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JP2001340375A - 創傷被覆材 - Google Patents

創傷被覆材

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Publication number
JP2001340375A
JP2001340375A JP2000162275A JP2000162275A JP2001340375A JP 2001340375 A JP2001340375 A JP 2001340375A JP 2000162275 A JP2000162275 A JP 2000162275A JP 2000162275 A JP2000162275 A JP 2000162275A JP 2001340375 A JP2001340375 A JP 2001340375A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wound
crosslinked
wound dressing
hyaluronic acid
alginic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000162275A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Komazawa
隆雄 駒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2000162275A priority Critical patent/JP2001340375A/ja
Publication of JP2001340375A publication Critical patent/JP2001340375A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 滲出液の多い創傷部に適用しても、創傷治癒
の全体の過程において、創傷面を適度な湿潤環境に保持
した状態で組織細胞の増殖及び血管新生を促進すること
により、早期かつ効率的な治療促進を実現することがで
きると同時に、創傷被覆材の交換時等に痛みや、再生さ
れた皮膚等を損傷するおそれのない創傷被覆材を提供す
る。 【解決手段】 不織布層と開孔を有するポリウレタンフ
イルム層とエポキシ化合物で架橋された架橋ヒアルロン
酸及び架橋アルギン酸を含むスポンジ層を順に積層して
なること、併せてコラーゲン産生促進物質及び抗菌剤を
含有せしめてなることを特徴とする創傷被覆材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な創傷被覆材に
関するものである。更に詳しくは、本発明の創傷被覆材
は、熱傷、褥瘡、皮膚潰瘍、擦り傷、切り傷等の創傷部
の止血ないし治療する際に多量に創傷液を滲出する創傷
部に適用され、創傷部を保護するとともに組織修復機能
を持った細胞をその中に浸入させ、創傷の治癒を促進す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱傷、褥瘡、皮膚潰瘍、擦り
傷、切り傷等の創傷部の止血ないし治療する際の一つの
方法として、創傷部に治療薬を塗布した後、その上をガ
ーゼあるいは脱脂綿を積層した創傷被覆材で覆って創傷
部を保護する方法が数多く提案されている。
【0003】ガーゼを創傷部に直接あてた場合、創傷部
からの滲出液はガーゼに直接吸収されることになるが、
ガーゼの吸収能力はそれほど高くなく、滲出液の貯留が
起こる。この貯留が逆に菌の発生を助長し、早期治癒が
困難になる。特に創傷からの滲出液が多い創傷部では治
療薬の軟膏あるいはクリームが滲出液と混合してドロド
ロ状態になるため、頻繁に創傷被覆材の交換を行い、軟
膏あるいはクリームを塗り換えなければならない。そし
て、創傷被覆材の交換を頻繁におこなえば、使用する医
薬の量も増大し、創傷被覆材を交換する際の患者の苦痛
も増すといった問題点があつた。又、これら従来の創傷
被覆材にあっては、細菌感染防止性が低く、ごく短時間
の創傷部保護を行う場合には、創傷部からの剥離が容易
なものであったとしても、比較的長時間被覆した後で剥
離する場合には、肉芽と一体化して剥離されることが多
く、血餅が再度露出するために不快な痛みや再出血を伴
うなど、創傷部に悪影響を与える等の欠点を有してい
る。したがって、再出血した創傷部を再度同様の創傷被
覆材等で被覆を繰り返し、最終的な治癒を行った場合に
は、治癒後の創傷部に瘢痕が残り易くなり、美容整形上
も好ましいものでないなどの問題点があった。
【0004】また、これらに代わるものとして、シリコ
ン製ガーゼ、シリコンゴム膜シート等の人工材料の創傷
被覆材や、凍結乾燥豚皮、キチン不織布、コラーゲン
膜、ポリアミノ酸スポンジ等の生体由来材料の創傷被覆
材も知られている。しかしながら、これらのうち、人工
材料による創傷被覆材は創傷部との密着性、水蒸気透過
性などの点で種々の問題点を残すものである。一方、生
体由来材料の創傷被覆材は生体適合性などの特徴を有す
るが、その多くは抗原性を有し、また細胞感染、滲出液
による劣化などの欠点を持っている。
【0005】さらには、創傷部との親和性が良好で、治
癒を促進する観点から、生体由来の材料、例えば、ヒア
ルロン酸、アルギン酸等が創傷被覆材等の医療の分野で
取り上げられるようになってきた。しかし、ヒアルロン
酸は、非常に生物学的適合性と生体内分解性が高いばか
りでなく、線維芽細胞の増殖及び血管新生を促進して創
傷治療を促進させることが期待できる。ただし、未架橋
ヒアルロン酸は生体に適用したときに、残存期間が短か
すぎ、創傷部における良好な滞留性を得る工夫、すなわ
ち、治癒に必要な期間だけ創傷部に存在し、欠損組織の
治癒状態に応じ組織から消失していくという目的に適す
る物質とすることが以前より望まれていた。また、海藻
