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JP2002011312A - 焼却炉排ガス処理フィルター及びその製造方法 - Google Patents

焼却炉排ガス処理フィルター及びその製造方法

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Publication number
JP2002011312A
JP2002011312A JP2000195544A JP2000195544A JP2002011312A JP 2002011312 A JP2002011312 A JP 2002011312A JP 2000195544 A JP2000195544 A JP 2000195544A JP 2000195544 A JP2000195544 A JP 2000195544A JP 2002011312 A JP2002011312 A JP 2002011312A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
titanium oxide
gas treatment
filter
manufactured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000195544A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Takaoka
誠一 高岡
Shunichi Shimatani
俊一 島谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000195544A priority Critical patent/JP2002011312A/ja
Publication of JP2002011312A publication Critical patent/JP2002011312A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、帯電防止性を備え、さら
に排ガス中の有害ガスの処理効率にも優れる焼却炉排ガ
ス処理用フィルターを提供すること。 【解決手段】 織布状またはフェルト状の耐熱性基材の
表面に、アナターゼ型酸化チタンを20wt%以上含有
するフッ素樹脂層が、付着量10g/m2 以上で形成さ
れている焼却炉排ガス処理フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉排ガス処理
用フィルター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ごみの焼却炉等から発生する排ガス
には、一般的な煤塵の他に各種の有害ガスが含まれい
る。前記排ガス中には、特に最近問題となっているダイ
オキシン類も含まれているため、環境改善の見地から前
記排ガス中の有害ガスの除去が要求されている。
【0003】前記要求に応じ、焼却炉排ガス処理用フィ
ルターが使用されている。このフィルターには、耐熱
性、耐薬品性等が要求されていることからフッ素樹脂等
の耐熱基材が用いられる。その他に、当該フィルター
は、帯電するとその電荷と排ガスとが反応をするおそれ
があることから、近年では、フィルターに帯電防止性も
要求されるようになってきている。しかし、フッ素樹脂
等は帯電防止性に劣っていた。特公平8−6236号公
報には、焼却炉排ガス処理用フィルターとして、フッ素
樹脂繊維と炭素繊維とが混繊されたフェルトが袋状に形
成されたバッグフィルターが開示されている。このバッ
グフィルターは、フッ素樹脂繊維に、耐熱性と帯電防止
性の双方を有する炭素繊維を併用することにより前記両
特性を確保している。しかし、このバッグフィルター
は、捕集した塵埃の剥離性が不十分であり、バッグフィ
ルターを再利用するには捕集した塵埃を逆洗により払い
落とす必要があった。
【0004】また、特開平11−19431号公報に
は、光触媒機能を有する金属化合物を含有するフッ素樹
脂繊維で形成された焼却炉排ガス処理用フィルターが開
示されている。かかる焼却炉排ガス処理用フィルター
は、金属化合物によるフッ素樹脂繊維の表面抵抗の低下
作用により、帯電防止性を有し、捕集した塵埃の剥離性
も良好である。また、金属化合物の光触媒機能により排
ガス中の有害ガス等の有機物を分解除去する機能も有す
る。しかし、かかる焼却炉排ガス処理用フィルターは、
未延伸フッ素樹脂シートと光触媒含有フッ素樹脂層との
積層体を延伸処理した後、焼成して多孔質シートとし、
さらにこの積層延伸シートを繊維化することにより製造
されている。そのため、繊維化された焼却炉排ガス処理
用フィルターは、その表面積に占める金属化合物含有層
の割合が少なくなり、排ガス中の有害ガスの処理効率が
十分とはいえず、焼却炉排ガス処理用フィルターには、
これら性能の改善余地を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐薬品性、帯電防止性を備え、さらに排ガス中の有
害ガスの処理効率にも優れる焼却炉排ガス処理用フィル
ターを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究したところ、アナターゼ型酸化チ
タンを所定量含有する以下に示す構造の焼却炉排ガス処
理用フィルターにより、上記目的が達成できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、織布状またはフェル
ト状の耐熱性基材の表面に、アナターゼ型酸化チタンを
20wt%以上含有するフッ素樹脂層が、付着量10g
