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JP2001524829A - 足場としてモジュラー性pks遺伝子クラスターを使用して生成されるコンビナトリアルなポリケチドライブラリー - Google Patents

足場としてモジュラー性pks遺伝子クラスターを使用して生成されるコンビナトリアルなポリケチドライブラリー

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JP2001524829A
JP2001524829A JP54741398A JP54741398A JP2001524829A JP 2001524829 A JP2001524829 A JP 2001524829A JP 54741398 A JP54741398 A JP 54741398A JP 54741398 A JP54741398 A JP 54741398A JP 2001524829 A JP2001524829 A JP 2001524829A
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コースラ,チャイタン
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フ,ホン
エム. カオ,カミラ
マックダニエル,ロバート
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コーサン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 ポリケチドのコンビナトリアルライブラリーは、宿主モジュラーポリケチド合成遺伝子クラスター(例えば、エリスロマイシンのためのPKSをコードするもの)の適切な操作によって入手され得る。コンビナトリアルライブラリーは、薬学的に活性な化合物の供給源として有用である。さらに、新規ポリケチドおよび抗生物質は、この方法を用いて調製される。

Description

【発明の詳細な説明】 足場としてモジュラー性PKS遺伝子クラスターを使用して生成される コンビナトリアルなポリケチドライブラリー政府助成金への言及 この研究は、一部、国立衛生研究所からの補助金CA66736によって支援された 。 米国政府は、本発明につき特定の権利を有する。技術分野 本発明は、コンビナトリアルライブラリーの分野、新規のポリケチドおよび抗 生物質およびそれらを調製する方法に関する。より詳細には、新しいポリケチド の構築および、エリスロマイシン遺伝子クラスターにより例示されるような、天 然に存在するPKS由来のポリケチドシンターゼにより合成されるポリケチドのラ ィブラリーに関する。背景技術 ポリケチドは、一連のクライゼン型縮合およびその後の改変を通じて、2-炭素 単位から最終的に合成される多様な化合物の大きなファミリーを代表する。この グループのメンバーは、抗生物質(例えば、テトラサイクリン、抗癌剤(例えば 、ダウノマイシン)および免疫抑制剤(例えば、FK506およびラパマイシン)) を含む。ポリケチドは、多くの型の生物(真菌および菌糸体細菌(特に放線菌属 )を含む)に生じる。 ケト酸の多くのラクトンが、標準的な有機化学を使用して合成されてきた。こ れらは、Vedejesら、J.Am Chem Soc(1987)109:5437-5446により合成される一連 の不飽和ケトラクトン(本明細書の図11の式201、202、および203で示される) が含まれる。さらなる式204および205の化合物(図11においてもまた示される) は、Vedejesら、J.Am Chem Soc(1989)111:8430-8438により報告されるように合 成された。さらに、化合物206-208(図11)は、Borowitz J Heterocyclic Ch em(1975)12(1).101-106により合成され;化合物209は、Irelandら、J Org Chem(1 980)45:1868−1880により合成された。 ポリケチドは、ポリケチドシンターゼ(PKS)によりインビボで合成される。 この酵素活性タンパク質のグループは、2-炭素単位の縮合もまた触媒し、例えば 、脂肪酸およびプロスタグランジンを生じる脂肪酸シンターゼとは異なるカテゴ リーにあると考えられる。それらの構築および合成様式が非常に異なる2つの主 要な型のPKSが公知である。これらは、一般に、タイプIまたは「モジュラー性」 およびタイプII「芳香性」と呼ばれる。 本発明の主題であるPKS足場は、タイプIまたは「モジュラー性」PKSと命名さ れたグループのメンバーである。この型では、1セットの別個の活性部位が、炭 素鎖アセンブリおよび改変の各工程について存在するが、個別のタンパク質は、 このような別個の活性部位を多数含む。この型の唯一の多機能タンパク質があり 得、例えば、これは6-メチルサリチル酸の生合成に必要とされる(Beck,Jら、Eur J.Biochem(1990)192:487-498);Davis,Rら、Abstracts of Genetics of Indust rial Microorganism Meeting,Montreal,Abstract 288頁(1994))。より一般 的には、そして細菌由来のタイプI PKSアセンブリにおいて、末端生成物である ポリケチドを生じるように組み立てられたいくつかのこのような多官能性タンパ ク質が存在する(Cortes,Jら、Nature(1990)348:176;Donadio,Sら、Science (1 991)252:675;MacNeil,D,Jら、Gene(1992)115:119)。 多くのモジュラー性PKS遺伝子がクローニングされた。米国特許第5,252,474号 は、アベルメクチンのシンターゼをコードする遺伝子のクローニングを記載し; 同第5,098,837号はスピラマイシンのシンターゼをコードする遺伝子のクローニ ングを記載し、欧州出願791,655および同791,656はそれぞれタイロシン、および プラテノリド(platenolides)についてのシンターゼをコードする遺伝子を記載す る。 例示される系として使用されるエリスロマイシンについてのPKSは、モジュラ ー性PKSである。エリスロマイシンは、最初は、Philippine archipelago由来の 土壌試料から見出された、S.erythraeus(Saccharopolyspora erythraeaとして 再分類されるため)から単離された。遺伝子のクローニングは、Donadio,Sら、 Science(1991)252:675に記載された。詳細は、Perun,T.J.「Drug Action a nd Drug Resistance in Bacteria」第一巻、S.Mitsuhashi(編)University Par k Press,Baltimore,1977により総説される。抗生物質は、発酵の様々な段階の間 に、様々なグリコシル化形態(A、B、C、およびDで表される)で生じる。S.eryt hraeus由来の完全なエリスロマイシン生合成遺伝子クラスターは、Donadioら、I ndustrial Microorganisms:Basic and Applied Molecular Genetics(1993)R.H. Baltz、G.D.HegemanおよびP.L.Skatrud(編)(Amer Soc Microbiol)によりマッピ ングされ、そして配列決定され、そして完全なPKSは、3個の別個の遺伝子により コードされるDEBS-1、DEBS-2、およびDEBS-3で通常表される3個のこのような多 官能性タンパク質のアセンブリである。 PKS複合体をコードする遺伝子の発現は、遺伝子が、PKSのACPドメインを翻訳 後修飾する、必要とされる補助的なホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ酵 素を有しない宿主細胞中に形質転換される場合、ポリケチドの合成酵素による生 成を可能にするために十分でないかもしれない。これらのトランスフェラーゼの 幾つかをコードする遺伝子は、WO97/13845に記載される。さらに、合成されたポ リケチドのグリコシル化を媒介する酵素は、WO97/23630において記載される。WO 98/27203は、適切なホスホパンテテイニルトランスフェラーゼ発現系を供給する ことによる、通常はこれらを生成しない宿主におけるポリケチドの生成を記載す る。この出願の内容は、本明細書において参考として援用される。 モジュラー性PKSクラスターのポリケチドシンターゼ経路を変更することが試 みられてきた。例えば、欧州出願238,323は、律速段階のシンターゼ遺伝子を導 入することによりポリケチド生成を増強するためのプロセスを記載し、そして米 国特許第5,514,544号は、生成の増強のための、シンターゼについてのアクチベ ータータンパク質の使用を記載する。米国特許第4,874,748号および同5、149、6 39号は、モジュラー性PKS遺伝子一般のクローニングに有用なシャトルベクター を記載する。微生物染色体への改変型遺伝子の導入の方法は、WO93/13663に記載 される。開始ユニットを変化させるために、アベルメクチン生成ポリケチドシン ターゼについてのローディングモジュールと置換する、エリスロマイシン生成ポ リケチドシンターゼのDEBS-1タンパク質についてのローディングモジュールの改 変 は、Marsden,AndrewF.A.ら、Science(1998)279:199-202およびOliynyk,Mら、 Chemistry and Biology(1996)3:833-839に記載された。1998年1月15日に公開さ れたWO98/01571は、エリスロマイシンPKSの操作、およびこのような操作から生 じるポリケチドを記載する。さらに、これもまた、1998年1月15日に公開されたW O98/01546は、ポリケチド合成のための開始ユニットおよび伸長ユニットの性質 を改変するためのハイブリッドモジュラー性PKS遺伝子を記載する。 さらに、例えば、米国特許第5,063,155号および同第5,168,052号は、モジュラ ー性PKS系を使用する抗生物質の調製を記載する。多くのモジュラー性PKSが、ク ローニングされてきた。米国特許第5,098,837号、EP791,655、EP791,656および 米国特許第5,252,474号を参照のこと。 モジュラー性PKSとは対照的に、タイプII PKSは、幾つかのタンパク質を含み 、各タンパク質は、タイプIポリケチドシンターゼにおいて見られるタンパク質 よりも単純である。これらの酵素の活性部位は、繰り返し使用されるので、タン パク質自体は、一般に、単一官能性または二官能性である。例えば、Streptomyc es由来の芳香族PKS複合体は、これまでに、3個のオープンリーディングフレーム においてコードされる3個のタンパク質を含むことが見出されている。第1のタン パク質は、ケトシンターゼ(KS)およびアシルトランスフェラーゼ(AT)活性を 提供し、第二は、鎖長決定因子(CLDF)を提供し、そして第三は、アシルキャリ アタンパク質(ACP)である。 本発明は、モジュラー性PKS遺伝子クラスター由来のPKS系に関する。これらの クラスターの性質およびそれらの操作は、以下にさらに記載される。本発明の開示 本発明は、ポリケチドのコンビナトリアルなライブラリーの生成のための組換 え物質を提供し、ここで、ライブラリーのポリケチドメンバーは、3個の系を足 場として使用する、天然に存在するPKS系由来の様々なPKS系によってこれらの系 を足場として使用することにより合成される。一般に、これらのライブラリーの 多くのメンバーそれ自身が、新規の化合物であり得、そして本発明は、これらの ライブラリーの新規のポリケチドメンバーをさらに含む。従って、本発明の方法 は、個々のポリケチドの調製に関する。ポリケチドは、新規であってもなくても 良いが、調製の方法は、ポリケチドを調製するより簡便な方法を可能にする。得 られたポリケチドは、代表的にはグリコシル化を介して、それらを抗生物質に変 換するためにさらに改変され得る。本発明はまた、本発明のライブラリーのスク リーニングによって、所望される結合活性を有する新規のポリケチドを回収する ための方法を含む。 従って、1つの局面において、本発明は、改変型ポリケチドシンターゼをコー ドするヌクレオチド配列を含む核酸を調製する方法に関する。この方法は、足場 として、天然に存在するPKSをコードする配列を使用する工程、および、変異誘 発、不活化、または置換のいずれかにより、酵素活性をコードするヌクレオチド 配列部分を改変する工程を含む。次いで、このように改変されたPKSをコードす るヌクレオチド配列は、適切な宿主細胞を改変するために使用され得、このよう に改変された細胞は、その足場化が酵素活性の改変を支持するために使用された PKSにより生成されるものとは異なるポリケチドを生成するために使用される。 本発明はまた、このように生成されたポリケチドおよび抗生物質(次いで、ポリ ケチドから変換され得る)に関する。 別の局面では、本発明は、コロニーのライブラリーを含む多数の細胞コロニー に関し、ここで、ライブラリーの各コロニーは、天然に存在するPKSに由来する が異なるモジュラー性PKSを生成のための発現ベクターを含む。好ましい実施態 様では、異なるPKSは、エリスロマイシンPKS由来である。任意の場合では、異な るモジュラー性PKSのライブラリーは、酵素活性をコードする天然に存在する遺 伝子または遺伝子クラスターの1個以上の領域を、その活性を変化させ、天然に 存在する遺伝子の足場部分をインタクトのまま残すように改変することにより入 手される。所望である場合、1つより多い足場供給源が使用され得るが、単一の 足場上のモジュールのクラスターに基づくのが好ましい。別の局面では、本発明 は、コロニーのライブラリーを含む多数の細胞コロニーに関し、ここで、ライブ ラリーの各コロニーは、天然に存在するPKS(好ましくはエリスロマイシンPKS) 由来の異なるモジュラー性PKSを含む。本発明はまた、PKS複合体のライブラリー の生成方法、およびこれらのコロニーの培養によるポリケチドライブラリーの生 成方法、ならびにこのように生成されたライブラリーに関する。さらに、本発明 は、得られたポリケチドライブラリーをスクリ-ニングする方法、およびそのポ リケチドライブラリ-中に含まれる新規のポリケチドに関する。図面の簡単な説明 図1A(配列番号1〜3)は、S.erythraeus由来のエリスロマイシンPKS複合体の 図であり、各多官能性タンパク質の機能を示し、そして6-デオキシエリスロノリ ドB(6dEB)、D-デソサミンおよびL-クラジノースの構造も示す。 図1Bは、エリスロマイシンA〜DのPKS後生合成の図を示す。 図2Aは、S.erythraeus由来のDEBS-1の図であり、リンカー領域により分離さ れる機能領域を示し;図2Bは、触媒ドメインの完全なレパートリーを有する仮 想的なモジュールを示す。 