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JP2001318477A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及び画像形成装置

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Publication number
JP2001318477A
JP2001318477A JP2000139956A JP2000139956A JP2001318477A JP 2001318477 A JP2001318477 A JP 2001318477A JP 2000139956 A JP2000139956 A JP 2000139956A JP 2000139956 A JP2000139956 A JP 2000139956A JP 2001318477 A JP2001318477 A JP 2001318477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image forming
particles
image
forming method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000139956A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Ishikawa
智子 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2000139956A priority Critical patent/JP2001318477A/ja
Publication of JP2001318477A publication Critical patent/JP2001318477A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、低温定着プロセス下においても高階
調、高解像度の画像を得ることが出来る画像形成方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 少なくとも感光体、露光装置、定着装
置、及びトナーを用いる画像形成方法において、該感光
体が、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角
(2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを有する
オキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層
と、電荷移動層が積層した感光層を有し、該露光装置に
よって該感光体に対し記録ドット密度が600ドット/
インチ以上のデジタル像露光を行い、この像露光で形成
された静電潜像の現像において、ワックスエマルジョン
の存在下でモノマーのシード乳化重合を行い、ついで得
られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子を含有す
る分散液とを混合し、粒子凝集させて得られたトナーを
用いることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機及びプリンター等の画像形成装置及びそれを用いた
画像形成方法に関する。さらに詳しくは、定着性、耐オ
フセット性、耐ブロッキング性に優れ、得られた画像の
光沢性、OHP透明性が良好な静電荷像現像用トナーを
用いて高解像度、高精細の画像を形成する画像形成方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法において従来一般に広く用い
られてきた静電荷像現像用トナーは、スチレン/アクリ
レート系共重合体に、カーボンブラックや顔料のような
着色剤、帯電制御剤及び/または磁性体を含む混合物を
押出機により溶融混練し、ついで粉砕・分級することに
よって製造されてきた。しかし、上記のような溶融混練
/粉砕法で得られる従来のトナーは、トナーの粒径制御
に限界があり、実質的に10μm以下、特に8μm以下
の平均粒径のトナーを歩留まり良く製造することが困難
であり、今後電子写真に要求される高解像度化を達成す
るためには十分なものとは言えなかった。
【0003】また、低温定着性を達成するために、混練
時に低軟化点のワックスをトナー中にブレンドする方法
が提案されているが、混練/粉砕法に於いては5%程度
のブレンドが限界であり、十分な低温定着性能のトナー
を得ることができなかった。
【0004】一方、電子写真法を用いた複写機やプリン
ターが急速に普及してきたのに従い、近年では高精細画
像への要求が強くなってきている。高精細画像、特に階
調性や解像力を向上させようとするには、像露光時のド
ット数を増やすことが考えられる。これには、ビーム径
を絞り、出力パルス数を増やすことになるが、このよう
な高密度記録になると、1ドットを露光するのに要する
時間が短くなる。このような場合、従来の感光体では感
度が不十分で、1ドットの再現性が劣化するため、階調
性や解像力が向上することにならない。また、これを解
決する方法として光エネルギー自体を大きくすることも
考えられるが、これでは感光層に光疲労などの問題を生
じる。
【0005】上述の課題を解決する方法として、特開平
3−37678号公報には、CuKα特性X線(波長
1.541Å)に対するX線回折のブラッグ角2θが2
7.2±0.2°に強いピークを示す結晶型のオキシチ
タニルフタロシアニンを感光層の光導電性物質として用
いる方法が開示されており、このオキシチタニルフタロ
シアニンを用いることによって、高感度、高γで十分な
光応答性を示す感光体を実現でき、この感光体を用いる
場合には、高密度記録で各ドットの露光時間が短い場合
でも、十分なドット再現性が実現できることが示されて
いる。
【0006】同公報には、平均粒径が8μm以下の小粒
径のトナーを併用することが記載されているが、実際に
はトナーが小粒径というだけでは上述の課題は必ずしも
十分に解決されない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来用いら
れていた画像形成方法及び装置の諸問題を解決し、高解
像度、高精細、且つ低温定着にて行われる画像形成方法
及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、ワックスエマルションをシ
ードとして乳化重合して得られる重合体一次粒子を凝集
させて得たトナーと、特定の感光体及び露光装置を組み
合わせて用いることにより、上記課題が解決できること
を見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、少なくとも感
光体、露光装置、定着装置、及びトナーを用いる画像形
成方法において、該感光体が、CuKα線によるX線回
折においてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最
大回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン
を含有する電荷発生層と、電荷移動層が積層した感光層
を有し、該露光装置によって該感光体に対し記録ドット
密度が600ドット/インチ以上のデジタル像露光を行
い、この像露光で形成された静電潜像の現像において、
ワックスエマルジョンの存在下でモノマーのシード乳化
重合を行い、ついで得られた重合体一次粒子分散液と着
色剤一次粒子を含有する分散液とを混合し、粒子凝集さ
せて得られたトナーを用いることを特徴とする画像形成
方法に存する。
【0010】本発明の別の要旨は、少なくとも感光体、
露光装置、定着装置、及びトナーを備えた画像形成装置
であって、該感光体がCuKα線によるX線回折におい
て、ブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回折
ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンを含有
する電荷発生層と、電荷移動層が積層した感光層を有
し、該露光装置が記録ドット密度が600ドット/イン
チ以上のデジタル像露光を行うものであり、該トナー
が、ワックスエマルジョンの存在下でモノマーのシード
乳化重合を行い、ついで得られた重合体一次粒子分散液
と着色剤一次粒子を含有する分散液とを混合し、粒子凝
