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JP2001310917A - 血小板及び白血球除去用フィルター材及び該フィルター材用ポリマー - Google Patents

血小板及び白血球除去用フィルター材及び該フィルター材用ポリマー

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Publication number
JP2001310917A
JP2001310917A JP2000127606A JP2000127606A JP2001310917A JP 2001310917 A JP2001310917 A JP 2001310917A JP 2000127606 A JP2000127606 A JP 2000127606A JP 2000127606 A JP2000127606 A JP 2000127606A JP 2001310917 A JP2001310917 A JP 2001310917A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monomer
polymer
functional group
filter
removal rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000127606A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Sasaki
洋朗 佐々木
Morikazu Miura
司和 三浦
Hirofumi Miura
裕文 三浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Medical Co Ltd
Original Assignee
Asahi Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Medical Co Ltd filed Critical Asahi Medical Co Ltd
Priority to JP2000127606A priority Critical patent/JP2001310917A/ja
Publication of JP2001310917A publication Critical patent/JP2001310917A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全血に代表される白血球及び血小板含有液か
ら、赤血球及び血漿を透過し、白血球及び血小板を効率
よく除去するための白血球除去用フィルター材、及びそ
のために有用な新規ポリマーを提供する。 【解決手段】 非イオン性親水基を有するモノマーから
成る重合体セグメントと塩基性含窒素官能基とを有する
モノマーから成る重合体セグメントを有するグラフト又
はブロック共重合体をフィルター基材の少なくとも表面
に有することを特徴とする血小板及び白血球除去用フィ
ルター。非イオン性親水基を有するモノマーから成る重
合体セグメントと塩基性含窒素官能基とを有するモノマ
ーから成る重合体セグメントを有するグラフト又はブロ
ック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は白血球除去用フィル
ター材に関する。詳しくは、全血に代表される白血球及
び血小板含有液から、赤血球及び血漿を透過し、白血球
及び血小板を効率よく除去するための白血球除去用フィ
ルター材に関する。また、本発明は、そのようなフィル
ター材のために有用な新規なポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輸血の分野においては、供血者か
ら採血した血液に抗凝固剤を添加した全血製剤を輸血す
る、いわゆる全血輸血に加えて、全血製剤から授血者の
必要とする血液成分を分離し、その血液成分を輸注す
る、いわゆる成分輸血が一般的に行われている。成分輸
血には、受血者が必要とする血液成分の種類により、赤
血球輸血、血小板輸血、血漿輸血などがあり、これらの
輸血に用いられる血液成分製剤には、赤血球製剤、血小
板製剤、血漿製剤などがある。また、近年、血液製剤中
に含まれている混入白血球を除去してから血液製剤を輸
血する、いわゆる白血球除去輸血が普及してきている。
これは、輸血に伴う頭痛、吐き気、悪寒、非溶血性発熱
反応などの比較的軽微な副作用や、受血者に深刻な影響
を及ぼすアロ抗原感作、輸血後GVHD、ウィルス感染
などの重篤な副作用が、主として輸血に用いられた血液
製剤中に混入している白血球が原因で引き起こされるこ
とが明らかにされたためである。また、受血者に赤血球
を供給する目的で使用される全血製剤の場合、赤血球に
比べて格段に寿命が短い血小板を白血球と共に効率よく
除去することが望まれている。
【0003】血液製剤から白血球を除去する方法には、
大別して、血液成分の比重差を利用した遠心分離法と、
繊維素材や連続気孔を有する多孔質体を濾材とするフィ
ルター法の2種類があるが、白血球除去能力の高いこ
と、操作が簡便であること、コストが安いことなどの理
由によりフィルター法が広く用いられている。
【0004】上記の繊維素材または多孔質体を用いたフ