図3は、完全なエリスロマイシン遺伝子クラスターを含むベクターの図を示す 。 図4は、図3のベクターの構築方法を示す。 図5は、操作の容易さのために導入される制限部位の位置を伴うエリスロマイ シン遺伝子クラスターの図を示す。 図6A〜6Hは、エリスロマイシンPKS遺伝子クラスターを操作することにより 生成されるポリケチドの構造を示す。 図7A(配列番号1)、7B(配列番号4)および7C(配列番号1〜3)は、図3のベ クター由来のPKS遺伝子クラスター誘導体の構築を示す。 図8は、図6A〜6Fのいくつかのポリケチドから得られる抗生物質を示す。 図9は、不飽和開始部分を含むポリケチド、および対応する抗生物質を示す。 図10は、ポリケチドをグリコシル化するために使用される試薬の、抗生物質活 性を有するD-デソサミン誘導体を調製するための調節を示す。 図11は、公知であり以前に生成された12員環マクロライドの構造を示す、 図12Aおよび12Bは、公知であり以前に生成された14員環マクロライドの構造 を示す。本発明を実施する態様 エリスロマイシンPKS複合体の性質、およびモジュラーPKSについてのモデルと してそれをコードする遺伝子クラスターを再検討することは、一般に役に立ち得 る。 図1Aは、抗生物質エリスロマイシンのポリケチド骨格の合成酵素をコードする 遺伝子クラスターの図表の提示である。エリスロマイシンPKSタンパク質アセン ブリは、DEBS-1、DEBS-2、およびDEBS-3と称される3つの高分子量タンパク質( >200kD)を含み、各々は別々の遺伝子によってコードされる(Caffreyら、FEBS Lett(1992)304:225)。図1Aの図は、各々3つのタンパク質は、合成酵素の2 つのモジュールを含むことを示す--反応物のサブセットが分子にさらなる2炭素 ユニットを提供することが要求されるモジュール。図1Aに示されるように、モジ ュール1および2はDEBS-1;モジュール3および4はDEBS-2、およびモジュール5 および6はDEBS-3に存在する。最小のモジュールは、ケト合成酵素(KS)、アシ ルトランスフェラーゼ(AT)、およびアシルキャリアタンパク質(ACP)を含む モジュール3に典型的である。これらの3つの機能は、伸長ユニットを活性化し 、そしてそれを増殖分子の残りに付与するに十分である。モジュール内に含まれ 得るさらなる活性は、クライゼン転位ではない反応に関連し、そしてデヒドラタ ーゼ活性(DH)、エノイルレダクターゼ活性(ER)、およびケトレダクターゼ活 性(KR)を含む。第1のモジュールはまた、ATおよびACP活性の反復を含む。な ぜなら、第1のモジュールは、開始転位を触媒するからである(すなわち、それ は、開始ユニットの性質を決定するATおよびACPによって提示される「ローディ ングドメイン」で始まるからである)。示されないが、モジュール3は変異によ って不活化されているKR領域を有する。分子の「終結」は、モジュール6のチオ エステラーゼ活性(TE)によって調節される。このチオエステラーゼはマクロリ ド環の環化を触媒し、それによってポリケトン産物の産生を増加するように思わ れる。 この場合の産物は6dEBである;この分子の構造および番号付けを図1Aに示す。 抗生物質エリスロマイシンA、B、C、およびDへの変換は、一般にはD-デソサミン またはL-ミカロース(L-mycarose)によるグリコシル化を必要とする;後者はエ リスロマイシンAおよびBにおけるクラジノースに変換する。図1Bは、エリスロマ イシンの後PKS(post-PKS)生合成(グリコシル基の負荷および修飾を含む)の 図である。 示されるように、6dEBは遺伝子eryFによってエリスロノリドBに変換される。 これは次いで、eryBによってグリコシル化され、3位にL-ミカロースを含む3-O- ミカロシルエリスロノリドBが得られる。次いで酵素eryCはこの化合物を、D- デソサミンによる5位でのグリコシル化によってエリスロマイシンDに変換する 。従って、エリスロマイシンDは、グリコシル化により、および6位でのヒドロ キシル基の付加によって、6dEBとは異なる。エリスロマイシンDは、3位でのL -ミカロース残基をメチル化することにより、eryGによって触媒される反応にお いてエリスロマイシンBに変換され得る。エリスロマイシンDは12位でのヒドロ キシル基の付加によって、エリスロマイシンCに変換される。エリスロマイシン AはeryGによって触媒されるミカロース残基のメチル化によって、エリスロマイ シンCから得られる。一連のエリスロマイシン抗生物質は、従って、ポリケチド フレームワークのヒドロキシル化のレベルによって、およびグリコシル残基のメ チル化状態によって異なる。 図2は、DEBS-1をコードする第1のオープンリーディングフレームを含む最初 の2つのモジュールにおける領域の詳細な図を示す。酵素活性をコードする領域 は、リンカーまたは「足場」コード領域によって分離される。これらの足場領域 は、適切な距離および正確な順で酵素活性を配置するアミノ酸配列をコードする 。従って、これらのリンカー領域は、集合的に、種々の活性が特定の順序および 間隔で配置されるように足場をコードすることが考えられ得る。この組織化は、 残りの遺伝子において、ならびに他の天然に存在するモジュラーPKS遺伝子ク ラスターにおいて同様である。 3つのDEBS-1、2、および3タンパク質は、遺伝子セグメントery-AI、ery-AI I、およびery-AIIIによってそれぞれコードされる。これらのリーディングフレ ームは、エリスロマイシン耐性遺伝子(ermEまたはeryR)から約10kb離れた位置 で開始する細菌染色体上に位置する。 エリスロマイシンに関する上記の詳細な記載は、一般にモジュラーPKSに典型 的である。従って、図示されたエリスロマイシンよりも、本発明のライブラリー を作製するポリケチド合成酵素は、他のモジュラーPKS(例えば、ラパマイシン 、アベルメクチン、FK-506、FR-006、モネンシン、リファマイシン、ゾラフェン -A、スピノシン、スクアレスタチン、またはチロシンなどの産生を生じる)の 合成酵素に由来し得る。 足場として使用される天然に存在するPKS遺伝子に拘らず、本発明は、クラス ターによって産生されるタンパク質複合体が1つ以上の関連(respect)における 活性を変化させ、次いでPKSの天然産物ではないポリケチドを産生するように、 エリスロマイシンPKSまたは他の天然に存在するPKS遺伝子クラスターにおける修 飾を生じることによって、ライブラリーまたは個々の修飾形態(最終的にポリケ チド)を提供する。従って、新規のポリケチドは調製され得るか、または一般に ポリケチドが本発明の方法を使用して、より容易に調製され得る。天然に存在す るPKS遺伝子クラスター由来の多数の異なる遺伝子または遺伝子クラスター(各 々は天然クラスターから異なる様式で修飾されている)を提供することによって 、ポリケチドの効果的な組み合わせライブラリーは、これらの活性における複数 の改変の結果として産生され得る。本発明において使用される全てのPKSコード 配列は、エリスロマイシンPKSによって示される、天然に存在するPKS「由来」の モジュラーポリケチド合成酵素を提示する。以下にさらに示されるように、この 誘導体の割り当ておよび束縛は、タンパク質レベルおよびコードヌクレオチド配 列レベルの両方において記載され得る。 エリスロマイシンまたは他の天然に存在するPKS「由来」のモジュラーPKSによ って、天然に存在する遺伝子の全ての利用される部分の足場を保持するモジュラ ーポリケチド合成酵素(またはその対応するコード遺伝子)が意味される(全て のモジュールがクラスターに含まれる必要はない)。定常足場において、少なく とも1つの酵素活性は、活性を変化させるように、変異、欠失、または置換され る。変化は、これらの活性が欠失されるか、または活性の異なるバージョンによ って置換される場合、または単に、天然に存在する産物ではないポリケチドがこ れらの総合的な活性から生じるような方法で変異される場合、変化する。これは 、産物ポリケチドにおける対応位置での、開始ユニットおよび/または伸長ユニ ット、および/または立体化学、および/または鎖長もしくは環化および/または 還 元もしくは脱水サイクル結果の変化が得られるから起こる。欠失活性が置換され る場合、置換活性の起源は異なる天然に存在するポリケチド合成酵素における対 応する活性から、または同じPKSの異なる領域から生じ得る。例えば、エリスロ マイシンの場合、任意または全てのDEBS-1、DEBS-2、およびDEBS-3タンパク質は 、これらのいずれかが含まれ得る誘導体または部分において含まれ得る;しかし エリスロマイシンPKSタンパク質の足場は、考慮されるどの誘導体においても保 持される。同様の考えが、対応するery-A1,ery-AII、ery-AIII遺伝子にあては まる。 誘導体は、好ましくは少なくとも、エリスロマイシンまたは他の天然に存在す るPKS遺伝子クラスターに由来するチオエステラーゼ活性を含み得る。 要約すると、天然に存在するPKS「由来」のポリケチド合成酵素は、天然に存 在する合成酵素遺伝子の全てまたは使用される部分によってコードされる足場を 含み、少なくとも2つの機能的なモジュール、好ましくは3つのモジュール、お よびより好ましくは4つ以上のモジュールを含み、ならびにこれらの機能的モジ ュールの1つ以上の活性の変異、欠失または置換を含み、その結果生じるポリケ チドの性質は変化される。この定義はタンパク質レベルおよび遺伝子レベルの両 方に適用する。特に好ましい実施態様は、KS、AT、KR、DH、またはERが、異なる PKSまたは同じPKS内の別の位置からの活性のバージョンによって、欠失または置 換されている実施態様を含む。少なくとも1つの非凝縮サイクル酵素活性(KR、 DH、またはER)が欠失されているか、または任意のこれらの活性が合成された最 終的なポリケチドを変化させるように変異されている誘導体もまた、好ましい。 従って、産生されるポリケチドに関して、ポリケチド合成酵素を構築するため の5つの自由度(degrees of freedom)が存在する。第1に、ポリケチド鎖長は 、PKSにおけるモジュールの数によって決定される。第2に、PKSの炭素骨格の性 質は各位置での伸長ユニット--例えば、マロニル、メチルマロニル、またはエチ ルマロニルなどの性質を決定するアシルトランスフェラーゼの特異性によって決 定される。第3に、ローディングドメイン特異性もまた、生じるポリケチドの炭 素骨格における効果を有する。従って、ローディングドメインは異なる開始ユニ ット(例えば、アセチル、プロピオニルなど)を使用し得る。第4に、ポリケチ ド の種々の位置での酸化状態は、モジュールのデヒドラターゼ部分およびレダクタ ーゼ部分によって決定される。これは、ポリケチドにおいて、ケトン、アルコー ル二重結合または単結合の存在および位置を決定する。最後に、得られるポリケ チドの立体化学は、合成酵素の3つの局面の機能である。第1の局面は、伸長ユ ニットとして置換されたマロニルと関連するAT/KS特異性に関連し、これは還元 サイクルが欠損している場合、または脱水酵素は鏡像異性を破壊するので、還元 サイクルがケトレダクターゼのみを含む場合のみ、立体化学に影響を与える。第 2に、ケトレダクターゼの特異性は、任意のβ-OHの鏡像異性を決定する。最後 に、伸長ユニットとしての置換されたマロニルについてのエノイルレダクターゼ 特異性は、完全なKR/DH/ERが利用可能である場合、結果に影響を与える。 開始ユニットを制御するローディングドメイン特異性を変化させる上記の変化 である以下の実施例の実施において、有用なアプローチは、別の開始ユニットな らびにモジュール1伸長化ユニットを取り込む能力を生じるモジュール1におけ るKS活性を改変することである。このアプローチはPCT出願WO97/02358に記載さ れ、ここで、KS-1活性は変異によって不活化される。次いでポリケチド合成は、 モジュール1ジケチド産物の化学的に合成されたアナログを供給することによっ て開始される。この局面の実施例の実施もまた本明細書中以下に示される。 従って、モジュラーPKSシステムおよび特にエリスロマイシンPKSシステムは、 合成されるべきポリケチドの広い範囲を可能にする。芳香族PKSシステムと比較 して、広い範囲の、脂肪族モノマー(アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソ バレリルなど)、芳香族(アミノヒドロキシベンゾイル)、脂環族(alicycle) (シクロヘキサノイル)、およびヘテロ環(チアゾリル)を含む開始ユニットが 、種々のマクロ環ポリケチドいおいて見出される。最近の研究は、モジュラーPK Sがそれらの開始ユニットに対してリラックスされた特異性を有することを示し た(Kaoら、Science(1994)、前出)。モジュラーPKSもまた、各縮合環における 伸長ユニットの選択に関してかなりの多様性を示す。縮合反応に続くβケト還元 の程度もまた、遺伝子操作によって変化されることが示されている(Donadioら 、Science(1991)、前出;Donadio,S.ら、Proc Natl.Acad Sci USA(1993)90 :7119-7123)。同様に、ポリケチド産物のサイズは、適切な数のモジュールを 有す る変異体を設計することによって変化され得る(Kao,C.M.ら、J Am Chem Soc(1 994)116:11612-11613)。最後に、これらの酵素は、高度に制御された様式での それらの産物における不斉中心の強力な(impressive)範囲の生成について特に 周知である。本発明の方法によって生成されるポリケチドおよび抗生物質は、代 表的には単一立体異性形態である。本発明の化合物が立体異性対の混合物として 生じ得るが、このシステムを使用して個々の立体異性体を生成することがより実 用的である。従って、モジュラーPKS経路内の組み合わせポテンシャルは任意の 天然に存在するモジュラー(例えば、エリスロマイシン)に基づき、PKS足場は 実際に制限されない。 一般に、PKSのポリケチド産物は、抗生物質活性を示すために、代表的にグリ コシル化によってさらに改変されなければならない。ポリケチドのグリコシル化 の方法は、当該分野において一般に公知である;グリコシル化は、適切なグリコ シル化酵素を提供することによって細胞内で達成され得るか、または化学合成手 段を使用してインビボで達成され得る。 抗生物質モジュラーポリケチドは、任意の多数の異なる糖を含み得るが、D- デスオサミンまたはそれに近いアナログは最も一般的である。エリスロマイシン 、ピクロマイシン、ナルボマイシン、およびメチマイシンは、デスオサミンを含 む。エリスロマイシンはまた、L-クラジノース(3-0-メチルミカロース)を含む 。タイロシンはミカミノース(4-ヒドロキシデスオサミン)、ミカロースおよび 6-デオキシ-D-アロースを含む。