JP2002031040A - 液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造 - Google Patents
液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造Info
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- JP2002031040A JP2002031040A JP2000211494A JP2000211494A JP2002031040A JP 2002031040 A JP2002031040 A JP 2002031040A JP 2000211494 A JP2000211494 A JP 2000211494A JP 2000211494 A JP2000211494 A JP 2000211494A JP 2002031040 A JP2002031040 A JP 2002031040A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 潤滑性が乏しく腐食性のある作動流体を用い
るに好適な液圧ピストンポンプ・モー夕摺動部の表面処
理構造を提供する。 【解決手段】 ピストン1(およびまたは、シュー2)
の材質を耐腐食性のステンレス鋼またはステンレス合金
とし、シリンダ内面との摺動部10aとピストン球部1
aの摺動面10bにDLC(Diamond Like
Carbon)薄膜11(シュー2では斜板3との摺
動面2bに薄膜12a)をコーティングする。このDL
C薄膜11,12aは、炭素元素から構成され緻密なア
モルファス構造を有し、PVD処理あるいはCVD処理
により厚さ1〜5μm程度で基材に付着させる。耐腐食性
のステンレス鋼またはステンレス合金を基材とするた
め、DLC薄膜11,12aのコーティングのない部分
が腐食性の作動流体にさらされても、錆の発生が防止で
きる。
るに好適な液圧ピストンポンプ・モー夕摺動部の表面処
理構造を提供する。 【解決手段】 ピストン1(およびまたは、シュー2)
の材質を耐腐食性のステンレス鋼またはステンレス合金
とし、シリンダ内面との摺動部10aとピストン球部1
aの摺動面10bにDLC(Diamond Like
Carbon)薄膜11(シュー2では斜板3との摺
動面2bに薄膜12a)をコーティングする。このDL
C薄膜11,12aは、炭素元素から構成され緻密なア
モルファス構造を有し、PVD処理あるいはCVD処理
により厚さ1〜5μm程度で基材に付着させる。耐腐食性
のステンレス鋼またはステンレス合金を基材とするた
め、DLC薄膜11,12aのコーティングのない部分
が腐食性の作動流体にさらされても、錆の発生が防止で
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ピストンポン
プ・モータ摺動部の表面処理構造に関するものであり、
特に、潤滑性が乏しく腐食性のある作動流体を用いる場
合に好適な液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処
理構造に関するものである。
プ・モータ摺動部の表面処理構造に関するものであり、
特に、潤滑性が乏しく腐食性のある作動流体を用いる場
合に好適な液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処
理構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、斜板式の液圧ピストンポンプ・
モータとしては、図11のように構成されている。図11
において、駆動軸107により回転するシリンダブロッ
ク105には、同一円周上に等間隔に複数のシリンダ1
05bが形成され、このシリンダ105bには軸方向に
往復動するピストン101が収装される。ピストン10
1の先端にはピストン球部101aが形成され、このピ
ストン球部101aはシュー102に設けた球状穴10
2aに回動自在に嵌合している。シュー102は摺動面
102bにより斜板103に摺接しながらシリンダブロ
ック105とともに回転する。ピストン球部101aお
よびシュー102の摺動面102bにはピストン101
内部の通路101cを介して作動液圧が導入され、シュ
ー102の球状穴102aとピストン球部101aとの
間およびシュー102の摺動面102bと斜板103と
の間には静圧軸受が形成され、両者間の固体接触面圧を
低減している。斜板103はシリンダブロック105の
回転中心に対して所定の角度で傾斜した状態で図示しな
いハウジングに、固定され、あるいは可変式では傾斜角
度がアクチュエータで変化するようにされ、シリンダブ
ロック105の背面は一対のポート104d,104e
をもつ弁板104に摺接するよう構成されている。
モータとしては、図11のように構成されている。図11
において、駆動軸107により回転するシリンダブロッ
ク105には、同一円周上に等間隔に複数のシリンダ1
05bが形成され、このシリンダ105bには軸方向に
往復動するピストン101が収装される。ピストン10
1の先端にはピストン球部101aが形成され、このピ
ストン球部101aはシュー102に設けた球状穴10
2aに回動自在に嵌合している。シュー102は摺動面
102bにより斜板103に摺接しながらシリンダブロ
ック105とともに回転する。ピストン球部101aお
よびシュー102の摺動面102bにはピストン101
内部の通路101cを介して作動液圧が導入され、シュ
ー102の球状穴102aとピストン球部101aとの
間およびシュー102の摺動面102bと斜板103と
の間には静圧軸受が形成され、両者間の固体接触面圧を
低減している。斜板103はシリンダブロック105の
回転中心に対して所定の角度で傾斜した状態で図示しな
いハウジングに、固定され、あるいは可変式では傾斜角
度がアクチュエータで変化するようにされ、シリンダブ
ロック105の背面は一対のポート104d,104e
をもつ弁板104に摺接するよう構成されている。
【0003】駆動軸107によりシリンダブロック10
5が回転すると、シュー102を介して斜板103と接
触するピストン101は、シリンダブロック105の一
回転に付き一往復し、例えば、弁板104の一方のポー
ト104eから作動液を吸い込み、他方のポート104
dから作動液を吐出する。
5が回転すると、シュー102を介して斜板103と接
触するピストン101は、シリンダブロック105の一
回転に付き一往復し、例えば、弁板104の一方のポー
ト104eから作動液を吸い込み、他方のポート104
dから作動液を吐出する。
【0004】このような斜板式の液圧ピストンポンプ・
モータにあっては、ピストン101の往復動に伴って以
下に述べる種々の作用力が働く。すなわち、図におい
て、今、ピストン101が伸び出した状態から圧縮方向
に動き始め、流体を吐出するときには、シリンダ105
b内に吐出通路側の負荷に応じて高い流体圧力が発生す
る。この流体圧力によるピストン101軸方向の力をF
1とすると、ピストン101はこのF1によって斜板1
03に強く押付けられ、斜板103はその摺動面に垂直
な方向の反力F2により力F1に対抗する。この力F2
の方向は斜板103の傾斜角度分ピストン101の往復
方向と異なるため、ピストン101を摺動させるシリン
ダ105b内周面との間において、嵌合両端に往復方向
と垂直な偶力F3,F4を発生させる。この偶力F3,
F4はピストン101外周面とシリンダ105b内周面
との間に摺動面圧を発生させ、両者間に焼付きおよび摩
耗を発生させる原因となる。
モータにあっては、ピストン101の往復動に伴って以
下に述べる種々の作用力が働く。すなわち、図におい
て、今、ピストン101が伸び出した状態から圧縮方向
に動き始め、流体を吐出するときには、シリンダ105
b内に吐出通路側の負荷に応じて高い流体圧力が発生す