ィルター材による白血球除去の主たる機構は、繊維或い
は多孔質体の表面と接触した白血球がそれら材料表面に
吸着されることによると考えられている。従って、従来
のフィルター材における白血球除去能向上のための手段
として、フィルター材と白血球の衝突頻度を高めるこ
と、即ち繊維径やフィルター材の細孔径を小さくした
り、フィルター装置内におけるフィルター材の充填密度
を高めることなどの検討が行われてきた。しかしなが
ら、全血製剤又は濃厚赤血球のように、製剤中に高い割
合で赤血球を含む製剤については、上記の手段のみを用
いて白血球除去能の向上を図るには限界があった。即
ち、白血球のフィルター材への接触頻度を高めるに伴
い、製剤中に高濃度で存在する赤血球のフィルター材へ
の接触頻度及び通液抵抗も高まり、処理時間の延長や赤
血球膜の破壊に伴う溶血が生じる等の問題があった。
【0005】一方、フィルター材の表面化学性状に着目
した検討もなされている。WO87/05812号は、
非イオン性親水基と塩基性含窒素官能基を有するフィル
ター材を開示している。塩基性含窒素官能基の窒素原子
の含量が4.0重量%を越えると、血小板及び白血球共
に吸着しやすくなることが述べられている。しかしなが
ら、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとジエチルア
ミノエチルメタクリレートからなるランダム共重合体
(80:20モル組成)やジエチルアミノエチルメタク
リレートホモポリマーを用いた場合、白血球除去率及び
血小板除去率共に不十分な値を示すと共に、赤血球が付
着するという問題があった。
【0006】EP0500472−A2に開示された技
術は、赤血球製剤から白血球及び血小板を除去するに際
し、ゼータ電位が正のフィルター材を用いることによっ
て良好な赤血球の通過性を維持しつつ、血小板の除去率
を高めることを目的とした技術であり、白血球の除去率
を向上させるものではない。また、特開平11−206
876号に開示された技術は、赤血球製剤から白血球及
び血小板を除去するに際し、第4級アンモニウム塩の濃
度が異なる少なくとも3種類以上の多孔体基材から構成
され、下流側に向けて第4級アンモニウム塩濃度が高く
なっているフィルターを用いることによって良好な赤血
球の通過性を維持しつつ、血小板の除去率を高めること
を目的とした技術であり、白血球の除去率を向上させる
ものではなかった。
【0007】特開平6−247862号は、塩基性官能
基と非イオン性親水基を有し、塩基性官能基の非イオン
性親水基に対するモル比が0.6〜6の範囲にあり、且
つ塩基性官能基を5×10-5〜0.1meq/m2の密
度で表面に有するフィルター材を開示している。しかし
ながら、このフィルター材は赤血球の付着抑制効果が十
分でなく、白血球の除去能を安定して向上させることが
困難であった。
【0008】また、グラフト共重合体と血球との相互作
用に関する従来技術として、文献Biomateria
ls,vol6,p409(1985年)には、ナイロ
ン−6に2−ジエチルアミノエチルメタクリレートをグ
ラフトさせた共重合体をガラスビーズにコートして、白
血球の吸着挙動について報告しているが、共重合体10
0部に対してポリアミンを31重量部導入することで白
血球の吸着が抑制されると述べられている。
【0009】特開昭60−119955号〜11995
7号は、N,N’−ジエチル−N−(p−ビニルフェネ
チル)エチレンジアミンから成るポリアミンマクロモノ
マーを合成し、それと2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを共重合させてミクロドメインを形成する生体材料
用合成高分子体を得ているが、これらは血小板を粘着し
にくくなる効果に関するものであり、また白血球の挙動
に関しても何ら開示されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、全血に代表
される白血球及び血小板含有液から、赤血球及び血漿を
透過し、白血球及び血小板を効率よく除去するための白
血球除去用フィルター材、及びそのために有用な新規ポ
リマーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、非イオン性親水基
を有するモノマーを主成分とする重合体セグメントと塩
基性含窒素官能基を有するモノマーを主成分とする重合
体セグメントから成るグラフト又はブロック共重合体を
フィルター基材の表面に存在させたところ、驚くべきこ
とに、全血に代表される白血球及び血小板含有液から、
赤血球及び血漿を透過し、白血球及び血小板を効率よく
除去することを見出し、本発明をなすに至った。
【0012】すなわち、本発明は、非イオン性親水基を
有するモノマーから成る重合体セグメントと塩基性含窒
素官能基を有するモノマーから成る重合体セグメントを
有するグラフト又はブロック共重合体をフィルター基材
の少なくとも表面に有することを特徴とする血小板及び
白血球除去用フィルター材に関する。また、本発明は、
非イオン性親水基を有するモノマーから成る重合体セグ
メントと塩基性含窒素官能基を有するモノマーから成る
重合体セグメントを有するグラフト又はブロック共重合
体に関する。本発明のポリマーは、血小板及び白血球除
去用フィルター材のみでなく、広く医療用材料、例え
