JP2002003724A - 絶縁材料及びその製造方法 - Google Patents
絶縁材料及びその製造方法Info
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- JP2002003724A JP2002003724A JP2000185416A JP2000185416A JP2002003724A JP 2002003724 A JP2002003724 A JP 2002003724A JP 2000185416 A JP2000185416 A JP 2000185416A JP 2000185416 A JP2000185416 A JP 2000185416A JP 2002003724 A JP2002003724 A JP 2002003724A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 極めて低い誘電率と良好な絶縁性を示すとと
もに、耐熱性にも優れた絶縁材及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 絶縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1
000nmの微細粒子とから構成されるワニスと気体と
から、該ワニス構成分子間と気体分子とを剪断、振動、
衝突、及びキャビテーション状態を生じさせることによ
り、微小気泡を発生、均一分散させて得られる絶縁材料
において、微小気泡が最大孔径10000nmで、且つ
含有率が、微細粒子の空隙と合せて10容積%以上80
容積%以下で、均一分散させて成ることを特徴とする絶
縁材料。
もに、耐熱性にも優れた絶縁材及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 絶縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1
000nmの微細粒子とから構成されるワニスと気体と
から、該ワニス構成分子間と気体分子とを剪断、振動、
衝突、及びキャビテーション状態を生じさせることによ
り、微小気泡を発生、均一分散させて得られる絶縁材料
において、微小気泡が最大孔径10000nmで、且つ
含有率が、微細粒子の空隙と合せて10容積%以上80
容積%以下で、均一分散させて成ることを特徴とする絶
縁材料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁材に関するも
のであり、更に詳しくは、電気・電子機器用、半導体装
置用として優れた特性を有する絶縁材及びその製造方法
に関するものである。
のであり、更に詳しくは、電気・電子機器用、半導体装
置用として優れた特性を有する絶縁材及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気電子機器用、半導体装置用材料に求
められている特性のなかで、電気特性と耐熱性は、最も
重要な特性である。特に、近年、回路の微細化と信号の
高速化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要求されてい
る。この2つの特性を両立させるための材料として、耐
熱性樹脂を用いた絶縁材が、期待されている。例えば、
従来から用いられている二酸化シリコン等の無機の絶縁
材は、高耐熱性を示すが、誘電率が高く、要求特性が高
度化している現在では、前述の特性について、両立が困
難になりつつあり、ポリイミド樹脂に代表される耐熱性
樹脂は、電気特性と耐熱性に優れ、2つの特性の両立が
可能であり、実際にプリント回路の絶縁層、カバーレイ
や半導体装置のパッシベーション膜などに用いられてい
る。
められている特性のなかで、電気特性と耐熱性は、最も
重要な特性である。特に、近年、回路の微細化と信号の
高速化に伴い、誘電率の低い絶縁材料が要求されてい
る。この2つの特性を両立させるための材料として、耐
熱性樹脂を用いた絶縁材が、期待されている。例えば、
従来から用いられている二酸化シリコン等の無機の絶縁
材は、高耐熱性を示すが、誘電率が高く、要求特性が高
度化している現在では、前述の特性について、両立が困
難になりつつあり、ポリイミド樹脂に代表される耐熱性
樹脂は、電気特性と耐熱性に優れ、2つの特性の両立が
可能であり、実際にプリント回路の絶縁層、カバーレイ
や半導体装置のパッシベーション膜などに用いられてい
る。
【0003】しかしながら、近年の半導体装置の高機能
化、高性能化にともない、電気特性、耐熱性について著
しい向上が必要とされているため、更に高性能な樹脂
が、必要とされるようになっている。特に、誘電率につ
いて、2.5を下回るような低誘電率材料が期待されて
おり、従来の絶縁材では、必要とされる特性に達してい
ない。これに対して、これまでには、例えば、ポリイミ
ド及び溶剤から成る樹脂組成物に、ポリイミド以外の熱
分解性樹脂を加え、加熱工程により、この熱分解性樹脂
を分解させて、空隙を形成することにより、絶縁材の誘
電率を低減させることが試みられている。しかし、ポリ
イミド等の耐熱性樹脂と熱分解性樹脂が相溶するとガラ
ス転移点が低くなってしまうために、熱分解性樹脂を分
解させる際に、空隙が潰れてしまい、誘電率を低減させ
る効果が少ない。また、ポリイミド等の耐熱性樹脂と熱
分解性樹脂とを、相溶させずにうまく相分離構造を形成
せしめたとしても、熱分解樹脂を分解させる際の加熱方
法等に、多大なる労力を要するものであった。
化、高性能化にともない、電気特性、耐熱性について著
しい向上が必要とされているため、更に高性能な樹脂
が、必要とされるようになっている。特に、誘電率につ
いて、2.5を下回るような低誘電率材料が期待されて
おり、従来の絶縁材では、必要とされる特性に達してい
