JP2002001745A - キャストフィルムの製造方法 - Google Patents
キャストフィルムの製造方法Info
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Landscapes
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチックポリマーのフィルムを溶液
キャスト法で製造する際、金属支持体上に流延されたフ
ィルムに発生する流延方向のスジ欠陥を防止するととも
に、表面平滑性及び厚み均一性も優れたフィルムを生産
性よく製造できるようにする。 【解決方法】 流延ダイ1にはマニホールド2及びスリ
ット3が形成されている。スリット3の先端がダイリッ
プ4となっている。流延ダイ1の下方には無端環状の金
属支持体5が走行自在に設けられている。ダイリップ4
は、表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下となるように
加工されている。ダイリップ4のリップクリアランスd
が0.9〜1.3mmとなるように形成されている。ド
ープ6を流延ダイ1に供給し、ダイリップ4から金属支
持体5に流延してフィルム7を製膜する。ドープ6は、
30℃における粘度が450〜650ポイズに調整され
ている。
キャスト法で製造する際、金属支持体上に流延されたフ
ィルムに発生する流延方向のスジ欠陥を防止するととも
に、表面平滑性及び厚み均一性も優れたフィルムを生産
性よく製造できるようにする。 【解決方法】 流延ダイ1にはマニホールド2及びスリ
ット3が形成されている。スリット3の先端がダイリッ
プ4となっている。流延ダイ1の下方には無端環状の金
属支持体5が走行自在に設けられている。ダイリップ4
は、表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下となるように
加工されている。ダイリップ4のリップクリアランスd
が0.9〜1.3mmとなるように形成されている。ド
ープ6を流延ダイ1に供給し、ダイリップ4から金属支
持体5に流延してフィルム7を製膜する。ドープ6は、
30℃における粘度が450〜650ポイズに調整され
ている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液キャスト法で
フィルムを製造する方法に関し、さらに詳しくは、金属
支持体上に流延したフィルムにスジ欠陥が発生するのを
抑制するとともに、表面平滑性及び厚み均一性を良好に
したキャストフィルムの製造方法に関するものである。
フィルムを製造する方法に関し、さらに詳しくは、金属
支持体上に流延したフィルムにスジ欠陥が発生するのを
抑制するとともに、表面平滑性及び厚み均一性を良好に
したキャストフィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶液キャスト法は、プラスチックポリマ
ーを溶媒に溶解したポリマー溶液(以下、ドープとい
う)を、流延ダイより押出して金属支持体上に流延し、
乾燥、剥離してフィルムを得る方法である。この溶液キ
ャスト法で製造されるフィルムは、溶融押出法で製造さ
れるフィルムより、光学等方性及び厚み均一性に優れ、
また、異物も少ないので、偏光膜保護フィルム、位相差
フィルム、透明導電性フィルムなどのオプト・エレクト
ロニクス用途に広く利用されている。
ーを溶媒に溶解したポリマー溶液(以下、ドープとい
う)を、流延ダイより押出して金属支持体上に流延し、
乾燥、剥離してフィルムを得る方法である。この溶液キ
ャスト法で製造されるフィルムは、溶融押出法で製造さ
れるフィルムより、光学等方性及び厚み均一性に優れ、
また、異物も少ないので、偏光膜保護フィルム、位相差
フィルム、透明導電性フィルムなどのオプト・エレクト
ロニクス用途に広く利用されている。
【0003】しかしながら、このような溶液キャスト法
においては、流延ダイよりドープを流延して金属支持体
上にフィルムを形成する際、流延ダイのドープを吐出す
るダイリップ部分にカワバリが発生し、このカワバリに
よりフィルムの流延方向にスジ欠陥が発生するという問
題があった。
においては、流延ダイよりドープを流延して金属支持体
上にフィルムを形成する際、流延ダイのドープを吐出す
るダイリップ部分にカワバリが発生し、このカワバリに
よりフィルムの流延方向にスジ欠陥が発生するという問
題があった。
【0004】そこで、従来、ダイの形状、ドープの粘
度、金属支持体の移動速度等を変更して、スジ欠陥を抑
制しようとしていた。例えば、特開平8−25381号
公報には、溶液粘度が5〜200ポイズ(poise)
の比較的低粘度のドープを、先端が金属支持体に対し平
行で、かつ平坦なエッジを有するリップからなるダイよ
り押出して流延し、かつ、金属支持体の移動速度を0.
