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JP2002036558A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

Info

Publication number
JP2002036558A
JP2002036558A JP2000227820A JP2000227820A JP2002036558A JP 2002036558 A JP2002036558 A JP 2002036558A JP 2000227820 A JP2000227820 A JP 2000227820A JP 2000227820 A JP2000227820 A JP 2000227820A JP 2002036558 A JP2002036558 A JP 2002036558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
heating element
main
scanning direction
main heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000227820A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoichi Moto
洋一 元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000227820A priority Critical patent/JP2002036558A/ja
Publication of JP2002036558A publication Critical patent/JP2002036558A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク滴を記録紙の所定位置に正確に着弾させ
ることが可能な高性能のインクジェットヘッドを提供す
る。 【解決手段】主走査方向に配列した複数個の主発熱体2
を有する基板上に、複数個のインク吐出孔を有する天板
を、各インク吐出孔が対応する主発熱体の上方に位置す
るようにして所定の間隔を空けて配置させるとともに、
前記基板−天板間に形成される隙間及びインク吐出孔内
にインクを充填してなり、該インクを主走査方向と直交
する副走査方向に流動させながら印画を行うインクジェ
ットヘッドであって、前記基板上で、個々の主発熱体2
の主走査方向の両側に、該主発熱体2に近接させて補助
発熱体8,8を配設するとともに、これら補助発熱体
8,8を主発熱体2よりもインク流動方向下流側にずら
して位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録紙にインク滴
を所定パターンに付着させて画像を形成するインクジェ
ットヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、記録紙に画像を形成するため
の記録デバイスとしてインクジェットヘッドが用いられ
ている。
【0003】インクジェットヘッドの記録方式には、イ
ンク滴を記録紙に向けて吐出・飛翔させるのに発熱抵抗
体の発する熱エネルギーを利用するものや圧電素子の変
形を利用するもの,更には電磁波の照射に伴って発生す
る熱を利用するもの等があり、これらの中でも発熱抵抗
体の熱エネルギーを利用するサーマルジェットタイプの
ものは発熱抵抗体のパターン形成が容易であることに加
え、発熱抵抗体の面積が小さくても比較的大きな熱エネ
ルギーを発生させることができることから高密度記録へ
の対応に適したものとして注目されている。
【0004】かかるサーマルジェットタイプのインクジ
ェットヘッドとしては、例えば図4に示す如く、TaN
等から成る複数個の発熱抵抗体12が主走査方向に配列
されている基板11上に、複数個のインク吐出孔16を
有する天板15を、前記インク吐出孔16が対応する発
熱抵抗体12の上方に位置するようにして所定の間隔を
空けて配置させるとともに、前記基板11−天板15間
の隙間とインク吐出孔16内にインク17を充填した構
造のものが知られており、記録紙を前記天板15の上面
に沿って搬送しながら、発熱抵抗体12を外部からの画
像データに基づいて個々に選択的に発熱させ、該発生し
た熱エネルギーによってインク17を急沸させて発熱抵
抗体12上で気泡Aを発生させるとともに、該発生した
気泡Aによる圧力でもって発熱抵抗体12上のインク1
