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JP2002011339A - 超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応方法及び装置 - Google Patents

超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応方法及び装置

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Publication number
JP2002011339A
JP2002011339A JP2000195382A JP2000195382A JP2002011339A JP 2002011339 A JP2002011339 A JP 2002011339A JP 2000195382 A JP2000195382 A JP 2000195382A JP 2000195382 A JP2000195382 A JP 2000195382A JP 2002011339 A JP2002011339 A JP 2002011339A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
reaction
fluid
temperature
supercritical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000195382A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hirata
悟史 平田
Keiichi Komai
啓一 駒井
Noriaki Izumi
憲明 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000195382A priority Critical patent/JP2002011339A/ja
Publication of JP2002011339A publication Critical patent/JP2002011339A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超臨界・亜臨界条件の流体中で化学反応を効
率的に行う。 【解決手段】 反応容器10は隔壁部材12で内側流路
14と外側流路16に分かれ、流体は内側流路14の底
部から内側流路内を上に向かって流れ、外側流路16に
入った後、外側流路内を下に向かって流れる。内側流路
の供給管36に反応の溶媒となる流体を加圧、加温して
供給し、供給管48に反応材料、反応の速度を調節する
試薬を供給し、内側流路14内で化学反応が行われる。
内側流路14と外側流路16の間に流路内の流体より温
度の低い流体を供給し流体の温度を下げる。流体が外側
流路16を流れる間に、流体に溶解していた反応生成物
を析出させ、析出していた物質を流体中に溶解させる。
反応で発生した気体は上部流出孔62より回収する。反
応に用いた流体は圧力を維持したまま下部流出孔76よ
り回収し循環使用する。反応生成物は底部流出孔82よ
り回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超臨界及び/又は
亜臨界条件の流体中で、物質の化学反応を行うプロセス
に使用して好適な高温高圧反応容器による反応方法及び
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超臨界条件及び/又は亜臨界条件の流体
中で行われる物質の化学反応の一例として、超臨界条件
の水によってPCB、ダイオキシン類などの有害有機化
合物、下水汚泥、焼却灰などの有機性廃棄物を酸化分解
処理するプロセスがある。また、他の例として、超臨界
条件又は亜臨界条件の水によって石炭、バイオマスなど
の有機化合物を分解し、水素、メタン、エタン、一酸化
炭素などのガスと、低分子化合物を回収するプロセスが
ある。また、他の例として、超臨界条件の水によってプ
ラスチック、樹脂等を分解し、水素、メタン、エタン、
一酸化炭素などのガスと、化学工業原料又は燃料となる
モノマーを回収するプロセスがある。また、他の例とし
て、触媒、溶剤に濃硫酸を使用することなく、超臨界条
件の水の中で、シクロヘキサンからナイロン繊維の原料
であるε−カプロラクタムを合成するプロセスがある。
また、他の例として、超臨界条件のメタノール中で、樹
脂を生成、再合成反応するプロセスがある。
【0003】ここに例示したものの他に、超臨界条件及
び/又は亜臨界条件の流体中で行われる物質の化学反応
としては、さまざまなものが考えられる。なお、超臨界
条件とは、物質ごとに決まっている臨界点の温度、圧力
よりも、温度、圧力ともに又はいずれか一方が高い条件
にあることをいう。例えば、水の超臨界条件は、温度3
74℃以上、圧力22.1MPa以上の温度、圧力を満た
す条件を指す。また、亜臨界条件とは、物質ごとに決ま
っている超臨界条件よりも、温度、圧力の両方、又はい
ずれか一方が、超臨界条件よりも低い場合の条件を指
す。例えば、温度が臨界点温度より0〜30℃、圧力が
臨界点圧力より0〜5MPa低い条件を、亜臨界状態とい
う。
【0004】有害有機化合物の分解処理においては、2
00〜300℃程度の温度、10MPa程度の熱水中に、
