JP2001327981A - 金属含有排水処理方法及びこれを用いる装置 - Google Patents
金属含有排水処理方法及びこれを用いる装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属及び金属イオンを含む排水から金属分を
酸化析出と中和析出との相乗効果によって効率よく凝集
沈殿させられ、低コストで確実に除去処理が行える金属
含有排水処理方法及び当該方法を用いる装置を提供す
る。 【解決手段】 中和攪拌槽11に供給された排水のpH
を適正範囲に調整すると共に、酸化剤を注入して攪拌す
ることから、排水のpHがいずれの状態であるかに関わ
りなく、酸化剤による排水中の金属イオンの酸化を効率
よく進行させて金属イオンの酸化析出を促進させられ、
中和析出と合わせて排水中の金属イオンを確実に析出さ
せられる。また、凝集槽30で排水に高分子凝集剤を注
入して攪拌することから、排水中の金属分が凝集したフ
ロック43を粗大化させて沈降しやすくし、加えて沈殿
槽40内の傾斜板41が排水の上昇に伴うフロック43
の上昇を抑え、凝集後のフロック43を確実に排水と分
離して除去できる。
酸化析出と中和析出との相乗効果によって効率よく凝集
沈殿させられ、低コストで確実に除去処理が行える金属
含有排水処理方法及び当該方法を用いる装置を提供す
る。 【解決手段】 中和攪拌槽11に供給された排水のpH
を適正範囲に調整すると共に、酸化剤を注入して攪拌す
ることから、排水のpHがいずれの状態であるかに関わ
りなく、酸化剤による排水中の金属イオンの酸化を効率
よく進行させて金属イオンの酸化析出を促進させられ、
中和析出と合わせて排水中の金属イオンを確実に析出さ
せられる。また、凝集槽30で排水に高分子凝集剤を注
入して攪拌することから、排水中の金属分が凝集したフ
ロック43を粗大化させて沈降しやすくし、加えて沈殿
槽40内の傾斜板41が排水の上昇に伴うフロック43
の上昇を抑え、凝集後のフロック43を確実に排水と分
離して除去できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属及び金属イオ
ンを含有する排水から金属及び金属イオンを分離除去し
て排水を浄化処理する金属含有排水処理方法及び当該方
法を用いる金属含有排水処理装置に関する。
ンを含有する排水から金属及び金属イオンを分離除去し
て排水を浄化処理する金属含有排水処理方法及び当該方
法を用いる金属含有排水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄工所やめっき工場などの金属加工工場
では、その加工工程において金属や金属イオンを含む排
水が発生するが、こうした排水はそのまま外部に排出で
きないため、所定の浄化処理を行う必要があった。この
ような浄化処理を行う従来の金属含有排水処理方法とし
ては、例えば特公昭55−33954号公報に開示され
ているものがある。
では、その加工工程において金属や金属イオンを含む排
水が発生するが、こうした排水はそのまま外部に排出で
きないため、所定の浄化処理を行う必要があった。この
ような浄化処理を行う従来の金属含有排水処理方法とし
ては、例えば特公昭55−33954号公報に開示され
ているものがある。
【0003】前記した従来の金属含有排水処理方法は、
金属イオンを含有する排水に、純度が60%以上で水に
対する溶解度が95%以上であるタンニンエキスを、金
属1グラム当量当り50ないし2500グラムの割合で
添加し、0ないし100℃の温度及び2ないし13のp
Hになる条件下で攪拌した後熟成し、必要に応じてさら
に凝集剤を添加混合して、金属を分離するものである。
金属イオンを含有する排水に、純度が60%以上で水に
対する溶解度が95%以上であるタンニンエキスを、金
属1グラム当量当り50ないし2500グラムの割合で
添加し、0ないし100℃の温度及び2ないし13のp
Hになる条件下で攪拌した後熟成し、必要に応じてさら
に凝集剤を添加混合して、金属を分離するものである。
【0004】また、前記と別の従来の金属含有排水処理
方法として、特公昭63−2677号公報に開示されて
いるものもある。この別の従来の金属含有排水処理方法
は、重金属及びアルカリ土類金属を含む非スラリー状の
廃水に、当該廃水のpHが10を越えて13以下になる
量のビスコースレーヨン工場廃液を加えて、重金属及び
アルカリ土類金属を不溶化し、この不溶化した重金属及
びアルカリ土類金属を廃水中より分離するものである。
方法として、特公昭63−2677号公報に開示されて
いるものもある。この別の従来の金属含有排水処理方法
は、重金属及びアルカリ土類金属を含む非スラリー状の
廃水に、当該廃水のpHが10を越えて13以下になる
量のビスコースレーヨン工場廃液を加えて、重金属及び
アルカリ土類金属を不溶化し、この不溶化した重金属及
びアルカリ土類金属を廃水中より分離するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の金属含有排水処
理方法は以上のように構成されていたことから、従来前
者の場合、除去すべき金属量の50倍ないし2500倍
にも及ぶ多量のタンニンエキスの添加が必要であり、処
理装置の機構が大型化すると共に、処理コストも大きく
なってしまうという課題を有していた。
理方法は以上のように構成されていたことから、従来前
者の場合、除去すべき金属量の50倍ないし2500倍
にも及ぶ多量のタンニンエキスの添加が必要であり、処
理装置の機構が大型化すると共に、処理コストも大きく
なってしまうという課題を有していた。
【0006】一方、従来後者の場合、ビスコースレーヨ
ン工場廃液は、当該工場という限られた場所でのみ発生
するものであり、ビスコースレーヨン工場との関係が薄
い鉄工所やめっき工場などの金属加工工場では入手が困
難であるなど、広く一般的に適用することができないと
いう課題を有していた。本発明は前記課題を解消するた
めになされたもので、金属及び金属イオンを含む排水か
ら金属分を酸化析出と中和析出との相乗効果(共同沈殿
効果)によって効率よく凝集沈殿させられ、低コストで
確実に除去処理が行える金属含有排水処理方法及び当該
方法を用いる装置を提供することを目的とする。
ン工場廃液は、当該工場という限られた場所でのみ発生
するものであり、ビスコースレーヨン工場との関係が薄
い鉄工所やめっき工場などの金属加工工場では入手が困
難であるなど、広く一般的に適用することができないと
いう課題を有していた。本発明は前記課題を解消するた
めになされたもので、金属及び金属イオンを含む排水か
ら金属分を酸化析出と中和析出との相乗効果(共同沈殿
効果)によって効率よく凝集沈殿させられ、低コストで
確実に除去処理が行える金属含有排水処理方法及び当該
方法を用いる装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属含有排
水処理方法は、所定の金属及び/又は金属イオンを含む
排水から、少なくとも金属及び金属イオンを除去する金
属含有排水処理方法において、前記排水に対し所定のp
H調整剤を注入して排水のpHをあらかじめ設定された
範囲内に調整し、当該pH調整後の排水に酸化剤注入装
置から所定の酸化剤を注入して攪拌し、排水中の金属イ
オンを酸化させて金属及び/又は金属化合物として析出
させ、当該析出状態の排水を所定の凝集槽内に流入さ
せ、排水に所定の凝集剤を注入して攪拌し、金属分をフ
ロックとして凝集させ、当該フロック凝集状態の排水を
凝集槽に隣合う所定の沈殿槽に流入させ、当該沈殿槽内
に所定間隔で傾斜状態に配置された複数の略板状体の間
に前記排水を下から上に通し、排水中の前記フロックを
前記略板状体で排水から分離させ、沈殿槽上部で排水の
上澄みを得るものである。
水処理方法は、所定の金属及び/又は金属イオンを含む
排水から、少なくとも金属及び金属イオンを除去する金
属含有排水処理方法において、前記排水に対し所定のp
H調整剤を注入して排水のpHをあらかじめ設定された
範囲内に調整し、当該pH調整後の排水に酸化剤注入装
置から所定の酸化剤を注入して攪拌し、排水中の金属イ
オンを酸化させて金属及び/又は金属化合物として析出
させ、当該析出状態の排水を所定の凝集槽内に流入さ
せ、排水に所定の凝集剤を注入して攪拌し、金属分をフ
ロックとして凝集させ、当該フロック凝集状態の排水を
凝集槽に隣合う所定の沈殿槽に流入させ、当該沈殿槽内
に所定間隔で傾斜状態に配置された複数の略板状体の間
に前記排水を下から上に通し、排水中の前記フロックを
前記略板状体で排水から分離させ、沈殿槽上部で排水の
上澄みを得るものである。
【0008】このように本発明においては、金属及び金
属イオンを含む排水のpHを調整すると共に、酸化剤を
注入して攪拌し、排水中の金属イオンを酸化させて金属
分として析出させ、金属全てを除去することにより、排
水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を
適切なpHに調整でき、且つ攪拌で排水に酸化剤を迅速
且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤で効率よ
く金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸化析出を
確実に行わせることができる。また、凝集槽に流入した
排水に凝集剤を注入し、さらに攪拌することにより、排
水に含まれる金属及び金属化合物が凝集したフロックを
粗大化させられ、フロックを壊れにくくすると共に沈降
しやすくして排水との分離が容易となる。さらに、沈殿
槽内に複数の傾斜した略板状体を配設し、この略板状体
の間を下から上に進む排水に対して、略板状体が排水の
上昇に伴うフロックの上昇を抑えることにより、凝集後
のフロックを確実に排水と分離して除去でき、最終的に
排水を清浄な上澄みの状態とすることができ、外部への
放流が問題なく行える。
属イオンを含む排水のpHを調整すると共に、酸化剤を
注入して攪拌し、排水中の金属イオンを酸化させて金属
分として析出させ、金属全てを除去することにより、排
水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を
適切なpHに調整でき、且つ攪拌で排水に酸化剤を迅速
且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤で効率よ
く金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸化析出を
確実に行わせることができる。また、凝集槽に流入した
排水に凝集剤を注入し、さらに攪拌することにより、排
水に含まれる金属及び金属化合物が凝集したフロックを
粗大化させられ、フロックを壊れにくくすると共に沈降