/m 2 以上で形成されている焼却炉排ガス処理フィルタ
ー、に関する。
【0008】上記本発明の焼却炉排ガス処理フィルター
は、耐熱性基材を用いているため耐熱性、耐薬品性がよ
く、耐熱性基材が織布状またはフェルト状であるため、
アナターゼ型酸化チタンを含有するフッ素樹脂層をフィ
ルター表面に効率よく形成することができ排ガスの処理
効率が向上する。
【0009】前記フッ素樹脂層に含まれるアナターゼ型
酸化チタンは半導体であり、フィルターの表面抵抗を低
下させる機能を有し、フィルターに帯電防止性を付与で
きる。またアナターゼ型酸化チタンは光触媒機能を有す
るため排ガス中の有害ガス等の有機物を分解除去する機
能を有する。さらにはアナターゼ型酸化チタンは吸着作
用も有するため排ガス中の有害ガスの吸着性も良好であ
り、排ガスの処理効率がよい。
【0010】しかも、排ガスの分解と表面抵抗に寄与す
るアナターゼ型酸化チタンの含有量は、前記フッ素樹脂
層中20wt%以上、好ましくは30wt%以上となる
ように調整されている。前記含有量が20wt%未満で
は表面抵抗が大きくなり、また排ガスの分解性能が十分
でなく好ましくない。なお、フッ素樹脂層中のアナター
ゼ型酸化チタンの含有量の上限は特に制限されないが、
通常、コーティング被膜強度の点から80wt%以下と
するのが好ましい。
【0011】また、アナターゼ型酸化チタンを含有する
フッ素樹脂層の付着量も排ガスの分解と表面抵抗に寄与
するものであり、当該付着量は10g/m2 以上、好ま
しくは20g/m2 以上である。付着量が10g/m2
未満では表面抵抗が大きくなり、また排ガスの分解性能
が十分でなく好ましくない。なお、前記付着量の上限は
特に制限されないが、通常、圧力損失の点から、200
g/m2 以下とするのが好ましい。
【0012】また本発明は、織布状またはフェルト状の
耐熱性基材の表面に、アナターゼ型酸化チタンを20w
t%以上含有するフッ素樹脂層を、付着量10g/m2
以上となるように形成する焼却炉排ガス処理フィルター
の製造方法、に関する。かかる製造方法により、前記焼
却炉排ガス処理フィルターを製造できる。
【0013】前記焼却炉排ガス処理フィルターは、さら
に、ポリテトラフルオロエチレン多孔体が積層されてい
るのが好ましい。
【0014】焼却炉排ガス処理フィルターにポリテトラ
フルオロエチレン多孔体を積層することにより、排ガス
の処理効率を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる耐熱基材とし
ては、ガラス繊維、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)等があげられる。また耐熱基材は織布状またはフ
ェルト状である。かかる耐熱基材の具体例は、例えば、
ガラス繊維織布としては、鐘紡社製KS4155TR,
KS4200TR、ユニチカグラスファイバー社製#8
00等の市販品があげられる。また、PTFEフェルト
としては、東レ社製トヨフロンフェルトBF700S,
BF800S等の市販品があげられる。
【0016】前記耐熱基材の表面(片面または両面)へ
のフッ素樹脂層の形成は、たとえば、前記耐熱基材の表
面に、フッ素樹脂粉末とアナターゼ型酸化チタンとのデ
ィスパージョンを塗布、焼成することで好適に形成する
ことができる。なお、フッ素樹脂層中のアナターゼ型酸
化チタン含有量、フッ素樹脂層の付着量は前記範囲にな
るように調整する。
【0017】フッ素樹末としては、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)粉末、ポリテトラフルオロエチレ
ン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(P
FA)粉末、ポリテトラフルオロエチレン・ヘキサフル
オロプロピレン共重合体(FEP)粉末等が好ましい。
フッ素樹脂としては、これらのなかでも、化学的安定性
に優れたPTFEが好ましい。上記のディスパージョン
はフッ素樹脂ディスパージョンにアナターゼ型酸化チタ
ンを分散させて調製することができる。ポリテトラフル
オロエチレン粉末デイスパージョンとしては、旭硝子フ
ロロポリマーズ社製XAD936、XAD639等の市
販品が使用できる。また、ポリテトラフルオロエチレン
・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体粉末デ
ィスパージョンとしては、ダイキン工業社製AD2CR
等の市販品が使用できる。また、ポリテトラフルオロエ
チレン・ヘキサプロピレン共重合体粉末ディスパージョ
ンとしては、ダイキン工業社製ND−1等の市販品が使
用できる。
【0018】アナターゼ型酸化チタンは、吸着特性や触
媒特性の点から、平均粒径0.2〜5μmの粉末が好ま
しい。アナターゼ型酸化チタン粉末としては、石原産業
社製ST−01、レジノカラー工業社製アナターゼ型酸
化チタン粉末水分散液NTI−4、大日精化工業社製ア
ナターゼ型酸化チタン粉末水分散液AC−10等の市販
品が使用できる。
【0019】本発明の焼却炉排ガス処理フィルターは、
特に制限するものではないが、圧力損失が、通常、50
mmH2 O以下であり、捕集効率が、通常、50〜99
%である。
【0020】本発明の焼却炉排ガス処理フィルターに
は、ポリテトラフルオロエチレン多孔体を積層できる。
積層方法は特に制限されず、ラミネート法、接着剤によ
る接着法のいずれでもよい。接着剤としては、フッ素樹
脂系のものが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン多
孔体の平均孔径は0.1〜2μm程度、好ましくは0.
