JP2002011520A - スチールワイヤの伸線方法およびゴム物品補強用スチールワイヤ - Google Patents
スチールワイヤの伸線方法およびゴム物品補強用スチールワイヤInfo
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- JP2002011520A JP2002011520A JP2000197181A JP2000197181A JP2002011520A JP 2002011520 A JP2002011520 A JP 2002011520A JP 2000197181 A JP2000197181 A JP 2000197181A JP 2000197181 A JP2000197181 A JP 2000197181A JP 2002011520 A JP2002011520 A JP 2002011520A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い生産性および低いコストの下に、スチー
ルワイヤに優れた初期接着性を付与することのできる、
新規なスチールワイヤの製造方法について提案する。 【解決手段】 ブラスめっきが施されたスチールワイヤ
を、ダイスとそのダイスを通過したスチールワイヤを引
抜く駆動キャプスタンとからなる伸線パスを複数段有す
る多段スリップ型伸線機によって湿式伸線するに当り、
コバルトおよびニッケルのいずれか一方または両方を含
有する湿式潤滑剤を用いて、駆動キャプスタンにおける
スリップ速度が所定値以上となる伸線パスを少なくとも
1段は行う。
ルワイヤに優れた初期接着性を付与することのできる、
新規なスチールワイヤの製造方法について提案する。 【解決手段】 ブラスめっきが施されたスチールワイヤ
を、ダイスとそのダイスを通過したスチールワイヤを引
抜く駆動キャプスタンとからなる伸線パスを複数段有す
る多段スリップ型伸線機によって湿式伸線するに当り、
コバルトおよびニッケルのいずれか一方または両方を含
有する湿式潤滑剤を用いて、駆動キャプスタンにおける
スリップ速度が所定値以上となる伸線パスを少なくとも
1段は行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば空気入り
タイヤや工業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用
されるスチールワイヤの伸線方法に関するものである。
タイヤや工業用ベルト等のゴム物品の補強材として使用
されるスチールワイヤの伸線方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム物品の典型例である空気入りタイヤ
では、そのベルトやカーカスに、ブラスめっきが施され
たスチールワイヤの複数本を撚り合わせて成る、又はス
チールワイヤの単線から成る、スチールコードをゴムで
被覆したものを適用し、主にスチールコードによる補強
をはかっている。そして、スチールコードをタイヤの補
強材として活用するには、該スチールコードを被覆する
ゴムと確実に接着する必要があり、そのためにスチール
コードを構成するワイヤの周面にはブラスめっきが施さ
れている。このスチールワイヤは、ブラスめっきを施し
てから、所定の径まで伸線を行って、コードの製造に供
するのが通例である。
では、そのベルトやカーカスに、ブラスめっきが施され
たスチールワイヤの複数本を撚り合わせて成る、又はス
チールワイヤの単線から成る、スチールコードをゴムで
被覆したものを適用し、主にスチールコードによる補強
をはかっている。そして、スチールコードをタイヤの補
強材として活用するには、該スチールコードを被覆する
ゴムと確実に接着する必要があり、そのためにスチール
コードを構成するワイヤの周面にはブラスめっきが施さ
れている。このスチールワイヤは、ブラスめっきを施し
てから、所定の径まで伸線を行って、コードの製造に供
するのが通例である。
【0003】このブラスめっきが施されたスチールワイ
ヤの伸線を、例えばスリップ型多段式伸線機と、 油性
剤、 極圧防止剤および界面活性剤等を含有する湿式潤滑
剤とを用いる、湿式伸線で行う場合、 リン酸エステルの
亜鉛錯体等を、伸線時の極圧防止皮膜として利用するこ
とにより、 伸線時のダイスとワイヤとの間の摩擦を低減
し、 ダイスやワイヤの損傷を抑制している。この工夫が
スチールワイヤの生産性を高めるのに、非常に大きな役
割を果たしてきたのである。
ヤの伸線を、例えばスリップ型多段式伸線機と、 油性
剤、 極圧防止剤および界面活性剤等を含有する湿式潤滑
剤とを用いる、湿式伸線で行う場合、 リン酸エステルの
亜鉛錯体等を、伸線時の極圧防止皮膜として利用するこ
とにより、 伸線時のダイスとワイヤとの間の摩擦を低減
し、 ダイスやワイヤの損傷を抑制している。この工夫が
スチールワイヤの生産性を高めるのに、非常に大きな役
割を果たしてきたのである。
【0004】ところで、 ブラスめっきされたスチールワ
イヤとゴムとの接着は、 主にめっき中の銅とゴム中の硫
黄との反応によって得られるが、ワイヤ表面に上記した
極圧防止皮膜が残留していると、この極圧防止皮膜が銅
と硫黄との反応を阻害し、特にゴム加硫時の初期接着不
良をまねく。そこで、従来は、ゴム中に銅の拡散を促す
コバルトやニッケルを添加することにより、 この間題を
解決していた。
イヤとゴムとの接着は、 主にめっき中の銅とゴム中の硫
黄との反応によって得られるが、ワイヤ表面に上記した
極圧防止皮膜が残留していると、この極圧防止皮膜が銅
と硫黄との反応を阻害し、特にゴム加硫時の初期接着不
良をまねく。そこで、従来は、ゴム中に銅の拡散を促す
コバルトやニッケルを添加することにより、 この間題を
解決していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、 ゴム中にコバ
ルトやニッケルを添加することは、 ゴムの加硫反応性や
耐久性を低下させるという新たな問題を引き起こしてき
た。すなわち、添加されたコバルトやニッケルは、接着
反応を促進するのに有効であるが、これらの添加成分が
未加硫ゴムから滲み出す、いわゆるブルームを生じるた
めに、例えばタイヤの成形工程において未加硫ゴムシー
トを貼り合わせる際の作業性が低下すると共に、未加硫
ゴムシートとその周辺ゴムとの密着性や接着性が阻害さ
れ、さらに加硫ゴムにおいてはコバルトやニッケルの残