2-アセチル-1-ブロモデスオサミンは、Masamun eら,J Am Chem Soc(1975)97:3512,3513によって、ポリケチドをグリコシル化 するためのドナーとして使用されている。他に、明らかにより安定なドナーには 、グリコシルフルオリド、チオグリコシド、およびトリクロロアセチミデートが 含まれる;Woodward,R.B.ら、J Am Chem Soc(1981)103:3215;Martin,S.F.ら 、AmChem Soc(1997)119:3193;Toshima,K.ら、J Am Chem Soc(1995)117:3717;Ma tsumoto,Tら、Tetrahedron Lett(1988)29:3575。グリコシル化もまた、出発物質 としてマクロライドを使用して、および改良を作製するためにマクロライドを合 成し得ないS.erythraeaの変異体を使用して、もたらされ得る。方法は、本明細 書中以下の実施例に示される。天然に存在するPKSに由来する多重性モジュラー性PKSを構築する方法 天然に存在するPKSの誘導体は、関連遺伝子の操作によって調製され得る。多 量のモジュラーPKS遺伝子クラスターがマッピングされ、そして/または配列決 定されている。これらには、完全にマッピングされ、そして配列決定された、エ リスロマイシン、ソラフェンA(Soraphen A)、リファマイシン、およびラパマ イシン、ならびに部分配列決定された、FK506およびオレアンドマイシンならび にマッピングされ、そして部分配列決定されたカンジシジンアベルメクチン(av ermectin)およびネマデクチン(nemadectin)を含む。さらなるモジュラー性PK S遺伝子クラスターが、時間の進行とともに、利用可能になることが予測される 。これらの遺伝子は、標準的な技術を用いて操作されて、活性コード領域を欠失 または不活化し、同じかまたは異なるPKS系に由来する対応する活性をコードす る遺伝子の領域を挿入し、あるいはそうでなければ、遺伝子変更を入手するため に、標準的な手順を使用して変異され得る。当然、所望の誘導体コード配列の部 分またはすべては、標準的な固相合成方法(例えば、Jayeら、J.Biol.Chem(198 4)239:6331によって記載されるような方法、および例えば、Applied Biosystem s、Inc.から市販されている方法)を用いて合成され得る。 天然に存在するPKSの種々の誘導体をコードするヌクレオチド配列、従ってラ イブラリーの構築のための種々のポリケチドを入手するために、所望の数の構築 物を、酵素活性コード部分を「混合および適合」することによって入手し得、そ して変異は、ネイティブな宿主PKS遺伝子クラスターまたはその部分へと導入さ れ得る。 変異は、従来からの技術を用いてネイティブ配列に作製し得る。変異について の基質は、遺伝子のクラスター全体またはそれらの1または2のみであり得;変 異についての基質はまた、これらの遺伝子の1以上の部分であり得る。変異のた めの技術は、変異を含む合成オリゴヌクレオチドを調製すること、および制限エ ンドヌクレアーゼ消化を用いてPKSサブユニットをコードする遺伝子へと変異さ れた配列を挿入することを包含する。(例えば、Kunkel、T.A.Proc Natl Acad S ci USA(1985)82:448;Geisselsoderら、BioTechniques(1987)5:786を参 照のこと。)あるいは、変異は、ミスマッチプライマー(一般に、10〜20ヌクレ オチド長)を用いてもたらされ得る。ミスマッチプライマーは、ミスマッチ二重 鎖の融解温度より低い温度で、ネイティブヌクレオチド配列(一般に、RNA配列 に対応するcDNA)にハイブリダイズする。プライマーは、プライマー長および 塩基組成を比較的狭い範囲内に維持すること、および変異塩基を中心に位置する ように維持することによって特異的となし得る。ZollerおよびSmith、Methods E nzymol.(1983)100:468.プライマー伸長は、DNAポリメラーゼを用いてもた らされ、産物がクローニングされ、そしてプライマー伸長鎖の分離によって得ら れる変異DNAを含むクローンが選択される。選択は、変異プライマーをハイブリ ダイゼーションプローブとして用いて達成され得る。この技術はまた、多重点変 異を生成するのに適用され得る。例えば、Dalbie-McFarlandら、Proc Natl Acad Sci USA(1982)79:6409を参照のこと。PCR変異誘発はまた、所望の変異をも たらすための用途が見い出される。 酵素活性をコードするヌクレオチド配列の選択された部分のランダム変異誘発 は、当該分野で公知のいくつかの異なる技術(例えば、オリゴヌクレオチドリン カーをプラスミドにランダムに挿入すること、X線または紫外線での照射、イン ビトロDNA合成の間の正確でないヌクレオチドの組込み、誤りがちなPCRの変異誘 発、合成変異体の調製、および化学物質でのインビトロでのプラスミドDNAの損 傷による)を用いて達成され得る。化学変異原には、例えば、重亜硫酸ナトリウ ム、亜硝酸、ニトロソグアニジン、ヒドロキシルアミン、塩基を損傷または除去 しそれにより正常な塩基対形成を阻害する薬剤(例えば、ヒドラジンまたは蟻酸 )、ヌクレオチド前駆体のアナログ(例えば、5-ブロモウラシル、2-アミノプリ ン)、またはアクリジン、インターカレート剤(例えば、プロフラビン、アクリ フラビン、キナクリン)などを含む。一般に、プラスミドDNAまたはDNAフラグメ ントは、化学物質で処理され、E.coliへと形質転換され、そして変異体プラスミ ドのプールまたはライブラリーとして増殖させる。 酵素活性をコードする領域の変異された形態を提供することに加えて、異なる PKSシンターゼ由来、または同じPKSシンターゼの異なる位置に由来する対応する 活性をコードする領域が、例えば、適切なプライマーを用いたPCR技術を用いて 回収され得る。「対応する」活性をコードする領域によって、活性の同一の一般 型をコードするそれらの領域(例えば、遺伝子クラスターの1つの位置における ケトレダクターゼ活性が、遺伝子クラスターの別の位置、または異なる遺伝子ク ラスターにおいてケトレダクターゼをコードする活性に「対応する」)が意味さ れる;同様に、完全なレダクターゼサイクルは、対応する(例えば、KR/DH/ERが KR単独に対応する)とみなされ得る。 宿主ポリケチドシンターゼにおける特定の標的領域の置換が作製される場合、 この置換は、適切な制限酵素を用いてインビトロで行われ得るか、またはドナー プラスミドにおける置換遺伝子と、レシピエントプラスミドにおけるレセプター 領域とをつないで組み立てる相同配列を含む組換え技術を用いてインビボでもた らされ得る。有利には異なる温度感受性のプラスミドを含むこのような系は、例 えば、PCT公開(WO/40968)において記載されている。 宿主PKS遺伝子における酵素活性を置換するため、または宿主PKS遺伝子のこれ らの領域における変異を支持するための種々の操作を行うために使用されるベク ターは選択され得、コード配列の発現が適切な宿主においてもたらされ得るよう な様式でもたらされるコード配列に作動可能に連結された制御配列を含み得る。 しかし、単純なクローニングベクターもまた使用され得る。 誘導体化したPKSをコードするPKS遺伝子を入手するために使用したクローニン グベクターが、コードヌクレオチド配列に作動可能に連結された、発現のための 制御配列を欠如する場合、ヌクレオチド配列は、適切な発現ベクターへと挿入さ れる。これは、個々に行われる必要はないが、単離されたコードヌクレオチド配 列のプールは、宿主ベクターに挿入され得、得られたベクターは宿主細胞に形質 転換またはトランスフェクトされ得、そして得られた細胞は、個々のコロニーへ とプレートして広げられ得る。 適切な制御配列は、真核生物および原核生物宿主細胞において機能する配列を 含む。好ましい宿主には,真菌系(例えば、酵母)および原核生物宿主が含まれ るが、単一細胞培養(例えば、哺乳動物細胞)もまた、使用され得る。しかし、 このような系を使用するのには特定の利点は存在しない。特に好ましいのは、酵 母および原核生物宿主であり、これらは、Streptomyces spp .と適合可能な制 御 配列を使用する。種々の型の生物の単一細胞培養についての適切な制御配列は、 当該分野で周知である。分泌をもたらす制御を含む、酵母における発現のための 制御系は、広範に利用可能であり、そして日常的に使用される。制御エレメント は、プロモーター(必要に応じてオペレーター配列を含む)、および宿主の性質 に依存して他のエレメント(例えば、リボゾーム結合部位)を含む。原核生物宿 主のための特に有用なプロモーターは、二次代謝物としてポリケチドの産生をも たらすPKS遺伝子クラスターからのものを含み、これには、芳香族(II型)PKS遺 伝子クラスターからのものが含まれる。例には、actプロモーター、tcmプロモー ター、スピラノマイシンプロモーターなどがある。しかし、他の細菌プロモータ ー(例えば、糖代謝酵素(例えば、ガラクトース、ラクトース(lac)およびマ ルトース)をコードする遺伝子に由来するものもまた有用である。さらなる例は 、トリプトファン(trp)のような化合物についての生合成酵素を、およびβラ クタマーゼ(bla)をコードする遺伝子、バクテリオファージλPLに由来するプ ロモーター、およびT5プロモーターを含む。さらに、合成プロモーター(例えば 、tacプロモーター(米国特許第4,551,433号)が使用され得る。 宿主細胞の増殖に比例してPKS置換配列の発現の調節を可能にする他の調節配 列もまた、所望され得る。調節配列は、当業者に公知であり、そして例としては 、化学的刺激または物理的刺激(これには、調節性化合物の存在を含む)に応答 してスイッチオンまたはオフされる遺伝子の発現を生じる配列を含む。調節性エ レメントのほかの型、例えば、エンハンサー配列もまた、ベクター中に存在し得 る。 選択なマーカーはまた、組換え発現ベクター中に含められ得る。形質転換され た細胞株について選択するのに有用な種々のマーカーが公知であり、そして一般 に、これは、形質転換された細胞が適切な選択培地において増殖される場合、そ の発現が細胞に選択可能な表現型を付与する遺伝子を含む。このようなマーカー は、例えば、プラスミドに対して抗生物質耐性または感受性を付与する遺伝子を 含む。あるいは、いくつかのポリケチドが天然に着色され、そしてこの特徴は本 発明の構築物によって首尾よく形質転換された細胞をスクリーニングするための ビルトインのマーカーを提供する。 種々のPKSヌクレオチド配列、またはこのような配列の混和物は、別個の制御 エレメントを伴うかまたは例えば単一のプロモーターの制御下で、個々のカセッ トとして1以上の組換えベクターへとクローニングされ得る。PKSサブユニット または混和物成分は、他のPKSサブユニットまたは混和物成分の簡便な欠失およ び挿入を可能にする隣接する制限部位を含み得、その結果、ハイブリッドPKSが 生成され得る。このような独特の制限部位の設計は、当業者に公知であり、そし て上記に記載の技術、例えば、部位特異的変異誘発およびPCRを用いて達成され 得る。 上記に記載のように、特に有用な制御配列は、それ自身が、または適切な調節 系を用いて、栄養菌糸において増殖期から静止期に転移の間に発現を活性化する ものである。例示されたプラスミドpCK7中に含まれる系(すなわち、actI/actII Iプロモーター対およびアクチベーター遺伝子であるactII-ORF4)が、特に好ま しい。特に好ましい宿主は、ポリケチドの産生のための自らの自己手段を欠き、 その結果、よりきれいな結果が得られる、宿主である。この型の例示の宿主細胞 には、PCT公開WO96/40968において記載される改変されたS.coelicolor CH999培 養物およびS.lividansの同様の株が含まれる。 次いで、異なるポリケチドの産生のための種々のPKS系をコードするヌクレオ チド配列を含む発現ベクターを、適切な宿主細胞に形質転換して、ライブラリー を構築する。1つの直接的なアプローチでは、このようなベクターの混合物を、 選択した宿主細胞に形質転換し、そして得られた細胞を個々のコロニーへとプレ ートし、そして首尾よい形質転換体について選択する。次いで、個々のコロニー の各々は、特定のPKSシンターゼ、および究極的には特定のポリケチドを産生す る能力を有するコロニーを表す。代表的に、コロニーのいくつかには重複がある ;各メンバーコロニーにおいて異なるPKSを含む形質転換されたコロニーのサブ セットは、ライブラリーとみなされ得る。あるいは、発現ベクターを個々に使用 して宿主を形質転換し得る。次いで、この形質転換された宿主は、ライブラリー へと構築される。種々の戦略を開発して、天然に存在する宿主遺伝子クラスター に由来するPKS遺伝子クラスターを各々が含む複数のコロニーを入手し得、その 結果、ライブラリーでの各コロニーは、異なるPKSおよび究極的には異なるポリ ケチドを産生する。ライブラリーによって産生される異なるポリケチドの数は、 代表的には少なくとも4、より代表的には少なくとも10、そして好ましくは少な くとも20、より好ましくは少なくとも50であり、これは、異なる変更したPKS遺 伝子クラスターおよびPKS遺伝子産物の同様の数を反映する。ライブラリーにお けるメンバーの数は、任意に選択される;しかし、出発物質、伸長単位、立体異 性化学、酸化状態、および鎖長の変化に関して上記に概説した自由度の程度は、 非常に大きい。 本発明の組換えベクターを適切な宿主に導入するための方法は、当業者に公知 であり、そして代表的に、CaCl2または他の薬剤(例えば、二価カチオン)リポ フェクション、DMSO、プロトプラスト形質転換、およびエレクトロポレーション の使用を含む。 WO98/27203に開示されるように(これは、本明細書において参考として援用す る)、いくつかの宿主は、シンターゼのアシルキャリアタンパク質を活性化する 、適切な翻訳後機構を天然には含まないにもかかわらず、広範で種々の宿主が使 用され得る。これらの宿主を適切な組換え酵素で改変して、これらの改変をもた らし得る。 ポリケチド産生コロニーは、公知の技術を用いて同定しそして単離され得、そ して産生されたポリケチドは、さらに特徴付けられ得る。これらのコロニーによ って産生されたポリケチドは、ライブラリーを代表するパネル中に集合的に使用 され得るか、または活性について、個々に評価され得る。 従って、ライブラリーは、以下の4つのレベルで考慮され得る:(1)各々が 異なるPKSクラスターをコードするがすべてが天然に存在するPKSクラスターに由 来する異なるPKSコード配列を有する複数のコロニー;(2)コード配列によっ て産生されたPKSのメンバーであるタンパク質を含むコロニー;(3)産生された ポリケチド;ならびに(4)このポリケチドに由来する抗生物質。