ない。これに対して、これまでには、例えば、ポリイミ
ド及び溶剤から成る樹脂組成物に、ポリイミド以外の熱
分解性樹脂を加え、加熱工程により、この熱分解性樹脂
を分解させて、空隙を形成することにより、絶縁材の誘
電率を低減させることが試みられている。しかし、ポリ
イミド等の耐熱性樹脂と熱分解性樹脂が相溶するとガラ
ス転移点が低くなってしまうために、熱分解性樹脂を分
解させる際に、空隙が潰れてしまい、誘電率を低減させ
る効果が少ない。また、ポリイミド等の耐熱性樹脂と熱
分解性樹脂とを、相溶させずにうまく相分離構造を形成
せしめたとしても、熱分解樹脂を分解させる際の加熱方
法等に、多大なる労力を要するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、極めて低い
誘電率と良好な絶縁性を示すとともに、耐熱性にも優れ
た絶縁材及びその製造方法を提供する事を目的とする。
誘電率と良好な絶縁性を示すとともに、耐熱性にも優れ
た絶縁材及びその製造方法を提供する事を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の手段に
より、本発明を完成するに至った。
の問題点を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、以下の手段に
より、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、次の絶縁材料とその
製造方法を提供する。 1.絶縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1000nm
の微細粒子とを含んで構成されるワニスと気体とから、
該ワニス構成分子間と気体分子とを剪断、振動、衝突、
及びキャビテーション状態を生じさせることにより、微
小気泡を発生させ、該微細粒子と微小気泡とをワニス中
に均一分散させて得られる絶縁材料において、微小気泡
が最大孔径10000nmで、好ましくは100nm以
下で、且つ微小気泡の含有率が、微細粒子の空隙と合わ
せて10容積%以上80容積%以下で、均一分散させて
成ることを特徴とする絶縁材料。
製造方法を提供する。 1.絶縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1000nm
の微細粒子とを含んで構成されるワニスと気体とから、
該ワニス構成分子間と気体分子とを剪断、振動、衝突、
及びキャビテーション状態を生じさせることにより、微
小気泡を発生させ、該微細粒子と微小気泡とをワニス中
に均一分散させて得られる絶縁材料において、微小気泡
が最大孔径10000nmで、好ましくは100nm以
下で、且つ微小気泡の含有率が、微細粒子の空隙と合わ
せて10容積%以上80容積%以下で、均一分散させて
成ることを特徴とする絶縁材料。
【0007】2.絶縁体用樹脂が、好ましくは、ポリイ
ミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂
のいずれかを含んで成ることを特徴とする1項に記載の
絶縁材料。
ミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂
のいずれかを含んで成ることを特徴とする1項に記載の
絶縁材料。
【0008】3.微細粒子が、好ましくは、無機充填材
又は有機絶縁樹脂の中空体又は多孔体であることを特徴
とする1項に記載の絶縁材料。
又は有機絶縁樹脂の中空体又は多孔体であることを特徴
とする1項に記載の絶縁材料。
【0009】4.無機充填材が、好ましくは、シリカ粉
末であることを特徴とする3項に記載の絶縁材料。
末であることを特徴とする3項に記載の絶縁材料。
【0010】5.有機絶縁樹脂が、好ましくは、ポリイ
ミドであることを特徴とする3項に記載の絶縁材料。
ミドであることを特徴とする3項に記載の絶縁材料。
【0011】6.多孔体が、好ましくは、絶縁樹脂で被
覆された無機充填材であることを特徴とする3項に記載
の絶縁材料。
覆された無機充填材であることを特徴とする3項に記載
の絶縁材料。
【0012】7.微小気泡が最大孔径10000nm
で、好ましくは100nm以下で、且つ微小気泡の含有
率が、空隙を有する最大径1000nmの微細粒子の空
隙と合わせて10容積%以上80容積%以下で均一分散
させて成る絶縁材料において、絶縁体用樹脂と空隙を有
する最大粒径1000nmの微細粒子とからなる絶縁体
用樹脂ワニスと気体とから、該ワニスを構成する分子間
と気体分子とを剪断、振動、衝突及びキャビテーション
状態を生じさせることにより、微小気泡を発生させ混合
させる工程(1)、前記微小気泡を乳化・分散させるこ
とにより、均一に分散させる工程(2)を含んでなるこ
とを特徴とする絶縁材料の製造方法。
で、好ましくは100nm以下で、且つ微小気泡の含有
率が、空隙を有する最大径1000nmの微細粒子の空
隙と合わせて10容積%以上80容積%以下で均一分散
させて成る絶縁材料において、絶縁体用樹脂と空隙を有
する最大粒径1000nmの微細粒子とからなる絶縁体
用樹脂ワニスと気体とから、該ワニスを構成する分子間
と気体分子とを剪断、振動、衝突及びキャビテーション
状態を生じさせることにより、微小気泡を発生させ混合
させる工程(1)、前記微小気泡を乳化・分散させるこ
とにより、均一に分散させる工程(2)を含んでなるこ
とを特徴とする絶縁材料の製造方法。
【0013】8.前記7項において、好ましくは、更
に、真空、遠心又はろ過により、微小気泡の孔径が10
00nm以上、更に好ましくは20nm以上の気泡を分
離する工程を含んでなることを特徴とする7項に記載の
絶縁材料の製造方法。
に、真空、遠心又はろ過により、微小気泡の孔径が10
00nm以上、更に好ましくは20nm以上の気泡を分