から抽出されるアルギン酸は、マンヌロン酸とグルロン
酸を構成単位とする天然高分子であり、その金属塩は止
血効果、鎮痛効果、さらには粘膜保護効果を有すること
から、アルギン酸塩を加工した創傷被覆材が実用に供さ
れているものの、アルギン酸のカルシウム塩は細胞毒性
があるといった問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】生体が組織欠損を伴う
損傷を被った場合の創傷治癒過程は、一般にはI期(炎
症期)、II期(肉芽形成および再上皮化期)、III期
(マトリックス形成および再構築期)に大別される。I
期においては、組織の損傷とともに血管が破壊された出
血部位では血小板が凝集、活性化され、血栓の形成とと
もに複数の細胞成長因子を含む種々の生理活性物質が放
出され、治癒に寄与することが認められている。II期に
おいては、血管内皮細胞、線維芽細胞、表皮細胞などが
協同して肉芽形成を引き起こし、これらの細胞はさらに
周囲の細胞の増殖を促す因子を産生する事により肉芽形
成を担っている。またIII期では、肉芽組織が吸収され
過度に増生していた線維芽細胞や新生血管は減少し、新
たに膠原繊維や弾性繊維に置換され治癒が完了する。こ
のように創傷治癒の過程においては種々の局面が存在す
る。このように創傷治癒の過程はその時期により主役と
なる細胞および細胞成長因子の種類が刻々と変化し、そ
れが複雑に制御しあって最終的には収束の方向へ向かう
ものと考えられる。
【0007】しかしながら、従来の創傷被覆材に使用さ
れているヒアルロン酸及びアルギン酸はそれぞれ単独で
使用されており、創傷治癒過程のある局面ではそれぞれ
の異なった特異な効果を発揮するが、種々の局面が存在
する創傷治癒過程の全体において効果を発揮しうるもの
ではなかった。
【0008】さらには、滲出液の多い創傷部に適用し
て、創傷部から滲み出るかなりの量の滲出液を吸収する
ことが出来、且つ滲出液中に含まれる水分を所望な速度
内で創傷被覆材を通して創傷被覆材の外部表面に移し
て、この水分を周囲の環境中に蒸発させることによって
創傷被覆材の有効寿命を延長することが出来る創傷被覆
材を提供することが強く求められていた。したがって、
本発明の目的は、滲出液の多い創傷部に適用することが
でき、創傷治癒の全体の過程において創傷部を適度な湿
潤環境に保持した状態で組織細胞の増殖及び血管新生を
促進する生体材料を創傷部位に適用することにより、早
期かつ効率的な治療促進を実現すると同時に、創傷被覆
材の交換時等に痛みや、再生された皮膚等を損傷するお
それのない創傷被覆材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を完成したも
ので、本発明は以下のものである。 (1)不織布層と開孔を有するポリウレタンフイルム層
とエポキシ化合物で架橋された架橋ヒアルロン酸及び架
橋アルギン酸を含むスポンジ層が順に積層されており、
少なくともいずれか1層がアスコルビン酸リン酸エステ
ルを含むことを特徴とする創傷被覆材。 (2)不織布層の目付けが30〜300g/m2 である
上記(1)記載の創傷被覆材。 (3)開孔を有するポリウレタンフイルム層の厚みが5
〜100μmである上記(1)または(2)記載の創傷
被覆材。 (4)エポキシ化合物で架橋された架橋ヒアルロン酸及
び架橋アルギン酸を含むスポンジ層に未架橋ヒアルロン
酸及び/又は未架橋アルギン酸が1〜20重量%含まれ
ている上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の創傷被
覆材。 (5)エポキシ化合物で架橋された架橋ヒアルロン酸及
び架橋アルギン酸を含むスポンジ層において、架橋ヒア
ルロン酸の含有量が10〜80重量%であり、架橋アル
ギン酸の含有量が20〜90重量%である上記(1)乃
至(4)のいずれかに記載の創傷被覆材。 (6)前記アスコルビン酸リン酸エステルの含有比が、
0.1〜10重量%である上記(1)乃至(5)のいず
れかに記載の創傷被覆材。 (7)抗菌剤が含まれている上記(1)乃至(6)のい
ずれかに記載の創傷被覆材。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、滲出液の多い創傷部に
適用して、創傷部から放出される大量の創傷滲出液を吸
収し、この中に含まれる水分を周囲の環境中に蒸発させ
ることにより当該創傷被覆材の交換頻度を少なくするこ
とが出来ると同時に、早期かつ効率的な治療促進を実現
する創傷被覆材を提供することにある。
【0011】創傷被覆材は、創傷部を直接覆ってこれを
軟らかく保護し、傷みを押さえ、適度な湿潤環境を与
え、細菌の汚染を防止するものである。さらには、創傷
被覆材は細胞浸入性材料からなるもので、創傷部に適用
された際にマクロファジーや好中球他の炎症性の細胞が
浸潤し早期に線維芽細胞が浸入し、その結果、真皮様の
結合組織が構築され創傷の治癒が促進され、創傷の治癒
とともに最終的には創傷面に吸収されて消失する素材で
構成されていることが好ましい。このような細胞の侵入
を促進する素材としては、生体材料であるヒアルロン酸
及びアルギン酸を含むスポンジ層が好適である。
【0012】ヒアルロン酸及びアルギン酸は生体材料で
あり、それ自体が創傷の治癒を促進する効果を有する。
しかも、これらの生体材料は創傷部に適用されると、経
時的に分解吸収される。従って、これらの生体材料から
なるマトリックスを使用した創傷被覆材は治癒促進が得
られるだけでなく、貼り替え時に剥離等の必要が無く、
治癒過程にある創傷に悪影響を及ぼすおそれがない。
【0013】ヒアルロン酸は創傷治癒課程において創傷
部に高度に水和した微小環境を提供する。このような微
小環境内では、種々の細胞が創傷部を移動する際の細胞
膜と基質との接着−脱着が制御され、細胞の移動が容易
になるので創傷の治癒が促進されることが知られてい
る。
【0014】このように、ヒアルロン酸は、非常に生物
学的適合性と生体内分解性が高いばかりでなく、線維芽