ば、細胞付着膜、選択透過膜などに使用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明について、以下具体的に説
明する。本発明の白血球除去用フィルターとは、全血に
代表される白血球及び血小板含有液から、赤血球及び血
漿を透過し、白血球及び血小板を効率よく除去するため
のフィルターである。
【0014】本発明の非イオン性親水基を有するモノマ
ーは、ヒドロキシル基及びアミド基を含むモノマー、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニルア
ルコール(酢酸ビニルとして重合後、加水分解させ
る)、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン
などが挙げられる。ここで(メタ)アクリレートの記載
はアクリレート又はメタクリレートを意味する。また、
非イオン性親水基としては、前記のヒドロキシル基及び
アミド基の他にポリエチレンオキサイド鎖も挙げられ
る。これらのモノマーは混合物で用いられても良い。以
上のモノマーの中でも、入手しやすさ、重合時の扱いや
すさ、血液を流した時の性能などから、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0015】本発明の塩基性含窒素官能基を有するモノ
マーは、アリルアミン;N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノ−2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸の誘導体;3−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドの誘導
体、ここで(メタ)アクリルアミドの記載はアクリルア
ミド又はメタクリルアミドを意味する;p−ジメチルア
ミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノエチルスチレ
ン等のスチレン誘導体;2−ビニルピリジン、4−ビニ
ルピリジン、4−ビニルイミダゾール等の含窒素芳香族
化合物のビニル誘導体;及び上記のビニル化合物をハロ
ゲン化アルキル等によって4級アンモニウム塩とした誘
導体を挙げることができる。また、これらは混合物で用
いられても良い。以上のモノマーの中でも、入手しやす
さ、重合時の扱いやすさ、血液を流した時の性能などか
ら、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートが好ましく用いられる。
【0016】本発明のグラフト共重合体は、幹ポリマー
の存在下でモノマーを重合させてグラフト鎖を導入する
連鎖移動法、予め重合性基を有するマクロモノマーを合
成しておいてモノマーと反応させて幹ポリマーを形成さ
せるマクロモノマー法、予め幹ポリマー中に開始部を導
入しておいてそこからモノマーを重合させる開始剤法、
予め別々に合成した官能基を有するマクロモノマー及び
その官能基と反応しうる官能基を有するポリマーを反応
させるカップリング法、等々によって合成される。ま
た、本発明のブロック共重合体は、一方の成分ポリマー
の成長末端から他のモノマーの重合を開始する逐次成長
法、成長末端同士を反応させるカップリング法、予め幹
ポリマー中に開始部を導入しておき、モノマー存在下で
ポリマー鎖を開裂させてそこから重合させる高分子開始
剤法、等々によって合成される。好ましい方法は合成の
簡便さ等によりグラフト共重合であり、更に好ましい方
法は分子量やその分布、疎水性や親水性等の制御のし易
さ等によりマクロモノマー法及びカップリング法であ
る。
【0017】該マクロモノマー法におけるマクロモノマ
ーの合成は、開始反応又は停止反応を利用して重合性基
を導入する方法、及び/又は末端官能基を重合性基に変
換する方法等が用いられる。好ましくは官能基を有する
開始剤を用いてポリマー末端に官能基を導入し、続いて
その末端官能基を重合性末端基に変換する方法、又は官
能基を有する連鎖移動剤を共存させて重合を行い、続い
てその末端官能基を重合性末端基に変換する方法が挙げ
られる。該官能基を有する開始剤は官能基を有するアゾ
系開始剤が好ましく、例えば、4,4’−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)等のカルボン酸を導入する開始剤、
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド}等の水酸基を導入する開
始剤が挙げられる。該官能基を有する連鎖移動剤は含イ
オウ化合物が好ましく、例えば、チオグリコール酸、チ
オリンゴ酸、α−チオグリセリン、2−メルカプトエタ
ノール、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩、等々が用
いられる。該末端官能基を重合性末端基に変換する方法
は、公知の方法を用いることができる。例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルクロライ
ド等を用いて反応させて末端に(メタ)アクリロイル基
を導入できる。これらの反応はマクロモノマー中に含ま
れる非イオン性親水基又は塩基性含窒素官能基との副反