離する工程を含んでなることを特徴とする7項に記載の
絶縁材料の製造方法。
【0014】9.絶縁体用樹脂が、好ましくは、ポリイ
ミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂
のいずれかを含んでなることを特徴とする7項に記載の
絶縁材料の製造方法。
ミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂
のいずれかを含んでなることを特徴とする7項に記載の
絶縁材料の製造方法。
【0015】10.気体が、好ましくは、乾燥空気又は
窒素ガスから選ばれることを特徴とする7項に記載の絶
縁材料の製造方法。
窒素ガスから選ばれることを特徴とする7項に記載の絶
縁材料の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁材料は、絶縁体用樹
脂と空隙を有する最大粒径1000nmの微細粒子とを
含んで構成されるワニスと、最大孔径が10000nm
以下の微少気泡から得られる中空構造を有し、且つ微小
気泡の含有率が、微細粒子の空隙と合わせて、10容積
%以上80容積%以下で均一分散させて成るものであ
る。
脂と空隙を有する最大粒径1000nmの微細粒子とを
含んで構成されるワニスと、最大孔径が10000nm
以下の微少気泡から得られる中空構造を有し、且つ微小
気泡の含有率が、微細粒子の空隙と合わせて、10容積
%以上80容積%以下で均一分散させて成るものであ
る。
【0017】本発明に用いる空隙を有する微細粒子は、
最大粒径1000nm、好ましくは100nm以下、更
に好ましくは50nm以下であり、小さい方が、絶縁材
料特性の均一化をし易い。また、最大粒径は、絶縁材料
から得られるシートなどの厚みによっても調整が必要で
あり、最大粒径は好ましくはシート厚の1/10以下が
適切である。微細粒子の粒径下限値は、空隙を有するも
のであれば限定されない。
最大粒径1000nm、好ましくは100nm以下、更
に好ましくは50nm以下であり、小さい方が、絶縁材
料特性の均一化をし易い。また、最大粒径は、絶縁材料
から得られるシートなどの厚みによっても調整が必要で
あり、最大粒径は好ましくはシート厚の1/10以下が
適切である。微細粒子の粒径下限値は、空隙を有するも
のであれば限定されない。
【0018】該粒子の形態に制限はないが、中空体又は
多孔体が好ましく、空隙の割合は、絶縁材料製造工程で
粒子が潰れない程度とする。具体的な例として、好まし
くは、10〜70容積%程度である。微細粒子の材質と
しては、絶縁性の良い無機充填材、熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂等の有機絶縁樹脂などが用いられるが、好まし
くは、より電気特性に優れ、特に誘電率が低く、耐熱性
に優れているものが適切であるが、シリカ、ポリイミド
等が挙げられる。これらを単独で用いても、2種以上混
合して用いても良い。また、該粒子の配合割合は、絶縁
体用樹脂との合計容量に対して、10〜50容積%が好
ましい。
多孔体が好ましく、空隙の割合は、絶縁材料製造工程で
粒子が潰れない程度とする。具体的な例として、好まし
くは、10〜70容積%程度である。微細粒子の材質と
しては、絶縁性の良い無機充填材、熱可塑性樹脂や熱硬
化性樹脂等の有機絶縁樹脂などが用いられるが、好まし
くは、より電気特性に優れ、特に誘電率が低く、耐熱性
に優れているものが適切であるが、シリカ、ポリイミド
等が挙げられる。これらを単独で用いても、2種以上混
合して用いても良い。また、該粒子の配合割合は、絶縁
体用樹脂との合計容量に対して、10〜50容積%が好
ましい。
【0019】前記多孔体の場合、絶縁材料用ワニスに使
用される樹脂同系統であるポリイミド等でコートし空孔
を保持させることが好ましい。
用される樹脂同系統であるポリイミド等でコートし空孔
を保持させることが好ましい。
【0020】前記空隙を有する微細粒子を用いる場合、
空隙部の誘電率は空気と同じく1と考えられので、1よ
りも大きな絶縁体用樹脂またはその前駆体に、微細粒子
を添加分散することによって、誘電率を低減させること
ができるものである。
空隙部の誘電率は空気と同じく1と考えられので、1よ
りも大きな絶縁体用樹脂またはその前駆体に、微細粒子
を添加分散することによって、誘電率を低減させること
ができるものである。
【0021】本発明の絶縁材料における微少気泡につい
ても同様であり、微小気泡内部の誘電率は、気泡生成に
おいて乾燥空気を用いる場合、1と考えられるので、1
よりも大きな絶縁体用樹脂に、微少気泡を添加分散する
ことによって、誘電率を低減させることができるもので
ある。
ても同様であり、微小気泡内部の誘電率は、気泡生成に
おいて乾燥空気を用いる場合、1と考えられるので、1
よりも大きな絶縁体用樹脂に、微少気泡を添加分散する
ことによって、誘電率を低減させることができるもので
ある。
【0022】本発明において、微小気泡の最大孔径につ
いて、10000nmであり、好ましくは、100nm
以下であり、更に好ましくは、50nm以下であり、小
さい方が潰れにくく、絶縁材料の特性が不均一になりに
くい。また、前記微細粒子同様、最大孔径は絶縁材料か
ら得られるシートなどの厚みによっても調整される。
いて、10000nmであり、好ましくは、100nm
以下であり、更に好ましくは、50nm以下であり、小
さい方が潰れにくく、絶縁材料の特性が不均一になりに
くい。また、前記微細粒子同様、最大孔径は絶縁材料か
ら得られるシートなどの厚みによっても調整される。
【0023】本発明において、微細粒子の空隙と微小気
泡の含有割合については、10体積%以上80体積%以
下となるように微少気泡を均一に混合・乳化・分散させ