7を上方に押し上げ、インク17の一部をインク吐出孔
16より外部に吐出させ、これを記録紙に付着させるこ
とによって画像を形成するようになっている。
【0005】このような従来のインクジェットヘッドに
おいては、基板11と天板15の間のインク17を個々
の発熱抵抗体12に対応した領域毎に仕切るための隔壁
を設けていないことから、隣り合う発熱抵抗体間に隔壁
が設けられているインクジェットヘッドに比べて、構
造、並びに製造プロセスが著しく簡略化され、生産性の
高いインクジェットヘッドが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のインクジェットヘッドによれば、基板11−天
板15間にはインク17を個々の発熱抵抗体12に対応
した領域毎に仕切るための隔壁が設けられていないこと
から、発熱抵抗体12の熱エネルギーによってインク1
7中に気泡Aを発生させた際、気泡Aによる圧力が主走
査方向に分散するのを有効に抑制することができない。
このため、発熱抵抗体12上で発生した気泡Aの圧力は
インク吐出孔16内のインク17に効率良く伝わらず、
インク滴iの吐出速度が大幅に低下して記録紙に対する
インク滴iの着弾位置にズレを生じるという欠点を有し
ていた。
【0007】また上述した従来のインクジェットヘッド
においては、発熱抵抗体12の熱エネルギーによってイ
ンク滴iを吐出させた後、基板11−天板15間に発生
した大きな気泡Aはインクタンク(図示せず)からのイ
ンク17の補給によってその大部分が消滅するものの、
細かな気泡がいくつか残ってしまうことがある。このよ
うな残留気泡は、次ラインの記録動作が開始されるまで
の間、そのまま同じ場所にあるため、発熱抵抗体12を
再び発熱させて新たな気泡Aを発生させると、インク1
7が細かな残留気泡を含んだまま外部に吐出されてしま
ったり、或いは、新たに発生した気泡Aと残留気泡とが
合体することにより過度に大きな気泡を形成する等して
インク17の吐出量を不均一になし、画像の濃度むらを
形成する欠点を有していた。
【0008】更に上述した従来のインクジェットヘッド
の基板11−天板15間に充填されているインク17
は、気泡発生時やインク17の補給時を除けば流動する
ことが殆どなく、それ故、発熱抵抗体12の発した熱等
によってインク17中の水分もしくは油分がインク吐出
孔16を介して多量に蒸発し、インク17の粘度が上昇
すると、特に粘度上昇が著しいインク吐出孔16付近で
インク17が固まって目詰まりを生じ、記録紙に画像デ
ータに対応した正確な画像を形成することが不可となる
欠点も有していた。
【0009】また更に上述した従来のインクジェットヘ
ッドにおいては、前述したように基板11−天板15間
のインク17が殆ど流動しないことから、インク17や
基板11の内部には熱がこもり易く、インクジェットヘ
ッドを長時間にわたって使用すると、基板11の温度が
過度に高温となってインク17の吐出量にバラツキを生
じたり、或いは、不要なインク17が外部に吐出される
といった不具合を生じ、またこのような事態を避けるた
めに各ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を設ける
と、記録に要する時間が長くなって高速記録に供しなく
なる欠点が誘発される。
【0010】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的はインク滴を記録紙の所定位置に正確に着
弾させることが可能な高性能のインクジェットヘッドを
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、主走査方向に配列した複数個の主発熱体を有
する基板上に、複数個のインク吐出孔を有する天板を、
各インク吐出孔が対応する主発熱体の上方に位置するよ
うにして所定の間隔を空けて配置させるとともに、前記
基板−天板間に形成される隙間及びインク吐出孔内にイ
ンクを充填してなり、該インクを主走査方向と直交する
副走査方向に流動させながら前記主発熱体を選択的に発
熱させて主発熱体上のインク中で気泡を発生させるとと
もに該発生した気泡の圧力によって前記インクの一部を
インク吐出孔より吐出させて画像を形成するインクジェ
ットヘッドにおいて、前記基板上で個々の主発熱体の主
走査方向の両側に該主発熱体に近接させて補助発熱体を
配設するとともに、これら補助発熱体を主発熱体よりも
インク流動方向下流側にずらして位置させたことを特徴
とするものである。
【0012】また本発明のインクジェットヘッドは、前