1〜1μmである。その厚みは1〜50μm程度であ
る。
【0021】本発明の焼却炉排ガス処理フィルターは、
焼却炉排ガス処理に供した後、光照射又は加熱により吸
着した排ガスを分解除去して再生使用することができ
る。具体的には、光照射は、太陽光又はUVランプを照
射することで、加熱は200〜300℃で加熱すること
で吸着成分を分解除去して再生した後、再び利用する。
【0022】なお、処理対象となる焼却炉排ガスの有害
ガスとしては、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等
の酸性ガス、トルエン、キシレン等の中性ガス、アンモ
ニア等の塩基性ガスなどが例示される。
【0023】
【実施例】つぎに、実施例について説明する。
【0024】実施例1 まず、ガラス織布として、鐘紡社製のKS4155TR
を300mm×450mmに切り出した。つぎに、コー
ティング溶液として、組成比(重量比)、PTFE/酸
化チタン(8/2)になるようPTFEディスパージョ
ン溶液、旭硝子フロロポリマーズ社製AD936(ベー
ス濃度60wt%品)と酸化チタン水分散液、レジノカ
ラー工業社製NTI−4(平均粒径0. 3μm)と蒸留
水を配合攪拌し、ベース濃度35wt%のコーティング
溶液を得た。このコーティング溶液を上記のガラス織布
に、スプレーガン吐出量を約10g/分に調整し、1分
間スプレーコーティングした(付着量25g/m2
当)。その後、乾燥炉において、予備乾燥(水分の乾
燥)120℃×2分し、つぎに390℃×2分の焼成を
実施し、つぎに300℃×20hrの熱処理をすること
で、PTFEディスパージョン溶液中の界面活性剤、酸
化チタン水分散液中の界面活性剤を分解除去し、フィル
ターシートを得た。このフィルターシートの通気量、捕
集効率、圧力損失、表面抵抗および有害ガス処理特性
(吸着、紫外線分解)の評価を下記のとおり実施した。
結果を表1に示す。
【0025】[通気量の評価方法]JIS L 109
6(8.27. 1A法)に準拠した。
【0026】[捕集効率の評価方法]JIS K 09
01(6. 2項)に準拠した。ダストガスはJIS Z
8901(13種)を使用した。
【0027】[圧力損失の評価方法]JIS K 09
01(6. 3項)に準拠した。
【0028】[表面抵抗の評価方法]JlS K 69
11に準拠した。
【0029】[有害ガス処理特性の評価方法]得られた
メッシュ状フィルターシートを110mm×165mm
に切り出し、太陽光下1時間放置し評価試料の初期化を
実施した。次に、図2のように評価ユニット10の冷陰
極管15に評価試料を1周巻付けホッチキスで固定し、
ユニットにSUSケース14(40mmφ×170m
m)をかぶせた。図1に示すように、この評価ユニット
10を真空デシケータ3中のDCケーブルに接続し、8
Lの真空デシケータ3に挿入した。真空デシケータ3に
真空ポンプ2を接続し、5分間減圧を続けケージ圧力で
750mmHgまで減圧した。
【0030】日本酸素社製、窒素ガスベースのアセトア
ルデヒド標準ガス(160ppm)のボンベ1から標準
ガスを常圧まで真空デシケータ3に満たした。送風ファ
ン13のみを駆動し、光音響ガスモニター4でアセトア
ルデヒドの濃度低下をモニターし、吸着量が平衡に達す
る時点のアセトアルデヒドの濃度と初期濃度160pp
mとの差を求め、これを物理吸着量とした(図3参
照)。アセトアルデヒドの吸着量が平衡に達する時点で
評価ユニット10のUVランプ11をONにし、光触媒
効果をUV照射30分後の炭酸ガス発生量で見た(図3
参照)。その際の測定結果をノート型パソコン5で出力
した(図3に示すものは実施例4の結果である)。尚、
この時送風ファン13は駆動状態であった。
【0031】実施例2〜4 コーティング溶液の組成比(重量比)を、表1に示すよ
