JP2001321589A - 鳩目穴かがりミシンの糸切り装置 - Google Patents
鳩目穴かがりミシンの糸切り装置Info
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Abstract
り、また、上メスと下メスが滑らかに動作可能である鳩
目穴かがりミシンの糸切り装置を提供する。 【解決手段】 被縫製物を所定の方向に移動させる布送
り装置16に設けられ、共通の段ネジ41に対してそれ
ぞれ回動可能に取り付けられた上メス30と下メス32
とを備え、上メス30と下メス32は、前記被縫製物に
施された鳩目穴かがり縫いの縫い終わり位置から延出す
る下糸T1、芯糸T2を、前記縫い終わり位置近傍で、
それぞれの縁部に形成された上刃301、下刃320が
出会うことによって切断する鳩目穴かがりミシンの糸切
り装置20において、糸切断時に、上刃301が下刃3
20に出会う直前まで、下糸T1、芯糸T2が上刃30
1に接触することを防止する上メス下カバー27を備え
る。
Description
とを備える鳩目穴かがりミシンの糸切り装置に関する。
す鳩目穴かがりミシンには、下糸および芯糸を切断する
糸切り装置が設けられている。従来の鳩目穴かがりミシ
ンの糸切り装置における要部を図9に示す。なお、図9
では、下糸と芯糸をまとめて糸Tとして示している。こ
のようなタイプの糸切り装置においては、布地に残る糸
の長さを短くするために、糸Tを切断する上メス1およ
び下メス2が、かがり縫いを施した布地Sの直下に設け
られている。また、上メス1は、その先端に形成されて
いる刃1aが糸Tの経路をまたがるように配置されてい
る。糸切り動作時においては、上メス1および下メス2
が回動し、前記刃1aと下メス2先端の刃2aが出会っ
て糸Tが切断されるようになっている。
が糸Tの経路をまたがるような状態で配置された上メス
が切断動作を行うべく回動すると、その刃1aが下メス
2と出会う前に糸Tに触れてしまうことがある。このよ
うに刃1aが切断前に糸Tに触れてしまうことによっ
て、糸残り長さを所望の長さにできない等の問題が生じ
る。例えば、糸Tの張力が高い場合には、刃1aが糸に
触れるだけで切れてしまうことがある。また、滑りにく
い糸の場合にも、刃1aが触れただけで誤って切断して
しまったり、刃1aが糸を引っ掛けて上メス1の回動と
ともに弛ませてしまうこともある。これらの場合には、
糸が所望の位置以外で切断され、糸残り長さが一定にな
らず、品質の低下につながる。さらに、出来るだけ糸残
り長さを短くするために、上メス1および下メス2は薄
い板状に形成されており、その結果、図9に示すよう
に、布下から引き出された状態の糸Tに対して、浅い角
度で接することになり、よりの荒い糸であると、上メス
1と下メス2による切断時に糸端がばらけてしまうこと
がある。この場合も品質が低下する。
1と下メス2は、共に1つのネジに取り付けられ、この
ネジを支点としていわゆる「はさみ」のように回動動作
するように構成されている。糸を確実に切断するために
は、上メスの刃1aと下メス2の刃2aとの間に互いに
近接する方向に有る程度の圧力がかかっていなければな
らない。従来は、前記ネジ部分において、板バネからな
るワッシャーを介設し、ネジを強く締めることで、刃1
aと刃2a間に圧力を加えていた。しかし、圧力がかか
っている支点から、刃1a、刃2aまでは距離があるこ
とから、刃1aと刃2a間に必要な圧力をかけるために
は、ネジをかなり締め込まなければならない。その結
果、支点部分において摩擦が生じ、この部分において回
転動作の不良を起こすことがあった。これにより、製品
の寿命が短くなってしまったり、支点部分の動作不良が
基で切断後に上メスや下メスが元の状態に復帰せず、ミ
シン針と干渉するという危険性も生じ、大きな問題であ
った。
切り装置において、切断端がきれいな状態で、糸残り長
さが一定であるように切断することを可能とし、また、
上メスと下メスが無理なく滑らかに動作することを可能
とすることにある。
め、請求項1に記載の発明は、たとえば図1、図2に示
すように、被縫製物を所定の方向に移動させる送り装置
(布送り装置16)に設けられ、共通の軸部材(段ネジ
41)に対してそれぞれ回動可能に取り付けられた上メ
ス(30)と下メス(32)とを備え、上メスと下メス
は、前記被縫製物に施された鳩目穴かがり縫いの縫い終