渣がゴム分子の切断反応、すなわち加硫戻りを引き起こ
し、タイヤの耐久性を低下させる原因にもなっている。
ルトやニッケルを添加することは、 ゴムの加硫反応性や
耐久性を低下させるという新たな問題を引き起こしてき
た。すなわち、添加されたコバルトやニッケルは、接着
反応を促進するのに有効であるが、これらの添加成分が
未加硫ゴムから滲み出す、いわゆるブルームを生じるた
めに、例えばタイヤの成形工程において未加硫ゴムシー
トを貼り合わせる際の作業性が低下すると共に、未加硫
ゴムシートとその周辺ゴムとの密着性や接着性が阻害さ
れ、さらに加硫ゴムにおいてはコバルトやニッケルの残
渣がゴム分子の切断反応、すなわち加硫戻りを引き起こ
し、タイヤの耐久性を低下させる原因にもなっている。
【0006】また、ゴムに添加するコバルト金属塩など
は高価であるため、スチールワイヤの被覆ゴム中のコバ
ルト等を減少させることは、上記のゴムでの問題を回避
することに加えて、ゴムの配合コストを低減するのにも
有利であり、省資源の観点からも重要なことである。
は高価であるため、スチールワイヤの被覆ゴム中のコバ
ルト等を減少させることは、上記のゴムでの問題を回避
することに加えて、ゴムの配合コストを低減するのにも
有利であり、省資源の観点からも重要なことである。
【0007】従って、上記の未加硫ゴムでの問題および
加硫後のゴムでの問題、さらにはコストの問題を回避す
るには、コバルトやニッケルの添加量を低減するか無添
加とすることが好ましいが、再びゴム接着性の劣化が問
題になる。換言すると、スチールワイヤにおけるゴム接
着性、特に初期接着性が改善されれば、ゴムに添加する
コバルトやニッケルの削減または省略が可能になるので
ある。
加硫後のゴムでの問題、さらにはコストの問題を回避す
るには、コバルトやニッケルの添加量を低減するか無添
加とすることが好ましいが、再びゴム接着性の劣化が問
題になる。換言すると、スチールワイヤにおけるゴム接
着性、特に初期接着性が改善されれば、ゴムに添加する
コバルトやニッケルの削減または省略が可能になるので
ある。
【0008】そこで、この発明は、高い生産性および低
いコストの下に、スチールワイヤに優れた初期接着性を
付与することのできる、新規なスチールワイヤの製造方
法について提案することを目的とする。
いコストの下に、スチールワイヤに優れた初期接着性を
付与することのできる、新規なスチールワイヤの製造方
法について提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らが、スチ
ールワイヤに優れた初期接着性を付与するための方途に
ついて鋭意究明したところ、スチールワイヤに施したブ
ラスめっき側に、ゴムとの接着促進剤となるコバルトや
ニッケルを付着または拡散させて、ブラスめっきに優れ
た接着性能を付与することによって、ゴム側の接着促進
剤の削減または省略が可能になることを新たに知見し
た。さらに、ブラスめっきにコバルトやニッケルを付着
または拡散させるには、コバルトやニッケルを含有した
湿式潤滑剤を用いて湿式伸線を行うことが、有効な手段
となり得ることを見出した。
ールワイヤに優れた初期接着性を付与するための方途に
ついて鋭意究明したところ、スチールワイヤに施したブ
ラスめっき側に、ゴムとの接着促進剤となるコバルトや
ニッケルを付着または拡散させて、ブラスめっきに優れ
た接着性能を付与することによって、ゴム側の接着促進
剤の削減または省略が可能になることを新たに知見し
た。さらに、ブラスめっきにコバルトやニッケルを付着
または拡散させるには、コバルトやニッケルを含有した
湿式潤滑剤を用いて湿式伸線を行うことが、有効な手段
となり得ることを見出した。
【0010】また、スチールワイヤを湿式伸線する場
合、その生産効率や設備コストなどを考慮すると、多段
スリップ型伸線機を用いることが有利である。すなわ
ち、多段スリップ型湿式伸線機は、ダイスとそのダイス
を通過したワイヤに引抜力を与えるキャプスタンとから
なる伸線パスを複数段備える伸線装置を用いて、ワイヤ
を連続して順次引き抜いて縮径することにより、所望の
直径のワイヤを製造するものであり、ダイスおよびキャ
プスタンを潤滑液中に浸漬し、キャプスタンと引き抜か
れるワイヤとの間に速度差が設けられるところに特徴が
ある。
合、その生産効率や設備コストなどを考慮すると、多段
スリップ型伸線機を用いることが有利である。すなわ
ち、多段スリップ型湿式伸線機は、ダイスとそのダイス
を通過したワイヤに引抜力を与えるキャプスタンとから
なる伸線パスを複数段備える伸線装置を用いて、ワイヤ
を連続して順次引き抜いて縮径することにより、所望の
直径のワイヤを製造するものであり、ダイスおよびキャ
プスタンを潤滑液中に浸漬し、キャプスタンと引き抜か
れるワイヤとの間に速度差が設けられるところに特徴が
ある。
【0011】この多段スリップ型湿式伸線機は、乾式潤
滑剤を用いてキャプスタン周速と引き抜かれるワイヤの
速度とが同じである、ノンスリップ型乾式伸線機に比べ
て、伸線装置が簡単かつコンパクトにできること、表面
の平滑性が良好なワイヤを製造できること等の利点があ
り、特に、スチールコード用鋼線等の細線の製造に広く
用いられている。しかしながら、キャプスタンと引き抜
かれるワイヤとの間に速度差があるため、ワイヤ表面の
損傷、ワイヤ速度および張力の変化による断線、ダイス
の早期摩耗等の問題が生じやすく、ダイス減面率の設定
とともに、キャプスタン周速と引き抜かれるワイヤの速
度との差を適当に設定する必要がある。これらダイス減
面率やスリップ速度、 あるいはワイヤ張力といった伸線
条件に関しては、例えば特開平11−239814号公報に記載
されたように、適当な条件が提示されている。
滑剤を用いてキャプスタン周速と引き抜かれるワイヤの
速度とが同じである、ノンスリップ型乾式伸線機に比べ
て、伸線装置が簡単かつコンパクトにできること、表面
の平滑性が良好なワイヤを製造できること等の利点があ
り、特に、スチールコード用鋼線等の細線の製造に広く
用いられている。しかしながら、キャプスタンと引き抜
かれるワイヤとの間に速度差があるため、ワイヤ表面の
損傷、ワイヤ速度および張力の変化による断線、ダイス
の早期摩耗等の問題が生じやすく、ダイス減面率の設定
とともに、キャプスタン周速と引き抜かれるワイヤの速
度との差を適当に設定する必要がある。これらダイス減
面率やスリップ速度、 あるいはワイヤ張力といった伸線
