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JP2002004844A - ディーゼルエンジン用排気浄化装置 - Google Patents

ディーゼルエンジン用排気浄化装置

Info

Publication number
JP2002004844A
JP2002004844A JP2000187895A JP2000187895A JP2002004844A JP 2002004844 A JP2002004844 A JP 2002004844A JP 2000187895 A JP2000187895 A JP 2000187895A JP 2000187895 A JP2000187895 A JP 2000187895A JP 2002004844 A JP2002004844 A JP 2002004844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
passage
exhaust
wall
nox
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000187895A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Hosogai
誠一 細貝
Kazuhide Terada
一秀 寺田
Kenichi Ogawara
謙一 大河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000187895A priority Critical patent/JP2002004844A/ja
Publication of JP2002004844A publication Critical patent/JP2002004844A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディーゼルエンジンの排気系に介装されるパ
ティキュレートフィルタが,多孔質部材からなる通路壁
と,該通路壁を挟んで相互に隣接する上流側排気通路及
び下流側排気通路とを備え,排気が前記通路壁を通過す
るときに該壁において排気中のパティキュレートが捕捉
されるようにした排気浄化装置において,パティキュレ
ートフィルタにNOx吸収機能及び酸化触媒機能を集
約,一体構造としたことにより,排気系の構造簡素化を
図りながら,各々の排気後処理装置の熱伝達効率の低下
を回避してNOx吸収剤やパティキュレートフィルタの
再生効率の向上を図る。 【解決手段】 通路壁5,6の上流側排気通路uに臨む
第1壁面5u,6uにNOx吸収剤Mを担持させる一
方,同通路壁の下流側排気通路dに臨む第2壁面5d,
6dに酸化触媒M′を担持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,ディーゼルエンジ
ンの排気系に介装されるパティキュレートフィルタが,
多孔質部材からなる通路壁と,該通路壁を挟んで相互に
隣接する上流側排気通路及び下流側排気通路とを備え,
排気が前記通路壁をその上流側から下流側に向けて通過
するときに該通路壁において排気中のパティキュレート
が捕捉されるようにしたディーゼルエンジン用排気浄化
装置に関する。
【0002】尚,本明細書において「パティキュレー
ト」とは,排気中に含まれる微細な粒子状物質(PM)
を指し,それは,煤粒子,多種の炭化水素粒子,その他
の不可溶性有機物質(SOOT)に,未燃燃料,未燃焼
オイル成分,その他の可溶性有機物質(SOF)や,燃
料のイオウ分が酸化する等して生じた硫黄酸化物が付着
して構成されるものをいう。
【0003】
【従来の技術】従来,ディーゼルエンジンの排気系に,
互いに別個独立した3個の排気後処理装置(即ちNOx
吸収触媒装置,パティキュレートフィルタ,酸化触媒装
置)を直列に介装したものが知られており,このもので
は,エンジンの排気熱の伝達効率が下流側の処理装置に