応が優先しないように選ばれる。
【0018】該カップリング法におけるマクロモノマー
は、前記のマクロモノマーの合成法を用いて調製され、
末端に官能基を有する。該官能基は1級又は2級アミノ
基が好ましい。また、その官能基と反応しうる官能基を
有するポリマーは、例えば、グリシジル(メタ)アクリ
レート等を共重合させて得られる。
【0019】本発明における塩基性含窒素官能基を有す
るモノマーを主成分とする重合体セグメントにおいて、
該塩基性含窒素官能基を有するモノマーの繰返し数は、
好ましくは40以上、より好ましくは70以上であり、
最も好ましくは100以上である。また、繰返し数の上
限は、好ましくは1,000以下、より好ましくは80
0以下、最も好ましくは500以下である。該塩基性含
窒素官能基を有するモノマーを主成分とする重合体セグ
メントの繰返し数が40未満では白血球及び血小板の除
去率の向上が不十分であり、また、該繰り返し数を低い
ままで該塩基性含窒素官能基を有するモノマーを主成分
とする重合体セグメントの含有率を上げていくと白血球
及び血小板の除去率の向上が不十分なまま、赤血球の付
着が発生する恐れがある。該繰返し数が大きい場合は該
塩基性含窒素官能基の濃度の高い部分が該共重合体中に
局在化すること、及び/又は該塩基性含窒素官能基部の
動き易さが向上することにより、従来のランダム共重合
体及び塩基性含窒素官能基を有するモノマーの単独重合
体に比べて、効果的な白血球及び血小板の吸着能が得ら
れたのではないかと考えている。また、繰返し数が1,
000を超えると,白血球及び血小板の除去率の向上が
不充分なまま、赤血球の付着が発生するおそれがあり、
また、重合が困難になる。
【0020】なお、繰返し数はマクロモノマーの段階で
ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(以下GPCと
略す)によりポリメチルメタクリレートを標品として数
平均分子量を求め、その値を繰り返しモノマー単位分子
量で除することによって求められる。
【0021】本発明の該グラフト又はブロック共重合体
に対する塩基性含窒素官能基を有するモノマーを主成分
とする重合体セグメントの含有率は0.5重量%以上、
30重量%未満、好ましくは0.5重量%以上、20重
量%未満、より好ましくは0.5重量%以上、10重量
%未満である。0.5重量%未満の場合には、十分な白
血球除去及び血小板除去率の改善効果が得られないため
不適である。また、30重量%を越えると、赤血球に対
して損傷を与える傾向が出てくるため不適である。な
お、含有率は1H−核磁気共鳴スペクトル法(以下NM
Rと略す)によって測定することができる。
【0022】本発明の共重合体をフィルター基材の表面
に存在させる方法は、コーティング法が好んで用いられ
る。なお、フィルター基材の表面からの溶出を防ぐため
にコーティング後に該ポリマーを公知の方法を用いて架
橋しても良い。
【0023】また、フィルター材に対する該グラフトコ
ポリマーの表面存在量は、好ましくは、0.001g/
2以上、0.50g/m2未満、より好ましくは、0.
005g/m2以上、0.40g/m2未満、最も好まし
くは、0.01g/m2以上、0.30g/m2未満であ
る。存在量が0.001g/m2未満では白血球及び血
小板の除去率が劣ったものになる恐れがあり、また0.
50g/m2以上では孔径サイズの減少や乾燥状態から
血液と接触した際に膨潤による孔構造の大きな変化が起
こり、白血球及び血小板の除去率が安定しなくなる恐れ
がある。
【0024】なお、該フィルター材に対する該グラフト
コポリマーの表面存在量は以下の方法によって求めるこ
とができる。まず、フィルター材単位重量当たりのグラ
フトコポリマーの存在量を、コート前後での重量差、又
は、基材表面に存在するポリマーを適当な方法を用いて
抽出し、その抽出ポリマーの重量を測定することによっ
て求められる。次にフィルター材単位重量当たりの全細
孔表面積を水銀圧入法によって測定し、この値をもって
フィルター材単位重量当たりの該グラフトコポリマーの
存在量を除し、フィルター材表面積に対する該グラフト
コポリマーの存在量を算出する。
【0025】フィルター材単位重量当たりの全細孔表面
積の水銀圧入法による測定は、以下の方法で行う。 フ
ィルター材の一部をサンプリングし、その重量(W)を
測定する。該サンプルについて水銀ポロシメーターで
0.1乃至210psiaの圧力範囲で全細孔表面積
(A)を測定し、次式から単位重量当たりの全細孔表面
積を求める。 単位重量当たりの全細孔表面積=A/W なお、単位重量当たりの全細孔表面積を求めるに当たっ
ては、フィルター材の3箇所以上をサンプリングし、そ
の平均値を求めるのが好ましいが、複数箇所を測定した
結果、その一部箇所が本発明で規定する範囲に入り、残
る箇所が該範囲を逸脱している場合、このような材料も
本特許の権利範囲内に含まれると考えるべきである。
【0026】本発明のフィルター基材は不織布などの繊
維状媒体や連続孔を有する多孔質体が好ましい。また、
これらを組合せて用いても良い。該フィルター基材の構
造は白血球の捕捉に大きく寄与することが知られてお
り、更に白血球の除去率を向上させるには該フィルター
基材の選択も重要な因子となる。
【0027】即ち、不織布などの繊維状媒体をフィルタ
ー基材とする場合、その平均繊維径は0.3μm以上、