当然、組合せ ライブラリーもまた、構築され得、ここで、例えば、エリスロマイシンPKSに由 来するライブラリーのメンバーは、例えばラパマイシンPKSクラスターに由来す るものと同一のライブラリーの一部とみなされ得る。 ライブラリーにおけるコロニーを誘導して、関連のシンターゼを合成し、従っ て、関連のポリケチドを合成して候補ポリケチドのライブラリーを入手する。培 地中に分泌されたポリケチドは、所望の標的(例えば、レセプター、シグナル伝 達タンパク質など)の結合についてスクリーニングされ得る。上清自体は、スク リーニングについて使用され得るか、またはポリケチドの部分もしくは完全精製 をまず、行い得る。代表的に、このようなスクリーニング方法は、ライブラリー のそれぞれのメンバーのレセプターまたは他の標的リガンドに対する結合を検出 する工程を包含する。結合は、直接または競合アッセイを介するかのいずれかで 検出され得る。このようなライブラリーを結合についてスクリーニングする方法 は、当該分野で周知である。 あるいは、ライブラリーの個々のポリケチドメンバーを、所望の標的に対して 試験し得る。この事象において、標的の生物学的応答を測定するスクリーニング がより容易に包含され得る。 実際、大多数の新規ポリケチドが、以下の実施例において例示するように、本 発明の方法に従って、調製された。これらの新規ポリケチドは、上記に記載のよ うに、グリコシル化反応を介して、抗生物質活性を有する化合物の形成における 有用な中間体である。上記に示すように、個々のポリケチドは、適切な糖誘導体 と反応させて、抗生物質活性の化合物を入手する。抗生物質活性は、代表的なス クリーニングアッセイ、例えば、Lehrer、R.ら、J.Immunol Meth(1991)137:1 67−173に示されるようなアッセイを用いて、確認し得る。 本発明の主題である新規ポリケチドを以下に記載する。本発明の主題である新 規抗生物質は、6-および12-水酸化およびグリコシル化形態のこれらのポリケチ ドを含む。 1つの実施態様において、本発明のポリケチドは、構造(1)の化合物および これらのグリコシル化形態を含む。この化合物は、以下のポリケチド構造: を含み、 その単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1およびR2の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1 の任意のアルキルが必要に応じて置換され得; X1はH2、HOH、または=0であり; ただし: R1およびR2の少なくとも1つはアルキル(1−4C)でなければならず;および 該化合物は図6Aの化合物1、2、3、5および6以外である; 式(1)の特に好ましい実施態様は、図6Aに示す化合物4を含む。 別の実施態様において、本発明のポリケチドは、式(2)の化合物およびこれ らのグリコシル化形態を含む。これらの化合物は、以下のポリケチド構造: を含み、 その単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であり、 ここでR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1およびX2の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R1、R2およびR3の少なくとも2つはアルキル(1−4C)である。 別の実施態様において、本発明のポリケチドは、構造(3)の化合物およびこ れらのグリコシル化形態を含む。この化合物は、以下のポリケチド構造: を含み、 その単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここ でR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1およびX2の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R1およびR2の少なくとも1つはアルキル(1−4C)でなければならず;そして 化合物は、図6Aの化合物8以外である。 式(3)のポリケチドの抗生物質形態は、対応するグリコシル化形態である。 さらに別の実施態様は、これらのグリコシル化形態を含む以下の式のポリケチ ドである。これらのポリケチドは、以下の構造を有する構造(4)の化合物に由 来する誘導体である: その単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここ でR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X*およびX2の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R2およびR3の少なくとも1つはアルキル(1−4C)であり;そして化合物は、 図6Aの化合物9以外である。 さらに別の実施態様は、ポリケチドシンターゼ系の5つのモジュールの縮合の 結果である。ポリケチド形態のこの化合物は、以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2、R3、R4、およびR5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であ って、ここでR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1、X2、X3およびX4の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;または X1、X2、X3およびX4は、Hであり、そして式(5)の化合物は、8-9位、または6-7位 、または4-5位、または2-3位にπ結合を含み; ここで: R1〜R5の少なくとも2つはアルキル(1−4C)であり;そして この化合物は、図6Aの化合物13または14、あるいは図11の化合物205、210〜21 3以外である。 式(5)を含む好ましい形態の化合物は、少なくとも3つ、より好ましくは少 なくとも4つのR1〜R5がアルキル(1-4C)であり、好ましくは、メチルまたはエ チルであるものである。 X1が-OHであり、そして/またはX2が=0であり、そして/またはX3がHである化 合物もまた好ましい。 これらの化合物のグリコシル化形態もまた、有用な抗生物質である。 6つのモジュールによってもたらされる縮合から得られるものは、以下の式を 含む化合物であり: そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1〜R6の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1〜X5の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;または X1〜X5の各々は、独立してHであり、そして式(5)の化合物は、このXの位置に 隣接する環において、2位-3位、4位-5位、6位-7位、8位-9位、および/または10 位-11位にπ結合を含み; そして: R1〜R6の少なくとも2つはアルキル(1−4C)であり;そして 該化合物は、図6Bの化合物17、24または28、図12(A)の化合物301〜311、ある いは図12(B)の化合物312〜322以外である。 式6を含む好ましい化合物は、R1〜R5の少なくとも3つがアルキル(1−4C) 、好ましくはメチルまたはエチルであり;より好ましくは、R1〜R5の少なくとも 4つがアルキル(1−4C);好ましくはメチルまたはエチルである化合物である 。 X2がH2、=0またはH>…OHであり;そして/またはX3がHであり、そして/または X1がOHであり;そして/またはX4がOHであり、そして/またはX5がOHである化合物 もまた好ましい。 図6B〜6Fの式18〜23、25〜27、29〜75、および101および113の式の化合物も また、特に好ましい。R1〜R5がメチルであり、X2が=0であり、X1、X4およびX5が OHである場合の可変なR*を伴う化合物もまた好ましく、これらの例は、図6Gおよ び6Hの式96〜100および104〜107に示される。上記のグリコシル化形態もまた好 ましい。 モジュール性PKSの6つのモジュールによって触媒される縮合から得られる他 のポリケチドは、以下の式を含む化合物であり: そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1〜R5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; R6はアルキル(1-5C)であり; X1およびX3およびX6の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R1〜R4の少なくとも2つはアルキル(1−4C)である。 これらおよびこれらに対応するグリコシル化形態もまた、本発明に含まれる。 なお他の化合物は以下の式: に含まれる化合物であって、 その単離された立体異性体形態を含み; R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換または不置 換されたヒドロカルビルであり; R1〜R5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; R6はアルキル(1−5C)であり; X2は、OH、またはHであり; X1、X3、X4およびX5の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;あるい はX3またはX4はHであり、そして 式(8)の化合物は、7-8位または9-10位との間にπ結合を有し、 ただし: X2がHの場合、X3およびX4の少なくとも1つはHOHまたは=0である。 これらおよびこれらの対応するグリコシル化形態もまた、本発明に含まれる。 上記のように、グリコシル化形態は有用な抗生物質である。 上記に示すように、本発明の化合物におけるR*は、置換されてもよく置換され ていなくてもよい。適切な置換基は、ハロ(F、Cl、Br、I)、N3、OH、O-アルキ ル(1-6C)、S-アルキル(1-6C)、CN、O−アシル(1-7C)、O-アリール(6-10 C)、O-アルキルアリール(7-14C)、NH2、NH-アルキル(1-6C)、およびN-(アル キル)2を含む。 R1における適切な置換基は、R*についてのものと同じ基から選択される。さら に、R1およびR*における置換基は、エポキシド環のような環系、あるいは0,また はN、またはSを含むより大きなヘテロ環式環を形成し得る。R*およびR1について の好ましい置換基は、ハロ、OHおよびNH2である。置換されていない形態もまた 好ましい。 本発明の範囲内で抗生物質として特に有用なのは、本明細書における図8に示 す式82〜93の化合物である。 本発明の化合物のなお別の実施態様は、図9における化合物94として示される 。そのグリコシル化形態(化合物95として示す)は、抗生物質として有用である 。実施例 以下の実施例は例示を意図しており、本発明の限定を意図しない。 材料および方法 一般技術: 細菌株、プラスミド、および培養条件。1995年3月30日発行のWO 95/08548に 記載のS.coelicolor CH999を発現宿主として用いた。DNA操作はEscherichia col i MC1061中で行った。プラスミドはE.coli ET12567(dam dcm hsdS Cmr)(MacNeil ,D.J.J Bacteriol(1988)170:5607)により継代し、S.coelicolorの形質転換の 前に非メチル化DNAを生成した。E.coli株は標準条件下で増殖させた。S.coelico lor株はR2YE寒天プレート上で増殖させた(Hopwood,D.A.ら、Genetic manipulat ion of Streptomyces.A laboratory manual.The John Innes Foundation:Norw ich,1985)。pRM5(これもまたWO 95/08548に記載)は、colEIレプリコン、適切な 短縮型SCP2*Streptomycesレプリコン、双方向的クローニングを可能とする2つ のact-プロモーター、actII-ORF4アクチベーターをコードする遺伝子(これは増 殖期から定常期への遷移の間にactプロモーターからの転写を誘導する)、および 適切なマーカー遺伝子を含む。操作された(engineered)制限部位は、天然に存在 するPKSの個別のドメインをコードするカセットから開始するPKS遺伝子クラスタ ーのコンビナトリアルな構築を促進する。 pRM5をPKSの発現に用いる場合、(i)全ての関連の生合成遺伝子がプラスミ ドに保有されており(plasmid-borne)、従って、E.coli中で容易に操作および変 異 されやすい、(ii)PKS遺伝子クラスターのライブラリー全体が同じ細菌宿主中で 発現され得、この細菌宿主は遺伝的および生理学的に詳しく特徴づけられており 、かつポリケチドのインビボ産生に必要とされる補助的な活性の全てではないに しても大部分をおそらくは含む、(iii)ポリケチドは二次代謝物のような様式で 産生され、そのためインビボで潜在的に生物活性の化合物を合成することの毒性 の影響が軽減される、そして(iv)このように産生された分子は、同じ経路が野生 型生物またはブロックされた(blocked)変異体中で発現された場合よりも副反応 を受けることが少ない。 DNAおよび生物体の操作。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)をTaqポリメラーゼ(Perk in Elmer Cetus)を用いて、酵素の製造者が推奨する条件下で行った。DNA操作 のための標準的なインビトロ技術を用いた(Sambrookら、Molecular Cloning:A L aboratory Manual(最新版))。E.coliをBio-RadのE.coliパルス装置(Pulsing app aratus)でBio-Radにより提供されるプロトコルを用いて形質転換した。S.coelic olorを標準的手順で形質転換し(Hopwood,D.A.ら、Genetic manipulation of St reptomyces.A laboratory manual.The John Innes Foundation:Norwich,1985 )、そして形質転換体を2mLの500μg/mlチオストレプトン重層を用いて選択した 。 調製A 完全なエリスロマイシンPKS遺伝子クラスターの構築 エリスロマイシンPKS遺伝子の回収 エリスロマイシンPKS遺伝子クラスターの種々の部分はライブラリー調製のプ ロセスの任意の段階で別々に操作され得るが、全遺伝子クラスターの便利な供給 源を1つの場所で有することが望ましくあり得る。それゆえ、全エリスロマイシ ンPKS遺伝子クラスターが所望であれば単一のプラスミドから回収され得る。