て調整する。この時、前記下限値を下回ると誘電率低減
効果がなくなり、上限値を越えると絶縁材料の硬化物の
強度が低下する等の問題が発生する。尚、微細粒子と微
小気泡の互いの割合は、特に制約はないが、絶縁材料の
特性及び条件によるが、一方が100%で他方が0%の
含有割合の場合もありえることは差し支えない。
泡の含有割合については、10体積%以上80体積%以
下となるように微少気泡を均一に混合・乳化・分散させ
て調整する。この時、前記下限値を下回ると誘電率低減
効果がなくなり、上限値を越えると絶縁材料の硬化物の
強度が低下する等の問題が発生する。尚、微細粒子と微
小気泡の互いの割合は、特に制約はないが、絶縁材料の
特性及び条件によるが、一方が100%で他方が0%の
含有割合の場合もありえることは差し支えない。
【0024】本発明に用いる気泡を構成する、気体は乾
燥空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の絶縁体用樹脂
よりも誘電率が低く、絶縁体用樹脂に不活性な気体であ
れば、制限はなく、これらのうち一種のみを用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。取り扱いのし易
さから、乾燥空気、窒素ガスが好ましい。
燥空気、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の絶縁体用樹脂
よりも誘電率が低く、絶縁体用樹脂に不活性な気体であ
れば、制限はなく、これらのうち一種のみを用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。取り扱いのし易
さから、乾燥空気、窒素ガスが好ましい。
【0025】本発明に用いる絶縁体用樹脂は、その前駆
体も含むものであり、それらの例を挙げると、ポリイミ
ド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ビスマレイミ
ド、ポリベンゾオキサゾール、ポリヒドロキシアミド、
ポリベンゾチアゾール、エポキシ等であるが、これらに
限られるものではない。これらのなかで、ポリイミド樹
脂と、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル及びポリイ
ソイミドなどのポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾ
ール樹脂と、ポリヒドロキシアミドなどのポリベンゾオ
キサゾール前駆体は、耐熱性が高く好ましく、密着性を
必要とする場合は、エポキシ樹脂が好ましい。また、こ
れらを単独で用いても良いし、混合あるいは共重合させ
てもよい。
体も含むものであり、それらの例を挙げると、ポリイミ
ド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ビスマレイミ
ド、ポリベンゾオキサゾール、ポリヒドロキシアミド、
ポリベンゾチアゾール、エポキシ等であるが、これらに
限られるものではない。これらのなかで、ポリイミド樹
脂と、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル及びポリイ
ソイミドなどのポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾ
ール樹脂と、ポリヒドロキシアミドなどのポリベンゾオ
キサゾール前駆体は、耐熱性が高く好ましく、密着性を
必要とする場合は、エポキシ樹脂が好ましい。また、こ
れらを単独で用いても良いし、混合あるいは共重合させ
てもよい。
【0026】本発明に用いる絶縁体用樹脂ワニスに用い
る溶媒としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル
-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、γ-ブチロラクトン、1,1,2,2-
テトラクロロエタン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、これらを2種以上同時に用い
ても良い。さらに、塗布性や含浸性を向上させるため
に、界面活性剤を添加しても良い。
る溶媒としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル
-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、γ-ブチロラクトン、1,1,2,2-
テトラクロロエタン等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、これらを2種以上同時に用い
ても良い。さらに、塗布性や含浸性を向上させるため
に、界面活性剤を添加しても良い。
【0027】本発明の絶縁材料の製造方法の具体例とし
ては、まず、絶縁体用樹脂を溶媒に溶解し、空隙を有す
る微細粒子を加え、20〜40%程度のワニスとする。
このワニスにおいて、攪拌機付の混合容器内で、空隙を
有する微細粒子を均一に混合・分散させた状態にして、
気体を微小気泡状態で流入させ攪拌混合しながら、ワニ
スを構成する分子間と気体分子とを剪断、振動、衝突、
キャビテーションを生じさせながら、微小気泡を発生さ
せる。次いで、ワニスと気体との混合体を液・液剪断、
ズリ方式、高圧・絞り式等の乳化・分散装置で乳化・分
散させることにより、微細粒子及び微小気泡を均一に分
散させることができる。更に、必要に応じて、微小気泡
の最大孔径を調整する場合は、真空、遠心、又はろ過装
置により気泡径の大きなものを分離する。これらの工程
を繰り返すことにより、更に、均一で、孔径の分布範囲
の狭い微小気泡を有し、かつ、空隙を有する微細粒子と
も互いに均一に分散したワニスが得られる。