5〜10m/分とすることにより、カワバリの発生を抑
制するキャストフィルムの製造方法が提案されている。
度、金属支持体の移動速度等を変更して、スジ欠陥を抑
制しようとしていた。例えば、特開平8−25381号
公報には、溶液粘度が5〜200ポイズ(poise)
の比較的低粘度のドープを、先端が金属支持体に対し平
行で、かつ平坦なエッジを有するリップからなるダイよ
り押出して流延し、かつ、金属支持体の移動速度を0.
5〜10m/分とすることにより、カワバリの発生を抑
制するキャストフィルムの製造方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダイの
形状、ドープの粘度、金属支持体の移動速度等を変更し
てキャスト製膜しても、いずれもスジ欠陥の程度を緩和
できるが、完全に消し去ることはできなかった。また、
特開平8−25381号公報で提案されたキャストフィ
ルムの製造方法は、金属支持体の移動速度を0.5〜1
0m/分にするものであるので、生産性が低いものであ
り、また、スジ欠陥も完全に解消することができなかっ
た。
形状、ドープの粘度、金属支持体の移動速度等を変更し
てキャスト製膜しても、いずれもスジ欠陥の程度を緩和
できるが、完全に消し去ることはできなかった。また、
特開平8−25381号公報で提案されたキャストフィ
ルムの製造方法は、金属支持体の移動速度を0.5〜1
0m/分にするものであるので、生産性が低いものであ
り、また、スジ欠陥も完全に解消することができなかっ
た。
【0006】本発明は以上の問題点を解決し、プラスチ
ックポリマーのフィルムを溶液キャスト法で製造する
際、金属支持体上に流延されたフィルムに発生する流延
方向のスジ欠陥を防止するとともに、表面平滑性及び厚
み均一性も優れたフィルムを生産性よく製造できるキャ
ストフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
ックポリマーのフィルムを溶液キャスト法で製造する
際、金属支持体上に流延されたフィルムに発生する流延
方向のスジ欠陥を防止するとともに、表面平滑性及び厚
み均一性も優れたフィルムを生産性よく製造できるキャ
ストフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述したダ
イリップにカワバリが発生する原因について鋭意検討
し、ダイリップに発生した欠陥、例えば、ダイ製作時又
は保全時についてしまう微小なキズや打痕、研石による
研削時に発生するスクラッチ等が原因であることを見出
した。そして、さらに鋭意検討し、ダイリップの表面粗
さを所定以下にすることにより、カワバリの発生を抑制
できることを見出し、本発明を完成させたものである。
イリップにカワバリが発生する原因について鋭意検討
し、ダイリップに発生した欠陥、例えば、ダイ製作時又
は保全時についてしまう微小なキズや打痕、研石による
研削時に発生するスクラッチ等が原因であることを見出
した。そして、さらに鋭意検討し、ダイリップの表面粗
さを所定以下にすることにより、カワバリの発生を抑制
できることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0008】すなわち、本発明によるキャストフィルム
の製造方法は、プラスチックポリマーを溶媒に溶解した
ポリマー溶液を流延ダイより金属支持体に流延してフィ
ルムを製造する方法において、流延ダイのダイリップの
ポリマー溶液が接液する部分の表面粗さ(Ra値)が
0.1μm以下であることを特徴として構成されてい
る。
の製造方法は、プラスチックポリマーを溶媒に溶解した
ポリマー溶液を流延ダイより金属支持体に流延してフィ
ルムを製造する方法において、流延ダイのダイリップの
ポリマー溶液が接液する部分の表面粗さ(Ra値)が
0.1μm以下であることを特徴として構成されてい
る。
【0009】本発明のキャストフィルムの製造方法にお
いては、ダイリップの表面粗さ(Ra値)を0.1μm
以下とすることにより、カワバリが発生するのを抑制
し、その結果、スジ欠陥の確認が困難となるほど良化さ
せている。
いては、ダイリップの表面粗さ(Ra値)を0.1μm
以下とすることにより、カワバリが発生するのを抑制
し、その結果、スジ欠陥の確認が困難となるほど良化さ
せている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のキャストフィルムの製造
方法において、ダイリップのポリマー溶液が接液する部
分の表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下であり、好ま
しくは0.08μm以下である。表面粗さ(Ra値)が
