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JP2001321177A - 新規耐熱性α−ガラクトシダーゼ遺伝子 - Google Patents

新規耐熱性α−ガラクトシダーゼ遺伝子

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Publication number
JP2001321177A
JP2001321177A JP2000142022A JP2000142022A JP2001321177A JP 2001321177 A JP2001321177 A JP 2001321177A JP 2000142022 A JP2000142022 A JP 2000142022A JP 2000142022 A JP2000142022 A JP 2000142022A JP 2001321177 A JP2001321177 A JP 2001321177A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
galactosidase
enzyme
leu
gene
raffinose
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000142022A
Other languages
English (en)
Inventor
Fusao Tomita
房男 冨田
Koji Sayama
晃司 佐山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd filed Critical Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2000142022A priority Critical patent/JP2001321177A/ja
Publication of JP2001321177A publication Critical patent/JP2001321177A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明は、糸状菌アブシディア・コリン
ピフェラ(Absidia corymbifera)
IFO8084株(以後、8084株と略す)が生産す
るα−ガラクトシダーゼをコードする構造遺伝子の一次
配列、本酵素遺伝子を外来遺伝子として組込んだ発現プ
ラスミドベクターの構築、その形質転換体によるα−ガ
ラクトシダーゼの発現、およびその発現酵素の利用に関
する。 【効果】 本発明により、8084株の染色体DNAか
らクローン化されたα−ガラクトシダーゼ遺伝子は新規
遺伝子であり、また大腸菌を宿主とした遺伝子組換え体
は、8084株と比較して高活性のα−ガラクトシダー
ゼが発現できるため、発現酵素を効率的に製造すること
が可能となった。本酵素は、スクロースとガラクトース
からラフィノースを合成するため、発現酵素を利用する
ことでラフィノースを大量合成製造することが可能とな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糸状菌アブシディ
ア・コリンビフェラ(Absidia corymbifera)から得ら
れた新規耐熱性α−ガラクトシダーゼ遺伝子、本構造遺
伝子を発現プラスミドベクターに連結してなる組換えプ
ラスミド、これを宿主微生物に導入してなる形質転換体
に関するものである。
【0002】本発明により解析に成功したAbsidia cory
mbifera IFO 8084(以下、8084株ということもあ
る)のα−ガラクトシダーゼ遺伝子は新規であり、本構
造遺伝子を発現プラスミドベクターに連結し、得られた
組換えプラスミドを、大腸菌を宿主とする系に導入する
ことにより、α−ガラクトシダーゼを効率的に大量発現
することができ、本酵素を利用する産業分野に安価に大
量供給することが可能になった。
【0003】本構造遺伝子とともに本酵素は従来未知の
新規物質であって、耐熱性にすぐれ、α−ガラクトシド
結合を切断するほか、逆反応として、スクロースとガラ
クトースを基質として、ラフィノースを合成する反応を
触媒する等新規にして有用な特徴を有する。本発明を利
用することにより、この新規耐熱性α−ガラクトシダー
ゼの工業的製造が可能となったので、例えば従来工業的
製造が非常に困難であったラフィノースについて、スク
ロースとガラクトース及び/又はUDP−ガラクトース
を原料としたラフィノースの製造、特に工業的製造に本
発明は有効である。
【0004】
【従来の技術】近年、食生活が多様化する中で、生活習
慣病などが大きく問題視され、消費者の食品および食品
素材に関する意識は高まっている。そのような中、砂糖
の過剰摂取も取り上げられ、低カロリーで生理機能性を
有する新たな甘味料としてのオリゴ糖の開発、生産が重
要視される様になり、その研究も多岐に渡っている。
【0005】発明者らはこのような観点から、ラフィノ
ース(Raffinose)に着目した。ラフィノースは、スク
ロース分子にD−ガラクトースがα1−6結合した構造
をもつ3糖類のオリゴ糖である。自然界では、砂糖の原
料であるビート(サトウダイコン)をはじめ、大豆など
の豆科植物の種子やサトウキビ、蜂蜜、キャベツ、酵
母、じゃがいも、ぶどう、麦類、トウモロコシなど広く
に分布している。用途として甘味料は勿論であるが、ウ
シ精液の冷凍貯蔵の安定剤として、さらには世界各国で
使用されているヒト臓器移植用の輸送液にも配合されて
いる。一方、ヒト腸内細菌に関する研究が進む中、腸内
の有用菌であるビフィズス菌を増殖させる因子として、
難消化性オリゴ糖が注目されるようになり、臨床的研究
の結果、ラフィノースはビフィズス菌増殖効果に優れて
いることが明らかとなり、1993年には厚生省の定める特
定保健用食品素材として認可されている。また、医学臨
床的研究から、ラフィノース経口投与がアレルギーの病
態の一つであるアトピー性皮膚炎に対しても有効なケー
スがあることが明らかとなってきており、この分野でも
研究が進められている。
【0006】ラフィノースは、工業的にはビート糖製造
の際に副産物として回収されている。ビート中のラフィ
ノースは、秋の収穫前後、気温の低下とともに増加する
ことから、凍結に対する生体保護成分として考えられて
いる。しかし、ビート中のラフィノースの含有量は最大
で根茎部重量の0.1%程度に過ぎず、生産量は砂糖の
製造量に大きく関わってくるが、限界がある。今後、上
記の様に、ラフィノースの生理的機能が明らかになると
共に、需要の増加は必須であり、植物からの抽出製造の
みでなく、安価な原料からの合成製品が求められるであ
ろう。
【0007】本発明に先がけて発明者らは、製糖工程で
の砂糖の結晶化を妨げる成分であったラフィノースを分
解する目的で、8084株のα−ガラクトシダーゼ活性