る。この流体圧力によるピストン101軸方向の力をF
1とすると、ピストン101はこのF1によって斜板1
03に強く押付けられ、斜板103はその摺動面に垂直
な方向の反力F2により力F1に対抗する。この力F2
の方向は斜板103の傾斜角度分ピストン101の往復
方向と異なるため、ピストン101を摺動させるシリン
ダ105b内周面との間において、嵌合両端に往復方向
と垂直な偶力F3,F4を発生させる。この偶力F3,
F4はピストン101外周面とシリンダ105b内周面
との間に摺動面圧を発生させ、両者間に焼付きおよび摩
耗を発生させる原因となる。
【0005】このピストン摺動部の耐焼付き性、耐摩耗
性を改善する表面処理構造として、従来、例えば、実開
昭64−13280号公報に記載されたものがある。
性を改善する表面処理構造として、従来、例えば、実開
昭64−13280号公報に記載されたものがある。
【0006】この従来例によれば、窒化処理等により高
硬度化した鋼製のピストンの摺動部に物理蒸着(PV
D)により超硬質物、例えば、炭化物SiC等、窒化物
TiN等、または酸化物Al2O3等をコーティングして
硬質皮膜とし、ピストンとシリンダ間の耐焼付き性、耐
摩耗性を改善したものである。
硬度化した鋼製のピストンの摺動部に物理蒸着(PV
D)により超硬質物、例えば、炭化物SiC等、窒化物
TiN等、または酸化物Al2O3等をコーティングして
硬質皮膜とし、ピストンとシリンダ間の耐焼付き性、耐
摩耗性を改善したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、作動流体として、潤滑性が乏しく腐食性のあ
る作動流体を用いる場合には、以下に述べる不具合を生
ずる。 1.ピストンの超硬質皮膜をコーティングしている摺動
部では超硬質皮膜自体が耐腐食性を有しているため、錆
は発生しない。しかし、摺動部以外のコーティングされ
ていないピストンの外表面も腐食性のある作動流体にさ
らされることから、錆の発生を防止し得ない。そして、
この錆が摺動部に入り込みコーティングした薄膜を剥離
させ、ポンプ・モータの動作不良を惹き起す問題点があ
った。 2.更に、この超硬質皮膜はPVD(Physical
Vapor Deposition、物理的気相成長
法)処理によりピストン表面に付着させているが、内部
例えば穴の中や窪みの奥まで均一な厚さの薄膜を形成す
ることは難しい。したがって、部品全体を包み込むよう
耐腐食性のある超硬質皮膜を形成して腐食性のある作動
流体に適応させることは製造コストを高額とする問題点
があった。
来例では、作動流体として、潤滑性が乏しく腐食性のあ
る作動流体を用いる場合には、以下に述べる不具合を生
ずる。 1.ピストンの超硬質皮膜をコーティングしている摺動
部では超硬質皮膜自体が耐腐食性を有しているため、錆
は発生しない。しかし、摺動部以外のコーティングされ
ていないピストンの外表面も腐食性のある作動流体にさ
らされることから、錆の発生を防止し得ない。そして、
この錆が摺動部に入り込みコーティングした薄膜を剥離
させ、ポンプ・モータの動作不良を惹き起す問題点があ
った。 2.更に、この超硬質皮膜はPVD(Physical
Vapor Deposition、物理的気相成長
法)処理によりピストン表面に付着させているが、内部
例えば穴の中や窪みの奥まで均一な厚さの薄膜を形成す
ることは難しい。したがって、部品全体を包み込むよう
耐腐食性のある超硬質皮膜を形成して腐食性のある作動
流体に適応させることは製造コストを高額とする問題点
があった。
【0008】そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされ
たもので、潤滑性が乏しく腐食性のある流体を作動流体
として用いる場合にあっても好適な液圧ピストンポンプ
・モー夕摺動部の表面処理構造を提供することを目的と
する。
たもので、潤滑性が乏しく腐食性のある流体を作動流体
として用いる場合にあっても好適な液圧ピストンポンプ
・モー夕摺動部の表面処理構造を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、軸回りに
回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブ
ロックに往復動自在に収装された複数のピストンと、前
記ピストンの先端を球面もしくは平面で摺接して支持す
るシューと、シリンダブロックの背面に摺接し一対のポ
ートを持つ弁板とを備えた液圧ピストンポンプ・モータ
において、液圧ピストンポンプ・モータの摺動部材をス
テンレス鋼もしくはステンレス合金により形成し、その
摺動面にDLC薄膜をコーティングしてなることを特徴
とする。
回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブ
ロックに往復動自在に収装された複数のピストンと、前
記ピストンの先端を球面もしくは平面で摺接して支持す
るシューと、シリンダブロックの背面に摺接し一対のポ
ートを持つ弁板とを備えた液圧ピストンポンプ・モータ
において、液圧ピストンポンプ・モータの摺動部材をス
テンレス鋼もしくはステンレス合金により形成し、その
摺動面にDLC薄膜をコーティングしてなることを特徴
とする。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、前記
ピストンをピストン軸心と直交する面でシューに設けた
平滑面に当接させ、前記シリンダブロックの回転軸に対
して相対的に傾いた軸回りに回転するリング部材が前記
シューを球面支持し、前記シリンダブロックとリング部
材とを回転伝達機構により同期回転させるよう構成した
液圧ピストンポンプ・モータであることを特徴とする。
ピストンをピストン軸心と直交する面でシューに設けた
平滑面に当接させ、前記シリンダブロックの回転軸に対
して相対的に傾いた軸回りに回転するリング部材が前記
シューを球面支持し、前記シリンダブロックとリング部
材とを回転伝達機構により同期回転させるよう構成した
液圧ピストンポンプ・モータであることを特徴とする。
【0011】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記ステンレス鋼もしくはステンレス合金で形成
される摺動部材は、摺動面の少なくとも表面部が硬化処
理され、硬化処理された表面にDLC薄膜をコーティン
グしてなることを特徴とする。
いて、前記ステンレス鋼もしくはステンレス合金で形成
される摺動部材は、摺動面の少なくとも表面部が硬化処
理され、硬化処理された表面にDLC薄膜をコーティン
グしてなることを特徴とする。
【0012】第4の発明は、第1ないし第3の発明のい
ずれか一つにおいて、前記ステンレス鋼もしくはステン
レス合金で形成される摺動部材は、摺動面にCr、S
i、Ti、Zr、Ge、Ru、Mo、Wのうちの一種以
上あるいはこれらに炭素、窒素及び酸素のうちの少なく
とも1種の元素を含む中間層をコーティングし、その中
間層表面にDLC薄膜をコーティングしてなることを特
徴とする。
ずれか一つにおいて、前記ステンレス鋼もしくはステン
レス合金で形成される摺動部材は、摺動面にCr、S
i、Ti、Zr、Ge、Ru、Mo、Wのうちの一種以
上あるいはこれらに炭素、窒素及び酸素のうちの少なく
とも1種の元素を含む中間層をコーティングし、その中
間層表面にDLC薄膜をコーティングしてなることを特
徴とする。
【0013】第5の発明は、第4の発明において、前記
中間層は、その組成がDLC薄膜と同じ構成の組成を一
部含んでなり、DLC組成の割合は前記ステンレス鋼も
しくはステンレス合金よりなる基材に近い側では中間層
の組成とし、DLC薄膜に接近するにしたがい中間層の
組成の割合を減じDLC組成の割合を増加させるもので
あることを特徴とする。
中間層は、その組成がDLC薄膜と同じ構成の組成を一
部含んでなり、DLC組成の割合は前記ステンレス鋼も