3.0μm未満、より好ましくは1.0μm以上、
2.0μm未満が望ましい。また、容器内に該繊維状媒
体を充填した時の充填密度は0.1g/cm3以上、
0.3g/cm3未満が好ましい。平均繊維径が0.3
μm未満、充填密度が0.3g/cm3以上であると、
血球の目詰まりや圧力損失の増大化を引き起こす恐れが
あり、また、平均繊維径が3.0μm以上、充填密度が
0.1g/cm 3未満だと白血球の除去率が低下する恐
れがあるためである。
【0028】なお、本発明の平均繊維径は、以下の手順
に従って求められる値をいう。即ち、該フィルター基材
を構成する、実質的に均一と認められる該フィルター基
材の一部をサンプリングし、走査電子顕微鏡などを用い
て写真に撮る。サンプリングに際しては、該フィルター
基材の有効濾過断面積部分を、1辺が0.5乃至1cm
の正方形によって区分し、その中から3ケ所以上、好ま
しくは5ケ所以上をランダムサンプリングする。ランダ
ムサンプリングするには、例えば、前記各区分に番地を
指定した後、乱数表を使うなどの方法で、必要ケ所以上
の区分を選べば良い。またサンプリングした各区分につ
いて、3ケ所以上好ましくは5ケ所以上を写真に撮る。
このようにして得た写真について、写っている全ての繊
維の直径を測定する。ここで直径とは、繊維軸に対して
直角方向の繊維の幅をいう。測定した全ての繊維の直径
の和を、繊維の数で割った値を平均繊維径とする。但
し、複数の繊維が重なり合っており、他の繊維の陰にな
ってその幅が測定できない場合、又は複数の繊維が溶融
するなどして、太い繊維になっている場合、更に著しく
直径の異なる繊維が混在している場合、等々の場合に
は、これらのデータは削除する。以上の方法により、1
00本以上、好ましくは1,000本以上のデータによ
り平均繊維径を求める。
【0029】なお、特開平11−42406号に白血球
除去能を高める方法として、平均孔径が1.0μm以
上、100μm未満の多孔質素子と、該多孔質素子に保
持された平均繊維径が0.03μm以上、1.0μm未
満の繊維構造体からなるフィルター材であって、該フィ
ルター材の空隙率が50%以上、95%未満、該繊維構
造体の該フィルター材に対する保持量が0.01重量%
以上、30重量%未満、該多孔質素子の平均孔径と該繊
維構造体の平均繊維径の比が2以上、2000未満であ
り、該繊維構造体が網目状構造を形成している白血球除
去フィルターの基材が開示されているが、このような細
い繊維と極細繊維を混在させたフィルター基材を、血球
の目詰まりや圧力損失の増大化を引き起こさない範囲内
で、用いることも好ましい。
【0030】該フィルター基材が繊維よりなる場合、そ
の繊維素材の例としては、ポリアミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリトリフ
ルオロクロルエチレン、ポリメチルメタアクリレート、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合
成繊維や、セルロースアセテート、キュプラアンモニウ
ムレーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生繊維、麻、
綿、絹、毛繊維などの天然繊維を挙げることができる。
この中でも製造し易さ、取り扱いし易さなどからポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成繊維
がより好ましい素材である。
【0031】また、本発明のフィルター基材が連続気孔
を有する高分子多孔質体である場合、その高分子多孔質
体の平均孔径は、1μm以上、20μm未満であること
が好ましく、1μm以上、15μm未満であることがよ
り好ましく、更に2μm以上、8μm未満であることが
より好ましい。平均孔径が1μm未満では、赤血球の通
過が困難になる恐れがあるため好ましくなく、逆に20
μm以上では多孔質体表面と白血球の接触頻度が低すぎ
るために白血球の除去が十分に達成されない恐れがある
ため好ましくない。
【0032】更に該高分子多孔質体の平均空隙率は、4
5%以上、95%未満であることが好ましく、70%以
上、95%未満であることがより好ましく、更に80%
以上、95%未満であることがより好ましい。平均空隙
率が45%未満では、赤血球を通過させる空間を十分に
提供できない恐れがあるため、また逆に95%以上のを
場合には、フィルター基材としての機械的強度が不足す
る傾向があるため好ましくない。なお、本発明の平均孔
径及び平均空隙率は以下に示す水銀圧入法によって求め
た値である。即ち、該フィルター基材からランダムに3
箇所を一定面積(S)サンプリングし、それぞれの厚み
(t)を膜厚計(例えば、ピーコック厚み計)を用いて
測定し、これらの値から各サンプルの見かけの体積(V
1=S×T)を求める。各サンプルについて0.1乃至
210psiaの圧力範囲で測定される全細孔容積(V
2)及び全細孔表面積(A)を求める。これらの値を用
いて下記の式から空隙率及び平均孔径を求める。空隙率
=(V2/V1)×100(%)により、3箇所の空隙率
の平均値を求め、これを多孔質体の平均空隙率とする。
平均孔径=(4×V2)/A により、3箇所の平均孔径
の平均値を求め、これを多孔質体の平均孔径とする。