記主発熱体の発熱時、その両側に配設されている補助発
熱体を同時に発熱させて補助発熱体上でも気泡を発生さ
せるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】更に本発明のインクジェットヘッドは、前
記補助発熱体の主走査方向の幅W2が、前記主発熱体の
主走査方向の幅W1の25%〜80%に設定されている
ことを特徴とするものである。
【0014】また更に本発明のインクジェットヘッド
は、前記補助発熱体が、隣接するインク吐出孔間の領域
に天板の下面と対向して配置されていることを特徴とす
るものである。
【0015】更にまた本発明のインクジェットヘッド
は、前記主発熱体の両側に配設されている2個の補助発
熱体の発熱量を個別に制御し得るように、個々の補助発
熱体への印加電力を調整することを特徴とするものであ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は本発明の一形態に係るインク
ジェットヘッドの分解斜視図、図2は図1のインクジェ
ットヘッドの主走査方向にかかる断面図であり、1は基
板、2は主発熱体、5は天板、6はインク吐出孔、7は
インク、8は補助発熱体である。
【0017】前記基板1は、アルミナセラミックス等の
電気絶縁性材料から成り、その上面で複数個の主発熱体
2等を支持するための支持母材として機能する。
【0018】尚、前記基板1は、例えばアルミナセラミ
ックスから成る場合、アルミナ、シリカ、マグネシア等
のセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤、溶媒を添加
・混合して泥漿状に成すとともに従来周知のドクターブ
レード法やカレンダーロール法等を採用することによっ
てセラミックグリーンシートを得、しかる後、前記セラ
ミックグリーンシートを所定形状に打ち抜いた上、高温
で焼成することによって製作される。
【0019】また前記基板1上には複数個の主発熱体2
が主走査方向に沿って直線状に被着・配列される。
【0020】前記複数個の主発熱体2は、例えば600
dpiのドット密度で直線状に配列されており、各々が
TaN系やTaSiO系,TaSiNO系,TiSiO
系,TiSiCO系,NbSiO系等の電気抵抗材料か
ら成っているため、各主発熱体2の両端に電気的に接続
される電極層3,3等を介して電源電力が印加されると
ジュール発熱を起こし、インク7を急沸させて主気泡A
を形成するのに必要な所定の熱エネルギーを発生する作
用を為す。
【0021】尚、前記主発熱体2の電気抵抗値は例えば
100Ω〜2500Ωに、個々の主発熱体2の主走査方
向の幅W1は例えば20μm〜200μmに、また主発
熱体2の副走査方向の長さL1は例えば20μm〜12
0μmに設定され、主発熱体2により主気泡Aを発生さ
せるのに消費される電力エネルギーは例えば83mJ/
mm2〜215mJ/mm2となる。
【0022】また前記基板1上で個々の主発熱体2の主
走査方向の両側には、該主発熱体2に近接して補助発熱
体8,8が配設されている。
【0023】前記補助発熱体8は、前述した主発熱体2
の間に2個ずつ、主走査方向の両端に位置する主発熱体
2の外側には1個ずつ、主発熱体2から例えば5μm〜
100μmだけ離れた位置に設けられており、先に述べ
た主発熱体2と同質の電気抵抗材料、例えばTaN系や
TaSiO系の電気抵抗材料により、その電気抵抗値は
例えば主発熱体2の電気抵抗値の25%〜80%に相当
する25Ω〜2000Ωに、また主走査方向の幅W2は
例えば主発熱体2の幅W1の25%〜80%に相当する
50μm〜160μmに、そして副走査方向の長さは主
発熱体2の長さと略等しく設定される。
【0024】前記補助発熱体8には、記録動作時、その
隣に近接して配置されている主発熱体2と同じ画像デー
タが与えられ、主発熱体2の発熱時、その両側に近接配
置させた2個の補助発熱体2も同時に発熱して、補助発
熱体8上のインク7中で補助気泡A'が発生するように
なっている。
【0025】このとき、補助発熱体8に印加される電力
エネルギーは、主発熱体2への印加エネルギーが83m
J/mm2〜215mJ/mm2の場合、例えば38mJ
/mm2〜83mJ/mm2となる。
【0026】そして本形態において重要な点は、上述の
補助発熱体8を、図3に示す如く、主発熱体2の位置よ
りも副走査方向にずらして配置させた点である。
【0027】前記補助発熱体8は、主発熱体2の長さ
(主走査方向の長さ)の10%〜100%に相当する幅
だけ後述するインク7の流動方向下流側にずれて配置さ