なるほど低下してくるため,該処理装置の浄化効率およ
び再生効率も下流側になるほど低下してしまい,また排
気系の構造も全体として複雑になる等の問題があった。
【0004】そこでパティキュレートフィルタにNOx
吸収機能を持たせるために,例えばウォールフロータイ
プのパティキュレートフィルタの,多孔質部材からなる
通路壁の上流側及び下流側の第1及び第2壁面にそれぞ
れNOx吸収剤を担持させるようにしたものが既に提案
されている(例えば特開平6−272541号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記提案の構
造にしても,酸化触媒装置は,パティキュレートフィル
タとは別個独立に排気系に介装する必要があり,特に下
流側となる処理装置においては,それへの排気熱の伝達
効率低下に因りその浄化効率および再生効率が低下する
等の問題が依然として残ってしまう。
【0006】本発明は,以上のような諸事情に鑑みてな
されたものであり,パティキュレートフィルタにNOx
吸収機能のみならず酸化触媒機能をも集約,一体構造と
することにより,従来構造の上記問題を全て解決するこ
とができる,構造簡単なディーゼルエンジン用排気浄化
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1の発明は,ディーゼルエンジンの排気系に
介装されるパティキュレートフィルタが,多孔質部材か
らなる通路壁と,該通路壁を挟んで相互に隣接する上流
側排気通路及び下流側排気通路とを備え,排気が前記通
路壁をその上流側から下流側に向けて通過するときに該
通路壁において排気中のパティキュレートが捕捉される
ようにした,ディーゼルエンジン用排気浄化装置におい
て,前記通路壁の上流側排気通路に臨む第1壁面に,排
気中のNOxを吸収可能なNOx吸収剤を担持させる一
方,同通路壁の下流側排気通路に臨む第2壁面に酸化触
媒を担持させたことを特徴とする。
【0008】この特徴によれば,排気がパティキュレー
トフィルタの上記通路壁を通過するときに,排気中のパ
ティキュレートは主として該通路壁の第1壁面上で捕
集,堆積され,この第1壁面上においては,その捕集さ
れたパティキュレートの酸化燃焼による除去作用と,排
気中のNOxをNOx吸収剤に吸収させる作用とを併せ
持つことになる。即ち,排気空燃比がリーンとなるディ
ーゼルエンジンの通常運転時には,CO,HCの酸化作
用に加えて,パティキュレート中の炭素成分Cの酸化反
応(2NO2 +C→ 2NO+CO2 )と,NOxの吸
収反応(2NO+O2 → 2NO2 →M・2NO2 )と
が起こることにより,吸収剤(M)によるNOxの吸収
作用とパティキュレート中の炭素成分浄化作用とを同時
に得ることが可能となる。特にNOx吸収剤(M)が第
1壁面上にあると,NOの酸化によりNO2 が多量に生
成され,その一部はNOx吸収剤に吸収されるが,吸収
しきれないNO2 がパティキュレート中の炭素成分Cと
も反応し易くなるため,該吸収剤が第1壁面上に無い場
合よりも低い排ガス温度雰囲気においてパティキュレー
トの酸化燃焼反応を促進でき,これにより,パティキュ
レートフィルタの再生効率が向上する。
【0009】ところでNOx吸収剤に吸収されたNOx
のリリース再生は,一般に燃料リッチ状態(即ち空気過
剰率λ≦1)によるリリース再生手法が知られている
が,これには,再生温度が比較的低い場合にはNOx吸
収剤の再生効率(NOxリリース効率)が低下してしま
うという問題があった。しかしながらパティキュレート
に含まれる可溶性有機物質(SOF)は250°C程度
の低温でも蒸発燃料状態にあって,それが燃料リッチに
寄与し得るため,特に請求項1の発明のようにパティキ
ュレートフィルタで捕集されたパティキュレートがNO
x吸収剤の近傍(第1壁面上)にある場合には,従来よ
り燃料リッチ量を少なくしてもNOxの再生効率を十分
確保することができる。即ち,NOx吸収剤に対しパテ
