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JP2001335318A - 高純度酸化ホルミウム及びその製造方法 - Google Patents

高純度酸化ホルミウム及びその製造方法

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JP2001335318A
JP2001335318A JP2000151167A JP2000151167A JP2001335318A JP 2001335318 A JP2001335318 A JP 2001335318A JP 2000151167 A JP2000151167 A JP 2000151167A JP 2000151167 A JP2000151167 A JP 2000151167A JP 2001335318 A JP2001335318 A JP 2001335318A
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holmium
carbonate
precipitate
aqueous solution
purity
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JP2000151167A
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Isamu Yashima
勇 八島
Youichi Kamikooriyama
洋一 上郡山
Takashi Nakajima
貴志 中島
Kazuya Ushiyama
和哉 牛山
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】原料として窒素化合物を用いることなしで、ア
ルカリ金属及び塩素の両方の混入が極めて少ない高純度
酸化ホルミウム、特に高純度酸化ホルミウム微粉末を製
造し得る製造方法、並びに高純度酸化ホルミウム、高純
度酸化ホルミウム微粉末を提供すること。 【解決手段】ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属
炭酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出さ
せ、次いでその析出物を純水で洗浄し、乾燥し、焼成
し、所望により粉砕して酸化ホルミウム又は酸化ホルミ
ウム粉末を製造する方法において、その炭酸ホルミウム
析出物の表面に存在する炭酸基の一部を水酸基で置換さ
せ、その後に洗浄することによりアルカリ金属炭酸塩に
起因するアルカリ金属の最終製品中の残留量を最少限に
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高純度酸化ホルミウ
ム及びその製造方法に関し、詳しくは、原料として窒素
化合物を用いることなしで、アルカリ金属及び塩素の両
方の混入が極めて少ない高純度酸化ホルミウムを製造し
得る製造方法、特に高純度酸化ホルミウム微粉末を製造
し得る製造方法、並びにそれらの製造方法によって得ら
れる高純度酸化ホルミウムに関する。
【0002】
【従来の技術】高純度酸化ホルミウム粉末は、触媒、磁
性材料、超伝導材料、蛍光体材料、電気抵抗体材料等と
して使用されている。近年、電子機器の軽薄短小化に伴
い、電気抵抗体等の電子部品にも小型化、高密度化が要
求されており、その製造原料である酸化ホルミウムにも
微粉化、高純度化が要求されている。
【0003】高純度酸化ホルミウム粉末の製造について
は従来から種々の方法が提案されているが必ずしも満足
できる方法ではない。例えば、原料としてホルミウム化
合物の水溶液及びシュウ酸の水溶液を用い、これらを混
合して析出物を生成させ、その析出物を次いで洗浄し、
乾燥し、焼成し、粉砕する方法では、析出物の一次粒子
径が大きいので所望の微粉末を得ることは極めて困難で
ある。
【0004】又、原料として塩化ホルミウムの水溶液及
び水酸化アルカリ金属の水溶液を用い、例えば塩化ホル
ミウムの水溶液及び水酸化ナトリウムの水溶液を用い、
これらを混合して析出物を生成させ、その析出物を次い
で洗浄し、乾燥し、焼成し、粉砕する方法では、塩化ホ
ルミウムに起因する塩素が最終製品中に200ppmを
超える濃度で残留するので高純度の酸化ホルミウム粉末
を得ることは極めて困難である。
【0005】原料として硝酸ホルミウム水溶液及び重炭
酸アンモニウム水溶液を用い、これらを混合して析出物
を生成させ、その析出物を次いで洗浄し、乾燥し、焼成