を利用して、ラフィノースの効率的分解法を確立してい
る。このα−ガラクトシダーゼは逆反応として、スクロ
ースとガラクトースを原料として、ラフィノースを合成
することが理論上は可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにα−ガ
ラクトシダーゼは、α−ガラクトシドを分解する本来の
性質を利用して、砂糖の結晶化を妨害するラフィノース
を分解する目的で製糖工業等において利用されるだけで
なく、その逆反応にしたがい、スクロースとガラクトー
スを原料とするラフィノースの製造にも利用することが
できる。
【0009】製糖工業においては、ラフィノースを分解
するために大量のα−ガラクトシダーゼが必要である
し、逆反応を利用するラフィノースの合成にも大量のα
−ガラクトシダーゼが必要である。すなわち、本酵素に
よるラフィノース製造は先にも触れたように、本来の正
反応ではなく、逆反応を利用するため、酵素が少量であ
ったり、反応条件が最適でない場合、極端に効率が悪化
する可能性がある。本発明では、このラフィノース製造
法に十分量のα−ガラクトシダーゼを供給するため、効
率の良い酵素生産を遺伝子レベルでとらえ、且つそれに
成功した。遺伝子工学的な手法を導入し、酵素の大量生
産を行うことを目的とし、本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するためになされたものであって、目的とする微生
物、酵素を遺伝子工学的手法で創製することとした。
【0011】そこで発明者らは、8084株の染色体D
NAからα−ガラクトシダーゼ遺伝子をクローン化し、
その構造遺伝子の一次配列を解明し、これを含むDNA
断片を発現プラスミドベクターに連結し、大腸菌エッシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)(以後、大腸菌と
いうこともある)BL21(DE3)株を形質転換し、菌体を培
養し、α−ガラクトシダーゼを大量発現させた。そし
て、得られたα−ガラクトシダーゼが、すぐれたα−ガ
ラクトシド分解能を有するだけでなく、その逆反応によ
って効率よくラフィノースを合成でき、そして更に70
℃というきわめて高い温度においても活性を有してお
り、耐熱性が極めて高い等の特質を有する点を確認し、
本酵素を従来未知の新規酵素と同定した。以下、本発明
について詳細に説明する。
【0012】8084株のα−ガラクトシダーゼ遺伝子
をクローン化するために、まず酵素精製されたα−ガラ
クトシダーゼタンパク質の内部アミノ酸配列を決定し
た。8084株を培養し、発現されたα−ガラクトシダ
ーゼを硫酸アンモニウム分画および各種カラムクロマト
グラフィーを用いて電気泳動的に単一にまで精製した。
この精製α−ガラクトシダーゼタンパク質をタンパク質
分解酵素で切断し、得られたペプチド鎖群を分離し、そ
れぞれのN−末端アミノ酸配列をペプチドシーケンサー
により解読した。このようにして得られたアミノ酸配列
を基に、オリゴヌクレオチドプライマーを合成した。
【0013】これとは別に調製した8084株の染色体
DNAを鋳型とし、先にプライマーとして合成したオリ
ゴDNAと混合してPCR法により部分的にα−ガラク
トシダーゼ遺伝子を増幅し、これをプローブとした。
【0014】そして、8084株より染色体を抽出し、
得られた染色体からcDNAを合成し、合成cDNAを
プラスミドベクターのマルチクローニングサイトに挿入
し、このプラスミドベクター群を用いて大腸菌等の宿主
を形質転換して、cDNAライブラリーを構築した。こ
のようにして作製した遺伝子ライブラリーの大腸菌コロ
ニーから、コロニーハイブリダイゼーション法でスクリ
ーニングして、陽性のクローンを選別した。陽性クロー
ン株からプラスミドDNAを抽出して、目的のα−ガラ
クトシダーゼ遺伝子を含んでいる可能性のある領域のD
NA塩基配列を解読した。その結果、α−ガラクトシダ
ーゼ遺伝子の構造遺伝子の全DNA塩基配列を決定する
に至った。この塩基配列を配列表の配列番号2に示すが
(図2)、この配列は従来未知の新規遺伝子であった。
また、このDNA塩基配列から、8084株由来のα−
ガラクトシダーゼは、そのアミノ酸配列が配列番号1と
類推される(図1)。
【0015】そして、α−ガラクトシダーゼの構造遺伝
子を完全に含む断片を大腸菌発現プラスミドベクター、
例えばpET32−EK/LICプラスミドベクター
(宝酒造(株))のthioredoxin配列の下流に挿入、連
結して、新たな組換えプラスミドを構築した。このプラ
スミドベクターには大腸菌中で外来遺伝子として連結さ
れた遺伝子を効率的に発現できるプロモーターが導入さ
れており、この組換えプラスミドを大腸菌に形質転換
し、誘導培養することでα−ガラクトシダーゼの大量発
現を可能にした。
【0016】本発明に係るα−ガラクトシダーゼは、次
のような理化学的性質を有し、正反応であるα−ガラク
トシド分解能が高いだけでなく、逆反応としてスクロー
スとガラクトースからラフィノースを合成する性質を有
する点、至適温度域が50〜70℃であって熱に対する
耐性がきわめて高い等のすぐれた特徴を示すものであ
る。このようなα−ガラクトシダーゼは過去に例がな
く、従来未知の新規酵素である。
【0017】(1)作用 本酵素は、正反応として、α−ガラクトシダーゼの定義
(糖鎖の非還元末端のα−ガラクトシド結合を切断す
る、エキソグリコシダーゼ活性を有する)通りの反応を
全般に行い、特に(2)に記載した基質特異性を有す
る。また、逆反応として、スクロースとガラクトースを
基質として、ラフィノースを合成する反応を行う。基質
特異性の試験法、および酵素力価の試験法は(4)に、
逆反応の詳細な反応条件は後記する。
【0018】(2)基質特異性 表1に、本酵素のONPα−ガラクトシドに対する活性
を100%とした時の、各基質の相対活性を示した(正
反応の基質特異性)。その結果、本酵素は、極めてON
Pα−ガラクトシドに高い基質特異性を有していた。
【0019】
【0020】(3)至適pH及び安定pH範囲 図3に、本酵素のpHに対する影響を示した。安定性の
検討は、酵素溶液を各pHの緩衝液中で24時間、4℃
で保持した後、溶液をpH5.5の緩衝液で置換し、基
質をONPα−ガラクトシドを用いて、正反応の酵素活
性を定法に従い測定した。その結果、本酵素の至適pH
は5.5であり、pH5.0から11.0で安定であっ
た。
【0021】(4)力価の測定法 本酵素活性は、ONPG(o−ニトロフェニルα−D−
ガラクトピラノシド)法に従って測定した。酵素反応
は、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)
中、40℃で行った。酵素溶液0.1mlに、0.1M
リン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)を0.2ml加
