JP2002012513A - 尿素含有ホイップ状化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用感及び使用性に優れた尿素含有化粧料を提
供する。 【解決手段】（Ａ）尿素、（Ｂ）尿素安定化剤、及び
（Ｃ）界面活性剤を含有する化粧料を、ノンガスフォー
マー容器に充填したことを特徴とする尿素含有ホイップ
状化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、尿素含有ホイップ
状化粧料に関し、詳しくは、特定の容器に充填され、使
用感及び使用性に優れた尿素含有ホイップ状化粧料に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ＮＭＦ（天然保湿因子）の１つとして知
られている尿素は、角質内水分保持作用、創傷治癒作
用、殺菌作用等皮膚に対して優れた作用を有している。
そして尿素を配合した皮膚外用剤が多数開発されてい
る。（特開昭５２−１０５２２５、特開昭５１−４８４
４１、特開平３−２９１２２１、特開平４−１１２９、
特開平６−２４９５４号公報）

【０００３】しかしこれらの製剤のほとんどは、クリー
ム状、軟膏状、乳液状、ローション状、エアゾール状の
ものである。クリーム状、軟膏状、乳液状の製剤は、塗
布時に配合成分である油性成分由来の油膜感、べたつき
感等の不快感が生じたり、ローション等の製剤と比べ厚
目に塗布されるため、皮膚の上での延展性が十分でない
等の問題があった。一方、ローション状の製剤は、感触
は優れるが、誤飲等の安全性の問題があり、また塗布時
に液の垂れ落ち等が生じ、目的とする部位に均一に塗布
できず、使用性が十分ではなかった。エアゾール状の製
剤についても、感触についてはローション状の製剤と同
様、任意に調整ができ好ましいが、フロン、ＬＰＧガス
等の液化ガスを噴射剤として使用するため、引火等の安
全性の問題や、環境問題等から剤型的に好ましくなかっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって、使用感及
び使用性に優れた尿素を含有する化粧料の開発が望まれ
ていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者等は上記事情に
鑑み、鋭意研究した結果、特定の容器に充填した尿素含
有化粧料が、使用感及び使用性に優れていることを見出
し、本発明を完成したものである。すなわち、本発明
は、（Ａ）尿素、（Ｂ）尿素安定剤、及び（Ｃ）界面活
性剤を含有する化粧料を、ノンガスフォーマー容器に充
填したことを特徴とする尿素含有ホイップ状化粧料にあ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】

【０００７】以下、本発明の実施の形態を詳述する。

【０００８】本発明の尿素含有ホイップ状化粧料とは、
（Ａ）尿素、（Ｂ）尿素安定剤、及び（Ｃ）界面活性剤
を含有する化粧料と空気とが、ノンガスフォーマー容器
によって、混合、噴出されることにより、微細な泡沫状
となったものである。

【０００９】本発明に用いられる（Ａ）尿素の配合量
は、化粧料の総量を基準として０．１〜２５質量％（以
下、単に％で示す）が好ましく、特に好ましくは１〜２
０％である。配合量が０．１％未満では保湿効果が不十
分の場合があり、２５％を超えて配合しても、それに見
合った効果の増大が得られない場合があり、また尿素の
安定性を維持することが困難である。

【００１０】本発明に用いられる（Ｂ）尿素安定剤は、
通常化粧料において尿素の分解を抑制し、安定化を目的
として配合されるものであれば特に制限されず、例え
ば、乳酸及びその塩類、リン酸及びその塩類、クエン酸
及びその塩類、エデト酸及びその塩類等が挙げられる。
特に、乳酸、乳酸ナトリウムは優れた尿素の安定性を得
ることができ好ましい。

【００１１】本発明に用いられる（Ｂ）尿素安定剤は、
一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができ
る。その配合量は、化粧料の総量を基準として０．５〜
１５％が好ましく、特に好ましくは１〜１０％である。
配合量が０．５％未満では尿素の安定性を維持すること
が困難であり、１５％を超えて配合した場合、皮膚に一
過性の刺激が生じる場合があり、安全性上好ましくな
い。