ィキュレート(特にSOF分)が共存する状態下では,
共存しない状態下よりも,より低温側でNOxのリリー
ス量を大きくすることが可能となる。
【0010】またNOx吸収剤のNOx吸収・放出機能
は,同吸収剤のSOx吸収量の増加に応じて機能低下す
ることが知られているが,このようなサルファ被毒に関
する耐久性においても,請求項1の発明は有効である。
即ち,リーン運転時において,NOx吸収剤(M)に硫
酸として吸収{SO2 +M+O2 →(M(SO4)n }さ
れたサルファ成分{(M(SO4)n }が,ストイキまた
はリッチ運転時に,同一雰囲気に存するパティキュレー
ト中の炭素成分Cと燃焼反応{(M(SO4)n+C→
M+CO2 +SO2 }し易くなるため,サルファ成分の
リリース除去効果が達成され,そのリリース再生温度の
低減が図られる。
【0011】而して第1壁面より上記通路壁内部の気孔
を通過して第2壁面側に達した排気は,該第2壁面上の
酸化触媒の作用を受けるため,パティキュレートフィル
タの再生時等に発生したHCやCOを効果的に酸化する
ことができる(特に冷間始動時)。
【0012】また請求項2の発明は,ディーゼルエンジ
ンの排気系に介装されるパティキュレートフィルタが,
多孔質部材からなる通路壁と,該通路壁を挟んで相互に
隣接する上流側排気通路及び下流側排気通路とを備え,
排気が前記通路壁をその上流側から下流側に向けて通過
するときに該通路壁において排気中のパティキュレート
が捕捉されるようにした,ディーゼルエンジン用排気浄
化装置において,前記通路壁の上流側排気通路に臨む第
1壁面に酸化触媒を担持させる一方,同通路壁の下流側
排気通路に臨む第2壁面に,排気中のNOxを吸収可能
なNOx吸収剤を担持させたことを特徴とする。
【0013】この特徴によれば,排気がパティキュレー
トフィルタの上記通路壁を通過するときに,排気中のパ
ティキュレートは主として該通路壁の第1壁面上で捕
集,堆積されるが,この第1壁面上には酸化触媒が存在
し,リーン運転時には,該第1壁面上でNOの酸化反応
(2NO+O2 → 2NO2 )により発生する多量のN
2 によって,パティキュレート中の炭素成分Cの燃焼
反応(2NO2 +C→2NO+CO2 )がより促進され
易くなるため,パティキュレートの燃焼除去効果が(請
求項1の発明よりも)一層大きくなる。また通路壁を通
過して第2壁面側に達した排気中にも多量のNO2 が含
まれているため,それが該第2壁面上のNOx吸収剤に
も吸収され易くなり,全体としてNOxの吸収効率を更
に向上させることができる。
【0014】また上記いずれの特徴によっても,パティ
キュレートフィルタにNOx吸収機能のみならず酸化触
媒機能をも集約,一体構造としたことにより,各々の排
気後処理装置の熱伝達効率の低下が極力回避できるた
め,NOx吸収機能及びパティキュレート酸化燃焼機能
の際の化学反応の促進,延いてはNOx吸収剤やパティ
キュレートフィルタの再生効率の向上が図られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。
【0016】添付図面において,図1は,本発明の第1
実施例に係るパティキュレートフィルタの縦断面図,図
2は図1の2−2線断面図,図3は第1実施例に係るパ
ティキュレートフィルタの要部拡大断面図,図4は第1
実施例の反応説明図,図5は第2実施例に係るパティキ
ュレートフィルタの要部拡大断面図,図6は第2実施例
の反応説明図である。
【0017】先ず,第1実施例について説明する。図1
において,ディーゼルエンジンの排気系EXには,排気
中のパティキュレートを捕捉するためのパティキュレー
トフィルタFが介装される。このパティキュレートフィ
ルタFは,図示例ではウォールフロータイプと呼ばれる
ハニカム構造のものが採用され,それは,両端を開放し
たパイプ状に形成された金属製のケーシング1と,その
ケーシング1の内部に嵌装,固定されるフィルタ本体2
とから構成される。