酸化剤として空気もしくは酸素を送り込んで行う湿式酸
化法が一般的に行われている。しかし、下水汚泥、PC
B、ダイオキシン類など、難分解性の有機化合物の場合
は、短時間に十分な分解が得られないことが問題となっ
ていた。このような分解の程度に係る問題点を改善する
方法として、水の超臨界条件(温度374℃以上、圧力
22.1MPa以上)で酸化剤を作用させて分解する超臨
界水酸化法が近年注目され、技術開発が進められてい
る。その一例として、特公平1−38532号公報に超
臨界水酸化法の技術が開示されている。また、この分解
処理に用いる容器装置としては、特開平7−31398
7号公報、特開平10−15566号公報、特開平10
−137775号公報をはじめとしたさまざまな形状の
容器が開示されている。超臨界水を用いる酸化反応で問
題となるのは、高温高圧容器の内側の材質である。すな
わち、高温高圧容器内側の材質には、超臨界温度に耐え
る耐熱性、超臨界圧力に耐える耐圧性、及び容器内部で
起こる酸化反応に対する耐腐蝕性が同時に要求され、イ
ンコネル等の耐熱材料の表面に、アルミナ、窒化ケイ
素、炭化ケイ素等のセラミックスの溶射もしくはライニ
ング等を施すことにより、耐蝕層を形成することが行わ
れている。
【0005】超臨界条件又は亜臨界条件の水によって石
炭を分解して軽質化するとともに、水素を生産するプロ
セスについては、特開平10−237456号公報にそ
の方法、特開平10−237458号公報に基本的なプ
ロセスが開示されているものの、プロセスに用いる高温
高圧容器についてはほとんど開示されていない。また、
超臨界条件又は亜臨界条件の水によってバイオマス、有
機性廃棄物を分解して、水素、メタン、エタン、一酸化
炭素などのガスや、低分子化合物を生成するプロセスに
ついても、基本的なプロセスは開示されているものの、
高温高圧容器に関してはほとんど開示されていない。
【0006】また、従来の技術として、超臨界条件の水
によってプラスチック、樹脂等を分解し、水素、メタ
ン、エタン、一酸化炭素などのガスと、化学工業原料又
は燃料となるモノマーを回収するプロセスにおいては、
基本的なプロセスは開示されているものの、プロセスに
用いる高温高圧反応容器についてはほとんど開示されて
いない。また、触媒、溶剤に濃硫酸を使用することな
く、超臨界条件の水の中で、シクロヘキサンからナイロ
ン繊維の原料であるε−カプロラクタムを合成するプロ
セスについても、基本的なプロセスは開示されているも
のの、プロセスに用いる高温高圧反応容器についてはほ
とんど開示されていない。また、超臨界条件のメタノー
ル中で、樹脂を生成、再合成反応するプロセスについて
も、基本的なプロセスは開示されているものの、プロセ
スに用いる高温高圧反応容器についてはほとんど開示さ
れていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−31398
7号公報、特開平10−15566号公報、特開平10
−137775号公報をはじめとした、有害有機化合物
の超臨界水酸化に用いるための容器装置では、耐圧容器
の内側を構成するすべての部材に、耐熱性、耐圧性、耐
腐蝕性が要求されるため、高温高圧反応容器製作におけ
る材料選択の幅が狭い上に、製品原価が高くなり、一方
で、容器寿命も短いという問題がある。
【0008】特開平7−313987号公報、特開平1
0−15566号公報、特開平10−137775号公
報をはじめとした連続操作が可能な高温高圧反応容器装
置では、ポンプ等による流体、反応材料の供給による押
出し流れによって、流体、反応材料、反応生成物などが
容器の中を一方向に流れて行く。これは高温高圧反応を
行わせるために、外部からエネルギーを与えなければな
らないということであり、運転に必要なコストが増大す
るという問題がある。また、特開平10−15566号
公報の装置では、高温高圧反応容器中に超臨界領域とそ
れより温度が低い亜臨界領域を持つが、亜臨界領域は容
器の外壁を冷却水で冷やすことにより流体の温度を下げ
て創出している。また、特公平6−20487号公報の
装置も、高温高圧反応容器中に超臨界領域と、それより
温度が低い亜臨界領域を持つが、亜臨界領域は容器内を
通るパイプに冷却水を循環させることによって流体の温
度を下げて創出している。これらの方法では、高温高圧
反応容器装置の構造が複雑になり、装置の価格上昇につ
ながるとともに、装置の保守点検が困難となる。また、
特開平10−15566号公報の装置では、高温高圧反
応容器の上部を超臨界領域、下部を亜臨界領域としてい
るが、反応容器内で両領域を区分するための構造物がな
いため、容器内部で流体の対流や伝熱が起こり、2つの
領域を設けることは実質的には困難である。
【0009】特開平7−313987号公報、特開平1
0−15566号公報、特開平10−137775号公
報をはじめとした連続操作が可能な高温高圧反応容器で
は、溶媒となる流体の循環使用については述べられてお
らず、反応に用いる流体は高温高圧反応容器の入口です
べて加熱、加圧を行う必要がある。これらの装置で、溶
媒となる流体を循環使用する場合も、高温高圧反応容器
の入口で加熱、加圧が必要となる。このため、加熱、加
圧に要するエネルギーが多く必要となり、循環使用しな
い場合は、それに加えて溶媒となる流体の使用量が増大
するという問題がある。また、特公平6−20487号
公報記載の装置は、高温高圧流体を用いた抽出プロセ