こ れを以下、プラスミドdMAK705(Hamiltonら、J Bacteriol(1989)171:4617)の誘導 体を利用して例示し、温度感受性ドナープラスミド(これは第1の許容的な温度 では複製可能であり、かつ第2の非許容的な温度では複製が不可能である)とレ シピエントプラスミドとの間でのインビボでの組換えを可能とする。このように クローン化されたeryA遺伝子はpRM5の誘導体であるpCK7を与えた(McDanielら、 Science(1993)262:1546)。対照プラスミドpCK7fを、eryAIのフレームシフト変異 を有するように構築した。pCK7およびpCK7fはE.coli中での遺伝子操作のためのC olEIレプリコン、ならびに短縮型SCP2*(低コピー数)Streptomycesレプリコンを 有する。 これらのプラスミドはまた多様なactI/actIIIプロモーター対およびactII-ORF 4、アクチベーター遺伝子を含む。アクチベーター遺伝子はこれらのプロモータ ーからの転写のために必要とされ、そして栄養菌糸体の増殖から定常期への遷移 の間の発現を活性化する。PKS遺伝子の高レベル発現は菌糸体増殖の定常期の開 始時に起こる。従って組換え株はコードされたポリケチドを二次代謝物として産 生する。 より詳細には、完全なeryA遺伝子を含むシャトルプラスミドであるpCK7(図3) (これは元々はpS1(Tuanら、Gene(1990)90:21)からクローンされた)を以下のよう に構築した。モジュラーDEBS PKS遺伝子を増大的に、温度感受性「ドナー」プラ スミド(すなわち第1の許容的な温度では複製可能であり、かつ第2の非許容的 な温度では複製が不可能であるプラスミド)から「レシピエント」シャトルベク ターに、二重の組換え事象を通じて、図4に示すように、移動した。pS1由来の2 5.6kbのSphIフラグメントをpMAK705(Hamiltonら、J Bacteriol(1989)171:4617) のSphI部位に挿入して、eryAII、eryAIII、およびeryAIの3'末端を含むドナープ ラスミドであるpCK6(CmR)を得た。この温度感受性pSC101誘導体の複製は30℃で 生じるが、44℃で静止する。レシピエントプラスミドpCK5(ApR、TcR)は、eryAI 開始コドン(Caffreyら、FEBS Lett(1992)304:255)からeryAIIの始めに近いXcmI 部位までの12.2kbのeryAフラグメント、テトラサイクリン耐性遺伝子(Tc)をコー ドする1.4kbのEcoRI-BsmI pBR322フラグメント、およびeryAIIIの末端からの4.0 kbのNotI-EcoRIフラグメントを含む。PacI、NdeI、およびリボソーム結合部位を pCK5中のeryAI開始コドンのところに操作した。pCK5はpRM5(上記)の誘導体であ る。5’および3’領域の相同性は各々4.1kbおよび4.0kbである。MC1061E.coliを pCK5およびpCK6で形質転換し、そして30℃でカルベニシリンおよびクロラムフェ ニコールの選択に供した。両プラスミド(ApR、CmR)を含むコロニーを次に、カル ベニシリンおよびクロラムフェニコールのプレート上で44℃で再び画線培養した (s treak)。2つのプラスミド間の単一の組換え事象により形成された共組込み体(c ointegrate)のみが生存性であった。生存していたコロニーを30℃でカルベニシ リン選択下で増殖させ、第2の組換え事象を通じてこの共組込み体を分割させた 。pCK7組換え体を富化させるために、コロニーをカルベニシリンプレート上で44 ℃で再び画線培養した。得られたコロニーの約20%が所望の表現型(ApR、TcS、C mS)を示した。最終的なpCK7の候補を制限マッピングにより詳細にチェックした 。対照プラスミドであるpCK7f(これはeryAIにおいてフレームシフトエラーを含 む)を同様のやり方で構築した。pCK7およびpCK7fをE.coli ET12567(MacNeil,J Bacteriol(1988)170:5607)に形質転換して、非メチル化プラスミドDNAを生成し 、そして次にStreptomyces coelicolor CH999中に移動した。 CH999/pCK7をR2YE培地上で増殖させると、この生物は多量の2つのポリケチ ドを産生した。増殖培地にプロピオネート(300mg/L)を加えると、ポリケチド産 物が収率でおよそ2倍増加する結果となった。プロトンおよび13C NMR分光法を プロピオン-1-13C酸供給実験と組み合わせて、主生成物を6dEB(>40mg/L)として 確認した(図1A)。副生成物は8,8a-デオキシオレアンドライド(>10mg/L)と同 定され(図1A)、これは明らかに6dEB生合成経路においてプロピオネートの代わ りにアセテート出発単位から生じる。13C2酢酸ナトリウム供給実験はアセテート が副生成物中に取り込まれることを確認した。3つの高分子量タンパク質(>200 kDa)、おそらく、DEBS1、DEBS2、およびDEBS3(Caffreyら、FEBS Lett(1992)304: 255)もまた、CH999/pCK7の粗抽出物中でSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動に より観察された。CH999/pCK7fからはポリケチド産物は観察されなかった。発明 者らはこれによって米国癌協会(American Cancer Society)により提供される援 助を承認する(IRG-32-34)。 実施例1 DEBS AT およびKRドメインの置換のための足場の調製 DEBSの6つのモジュールの各々について、アシルトランスフェラーゼ(AT)ドメ インと還元(KRまたはDVER/KR)ドメインとの選択された境界に操作されたエンド ヌクレアーゼ制限部位を含むようにサブクローンを作製した。制限部位をPCR変 異誘発によりサブクローン中に導入した。BamHI部位をATドメインの5’境界のた めに用い、PstI部位をATドメインと還元性ドメインとの間に導入し、そしてXbaI を還元性ドメインの3’末端で用いた(図5を参照のこと)。この結果、以下の 操作された配列が得られた(小文字は操作された制限部位を示す): 実施例2 ラパマイシンPKS由来のカセットの調製 Streptomyces hygroscopicus ATCC29253由来のゲノムDNAのコスミドライブラ リーを用いて、エリスロマイシン遺伝子クラスターの酵素活性領域中への置換物 として用いられるラパマイシンPKS遺伝子クラスターから調製されるDNAカセット を調製した。カセットを、PCR増幅により、適切なコスミドまたはサブクローン から、表1に示されるプライマー対を用いて調製し、そして適切な制限部位をカ セットの末端に導入するように設計した。rapAT2カセットにはBglIIおよびPstI 部位が隣接し、そしてrapAT14カセットにはBamHIおよびPstI部位が隣接する。還 元サイクルカセットにはPstIおよびXbaI部位が隣接する。大きなDH/ER/KRカセ ットを2つのピースに増幅し、次に長いDNA配列のPCR増幅の間に導入されるエラ ーを最小化するために、操作されたXhoI部位で接合させた。rapKR4カセットを、 上記のrapDH/KR4カセット由来の1.3kbのNheI/XbaIフラグメントをpUC19中のXbaI 部位にクローン化することにより作製した。pUC19中にXbaIのインフレームおよ び上流のPstI部位が存在し、これはカセットの5’末端で以下の接合を生じる: 実施例3 ラパマイシンPKSカセットによるDEBSモジュールの置換 以下は典型的な手順である。産物は図6にその番号で示され、ここでRはメチ ルまたは水素であり得る。表および他の場所でのこれらの数の表示において、「 a」はR=メチルを表し、そして「b」はR=水素を表す。 a)DEBS DH/ER/KR4の置換。エリスロマイシン遺伝子の一部のモジュール4(er yDH/ER/KR4)を、第1のラパマイシンモジュール(rapDH/ER/KR1)またはラパマイ シンのモジュール4(rapDH/KR4)のいずれかの対応のラパマイシン活性と置き換え た。置換はKaoら、Science(1994)265:509-512の技術を利用した。ドナープラス ミドを、最初にDEBSのDH/ER/KR4に隣接する1kbp領域を増幅して、左の隣接部の3 ’末端にPstI部位を、そして右の隣接部の5’末端にXbaI部位を含むようにする ことによって、調製した。フラグメントをこの実施例の段落b)でKR6について述 べる方法と同様のやり方で温度感受性ドナープラスミドに連結し、そして実施例 2に記載のように調製されたラパマイシンカセットをPstI/XbaI部位に挿入した 。レシピエントプラスミドは調製Aに記載のpCK7であった。インビボ組換え技術 により発現プラスミドpKOS011-19(eryDH/ER/KR4→rapDH/ER/KR1)およびpKOS011- 21(eryDH/ER/KR4→rapDH/KR4)が得られた。両ベクターにおいて、PstlおよびXb aI部位がDEBS中に導入される接合は以下の通りである: 得られた発現ベクターをS.coelicolor CH999に形質転換し、そして首尾よい形 質転換体を上記のように増殖させた。rapDH/ER/KRIカセットを含む形質転換体は 図6に23で示されるポリケチド(ここでRはメチルまたはHである)を産生した。 rapDH/KR4カセットを有するプラスミドを含む形質転換体は図6に24で示される ポリケチド(ここでRはメチルまたはHである)を産生した。図示されるように、 これらのポリケチドは、Rがメチルである24の場合には6,7アルケンによって6-デ オキシエリスロノリドBとは異なり、そしてRがメチルである23の場合にはC6-メ チル立体化学により異なる。 b)DEBS KR6の置換。段落a)で述べたのと類似の方法で、ドナープラスミドの構 築において、eryKR6がrapDH/KR4で置換されたプラスミドpKOS011-25を、DEBSのK R6ドメインに隣接する領域を置換することによって調製した。 eryKR6ドメインに隣接する約1kbの領域を以下のプライマー(配列番号38−41) を用いてPCR増幅した。: 次にこれらのフラグメントを、多重クローン化部位領域がフラグメントの制限 部位(すなわち左隣接部についてはBamHI/PstIおよび右隣接部についてはXbaI/Ns il)を収容するように改変されたpMAK705誘導体中にクローン化した。次にカセッ トを上記プラスミドのPstI/XbaI部位中に挿入して、インビボ組換えプロトコル のためのドナープラスミドを生成した。DEBS中に操作された得られたPstIおよび XbaI接合は以下の通りである: DEBSのKR6ドメインに隣接する領域を用いてドナープラスミドを構築した。 S.coelicolor CH999の形質転換体により、図6に74で示されるポリケチド(こ こでRはメチルまたはH)の産生を生じた。 c)DEBS KR2の置換。eryKR2酵素活性を、一連のベクター中で、pKAO263のPstI/ XbaI部位中へのインビトロ挿入を用いて置換した。pKAO263はKao,C.M.J Am Ch em Soc(1996)118:9184-9185に記載のpCK13の誘導体である。これは、Bedford,D .ら、Chem an Biol(1996)3:827-831に記載の類似の2-モジュールDEBS系のもの と同じに位置するPstIおよびXbaI制限部位を導入することによって調製された。 3つの発現プラスミド:pKOS099-7(eryKR2→rapDH/KR4);pKAO392(eryKR2→rapK R2);およびpKAO410(eryKR2→rapDH/ER/KR1)を調製した。これらのプラスミドは 、 S.coelicolor CH999に形質転換すると、図6において、RがHまたはメチルの場合 には構造12、3および10のポリケチドを、そしてRがメチルの場合には10を、各 々産生する結果となった。さらなるベクターpKAO400(eryKR2→rapKR4)はpKAO392 と同様の結果を生じた。 d)DEBS AT2の置換。モジュール2由来のDEBS AT活性を、ATモジュール2ドメ インに隣接する制限部位BamHIおよびPstIをpCK12(Kaoら、J Am Chem Soc(1995)1 12:9105-9106)中に挿入した後に、切除した。BamHI/PstIによる切断の後、rapAT 2を含むBglII/PstIフラグメントを挿入した。得られた操作されたDEBS/rapAT2接 合は以下の通りである(BamHI/BglII連結-GGATCT;PstI-CTGCAG): 得られたプラスミドpKOS008-51で形質転換されたS.coelicolor CH999は、図6 に示されるポリケチド6(ここでRはメチルまたはHである)を産生した。 実施例4 DEBS 還元性サイクルドメイン切除 以下は代表的な手順である。産物を番号で示し、そして番号で表される構造を 図6に示し、ここでRは以下で示すようにメチル(a)または水素(b)のいずれかで あり得る。 二重オリゴヌクレオチドリンカー(ΔRdx)を、還元性サイクルドメインの完全 な切除を可能とするように設計した。2つの合成オリゴヌクレオチド(配列番号 :46−47): を、ハイブリダイゼーションの際にPstI-およびXbaI−に適合する末端を生成す るように設計した。この二重リンカーを、切除する還元性ドメインの適切な左お よび右の隣接領域を含む組換えドナープラスミドのPstI-およびXbaI-部位に連結 し た。実施例3の段落a)のインビボ組換え技術を次に用いた。ドナープラスミドは 、切除される還元性ドメインの左および右の隣接領域を含むように改変されたプ ラスミドのPstIおよびXbaI部位に連結される、PstIおよびXbaI適合末端を有する 二重リンカーΔRdxを含んでいた。ドナープラスミドをレシピエントプラスミドp CK7と再び組み合わせて、pKOS011-13(eryKR6→ΔRdx)を生成し、そしてレシピエ ントプラスミドpCK13と再び組み合わせてpKOS005-4(eryKR2→ΔRdx)を生成した 。S.coelicolor CH999に形質転換する場合、プラスミドpK0SO11-13はポリケチド 30、31、77および78(ここでRは各場合においてメチルまたはHである)を産生し た。プラスミドpKOS005-4では、ポリケチド2(ここでRはメチルまたはHである) を産生した(図6)。実施例5 DEBS の特異的変異誘発によるマクロライド環サイズの操作 以下は典型的な手順である。産物は番号で示され、そして番号で表される構造 は図6に示され、ここでRは以下に示すようにメチル(a)または水素(b)のいずれ かであり得る。 Kao,C.M.