細胞の増殖及び血管新生を促進して創傷の治癒を助ける
ことができるものの、ヒアルロン酸は生体由来であるた
め、細胞組織に対する親和性は大きいが、未架橋ヒアル
ロン酸は生体内でヒアロナーゼ等の酵素により容易に分
解・吸収される。そこで使用するにあたっては、何らか
の手段で架橋を導入し、物性面の強化をはかる必要があ
る。ところが、架橋を導入すると導入前にヒアルロン酸
が有していた細胞、組織に対する親和性が大幅に低下す
る。つまり、物性面の強化と、細胞、組織に対する親和
性という生物学的性能の向上とを両立させることは困難
である。
【0015】一方、アルギン酸は通常、海藻を希薄な炭
酸ナトリウム溶液で煮沸処理して得られるものが使用さ
れるが、アルギン酸のナトリウム塩は滲出液に溶解しや
すいために、通常アルギン酸のナトリウム塩を滲出液に
難溶性のアルギン酸カルシウム塩としてアルギン酸塩繊
維、織物、編み物、アルギン酸塩フイルム等に形成した
ものが使用されてきた。ところが、アルギン酸のカルシ
ウム塩は細胞毒性があるために、カルシウム塩の使用量
は最小限にとどめる必要がある。
【0016】本発明者らは鋭意検討した結果、不織布層
と開孔を有するポリウレタンフイルム層とエポキシ化合
物で架橋された架橋ヒアルロン酸及び架橋アルギン酸を
含むスポンジ層を順に積層してなる創傷被覆材は、創傷
面から滲み出るかなりの量の滲出液を吸収することが出
来、且つ滲出液中に含まれる水分を所望な速度内で創傷
被覆材を通して創傷被覆材の外部表面に移して、これら
の水分を周囲の環境の中に蒸発させることによって創傷
被覆材の有効寿命を延長することが出来ると同時に、生
体材料からなるヒアルロン酸スポンジ層とアルギン酸ス
ポンジ層より徐々に滲出するアスコルビン酸誘導体(コ
ラーゲン産生促進)により創傷治癒を促進する事を見い
だし本発明に到達した。
【0017】本発明に用いる疎水性繊維としては、ポリ
エステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリ
エチレン等の合成繊維が好適である。高吸収性繊維とし
ては、木材パルプ、木綿の天然繊維、レーヨン、キュプ
ラの再生繊維、アセテート等の半合成繊維等が用いられ
る。特に疎水性繊維と高吸収性繊維とを重量で6:4〜
8:2の比率で用いれば、疎水性の繊維が、滲出液を吸
収した高吸収性繊維から水分を受取り、外気層に該水分
を蒸発させる役をなし、特に好ましい。疎水性繊維と高
吸収性繊維からなる不織布層を構成する繊維の太さは
0.3〜5デニール(d)程度、好ましくは0.5〜3
d程度のものが望ましい。
【0018】不織布を作る方法としては、既に公知の方
法、例えば次の方法で作ることができる。 紙を抄くのと同様に、水を使って短い繊維の層(ウェ
ブ)を作って、樹脂を含浸し、乾燥して固める湿式法。 水を使わずに機械的にウェブを作り、樹脂もしくは接
着用繊維で結合させる乾式法。 乾式と同じ方式のウェブを、刺をつけた針で突っつい
て、機械的に繊維を交絡させるニードルパンチ法。 乾式と同じ方式のウェブを高圧水流で繊維を交絡させ
るスパンレース法。 繊維になる前の、溶けた原料樹脂を多数の小穴(ノズ
ル)から同時に吹き出して細い糸を作りながら、その連
続した多数の糸をあらゆる方向にクモの巣のように配置
して均一な厚さのウエブを作り、自然にまたは機械的に
糸同志をくっつけるスパンボンド法。
【0019】上記の不織布層も、これらの公知の方法、
もしくは、これらの方法を組み合わせて作る事ができる
が、製法によっては、繊維の方向によって不織布に伸び
易い方向と伸び難い方向とが出来る。本発明に用いられ
る不織布層は伸縮性が必要なため、伸長度が比較的大き
いものが用いられる。伸長度とは長さ60cm幅6cm
の不織布に1500gの荷重をぶら下げた場合に何cm
伸びるかを元の長さに対する百分率で表したもので、本
発明に用いられる不織布は好ましくは30〜200%、
より好ましくは、40〜150%のものが望ましい。
【0020】疎水性繊維と高吸収性繊維からなる不織布
層の厚さとしては、柔軟性、耐久性、作業性、吸収性等
を考慮し好ましくは1〜20mm程度、より好ましくは
1〜10mm程度のものが望ましい。疎水性繊維と高吸
収性繊維からなる不織布層の目付けは、滲出液の保持力
の観点から、好ましくは目付け30〜300g/m2
より好ましくは、50〜200g/m2 のものが好適で
ある。
【0021】上記の疎水性繊維と高吸収性繊維からなる
不織布層の片面もしくは両面に更に、疎水性繊維のみか
らなる不織布層を積層すると、上記疎水性繊維と高吸収
性繊維からなる不織布層の毛羽立ちを抑制すると同時
に、疎水性繊維と高吸収性繊維からなる不織布層の接着
性を更に向上させる事が出来るといった長所がある。疎
水性繊維のみからなる不織布層の繊維材料としては、ポ
リエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロ
ン、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの疎
水性繊維材料の内、熱可塑性エラストマーは、常温でゴ
ム弾性を示し、伸縮性に富むので創傷被覆材として好ま
しい材料である。熱可塑性エラストマーの中では、ポリ
オレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系エラス
トマーが柔らかくて、伸縮性に富むので特に好ましい。
これらの疎水性繊維材料は、市販品もしくはその改良品
を使用することができる。
【0022】疎水性繊維のみからなる不織布層を構成す
る繊維の太さは、好ましくは0.3〜5d程度、より好
ましくは0.5〜3d程度のものが望ましい。疎水性繊
維のみからなる不織布層の目付としては、5〜100g
/m2 が好ましい。
【0023】本発明のポリウレタンフイルム層に用いる
のに好適なポリウレタン樹脂は、ジイソシアネート、ポ
リオール、及び鎖延長剤の三成分を基本原料として製造