し、粉砕する方法においては、高純度化及び微粉化を達
成することができる。しかしながら、近年、環境問題が
深刻化する中で、窒素の排出規制が制定されており、こ
の窒素排出規制は、湖沼、河川の富栄養化等の問題に起
因して制定されているので、今後さらなる規制の強化が
予測されている。窒素化合物を用いる方法で酸化ホルミ
ウム粉末を製造する場合には、この窒素排出規制をクリ
アするために、排出される窒素化合物含有水を回収し、
処理する必要がある。仮に、窒素化合物含有水から窒素
化合物のみを回収するための設備を導入するとすると、
過大な設備投資が必要となり、工業的な生産は極めて困
難である。
【0006】上記の従来法に代わる方法として、窒素化
合物以外の原料、例えばホルミウム化合物の水溶液及び
アルカリ金属炭酸塩の水溶液を用い、例えば塩化ホルミ
ウム化合物の水溶液及び炭酸ナトリウムの水溶液を用
い、これらを混合して析出物を生成させ、その析出物を
次いで洗浄し、乾燥し、焼成し、粉砕する方法等が検討
されているが、この場合には、本発明者等の知る限りに
おいては、アルカリ金属炭酸塩に起因するアルカリ金属
が最終製品中に70ppm以上の濃度で残留するので高
純度の酸化ホルミウム粉末を得ることは極めて困難であ
る。
【0007】このように、原料として窒素化合物を用い
ることなしで酸化ホルミウムを製造しようとしても、ア
ルカリ金属の混入の防止が不十分であるか、又は塩素の
混入の防止が不十分であるかの何れかであり、アルカリ
金属の混入の防止及び塩素の混入の防止の両方を同時に
達成でき、しかも微粉末を製造できる製造方法は今だ提
案されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原料として
窒素化合物を用いることなしで、アルカリ金属及び塩素
の両方の混入が極めて少ない高純度酸化ホルミウムを製
造し得る製造方法、特に高純度酸化ホルミウム微粉末を
製造し得る製造方法、並びにそれらの製造方法によって
得られる高純度酸化ホルミウム、高純度酸化ホルミウム
微粉末を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、原料とし
て窒素化合物を用いることなしで、高純度酸化ホルミウ
ムを製造する方法について鋭意検討を重ねた結果、原料
としてホルミウム化合物の水溶液及びアルカリ金属炭酸
塩の水溶液を用い、これらを混合して析出物を生成さ
せ、その析出物を次いで洗浄し、乾燥し、焼成する方法
で酸化ホルミウムを製造した場合に最終製品中にアルカ
リ金属が残留する主な原因は、それらの原料の混合で生
成する炭酸ホルミウム析出物の表面に存在する炭酸基に
アルカリ金属が吸着されることであり、又、この吸着さ
れたアルカリ金属は実質的に不純物を含まない純水を用
いて充分に洗浄しても、アルカリ金属含有量を5ppm
以下に低下させることはできないが、それらの原料の混
合で生成する炭酸ホルミウム析出物を強アルカリの水溶
液で処理してその表面に存在する炭酸基の一部を水酸基
で置換することにより、その後の純水を用いた洗浄によ
り最終製品中のアルカリ金属の残留量を容易に5ppm
以下にすることが可能であることを究明し、本発明を完
成した。
【0010】即ち、本発明の高純度酸化ホルミウムの製
造方法は、ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属炭
酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出させ、
その分散液に強アルカリの水溶液を添加して、炭酸ホル
ミウム析出物の表面に存在する炭酸基の一部を水酸基で
置換させ、次いでその析出物を純水で洗浄し、乾燥し、
焼成することを特徴とする。
【0011】また、本発明の高純度酸化ホルミウムの製
造方法は、ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属炭
酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出させ、
その析出物を回収し、回収した析出物を強アルカリの水
溶液で処理して炭酸ホルミウム析出物の表面に存在する
炭酸基の一部を水酸基で置換させ、次いでその析出物を
純水で洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とする。
【0012】更に、本発明の高純度酸化ホルミウムの製
造方法は、ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属炭
酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出させ、
その析出物を回収し、回収した析出物を純水で洗浄し、
洗浄した析出物を強アルカリの水溶液で処理して炭酸ホ
ルミウム析出物の表面に存在する炭酸基の一部を水酸基
で置換させ、次いでその析出物を純水で洗浄し、乾燥
し、焼成することを特徴とする。
【0013】本発明の高純度酸化ホルミウム微粉末の製
造方法は、上記の何れかの製造方法で得られた高純度酸
化ホルミウムを微粉砕することを特徴とする。また、本
発明の高純度酸化ホルミウム及び高純度酸化ホルミウム
微粉末は上記の何れかの製造方法で得られ、アルカリ金
属含有量が5ppm以下であり、且つ塩素含有量が20
0ppm以下であるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法においては、ホ
ルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属炭酸塩の水溶液
とを混合して炭酸ホルミウムを析出させ、次いでその析
出物を純水で洗浄し、乾燥し、焼成し、所望により粉砕
して酸化ホルミウム又は酸化ホルミウム粉末を製造する
方法において、その炭酸ホルミウム析出物の表面に存在
する炭酸基の一部を水酸基で置換させ、その後に洗浄す
ることによりアルカリ金属炭酸塩に起因するアルカリ金
属の最終製品中の残留量を最少限にできる。
【0015】この炭酸ホルミウム析出物の表面に存在す
る炭酸基の一部を水酸基で置換させる方法としては、炭
酸ホルミウム析出物の表面を強アルカリの水溶液で処理
することが好都合である。この強アルカリアの水溶液で
処理する段階(工程)については特には限定されない
が、炭酸ホルミウムを析出させた後のその分散液に強ア
ルカリの水溶液を添加して処理しても、析出物を回収し
た後に洗浄に先立って強アルカリの水溶液で処理して
も、或いは複数回の洗浄操作の途中で強アルカリの水溶
液で処理してもよい。
【0016】本発明の製造方法で原料として用いるホル
ミウム化合物は水溶液として用いるのであるから水溶性
である必要がある。このような水溶性ホルミウム化合物
としては塩化ホルミウム、硫酸ホルミウム、シュウ酸ホ
ルミウム等がある。また、本発明の製造方法で原料とし
て用いるアルカリ金属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム
等があり、強アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等がある。
【0017】本発明の製造方法で実施する諸段階につい
て以下に説明する。 (1)原料の調製 本発明の製造方法で用いる各原料の水溶液の調製方法に
ついては特には限定されず、例えば各原料化合物を純水
に溶解させて調製しても、或いは製造の関係で既に水溶
液になっているものをそのまま使用しても良い。ホルミ
ウム化合物の水溶液の濃度については、実用上0.01
モル/L〜1モル/Lであることが好ましく、0.1モ
ル/L〜0.5モル/Lであることが更に好ましい。ア
ルカリ金属炭酸塩の水溶液の濃度については、実用上
0.01モル/L〜1.4モル/Lであることが好まし
く、0.1モル/L〜1.0モル/Lであることが更に
好ましい。強アルカリの水溶液の濃度については、実用
上0.01モル/L〜10モル/Lであることが好まし
く、0.1モル/L〜2モル/Lであることが更に好ま
しい。
【0018】(2)炭酸ホルミウム析出物の生成 ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属炭酸塩の水溶
液とを混合して炭酸ホルミウム析出物を生成させること
ができれば、その反応条件については特には制限されな
いが、攪拌しながら混合することが好ましい。攪拌しな
がら混合することにより最終製品を微粉末とすることが
容易になる。
【0019】(3)強アルカリによる置換反応処理 上記(2)で得られる炭酸ホルミウム析出物の表面に存
在する炭酸基の一部を水酸基で置換させるために、炭酸
ホルミウム析出物の表面を強アルカリの水溶液で処理す
る。この強アルカリの水溶液での処理については、炭酸
ホルミウムを析出させた後のその分散液に強アルカリの
水溶液を添加して処理しても、析出物を回収した後に洗
浄に先立って強アルカリの水溶液で処理しても、或いは
複数回の洗浄操作の途中で強アルカリの水溶液で処理し
てもよい。それらの処理の際には攪拌することが好まし
い。また、使用する強アルカリの水溶液としては、実用
上、水酸化ナトリウム水溶液を用いることが好ましい。
