JP2002006014A - 磁気センサ - Google Patents
磁気センサInfo
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- JP2002006014A JP2002006014A JP2000187199A JP2000187199A JP2002006014A JP 2002006014 A JP2002006014 A JP 2002006014A JP 2000187199 A JP2000187199 A JP 2000187199A JP 2000187199 A JP2000187199 A JP 2000187199A JP 2002006014 A JP2002006014 A JP 2002006014A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐環境性や経時変化による精度低下のない、
低コストで高精度な磁気センサを提供する。 【解決手段】 磁気インピーダンス素子1に高周波電流
を印加する高周波電流発生器2と、磁気インピーダンス
素子1からの出力をディジタル値に変換する変換手段3
と、CPU4とを設け、CPU4にて電流,電圧および
位相差等から所定の演算をすることで、素子1のインピ
ーダンスを抵抗成分とインダクタンス成分とに分けて検
出できるようにするとともに、抵抗成分やインダクタン
ス成分に応じた零点補正や温度補正を可能とし、高精度
化を図る。
低コストで高精度な磁気センサを提供する。 【解決手段】 磁気インピーダンス素子1に高周波電流
を印加する高周波電流発生器2と、磁気インピーダンス
素子1からの出力をディジタル値に変換する変換手段3
と、CPU4とを設け、CPU4にて電流,電圧および
位相差等から所定の演算をすることで、素子1のインピ
ーダンスを抵抗成分とインダクタンス成分とに分けて検
出できるようにするとともに、抵抗成分やインダクタン
ス成分に応じた零点補正や温度補正を可能とし、高精度
化を図る。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気インピーダ
ンス効果を利用した磁気検出素子を用いた磁気センサ、
特に磁気インピーダンス素子の検出,自己校正が可能な
磁気センサに関する。
ンス効果を利用した磁気検出素子を用いた磁気センサ、
特に磁気インピーダンス素子の検出,自己校正が可能な
磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気検出センサとしては磁気抵抗
素子が広く用いられているが、検出感度の点で満足でき
るものがないのが現状である。そこで、この磁気抵抗素
子に代わる高感度磁気検出センサとして、例えば特開平
6−281712号公報に開示されているアモルファス
ワイヤによる磁気インピーダンス素子や、特開平8−3
30645号公報に開示されている薄膜形状のものがあ
る。
素子が広く用いられているが、検出感度の点で満足でき
るものがないのが現状である。そこで、この磁気抵抗素
子に代わる高感度磁気検出センサとして、例えば特開平
6−281712号公報に開示されているアモルファス
ワイヤによる磁気インピーダンス素子や、特開平8−3
30645号公報に開示されている薄膜形状のものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】いずれの形状の磁気イ
ンピーダンス素子を用いる場合でも、磁気インピーダン
ス素子の製造時の材料(透磁率,抵抗率等)および素子
寸法(長さ,膜厚,膜幅等)のばらつきにより、磁気セ
ンサの出力がばらつくという問題がある。この出力ばら
つきは、大別して次の3つに分類できる。 1)零磁界時のオフセット出力のばらつき 2)磁界に対する出力感度のばらつき 3)温度による出力ドリフトのばらつき
ンピーダンス素子を用いる場合でも、磁気インピーダン
ス素子の製造時の材料(透磁率,抵抗率等)および素子
寸法(長さ,膜厚,膜幅等)のばらつきにより、磁気セ
ンサの出力がばらつくという問題がある。この出力ばら
つきは、大別して次の3つに分類できる。 1)零磁界時のオフセット出力のばらつき 2)磁界に対する出力感度のばらつき 3)温度による出力ドリフトのばらつき
【0004】従来の磁気インピーダンス素子検出回路