集させて得られたものであることを特徴とする画像形成
装置に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の画像形成方法及び、それに用いられる画
像形成装置の概要を、フルカラー画像形成方法の一例で
ある非磁性1成分系トナーを使用する電子写真記録装置
について説明するが、この一例に限定されるものではな
い。図1は本発明に用いられる電子写真記録装置の一実
施態様の要部構成の概略図であり、感光体1、帯電装置
2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニン
グ装置6、及び定着装置7を有している。
【0012】感光体1は、例えばアルミニウムなどの導
電体により形成され、外周面に感光導電材料を塗布して
感光層を形成したものである。感光体1の外周面に沿っ
て帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及
び、クリーニング装置6がそれぞれ配置されている。
【0013】帯電装置2は、例えば周知のスコロトロン
帯電器、ローラー帯電器などよりなり、感光体1の表面
を所定電位に均一帯電する。 露光装置3は、感光体1
の感光面にLED、レーザー光などで露光を行って感光
体1の感光面に静電潜像を形成するものである。
【0014】現像装置4は、アジテータ42、供給ロー
ラー43、現像ローラー44、規制部材45からなり、
その内部にトナーTを貯留している。また、必要に応
じ、現像装置にはトナーを補給する補給装置(図示せ
ず)を付帯させてもよく、補給装置にはボトル、カート
リッジなどの容器からトナーを補給することができるも
のである。
【0015】供給ローラー43は導電性スポンジ等から
なるもので、現像ローラー44に当接している。現像ロ
ーラー44は、感光体1と供給ローラー43との間に配
置されている。現像ローラー44は、感光体1及び供給
ローラー43に各々当接している。供給ローラー43及
び現像ローラー44は、回転駆動機構によって回転され
る。供給ローラー43は、貯留されているトナーを担持
して現像ローラー44に供給する。現像ローラー44
は、供給ローラー43によって供給されるトナーを担持
して感光体1の表面に接触させる。
【0016】現像ローラー44は、鉄、ステンレス鋼、
アルミニウム、ニッケルなどの金属ロール、又は金属ロ
ールにシリコン樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂などを
被覆した樹脂ロールなどからなる。現像ロール表面は、
必要に応じ平滑加工したり、粗面加工したりしてもよ
い。
【0017】規制部材45は、シリコーン樹脂やウレタ
ン樹脂などの樹脂ブレード、ステンレス鋼、アルミニウ
ム、銅、真鍮、リン青銅などの金属ブレード、金属ブレ
ードに樹脂を被覆したブレード等により形成されてい
る。この規制部材45は、現像ローラー44に当接し、
ばね等によって現像ローラー44側に所定の力で押圧
(一般的なブレード線圧は5〜500g/cm)されて
おり、必要に応じトナーとの摩擦帯電によりトナーに帯
電を付与する機能を具備させてもよい。
【0018】アジテーター42は、回転駆動機構によっ
てそれぞれ回転されており、トナーを攪拌するととも
に、トナーを供給ローラー43側に搬送する。アジテー
タは、羽根形状、大きさ等を違えて複数設けてもよい。
【0019】転写装置5は、感光体1に対向して配置さ
れた転写チャージャー、転写ローラー、転写ベルトなど
よりなる。この転写装置5は、トナーの帯電電位とは逆
極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、感光体1に形
成されたトナー像を記録紙Pに転写するものである。
【0020】クリーニング装置6は、ウレタン等のブレ
ード、ファーブラシなどのクリーニング部材からなり、
感光体1に付着している残留トナーをクリーニング部材
で掻き落とし、残留トナーを回収するものである。な
お、本発明に用いられるトナーのようにトナーの球形度
が高い場合には、転写性が高く、クリーニング装置を備
えていなくてもよい。
【0021】定着装置7は、上部定着部材71と下部定
着部材72とからなり、上部又は下部の定着部材の内部
には加熱装置73を有している。定着部材はステンレ
ス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆
した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆
した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を
使用することができる。更に、定着部材には離型性を向
上させる為にシリコンオイル等の離型剤を供給してもよ
い。また、上部定着部材と下部定着部材にはバネ等によ
り強制的に圧力を加わえる機構としてもよい。本発明に
用いられる定着装置の定着温度は通常の装置に用いられ
る温度であって特に限定されないが、乳化重合凝集法に
よって製造したトナーの利点から、100〜150℃の
比較的低温での定着が有利である。
【0022】用紙P上に転写されたトナーは、所定温度
に加熱された上部定着部材71と下部定着部材72の間
を通過する際、トナーが溶融状態まで熱加熱され、通過
後冷却されて記録紙P上にトナーが定着される。
【0023】以上のように構成された電子写真現像装置
では、次のようにして画像の記録が行われる。即ち、ま
ず感光体1の表面(感光面)は、帯電装置2によって所
定の電位(例えば−600V)に帯電される。続いて、
帯電されたのちの感光体1の感光面を記録すべき画像に
応じて露光装置3によって露光し、感光面に静電潜像を
形成する。そして、その感光体1の感光面に形成された
静電潜像の現像を現像装置4で行う。
【0024】現像装置4は、供給ローラー43により供
給されるトナーを現像ブレード45により薄層化される
とともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と
同極性であり、負極性)に摩擦帯電されて、現像ローラ
ー44に担持し、搬送して感光体1の表面に接触させ
る。
【0025】現像ローラー44からいわゆる反転現像法
により感光体1の表面に静電潜像に対応するトナー像が
形成される。そしてこのトナー像は、転写装置5によっ
て用紙Pに転写される。この後、感光体1の感光面は転
写されずに残留しているトナーがクリーニング装置6で
除去される。記録紙P上の転写後トナーは定着装置7を
通過させて熱定着することで、最終的な画像が得られ
る。
【0026】次に、非磁性1成分系トナーをフルカラー
として使用するタンデム方式電子写真記録装置の一例に
ついて説明する。図2はフルカラータンデム方式の主要
構成の概略図であり、感光体1、帯電装置2、露光装置
3、ブラック現像装置4k 、シアン現像装置4c 、イエ
ロー現像装置4y 、マゼンタ現像装置4m 、転写装置
5、及び定着装置7を有し、ここではクリーニング装置
は省略した。カラー画像はマゼンタ、イエロー、シア
ン、及びブラックの各トナーを多層に重ねて所望する色
に調整することでフルカラー画像を得ることができる。
【0027】タンデム方式の場合、カラー現像部がブラ
ック現像部より前に位置する方がブラックトナーの逆転
写などによる混色が少なくなりよいこと、及びブラック
現像部がカラー現像部より後ろに位置する方がブラック
だけの単色で画像形成する場合にカラートナーの感光体
カブリによる混色が少なくなること、及びカラー現像部
をショートパスして記録紙を搬送することでブラック画
像形成の速度をアップすることができるので好ましい。
【0028】本発明の画像形成方法をフルカラー画像形
成に適用する場合には、この様なシアン、マゼンタ、イ
エローのカラー現像部が前の位置にあり、ブラック現像
部がカラー現像部より後に位置するタンデム方式に好適
である。なお、シアン、マゼンタ、イエローのカラー現
像部の位置する順番は適時自由に変更することができ
る。
【0029】次に、本発明に用いられるトナーについて
説明する。本発明に用いられるトナーは、ワックスエマ
ルジョンの存在下でモノマーのシード乳化重合を行い、
ついで得られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子
を含有する分散液とを混合し、粒子凝集させて得られる
ことを特徴とする。
【0030】本発明でシードとして用いられるワックス
は、公知のワックス類の任意のものを使用することがで
