JP2001311000A - 注型ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
注型ポリアミド樹脂組成物Info
- Publication number
- JP2001311000A JP2001311000A JP2000129304A JP2000129304A JP2001311000A JP 2001311000 A JP2001311000 A JP 2001311000A JP 2000129304 A JP2000129304 A JP 2000129304A JP 2000129304 A JP2000129304 A JP 2000129304A JP 2001311000 A JP2001311000 A JP 2001311000A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide resin
- resin composition
- weight
- cast polyamide
- cast
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Landscapes
- Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 このように注型ポリアミド樹脂に前記に示す
ような酸化防止剤を添加配合することによって、高温下
で使用するような場合であっても機械的強度が劣化する
ことなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型ポ
リアミド樹脂を提供する 【解決手段】 注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤
としてヨウ化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノー
ルから選ばれてなる少なくとも1種を添加したことを特
徴とする。
ような酸化防止剤を添加配合することによって、高温下
で使用するような場合であっても機械的強度が劣化する
ことなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型ポ
リアミド樹脂を提供する 【解決手段】 注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤
としてヨウ化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノー
ルから選ばれてなる少なくとも1種を添加したことを特
徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型内にモノマー
を注型して重合すると共に成形するポリアミド樹脂に関
するものであり、詳しくは高温下での酸化劣化を防止し
た注型ポリアミド樹脂組成物に関する。
を注型して重合すると共に成形するポリアミド樹脂に関
するものであり、詳しくは高温下での酸化劣化を防止し
た注型ポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂はエンジニアリングプラ
スチックでも代表的なもので機械的強度、耐衝撃性、耐
熱性、耐薬品性という面で優れており、しかも成形性も
よいことから、ギア、ロール、摺動板といった多くの機
械部品としても使用されている。このポリアミド樹脂の
なかにε−カプロラクタムなどのモノマーを金型に注型
してアニオン重合することによって得られる注型ポリア
ミド樹脂(モノマーキャストナイロン)がある。
スチックでも代表的なもので機械的強度、耐衝撃性、耐
熱性、耐薬品性という面で優れており、しかも成形性も
よいことから、ギア、ロール、摺動板といった多くの機
械部品としても使用されている。このポリアミド樹脂の
なかにε−カプロラクタムなどのモノマーを金型に注型
してアニオン重合することによって得られる注型ポリア
ミド樹脂(モノマーキャストナイロン)がある。
【0003】これらのポリアミド樹脂製品は、確かに機
械的物性と共に耐熱性にも優れているものの、より高温
下での使用に耐えうるために熱による酸化劣化から保護
するための工夫がなされている。
械的物性と共に耐熱性にも優れているものの、より高温
下での使用に耐えうるために熱による酸化劣化から保護
するための工夫がなされている。
【0004】従来からポリアミド製品を熱酸化劣化から
保護するために銅化合物を主体とした様々な方法が提案
されてきた。すなわち英国特許652,947号には銅
塩を添加する方法が記載されているがかかる銅塩を含有
するポリアミドを溶融成形すると、ポリアミドが赤褐色
に着色したり、ポリアミドに不要の沈殿物が析出したり
する欠点がある。
保護するために銅化合物を主体とした様々な方法が提案
されてきた。すなわち英国特許652,947号には銅
塩を添加する方法が記載されているがかかる銅塩を含有
するポリアミドを溶融成形すると、ポリアミドが赤褐色
に着色したり、ポリアミドに不要の沈殿物が析出したり
する欠点がある。
【0005】この欠点を改善するために、英国特許第8
39,067号には銅化合物と有機もしくは無機ハロゲ
ン化物を併用する方法、あるいは銅化合物とフェノール
系もしくは芳香族アミン系の老化防止剤を組み合わせる
方法、特公昭38−22720には銅化合物と2−メル
カプトベンズイミダゾールなどの硫黄化合物を組み合わ
せる方法が提案されている。
39,067号には銅化合物と有機もしくは無機ハロゲ
ン化物を併用する方法、あるいは銅化合物とフェノール
系もしくは芳香族アミン系の老化防止剤を組み合わせる
方法、特公昭38−22720には銅化合物と2−メル
カプトベンズイミダゾールなどの硫黄化合物を組み合わ
せる方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの提案
はいずれもポリアミド樹脂に関するものであるものの、
モノマーを金型に注型して重合すると共に成形を行う注