(磁気センサ)の従来例を、図9に示す。すなわち、磁
気インピーダンス素子1に対し、高周波電流発生器(O
SC)2から高周波電流を流したとき得られる出力を、
検波回路Aおよび増幅回路Bを介して出力することで、
例えば素子1のインピーダンスを得るものである。この
とき、出力の調整は可変抵抗器VRにより行なう。
(磁気センサ)の従来例を、図9に示す。すなわち、磁
気インピーダンス素子1に対し、高周波電流発生器(O
SC)2から高周波電流を流したとき得られる出力を、
検波回路Aおよび増幅回路Bを介して出力することで、
例えば素子1のインピーダンスを得るものである。この
とき、出力の調整は可変抵抗器VRにより行なう。
【0005】しかし、図9のような方式で上記出力ばら
つきを低減するためには、1台ずつ調整や校正を行なう
必要があり、コストが大幅にアップするという問題があ
る。仮に、調整や校正をしても、経時変化による出力ド
リフトの校正は出来ないので、高精度化ができないとい
う問題もある。したがって、この発明の課題は、耐環境
性や経時変化による精度低下のない、高精度で低コスト
な検出回路を提供することにある。
つきを低減するためには、1台ずつ調整や校正を行なう
必要があり、コストが大幅にアップするという問題があ
る。仮に、調整や校正をしても、経時変化による出力ド
リフトの校正は出来ないので、高精度化ができないとい
う問題もある。したがって、この発明の課題は、耐環境
性や経時変化による精度低下のない、高精度で低コスト
な検出回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るため、請求項1の発明では、磁気インピーダンス効果
を利用した磁気インピーダンス素子の両端に高周波電流
を印加する高周波電流発生手段と、前記磁気インピーダ
ンス素子からの出力をディジタル値に変換する変換手段
と、この変換手段からの出力電圧,前記高周波電流およ
び両者の位相差から所定の演算を行ない、前記磁気イン
ピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを分離して
求める演算手段とを設けたことを特徴とする。請求項2
の発明では、磁気インピーダンス効果を利用した磁気イ
ンピーダンス素子の両端に高周波電流を印加する高周波
電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端に
直流電流を印加する直流電流発生手段と、前記磁気イン
ピーダンス素子に印加する電流を切り換える切換手段
と、その切り換え制御を行なう制御手段と、前記切換手
段を介して前記磁気インピーダンス素子に与えられる高
周波電流または直流電流に応じた磁気インピーダンス素
子からの出力をそれぞれディジタル値に変換する変換手
段と、前記直流電流を印加したときの前記変換手段から
の出力電圧と直流電流との関係より前記磁気インピーダ
ンスの抵抗成分を直接求めるとともに、この関係と前記
高周波電流を印加したときの変換手段の出力電圧と高周
波電流との関係から磁気インピーダンス素子のインピー
ダンスを求める演算手段とを設けたことを特徴とする。
るため、請求項1の発明では、磁気インピーダンス効果
を利用した磁気インピーダンス素子の両端に高周波電流
を印加する高周波電流発生手段と、前記磁気インピーダ
ンス素子からの出力をディジタル値に変換する変換手段
と、この変換手段からの出力電圧,前記高周波電流およ
び両者の位相差から所定の演算を行ない、前記磁気イン
ピーダンスの抵抗成分とリアクタンス成分とを分離して
求める演算手段とを設けたことを特徴とする。請求項2
の発明では、磁気インピーダンス効果を利用した磁気イ
ンピーダンス素子の両端に高周波電流を印加する高周波
電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端に
直流電流を印加する直流電流発生手段と、前記磁気イン
ピーダンス素子に印加する電流を切り換える切換手段
と、その切り換え制御を行なう制御手段と、前記切換手
段を介して前記磁気インピーダンス素子に与えられる高
周波電流または直流電流に応じた磁気インピーダンス素
子からの出力をそれぞれディジタル値に変換する変換手
段と、前記直流電流を印加したときの前記変換手段から
の出力電圧と直流電流との関係より前記磁気インピーダ
ンスの抵抗成分を直接求めるとともに、この関係と前記