ては、まず、絶縁体用樹脂を溶媒に溶解し、空隙を有す
る微細粒子を加え、20〜40%程度のワニスとする。
このワニスにおいて、攪拌機付の混合容器内で、空隙を
有する微細粒子を均一に混合・分散させた状態にして、
気体を微小気泡状態で流入させ攪拌混合しながら、ワニ
スを構成する分子間と気体分子とを剪断、振動、衝突、
キャビテーションを生じさせながら、微小気泡を発生さ
せる。次いで、ワニスと気体との混合体を液・液剪断、
ズリ方式、高圧・絞り式等の乳化・分散装置で乳化・分
散させることにより、微細粒子及び微小気泡を均一に分
散させることができる。更に、必要に応じて、微小気泡
の最大孔径を調整する場合は、真空、遠心、又はろ過装
置により気泡径の大きなものを分離する。これらの工程
を繰り返すことにより、更に、均一で、孔径の分布範囲
の狭い微小気泡を有し、かつ、空隙を有する微細粒子と
も互いに均一に分散したワニスが得られる。
【0028】次に、前記で得た微小気泡と空隙を有する
微細粒子を有したワニスを用いて絶縁材料のシートを得
る場合は、まず、前記ワニスを、適当な支持体、例え
ば、ガラス、金属、シリコーンウエハーやセラミック基
盤などに塗布する。具体的な塗布の方法としては、スピ
ンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴
霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどが挙げら
れる。このようにして、塗膜を形成し、加熱乾燥させる
ことにより、誘電率の低い絶縁材料のシートを形成し、
シート状の絶縁材料を製造することができる。
微細粒子を有したワニスを用いて絶縁材料のシートを得
る場合は、まず、前記ワニスを、適当な支持体、例え
ば、ガラス、金属、シリコーンウエハーやセラミック基
盤などに塗布する。具体的な塗布の方法としては、スピ
ンナーを用いた回転塗布、スプレーコーターを用いた噴
霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどが挙げら
れる。このようにして、塗膜を形成し、加熱乾燥させる
ことにより、誘電率の低い絶縁材料のシートを形成し、
シート状の絶縁材料を製造することができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例により、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、実施例の内容になんら限定される
ものではない。
明するが、本発明は、実施例の内容になんら限定される
ものではない。
【0030】「実施例1」 (1)ポリイミド樹脂の合成 攪拌装置、窒素導入管、原料投入口を備えたセパラブル
フラスコ中、2,2−ビス(4−(4,4’−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン5.18
g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリフルオロ
メチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.60g
(0.03mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロ
リドン(以下NMPと略す)200gに溶解する。乾燥
窒素下、10℃に溶液を冷却して、ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物2.94g(0.01mol)とヘキ
サフルオロイソプロピリデン−2,2’−ビス(フタル
酸無水物)13.32g(0.03mol)を添加し
た。添加してから5時間後に室温まで戻し、室温で2時
間攪拌し、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液
を得た。このポリアミド酸溶液に、ピリジン50gを加
えた後、無水酢酸5.1g(0.05mol)を滴下
し、系の温度を70℃に保って、7時間イミド化反応を
行った。この溶液を20倍量の水中に滴下して沈殿を回
収し、60℃で72時間真空乾燥して、耐熱性樹脂であ
るポリイミド樹脂の固形物を得た。ポリイミド樹脂の分
子量は、数平均分子量26000,重量平均分子量54
000であった。
フラスコ中、2,2−ビス(4−(4,4’−アミノフ
ェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン5.18
g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリフルオロ
メチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.60g
(0.03mol)を、乾燥したN−メチル−2−ピロ
リドン(以下NMPと略す)200gに溶解する。乾燥
窒素下、10℃に溶液を冷却して、ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物2.94g(0.01mol)とヘキ
サフルオロイソプロピリデン−2,2’−ビス(フタル
酸無水物)13.32g(0.03mol)を添加し
た。添加してから5時間後に室温まで戻し、室温で2時
間攪拌し、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸の溶液
を得た。このポリアミド酸溶液に、ピリジン50gを加
えた後、無水酢酸5.1g(0.05mol)を滴下
し、系の温度を70℃に保って、7時間イミド化反応を
行った。この溶液を20倍量の水中に滴下して沈殿を回
収し、60℃で72時間真空乾燥して、耐熱性樹脂であ
るポリイミド樹脂の固形物を得た。ポリイミド樹脂の分