ス、すなわち、コーヒー豆、紅茶からのカフェイン抽
出、ホップ、香辛料エキスの抽出、タバコ葉からのニコ
チンの抽出への適用を目的としたもので、本発明のよう
に化学反応を主たる目的とした容器装置とは明らかに異
なる。
【0010】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、有害有機化合物の分解に用いる従
来の高温高圧反応容器における上述したような問題点を
解決するとともに、有害有機化合物の分解以外の目的で
行われる超臨界及び/又は亜臨界条件の流体中での物質
の化学反応を行うプロセスに使用して好適な高温高圧反
応容器による反応方法及び装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反
応方法は、筒状の外壁部材の上下を蓋部材で施蓋して反
応容器を形成し、反応容器内に筒状の隔壁部材を設け
て、隔壁部材の一端部を一方の蓋部材に固定して反応容
器内を隔壁部材により内側流路と外側流路とに分け、隔
壁部材の他端部と他方の蓋部材との間に設けられた間隙
で内側流路と外側流路とが連通するようにした高温高圧
反応容器を用いて、内側流路が超臨界又は亜臨界領域と
なるように、一方の蓋部材側から内側流路に加圧・加温
された流体を供給し、この超臨界又は亜臨界領域に反応
材料を含む流体を供給して化学反応を行い、内側流路内
を流れる反応流体を他方の蓋部材側で反転させて外側流
路に移送し、外側流路が内側流路よりも温度が低い領域
となるように外側流路で流体の温度を下げて、外側流路
内を一方の蓋部材側に向かって流れる流体から反応生成
物を回収するように構成されている。
【0012】上記の本発明の方法において、外側流路の
冷却のために冷却用の高圧流体を内側流路と外側流路の
間から供給することが好ましい。高温高圧反応容器に温
度の低い流体を添加することで流体の温度を下げている
ので、高温高圧反応容器の構造が単純化され、装置価格
の低減につながるとともに、装置の保守点検が容易とな
る。なお、外側流路内の温度を調節するために、高温高
圧反応容器内部に設置したパイプに冷却水を流す、及び
/又は容器の外壁を冷却水で冷やすという方法も採用す
ることができる。また、上記の本発明の方法において、
高温高圧反応に用いる流体を外側流路から回収して高圧
に保持したまま再び内側流路に供給し循環使用すること
が好ましい。高温高圧流体の温度を若干下げるだけで、
圧力は維持したまま反応容器外に取り出すので、循環使
用する場合、加圧、加温に要するエネルギーを大幅に減
らすことができる。また、循環使用することで溶媒とな
る流体の使用量を大幅に減らすことができる。なお、本
発明において、溶媒となる流体を循環使用しないことも
もちろん可能である。
【0013】本発明の超臨界・亜臨界流体を用いる高温
高圧反応装置は、筒状の外壁部材の上下を蓋部材で気密
に施蓋して反応容器を形成し、反応容器内に筒状の隔壁
部材を設けて、隔壁部材の一端部を一方の蓋部材に固定
して反応容器内を隔壁部材により内側流路と外側流路と
に分け、隔壁部材の他端部と他方の蓋部材との間に設け
られた間隙で内側流路と外側流路とが連通し、内側流路
が超臨界又は亜臨界領域となるように内側流路の一方の
蓋部材側に加圧・加温された流体の供給手段を接続し、
内側流路の一方の蓋部材側に反応材料を含む流体の供給
手段を接続して超臨界又は亜臨界領域で化学反応が進行
するようにし、反応流体が内側流路から他方の蓋部材側
で反転して外側流路に移送されるようにし、外側流路を
内側流路よりも温度が低い領域として、外側流路の一方
の蓋部材側に反応生成物の回収手段を接続したことを特
徴としている。
【0014】上記の本発明の装置において、反応容器を
構成する部材のうち外壁部材及び上下の蓋部材で耐圧容
器を形成し、超臨界又は亜臨界領域と接しない外壁部材
及び蓋部材を超臨界又は亜臨界状態を得るための温度ま
での耐熱性を要しない部材とすることができる。本発明
では、超臨界又は亜臨界領域は外壁及び、上蓋、下蓋の
いずれかの一部とは接しないため、これらの部材に超臨
界又は亜臨界状態を得るための温度までの耐熱性を要し
ない。このことによって、高温高圧反応容器製作におけ
る材料選択の幅が広がり、製品原価の低減、容器寿命の
延長が図られる。また、上記の本発明の装置において、
反応容器を構成する部材のうち隔壁部材を耐圧容器と同
程度の耐圧性を要しない部材とすることができる。本発
明では、隔壁部材については耐圧性を要せず、アルミ
ナ、窒化ケイ素、炭化ケイ素等のセラミックス等のみで
構成することが可能である。また、本発明における隔壁
部材は、断熱性の高い方が好ましいが、耐圧性を考慮し
なくてもよいことから材料選択の自由度が広がり、製品
原価の低減に寄与できる。
【0015】また、これらの本発明の装置において、外
側流路の冷却のために、内側流路と外側流路との境目近
傍の蓋部材側に冷却用の高圧流体の供給手段を接続した
構成とすることが好ましい。また、これらの本発明の装
置において、外側流路の上流側となる蓋部材側に内側流
路内の反応で発生した気体状物質の回収手段を接続した
構成とすることができる。
【0016】また、これらの本発明の方法及び装置にお
いて、内側流路内で発熱を伴う化学反応を行わせること
ができる。この場合、流体の比重の温度依存性を利用し
て、内側流路内で起こる自己発熱により比重の軽い流体
は上昇することによる自然対流を、反応容器内での反応