高周波電流を印加したときの変換手段の出力電圧と高周
波電流との関係から磁気インピーダンス素子のインピー
ダンスを求める演算手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】請求項3の発明では、磁気インピーダンス
効果を利用した磁気インピーダンス素子の両端に高周波
電流を印加する高周波電流発生手段と、前記磁気インピ
ーダンス素子の両端に直流電流を印加する直流電流発生
手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端に高周波パ
ルスを印加するパルス電流発生手段と、前記磁気インピ
ーダンス素子に印加する電流を互いに切り換える切換手
段と、その切り換え制御を行なう制御手段と、前記切換
手段を介して前記磁気インピーダンス素子に与えられる
高周波電流,パルス電流または直流電流に応じた磁気イ
ンピーダンス素子からの出力をそれぞれディジタル値に
変換する変換手段と、前記直流電流を印加したときの直
流電流と前記変換手段からの出力電圧との関係、および
前記高周波電流を印加したときの高周波電流と前記変換
手段からの出力電圧との関係より前記磁気インピーダン
ス素子のインピーダンスを求めるとともに、前記高周波
パルスを印加したときの前記変換手段からの出力より磁
気インピーダンス素子のリアクタンス成分を直接求める
演算手段とを設けたことを特徴とする。上記請求項1な
いし3のいずれかの発明においては、前記演算手段にて
求めたインピーダンス値を、別途求めたインダクタンス
値と直流抵抗値の少なくとも一方の値に応じて零点補
正,温度補正することができる(請求項4の発明)。
効果を利用した磁気インピーダンス素子の両端に高周波
電流を印加する高周波電流発生手段と、前記磁気インピ
ーダンス素子の両端に直流電流を印加する直流電流発生
手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端に高周波パ
ルスを印加するパルス電流発生手段と、前記磁気インピ
ーダンス素子に印加する電流を互いに切り換える切換手
段と、その切り換え制御を行なう制御手段と、前記切換
手段を介して前記磁気インピーダンス素子に与えられる
高周波電流,パルス電流または直流電流に応じた磁気イ
ンピーダンス素子からの出力をそれぞれディジタル値に
変換する変換手段と、前記直流電流を印加したときの直
流電流と前記変換手段からの出力電圧との関係、および
前記高周波電流を印加したときの高周波電流と前記変換
手段からの出力電圧との関係より前記磁気インピーダン
ス素子のインピーダンスを求めるとともに、前記高周波
パルスを印加したときの前記変換手段からの出力より磁
気インピーダンス素子のリアクタンス成分を直接求める
演算手段とを設けたことを特徴とする。上記請求項1な
いし3のいずれかの発明においては、前記演算手段にて
求めたインピーダンス値を、別途求めたインダクタンス
値と直流抵抗値の少なくとも一方の値に応じて零点補
正,温度補正することができる(請求項4の発明)。
【0008】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す構成図で、1は磁気インピーダンス素子(以
下、単に素子とも言う)、2は高周波電流発生器(OS
C)、3はアナログ/ディジタル(A/D)変換器、4
はディジタル処理装置としてのCPUである。高周波電
流としては正弦波,矩形波いずれでも良い。なお、磁気
インピーダンス素子1は、図5(b)のようにインダク
タンス成分11(L)と、直流抵抗成分(R)12の直
列接続で模擬できるものとする。ここで、A/D変換器
3は磁気インピーダンス素子1からの出力をディジタル
値に変換し、CPU4はそのディジタル値にもとづき所
定の演算をすることにより、磁気インピーダンス素子1
のインピーダンスZ、インダクタンスLおよび直流抵抗
Rを求める。
態を示す構成図で、1は磁気インピーダンス素子(以
下、単に素子とも言う)、2は高周波電流発生器(OS
C)、3はアナログ/ディジタル(A/D)変換器、4
はディジタル処理装置としてのCPUである。高周波電
流としては正弦波,矩形波いずれでも良い。なお、磁気
インピーダンス素子1は、図5(b)のようにインダク
タンス成分11(L)と、直流抵抗成分(R)12の直