しくはステンレス合金よりなる基材に近い側では中間層
の組成とし、DLC薄膜に接近するにしたがい中間層の
組成の割合を減じDLC組成の割合を増加させるもので
あることを特徴とする。
【0014】第6の発明は、第1ないし第5の発明のい
ずれか一つにおいて、前記摺動部材は、シリンダブロッ
クとシューに摺接するピストン、ピストンを支持するシ
ュー、シリンダブロックに摺接する弁板、弁板に摺接す
るシリンダブロックの内少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする。
ずれか一つにおいて、前記摺動部材は、シリンダブロッ
クとシューに摺接するピストン、ピストンを支持するシ
ュー、シリンダブロックに摺接する弁板、弁板に摺接す
るシリンダブロックの内少なくともいずれか一つである
ことを特徴とする。
【0015】第7の発明は、第2ないし第6の発明のい
ずれか一つにおいて、前記摺動部材は、リング部材と摺
接するシュー、軸回りの案内面に摺接するリング部材、
およびリング部材に背面より摺接するスラストプレート
の内少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
ずれか一つにおいて、前記摺動部材は、リング部材と摺
接するシュー、軸回りの案内面に摺接するリング部材、
およびリング部材に背面より摺接するスラストプレート
の内少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0016】第8の発明は、第2ないし第7の発明のい
ずれか一つにおいて、前記回転伝達機構は、リング部材
側に結合された継ぎ手とシリンダブロック側に結合され
た継ぎ手とを連結して構成され、摺動部材は、この継ぎ
手を構成する部材であることを特徴とする。
ずれか一つにおいて、前記回転伝達機構は、リング部材
側に結合された継ぎ手とシリンダブロック側に結合され
た継ぎ手とを連結して構成され、摺動部材は、この継ぎ
手を構成する部材であることを特徴とする。
【0017】
【作用】したがって、第1の発明は、摺動部材の基材に
耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステンレス合金
を用いるため、DLC薄膜をコーティングしていない摺
動部材の表面が腐食性のある作動流体にさらされても錆
の発生を防止できる。
耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステンレス合金
を用いるため、DLC薄膜をコーティングしていない摺
動部材の表面が腐食性のある作動流体にさらされても錆
の発生を防止できる。
【0018】また、摺動部材の摺動面にはDLC(Di
amond Like Carbon)薄膜がコーティ
ングされているため、滑り性が良く耐焼付き性および耐
摩耗性を向上できる。
amond Like Carbon)薄膜がコーティ
ングされているため、滑り性が良く耐焼付き性および耐
摩耗性を向上できる。
【0019】第2の発明では、ピストンをピストン軸心
と直交する面でシューに設けた平滑面に当接させ、シリ
ンダブロックの回転軸に対して相対的に傾いた軸回りに
回転するリング部材がシューを球面支持し、シリンダブ
ロックとリング部材とを回転伝達機構により同期回転さ
せるよう構成した液圧ピストンポンプ・モータの摺動部
材にDLC薄膜をコーティングすることにより、更に高
圧で作動させる場合にあっても低コストの高圧ポンプ・
モータとして利用することができる。
と直交する面でシューに設けた平滑面に当接させ、シリ
ンダブロックの回転軸に対して相対的に傾いた軸回りに
回転するリング部材がシューを球面支持し、シリンダブ
ロックとリング部材とを回転伝達機構により同期回転さ
せるよう構成した液圧ピストンポンプ・モータの摺動部
材にDLC薄膜をコーティングすることにより、更に高
圧で作動させる場合にあっても低コストの高圧ポンプ・
モータとして利用することができる。
【0020】第3の発明では、DLC薄膜をコーティン
グする基材表面を硬化処理して、その弾性変形を抑えて
いるため、硬質のDLC薄膜に加わる変形を抑制して、
その割れや剥離を生じない強固な摺動面を形成でき、耐
焼付き性、耐磨耗性および低摩擦係数を得ることができ
る。
グする基材表面を硬化処理して、その弾性変形を抑えて
いるため、硬質のDLC薄膜に加わる変形を抑制して、
その割れや剥離を生じない強固な摺動面を形成でき、耐
焼付き性、耐磨耗性および低摩擦係数を得ることができ
る。
【0021】第4の発明では、前記DLC薄膜とピスト
ン基材との間にピストン基材と密着力の高い中間層を形
成しているため、DLC薄膜の剥離を防止することがで
きる。即ち、DLC薄膜の線膨張係数はステンレス基材
の線膨張係数よりも相対的に小さい。このため、摺動面
で摩擦熱が発生するとステンレス基材とDLC薄膜との
熱膨張差でDLC薄膜に割れが発生し、ひいては、DL
C薄膜が剥離する。しかし、この発明では中間層のステ
ンレス基材に対する密着力を高めているためDLC薄膜
に割れおよび剥離を防止できる。
ン基材との間にピストン基材と密着力の高い中間層を形
成しているため、DLC薄膜の剥離を防止することがで
きる。即ち、DLC薄膜の線膨張係数はステンレス基材
の線膨張係数よりも相対的に小さい。このため、摺動面
で摩擦熱が発生するとステンレス基材とDLC薄膜との
熱膨張差でDLC薄膜に割れが発生し、ひいては、DL
C薄膜が剥離する。しかし、この発明では中間層のステ
ンレス基材に対する密着力を高めているためDLC薄膜
に割れおよび剥離を防止できる。
【0022】第5の発明では、中間層内にDLC薄膜と
同じ構成の組成がDLC薄膜から内層に向かって拡散し
ているので、中間層とDLC皮膜との間の密着力を増大
させ、全体的にDLC薄膜の剥離強度をさらに高くでき
る。
同じ構成の組成がDLC薄膜から内層に向かって拡散し
ているので、中間層とDLC皮膜との間の密着力を増大
させ、全体的にDLC薄膜の剥離強度をさらに高くでき
る。
【0023】第6の発明では、シリンダブロックとシュ
ーに摺接するピストンの摺動面にDLC薄膜をコーティ
ングした場合にはシリンダおよびシューとの滑り性が向
上し焼付け等を生じない。また、ピストンおよび斜板に
摺接するシューの摺動面にDLC薄膜をコーティングし
た場合にはピストンおよび斜板との滑り性が向上し焼付
けや異常摩耗を防止できる。さらに、シリンダブロック
に摺接する弁板、およびまたは、弁板に摺接するシリン
ダブロックにDLC薄膜をコーティングした場合にはシ
リンダブロックと弁板との滑り性が向上し焼付け等を生
じない。
ーに摺接するピストンの摺動面にDLC薄膜をコーティ
ングした場合にはシリンダおよびシューとの滑り性が向
上し焼付け等を生じない。また、ピストンおよび斜板に
摺接するシューの摺動面にDLC薄膜をコーティングし
た場合にはピストンおよび斜板との滑り性が向上し焼付
けや異常摩耗を防止できる。さらに、シリンダブロック
に摺接する弁板、およびまたは、弁板に摺接するシリン
ダブロックにDLC薄膜をコーティングした場合にはシ
リンダブロックと弁板との滑り性が向上し焼付け等を生
じない。
【0024】第7の発明では、リング部材と摺接するシ
ューにDLC薄膜をコーティングした場合にはリング部
材とシューとの滑り性が向上し焼付け等を生じない。ま
た、軸回りの案内面に摺接するリング部材、または、リ
ング部材に背面より摺接するスラストプレートにDLC
薄膜をコーティングした場合にはリング部材の滑り性が
向上し焼付け等を生じない。
ューにDLC薄膜をコーティングした場合にはリング部
材とシューとの滑り性が向上し焼付け等を生じない。ま
た、軸回りの案内面に摺接するリング部材、または、リ
ング部材に背面より摺接するスラストプレートにDLC
薄膜をコーティングした場合にはリング部材の滑り性が
向上し焼付け等を生じない。
【0025】第8の発明では、2個の継ぎ手の摺動面に