しやすくして排水との分離が容易となる。さらに、沈殿
槽内に複数の傾斜した略板状体を配設し、この略板状体
の間を下から上に進む排水に対して、略板状体が排水の
上昇に伴うフロックの上昇を抑えることにより、凝集後
のフロックを確実に排水と分離して除去でき、最終的に
排水を清浄な上澄みの状態とすることができ、外部への
放流が問題なく行える。
【0009】また、本発明に係る金属含有排水処理方法
は必要に応じて、前記酸化剤を注入された後の排水を所
定の酸化槽に流入させ、当該酸化槽内で排水に対し所定
の曝気装置を用いて空気を吹込んで排水中の金属イオン
の空気酸化を行った後、排水を前記凝集槽に流入させる
ものである。このように本発明においては、酸化槽内に
流入させた排水に対し曝気装置で空気を吹込み、排水と
空気との接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させる
ことにより、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同
時に進行させて金属イオンの酸化析出を促進させること
ができ、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排
水中の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物と
して析出させて除去できる。
は必要に応じて、前記酸化剤を注入された後の排水を所
定の酸化槽に流入させ、当該酸化槽内で排水に対し所定
の曝気装置を用いて空気を吹込んで排水中の金属イオン
の空気酸化を行った後、排水を前記凝集槽に流入させる
ものである。このように本発明においては、酸化槽内に
流入させた排水に対し曝気装置で空気を吹込み、排水と
空気との接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させる
ことにより、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同
時に進行させて金属イオンの酸化析出を促進させること
ができ、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排
水中の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物と
して析出させて除去できる。
【0010】また、本発明に係る金属含有排水処理方法
は必要に応じて、前記沈殿槽における排水の上澄みを所
定の放流槽に流入させ、所定の流量監視装置が、排水が
前記放流槽の上限水位に達した場合に放流槽の排出用バ
ルブを開放して排水を外部に放流し、且つ排水が放流槽
の下限水位となった場合には前記排出用バルブを閉じる
一方、排水が下限水位から上限水位に達するまでの時間
を計測して放流槽への排水流入状態を監視するものであ
る。このように本発明においては、沈殿槽からの排水を
貯留する放流槽に対し、流量監視装置が放流槽の上限水
位と下限水位とを検出して排出用バルブを制御すると共
に、排水の下限水位から上限水位に達するまでの時間を
計測することにより、この下限水位から上限水位に達す
るまでの所要時間とあらかじめ設定した基準時間との比
較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの詰
りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所要
時間の基準時間に対する増大から検知することができ、
各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得られ
る。また、流量監視装置で全処理水量を自動的に計量可
能となり、流量計を設置せずに処理水量を計量できるこ
ととなる。
は必要に応じて、前記沈殿槽における排水の上澄みを所
定の放流槽に流入させ、所定の流量監視装置が、排水が
前記放流槽の上限水位に達した場合に放流槽の排出用バ
ルブを開放して排水を外部に放流し、且つ排水が放流槽
の下限水位となった場合には前記排出用バルブを閉じる
一方、排水が下限水位から上限水位に達するまでの時間
を計測して放流槽への排水流入状態を監視するものであ
る。このように本発明においては、沈殿槽からの排水を
貯留する放流槽に対し、流量監視装置が放流槽の上限水
位と下限水位とを検出して排出用バルブを制御すると共
に、排水の下限水位から上限水位に達するまでの時間を
計測することにより、この下限水位から上限水位に達す
るまでの所要時間とあらかじめ設定した基準時間との比
較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの詰
りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所要
時間の基準時間に対する増大から検知することができ、
各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得られ
る。また、流量監視装置で全処理水量を自動的に計量可
能となり、流量計を設置せずに処理水量を計量できるこ
ととなる。
【0011】また、本発明に係る金属含有排水処理方法
は必要に応じて、前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前
記放流槽に至る流路の途中に配設されるスカムストッパ
ーで水面に浮遊する異物を排水の上澄みから分離するも
のである。このように本発明においては、沈殿槽から放
流槽に至る流路の途中に設けられるスカムストッパーが
排水の水面上に浮遊する異物の後段への移動を妨げ、排
水水面上の異物も確実に排水から分離することにより、
沈殿槽から清浄な上澄みのみを後段の放流槽に流入させ
られ、外部への放流が問題なく行え、且つ排水の再利用
も可能になると共に、放流槽から外部に至る排出経路の
異物による詰り等も防止できる。
は必要に応じて、前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前
記放流槽に至る流路の途中に配設されるスカムストッパ
ーで水面に浮遊する異物を排水の上澄みから分離するも
のである。このように本発明においては、沈殿槽から放
流槽に至る流路の途中に設けられるスカムストッパーが
排水の水面上に浮遊する異物の後段への移動を妨げ、排
水水面上の異物も確実に排水から分離することにより、
沈殿槽から清浄な上澄みのみを後段の放流槽に流入させ
られ、外部への放流が問題なく行え、且つ排水の再利用
も可能になると共に、放流槽から外部に至る排出経路の
異物による詰り等も防止できる。
【0012】また、本発明に係る金属含有排水処理方法
は必要に応じて、前記流量監視装置による放流槽への排
水流入状態の監視結果に基づき、前記酸化剤注入装置か
らの酸化剤の注入量を制御するものである。このように
本発明においては、流量監視装置で監視している放流槽
への排水流入状態の変化に応じて、酸化剤注入装置に対
する酸化剤の注入量制御を行い、下限水位から上限水位
に達するまでの所要時間が基準時間より長くなる異常状
態には酸化剤注入量を制限することにより、異常状態で
滞った状態の排水に対し酸化剤が過濃となるのを防ぎ、
酸化剤の無駄な消費や過濃な酸化剤と排水との反応によ
る有毒ガスの発生等を防止できる。
は必要に応じて、前記流量監視装置による放流槽への排
水流入状態の監視結果に基づき、前記酸化剤注入装置か
らの酸化剤の注入量を制御するものである。このように
本発明においては、流量監視装置で監視している放流槽
への排水流入状態の変化に応じて、酸化剤注入装置に対
する酸化剤の注入量制御を行い、下限水位から上限水位
に達するまでの所要時間が基準時間より長くなる異常状
態には酸化剤注入量を制限することにより、異常状態で
滞った状態の排水に対し酸化剤が過濃となるのを防ぎ、
酸化剤の無駄な消費や過濃な酸化剤と排水との反応によ
る有毒ガスの発生等を防止できる。
【0013】また、本発明に係る金属含有排水処理方法
は必要に応じて、前記流量監視装置による放流槽への排
水流入状態の監視結果に基づき、前記凝集剤注入装置か
らの凝集剤の注入量を制御するものである。このように
本発明においては、流量監視装置で監視している放流槽
への排水流入状態の変化に応じて、凝集剤注入装置に対
する凝集剤の注入量制御を行い、下限水位から上限水位
に達するまでの所要時間が基準時間より長くなる異常状
態には凝集剤注入量を制限することにより、異常状態で
滞った状態の排水に対し凝集剤が過濃となるのを防ぎ、
凝集剤の無駄な消費を防止できる。
は必要に応じて、前記流量監視装置による放流槽への排
水流入状態の監視結果に基づき、前記凝集剤注入装置か
らの凝集剤の注入量を制御するものである。このように
本発明においては、流量監視装置で監視している放流槽
への排水流入状態の変化に応じて、凝集剤注入装置に対
する凝集剤の注入量制御を行い、下限水位から上限水位
に達するまでの所要時間が基準時間より長くなる異常状
態には凝集剤注入量を制限することにより、異常状態で
滞った状態の排水に対し凝集剤が過濃となるのを防ぎ、
凝集剤の無駄な消費を防止できる。
【0014】また、本発明に係る金属含有排水処理装置
は、前記排水を供給される中和攪拌槽と、当該中和攪拌
槽内の排水に対し所定のpH調整剤を注入して排水のp
Hをあらかじめ設定された範囲内に調整するpH調整装
置と、前記中和攪拌槽内のpH調整される排水に所定の
酸化剤を注入する酸化剤注入装置と、前記中和攪拌槽内
に配設され、前記排水をpH調整剤及び酸化剤と共に攪
拌する第一攪拌装置と、前記攪拌された排水を流入させ
る所定の凝集槽と、前記凝集槽内の排水に対し所定量の
凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、前記凝集槽内に配
設され、前記排水を凝集剤と共に攪拌する第二攪拌装置
と、前記凝集槽と連結されて配設され、凝集槽から攪拌
された排水を流入させる所定の沈殿槽と、前記沈殿槽内
に所定間隔で傾斜状態に配置される複数の略板状体から
なり、当該略板状体の間に下から上に通される排水中に
凝集している金属分のフロックを排水から分離させて沈
殿槽上部に排水の上澄みがたまった状態とする傾斜板と
を備えるものである。
は、前記排水を供給される中和攪拌槽と、当該中和攪拌
槽内の排水に対し所定のpH調整剤を注入して排水のp
Hをあらかじめ設定された範囲内に調整するpH調整装
置と、前記中和攪拌槽内のpH調整される排水に所定の
酸化剤を注入する酸化剤注入装置と、前記中和攪拌槽内
に配設され、前記排水をpH調整剤及び酸化剤と共に攪
拌する第一攪拌装置と、前記攪拌された排水を流入させ
る所定の凝集槽と、前記凝集槽内の排水に対し所定量の