うに変えること以外は上記実施例1と同様にしてフィル
ターシートを得た。実施例1と同様にして、通気量、捕
集効率、圧力損失、表面抵抗および有害ガス処理特性の
評価を実施した。結果を表1に示す。
【0032】実施例5〜7 コーティング溶液の付着量(スプレーコーティング時
間)を、表1に示すように変えること以外は上記実施例
1と同様にしてフィルターシートを得た。実施例1と同
様にして、通気量、捕集効率、圧力損失、表面抵抗およ
び有害ガス処理特性の評価を実施した。結果を表1に示
す。
【0033】実施例8 まず、PTFEフェルトとして、東レ製トヨフロンフェ
ルトBF700Sを300mm×450mmに切り出し
た。つぎに、コーティング溶液として、組成比(重量
比)、PTFE/酸化チタン(8/2)になるようPT
FEディスパージョン溶液、旭硝子フロロポリマーズ杜
製AD936(ベース濃度60wt%品)と酸化チタン
水分散液、レジノカラー工業社製NTI−4(平均粒径
0. 3μm)と蒸留水を配合攪拌し、ベース濃度35w
t%のコーティング溶液を得た。このコーティング溶液
を上記のPTFEフェルトに、スプレーガン吐出量を約
10g/分に調整し、1分間スプレーコーティングした
(付着量25g/m2 相当)。その後、乾燥炉におい
て、予備乾燥(水分の乾燥)120℃×2分し、つぎに
300℃×20hrの熱処理をすることで、PTFEデ
ィスパージョン溶液中の界面活性剤、酸化チタン水分散
液中の界面活性剤を分解除去し、フィルターシートを得
た。実施例1と同様にして、このフィルターシートの通
気量、捕集効率、圧力損失、表面抵抗および有害ガス処
理特性の評価を実施した。結果を表1に示す。
【0034】実施例9 まず、ガラス織布として、鐘紡社製のKS4155TR
を300mm×450mmに切り出した。つぎに、コー
ティング溶液として、組成比(重量比)、PTFE/酸
化チタン(8/2)になるようPTFEディスパージョ
ン溶液、旭硝子フロロポリマーズ社製AD936(ベー
ス濃度60wt%品)と酸化チタン水分散液、レジノカ
ラー工業社製NTI−4(平均粒径0. 3μm)と蒸留
水を配合攪拌し、ベース濃度35wt%のコーティング
溶液を得た。このコーティング溶液を上記のガラス織布
に、スプレーガン吐出量を約10g/分に調整し、1分
間スプレーコーティングした(付着量25g/m2
当)。その後、乾燥炉において、予備乾燥(水分の乾
燥)120℃×2分し、つぎに390℃×2分の焼成を
実施し、つぎに300℃×20hrの熱処理をすること
で、PTFEディスパージョン溶液中の界面活性剤、酸
化チタン水分散液中の界面活性剤を分解除去し、フィル
ターシートを得た。このフィルターシート背面に接着バ
インダーとしてPTFEディスパージョン溶液(ダイキ
ン工業社製ポリフロンD2原液)をスプレーガン吐出量
を約10g/分に調整し、1分間スプレーコーティング
した。この接着バインダーコーティング面にPTFE多
孔質膜(日東電工社製NTF5110)を加熱プレスで
温度390℃、加圧圧力10kgf/cm2 、加圧時間
1分間の条件で貼り合わせフィルターシートを得た。実
施例1と同様にして、このフィルターシートの通気量、
捕集効率、圧力損失、表面抵抗および有害ガス処理特性
の評価を実施した。結果を表1に示す。
【0035】実施例10 まず、PTFEフェルトとして、東レ製トヨフロンフェ
ルトBF700Sを300mm×450mmに切り出し
た。つぎに、コーティング溶液として、組成比(重量
比)、PTFE/酸化チタン(8/2)になるようPT
FEディスパージョン溶液、旭硝子フロロポリマーズ杜
製AD936(ベース濃度60wt%品)と酸化チタン
水分散液、レジノカラー工業社製NTI−4(平均粒径
0. 3μm)と蒸留水を配合攪拌し、ベース濃度35w