DLC薄膜をコーティングした場合には継ぎ手の係合部
の磨耗を防止できその耐久性を向上できる。
DLC薄膜をコーティングした場合には継ぎ手の係合部
の磨耗を防止できその耐久性を向上できる。
【0026】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施態様を添付図
面に基づいて説明する。
面に基づいて説明する。
【0027】図1は、本発明の第1の実施態様を示し、
本発明の表面処理構造を液圧ピストンポンプ・モータの
摺動部材であるピストンおよびシューに適用した例であ
る。
本発明の表面処理構造を液圧ピストンポンプ・モータの
摺動部材であるピストンおよびシューに適用した例であ
る。
【0028】図1において、1はピストンを示し、先端
にはピストン球部1aが一体に形成され、内部に基部1
bからピストン球部1aに達する通路1cを有する。2
はピストン球部1aを受入れる球状穴2aと斜板3に接
する摺動面2bを有するシューで、摺動面2bは凹部2
cを有しこの凹部2cは通路2gにより球状穴2a底部
と連通している。そして、シュー2の球状穴2a内にピ
ストン1のピストン球部1aを受入れた状態で球状穴2
aの縁をかしめることで両者は組立てられる。そして、
シュー2の摺動面2bの凹部2cと斜板3との間に通路
1cおよび通路2gを介してシリンダ内圧を導入するこ
とで静圧軸受を形成して両者間の固体接触面圧を低減し
ている。
にはピストン球部1aが一体に形成され、内部に基部1
bからピストン球部1aに達する通路1cを有する。2
はピストン球部1aを受入れる球状穴2aと斜板3に接
する摺動面2bを有するシューで、摺動面2bは凹部2
cを有しこの凹部2cは通路2gにより球状穴2a底部
と連通している。そして、シュー2の球状穴2a内にピ
ストン1のピストン球部1aを受入れた状態で球状穴2
aの縁をかしめることで両者は組立てられる。そして、
シュー2の摺動面2bの凹部2cと斜板3との間に通路
1cおよび通路2gを介してシリンダ内圧を導入するこ
とで静圧軸受を形成して両者間の固体接触面圧を低減し
ている。
【0029】前記ピストン1とシュー2との球状の連結
部の構成は上記例に限られず、例えば、図2に示す構造
も可能である。即ち、図2において、ピストン1の先端
に球状穴1eを形成すると共にシュー2に球状部2hを
一体に形成する。そして、ピストン1の球状穴1e内に
シュー2の球状部2hを受入れた状態で球状穴1eの縁
をかしめることで両者は組立てられる。
部の構成は上記例に限られず、例えば、図2に示す構造
も可能である。即ち、図2において、ピストン1の先端
に球状穴1eを形成すると共にシュー2に球状部2hを
一体に形成する。そして、ピストン1の球状穴1e内に
シュー2の球状部2hを受入れた状態で球状穴1eの縁
をかしめることで両者は組立てられる。
【0030】このピストン1の材質は、耐腐食性が得ら
れるステンレス鋼またはステンレス合金であり、図1で
は図示しないシリンダ内と摺動する摺動部10aとピス
トン球部1aの摺動面10bには基材表面の粗さを研磨
などによりできるだけ小さく滑らかにし、DLC(Di
amond Like Carbon)薄膜11をコー
ティングする。 また、シュー2の材質は、ピストン1
と同様に耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金であり、その斜板3と接する摺動面2bには基
材表面の粗さを研磨等によりできるだけ小さく滑らかに
し、DLC(Diamond Like Carbo
n)薄膜12aをコーティングしている。
れるステンレス鋼またはステンレス合金であり、図1で
は図示しないシリンダ内と摺動する摺動部10aとピス
トン球部1aの摺動面10bには基材表面の粗さを研磨
などによりできるだけ小さく滑らかにし、DLC(Di
amond Like Carbon)薄膜11をコー
ティングする。 また、シュー2の材質は、ピストン1
と同様に耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金であり、その斜板3と接する摺動面2bには基
材表面の粗さを研磨等によりできるだけ小さく滑らかに
し、DLC(Diamond Like Carbo
n)薄膜12aをコーティングしている。
【0031】図2では、ピストン1の図示しないシリン
ダ内と摺動する摺動部10aは、基材表面の粗さをでき
るだけ小さく滑らかにし、DLC薄膜をコーティングす
る。また、シュー2の球部2hの摺動面2iも、表面の
粗さをできるだけ小さく滑らかとし、DLC薄膜12b
をコーティングする。
ダ内と摺動する摺動部10aは、基材表面の粗さをでき
るだけ小さく滑らかにし、DLC薄膜をコーティングす
る。また、シュー2の球部2hの摺動面2iも、表面の
粗さをできるだけ小さく滑らかとし、DLC薄膜12b
をコーティングする。
【0032】このDLC(Diamond Like
Carbon)薄膜11,12a,12bは、炭化物S
iC等、窒化物TiN等、酸化物Al2O3等の超硬質皮
膜と比較して、硬度が高く低摩擦係数が得られ耐摩耗性
に優れ摺動特性に優れている。このDLC薄膜11,1
2a,12bはダイヤモンドやグラファイトと同様に炭
素元素から構成され緻密なアモルファス構造を有し、P
VD(Physical Vapor Deposit
ion、物理的気相成長法)処理あるいはCVD(Ch
emical Vapor Deposition、化
学的気相成長法)処理により厚さ1〜5μm程度で基材に
付着させる。
Carbon)薄膜11,12a,12bは、炭化物S
iC等、窒化物TiN等、酸化物Al2O3等の超硬質皮
膜と比較して、硬度が高く低摩擦係数が得られ耐摩耗性
に優れ摺動特性に優れている。このDLC薄膜11,1
2a,12bはダイヤモンドやグラファイトと同様に炭
素元素から構成され緻密なアモルファス構造を有し、P
VD(Physical Vapor Deposit
ion、物理的気相成長法)処理あるいはCVD(Ch
emical Vapor Deposition、化
学的気相成長法)処理により厚さ1〜5μm程度で基材に
付着させる。
【0033】本例では、ピストン1およびシュー2の基
材として耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金を用いており、DLC薄膜11,12a,12
bによるコーティングをしていない部分が腐食性のある
作動流体にさらされても、錆の発生が防止できる。
材として耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金を用いており、DLC薄膜11,12a,12
bによるコーティングをしていない部分が腐食性のある
作動流体にさらされても、錆の発生が防止できる。
【0034】しかも、本例のピストン1は、図示しない
シリンダ内を摺動する摺動部10aと、ピストン球部の
摺動面10bあるいはシュー球部2hの摺動面2iには
DLC(Diamond Like Carbon)薄
膜11,12bがコーティングされているため、シリン
ダ内周面およびシュー2との滑り性が良い。したがっ
て、シリンダ内や球状部にブッシュ等を設けなくとも、
充分な滑り性を得られ、焼付く心配がない。
シリンダ内を摺動する摺動部10aと、ピストン球部の
摺動面10bあるいはシュー球部2hの摺動面2iには
DLC(Diamond Like Carbon)薄
膜11,12bがコーティングされているため、シリン
ダ内周面およびシュー2との滑り性が良い。したがっ
て、シリンダ内や球状部にブッシュ等を設けなくとも、
充分な滑り性を得られ、焼付く心配がない。
【0035】また、本例のシュー2は、その斜板3と接
する摺動面2bにDLC(Diamond Like
Carbon)薄膜12aがコーティングされているた
め、斜板3との滑り性が良い。したがって、前記静圧軸
受の機能が低下して両者間の固体接触面圧が高くなった
