
【0031】この潤滑油出口54の位置は、図2に示す
ように、旋回スクロール圧縮機構34における吸入締切
旋回角で形成された圧縮室Pから吐出側、すなわち圧縮
室Pが形成されたと同時、あるいは圧縮ガスの移動方向
であるスクロールの内側(中心側)にある吐出ポート4
3側に若干移動した位置に形成されている圧縮室Pに最
初に開口するよう設けるのが好ましい。この吸入締切旋
回角とは、図2(a)に示す吸入状態、すなわち吸入管
37から圧縮流体を吸入するための流路となる開口55
が固定側渦巻体39bと旋回側渦巻体41bとの間に形
成されている状態から、旋回スクロール41が運転方向
に旋回して図2(b)に示すように開口55を閉じ、吸
入した圧縮流体を初めて圧縮室Pに密閉する状態に変化
した旋回スクロール41の旋回角度である。換言すれ
ば、この吸入締切旋回角では、最も外側に形成される密
閉された圧縮室Pの容積が最大となり、この状態から旋
回スクロール41が旋回することによって、圧縮室Pの
容積が減少し吸入した圧縮流体の圧縮を開始する状態に
ある。
【0032】このように構成されたスクロール圧縮機3
1は、モータ35を駆動することにより、旋回スクロー
ル41が自転阻止機構42によって自転が阻止された状
態で固定スクロール39に対して公転旋回運動を行う。
この結果、吸入管37から圧縮室Pに吸入した圧縮流体
が容積の減少に伴って圧縮され、高圧のガスとなる。こ
の高圧ガスは、吐出ポート43から吐出弁44を押し開
いて高圧ハウジング32内に流出し、高圧ハウジング3
2内に充満するとともに、吐出管38から外部へ流出す
る。
【0033】このため、高圧ハウジング32内は、スク
ロール型圧縮機構34の吐出圧力と同一またはほぼ同一
の高圧状態にあり、この高圧が貯留部51内の潤滑油液
面Lにも作用する。従って、貯留部51とスクロール型
圧縮機構34の吐出圧力より低い圧縮室Pとの間を連結
する潤滑油流路52では、潤滑油入口53と潤滑油出口
54との間に差圧が生じるので、高圧側の貯留部51か
ら低圧側の圧縮室Pへ向けて、貯留部51内の潤滑油が
押し出されるように流れていく。このため、スクロール
型圧縮機構34内への潤滑油の供給は、従来の撹拌によ
るミスト状の潤滑油供給とは異なり、スクロール圧縮機
31の運転速度に関係なく安定して行われる。
【0034】また、潤滑油出口54の位置は、高圧の雰
囲気中にある貯留部51より低圧であれば差圧による潤
滑油の供給は可能である。しかし、貯留部51に貯留さ
れている潤滑油は、モータ35等を冷却して落下したも
のであるからその温度は高温となっている。このため、
圧縮室Pが密閉される前の段階で吸入した圧縮ガスと高
温の潤滑油とが触れると、圧縮ガスは加熱を受けて膨張
する分だけ圧縮効率の低下を招くことになる。このよう
な潤滑油による圧縮ガスの膨張を防ぐためには、吸入締
切旋回角の状態になってから圧縮室Pに潤滑油出口54
を開口させるようにした位置設定が望ましい。すなわ
ち、図2(b),(c)に示すように、圧縮ガスの吸入
が完了して圧縮室Pを完全に密閉してから潤滑油出口5
4を圧縮室P内に開口させて潤滑油を供給するようにす
れば、膨張した低密度の圧縮ガスを吸入しなくてよいの
で、圧縮効率が低下するようなことはない。
【0035】従って、潤滑油出口54の最適位置は、吸
入完了直後に密閉して形成された圧縮室Pの吐出ポート
43側端部において開口を開始し、旋回スクロール11
の移動に伴って全開となる位置である。なお、潤滑油出
口54をこの最適位置より吐出ポート43側に近づける
と、高温の潤滑油による圧縮ガスの膨張を防止するとい
う点では有利になるが、吐出ポート43に近づく分だけ
圧縮室P内の圧力が高くなるため、貯留部51との差圧
が小さくなって潤滑油の供給という点では不利になる。
【0036】ところで、貯留部51に貯留され潤滑油ポ
ンプ機構50によって吸い上げられた潤滑油は、油通路
49内を通って偏心ピン48先端の給油出口から吐出さ
れ、ブッシュ46、旋回軸受47及び偏心ピン48を潤
滑した後、油だまり56に溜まる。そして、この潤滑油
はさらに、油だまり55の上部から溢れるようにしてス