凝集剤を注入する凝集剤注入装置と、前記凝集槽内に配
設され、前記排水を凝集剤と共に攪拌する第二攪拌装置
と、前記凝集槽と連結されて配設され、凝集槽から攪拌
された排水を流入させる所定の沈殿槽と、前記沈殿槽内
に所定間隔で傾斜状態に配置される複数の略板状体から
なり、当該略板状体の間に下から上に通される排水中に
凝集している金属分のフロックを排水から分離させて沈
殿槽上部に排水の上澄みがたまった状態とする傾斜板と
を備えるものである。
【0015】このように本発明においては、中和攪拌槽
に組合わせてpH調整装置を配設すると共に、酸化剤注
入装置及び第一攪拌装置を配設し、中和攪拌槽に投入さ
れた排水のpHを調整すると共に、酸化剤を注入して攪
拌し、排水中の金属イオンを酸化させることにより、排
水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を
適切なpHに調整でき、且つ第一攪拌装置の攪拌で排水
に酸化剤を迅速且つ均一に混合させられることとなり、
酸化剤で効率よく金属イオンを酸化させられ、金属イオ
ンの酸化析出を確実に行わせることができる。また、凝
集槽に流入した排水に凝集剤注入装置から凝集剤を注入
し、さらに第二攪拌装置で攪拌することにより、排水に
含まれる金属及び金属化合物が凝集したフロックを粗大
化させられ、フロックを壊れにくくすると共に沈降しや
すくして排水との分離が容易となる。さらに、沈殿槽内
に複数の傾斜板を配設し、各傾斜板の間を下から上に進
む排水に対して、傾斜板が排水の上昇に伴うフロックの
上昇を抑えることにより、凝集後のフロックを確実に排
水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な上澄みの
状態とすることができ、外部への放流が問題なく行え
る。
に組合わせてpH調整装置を配設すると共に、酸化剤注
入装置及び第一攪拌装置を配設し、中和攪拌槽に投入さ
れた排水のpHを調整すると共に、酸化剤を注入して攪
拌し、排水中の金属イオンを酸化させることにより、排
水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を
適切なpHに調整でき、且つ第一攪拌装置の攪拌で排水
に酸化剤を迅速且つ均一に混合させられることとなり、
酸化剤で効率よく金属イオンを酸化させられ、金属イオ
ンの酸化析出を確実に行わせることができる。また、凝
集槽に流入した排水に凝集剤注入装置から凝集剤を注入
し、さらに第二攪拌装置で攪拌することにより、排水に
含まれる金属及び金属化合物が凝集したフロックを粗大
化させられ、フロックを壊れにくくすると共に沈降しや
すくして排水との分離が容易となる。さらに、沈殿槽内
に複数の傾斜板を配設し、各傾斜板の間を下から上に進
む排水に対して、傾斜板が排水の上昇に伴うフロックの
上昇を抑えることにより、凝集後のフロックを確実に排
水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な上澄みの
状態とすることができ、外部への放流が問題なく行え
る。
【0016】また、本発明に係る金属含有排水処理装置
は必要に応じて、前記凝集槽の前段に配設され、酸化剤
を注入されて攪拌された排水を流入させる所定の酸化槽
と、当該酸化槽内で排水に対し空気を吹込んで排水中の
金属イオンの空気酸化を行う所定の曝気装置とを備え、
前記酸化槽から排水を前記凝集槽に流入させるものであ
る。このように本発明においては、凝集槽の前段に酸化
槽を配設すると共に、この酸化槽に曝気装置を配設し、
酸化槽内の排水に対し空気を吹込み、排水と空気との接
触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることによ
り、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進行
させて金属イオンの酸化析出を促進させることができ、
pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中の金
属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として析出
させて除去できる。
は必要に応じて、前記凝集槽の前段に配設され、酸化剤
を注入されて攪拌された排水を流入させる所定の酸化槽
と、当該酸化槽内で排水に対し空気を吹込んで排水中の
金属イオンの空気酸化を行う所定の曝気装置とを備え、
前記酸化槽から排水を前記凝集槽に流入させるものであ
る。このように本発明においては、凝集槽の前段に酸化
槽を配設すると共に、この酸化槽に曝気装置を配設し、
酸化槽内の排水に対し空気を吹込み、排水と空気との接
触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることによ
り、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進行
させて金属イオンの酸化析出を促進させることができ、
pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中の金
属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として析出
させて除去できる。
【0017】また、本発明に係る金属含有排水処理装置
は必要に応じて、前記沈殿槽における排水の上澄みを流
入させ、必要に応じて外部に放流する所定の放流槽と、
前記排水が前記放流槽の上限水位に達した場合に放流槽
の排出用バルブを開放して排水を外部に放流し、且つ排
水が放流槽の下限水位となった場合には前記排出用バル
ブを閉じる一方、排水が下限水位から上限水位に達する
までの時間を計測して放流槽への排水流入状態を監視す
る所定の流量監視装置とを備えるものである。このよう
に本発明においては、沈殿槽から排水を流入させる放流
槽を配設すると共に、放流槽の排出用バルブを制御し、
且つ放流槽への排水流入状態を監視する流量監視装置を
配設し、放流槽の上限水位と下限水位とが検知されて排
出用バルブの開閉が行われると共に、排水の下限水位か
ら上限水位に達するまでの所要時間が計測されることに
より、この所要時間とあらかじめ設定した基準時間との
比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの
詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所
要時間の基準時間に対する増大から検知することがで
き、各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得
られる。また、流量監視装置による排出用バルブ開閉数
のカウントで放流量が把握でき、全処理水量を自動的に
計量可能となり、流量計を設置せずに処理水量を計量で
きることとなる。
は必要に応じて、前記沈殿槽における排水の上澄みを流
入させ、必要に応じて外部に放流する所定の放流槽と、
前記排水が前記放流槽の上限水位に達した場合に放流槽
の排出用バルブを開放して排水を外部に放流し、且つ排
水が放流槽の下限水位となった場合には前記排出用バル
ブを閉じる一方、排水が下限水位から上限水位に達する
までの時間を計測して放流槽への排水流入状態を監視す
る所定の流量監視装置とを備えるものである。このよう
に本発明においては、沈殿槽から排水を流入させる放流
槽を配設すると共に、放流槽の排出用バルブを制御し、
且つ放流槽への排水流入状態を監視する流量監視装置を
配設し、放流槽の上限水位と下限水位とが検知されて排
出用バルブの開閉が行われると共に、排水の下限水位か
ら上限水位に達するまでの所要時間が計測されることに
より、この所要時間とあらかじめ設定した基準時間との
比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの
詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所
要時間の基準時間に対する増大から検知することがで
き、各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得
られる。また、流量監視装置による排出用バルブ開閉数
のカウントで放流量が把握でき、全処理水量を自動的に
計量可能となり、流量計を設置せずに処理水量を計量で
きることとなる。
【0018】また、本発明に係る金属含有排水処理装置
は必要に応じて、前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前
記放流槽に至る流路の途中に配設され、水面に浮遊する
異物を排水の上澄みから分離するスカムストッパーを備
えるものである。このように本発明においては、沈殿槽
から放流槽に至る流路の途中にスカムストッパーを配設
し、このスカムストッパーが排水の水面上に浮遊する異
物の後段への移動を妨げ、排水水面上の異物も確実に排
水から分離することにより、沈殿槽から清浄な上澄みの
みを後段の放流槽に流入させられ、外部への放流が問題
なく行え、且つ排水の再利用も可能になると共に、放流
槽から外部に至る排出経路の異物による詰り等も防止で
きる。
は必要に応じて、前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前
記放流槽に至る流路の途中に配設され、水面に浮遊する
異物を排水の上澄みから分離するスカムストッパーを備
えるものである。このように本発明においては、沈殿槽
から放流槽に至る流路の途中にスカムストッパーを配設
し、このスカムストッパーが排水の水面上に浮遊する異
物の後段への移動を妨げ、排水水面上の異物も確実に排
水から分離することにより、沈殿槽から清浄な上澄みの
みを後段の放流槽に流入させられ、外部への放流が問題
なく行え、且つ排水の再利用も可能になると共に、放流
槽から外部に至る排出経路の異物による詰り等も防止で
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態に係
る金属含有排水処理装置を図1ないし図3に基づいて説
明する。図1は本実施の形態に係る金属含有排水処理装
置の概略構成説明図、図2は本実施の形態に係る金属含
有排水処理装置の平面図、図3は本実施の形態に係る金
属含有排水処理装置のブロック図である。
る金属含有排水処理装置を図1ないし図3に基づいて説
明する。図1は本実施の形態に係る金属含有排水処理装
置の概略構成説明図、図2は本実施の形態に係る金属含
有排水処理装置の平面図、図3は本実施の形態に係る金
属含有排水処理装置のブロック図である。
【0020】前記各図に示すように、本実施の形態に係
る金属含有排水処理装置1は、金属及び/又は金属イオ
ンを含む排水を外部から取水ポンプ110により所定流