列接続で模擬できるものとする。ここで、A/D変換器
3は磁気インピーダンス素子1からの出力をディジタル
値に変換し、CPU4はそのディジタル値にもとづき所
定の演算をすることにより、磁気インピーダンス素子1
のインピーダンスZ、インダクタンスLおよび直流抵抗
Rを求める。
【0009】すなわち、磁気インピーダンス素子1に高
周波電流Iを流すと、そのベクトル図は図2(b)のよ
うになるので、CPU4は、磁気インピーダンス素子1
の端子電圧Vと高周波電流Iおよび電力(または電流I
と電圧Vとの位相差φ)との間に成立する関係から、 IR=Vcosφ,IX=Vsinφ として抵抗成分Rおよびインダクタンス成分X(ωL)
を求めることが可能となる。
周波電流Iを流すと、そのベクトル図は図2(b)のよ
うになるので、CPU4は、磁気インピーダンス素子1
の端子電圧Vと高周波電流Iおよび電力(または電流I
と電圧Vとの位相差φ)との間に成立する関係から、 IR=Vcosφ,IX=Vsinφ として抵抗成分Rおよびインダクタンス成分X(ωL)
を求めることが可能となる。
【0010】図3はこの発明の第2の実施の形態を示す
構成図である。同図からも明らかなように、図1に示す
ものに対し、制御器(CO)5、定電流発生器(DC)
6および切換器7等を付加して構成される。ここで、A
/D変換器3は磁気インピーダンス素子1からの出力を
ディジタル値に変換し、CPU4はそのディジタル値に
もとづき所定の演算をすることにより、磁気インピーダ
ンス素子1のインピーダンスZ、インダクタンスLおよ
び直流抵抗Rを求める。
構成図である。同図からも明らかなように、図1に示す
ものに対し、制御器(CO)5、定電流発生器(DC)
6および切換器7等を付加して構成される。ここで、A
/D変換器3は磁気インピーダンス素子1からの出力を
ディジタル値に変換し、CPU4はそのディジタル値に
もとづき所定の演算をすることにより、磁気インピーダ
ンス素子1のインピーダンスZ、インダクタンスLおよ
び直流抵抗Rを求める。
【0011】このような構成において、磁気インピーダ
ンス素子1に定電流発生器6から直流電流(Idcとす
る)を印加した場合、素子1の両端の電圧をVdcとす
ると、素子1の直流抵抗Rmiは、 Rmi=Vdc/Idc …(1) として求められる。同様に、素子1に高周波電流発生器
2から高周波電流Iacを印加した場合、素子1の両端
の電圧をVacとすると、素子1のインピーダンスZm
iは、 Zmi=Vac/Iac={Rmi2 +(2πfLmi)2 }1/2 …(2) となる。ただし、Lmiは素子1のインダクタンス成
分、fは高周波電流の周波数を示す。
ンス素子1に定電流発生器6から直流電流(Idcとす
る)を印加した場合、素子1の両端の電圧をVdcとす
ると、素子1の直流抵抗Rmiは、 Rmi=Vdc/Idc …(1) として求められる。同様に、素子1に高周波電流発生器
2から高周波電流Iacを印加した場合、素子1の両端
の電圧をVacとすると、素子1のインピーダンスZm
iは、 Zmi=Vac/Iac={Rmi2 +(2πfLmi)2 }1/2 …(2) となる。ただし、Lmiは素子1のインダクタンス成
分、fは高周波電流の周波数を示す。
【0012】上記(1),(2)式の関係から、素子1
のインダクタンス成分Lmiは、 Lmi=(Zmi2 −Rmi2 )1/2 /2πf ={(Vac/Iac)2 −(Vdc/Idc)2 }1/2 /2πf …(3) として求められる。通常は、素子1に高周波電流(Ia
c)を印加して磁界検知を行ないながら、任意に設定し
た間隔で切換器7を切り換え、素子1に直流電流(Id
c)を印加することで、オフセット出力の補正が可能と
なる。
のインダクタンス成分Lmiは、 Lmi=(Zmi2 −Rmi2 )1/2 /2πf ={(Vac/Iac)2 −(Vdc/Idc)2 }1/2 /2πf …(3) として求められる。通常は、素子1に高周波電流(Ia
c)を印加して磁界検知を行ないながら、任意に設定し
た間隔で切換器7を切り換え、素子1に直流電流(Id
c)を印加することで、オフセット出力の補正が可能と
なる。
【0013】図4はこの発明の第3の実施の形態を示す
構成図である。同図からも明らかなように、図3に示す
ものに対し高周波パルス発生器8(PG)を付加した点
が特徴で、これにより切換器7Aが2端子タイプからか