子量は、数平均分子量26000,重量平均分子量54
000であった。
【0031】(2)絶縁体用樹脂ワニスの調製と絶縁材
料の製造 上記により合成したポリイミド樹脂20.0gを、γ-
ブチロラクトン/1,1,2,2-テトラクロロエタン
(70/30,vol/vol)100.0gに溶解し、
平均粒径25nmで平均35容積%の空隙を有するポリ
イミド粒子10.0gを加えて攪拌し、絶縁材用樹脂ワ
ニスを得た。絶縁材用樹脂と空隙を有する微細粒子とか
ら構成されるワニスを2Lの圧力釜内で、釜底部及び近
傍からN2ガスを微少状態で流入させながら、撹拌混合
させた混合物を、剪断・振動・衝突・キャビテーション
を起こさせる乳化・分散装置で、液体(絶縁材用樹脂ワ
ニス)と共に気体(N2ガス)を乳化・分散させ、更に
真空・遠心を掛け50nm以上の気泡を分離し、再び気
体(N2ガス)の混入撹拌、乳化・分散を複数回繰返し
て、所定の微少気泡の含有量を制御して微小気泡を有
し、微細粒子を混合した絶縁材料用ワニスを得た。
料の製造 上記により合成したポリイミド樹脂20.0gを、γ-
ブチロラクトン/1,1,2,2-テトラクロロエタン
(70/30,vol/vol)100.0gに溶解し、
平均粒径25nmで平均35容積%の空隙を有するポリ
イミド粒子10.0gを加えて攪拌し、絶縁材用樹脂ワ
ニスを得た。絶縁材用樹脂と空隙を有する微細粒子とか
ら構成されるワニスを2Lの圧力釜内で、釜底部及び近
傍からN2ガスを微少状態で流入させながら、撹拌混合
させた混合物を、剪断・振動・衝突・キャビテーション
を起こさせる乳化・分散装置で、液体(絶縁材用樹脂ワ
ニス)と共に気体(N2ガス)を乳化・分散させ、更に
真空・遠心を掛け50nm以上の気泡を分離し、再び気
体(N2ガス)の混入撹拌、乳化・分散を複数回繰返し
て、所定の微少気泡の含有量を制御して微小気泡を有
し、微細粒子を混合した絶縁材料用ワニスを得た。
【0032】厚さ200nmのタンタルを成膜したシリ
コンウエハ上に、上記で得た絶縁材料用ワニスをスピン
コートした後、窒素雰囲気のオーブン中で加熱硬化し
た。加熱硬化の際は、120℃で4分間150℃で30
分間保持した後、400℃で60分間保持した。このよ
うにして、厚さ800nmの絶縁材のシートを得た。こ
の絶縁材シート上に、面積0.1cm2のアルミの電極
を蒸着により形成し、基板のタンタルとの間のキャパシ
タンスをLCRメーターにより測定した。膜厚、電極面
積、キャパシタンスから絶縁材の誘電率を算出したとこ
ろ、2.4であった。この時、ポリイミド樹脂ワニスに
微細粒子を混合させずかつ微小気泡を生成させずに得た
絶縁シートの誘電率は、2.9であった。また、絶縁材
シートの密度を密度勾配管により求めたところ、1.1
0であった。微小気泡が全くない場合の密度は1.41
であったので、これから空隙率は22.0%と算出され
た。さらにTEMで絶縁材皮膜の断面を観察したとこ
ろ、平均孔径が20nmの空隙が均一に分散しているこ
とが分かった。
コンウエハ上に、上記で得た絶縁材料用ワニスをスピン
コートした後、窒素雰囲気のオーブン中で加熱硬化し
た。加熱硬化の際は、120℃で4分間150℃で30
分間保持した後、400℃で60分間保持した。このよ
うにして、厚さ800nmの絶縁材のシートを得た。こ
の絶縁材シート上に、面積0.1cm2のアルミの電極
を蒸着により形成し、基板のタンタルとの間のキャパシ
タンスをLCRメーターにより測定した。膜厚、電極面
積、キャパシタンスから絶縁材の誘電率を算出したとこ
ろ、2.4であった。この時、ポリイミド樹脂ワニスに
微細粒子を混合させずかつ微小気泡を生成させずに得た
絶縁シートの誘電率は、2.9であった。また、絶縁材
シートの密度を密度勾配管により求めたところ、1.1
0であった。微小気泡が全くない場合の密度は1.41
であったので、これから空隙率は22.0%と算出され
た。さらにTEMで絶縁材皮膜の断面を観察したとこ
ろ、平均孔径が20nmの空隙が均一に分散しているこ
とが分かった。
【0033】「実施例2」 (1)ポリイミド前駆体の合成 実施例1のポリイミド樹脂の合成においてポリイミド前
駆体の合成に用いた2,2−ビス(4−(4,4’−ア
ミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン
5.18g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.
60g(0.03mol)とを4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル8.01g(0.04mol)に、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物2.94g(0.01
mol)とヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2’
−ビス(フタル酸無水物)13.32g(0.03mo
l)とをピロメリット酸二無水物8.72g(0.04
mol)に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を得た。この溶液
を20倍量の水中に滴下して沈殿を回収し、25℃で7
2時間真空乾燥して、耐熱性樹脂であるポリイミドの前
駆体であるポリアミド酸の固形物を得た。得られたポリ
アミド酸の数平均分子量は27000,重量平均分子量
は55000であった。
駆体の合成に用いた2,2−ビス(4−(4,4’−ア
ミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン
5.18g(0.01mol)と2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル9.
