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JP2002036711A - 偽造防止用シート - Google Patents

偽造防止用シート

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Publication number
JP2002036711A
JP2002036711A JP2000232002A JP2000232002A JP2002036711A JP 2002036711 A JP2002036711 A JP 2002036711A JP 2000232002 A JP2000232002 A JP 2000232002A JP 2000232002 A JP2000232002 A JP 2000232002A JP 2002036711 A JP2002036711 A JP 2002036711A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
color tone
transparent film
authenticity determination
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000232002A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hirasawa
朗 平澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Edge Inc
Original Assignee
Toppan Forms Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Forms Co Ltd filed Critical Toppan Forms Co Ltd
Priority to JP2000232002A priority Critical patent/JP2002036711A/ja
Publication of JP2002036711A publication Critical patent/JP2002036711A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト面や生産性に優れ、真贋判定の際に、
真贋判定用符号を顕在化するための特別な装置を必要と
せず、視認ないし光学的機械読取によって簡便かつ容易
に確認が行え、さらに、偽造品の作成や真正品の改竄な
どの困難性が高く、加えて、真贋判定用符号の隠蔽性に
も優れるといった、新たな方式の偽造防止用シートの提
供。 【解決手段】 シート面の所定部に、酸素の有無に伴っ
て可逆的に色調が変化する可変色色素組成物を含有して
なるインキをもって形成された真贋判定用符号を施し、
その色調を無酸素状態における色調に維持するように、
酸素不透過性の透明フィルムによって被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真正品と外見上の
差異の確認が困難な偽造品との間で、その真贋判定を可
能とする偽造防止用シートに関する。より具体的には、
真贋判定に用いる目的で、通常状態では真正品を証する
特定の色調を呈し、真贋判定に際しては、酸素に係わる
雰囲気の変化により、それとは異なる色調を呈する真贋
判定用符号を付帯した偽造防止用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】昨今、例えば、前もって所定の料金を支
払い、後日、その料金に相当するサービスや商品などの
授受を保証する、いわゆるプリペードカードやクーポン
券の利用が拡大している。これらのプリペードカードや
クーポン券は、その場で現金による支払いの煩雑さを解
消し、利用者(購入者)側にとっても、また、サービス
や商品などを提供する発行者(発行者)にとっても好都
合である。
【0003】そして、この種のプリペードカードやクー
ポン券は、一旦交付(販売)がなされた後は発行者の管
理を離れ、購入者は自由に譲渡でき、また、第三者への
転売の制限がないため、それ自体を商品として、金券類
の取引業者が営む、いわゆる金券ショップなどにおいて
売買がなされているが、このこと自体はプリペードカー
ドやクーポン券などの市場流通性を促す点で好ましい。
【0004】ところが、この高い市場流通性が災いし、
真正品と外見上区別が付かない偽造品が作成され、その
流通経路に混入することとなった。この偽造品自体は実
際に販売や使用がなされない限り、その使用に対し、発