ら、Science(1994)265:509-512の発現系を用いて、DEBS2およびDEBS 3の非存在下で(プラスミドpCK9中で)のDEBS1単独(1+2)の発現は、最初の2つの モジュールの予期されたトリケチド産物である(2R,3S,4S,5R)-2,4-ジメチル-3,5 -ジヒドロキシ-n-ヘプタン酸L-ラクトン(「ヘプタン酸L-ラクトン」(図6の化 合物1、ここでRはメチルである;図7も参照のこと))(1〜3mg/L)の産生をもた らした(Kao,C.M.ら、J Am Chem Soc(1994)116:11612−11613)。従ってチオエ ステラーゼは酵素複合体からのトリケチドの遊離に必ずしも必須ではない。 さらに2つの欠失変異体PKSを構築した。第1のものはTEに融合したDEBSIを含 み、そして第2のPKSはTEに融合した最初の5つのDEBSモジュールを含んでいた( 図7Bおよび7C)。プラスミドpCK12およびpCK15はそれぞれ、バイモジュラー 性(bimodular)(「1+2+TE」)およびペンタモジュラー性(pentamodular)(「1+2 +3+4+5+TE」)のPKSをコードする遺伝子を含んでいた。 pCK12中の1+2+TEのPKSは、モジュール6のアシルを有するタンパク質(ACP-6) のカルボキシ末端へのモジュール2のアシルを有するタンパク質(ACP-2)のカルボ キシ末端の融合を含んでいた。従って、ACP-2は本質的にインタクトであり、そ してACP-6とTEとの間に天然に見いだされるアミノ酸配列が続く。プラスミドpCK 12はpS1(Tuan,J.S.ら、Gene(1990)90:21)を起源とするeryAのDNAを含んでいた 。pCK12は、ACP-2のカルボキシ末端とACP-6のカルボキシ末端との間の欠失以外 は、pCK7(Kaoら、Science(1994)、前出)と同一である。融合はDEBS1の残基L3455 とDEBS3の残基Q2891との間で生じる。SpeI部位がこれらの2つの残基の間に存在 し、そのため融合のところのDNA配列はCTCACTAGTCAG(配列番号48)である。 pCK15中の1+2+3+4+5+TEPKSは、モジュール5のβ-ケトレダクターゼ(KR-5 )の下流の融合物76アミノ酸およびACP-6の上流の5アミノ酸を含んでいた。従っ て、融合はKR-5とACP-5との間の非保存領域のカルボキシ末端に向かって生じ、 そして組換えモジュール5は本質的に野生型モジュール5と6との間のハイブリ ッドであった。プラスミドpCK15はpS1(Tuanら、Gene(1990)、前出)を起源とする eryAのDNAを含んでいた。pCK15はpCK7(Kaoら、Science(1994)、前出)の誘導体 であり、そして以前に記載されたインビボ組換え戦略(Kaoら、Science(1994)、 前出)を用いて構築された。pCK15は、DEBS3の残基G1372とA2802との間に生じるK R-5とACP-6との間の欠失、およびカナマイシン耐性遺伝子(Oka A.ら、J Mol Bi ol (1981)147.217)を含む平滑末端化SalIフラグメントのpCK7の平滑末端化HindI II部位への挿入以外は、pCK7と同一である。アルギニン残基がG1372とA2802との 間に存在し、そのため融合のところのDNA配列はGGCCGCGCCである。 プラスミドpCK12およびpCK15をS.coelicolor CH999中に導入し、そしてポリケ チド産物を形質転換株から以前に記載された方法(Kaoら、Science(1994)、前出) に従って精製した。種々の形質転換体:上記のCH999/pCK12およびCH999/pCK15 ならびにCH999/pCK9から得られた産物を図7に示す。 CH999/pCK12は、1Hおよび13C NMR分光法で決定されるように、ヘプタン酸L-ラ クトン(図6の化合物1、ここでRはメチルである;図7も参照のこと)(20mg/L) を産生した。このトリケチド産物は、上記の非修飾DEBS1タンパク質を単独で発 現するCH999/pCK9により産生される産物と同一である。しかし、CH999/pCK12は この化合物をCH999/pCK9よりも有意に多量(約1mg/Lに対して>10mg/L)で産生し 、 これはTEがモジュール2のACPドメインに結合したトリケチド鎖のチオ開裂を触媒 する能力を示す。CH999/pCK12はまた有意量の化合物(RがHである)、化合物の新 規のアナログ(Rがメチルである)、(10mg/L)を産生し、これはプロピオネートの 代わりにアセテート開始ユニットを取り込んだ結果である。これは、インタクト なPKSを発現するCH999/pCK7が、上記の6dEBに加えて8,8a-デオキシオレアンド ライド(図1A参照)を産生する能力を暗示する。 化合物1(RがHである)はCH999/pCK9で検出されなかったので、それがCH999/pC K12から容易に単離されることは、TEの存在に起因するDEBS1のターンオーバー率 の増大のさらなる証拠を提供する。換言すれば、TEは、天然の基質である6dEBよ りもアシルユニットが4つ短い「外来」モジュールに結合した中間体を有効に認 識し得る。しかし、トリケチド産物はおそらく、化合物1(ここでRはメチルまた はHである)中で、典型的な発酵条件下で(pH7)で自発的に環化し得るので、酵素 触媒されるラクトン化を伴う生合成モデルと、酵素触媒される加水分解とその後 の自発的ラクトン化を伴う生合成モデルとを識別することは不可能である。従っ て、1+2+TE PKSがトリケチドのC-5ヒドロキシルを入り求核試薬として認識す る能力は不明確である。 CH999/pCK15は、多量の(8R,9S)-8,9-ジヒドロ-8-メチル-9-ヒドロキシ-10-デ オキシメトノライド(図6の化合物13)(10mg/L)を産生し、ペンタモジュラー性PK Sが活性であることを実証している。化合物13は、天然に豊富でかつ13Cが富化し た物質の1Hおよび13CNMR分光法、等核相関分光法(COSY)、異核相関分光法(HETCO R)、質量分析法、および分子モデリングを用いて特徴づけられた。化合物13は、 10-デオキシメトノリド(10-deoxymethomolide)のアナログ(化合物14、Lambalo t,R.H.ら、J Antibiotics(1992)45:1981−1982)であり、マクロライド系抗生 物質メチマイシン(methymycin)のアグリコンである。ペンタモジュラー性酵素に よる13の産生は、DEBS中のモジュール5および6中の活性部位ドメインが活性の 損失なしに接合され得ることをことを実証する。従って、個別のモジュールなら びに活性部位は独立した存在であり、機能的であるべき近接のモジュールとの会 合に依存しないことが明らかである。ヘキサケチド産物の末端カルボキシルとC- 11ヒドロキシルとのエステル化によって形成される12員のラクトン環は、1+2+ 3 +4+5+TE PKS(そしておそらくTE自体)が、DEBSの天然産物6dEBよりもアシルユ ニットが1つ短いポリケチド鎖のラクトン化を触媒する能力を示していた。実際 、化合物13の形成は、密接に関連する12員のヘキサケチドマクロライドであるメ チマイシンの生合成を模倣し得、これはしばしば、相同の14員ヘプタケチドマク ロライドであるピクロマイシン(picromycin)および/またはナルボマイシン(nar bomycin)と共に生じる(Cane,D.E.ら、J Am Chem Soc(1993)115:522-566)。エ リスロマイシンPKSの足場はこのように、短い鎖長ならびに長い鎖長の広範なマ クロラクトンの生成に用いられ得る。 1+2+3+4+5+TE PKSの構築は、以前には特徴づけられていなかった12員の マクロラクトンの生合成をもたらし、これは生物学的に活性なマクロライドのア グリコンに非常に似ているが、区別される。活性部位ドメインおよびモジュール の明らかな構造的および機能的独立性、ならびに緩和したラクトン化の特異性は 、これらの酵素を操作して新規なモジュラー性PKSを産生するための多数の自由 度の存在を示唆する。 実施例6 ポリケチド産物の産生および分析 実施例1〜5に記載のように、DEBS中のドメイン置換により作製される発現ベ クターを、Streptomyces coelicolor CH999またはS.lividans K4-114のいずれか の中に、標準的技術(D.A.Hopwoodら(1985)「Genetic Manipulatlion of Strepto myces:A Laboratory Manual」、(The John Innes Foundation,Norwhich))を用 いて形質転換した。両宿主株とも、天然のアクチノロジン(actinorhodin)ポリケ チドシンターゼ遺伝子クラスターの完全な欠失を有し、そのため天然のポリケチ ド産物を産生しない。形質転換体を150mmのR2YE寒天プレート上で2日間、30℃ で増殖し、この時点で寒天スラブをディッシュから持ち上げ、そして4mmのガラ スビーズの層、5mMのプロピオン酸ナトリウムを補充した50mLの液体R2YE培地、 および約1gのXAD-16樹脂ビーズを含む新しいディッシュに置いた。これを30℃ でさらに7日間保持した。 XAD-16樹脂を減圧濾過により採取し、水で洗浄し、次に10mMずつのエタノール で2回抽出した。抽出物を合わせ、そしてスラリーまでエバポレーションし、こ れを酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを飽和NaHCO3で1回洗浄し、そしてエバ ポレーションして粗生成物を得た。試料をエタノールに溶解し、そしてLC/MSで 分析した。HPLCは4.6×150mmのC18逆相カラムを用い、80:19:1のH2O/CH3CN/CH3 CO2Hから99:1のCH3CN/CH3CO2Hまでのグラジエントを用いた。質量スペクトル をAPCIイオン源を装着したPerkin-Elmer/SciexAPI100LCスペクトロメーターを用 いて記録した。各遺伝子構築物は代表的には、これはPKSをそれぞれ、プロピオ ニル-CoAおよびアセチル-CoAでプライムすることから生じる、表2に文字「a」 (R=メチル)および「b」(R=H)で示される対の産物の形成をもたらした。さらなる実施例 前述の技術を用いて、表2に示すDEBS構築物を調製した。構築物をS.coelicol or CH999中に形質転換したときに得られる産物を、図6中にそれらの数で示し、 ここで表2中「a」で示される実施態様のRはメチルを表し、表2中「b」で示さ れる実施態様では水素を表す。発現ベクターのうちのいくつかはインビトロでの 連結によって調製された。多重ドメイン置換は、単一置換発現プラスミド中への 続いてのインビトロ連結によって作製された。他のものはインビボ組換えによっ て得られた。 実施例7 14,15- ジヒドロ-6-デオキシエリスロノリドB(図9の化合物94)の調製 3つの100mmR2YE寒天プレート上で培養したS.coelicolor CH999/pJRJ2の3日 培養物に、10mgの(2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ペンテン酸(pentenoic ac id)N-アセチルシステアミンチオエステルを2mLの9:1の水/DMSOに溶解した溶 液を重層し、そして乾燥させた。培養物を30℃でさらに4日間インキュベートし た。寒天を刻み、そして等容量の酢酸エチルで2回抽出した。抽出物を合わせて 、エバポレーションした。シリカゲルクロマトグラフィーによる精製(1:1の酢 酸エチル/ヘキサン)により0.75mgの14,15-デヒドロ-6-デオキシエリスロノリド B(図9の化合物94)が得られ、APCI-MSは[M+H]+=385であった。 図6Gおよび6Hの化合物96〜107および化合物113で表されるようなR*および /またはR1が異なる類似の化合物を、前段落に記載したのと同様の様式で調製し たが、適切なジケチドをN-アセチルシステアミンチオエステルとして代わりに用 いた。これらの化合物をこの様式で調製し、そしてその構造を確認した。 適切な誘導体化ジケチドの調製を実施例17に記載する。 実施例8 1-(2- メルカプトピリミジニル)-2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミンの合成 以下の実施例のグリコシル化反応のために、表題化合物を試薬として用いた。 この実施例の段落(A)および(B)の転化を図10に示す。 (A) 1,2 −ジ-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミンの調製:50mLのCH2Cl2中 の1.00gの(D)-デソサミン(4.74mmol)に3.06gのジイソプロピルエチルアミンを加 えた。混合物を周囲温度で10分間攪拌し、次に4℃に冷却した。クロロギ酸メチ ル(1.34g)を4℃で滴下した。反応混合物を周囲温度まで加温し、そして終夜攪 拌した。乾燥するまで溶媒をエバボレーションし、酢酸エチル(150mL)を加えて 生成物を抽出し、そして残った固体を濾過した。酢酸エチルを減圧下で除去し、 そして粗生成物をシリカゲルカラム(酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミ ンは84:5:1v/v/v)で精製して、1.29gの生成物を得た(収率88%)。 (B) 1-(2- メルカプトピリミジニル)-2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミ ンの調製 :1,2-ジ-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミン(1.00g、3.436mmol)お よび0.7697gの2-メルカプトピリミジン(2-mercaptopyrimdine)(6.872mmol)の2 5mLの2口フラスコ(2-neck flash)の中の混合物を減圧下で45分間乾燥した。 ジクロロエタン(10mL)、トルエン(5mL)、およびDMF(5mL)を加え、周囲温度で 攪拌し、次に7mLのSnCl4(CH2Cl2中1M)を加えた。反応混合物を80℃で終夜保持し た。反応を1NのNaOHを混合物が塩基性になるまで加えることによって停止させ た。溶液を300mLの酢酸エチルで抽出し、そして有機層を飽和水性NaHCO3(3×150 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレーションした。生成物 をシリカゲルカラム(1:1の酢酸エチル:ヘキサンから1%のトリエチルアミン を含む酢酸エチルまで)で精製して、0.25gの1-(2-メルカプトピリミジニル)-2-O -メトキシカルボニル-(D)-デソサミンおよび0.5gの回収された1,2-ジ-O-メトキ シカルボニル-(D)-デソサミンを得た。 