としてもシュー2の異常摩耗を生じさせない。前記静圧
軸受の機能が低下する場合とは、例えば、ピストン1が
吸込工程から吐出工程に移行するとき、および、吐出工
程から吸込行程に移行するとき、前記静圧軸受に導入し
ている液圧が急激に変化しシュー2と斜板3との接触状
態を不安定なものとなる場合がある。
する摺動面2bにDLC(Diamond Like
Carbon)薄膜12aがコーティングされているた
め、斜板3との滑り性が良い。したがって、前記静圧軸
受の機能が低下して両者間の固体接触面圧が高くなった
としてもシュー2の異常摩耗を生じさせない。前記静圧
軸受の機能が低下する場合とは、例えば、ピストン1が
吸込工程から吐出工程に移行するとき、および、吐出工
程から吸込行程に移行するとき、前記静圧軸受に導入し
ている液圧が急激に変化しシュー2と斜板3との接触状
態を不安定なものとなる場合がある。
【0036】なお、DLC(Diamond Like
Carbon)薄膜11,12a,12bをコーティ
ングする際、コーティングされるべき基材表面の粗さを
研磨等によりできるだけ小さく滑らかにするのは、DL
C薄膜11,12a,12bの密着力を向上させるため
である。
Carbon)薄膜11,12a,12bをコーティ
ングする際、コーティングされるべき基材表面の粗さを
研磨等によりできるだけ小さく滑らかにするのは、DL
C薄膜11,12a,12bの密着力を向上させるため
である。
【0037】また、本例にあっては、ピストンの摺動面
10a,10bとシューの摺動面2bあるいは、ピスト
ン1の摺動面10aとシュー2の摺動面2a,2bの全
てにDLC(Diamond Like Carbo
n)薄膜をコーティングした例を示したが、いずれか一
箇所のみでも実施でき、一箇所の実施のみでも本発明の
目的を達成できるものである。
10a,10bとシューの摺動面2bあるいは、ピスト
ン1の摺動面10aとシュー2の摺動面2a,2bの全
てにDLC(Diamond Like Carbo
n)薄膜をコーティングした例を示したが、いずれか一
箇所のみでも実施でき、一箇所の実施のみでも本発明の
目的を達成できるものである。
【0038】図3から図6に示す例は、摺動部材として
のシリンダブロックと弁板との摺動部に本発明を適用し
た例である。
のシリンダブロックと弁板との摺動部に本発明を適用し
た例である。
【0039】図3および図4において、4は弁板を示
し、図示しないシリンダブロックと接触する摺動面4a
には同一円周上に弁として機能する円弧状に延びる溝4
b,4cが形成され、これらの溝4b,4cはポート4
d,4eによって弁板4の背面に通じている。なお、4
fは図示しない回転防止用ピンを受入れる貫通穴であ
る。
し、図示しないシリンダブロックと接触する摺動面4a
には同一円周上に弁として機能する円弧状に延びる溝4
b,4cが形成され、これらの溝4b,4cはポート4
d,4eによって弁板4の背面に通じている。なお、4
fは図示しない回転防止用ピンを受入れる貫通穴であ
る。
【0040】この弁板4の材質を、耐腐食性が得られる
ステンレス鋼またはステンレス合金とし、シリンダブロ
ックと接する摺動面4aには基材表面の粗さを研磨やラ
ップ加工などによりできるだけ小さく滑らかにし、DL
C(Diamond Like Carbon)薄膜1
3をコーティングしている。
ステンレス鋼またはステンレス合金とし、シリンダブロ
ックと接する摺動面4aには基材表面の粗さを研磨やラ
ップ加工などによりできるだけ小さく滑らかにし、DL
C(Diamond Like Carbon)薄膜1
3をコーティングしている。
【0041】図5および図6において、5はシリンダブ
ロックを示し、前記弁板4の摺動面4aと摺接する摺動
面5aを有し、この摺動面5aにはシリンダ5bに通じ
る通路5cが開口している。このシリンダブロック5の
材質を、耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金とし、弁板4と接する摺動面5aには基材表面
の粗さは研磨やラップ加工などによりできるだけ小さく
滑らかにし、DLC(Diamond Like Ca
rbon)薄膜14をコーティングしている。
ロックを示し、前記弁板4の摺動面4aと摺接する摺動
面5aを有し、この摺動面5aにはシリンダ5bに通じ
る通路5cが開口している。このシリンダブロック5の
材質を、耐腐食性が得られるステンレス鋼またはステン
レス合金とし、弁板4と接する摺動面5aには基材表面
の粗さは研磨やラップ加工などによりできるだけ小さく
滑らかにし、DLC(Diamond Like Ca
rbon)薄膜14をコーティングしている。
【0042】ところで、図3から図6に示す接触面は焼
付きを生じることがある。これを図11により説明する
と、前記偶力F3,F4の反力として、各シリンダにF
5,F6が発生し、この反力F5,F6はシリンダブロ
ック105全体に回転モーメントMを発生させ、この回
転モーメントMはシリンダブロック105を傾けようと
し、弁板104とシリンダブロック105との摺動面圧
を図中上方で高く下方で低い不均一な状態とし、両者間
に焼付きを発生させる原因となっていた。しかし、本実
施態様にあっては、弁板4(およびまたはシリンダブロ
ック5)の摺動面4a,5aにはDLC(Diamon
d Like Carbon)薄膜13,14がコーテ
ィングされているため、シリンダブロック5(もしくは
弁板4)との滑り性が良い。したがって、充分な滑り性
を得られ、焼付く心配がない。
付きを生じることがある。これを図11により説明する
と、前記偶力F3,F4の反力として、各シリンダにF
5,F6が発生し、この反力F5,F6はシリンダブロ
ック105全体に回転モーメントMを発生させ、この回
転モーメントMはシリンダブロック105を傾けようと
し、弁板104とシリンダブロック105との摺動面圧
を図中上方で高く下方で低い不均一な状態とし、両者間
に焼付きを発生させる原因となっていた。しかし、本実
施態様にあっては、弁板4(およびまたはシリンダブロ
ック5)の摺動面4a,5aにはDLC(Diamon
d Like Carbon)薄膜13,14がコーテ
ィングされているため、シリンダブロック5(もしくは
弁板4)との滑り性が良い。したがって、充分な滑り性
を得られ、焼付く心配がない。
【0043】図3,4の例と図5,6の例とは、いずれ
か一方を実施すれば充分であるが、両例を共に実施すれ
ば、更に効果を上げることができる。
か一方を実施すれば充分であるが、両例を共に実施すれ
ば、更に効果を上げることができる。
【0044】本実施態様にあっては、弁板4(およびま
たはシリンダブロック5)の基材として耐腐食性が得ら
れるステンレス鋼またはステンレス合金を用いており、
DLC薄膜をコーティングしていない弁板4の外表面、
例えば穴の中や背面等の部分が、腐食性のある作動流体
にさらされても、錆の発生を防止でき、錆による不具合
を発生させることはない。
たはシリンダブロック5)の基材として耐腐食性が得ら
れるステンレス鋼またはステンレス合金を用いており、
DLC薄膜をコーティングしていない弁板4の外表面、
例えば穴の中や背面等の部分が、腐食性のある作動流体
にさらされても、錆の発生を防止でき、錆による不具合
を発生させることはない。
【0045】図7は、本発明の第3の実施態様を示し、
DLC薄膜をコーティングするにあたって基材を硬化処
理した本発明の表面処理構造を液圧ピストンポンプ・モ
ータ摺動部材としてのピストンおよびシューの第1の実
施態様と同様の部位に適用した例である。
DLC薄膜をコーティングするにあたって基材を硬化処
理した本発明の表面処理構造を液圧ピストンポンプ・モ
ータ摺動部材としてのピストンおよびシューの第1の実
施態様と同様の部位に適用した例である。
【0046】図7において、ピストン1(およびまたは
シュー2)の材質は、基材全体の硬化処理または表面の
みの硬化処理が可能なステンレス鋼またはステンレス合