行者や、それを買い受けた転売者に損害を与えるもので
なく、現状では、このような偽造品作成自体に対する抑
制力を持つ有効な法的規制は無いに等しい状態にある。
そして、これらの偽造品が流通経路に紛れ込むと、市場
を混乱させたり、債券証書や金券類の発行者にとって不
要な出費や信用の失墜を招くため、偽造品の使用は何と
しても阻止しなければならない。
【0005】偽造品の使用を阻止するために、具体的に
は、真正品と区別が困難な偽造品の作成自体に大きな技
術的難関を設け、偽造品の作成自体を思い止まらせた
り、真正品か偽造品かの真贋判定を行い、偽造品に対す
るサービスの提供や商品の引き渡しなどを防止する方策
などが検討され、その一部は実際に利用されている。
【0006】例えば、各クレジット会社は、商品購入用
のクーポン券を発行しているが、特に、最近、普及が目
覚ましい高性能カラーコピー機による偽造品の横行に対
し、ホログラフや光輝性ラベルなどを用いて、偽造品作
成に極めて高い難関を設け、その根絶を目指している。
【0007】また、特殊な蛍光インキを用いて真贋判定
用符号を形成し、通常状態では視認や光学的機械読取が
不可能であるが、所定の条件を付与すると、これを可能
とさせる真贋判定手段なども想到された。例えば、紫外
線領域あるいは赤外線領域における特定波長光(ブラッ
クライト)を照射すると蛍光を発する特殊な蛍光性イン
キを用いて真贋判定用符号を形成し、太陽光(可視光)
の下では顕在化させないが、このような特定波長光を選
択的に照射して顕在化させるといった手段などがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ホログラフや光輝性ラベルを用いた真贋判定手段におい
ては、偽造品の作成に極めて高い難関を設ける点では有
効であり、さらに、特殊な真贋判定装置を使用せずに真
贋判定ができるため、利便性に優れるなどといった長所
があるものの、ホログラムや光輝性ラベル自体の価格が
高いために製造コストが大きくなり、さらに、ホログラ
ムや光輝性ラベルは、その表面上に傷が付くと機能に悪
影響を及ぼすため、その貼付時の取り扱いには注意を要
し、その結果、製造工程が非常に複雑になるなどといっ
た問題がある。
【0009】後者の特殊な蛍光インキを用いた真贋判定
手段にしても、製造コストや製造工程の面、さらには真
贋判定用符号の隠蔽性の点では優れているものの、真贋
判定の際、真贋判定用符号を顕在化するためのブラック
ライト照射装置などを必要とするため、例えば、入場券
のように大量のものを即座に真贋判定しなければならな
い場合などには極めて利便性に劣る。さらに、このよう
な特殊な蛍光インキは淡い色彩のものが多く、真贋判定
の際、必ずしも明瞭に識別できないことも少なくなく、
特に、光学的機械読取装置を用いた自動真贋判定には、
必ずしも適するものではない。しかも、この技術は今で
は公知のものとなっており、真正品の真贋判定用符号の
隠蔽性にしても、ブラックライト照射装置が一般的に市
販されている現状では、その真贋判定用符号を簡単に読
み取ることができ、さらに、蛍光インキ自体にしても、
市販品の普及拡大によって、その特殊性が薄れてきてい
るため、偽造品の作成が益々容易になりつつあるといっ
た問題がある。
【0010】本発明の目的は前記問題を解決するもの
で、コスト面や生産性に優れ、真贋判定の際に、真贋判
定用符号を顕在化するための特別な装置を必要とせず、
視認ないし光学的機械読取によって簡便かつ容易に確認
が行え、さらに、偽造品の作成や真正品の改竄などの困
難性が高く、加えて、真贋判定用符号の隠蔽性にも優れ
るといった、新たな方式の偽造防止用シートの提供にあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討し進めたところ、先に紹介した特
殊な蛍光インキを用いた真贋判定手段と同様に、異なる
二つの環境下に置かれた際、異なる色調を呈する真贋判
定用符号に着目した。この着目に基づき、さらなる検討
を進めた結果、従来、密封包装内の酸素状態を確認する
ための酸素インジケーターに利用されている、酸素の有
無に伴い可逆的に色調が変化する可変色色素組成物を利
用することを着想した。
【0012】このような可変色色素組成物をもって形成
した真贋判定用符号を、その色調を無酸素状態における
色調に維持するように、酸素不透過性の透明フィルムに
よって被覆し、真贋判定時には、この透明フィルムを剥
離ないし破損させ、大気中の酸素と前記可変色色素組成
物とを接触させることにより、真贋判定用符号の色調を
有酸素状態における色調へと変化させ、この色調変化を
視認ないし光学的機械読取にて確認する方式が、真贋判