ラスト軸受40及び自転阻止機構42等の各潤滑(摺
動)部へと供給され、各部を通過して潤滑した後、排油
孔57を通ってハウジング底部の貯留部51に戻され
る。
【0037】続いて、図3及び図4に基づいて第2の実
施形態を説明するが、この実施形態では、背圧型のスク
ロール圧縮機に適用した例を示している。図3に示す概
略構成図において、図中の符号60は(背圧型の)スク
ロール圧縮機、61は(背圧型の)スクロール圧縮機
構、62は固定スクロール、63は旋回スクロール、6
4はフレーム、65は背圧室である。
【0038】背圧型のスクロール圧縮機60は、旋回ス
クロール63の下方に形成した背圧室65にスクロール
圧縮機構61の圧縮室から周知の構成(図示省略)によ
り中間圧(吐出ガスと吸入ガスとの中間の圧力)などを
背圧として導入し、この背圧によって旋回スクロール6
3を固定スクロール62側へ押し付けるように構成され
ている。このような背圧型のスクロール圧縮機60に
は、背圧により渦巻体先端の密着力が得らるためシール
力を向上させたり、あるいは、背圧を受ける分スラスト
力を軽減させることができるといった利点がある。
【0039】このような背圧型のスクロール圧縮機構6
1は高圧ハウジング32内に設置され、高圧を受ける潤
滑油は、回転シャフト36内に形成された油通路49を
通って底部の貯留部(図示省略)から潤滑油が背圧室6
5内に供給される。こうして背圧室65内に充満した潤
滑油は、旋回スクロール63の端板63aに設けられた
潤滑油流路66を通って圧縮室内へ供給される。すなわ
ち、この構成では背圧室65が油溜まりとしても機能し
ている。この場合の潤滑油流路66は、油溜まりとなる
背圧室65の圧力より低いスクロール型圧縮機構61の
圧縮室との間を連結するもので、背圧室65より低圧側
の圧縮室へ差圧によって潤滑油が供給されるようになっ
ている。
【0040】ところで、旋回スクロール63の端板63
aを貫通して設けられる潤滑油流路66の潤滑油出口6
7は、前述した第1の実施形態と同様に、圧縮ガスが高
温の潤滑油と接触するのを防止する必要がある。そこ
で、この潤滑油出口67の位置は、図4に示すように、
旋回スクロール圧縮機構61における吸入締切旋回角で
形成された圧縮室Pから吐出側、すなわち圧縮室Pが形
成されたと同時、あるいは圧縮ガスの移動方向であるス
クロールの内側(中心側)にある吐出ポート側に若干移
動した位置に形成されている圧縮室Pに最初に開口する
よう設けるのが好ましい。
【0041】このような構成のスクロール圧縮機60と
しても、高圧ハウジング32内の高圧に押し上げられ
て、油溜まりの背圧室65に溜まった潤滑油が差圧によ
って圧縮室内に供給されるので、撹拌によるミスト状の
潤滑油供給とは異なり、スクロール圧縮機60の運転速
度に関係なく安定して行われる。なお、上述した第2実
施形態では、貯留部の潤滑油が高圧により押し上げられ
るものとして説明したが、背圧室65に導入する背圧が
高い場合など、第1の実施形態と同様に潤滑油ポンプ機
構を採用してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のスクロー
ル圧縮機によれば、貯留部(または油溜まり)と圧縮室
との間の差圧によりスクロール圧縮機構内に潤滑油を供
給する潤滑油流路を設けて圧縮室内に潤滑油を供給する
ようにしたので、インバータ制御などにより広範囲にわ
たる回転数で運転しても、低回転数領域での潤滑油不足
が解消される。このため、スクロール圧縮機構のオイル
シール性能が確保されて圧縮効率(性能)の向上に貢献
し、さらに、摺動部における潤滑や冷却性能が確保され
て焼き付きのない信頼性や耐久性の高いスクロール圧縮
機を安価に提供できるようになる。また、潤滑油流路が
圧縮室側に開口する潤滑油出口を、締切旋回角で形成さ
れる圧縮室から吐出側の位置の吐出側端部に連結したの
で、吸入した圧縮ガスが高温の潤滑油に接触して膨張す
るのを防止でき、圧縮性能の高いスクロール圧縮機の提
供に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係るスクロール