流体の移送手段の一部又は全部とすることができる。化
学反応に伴う発熱による対流を流体の流れの駆動力の一
部又は全部とすることにより、外部から与えるエネルギ
ー量を減らし、運転に必要なコストを低減させることが
できる。また、これらの本発明の装置において、主たる
反応流体を供給手段により内側流路から供給することに
よる押出し流れを、反応容器内での反応流体の移送手段
の一部又は全部とすることができる。また、冷却に用い
る流体を供給手段により内側流路と外側流路の間から供
給することによる押出し流れを、反応容器内での反応流
体の移送手段の一部又は全部とすることができる。この
ように、溶媒となる流体、反応材料、反応生成物を高温
高圧反応容器内で一方向に移動させるために、ポンプ等
による流体、反応材料の供給による押出し流れを用いる
こともできる。
【0017】また、これらの本発明の装置において、外
側流路の冷却のために、冷却水を循環させるための冷却
水循環手段(パイプなど)を外側流路内に設けることも
できる。また、外側流路の冷却のために、外壁部材の外
側に外壁を冷却するための冷却手段(水冷ジャケットな
ど)を設けることもできる。また、これらの本発明の装
置において、超臨界又は亜臨界領域である内側流路と、
それよりも温度が低い領域である外側流路との境目にお
ける流路幅(管径)が、高温高圧反応条件に応じて調節
可能となるようにすることが好ましい。本発明では、高
温高圧反応容器内部での流体の速度、温度に応じて、内
側流路と外側流路との境目における流路幅(管径)を調
節することができるので、温度の異なる2つの領域を作
ることが可能となる。また、これらの本発明の装置にお
いて、外側流路の下流側に高温高圧反応に用いた流体の
回収手段を接続し、この回収手段で回収された流体が高
圧に保持されたまま内側流路の供給手段から反応容器に
戻され循環使用できるようにすることが好ましい。な
お、本発明の装置で、溶媒となる流体を循環使用しない
ことももちろん可能である。
【0018】上記の本発明の装置を用いて、超臨界条件
の水によって、反応材料であるPCB、ダイオキシン類
などの有害有機化合物、又は下水汚泥、焼却灰などの有
機性廃棄物を酸化分解処理することができる。また、上
記の本発明の装置を用いて、超臨界条件又は亜臨界条件
の水によって、反応材料である石炭、バイオマスなどの
有機化合物を分解し、水素、メタン、エタン、一酸化炭
素などのガスと、低分子化合物を回収することができ
る。また、上記の本発明の装置を用いて、超臨界条件の
流体によって、反応材料であるプラスチック、樹脂等を
分解し、水素、メタン、エタン、一酸化炭素などのガス
と、化学工業原料又は燃料となるモノマーを回収するこ
とができる。また、上記の本発明の装置を用いて、超臨
界条件の流体の中で、反応材料である有機化合物の重合
反応により高分子化合物を合成することができる。ま
た、上記の本発明の装置を用いて、超臨界条件の流体に
よって、有機化合物混合流体からその構成成分である有
機化合物を抽出することも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定さ
れるものではなく、適宜変更して実施することが可能な
ものである。図1、図2は、本発明の実施の第1形態に
よる超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置の概
略構成を示している。図1、図2に示すように、10は
装置の要部である円筒状の高温高圧反応容器で、容器内
に設けた円筒状の隔壁部材12により、内側流路14と
外側流路16に分けられている。なお、高温高圧反応容
器10及び隔壁部材12のいずれも円筒形状に限定され
るものではない。内側流路14と外側流路16はつなが
っており、流体が内側流路14から外側流路16に向か
って流れる。具体的には、外壁部材18、上蓋部材2
0、下蓋部材22で高温高圧反応容器10の本体が形成
され、隔壁部材12の下側が下蓋部材22に固定され、
隔壁部材12の上側と上蓋部材20との間は隙間が設け
られ流体の流路24となっている。流体は内側流路14
の底部から内側流路14内を上に向かって流れ、外側流
路16に入ったのち、外側流路16内を下に向かって流
れる。なお、高温高圧反応容器の構成として、上下が逆
の装置とすることも可能である。この場合は、上蓋部材
が下蓋、下蓋部材が上蓋となり、流体は内側流路の上部
から内側流路内を下に向かって流れ、外側流路に入った
のち、外側流路内を上に向かって流れることになる。
【0020】高温高圧反応容器10を構成する外壁部材
18、上蓋部材20、下蓋部材22は耐圧材料からなる
が、隔壁部材12は非耐圧材料又は耐圧材料からなる。
例えば、隔壁部材12をアルミナ、窒化ケイ素、炭化ケ
イ素等のセラミックス等のみで構成して非耐圧材料とす
ることが可能である。また、高温高圧反応容器10の外
壁部材18、隔壁部材12、上蓋部材20、下蓋部材2
2はいずれも断熱材料からなり、隔壁部材12は特に断
熱性の高い材料からなる。さらに、内側流路14内の超
臨界又は亜臨界領域は外壁部材18とは接しないため、
これらの部材に超臨界又は亜臨界状態を得るための温度
までの耐熱性を要しない。
【0021】内側流路14の底部には、反応容器の内側
流路14に、流体(主として水で、一部触媒を加える場
合もある)を加圧、加温して供給するための第1供給手