される。反応は、先ずポリオールに対して過剰当量のジ
イソシアネートを50〜120℃で反応させ、末端にイ
ソシアネート基をもつウレタンプレポリマーとした後、
有機溶媒中で0〜100℃において鎖延長剤により鎖延
長すれば良い。ここで、ウレタンプレポリマーにおける
ジイソシアネートとポリオールとの当量比は通常1.5
〜6:1であるが、良好な物性と透湿性を兼備させるに
は1.8〜4.5:1とすることが好ましい。
【0024】本発明で用いられるジイソシアネートとし
ては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
m−およびp−フェニレンジイソシアネート、2,4−
および2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4−
4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキシレンジイソシアネート等の脂環式ジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂
肪族ジイソシアネートが挙げられる。通常これらの化合
物は単独で用いられるが、2種以上を併用してもかまわ
ない。
【0025】本発明で用いられるポリオールとしては、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、又
はポリカーボネートポリオールが挙げられる。そして、
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレンエー
テルグリコール、ポリテトラメチレングリコールがあげ
られる。ポリエステルポリオールとしては、ポリブチレ
ンアジペート、ポリカプロラクトングリコールが挙げら
れる。又、ポリカーボネートポリオールとしては、1,
6−ヘキサンポリカーボネートジオールが挙げられる。
通常これらの化合物は単独で用いられるが、2種以上を
併用してもかまわない。
【0026】本発明で用いられる鎖延長剤としては、低
分子量ジオール又はジアミンが用いられる。低分子量ジ
オールの代表例としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール等が挙
げられる。また低分子量ジアミンの代表例としては、エ
チレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジ
アミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキ
シルメタンジアミン、1,4−シクロヘキシレンジアミ
ン等の脂環式ジアミンが挙げられる。これらのうち、ポ
リウレタン層の諸物性のバランスからイソホロンジアミ
ンが好ましく、単独もしくは2種以上を併用して用いる
ことができる。
【0027】本発明のポリウレタン合成に用いる有機溶
媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド等の溶解力の強い溶媒が適
するが、これらは単独またはトルエン、キシレン等の芳
香族系溶媒、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘ
キサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等
の酢酸エステル系の溶媒、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系の溶媒の中から選ばれ
る1種または2種以上と混合して用いることも出来る。
【0028】ポリウレタン溶液の濃度は2〜30重量
%、好ましくは3〜25重量%である。本発明におい
て、上記不織布層にポリウレタンフイルム層を積層する
には、例えば、溶剤塗工法、ホットメルト塗工法、ラミ
ネート法等が用いられる。溶剤塗工法の場合には、ポリ
ウレタン樹脂を溶剤に均一に溶解した後、不織布層の上
に塗布し溶剤を乾燥することにより、ポリウレタンフイ
ルム層が得られる。ホットメルト塗工法の場合は、ポリ
ウレタン樹脂を窒素置換下、温度100〜220℃で加
熱撹拌して溶解した後、ホットメルトコータを使用し
て、不織布層の上に塗布した後、乾燥することによりポ
リウレタンフイルム層が得られる。
【0029】ラミネート法では、先ず、支持体上に一旦
ポリウレタンを溶剤塗工法またはホットメルト塗工法に
より塗布し、乾燥若しくは半乾燥する乾式法か、もしく
は支持体上にポリウレタン樹脂溶液を塗布し、凝固浴中
で溶媒その他の可溶性物質を抽出した後、乾燥若しくは
半乾燥する湿式法でポリウレタンフイルム層を作成す
る。次いで上記の方法で作成したポリウレタンフイルム
層を不織布層に貼合わせる。貼合わせる方法としては、
半乾燥状態のポリウレタンフイルム層を不織布層と貼合
わせた後、乾燥させる方法、もしくは、乾燥させたポリ
ウレタンフイルム層の表面を適度に膨潤させる有機溶
媒、例えばメタノール等のアルコール類、その他の溶媒
で膨潤させた後に不織布層と貼合せて乾燥させる方法が
ある。さらには、接着剤により両者を積層する方法が採
用される。尚、不織布層とポリウレタンフイルム層とを
接着剤を介して積層する場合、全面に接着剤を塗布する
と、透湿性ポリウレタンフイルム層の機能が損なわれて
しまうので、両者が容易に剥離しない程度の部分的な接
着とするのが好ましい。
【0030】上記の乾式法、もしくは湿式法でポリウレ
タンフイルム層を作成するときに用いる支持体として
は、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、フツ素あるいはシリコーン系の離型剤を塗布した離
型紙あるいは布帛等が用いられる。
【0031】ポリウレタンフイルム層の厚みは、例えば
ポリウレタン溶液の濃度、または塗布する溶液の量等に
より調節できる。ポリウレタンフイルム層の厚みは特に
限定されないが通常5〜100μm、好ましくは8〜5
0μmである。5μm以下では塗布の際ピンホールがで