条件に関しては、例えば特開平11−239814号公報に記載
されたように、適当な条件が提示されている。
【0012】しかしながら、これらの伸線条件は、コバ
ルトやニッケルを含有しない在来の潤滑剤を用いて伸線
する場合のものであり、 発明者らが見出したコバルトや
ニッケルを含有する潤滑剤を用いた場合にも適用可能で
あるとは限らない。事実、上記公報に記載の条件では、
例えば全ての駆動キャプスタンのスリップ速度が40m/
min 未満になると、 コバルトやニッケルを含んだ接着に
有効な薄膜がワイヤのめっき表面に十分に形成されず、
コバルトやニッケルを潤滑剤に添加した目的である初期
接着性の向上効果が得られなかった。
ルトやニッケルを含有しない在来の潤滑剤を用いて伸線
する場合のものであり、 発明者らが見出したコバルトや
ニッケルを含有する潤滑剤を用いた場合にも適用可能で
あるとは限らない。事実、上記公報に記載の条件では、
例えば全ての駆動キャプスタンのスリップ速度が40m/
min 未満になると、 コバルトやニッケルを含んだ接着に
有効な薄膜がワイヤのめっき表面に十分に形成されず、
コバルトやニッケルを潤滑剤に添加した目的である初期
接着性の向上効果が得られなかった。
【0013】すなわち、 潤滑剤中のコバルトやニッケル
が接着に対して、有効かつ安定な薄膜をワイヤのめっき
表面に形成するには、 めっきでの拡散反応に十分な熱が
必要であるが、 従前の伸線条件に従う場合、伸線時の発
熱不足のために、所望とする薄膜の生成が不十分になっ
てしまうのである。
が接着に対して、有効かつ安定な薄膜をワイヤのめっき
表面に形成するには、 めっきでの拡散反応に十分な熱が
必要であるが、 従前の伸線条件に従う場合、伸線時の発
熱不足のために、所望とする薄膜の生成が不十分になっ
てしまうのである。
【0014】従って、ワイヤとゴムとの初期接着性を向
上させるために、コバルトやニッケルを添加した湿式潤
滑剤を使用して連続した多段スリップ式伸線を行うに
は、 コバルトやニッケルを含んだ接着に有効な薄膜がワ
イヤ表面に十分に生成しうる条件下において、はじめて
所期した目的が達成されるのである。そこで、この伸線
条件について鋭意究明した結果、この発明を完成するに
到ったのである。
上させるために、コバルトやニッケルを添加した湿式潤
滑剤を使用して連続した多段スリップ式伸線を行うに
は、 コバルトやニッケルを含んだ接着に有効な薄膜がワ
イヤ表面に十分に生成しうる条件下において、はじめて
所期した目的が達成されるのである。そこで、この伸線
条件について鋭意究明した結果、この発明を完成するに
到ったのである。
【0015】すなわち、この発明の要旨構成は、次のと
おりである。 (イ)ブラスめっきが施されたスチールワイヤを、ダイ
スとそのダイスを通過したスチールワイヤを引抜く駆動
キャプスタンとからなる伸線パスを複数段有する多段ス
リップ型伸線機によって湿式伸線するに当り、コバルト
およびニッケルのいずれか一方または両方を含有する湿
式潤滑剤を用いて、下記式(1) で定義される駆動キャプ
スタンにおけるスリップ速度Sn が50m/min 以上とな
る伸線パスを少なくとも1段は含むことを特徴とするス
チールワイヤの伸線方法。 記 Sn =Vcn−Vwn----(1) ここで、Sn :n段目の駆動キャプスタンにおけるスリ
ップ速度 Vcn:n段目の駆動キャプスタンの周速度 Vwn:n段目の駆動キャプスタンにおけるスチールワイ
ヤ速度
おりである。 (イ)ブラスめっきが施されたスチールワイヤを、ダイ
スとそのダイスを通過したスチールワイヤを引抜く駆動
キャプスタンとからなる伸線パスを複数段有する多段ス
リップ型伸線機によって湿式伸線するに当り、コバルト
およびニッケルのいずれか一方または両方を含有する湿
式潤滑剤を用いて、下記式(1) で定義される駆動キャプ
スタンにおけるスリップ速度Sn が50m/min 以上とな
る伸線パスを少なくとも1段は含むことを特徴とするス
チールワイヤの伸線方法。 記 Sn =Vcn−Vwn----(1) ここで、Sn :n段目の駆動キャプスタンにおけるスリ
ップ速度 Vcn:n段目の駆動キャプスタンの周速度 Vwn:n段目の駆動キャプスタンにおけるスチールワイ
ヤ速度
【0016】(ロ)上記(イ)において、伸線パスの最
終段を除く各段でのスリップ速度S n が5〜80m/min
の範囲にあることを特徴とするスチールワイヤの伸線方
法。
終段を除く各段でのスリップ速度S n が5〜80m/min
の範囲にあることを特徴とするスチールワイヤの伸線方
法。
【0017】(ハ)上記(イ)または(ロ)において、
最終段伸線パスのダイスでの減面率が、下記式(2) で定
義される上限値UL1 未満であることを特徴とするスチ
ールワイヤの伸線方法。 記 UL1 (%)=0.00000236×(TS)2 −0.0236×TS+64.4----(2) ここで、TS:最終段伸線パス出側のワイヤの引張強さ
(N/mm2)
最終段伸線パスのダイスでの減面率が、下記式(2) で定
義される上限値UL1 未満であることを特徴とするスチ
ールワイヤの伸線方法。 記 UL1 (%)=0.00000236×(TS)2 −0.0236×TS+64.4----(2) ここで、TS:最終段伸線パス出側のワイヤの引張強さ
(N/mm2)
【0018】(ニ)上記(ハ)において、最終段の前段
の伸線パスのダイスでの減面率が、最終段での上限値U
L1 +4.0 (%)以下であることを特徴とするスチール
ワイヤの伸線方法。
の伸線パスのダイスでの減面率が、最終段での上限値U
L1 +4.0 (%)以下であることを特徴とするスチール
ワイヤの伸線方法。
【0019】(ホ)上記(イ)ないし(ニ)のいずれか
において、最終段伸線パスのダイスでの減面率が2%以
上であることを特徴とするスチールワイヤの伸線方法。
において、最終段伸線パスのダイスでの減面率が2%以
上であることを特徴とするスチールワイヤの伸線方法。
【0020】(ヘ)上記(イ)ないし(ホ)のいずれか
において、最終段の前段の伸線パスのダイスでの減面率
が2%以上であることを特徴とするスチールワイヤの伸
線方法。
において、最終段の前段の伸線パスのダイスでの減面率
が2%以上であることを特徴とするスチールワイヤの伸
線方法。
【0021】(ト)上記(イ)ないし(ヘ)のいずれか
において、下記式(3) で定義される総伸線加工歪ε
Total の40%以上に相当する伸線加工を、 減面率が20%