え、20mM ONPGを0.2ml添加することで反
応を開始し、10分後に0.1Mの炭酸ナトリウム溶液
を5ml添加することで反応を停止させた。生成したo
−ニトロフェノールの量を吸光度415nmで測定し
た。o−ニトロフェニルβ−D−ガラクトピラノシド、
o−ニトロフェニルβ−D−グルコピラノシドを基質と
した時も同様に試験し、生成したo−ニトロフェノール
を定量した。
【0022】ラフィノース、メリビオース、スクロー
ス、ラクトース及びマルトースを基質とした時も、反応
停止を沸騰水に5分間保持することで行った以外、同様
に試験した。その後、ラフィノースを基質とした時は、
ガラクトースUVテストを用いてガラクトースを定量
し、メリビオース、スクロース、ラクトース及びマルト
ースを基質とした時は、グルコスタット法によりグルコ
ースを定量した。ここで、酵素1単位は、本酵素反応条
件下で、1分当たりに1μmolの反応生成物を生じる酵
素量とした。
【0023】(5)至適温度及び安定温度範囲 図4に、本酵素の温度に対する影響を示した。安定性の
検討は、酵素溶液を各温度で20分間保持した後、素早
く4℃に冷却し、基質をONPα−ガラクトシドを用い
て、正反応の酵素活性を定法に従い測定した。その結
果、至適温度は60℃であり、60℃まで安定であっ
た。図面からも明らかなように、本酵素は非常に高い耐
熱性を有する点で、きわめて特徴的である。
【0024】(6)pH、温度等による失活の条件 特に詳細を検討していないが、(3)及び(5)に記載
のpH及び温度の条件、特に安定性において、相対活性
が低下している範囲以上が失活の条件であると考察され
る。また、酵素溶液を沸騰水中に5分間保持した後の酵
素活性消失は確認している。
【0025】(7)精製方法 本Escherichia coli BL21(DE3)-pET32Trx/galαの発現
系には、プラスミドベクターpET32-Ek/LIC由来のHis・T
ag配列が含まれており、無細胞抽出液からアフィニティ
ークロマトグラフィーにより1段階で発現α−ガラクト
シダーゼを精製することができる様に工夫されている。
His・Tag配列は、ヒスチジン残基を6から10個ほど並
べて配した配列で、金属イオンと結合能を有している。
このため発現産物を、金属イオンと結合したHis・Tag R
esinによるキレートクロマトグラフィーによって高効率
に単一タンパク質が精製できる。手法については公知の
事実でありNovagent社の精製マニュアルに従った。その
結果、大腸菌E.coli BL21(DE3)-pET32Trx/galαの無細
胞抽出液から回収率80%以上の高回収率で、α−ガラ
クトシダーゼを単一に精製した。
【0026】(8)分子量及び分子量の測定方法 発現α−ガラクトシダーゼタンパク質の分子量測定は、
タンパク質の精製純度検定と同時に、Laemmli(Laemmli:
Nature(London)、1970、227、680−68
5)の方法に従いSDS−PAGEにより行った。ゲル
の濃度は7.5%とした。タンパク質の染色はCoomassi
e Brilliant Blueを用いた。その結果、分子量は、およ
そ82,000Daと測定された。この値は、遺伝子の
DNA塩基配列から推定されるアミノ酸配列から算出さ
れる分子量82,712Daと類似しており、信頼性が
ある。
【0027】本発明に係る新規耐熱性酵素は、上記した
理化学的性質を有する酵素であればすべてのものが包含
され、例えば配列番号1のアミノ酸配列で示されるタン
パク質もその1例として例示される。その製造方法につ
いても、その遺伝子を含有した新規形質転換体(FER
M BP−7140として生命研に国際寄託されてい
る)をIPTGで誘導培養したり、誘導によることなく
通常培養することにより、本発明に係る新規耐熱性α−
ガラクトシダーゼを得ることができるし、その新規アミ
ノ酸配列の1例が明らかにされたので(配列番号1)、
合成することによっても本酵素を得ることができる。
【0028】本酵素は、正反応であるα−ガラクトシド
結合の分解を高効率で行い、例えばメリビオースやラフ
ィノースを効率的に分解できるだけでなく、逆反応であ
るラフィノース合成を非常に効率的に実施することがで
きる。ラフィノース合成は、スクロース、ガラクトース
(及び/又はUDP−ガラクトース)の存在下、本発明
に係る新規耐熱性α−ガラクトシダーゼを用いてインキ
ュベートすることによって、非常に効率的に実施するこ
とができる。
【0029】ラフィノース合成は、例えば次のようにし
て実施することができる。例えば、本酵素としては、精
製品のほか、粗製品も使用可能であることはもちろんの
こと、形質転換体の培養物、培養液、無細胞抽出液、そ
れらの濃縮物等の少なくともひとつが適宜使用可能であ
る。スクロース、ガラクトースの基質濃度は高い方が良
く、各20%以上、好ましくは25%以上とすると好適
であるが、好適例として、スクロース40〜80%(好
ましくは50〜70%)、ガラクトース5〜45%(好
ましくは15〜35%)が例示される。
【0030】反応pHは、6.0よりも中性〜アルカリ
側とするのが良く、反応温度は、正反応が生じないよう
な高温とするのが良い。具体的には、50℃以上、好ま
しくは60℃以上、更に好ましくは、酵素の安定性はや
や低下するけれども、反応温度を約70℃に設定すれば
よい。
【0031】この場合、本酵素は卓越した耐熱性を有す
る特徴を有するため、ラフィノースの合成を効率的に行
うことがはじめて可能となった点で画期的である。その
うえ、本酵素は高温においても活性を有しているため、
反応系を高温に維持することができ、反応系が雑菌によ
って汚染されることがなく、工業的実施に特に好適であ
る。また、酵素液、その他反応液を高温殺菌することも
可能であって、本発明はこの点においても非常にすぐれ
ている。
【0032】なお、反応条件としては、反応速度、収率
等を考慮に入れないのであれば、上記した範囲から逸脱
してもさしつかえなく、適宜選択することができる。以
下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
【0033】〔実施例1〕 (1)8084株のα−ガラクトシダーゼの酵素精製 酵素の精製操作は特に断らない限り4℃で行い、緩衝液
は10mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0(以
後、緩衝液とする)を用いた。
【0034】8084株を本庄らの方法(本庄ら、精糖
技術研究会誌、1985、35、67〜73)に従って
培養した。培養菌体を6倍量のグリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液、pH8.7に懸濁し、50℃で24時間自
己消化を行った。その後、遠心分離により菌体残渣を除
き、得られた上清液を粗酵素液とした。また、この様に
培養した湿菌体は(3)でも使用した。