きるが、具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポ
リプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワ
ックス、パラフィンワックス、ベヘン酸ベヘニル、モン
タン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪
族基を有するエステル系ワックス、水添ひまし油カルナ
バワックス等の植物系ワックス、ジステアリルケトン等
の長鎖アルキル基を有するケトン、アルキル基を有する
シリコーン、ステアリン酸等の高級脂肪酸、長鎖脂肪酸
アルコール、ペンタエリスリトール等の長鎖脂肪酸多価
アルコール、及びその部分エステル体、オレイン酸アミ
ド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、等が例
示される。
【0031】これらのワックスの中で定着性を改善する
ためにより好ましいのは、融点が100℃以下のワック
スであり、更に好ましいワックスの融点は40〜90℃
の範囲、特に好ましいのは50〜80℃の範囲である。
融点が100℃を越えると定着温度低減の効果が乏しく
なる傾向にある。
【0032】本発明で用いるワックス微粒子は、上記ワ
ックスを公知のカチオン界面活性剤、アニオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤の中から選ばれる少なくともひ
とつの乳化剤の存在下で乳化して得られる。これらの界
面活性剤は2種以上を併用してもよい。カチオン界面活
性剤の具体例としては、ドデシルアンモニウムクロライ
ド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメ
チルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムク
ロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムブロマイド、等があげられ
る。
【0033】また、アニオン界面活性剤の具体例として
は、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム、
等の脂肪酸石けん、硫酸ドデシルナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等があげられる。
【0034】さらに、ノニオン界面活性剤の具体例とし
ては、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデ
シルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリ
オキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレン
エーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレ
ンエーテル、モノデカノイルショ糖、等があげられる。
【0035】本発明では、これらワックス類を乳化剤の
存在下に分散してエマルションとし、樹脂のシード重合
に供する。ワックスエマルションの平均粒径は、0.0
1μm〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.03
〜1μm、特に0.05〜0.8μmのものが好適に用
いられる。なお、平均粒径は、例えば日機装社製マイク
ロトラックUPAを用いて測定することができる。ワッ
クスエマルションの平均粒径が上記範囲より著しく大き
い場合にはシード重合して得られる重合体粒子の平均粒
径が大きくなりすぎるために、トナーとして高解像度を
要求される用途には不適当である。また、エマルション
の平均粒径が上記範囲より著しく小さい場合には、シー
ド重合後の重合体一次粒子中のワックス含有量が低くな
りすぎるためワックスの効果が低くなる。
【0036】ワックスエマルションの存在下でシード乳
化重合をするに当たっては、好ましくは、極性基を有す
るモノマー(酸性極性基を有するモノマーもしくは塩基
性官能基有するモノマー)、及び、その他のモノマーと
を添加する事により、ワックスを含有するエマルション
内で重合を進行させる。この際、モノマー同士は別々に
加えても良いし、予め複数のモノマー混合しておいて添
加しても良い。更に、モノマー添加中にモノマー組成を
変更することも可能である。また、モノマーはそのまま
添加しても良いし、予め水や界面活性剤などと混合、調
整した乳化液として添加することもできる。界面活性剤
としては、前記の界面活性剤から1種又は2種以上の併
用系が選択される。
【0037】シード乳化重合を進行するにあたっては、
乳化剤を一定量ワックスエマルションに添加してもかま
わない。また重合開始剤の添加時期は、モノマー添加
前、モノマーと同時添加、モノマー添加後のいずれでも
良く、またこれらの添加方法の組み合わせであっても構
わない。
【0038】以上の様にして得られる重合体一次粒子
は、実質的にワックスを包含した形の重合体粒子である
が、そのモルフォロジーとしては、コアシェル型、相分
離型、オクルージョン型、等いずれの形態をとっていて
もよく、またこれらの形態の混合物であってもよい。特
に好ましいのはコアシェル型である。ワックスは、通
常、バインダー樹脂100重量部に対して1 重量部〜4
0重量部で用いられ、好ましくは2重量部〜35重量
部、更に好ましくは5重量部〜30重量部で用いられ
る。また、本発明の趣旨をはずれない範囲では、ワック
ス以外の成分、例えば顔料、帯電制御剤、等を同時にシ
ードとして用いても構わない。さらに着色剤をモノマー
又はワックスに溶解又は分散させて用いても構わない。
【0039】本発明で用いられる酸性極性基を有するモ
ノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、ケイ皮酸、等のカルボキシル基を有する
モノマー、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有す
るモノマー、等があげられる。
【0040】また、塩基性極性基を有するモノマーとし
ては、アミノスチレン及びその4級塩、ビニルピリジ
ン、ビニルピロリドン、等の窒素含有複素環含有モノマ
ー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミ
ノエチルメタクリレート、等のアミノ基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル、及び、これらのアミノ基を4
級化したアンモニウム塩を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル、更には、アクリルアミド、N−プロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−
ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリル
アミド、アクリル酸アミドを挙げることができる。
【0041】その他のコモノマーとしては、スチレン、
メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−n−ノニルスチレン、等のスチレン類、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸
エチルヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステル、を
挙げることができる。この中で、スチレン、ブチルアク
リレート、等が特に好ましい。
【0042】これらのモノマーは単独、または混合して
用いられるが、その際、重合体のガラス転移温度が40
〜80℃となることが好ましい。ガラス転移温度が80
℃を越えると定着温度が高くなる傾向にあり、OHP透
明性の悪化が問題となることがあり、一方重合体のガラ
ス転移温度が40℃未満の場合は、トナーの保存安定性
が悪くなりすぎて問題を生じる場合がある。本発明で
は、酸性極性基を持つモノマーとしてアクリル酸が、そ
の他のモノマーとしてスチレン、アクリル酸エステル、
及びメタクリル酸エステルが好適に使用される。
【0043】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、等の過硫酸塩、
及び、これら過硫酸塩を一成分として酸性亜硫酸ナトリ