【0020】(4)洗浄 上記(3)で置換反応処理した析出物を、実質的に不純
物を含まない純水を用いて洗浄する。この洗浄処理操作
の態様については特には制約はなく、粉粒体物質につい
て通常実施される洗浄操作から任意に選んで実施するこ
とができる。このような操作として、析出物を洗浄水中
にスラリー状に分散させ、ついで加圧濾過、常圧濾過、
真空濾過、遠心分離などにより固液を分離し、得られた
ケークを再度洗浄水中に投入し、目標とする洗浄レベル
が達成されるまで同じ操作を繰り返す方法や、上記の得
られたケークに洗浄水を圧入し、透過させる等により通
水させながら連続的に洗浄を実施する方法、セラミック
フィルターや限外濾過膜などを用い、洗浄水だけを系外
へと排出する方法などを例示することができる。洗浄操
作の終了後、固液分離により析出物を回収する。
【0021】(5)加熱処理 上記(4)で回収した析出物を、温度100〜1200
℃、好ましくは500〜950℃、より好ましくは60
0〜900℃の範囲で加熱処理を実施し、酸化ホルミウ
ムを得る。加熱処理の条件は製品に望まれる諸物性に応
じて任意に選択することができる。加熱処理を実施する
際に用いる装置としては、所定の温度に維持することが
できるものであれば特に制限はなく、管状炉、箱型炉、
トンネル炉等を使用することができる。加熱処理の時間
は、加熱温度、加熱処理の方法・装置に依存し、また、
熱源に関しても特には制限はない。
【0022】(6)粉砕処理 上記(5)で得られた酸化ホルミウムを所望の粒度ま
で、例えば0.3〜3μmに粉砕する。この粉砕処理操
作の態様については特には制限はなく、粉粒体物質につ
いて通常実施される粉砕操作から任意に選んで実施する
ことができる。この様な操作として、乾式粉砕機である
ピンミル、ボールミル、ハンマーミル、ロールミル等、
又、湿式粉砕機であるボールミル、超音波粉砕機等を挙
げることができる。
【0023】上記の(2)〜(5)の諸処理を実施する
ことにより、アルカリ金属含有量が5ppm以下であ
り、且つ塩素含有量が200ppm以下である高純度酸
化ホルミウムを得ることができ、また、上記の(2)〜
(6)の諸処理を実施することにより、アルカリ金属含
有量が5ppm以下であり、且つ塩素含有量が200p
pm以下である高純度酸化ホルミウム微粉末を得ること
ができる。
【0024】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定
されるものではない。本発明者等の実施した酸化ホルミ
ウム中の不純物濃度の測定においては、ナトリウムにつ
いては5ppmが測定限界であり、塩素については50
ppmが測定限界であったので、以下の実施例及び比較
例においては、ナトリウムについては5ppm以上の場
合には実際の測定値を記載し、それ未満で測定値で表せ
ない場合には5ppm未満と記載し、また塩素について
は50ppm以上の場合には実際の測定値を記載し、そ
れ未満で測定値で表せない場合には50ppm未満と記
載した。
【0025】実施例1 濃度0.25mol/Lの塩化ホルミウム水溶液及び濃
度0.375mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液をそれ
ぞれ調製した。その調製した炭酸ナトリウム水溶液50
0mlを、攪拌機及び攪拌羽を備えた2Lのガラス製ビ
ーカーに仕込み、300rpmの速度で攪拌しながら、
該炭酸ナトリウム水溶液に塩化ホルミウム水溶液500
mlを30ml/minの速度で投入した。投入の終了
後、更に1時間攪拌を実施した後、濃度0.75mol
/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mlを投入して置
換反応処理を実施した。析出物を含む生成分散液を固液
分離してケークを取り出した。その得られたケーク及び
純水1000mlを2Lのガラス製ビーカーに入れてス
ラリー化した。次にこのスラリーを再び固液分離してケ
ークを得た。この操作を6回繰り返して洗浄操作を終了
した。洗浄後のケークを100℃で24時間予備乾燥し
た後、電気炉を用いて温度750℃で3時間加熱処理を
実施した。この様にして得られた酸化ホルミウム中の不
純物濃度は、ナトリウムについては5ppm未満であ
り、塩素については180ppmであった。
【0026】実施例2 濃度0.25mol/Lの塩化ホルミウム水溶液及び濃
度0.375mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液をそれ
ぞれ調製した。その調製した炭酸ナトリウム水溶液50
0mlを、攪拌機及び攪拌羽を備えた2Lのガラス製ビ