【0018】前記フィルタ本体2は,その内部を互いに
平行な多数の排気通路に仕切る通路壁としての各々複数
の縦通路壁5および横通路壁6を備えている。その各々
の縦通路壁5および横通路壁6は,多孔質セラミック等
の多孔質部材から平板状にそれぞれ形成される。前記複
数の縦通路壁5は各々上下方向に延び,相互に等間隔を
おいて平行に並んでおり,また前記複数の横通路壁6は
各々左右方向に延び,相互に等間隔をおいて平行に並ん
でいる。
【0019】而して縦通路壁5及び横通路壁6は直交配
置され,これら縦通路壁5及び横通路壁6により,排気
の流れ方向(図1で右方向)に延び且つ上下左右に整列
する横断面方形状の多数の上流側排気通路u及び下流側
排気通路dが画成される。しかも上流側排気通路u及び
下流側排気通路dは,上下左右何れの方向とも交互に並
ぶように配列される。かくして,各通路壁5,6を挟ん
で上流側排気通路u及び下流側排気通路dが相互に隣接
する配置となる。
【0020】各上流側排気通路uは,ケーシング1の下
流端(図1で右端)側が固定の栓体7uにより気密に塞
がれ,ケーシング1の上流端(図1で左端)側には上流
側に常時開放された排気入口uiを有している。また各
下流側排気通路dは,ケーシング1の上流端(図1で左
端)側が固定の栓体7dにより気密に塞がれ,ケーシン
グ1の下流端(図1で右端)には下流側に常時開放され
た排気出口doを有している。
【0021】上記各通路壁5,6の材料としては,例え
ばコーディエライト,Si−C等の多孔質セラミックス
が一般的であるが,本発明では,少なくとも該通路壁
5,6の,上流側排気通路uに臨む第1壁面5u,6u
と,下流側排気通路dに臨む第2壁面5d,6dとに,
NOx吸収剤となる触媒貴金属成分または酸化触媒とな
る貴金属成分をそれぞれ担持可能な材質であり,且つパ
ティキュレートを第1壁面5u,6u上で捕捉し得る大
きさの無数の気孔を有するものであればよい。
【0022】特に第1実施例では,各通路壁5,6の上
流側の第1壁面5u,6uにNOx吸収剤Mを担持さ
せ,同通路壁5,6の下流側の第2壁面5d,6dに酸
化触媒M′を担持させている。尚,上記担持に当たって
は,触媒の担持に関する従来公知の方法(例えば吸収剤
M等を担体壁面に塗布し焼成する等の方法)が適宜採用
可能である。
【0023】前記NOx吸収剤Mとなる触媒等は,例え
ばカリウム,ナトリウム,リチウム,セシウムのような
アルカリ金属,バリウム,カルシウムのようなアルカリ
土類金属,ランタン,イットリウムのような希土類金属
から選ばれた少なくとも1つと,白金のような貴金属と
から構成される。前記NOx吸収剤Mは,排気空燃比が
リーンの運転時には排気中のNOxを吸収し,また同じ
くストイキ又はリッチの運転時には,吸収したNOxを
排気に放出する機能を有する。
【0024】またディーゼルエンジンにおいては,通常
の運転時にはリーン運転がされるため,前記NOx吸収
剤Mは排気中のNOxを吸収する。またパティキュレー
トフィルタFよりも上流側の排気系に配設したインジェ
クション装置(図示せず)から還元剤又は燃料を排気系
に噴射供給(即ちポストインジェクション)するなどし
て排気をリッチ傾向にすれば,NOx吸収剤Mは,吸収
済みのNOxを排気に放出する。
【0025】次に上記第1実施例の作用を説明する。デ
ィーゼルエンジンの運転状態で排気系Exを流れる排気
は,パティキュレートフィルタFにおいては,先ずその
各々の上流側排気通路u内に進入し,そこから各通路壁
5,6を横切るように通過して,隣接する各下流側排気
通路d内に至り(図1,3の矢印参照),更にその下流
側の排気管を流れる。そして各通路壁5,6を排気が通
過するときに,排気中のパティキュレートは主として該
通路壁5,6の第1壁面5u,6u上で捕集され,そこ
に堆積する。
【0026】この第1壁面5u,6u上においては,そ
の捕集,堆積されたパティキュレートの酸化燃焼による
除去作用と,排気中のNOxをNOx吸収剤Mに吸収さ