60g(0.03mol)とを4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル8.01g(0.04mol)に、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物2.94g(0.01
mol)とヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2’
−ビス(フタル酸無水物)13.32g(0.03mo
l)とをピロメリット酸二無水物8.72g(0.04
mol)に代えた以外は、実施例1と同様にしてポリイ
ミド前駆体であるポリアミド酸の溶液を得た。この溶液
を20倍量の水中に滴下して沈殿を回収し、25℃で7
2時間真空乾燥して、耐熱性樹脂であるポリイミドの前
駆体であるポリアミド酸の固形物を得た。得られたポリ
アミド酸の数平均分子量は27000,重量平均分子量
は55000であった。
【0034】(2)絶縁体用樹脂ワニスの調製と絶縁材
料の製造 上記により合成したポリアミド酸20.0gを、γ-ブ
チロラクトン/1,1,2,2-テトラクロロエタン(7
0/30,vol/vol)100gに溶解し、平均粒径
23nmで平均48容積%の空隙を有するポリイミド粒
子10.0gで加えて攪拌し、絶縁体用樹脂ワニスを得
た。上記で得た絶縁体用と空隙を有する微細粒子とから
構成されるワニスを2Lの圧力釜内で、釜底部及び近傍
からN2ガスを微少状態で流入させながら、撹拌混合さ
せた混合物を、剪断・振動・衝突・キャビテーションを
起こさせる乳化・分散装置で液体(絶縁材用樹脂ワニ
ス)と共に気体(N2ガス)を乳化・分散させ、更に真
空・遠心を掛け20nm以上気泡を分離したものを再び
気体(N2ガス)の混入撹拌、乳化・分散を複数回繰返
して、所定の微少気泡の含有したものを高圧乳化機によ
り、混合、乳化・分散して微小気泡を有し、微細粒子が
混合した絶縁材料用ワニスを得た。
料の製造 上記により合成したポリアミド酸20.0gを、γ-ブ
チロラクトン/1,1,2,2-テトラクロロエタン(7
0/30,vol/vol)100gに溶解し、平均粒径
23nmで平均48容積%の空隙を有するポリイミド粒
子10.0gで加えて攪拌し、絶縁体用樹脂ワニスを得
た。上記で得た絶縁体用と空隙を有する微細粒子とから
構成されるワニスを2Lの圧力釜内で、釜底部及び近傍
からN2ガスを微少状態で流入させながら、撹拌混合さ
せた混合物を、剪断・振動・衝突・キャビテーションを
起こさせる乳化・分散装置で液体(絶縁材用樹脂ワニ
ス)と共に気体(N2ガス)を乳化・分散させ、更に真
空・遠心を掛け20nm以上気泡を分離したものを再び
気体(N2ガス)の混入撹拌、乳化・分散を複数回繰返
して、所定の微少気泡の含有したものを高圧乳化機によ
り、混合、乳化・分散して微小気泡を有し、微細粒子が
混合した絶縁材料用ワニスを得た。
【0035】厚さ200nmのタンタルを成膜したシリ
コンウエハ上に、この絶縁材料用ワニスをスピンコート
した後、窒素雰囲気のオーブン中で加熱硬化した。加熱
硬化の際は、120℃で4分間150℃で30分間保持
した後、400℃で60分間保持した。このようにし
て、厚さ700nmの絶縁材の被膜を得た。以下実施例
1と同様にして、この耐熱性樹脂の誘電率を測定したと
ころ2.1であった。この時、ポリイミド樹脂ワニスに
微小気泡を生成させずに得た絶縁シートの誘電率は、
3.0であった。また、絶縁材の密度を密度勾配管によ
り求めたところ、1.03であった。微小気泡が全くな
い場合の密度は1.43であったので、これから空隙率
は28.0%と算出された。さらにTEMで絶縁材皮膜
の断面を観察したところ、平均孔径が17nmの空隙が
均一に分散していることが分かった。
コンウエハ上に、この絶縁材料用ワニスをスピンコート
した後、窒素雰囲気のオーブン中で加熱硬化した。加熱
硬化の際は、120℃で4分間150℃で30分間保持
した後、400℃で60分間保持した。このようにし
て、厚さ700nmの絶縁材の被膜を得た。以下実施例
1と同様にして、この耐熱性樹脂の誘電率を測定したと
ころ2.1であった。この時、ポリイミド樹脂ワニスに
微小気泡を生成させずに得た絶縁シートの誘電率は、
3.0であった。また、絶縁材の密度を密度勾配管によ
り求めたところ、1.03であった。微小気泡が全くな
い場合の密度は1.43であったので、これから空隙率
は28.0%と算出された。さらにTEMで絶縁材皮膜
の断面を観察したところ、平均孔径が17nmの空隙が
均一に分散していることが分かった。
【0036】「比較例1」実施例1の絶縁体樹脂ワニス
の調整において用いた空隙を有するポリイミド粒子の添
加と微小気泡の生成をしない以外は、全て実施例1と同
様に、絶縁材用樹脂組成物の調整と絶縁材の製造を行っ
た。得られた耐熱性樹脂絶縁材の誘電率は2.9であ
り、密度は1.41であった。TEMによる絶縁材皮膜
の断面観察で、空隙は観察されなかった。
の調整において用いた空隙を有するポリイミド粒子の添
加と微小気泡の生成をしない以外は、全て実施例1と同
様に、絶縁材用樹脂組成物の調整と絶縁材の製造を行っ
た。得られた耐熱性樹脂絶縁材の誘電率は2.9であ
り、密度は1.41であった。TEMによる絶縁材皮膜
の断面観察で、空隙は観察されなかった。
【0037】「比較例2」実施例2の絶縁体樹脂ワニス
の調整において用いた空隙を有するポリイミド粒子の添
加と微小気泡の生成をしない以外は、全て実施例2と同
様に、絶縁材用樹脂組成物の調整と絶縁材の製造を行っ
た。得られた耐熱性樹脂の誘電率は3.0であり、密度
は1.43であった。TEMによる絶縁材皮膜の断面観
察で、空隙は観察されなかった。
の調整において用いた空隙を有するポリイミド粒子の添
加と微小気泡の生成をしない以外は、全て実施例2と同
様に、絶縁材用樹脂組成物の調整と絶縁材の製造を行っ
た。得られた耐熱性樹脂の誘電率は3.0であり、密度
は1.43であった。TEMによる絶縁材皮膜の断面観
察で、空隙は観察されなかった。
【0038】実施例1〜2においては、誘電率が2.1
〜2.4と非常に低い耐熱性樹脂を得ることが出来た。
比較例1〜2では、空隙を有する微細粒子と微小気泡を
含有していないために誘電率を低減できなかった。
〜2.4と非常に低い耐熱性樹脂を得ることが出来た。
比較例1〜2では、空隙を有する微細粒子と微小気泡を