0.1μmを超えると、カワバリが発生する恐れがあ
る。表面粗さ(Ra値)は、触針式表面粗さ計等を用い
公知の方法により測定する。
方法において、ダイリップのポリマー溶液が接液する部
分の表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下であり、好ま
しくは0.08μm以下である。表面粗さ(Ra値)が
0.1μmを超えると、カワバリが発生する恐れがあ
る。表面粗さ(Ra値)は、触針式表面粗さ計等を用い
公知の方法により測定する。
【0011】ポリマー溶液の粘度は、特に限定されるも
のではないが、30℃における粘度は450〜650ポ
イズが好ましく、450〜600ポイズがより好まし
い。粘度を上述した範囲にすることにより、スジ欠陥を
より良化させることができる。ポリマー溶液の粘度が4
50ポイズ未満であると、ダイリップよりポリマー溶液
を吐出開始する際、吐出圧力が確保できず、ダイ全幅に
わたって同時にポリマー溶液が吐出しない。このため、
下方側のダイリップ先端を汚してしまう。また、幅方向
の厚味調整も困難になる。また、650ポイズを超える
と、ポリマー溶液の吐出圧力が大きくなりすぎるため
に、ダイリップ先端と吐出するポリマー溶液の剪断力に
より、サメ肌状の面状欠陥が発生する。
のではないが、30℃における粘度は450〜650ポ
イズが好ましく、450〜600ポイズがより好まし
い。粘度を上述した範囲にすることにより、スジ欠陥を
より良化させることができる。ポリマー溶液の粘度が4
50ポイズ未満であると、ダイリップよりポリマー溶液
を吐出開始する際、吐出圧力が確保できず、ダイ全幅に
わたって同時にポリマー溶液が吐出しない。このため、
下方側のダイリップ先端を汚してしまう。また、幅方向
の厚味調整も困難になる。また、650ポイズを超える
と、ポリマー溶液の吐出圧力が大きくなりすぎるため
に、ダイリップ先端と吐出するポリマー溶液の剪断力に
より、サメ肌状の面状欠陥が発生する。
【0012】流延ダイのダイリップのリップクリアラン
スは、0.9〜1.3mmが好ましく、1.0〜1.2
5mmがより好ましい。リップクリアランスを上述した
範囲にすることにより、スジ欠陥をより良化させること
ができる。リップクリアランスが0.9mm未満である
と、リップ先端の変形がゆるやかなものであっても、ス
ジ状欠陥が発生することがある。また、リップクリアラ
ンスを幅方向に変化させ、フィルムの幅方向厚味を調整
し均一にすることが困難となる。また、1.3mmを超
えると、ダイリップよりポリマー溶液を吐出開始する
際、吐出圧力が確保できず、ダイ全幅にわたって同時に
ポリマー溶液が吐出しない。このため、下方側のダイリ
ップ先端を汚してしまう。また、幅方向の厚味調整も困
難になる。
スは、0.9〜1.3mmが好ましく、1.0〜1.2
5mmがより好ましい。リップクリアランスを上述した
範囲にすることにより、スジ欠陥をより良化させること
ができる。リップクリアランスが0.9mm未満である
と、リップ先端の変形がゆるやかなものであっても、ス
ジ状欠陥が発生することがある。また、リップクリアラ
ンスを幅方向に変化させ、フィルムの幅方向厚味を調整
し均一にすることが困難となる。また、1.3mmを超
えると、ダイリップよりポリマー溶液を吐出開始する
際、吐出圧力が確保できず、ダイ全幅にわたって同時に
ポリマー溶液が吐出しない。このため、下方側のダイリ
ップ先端を汚してしまう。また、幅方向の厚味調整も困
難になる。
【0013】また、前記ポリマー溶液の粘度とリップク
リアランスとを組み合わせることが好ましく、すなわ
ち、プラスチックポリマー溶液の30℃における粘度が
450〜650ポイズであり、かつ流延ダイリップのリ
ップクリアランスを0.9〜1.3mmとすることによ
り、スジ欠陥をさらにより良化させることができる。
リアランスとを組み合わせることが好ましく、すなわ
ち、プラスチックポリマー溶液の30℃における粘度が
450〜650ポイズであり、かつ流延ダイリップのリ
ップクリアランスを0.9〜1.3mmとすることによ
り、スジ欠陥をさらにより良化させることができる。
【0014】流延して得るフィルムの完成厚みは35〜
65μmが好ましく、38〜50μmがより好ましい。
フィルムの完成厚みが35μm未満であると、金属支持
体上でのポリマー溶液の平坦化(レベリング)が行われ
なくなり、スジ状欠陥が顕在化してくる。また、65μ
mを超えると、乾燥負荷が増大し、流延速度を下げる必
要が生ずるため、生産性が低下する。
65μmが好ましく、38〜50μmがより好ましい。
フィルムの完成厚みが35μm未満であると、金属支持