【0035】この粗酵素液をゆっくりと撹拌しながら5
0%飽和になるよう硫酸アンモニウムを添加し、1時間
放置した。この操作で塩析したタンパク質を遠心分離処
理で沈殿物として回収した。この沈殿物を少量の緩衝液
に溶解し、同緩衝液で一晩透析した。
【0036】この粗酵素液を担体として緩衝液で平衡化
したDEAE Sephacelを用いたイオン交換カラムクロマト
グラフィー(2.7×45cm)に供した。吸着したタ
ンパク質の溶出は緩衝液中に含まれる塩化ナトリウム濃
度を0〜0.5Mまで直線的に変化させて行った。定法
に従い、α−ガラクトシダーゼ活性画分を測定し、活性
画分を遠心限外ろ過膜で濃縮した。
【0037】この粗酵素液を担体として緩衝液で平衡化
したSephacryl S-300を用いたゲルろ過カラムクロマト
グラフィー(2.5×50cm)に供した。活性画分を
遠心限外ろ過膜で濃縮した。この粗酵素液を担体として
緩衝液で平衡化したDEAE-Sepharoseイオン交換カラムク
ロマトグラフィー(1.8×13cm)に供した。吸着
したタンパク質の溶出は緩衝液中に含まれる塩化ナトリ
ウムの濃度を0〜0.3Mまで直線的に変化させて行っ
た。活性画分を遠心限外ろ過膜で濃縮した。
【0038】タンパク質の精製純度はLaemmli(Laemmli:
Nature(London)、1970、227、680〜685)
の方法に従いSDS−PAGEにより検定した。ゲルの
濃度は7.5%とした。タンパク質の染色はCoomassie
Briliant Blueを用いた。以上の操作で8084株のα
−ガラクトシダーゼタンパク質を電気泳動的に単一にま
で精製できた。回収率は36%で、比活性は216.2
U/mlであった。
【0039】(2)精製α−ガラクトシダーゼの内部ア
ミノ酸配列およびオリゴヌクレオチドプライマーの合成
【0040】(1)で調製した精製酵素標品とリジルエ
ンドペプチダーゼとを、0.1Mトリス−塩酸緩衝液
(pH9.0)中で混合し、37℃で24時間反応させ
てポリペプチド鎖を分解した。反応後の分解ペプチド断
片をSDS−PAGEにより分離し、電気泳動後のゲル
をPVDF膜に転写し、転写されたペプチド鎖を切り出
し、それぞれのN−末端アミノ酸配列を気相式プロテイ
ンシーケンサーに供して解読した。その結果、4カ所の
内部アミノ酸配列を解読することができた。これらの配
列は、配列番号1に全て含まれることになった(図
1)。
【0041】決定したアミノ酸配列を基に、配列番号
3、4(図5、6)に示す2種類の合成オリゴヌクレオ
チドプライマーを作製した。即ち、縮重の少ないアミノ
酸配列を多く含む部位を選択し、すでにDNAのデータ
ーベース、DNA Information Stock Center、DISC(http:
//www.dna.affrc.go.jp/,National Institute of Agrob
iological Resources, Tsukuba)に登録されている糸状
菌アブシディア属のコドン使用頻度を考慮に入れた。ま
た、イノシンも併用した。
【0042】使用したセンスプライマー、アンチセンス
プライマーを配列番号3、4(図5、6)に示す。な
お、配列中、vはA又はG、yはT又はC、nはI(イ
ノシン)を示す。
【0043】(3)8084株の染色体DNAの調製 これからの実験で多用する遺伝子クローニング実験の基
礎技術は、斯界において公知のものであり、特に断らな
い限りSambrookらの方法(Sambrook et al.:モレキュ
ラー・クローニング・ア・ラボラトリー・マニュアル、
第2版、1989年)に従って行った。
【0044】(1)で調製した8084株の湿菌体約2
gをTEN緩衝液(10mMトリス塩酸、1mM ED
TA、0.1M NaCl、pH8.0)に懸濁し、良
く洗浄した。遠心分離して菌体を回収し、同洗浄操作を
3回繰り返した。その後、洗浄菌体をマイナス80℃で
冷凍してから、凍結乾燥を行った。その後、乾燥菌体を
乳鉢ですりつぶし、粉末状にした。この粉末にリゾチー
ムとN−アセチルムラミデイスをそれぞれ添加し、37
℃で24時間インキュベートした。処理物をマイナス8
0℃で1時間凍結し、TEN緩衝液を加え37℃に加温
し、3.3%(w/v)となるようにSDSを加えさら
に37℃で3時間インキュベートし細胞を破砕した。こ
の溶液をフェノール処理後、エタノール沈澱し析出した
核酸をガラス棒に巻き付け回収した。この核酸を70%
のエタノールで洗浄後、乾燥し、TEに再溶解しさらに
RNase処理、フェノール処理、フェノール−クロロ
フォルム処理後、エタノール沈澱し、回収し、染色体D
NAとした。この操作により約10mgの染色体DNA
を調製することができた。
【0045】(4)プローブ合成と確認 (2)で作製したプライマーと(3)で調製した染色体
DNAを混合し、Taq DNAポリメラーゼとDig
−11−dUTPの蛍光色素を用いた系でPCRを行い
(総液量は50マイクロリットルで行い、サイクル数は
35回とし、1サイクルは98℃−1分間、68℃−3
分間とした)、増幅された約180塩基対の蛍光ラベル
DNA断片をプローブとした。
【0046】また、作製したプローブは、8084株か
ら(5)に記した手法で抽出したmRNAを、ホルムア
ミド−ホルムアルデヒドアガロースゲル電気泳動に供し
分離して、キャピラリー法でナイロンメンブランにブロ
ットされ、ノーザンブロット解析して、実験に使用可能
であることを確認した。プローブとのハイブリダイゼー
ション条件は、ハイブリ溶液(6×SSC(1×SSC
は0.15M NaCl、0.015Mクエン酸三ナト
リウム)、3%ブロッキング試薬、0.1%SDS、1
0mM EDTA、150マイクログラム/mlのサケ
精子DNA)中で68℃で一晩とした。
【0047】(5)8084株のcDNA遺伝子ライブ
ラリーの構築 8084株を培養し、菌体から全RNAを抽出して、マ
イナス80℃で保存した。ポリA mRNAを簡易カラ
ムを用いて精製した後、cDNAを合成した。合成した
cDNAは、pSPORT IIプラスミドベクターのマ
ルチクローニング部位に挿入した。このプラスミドベク
ター群を、大腸菌5α株にエレクトロポレーション法で
形質転換してcDNAライブラリーを構築した。形質転
換体は150マイクログラム/mlのアンピシリンを含
むLB寒天培地(10g/Lポリペプトン、5g/L酵
母エキス、10g/L NaCl、15g/L寒天、p
H7.0)に出現するコロニーをもって確認した。
【0048】(6)8084株のα−ガラクトシダーゼ
遺伝子の取得およびその一次配列 (5)で作製した遺伝子ライブラリーの大腸菌コロニー
のDNAをナイロンメンブランにブロットした。(4)
にて作製したDigラベル化プローブを用いて、(4)
のハイブリダイゼーションと同じ条件で陽性クローンを
コロニーハイブリダイゼーションでスクリーニングし