わり位置から延出する糸(下糸T1、芯糸T2)を、前
記縫い終わり位置近傍で、それぞれの縁部に形成された
刃(上刃301、下刃320)が出会うことによって切
断する鳩目穴かがりミシンの糸切り装置(20)におい
て、糸切断時に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前
まで、糸が上メスの刃に接触することを防止する上メス
カバー(上メス下カバー27)を備えることを特徴とす
る。
に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前まで、糸が上
メスの刃に接触することを防止する上メスカバーを備え
ていることから、切断前に上メスの刃が糸に触れること
を防止でき、確実に上メスと下メスが出会う位置で糸を
切断することができるので、糸残り長さを一定にそろえ
ることができる。
図2に示すように、被縫製物を所定の方向に移動させる
送り装置(布送り装置16)に設けられ、共通の軸部材
(段ネジ41)に対してそれぞれ回動可能に取り付けら
れた上メス(30)と下メス(32)とを備え、上メス
と下メスは、前記被縫製物に施された鳩目穴かがり縫い
の縫い終わり位置から延出する糸(下糸T1、芯糸T
2)を、前記縫い終わり位置近傍で、それぞれの縁部に
形成された刃が出会うことによって切断する鳩目穴かが
りミシンの糸切り装置(20)において、薄い板バネか
らなるバネ部材(上メス下カバー27)を一端側が揺動
可能であるように設け、下メスには、糸切断時にバネ部
材に当接可能な当接部(下縁部320b)を設け、糸切
断時に前記当接部がバネ部材に当接することによって、
バネ部材が下方に曲げられることを特徴とする。
に下メスの当接部がバネ部材に当接することによって、
バネ部材が下方に曲げられることから、逆に言えば、下
メスがバネ部材から上方向に向かう反力を受けることに
なり、下メスと上メス間に十分な圧力が与えられること
になる。また、糸切断時にバネ部材から圧力が加えられ
るということは、「共通の軸部材」において上メスと下
メス間にあまり強い圧力を加えなくてもよいことにな
り、回動支点部分の回動時の動作が軽く滑らかな安定し
たものとなり、そのために部材の摩耗なども生じにくく
なる。ここで、バネ部材は、ほぼ平坦な板状に形成され
てもよいし、あるいは屈曲部を有し下メスの回動面に対
して斜めに形成された面を有し、より弾性が高まるよう
な形状にしてもよい。
切り装置において、請求項3に記載の発明は、バネ部材
の前記一端(先端部27e)に、糸切断時に上メスの刃
が下メスの刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に接触
することを防止する上メスカバー部を設けたことを特徴
とする。
に記載の発明の効果に加えて、バネ部材の一端に設けら
れた上メスカバー部が、糸切断時に、上メスの刃が下メ
スの刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に接触するこ
とを防止することから、切断前に上メスの刃が糸に触れ
ることを防止でき、確実に上メスと下メスが出会う位置
で糸を切断することができるので、糸残り長さを一定に
そろえることができる。
2及び図3に示すように、被縫製物を所定の方向に移動
させる送り装置(布送り装置16)に設けられ、共通の
軸部材(段ネジ41)に対してそれぞれ回動可能に取り
付けられた上メス(30)と下メス(32)とを備え、
上メスと下メスは、前記被縫製物に施された鳩目穴かが
り縫いの縫い終わり位置から延出する糸(下糸T1、芯
糸T2)を、前記縫い終わり位置近傍で、それぞれの縁
部に形成された刃(上刃301、下刃320)が出会う
ことによって切断する鳩目穴かがりミシンの糸切り装置
(20)において、薄い板バネからなるバネ部材(上メ
ス下カバー27)を一端側が揺動可能であるように設
け、バネ部材の前記一端に、糸切断時に上メスの刃が下
メスの刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に接触する
ことを防止する上メスカバー(先端部27e)を設け、
下メスには、糸切断時にバネ部材に当接可能な当接部
(下縁部320b)を設け、糸切断時に前記当接部がバ
ネ部材に当接することによって、バネ部材が下方に曲げ
られるとともに、バネ部材によって糸が下方に押し下げ
られ、上メスの刃及び下メスの刃に対する糸の角度が大