以上24%以下のダイスを用いて行うことを特徴とするス
チールワイヤの伸線方法。 記 εTotal =2ln(d0 /dlast)----(3) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dlast:伸線機出側のワイヤ径(mm)
において、下記式(3) で定義される総伸線加工歪ε
Total の40%以上に相当する伸線加工を、 減面率が20%
以上24%以下のダイスを用いて行うことを特徴とするス
チールワイヤの伸線方法。 記 εTotal =2ln(d0 /dlast)----(3) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dlast:伸線機出側のワイヤ径(mm)
【0022】(チ)上記(ト)において、減面率が20%
以上24%以下のダイスを用いた伸線加工は、下記式(4)
で定義される初段からの累積伸線加工歪εn が0.5 以上
かつ2.5 未満のワイヤを伸線する伸線パスにて行うこと
を特徴とするスチールワイヤの伸線方法。 記 εn =2ln(d0 /dn )----(4) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dn :n段目の伸線パス出側のワイヤ径(mm)
以上24%以下のダイスを用いた伸線加工は、下記式(4)
で定義される初段からの累積伸線加工歪εn が0.5 以上
かつ2.5 未満のワイヤを伸線する伸線パスにて行うこと
を特徴とするスチールワイヤの伸線方法。 記 εn =2ln(d0 /dn )----(4) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dn :n段目の伸線パス出側のワイヤ径(mm)
【0023】(リ)上記(イ)ないし(チ)のいずれか
に記載の伸線方法を経たスチールワイヤ。
に記載の伸線方法を経たスチールワイヤ。
【0024】
【発明の実施の形態】さて、この発明で用いる多段スリ
ップ型湿式伸線装置は、図1に示すように、潤滑液槽1
中に配置した多段の駆動キャプスタン2aと2bとの間
でスチールワイヤ3を各段の駆動キャプスタン間で交互
に掛け渡す過程において、各段毎にダイス4による伸線
を行うものであり、ダイス4およびその出側に配置した
キャプスタン2aまたは2bを1つの伸線パスとして、
この伸線パスを多段に設けて成り、最終ダイス5を経
て、潤滑液槽1外側の駆動キャプスタン6から巻取り工
程へ送られる。
ップ型湿式伸線装置は、図1に示すように、潤滑液槽1
中に配置した多段の駆動キャプスタン2aと2bとの間
でスチールワイヤ3を各段の駆動キャプスタン間で交互
に掛け渡す過程において、各段毎にダイス4による伸線
を行うものであり、ダイス4およびその出側に配置した
キャプスタン2aまたは2bを1つの伸線パスとして、
この伸線パスを多段に設けて成り、最終ダイス5を経
て、潤滑液槽1外側の駆動キャプスタン6から巻取り工
程へ送られる。
【0025】ここで、湿式潤滑剤としてコバルトおよび
ニッケルのいずれか一方または両方を含有する潤滑液を
用いて、上記した式(1) で定義される駆動キャプスタン
におけるスリップ速度Sn が50m/min 以上となる伸線
パスを少なくとも1段は含むことが、肝要である。
ニッケルのいずれか一方または両方を含有する潤滑液を
用いて、上記した式(1) で定義される駆動キャプスタン
におけるスリップ速度Sn が50m/min 以上となる伸線
パスを少なくとも1段は含むことが、肝要である。
【0026】すなわち、湿式潤滑剤には、油性剤、 極圧
防止剤および界面活性剤等の通常の湿式潤滑剤成分に加
えて、コバルトおよびニッケルのいずれか一方または両
方を含有することが、ワイヤのブラスめっきに初期接着
性を付与するために、必要である。なお、コバルトおよ
びニッケルのいずれか一方または両方の添加量として
は、0.4g/l以上で添加することが好ましく、また
コスト低減の観点から上限を0.8g/lとすることが
有利である。
防止剤および界面活性剤等の通常の湿式潤滑剤成分に加
えて、コバルトおよびニッケルのいずれか一方または両
方を含有することが、ワイヤのブラスめっきに初期接着
性を付与するために、必要である。なお、コバルトおよ
びニッケルのいずれか一方または両方の添加量として
は、0.4g/l以上で添加することが好ましく、また
コスト低減の観点から上限を0.8g/lとすることが
有利である。
【0027】次に、表面にブラスめっきを施したスチー
ルワイヤを多段式スリップ型伸線機を用いてコバルトを
含有する潤滑剤によって湿式伸線する際に、 巻き取り速
度を変化させることによってスリップ速度を変化させた
場合に、 多段の伸線パスにおける各段の上記スリップ速
度のうち最大のスリップ速度と、めっき表層域(表面か
ら15nm深さまでの表層)のコバルト含有量との関係に
ついて、調査した結果を、図2に示す。さらに、 以上の
伸線処理にて得られたワイヤについて、JISG351
0(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法に
準拠して、ゴム接着性の試験を行った結果について、図
3に示す。
ルワイヤを多段式スリップ型伸線機を用いてコバルトを
含有する潤滑剤によって湿式伸線する際に、 巻き取り速
度を変化させることによってスリップ速度を変化させた
場合に、 多段の伸線パスにおける各段の上記スリップ速
度のうち最大のスリップ速度と、めっき表層域(表面か
ら15nm深さまでの表層)のコバルト含有量との関係に
ついて、調査した結果を、図2に示す。さらに、 以上の
伸線処理にて得られたワイヤについて、JISG351
0(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法に
準拠して、ゴム接着性の試験を行った結果について、図
3に示す。
【0028】まず、図3に示すように、ブラスめっきさ
れたワイヤとゴムとの接着性、とりわけ加硫時間に依存
せずに優れた接着性を確保するには、 ワイヤのめっき表
層域におけるコバルト含有量の制御が重要であることが
わかる。また、図2に示すように、めっき表層域のコバ
ルト含有量は、最大スリップ速度に応じて増加すること
がわかる。すなわち、ワイヤとゴムとの接着性を向上す
るには、最大スリップ速度を速く、具体的には50m/min
以上にすることが有効である。以上の結果は、潤滑剤に