型ポリアミド樹脂(モノマーキャストナイロン)に関す
るものではなく、モノマーキャストナイロンに関する耐
熱性の向上についてはなんら記載されていない。
はいずれもポリアミド樹脂に関するものであるものの、
モノマーを金型に注型して重合すると共に成形を行う注
型ポリアミド樹脂(モノマーキャストナイロン)に関す
るものではなく、モノマーキャストナイロンに関する耐
熱性の向上についてはなんら記載されていない。
【0007】また、これらの安定剤を用いたとしても着
色が著しく促進されたり、熱安定化の能力が十分に発揮
されなかったりするなどの問題があり、実用上満足すべ
き安定剤を得るに至っていない。
色が著しく促進されたり、熱安定化の能力が十分に発揮
されなかったりするなどの問題があり、実用上満足すべ
き安定剤を得るに至っていない。
【0008】従来の製法で成形したモノマーキャストナ
イロンでは高温下において、酸素との作用により酸化劣
化を起こし、モノマーキャストナイロンの特徴である機
械的強度などの物性が低下するため使用できない。
イロンでは高温下において、酸素との作用により酸化劣
化を起こし、モノマーキャストナイロンの特徴である機
械的強度などの物性が低下するため使用できない。
【0009】そこで、本発明ではモノマーキャストナイ
ロンにおいて、高温下の使用においても、酸化劣化を起
こすことなく、機械的強度を十分に保持することのでき
るポリアミド樹脂組成物の提供を目的とする。
ロンにおいて、高温下の使用においても、酸化劣化を起
こすことなく、機械的強度を十分に保持することのでき
るポリアミド樹脂組成物の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記のような目的を達成
するために本発明の請求項1では、モノマーを金型内に
注型して重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物に
おいて、注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤として
ヨウ化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノールから
選ばれてなる少なくとも1種を添加したことを特徴とす
る。
するために本発明の請求項1では、モノマーを金型内に
注型して重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物に
おいて、注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤として
ヨウ化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノールから
選ばれてなる少なくとも1種を添加したことを特徴とす
る。
【0011】このように注型ポリアミド樹脂に前記に示
すような酸化防止剤を添加配合することによって、高温
下で使用するような場合であっても機械的強度が劣化す
ることなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型
ポリアミド樹脂を提供することができる。
すような酸化防止剤を添加配合することによって、高温
下で使用するような場合であっても機械的強度が劣化す
ることなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型
ポリアミド樹脂を提供することができる。
【0012】請求項2では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化銅を0.001〜0.1重量部添加した
ことを特徴とする。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化銅を0.001〜0.1重量部添加した
ことを特徴とする。
【0013】注型ポリアミド樹脂組成物にヨウ化銅から
なる酸化防止剤を所定量添加することによって、高温下
での使用において優れた耐久性を有する注型ポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
なる酸化防止剤を所定量添加することによって、高温下
での使用において優れた耐久性を有する注型ポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
【0014】請求項3では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化カリウムを0.001〜0.5重量部添
加したことを特徴とする。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化カリウムを0.001〜0.5重量部添
加したことを特徴とする。
【0015】注型ポリアミド樹脂組成物にヨウ化カリウ
ムからなる酸化防止剤を所定量添加することによって、
高温下での使用において優れた耐久性を有する注型ポリ
アミド樹脂組成物を得ることができる。
ムからなる酸化防止剤を所定量添加することによって、
高温下での使用において優れた耐久性を有する注型ポリ
アミド樹脂組成物を得ることができる。
【0016】請求項4では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヒンダードフェノールを0.05〜0.3重量
部添加したことを特徴とする注型ポリアミド樹脂組成
物。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヒンダードフェノールを0.05〜0.3重量
部添加したことを特徴とする注型ポリアミド樹脂組成
物。
【0017】酸化防止剤としてヒンダードフェノールを
所定量添加することによって、高温下において酸素との
作用により酸化劣化を起こすことを防止することがで
き、機械的強度などの物性が低下することのない注型ポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。