きやすく、またポリウレタン層がブロッキングしやすく
取扱いにくい。50μm以上では十分な透湿性を得にく
い傾向がある。又、ポリウレタンフイルム層が硬くな
り、皮膚との密着性が損なわれやすい傾向にある。
【0032】上記の方法で得られるポリウレタンフイル
ム層は、実用上十分な強度、伸び、耐久性がある。本発
明の創傷被覆材は、治癒過程で多量に創傷液を滲出する
創面に適用して、創傷の治癒を促進する用途に使用する
のを目的としている。従って、透湿性、通気性を有する
ポリウレタンフイルムを用いても、創傷面からの大量の
滲出液を透過させることは出来ないので、ポリウレタン
フイルムに開孔を形成して、創傷面からの滲出液を創傷
被覆材の吸収性繊維に吸収させる必要がある。
【0033】開孔の形状としては、針穴状、パンチ穴
状、十文字状、あるいは一文字状のスリット状開孔等を
挙げることができる。スリットは、長さ方向に所定の間
隔に形成したものの他、ランダムに形成したもの、リン
グ状に形成したものなどその形状、数量など任意であ
り、その長さも特に限定されない。これらの開孔を形成
させる方法としては、例えば、多数のカッター刃の埋め
込まれたローラ等をポリウレタンフイルムの面に転がす
等の方法を採用することが出来る。
【0034】本発明の創傷被覆材においては、ポリウレ
タンフイルム層のみならず、ポリウレタンフイルム層と
不織布層の両層に開孔を形成しても良い。本発明の他の
目的とするところは、長期にわたり創傷治癒促進効果を
持続させることができる創傷被覆材を提供することにあ
る。本発明になる創傷被覆材のスポンジ層にエポキシ化
合物で架橋された架橋ヒアルロン酸及び架橋アルギン酸
を用いることにより、上記ヒアルロン酸の物性面の強化
と生物学的性能の向上とを両立させることができると同
時にアルギン酸のカルシウム塩による細胞毒性を低下せ
しめ、長期にわたり創傷治癒促進効果を持続させること
ができる。即ち、エポキシ化合物でヒアルロン酸のカル
ボキシル基同志を架橋すると、ヒアルロン酸の基本的な
構造に影響を与えることなく、強固で対酵素分解性の高
い架橋ヒアルロン酸が得られる。この架橋ヒアルロン酸
が再度、酵素で分解されるとヒアルロン酸が再生されて
創傷治癒に有効に作用するので、長期にわたり治癒促進
効果が持続する安全性の高い創傷被覆材が得られる。ま
た、アルギン酸をエポキシ化合物で架橋することによ
り、カルシウム塩を最小限にしても滲出液により、容易
に溶解せずに長期間にわたり治癒効果を持続させること
ができる。又、創傷部位には生体材料の架橋ヒアルロン
酸及び架橋アルギン酸を含むスポンジ層が接触するの
で、創傷部位の治癒を促進するだけでなく、本発明の創
傷被覆材を取り除く際も、創傷部位を傷つけることがな
い。
【0035】本発明になる創傷被覆材のスポンジ層にお
いて、架橋ヒアルロン酸と架橋アルギン酸は任意の割合
で構成されていても良いが、架橋ヒアルロン酸の含有量
が10〜80重量%であり、架橋アルギン酸の含有量が
20〜90重量%であるスポンジ層を用いるのが好まし
い。さらには、架橋ヒアルロン酸及び架橋アルギン酸か
らなるスポンジ層に未架橋ヒアルロン酸及び/又は未架
橋アルギン酸を1〜20重量%添加しておくと該創傷被
覆材を創傷部に適用した直後より、ヒアルロン酸及び/
又はアルギン酸の効果が発揮されるので特に好ましい。
【0036】架橋すべきヒアルロン酸としては、例え
ば、分子量が好ましくは50万〜300万、より好まし
くは180万〜220万程度のものが用いられる。架橋
剤としては、水溶性の多官能エポキシ化合物を用いるこ
とができる。多官能エポキシ化合物としては、例えば、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジ
ルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロ
ールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジル
エーテル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸
ジグリシジルエステルなどが挙げられる。
【0037】架橋反応は、一般的には、ヒアルロン酸の
0.2〜2.0重量%、好ましくは、0.5〜1重量%
水溶液を製造し、溶液のpHを4〜7、好ましくは約5
〜6に調整した後、エポキシ化合物をヒアルロン酸の繰
り返し単位に対して、1/5,000〜1モル、好まし
くは、約5/5,000〜1/5モル程度となるように
加えた反応液を用いて行うことができる。溶媒として
は、上記の水の他、アルコール−水系を用いることがで
きる。
【0038】反応温度は、例えば、20〜80℃、好ま
しくは40〜60℃程度で行えば良く、反応時間は、好
ましくは2〜10時間、より好ましくは4〜6時間であ
る。ヒアルロン酸の架橋度は、架橋反応に用いるエポキ
シ化合物の種類、割合、反応条件により決定されるが、
架橋度により成形後のヒアルロン酸の生体内分解性、含
水率、加水分解率が変化するので、創傷被覆材の適用部
位や、使用目的に応じて架橋度を適宜選択すべきであ
る。
【0039】一方、架橋すべきアルギン酸としては、ア
ルギン酸のアルカリ塩例えば、アルギン酸のナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が用いられる。ま
た、架橋剤としては、ヒアルロン酸の架橋に使用したの
と同じ多官能エポキシ化合物を用いることができる。
【0040】架橋反応は、一般的には、アルギン酸の
0.2〜5.0重量%、好ましくは、0.5〜3重量%
水溶液を製造し、溶液のpHを4〜7、好ましくは約5
〜6に調整した後、エポキシ化合物をアルギン酸の繰り
返し単位に対して、1/20〜2モル、好ましくは、約
1/10〜1モル程度となるように加えた反応液を用い
て行うことができる。溶媒としては、上記の水の他、ア
ルコール−水系を用いることができる。