金であり、DLC薄膜11,12aをコーティングする
摺動面10a,10b,2bに、先ず硬化処理20を施
す。硬化処理20の方法としては、焼入れ処理、固溶化
熱処理、析出硬化処理、窒化処理あるいは軟窒化処理等
がある。この硬化処理20により摺動面10a,10
b,2bの弾性変形を小さくし、その後にDLC薄膜1
1,12aをこの表面にコーティングした。
シュー2)の材質は、基材全体の硬化処理または表面の
みの硬化処理が可能なステンレス鋼またはステンレス合
金であり、DLC薄膜11,12aをコーティングする
摺動面10a,10b,2bに、先ず硬化処理20を施
す。硬化処理20の方法としては、焼入れ処理、固溶化
熱処理、析出硬化処理、窒化処理あるいは軟窒化処理等
がある。この硬化処理20により摺動面10a,10
b,2bの弾性変形を小さくし、その後にDLC薄膜1
1,12aをこの表面にコーティングした。
【0047】硬化処理20によって基材の表面に化合物
層が形成される場合には、この化合物層を研磨作業など
により取除くことで、DLC薄膜11,12aとの密着
力を向上させることができる。なお、コーティングを施
す基材表面の粗さは、できるだけ小さく滑らかに研磨す
る場合、DLC薄膜11,12aとの密着力を向上する
ことができる。
層が形成される場合には、この化合物層を研磨作業など
により取除くことで、DLC薄膜11,12aとの密着
力を向上させることができる。なお、コーティングを施
す基材表面の粗さは、できるだけ小さく滑らかに研磨す
る場合、DLC薄膜11,12aとの密着力を向上する
ことができる。
【0048】この構成によれば、基材表面の弾性変形が
小さく抑えられるため、硬質で弾性変形の少ないDLC
薄膜11,12aとのなじみ性がよく、基材の弾性変形
に伴うDLC皮膜11,12aの割れや剥離が生ぜず、
より強固な摺動面を形成することができ、耐焼付き性、
耐磨耗性および低摩擦係数を得ることができる。
小さく抑えられるため、硬質で弾性変形の少ないDLC
薄膜11,12aとのなじみ性がよく、基材の弾性変形
に伴うDLC皮膜11,12aの割れや剥離が生ぜず、
より強固な摺動面を形成することができ、耐焼付き性、
耐磨耗性および低摩擦係数を得ることができる。
【0049】本例の表面処理構造は、図2から図6に示
す摺動面2i,4a,5aにも適用でき、本発明は、図
2から図6に示す摺動面2i,4a,5aにこの表面処
理構造を適用したものも含まれる。
す摺動面2i,4a,5aにも適用でき、本発明は、図
2から図6に示す摺動面2i,4a,5aにこの表面処
理構造を適用したものも含まれる。
【0050】図8および図9は、本発明の第4の実施態
様を示し、DLC薄膜をコーティングするにあたって基
材とDLC薄膜との間に中間層を形成した表面処理構造
を液圧ピストンポンプ・モータのピストンに、第1の実
施態様と同様の部位に適用した例である。
様を示し、DLC薄膜をコーティングするにあたって基
材とDLC薄膜との間に中間層を形成した表面処理構造
を液圧ピストンポンプ・モータのピストンに、第1の実
施態様と同様の部位に適用した例である。
【0051】図8において、ピストン1は、耐腐食性が
得られるステンレス鋼またはステンレス合金を基材と
し、図示しないシリンダ内を摺動する摺動部10aと、
ピストン球部1aの摺動面10bには基材と密着力の高
い中間層21をコーティングにより形成し、DLC(D
iamond Like Carbon)薄膜11をコ
ーティングし、ステンレス基材上に中間層21とDLC
薄膜11とが積層構造をなすようにしたものである。中
間層21の材質としてはCr(クロム)・Si(ケイ
素)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)・Ge
(ゲルマニウム)・Ru(ルテニウム)・Mo(モリブ
デン)・W(タングステン)の1種以上あるいはこれら
に炭素、窒素及び酸素のうちの少なくとも1種の元素を
含むものである。
得られるステンレス鋼またはステンレス合金を基材と
し、図示しないシリンダ内を摺動する摺動部10aと、
ピストン球部1aの摺動面10bには基材と密着力の高
い中間層21をコーティングにより形成し、DLC(D
iamond Like Carbon)薄膜11をコ
ーティングし、ステンレス基材上に中間層21とDLC
薄膜11とが積層構造をなすようにしたものである。中
間層21の材質としてはCr(クロム)・Si(ケイ
素)、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)・Ge
(ゲルマニウム)・Ru(ルテニウム)・Mo(モリブ
デン)・W(タングステン)の1種以上あるいはこれら
に炭素、窒素及び酸素のうちの少なくとも1種の元素を
含むものである。
【0052】この中間層21は、ステンレス基材と密着
力が高く、線膨張係数が大きいステンレス基材と相対的
に線膨張係数が小さいDLC薄膜11の熱膨張差によっ
てDLC薄膜に発生する割れを密着力を高めて防止する
ものである。したがって、DLC薄膜11に割れが生じ
ると、引続いて剥離が生じ、この剥離により摩擦力が増
加し、さらに摩擦熱が増加し、さらに熱膨張するという
DLC薄膜の割れ剥離という連鎖反応を生ずることを防
止でき、DLC薄膜11の耐久性の向上に対して非常に
効果がある。
力が高く、線膨張係数が大きいステンレス基材と相対的
に線膨張係数が小さいDLC薄膜11の熱膨張差によっ
てDLC薄膜に発生する割れを密着力を高めて防止する
ものである。したがって、DLC薄膜11に割れが生じ
ると、引続いて剥離が生じ、この剥離により摩擦力が増
加し、さらに摩擦熱が増加し、さらに熱膨張するという
DLC薄膜の割れ剥離という連鎖反応を生ずることを防
止でき、DLC薄膜11の耐久性の向上に対して非常に
効果がある。
【0053】また、中間層21を単一の組成の層とせ
ず、基材表面近傍で中間層の組成21aを多くし、外層
に移行するにつれその組成21aを徐々に少なくすると
共にDLC薄膜と同じ構成の組成21bを徐々に増加さ
せ、最外表面近くとなる層では中間層の組成21aが少
なくDLC薄膜と同じ構成の組成21bを多くする。図
9は、各組成割合の推移の一例である。このようにDL
C薄膜と同じ構成の組成21bと中間層21と同じ構成
の組成21aの比率を傾斜するように構成すると、中間
層21とDLC皮膜11との間の密着力が増大し、全体
的に剥離に対して強くすることが出来る。
ず、基材表面近傍で中間層の組成21aを多くし、外層
に移行するにつれその組成21aを徐々に少なくすると
共にDLC薄膜と同じ構成の組成21bを徐々に増加さ
せ、最外表面近くとなる層では中間層の組成21aが少
なくDLC薄膜と同じ構成の組成21bを多くする。図
9は、各組成割合の推移の一例である。このようにDL
C薄膜と同じ構成の組成21bと中間層21と同じ構成
の組成21aの比率を傾斜するように構成すると、中間
層21とDLC皮膜11との間の密着力が増大し、全体
的に剥離に対して強くすることが出来る。
【0054】なお、上記例において、中間層はステンレ
ス鋼またはステンレス合金からなる基材に直接コーティ
ングするよう記載しているが、図7に示す硬化処理を基
材に施した後、この中間層をコーティングすれば両実施
態様の作用効果が相乗しより効果を発揮する。
ス鋼またはステンレス合金からなる基材に直接コーティ
ングするよう記載しているが、図7に示す硬化処理を基
材に施した後、この中間層をコーティングすれば両実施
態様の作用効果が相乗しより効果を発揮する。
【0055】本例の表面処理構造は、シュー2の摺動面
2bおよび図2から図6に示す摺動面2i,4a,5a
にも適用でき、本発明は、シュー2の摺動面2bおよび
図2から図6に示す摺動面2i,4a,5aに本表面処
理構造を適用したものも含まれる。
2bおよび図2から図6に示す摺動面2i,4a,5a
にも適用でき、本発明は、シュー2の摺動面2bおよび