せる作用とを併せ持つことになる。即ち,リーン運転時
には,CO,HCの酸化作用に加えて,パティキュレー
ト中の炭素成分Cの酸化反応(2NO2 +C→2NO+
CO2 )と,NOx吸収剤MによるNOxの吸収反応
(2NO+O2 →2NO2 →M・2NO2 )とが共に起
こることにより,NOxの吸収作用とパティキュレート
中の炭素成分浄化作用とが同時に発揮される。特にNO
x吸収剤Mが第1壁面5u,6u上にあると,NOの酸
化によりNO2 が多量に生成され,その一部はNOx吸
収剤Mに吸収されるが,吸収しきれないNO2 がパティ
キュレート中の炭素成分Cと酸化反応し易くなるため,
該NOx吸収剤Mが第1壁面5u,6u上に無い場合よ
りも低い排ガス温度雰囲気においてパティキュレートの
酸化燃焼反応を促進でき,これにより,パティキュレー
トフィルタFを効率よく再生させることが可能となる。
【0027】またNOx吸収剤Mに吸収されたNOxの
リリース再生は,パティキュレートフィルタFよりも上
流側で排気中に還元剤又は燃料を一時的に噴射供給(ポ
ストインジェクション)するなどして,排気を燃料リッ
チ状態(即ち空気過剰率λ≦1)にすることにより行わ
れるが,この手法では,再生温度が比較的低い場合には
NOx吸収剤MのNOxリリース効率が低下してしまう
傾向がある。
【0028】ところがパティキュレートに含まれる可溶
性有機物質(SOF)は250°C程度の低温でも蒸発
燃料状態にあって,それが燃料リッチに寄与し得るた
め,特にこの第1実施例のように捕集パティキュレート
がNOx吸収剤の近傍(第1壁面5u,6u上)に集ま
る場合には,従来より燃料リッチ量を少なくしてもNO
xの再生効率を十分確保することができる。即ち,下記
の表1からも明らかなようにNOx吸収剤Mに対しパテ
ィキュレート(特にSOF分)が共存する状態下では,
共存しない状態下よりも,より低温側でNOxのリリー
ス量を大きくすることが可能となる。
【0029】
【表1】
【0030】またリーン運転時においてNOx吸収剤M
には,排気中のサルファ成分が硫酸の形で吸収{SO2
+M+O2 →(M(SO4)n }されるが,その吸収され
たサルファ成分{(M(SO4)n }は,ストイキないし
リッチ運転時に,同一雰囲気に存するパティキュレート
中の炭素成分Cと酸化反応{(M(SO4)n +C→M+
CO2 +SO2 }され易いため,捕集パティキュレート
を利用してサルファ成分のリリース除去促進が図られ,
従ってサルファ成分吸収に因るNOx吸収剤MのNOx
吸収・放出機能の低下(サルファ被毒)を効果的に抑制
できる。
【0031】而して第1壁面5u,6uより各通路壁
5,6の気孔を通過して第2壁面5u,6u側に達した
排気は,該第2壁面5d,6d上の酸化触媒作用を受け
るため,パティキュレートフィルタFの再生時等に発生
し且つNOx吸収剤Mによっては吸収しきれない過剰な
HCやCOを効果的に酸化することができる。
【0032】またこの実施例では,パティキュレートフ
ィルタFにNOx吸収機能のみならず酸化触媒機能をも
集約,一体構造としたことにより,各々の排気後処理手
段M,M′への熱伝達効率の低下が極力回避できるた
め,NOx吸収反応及びパティキュレート燃焼除去反応
の促進,延いてはNOx吸収剤Mやパティキュレートフ
ィルタFの再生効率の向上が図られる。
【0033】また図5,6には,本発明の第2実施例が
示される。この実施例では,第1実施例とは反対に,各
通路壁5,6の上流側の第1壁面5u,6uに酸化触媒
M′を担持させ,同通路壁5,6の下流側の第2壁面5
d,6dにNOx吸収剤Mを担持させる。
【0034】この構成によれば,排気がパティキュレー
トフィルタFの各通路壁5,6を通過するときに,排気
中のパティキュレートは主として該通路壁5,6の第1
壁面5u,6u上で捕集,堆積されるが,この第1壁面
5u,6u上においては酸化触媒M′が存在しており,
リーン運転時には,該第1壁面5u,6u上でNOの酸
化反応(2NO+O2 → 2NO2 )により発生する多