れており、主発熱体2の発熱時、補助気泡A'が主気泡
Aよりもインク流動方向の下流側で発生するようになっ
ている。
【0028】尚、前記主発熱体2及び補助発熱体8は、
従来周知の薄膜手法、具体的にはスパッタリング、フォ
トリソグラフィー及びエッチング等によって、前述の電
気抵抗材料を基板1の上面に所定厚み、所定パターンに
被着させることにより形成される。
【0029】また、前記主発熱体2及び補助発熱体8は
窒化珪素等から成る、厚み1.0μm〜15.0μm程
度の保護膜4によって被覆され、該保護膜4によって主
発熱体2や補助発熱体8が後述するインク7の接触によ
る腐食から有効に防止されることとなる。
【0030】そして前記基板1上には、複数個のインク
吐出孔6を有する天板5が、例えば30μm〜600μ
mの間隔を空けて基板1の上面と平行に配置される。
【0031】前記天板5は、主発熱体2の真上に対応す
るインク吐出孔6が位置するように位置合わせされ、図
示しないスペーサを介して基板1上に載置される。
【0032】前記天板5のインク吐出孔6は、インクジ
ェットヘッドの記録動作時、インク滴iを記録紙に向け
て吐出するためのものであり、複数個の主発熱体2と1
対1に対応するようにして主発熱体2と同じ密度で主走
査方向に直線状に配列される。
【0033】尚、前記天板5はMo(モリブデン)等の
金属材料やアルミナセラミックス等のセラミック材料か
ら成り、例えばMoから成る場合、Moのインゴット
(塊)を従来周知の金属加工法によって所定厚みの板体
と成し、得られた板体に従来周知のレーザー加工やエッ
チング加工により直径50μm〜110μmのインク吐
出孔6を複数個、穿設することによって製作される。
【0034】そして更に基板1−天板5間の隙間及びイ
ンク吐出孔6の内部にはインク7が充填され、該インク
7はインク吐出孔6の配列と直交する方向(副走査方
向)に流動するように、図示しない循環ポンプ等によっ
てインクタンクとの間で循環される。
【0035】前記インク7は、全てのインク吐出孔6の
直下領域で流動するようになっており、その流速は、例
えば50μm/sec〜2000μm/secに制御さ
れ、主発熱体2の駆動状態にかかわらず、主発熱体2が
発熱しているときも、発熱していないときも常に略一定
に保たれる。
【0036】尚、前記インク7としては例えば顔料タイ
プの油性インクや水性染料インク等が使用され、該イン
ク7に主発熱体2や補助発熱体8からの熱エネルギーが
印加されると、これら発熱体2,8の近傍でインク7が
急沸し、気泡A,A'が発生するようになっている。
【0037】かくして上述したインクジェットヘッド
は、記録紙を天板5の上面に沿ってインク吐出孔6の配
列方向と直交する方向に搬送しながら、複数個の主発熱
体2と補助発熱体8とを外部からの画像データに基づい
て選択的に発熱させ、この熱エネルギーによって主発熱
体2及び補助発熱体8上でインク7中に気泡A,A'を
発生させるとともに、該発生した気泡A,A'による圧
力でもってインク吐出孔6よりインク滴iを外部に吐出
させ、これを記録紙に付着させることによって所定の画
像が形成される。
【0038】以上のような本形態のインクジェットヘッ
ドにおいては、個々の主発熱体2の主走査方向の両側に
該主発熱体2に近接させて補助発熱体8を配設するよう
にしたことから、主発熱体2の発熱時、その両側に配設
されている補助発熱体8を同時に発熱させて補助発熱体
8上で補助気泡A',A'を発生させることにより、これ
らの補助気泡A',A'に隔壁と同様の機能を持たせて、
主気泡Aが主走査方向に広がろうとするのを抑制するこ
とができる。従って、主気泡Aの圧力はインク吐出孔6
付近のインク7に効率良く伝えられ、インク滴iの吐出
速度を高速に維持して、インク滴iを記録紙の所定位置
に正確に着弾させることが可能となる。
【0039】しかもこの場合、主発熱体2の両側に配置
されている補助発熱体8は主発熱体2よりもインク流動
方向下流側にずれて配置されており、主発熱体2の発熱
時、補助気泡A'が主気泡Aよりもインク流動方向の下
流側で発生するようになっているため、主発熱体2上で
発生する主気泡Aがインク7の流動によって下流側に流
されて傾きそうになるのを補助気泡A'でもって良好に
支持し、インク滴iを天板5の上面に対して略垂直に吐
出させることができるようになる。従って、記録紙に対
するインク滴iの着弾位置がより正確になり、画像デー
タに対応した正確な画像を形成することが可能となる。
【0040】また本形態のインクジェットヘッドにおい