た。スクリーニングは2段階選抜を行い、最終選別とし
て大腸菌を単一コロニー化した後、プラスミドDNAを
抽出しフラグメントサザンハイブリダイゼーションを行
って強いシグナルが確認できるものを陽性クローンとし
た。
【0049】目的遺伝子を含む可能性がある領域のDN
A断片を鋭意サブクローニングし、DNAの塩基配列を
決定した。一連の操作は宝酒造(株)遺伝子解析センタ
ーに依託した。
【0050】DNAシーケンスの解析はGENETYX
−MACを用いた。DNAシーケンスに関する様々な情
報はDNA Information Stock Center、DISCのネット
ワークサービスを利用した。
【0051】その結果、配列番号2(図2)に示す5′
末端からのDNA塩基配列を有する2,190塩基対の
α−ガラクトシダーゼの構造遺伝子を解読した。この配
列はこれまで見い出されていない新規な遺伝子であっ
た。また、このDNA塩基配列より類推される8084
株が生産するα−ガラクトシダーゼは729個のアミノ
酸からなり、配列番号1(図1)に示すようなN末端か
らのアミノ酸配列を有していた。
【0052】(7)α−グルコシダーゼ遺伝子の発現プ
ラスミドベクターの構築及び形質転換 クローン化されたα−ガラクトシダーゼDNA断片を、
構造遺伝子が完全な形で取り出せる制限酵素(EcoR
IとNotI)で切断し、平滑末端化し、切断部位間の
約2.2キロ塩基対の領域をpET32−BK/LIC
プラスミドベクターのthioredoxin配列の下流に連結
し、新たなプラスミドベクターpET32Trx/ga
lαを構築した。このプラスミドベクターには大腸菌中
で外来遺伝子として連結された遺伝子を効率的に転写、
翻訳できるT7Lacプロモーターが導入されており
(8)に示す培養方法でα−ガラクトシダーゼを高効率
で発現・製造させることができる。
【0053】この遺伝子組換えプラスミドベクターを大
腸菌BL21(DB3)株のコンピテント細胞にヒート
ショック法で形質転換し、組換え微生物を創製した。こ
の微生物はEscherichia coli BL21(DE3)-pET32Trx/gal
αと命名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に、F
ERM BP−7140として国際寄託した。
【0054】(8)形質転換体の培養及びα−ガラクト
シダーゼの発現 (7)で作製した大腸菌BL21(DE3)-pET32Trx/galαを1
50マイクログラム/mlのアンピシリンを含む5ml
のLB培地で37℃で対数増殖中期まで培養した。この
菌液を終濃度で1mMとなるようにイソプロピル−β−
D−チオガラクトピラノシド(以後、IPTGと略す
る)を含む100mlの同培地に接種し、37℃で振と
う培養した。培養後、大腸菌を遠心分離して回収した。
菌体は10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)
で2回洗浄後、同緩衝液に再懸濁し、超音波破砕機で破
砕した。破砕液を遠心分離し、この上清を無細胞抽出液
とした。
【0055】この様に調製した大腸菌BL21(DE3)-pET32T
rx/galαの無細胞抽出液のα−ガラクトシダーゼ活性を
定法に従い測定したところ、18.7単位/培養液(m
l)であった。8084株は最適条件下でも0.449
単位/培養液(ml)のα−ガラクトシダーゼしか生産
できないため、本発明により遺伝子組換え体は、元株8
084より高い生産性を獲得した。活性の比較を表2に
示した。
【0056】 (表2) 表2:形質転換体によるα−ガラクトシダーゼの生産比較 ──────────────────────────────────── 酵素活性(単位/ml培養液) 微生物 ──────────────────────── コントロール IPTG無添加 IPTG添加 (6時間誘導)(3時間誘導)(6時間誘導) ──────────────────────────────────── E.coli BL21(DE3)/ 0.19※1 14.1 15.5 18.7 pET32Trx/galα株 A. corybifera IFO8084株 0.45※2 − − − ──────────────────────────────────── ※1:pET32−EK/LICを形質転換した状態。 ※2:9日間培養。
【0057】また、この無細胞抽出液から発現α−ガラ
クトシダーゼは、プラスミドベクター由来のヒスチジン
Tagを利用したアフィニティークロマトグラフィーで
1回の操作で、電気泳動的に完全精製することができ、
回収率92%で、完全にかつ安価に発現α−ガラクトシ
ダーゼが供給できる。
【0058】(9)発現α−ガラクトシダーゼを用いた
ラフィノースの製造 スクロースが終濃度で600g/L、ガラクトースが終
濃度で250g/Lとなるように、10mMリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解した液を基質溶液とした。この
基質溶液と(8)で調製した精製遺伝子組換え発現α−
ガラクトシダーゼ溶液(100U分)とを混合し、70
℃で酵素反応を行った。反応終了後、沸騰水中で5分間
保持することで反応を停止した。この反応で合成された
ラフィノースはHPLCを用いた系で測定した。カラム
は、Shodex SUGARKS801(8.0×3
00mm)、溶離液は水、検出器はRIを用いた。
【0059】その結果、表3に示すように、ラフィノー
スの収率は使用したガラクトースの10%であった。つ
まり、0.14モル/L(25g/L)のラフィノース
が合成された。また、ガラクトースをUDP−ガラクト
ースに変更して基質として用いた時、ラフィノースの収
率は45%と増加した。つまり、0.63モル/L(1
13g/L)のラフィノースが合成された。
【0060】 (表3) 表3:発現α−ガラクトシダーゼによるラフィノースの製造 ──────────────────────────────── 基質条件 収率(%)※1 ──────────────────────────────── 30%スクロース+25%ガラクトース 3 60%スクロース+25%ガラクトース 10 30%スクロース+25%UDP−ガラクトース 38 60%スクロース+25%UDP−ガラクトース 45 ──────────────────────────────── ※1:基質ガラクトースのモル量に対する収率 使用酵素量:100U 反応条件:70℃、72時間
【0061】なお、本実施例においては、上記のように
新規形質転換体Escherichia coli BL21(DE-3)-pET32Trx
/galαをIPTGで誘導培養し、無細胞抽出液を調製し
た。本培養条件で、18.7単位/培養液mlのα−ガ
ラクトシダーゼが生産できる。本酵素をアフィニティー
クロマトグラフィーで精製することができるが、工業的