量で供給され、排水に対するpH調整や酸化剤注入が行
われる中和攪拌槽10と、この中和攪拌槽10から排水
を流入させ、排水中の金属イオンの酸化を進行させる酸
化槽20と、この酸化槽20から排水を流入させ、排水
中の金属分を凝集させてフロックとする凝集槽30と、
この凝集槽30と連結されて配設され、凝集槽30から
排水を流入させ、前記フロックを沈降させる沈殿槽40
と、この沈殿槽40からフロックを除いた排水を流入さ
せ、必要に応じて外部に放流する放流槽50とを備える
構成である。
る金属含有排水処理装置1は、金属及び/又は金属イオ
ンを含む排水を外部から取水ポンプ110により所定流
量で供給され、排水に対するpH調整や酸化剤注入が行
われる中和攪拌槽10と、この中和攪拌槽10から排水
を流入させ、排水中の金属イオンの酸化を進行させる酸
化槽20と、この酸化槽20から排水を流入させ、排水
中の金属分を凝集させてフロックとする凝集槽30と、
この凝集槽30と連結されて配設され、凝集槽30から
排水を流入させ、前記フロックを沈降させる沈殿槽40
と、この沈殿槽40からフロックを除いた排水を流入さ
せ、必要に応じて外部に放流する放流槽50とを備える
構成である。
【0021】前記中和攪拌槽10は、所定の略箱状容器
である処理槽本体100内における隅部の一区画として
処理槽本体100内の他の部分と区切られて形成され、
前記酸化槽20とは下部の一部分で連通する構成であ
る。この中和攪拌槽10と組合わせて、中和攪拌槽10
内の排水に対し所定のpH調整剤(硫酸などの酸性剤、
水酸化ナトリウムなどのアルカリ性剤)を注入して排水
のpHをあらかじめ設定された範囲内(pH7.5ない
し8.6の範囲)に調整するpH調整装置11と、中和
攪拌槽10内の排水にあらかじめ設定された所定割合で
酸化剤を注入する酸化剤注入装置12とが用いられる。
また、中和攪拌槽10内には、排水をpH調整剤及び酸
化剤と共に攪拌し、排水とpH調整剤、酸化剤とを均一
に混合する第一攪拌装置13が配設される。
である処理槽本体100内における隅部の一区画として
処理槽本体100内の他の部分と区切られて形成され、
前記酸化槽20とは下部の一部分で連通する構成であ
る。この中和攪拌槽10と組合わせて、中和攪拌槽10
内の排水に対し所定のpH調整剤(硫酸などの酸性剤、
水酸化ナトリウムなどのアルカリ性剤)を注入して排水
のpHをあらかじめ設定された範囲内(pH7.5ない
し8.6の範囲)に調整するpH調整装置11と、中和
攪拌槽10内の排水にあらかじめ設定された所定割合で
酸化剤を注入する酸化剤注入装置12とが用いられる。
また、中和攪拌槽10内には、排水をpH調整剤及び酸
化剤と共に攪拌し、排水とpH調整剤、酸化剤とを均一
に混合する第一攪拌装置13が配設される。
【0022】前記酸化槽20は、処理槽本体100内に
前記中和攪拌槽10に隣接する区画として形成され、下
部の所定箇所で中和攪拌槽10と、また、これに対向す
る箇所で処理槽本体100における別の隅部で一区画を
なす変流槽70とそれぞれ連通する構成である。酸化槽
20内には、酸化槽20内の排水に対し空気を吹込んで
排水中の金属イオンの空気酸化を行う曝気装置21が配
設され、排水中の金属イオンを曝気により空気酸化さ
せ、酸化剤による酸化と合わせて金属イオンの酸化を促
す仕組みである。
前記中和攪拌槽10に隣接する区画として形成され、下
部の所定箇所で中和攪拌槽10と、また、これに対向す
る箇所で処理槽本体100における別の隅部で一区画を
なす変流槽70とそれぞれ連通する構成である。酸化槽
20内には、酸化槽20内の排水に対し空気を吹込んで
排水中の金属イオンの空気酸化を行う曝気装置21が配
設され、排水中の金属イオンを曝気により空気酸化さ
せ、酸化剤による酸化と合わせて金属イオンの酸化を促
す仕組みである。
【0023】前記凝集槽30は、処理槽本体100内に
おける前記中和攪拌槽10の反対側となる隅部の区画と
して形成され、前記酸化槽20と前記変流槽70を介し
て連通する一方、所定の整流槽80を介して前記沈殿槽
40と連通する構成である。この凝集槽30と組合わせ
て、凝集槽30内の排水に対しあらかじめ設定された所
定割合で高分子凝集剤を注入する凝集剤注入装置31が
用いられる。また、凝集槽30内には、凝集槽30内の
排水を注入された凝集剤と共に攪拌する第二攪拌装置3
2が配設される。この第二攪拌装置32が高分子凝集剤
を注入された排水に対し攪拌動作を行い、金属及び金属
化合物が凝集したフロック43を粗大化させる。このフ
ロック43を含んだ排水が凝集槽30下部から整流槽8
0に移り、整流槽80内を上昇した後、排水は整流槽8
0内の仕切板80aを越えて沈殿槽40寄り部分に移
り、さらに下降して沈殿槽40に向う仕組みである。
おける前記中和攪拌槽10の反対側となる隅部の区画と
して形成され、前記酸化槽20と前記変流槽70を介し
て連通する一方、所定の整流槽80を介して前記沈殿槽
40と連通する構成である。この凝集槽30と組合わせ
て、凝集槽30内の排水に対しあらかじめ設定された所
定割合で高分子凝集剤を注入する凝集剤注入装置31が
用いられる。また、凝集槽30内には、凝集槽30内の
排水を注入された凝集剤と共に攪拌する第二攪拌装置3
2が配設される。この第二攪拌装置32が高分子凝集剤
を注入された排水に対し攪拌動作を行い、金属及び金属
化合物が凝集したフロック43を粗大化させる。このフ
ロック43を含んだ排水が凝集槽30下部から整流槽8
0に移り、整流槽80内を上昇した後、排水は整流槽8
0内の仕切板80aを越えて沈殿槽40寄り部分に移
り、さらに下降して沈殿槽40に向う仕組みである。
【0024】前記沈殿槽40は、処理槽本体100内に
前記整流槽80を挟んで凝集槽30に隣合う区画として
形成され、下部の所定箇所で整流槽80と連通する構成
である。沈殿槽40内下部には、所定間隔で傾斜状態に
配置される複数の略板状体からなり、この略板状体の間
に下から上に通される排水中に凝集している金属分のフ
ロック43を排水から分離させる傾斜板41が配設され
る。また、沈殿槽40上部には、排水の水面に浮遊する
異物44を排水から分離するスカムストッパー42が配
設される構成である。さらに、沈殿槽40の底部には、
沈殿槽40の底にたまった汚泥(フロック43)を排出
するための汚泥排出用バルブ45が配設される。
前記整流槽80を挟んで凝集槽30に隣合う区画として
形成され、下部の所定箇所で整流槽80と連通する構成
である。沈殿槽40内下部には、所定間隔で傾斜状態に
配置される複数の略板状体からなり、この略板状体の間
に下から上に通される排水中に凝集している金属分のフ
ロック43を排水から分離させる傾斜板41が配設され
る。また、沈殿槽40上部には、排水の水面に浮遊する
異物44を排水から分離するスカムストッパー42が配
設される構成である。さらに、沈殿槽40の底部には、
沈殿槽40の底にたまった汚泥(フロック43)を排出
するための汚泥排出用バルブ45が配設される。
【0025】前記放流槽50は、前記中和攪拌槽10と
隣合うと共に前記沈殿槽40に隣接する隅部の区画とし
て処理槽本体100内に形成され、沈殿槽40との仕切
り部分の上端を越えた排水を流入させ、この排水を一時
的に貯留した後、外部へ放流する構成である。この放流
槽50と組合わせて、排水の放流槽50内における水位
を検知する水位センサ51と、開閉により放流状態と貯
留状態を切替えて放流槽50内の水量を調整する放流用
バルブ52とを備える構成である。また、水位センサ5
1の検出情報を基に放流用バルブ52を開閉制御する流
量監視装置60が別途配設され、この流量監視装置60
により、水位センサ51が上限水位を検知すると放流用
バルブ52を開放させ、水位センサ51が下限水位を検
知すると放流用バルブ52を閉止させる制御が行われ
る。この流量監視装置60は、放流用バルブ52の開閉
回数をカウントし、この開閉回数及び既知である放流槽
50の前記下限水位から上限水位までの貯留水量を用い
て、全処理水量を自動的に計量する仕組みも備え、流量
計を設置せずに処理水量を計量できる。
隣合うと共に前記沈殿槽40に隣接する隅部の区画とし
て処理槽本体100内に形成され、沈殿槽40との仕切
り部分の上端を越えた排水を流入させ、この排水を一時
的に貯留した後、外部へ放流する構成である。この放流
槽50と組合わせて、排水の放流槽50内における水位
を検知する水位センサ51と、開閉により放流状態と貯
留状態を切替えて放流槽50内の水量を調整する放流用
バルブ52とを備える構成である。また、水位センサ5
1の検出情報を基に放流用バルブ52を開閉制御する流
量監視装置60が別途配設され、この流量監視装置60
により、水位センサ51が上限水位を検知すると放流用
バルブ52を開放させ、水位センサ51が下限水位を検
知すると放流用バルブ52を閉止させる制御が行われ
る。この流量監視装置60は、放流用バルブ52の開閉
回数をカウントし、この開閉回数及び既知である放流槽
50の前記下限水位から上限水位までの貯留水量を用い
て、全処理水量を自動的に計量する仕組みも備え、流量
計を設置せずに処理水量を計量できる。
【0026】また、流量監視装置60は、処理装置全体
の自動運転用の制御部として、取水ポンプ110、酸化
剤注入装置12、第一攪拌装置13、曝気装置21、凝
集剤注入装置31、第二攪拌装置32、及び沈殿槽40
の各制御にも用いられる。流量監視装置60は、水位セ
ンサ51が下限水位を検知してから上限水位を検知する
までの所要時間を計測し、あらかじめ設定された所定の
基準時間(定常状態の前記所要時間に相当)との比較を
行うことで、放流槽50より前段側の各配水管類の閉塞
状態や取水ポンプ110の作動異常状態を監視し、前記
所要時間が基準時間に対して二倍程度長くなるなどの異
常時には全ての装置の停止制御を行える仕組みである。
の自動運転用の制御部として、取水ポンプ110、酸化
剤注入装置12、第一攪拌装置13、曝気装置21、凝
集剤注入装置31、第二攪拌装置32、及び沈殿槽40
の各制御にも用いられる。流量監視装置60は、水位セ
ンサ51が下限水位を検知してから上限水位を検知する
までの所要時間を計測し、あらかじめ設定された所定の
基準時間(定常状態の前記所要時間に相当)との比較を
行うことで、放流槽50より前段側の各配水管類の閉塞
状態や取水ポンプ110の作動異常状態を監視し、前記
所要時間が基準時間に対して二倍程度長くなるなどの異
常時には全ての装置の停止制御を行える仕組みである。
【0027】ただし、処理装置の運転開始直後や、沈殿
槽40の底にたまった汚泥の排出を行った時には、正常
にもかかわらず前記所要時間が長くなるので、あらかじ
め設定された装置全体又は沈殿槽40に排水が十分たま
るまでの時間を前記所要時間から差引いた上で基準時間