t%のコーティング溶液を得た。このコーティング溶液
を上記のPTFEフェルトに、スプレーガン吐出量を約
10g/分に調整し、1分間スプレーコーティングした
(付着量25g/m2 相当)。その後、乾燥炉におい
て、予備乾燥(水分の乾燥)120℃×2分し、つぎに
300℃×20hrの熱処理をすることで、PTFEデ
ィスパージョン溶液中の界面活性剤、酸化チタン水分散
液中の界面活性剤を分解除去し、フィルターシートを得
た。このフィルターシート背面に接着バインダーとして
PTFEディスパージョン溶液(ダイキン工業社製ポリ
フロンD2原液)をスプレーガン吐出量を約10g/分
に調整し、1分間スプレーコーティングした。この接着
バインダーコーティング面にPTFE多孔質膜(日東電
工社製NTF5110)を加熱プレスで温度390℃、
加圧圧力10kgf/cm2 、加圧時間1分間の条件で
貼り合わせフィルターシートを得た。実施例1と同様に
して、このフィルターシートの通気量、捕集効率、圧力
損失、表面抵抗および有害ガス処理特性の評価を実施し
た。結果を表1に示す。
【0036】比較例1 ガラス織布として、鐘紡社製のKS4155TRを30
0mm×450mmに切り出た。未処理の状態で、実施
例1と同様にして通気量、捕集効率、圧力損失、表面抵
抗および有害ガス処理特性の評価を実施した。結果を表
1に示す。
【0037】比較例2 PTFEフェルトとして、東レ社製トヨフロンフェルト
BF700Sを300mm×450mmに切り出た。未
処理の状態で、実施例1と同様にして通気量、捕集効
率、圧力損失、表面抵抗および有害ガス処理特性の評価
を実施した。結果を表1に示す。
【0038】比較例3 まず、ガラス織布として、鐘紡社製のKS4155TR
を300mm×450mmに切り出た。つぎに、コーテ
ィング溶液として、組成比(重量比)、PTFE/酸化
チタン(85/15)になるようPTFEディスパージ
ョン溶液、旭硝子フロロポリマーズ杜製AD936(ベ
ース濃度60wt%品)と酸化チタン水分散液、レジノ
カラー工業社製NTI−4(平均粒径0. 3μm)と蒸
留水を配合攪拌し、ベース濃度35wt%のコーティン
グ溶液を得た。このコーティング溶液を上記のガラス織
布に、スプレーガン吐出量を約10g/分に調整し、1
分間スプレーコーティングした(付着量25g/m2
当)。その後、乾燥炉において、予備乾燥(水分の乾
燥)120℃×2分し、つぎに390℃×2分の焼成を
実施し、つぎに300℃×20hrの熱処理をすること
で、PTFEディスパージョン溶液中の界面活性剤、酸
化チタン水分散液中の界面活性剤を分解除去し、フィル
ターシートを得た。実施例1と同様にして、このフィル
ターシートの通気量、捕集効率、圧力損失、表面抵抗お
よび有害ガス処理特性の評価を実施した。結果を表1に
示す。
【0039】比較例4 まず、PTFEフェルトとして、東レ社製トヨフロンフ
ェルトBF700Sを300mm×450mmに切り出
した。つぎに、コーティング溶液として、組成比(重量
比)、PTFE/酸化チタン(85/15)になるよう
PTFEディスパージョン溶液、旭硝子フロロポリマー
ズ杜製のXAD936(ベース濃度60wt%品)と酸
化チタン水分散液、レジノカラー工業社製NTI−4
(平均粒径0. 3μm)と蒸留水を配合攪拌し、ベース
濃度35wt%のコーティング溶液を得た。このコーテ
ィング溶液を上記のPTFEフェルトに、スプレーガン
吐出量を約10g/分に調整し、1分間スプレーコーテ
ィングした(付着量25g/m2 相当)。その後、乾燥
炉において、予備乾燥(水分の乾燥)120℃×2分
し、つぎに300℃×20hrの熱処理をすることで、
PTFEディスパージョン溶液中の界面活性剤、酸化チ
タン水分散液中の界面活性剤を分解除去し、フィルター
シートを得た。実施例1と同様にして、このフィルター