所定量添加することによって、高温下において酸素との
作用により酸化劣化を起こすことを防止することがで
き、機械的強度などの物性が低下することのない注型ポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0018】請求項5では、注型ポリアミド樹脂100
重量部に対してヒンダードフェノール以外に有機リン系
化合物0.05〜0.1重量部を添加したとしている。
重量部に対してヒンダードフェノール以外に有機リン系
化合物0.05〜0.1重量部を添加したとしている。
【0019】ヒンダードフェノールに加えて有機リン系
化合物を所定量添加することによってより酸素による劣
化を防止することができ、物性の低下も抑えることがで
きるものである。
化合物を所定量添加することによってより酸素による劣
化を防止することができ、物性の低下も抑えることがで
きるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、金型内にε−カプロラ
クタムやその他触媒などを注型して加熱し、重合すると
共に成形を行う注型ポリアミド樹脂(モノマーキャスト
ナイロン)に関するものであり、注型ポリアミド樹脂組
成物において高温化における酸化劣化を防止することを
目的としたものである。
クタムやその他触媒などを注型して加熱し、重合すると
共に成形を行う注型ポリアミド樹脂(モノマーキャスト
ナイロン)に関するものであり、注型ポリアミド樹脂組
成物において高温化における酸化劣化を防止することを
目的としたものである。
【0021】そのために注型ポリアミド樹脂に対して,
酸化防止剤としてヨウ化銅、ヨウ化カリウムもしくはヒ
ンダードフェノールから選ばれてなる少なくとも1種を
添加するものである。
酸化防止剤としてヨウ化銅、ヨウ化カリウムもしくはヒ
ンダードフェノールから選ばれてなる少なくとも1種を
添加するものである。
【0022】またその添加量は、ヨウ化銅の場合は注型
ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.001〜
0.1重量部であり、ヨウ化カリウムの場合は0.00
1〜0.5重量部、ヒンダードフェノールの場合は0.
05〜0.3重量部である。
ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.001〜
0.1重量部であり、ヨウ化カリウムの場合は0.00
1〜0.5重量部、ヒンダードフェノールの場合は0.
05〜0.3重量部である。
【0023】注型ポリアミド樹脂に対して前記のような
所定量の化合物を酸化防止剤として添加することによっ
て、より耐熱性を向上させることができ、100℃を超
えるような高温下での使用に際しても長期間に渡って機
械的強度などの物性を維持することができるものであ
る。
所定量の化合物を酸化防止剤として添加することによっ
て、より耐熱性を向上させることができ、100℃を超
えるような高温下での使用に際しても長期間に渡って機
械的強度などの物性を維持することができるものであ
る。
【0024】また、ヒンダードフェノールを添加する場
合は、加えて有機リン系化合物を添加することによって
耐熱性を更に向上させることができる。その場合の有機
リン系化合物の添加量は、注型ポリアミド樹脂100重
量部に対して、0.05〜0.1重量部の範囲で添加す
ることになる。
合は、加えて有機リン系化合物を添加することによって
耐熱性を更に向上させることができる。その場合の有機
リン系化合物の添加量は、注型ポリアミド樹脂100重
量部に対して、0.05〜0.1重量部の範囲で添加す
ることになる。
【0025】本発明で用いることのできるヒンダードフ
ェノールの例としては、N,N’−ヘキサン−1,6−
ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)、エチレンビ
ス(オキシエチレン)ビス(3−(5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート)、
トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネー
ト)等が挙げられる。
ェノールの例としては、N,N’−ヘキサン−1,6−
ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)、エチレンビ
ス(オキシエチレン)ビス(3−(5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート)、
トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネー
ト)等が挙げられる。
【0026】また、有機リン系化合物としては、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)
−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸などを
挙げることができる。
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファ
イト、ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)
−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸などを
挙げることができる。
【0027】本発明で言う注型ポリアミド樹脂は、5員
環以上の実質的に無水のω−ラクタムであって、2−ピ
ロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムな
どのモノマーを金型に注型してアニオン重合することに
よって得られるポリアミドである。この製造方法につい
ては例えば特公昭50−9026号公報、特公昭51−
1277号公報に開示されている。この方法によって得