ら3端子タイプのものに変更されている。このような構
成で、素子1に対し高周波パルス発生器8から図示の如
き高周波パルスを印加し、素子1から得られる微分波
形出力の幅(時間)tを検出すると、これがインダク
タンス成分Lに比例(t∝L)するので、CPU4での
処理負担を軽減できる。その他は図3の場合と同様なの
で、省略する。
構成図である。同図からも明らかなように、図3に示す
ものに対し高周波パルス発生器8(PG)を付加した点
が特徴で、これにより切換器7Aが2端子タイプからか
ら3端子タイプのものに変更されている。このような構
成で、素子1に対し高周波パルス発生器8から図示の如
き高周波パルスを印加し、素子1から得られる微分波
形出力の幅(時間)tを検出すると、これがインダク
タンス成分Lに比例(t∝L)するので、CPU4での
処理負担を軽減できる。その他は図3の場合と同様なの
で、省略する。
【0014】素子1は上記のようにインダクタンス成分
と、直流抵抗成分との直列接続で模擬することができる
が、各成分の磁界による影響および直流抵抗成分の温度
による影響について考察する。図6は素子サンプル1,
2,3の外部磁界に対するインダクタンス特性図であ
る。つまり、同一条件で製作した3つのサンプルの特性
を示しており、インダクタンス成分が磁界に対して約2
%(ΔL/L)Oeの高い感度を有し、この点はサンプ
ル間でばらつきが少ないことが分かる。ただし、零磁界
時のオフセットはサンプル間でばらつきが大きい。
と、直流抵抗成分との直列接続で模擬することができる
が、各成分の磁界による影響および直流抵抗成分の温度
による影響について考察する。図6は素子サンプル1,
2,3の外部磁界に対するインダクタンス特性図であ
る。つまり、同一条件で製作した3つのサンプルの特性
を示しており、インダクタンス成分が磁界に対して約2
%(ΔL/L)Oeの高い感度を有し、この点はサンプ
ル間でばらつきが少ないことが分かる。ただし、零磁界
時のオフセットはサンプル間でばらつきが大きい。
【0015】図7は素子サンプル1,2,3の外部磁界
に対する直流抵抗特性図である。つまり、直流抵抗成分
は磁界に対して約0.2%(ΔL/L)Oeの感度で、
インダクタンス成分の変化率の約1/10となってい
て、感度および零磁界時のオフセットともにサンプル間
のばらつきが非常に少ないことが分かる。図8は素子の
温度に対する直流抵抗特性図である。つまり、直流抵抗
成分は温度に対して高い感度を有することを示してい
る。
に対する直流抵抗特性図である。つまり、直流抵抗成分
は磁界に対して約0.2%(ΔL/L)Oeの感度で、
インダクタンス成分の変化率の約1/10となってい
て、感度および零磁界時のオフセットともにサンプル間
のばらつきが非常に少ないことが分かる。図8は素子の
温度に対する直流抵抗特性図である。つまり、直流抵抗
成分は温度に対して高い感度を有することを示してい
る。
【0016】以上のことから、素子の零磁界時のオフセ
ット出力はインダクタンス成分にのみ強い相関があるの
で、インダクタンス成分を検出すれば零磁界時のオフセ
ット出力の校正が可能となる。例えば、複数のサンプル
について図6の如き特性を予め測定しておき、或る素子
のインダクタンス成分を測定して得た値に対し対応する
サンプル値を加算または減算することで、オフセット出
力の校正を行なう。一方、直流抵抗成分は、磁界に対す
る感度よりも温度に対して高い感度を有するので、直流
抵抗成分を検出することで、零磁界時のオフセット出力
の温度特性を補正できる。例えば、サンプルについて図
8の温度特性を予め測定しておき、或る素子の抵抗成分
に対し或る温度を基準とする温度の増減値を加算または
減算することで、温度補正を行なう。
ット出力はインダクタンス成分にのみ強い相関があるの
で、インダクタンス成分を検出すれば零磁界時のオフセ
ット出力の校正が可能となる。例えば、複数のサンプル
について図6の如き特性を予め測定しておき、或る素子
のインダクタンス成分を測定して得た値に対し対応する
サンプル値を加算または減算することで、オフセット出
力の校正を行なう。一方、直流抵抗成分は、磁界に対す
る感度よりも温度に対して高い感度を有するので、直流
抵抗成分を検出することで、零磁界時のオフセット出力
の温度特性を補正できる。例えば、サンプルについて図
8の温度特性を予め測定しておき、或る素子の抵抗成分