きくなることを特徴とする。
に下メスの当接部がバネ部材に当接することによって、
バネ部材が下方に曲げられることから、逆に言えば、下
メスはバネ部材から上方向に向かう反力を受けることに
なり、下メスと上メス間に十分な圧力が与えられること
になる。また、糸切断時にバネ部材から圧力が加えられ
るということは、前記「共通の軸部材」において上メス
と下メス間にあまり強い圧力を加えなくてもよいことに
なり、回動支点部分の回動時の動作が軽く滑らかな安定
したものとなり、そのために部材の摩耗なども生じにく
くなる。
バネ部材によって糸が押し下げられ、上メスの刃および
下メスの刃に対する糸の角度が大きくなることから、切
断時に両方の刃に対して糸がある程度の傾きをもって接
触するようになり、よりの荒い糸であっても糸端がばら
けることなく、きれいな切り口で切断することができ
る。また、バネ部材の一端に設けられた上メスカバー部
が、糸切断時に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前
まで、糸が上メスの刃に接触することを防止することか
ら、切断前に上メスの刃が糸に触れることを防止でき、
確実に上メスと下メスが出会う位置で糸を切断すること
ができるので、糸残り長さを一定にそろえることができ
る。
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一例とし
て、鳩目穴かがりミシン(全体は図示せず)の一部を示
すものである。この鳩目穴かがりミシンは、ボタンホー
ルとして鳩目穴を形成するとともに、上糸と下糸とさら
に縫い目を補強する芯糸により該鳩目穴の周りにかがり
縫いを施すものである。なお、図1において、下方がミ
シンの前側、上方を後ろ側とする。
送り装置(送り装置)16の主要部を示すもので、17
は右送り板、18は左送り板である。右送り板17と左
送り板18は、所定長さ離間して設置されており、これ
らの間には、布切りメス12を含む布切り装置11が設
けられ、一方、図示しないミシンアームにはハンマーが
取り付けられている。そして、布切り装置11と前記ハ
ンマーとの間に載置された被縫製物に対して、ハンマー
が下降して鳩目穴が切り込まれるようになっている。右
送り板17には、右押え駆動部15aによって駆動され
る右押え13aと、該右押え13aの下方に右受け板1
4aが設けられている。また、左送り板18には、左押
え駆動部15bによって駆動される左押え13bと、該
左押え13bの下方に左受け板14bが設けられてい
る。この布送り装置16においては、縫製作業中、右押
え13aと右受け板14aとの間、および左押え13b
と左受け板14bとの間において、被縫製物を挟持した
状態で、布送り装置16全体が、図示しないパルスモー
タによって駆動されて所定の方向に移動するようになっ
ている。なお、右押え13a、左押え13bは、図示し
ない駆動手段により動作する右押え駆動部15aおよび
左押え駆動部15bを介して、所定のタイミングで上下
に駆動されるようになっている。
2を駆動して、かがり縫い終了後に下糸と芯糸を切断す
るもので、右送り板17に設けられている。図2には、
糸切り装置20の各構成要素を示した。上メス30の先
端には上刃301が形成され、下メス32においてはそ
の側縁部が下刃320となっており、上刃301と下刃
320が出会うことで糸を切断するようになっている。
に、布送り装置16内部にネジ22aを介して固定され
たブラケット22に取り付けられたシリンダ21を駆動
源として作動するようになっている。シリンダ21の先
端部にはつめ23が取り付けられており、このつめ23
にコロ25aが係合している。右送り板17の内部に
は、糸切りリンク腕25が設けられており、該糸切りリ
ンク腕25の先端部25cにコロ25aが固定されてい
る。糸切りリンク腕25の他端部には、図2に示すよう
に、軸穴25bが形成されている。この軸穴25bに対
して、糸切り駆動腕29の一端部から突出している軸部
29aが、右送り板17を挿通した状態で、はめ込ま
れ、ネジ37を締めることによって固定されている。
ジ38を介して、連結リンク36の取付部36bの1つ
の穴に回動可能に連結されている。連結リンク36の一
端部には、下方に突出するように形成された下突部36
aが設けられている。右送り板17の中央部には、広く
窪んでいる凹面17bが形成されており、凹面17bに