られた注型ポリアミドは、金型内で十分に重合されるた
めに他の重合方法によって得られたポリアミド樹脂に比
べて分子量が高く、しかも各分子が絡み合っているた
め、溶融粘度が高いという性質を持つものである。
環以上の実質的に無水のω−ラクタムであって、2−ピ
ロリドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムな
どのモノマーを金型に注型してアニオン重合することに
よって得られるポリアミドである。この製造方法につい
ては例えば特公昭50−9026号公報、特公昭51−
1277号公報に開示されている。この方法によって得
られた注型ポリアミドは、金型内で十分に重合されるた
めに他の重合方法によって得られたポリアミド樹脂に比
べて分子量が高く、しかも各分子が絡み合っているた
め、溶融粘度が高いという性質を持つものである。
【0028】上記のような酸化防止剤はポリアミド樹脂
を重合する前のε−カプロラクタムなどのモノマーの段
階で添加し、注型して重合することによって本発明の注
型ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
を重合する前のε−カプロラクタムなどのモノマーの段
階で添加し、注型して重合することによって本発明の注
型ポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0029】本発明において必須な構成要件は、上記の
通りであるが、それ以外にも着色剤、補強剤、滑剤など
を適宜添加配合してもよい。
通りであるが、それ以外にも着色剤、補強剤、滑剤など
を適宜添加配合してもよい。
【0030】注型ポリアミド樹脂に配合する酸化防止剤
の例として挙げられるもののうち、ヨウ化銅の場合、酸
化劣化防止の作用は次の通りである。ポリアミド樹脂に
添加されたヨウ化銅はアミド基に配位し、隣接するメチ
レン基からの水素引き抜きを抑制しているものと考えら
れる。これによってパーオキサイドラジカルが形成され
ないため、結果としてポリアミド樹脂の酸化劣化が起き
にくくなっているものと推定される。
の例として挙げられるもののうち、ヨウ化銅の場合、酸
化劣化防止の作用は次の通りである。ポリアミド樹脂に
添加されたヨウ化銅はアミド基に配位し、隣接するメチ
レン基からの水素引き抜きを抑制しているものと考えら
れる。これによってパーオキサイドラジカルが形成され
ないため、結果としてポリアミド樹脂の酸化劣化が起き
にくくなっているものと推定される。
【0031】次にヒンダードフェノールの作用は次の通
りである。ラジカル連鎖反応である樹脂の酸化劣化にお
いて、ヒンダードフェノールは(ROO・+AH→RO
OH+A・)の式ように反応して生成したROO・を安
定化する。
りである。ラジカル連鎖反応である樹脂の酸化劣化にお
いて、ヒンダードフェノールは(ROO・+AH→RO
OH+A・)の式ように反応して生成したROO・を安
定化する。
【0032】ヒンダードフェノールを用いた場合、A・
は安定なラジカルとなり、ラジカル連鎖を停止すること
ができる。
は安定なラジカルとなり、ラジカル連鎖を停止すること
ができる。
【0033】有機リン系化合物の作用は次の通りであ
る。ヒンダードフェノールの反応により生じたROOH
は高温化でRO・と・OHに解離され、再び酸化劣化を
引き起こす。有機リン系化合物はROOHをROHに分
解・安定化する機能を有している。従って、有機リン系
化合物はヒンダードフェノールと併用することによって
ポリアミド樹脂の酸化劣化を効果的に抑制することがで
きる。
る。ヒンダードフェノールの反応により生じたROOH
は高温化でRO・と・OHに解離され、再び酸化劣化を
引き起こす。有機リン系化合物はROOHをROHに分
解・安定化する機能を有している。従って、有機リン系
化合物はヒンダードフェノールと併用することによって
ポリアミド樹脂の酸化劣化を効果的に抑制することがで
きる。
【0034】このような酸化防止剤を配合したモノマー
を用いて金型内に注型して重合・成形することによって
得られたポリアミド樹脂は耐熱性に優れており、高温下
での使用でも変色や物性の低下がごく小さなものとする
ことができる。また、上記の酸化防止剤は単独で用いて
よいが、本発明において併用することを妨げるものでは
ない。
を用いて金型内に注型して重合・成形することによって
得られたポリアミド樹脂は耐熱性に優れており、高温下
での使用でも変色や物性の低下がごく小さなものとする
ことができる。また、上記の酸化防止剤は単独で用いて
よいが、本発明において併用することを妨げるものでは
ない。
【0035】次に本発明の実施例およびデータを比較す
るための比較例を挙げてそれぞれのサンプルを用いて試
験を行い、本発明の効果を確かめた。
るための比較例を挙げてそれぞれのサンプルを用いて試
験を行い、本発明の効果を確かめた。
【0036】
【実施例】(実施例1)実施例1としては、触媒を加え
た重合性ε−カプロラクタム100重量部に対して、ヨ
ウ化銅0.03重量部を配合したものを、150℃に加
熱した金型に注型し、60min加熱することによって
試験片の重合・成形を行った。配合を表1に示す。でき
あがった試験片を140℃の恒温槽に入れて、引張強さ
および引張伸びの経時変化を測定した。その引張強さの
結果を表2に、引張伸びの結果を表3に示す。
た重合性ε−カプロラクタム100重量部に対して、ヨ
ウ化銅0.03重量部を配合したものを、150℃に加
熱した金型に注型し、60min加熱することによって
試験片の重合・成形を行った。配合を表1に示す。でき
あがった試験片を140℃の恒温槽に入れて、引張強さ
および引張伸びの経時変化を測定した。その引張強さの
結果を表2に、引張伸びの結果を表3に示す。
【0037】引張強さおよび引張伸びの測定は、AST
M D−638に従い行った。
M D−638に従い行った。
【0038】(実施例2)触媒を加えた重合性ε−カプ
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヨウ
化カリウムを0.1重量部配合した以外は実施例1と全
く同様にして試験片を作製し、引張強さおよび引張伸び
の経時変化を測定した。配合を表1に、引張強さの結果
を表2に、引張伸びの結果を表3に示す。
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヨウ
化カリウムを0.1重量部配合した以外は実施例1と全
く同様にして試験片を作製し、引張強さおよび引張伸び
の経時変化を測定した。配合を表1に、引張強さの結果
を表2に、引張伸びの結果を表3に示す。
【0039】(実施例3)触媒を加えた重合性ε−カプ
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヒン
ダードフェノールであるN,N’−ヘキサン−1,6−
ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)を0.3重量
部配合した以外は実施例1と全く同様にして試験片を作
製し、引張強さおよび引張伸びの経時変化を測定した。
配合を表1に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結
果を表3に示す。
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヒン
ダードフェノールであるN,N’−ヘキサン−1,6−
ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド)を0.3重量
部配合した以外は実施例1と全く同様にして試験片を作
製し、引張強さおよび引張伸びの経時変化を測定した。
配合を表1に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結
果を表3に示す。
【0040】(実施例4)触媒を加えた重合性ε−カプ
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヒン
ダードフェノールであるトリエチレングリコールビス
(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート)を0.27重量部と有機リ
ン系化合物であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)フォスファイトを0.03重量部配合した
以外は実施例1と全く同様にして試験片を作製し、引張
強さおよび引張伸びの経時変化を測定した。配合を表1
に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結果を表3に
示す。
ロラクタム100重量部に対してヨウ化銅の代りにヒン
ダードフェノールであるトリエチレングリコールビス
(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオネート)を0.27重量部と有機リ
ン系化合物であるトリス(2,4−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)フォスファイトを0.03重量部配合した
以外は実施例1と全く同様にして試験片を作製し、引張
強さおよび引張伸びの経時変化を測定した。配合を表1
に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結果を表3に
示す。
【0041】(比較例1)触媒を加えた重合性ε−カプ
ロラクタムに対して酸化防止剤を一切加えたなかった以
外は実施例1と全く同様にして試験片を作製し、引張強
さおよび引張伸びの経時変化を測定した。配合を表1
に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結果を表3に
示す。
ロラクタムに対して酸化防止剤を一切加えたなかった以
外は実施例1と全く同様にして試験片を作製し、引張強
さおよび引張伸びの経時変化を測定した。配合を表1
に、引張強さの結果を表2に、引張伸びの結果を表3に
示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】以上表2、表3に示した結果から、酸化防
止剤を所定範囲内で添加した実施例では比較例と比べて
引張強さや引張伸びの経時劣化が明らかに少なく、10
0℃を超えるような高温下においても優れた耐熱性を維
持することがわかる。
止剤を所定範囲内で添加した実施例では比較例と比べて
引張強さや引張伸びの経時劣化が明らかに少なく、10
0℃を超えるような高温下においても優れた耐熱性を維
持することがわかる。
【0046】
【発明の効果】請求項1では、モノマーを金型内に注型
して重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤としてヨウ
化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノールから選ば
れてなる少なくとも1種を添加したことを特徴とする。
して重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂に対して酸化防止剤としてヨウ
化銅、ヨウ化カリウム、ヒンダードフェノールから選ば
れてなる少なくとも1種を添加したことを特徴とする。
【0047】このように注型ポリアミド樹脂に前記に示
すような酸化防止剤を添加配合することによって、高温
下で使用するような場合であっても機械的強度が劣化す
ることなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型
ポリアミド樹脂を提供することができる。
すような酸化防止剤を添加配合することによって、高温
下で使用するような場合であっても機械的強度が劣化す
ることなく長期にわたって優れた物性を保持できる注型
ポリアミド樹脂を提供することができる。