との比較を行う。そして、前記各状態の後、放流槽50
の水位センサ51が上限水位に達した場合は、処理装置
全体に排水が十分あると判断し、定常状態としてそのま
ま前記所要時間と基準時間の比較を行う。
槽40の底にたまった汚泥の排出を行った時には、正常
にもかかわらず前記所要時間が長くなるので、あらかじ
め設定された装置全体又は沈殿槽40に排水が十分たま
るまでの時間を前記所要時間から差引いた上で基準時間
との比較を行う。そして、前記各状態の後、放流槽50
の水位センサ51が上限水位に達した場合は、処理装置
全体に排水が十分あると判断し、定常状態としてそのま
ま前記所要時間と基準時間の比較を行う。
【0028】さらに、pH調整装置11では、中和攪拌
槽10内所定位置に配設されるpHセンサ11aの検知
に基づき、中和攪拌槽10内の排水に対しpH調整剤を
適宜注入し、排水のpHを適正範囲内に調整している
が、排水のpHが適正範囲を越えた状態が所定時間続い
た場合には、pH調整装置11から流量監視装置60に
異常情報が送られ、流量監視装置60による装置全体の
停止制御が行われる。特に、酸化剤として塩素剤を用い
る場合で、排水のpHが適正範囲から酸性側に外れて所
定値以下となった際には、有毒な塩素ガス発生を防止す
るために、前記同様に流量監視装置60に異常情報が送
られ、流量監視装置60が酸化剤注入装置12による酸
化剤注入を停止させる。
槽10内所定位置に配設されるpHセンサ11aの検知
に基づき、中和攪拌槽10内の排水に対しpH調整剤を
適宜注入し、排水のpHを適正範囲内に調整している
が、排水のpHが適正範囲を越えた状態が所定時間続い
た場合には、pH調整装置11から流量監視装置60に
異常情報が送られ、流量監視装置60による装置全体の
停止制御が行われる。特に、酸化剤として塩素剤を用い
る場合で、排水のpHが適正範囲から酸性側に外れて所
定値以下となった際には、有毒な塩素ガス発生を防止す
るために、前記同様に流量監視装置60に異常情報が送
られ、流量監視装置60が酸化剤注入装置12による酸
化剤注入を停止させる。
【0029】一方、沈殿槽40に対しては、取水ポンプ
110の稼働時間から求められる取水量があらかじめ設
定した量に達すると、流量監視装置60が沈殿槽40の
底の汚泥排出用バルブ45を所定時間開放させ、沈殿槽
40の底にたまった汚泥を排出させる。この他、流量監
視装置60は、放流用バルブ52開放時に、水位センサ
51の検知水位に変化が見られない場合、排出異常と判
断して装置全体を停止させる制御も行う。そして、前記
した各停止制御等を行う場合に、同時に流量監視装置6
0はブザーやランプ等の警報出力手段を動作させて管理
者に異常状態を知らせる仕組みとなっている。
110の稼働時間から求められる取水量があらかじめ設
定した量に達すると、流量監視装置60が沈殿槽40の
底の汚泥排出用バルブ45を所定時間開放させ、沈殿槽
40の底にたまった汚泥を排出させる。この他、流量監
視装置60は、放流用バルブ52開放時に、水位センサ
51の検知水位に変化が見られない場合、排出異常と判
断して装置全体を停止させる制御も行う。そして、前記
した各停止制御等を行う場合に、同時に流量監視装置6
0はブザーやランプ等の警報出力手段を動作させて管理
者に異常状態を知らせる仕組みとなっている。
【0030】次に、前記構成に基づく金属含有排水処理
装置の処理動作について説明する。まず、中和攪拌槽1
0に対し、外部から所定の金属及び/又は金属イオンを
含む排水が取水ポンプ110により供給される。中和攪
拌槽10内の排水に対しては、pH調整装置11がpH
センサ11aにより検知した排水のpHに応じて、pH
調整剤としての酸性剤、又はアルカリ性剤を検出pH値
に対応する量注入して排水のpHをあらかじめ設定され
た範囲内に調整する。
装置の処理動作について説明する。まず、中和攪拌槽1
0に対し、外部から所定の金属及び/又は金属イオンを
含む排水が取水ポンプ110により供給される。中和攪
拌槽10内の排水に対しては、pH調整装置11がpH
センサ11aにより検知した排水のpHに応じて、pH
調整剤としての酸性剤、又はアルカリ性剤を検出pH値
に対応する量注入して排水のpHをあらかじめ設定され
た範囲内に調整する。
【0031】同時に、中和攪拌槽10内の排水に対し、
酸化剤注入装置12から所定の酸化剤が注入され、第一
攪拌装置13が排水をpH調整剤及び酸化剤と共に攪拌
し、排水とpH調整剤、酸化剤とを均一に混合し、排水
中の金属イオンを酸化させて金属及び/又は金属化合物
として析出させる。攪拌された排水は中和攪拌槽10下
部から隣接する酸化槽20に流入する。
酸化剤注入装置12から所定の酸化剤が注入され、第一
攪拌装置13が排水をpH調整剤及び酸化剤と共に攪拌
し、排水とpH調整剤、酸化剤とを均一に混合し、排水
中の金属イオンを酸化させて金属及び/又は金属化合物
として析出させる。攪拌された排水は中和攪拌槽10下
部から隣接する酸化槽20に流入する。
【0032】酸化槽20内では、排水に対し曝気装置2
1を用いて空気を吹込んで排水中の金属イオンの空気酸
化が行われる。十分に空気を吹込まれた排水は酸化槽2
0下部から変流槽70を通じて凝集槽30に流入する。
凝集槽30内に流入した排水に対しては、凝集剤注入装
置31から高分子凝集剤が注入されると共に、第二攪拌
装置32による攪拌が行われ、金属分をフロック43と
して凝集させる。フロック凝集状態の排水は凝集槽30
下部から整流槽80に入り、整流槽80内の凝集槽30
寄り部分を一旦上昇した後、仕切板80aを越えて整流
槽80内の沈殿槽40寄り部分を下降し、整流槽80下
部から隣の沈殿槽40に流入する。凝集槽30を出た排
水を整流槽80で整流していることから、第二攪拌装置
32の攪拌動作によって発生する排水の流れの脈動が沈
澱槽40内に伝わらず、沈澱槽40内におけるフロック
43の沈降を促進させられる。
1を用いて空気を吹込んで排水中の金属イオンの空気酸
化が行われる。十分に空気を吹込まれた排水は酸化槽2
0下部から変流槽70を通じて凝集槽30に流入する。
凝集槽30内に流入した排水に対しては、凝集剤注入装
置31から高分子凝集剤が注入されると共に、第二攪拌
装置32による攪拌が行われ、金属分をフロック43と
して凝集させる。フロック凝集状態の排水は凝集槽30
下部から整流槽80に入り、整流槽80内の凝集槽30
寄り部分を一旦上昇した後、仕切板80aを越えて整流
槽80内の沈殿槽40寄り部分を下降し、整流槽80下
部から隣の沈殿槽40に流入する。凝集槽30を出た排
水を整流槽80で整流していることから、第二攪拌装置
32の攪拌動作によって発生する排水の流れの脈動が沈
澱槽40内に伝わらず、沈澱槽40内におけるフロック
43の沈降を促進させられる。
【0033】沈殿槽40では、流入した排水が沈殿槽4
0内に所定間隔で傾斜状態に配置された複数の傾斜板4
1の間を下から上に通る際に、排水中のフロック43が
傾斜板で上昇を抑えられて排水から分離し、沈殿槽40
上部には排水の上澄みが得られた状態となる。分離した
フロック43は傾斜板41から下方に沈降して沈殿槽4
0底部にたまり、必要に応じ外部に排出される。沈殿槽
40における排水の上澄みは沈殿槽40と放流槽50と
の間の仕切り部分を越えて放流槽50に流入するが、こ
の仕切り部分の直前に配設されるスカムストッパー42
により、水面に浮遊する異物44も排水から確実に分離
されて取除かれ、清浄な排水のみ放流槽50に流入す
る。
0内に所定間隔で傾斜状態に配置された複数の傾斜板4
1の間を下から上に通る際に、排水中のフロック43が
傾斜板で上昇を抑えられて排水から分離し、沈殿槽40
上部には排水の上澄みが得られた状態となる。分離した
フロック43は傾斜板41から下方に沈降して沈殿槽4
0底部にたまり、必要に応じ外部に排出される。沈殿槽
40における排水の上澄みは沈殿槽40と放流槽50と
の間の仕切り部分を越えて放流槽50に流入するが、こ
の仕切り部分の直前に配設されるスカムストッパー42
により、水面に浮遊する異物44も排水から確実に分離
されて取除かれ、清浄な排水のみ放流槽50に流入す
る。
【0034】放流槽50では、流入する排水の水位を水
位センサ51が検知し、排水が放流槽50の上限水位に
達した場合には流量監視装置60の制御で放流用バルブ
52が開放し、排水を外部に放流させる。放流により排
水が放流槽50の下限水位となった場合には、流量監視
装置60の制御で放流用バルブ52が閉じ、放流を中断
させる。排水が放流槽50に流入する間、これらが繰返
される。一方、流量監視装置60は排水が放流槽50の
下限水位から上限水位に達するまでの時間を計測し、放
流槽50への排水流入状態を監視し、必要に応じて処理
装置各部の制御を行う。
位センサ51が検知し、排水が放流槽50の上限水位に
達した場合には流量監視装置60の制御で放流用バルブ
52が開放し、排水を外部に放流させる。放流により排
水が放流槽50の下限水位となった場合には、流量監視
装置60の制御で放流用バルブ52が閉じ、放流を中断
させる。排水が放流槽50に流入する間、これらが繰返
される。一方、流量監視装置60は排水が放流槽50の
下限水位から上限水位に達するまでの時間を計測し、放
流槽50への排水流入状態を監視し、必要に応じて処理
装置各部の制御を行う。
【0035】このように、本実施の形態に係る金属含有
排水処理装置においては、中和攪拌槽11に供給された
排水のpHを適正範囲に調整すると共に、酸化剤を注入
して攪拌し、続いて中和攪拌槽11の後段の酸化槽20
内で排水に対し空気を吹込み、排水中の金属イオンに空
気酸化を起させることから、排水のpHがいずれの状態
であるかに関わりなく、排水を適切なpHに調整した上
で、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進行
させて金属イオンの酸化析出を促進させることができ、
pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中の金
属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として析出
させられる。また、凝集槽30に流入した排水に高分子
凝集剤を注入して攪拌することから、排水に含まれる金
属及び金属化合物が凝集したフロック43を粗大化させ
られ、フロック43を壊れにくくすると共に沈降しやす
くし、加えて、整流槽80で排水の流速をほぼ一定化し
た後、沈殿槽40内の傾斜板41が排水の上昇に伴うフ
ロックの上昇を抑えることから、凝集後のフロックを確
実に排水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な上
澄みの状態とすることができる。さらに、沈殿槽40の