【００１２】本発明に用いられる（Ｃ）界面活性剤は、
通常化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、
例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
脂肪酸、ポリグリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性
界面活性剤、アルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、Ｎ−
アシルアラニン塩、Ｎ−アシルグルタミン酸塩、Ｎ−ア
シルアスパラギン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリ
エーテル変性シリコーン等のシリコーン系界面活性剤等
が挙げられる。特に好ましくは、ＰＯＥ（２０）ヤシ油
脂肪酸ソルビタン、ＰＯＥ（２０）ラウリン酸ソルビタ
ン、モノオレイン酸ＰＯＥ（２０）ソルビタン、ＰＯＥ
（８０）硬化ヒマシ油、ＰＯＥセチルエーテル、モノス
テアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸デ
カグリセリル、ＰＯＥ（３）アルキルエーテル硫酸トリ
エタノールアミン液、ジＰＯＥ（１０）アルキルエーテ
ルリン酸、Ｎ−ヤシ油脂肪酸アシル−ＤＬ−アラニント
リエタノールアミン液（３０％）、Ｎ−ヤシ油脂肪酸ア
シル−Ｌ−グルタミン酸トリエタノールアミン液（３０
％）、Ｎ−アシル−Ｌ−アスパラギン酸トリエタノール
アミン液（３０％）、ＰＯＥメチルポリシロキサン共重
合体等であり、前記以外の界面活性剤の場合、尿素の安
定性や、発泡性が十分でない場合がある。

【００１３】本発明に用いられる（Ｃ）界面活性剤は、
一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができ
る。その配合量は、化粧料の総量を基準として０．０１
〜４％が好ましく、特に好ましくは０．１〜３％であ
る。配合量が０．０１％未満では発泡性が不十分な場合
があり、４％を超えて配合した場合、適当な泡の消泡性
が得られにくい。

【００１４】本発明に用いられる（Ｄ）多価アルコール
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリ
ン、ポリグリセリン、イソプレングリコール、１，３−
ブチレングリコール、ＰＯＰ（９）ジグリセリン、ヘキ
シレングリコール、ソルビトール、マンニトール、マル
チトール、ＰＯＥ（１０）メチルグルコシド、ＰＯＥ
（２０）メチルグルコシド等が挙げられる。

【００１５】本発明に用いられる（Ｄ）多価アルコール
は、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることが
できる。これらの（Ｄ）多価アルコールを適宜配合する
ことにより、尿素含有ホイップ状化粧料の感触、延展性
等を任意に調整することができる。その配合量は、化粧
料の総量を基準として０．１〜２０％が好ましく、特に
好ましくは１〜１５％である。配合量が０．１％未満で
は肌へのなじみが悪い場合があり、また延展性に欠ける
場合がある。配合量が２０％を超える場合、延展性が重
く悪く、乾く際にべたつき感が生じる場合がある。

【００１６】本発明に用いられるノンガスフォーマー容
器は、容器内の化粧料を空気と混合し、メッシュや多孔
体等の泡生成手段を通過させることにより発泡させ、噴
出するものであり、ポンプフォーマー（大和製罐社製）
等を例示することができる。また、特公昭５２−１６５
６７、実公昭６０−２４４２６、実開昭６２−１０３４
５８、実公昭６２−４２７８５、実公昭６２−４２７８
６、実公昭６２−４２７８７、実開昭５８−１７４２７
２、実開平３−７９６３、米国特許第４，５３１，６５
９、米国特許第３，７０９，４３７号公報、及び特願２
０００−３４９０４７号の願書に最初に添付された明細
書又は図面等に開示されている様な容器も用いることが
できる。

【００１７】本発明の尿素含有ホイップ状化粧料には、
上述の必須成分以外に、通常の化粧料、医薬部外品、医
薬品等に用いられる各種任意成分を、本発明の目的を達
成する範囲内で適宜配合することができる。例えば、一
価アルコール、防腐剤、消炎剤、増粘剤、エステル油、
殺菌剤、色素、香料等が挙げられる。