ニッケルを添加した場合も同様である。
れたワイヤとゴムとの接着性、とりわけ加硫時間に依存
せずに優れた接着性を確保するには、 ワイヤのめっき表
層域におけるコバルト含有量の制御が重要であることが
わかる。また、図2に示すように、めっき表層域のコバ
ルト含有量は、最大スリップ速度に応じて増加すること
がわかる。すなわち、ワイヤとゴムとの接着性を向上す
るには、最大スリップ速度を速く、具体的には50m/min
以上にすることが有効である。以上の結果は、潤滑剤に
ニッケルを添加した場合も同様である。
【0029】従って、 コバルトやニッケルを含有する潤
滑剤で伸線する場合は、 ワイヤとゴムとの接着に有効な
薄膜層をワイヤ表面に形成させるために、 少なくとも1
回の伸線パスは50m/min 以上のスリップ速度で行うこと
が肝要である。より好ましくは、全体の半分程度の伸線
パスを50m/min 以上のスリップ速度で行うとよい。
滑剤で伸線する場合は、 ワイヤとゴムとの接着に有効な
薄膜層をワイヤ表面に形成させるために、 少なくとも1
回の伸線パスは50m/min 以上のスリップ速度で行うこと
が肝要である。より好ましくは、全体の半分程度の伸線
パスを50m/min 以上のスリップ速度で行うとよい。
【0030】なお、上記の最大スリップ速度を満足させ
た上で、伸線パスの最終段(図1ではダイス5および駆
動キャプスタン6)を除く各段でのスリップ速度Sn は
5〜80m/min の範囲にあることが好ましい。すなわ
ち、スリップ速度Sn が80m/min を超えると、駆動キ
ャプスタンがワイヤ線速を増加させようとする作用が大
きくなり、線速が不安定となる。また、例え線速が平均
線速に近い値に安定したとしても、キャプスタン周速と
の差が大きいため、ワイヤ表面の損傷、消費エネルギー
の増加等の問題が付随する。これに対して、スリップ速
度Sn を80m/min 以下に設定した場合は、ワイヤ線速
の変動が少ない安定した状態で伸線される。
た上で、伸線パスの最終段(図1ではダイス5および駆
動キャプスタン6)を除く各段でのスリップ速度Sn は
5〜80m/min の範囲にあることが好ましい。すなわ
ち、スリップ速度Sn が80m/min を超えると、駆動キ
ャプスタンがワイヤ線速を増加させようとする作用が大
きくなり、線速が不安定となる。また、例え線速が平均
線速に近い値に安定したとしても、キャプスタン周速と
の差が大きいため、ワイヤ表面の損傷、消費エネルギー
の増加等の問題が付随する。これに対して、スリップ速
度Sn を80m/min 以下に設定した場合は、ワイヤ線速
の変動が少ない安定した状態で伸線される。
【0031】一方、スリップ速度Sn の下限値につい
て、各段のスリップ速度Sn をゼロに設定してノンスリ
ップ型伸線のように常にキャプスタン周速と同じ線速で
伸線することも、理論的には考えられるが、実際には、
ダイス孔径のばらつきやダイスの摩耗により、常に各段
のスリップ速度Sn をゼロにしておくことは非常に困難
である。そこで、最終段以外の各段では、スリップ速度
Sn >0として操業することになる。この場合、スリッ
プ速度Sn の値を5m/min 未満に設定すると、起こり
得る線速変動幅は小さくなるが、キャプスタン周速と線
速との差が小さいため、スリップ速度Sn >0ですべり
摩擦により引き抜く状態のみならず、スリップ速度Sn
=0で静止摩擦により引き抜く状態も生じ得る。従っ
て、キャプスタンとワイヤとの間の摩擦係数が、すべり
摩擦係数と静止摩擦係数との間で大きく変動し、キャプ
スタン出側での張力変動が大きくなる結果、次段のダイ
スにおける後方張力が大きく変動し、ダイスの摩耗、ワ
イヤの品質劣化等をもたらす。この張力変動は、さらに
上流の段へも伝播し得る。以上の現象を防止するには、
常にすべり摩擦により引き抜くことが有効であり、その
ために、最終段以外の各段でのスリップ速度Sn を5m
/min 以上に設定することが好ましい。
て、各段のスリップ速度Sn をゼロに設定してノンスリ
ップ型伸線のように常にキャプスタン周速と同じ線速で
伸線することも、理論的には考えられるが、実際には、
ダイス孔径のばらつきやダイスの摩耗により、常に各段
のスリップ速度Sn をゼロにしておくことは非常に困難
である。そこで、最終段以外の各段では、スリップ速度
Sn >0として操業することになる。この場合、スリッ
プ速度Sn の値を5m/min 未満に設定すると、起こり
得る線速変動幅は小さくなるが、キャプスタン周速と線
速との差が小さいため、スリップ速度Sn >0ですべり
摩擦により引き抜く状態のみならず、スリップ速度Sn
=0で静止摩擦により引き抜く状態も生じ得る。従っ
て、キャプスタンとワイヤとの間の摩擦係数が、すべり
摩擦係数と静止摩擦係数との間で大きく変動し、キャプ
スタン出側での張力変動が大きくなる結果、次段のダイ
スにおける後方張力が大きく変動し、ダイスの摩耗、ワ
イヤの品質劣化等をもたらす。この張力変動は、さらに
上流の段へも伝播し得る。以上の現象を防止するには、
常にすべり摩擦により引き抜くことが有効であり、その
ために、最終段以外の各段でのスリップ速度Sn を5m
/min 以上に設定することが好ましい。
【0032】また、最終段伸線パスのダイス(図1にお
けるダイス5)での減面率が、上記した式(2) で定義さ
れる上限値UL1 未満であることが好ましい。すなわ
ち、 最終段伸線パスのダイスの出側では、伸線加工で発
熱したワイヤが空気に直接触れるため、 ワイヤ表面には
金属酸化物が生成しやすい。 ブラスめっきされたスチー
ルワイヤをコバルトやニッケルを含有する潤滑剤で伸線
する場合、 ワイヤ表面には酸化亜鉛や酸化コバルト、あ
るいは酸化ニッケルが主に生成する。 これらワイヤ表面
の酸化被膜は、 比較的安定な化合物であるため、 めっき
されたワイヤとゴムとが接着する反応、 つまりめっき中
の銅とゴム中の硫黄との反応に対し、 バリヤのように働
く結果、接着性を阻害することになる。 従って、 接着促
進のためにコバルトやニッケルを用いる効果が抑制され
てしまう。
けるダイス5)での減面率が、上記した式(2) で定義さ
れる上限値UL1 未満であることが好ましい。すなわ
ち、 最終段伸線パスのダイスの出側では、伸線加工で発
熱したワイヤが空気に直接触れるため、 ワイヤ表面には
金属酸化物が生成しやすい。 ブラスめっきされたスチー
ルワイヤをコバルトやニッケルを含有する潤滑剤で伸線