【0048】請求項2では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化銅を0.001〜0.1重量部添加した
ことを特徴とする。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化銅を0.001〜0.1重量部添加した
ことを特徴とする。
【0049】注型ポリアミド樹脂組成物にヨウ化銅から
なる酸化防止剤を所定量添加することによって、高温下
での使用において優れた耐久性を有する注型ポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
なる酸化防止剤を所定量添加することによって、高温下
での使用において優れた耐久性を有する注型ポリアミド
樹脂組成物を得ることができる。
【0050】請求項3では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化カリウムを0.001〜0.5重量部添
加したことを特徴とする。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヨウ化カリウムを0.001〜0.5重量部添
加したことを特徴とする。
【0051】注型ポリアミド樹脂組成物にヨウ化カリウ
ムからなる酸化防止剤を所定量添加することによって、
高温下での使用において優れた耐久性を有する注型ポリ
アミド樹脂組成物を得ることができる。
ムからなる酸化防止剤を所定量添加することによって、
高温下での使用において優れた耐久性を有する注型ポリ
アミド樹脂組成物を得ることができる。
【0052】請求項4では、モノマーを金型内に注型し
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヒンダードフェノールを0.05〜0.3重量
部添加したことを特徴とする注型ポリアミド樹脂組成
物。
て重合して得られる注型ポリアミド樹脂組成物におい
て、注型ポリアミド樹脂100重量部に対して酸化防止
剤としてヒンダードフェノールを0.05〜0.3重量
部添加したことを特徴とする注型ポリアミド樹脂組成
物。
【0053】酸化防止剤としてヒンダードフェノールを
所定量添加することによって、高温下において酸素との
作用により酸化劣化を起こすことを防止することがで
き、機械的強度などの物性が低下することのない注型ポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。
所定量添加することによって、高温下において酸素との
作用により酸化劣化を起こすことを防止することがで
き、機械的強度などの物性が低下することのない注型ポ
リアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0054】請求項5では、注型ポリアミド樹脂100
重量部に対してヒンダードフェノール以外に有機リン系
化合物0.05〜0.1重量部を添加したとしている。
重量部に対してヒンダードフェノール以外に有機リン系
化合物0.05〜0.1重量部を添加したとしている。
【0055】ヒンダードフェノールに加えて有機リン系
化合物を所定量添加することによってより酸素による劣
化を防止することができ、物性の低下も抑えることがで
きるものである。
化合物を所定量添加することによってより酸素による劣
化を防止することができ、物性の低下も抑えることがで
きるものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 77:00 B29K 77:00 (72)発明者 阪田 真一 兵庫県神戸市長田区浜添通4丁目1番21号 三ツ星ベルト株式会社内 Fターム(参考) 4F204 AA29L AB06 EA03 EB01 EF27 4J002 CL011 DD086 EJ006 EW007 FD076
Claims (5)
- 【請求項1】 モノマーを金型内に注型して重合して得
られる注型ポリアミド樹脂組成物において、注型ポリア
ミド樹脂に対して酸化防止剤としてヨウ化銅、ヨウ化カ
リウム、ヒンダードフェノールから選ばれてなる少なく
とも1種を添加したことを特徴とする注型ポリアミド樹
脂組成物。 - 【請求項2】 モノマーを金型内に注型して重合して得
られる注型ポリアミド樹脂組成物において、注型ポリア
ミド樹脂100重量部に対して酸化防止剤としてヨウ化
銅を0.001〜0.1重量部添加したことを特徴とす
る注型ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項3】 モノマーを金型内に注型して重合して得
られる注型ポリアミド樹脂組成物において、注型ポリア
ミド樹脂100重量部に対して酸化防止剤としてヨウ化
カリウムを0.001〜0.5重量部添加したことを特
徴とする注型ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項4】 モノマーを金型内に注型して重合して得
られる注型ポリアミド樹脂組成物において、注型ポリア
ミド樹脂100重量部に対して酸化防止剤としてヒンダ
ードフェノールを0.05〜0.3重量部添加したこと
を特徴とする注型ポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項5】 注型ポリアミド樹脂100重量部に対し
てヒンダードフェノール以外に有機リン系化合物0.0
5〜0.1重量部を添加した請求項2記載のポリアミド
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129304A JP2001311000A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 注型ポリアミド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000129304A JP2001311000A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 注型ポリアミド樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001311000A true JP2001311000A (ja) | 2001-11-06 |