なラフィノースの生産を考慮した場合、コスト面に関わ
ってくるので、ラフィノースの生産効率の面で何の問題
もないと思われるため、無細胞抽出液をそのまま使用す
る事とした。
【0062】反応液の全量を500mlとして、スクロ
ースが終濃度で600g/L、ガラクトースが終濃度で
250g/Lとなるように、10mMリン酸緩衝液(p
H7.0)に溶解した液を基質溶液とした。この基質溶
液と調製したα−ガラクトシダーゼ溶液(100単位
分)とを混合し、70℃で酵素反応を行った。反応終了
後、沸騰水中で5分間保持することで反応を停止した。
【0063】本酵素の正反応での至適pHは5.5であ
ったが、逆反応のラフィノース合成反応では7.0であ
ったため、正反応が起こりにくくするため、10mMリ
ン酸緩衝液のpHを7.0と設定した。
【0064】また、ラフィノース合成反応は、できる限
り高温で行う方が高効率なため(通常の40℃付近の反
応温度では、正反応が行われてしまう)、酵素の安定性
は悪化するが、反応温度を70℃に設定した。
【0065】また、スクロース、ガラクトースの基質濃
度は、各25%以上でないとラフィノース合成反応が進
行しなかった。そのため、酵素の安定性は悪化するが、
スクロース60%、ガラクトース25%と設定した。
【0066】
【発明の効果】本発明によって、耐熱性α−ガラクトシ
ダーゼをコードする遺伝子のクローニングに成功し、そ
の塩基配列が明らかにされ、同酵素のアミノ酸配列も明
らかにされた。また、クローニングされた上記遺伝子を
ベクターに挿入して宿主の形質転換にも成功したもので
ある。したがって、得られた形質転換体を誘導ないし誘
導することなく培養することにより、耐熱性α−ガラク
トシダーゼを著量生産することができる。
【0067】本耐熱性α−ガラクトシダーゼは(同酵素
遺伝子も同様)従来未知の新規物質である。本酵素は、
ガラクトシド結合を効率的に分解する作用を有するだけ
でなく、その逆反応を利用して、スクロースとガラクト
ースからラフィノースを大量合成することが可能となっ
た。この逆反応は高温条件下で実施する必要があるが、
本発明に係る新規酵素はすぐれた耐熱性を有するという
卓越した特徴を有しているため、この逆反応を効率的に
実施することがはじめて可能となった。
【0068】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Nippon Tensaiseito Kabushiki kaisha <120> Novel Thermotolerant α-Galactosidase Gene <130> 6297 <141> 2000-5-15 <160> 4 <210> 1 <211> 729 <212> PRT <213> Absidia corymbifera <400> 1 Ala Leu Asp Val Gly Ile His Lys His Pro Ser Phe Glu Phr Trp Phe 16 MET Val Thr Lys Lys Ser Thr Tyr Val Val Gly Ala Thr Ala Asp Gly 32 Tyr Val Ile Asn Leu His Trp Gly Lys Arg Leu Thr Gln Leu Asp Asp 48 Leu Asn Ala Thr Val Pro Leu Ser Asp Gln Ser Gln Asn Pro Pro Ile 64 Ser Tyr Ala MET Glu Glu Leu Pro Ala Phe Gly Gly Leu Arg Tyr Arg 80 Asp Asn Val Leu Lys Val Asp Leu Pro Asp Gly Thr Arg Glu Leu Asn 96 Leu Leu Tyr Ser Gly Ala Lys Ser Lys Asp Asp Thr Leu Leu Asp Ile 112 Glu Leu Ser Asp Gly Asn Arg Thr Asp Phe Lys Val Thr Leu His Tyr 128 Glu Leu Asp Thr Glu Asn Asp MET Ile Arg Arg Ser Tyr Thr Val Glu 144 Asn Gly Leu Lys Gly Arg Val Asn Leu Asp Leu Ala Leu Ser Ala Ala 160 Trp His Pro Pro Thr Ala Leu Asp Val Asp Glu Lys Arg Glu Leu Leu 176 Thr Leu Ala Gly Glu Trp Asn Asn Glu Ala Gln Val Gln Ser Thr Glu 192 Leu Lys Pro Gly Ile Ala His Thr Ile Gln Thr Pro Lys Gly Phe Thr 208 Asp His Val Ser Tyr Pro Tyr Phe Ala Ile Arg Gln Val Pro Ser Glu 224 Val Asn Pro Gly Thr Glu Val Tyr Phe Gly Thr Leu Ala Trp Gly Gly 240 Ser Trp Glu Ile Thr Ala His Thr Asn Thr Tyr Gly Tyr Thr Arg Ile 256 Thr Gly Gly MET His His Leu Asp Phe Gly Trp Thr Leu Glu Pro Gly 272 Glu Ser Phe Thr Thr Pro Val Phe Ile Ala Gly Phe Thr Asp Glu Gly 288 Leu Pro Gly Ala Arg Arg Arg Leu Pro Arg His Ala Arg Lys Tyr Gln 304 Gln Leu Ser Leu Gln Thr Gln Lys Asn Asp Ser Leu Tyr His Pro Val 320 Leu Tyr Asn Ser Trp Glu Ala Val Thr Phe Asp Val Thr Phe Asp Lys 336 Gln Val Ala Leu Ala Glu Lys Ala Ala Pro Leu Gly Val Glu Leu Phe 352 Val Ile Asp Asp Gly Trp Phe Gly Asp Arg Asn Asn Asp Ser Ala Gly 368 Leu Gly Asp Trp Tyr Pro Asn Lys Glu Lys Phe Pro Asn Gly Leu Lys 384 Pro Leu Ala Asp His Val His Asp Leu Gly MET Gln Phe Gly Val Trp 400 Phe Glu Pro Glu Ser Val Asn Pro Asn Ser Asn Leu Tyr Arg Glu His 416 Pro Asp Trp Val Leu Tyr Tyr Asp Gly Val Pro Arg Tyr Glu Ala