【0041】反応温度は、例えば、20〜80℃、好ま
しくは40〜60℃程度で行えば良く、反応時間は、好
ましくは2〜10時間、より好ましくは4〜6時間であ
る。アルギン酸の架橋度は、架橋反応に用いるエポキシ
化合物の種類、割合、反応条件により決定されるが、架
橋度により成形後のアルギン酸の生体内分解性、含水
率、加水分解率が変化するので、創傷被覆材の適用部位
や、使用目的に応じて架橋度を適宜選択すべきである。
【0042】一般には、ヒアルロン酸及びアルギン酸の
架橋度は、生体内(例えば、ウイスター系ラットの皮
下)に埋入して1週間放置した後に5〜30重量%程度
ヒアルロン酸及び/又はアルギン酸が残存することが好
ましい。本発明において用いる生体材料は、創傷部との
接触性が良好であることが必要であり、そのためにスポ
ンジ状にしたものが特に好ましい。スポンジ状の生体材
料は、架橋ヒアルロン酸を含む水溶液と、架橋アルギン
酸を含む溶液を混合した後、凍結乾燥することにより形
成される混合スポンジ層であっても良いし、架橋ヒアル
ロン酸を含むスポンジ層と架橋アルギン酸を含むスポン
ジ層とが積層されていても良い。
【0043】本発明のスポンジ層を作る方法としては、
一般的には、生体材料からなる溶液を−20℃〜−10
0℃、好ましくは−40〜−80℃の冷凍庫で急冷凍結
して真空乾燥するか、若しくは、凍結乾燥機の中で−3
0〜−50℃に徐々に凍結した後、真空乾燥する事によ
り得られる。例えば、架橋ヒアルロン酸と架橋アルギン
酸を含む混合スポンジ層を作成する場合は、架橋ヒアル
ロン酸を含む溶液と架橋アルギン酸を含む溶液を混合し
た後、−20℃〜−100℃、好ましくは−40〜−8
0℃の冷凍庫で急冷凍結して凍結乾燥することにより製
造しても良いし、凍結乾燥機の中で−30〜−50℃に
徐々に凍結した後、真空乾燥する事により製造しても良
い。又、架橋ヒアルロン酸を含むスポンジ層と架橋アル
ギン酸を含むスポンジ層を積層する場合には、成形容器
に先ず架橋ヒアルロン酸を含む溶液を注入し、その上に
架橋アルギン酸を含む溶液を注入した後、−20℃〜−
100℃、好ましくは−40〜−80℃の冷凍庫で急冷
凍結して凍結乾燥することにより製造しても良いし、凍
結乾燥機の中で−30〜−50℃に徐々に凍結した後、
真空乾燥する事により製造しても良い。
【0044】架橋ヒアルロン酸と架橋アルギン酸を含む
スポンジ層に未架橋ヒアルロン酸及び/又は未架橋アル
ギン酸を含有せしめる場合は、それぞれの未架橋体溶液
を架橋体溶液と混合したあと凍結乾燥することにより得
られる。スポンジ層を形成する方法としては、上記のよ
うな凍結乾燥方法を挙げることができるが、これに限定
されることはなく、当業者は適宜の方法を採用すること
が出来る。
【0045】生体材料からなるスポンジ層の厚さは、創
傷被覆材の使用目的や、適用部位により任意に設定すれ
ばよいが、好ましくはスポンジ層の厚さが1〜20m
m、より好ましくは2〜10mm程度である。架橋ヒア
ルロン酸を含むスポンジ層と架橋アルギン酸を含むスポ
ンジ層を積層したときは、その厚さの和が1〜20m
m、より好ましくは2〜10mm程度である。
【0046】架橋ヒアルロン酸を含むスポンジ層と架橋
アルギン酸を含むスポンジ層の厚みは、成形容器に注入
する架橋ヒアルロン酸を含む溶液と架橋アルギン酸を含
む溶液の濃度、割合を変える事により、任意に設定する
ことが出来る。
【0047】上記の生体材料からなるスポンジ層とポリ
ウレタンフイルム層を積層する方法としては、公知の如
何なる方法でもよいが、架橋ヒアルロン酸及び架橋アル
ギン酸を含むスポンジ層を作成するときにポリウレタン
フイルム層と不織布層からなる積層体に積層するのが好
ましい。例えば、先ず、不織布層とポリウレタンフイル
ム層からなる積層体を作成し、これと同じ形状の型枠を
ポリウレタンフイルム層の上に乗せ、その中へ、架橋ヒ
アルロン酸及び架橋アルギン酸を含む溶液を入れて凍結
乾燥することにより得られる。
【0048】本発明に用いるコラーゲン産生を促進する
物質は、アスコルビン酸あるいはアスコルビン酸リン酸
エステル、アスコルビン酸の糖エステルなどがある。ア
スコルビン酸は線維芽細胞に作用し、コラーゲン合成や
細胞増殖促進効果を示すと言われているが、実用面でア
スコルビン酸は特に中性水溶液中で容易に酸化されてそ
の生理活性を失うことが知られているが、その誘導体で
あるアスコルビン酸リン酸エステルは、生理下でも安定
である。
【0049】尚、本創傷被覆材は、創傷部における抗菌
効果が発揮されないという問題点があるので、各構成部
材である不織布層、ポリウレタンフイルム層及び生体材
料からなるスポンジ層の任意の構成部材、あるいはその
全部の構成部材に抗菌剤を配合しておくことが好まし
い。抗菌剤としては、サルファ剤、ペニシリン、ナリジ
キシン、スルファジアジン銀、硫酸ポリミキシン、硫酸
ゲンタマイシンなど、任意の抗菌剤を用いることが出来
るが、最も好ましいのは、抗菌スペクトルが広く、耐性
菌が出現しにくいスルファジアジン銀を使用することで
ある。抗菌剤の含有量は、薬剤の種類、創傷被覆材の使
用目的や適用部位により決定すれば良いが、スルファジ
アジン銀を使用する場合には、創傷被覆材の含有量また
は塗布量は20〜500μg/cm2 、好ましくは30
〜400μg/cm2 である。このような含有量にする
ことにより、創傷面における細菌増殖の抑制を可能にす
ると同時に、滲出液を吸収した創傷被覆材の内部での細
胞増殖も効果的に抑制することが出来る。
【0050】本創傷被覆材は、包帯状あるいは数cm角
から数十cm角のパット状など任意の形状にすることが
でき、創傷の程度や、深度、創傷面の面積等に応じて適
宜選択して用いることができる。
【0051】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に示
し、本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は以下