段Aが設けられている。第1供給手段Aは、一例とし
て、流体タンク26、閉止弁28、加圧供給ポンプ3
0、逆止弁32、ヒーター34、供給管36からなる。
また、内側流路14の底部には、反応容器の内側流路1
4に、反応材料、反応速度を調節するための試薬(触媒
など)を加圧、加温して供給するための第2供給手段B
が設けられている。第2供給手段Bは、一例として、複
数の流体タンク38、閉止弁40、加圧供給ポンプ4
2、逆止弁44、ヒーター46、供給管48からなる。
また、内側流路14と外側流路16との間の流路24の
近傍には、反応容器の内側流路14と外側流路16の中
間位置に、流路内の流体よりも温度の低い流体を加圧、
加温して供給するための第3供給手段Cが設けられてい
る。第3供給手段Cは、流体タンク50、閉止弁52、
加圧供給ポンプ54、逆止弁56、ヒーター58、供給
管60からなる。
【0022】また、反応容器の外側流路16の最上部に
は、反応で生成した気体を回収するための第1流出機構
Dが設けられている。第1流出機構Dは、上部流出孔6
2、冷却器64、減圧弁66、ドレンタンク68、気体
貯蔵用タンク70、閉止弁72、74からなる。また、
反応容器の外側流路16の下部には、主として溶媒とな
る流体を回収するための第2流出機構Eが設けられてい
る。第2流出機構Eは、下部流出孔76、流体タンク2
6、閉止弁78、減圧弁80からなる。また、反応容器
の外側流路16の底部には、主として反応生成物、未反
応物、残渣を含んだ流体を回収するための第3流出機構
Fが設けられている。第3流出機構Fは、底部流出孔8
2、閉止弁84、冷却器86、気液分離器88、減圧弁
90、閉止弁92からなる。
【0023】なお、特公平6−20487号公報記載の
装置は、高温高圧流体を用いた抽出プロセス、すなわ
ち、コーヒー豆、紅茶からのカフェイン抽出、ホップ、
香辛料エキスの抽出、タバコ葉からのニコチンの抽出へ
の適用を目的としたもので、本発明のように化学反応を
主たる目的とした容器装置とは明らかに異なる。さら
に、上記公報記載の発明では高温高圧容器内に加熱手段
としてのヒーターを設置して流体を加温しているが、本
発明では高温高圧容器内には加熱手段はなく、第1供給
手段A及び/又は第2供給手段Bに設置したヒーターに
より流体等を加熱するか、及び/又は内側流路内で起こ
る化学反応による発熱を利用しているという点で、上記
公報記載の発明とは明らかに異なる。
【0024】つぎに、本実施の形態における作用等につ
いて説明する。内側流路14の供給管36に、加圧供給
ポンプ30、ヒーター34によって加圧、加温され超臨
界条件に昇温、昇圧された高温高圧流体(例えば、超臨
界水)が反応の溶媒として供給される。また、内側流路
14の供給管48に、加圧供給ポンプ42、ヒーター4
6によって昇温、昇圧された反応材料、反応の速度を調
節するための試薬(触媒など)が供給される。内側流路
14内は化学反応が起こるために好適な条件となってお
り、化学反応が進行し生成物が生じる。内側流路14を
流れる間に所要の化学反応が進行し、反応生成物を含ん
だ流体は、反応に伴う発熱による対流及び/又は流体供
給による押出し流れによって内側流路14内を上昇す
る。このように、流体の比重の温度依存性を利用して、
内側流路内で起こる自己発熱により比重の軽い流体は上
昇することによる自然対流を、反応流体の移送手段と
し、必要に応じて従来技術と同様にポンプ等による流
体、反応材料の供給による押出し流れを用いる。
【0025】内側流路14と外側流路16の境界点付近
(流路24)において、内側流路14の流体より若干温
度が低く、かつ内側流路14の流体と同じ圧力の流体
(例えば、加圧冷水)を加えることにより、及び/又は
内側流路14と外側流路16における流体の熱交換によ
って、外側流路16では亜臨界状態又はそれ以下の温度
となり、流体への溶質の溶解度が大きく変化する。すな
わち、超臨界流体中とそれより温度が低い流体中では、
極性物質と非極性物質で溶媒への溶解度が逆転する。こ
の性質を利用することによって、外側流路16を流れる
間にそれまで流体に溶解していた反応生成物、反応残
渣、触媒を析出させるとともに、析出していた物質を流
体中に溶解させる。なお、図1に示すように、内側流路
14と外側流路16の中間位置に、加圧供給ポンプ5
4、ヒーター58によって加圧、加温された冷却用流体
が供給される場合や、図2に示すように、それに加え
て、外壁部材18の外側に水冷ジャケット94を設けて
外側流路16の温度を下げる場合がある。96は冷却水
タンク、98は冷却水循環用ポンプである。また、図示
は省略しているが、外側流路16内にパイプ(伝熱管)
等を設置し、パイプ内に冷却水を循環させて外側流路1
6の温度を下げる場合がある。また、内側流路14と外
側流路16との境目における流路24の幅(管径)を高
温高圧反応条件に応じて調節する場合もある。流路24
の幅(管径)を調節する手段としては、一例として、じ
ゃま板等を隔壁部材12又は/及び上蓋部材20に設置
することが挙げられる。
【0026】内側流路14内の反応で発生した気体状物
質は上部流出孔62より回収され、例えば、冷却器64
で冷却された後、ドレン等を除去して気体状物質が回収
される。なお、反応によっては気体が発生しない場合等
もあり、この場合は第1流出機構Dを設けない構成とす
ることも可能である。また、反応に用いた流体は圧力を
維持したまま下部流出孔76より回収されて流体タンク