図2から図6に示す摺動面2i,4a,5aに本表面処
理構造を適用したものも含まれる。
【0056】なお、上記実施態様は、何れも斜板式の液
圧ピストンポンプ・モータに適用するものについて説明
したが、シリンダブロックの同一円周上にピストンが配
置された斜軸式の液圧ピストンポンプ・モータの摺動部
にも同様に適用できる。
圧ピストンポンプ・モータに適用するものについて説明
したが、シリンダブロックの同一円周上にピストンが配
置された斜軸式の液圧ピストンポンプ・モータの摺動部
にも同様に適用できる。
【0057】図10に示す実施態様は、特開平8−15
1975号公報に記載された液圧ピストンポンプ・モー
タの摺動面に本発明を適用した例である。なお、同一部
品には同一符号を付して説明する。
1975号公報に記載された液圧ピストンポンプ・モー
タの摺動面に本発明を適用した例である。なお、同一部
品には同一符号を付して説明する。
【0058】図10において、両側壁6a,6bにより
閉じられたハウジング6内に、一方の側壁6aを貫通・
保持された入力軸7(モータにあっては出力軸)により
回転駆動されるリング部材8と、複数のピストン1を摺
動自在に有し弁板4を介して他方の側壁6bに回転自在
に保持されるシリンダブロック5と、入力軸7の回転を
シリンダブロック5に伝える回転伝達機構9と、ピスト
ン1の突出端を前記リング部材8に保持させるシュー2
とから形成される。なお、前記入力軸7とシリンダブロ
ック5の回転軸とは相対的に傾けて形成している。
閉じられたハウジング6内に、一方の側壁6aを貫通・
保持された入力軸7(モータにあっては出力軸)により
回転駆動されるリング部材8と、複数のピストン1を摺
動自在に有し弁板4を介して他方の側壁6bに回転自在
に保持されるシリンダブロック5と、入力軸7の回転を
シリンダブロック5に伝える回転伝達機構9と、ピスト
ン1の突出端を前記リング部材8に保持させるシュー2
とから形成される。なお、前記入力軸7とシリンダブロ
ック5の回転軸とは相対的に傾けて形成している。
【0059】前記ピストン1は、従来と同様シリンダ5
bと摺動する摺動面10を有しシリンダ5b内のスプリ
ング5dにより突出付勢され突出端はピストン1の軸と
直交する平面で形成された当接面1dでシュー2に接触
する。シュー2はピストン1の当接面1dと接触する平
滑面2dとリング部材8に設けた球面状のシュー受け部
8aに球面接触するシュー摺動面2eとを有する。リン
グ部材8は外周がリング部材摺動面8bを介して一方の
側壁6aに回転可能に保持されると共に、背面が一方の
側壁6a内に設けたスラストプレート6cにスラストプ
レート摺動面8cを介して接触している。前記弁板4は
その摺動面4aによりシリンダブロック5に接触してい
る。前記回転伝達機構9は入力軸7端に設けたスプライ
ン9aとシリンダブロック5端に設けたスプライン9b
とに係合するスプラインヘッド9c,9dを両端にもつ
中間軸9eを有し、入力軸7の回転を等速状態でシリン
ダブロック5に伝える。即ち、回転伝達機構9は両端に
継ぎ手をもつ構造となっている。そして、ピストン1の
当接面1dとシュー2の平滑面2dとの間、リング部材
8のシュー受け部8aとシュー2のシュー摺動面2eと
の間、リング部材8のスラストプレート摺動面8cとス
ラストプレート6cとの間には、通路1c,2fを介し
てシリンダ5b内の作動液圧が導入されている。
bと摺動する摺動面10を有しシリンダ5b内のスプリ
ング5dにより突出付勢され突出端はピストン1の軸と
直交する平面で形成された当接面1dでシュー2に接触
する。シュー2はピストン1の当接面1dと接触する平
滑面2dとリング部材8に設けた球面状のシュー受け部
8aに球面接触するシュー摺動面2eとを有する。リン
グ部材8は外周がリング部材摺動面8bを介して一方の
側壁6aに回転可能に保持されると共に、背面が一方の
側壁6a内に設けたスラストプレート6cにスラストプ
レート摺動面8cを介して接触している。前記弁板4は
その摺動面4aによりシリンダブロック5に接触してい
る。前記回転伝達機構9は入力軸7端に設けたスプライ
ン9aとシリンダブロック5端に設けたスプライン9b
とに係合するスプラインヘッド9c,9dを両端にもつ
中間軸9eを有し、入力軸7の回転を等速状態でシリン
ダブロック5に伝える。即ち、回転伝達機構9は両端に
継ぎ手をもつ構造となっている。そして、ピストン1の
当接面1dとシュー2の平滑面2dとの間、リング部材
8のシュー受け部8aとシュー2のシュー摺動面2eと
の間、リング部材8のスラストプレート摺動面8cとス
ラストプレート6cとの間には、通路1c,2fを介し
てシリンダ5b内の作動液圧が導入されている。
【0060】前記各摺動面、すなわち、ピストン1のシ
リンダ5bとの摺動面10、ピストン1のシュー2dと
の摺動面1d、弁板4のシリンダブロック5との摺動面
4a、シュー2のリング部材8との摺動面2e、リング
部材8の側壁6aとの摺動面8b、スラストプレート6
cのリング部材8との摺動面8c、あるいはこれらの摺
動面と摺接する相手側の摺動面、更にあるいはこれらの
摺動面の両方に、前記した各例の表面処理構造のいずれ
かにより、DLC薄膜がコーティングされている。ま
た、回転伝達機構9の中間軸9eのスプラインヘッド9
c,9dにも、即ち継ぎ手の摺動面に、前記した各例の
表面処理構造のいずれかにより、DLC薄膜がコーティ
ングされている。
リンダ5bとの摺動面10、ピストン1のシュー2dと
の摺動面1d、弁板4のシリンダブロック5との摺動面
4a、シュー2のリング部材8との摺動面2e、リング
部材8の側壁6aとの摺動面8b、スラストプレート6
cのリング部材8との摺動面8c、あるいはこれらの摺
動面と摺接する相手側の摺動面、更にあるいはこれらの
摺動面の両方に、前記した各例の表面処理構造のいずれ
かにより、DLC薄膜がコーティングされている。ま
た、回転伝達機構9の中間軸9eのスプラインヘッド9
c,9dにも、即ち継ぎ手の摺動面に、前記した各例の
表面処理構造のいずれかにより、DLC薄膜がコーティ
ングされている。
【0061】この液圧ピストンポンプ・モータは、ピス
トン1とシュー2とがピストン1の軸に直角な当接面1
dと平滑面2dとにより接触しているため、ピストン1
には曲げモーメントが作用せず、ピストン1とシリンダ
5bとの間に発生する接触面圧と摺動摩擦力を低減して
機械効率を向上している。しかも、各摺動面にはDLC
薄膜がコーティングされているため、上記各摺動面の摺
動状態が更に改善され、作動液体として潤滑性の乏しい
作動液体に適用でき、更に高圧で作動させる場合にあっ
ても低コストの高圧ポンプ・モータとして利用すること
ができる。
トン1とシュー2とがピストン1の軸に直角な当接面1
dと平滑面2dとにより接触しているため、ピストン1
には曲げモーメントが作用せず、ピストン1とシリンダ
5bとの間に発生する接触面圧と摺動摩擦力を低減して
機械効率を向上している。しかも、各摺動面にはDLC
薄膜がコーティングされているため、上記各摺動面の摺
動状態が更に改善され、作動液体として潤滑性の乏しい
作動液体に適用でき、更に高圧で作動させる場合にあっ
ても低コストの高圧ポンプ・モータとして利用すること
ができる。
【0062】また、回転伝達機構の中間軸9eのスプラ
インヘッド9c,9dにDLC薄膜がコーティングされ
ているため、変動を伴った回転で駆動される場合におい
ても、スプライン9a〜9dの摩耗を防止でき、その耐
久性を向上させることができる。
インヘッド9c,9dにDLC薄膜がコーティングされ
ているため、変動を伴った回転で駆動される場合におい
ても、スプライン9a〜9dの摩耗を防止でき、その耐
久性を向上させることができる。
【図1】本発明の一実施態様を示す液圧ピストンポンプ
・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
【図2】図1の変形例を示した断面図である。