【0033】該フィルター基材が高分子多孔質体よりな
る場合、その多孔質体基材の例としては、ポリアクリロ
ニトリル、ポリスルホン、セルロース、セルロースアセ
テート、ポリビニルアセタール、ポリエステル、ポリメ
タクリレート、ポリウレタンなどが挙げられる。
【0034】本発明のフィルター基材は、血液の入口側
から出口側にかけて、順次平均繊維径の小さい繊維フィ
ルター基材、及び/又は順次平均孔径の小さい高分子多
孔質体が配置されていることが好ましい。平均繊維径の
最も小さい繊維フィルター基材又は平均孔径の最も小さ
い高分子多孔質体は、最も白血球吸着効率に優れた基材
部分であるが、それ故に吸着した白血球によって目詰ま
りを起こしやすく、血液製剤がここに至る前に、比較的
平均繊維径の大きな繊維フィルター基材、及び/又は比
較的平均孔径の大きな高分子多孔質体フィルター基材に
よって、白血球を粗く除去しておくことが好ましい。ま
た、一般に、白血球含有液には微小凝集物が含まれてい
る場合が多い。このような微小凝集物が多く含まれる白
血球含有液から微小凝集物を除去するためにプレフィル
ターを使用することもできる。該プレフィルター基材と
しては、平均繊維径が8μm乃至50μmの繊維集合体
や平均孔径20μm乃至200μmの連続多孔質体など
が好ましく、白血球除去フィルターの血液の入口側に該
プレフィルター基材を組込んで使用される。該プレフィ
ルターも本発明のポリマーを表面に存在させて使用して
もかまわない。
【0035】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
るが、本発明はこれに限られるものではない。なお、本
発明で分子量の測定などに用いるGPCは、東ソー株式
会社製のHLC−8020を用い、以下の条件にて測定
した。カラムはTSKgel GMHXL B0032
(7.8mmI.D.x30cm)とTSKgel α
−M B0011(7.8mmI.D.x30cm)を
つないで使用。展開液は1mM−臭化リチウム1水和物
/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を用い、40℃、
1mL/minの流量条件で実施した。標準ポリマーは
ジーエルサイエンス株式会社(ポリマーラボラトリー社
製)のポリメチルメタクリレート M−M−10を用い
た。
【0036】
【製造例1】N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート15.7g(以下、DMAEMAと略す)、2−メ
ルカプトエチルアミン塩酸塩1.13g、開始剤アゾビ
スイソブチロニトリル0.164を含むメタノール溶液
100mLを窒素雰囲気下、60℃に加熱して3時間反
応させた。氷冷した後に溶媒を減圧下で留去し、残査を
ヘキサンにて洗浄した。次に得られたオリゴマー4.0
gを50mLのテトラヒドロフランに溶解し、2−メタ
クリロイルオキシエチルイソシアナート1.5g、ハイ
ドロキノン0.5mgを添加して室温で4時間撹拌して
反応を行った。溶媒を減圧下で留去し、残査をヘキサン
にて洗浄し、真空乾燥を行った。得られたマクロモノマ
ーの分子量は数平均分子量(以下MNと略す)21,9
00(平均繰返し数約140)であった。
【0037】続いてマクロマー0.5gと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート9.5g(以下、HEMAとい
う)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)90mgをエタノール100mLに溶解し、窒
素雰囲気下にて、50℃、4時間重合を行った。冷却
後、pH=10の緩衝液中に重合液を注いでポリマーを
析出させ、回収したポリマーを真空乾燥にかけた。得ら
れたグラフト共重合体の分子量はMN67,500であ
り、DMAEMAから成る重合体のセグメント含有量は
8.6重量%であった。
【0038】
【製造例2】製造例1の共重合に関する部分において、
マクロマーの量を0.2gとした以外は同様に重合を行
った。得られたグラフト共重合体の分子量はMN87,
200、DMAEMAから成る重合体のセグメント含有
量は2.7重量%であった。
【0039】
【製造例3】製造例1のマクロマー合成に関する部分に
おいて、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩の量を2.
26gとした以外は同様に行った。得られたマクロモノ
マーのMNは8,410(平均繰返し数約50)であっ
た。また、共重合は参考例1と同様に行った。得られた
グラフト共重合体の分子量はMN74,500、DMA
EMAから成る重合体のセグメント含有量は5.5重量
%であった。
【0040】
【製造例4】製造例1のマクロマー合成に関する部分に
おいて、2−メルカプトエチルアミン塩酸塩の量を1.
70gとした以外は同様に行った。得られたマクロモノ
マーのMNは17,410(平均繰返し数約110)で
あった。また、共重合は参考例1においてHEMA8.
5gとマクロモノマー1.5gに量を変えて行った。得
られたグラフト共重合体の分子量はMN67,500、
DMAEMAから成る重合体のセグメント含有量は1
8.5重量%であった。
【0041】
【製造例5】製造例4において、共重合をHEMA7.