定の有効な手段となることを確認した。本発明者は、か
かる知見に基づき、本発明の偽造防止用シートを完成す
るに至った。
【0013】すなわち、本発明の偽造防止用シートは、
シート面の所定部に、酸素の有無に伴って可逆的に色調
が変化する可変色色素組成物を含有してなるインキをも
って形成された真贋判定用符号が施されてなるシートで
あって、当該真贋判定用符号の少なくとも一部が、酸素
不透過性の透明フィルムによって無酸素状態となるよう
に被覆され、当該被覆された領域の前記可変色色素組成
物の色調が、その無酸素状態における色調を呈している
ことを特徴とする。
【0014】また、本発明の偽造防止用シートは、前記
酸素不透過性の透明フィルムによって無酸素状態となる
ように被覆された領域が酸素を含む雰囲気に露呈される
と、当該被覆された領域の前記可変色色素組成物の色調
が無酸素状態における色調から有酸素状態における色調
へと変化し、その色調変化を視認ないし光学的機械読取
可能とされてなることを特徴とする。
【0015】さらに、好ましい本発明の偽造防止用シー
トは、前記酸素不透過性の透明フィルムの剥離または破
損手段を有してなることを特徴とする。
【0016】かかる構成の本発明の偽造防止用シートに
よれば、酸素の有無に伴って可逆的に色調が変化する可
変色色素組成物を含有してなるインキをもって形成され
た真贋判定用符号が、酸素不透過性の透明フィルムによ
って無酸素状態となるように被覆され、その無酸素状態
における色調を呈しているが、真贋判定時には、その透
明フィルムを剥離ないし破損させることで、大気中の酸
素と前記可変色色素組成物とが接触し、その色調が無酸
素状態における色調から有酸素状態における色調へと変
化する。したがって、この色調変化を視認ないし光学的
機械読取によって確認することにより真正品を確認でき
る。換言すれば、通常の印刷インクにて真贋判定用符号
を形成したような偽造品では、このような現象が生じな
いため、透明フィルムを剥離ないし破損させても色調が
変化せず、偽造品であることが即座に確認できる。
【0017】さらに、この可変色色素組成物自体が、従
来の蛍光インキに含まれる蛍光物質に比べて一般的でな
く特殊性が高いという点と、無酸素状態で透明フィルム
を貼ることの困難性から、偽造品の作成は非常に困難な
ものとなる。具体的には、専用の可変色色素組成物の専
用塗布装置と無酸素状態での酸素不透過性の透明フィル
ムによる被覆装置を要するため、ホログラフを用いた真
贋判定手段を付帯する際と同等の技術的な障害となり、
偽造行為をさらに抑制する効果を有する。
【0018】また、真正品を改竄しようとして、一旦、
透明フィルムを剥離すると、真贋判定用符号は有酸素状
態の色調に変化してしまうので、前述の偽造品の作成と
同様に、再度、真贋判定用符号を無酸素状態の色調に戻
した状態で透明フィルムを貼り直すことの難しさから、
改竄による偽造も極めて困難になる。
【0019】なお、透明フィルムで被覆されている部分
に真贋判定用符号が設けられているということは容易に
推測できるものの、例えば、無酸素状態において無色
(白色)の可変色色素組成物を用いて真贋判定用符号を
設けたり、あるいは、有色である場合は、真贋判定用符
号の背景の色調と、真贋判定用符号自体の色調とを同じ
にさせることにより、真贋判定用符号の隠蔽性が図ら
れ、その偽造をさらに困難とすることもできる。
【0020】本発明における可変色色素組成物として
は、通常の大気中に含有される程度の酸素濃度を有する
雰囲気と、無酸素状態の雰囲気において、その呈する色
調が可逆的かつ明確に変化し、その色調変化を視認ない
し光学的機械読取装置(可視光領域対応)によって確認
できるものである。したがって、この色調変化が可逆的
である限り、どのような可変色色素組成物も利用が可能
であるが、好ましくは、従来、密封包装内の無酸素状態
の確認に利用されている、いわゆる酸素インジケーター
に利用されるものが良い。この酸素インジケーターに利
用される可変色色素組成物とは、一般的には、酸化還元
性色素とそれに対する還元剤、さらに、アルカリ性物質
と水とを含んでなるものであり、本発明のように、シー
ト面に真贋判定用符号を形成する場合には、さらに、水
性または油性のインキ組成物として調製される。
【0021】このような可変色色素組成物においては、
酸素濃度に伴って可逆的な色調の変化が起こるが、その
主体は、酸素濃度が高い環境では、酸化還元性色素は酸
化を受けた状態であるが、無酸素状態に置くと、一旦酸
化を受けた状態から、共存する還元剤の作用により還元
された状態となる。この酸化・還元は可逆的であり、共
存する還元剤が消費され、枯渇するまでの間は可逆性が