Arg 432 Asn Gln Leu Leu Leu Asn Leu Gly Leu Pro Glu Val Gln Asp Tyr Ile 448 Tyr Asp Arg Val Ser Ser Ile Ile Glu Glu Asn Asp Ile Asp Tyr Ile 464 Lys Trp Asp MET Asn Arg Pro Tyr Gln Gly Val Thr MET His His Tyr 480 Asp Arg Asn Pro Arg Glu Ala Trp Val Leu Ile Ala Arg Gly Tyr Gln 496 Asn Leu Leu Ala Lys Leu Lys Lys Arg Phe Pro Asn Leu Trp Ile Glu 512 Ser Cys Ala Ser Gly Gly Gly Arg MET Asp Leu Ser Val Leu Glu His 528 Ala Asp Gln Val Trp Thr Ser Asp Asn Thr Arg Pro Asp Ala Arg Leu 544 Lys Ile Gln Tyr Gly Ala Ser Leu Phe Leu Pro Pro Arg Ala MET Tyr 560 Gly Trp Val Thr Glu Ser Gly Asp Asp Asn Asn Val His Ile Pro Leu 576 Ser Phe Arg Phe His Thr Ser Phe MET Gly Gly Leu Gly Ile Gly Ala 592 Asn Leu Asn Lys Tyr Ser Asp Asn Asp MET Lys Glu Ser Thr Ala Trp 608 Ile Ala Leu Tyr Lys Lys Leu Arg Pro Val Ile Gln Asn Gly Asp Leu 624 Asp Trp Leu Val Pro Pro Ser Lys Val Gly Glu MET Ile Ala Val Ser 640 Gln Thr Thr Ser Lys Asp Gln Gln Glu Ala Val Ile Leu Ala Phe Arg 656 Ile Ser Ser Pro Phe Ser Ala Pro MET Asn Pro Val Arg Pro Arg Phe 672 Leu Lys Asp Asp Val Val Tyr Arg Val Gln Ile Trp Leu Gln Asp Pro 688 His Lys Val Ala Glu Glu Tyr Asp MET Ser Gly Ala Leu Leu MET His 704 Lys Gly Ile Ser Leu Asp Gly Leu Asn Arg Ala MET Phe Thr Ser Ala 720 Val Val Tyr Val Lys Gln Ser Tyr Asp <210> 2 <211> 2190 <212> DNA <213> Absidia corymbifera <400> 2 10 20 30 40 50 60 gcgttggatg tggggattca taagcatccc tctttcgaga catggttcat ggtgacaaag 70 80 90 100 110 120 aagtctacat acgtggttgg tgctacagca gatggatatg ttatcaacct tcactgggga 130 140 150 160 170 180 aagcgtttga cacaacttga tgacttgaat gcaactgtac ctttgagtga tcaatcacag 190 200 210 220 230 240 aatccaccta ttagctatgc catggaagaa ttaccagctt ttggtggact aagatatcgt 250 260 270 280 290 300 gacaacgtgc tcaaggtgga tttaccagat gggactcgcg aactgaattt gctgtattca 310 320 330 340 350 360 ggagcaaaga gcaaggatga tactcttctc gatatcgagc tgtccgatgg caaccgtacc 370 380 390 400 410 420 gatttcaagg tgacactgca ctatgaactg gacactgaga acgatatgat acgtcgatcg 430 440 450 460 470 480 tatactgttg agaatggact gaagggtcgt gtcaaccttg acttggcatt gtcagctgca 490 500 510 520 530 540 tggcatccac caacagcact tgacgttgac gagaaacgag agttactgac attggcaggc 550 560 570 580 590 600 gaatggaaca atgaagcaca agtacaatca accgagttga agcctggcat agcccatacg 610 620 630 640 650 660 atccagacac ccaaaggatt tactgatcat gtgtcatatc catactttgc catcagacaa 670 680 690 700 710 720 gtaccaagtg aagtgaatcc tggcactgaa gtttactttg gtactcttgc atggggaggt 730 740 750 760 770 780 agttgggaga ttacagcaca taccaacaca tatggctata cccgtatcac tggtggcatg 790 800 810 820 830 840 catcatcttg attttggatg gacacttgaa ccaggagaat cattcacaac accagtgttt 850 860 870 880 890 900 attgctggat tcacagatga aggcttacca ggcgcacgta gacgcttacc acgtcatgct 910 920 930 940 950 960 cgaaagtatc agcaattgag cctgcagaca caaaagaatg acagtcttta tcatcctgtt 970 980 990 1000 1010 1020 ctttacaact cttgggaagc tgttactttt gatgtcactt ttgacaagca agttgccttg 1030 1040 1050 1060 1070 1080 gctgagaaag ctgctccact tggtgttgaa ttgtttgtta ttgatgatgg ctggtttggg 1090 1100 1110 1120 1130 1140 gatcgtaaca acgactctgc aggattagga gattggtatc ccaacaagga aaagttccca 1150 