の実施例に限定されるものではない。
【0052】実施例1 創傷被覆材の製造 不織布層の製造 疎水性繊維と高吸収性繊維から成る不織布層は、平均繊
度1.5dのポリエステル繊維と2.0dのレーヨン繊
維を重量比で70対30の割合で混合した後、極めて薄
い繊維の層(ウェブ)を作り、このウェブを重ね合わせ
て目付けが100g/m2 に成るようにした後、このウ
ェブ層を刺をつけた針で突っついて、繊維同志をお互い
に機械的に絡み合わせて(ニードルパンチ法)作成し
た。次いで、上記の不織布層の両面に疎水性のポリエス
テル系熱可塑性エラストマ(商品名;ペルプレン、東洋
紡績製造)をスパンボンド法で結合させ、不織布層全体
の目付が140g/m2 になるようにした。
【0053】ポリウレタンフイルム層の製造 数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコー
ル700重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート180.6重量部を乾燥窒素下において
フラスコ中で75℃で5時間間反応させ、末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマーとした後、ジ
メチルアセトアミド溶媒中で鎖延長剤にイソホロンジア
ミンを用い温度を20℃に保ちながら2時間鎖延長反応
を行い、ポリウレタン固形濃度25wt重量%の無色透
明で粘稠なポリウレタン溶液を得た。この溶液にメチル
エチルケトンを加えて、15wt重量%のポリウレタン
溶液を調整し、乾燥時にポリウレタンフイルム層の厚み
が10μmに成るように表面にシリコン系被膜が形成さ
れた離型紙に塗布した。次に熱風乾燥機に入れて100
℃にて3分間乾燥して溶媒を除去した。
【0054】アスコルビン酸含有架橋ヒアルロン酸溶
液の製造 醗酵法で作成された分子量200万のヒアルロン酸の1
重量%水溶液(pH=6)に架橋剤としてエチレングリ
コールジグリシジルエ−テルをヒアルロン酸の繰り返し
単位の分子量に対して1/10モル量となるように加え
た。次いで、50℃に設定した乾燥機内に5時間静置し
て分子間架橋反応を行った。次いで、得られた反応液に
L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムを最終
濃度が1mMになるように添加し、十分攪拌し、アスコ
ルビン酸含有の架橋ヒアルロン酸溶液を調製した。
【0055】アスコルビン酸含有架橋アルギン酸溶液
の製造 市販のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)
の2重量%水溶液(pH=6)に架橋剤としてエチレン
グリコールジグリシジルエ−テルをアルギン酸の繰り返
し単位の分子量に対して1モル量となるように加えた。
次いで、50℃に設定した乾燥機内に5時間静置して分
子間架橋反応を行った。次いで、得られた反応液にL−
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムを最終濃度
が1mMになるように添加し、十分攪拌し、アスコルビ
ン酸含有の架橋アルギン酸溶液を調製した。
【0056】創傷被覆材の製造 で製造した不織布層の片面に接着剤を介してで製造
した厚さ10μmポリウレタンフイルム層を部分接着し
た。次いで、長さ3mmのスリット状の開孔を直線状に
10mmおきに設け、該線のピッチ(線と線の並行間
隔)が10mmとなるようにして、開孔を有する複合ポ
リウレタンフイルム層を作成した。内経50mm、高さ
20mmの円形のポリスチレン製容器の中へ未架橋ヒア
ルロン酸の1重量%水溶液4cc,で製造したアスコ
ルビン酸含有架橋ヒアルロン酸水溶液8cc、で製造
したアスコルビン酸含有架橋アルギン酸水溶液8cc、
スルファジアジン銀1mgを十分混合して入れた。その
上に上記の不織布層と開孔を有するポリウレタン層から
なる積層体を直経50mmの円形に切り取り、ポリウレ
タンフイルム層から離型紙を剥がした後、ポリウレタン
フイルム層が水溶液層と接するように乗せた。このポリ
スチレン容器を−40℃に凍結した後、真空乾燥するこ
とによりスポンジ状の生体材料を含む創傷被覆材を製造
した。
【0057】実施例2 創傷被覆材の製造 アスコルビン酸含有架橋ヒアルロン酸溶液の製造 醗酵法で作成された分子量200万のヒアルロン酸の1
重量%水溶液(pH=6)に架橋剤としてエチレングリ
コールジグリシジルエ−テルをヒアルロン酸の繰り返し
単位の分子量に対して1/100モル量となるように加
えた。次いで、50℃に設定した乾燥機内に5時間静置
して分子間架橋反応を行った。 アスコルビン酸含有架橋アルギン酸溶液の製造 市販のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)
の2重量%水溶液(pH=6)に架橋剤としてエチレン
グリコールジグリシジルエ−テルをアルギン酸の繰り返
し単位の分子量に対して1モル量となるように加えた。
次いで、50℃に設定した乾燥機内に5時間静置して分
子間架橋反応を行った。次いで、得られた反応液にL−
アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウムを最終濃度
が1mMになるように添加し、十分攪拌し、アスコルビ
ン酸含有の架橋アルギン酸溶液を調製した。 創傷被覆材の製造 内経50mm、高さ20mmの円形のポリスチレン製容
器の中へで製造した架橋ヒアルロン酸水溶液12c
c、スルファジアジン銀1mgを入れ、次いでで製造
した架橋アルギン酸水溶液8ccを入れた。その上に実
施例1で製造した不織布層と開孔を有するポリウレタン
層からなる積層体を直経50mmの円形に切り取り、ポ
リウレタンフイルム層から離型紙を剥がした後、ポリウ
レタンフイルム層が水溶液層と接するように乗せた。こ
のポリスチレン容器を−40℃に凍結した後、真空乾燥
することによりスポンジ状の生体材料を含む創傷被覆材
を製造した。