持続する。なお、アルカリ性物質と水とは、この酸化・
還元反応の場を形成し、その反応に伴う色調変化を誘起
するpH領域であるアルカリ性を維持するために利用さ
れている。
【0022】また、酸化還元性色素としては、特公昭5
5−47820号公報、特公昭56−24906号公
報、特開昭56−8647号公報などに記載される、メ
チレンブルーなどのチアジン系色素、インジコスルホン
酸カリウムなどのインジコ系色素、チオインジゴ系色素
など、さらには、特開平2−138866号公報に記載
されるインドフェノール系色素などが利用可能である。
特に、このインドフェノール系色素は、光照射下に長期
に放置された際にも、その退色の程度はメチレンブルー
系色素と比較すると大幅に少なく、より好ましいもので
ある。かかる酸化還元性色素の酸化体を還元する際に利
用される還元剤としては、グルコース、フラクトース、
キシロース、マルトースなどの還元性糖類を利用するこ
とが好ましい。なお、前記還元性糖類による還元はアル
カリ性条件下で進行するため、例えば、水酸化マグネシ
ウムなどのアルカリ性物質と若干量の水を必要とする。
【0023】ここに、下記の如く、メチレンブルー系色
素を利用した可変色色素組成物の一例を示すが、酸化還
元性色素であるメチレンブルーと、その還元剤として、
還元性糖類のD−グルコースを用い、アルカリ性物質と
しては、潮解性や高い吸水性などの性質を有さない水酸
化マグネシウムを選択し、これに必要な水を加えた組成
とした。
【0024】 〔メチレンブルー系色素を利用した可変色色素組成物の一例〕 水酸化マグネシウム 96.95質量部 D−グルコース 1.0質量部 メチレンブルー 0.05質量部 水 2.0質量部 さらに、下記の如く、インドフェノール系色素を利用し
た可変色色素組成物の一例を示す。酸化還元性色素であ
る2,6−ジクロルインドフェノール・ナトリウム塩
と、その還元剤として還元性糖類のD−グルコースを用
い、アルカリ性物質としては炭酸ナトリウムを加え、こ
れに必要な水を加えた組成とした。また、この例では、
全体を溶液とするため、メチルアルコールを溶媒として
加えてある。なお、2,6−ジクロルインドフェノール
・ナトリウム塩自体は、無酸素状態では、ほぼ無色(白
色)となるため、アシッドレッド(食用赤色106号)
を指示色素として添加することにより、無酸素状態では
赤色の色調、一方、有酸素状態では青色の色調を呈す
る。
【0025】 〔インドフェノール系色素を利用した可変色色素組成物の一例〕 2,6−ジクロルインドフェノールナトリウム塩 0.5質量部 アシッドレッド(食用赤色106号) 0.1質量部 炭酸ナトリウム 25.0質量部 D−グルコース 2.0質量部 水 2.0質量部 メチルアルコール 70.4質量部 また、このような可変色色素組成物は、好ましくはイン
キ組成物として調製されるが、スクリーン印刷あるいは
フレキソ印刷により、シート面に所定の色調を有した真
贋判定用符号を形成する。このようなインキ組成物は、
印刷されるシート面の状態、インキとの濡れ性なども考
慮し、それぞれの印刷方法に合わせて適宜調製されるも
のである。そして、ここに、利用可能なインキの組成を
下記に示す如くの4例を例示する。なお、本発明の偽造
防止用シートにおいては、ここに例示するものには限ら
れないことは勿論である。
【0026】 〔可変色色素組成物を含有してなるインキの組成例(1)〕 可変色色素組成物 35質量部 エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC) 5質量部 ロジンのペンタエリスリトールエステル 10質量部 ミネラルスピリット 20質量部 芳香族炭化水素溶剤 20質量部 セロソルブ 10質量部 〔可変色色素組成物を含有してなるインキの組成例(2)〕 可変色色素組成物 36.5質量部 スチレン化アルキド樹脂 45.0質量部 ナフテン酸コバルトドライヤー 1.0質量部 芳香族炭化水素溶剤 15.0質量部 ゲル化剤 2.5質量部 〔可変色色素組成物を含有してなるインキの組成例(3)〕 可変色色素組成物 18.5質量部 高酸価マレイン酸樹脂 17.5質量部 イソプロピルアルコール 13.0質量部 水 43.5質量部 尿素 1.0質量部 ジメチルエタノールアミン 4.0質量部 ポリエチレンワックス 2.0質量部 消泡剤 0.5質量部 〔可変色色素組成物を含有してなるインキの組成例(4)〕 可変色色素組成物 14.0質量部 高酸価マレイン酸樹脂 5.0質量部 スチレンアクリルエマルジョン 30.0質量部 イソプロピルアルコール 10.0質量部 水 1.0質量部 尿素 35.5質量部 28%アンモニア水 1.0質量部 モルホリン 1.0質量部 ポリエチレンワックス 2.0質量部 消泡剤 0.5質量部 次に、酸素不透過性の透明フィルムとしては、例えば、