ウム等の還元剤を組み合わせたレドックス開始剤、過酸
化水素、4,4‘−アゾビスシアノ吉草酸、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロペーオキサイ
ド、等の水溶性重合開始剤、及び、これら水溶性重合性
開始剤を一成分として第一鉄塩等の還元剤と組み合わせ
たレドックス開始剤系、過酸化ベンゾイル、2,2‘−
アゾビス−イソブチロニトリル、等が用いられる。これ
ら重合開始剤はモノマー添加前、添加と同時、添加後の
いずれの時期に重合系に添加しても良く、必要に応じて
これらの添加方法を組み合わせても良い。
【0044】本発明では、必要に応じて公知の連鎖移動
剤を使用することができるが、その様な連鎖移動剤の具
体的な例としては、t―ドデシルメルカプタン、2−メ
ルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四
塩化炭素、トリクロロブロモメタン、等があげられる。
連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、重
合性単量体に対して0〜5重量%用いられる。
【0045】重合体一次粒子の平均粒径は、通常0.0
5μm〜3μmの範囲であり、好ましくは0.1μm〜
1μm、更に好ましくは0.1μm〜0.5μmであ
る。なお、平均粒径は、例えばUPAを用いて測定する
ことができる。粒径が上記範囲より著しく小さくなると
凝集速度の制御が困難となる傾向にある。また、上記範
囲より著しく大きいと凝集して得られるトナー粒径が大
きくなりすぎるため、トナーとして高解像度を要求され
る用途には不適当である。上述の如く得られた重合体一
次粒子中の重合体は、これに着色剤、帯電制御剤、その
他の添加剤を加えてトナーとしたときのバインダー樹脂
を構成する。
【0046】次に本発明に用いられる着色剤は、重合体
一次粒子を得る際に着色剤をワックスと同時にシードと
して用いたり、着色剤をモノマー又はワックスに溶解又
は分散させて用いたりしても構わないが、重合体一次粒
子と同時に着色剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成
し、トナーとすることが好ましい。この時、ワックスを
内包化した重合体一次粒子を用いるが、必要に応じて2
種類以上の重合体一次粒子を用いても良い。また、ここ
で用いられる着色剤としては、無機顔料又は有機顔料、
有機染料のいずれでも良く、またはこれらの組み合わせ
でもよい。
【0047】着色剤の具体的な例としては、カーボンブ
ラック、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染
顔料、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエ
ロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノ
アゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染顔料など、公知の任
意の染顔料を単独あるいは混合して用いることができ
る。フルカラートナーの場合にはイエローはベンジジン
イエロー、モノアゾ系、縮合アゾ系染顔料、マゼンタは
キナクリドン、モノアゾ系染顔料、シアンはフタロシア
ニンブルーをそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、
通常、バインダー樹脂100重量部に対して3〜20重
量部となるように用いられる。これらの着色剤も乳化剤
の存在下で水中に乳化させエマルションの状態で用いる
が、平均粒径としては、0.01〜3μmのものを用い
るのが好ましい。
【0048】帯電制御剤としては、公知の任意のものを
単独ないしは併用して用いることができる。カラートナ
ー適応性(帯電制御剤自体が無色ないしは淡色でトナー
への色調障害がないこと)を勘案すると、正荷電性とし
ては4級アンモニウム塩化合物が、負荷電性としてはサ
リチル酸もしくはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、
アルミニウムなどとの金属塩、金属錯体や、ベンジル酸
の金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合
物、ナフトール化合物、フェノールアミド化合物等が好
ましい。その使用量はトナーに所望の帯電量により決定
すればよいが、通常はバインダー樹脂100重量部に対
し0.0 1〜10重量部用い、更に好ましくは0.1〜
10重量部用いる。
【0049】本発明では、重合体一次粒子を得る際に、
帯電制御剤をワックスと同時にシードとして用いたり、
帯電制御剤をモノマー又はワックスに溶解又は分散させ
て用いても構わないが、重合体一次粒子と同時に帯電制
御剤一次粒子を凝集させて会合粒子を形成し、トナーと
することが好ましい。この場合、帯電制御剤も水中で平
均粒径0.01〜3μm のエマルションとして使用す
る。添加する時期は、重合体一次粒子と着色剤一次粒子
を凝集させる工程で同時に添加して凝集させてもよい
し、これらの一次粒子が会合して2次粒子が生成した段
階で加えてもよいし、さらには粒径が最終的なトナーの
粒径まで会合粒子が成長した後に添加してもよい。
【0050】本発明のトナーを製造するに当たっては、
凝集粒子の粒径が実質的に最終的なトナーの粒径まで成
長した後に、更に同種又は異なった種類のバインダー樹
脂エマルションを添加し、粒子を表面に付着させること
により、表面近傍のトナー性状を修飾する事も可能であ
る。また、本発明のトナーは、必要により流動化剤等の
添加剤と共にもちいることができ、そのような流動化剤
としては、具体的には、疎水性シリカ、酸化チタン、酸
化アルミニウム等の微粉末を挙げることができ、通常、
バインダー樹脂100重量部に対して、0.01〜5重
量部、好ましくは0.1〜3重量部用いられる。
【0051】さらに、本発明のトナーは、マグネタイ
ト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウ
ム、導電性チタニア等の無機微粉末やスチレン樹脂、ア
クリル樹脂等の抵抗調節剤や滑剤などが内添剤又は外添
剤として用いられる。これらの添加剤の使用量は所望す
る性能により適宜選定すれば良く、通常バインダー樹脂
100重量部に対し0.05〜10重量部程度が好適で
ある。
【0052】本発明の静電荷像現像用トナーは2成分系
現像剤又は非磁性1成分系現像剤のいずれの形態で用い
てもよい。2成分系現像剤として用いる場合、キャリア
としては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁
性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施した
ものや磁性キャリア等公知のものを用いることができ
る。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般
的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ス
チレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が
利用できる。
【0053】上述のシード乳化重合を用いたトナーの製
造方法は、従来の粉砕トナーに比べて、円形度が高く、
微粉が少なく、粒径分布のシャープなトナーを製造する
ことができることに特徴がある。さらに、製造条件を変
更することによって、所望の円形度、粒径分布のトナー
を得ることができる。本発明においては、トナーの形状
を定量化する方法として、東亜医用電子製フロー式粒子
像分析装置FPIA−2000にてトナーを測定し、下
記式(I)より求められた値の50%における累積粒度
値に相当する円形度を50%円形度と定義する。
【0054】
【数1】 円形度=粒子投影面積と同じ面積の円の周長/粒子投影像の周長 (I)
【0055】本発明におけるトナーの50%円形度は、
トナー粒子の凹凸の度合いを示し、トナーが完全な球形
の場合1となる。表面形状が複雑になるほど円形度の値
は小さくなる。本発明に用いられるトナーは、この円形
度が、0.9〜1であることが好ましく、0.95〜1
であることが更に好ましい。
【0056】また、本発明においては、トナーの粒子径
を規定する方法として、ベックマン・コールター株式会
社製の精密粒度分布測定装置コールター・カウンター