後段の放流槽50に対し放流用バルブ52を制御する流
量監視装置60が、放流用バルブ52の開閉と共に、排
水の下限水位から上限水位に達するまでの所要時間を計
測し、この所要時間とあらかじめ設定した基準時間とを
比較することで放流槽50への排水流入状態を監視し、
処理装置各部を制御することから、放流槽50への排水
流入が滞る異常状態を前記所要時間の基準時間に対する
増大から検知することができ、各処理段階における常時
の監視と同等の信頼性を得られ、自動運転も確実に行え
て操作の手間を軽減できる。そして、中和攪拌槽10、
酸化槽20、凝集槽30、沈殿槽40、及び放流槽50
を処理槽本体100として一体化していることから、従
来の処理装置に比べて大幅に小型化が実現する。
排水処理装置においては、中和攪拌槽11に供給された
排水のpHを適正範囲に調整すると共に、酸化剤を注入
して攪拌し、続いて中和攪拌槽11の後段の酸化槽20
内で排水に対し空気を吹込み、排水中の金属イオンに空
気酸化を起させることから、排水のpHがいずれの状態
であるかに関わりなく、排水を適切なpHに調整した上
で、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進行
させて金属イオンの酸化析出を促進させることができ、
pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中の金
属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として析出
させられる。また、凝集槽30に流入した排水に高分子
凝集剤を注入して攪拌することから、排水に含まれる金
属及び金属化合物が凝集したフロック43を粗大化させ
られ、フロック43を壊れにくくすると共に沈降しやす
くし、加えて、整流槽80で排水の流速をほぼ一定化し
た後、沈殿槽40内の傾斜板41が排水の上昇に伴うフ
ロックの上昇を抑えることから、凝集後のフロックを確
実に排水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な上
澄みの状態とすることができる。さらに、沈殿槽40の
後段の放流槽50に対し放流用バルブ52を制御する流
量監視装置60が、放流用バルブ52の開閉と共に、排
水の下限水位から上限水位に達するまでの所要時間を計
測し、この所要時間とあらかじめ設定した基準時間とを
比較することで放流槽50への排水流入状態を監視し、
処理装置各部を制御することから、放流槽50への排水
流入が滞る異常状態を前記所要時間の基準時間に対する
増大から検知することができ、各処理段階における常時
の監視と同等の信頼性を得られ、自動運転も確実に行え
て操作の手間を軽減できる。そして、中和攪拌槽10、
酸化槽20、凝集槽30、沈殿槽40、及び放流槽50
を処理槽本体100として一体化していることから、従
来の処理装置に比べて大幅に小型化が実現する。
【0036】なお、前記実施の形態に係る金属含有排水
処理装置においては、排水の最終的なpH値を外部に放
流する場合に適するpHの範囲に入るようpH調整装置
11による調整を行う構成としたが、この処理した排水
を再利用する所定の設備が要求するpH値となるように
調整を行うこともできる。
処理装置においては、排水の最終的なpH値を外部に放
流する場合に適するpHの範囲に入るようpH調整装置
11による調整を行う構成としたが、この処理した排水
を再利用する所定の設備が要求するpH値となるように
調整を行うこともできる。
【0037】
【実施例】本発明の金属含有排水処理装置を用いて排水
処理を行った例を説明する。なお、本実施例では、金属
イオンとして鉄イオンを含む排水を処理する場合につい
て説明する。一般に溶液中において、鉄イオンは次の二
つの状態となっている。
処理を行った例を説明する。なお、本実施例では、金属
イオンとして鉄イオンを含む排水を処理する場合につい
て説明する。一般に溶液中において、鉄イオンは次の二
つの状態となっている。
【0038】Fe2++2OH-⇔Fe(OH)2 Fe3++3OH-⇔Fe(OH)3 鉄イオンは、2価の場合、比較的溶液に溶けやすいもの
の、3価の場合、pHが中性に近い所定範囲では極めて
溶けにくくなっていることから、鉄を酸化剤によりFe
2+からFe3+に酸化(電子を奪われる変化)させること
により、鉄分を難溶性の沈殿物として除去することがで
きる。
の、3価の場合、pHが中性に近い所定範囲では極めて
溶けにくくなっていることから、鉄を酸化剤によりFe
2+からFe3+に酸化(電子を奪われる変化)させること
により、鉄分を難溶性の沈殿物として除去することがで
きる。
【0039】Fe2+−e-→Fe3+ 鉄を酸化させる酸化剤として、一般的な塩素剤(主成
分:次亜塩素酸ナトリウム)を用いる場合、これを溶液
中に溶かして生じる酸化力の強い次亜塩素酸は、水溶液
のpHにより、二種類の溶存形態をとる。pH7.5よ
り酸性側では、 HClO+H++e-→1/2Cl2+H2O pH7.5よりアルカリ性側では、 ClO-+H2O+2e-→Cl-+2OH- このうち、次亜塩素酸イオンClO-の生じる2電子系
の場合が、鉄の酸化には効率的であり、次亜塩素酸イオ
ンClO-の存在割合を多くするために、溶液をpH
7.5よりアルカリ性とする必要がある。これらの理由
と、工業排水に対するpH値の排水基準(pH5.8〜
8.6)も考慮して、排水のpH設定範囲を7.5〜
8.6とし、排水のpHがこの範囲となるようpH調整
装置11で調整する。
分:次亜塩素酸ナトリウム)を用いる場合、これを溶液
中に溶かして生じる酸化力の強い次亜塩素酸は、水溶液
のpHにより、二種類の溶存形態をとる。pH7.5よ
り酸性側では、 HClO+H++e-→1/2Cl2+H2O pH7.5よりアルカリ性側では、 ClO-+H2O+2e-→Cl-+2OH- このうち、次亜塩素酸イオンClO-の生じる2電子系
の場合が、鉄の酸化には効率的であり、次亜塩素酸イオ
ンClO-の存在割合を多くするために、溶液をpH
7.5よりアルカリ性とする必要がある。これらの理由
と、工業排水に対するpH値の排水基準(pH5.8〜
8.6)も考慮して、排水のpH設定範囲を7.5〜
8.6とし、排水のpHがこの範囲となるようpH調整
装置11で調整する。
【0040】前記したpH設定範囲として前記実施形態
に係る構成の金属含有排水処理装置1を用いて排水を処
理した結果の一例を、金属含有排水処理装置1において
酸化剤を添加しなかった場合(比較例1)、従来の酸化
剤注入及び曝気による酸化を行わない金属含有排水処理
装置を用いた場合(比較例2)の各処理結果と共に図4
に示す。なお、処理条件としては、いずれの場合も高分
子凝集剤を排水1lあたり9ml添加する。また、実施
例では酸化剤として塩素剤を排水1lあたり5ml添加
し、且つ1分あたり100lの曝気(空気吹込み)を行
う。さらに、比較例1では1分あたり100lの曝気を
行うが、塩素剤添加は行わない。
に係る構成の金属含有排水処理装置1を用いて排水を処
理した結果の一例を、金属含有排水処理装置1において
酸化剤を添加しなかった場合(比較例1)、従来の酸化
剤注入及び曝気による酸化を行わない金属含有排水処理
装置を用いた場合(比較例2)の各処理結果と共に図4
に示す。なお、処理条件としては、いずれの場合も高分
子凝集剤を排水1lあたり9ml添加する。また、実施
例では酸化剤として塩素剤を排水1lあたり5ml添加
し、且つ1分あたり100lの曝気(空気吹込み)を行
う。さらに、比較例1では1分あたり100lの曝気を
行うが、塩素剤添加は行わない。
【0041】図4に示すように、実施例においては、原
排水における鉄の含有量が他と比べて多いにもかかわら
ず、各比較例に比べて処理後の鉄の含有量が極めて小さ
く、酸化剤注入による効果が得られていることがわか
る。
排水における鉄の含有量が他と比べて多いにもかかわら
ず、各比較例に比べて処理後の鉄の含有量が極めて小さ
く、酸化剤注入による効果が得られていることがわか
る。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、金属及び
金属イオンを含む排水のpHを調整すると共に、酸化剤
を注入して攪拌し、排水中の金属イオンを酸化させて金
属分として析出させ、金属全てを除去することにより、
排水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水
を適切なpHに調整でき、且つ攪拌で排水に酸化剤を迅
速且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤で効率
よく金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸化析出
を確実に行わせることができるという効果を奏する。ま
た、凝集槽に流入した排水に凝集剤を注入し、さらに攪
拌することにより、排水に含まれる金属及び金属化合物
が凝集したフロックを粗大化させられ、フロックを壊れ
にくくすると共に沈降しやすくして排水との分離が容易
になるという効果を有する。さらに、沈殿槽内に複数の
傾斜した略板状体を配設し、この略板状体の間を下から
上に進む排水に対して、略板状体が排水の上昇に伴うフ
ロックの上昇を抑えることにより、凝集後のフロックを
確実に排水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な
上澄みの状態とすることができ、外部への放流が問題な
く行えるという効果を有する。
金属イオンを含む排水のpHを調整すると共に、酸化剤
を注入して攪拌し、排水中の金属イオンを酸化させて金
属分として析出させ、金属全てを除去することにより、
排水のpHがいずれの状態であるかに関わりなく、排水
を適切なpHに調整でき、且つ攪拌で排水に酸化剤を迅
速且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤で効率
よく金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸化析出
を確実に行わせることができるという効果を奏する。ま
た、凝集槽に流入した排水に凝集剤を注入し、さらに攪
拌することにより、排水に含まれる金属及び金属化合物
が凝集したフロックを粗大化させられ、フロックを壊れ
にくくすると共に沈降しやすくして排水との分離が容易
になるという効果を有する。さらに、沈殿槽内に複数の
傾斜した略板状体を配設し、この略板状体の間を下から
上に進む排水に対して、略板状体が排水の上昇に伴うフ
ロックの上昇を抑えることにより、凝集後のフロックを
確実に排水と分離して除去でき、最終的に排水を清浄な
上澄みの状態とすることができ、外部への放流が問題な
く行えるという効果を有する。