に対し或る温度を基準とする温度の増減値を加算または
減算することで、温度補正を行なう。
【0017】なお、以上では1つの磁気インピーダンス
素子を用いる場合について説明したが、2つ以上設ける
ことができる。また、高周波電流を印加する発信回路と
しては、自励式,他励式のいずれでも良い。
素子を用いる場合について説明したが、2つ以上設ける
ことができる。また、高周波電流を印加する発信回路と
しては、自励式,他励式のいずれでも良い。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、磁気インピー
ダンス素子のインダクタンス成分と直流抵抗成分とをそ
れぞれ独立に検出し、磁界によるインピーダンスの変化
に応じた出力に所定の補正を加えることにより、出力ば
らつきを大幅に低減でき、低コストで耐環境性や経時変
化による精度低下のない、高精度な検出回路を実現でき
るという利点がもたらされる。また、請求項2の発明に
よれば、上記の利点に加えて、直流電流を印加すること
により抵抗成分を直接検出できるので、演算手段の負荷
が軽減され、高速な処理が可能となる利点が得られる。
請求項3の発明によれば、上記の利点に加えて、高周波
パルスを印加することによりインダクタンス成分を直接
検出できるので、演算手段の負荷が軽減され、高速な処
理が可能となる利点が得られる。
ダンス素子のインダクタンス成分と直流抵抗成分とをそ
れぞれ独立に検出し、磁界によるインピーダンスの変化
に応じた出力に所定の補正を加えることにより、出力ば
らつきを大幅に低減でき、低コストで耐環境性や経時変
化による精度低下のない、高精度な検出回路を実現でき
るという利点がもたらされる。また、請求項2の発明に
よれば、上記の利点に加えて、直流電流を印加すること
により抵抗成分を直接検出できるので、演算手段の負荷
が軽減され、高速な処理が可能となる利点が得られる。
請求項3の発明によれば、上記の利点に加えて、高周波
パルスを印加することによりインダクタンス成分を直接
検出できるので、演算手段の負荷が軽減され、高速な処
理が可能となる利点が得られる。
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す構成図であ
る。
る。
【図2】この発明の原理を説明するための説明図であ
る。
る。
【図3】この発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
る。
【図4】この発明の第3の実施の形態を示す構成図であ
る。
る。
【図5】磁気インピーダンス素子の等価回路図である。
【図6】素子サンプル1,2,3の外部磁界に対するイ
ンダクタンス特性図である。
ンダクタンス特性図である。
【図7】素子サンプル1,2,3の外部磁界に対する直
流抵抗特性図である。
流抵抗特性図である。
【図8】素子の温度に対する直流抵抗特性図である。
【図9】従来例を示す構成図である。
1…磁気インピーダンス素子、2…高周波電流発生器
(OSC)、3…アナログ/ディジタル(A/D)変換
器、4…CPU、5…制御器(CO)、6…定電流発生
器(DC)、7,7A…切換器、8…高周波パルス発生
器(PG)。
(OSC)、3…アナログ/ディジタル(A/D)変換
器、4…CPU、5…制御器(CO)、6…定電流発生
器(DC)、7,7A…切換器、8…高周波パルス発生
器(PG)。
Claims (4)
- 【請求項1】 磁気インピーダンス効果を利用した磁気
インピーダンス素子の両端に高周波電流を印加する高周
波電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子からの
出力をディジタル値に変換する変換手段と、この変換手
段からの出力電圧,前記高周波電流および両者の位相差
から所定の演算を行ない、前記磁気インピーダンスの抵
抗成分とリアクタンス成分とを分離して求める演算手段
とを設けたことを特徴とする磁気センサ。 - 【請求項2】 磁気インピーダンス効果を利用した磁気
インピーダンス素子の両端に高周波電流を印加する高周
波電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端
に直流電流を印加する直流電流発生手段と、前記磁気イ
ンピーダンス素子に印加する電流を切り換える切換手段