する場合、 ワイヤ表面には酸化亜鉛や酸化コバルト、あ
るいは酸化ニッケルが主に生成する。 これらワイヤ表面
の酸化被膜は、 比較的安定な化合物であるため、 めっき
されたワイヤとゴムとが接着する反応、 つまりめっき中
の銅とゴム中の硫黄との反応に対し、 バリヤのように働
く結果、接着性を阻害することになる。 従って、 接着促
進のためにコバルトやニッケルを用いる効果が抑制され
てしまう。
【0033】このワイヤ表面の酸化被膜の生成は、 ワイ
ヤ表面のところどころで潤滑被膜の膜切れが起こり、 め
っきとダイスとが大きな圧力下で直接接触して、 ダイス
における発熱が急に大きくなる結果、起きるものであ
る。従って、最終ダイスにおける減面率を上限値UL1
未満に制御して、急激な発熱を回避することによって、
ワイヤ表面の酸化被膜の生成を抑制することが、ワイヤ
の接着性を維持するのに有利である。
ヤ表面のところどころで潤滑被膜の膜切れが起こり、 め
っきとダイスとが大きな圧力下で直接接触して、 ダイス
における発熱が急に大きくなる結果、起きるものであ
る。従って、最終ダイスにおける減面率を上限値UL1
未満に制御して、急激な発熱を回避することによって、
ワイヤ表面の酸化被膜の生成を抑制することが、ワイヤ
の接着性を維持するのに有利である。
【0034】なお、上限値UL1 に関する上記式(2)
は、次のようにして導いた。すなわち、最終ダイスの減
面率と最終ワイヤの捻回値との関係を調査した結果を図
6に示すように、最終ワイヤの捻回値、つまり延性は最
終ダイスの減面率がある値をこえると急落し、その急落
ポイントは、最終ワイヤの引張強さ(TS)に応じて変
わることがわかった。さらに、最終ワイヤの引張強さと
急落ポイントとは、図7に示すような相関があることも
わかり、上記式(2) は、その近似式によって導かれたも
のである。なお、ここでいう捻回値とは、最終ワイヤに
9.8Nの張力をかけ両端を固定した後、一端をワイヤ
が切れるまで捻じり、その切断が発生するまでの捻じり
回数をワイヤ径の100倍に相当する長さ当りに換算し
たものである。
は、次のようにして導いた。すなわち、最終ダイスの減
面率と最終ワイヤの捻回値との関係を調査した結果を図
6に示すように、最終ワイヤの捻回値、つまり延性は最
終ダイスの減面率がある値をこえると急落し、その急落
ポイントは、最終ワイヤの引張強さ(TS)に応じて変
わることがわかった。さらに、最終ワイヤの引張強さと
急落ポイントとは、図7に示すような相関があることも
わかり、上記式(2) は、その近似式によって導かれたも
のである。なお、ここでいう捻回値とは、最終ワイヤに
9.8Nの張力をかけ両端を固定した後、一端をワイヤ
が切れるまで捻じり、その切断が発生するまでの捻じり
回数をワイヤ径の100倍に相当する長さ当りに換算し
たものである。
【0035】この最終段伸線パスのダイスでの減面率
は、具体的に2%以上であることが、伸線後のワイヤの
真直性を確保し、かつ引き太りを回避するのに有利であ
る。
は、具体的に2%以上であることが、伸線後のワイヤの
真直性を確保し、かつ引き太りを回避するのに有利であ
る。
【0036】さらに、最終段の前段の伸線パスのダイス
での減面率が、最終段での上限値UL1 +4.0 (%)以
下であることが、伸線時の断線を回避し、ワイヤに延性
を与える上で有利である。この最終段の前段の伸線パス
のダイスでの減面率も、上記最終段の場合と同様に2%
以上であることが好ましい。
での減面率が、最終段での上限値UL1 +4.0 (%)以
下であることが、伸線時の断線を回避し、ワイヤに延性
を与える上で有利である。この最終段の前段の伸線パス
のダイスでの減面率も、上記最終段の場合と同様に2%
以上であることが好ましい。
【0037】また、上記した式(3) で定義される総伸線
加工歪εTotal の40%以上に相当する伸線加工を、減面
率を20%以上24%以下、好ましくは23%以下に設定した
ダイスにて行うことにより、鋼線の表面の損傷、断線、
ダイスの早期摩耗等の問題を生じることなく、延性に優
れた高強度鋼線をより有利に製造することができる。具
体的には、減面率を20%以上24%以下、好ましくは23%
以下に設定したダイスにおけるダイス加工歪の合計値
が、総伸線加工歪εTotal の40%以上となるように、パ
ススケジュールを設計するのである。
加工歪εTotal の40%以上に相当する伸線加工を、減面
率を20%以上24%以下、好ましくは23%以下に設定した
ダイスにて行うことにより、鋼線の表面の損傷、断線、
ダイスの早期摩耗等の問題を生じることなく、延性に優
れた高強度鋼線をより有利に製造することができる。具
体的には、減面率を20%以上24%以下、好ましくは23%
以下に設定したダイスにおけるダイス加工歪の合計値
が、総伸線加工歪εTotal の40%以上となるように、パ
ススケジュールを設計するのである。
【0038】上記のようにパススケジュールを設定する
のは、多段伸線の過程において減面率を20%以上24%以
下、好ましくは23%以下に設定したダイスでの加工の割
合を40%以上とすることにより、その割合が40%未満の
ときに比べて、ワイヤ表層部への加工歪の集中的蓄積を
大幅に抑制するためである。特に、ゴム物品補強用高強
度鋼線等に好適であり、ゴムの加硫に伴う加熱による延
性低下が少なく、耐久性の高い高強度鋼線を得ることが
できる。さらに、減面率を20%以上24%以下、好ましく
は23%以下に設定することは、引き抜き力の過剰に起因
した断線を抑制するのに有利である。
のは、多段伸線の過程において減面率を20%以上24%以
下、好ましくは23%以下に設定したダイスでの加工の割
合を40%以上とすることにより、その割合が40%未満の
ときに比べて、ワイヤ表層部への加工歪の集中的蓄積を
大幅に抑制するためである。特に、ゴム物品補強用高強
度鋼線等に好適であり、ゴムの加硫に伴う加熱による延
性低下が少なく、耐久性の高い高強度鋼線を得ることが
できる。さらに、減面率を20%以上24%以下、好ましく
は23%以下に設定することは、引き抜き力の過剰に起因
した断線を抑制するのに有利である。
【0039】上記の条件を満足するパススケジュールを
設定するにあたり、減面率を20%以上24%以下、好まし
くは23%以下に設定したダイスでの伸線加工は、高い減
面率での伸線加工が比較的容易である伸線パス、すなわ
ち上記した式(4) で定義される累積伸線加工歪εn が0.