2gとマクロモノマー2.8gに量を変えて行った。得
られたグラフト共重合体の分子量はMN81,000、
DMAEMAから成る重合体のセグメント含有量は2
8.0重量%であった。
【0042】
【製造例6】製造例1のマクロマー合成に関する部分に
おいて、DMAEMAに変えてN,N−ジエチルアミノ
エチルメタクリレート(DEAEMA)を用いた以外は
同様に行った。得られたマクロモノマーのMNは19,
900(平均繰返し数約105)であった。また、共重
合は製造例1においてHEMAの代わりに2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート(HPMA)を用いた以外は
同様に行った。得られたグラフト共重合体の分子量はM
N167,000、DMAEMAから成る重合体のセグ
メント含有量は5.9重量%であった。
【0043】
【製造例7】(参考)製造例1の共重合に関する部分に
おいて、マクロモノマーに変えてDMAEMAを使用し
た以外は同様に重合を行った。得られたランダム共重合
体の分子量はMN138,500、DMAEMAの含有
量は4.9重量%であった。
【0044】
【製造例8】(参考)製造例4において、DMAEMAの
含有量を変えた以外は同様に重合を行った。得られたラ
ンダム共重合体の分子量はMN112,400、DMA
EMAの含有量は56.0重量%であった。
【0045】
【実施例1】(コーティング法)平均直径約1.2μm
のポリエチレンテレフタレート繊維よりなる不織布(約
40g/m2目付、約190μm厚み)を直径25mm
の円形に切断し、その4枚を製造例1で得られたポリマ
ーを溶解した3重量%エタノール溶液に50℃にて5分
間、浸漬した後、フィルターホルダーにセットし、流量
5NL/分にて5分間、窒素を流して乾燥を行い、続い
て40℃にて8時間真空乾燥を行った。コート量は0.
139g/m2であった。
【0046】(血液性能評価)コーティングしたフィル
ター4枚をセットしたホルダーに、予め、抗凝固剤とし
て14mLのCPD液(組成:クエン酸ナトリウム2
6.3g/L、クエン酸3.27g/L、グルコース2
3.2g/L、リン酸二水素ナトリウム二水和物2.5
1g/L)を入れた血液バッグに血液100mLを採血
して調製した全血を、シリンジポンプを用いて、室温に
て2.7mL/minの一定流速で流し、6mL回収し
た。白血球除去率(%)及び血小板除去率(%)は、濾
過前液及び濾過後液の白血球濃度及び血小板濃度を測定
し、A=濾過前の白血球濃度、B=濾過後の白血球濃
度、C=濾過前の血小板濃度、D=濾過後の血小板濃度
とするとき、それぞれ、白血球除去率=(1−B/A)
x100(%)、血小板除去率=(1−D/C)x10
0(%)で表される式によって求めた。なお、濾過前液
の白血球濃度の測定はチュルク法によって10倍希釈し
た希釈液をビュルケルチュルク型の血球計算板に注入
し、光学顕微鏡を用いて大区画8区画中に存在する白血
球数を測定した。また、濾過後液の白血球濃度の測定は
以下に示すナジェット法を用いた。即ち、leucop
late(SOBIODA)9mLに回収血液1mLを
添加し混和を行った後に室温で20〜30分静置し、遠
心分離し、デカント法により上澄みを除去した後に再度
leucoplateにて1mLに調製した液をナジェ
ット計算板に添加し光学顕微鏡を用いて白血球数を測定
した。血小板濃度は、自動血球数測定装置(東亜医用電
子株式会社Sysmex K4500)にて測定を行っ
た。
【0047】白血球除去率は99.41%、血小板除去
率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去率に
優れていた。また、血液濾過後のフィルターを生理食塩
水で十分に洗浄した後、0.2%のグルタルアルデヒド
で固定し、さらに凍結乾燥させた。このような前処理を
行った血液濾過後のフィルターを走査型電子顕微鏡で観
察したところ、赤血球の付着はほとんど見られなかっ
た。
【0048】
【実施例2】実施例1において、製造例2のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.102g
/m2であった。白血球除去率は99.60%、血小板
除去率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去
率に優れていた。また、赤血球の付着もほとんど見られ
なかった。
【0049】
【実施例3】実施例1において、製造例3のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.130g
/m2であった。白血球除去率は98.74%、血小板
除去率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去
率に優れていた。また、赤血球の付着もほとんど見られ
なかった。
【0050】
【実施例4】実施例1において、製造例4のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.105g
/m2であった。白血球除去率は99.24%、血小板
除去率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去
率に優れていた。また、赤血球の付着もほとんど見られ
なかった。
【0051】
【実施例5】実施例1において、製造例5のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.084g
/m2であった。白血球除去率は97.84%、血小板
除去率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去