26に戻され、その一部が前記の第1供給手段Aによっ
て内側流路14に循環される。また、反応生成物、残渣
等を多く含んだ流体は底部流出孔82から回収され、例
えば、冷却器86で冷却された後、気液分離器88で反
応生成物等が分離される。
【0027】例えば、本実施形態の装置を用いて、第1
供給手段Aにより超臨界条件の水(温度374℃以上、
圧力22.1MPa以上)を内側流路14に供給し、第2
供給手段BによりPCB、ダイオキシン類などの有害有
機化合物、下水汚泥、焼却灰などの有機性廃棄物を酸化
剤、触媒とともに内側流路14に供給し、内側流路14
内で酸化分解反応を行わせ、第1流出機構Dにより主と
して気体状の分解生成物を回収し、第3流出機構Fによ
り主として液体状、固体状の分解生成物等を回収し、第
2流出機構Eで水を回収して循環使用することができ
る。また、本実施形態の装置を用いて、第1供給手段A
により超臨界条件又は亜臨界条件の水を内側流路14に
供給し、第2供給手段Bにより石炭、バイオマスなどの
有機化合物を触媒とともに内側流路14に供給し、内側
流路14内で分解反応を行わせ、第1流出機構Dにより
水素、メタン、エタン、一酸化炭素などのガスを回収
し、第3流出機構Fにより低分子化合物等を回収し、第
2流出機構Eで水を回収して循環使用することができ
る。また、本実施形態の装置を用いて、第1供給手段A
により超臨界条件の水を内側流路14に供給し、第2供
給手段Bによりプラスチック、樹脂等を触媒とともに内
側流路14に供給し、内側流路14内で分解反応を行わ
せ、第1流出機構Dにより水素、メタン、エタン、一酸
化炭素などのガスを回収し、第3流出機構Fにより化学
工業原料又は燃料となるモノマー等を回収し、第2流出
機構Eで水を回収して循環使用することができる。
【0028】また、本実施形態の装置を用いて、第1供
給手段Aにより超臨界条件の水を内側流路14に供給
し、第2供給手段Bによりシクロヘキサンを内側流路1
4に供給し、内側流路14内で合成反応を行わせ、第1
流出機構Dにより気体状物質を回収し、第3流出機構F
によりε−カプロラクタム等を回収し、第2流出機構E
で水を回収して循環使用することができる。また、本実
施形態の装置を用いて、第1供給手段Aにより超臨界条
件のメタノールを内側流路14に供給し、第2供給手段
Bにより有機化合物又は樹脂を触媒とともに内側流路1
4に供給し、内側流路14内で重合反応又は再合成反応
を行わせ、第1流出機構Dにより気体状物質を回収し、
第3流出機構Fにより樹脂等を回収し、第2流出機構E
でメタノールを回収して循環使用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 有害有機化合物の分解に用いる従来の高温高圧
反応容器における問題点を解決するとともに、有害有機
化合物の分解以外の目的で行われる超臨界及び/又は亜
臨界条件の流体中での物質の化学反応を行うプロセスに
使用して好適な高温高圧反応容器による反応方法及び装
置を提供することができる。 (2) 本発明の高温高圧反応容器では、超臨界又は亜
臨界領域は外壁部材や上蓋部材とは接しないため、耐圧
容器を形成する部材に超臨界又は亜臨界状態を得るため
の温度までの耐熱性を要しない。このことによって、高
温高圧反応容器の製作における材料選択の幅が広がり、
製品原価の低減、容器寿命の延長が図られる。 (3) 本発明の高温高圧反応容器では、隔壁部材につ
いては耐圧性を要せず、アルミナ、窒化ケイ素、炭化ケ
イ素等のセラミックス等のみで構成することが可能であ
る。また、本発明における隔壁部材は、断熱性の高い方
が好ましいが、耐圧性を考慮しなくてもよいことから材
料選択の自由度が広がり、製品原価の低減に寄与でき
る。 (4) 本発明の高温高圧反応容器では、超臨界点近傍
における流体の比重の温度依存性を利用して、内側流路
内で起こる自己発熱により比重の軽い流体は上昇するこ
とによる自然対流を、流体の流れの駆動力の一部又は全
部とすることにより、外部から与えるエネルギー量を減
らし、運転に必要なコストを低減させることができる。 (5) 本発明の高温高圧反応容器では、内側流路と外
側流路の間に温度の低い流体を添加することで、外側流
路内の流体の温度を下げているので、高温高圧反応容器
の構造が単純化され、装置の価格低減につながるととも
に、装置の保守点検が容易となる。 (6) 高温高圧反応容器内部での流体の速度、温度に
応じて、内側流路と外側流路との境目における流路幅
(管径)を調節することができるので、温度の異なる2
つの領域を作ることが可能となる。 (7) 本発明の高温高圧反応容器では、高温高圧流体
の温度を若干下げるだけで、圧力は維持したまま反応容
器外に取り出すので、循環使用する場合、加圧、加温に
要するエネルギーを大幅に減らすことができる。また、
循環使用することで溶媒となる流体の使用量を大幅に減
らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による超臨界・亜臨界
流体を用いる高温高圧反応装置の一例を示す概略構成断
面説明図である。
【図2】本発明の実施の第1形態による超臨界・亜臨界
流体を用いる高温高圧反応装置の他の例を示す概略構成
断面説明図である。
【符号の説明】
10 高温高圧反応容器 12 隔壁部材 14 内側流路 16 外側流路 18 外壁部材 20 上蓋部材 22 下蓋部材 24 流路 26、38、50 流体タンク 28、40、52、72、74、78、84、92 閉