Family
ID=18638600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000129304A Abandoned JP2001311000A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 注型ポリアミド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001311000A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084747A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Nippon Polypenco Ltd | 耐熱性及び寸法安定性モノマーキャストナイロン成形体 |
JP2010283301A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Toda Kogyo Corp | ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000129304A patent/JP2001311000A/ja not_active Abandoned
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084747A (ja) * | 2005-09-26 | 2007-04-05 | Nippon Polypenco Ltd | 耐熱性及び寸法安定性モノマーキャストナイロン成形体 |
JP2010283301A (ja) * | 2009-06-08 | 2010-12-16 | Toda Kogyo Corp | ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれを用いた成形体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102668550B1 (ko) | 비-할로겐화된 난연성 폴리아미드 조성물 | |
CN108137909A (zh) | 热塑性聚酯树脂组合物及成型品 | |
EP1767573B1 (fr) | Copolymères à blocs polyamides et blocs polyéthers résistants au vieillissement | |
JP4624688B2 (ja) | 有機熱安定剤マスターバッチを含有するポリアミド66樹脂混合ペレット | |
JP2001311000A (ja) | 注型ポリアミド樹脂組成物 | |
JPH08283570A (ja) | 樹脂組成物 | |
CA2454196A1 (en) | Antioxidants for polyamides | |
JPH11263904A (ja) | ポリアルキレンカーボネート樹脂組成物 | |
RU2067598C1 (ru) | Термостабилизированная полиамидная композиция | |
KR20200012185A (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품 | |
JP4907776B2 (ja) | 透明難燃性ポリカーボネート樹脂シートの製造方法 | |
JPS6115899B2 (ja) | ||
KR20190075350A (ko) | 열가소성 수지 조성물 | |
KR102606516B1 (ko) | 폴리포스포네이트 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품 | |
JP2005187553A (ja) | ポリアミド66樹脂ペレット及びその製造方法 | |
KR20230044814A (ko) | 폴리옥시메틸렌 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품 | |
JP3847490B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JPH0616928A (ja) | ポリアミド組成物 | |
KR102771644B1 (ko) | 산화방지제의 제조방법 | |
KR100899770B1 (ko) | 폴리아미드 수지 조성물 | |
JP2004352749A (ja) | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
KR102253835B1 (ko) | 열가소성 수지 조성물 및 이로부터 형성된 성형품 | |
JP3986655B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JPH11217493A (ja) | 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物 | |
US20240191075A1 (en) | Flame retardant polyamide compositions |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070406 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20091022 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100126 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20100323 |