ては、補助発熱体8の主走査方向の幅W2が、主発熱体
2の主走査方向の幅W1の25%〜80%に設定されて
いるため、補助発熱体8の配置に要する基板スペースを
極力狭くして、主発熱体2を主走査方向に高密度に配列
させることができ、画像の解像度を高く維持することが
可能となる。
【0041】更に本形態のインクジェットヘッドにおい
ては、補助発熱体8が、隣接するインク吐出孔6,6間
の領域で天板5の下面と対向するように配置されている
ため、補助発熱体8の熱エネルギーによって発生する補
助気泡A'の圧力が上下方向に大きく分散してしまうこ
とはなく、主気泡Aに対する圧力を高く維持することに
より主気泡Aが主走査方向に広がろうとするのをより有
効に抑制することができる。
【0042】また更に本形態のインクジェットヘッドに
おいては、インク吐出孔6の両側に配されている2個の
補助発熱体8,8の発熱量を個別に制御し得るようにな
しておけば、記録動作時、主発熱体2の両側に配されて
いる補助発熱体8,8への印加電力を個々に調整して補
助気泡A',A'の大きさを可変させることにより、イン
ク滴iの吐出方向を微調整することができる利点があ
る。
【0043】更にまた本形態のインクジェットヘッドに
おいては、基板1及び天板5間に充填されるインク7
が、インク吐出孔6の配列と直交する副走査方向に流動
することから、主発熱体2の熱エネルギーによって発生
した気泡Aによってインク滴iを吐出させた後、基板1
−天板5間にいくつかの細かな気泡が残留したとして
も、これらの残留気泡は基板1−天板5間を流動するイ
ンク7と共にインク吐出孔6の配列と直交する方向に移
動して、次ラインの記録動作が開始されるまでの間に、
主発熱体2とインク吐出孔6との間の領域から速やかに
排除される。従って、次ラインの記録動作に伴い主発熱
体2を再び発熱させて新たな気泡Aを発生させる際、イ
ンク吐出孔6より吐出されるインク滴iの中に細かな残
留気泡が含まれたり、新たに発生した気泡Aと残留気泡
とが合体することにより大きな気泡を形成したりするこ
とは殆どなく、これによりインク7の吐出量を一定とし
て濃度むらの少ない鮮明な画像を形成することが可能と
なる。
【0044】尚、インク7の流動方向を副走査方向以外
の方向、例えばインク吐出孔6の配列と平行な主走査方
向に設定した場合、インク7の流動に伴って残留気泡が
移動する方向には他のインク吐出孔6が多数配置される
こととなるので、全ての残留気泡を主発熱体2とインク
吐出孔6との間の領域から排除するには次ラインの記録
動作が開始されるまでの間にインク7を主走査方向にわ
たって流動させる必要があり、この場合、次ラインの記
録動作を開始するまでに極めて長時間を要し、高速記録
に供しなくなる。従って、残留気泡をインク吐出孔6の
直下より速やかに取り除くにはインク7の流動方向を副
走査方向と合致させておくことが重要である。
【0045】また更に本形態のインクジェットヘッドに
おいては、基板1−天板5間のインク7が全てのインク
吐出孔6の直下領域で流動するようになっている。この
ため、主発熱体2の発した熱等によってインク7中の水
分もしくは油分がインク吐出孔6から多量に蒸発し、イ
ンク吐出孔6内のインク7の粘度が上昇しようとして
も、この部分にはインク吐出孔6の直下を流れるインク
7から水分もしくは油分が順次補給されることによりイ
ンク7が固まってしまうことはなく、インク吐出孔6の
目詰まりを有効に防止することができる。従って、画像
データに対応した正確な画像を形成することができ、イ
ンクジェットヘッドの信頼性を向上させることが可能と
なる。
【0046】更にこの場合、インク吐出孔6の直下領域
を流動するインク7は常に主発熱体2や基板1、或いは
これらを被覆する保護膜4等と常に接していることか
ら、インクジェットヘッドを長時間にわたって使用する
場合に主発熱体2や基板1中に蓄積される熱はその上を
流動するインク7によって良好に吸収され、基板1の温
度が記録動作に適した温度に維持されるようになる。従
って、各ラインの記録動作の間に十分な冷却時間を設け
ることなく、各インク吐出孔6からのインク7の吐出量
を常に略一定となすことができ、濃度むらの少ない鮮明
な画像を高速で記録することが可能となる。
【0047】このようなインク7は、基板1と天板5と
の間を通過した後、一旦、前述のインクタンクに戻っ
て、再度、基板1と天板5との間に供給されるようにな
っており、これによってインク7が基板1−天板5間の
領域とインクタンクとの間を繰り返し循環することとな
る。この場合、基板1−天板5間を流動するインク7が