止弁 30、42、54 加圧供給ポンプ 32、44、56 逆止弁 34、46、58 ヒーター 36、48、60 供給管 62 上部流出孔 64、86 冷却器 66、80、90 減圧弁 68 ドレンタンク 70 気体貯蔵用タンク 76 下部流出孔 82 底部流出孔 88 気液分離器 94 水冷ジャケット 96 冷却水タンク 98 冷却水循環用ポンプ A 第1供給手段 B 第2供給手段 C 第3供給手段 D 第1流出機構 E 第2流出機構 F 第3流出機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 憲明 神戸市中央区東川崎町3丁目1番1号 川 崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の外壁部材の上下を蓋部材で施蓋し
    て反応容器を形成し、反応容器内に筒状の隔壁部材を設
    けて、隔壁部材の一端部を一方の蓋部材に固定して反応
    容器内を隔壁部材により内側流路と外側流路とに分け、
    隔壁部材の他端部と他方の蓋部材との間に設けられた間
    隙で内側流路と外側流路とが連通するようにした高温高
    圧反応容器を用いて、内側流路が超臨界又は亜臨界領域
    となるように、一方の蓋部材側から内側流路に加圧・加
    温された流体を供給し、この超臨界又は亜臨界領域に反
    応材料を含む流体を供給して化学反応を行い、内側流路
    内を流れる反応流体を他方の蓋部材側で反転させて外側
    流路に移送し、外側流路が内側流路よりも温度が低い領
    域となるように外側流路で流体の温度を下げて、外側流
    路内を一方の蓋部材側に向かって流れる流体から反応生
    成物を回収することを特徴とする超臨界・亜臨界流体を
    用いる高温高圧反応方法。
  2. 【請求項2】 外側流路の冷却のために冷却用の高圧流
    体を内側流路と外側流路の間から供給する請求項1記載
    の超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応方法。
  3. 【請求項3】 高温高圧反応に用いる流体を外側流路か
    ら回収して高圧に保持したまま再び内側流路に供給し循
    環使用する請求項1又は2記載の超臨界・亜臨界流体を
    用いる高温高圧反応方法。
  4. 【請求項4】 内側流路内で発熱を伴う化学反応を行う
    請求項1、2又は3記載の超臨界・亜臨界流体を用いる
    高温高圧反応方法。
  5. 【請求項5】 超臨界条件の水によって、反応材料であ
    るPCB、ダイオキシン類などの有害有機化合物、又は
    下水汚泥、焼却灰などの有機性廃棄物を酸化分解処理す
    る請求項1、2又は3記載の超臨界・亜臨界流体を用い
    る高温高圧反応方法。
  6. 【請求項6】 超臨界条件又は亜臨界条件の水によっ
    て、反応材料である石炭、バイオマスなどの有機化合物
    を分解し、水素、メタン、エタン、一酸化炭素などのガ
    スと、低分子化合物を回収する請求項1、2又は3記載
    の超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応方法。
  7. 【請求項7】 超臨界条件の流体によって、反応材料で
    あるプラスチック、樹脂等を分解し、水素、メタン、エ
    タン、一酸化炭素などのガスと、化学工業原料又は燃料
    となるモノマーを回収する請求項1、2又は3記載の超
    臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応方法。
  8. 【請求項8】 超臨界条件の流体の中で、反応材料であ
    る有機化合物の重合反応により高分子化合物を合成する
    請求項1、2又は3記載の超臨界・亜臨界流体を用いる
    高温高圧反応方法。
  9. 【請求項9】 超臨界条件の流体によって、有機化合物
    混合流体からその構成成分である有機化合物を抽出する
    請求項1、2又は3記載の超臨界・亜臨界流体を用いる
    高温高圧反応方法。
  10. 【請求項10】 筒状の外壁部材の上下を蓋部材で気密
    に施蓋して反応容器を形成し、反応容器内に筒状の隔壁
    部材を設けて、隔壁部材の一端部を一方の蓋部材に固定
    して反応容器内を隔壁部材により内側流路と外側流路と
    に分け、隔壁部材の他端部と他方の蓋部材との間に設け
    られた間隙で内側流路と外側流路とが連通し、内側流路
    が超臨界又は亜臨界領域となるように内側流路の一方の
    蓋部材側に加圧・加温された流体の供給手段を接続し、
    内側流路の一方の蓋部材側に反応材料を含む流体の供給
    手段を接続して超臨界又は亜臨界領域で化学反応が進行
    するようにし、反応流体が内側流路から他方の蓋部材側
    で反転して外側流路に移送されるようにし、外側流路を
    内側流路よりも温度が低い領域として、外側流路の一方
    の蓋部材側に反応生成物の回収手段を接続したことを特
    徴とする超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装
    置。
  11. 【請求項11】 反応容器を構成する部材のうち外壁部