【0043】また、本発明によれば、酸化槽内に流入さ
せた排水に対し曝気装置で空気を吹込み、排水と空気と
の接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることに
より、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進
行させて金属イオンの酸化析出を促進させることがで
き、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中
の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として
析出させて除去できるという効果を有する。
せた排水に対し曝気装置で空気を吹込み、排水と空気と
の接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることに
より、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進
行させて金属イオンの酸化析出を促進させることがで
き、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中
の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として
析出させて除去できるという効果を有する。
【0044】また、本発明によれば、沈殿槽からの排水
を貯留する放流槽に対し、流量監視装置が放流槽の上限
水位と下限水位とを検出して排出用バルブを制御すると
共に、排水の下限水位から上限水位に達するまでの時間
を計測することにより、この下限水位から上限水位に達
するまでの所要時間とあらかじめ設定した基準時間との
比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの
詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所
要時間の基準時間に対する増大から検知することがで
き、各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得
られるという効果を有する。さらに、流量監視装置で全
処理水量を自動的に計量可能となり、流量計を設置せず
に処理水量を計量できるという効果を有する。
を貯留する放流槽に対し、流量監視装置が放流槽の上限
水位と下限水位とを検出して排出用バルブを制御すると
共に、排水の下限水位から上限水位に達するまでの時間
を計測することにより、この下限水位から上限水位に達
するまでの所要時間とあらかじめ設定した基準時間との
比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞や取水ポンプの
詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異常状態を前記所
要時間の基準時間に対する増大から検知することがで
き、各処理段階における常時の監視と同等の信頼性を得
られるという効果を有する。さらに、流量監視装置で全
処理水量を自動的に計量可能となり、流量計を設置せず
に処理水量を計量できるという効果を有する。
【0045】また、本発明によれば、沈殿槽から放流槽
に至る流路の途中に設けられるスカムストッパーが排水
の水面上に浮遊する異物の後段への移動を妨げ、排水水
面上の異物も確実に排水から分離することにより、沈殿
槽から清浄な上澄みのみを後段の放流槽に流入させら
れ、外部への放流が問題なく行え、且つ排水の再利用も
可能になると共に、放流槽から外部に至る排出経路の異
物による詰り等も防止できるという効果を有する。
に至る流路の途中に設けられるスカムストッパーが排水
の水面上に浮遊する異物の後段への移動を妨げ、排水水
面上の異物も確実に排水から分離することにより、沈殿
槽から清浄な上澄みのみを後段の放流槽に流入させら
れ、外部への放流が問題なく行え、且つ排水の再利用も
可能になると共に、放流槽から外部に至る排出経路の異
物による詰り等も防止できるという効果を有する。
【0046】また、本発明によれば、流量監視装置で監
視している放流槽への排水流入状態の変化に応じて、酸
化剤注入装置に対する酸化剤の注入量制御を行い、下限
水位から上限水位に達するまでの所要時間が基準時間よ
り長くなる異常状態には酸化剤注入量を制限することに
より、異常状態で滞った状態の排水に対し酸化剤が過濃
となるのを防ぎ、酸化剤の無駄な消費や過濃な酸化剤と
排水との反応による有毒ガスの発生等を防止できるとい
う効果を有する。
視している放流槽への排水流入状態の変化に応じて、酸
化剤注入装置に対する酸化剤の注入量制御を行い、下限
水位から上限水位に達するまでの所要時間が基準時間よ
り長くなる異常状態には酸化剤注入量を制限することに
より、異常状態で滞った状態の排水に対し酸化剤が過濃
となるのを防ぎ、酸化剤の無駄な消費や過濃な酸化剤と
排水との反応による有毒ガスの発生等を防止できるとい
う効果を有する。
【0047】また、本発明によれば、流量監視装置で監
視している放流槽への排水流入状態の変化に応じて、凝
集剤注入装置に対する凝集剤の注入量制御を行い、下限
水位から上限水位に達するまでの所要時間が基準時間よ
り長くなる異常状態には凝集剤注入量を制限することに
より、異常状態で滞った状態の排水に対し凝集剤が過濃
となるのを防ぎ、凝集剤の無駄な消費を防止できるとい
う効果を有する。
視している放流槽への排水流入状態の変化に応じて、凝
集剤注入装置に対する凝集剤の注入量制御を行い、下限
水位から上限水位に達するまでの所要時間が基準時間よ
り長くなる異常状態には凝集剤注入量を制限することに
より、異常状態で滞った状態の排水に対し凝集剤が過濃
となるのを防ぎ、凝集剤の無駄な消費を防止できるとい
う効果を有する。
【0048】また、本発明によれば、中和攪拌槽に組合
わせてpH調整装置を配設すると共に、酸化剤注入装置
及び第一攪拌装置を配設し、中和攪拌槽に投入された排
水のpHを調整すると共に、酸化剤を注入して攪拌し、
排水中の金属イオンを酸化させることにより、排水のp
Hがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を適切な
pHに調整でき、且つ第一攪拌装置の攪拌で排水に酸化
剤を迅速且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤
で効率よく金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸
化析出を確実に行わせることができるという効果を有す
る。加えて、凝集槽に流入した排水に凝集剤注入装置か
ら凝集剤を注入し、さらに第二攪拌装置で攪拌すること
により、排水に含まれる金属及び金属化合物が凝集した
フロックを粗大化させられ、フロックを壊れにくくする
と共に沈降しやすくして排水との分離が容易となるとい
う効果を有する。さらに、沈殿槽内に複数の傾斜板を配
設し、各傾斜板の間を下から上に進む排水に対して、傾
斜板が排水の上昇に伴うフロックの上昇を抑えることに
より、凝集後のフロックを確実に排水と分離して除去で
き、最終的に排水を清浄な上澄みの状態とすることがで
き、外部への放流が問題なく行えるという効果を有す
る。
わせてpH調整装置を配設すると共に、酸化剤注入装置
及び第一攪拌装置を配設し、中和攪拌槽に投入された排
水のpHを調整すると共に、酸化剤を注入して攪拌し、
排水中の金属イオンを酸化させることにより、排水のp
Hがいずれの状態であるかに関わりなく、排水を適切な
pHに調整でき、且つ第一攪拌装置の攪拌で排水に酸化
剤を迅速且つ均一に混合させられることとなり、酸化剤
で効率よく金属イオンを酸化させられ、金属イオンの酸
化析出を確実に行わせることができるという効果を有す
る。加えて、凝集槽に流入した排水に凝集剤注入装置か
ら凝集剤を注入し、さらに第二攪拌装置で攪拌すること
により、排水に含まれる金属及び金属化合物が凝集した
フロックを粗大化させられ、フロックを壊れにくくする
と共に沈降しやすくして排水との分離が容易となるとい
う効果を有する。さらに、沈殿槽内に複数の傾斜板を配
設し、各傾斜板の間を下から上に進む排水に対して、傾
斜板が排水の上昇に伴うフロックの上昇を抑えることに
より、凝集後のフロックを確実に排水と分離して除去で
き、最終的に排水を清浄な上澄みの状態とすることがで
き、外部への放流が問題なく行えるという効果を有す
る。
【0049】また、本発明によれば、凝集槽の前段に酸
化槽を配設すると共に、この酸化槽に曝気装置を配設
し、酸化槽内の排水に対し空気を吹込み、排水と空気と
の接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることに
より、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進
行させて金属イオンの酸化析出を促進させることがで
き、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中
の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として
析出させて除去できるという効果を有する。
化槽を配設すると共に、この酸化槽に曝気装置を配設
し、酸化槽内の排水に対し空気を吹込み、排水と空気と
の接触に伴って金属イオンに空気酸化を起させることに
より、酸化剤の働きによる酸化と空気酸化とを同時に進
行させて金属イオンの酸化析出を促進させることがで
き、pH調整剤注入に伴う中和析出と合わせて、排水中
の金属イオンを確実に金属及び/又は金属化合物として
析出させて除去できるという効果を有する。
【0050】また、本発明によれば、沈殿槽から排水を
流入させる放流槽を配設すると共に、放流槽の排出用バ
ルブを制御し、且つ放流槽への排水流入状態を監視する
流量監視装置を配設し、放流槽の上限水位と下限水位と
が検知されて排出用バルブの開閉が行われると共に、排
水の下限水位から上限水位に達するまでの所要時間が計
測されることにより、この所要時間とあらかじめ設定し
た基準時間との比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞
や取水ポンプの詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異
常状態を前記所要時間の基準時間に対する増大から検知
することができ、各処理段階における常時の監視と同等
の信頼性を得られるという効果を有する。さらに、流量
監視装置による排出用バルブ開閉数のカウントで放流量
が把握でき、全処理水量を自動的に計量可能となり、流