ポリ塩化ビニリデンフィルム、二軸延伸ポリ塩化ビニリ
デン系フィルム、アクリルニトリル系フィルム、ポリカ
ーボネート系フィルム、セラミック蒸着ポリエチレン・
テレフタレートフィルム、二軸延伸ポリビニルアルコー
ルフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィ
ルム、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコールフィル
ムなどが挙げられる。そして、目的とするシート基材の
厚さや柔軟性、あるいは表面の光沢性などを考慮し、適
宜選択される。この透明フィルムをシート基材と密着さ
せることにより、その被覆された領域が無酸素状態とな
り、当該被覆された領域の真贋判定用符号の色調が、そ
の無酸素状態における色調を呈する。
【0027】なお、前記酸素不透過性の透明フィルムを
被覆する領域を無酸素状態とするためには、シート基材
自体も酸素透過性を持たないか、極めて低い材料を使用
する必要があるが、透過性が高いものを使用する場合
は、酸素透過性を無くす表面処理を施して使用すればよ
い。
【0028】無酸素状態から有酸素状態への転換方法と
しては、酸素不透過性の透明フィルムを剥離したり部分
的に破損させたりして、可変色色素組成物を空気中の酸
素と接触させることにより行う。このように、透明フィ
ルムを剥離ないし破損させる方法としては、透明フィル
ム自体に加工を施したり、シート基材に加工を施したり
する場合がある。例えば、透明フィルムの一端辺を部分
的に延設させて形成した指掛け部を設け、この指掛け部
はシート基材面と接着させず、ここに指を掛けて透明フ
ィルムを剥離し易くさせたり、また、透明フィルム面に
スリット(透明フィルムを貫通させない程度の浅い切り
込み)を施し、このスリットをガイドとして透明フィル
ムを破損させたり、あるいは、シート基材に切取り用ミ
シン線を施し、このミシン線を透明フィルムに施された
感圧接着剤に部分的に繋合するように配置させることに
より、シート基材をミシン線にて部分的に切り取る際、
同時に透明フィルムが剥離ないし破損するように構成し
てもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を挙げて、本発明
の偽造防止用シートに関し、より具体的に説明する。下
記する実施例は、本発明の偽造防止用シートを入場券と
して構成したものであるが、かかる実施例により本発明
は限定されるものではない。
【0030】なお、ここにおいて、図1は入場券として
構成した本発明の偽造防止用シートの概略的平面図、図
2は図1におけるA−A線断面図、図3は真贋判定時に
おける図1の偽造防止用シートの状態説明図である。
【0031】図1に示すように、本実施例の偽造防止用
シート1は入場券として構成され、そのシート基材2面
の所定部には、記載事項、サービスマークや商標、全体
の装飾を目的とするデザイン化された図形・模様などの
所定の印刷6が施され、さらに、酸素の有無に伴って可
逆的に色調が変化する可変色色素組成物を含有してなる
インキをもって真贋判定用符号3が施されている。
【0032】そして、この真贋判定用符号3は、図2に
示すように、酸素不透過性の透明フィルム4によって無
酸素状態となるように被覆され、当該被覆された領域の
前記可変色色素組成物の色調は、その無酸素状態におけ
る色調を呈している。
【0033】なお、本実施例における可変色色素組成物
を含有してなるインキは、前述の〔可変色色素組成物を
含有してなるインキの組成例(1)〕のものを利用し、
その可変色色素組成物は前述のインドフェノール系色素
とした。また、酸素不透過性の透明フィルム4として
は、二軸延伸フィルム(クラレ社製 エバールEF−XL/
15μm)を用い、さらに、シート基材2は、表面にロ
ールコート・ニスインキをコート層として設け、酸素の
侵入を防止するように加工した上質紙とした。
【0034】透明フィルム4は、その四周辺に施された
感圧性接着剤9によってシート基材2に接着されてお
り、かつ、この感圧性接着剤9により、被覆された部分
は完全に外部雰囲気とは遮断される状態とされている。
また、透明フィルム4の剥離手段5として、シート基材
2には切取り用ミシン線が施されており、このミシン線
は透明フィルム4に施された感圧性接着剤9に部分的に
繋合するように配置され、このミシン線で区画された右
側の小面積の部分が半券となるが、このミシン線を用い
て半券部分を分離すると同時に透明フィルム4が破損さ
れ、真贋判定用符号3における被覆されていた可変色色