量のNO2 によって,パティキュレート中の炭素成分C
がより酸化反応(2NO2 +C→ 2NO+CO2 )さ
れ易くなるため,パティキュレートの燃焼除去効果が
(第1実施例よりも)一層大きくなる。また通路壁5,
6を通過して第2壁面5d,6d側に達した排気中にも
多量のNO2 が含まれているため,それが該第2壁面5
d,6d上のNOx吸収剤Mにも吸収され易くなり,全
体としてNOxの吸収効率を更に向上させることができ
る。
【0035】またこの第2実施例でも,パティキュレー
トフィルタFにNOx吸収機能のみならず酸化機能をも
集約,一体構造としたことにより,各々の排気後処理手
段M,M′への熱伝達効率の低下が極力回避できるた
め,NOx吸収反応およびパティキュレート燃焼除去反
応の促進,延いてはNOx吸収剤Mやパティキュレート
フィルタFの再生効率の向上が図られる。
【0036】
【発明の効果】以上のように各請求項の発明によれば,
ディーゼルエンジンの排気系に介装されるパティキュレ
ートフィルタが,多孔質部材からなる通路壁と,該通路
壁を挟んで相互に隣接する上流側排気通路及び下流側排
気通路とを備え,排気が前記通路壁を通過するときに該
通路壁において排気中のパティキュレートが捕捉される
ようにした排気浄化装置において,前記通路壁の上流側
排気通路に臨む第1壁面及び下流側排気通路に臨む第2
壁面の一方にNOx吸収剤を担持させ,その他方に酸化
触媒を担持させたので,パティキュレートフィルタにN
Ox吸収機能及び酸化触媒機能を両方とも集約,一体構
造としたことにより,全体として排気系の構造を簡素化
でき,その上,各々の排気後処理装置の熱伝達効率の低
下を極力回避できて各処理装置での反応が促進され,延
いてはNOx吸収剤やパティキュレートフィルタの再生
効率の向上が図られる。
【0037】また特に請求項1の発明によれば,排気中
のパティキュレートが捕集,堆積される上流側の第1壁
面上にNOx吸収剤を担持させる一方,下流側の第2壁
面上に酸化触媒を担持させるので,第1壁面上でNOの
酸化により発生したNO2 のうちNOx吸収剤に吸収し
きれないNO2 を利用して,同第1壁面上に堆積するパ
ティキュレートの燃焼反応促進が図られ,従って比較的
低い排ガス温度雰囲気でもパティキュレートの酸化燃焼
反応が進み,パティキュレートフィルタの再生効率が向
上する。またパティキュレートに含まれる可溶性有機物
質(SOF)が燃料リッチに寄与し得るため,NOx吸
収剤のNOxリリースの際に従来より燃料リッチ量を少
なくしてもリリース再生効率を十分確保できる。更にリ
ーン運転時においてNOx吸収剤に吸収されたサルファ
成分が,リッチ運転時にはNOx吸収剤近傍(第1壁面
上)のパティキュレート中の炭素成分と燃焼反応し易く
なるため,サルファ成分のリリース除去が効果的に行わ
れ,NOx吸収剤のサルファ被毒抑制に有効である。そ
の上,第1壁面より上記通路壁の気孔を通過して第2壁
面側に達した排気は,該第2壁面上の酸化触媒作用を受
けるから,パティキュレートフィルタの再生時等に発生
して該排気中に含まれる過剰なHC等を効果的に酸化除
去することができる。
【0038】また特に請求項2の発明によれば,排気中
のパティキュレートが捕集,堆積される上流側の第1壁
面上に酸化触媒を担持させる一方,下流側の第2壁面上
にNOx吸収剤を担持させるので,リーン運転時には,
第1壁面上で酸化反応作用により発生するNO2 によっ
て,パティキュレート中の炭素成分の酸化反応を促進さ
せることができ,これにより,該第1壁面上で堆積する
パティキュレートの燃焼除去効果をより高めることがで
きる。また上記通路壁を通過して第2壁面側に達した排
気中にも多量のNO2 が含まれているため,それが該第
2壁面上のNOx吸収剤にも吸収され易くなり,全体と
してNOxの吸収効率向上に大いに寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るパティキュレートフ