実施例9 5-O-[1- β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-6-デオキシエリスロ ノリドBおよび5-O-(1-β-(D)-デソサミニル)-デオキシエリスロノリドB ( 図8中の化合物86および87)の調製 (A) 6-デオキシエリスロノリドB(6-DEB)(15mg、39μmol)および1-(2-メルカ プトピリミジニル)-2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミン(65mg、200μmol) の混合物を減圧下で乾燥し、次に窒素雰囲気下に置いた。これにCH2Cl2(1mL)、 トルエン(0.5mL)、および粉末4Aモレキュラーシーブ(50mg)を加え、そして混合 物を10分間、周囲温度で攪拌した。トリフルオロメタンスルホン酸銀(64mg、250 μmol)を加え、そして反応をLC/MS分析が完了を示すまで攪拌した(18〜20時間) 。混合物を無水Na2SO4を通して濾過し、そしてエバポレートして、粗生成物を得 た。残渣を数滴のアセトニトリルに溶解し、そしてC-18固相抽出カートリッジ(W hatman)にロードした。未反応のデソサミンを、20%のCH3CN/H2Oで洗浄するこ とによって除去し、そしてグリコシル化生成物および残留マクロライドアグリコ ンを100%CH3CNで溶出することによって回収した。最終的な分離をHPLCにより半 調製(semiprep)C-18カラム(10mm×150mm)を用いて行った(CH3CN/H2O、20%定組 成(isocratic)で5分間、次に20%から80%で30分間)。HPLC画分をLC/MSによ りチェックし、そして同じ生成物を含む画分を合わせた。溶媒を減圧除去し、8. 4mgの5-O-[1-β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-6-デオキシエリ スロノリドB(図8の化合物86)を得た(収率36%)。APCI-MSは[M+H]+=602であ った。 (B)段落(A)の5-O-[1-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-6-デオキ シエリスロノリドB(1〜6mg)を1mLのメタノール、0.2mLのH2O、および0.2 mLのトリエチルアミンに溶解し、70℃で3時間保持した。溶媒の減圧除去により 、粗生成物を得た。これを数滴のCH3CNに溶解し、そしてWhatmanCl8固相抽出カ ートリッジに付した。カラムを25mLの水中の20%CH3CNで洗浄し、次に生成物を1 00%CH3CNで溶出した。溶媒の蒸発により5-O-(1-β-(D)-デソサミニル)-6-デオ キシエリスロノリドB(図8の化合物87)が定量的な収率で得られた。APCI-MSは[M +H]+=544であった。 実施例10 5-O-[1- β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-8,8a-デオキシオレア ンドリドおよび5-O-(1-β-(D)-デソサミニル)-8,8a-デオキシオレアンドリド ( 図8中の化合物88および89)の調製 (A) 8,8a-デオキシオレアンドリド(12mg)を実施例9(A)に記載のように処理 して、5-O-[1-β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-8,8a-デオキシ オレアンドリド(収率60%)(図8の化合物88)を得た。APCI-MSは[M+H]+=508で あった。 (B) 段落(A)の5-O-[1-β-(2-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-8,8a- デオキシオレアンドリドを実施例9(B)に記載のように処理して、5-O-(1-8-(D)- デソサミニル)-8,8a-デオキシオレアンドリド(図8の化合物89)を定量的な収率 で得た。APCI-MSは[M+H]+=530であった。 実施例11 5-O-[1- β-(2-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-3,6-ジデオキシ-3-オキ ソエリスロノリドB(図8の化合物90)および5,11-ビス-(O-[1-β-(2-メトキシカ ルボニル-(D)-デソサミニル)])-3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドB(図8 中の化合物92)の調製 3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドB(6mg)を実施例9(A)に記載のように 処理して、5-O-[1-β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-3,6-ジデ オキシ-3-オキソエリスロノリドB(図8の化合物90)を収率44%で得た。APCI-MS は[M+H]+=600であった。第2の生成物、5,11-ビス-(O-[1-β-(2-O-メトキシ カルボニル-(D)-デソサミニル)])-3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドB(図 8 中の化合物92)もまたこの混合物から収率26%で単離された;APCI-MSは[M+H]+ =815であった。 実施例12 5-O-(1- β-(D)-デソサミニル)-3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドB(図8 の化合物91)および5,11-ビス-O-(1-β-(D)-デソサミニル)-3,6-ジデオキシ-3-オ キソエリスロノリドB(図8の化合物93)の調製 実施例11の5-O-[1-β-(2-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)]-3,6-ジデ オキシ-3-オキソエリスロノリドBを実施例9(B)に記載のように処理して、5-O-( 1-β-(D)-デソサミニル)-3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドB(図8の化合 物91)を定量的な収率で得た。APCI-MSは[M+H]+=542であった。 実施例11の5,11-ビス(O-[1-β-(2-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)])- 3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロノリドBを実施例9(B)に記載のように処理し て、5,11-ビス-O-(1-β-(D)-デソサミニル)-3,6-ジデオキシ-3-オキソエリスロ ノリドB(図8の化合物93)を定量的な収率で得た。APCI-MSは[M+H]+=699であ った。 実施例13 2'-O- メトキシカルボニル-(8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8- メチルメチマイシン(図8の化合物82)および3,9-ビス-(O-[1-β-(2-メトキシカ ルボニル-(D)-デソサミニル)])-(8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキ シ-8-メチルメトノリド(図8中の化合物84)の調製 (8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメチマイシン(12m g)を実施例9(A)の手順に従って処理して、2'-O-メトキシカルボニル-(8R,9S)-1 0-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメチマイシン(図8の化合物82 )を得た(34%)。APCI-MSは[M+H]+=544であった。第2の生成物、3,9-ビス-(O- [1-β-(2-O-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)])-(8R,9S)-10-デオキシ-8, 9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメトノリド(図8中の化合物84)もまたこの混 合物から単離された(33%);APCI-MSは[M+H]+=759であった。実施例14 (8R,9S)-10- デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメチマイシン(図8 の化合物83)および(8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-(1-β-(D)-デソサミニ ルオキシ)-8-メチルメチマイシン(図8中の化合物85)の調製 実施例13の2'-O-メトキシカルボニル-(8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9- ヒドロキシ-8-メチルメチマイシンを実施例9(B)に記載のように処理して、(8R, 9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメチマイシン(図8の化 合物83)を定量的な収率で得た。APCI-MSは[M+H]+=486であった。 実施例13の3,9-ビス-(O-[1-β-(2-メトキシカルボニル-(D)-デソサミニル)])- (8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-8-メチルメトノリドを実施例 9(B)に記載のように処理して、(8R,9S)-10-デオキシ-8,9-ジヒドロ-9-ヒドロキ シ-8-メチルメチマイシン(図8中の化合物85)を定量的な収率で得た(C18固相抽 出カートリッジからの溶出は100%メタノールで行った)。APCI-MSは[M+H]+=6 43であった。 実施例15 14,15- デヒドロエリスロマイシンA(図9の化合物95)の調製 実施例7の14,15-デヒドロ-6-デオキシエリスロノリドB(0.75mg)のサンプルを 0.6mLのエタノールに溶解し、そして滅菌水で3mLに希釈した。この溶液を用いて 、100mmR2YE寒天プレート上で30℃で3日間培養したSaccharopolyspora erythr aea WHM34(eryA)を重層した。乾燥後、プレートを30℃で4日間インキュベート した。寒天を刻み、そして酢酸エチル中の1%トリエチルアミン100mLずつで3回 抽出した。抽出物を合わせ、そしてエバポレートさせた。粗生成物を分取HPLC(C 18逆相、1%酢酸を含む水−アセトニトリル勾配)で精製した。画分を質量分析で 分析し、そして精製14,15-デヒドロエリスロマイシンA(図9の化合物95)を含む 画分をプールし、トリエチルアミンで中和し、そしてシロップ状になるまでエバ ポレートさせた。これを水に溶解し、そして等量の酢酸エチルで3回抽出した。 有機抽出物を合わせて、飽和NaHCO3水で1回洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、 そしてエバポレートさせて0.15mgの生成物を得た。APCI-MSは[M+H]+=733であ った。実施例16 14- オキソ-8,8a-デオキシオレアンドリド(化合物108)および8,8a-デオキシオレ アンドリド-14-カルボン酸(化合物109)およびその誘導体の調製 これらの化合物は14,15-デヒドロ-6-デオキシエリスロノリド(deoxyerythonol ide)B(図9の化合物94)のオゾン分解によって調製され得る。 化合物94のメタノール溶液を−40℃に冷却し、そして反応容器の出口に取り付 けたKI溶液中にI2の形成が観察されるまで、オゾンを溶液中にバブリングする。 窒素ガスでの散布によって、過剰のオゾンを溶液からパージし、化合物94のオゾ ン化物の溶液を提供する。この溶液をMe2Sで処理して、オゾン化物をアルデヒド である化合物108まで還元する。 あるいは、オゾン化物をH2O2の添加によって酸化して、対応するカルボン酸で ある化合物109を提供し得る。 アルデヒドを還元的アミノ化(例えば、アミンおよびNaBH3CNを用いて軽い酸性 条件下で、あるいはオキシムの形成とその後の触媒水素化を通じて)によってア ミンに転化する方法は当該分野で周知である。同様に、カルボン酸を化合物110 のようなエステルまたはアミドに転化する方法も周知である(例えば、カルボジ イミド試薬をアルコールまたはアミンの存在下で用いる活性化によって)。いず れの手順においてもジアミンを用いて、化合物111および112のような二量体のマ クロライドを生成する(図6Hを参照のこと)。 実施例17 ジケチドチオエステル合成:(2S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ペンテン酸N-ア セチルシステアミンチオエステル 全てのジケチドチオエステルを通常の手順によって合成した。ここで(2S,3R)- 3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ペンテン酸N-アセチルシステアミンチオエステルの合 成を例示する。エナンチオ選択的なシン-アルドール縮合をD.A.Evansら、J Am C hem Soc(1992)114:9434〜9453の手順に従って行った。次の操作はD.E.Caneら、 J Antibiotics(1995)48:647〜651の一般手順に従った。 (4S)-N-プロピオニル-4-ベンジル-2-オキサゾリジノン(1.17g、5.0mmol)とア クロレイン(0.4mL、11mmol)との間のアルドール縮合による[4S,3(2S,3R)]-4-ベ ンジル-3-(3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ペンテノイル)-2-オキサゾリジノンの合成 をD.A.Evansら、J Am Chem Soc(1992)114:9434〜9453により記載されるように行 った。SiO2でのクロマトグラフィー(2:1のヘキサン/酢酸エチル)の後に、0.72 gの付加物(収率50%)を得た。 アルドール付加物をt-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート (0.63mL、2.7mmol)および2,6-ルチジン(0.35mL、3mmol)でTHF中、0℃で処理して 、クロマトグラフィー(4:1のヘキサン/酢酸エチル)の後に、O-シリルエーテル を定量的な収率で得た。 20mLのO-シリルエーテルのTHF溶液を氷上で冷却し、そして2.8mLの水を加え、 続いて0.61mLの50%H2O2を加えた。10分後、2mLの215mgのLiOH*H2O水溶液を加え た。反応をTLCでモニターし、これにより1時間後に完了が明らかにした。1.25g の亜硫酸ナトリウムの8mLの水溶液を加え、そして揮発物をロータリーエバポレ ーターで減圧下で除去した。