含有していないために誘電率を低減できなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明の絶縁材料は、電気特性および耐
熱性に優れたものであり、これらの特性が要求される様
々な分野、例えば、半導体用の層間絶縁膜、多層回路の
層間絶縁膜、絶縁材などとして有用である。また、本発
明の製造方法は、このような絶縁材料を得るにあたり、
微細粒子と微小気泡の分布が均一で、孔径の分布範囲の
狭い絶縁材料を製造することができ、絶縁材料樹脂の誘
電率特性を向上させる方法として有用である。
熱性に優れたものであり、これらの特性が要求される様
々な分野、例えば、半導体用の層間絶縁膜、多層回路の
層間絶縁膜、絶縁材などとして有用である。また、本発
明の製造方法は、このような絶縁材料を得るにあたり、
微細粒子と微小気泡の分布が均一で、孔径の分布範囲の
狭い絶縁材料を製造することができ、絶縁材料樹脂の誘
電率特性を向上させる方法として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/04 C08L 79/04 B 79/08 79/08 Z H01B 3/30 H01B 3/30 D H N // C09D 5/00 C09D 5/00 Z Fターム(参考) 4J002 AA00W BH02W CD00W CM02W CM04W CM04X CN06W DJ016 FA09X FA096 FB266 GQ01 4J038 DB001 DJ001 DJ021 HA446 KA08 KA20 KA21 MA02 NA21 PB09 5G305 AA07 AB10 AB24 BA09 BA14 CA21 CA32 CC02 CD04
Claims (14)
- 【請求項1】 絶縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1
000nmの微細粒子とを含んで構成されるワニスと、
気体とから、該ワニス構成分子間と気体分子とを剪断、
振動、衝突、及びキャビテーション状態を生じさせるこ
とにより、微小気泡を発生させ、該微細粒子と微小気泡
とをワニス中に均一分散させて得られる絶縁材料におい
て、微小気泡が最大孔径10000nmで、且つ微小気
泡の含有率が、微細粒子の空隙と合わせて10容積%以
上80容積%以下であることを特徴とする絶縁材料。 - 【請求項2】 絶縁体用樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリ
ベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含
んで成ることを特徴とする請求項1に記載の絶縁材料。 - 【請求項3】 微細粒子が、無機充填材もしくは有機絶
縁樹脂の中空体又は多孔体であることを特徴とする請求
項1記載の絶縁材料。 - 【請求項4】 無機充填材が、シリカ粉末であることを
特徴とする請求項3記載の絶縁材料。 - 【請求項5】 有機絶縁樹脂が、ポリイミドであること
を特徴とする請求項3記載の絶縁材料。 - 【請求項6】 多孔体が絶縁樹脂で被覆された無機充填
材であることを特徴とする請求項3記載の絶縁材料。 - 【請求項7】 微小気泡が最大孔径10000nmで、
且つ微小気泡の含有率が、空隙を有する最大粒径100
0nmの微細粒子の空隙と合わせて10容積%以上80
容積%以下で均一分散させて成る絶縁材料において、絶
縁体用樹脂と空隙を有する最大粒径1000nmの微細
粒子とを含んでなる絶縁体用樹脂ワニスと気体とから、
該ワニスを構成する分子間と気体分子とを剪断、振動、
衝突及びキャビテーション状態を生じさせることによ
り、微小気泡を発生させ混合する工程(1)、前記微小
気泡を乳化・分散させることにより、均一に分散させる
工程(2)を含んでなることを特徴とする絶縁材料の製
造方法。 - 【請求項8】 請求項7において、更に、真空、遠心又
はろ過により、微小気泡孔径の微細化及び1000nm
以上の気泡を分離する工程を含んでなることを特徴とす
る請求項7に記載の絶縁材料の製造方法。 - 【請求項9】 絶縁体用樹脂が、ポリイミド樹脂、ポリ
ベンゾオキサゾール樹脂、エポキシ樹脂のいずれかを含
んでなることを特徴とする請求項7に記載の絶縁材料の
製造方法。 - 【請求項10】 気体が、乾燥空気又は窒素ガスから選
ばれることを特徴とする請求項7に記載の絶縁材料の製
造方法。 - 【請求項11】 微細粒子が、無機充填材もしくは有機
絶縁樹脂の中空体又は多孔体であることを特徴とする請
求項7記載の絶縁材料の製造方法。 - 【請求項12】 無機充填材が、シリカ粉末であること
を特徴とする請求項11記載の絶縁材料の製造方法。 - 【請求項13】 有機絶縁樹脂が、ポリイミドであるこ
とを特徴とする請求項11記載の絶縁材料の製造方法。 - 【請求項14】 多孔体が絶縁樹脂で被覆された無機充
填材であることを特徴とする請求項11記載の絶縁材料
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000185416A JP2002003724A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 絶縁材料及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2000185416A JP2002003724A (ja) | 2000-06-20 | 2000-06-20 | 絶縁材料及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002003724A true JP2002003724A (ja) | 2002-01-09 |
Family
ID=18685738
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2002003724A (ja) |
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2000
- 2000-06-20 JP JP2000185416A patent/JP2002003724A/ja active Pending
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