ィルタの縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】第1実施例に係るパティキュレートフィルタの
要部拡大断面図
【図4】第1実施例の反応説明図
【図5】第2実施例に係るパティキュレートフィルタの
要部拡大断面図
【図6】第2実施例の反応説明図
【符号の説明】
Ex……排気系 F………パティキュレートフィルタ M………NOx吸収剤 M′……酸化触媒 d………下流側排気通路 u………上流側排気通路 5,6………縦,横通路壁(通路壁) 5u,5u……第1壁面 5d,6d……第2壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/18 F01N 3/28 301Q 3/28 301 B01D 53/34 129Z 53/36 103C (72)発明者 大河原 謙一 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G090 AA02 AA03 BA01 3G091 AA18 AB00 AB02 AB06 AB13 BA03 BA04 BA11 BA14 BA15 BA19 CA18 CB02 FA02 FA04 FB02 FB10 FB11 FB12 FC02 FC07 GA06 GA18 GA21 GA24 GB01X GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB10X GB17X HA14 HA47 4D002 AA08 AA12 AA40 AC10 BA03 BA05 CA13 DA56 DA70 EA03 EA07 HA01 4D048 AA14 AB01 AB03 BB02 CA01 CC38 CD05 EA02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気系(Ex)に
    介装されるパティキュレートフィルタ(F)が,多孔質
    部材からなる通路壁(5,6)と,該通路壁(5,6)
    を挟んで相互に隣接する上流側排気通路(u)及び下流
    側排気通路(d)とを備え,排気が前記通路壁(5,
    6)をその上流側から下流側に向けて通過するときに該
    通路壁(5,6)において排気中のパティキュレートが
    捕捉されるようにした,ディーゼルエンジン用排気浄化
    装置において,前記通路壁(5,6)の上流側排気通路
    (u)に臨む第1壁面(5u,6u)に,排気中のNO
    xを吸収可能なNOx吸収剤(M)を担持させる一方,
    同通路壁(5,6)の下流側排気通路(d)に臨む第2
    壁面(5d,6d)に酸化触媒(M′)を担持させたこ
    とを特徴とする,ディーゼルエンジン用排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 ディーゼルエンジンの排気系(Ex)に
    介装されるパティキュレートフィルタ(F)が,多孔質
    部材からなる通路壁(5,6)と,該通路壁(5,6)
    を挟んで相互に隣接する上流側排気通路(u)及び下流
    側排気通路(d)とを備え,排気が前記通路壁(5,
    6)をその上流側から下流側に向けて通過するときに該
    通路壁(5,6)において排気中のパティキュレートが
    捕捉されるようにした,ディーゼルエンジン用排気浄化
    装置において,前記通路壁(5,6)の上流側排気通路
    (u)に臨む第1壁面(5u,6u)に酸化触媒
    (M′)を担持させる一方,同通路壁(5,6)の下流
    側排気通路(d)に臨む第2壁面(5d,6d)に,排
    気中のNOxを吸収可能なNOx吸収剤(M)を担持さ
    せたことを特徴とする,ディーゼルエンジン用排気浄化
    装置。
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