    材及び上下の蓋部材で耐圧容器を形成し、超臨界又は亜
    臨界領域と接しない外壁部材及び蓋部材を超臨界又は亜
    臨界状態を得るための温度までの耐熱性を要しない部材
    とする請求項10記載の超臨界・亜臨界流体を用いる高
    温高圧反応装置。
  12. 【請求項12】 反応容器を構成する部材のうち隔壁部
    材を耐圧容器と同程度の耐圧性を要しない部材とする請
    求項11記載の超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反
    応装置。
  13. 【請求項13】 外側流路の冷却のために、内側流路と
    外側流路との境目近傍の蓋部材側に冷却用の高圧流体の
    供給手段を接続した請求項10、11又は12記載の超
    臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置。
  14. 【請求項14】 外側流路の上流側となる蓋部材側に内
    側流路内の反応で発生した気体状物質の回収手段を接続
    した請求項10〜13のいずれかに記載の超臨界・亜臨
    界流体を用いる高温高圧反応装置。
  15. 【請求項15】 内側流路内で発熱を伴う化学反応が行
    われるようにした請求項10〜14のいずれかに記載の
    超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置。
  16. 【請求項16】 流体の比重の温度依存性を利用して、
    内側流路内で起こる自己発熱により比重の軽い流体は上
    昇することによる自然対流を、反応容器内での反応流体
    の移送手段の一部又は全部とした請求項15記載の超臨
    界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置。
  17. 【請求項17】 主たる反応流体を供給手段により内側
    流路から供給することによる押出し流れを、反応容器内
    での反応流体の移送手段の一部又は全部とした請求項1
    0〜16のいずれかに記載の超臨界・亜臨界流体を用い
    る高温高圧反応装置。
  18. 【請求項18】 冷却に用いる流体を供給手段により内
    側流路と外側流路の間から供給することによる押出し流
    れを、反応容器内での反応流体の移送手段の一部又は全
    部とした請求項13〜17のいずれかに記載の超臨界・
    亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置。
  19. 【請求項19】 外側流路の冷却のために、冷却水を循
    環させるための冷却水循環手段を外側流路内に設けた請
    求項10〜18のいずれかに記載の超臨界・亜臨界流体
    を用いる高温高圧反応装置。
  20. 【請求項20】 外側流路の冷却のために、外壁部材の
    外側に外壁を冷却するための冷却手段を設けた請求項1
    0〜18のいずれかに記載の超臨界・亜臨界流体を用い
    る高温高圧反応装置。
  21. 【請求項21】 超臨界又は亜臨界領域である内側流路
    と、それよりも温度が低い領域である外側流路との境目
    における流路幅が、高温高圧反応条件に応じて調節可能
    となるようにした請求項10〜20のいずれかに記載の
    超臨界・亜臨界流体を用いる高温高圧反応装置。
  22. 【請求項22】 外側流路の下流側に高温高圧反応に用
    いた流体の回収手段を接続し、この回収手段で回収され
    た流体が高圧に保持されたまま内側流路の供給手段から
    反応容器に戻され循環使用できるようにした請求項10
    〜21のいずれかに記載の超臨界・亜臨界流体を用いる
    高温高圧反応装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532821A (ja) * 2002-07-18 2005-11-04 ファセックス・コーポレーション タバコ中の成分の低減
WO2008143078A1 (ja) * 2007-05-22 2008-11-27 Tohoku Techno Arch Co., Ltd. 超臨界水バイオマス燃焼ボイラー
KR20170121724A (ko) * 2017-08-30 2017-11-02 전북대학교산학협력단 크기 조절이 가능한 암석의 흡탈착 실험 반응기
CN114804277A (zh) * 2022-04-29 2022-07-29 西安交通大学 一种连续式亚/超临界水热再生活性炭反应器

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KR102004458B1 (ko) 2017-08-30 2019-07-26 전북대학교산학협력단 크기 조절이 가능한 암석의 흡탈착 실험 반응기
CN114804277A (zh) * 2022-04-29 2022-07-29 西安交通大学 一种连续式亚/超临界水热再生活性炭反应器
CN114804277B (zh) * 2022-04-29 2024-03-22 西安交通大学 一种连续式亚/超临界水热再生活性炭反应器

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