は、溝17cが形成されている。連結リンク36は、下
突部36aが溝17cに係合した状態でこの凹面17b
内に取り付けられ、溝17cに下突部36aがガイドさ
れて右送り板17の長手方向に摺動可能になっている。
なお、糸切りリンク腕25と連結リンク36間には、上
メス30と下メス32が開く方向にこれら部材を付勢す
るコイルバネ24が掛け渡されている。
ク34を取り付けるためのリンク穴36cが形成され、
下から順に上メスリンク34、下メスリンク35が段ネ
ジ39により回動自在に取り付けられている。上メスリ
ンク34の端部には上方に突出する凸部34aが形成さ
れ、この凸部34aに対して上メス30のリンク取付穴
30aが回動自在にはめ込まれている。また、下メスリ
ンク35には下メス取付穴35aが形成され、この下メ
ス取付穴35aに段ネジ40を介して下メス32の基端
部が回動自在に取り付けられている。
凹面17bより底の浅い側凹部17aが形成され、この
側凹部17aには3つのネジ穴が形成されており、この
側凹部17a上に、下から順に、メス取付板33、下メ
ス32、上メス30が、段ネジ41により取り付けられ
ている。メス取付板33の上面には凹部33aが形成さ
れている。凹部33aに板バネからなる板バネワッシャ
ー47を嵌挿し、段ネジ41は板バネワッシャー47を
挿通している。上メス30には異なる向きに長手方向を
有する2つの案内孔30b、30cが形成され、メス取
付板33に取り付けられた支持ネジ43が案内孔30b
に摺動自在に臨んでいる。他方の案内孔30cには、前
記段ネジ41が挿通している。よって、上メス30は、
前記凸部34aを中心として回動可能であって、支持ネ
ジ43に沿って摺動可能であるとともに、段ネジ41に
対しても段ネジ41に沿って摺動可能であるとともに段
ネジ41の周りを回動可能となっている。また、下メス
32は、段ネジ41を軸として回動自在になっている。
バー27および支持板26が設けられ、これら上メス下
カバー27と支持板26がネジ42a,42bにより右
送り板17及びメス取付板33に対して固定されてい
る。上メス下カバー27は、支持板26と右送り板17
との間に挟まれて固定される基部27aと、この基部2
7aから左方に延出する延出部27bとからなる。段ネ
ジ41の末端は、支持板26から突出しナット43aが
はめ込まれている。したがって、段ネジ41をナット4
3aに対してねじ込むことで、板バネワッシャー47を
介して、上メス30と下メス32間に圧力がかかるよう
になっており、すなわち段ネジ41の締め込み程度を調
整することで上メス30と下メス32間の圧力を調整で
きるようになっている。また、上メス30の上刃301
近傍には、糸たぐり31が取り付けられている。
装置20関連の各部材は、メスカバー28によって被わ
れており、糸切り装置20が作動した際に、被縫製物が
糸切り装置20に巻き込まれないようになっている。ま
た、右送り板17の凹面17bの近傍には開口46が形
成され、この開口46を介してストッパネジ44がネジ
固定部材45に固定され、このストッパネジ44に下メ
ス32の右縁部32bが当接するようになっている。ス
トッパネジ44の固定位置は開口46内において左右方
向に移動可能であり、これにより下メス32の位置が適
宜調節されるようになっている。
ついて、図3に基づいて説明する。図3は、前記ネジ4
2a部分の縦断面図の要部を示すもので、糸たぐり31
は省略している。図3に示すように、右送り板17の左
縁部は縁部に向かって薄くなるように逃げ17dが形成
されている。上メス下カバー27は、バネ性を有する金
属の薄板からなり、前述のように基部27aにおいて、
支持板26と右送り板17との間に挟まれて固定されて
いる。前記延出部27bは、前記逃げ17dに沿うよう
に、第1屈曲部27cで曲げられて上方に立ち上がるよ
うに形成され、さらに、上メス30の直下の第2屈曲部
27dにおいて上メス30の面方向にほぼ平行する方向
に曲げられている。第2屈曲部27dから先の先端部2
7eは、図2に示すように、角部が丸められており、糸
に触れても引っかけたりしないようになっている。
2が開いている状態では、図1および図3の実線で示す
ように、上メス下カバー27の先端部(上メスカバー
部)27eは、上メス30の上刃301下面を下方から
被い、上メス30と下糸T1及び芯糸T2との間に介設
された状態になっている。また、上メス下カバー27