【0058】比較例1 対照実験用創傷被覆材 内経が50mm、高さ20mmの円形のポリスチレン製
容器に発酵法で調製された分子量200万のヒアルロン
酸の1重量%水溶液20ccを注入し、その上に実施例
1ので製造したポリウレタンフイルムを直経50mm
の円形に切り取って乗せた。次いで、このポリスチレン
容器を凍結乾燥器に入れ、−40℃に凍結した後、真空
乾燥することによりスポンジ状の創傷被覆材を作成し
た。
【0059】比較例2 対照実験用創傷被覆材 内径が50mm、高さ20mmの円形のポリスチレン容
器に市販アルギン酸ナトリウムの2重量%水溶液10c
cを注入し、その上に実施例1ので製造したポリウレ
タンフイルムを直経50mmの円形に切り取って乗せ
た。次いで、このポリスチレン容器を凍結乾燥器に入
れ、−40℃に凍結した後、真空乾燥することによりス
ポンジ状の創傷被覆材を作成した。
【0060】実施例3 動物実験 上記、実施例1、2、及び比較例1、2で得た創傷被覆
材をエチレンオキサイドガスで滅菌処理した後、以下の
実験に供した。即ち、麻酔下でウイスター系ラット(8
週令)の両背部を剃毛し、イソジンで消毒した後、1辺
が3cm四方(9cm2 )となるように全層皮膚欠損創
を家兎の両背部に作成し、右背部に実施例1もしくは2
で製造した本発明に係わる創傷被覆材を適用し、左背部
には対照実験として比較例1もしくは2で製造した対照
実験用創傷被覆材を適用し、その上にガーゼをあてて伸
縮性粘着テープで固定した。
【0061】1週後、麻酔下で被覆材を除去して創面の
状態を観察し、創周辺をイソジンで消毒した後、再度、
本発明に係わる創傷被覆材ならびに対照実験用創傷被覆
材を適用した。以後、一週毎に新しい創傷被覆材の貼り
換えを行い、経時的に創傷の状態を観察した。本発明に
係わる創傷被覆材を適用した場合、1週間で除去した際
には、ヒアルロン酸及び/又はアルギン酸は殆ど総てが
分解吸収されたので、毎週新しく貼付けた。
【0062】本発明に係わる創傷被覆材を適用した右背
部は、創傷面が適度な湿潤環境に保持され、肉芽組織の
形成と創周辺からの収縮が促進され、創傷被覆材適用3
週目の時点では、皮膚欠損創の面積は0〜0.5cm2
になった。他方、ヒアルロン酸もしくはアルギン酸スポ
ンジ層のみからなる対照実験用創傷被覆材を適用した左
背部は、創傷被覆材適用3週目の時点で、皮膚欠損創の
面積は1〜4cm2であった。また、アルギン酸を用い
た例で感染を起こした例もあった。このように、本発明
に係わる創傷被覆材は、ヒアルロン酸もしくはアルギン
酸のみを用いた対照実験用創傷被覆材に比べて治癒促進
効果が認められた。
【0063】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る創傷被
覆材は以下の効果を奏する。 本創傷被覆材には疎水性繊維と高吸収性繊維からなる
不織布層が積層されているので、創傷部から大量の滲出
液が放出される場合でも、滲出液を吸収して、この中に
含まれている水分を周囲の環境中に蒸発させることがで
きるので創傷部を常に適度な湿潤環境に保持することが
できる。 本創傷被覆材に使用するヒアルロン酸及びアルギン酸
はそれ自体、それぞれが皮膚欠損の治癒促進効果を有す
る生体材料であるが、これらの生体材料を組み合わせる
ことにより、さらに創傷治癒の全過程において、従来に
比し極めて早期かつ効率的な治癒の促進をはかることが
でいるという効果がある。 ヒアルロン酸及びアルギン酸をエポキシ化合物で架橋
することにより、長期にわたり創傷治癒促進効果を持続
させることができる。 ヒアルロン酸及びアルギン酸は生体材料であり、創傷
面に適用されると、経時的に分解吸収される。従って、
これらの生体材料からなるマトリックスを使用した創傷
被覆材は治癒促進が得られるだけでなく、長期間取り替
える必要がない。たとえ取り替える場合にも新生組織の
損傷、痛みがないといった効果がある。 L−アスコルビン酸リン酸エステルを配合することに
より、ヒアルロン酸及びアルギン酸からなる治療成分の
治癒効果をより高めることができた。 抗菌剤を配合することにより、細菌の繁殖を抑え、さ
らに優れた治癒促進効果が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布層と開孔を有するポリウレタンフ
    イルム層とエポキシ化合物で架橋された架橋ヒアルロン
    酸及び架橋アルギン酸を含むスポンジ層が順に積層され
    ており、少なくともいずれか1層がアスコルビン酸リン
    酸エステルを含むことを特徴とする創傷被覆材。
  2. 【請求項2】 不織布層の目付けが30〜300g/m
    2 である請求項1記載の創傷被覆材。
  3. 【請求項3】 開孔を有するポリウレタンフイルム層の
    厚みが5〜100μmである請求項1または2記載の創
    傷被覆材。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物で架橋された架橋ヒアル
    ロン酸及び架橋アルギン酸を含むスポンジ層に未架橋ヒ
    アルロン酸及び/又は未架橋アルギン酸が1〜20重量
    %含まれている請求項1乃至3のいずれかに記載の創傷
    被覆材。
  5. 【請求項5】 エポキシ化合物で架橋された架橋ヒアル
    ロン酸及び架橋アルギン酸を含むスポンジ層において、
    架橋ヒアルロン酸の含有量が10〜80重量%であり、
    架橋アルギン酸の含有量が20〜90重量%である請求
    項1乃至4のいずれかに記載の創傷被覆材。
  6. 【請求項6】 前記アスコルビン酸リン酸エステルの含
    有比が、0.1〜10重量%である請求項1乃至5のい
    ずれかに記載の創傷被覆材。
  7. 【請求項7】 抗菌剤が含まれている請求項1乃至6の
    いずれかに記載の創傷被覆材。
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