【図3】本発明の一実施態様を弁板に適用した正面図で
ある。
ある。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】本発明の一実施態様をシリンダブロックに適用
した正面図である。
した正面図である。
【図6】図5のVI−VI断面図である。
【図7】本発明の他の実施態様を示す液圧ピストンポン
プ・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
プ・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施態様を示す液圧ピストン
ポンプ・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
ポンプ・モータ摺動部の表面処理構造の断面図である。
【図9】図8の変形態様を示すグラフである。
【図10】本発明の表面処理構造を適用した液圧ピスト
ンポンプ・モータの断面図である。
ンポンプ・モータの断面図である。
【図11】従来の液圧ピストンポンプ・モータの概略断
面図である。
面図である。
1 ピストン 2 シュー 2b,2e,2i,4a,5a,8a,8b,8c,1
0a,10b 摺動面 3 斜板 4 弁板 5 シリンダブロック 6 ハウジング 7 入力軸 8 リング部材 9 回転伝達機構 11,12a,12b,13,14 DLC薄膜 20 硬化処理 21 中間層
0a,10b 摺動面 3 斜板 4 弁板 5 シリンダブロック 6 ハウジング 7 入力軸 8 リング部材 9 回転伝達機構 11,12a,12b,13,14 DLC薄膜 20 硬化処理 21 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 隆 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 Fターム(参考) 3H070 AA01 BB05 BB06 CC07 CC27 DD09 DD28 DD32 DD69 EE02 EE03 3H071 AA03 BB01 CC26 CC27 DD01 DD06 DD11 EE02 EE03 3H084 AA07 AA16 BB06 BB09 CC12 CC33 CC70
Claims (8)
- 【請求項1】 軸回りに回転自在に支持されたシリンダ
ブロックと、シリンダブロックに往復動自在に収装され
た複数のピストンと、前記ピストンの先端を球面もしく
は平面で摺接して支持するシューと、シリンダブロック
の背面に摺接し一対のポートを持つ弁板とを備えた液圧
ピストンポンプ・モータにおいて、 液圧ピストンポンプ・モータの摺動部材をステンレス鋼
もしくはステンレス合金により形成し、その摺動面にD
LC薄膜をコーティングしてなることを特徴とする液圧
ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造。 - 【請求項2】 前記ピストンをピストン軸心と直交する
面でシューに設けた平滑面に当接させ、前記シリンダブ
ロックの回転軸に対して相対的に傾いた軸回りに回転す
るリング部材が前記シューを球面支持し、前記シリンダ
ブロックとリング部材とを回転伝達機構により同期回転
させるよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の
液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造。 - 【請求項3】 前記ステンレス鋼もしくはステンレス合
金で形成される摺動部材は、摺動面の少なくとも表面部
が硬化処理され、硬化処理された表面にDLC薄膜をコ
ーティングしてなることを特徴とする請求項1または請
求項2に記載の液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表
面処理構造。 - 【請求項4】 前記ステンレス鋼もしくはステンレス合
金で形成される摺動部材は、摺動面にCr、Si、T
i、Zr、Ge、Ru、Mo、Wのうちの1種以上ある
いはこれらに炭素、窒素及び酸素のうちの少なくとも1
種の元素を含む中間層をコーティングし、その中間層表
面にDLC薄膜をコーティングしてなることを特徴とす
る請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の液圧
ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造。 - 【請求項5】 前記中間層は、その組成がDLC薄膜と
同じ構成の組成を一部含んでなり、DLC組成の割合は
前記ステンレス鋼もしくはステンレス合金よりなる基材
に近い側では中間層の組成とし、DLC薄膜に接近する
にしたがい中間層の組成の割合を減じDLC組成の割合
を増加させるものであることを特徴とする請求項4に記
載の液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構
造。 - 【請求項6】 前記摺動部材は、シリンダブロックとシ
ューに摺接するピストン、ピストンを支持するシュー、
シリンダブロックに摺接する弁板、弁板に摺接するシリ
ンダブロックの内少なくともいずれか一つであることを
特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の液
圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造。 - 【請求項7】 前記摺動部材は、リング部材と摺接する
シュー、軸回りの案内面に摺接するリング部材、および
リング部材に背面より摺接するスラストプレートの内少
なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項2
ないし6のいずれか一つに記載の液圧ピストンポンプ・
モータ摺動部の表面処理構造。 - 【請求項8】 前記回転伝達機構は、リング部材側に結
合された継ぎ手とシリンダブロック側に結合された継ぎ
手とを連結して構成され、摺動部材は、この継ぎ手を構
成する部材であることを特徴とする請求項2ないし7の
いずれか一つに記載の液圧ピストンポンプ・モータ摺動
部の表面処理構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000211494A JP2002031040A (ja) | 2000-07-12 | 2000-07-12 | 液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000211494A JP2002031040A (ja) | 2000-07-12 | 2000-07-12 | 液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002031040A true JP2002031040A (ja) | 2002-01-31 |
Family
ID=18707589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000211494A Pending JP2002031040A (ja) | 2000-07-12 | 2000-07-12 | 液圧ピストンポンプ・モータ摺動部の表面処理構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002031040A (ja) |
Cited By (17)
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-
2000
- 2000-07-12 JP JP2000211494A patent/JP2002031040A/ja active Pending
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