吸収した熱は、前述の如き循環経路を流動する過程で外
部に放散され、再び基板1−天板5間に供給されるまで
の間に十分に低い温度まで冷却される。
【0048】尚、本発明は上述の形態に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の変更、改良等が可能である。
【0049】例えば上述の形態においては主発熱体間に
補助発熱体8を2個ずつ配置させるようにしたが、これ
に代えて主発熱体間に補助発熱体を1個ずつ配置させる
ようにしても構わない。この場合、補助発熱体8はその
両側に近接する2つの主発熱体2を担当することとなる
ので、隣り合う主発熱体2を同時に駆動することはでき
ず、主発熱体2は1個おきに交互に分割駆動されること
となる。
【0050】また上述した形態において、金属材料やセ
ラミック材料から成る天板5の上面に更にポリイミド樹
脂製のフィルムを被着させておいても構わない。この場
合、前記フィルムには、インク吐出孔6の形成箇所に該
吐出孔6よりも一回り小さなインク吐出孔が形成され、
インク滴iは前記フィルムに設けたインク吐出孔より外
部に吐出されることとなる。
【0051】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドによれ
ば、個々の主発熱体の主走査方向の両側に補助発熱体を
配設するようにしたことから、主発熱体の発熱時、その
両側に配設されている補助発熱体を同時に発熱させて補
助発熱体上で補助気泡を発生させることにより、これら
の補助気泡に隔壁と同様の機能を持たせて、主発熱体上
で発生する主気泡が主走査方向に広がろうとするのを有
効に抑制することができる。従って、主気泡の圧力はイ
ンク吐出孔付近のインクに効率良く伝えられ、インク滴
の吐出速度を高速に維持して、インク滴を記録紙の所定
位置に正確に着弾させることが可能となる。
【0052】しかもこの場合、主発熱体の両側に配置さ
れている補助発熱体は、主発熱体よりもインク流動方向
下流側にずらして配置させてあり、主発熱体の発熱時、
補助気泡が主気泡よりもインク流動方向の下流側で発生
するようになっているため、主発熱体上で発生する主気
泡がインクの流動によって下流側に流されて傾きそうに
なるのを補助気泡でもって良好に支持し、インク滴を天
板の上面に対して略垂直に吐出させることができるよう
になる。従って、記録紙に対するインク滴の着弾位置が
より正確になり、画像データに対応した正確な画像を形
成することが可能となる。
【0053】また本発明のインクジェットヘッドにおい
ては、補助発熱体の主走査方向の幅W2を、主発熱体の
主走査方向の幅W1の25%〜80%に設定することに
より、補助発熱体の配置に要する基板スペースを極力狭
くして、主発熱体を主走査方向に高密度に配列させるこ
とができ、画像の解像度を高く維持することが可能とな
る。
【0054】更に本発明のインクジェットヘッドにおい
ては、補助発熱体を、隣接するインク吐出孔間の領域で
天板の下面と対向するように配置させておくことによ
り、補助発熱体の熱エネルギーによって発生する補助気
泡の圧力が上下方向に大きく分散してしまうことはな
く、主発熱体上で発生する主気泡が主走査方向に広がろ
うとするのをより有効に抑制することができる。
【0055】また更に本発明のインクジェットヘッドに
おいては、インク吐出孔の両側に配されている2個の補
助発熱体の発熱量を個別に制御し得るようになしておく
ことにより、記録動作時、主発熱体の両側に配されてい
る補助発熱体への印加電力を個々に調整して補助発熱体
上で発生する補助気泡の大きさを可変させることによ
り、インク滴の吐出方向を微調整し、インク滴をより正
確な位置に着弾させることができるようになる。
【0056】更にまた本発明のインクジェットヘッドに
おいては、基板及び天板間に充填されるインクが、イン
ク吐出孔の配列と直交する方向に流動するように循環さ
れるようになっていることから、主発熱体の熱エネルギ
ーによって発生した主気泡によってインク滴を吐出させ
た後、基板−天板間にいくつかの細かな気泡が残留した
としても、これらの気泡は基板−天板間を流動するイン
クと共にインク吐出孔の配列と直交する方向に移動し
て、次ラインの記録動作が開始されるまでの間に、主発
熱体とインク吐出孔との間の領域から速やかに排除され
る。従って、次ラインの記録動作に伴い主発熱体を再び
発熱させて新たな気泡を発生させる際、インク吐出孔よ
り吐出されるインク滴の中に細かな気泡が含まれたり、
新たに発生した気泡と残留気泡とが合体することにより