体上でのポリマー溶液の平坦化(レベリング)が行われ
なくなり、スジ状欠陥が顕在化してくる。また、65μ
mを超えると、乾燥負荷が増大し、流延速度を下げる必
要が生ずるため、生産性が低下する。
【0015】本発明に用いるプラスチックポリマーは特
に限定されないが、セルロースエステルフィルムの製造
において本発明によるキャストフィルムの製造方法が好
適に使用される。セルロースエステルとしては、セルロ
ースの低級脂肪酸エステル、例えば、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート及びセルロース
アセテートプロピオネート)が代表的である。低級脂肪
酸は、炭素原子数6以下の脂肪酸を意味する。これらの
中でセルロースアセテートが特に好適であり、セルロー
スアセテートには、セルローストリアセテート(TA
C)やセルロースジアセテート(DAC)が含まれる。
に限定されないが、セルロースエステルフィルムの製造
において本発明によるキャストフィルムの製造方法が好
適に使用される。セルロースエステルとしては、セルロ
ースの低級脂肪酸エステル、例えば、セルロースアセテ
ート、セルロースアセテートブチレート及びセルロース
アセテートプロピオネート)が代表的である。低級脂肪
酸は、炭素原子数6以下の脂肪酸を意味する。これらの
中でセルロースアセテートが特に好適であり、セルロー
スアセテートには、セルローストリアセテート(TA
C)やセルロースジアセテート(DAC)が含まれる。
【0016】本発明によるキャストフィルムの製造方法
をキャストフィルム製造装置の図面を参照して説明す
る。
をキャストフィルム製造装置の図面を参照して説明す
る。
【0017】図1はキャストフィルム製造装置の部分概
略模式図である。図1において、1は流延ダイで、この
流延ダイ1にはマニホールド2及びスリット3が形成さ
れており、スリット3の先端がダイリップ4となってい
る。また、流延ダイ1の下方には無端環状の金属支持体
5が走行自在に設けられている。そして、前記ダイリッ
プ4は、表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下となるよ
うに加工されており、また、ダイリップ4のリップクリ
アランスdが0.9〜1.3mmとなるように形成され
ている。
略模式図である。図1において、1は流延ダイで、この
流延ダイ1にはマニホールド2及びスリット3が形成さ
れており、スリット3の先端がダイリップ4となってい
る。また、流延ダイ1の下方には無端環状の金属支持体
5が走行自在に設けられている。そして、前記ダイリッ
プ4は、表面粗さ(Ra値)が0.1μm以下となるよ
うに加工されており、また、ダイリップ4のリップクリ
アランスdが0.9〜1.3mmとなるように形成され
ている。
【0018】以上のようなキャスト製造装置において
は、ドープ6を流延ダイ1に供給し、ダイリップ4から
金属支持体5に流延してフィルム7を製膜する。この
時、ドープ6は、30℃における粘度が450〜650
ポイズに調整されている。
は、ドープ6を流延ダイ1に供給し、ダイリップ4から
金属支持体5に流延してフィルム7を製膜する。この
時、ドープ6は、30℃における粘度が450〜650
ポイズに調整されている。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】[実施例1] セルローストリアセテート 100重量部 トリフェニルフォスフェート 7重量部 ビフェニルジフェニルフォスフェート 5重量部 上記組成の固形分を メチレンクロライド 92重量部 メタノール 8重量部 よりなる溶媒に溶解して、ドープとした。ドープの固形
分濃度は17.5重量%に調整した。このようなドープ
を用い、図1に示すキャストフィルム製造装置で製膜し
た。
分濃度は17.5重量%に調整した。このようなドープ
を用い、図1に示すキャストフィルム製造装置で製膜し
た。
【0021】ドープを静置脱泡した後、送液ポンプ(図
示せず)によってフィルター(図示せず)を経由した後
流延ダイ1へ送り、30m/分で走行している金属支持
体5に流延した。流延ダイ1から金属支持体5に流延し
たドープを、残留溶剤量が22重量%以下まで乾燥さ
せ、その後、金属支持体5から剥ぎ取り、厚み40〜4
5μmのフィルムを得た。ダイリップクリアランスは、
1.0mmとした。
示せず)によってフィルター(図示せず)を経由した後
流延ダイ1へ送り、30m/分で走行している金属支持
体5に流延した。流延ダイ1から金属支持体5に流延し
たドープを、残留溶剤量が22重量%以下まで乾燥さ
せ、その後、金属支持体5から剥ぎ取り、厚み40〜4
5μmのフィルムを得た。ダイリップクリアランスは、