素組成物が空気中の酸素と接触し、その色調は無酸素状
態から有酸素状態における色調に変化する。
【0035】ここで、本実施例における偽造防止用シー
ト1をもって、本発明の偽造防止用シートの真贋判定機
能について述べる。
【0036】真贋判定用符号3は、具体的には、矩形枠
の内側に位置する星型マーク7(波線で示す)をもって
形成されている。そして、酸素不透過性の透明フィルム
4により被覆された該真贋判定用符号3は無酸素状態の
色調を呈しているが、本実施例では、矩形枠の内側の領
域である星型マーク7の背景部8を星型マーク7の無酸
素状態の色調と同じ色調を呈する一般インキにて地紋印
刷している。すなわち、通常状態では、星型マーク7
と、その背景部8が同じ色調であるため目視では区別が
つかず、星形マーク7を視認することができない。換言
すれば、この状態では真贋判定用符号3は隠蔽状態にあ
る。
【0037】そして、真贋判定時には、前述した透明フ
ィルム4の剥離手段5として、シート基材2に設けられ
た切取り用ミシン線にて半券を分離すると、図3に示す
ように、真贋判定用符号3は無酸素状態の色調から有酸
素状態の色調へと変化し、その背景部8の色調との差異
が明確になり、星形マーク7は顕在化する。この顕在化
は視認によっても確認できるが、自動入場システムに組
み込まれた光学的機械読取装置にて読み取ることもでき
る。なお、具体的に図示はしないが、別の実施例とし
て、無酸素状態において、星型マーク7と、その背景部
8とを異なる色調の組み合わせで構成し、有酸素状態に
おいて同じ色調となるようにすれば、真贋判定時には、
星形マーク7と背景部8との区別がつかず、この真贋判
定用符号の視覚的消失により真贋を判定することもでき
る。
【0038】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の偽造防
止用シートは、酸素の有無により色調が変化する可変色
色素組成物をもって形成した真贋判定用符号を、その色
調を無酸素状態における色調に維持するように、酸素不
透過性の透明フィルムによって被覆し、真贋判定時に
は、この透明フィルムを剥離ないし破損させ、大気中の
酸素と前記可変色色素組成物とを接触させることによ
り、真贋判定用符号の色調を有酸素状態における色調へ
と変化させ、この色調変化を視認ないし光学的機械読取
にて確認するように構成されているため、真贋判定の際
に、真贋判定用符号を顕在化するための特別な装置を必
要とせず、視認ないし光学的機械読取によって簡便かつ
容易に確認が行え、さらに、コスト面や生産性に優れ、
偽造品の作成や真正品の改竄などの困難性が高く、加え
て、真贋判定用符号の隠蔽性にも優れるといった様々な
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】入場券として構成した本発明の偽造防止用シー
トの概略的平面図。
【図2】図1におけるA−A線断面説明図。
【図3】真贋判定時における図1の偽造防止用シートの
状態説明図。
【符号の説明】
1 偽造防止用シート 2 シート基材 3 真贋判定用符号 4 酸素不透過性の透明フィルム 5 透明フィルムの剥離手段(切取り用ミシン線) 6 所定の印刷 7 星型マーク 8 星型マークの背景部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート面の所定部に、酸素の有無に伴っ
    て可逆的に色調が変化する可変色色素組成物を含有して
    なるインキもって形成された真贋判定用符号が施されて
    なるシートであって、当該真贋判定用符号の少なくとも
    一部が、酸素不透過性の透明フィルムによって無酸素状
    態となるように被覆され、当該被覆された領域の前記可
    変色色素組成物の色調が、その無酸素状態における色調
    を呈していることを特徴とする偽造防止用シート。
  2. 【請求項2】 真贋判定に際し、前記酸素不透過性の透
    明フィルムによって無酸素状態となるように被覆された
    領域が、酸素を含む雰囲気に露呈されると、当該被覆さ
    れた領域の前記可変色色素組成物の色調が無酸素状態に
    おける色調から有酸素状態における色調へと変化し、そ
    の色調変化を視認ないし光学的機械読取可能とされてな
    る請求項1記載の偽造防止用シート。
  3. 【請求項3】 前記酸素不透過性の透明フィルムの剥離
    または破損手段を有してなる請求項1記載ないし請求項
    2記載の偽造防止用シート。
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