マルチサイザーIIを用いる。本発明に用いられるトナ
ーは、上記コールターカウンターで測定した体積平均粒
径(DV)が3〜9μmであることが好ましく、4〜8
μmであることが更に好ましい。
【0057】また、トナーの粒度分布としてはシャープ
なもののほうが着色剤や帯電制御剤等均一に分布して帯
電性が均一となりやすく好ましい。具体的には、体積平
均粒径(DV)と個数平均粒径(DN)の関係が、1.0
≦DV/DN≦1.3を満たすものが好ましい。
【0058】また、0.6μm〜2.12μmの微細な
粒子を測定するには、東亜医用電子製フロー式粒子像分
析装置FPIA−2000を用いる。フロー式粒子像分
析装置による0.6μm〜2.12μmの粒子の測定値
(個数)が全粒子数の15%以下であるトナーが好まし
い。これは、微細な粒子が一定量より少ないことを意味
しているが、微細な粒子が少ない場合には、トナーの流
動性が向上し、着色剤や帯電制御剤等均一に分布して帯
電性が均一となりやすい。また、0.6μm〜2.12
μmの微粒子数は、全粒子数の10%以下が更に好まし
く、8%以下が特に好ましい。また、該微粒子の割合の
下限は特になく、微粒子が全く存在しないのが最も好ま
しいが、それは製造上困難であり通常1%以上である。
【0059】次に本発明で用いられる感光体を説明す
る。本発明に用いられる感光体は、導電性支持体上に、
電荷発生層と電荷移動層が積層された積層型感光体であ
り、少なくとも、導電性支持体と電荷発生層、電荷移動
層から成る。電荷発生層と電荷移動層は、通常は、電荷
発生層の上に電荷移動層が積層された構成をとるが、逆
の構成でも良い。また、これらの他に、接着層、ブロッ
キング層等の中間層や、保護層など、電気特性、機械特
性の改良のための層を設けても良い。導電性支持体とし
ては周知の電子写真感光体に採用されているものがいず
れも使用できる。
【0060】導電性支持体は、具体的には例えばアルミ
ニウム、ステンレス、銅等の金属ドラム、シートあるい
はこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物が挙げられ
る。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高
分子電解質等の導電性物質を適当なバインダーとともに
塗布して導電処理したプラスチックフィルム、ブラスチ
ックドラム、紙、紙管等が挙げられる。また、金属粉
末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有
し、導電性となったプラスチックのシートやドラムが挙
げられる。また、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性
金属酸化物で導電処理したプラスチックフィルムやベル
トが挙げられる。
【0061】電荷発生層は、少なくともバインダーポリ
マー、及び電荷発生剤を含んでおり、本発明において
は、電荷発生剤としてオキシチタニウムフタロシアニン
が用いられる。これに、必要に応じ有機光導電性化合
物、色素、電子受容性化合物等を含んでいても良い。電
荷発生層に用いられるバインダーとしては、スチレン、
酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタク
リル酸エステル、ビニルアルコール、エチルビニルエー
テル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニ
ルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリウレタン、セルロースエステル、セルロー
スエーテル、フェノキシ樹脂、けい素樹脂、エポキシ樹
脂等が挙げられる。オキシチタニウムフタロシアニンと
バインダーポリマーとの割合は、特に制限はないが、一
般には、オキシチタニウムフタロシアニン100重量部
に対し、5〜500重量部、好ましくは20〜300重
量部のバインダーポリマーを使用する。
【0062】本発明の特徴の一つは、電荷発生剤とし
て、特定の結晶型オキシチタニウムフタロシアニンを用
いることにある。本発明に用いられる結晶型オキシチタ
ニウムフタロシアニンは、CuKα線によるX線回折に
おいてブラッグ角(2θ±0.2)27.3゜に最大回
折ピークを示すものである。
【0063】この結晶型オキシチタニウムフタロシアニ
ンは、例えば特開昭62−67094号公報の第2図
(同公報ではII型と称されている)、特開平2−82
56号公報の第1図、特開昭64−17066号公報の
第1図、特開昭63−20365号公報の第1図、電子
写真学会誌第92巻(1990年発行)第3号第250
〜258頁(同刊行物ではY型と称されている)に示さ
れたものであり、27.3°に最大回折ピークを示すこ
とが特徴である。また、この結晶型オキシチタニウムフ
タロシアニンは27.3°以外に通常7.4゜、9.7
゜、24.2゜にピークを示す。本明細書では、本発明
に用いられる結晶型オキシチタニウムフタロシアニン
を、学術発表での呼称に従いY型と呼ぶこととする。
【0064】回折ピークの強度は、結晶性、試料の配向
性、及び測定法により変化する場合があるが、粉末試料
のX線回折を行う場合に通常用いられるブラッグ−ブレ
ンターノの集中法による測定では、Y型結晶は27.3
°に最大回折ピークを有する。また、薄膜光学系(一般
に薄膜法あるい平行法とも呼ばれる)により測定された
場合、試料の状態によっては27.3°が最大回折ピー
クとならない場合があるが、これは結晶粉末が特定の方
向に配向しているためと考えられる。
【0065】本発明においては、感度を調節する等の目
的で、Y型オキシチタニウムフタロシアニン以外の電荷
発生剤を混合して用いても良いが、混合する場合には、
電荷発生物質がα型オキシチタニウムフタロシアニン、
β型オキシチタニウムフタロシアニン等のチタン含有フ
タロシアニン系化合物とのみ混合するのであれば、電荷
発生剤中のY型オキシチタニウムフタロシアニンの割合
は通常30重量%以上であり、50%重量以上が好まし
く、70重量%以上が更に好ましい。また、チタン含有
フタロシアニン系化合物以外の電荷発生剤とも混合する
のであれば、電荷発生剤中のY型オキシチタニウムフタ
ロシアニンの割合は通常40重量%以上であり、60%
重量以上が好ましく、80重量%以上が更に好ましい。
【0066】電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μm、
好ましくは0.1〜2μmである。電荷発生層から電荷
キャリアーが注入される。電荷移動層は、キャリアーの
注入効率と移動効率の高いキャリアー移動媒体を含有す
る。
【0067】電荷移動層は、少なくともバインダー及び
電荷移送剤を含んでおり、これに、必要に応じ、酸化防
止剤、増感剤、可塑剤、流動性付与剤、架橋剤等の各種
添加剤が含まれていても良い。電荷移送剤としては、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセ
ンのような複素環化合物や縮合多環芳香族化合物を側鎖
に有する高分子化合物、低分子化合物としては、ピラゾ
リン、イミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾー
ル、トリアゾール、カルバゾール等の複素環化合物、ト
リフェニルメタンのようなトリアリールアルカン誘導
体、トリフェニルアミンのようなトリアリールアミン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバ
ゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン化合物な
どが挙げられ、特に、置換アミノ基やアルコキシ基のよ
うな電気供与性基、あるいはこれらの置換基を有する芳
香族環基が置換した電子授与性の大きい化合物が挙げら
れる。これらの内、分子内に式(II)、式(II
I)、式(IV)、又は式(V)で表される原子団を有
する化合物が好ましい。
【0068】
【化1】
【0069】電荷移動剤として好ましい化合物の具体例
を以下に示す。なお、下記の具体例の内、(A−1)〜
(A−14)は式(II)で表される原子団を有する化
合物であり、(B−1)〜(B−8)は式(III)で
表される原子団を有する化合物であり、(C−1)〜
(C−5)は式(IV)で表される原子団を有する化合
物であり、(D−1)〜(D−3)は式(V)で表され
る原子団を有する化合物である。