5 以上かつ2.5 未満のワイヤを伸線する伸線パスにて行
うことが好ましい。なぜなら、εn が0.5 未満のワイヤ
は、表面の潤滑性が未だ良好でなく、εn が小さくなる
上流の伸線パスほど、高い減面率での伸線加工が困難に
なるためである。特に、ゴム物品補強用高強度鋼線製造
のためのブラスめっきワイヤの伸線において顕著であ
る。一方、εn が2.5 以上のワイヤを加工する伸線パス
においては伸線速度が速くなり、かつワイヤの変形抵抗
も高くなるため、εn が大きくなる下流の伸線パスほ
ど、高い減面率での伸線加工が困難となるためである。
設定するにあたり、減面率を20%以上24%以下、好まし
くは23%以下に設定したダイスでの伸線加工は、高い減
面率での伸線加工が比較的容易である伸線パス、すなわ
ち上記した式(4) で定義される累積伸線加工歪εn が0.
5 以上かつ2.5 未満のワイヤを伸線する伸線パスにて行
うことが好ましい。なぜなら、εn が0.5 未満のワイヤ
は、表面の潤滑性が未だ良好でなく、εn が小さくなる
上流の伸線パスほど、高い減面率での伸線加工が困難に
なるためである。特に、ゴム物品補強用高強度鋼線製造
のためのブラスめっきワイヤの伸線において顕著であ
る。一方、εn が2.5 以上のワイヤを加工する伸線パス
においては伸線速度が速くなり、かつワイヤの変形抵抗
も高くなるため、εn が大きくなる下流の伸線パスほ
ど、高い減面率での伸線加工が困難となるためである。
【0040】なお、上記した多段スリップ型伸線機にお
いて用いるダイスは、図4に示すようにアプローチ角α
が4〜6.5 °で、かつベアリング長さEが0.3 dn 〜0.
7 d n (dn :出線径) のものが望ましい。なお、d0
は入線径である。さらに、 使用するダイスをタイヤモン
ドダイスとすることにより、 その耐摩耗性を高めること
ができる。
いて用いるダイスは、図4に示すようにアプローチ角α
が4〜6.5 °で、かつベアリング長さEが0.3 dn 〜0.
7 d n (dn :出線径) のものが望ましい。なお、d0
は入線径である。さらに、 使用するダイスをタイヤモン
ドダイスとすることにより、 その耐摩耗性を高めること
ができる。
【0041】また、多段スリップ型伸線機の駆動キャプ
スタンについては、夫々以下の条件を満足することが、
この発明を実施する上で好ましい。 外周面の中心線平均粗さ<0.2 μm (好ましくは<0.1
μm ) ヴィッカース硬さ(Vickers hardness)>700 (好ましく
は≧750 ) テーパー角(図5中のβ) :0.9 〜1.2 °(好ましくは
1.00±0.05°)
スタンについては、夫々以下の条件を満足することが、
この発明を実施する上で好ましい。 外周面の中心線平均粗さ<0.2 μm (好ましくは<0.1
μm ) ヴィッカース硬さ(Vickers hardness)>700 (好ましく
は≧750 ) テーパー角(図5中のβ) :0.9 〜1.2 °(好ましくは
1.00±0.05°)
【0042】さらに、引き抜き力の過剰に起因する断線
を防止するには、n段目のダイスについて、引き抜き力
(Zn )と出線径側のワイヤの破断強力(Tn )との関
係を、Zn <Tn ×0.6 となるように、ワイヤの駆動キ
ャプスタンへの巻き付け角度を設定することが好まし
い。
を防止するには、n段目のダイスについて、引き抜き力
(Zn )と出線径側のワイヤの破断強力(Tn )との関
係を、Zn <Tn ×0.6 となるように、ワイヤの駆動キ
ャプスタンへの巻き付け角度を設定することが好まし
い。
【0043】
【実施例】約0.82重量%の炭素を含有する直径5.