得られた水性混合物を20mLずつのCH2Cl2で3回抽出 し、次いで、pH2まで6NのHClを用いて酸性化し、そして50mLずつの酢酸エチルで 3回抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し 、濾過し、そしてエバポレートさせて、生成した酸を470mg(70%)の無色油状物 として得た。 この酸を10mLの無水ジメチルホルムアミド中に溶解し、そして氷上で冷却した 。ジフェニルホスホリルアジド(1.25mL)およびトリエチルアミン(1.06mL)を加え た後、混合物を2時間、氷上で攪拌した。 N-アセチルシステアミン(1.5mL)を加え、そして混合物を一晩室温で攪拌した 。水で希釈した後、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を合わせて、ブ ラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートさせて、粗O-シ リルチオエステルを得た。クロマトグラフィー(1:1のヘキサン/酢酸エチル)に より純粋な生成物(460mg、70%)を得た。 O-シリルチオエステル(400mg)を25mLのアセトニトリルに溶解し、そして5mLの 水を加え、続いて2mLの48%HFを加えた。2時間後、追加の2mLの48%HFを加えた 。 全体で3.5時間後、反応を飽和NaHCO3を中性のpHまで添加することによって停止 した。生成物を3回の酢酸エチルで抽出し、そして合わせた抽出物をブラインで 洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートさせて、デシル化チオエ ステルを得た。クロマトグラフィー(酢酸エチル)により150mg(56%)の純粋な(2 S,3R)-3-ヒドロキシ-2-メチル-4-ペンテン酸N-アセチルシステアミンチオエステ ルを得た。APCI-MC:[M+H]+=232。 他のジケチドチオエステルは、アクロレインの代わりに適切なアルデヒドを置 き換えることにより調製した。 実施例18 抗菌活性の測定 抗菌活性は、Bacillus cereusを試験有機体として用いるディスク拡散アッセ イ(disk diffusion assay)を用いるか、あるいは液体培養物中での最小阻止濃度 (MIC)を、Staphylococcus pneumoniaeの感受性株および耐性株に対して測定する かのいずれかを使用して測定した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 309/10 C07D 309/30 D 309/30 R 309/32 309/32 313/00 313/00 313/18 313/18 493/10 C 493/10 C07H 17/04 C07H 17/04 17/08 A 17/08 B C12M 1/00 ZCCA C12M 1/00 ZCC C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 17/06 C12P 17/06 C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW (72)発明者 コースラ,チャイタン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94306, パロ アルト,ラ パラ アベニュー 740 (72)発明者 アシュレイ,ゲイリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94502, アラメダ,バーデナー ドライブ 102 (72)発明者 フ,ホン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント,トニー テラス 34158 (72)発明者 カオ,カミラ エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94306, パロ アルト,マタデロ アベニュー 698 (72)発明者 マックダニエル,ロバート アメリカ合衆国 カリフォルニア 94306, パロ アルト,マタデロ アベニュー 698

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.天然に存在する調節性PKSをコードするヌクレオチド配列から改変されたPKS をコードするヌクレオチド配列を有する核酸を調製する方法であって、該天然に 存在する調節性PKSが、酵素活性をコードする第一の領域および足場アミノ酸配 列をコードする第二の領域を含み、該方法は、少なくとも1つの該第一の領域を 改変する工程、および該第二の領域をインタクトにさせる工程を包含する、方法 。 2.前記改変する工程が少なくとも1つの前記第一の領域を欠失させることまた は不活化させることを含み;または ここで、該改変する工程が、少なくとも1つの該第一の領域を、天然に存在す る異なるPKS遺伝子または同じ天然に存在するPKS遺伝子の異なる領域由来の対応 する酵素活性をコードする領域で置換することを含む、 請求項1に記載の方法。 3.前記ヌクレオチド配列がヌクレオチド配列が少なくとも3つのPKSモジュー ルをコードする、請求項1または2に記載の方法。 4.前記改変する工程が異なる延長単位の利用をもたらし;そして/または ここで該改変する工程が異なる開始単位の利用をもたらし;そして/または ここで該改変が異なる鎖長のポリケチドをもたらす、 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 5.請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によって入手可能な改変されたPK Sをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸。 6.前記コードヌクレオチド配列が、その発現のための制御配列に作動可能に連 結されている、請求項5に記載の核酸。 7.請求項6に記載の核酸を含むように改変された細胞培養物。 8.ポリケチドを調製する方法であって、該ポリケチドが産生される条件下で、 請求項7に記載の細胞を培養する工程を包含する、方法。 9.請求項8に記載の方法によって調製される、新規ポリケチド。 10.抗生物質を調製する方法であって、請求項9に記載のポリケチドをグリコ シル化および/または水酸化する工程を包含する、方法。 11.請求項10に記載の方法によって入手可能な、抗生物質。 12.異なるポリケチドシンターゼ(PKS)の多重性について、発現ベクターを含 むコロニーのライブラリーを構築する方法であって、 前記改変されたPKSをコードする請求項4に記載のヌクレオチド配列を含む発 現べクターの混合物で組換え宿主細胞を形質転換する工程;および 該形質転換された細胞を、個々のコロニーに分離する工程、および 該コロニーを培養する工程、 を包含する、方法。 13.ポリケチドコンビナトリアルライブラリーを調製する方法であって、請求 項12に記載の方法によって入手されたコロニーのライブラリーを前記ポリケチ ドが産生される条件下で培養する工程を包含する、方法。 14.請求項13に記載の方法によって調製されたポリケチドの、コンビナトリ アルライブラリー。 15.標的部分と結合するかまたは反応する首尾よい候補ポリケチドを同定する 方法であって、 首尾よい候補が該標的部分との複合体を形成するような条件下で、請求項14 に記載のライブラリーを、該標的部分と該ライブラリー中の各ポリケチドとを接 触させることによって、スクリーニングする工程、および 任意の形成された複合体を検出し、従って、該首尾よい候補として該ライブラ リーのポリケチドを同定する工程、 を包含する、方法。 16.請求項14に記載のポリケチドライブラリーの翻訳後の水酸化および/ま たはグリコシル化によって得られる抗生物質を含む、抗生物質のライブラリー。 17.以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1およびR2の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1 の任意のアルキルが必要に応じて置換され得; X1はH2、HOH、または=0であり; ただし: R1およびR2の少なくとも1つはアルキル(1−4C)でなければならず;および 該化合物は図6Aの化合物1、2、3、5および6以外である; あるいは、以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−8Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここ でR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1およびX2の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R1、R2およびR3の少なくとも2つはアルキル(1−4C)である; あるいは、以下の式: の化合物であって、 ここで、そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換または不置 換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここ でR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1、X2およびX3の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R2およびR3の少なくとも1つはアルキル(1−4C)でなければならず;そして 該化合物は、図6Aの化合物8以外であり; あるいは、以下の式: を含み、 の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; R*は、1−8Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換または不置 換されたヒドロカルビルであり; R1、R2およびR3の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここ でR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X*およびX2の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R2およびR3の少なくとも1つはアルキル(1−4C)であり;そして該化合物は 、図6Aの化合物9以外であり; あるいは、以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換または不置 換されたヒドロカルビルであり; R1〜R5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; R6はアルキル(1−5C)であり; X1およびX3およびX6の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり; ただし: R1−R4の少なくとも1つはアルキル(1−4C)である; あるいは、以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1〜R5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; R6はアルキル(1−5C)であり; X2は、OH、またはHであり; X1、X3、X4およびX5の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;または X4はHであり、そして 式(8)の化合物は、9位と10位との間にπ結合を有し、 ただし: X2はHの場合、X3およびX4の少なくとも1つはHOHまたは=0である、 化合物。 18.請求項17に記載のポリケチドの翻訳後の水酸化および/またはグリコシ ル化によって入手可能な、抗生物質。 19.以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1、R2、R3、R4およびR5の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であっ て、ここでR1の任意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1、X2、X3およびX4の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;あるい は、 X1、またはX2、またはX3またはX4の各々は、Hであり、そして式(5)の化合物は 、8位と9位との間、または6位と7位との間、または4位と5位との間、または2位 と3位との間にπ結合を含み; ただし: R1〜R5の少なくとも1つはアルキル(1−4C)であり;そして 該化合物は、図6Aの化合物13または14、または図11の化合物205、210〜213以 外である、 化合物。 20.請求項19に記載の化合物であって、 R1-R6の少なくとも3つはアルキル(1-4C)であり;そして/または ここでX1はOHであり;そして/または X2は=0であり;そして/または X3はHである、 化合物。 21.請求項19または20に記載のポリケチドの翻訳後の水酸化および/また はグリコシル化によって入手可能な、抗生物質。 22.以下の式: の化合物であって、 そのグリコシル化形態および単離された立体異性体形態を含み; ここで、R*は、1−15Cの直鎖、分岐、または環状、飽和または不飽和、置換ま たは不置換されたヒドロカルビルであり; R1〜R6の各々は、独立して、Hまたはアルキル(1−4C)であって、ここでR1の任 意のアルキルは必要に応じて置換され得; X1〜X5の各々は、独立して、H2、HOH、または=0であり;または X1〜X5の各々は、Hであり、そして式(5)の化合物は、該Xの位置に隣接する環 において、2位-3位、4位-5位、6位-7位、8位-9位、および/または10位-11位にπ 結合を含み; ただし: R1〜R6の少なくとも2つはアルキル(1−4C)であり;そして 該化合物は、図6Bの化合物17、24または28、図12(A)の化合物301〜311または 図12(B)の化合物312〜322以外である、 化合物。 23.請求項22に記載の化合物であって、 R1〜R6の少なくとも3つがアルキルであり;そして/または X2が=0であり;そして/または X1がOHであり;そして/または X4およびX5がOHであり:そして/または R*が置換アルキルであり、そして/または R1が置換アルキルである、 化合物。 24.請求項22または23に記載のポリケチドの翻訳後の水酸化および/また はグリコシル化によって入手可能な、抗生物質。
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