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】
【化4】
【0073】
【化5】
【0074】
【化6】
【0075】
【化7】
【0076】
【化8】
【0077】
【化9】
【0078】
【化10】
【0079】更に、電荷移動層には必要に応じバインダ
ーポリマーが用いられる。バインダーポリマーとして
は、上記電荷移動剤(キャリアー移動媒体)との相溶性
が良く、塗膜形成後にキャリアー移動媒体が結晶化した
り、相分離することのないポリマーが好ましく、それら
の例としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ブタジエン
等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルア
セタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスル
ホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セル
ロースエステル、セルロースエーテル、フェノキシ樹
脂、けい素樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。なかで
も、離形性、耐久性を考慮すると、ポリカーボネート又
はポリエステルを含む樹脂が好ましい。
【0080】キャリアー移動媒体が高分子化合物の場合
は、特にバインダーポリマーを用いなくても良いが、可
とう性の改良等で混合することも行われる。低分子化合
物の場合は、成膜性のため、バインダーポリマーが用い
られ、その使用量は、通常キャリアー移動媒体100重
量部に対し50〜3000重量部、好ましくは70〜1
000重量部の範囲である。電荷移動層にはこの他に、
塗膜の機械的強度や、耐久性向上のための種々の添加剤
を用いることができる。このような添加剤としては、周
知の可塑剤や、種々の安定剤、流動性付与剤、架橋剤等
が挙げられる。
【0081】次に、感光体に潜像を形成するために露光
を行う露光装置としては、レーザー光、LED光等によ
りデジタル露光を行う装置が用いられるが、上記のY型
オキシチタニウムフタロシアニンの吸光度を考慮する
と、530〜850nmの光を発する露光装置が好まし
い。更に具体的には、532nm付近、635nm付
近、650nm付近、780nm付近、830nm付近
の光を発する露光装置が好ましい。
【0082】上述のトナー、感光体、定着装置、及び露
光装置を用いて画像を形成する際、感光体のドット露光
後の現像において、600dpi以上とドット数が多い
場合に、ワックスエマルジョンをシードとする乳化重合
凝集法によって得られたトナーと組み合わせて用いた場
合に、潜像上へのトナーの付着が良好になるので、高階
調、高解像度の潜像を忠実に再現できるものである。さ
らに、トナーの低温定着性が良好なため、100〜16
0℃の低温定着装置を備えた画像形成装置にも好ましく
使用できる本発明の画像形成方法が上記の効果を発揮す
る理由は必ずしも明確ではないが、ワックスエマルショ
ンをシードとする乳化重合凝集法で得られたトナーは、
比較的円形に近く、凹凸が少ない等の形状を有するた
め、ドット面積の小さい潜像を完全に再現するように現
像することが良好となるものと推定される。
【0083】また更に、このようなトナーは比較的粒形
が揃っているために、粒子の形が異なることによる粒子
個体内での帯電部位の局在化、及びそれに伴う個体間の
帯電量のばらつきが起こりにくく、その結果、どの粒子
も感光体上にほぼ均一な力で付着するので、潜像を忠実
に再現するものと考えられる。
【0084】しかも、上記のオキシチタニウムフタロシ
アニンを感光体の電荷発生物質として用いることで、感
光体が高感度を示すので、600dpi以上とドット数
が増えて各ドットの露光時間が短くなってもなお十分な
トナー濃度で現像することができる。更に、より小型、
高速、高解像度、低温定着の画像形成装置に有効に適用
できる。従って、本発明の画像形成方法は、1200d
pi以上の解像度を有する画像を形成する場合に特に有
効であり、電子写真感光体の回転速度が1.5回/秒以
上である場合に特に有効であり、また、電子写真感光体
の内径が25mm以下のドラムである場合に特に有効で
ある。更にまた、100〜150℃の低温定着装置をで
ある場合に特に有効である。そして、これらにより、省
エネルギーを達成することができる。
【0085】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものでない。 (着色剤分散液の作製) イ)着色剤分散液A ピグメントレッド238 40gに、脱塩水155g、
アルキルベンゼンスルホン酸塩5gを添加しサンドグラ
インダーミルで6時間分散処理して平均粒径0.18μ
mの着色剤分散液Aを得た。
【0086】ロ)着色剤分散液B ピグメントブルー15:3 60gに、脱塩水130
g、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル10
gを添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理し
て平均粒径0.15μmの着色剤分散液Bを得た。
【0087】ハ)着色剤分散液C ピグメントイエロー74 40gに、脱塩水146g、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル14gを
添加しサンドグラインダーミルで6時間分散処理して平
均粒径0.30μmの着色剤分散液Cを得た。
【0088】ニ)着色剤分散液D カーボンブラック(三菱化学製MA100)40gに、
脱塩水146g、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル14gを添加しサンドグラインダーミルで6時
間分散処理して平均粒径0.30μmの着色剤分散液D
を得た。
【0089】(重合体一次粒子の製造) イ)重合体一次粒子乳化液(E1) 攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤
仕込み装置を備えたガラス製反応器に以下のワックスエ
マルション、脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇
温した。
【0090】
【表1】 ベヘン酸ベヘニルエマルション(平均粒径0.4μm) 3.4kg(固形分として) 脱イオン水(ワックスエマルション中の水分を含む) 27kg
【0091】次に、下記のモノマー類、及び添加剤を添
加し、90℃で7時間乳化重合反応を行い、その後冷却
して乳白色の重合体一次粒子乳化液(スチレン−アクリ
ルポリマーエマルション)を得た(これをE1)とす
る。得られたエマルションの平均粒子径は330nm、
重合体の重量平均分子量は112400であった。
【0092】
【表2】 スチレン 5kg アクリル酸ブチル 1.3kg アクリル酸 190g ジビニルベンゼン 26g トリクロロブロモメタン 32g ドデシルベンゼンスルホン酸塩 6g 8%過酸化水素水溶液 677g 8%アスコルビン酸水溶液 677g
【0093】ロ)重合体一次粒子乳化液(E2) 攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤
仕込み装置を備えたガラス製反応器に以下のワックスエ
マルション、脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇
温した。
【0094】
【表3】 ベヘン酸ベヘニルエマルション(平均粒径0.4μm ) 21.3部(固形分として) 脱イオン水(ワックスエマルション中の水分を含む) 404.9部
【0095】次に、下記のモノマー類、添加剤を添加
し、90℃で5時間乳化重合反応を行い、その後冷却し
て、乳白色の重合体一次粒子乳化液を得た(これをE2
とする)。得られたエマルションの平均粒子径は257
nm、重合体の重量平均分子量は42000であった。
【0096】
【表4】 スチレン 64部 アクリル酸ブチル 36部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン 1.3部 乳化剤水溶液 12部 2%過酸化水素水溶液 43.0部 2%アスコルビン酸水溶液 43.0部
【0097】ハ)重合体一次粒子乳化液(E3) 攪拌装置、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤
仕込み装置を備えたガラス製反応器に以下のワックスエ
マルション、脱塩水を仕込み、窒素気流下で90℃に昇
温した。
【0098】
【表5】 ベヘン酸ベヘニルエマルション(平均粒径0.8μm ) 10.6部(固形分として) 脱イオン水(ワックスエマルション中の水分を含む) 352.3部
【0099】次に、下記のモノマー類、添加剤を添加
し、90℃で5時間乳化重合反応を行い、その後冷却し
て乳白色の重合体一次粒子乳化液を得た(これをE3と
する)。得られたエマルションの平均粒子径は244n
m、重合体の重量平均分子量は59000であった。
【0100】
【表6】 スチレン 75部 アクリル酸ブチル 25部 アクリル酸 3部 トリクロロブロモメタン 0.5部 乳化剤水溶液 26部 2%過酸化水素水溶液 43.2部 2%アスコルビン酸水溶液 43.2部
【0101】ニ)重合体一次粒子乳化液(E4) 重合体一次粒子乳化液(E3)の製造において、ベヘン
酸ベヘニル10.6部の代わりにドデシルベンゼンスル
ホン酸0.3を用いた以外は、重合体一次粒子(E3)
と同様に製造し、乳白色の重合体一次粒子を得た(これ
をE4とする)。得られたエマルションの平均粒子径は
219nm、重合体の重量平均分子量は60000であ
った。
【0102】(帯電制御剤分散液の作製)4−4’メチ
レンビス〔2−〔N−(4−クロロフェニル)アミド〕
−3−ヒドロキシナフタレン〕40gに、脱塩水160
g、アルキルナフタレンスルフォン酸塩8gを添加しサ
ンドグラインダーミルで2時間分散処理して帯電制御剤
分散液を得た。
【0103】(トナーの製造) イ)トナー(T1) 重合体一次粒子乳化液(E1)300gに着色剤分散液
A16g、帯電制御剤分散液1.6gを混合攪拌した。
攪拌を継続しながらこの中に0.5%Al2(SO43
87gを加え、2時間で25℃から60℃に昇温し攪
拌を継続した。ドデシルベンゼンスルホン酸塩2gを添
加し98℃に昇温し7時間攪拌を継続した。得られた粒
子を吸引濾過、水洗を繰り返し、送風乾燥する事により
マゼンタトナー60gを得た。得られた粒子をコールタ
ーカウンターを用いて粒径を測定したところ、体積平均
径は7.5μm、個数平均径6.8μmであった。ま
た、FPIA−2000を用いて円形度及び0.6〜
2.12μmの粒子の個数割合を測定したところ、50
%円形度は0.99であり、0.6〜2.12μmの粒
子の個数割合は6%であった。トナー100部に対し
て、疎水性の表面処理をしたシリカを1部混合攪拌し、
現像用トナーを得た(これをT1とする)。
【0104】ロ)トナー(T2) トナー(T1)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着
色剤分散液Bを使用する以外はトナー(T1)と同様に
製造したところ、体積平均径7.5μm、個数平均径
6.9μm、50%円形度0.99、0.6〜2.12
μmの粒子の個数割合が4%のシアントナー57gを得
た。トナー(T1)と同様に外添処理を実施し現像用ト
ナーを得た(これをT2とする)。
【0105】ハ)トナー(T3) トナー(T1)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着
色剤分散液Cを使用する以外はトナー(T1)と同様に
製造したところ、体積平均径7.3μm、個数平均径
6.3μm、50%円形度0.99、0.6〜2.12
μmの粒子の個数割合が3%のイエロートナー57gを
得た。トナー(T1)と同様に外添処理を実施し現像用
トナーを得た(これをT3とする)。
【0106】ニ)トナー(T4) トナー(T1)で使用した着色剤分散液Aの代わりに着
色剤Dを使用する以外はトナー(T1)と同様に製造し
たところ、体積平均径7.3μm、個数平均径6.3μ
m、50%円形度0.98、0.6〜2.12μmの粒
子の個数割合が4%のブラックトナー57gを得た。ト
ナー(T1)と同様に外添処理を実施し現像用トナーを
得た(これをT4とする)。
【0107】ホ)トナー(T5) トナー(T1)で使用した、Al2(SO43 の量を
50gに変更する以外はトナー(T1)と同様に製造し
たところ、体積平均粒径7.5μm、個数平均粒径5.
3μm、50%円形度0.98、0.6〜2.12μm
の粒子の個数割合が7%のマゼンタトナー60gを得
た。トナー(T1)と同様に外添処理を実施し現像用ト
ナーを得た(これをT5とする)。
【0108】ヘ)トナー(T6) 25℃から60℃への昇温時間を2時間から30分に変
更する以外はトナー(T1)と同様に製造したところ、
体積平均粒径7.5μm、個数平均粒径6.2μm、5
0%円形度0.98、0.6〜2.12μmの粒子の個
数割合が16%のマゼンタトナー60gを得た。トナー
(T1)と同様に外添処理を実施し現像用トナーを得た
(これをT6とする)。
【0109】ト)トナー(T7) トナー(T7)は、粉砕法による製造例である。ポリエ
ステル樹脂(Tg=60℃、Sp=135℃、1%架
橋)94部に、ピグメントブルー15:3を40%含有
する前記ポリエステル樹脂のマスターバッチ10部、帯
電制御剤として4−4’メチレンビス〔2−〔N−(4
−クロロフェニル)アミド〕−3−ヒドロキシナフタレ
ン〕、1部を溶融混練した後、粉砕分級して、体積平均
径7.8μm、個数平均径5.8μm、50%円形度
0.94のシアントナーを得た。トナー(T1)と同様
に外添処理を実施し現像用トナーを得た(これをT7と
する)。
【0110】チ)トナー(T8) トナー(T1)の製造において、重合体一次粒子乳化液
(E1)300gの代わりに重合体一次粒子乳化液(E
2)300gを用いた以外は、トナー(T1)と同様に
製造して、体積平均径7.0μm、個数平均径6.1μ
m、50%円形度0.98、0.6〜2.12μmの粒
子の個数割合が11%のマゼンタトナーを得た(これを
トナーT8とする)。
【0111】リ)トナー(T9) トナー(T1)の製造において、重合体一次粒子乳化液
(E1)300gの代わりに重合体一次粒子乳化液(E
3)300gを用いた以外は、トナー(T1)と同様に
製造して、体積平均径6.6μm、個数平均径5.4μ
m、50%円形度0.98、0.6〜2.12μmの粒
子の個数割合が15%のマゼンタトナーを得た(これを
トナーT9とする)。
【0112】ヌ)トナー(T10)トナー(T10)
は、ワックスをシードとして用いない乳化重合凝集法に
よる製造例である。トナー(T1)の製造において、重
合体一次粒子乳化液(E1)300gの代わりに重合体
一次粒子乳化液(E4)300gと、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウムで乳化したベヘン酸ベヘニルエマ
ルション(固形分として30g:平均粒径0.44μ
m)との混合物を用いた以外は、トナー(T1)と同様
に製造して、体積平均径6.0μm、個数平均径4.8
μm、50%円形度0.98、0.6〜2.12μmの
粒子の個数割合が21%のマゼンタトナーを得た(これ
をトナーT10とする)。
【0113】(感光体の製造) (オキシチタニウムフタロシアニンの製造例)常法に従
って合成したオキシチタニウムフタロシアニン100g
を2kgの濃硫酸に溶解し、20リットルの水にあけて
析出させて濾取し、十分水洗いを繰り返し(所望により
アンモニア水等の希アルカリ水を使用)アモルファス状
態のウェットペーストを得た。このウェットペースト2
gに、1,2−ジクロロエタン300gを加え、室温下
で3時間撹拌を行なった。メタノールで希釈して濾過
し、メタノール洗浄後、乾燥して、CuKα線によるX
線回折においてブラッグ角(2θ±0.2°)27.3
°に最大回折ピークを有する結晶を得た。
【0114】(感光体の製造−1)上記製造例で製造し
たオキシチタニウムフタロシアニン4部、ポリビニルブ
チラール2部を、4−メトキシ−4−メチル−2−ペン
タノン300部と共に、サンドグラインダーミルで8時
間分散した。これを、アルミニウムドラム(30mm
Φ)に浸漬塗布により塗布し、膜厚0.2μmの電荷発
生層を形成した。次いで、キャリア移動媒体として4−
(2,2−ジフェニルエテニル)−N,N−ジフェニル
ベンゼンアミンを100部とポリカーボネート樹脂(三
菱ガス化学社製 ユーピロン Z200)100部から
なる膜厚20μmの電荷移動層を積層し、積層型感光層
を有する電子写真感光体を得た(これをPC1とす
る)。
【0115】(感光体の製造−2)感光体の製造−1で
使用したアルミニウムドラムの代わりに表面がアルミ蒸
着層になっているポリエステルフィルムを使用し、侵漬