は、板バネからなることから、図3の二点破線で示す仮
想線Mのように、屈曲部27c付近を中心に、延出部2
7bが上下に揺動可能となっている。
ついて図1、図3、図4および図5に基づいて述べる。
図4は、被縫製物に施したかがり縫いを模式的に示しな
がら、糸切り装置20の主要部の糸切り動作時の様子を
順を追って示したもので、符号T1は下糸、T2は芯糸
である。図4(a)は、かがり縫いの縫製後の上メス3
0と下メス32が開放されている様子を示したもので、
図1と同じ状態である。また、前述のように、上メス下
カバー27の先端部27eは、上メスの上刃301の直
下にあって、したがって、上刃301と下糸T1および
芯糸T2の間には、先端部27eが存在する。
て、シリンダ21が、コイルバネ24の付勢力に抗し
て、先端に固定されたつめ23を、図1における右方に
駆動すると、つめ23内に係合しているコロ25aを介
して糸切りリンク腕25の先端部25cが右方に移動す
る。先端部25cが右方に移動することによって、糸切
り駆動腕29は、他端部29bが後方に移動しながら、
軸部29aを軸にして反時計方向に回転する。これによ
り、糸切り駆動腕29を介して、連結リンク36が後方
に押され、連結リンク36の中間部に取り付けられた下
メスリンク35は、共に後方に移動しながら段ネジ39
を軸にして時計方向に回転する。
めると、上メス30は、凸部34aの周りを自在に回動
しつつ、段ネジ41に沿って後方に摺動しながら段ネジ
41の周りを時計方向に回転し始める。同時に、下メス
リンク35にネジ40を介して取り付けられている下メ
ス32は、ネジ40の周りを自在に回動しながら、段ネ
ジ41の周りを反時計方向に回転し始め、図4(b)に
示す状態になる。この状態では、まだ上メス30と下糸
T1と芯糸T2との間には、上メス下カバー27の先端
部27eが存在する。
32は反時計方向に回転し続けると、図4(c)の状態
になる。図4(c)では、上メス30の上刃301は、
上メス下カバー27から離れる。この状態を図5のよう
に裏側から見ると、上刃301は上メス下カバー27か
ら露出し始め、下糸T1と芯糸T2を捕捉し始める。こ
のとき、下メス32は反時計方向に回転し続けているこ
とから、下メス32の下縁部320bが上メス30と上
メス下カバー27との間の図3のP位置まで入りこみ、
上メス下カバー27の上面に当接し弾性力に抗して先端
部27eを仮想線Mに示すように押し曲げる。これによ
り、下糸T1及び芯糸T2も押し下げられる。すなわ
ち、下縁部320bが本発明における当接部となる。さ
らに、上メス30と下メス32が回転すると、図4
(d)に示すように下糸T1と芯糸T2は切断される。
切断後は、シリンダ21が元の状態に戻ると、コイルバ
ネ24の付勢力により、糸切り装置20の各部材が図1
の状態に戻る。下メス32により押し下げられていた上
メス下カバー27も、下メス32が元の状態に戻ると、
それ自身の弾性力により元に戻り先端部27eが上メス
30の上刃301に接触するようになる。
0の上刃301は、糸を切断する直前まで上メス下カバ
ー27によってカバーされて、下糸T1及び芯糸T2と
接触しないことから、切断前に上刃301が糸に触れて
誤切断したり引っかけてたるませてしまうことはなく、
必ず上メス30と下メス32が出会ったところで糸が切
断されるようになり、糸残り長さを短く一定にすること
ができる。また、図3の仮想線で示すように、切断時に
下メス32によって上メス下カバー27の先端部27e
が下方に曲げられることから、下糸T1及び芯糸T2も
押し下げられる。図6にその様子を模式的に示した。図
6においてSは被縫製物である。このように糸が下げら
れると、上メス30および下メス32に対して、糸があ
る程度の傾きをもって接触するようになり、よりの荒い
糸であっても糸端がばらけることなく、きれいな切り口
で切断することができる。
て、上メス下カバー27の弾性力に抗してこれを押し曲
げることから、逆に言えば、上メス下カバー27から下
メス32に対して反力が加えられ、下メス32から上メ
ス30に対して、好ましい圧力が加えられ、十分なメス
圧が得られる。また、板バネワッシャー47の圧力に加
えて、切断時には上メス下カバー27により圧力が加え
られるということは、段ネジ41をあまり強く締め込ま
なくてもよいことになり、回動支点である段ネジ41部
分の動作が軽く滑らかな安定したものとなり、そのため