シートの通気量、捕集効率、圧力損失、表面抵抗および
有害ガス処理特性の評価を実施した。結果を表1に示
す。
【0040】比較例5 まず、ガラス織布として、鐘紡社製のKS4155TR
を300mm×450mmに切り出した。つぎに、コー
ティング溶液として、組成比(重量比)、PTFE/酸
化チタン(8/2)になるようPTFEディスパージョ
ン溶液、旭硝子フロロポリマーズ杜製AD936(ベー
ス濃度60wt%品)と酸化チタン水分散液、レジノカ
ラー工業社製NTI−4(平均粒径0. 3μm)と蒸留
水を配合攪拌し、ベース濃度35wt%のコーティング
溶液を得た。このコーティング溶液を上記の上記のガラ
ス織布に、スプレーガン吐出量を約10g/分に調整
し、10秒間スプレーコーティングした(付着量25g
/m2 相当)。その後、乾燥炉において、予備乾燥(水
分の乾燥)120℃×2分し、つぎに390℃×2分の
焼成を実施し、つぎに300℃×20hrの熱処理をす
ることで、PTFEディスパージョン溶液中の界面活性
剤、酸化チタン水分散液中の界面活性剤を分解除去し、
フィルターシートを得る。実施例1と同様にして、この
フィルターシートの通気量、捕集効率、圧力損失、表面
抵抗および有害ガス処理特性の評価を実施した。結果を
表1に示す。
【0041】
【表1】 *印は、通気量が大きいため、2枚重ねで測定した。
【0042】
【発明の効果】本発明の焼却炉排ガス用フィルターは、
織布状またはフェルト状の耐熱性基材の表面に、アナタ
ーゼ型酸化チタンを含有するフッ素樹脂層が形成されて
おり、実施例(表1)に示されるように通気性がよく焼
却炉排ガス用フィルターに適しており、帯電防止性およ
び有害ガス処理特性にも優れている。また、これら実施
例の焼却炉排ガス用フィルターは、耐熱性、耐薬品性が
よく、塵埃の剥離性にも優れている。この結果、本発明
の焼却炉排ガス用フィルターは、例えば、都市ごみの焼
却炉等において、排ガス中から有害ガスを効率的にかつ
安全に除去できるようになり、環境問題の改善に貢献で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例等で吸着性能評価に使用した装置を示す
概略構成図である。
【図2】図1に示す装置の評価ユニットを示す断面図で
ある。
【図3】実施例4における吸着特性と光触媒特性の結果
を示すグラフ
【符号の説明】
1 アセトアルデヒド標準ガスのボンベ 4 光音響ガスモニター 10 評価ユニット 11 UVランプ 12 評価試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K070 DA01 DA07 DA24 DA25 DA27 DA32 4D019 AA01 BA04 BA06 BA13 BB02 BB03 BB10 BC11 BC12 CB04 CB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織布状またはフェルト状の耐熱性基材の
    表面に、アナターゼ型酸化チタンを20wt%以上含有
    するフッ素樹脂層が、付着量10g/m2 以上で形成さ
    れている焼却炉排ガス処理フィルター。
  2. 【請求項2】 織布状またはフェルト状の耐熱性基材の
    表面に、アナターゼ型酸化チタンを20wt%以上含有
    するフッ素樹脂層を、付着量10g/m2 以上となるよ
    うに形成する焼却炉排ガス処理フィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 さらに、ポリテトラフルオロエチレン多
    孔体が積層されている請求項1記載の焼却炉排ガス処理
    フィルター。
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