1.0mmとした。
【0022】金属支持体上のフィルムにスジ欠陥は観察
されなかった。また、得られたフィルムの流延方向の厚
み分布、流延方向と直角方向の厚み分布、及びフィルム
の外観検査を実施したところ、厚みの凸凹もなく、表面
平滑性も良好であった。
されなかった。また、得られたフィルムの流延方向の厚
み分布、流延方向と直角方向の厚み分布、及びフィルム
の外観検査を実施したところ、厚みの凸凹もなく、表面
平滑性も良好であった。
【0023】[実施例2]ドープ中の固形分濃度を19
重量%に調整した以外は、実施例1と同じキャストフィ
ルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延し、製
膜を行った。
重量%に調整した以外は、実施例1と同じキャストフィ
ルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延し、製
膜を行った。
【0024】金属支持体上のフィルムにスジ欠陥はほと
んど観察されなかった。また、得られたフィルムの流延
方向の厚み分布、流延方向と直角方向の厚み分布、及び
フィルムの外観検査を実施したところ、厚みの凸凹もな
く、表面平滑性も良好であった。
んど観察されなかった。また、得られたフィルムの流延
方向の厚み分布、流延方向と直角方向の厚み分布、及び
フィルムの外観検査を実施したところ、厚みの凸凹もな
く、表面平滑性も良好であった。
【0025】[比較例1]ダイリップクリアランスを
1.6mmとした以外は、上記実施例1と同じキャスト
フィルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延
し、製膜を行った。
1.6mmとした以外は、上記実施例1と同じキャスト
フィルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延
し、製膜を行った。
【0026】金属支持体上のフィルムの流延方向にスジ
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
【0027】[比較例2]ダイリップの接液面の粗さ
(Ra)を0.5とした以外は、実施例2と同じキャス
トフィルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延
し、製膜を行った。
(Ra)を0.5とした以外は、実施例2と同じキャス
トフィルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延
し、製膜を行った。
【0028】金属支持体上のフィルムの流延方向にスジ
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
【0029】[比較例3]ダイリップクリアランスを
0.7mmとした以外は、実施例1と同じキャストフィ
ルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延し、製
膜を行った。
0.7mmとした以外は、実施例1と同じキャストフィ
ルム製造装置及びドープを用い、同一条件で流延し、製
膜を行った。
【0030】金属支持体上のフィルムの流延方向にスジ
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
欠陥が発生した。また、得られたフィルムの流延方向と
直角方向の厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品
質のものは得られなかった。
【0031】実施例1、2及び比較例1〜3の結果を表
1に示す。
1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】流延スジ面状の評価は下記による。 ◎:良好 ○:実用化限度内 ×:実用化不可
【0034】ダイリップ接液面の表面粗さは、触針式表
面粗さ形状測定機:サーフコム550A[(株)東京精
密製]にて測定した変形量をSurface Anal
yzing System SAS−2001[明伸工機
(株)]にて演算処理をしてRa値を求めた。
面粗さ形状測定機:サーフコム550A[(株)東京精
密製]にて測定した変形量をSurface Anal
yzing System SAS−2001[明伸工機
(株)]にて演算処理をしてRa値を求めた。
【0035】
【発明の効果】本発明は、ダイ先端より流延方向のスジ
欠陥を発生させることなく、表面平滑性、厚み均一性に
優れたキャストフィルムを生産性良く生産することがで
きる。
欠陥を発生させることなく、表面平滑性、厚み均一性に