大きな気泡を形成したりすることは殆どなく、これによ
りインクの吐出量を一定として濃度むらの少ない良好な
画像を形成することが可能となる。
【0057】また更に本発明のインクジェットヘッドに
おいては、基板−天板間のインクが全てのインク吐出孔
の直下領域で流動するようになしておくことにより、主
発熱体の発した熱等によってインク中の水分もしくは油
分がインク吐出孔から多量に蒸発し、インク吐出孔内の
インクの粘度が上昇しようとしても、この部分にはイン
ク吐出孔の直下を流れるインクから水分もしくは油分が
順次補給されることによりインクが固まってしまうこと
はなく、インク吐出孔の目詰まりを有効に防止すること
ができる。従って、画像データに対応した正確な画像を
形成することができ、インクジェットヘッドの信頼性を
向上させることが可能となる。
【0058】更にこの場合、インク吐出孔の直下領域を
流動するインクは常に主発熱体や基板、或いはこれらを
被覆する保護膜等と常に接していることから、インクジ
ェットヘッドを長時間にわたって使用する場合に主発熱
体や基板中に蓄積される熱はその上を流動するインクに
よって良好に吸収され、基板の温度が記録動作に適した
温度に維持されるようになる。従って、各ラインの記録
動作の間に十分な冷却時間を設けることなく、各インク
吐出孔からのインクの吐出量を常に略一定となすことが
でき、濃度むらの少ない鮮明な画像を高速で記録するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態に係るインクジェットヘッドの
分解斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの主走査方向にか
かる断面図である。
【図3】図1のインクジェットヘッドの主発熱体2と補
助発熱体8の位置関係を示す平面図である。
【図4】従来のインクジェットヘッドの主走査方向にか
かる断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板、2・・・主発熱体、5・・・天板、6・
・・インク吐出孔、7・・・インク、8・・・補助発熱

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主走査方向に配列した複数個の主発熱体を
    有する基板上に、複数個のインク吐出孔を有する天板
    を、各インク吐出孔が対応する主発熱体の上方に位置す
    るようにして所定の間隔を空けて配置させるとともに、
    前記基板−天板間に形成される隙間及びインク吐出孔内
    にインクを充填してなり、該インクを主走査方向と直交
    する副走査方向に流動させながら前記主発熱体を選択的
    に発熱させて主発熱体上のインク中で気泡を発生させる
    とともに該発生した気泡の圧力によって前記インクの一
    部をインク吐出孔より吐出させて画像を形成するインク
    ジェットヘッドにおいて、 前記基板上で個々の主発熱体の主走査方向の両側に該主
    発熱体に近接させて補助発熱体を配設するとともに、こ
    れら補助発熱体を主発熱体よりもインク流動方向下流側
    にずらして位置させたことを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  2. 【請求項2】前記主発熱体の発熱時、その両側に配設さ
    れている補助発熱体を同時に発熱させて補助発熱体上で
    も気泡を発生させるようにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】前記補助発熱体の主走査方向の幅W2が、
    前記主発熱体の主走査方向の幅W1の25%〜80%に
    設定されていることを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェットヘッド。
  4. 【請求項4】前記補助発熱体が、隣接するインク吐出孔
    間の領域に天板の下面と対向して配置されていることを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】前記主発熱体の両側に配設されている2個
    の補助発熱体の発熱量を個別に制御し得るように、個々
    の補助発熱体への印加電力を調整することを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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