塗布の代わりにコーター塗布機を使用した以外は感光体
(PC1)と同様に製造し、シート状感光体を得た(こ
れをPC2とする)。
【0116】(感光体の製造−3)感光体の製造−1に
おいて、オキシチタニウムフタロシアニンとしてβ型を
用いた以外は、感光体の製造−1と同様にして積層型感
光層を有する電子写真感光体を得た(これをPC3とす
る)。
【0117】(感光体の製造−4)感光体の製造−2に
おいて、オキシチタニウムフタロシアニンとしてβ型を
用いた以外は、感光体の製造−2と同様に製造し、シー
ト状感光体を得た(これをPC4とする)。
【0118】(評価法)以上のようにして得られた感光
体PC1及びPC3をCASIO社製Color Pa
geprestoN4−612IIに搭載した(600
dpiの評価)。また、感光体PC2及びPC4ついて
は、テクトロニクス社製Phaser560Jに搭載し
た(1200dpiの評価)。
【0119】以下の評価を実施した。 (A)階調性 画像濃度が網点の面積率で10段階の濃度を判別できる
ような画像モードを有したプリントローラを接続し、プ
リント画像が何段階まで判別できるかを評価した。 (B)解像度−1 プリント画像上に1mmあたり等間隔の縦線をもうけて
評価した。600dpiでは、6本、9本、12本もう
けて評価した。12000dpiでは、17本、20
本、23本もうけて評価した。
【0120】(C)解像度−2 プリント画像上に直径50μmの孤立ドットの再現性に
より評価した。 A:再現性極めて良好 B:良好 C:解像力不充分
【0121】(D)定着温度領域 上記の各装置にて現像工程まで行い、未定着のトナー像
を担持した記録紙を取り出し、次に、別に用意した定着
装置にて加熱ローラの表面温度を100℃から190℃
まで変化させ、定着ニップ部に搬送し、排出されたとき
の定着状態を観察した。定着時に加熱ローラにトナーの
オフセットが生じず、定着後の記録紙上のトナーが十分
に記録紙に接着している温度領域を定着温度領域とす
る。定着装置の加熱ローラは、離型層がPFA(テトラ
フルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体)でできており、ニップ幅は4mmで評価し
た。
【0122】
【表7】
【0123】
【表8】
【0124】
【発明の効果】上述した特定のチタニルフタロシアニン
を用いた感光体と、ワックスをシードとした乳化重合凝
集法によって製造したトナーを用い、記録ドット密度6
00dpi以上の露光を行う事により、高階調、高解像
度の画像が得らることができる。また、本発明は、小
型、高速、低温定着の電子写真装置に有利に適用でき
る。
【0125】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられる画像形成装置の一例の概
略図である。
【図2】 本発明に用いられるタンデム型フルカラー画
像形成装置の一例の主要構成部の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電装置 3 露光装置 4 現像槽 4k ブラック現像槽 4y イエロー現像槽 4c シアン現像槽 4m マゼンタ現像槽 5 転写装置 6 クリーニング装置 7 定着装置 42 アジテータ 43 供給ローラ 44 現像ローラ 45 規制部材 71 上部定着部材 72 下部定着部材 73 加熱装置 T トナー P 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 101 G03G 9/08 384 15/04 120 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 AB03 AB06 CA01 CA14 DA06 EA05 EA07 FA07 2H033 AA01 AA20 BA25 BB01 BB18 BB28 CA30 2H068 AA19 AA34 AA35 BA39 FB07 FB08 FB11 2H076 AB02 AB09 AB42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも感光体、露光装置、定着装
    置、及びトナーを用いる画像形成方法において、該感光
    体が、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角
    (2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを有する
    オキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層
    と、電荷移動層が積層した感光層を有し、該露光装置に
    よって該感光体に対し記録ドット密度が600ドット/
    インチ以上のデジタル像露光を行い、この像露光で形成
    された静電潜像の現像において、ワックスエマルジョン
    の存在下でモノマーのシード乳化重合を行い、ついで得
    られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子を含有す
    る分散液とを混合し、粒子凝集させて得られたトナーを
    用いることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該ワックスエマルジョンの平均粒径が、
    0.01μm〜3μmであることを特徴とする請求項1
    に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該重合体一次粒子中に、粒子内のバイン
    ダー樹脂100重量部に対して該ワックスが1重量部〜
    40重量部含有されていることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 記録ドット密度が1200ドット/イン
    チ以上である請求項1乃至3に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 デジタル像露光が、530〜850nm
    の範囲の波長の光で行われる請求項1乃至4に記載の画
    像形成方法。
  6. 【請求項6】 該定着装置によって、100〜150℃
    にてトナー画像を定着する請求項1乃至5に記載の画像
    形成方法。
  7. 【請求項7】 該トナーが、ワックスエマルションの存
    在下で酸性極性基又は塩基性極性基を有するモノマーを
    含むモノマー混合物を逐次添加してシード重合を行い、
    ついで得られた重合体一次粒子分散液着色剤一次粒子を
    含有する分散液とを混合し、粒子凝集させて得られたト
    ナーである請求項1乃至6に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 少なくとも感光体、露光装置、定着装
    置、及びトナーを備えた画像形成装置であって、該感光
    体がCuKα線によるX線回折において、ブラッグ角
    (2θ±0.2)27.3゜に最大回折ピークを有する
    オキシチタニウムフタロシアニンを含有する電荷発生層
    と、電荷移動層が積層した感光層を有し、該露光装置が
    記録ドット密度が600ドット/インチ以上のデジタル
    像露光を行うものであり、該トナーが、ワックスエマル
    ジョンの存在下でモノマーのシード乳化重合を行い、つ
    いで得られた重合体一次粒子分散液と着色剤一次粒子を
    含有する分散液とを混合し、粒子凝集させて得られたも
    のであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 該定着装置における定着温度が100〜
    150℃である請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 該トナーが、ワックスエマルションの
    存在下で酸性極性基又は塩基性極性基を有するモノマー
    を含むモノマー混合物を逐次添加してシード重合を行
    い、ついで得られた重合体一次粒子分散液着色剤一次粒
    子を含有する分散液とを混合し、粒子凝集させて得られ
    たトナーである請求項8又は9に記載の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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