と、その切り換え制御を行なう制御手段と、前記切換手
段を介して前記磁気インピーダンス素子に与えられる高
周波電流または直流電流に応じた磁気インピーダンス素
子からの出力をそれぞれディジタル値に変換する変換手
段と、前記直流電流を印加したときの前記変換手段から
の出力電圧と直流電流との関係より前記磁気インピーダ
ンスの抵抗成分を直接求めるとともに、この関係と前記
高周波電流を印加したときの変換手段の出力電圧と高周
波電流との関係から磁気インピーダンス素子のインピー
ダンスを求める演算手段とを設けたことを特徴とする磁
気センサ。 - 【請求項3】 磁気インピーダンス効果を利用した磁気
インピーダンス素子の両端に高周波電流を印加する高周
波電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子の両端
に直流電流を印加する直流電流発生手段と、前記磁気イ
ンピーダンス素子の両端に高周波パルスを印加するパル
ス電流発生手段と、前記磁気インピーダンス素子に印加
する電流を互いに切り換える切換手段と、その切り換え
制御を行なう制御手段と、前記切換手段を介して前記磁
気インピーダンス素子に与えられる高周波電流,パルス
電流または直流電流に応じた磁気インピーダンス素子か
らの出力をそれぞれディジタル値に変換する変換手段
と、前記直流電流を印加したときの直流電流と前記変換
手段からの出力電圧との関係、および前記高周波電流を
印加したときの高周波電流と前記変換手段からの出力電
圧との関係より前記磁気インピーダンス素子のインピー
ダンスを求めるとともに、前記高周波パルスを印加した
ときの前記変換手段からの出力より磁気インピーダンス
素子のリアクタンス成分を直接求める演算手段とを設け
たことを特徴とする磁気センサ。 - 【請求項4】 前記演算手段にて求めたインピーダンス
値を、別途求めたインダクタンス値と直流抵抗値の少な
くとも一方の値に応じて零点補正,温度補正することを
特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気セ
ンサ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000187199A JP2002006014A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | 磁気センサ |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2000187199A JP2002006014A (ja) | 2000-06-22 | 2000-06-22 | 磁気センサ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002006014A true JP2002006014A (ja) | 2002-01-09 |
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ID=18687218
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002006014A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002065608A1 (fr) * | 2001-02-16 | 2002-08-22 | Fuji Electric Co., Ltd. | Protection contre la surcharge de courant faisant appel a un element d'impedance magnetique |
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JP2008530541A (ja) * | 2005-02-08 | 2008-08-07 | コンティネンタル オートモーティヴ フランス | 非接触位置センサにおける磁気インピーダンスの利用及び関連するセンサ |
-
2000
- 2000-06-22 JP JP2000187199A patent/JP2002006014A/ja active Pending
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