1160 1170 1180 1190 1200 aatggtctca agccccttgc agaccatgtg catgatctcg gcatgcagtt tggcgtgtgg 1210 1220 1230 1240 1250 1260 tttgaacccg agtcggtcaa tcccaattcc aatctttatc gtgaacatcc tgattgggtg 1270 1280 1290 1300 1310 1320 ctttactatg acggtgtccc aagatacgaa gcacgtaatc agctgttact caaccttgga 1330 1340 1350 1360 1370 1380 ttaccagaag tgcaagatta catttatgat cgagtgagca gtatcattga agagaatgat 1390 1400 1410 1420 1430 1440 attgactata tcaagtggga tatgaatcga ccctatcaag gcgttactat gcatcattat 1450 1460 1470 1480 1490 1500 gatagaaatc ctcgagaagc atgggtgctg attgcgcgtg gatatcaaaa tttgctagcc 1510 1520 1530 1540 1550 1560 aagctcaaga aacgatttcc caatctgtgg attgaaagct gtgctagtgg tggtggacgt 1570 1580 1590 1600 1610 1620 atggatctca gtgtgcttga acatgctgat caagtttgga ccagtgacaa tacaagacct 1630 1640 1650 1660 1670 1680 gatgctcgtc ttaagattca atatggtgct tcattgtttt tgcctccaag agccatgtat 1690 1700 1710 1720 1730 1740 ggttgggtga ctgaaagtgg ggatgataac aatgtgcaca tacctttatc cttccggttc 1750 1760 1770 1780 1790 1800 cacacatctt tcatgggtgg ccttggtatt ggtgccaact tgaacaagta ctcagacaat 1810 1820 1830 1840 1850 1860 gatatgaaag agagcacagc ttggattgca ttgtataaga agcttcgacc agtgattcaa 1870 1880 1890 1900 1910 1920 aatggtgatc tcgattggtt agtgccacct tcaaaggttg gtgaaatgat tgctgtatcc 1930 1940 1950 1960 1970 1980 cagacaacat caaaggatca acaagaagca gtgatcttgg cattccgaat cagcagccct 1990 2000 2010 2020 2030 2040 ttttcagctc caatgaatcc agtacgacca cgttttctca aggatgatgt agtatatcgg 2050 2060 2070 2080 2090 2100 gttcaaatct ggttacagga tccacacaag gttgctgaag aatacgacat gtctggtgct 2110 2120 2130 2140 2150 2160 ttactcatgc acaagggaat tagtcttgat ggattgaata gagccatgtt tactagtgca 2170 2180 2190 gttgtttatg tgaaagagtc atacgattaa <210> 3 <211> 28 <212> DNA <213> Artificial sequence <400> 3 garytnttyg tnatngayga yggntggt <210> 4 <211> 29 <212> DNA <213> Artificial sequence <400> 4 ttnggrttna cngaytcngg ytcraacca
【図面の簡単な説明】
【図1】8084株由来の耐熱性α−ガラクトシダーゼ
のアミノ酸配列を示す。
【図2】8084株由来の耐熱性α−ガラクトシダーゼ
遺伝子DNAの塩基配列を示す。
【図3】発現α−ガラクトシダーゼのpHに対する影響
を示す。
【図4】発現α−ガラクトシダーゼの温度に対する影響
を示す。
【図5】センスプライマーの塩基配列を示す。
【図6】アンチセンスプライマーの塩基配列を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 (C12N 1/20 A // C12N 9/40 C12R 1:19) (C12N 1/20 (C12N 9/40 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/40 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 A Fターム(参考) 4B024 AA03 BA12 CA04 DA06 GA14 4B050 CC01 CC03 DD03 LL05 4B065 AA26X AA59Y AB01 AC14 BA03 CA31 CA60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1のアミノ酸配列をコードする
    耐熱性α−ガラクトシダーゼ遺伝子のDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号2の塩基配列で示される耐熱性
    α−ガラクトシダーゼ遺伝子のDNA。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のDNAを含有す
    るプラスミドベクター。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のDNAをプラス
    ミドベクターpET32−EK/LICのthioredoxin
    配列の下流に連結してなるプラスミドベクターpET3
    2Trx/galα。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のプラスミドベク
    ターを用いて形質転換してなる形質転換体。
  6. 【請求項6】 Escherichia coli BL21 (DE3)-pET32Trx
    /galα(FERMBP−7140)。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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