優れたキャストフィルムを生産性良く生産することがで
きる。
【図1】 本発明のキャストフィルムの製造方法を実施
する溶液キャスト製膜装置の流延ダイ部分の概略模式図
である。
する溶液キャスト製膜装置の流延ダイ部分の概略模式図
である。
1…流延ダイ 2…マニホールド 3…スリット 4…ダイリップ 5…金属支持体 6…ドープ 7…フィルム d…リップクリアランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1:10 C08L 1:10 Fターム(参考) 2H049 BA06 BB33 BB49 BC09 BC22 4F071 AA09 AA88 AH12 AH19 BB02 BC01 BC12 BC16 4F205 AA00C AA01 AC05 AE09 AG01 AJ02 AM32 AR12 AR13 GA07 GB02 GC07 GE03 GF01 GF24 GN24
Claims (3)
- 【請求項1】 プラスチックポリマーを溶媒に溶解した
ポリマー溶液を流延ダイより金属支持体に流延してフィ
ルムを製造する方法において、流延ダイのダイリップの
ポリマー溶液が接液する部分の表面粗さ(Ra値)が
0.1μm以下であることを特徴とするキャストフィル
ムの製造方法。 - 【請求項2】 前記ポリマー溶液の30℃における粘度
が450〜650ポイズであり、かつダイリップのリッ
プクリアランスが0.9〜1.3mmである請求項1に
記載のキャストフィルムの製造方法。 - 【請求項3】 前記プラスチックポリマーがセルロース
アセテートであり、かつ流延して得るフィルム完成厚み
が35〜65μmである請求項1又は2に記載のキャス
トフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000190545A JP2002001745A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | キャストフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000190545A JP2002001745A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | キャストフィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002001745A true JP2002001745A (ja) | 2002-01-08 |
Family
ID=18689997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000190545A Pending JP2002001745A (ja) | 2000-06-26 | 2000-06-26 | キャストフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002001745A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199927A (ja) * | 2004-12-21 | 2006-08-03 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系フィルムおよび偏光膜 |
JP2006291079A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Du Pont Toray Co Ltd | 厚みの均一なポリイミドフィルム及びその製造方法 |
-
2000
- 2000-06-26 JP JP2000190545A patent/JP2002001745A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199927A (ja) * | 2004-12-21 | 2006-08-03 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | ポリビニルアルコール系フィルムおよび偏光膜 |
JP2006291079A (ja) * | 2005-04-13 | 2006-10-26 | Du Pont Toray Co Ltd | 厚みの均一なポリイミドフィルム及びその製造方法 |
JP4619853B2 (ja) * | 2005-04-13 | 2011-01-26 | 東レ・デュポン株式会社 | 厚みの均一なポリイミドフィルム及びその製造方法 |
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