に部材の摩耗なども生じにくくなる。
れるものではない。例えば、上記実施の形態における上
メス下カバーは、上メスのカバーとしての機能と、下メ
スに対して圧力をかける機能を有していたが、図7及び
図8に示すように、いずれか一方のみでもよい。
側から示した。図7においては、下メス32の代わりに
下メス62を用いる以外は、図5と同様である。下メス
62は、下刃を有する側縁部62aが、下メス32と比
較して短く形成されている。これにより、上メス30及
び下メス62が互いに出会うように回転し上メス30が
下糸T1及び芯糸T2を捕捉するような状態になって
も、下メス62は、上メス30と上メス下カバー27と
の間に入り込むことはない。したがって、上メス下カバ
ー27は下方に押し下げられることはなく、逆に言え
ば、上メス下カバー27によって下メス62と上メス3
0間に圧力が加えられることもない。ここでは、上メス
下カバー27は、上メス30の糸切断前のカバーとして
のみ機能する。
側から示した。図8においては、上メス下カバー27の
代わりに、メス圧部材77を用いる。このメス圧部材7
7は、板バネからなり上メス下カバー27とほぼ同様に
2つの屈曲部を有するような形状に形成されるが、先端
部77aが、先端部27eと異なり短く、上メスのカバ
ーとしての役目はない。一方、上メス30及び下メス3
2が回転し上メス30が下糸T1及び芯糸T2を捕捉す
る状態になると、下メス32は、上メス30とメス圧部
材77との間に入り込んで、メス圧部材77を下方(図
8の手前方向)に押し下げる。これにより、メス圧部材
77により、下メス32と上メス30間に圧力が加えら
れるようになる。
的な形状等は適宜変更可能であり、例えば、上メス下カ
バーの取付位置や具体的な形状も変更可能である。
時に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前まで、糸が
上メスの刃に接触することを防止する上メスカバーを備
えていることから、切断前に上メスの刃が糸に触れるこ
とを防止でき、確実に上メスと下メスが出会う位置で糸
を切断することができるので、糸残り長さを一定にそろ
えることができる。
に下メスの当接部がバネ部材に当接することによって、
バネ部材が下方に曲げられることから、逆に言えば、下
メスがバネ部材から上方向に向かう反力を受けることに
なり、下メスと上メス間に十分な圧力が与えられること
になる。また、糸切断時にバネ部材から圧力が加えられ
るということは、「共通の軸部材」において上メスと下
メス間にあまり強い圧力を加えなくてもよいことにな
り、回動支点部分の回動時の動作が軽く滑らかな安定し
たものとなり、そのために部材の摩耗なども生じにくく
なる。
に記載の発明の効果に加えて、バネ部材の一端に設けら
れた上メスカバー部が、糸切断時に上メスの刃が下メス
の刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に接触すること
を防止することから、切断前に上メスの刃が糸に触れる
ことを防止でき、確実に上メスと下メスが出会う位置で
糸を切断することができるので、糸残り長さを一定にそ
ろえることができる。
に下メスの当接部がバネ部材に当接することによって、
バネ部材が下方に曲げられることから、逆に言えば、下
メスはバネ部材から上方向に向かう反力を受けることに
なり、下メスと上メス間に十分な圧力が与えられること
になる。また、糸切断時にバネ部材から圧力が加えられ
るということは、前記「共通の軸部材」において上メス
と下メス間にあまり強い圧力を加えなくてもよいことに
なり、回動支点部分の回動時の動作が軽く滑らかな安定
したものとなり、そのために部材の摩耗なども生じにく
くなる。さらに、バネ部材が下方に曲げられる際にバネ
部材によって糸が押し下げられ、上メスの刃および下メ
スの刃に対する糸の角度が大きくなることから、切断時
に両方の刃に対して糸がある程度の傾きをもって接触す
るようになり、よりの荒い糸であっても糸端がばらける
ことなく、きれいな切り口で切断することができる。ま
た、バネ部材の一端に設けられた上メスカバー部が、糸
切断時に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前まで、
糸が上メスの刃に接触することを防止することから、切
断前に上メスの刃が糸に触れることを防止でき、確実に