ーカーに仕込み、300rpmの速度で攪拌しながら、
該炭酸ナトリウム水溶液に塩化ホルミウム水溶液500
mlを30ml/minの速度で投入した。投入の終了
後、更に1時間攪拌を実施した。析出物を含む生成分散
液を固液分離してケークを取り出した。その得られたケ
ーク及び純水500mlを2Lのガラス製ビーカーに入
れてスラリー化した。次いで濃度0.75mol/Lの
水酸化ナトリウム水溶液500mlを投入して置換反応
処理を実施した。析出物を含むスラリーを固液分離して
ケークを取り出した。その得られたケーク及び純水10
00mlを2Lのガラス製ビーカーに入れてスラリー化
した。次にこのスラリーを再び固液分離してケークを得
た。この操作を5回繰り返して洗浄操作を終了した。洗
浄後のケークを100℃で24時間予備乾燥した後、電
気炉を用いて温度750℃で3時間加熱処理を実施し
た。この様にして得られた酸化ホルミウム中の不純物濃
度は、ナトリウムについては5ppm未満であり、塩素
については180ppmであった。
【0027】実施例3 原料として、炭酸ナトリウム水溶液の代わりに濃度0.
75mol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液500ml
を用いた以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施
し、酸化ホルミウムを得た。この様にして得られた酸化
ホルミウム中の不純物濃度は、ナトリウムについては5
ppm未満であり、塩素については70ppmであっ
た。
【0028】比較例1 置換反応処理を実施する際に、水酸化ナトリウムの代わ
りに濃度0.375mol/Lのアンモニウム水溶液を
用いた以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施し、
酸化ホルミウムを得た。この様にして得られた酸化ホル
ミウムの不純物濃度は、ナトリウムについては100p
pmであり、塩素については160ppmであった。
【0029】比較例2 原料として、炭酸ナトリウムの代わりに濃度0.75m
ol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液500mlを用
い、置換反応処理を実施する際に水酸化ナトリウムの代
わりに濃度0.375mol/Lのアンモニウム水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施
し、酸化ホルミウムを得た。この様にして得られた酸化
ホルミウムの不純物濃度は、ナトリウムについては70
ppmであり、塩素については50ppm未満であっ
た。
【0030】比較例3 水酸化ナトリウムによる置換反応処理を実施しなかった
以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施し、酸化ホ
ルミウムを得た。この様にして得られた酸化ホルミウム
の不純物濃度は、ナトリウムについては400ppmで
あり、塩素については200ppmであった。
【0031】比較例4 原料として、炭酸ナトリウムの代わりに濃度0.75m
ol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液500mlを用
い、水酸化ナトリウムによる置換反応処理を実施しなか
った以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施し、酸
化ホルミウムを得た。この様にして得られた酸化ホルミ
ウムの不純物濃度は、ナトリウムについては1100p
pm、であり、塩素については50ppm未満であっ
た。
【0032】比較例5 原料として、炭酸ナトリウムの代わりに濃度0.75m
ol/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mlを用いた
以外は、実施例1と同様にして諸処理を実施し、酸化ホ
ルミウムを得た。この様にして得られた酸化ホルミウム
の不純物濃度は、ナトリウムについては5ppm未満で
あり、塩素については1000ppmであった。
【0033】
【発明の効果】本発明においては、原料として窒素化合
物を用いることなしで、アルカリ金属及び塩素の両方の
混入が極めて少ない高純度酸化ホルミウム、高純度酸化
ホルミウム微粉末を製造することができ、アルカリ金属
含有量が5ppm以下であり、且つ塩素含有量が200
ppm以下である高純度酸化ホルミウム、高純度酸化ホ