5mmの高炭素鋼ワイヤに、 直径が約1.72mmとな
るまで繰り返し乾式伸線を施した後、パテンティング処
理、そしてブラスめっき処理を施して準備したワイヤに
ついて、 図1に示したところに従って、表1〜表5に示
す種々のパススケジュールにて、コバルトを600ppmで含
有し残部は通常の潤滑剤組成になる潤滑液を用いて、直
径が約0.3mmおよび引張強さが約340 N/mm2 とな
るまで湿式伸線を行った。
5mmの高炭素鋼ワイヤに、 直径が約1.72mmとな
るまで繰り返し乾式伸線を施した後、パテンティング処
理、そしてブラスめっき処理を施して準備したワイヤに
ついて、 図1に示したところに従って、表1〜表5に示
す種々のパススケジュールにて、コバルトを600ppmで含
有し残部は通常の潤滑剤組成になる潤滑液を用いて、直
径が約0.3mmおよび引張強さが約340 N/mm2 とな
るまで湿式伸線を行った。
【0044】以上の湿式伸線における、最大スリップ速
度およびワイヤ表層のコバルト含有量について調査し、
また各伸線で得られたワイヤについて、JIS G35
10(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法
に準拠して、ゴム接着性の試験を行った。なお、ゴムの
加硫条件は、約145℃で約20分間とした。これらの
調査結果を、表6に示す。
度およびワイヤ表層のコバルト含有量について調査し、
また各伸線で得られたワイヤについて、JIS G35
10(1992)の参考に規定されたゴム接着試験方法
に準拠して、ゴム接着性の試験を行った。なお、ゴムの
加硫条件は、約145℃で約20分間とした。これらの
調査結果を、表6に示す。
【0045】表6に示す通り、 ダイスの減面率や伸線機
の駆動キャプスタンの減速比や伸線速度の調整によっ
て、スリップ速度をこの発明の範囲に規制することによ
って、ワイヤのゴムに対する接着性を向上させることが
可能であり、 また、 その接着性向上効果を有効にするに
は最終ダイスの滅面率の制御も重要であることがわか
る。
の駆動キャプスタンの減速比や伸線速度の調整によっ
て、スリップ速度をこの発明の範囲に規制することによ
って、ワイヤのゴムに対する接着性を向上させることが
可能であり、 また、 その接着性向上効果を有効にするに
は最終ダイスの滅面率の制御も重要であることがわか
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、コバルトやニッケル
を含有した湿式潤滑剤を有効に活用し、 その長所である
ゴムとの初期接着の向上効果を効率よく引き出すことが
可能になり、 初期接着性の高いスチールワイヤをより安
価に供給できる。従って、この発明は、 初期接着性を高
めるためのコバルトやニッケルを含まない、 あるいはコ
バルトやニッケルの含有量が少ないゴムと組み合わせて
使用される、スチールワイヤの製造において特に有効で
ある。
を含有した湿式潤滑剤を有効に活用し、 その長所である
ゴムとの初期接着の向上効果を効率よく引き出すことが
可能になり、 初期接着性の高いスチールワイヤをより安
価に供給できる。従って、この発明は、 初期接着性を高
めるためのコバルトやニッケルを含まない、 あるいはコ
バルトやニッケルの含有量が少ないゴムと組み合わせて
使用される、スチールワイヤの製造において特に有効で
ある。
【図1】 多段スリップ型湿式伸線機の模式図である。
【図2】 最大スリップ速度とワイヤ表層のコバルト量
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図3】 ワイヤ表層のコバルト量とゴム付着率との関
係を示す図である。
係を示す図である。
【図4】 ダイスのアプローチ角、ベアリング長を示す
図である。
図である。
【図5】 駆動キャプスターのテーパー角を示す図であ
る。
る。
【図6】 最終ダイス減面率と捻回値との関係を示す図
である。
である。
【図7】 最終ワイヤの引張強さと捻回値急落ポイント
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
1 潤滑液水槽 2a,2b 駆動キャプスタン 3 スチールワイヤ 4 ダイス 5 最終ダイス 6 駆動キャプスタン
Claims (9)
- 【請求項1】 ブラスめっきが施されたスチールワイヤ
を、ダイスとそのダイスを通過したスチールワイヤを引
抜く駆動キャプスタンとからなる伸線パスを複数段有す
る多段スリップ型伸線機によって湿式伸線するに当り、
コバルトおよびニッケルのいずれか一方または両方を含
有する湿式潤滑剤を用いて、下記式(1) で定義される駆
動キャプスタンにおけるスリップ速度Sn が50m/min
以上となる伸線パスを少なくとも1段は含むことを特徴
とするスチールワイヤの伸線方法。 記 Sn =Vcn−Vwn----(1) ここで、Sn :n段目の駆動キャプスタンにおけるスリ
ップ速度 Vcn:n段目の駆動キャプスタンの周速度 Vwn:n段目の駆動キャプスタンにおけるスチールワイ
ヤ速度 - 【請求項2】 請求項1において、伸線パスの最終段を
除く各段でのスリップ速度Sn が5〜80m/min の範囲
にあることを特徴とするスチールワイヤの伸線方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、最終段伸線
パスのダイスでの減面率が、下記式(2) で定義される上
限値UL1 未満であることを特徴とするスチールワイヤ
の伸線方法。 記 UL1 (%)=0.00000236×(TS)2 −0.0236×TS+64.4----(2) ここで、TS:最終段伸線パス出側のワイヤの引張強さ
(N/mm2) - 【請求項4】 請求項3において、最終段の前段の伸線
パスのダイスでの減面率が、最終段での上限値UL1 +
4.0 (%)以下であることを特徴とするスチールワイヤ
の伸線方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
最終段伸線パスのダイスでの減面率が2%以上であるこ
とを特徴とするスチールワイヤの伸線方法。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
最終段の前段の伸線パスのダイスでの減面率が2%以上
であることを特徴とするスチールワイヤの伸線方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
下記式(3) で定義される総伸線加工歪εTotal の40%以
上に相当する伸線加工を、 減面率が20%以上24%以下の
ダイスを用いて行うことを特徴とするスチールワイヤの
伸線方法。 記 εTotal =2ln(d0 /dlast)----(3) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dlast:伸線機出側のワイヤ径(mm) - 【請求項8】 請求項7において、減面率が20%以上24
%以下のダイスを用いた伸線加工は、下記式(4) で定義
される初段からの累積伸線加工歪εn が0.5 以上かつ2.
5 未満のワイヤを伸線する伸線パスにて行うことを特徴
とするスチールワイヤの伸線方法。 記 εn =2ln(d0 /dn )----(4) ここで、d0 :伸線機入側のワイヤ径(mm) dn :n段目の伸線パス出側のワイヤ径(mm) - 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の伸
線方法を経たスチールワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197181A JP2002011520A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | スチールワイヤの伸線方法およびゴム物品補強用スチールワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197181A JP2002011520A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | スチールワイヤの伸線方法およびゴム物品補強用スチールワイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002011520A true JP2002011520A (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=18695545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000197181A Pending JP2002011520A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | スチールワイヤの伸線方法およびゴム物品補強用スチールワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002011520A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009091691A (ja) * | 2007-10-09 | 2009-04-30 | Bridgestone Corp | ゴム物品補強用スチールワイヤ及びその製造方法、スチールコード、ゴム複合体並びに空気入りタイヤ |
JP2009215674A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Bridgestone Corp | スチールコード−ゴム複合体 |
JP2009215673A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Bridgestone Corp | スチールコード−ゴム複合体 |
JP2010069524A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Bridgestone Corp | 湿式伸線加工用潤滑剤および湿式伸線方法 |
JP2016087687A (ja) * | 2014-11-10 | 2016-05-23 | 弘▲徳▼産業株式会社Hongduk Industrial Co.,Ltd. | ゴム補強用スチールコード及びその製造方法 |
CN106269936A (zh) * | 2016-11-15 | 2017-01-04 | 马素珍 | 一种用于单向拉拔水箱拉丝机的拉拔塔轮组 |
-
2000
- 2000-06-29 JP JP2000197181A patent/JP2002011520A/ja active Pending
Cited By (6)
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JP2009215674A (ja) * | 2008-03-10 | 2009-09-24 | Bridgestone Corp | スチールコード−ゴム複合体 |
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