圧縮機を示す断面図である。
【図2】 図1のスクロール圧縮機構における固定側
渦巻体及び旋回側渦巻体を旋回スクロールの端板側から
見た断面図で、(a)は旋回側渦巻体が圧縮ガスを吸入
する位置にある状態、(b)は旋回側渦巻体が吸入を完
了して圧縮室を閉じた吸入締切旋回角の位置にある状
態、(c)は(b)における潤滑油出口周辺の拡大図で
ある。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る背圧型のス
クロール圧縮機を示す要部の概略構成図である。
【図4】 図2のスクロール圧縮機構における固定側
渦巻体及び旋回側渦巻体を固定スクロールの端板側から
見た断面図で、旋回側渦巻体が吸入を完了して圧縮室を
閉じた吸入締切旋回角の位置にある状態である。
【図5】 従来例として密閉縦型のスクロール圧縮機
概要を示す断面図である。
【図6】 図5における固定側渦巻体及び旋回側渦巻
体の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
31 スクロール圧縮機 32 高圧ハウジング 33,64 フレーム 34 スクロール型圧縮機構 36 回転シャフト 39,62 固定スクロール 41,63 旋回スクロール 49 油通路 51 貯留部 52,66 潤滑油流路 53 潤滑油入口 54,67 潤滑油出口 60 (背圧型の)スクロール圧縮機 61 (背圧型の)スクロール圧縮機構 65 背圧室(油溜まり) P 圧縮室
フロントページの続き (72)発明者 水野 尚夫 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社冷熱事業本部内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB03 BB42 CC26 CC33 CC55 3H039 AA03 AA06 AA12 BB04 BB11 BB15 BB28 CC27 CC42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内における潤滑油の貯留部
    をスクロール型圧縮機構により圧縮された高圧ガスの雰
    囲気中に設け、 前記貯留部と、該貯留部の圧力より低い前記スクロール
    型圧縮機構の圧縮室との間を連結する潤滑油流路を設け
    たことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 ハウジング内における潤滑油の貯留部
    をスクロール型圧縮機構により圧縮された高圧ガスの雰
    囲気中に設け、前記貯留部から供給される潤滑油の油溜
    まりをスクロール型圧縮機構の背圧室に形成し、 前記油溜まりと、該油溜まりの圧力より低い前記スクロ
    ール型圧縮機構の圧縮室との間を連結する潤滑油流路を
    設けたことを特徴とする背圧型のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記潤滑油流路のスクロール型圧縮機
    構側の出口を、吸入締切旋回角で形成される圧縮室から
    吐出側の位置の吐出側端部に連結したことを特徴とする
    請求項1または2記載のスクロール圧縮機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009716A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Oken Ltd ダイヤフラムポンプ
CN100366912C (zh) * 2002-06-13 2008-02-06 松下电器产业株式会社 涡旋式压缩机

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JP2007009716A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Oken Ltd ダイヤフラムポンプ

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