量計を設置せずに処理水量を計量できるという効果を有
する。
流入させる放流槽を配設すると共に、放流槽の排出用バ
ルブを制御し、且つ放流槽への排水流入状態を監視する
流量監視装置を配設し、放流槽の上限水位と下限水位と
が検知されて排出用バルブの開閉が行われると共に、排
水の下限水位から上限水位に達するまでの所要時間が計
測されることにより、この所要時間とあらかじめ設定し
た基準時間との比較を行い、処理装置各部の配水管閉塞
や取水ポンプの詰りなど、放流槽への排水流入が滞る異
常状態を前記所要時間の基準時間に対する増大から検知
することができ、各処理段階における常時の監視と同等
の信頼性を得られるという効果を有する。さらに、流量
監視装置による排出用バルブ開閉数のカウントで放流量
が把握でき、全処理水量を自動的に計量可能となり、流
量計を設置せずに処理水量を計量できるという効果を有
する。
【0051】また、本発明によれば、沈殿槽から放流槽
に至る流路の途中にスカムストッパーを配設し、このス
カムストッパーが排水の水面上に浮遊する異物の後段へ
の移動を妨げ、排水水面上の異物も確実に排水から分離
することにより、沈殿槽から清浄な上澄みのみを後段の
放流槽に流入させられ、外部への放流が問題なく行え、
且つ排水の再利用も可能になると共に、放流槽から外部
に至る排出経路の異物による詰り等も防止できるという
効果を有する。
に至る流路の途中にスカムストッパーを配設し、このス
カムストッパーが排水の水面上に浮遊する異物の後段へ
の移動を妨げ、排水水面上の異物も確実に排水から分離
することにより、沈殿槽から清浄な上澄みのみを後段の
放流槽に流入させられ、外部への放流が問題なく行え、
且つ排水の再利用も可能になると共に、放流槽から外部
に至る排出経路の異物による詰り等も防止できるという
効果を有する。
【図1】本発明の一実施の形態に係る金属含有排水処理
装置の概略構成説明図である。
装置の概略構成説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る金属含有排水処理
装置の平面図である。
装置の平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る金属含有排水処理
装置のブロック図である。
装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施例における金属含有排水処理装置
の排水処理結果説明図である。
の排水処理結果説明図である。
1 金属含有排水処理装置 10 中和攪拌槽 11 pH調整装置 11a pHセンサ 12 酸化剤注入装置 13 第一攪拌装置 20 酸化槽 21 曝気装置 30 凝集槽 31 凝集剤注入装置 32 第二攪拌装置 40 沈殿槽 41 傾斜板 42 スカムストッパー 43 フロック 44 異物 45 汚泥排出用バルブ 50 放流槽 51 水位センサ 52 放流用バルブ 60 流量監視装置 70 変流槽 80 整流槽 80a 仕切板 100 処理槽本体 110 取水ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/56 C02F 1/56 K 1/72 1/72 Z 1/74 1/74 Z 9/00 502 9/00 502R 502P 502Z 503 503G 504 504B Fターム(参考) 4D015 BA19 BA22 BA23 BA24 CA17 DB01 EA03 EA32 FA01 FA24 FA25 FA28 4D038 AA08 AB66 BA04 BB16 BB18 4D050 AA13 AB55 BB01 BB06 BD02 BD08 CA13 CA16 4D062 BA19 BA22 BA23 BA24 CA17 DB01 EA03 EA32 FA01 FA24 FA25 FA28
Claims (10)
- 【請求項1】 所定の金属及び/又は金属イオンを含む
排水から、少なくとも金属及び金属イオンを除去する金
属含有排水処理方法において、 前記排水に対し所定のpH調整剤を注入して排水のpH
をあらかじめ設定された範囲内に調整し、 当該pH調整後の排水に酸化剤注入装置から所定の酸化
剤を注入して攪拌し、排水中の金属イオンを酸化させて
金属及び/又は金属化合物として析出させ、 当該析出状態の排水を所定の凝集槽内に流入させ、排水
に所定の凝集剤を注入して攪拌し、金属分をフロックと
して凝集させ、 当該フロック凝集状態の排水を凝集槽に隣合う所定の沈
殿槽に流入させ、当該沈殿槽内に所定間隔で傾斜状態に
配置された複数の略板状体の間に前記排水を下から上に
通し、排水中の前記フロックを前記略板状体で排水から
分離させ、沈殿槽上部で排水の上澄みを得ることを特徴
とする金属含有排水処理方法。 - 【請求項2】 前記請求項1に記載の金属含有排水処理
方法において、 前記酸化剤を注入された後の排水を所定の酸化槽に流入
させ、当該酸化槽内で排水に対し所定の曝気装置を用い
て空気を吹込んで排水中の金属イオンの空気酸化を行っ
た後、排水を前記凝集槽に流入させることを特徴とする
金属含有排水処理方法。 - 【請求項3】 前記請求項1又は2に記載の金属含有排
水処理方法において、 前記沈殿槽における排水の上澄みを所定の放流槽に流入
させ、 所定の流量監視装置が、排水が前記放流槽の上限水位に
達した場合に放流槽の排出用バルブを開放して排水を外
部に放流し、且つ排水が放流槽の下限水位となった場合
には前記排出用バルブを閉じる一方、排水が下限水位か
ら上限水位に達するまでの時間を計測して放流槽への排
水流入状態を監視することを特徴とする金属含有排水処
理方法。 - 【請求項4】 前記請求項3に記載の金属含有排水処理
方法において、 前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前記放流槽に至る流
路の途中に配設されるスカムストッパーで水面に浮遊す
る異物を排水の上澄みから分離することを特徴とする金
属含有排水処理方法。 - 【請求項5】 前記請求項1ないし4のいずれかに記載
の金属含有排水処理方法において、 前記流量監視装置による放流槽への排水流入状態の監視
結果に基づき、前記酸化剤注入装置からの酸化剤の注入
量を制御することを特徴とする金属含有排水処理方法。 - 【請求項6】 前記請求項1ないし5のいずれかに記載
の金属含有排水処理方法において、 前記流量監視装置による放流槽への排水流入状態の監視
結果に基づき、前記凝集剤注入装置からの凝集剤の注入
量を制御することを特徴とする金属含有排水処理方法。 - 【請求項7】 金属及び金属イオンを含む排水から、少
なくとも金属及び金属イオンを除去する金属含有排水処
理装置において、 前記排水を供給される中和攪拌槽と、 当該中和攪拌槽内の排水に対し所定のpH調整剤を注入
して排水のpHをあらかじめ設定された範囲内に調整す
るpH調整装置と、 前記中和攪拌槽内のpH調整される排水に所定の酸化剤
を注入する酸化剤注入装置と、 前記中和攪拌槽内に配設され、前記排水をpH調整剤及
び酸化剤と共に攪拌する第一攪拌装置と、 前記攪拌された排水を流入させる所定の凝集槽と、 前記凝集槽内の排水に対し所定量の凝集剤を注入する凝
集剤注入装置と、 前記凝集槽内に配設され、前記排水を凝集剤と共に攪拌
する第二攪拌装置と、 前記凝集槽と連結されて配設され、凝集槽から攪拌され
た排水を流入させる所定の沈殿槽と、 前記沈殿槽内に所定間隔で傾斜状態に配置される複数の
略板状体からなり、当該略板状体の間に下から上に通さ
れる排水中に凝集している金属分のフロックを排水から
分離させて沈殿槽上部に排水の上澄みがたまった状態と
する傾斜板とを備えることを特徴とする金属含有排水処
理装置。 - 【請求項8】 前記請求項7に記載の金属含有排水処理
装置において、 前記凝集槽の前段に配設され、酸化剤を注入されて攪拌
された排水を流入させる所定の酸化槽と、 当該酸化槽内で排水に対し空気を吹込んで排水中の金属
イオンの空気酸化を行う所定の曝気装置とを備え、 前記酸化槽から排水を前記凝集槽に流入させることを特
徴とする金属含有排水処理装置。 - 【請求項9】 前記請求項7又は8に記載の金属含有排
水処理装置において、 前記沈殿槽における排水の上澄みを流入させ、必要に応
じて外部に放流する所定の放流槽と、 前記排水が前記放流槽の上限水位に達した場合に放流槽
の排出用バルブを開放して排水を外部に放流し、且つ排
水が放流槽の下限水位となった場合には前記排出用バル
ブを閉じる一方、排水が下限水位から上限水位に達する
までの時間を計測して放流槽への排水流入状態を監視す
る所定の流量監視装置とを備えることを特徴とする金属
含有排水処理装置。 - 【請求項10】 前記請求項9に記載の金属含有排水処
理装置において、 前記排水の上澄みの前記沈殿槽から前記放流槽に至る流
路の途中に配設され、水面に浮遊する異物を排水の上澄
みから分離するスカムストッパーを備えることを特徴と
する金属含有排水処理装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000148193A JP2001327981A (ja) | 2000-05-19 | 2000-05-19 | 金属含有排水処理方法及びこれを用いる装置 |
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---|---|
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JP2000148193A Pending JP2001327981A (ja) | 2000-05-19 | 2000-05-19 | 金属含有排水処理方法及びこれを用いる装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2017000932A (ja) * | 2015-06-08 | 2017-01-05 | 栗田エンジニアリング株式会社 | 排水の処理方法 |
JP2018083138A (ja) * | 2016-11-21 | 2018-05-31 | 清水建設株式会社 | 金属含有排水の処理システム |
CN113666467A (zh) * | 2021-08-24 | 2021-11-19 | 云南铜业股份有限公司西南铜业分公司 | 一种一体化反应系统及其控制方法 |
JP7376037B1 (ja) * | 2023-07-18 | 2023-11-08 | 政寿 岡田 | スラッジ除去装置 |
-
2000
- 2000-05-19 JP JP2000148193A patent/JP2001327981A/ja active Pending
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