上メスと下メスが出会う位置で糸を切断することができ
るので、糸残り長さを一定にそろえることができる。
示す平面図である。
る。
である。
図である。
様子を模式的に示す図である。
式的に示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】被縫製物を所定の方向に移動させる送り装
置に設けられ、 共通の軸部材に対してそれぞれ回動可能に取り付けられ
た上メスと下メスとを備え、 上メスと下メスは、前記被縫製物に施された鳩目穴かが
り縫いの縫い終わり位置から延出する糸を、前記縫い終
わり位置近傍で、それぞれの縁部に形成された刃が出会
うことによって切断する鳩目穴かがりミシンの糸切り装
置において、 糸切断時に、上メスの刃が下メスの刃に出会う直前ま
で、糸が上メスの刃に接触することを防止する上メスカ
バーを備えることを特徴とする鳩目穴かがりミシンの糸
切り装置。 - 【請求項2】被縫製物を所定の方向に移動させる送り装
置に設けられ、 共通の軸部材に対してそれぞれ回動可能に取り付けられ
た上メスと下メスとを備え、 上メスと下メスは、前記被縫製物に施された鳩目穴かが
り縫いの縫い終わり位置から延出する糸を、前記縫い終
わり位置近傍で、それぞれの縁部に形成された刃が出会
うことによって切断する鳩目穴かがりミシンの糸切り装
置において、 薄い板バネからなるバネ部材を一端側が揺動可能である
ように設け、 下メスには、糸切断時にバネ部材に当接可能な当接部を
設け、 糸切断時に前記当接部がバネ部材に当接することによっ
て、バネ部材が下方に曲げられることを特徴とする鳩目
穴かがりミシンの糸切り装置。 - 【請求項3】バネ部材の前記一端に、糸切断時に上メス
の刃が下メスの刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に
接触することを防止する上メスカバー部を設けたことを
特徴とする請求項2に記載の鳩目穴かがりミシンの糸切
り装置。 - 【請求項4】被縫製物を所定の方向に移動させる送り装
置に設けられ、 共通の軸部材に対してそれぞれ回動可能に取り付けられ
た上メスと下メスとを備え、 上メスと下メスは、前記被縫製物に施された鳩目穴かが
り縫いの縫い終わり位置から延出する糸を、前記縫い終
わり位置近傍で、それぞれの縁部に形成された刃が出会
うことによって切断する鳩目穴かがりミシンの糸切り装
置において、 薄い板バネからなるバネ部材を一端側が揺動可能である
ように設け、 バネ部材の前記一端に、糸切断時に上メスの刃が下メス
の刃に出会う直前まで、糸が上メスの刃に接触すること
を防止する上メスカバーを設け、 下メスには、糸切断時にバネ部材に当接可能な当接部を
設け、 糸切断時に前記当接部がバネ部材に当接することによっ
て、バネ部材が下方に曲げられるとともに、バネ部材に
よって糸が下方に押し下げられ、上メスの刃及び下メス
の刃に対する糸の角度が大きくなることを特徴とする鳩
目穴かがりミシンの糸切り装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000143520A JP4468550B2 (ja) | 2000-05-16 | 2000-05-16 | 鳩目穴かがりミシンの糸切り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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-
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- 2000-05-16 JP JP2000143520A patent/JP4468550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP2228477A3 (en) * | 2009-03-13 | 2015-03-11 | JUKI Corporation | Thread cutting device for sewing machine |
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JP4468550B2 (ja) | 2010-05-26 |
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