ルミウム微粉末を提供することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月19日(2000.6.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明の製造方法で原料として用いるホル
ミウム化合物は水溶液として用いるのであるから水溶性
である必要がある。このような水溶性ホルミウム化合物
としては塩化ホルミウム又は硫酸ホルミウム等がある。
また、本発明の製造方法で原料として用いるアルカリ金
属炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等があり、強アル
カリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等があ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 貴志 埼玉県上尾市原市1209−1 エンゼルハイ ツB202 (72)発明者 牛山 和哉 福岡県大牟田市歴木1626 三井金属平野寮 302 Fターム(参考) 4G076 AA02 AB04 AB08 AB09 AB12 BA13 BA26 BA38 BA46 BC02 CA02 CA36 DA01 DA03 DA07 DA09 DA11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属
    炭酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出さ
    せ、その分散液に強アルカリの水溶液を添加して、炭酸
    ホルミウム析出物の表面に存在する炭酸基の一部を水酸
    基で置換させ、次いでその析出物を純水で洗浄し、乾燥
    し、焼成することを特徴とする高純度酸化ホルミウムの
    製造方法。
  2. 【請求項2】ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属
    炭酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出さ
    せ、その析出物を回収し、回収した析出物を強アルカリ
    の水溶液で処理して炭酸ホルミウム析出物の表面に存在
    する炭酸基の一部を水酸基で置換させ、次いでその析出
    物を純水で洗浄し、乾燥し、焼成することを特徴とする
    高純度酸化ホルミウムの製造方法。
  3. 【請求項3】ホルミウム化合物の水溶液とアルカリ金属
    炭酸塩の水溶液とを混合して炭酸ホルミウムを析出さ
    せ、その析出物を回収し、回収した析出物を純水で洗浄
    し、洗浄した析出物を強アルカリの水溶液で処理して炭
    酸ホルミウム析出物の表面に存在する炭酸基の一部を水
    酸基で置換させ、次いでその析出物を純水で洗浄し、乾
    燥し、焼成することを特徴とする高純度酸化ホルミウム
    の製造方法。
  4. 【請求項4】ホルミウム化合物が塩化ホルミウム、硫酸
    ホルミウム又はシュウ酸ホルミウムである請求項1、2
    又は3記載の高純度酸化ホルミウムの製造方法。
  5. 【請求項5】アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウム、炭
    酸水素ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸水素カリウム
    である請求項1〜4の何れかに記載の高純度酸化ホルミ
    ウムの製造方法。
  6. 【請求項6】強アルカリが水酸化ナトリウム又は水酸化
    カリウムである請求項1〜5の何れかに記載の高純度酸
    化ホルミウムの製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6の何れかに記載の製造方法で
    得られた高純度酸化ホルミウムを微粉砕することを特徴
    とする高純度酸化ホルミウム微粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜6の何れかに記載の製造方法で
    得られ、アルカリ金属含有量が5ppm以下であり、且
    つ塩素含有量が200ppm以下である高純度酸化ホル
    ミウム。
  9. 【請求項9】請求項7記載の製造方法で得られ、アルカ
    リ金属含有量が5ppm以下であり、且つ塩素含有量が
    200ppm以下である高純度酸化ホルミウム微粉末。
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