【００１８】具体的には、一価アルコールとしては、エ
タノール、イソプロパノール、ブタノール、ラウリルア
ルコール、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニ
ルアルコール等が挙げられ、防腐剤としては、メチルパ
ラベン、エチルパラベン、安息香酸ナトリウム、フェノ
キシエタノール等が挙げられ、消炎剤としては、β−グ
リチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチ
ルレチン酸ステアリル、アラントイン等が挙げられ、増
粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナ
ン、ゼラチン等が挙げられ、エステル油としては、高級
アルコールと脂肪酸の合成エステル油等が挙げられる。

【００１９】

【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。

【００２０】実施例１ 表１の組成のローションを常法により調製した後、ポン
プフォーマー（大和製罐社製）に充填し、尿素含有ホイ
ップ状化粧料を得た。

【００２１】 （表１） ［配合成分］ ［配合量（％）］ ・尿素 １０．０ ・乳酸 １．５ ・乳酸ナトリウム ３．５ ・エデト酸二ナトリウム ０．５ ・ＰＯＥ（２０）モノラウリン酸ソルビタン １．０ ・ポリエチレングリコール２００ １０．０ ・エタノール ２０．０ ・純水 残量

【００２２】比較例１ 表１の組成のローションを常法により調製した後、ガラ
ス容器に充填し、尿素含有ローション状化粧料を得た。

【００２３】＜使用性・使用感評価試験＞パネラー２０
名に実施例１及び比較例１の化粧料を１週間連続使用さ
せた後、使い易さ、延展性、さっぱり感（べたつき感の
なさ）の良否を判断してアンケートに答え、その評価を
以下のように判定した。

【００２４】 評価基準 評価記号 良いと答えた人が１８人以上の場合 ◎ 良いと答えた人が１４〜１７人の場合 ○ 良いと答えた人が８〜１３人の場合 △ 良いと答えた人が７人以下の場合 ×

【００２５】以下、結果を示す。

【００２６】上記より明らかなように、本発明の尿素含
有ホイップ状化粧料は、使用部位に塗布し易く、延展性
に優れるため、広範囲に均一に塗布することができ、ま
た塗布後にべたつき感がほとんどなく、大変優れた性能
を有していた。一方、ホイップ状でない比較例１の化粧
料は、液の垂れ落ち等のため、使用性に劣り、均一に塗
布することができず、塗布後べたつき感を有していた。

【００２７】実施例２ 次の組成のローションを常法により調製した後、ポンプ
フォーマー（大和製罐社製）に充填し、尿素含有ホイッ
プ状化粧料を得た。

【００２８】 ［配合成分］ ［配合量（％）］ ・尿素 １５．０ ・乳酸 ５．０ ・乳酸ナトリウム ５．０ ・ＰＯＥ（８０）硬化ヒマシ油 ０．１ ・グリセリン １．０ ・エタノール ５０．０ ・アロエエキス 残量

【００２９】実施例３ 次の組成のローションを常法により調製した後、ポンプ
フォーマー（大和製罐社製）に充填し、尿素含有ホイッ
プ状化粧料を得た。

【００３０】 ［配合成分］ ［配合量（％）］ ・尿素 ５．０ ・乳酸 ０．３ ・乳酸ナトリウム １．２ ・モノラウリン酸デカグリセリル ３．０ ・１，３−ブチレングリコール １５．０ ・エタノール ５．０ ・グリチルリチン酸ジカリウム ０．１ ・メチルパラベン ０．１ ・純水 残量

【００３１】実施例２〜３の尿素含有ホイップ状化粧料
はいずれも優れた使用感及び使用性を有していた。

【００３２】

【発明の効果】以上記載のごとく、本発明の尿素含有ホ
イップ状化粧料は、使用感及び使用性に優れていること
は明らかである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 4C083 AA112 AC102 AC111 AC122 AC302 AC422 AC432 AC442 AC532 AC681 AC682 AD042 AD532 BB01 CC02 DD08 EE06 EE12

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （Ａ）尿素、（Ｂ）尿素安定剤、及び
   （Ｃ）界面活性剤を含有する化粧料を、ノンガスフォー
   マー容器に充填したことを特徴とする尿素含有ホイップ
   状化粧料。
2. 【請求項２】 更に、（Ｄ）多価アルコールを含有する
   ことを特徴とする請求項１記載の尿素含有ホイップ状化
   粧料。