率に優れていた。また、赤血球の付着もほとんど見られ
なかった。
【0052】
【実施例6】実施例1において、製造例6のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.124g
/m2であった。白血球除去率は98.52%、血小板
除去率は100%であり、白血球除去率及び血小板除去
率に優れていた。また、赤血球の付着もほとんど見られ
なかった。
【0053】
【比較例1】実施例1において、製造例7のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.096g
/m2であった。白血球除去率は97.54%、血小板
除去率は51.0%であり、白血球除去率及び血小板除
去率が劣っていた。また、赤血球の付着はほとんど見ら
れなかった。
【0054】
【比較例2】実施例1において、製造例8のポリマーを
使用した以外は同様に行った。コート量は0.088g
/m2であった。白血球除去率は97.33%、血小板
除去率は95.0%であり、白血球除去率及び血小板除
去率が不十分であった。また、濾過後のフィルターに多
量の赤血球が付着している様子が観察された。
【0055】
【実施例7】実施例1において、製造例1のポリマー1
0重量部と市販品のポリ2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート76重量部をブレンドして、DMAEMA含有量
を1重量%に調製したポリマーを用いてコートを行った
以外は同様に行った。コート量は0.144g/m2
あった。白血球除去率は99.47%、血小板除去率は
100%であり、白血球除去率及び血小板除去率に優れ
ていた。また、赤血球の付着もほとんど見られなかっ
た。
【0056】
【比較例3】実施例1において、実施例7で使用した市
販品のポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレートを使用
した以外は同様に行った。コート量は0.117g/m
2であった。白血球除去率は93.45%、血小板除去
率は62.1%であり、白血球除去率及び血小板除去率
に劣っていた。。また、赤血球の付着はほとんど見られ
なかった。
【0057】
【比較例4】実施例1において、不織布のみを使用した
以外は同様に行った。白血球除去率は84.83%、血
小板除去率は89.6%であり、白血球除去率及び血小
板除去率に劣っていた。また、赤血球の付着はほとんど
見られなかった。
【0058】以上の実施例1〜7と比較例1〜4の結果
を表1にまとめた。
【表1】
【0059】
【発明の効果】本発明の白血球除去フィルター材は、全
血に代表される白血球及び血小板含有液から、赤血球及
び血漿を透過し、白血球及び血小板を効率よく除去する
効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 71/78 B01D 71/78 71/80 71/80 C08F 291/00 C08F 291/00 293/00 293/00 // D06M 15/267 D06M 15/267 (72)発明者 三浦 裕文 大分県大分市大字里2111番地2号 旭メデ ィカル株式会社内 Fターム(参考) 4C077 AA12 BB02 BB03 KK11 LL13 MM07 MM09 NN02 PP02 PP03 PP08 PP10 PP12 PP13 PP19 4D006 GA13 HA41 MA03 MA22 MB09 MC14 MC18 MC22 MC30 MC30X MC37 MC38 MC40 MC45 MC54 MC78 MC81 MC82 MC85 NA46 NA63 NA64 PB09 PB45 PB46 4J026 AA38 AA45 AA48 AA50 AA76 BA06 BA29 BA32 BA39 4J027 AG24 BA08 CD07 4L033 AC15 CA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非イオン性親水基を有するモノマーから
    成る重合体セグメントと塩基性含窒素官能基を有するモ
    ノマーから成る重合体セグメントとを有するグラフト又
    はブロック共重合体をフィルター基材の少なくとも表面
    に有することを特徴とする血小板及び白血球除去用フィ
    ルター材。
  2. 【請求項2】 塩基性含窒素官能基を有するモノマーの
    繰返し数が40以上であり、且つ、塩基性含窒素官能基
    を有するモノマーから成る重合体セグメントの含有率が
    0.5重量%以上、30重量%未満である請求項1記載
    の血小板及び白血球除去用フィルター材。
  3. 【請求項3】 非イオン性親水基を有するモノマーが2
    −ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであり、塩基
    性含窒素官能基を有するモノマーがN,N−ジメチルア
    ミノエチル(メタ)アクリレート又はN,N−ジエチル
    アミノエチル(メタ)アクリレートであることを特徴と
    する請求項1又は2記載の血小板及び白血球除去用フィ
    ルター材。
  4. 【請求項4】 非イオン性親水基を有するモノマーから
    成る重合体セグメントと塩基性含窒素官能基を有するモ
    ノマーから成る重合体セグメントとを有し、塩基性含窒
    素官能基を有するモノマーの繰返し数が40以上であ
    り、且つ、塩基性含窒素官能基を有するモノマーから成
    る重合体セグメントの含有率が0.5重量%以上、30
    重量%未満であるグラフト又はブロック共重合体。
  5. 【請求項5】 非イオン性親水基を有するモノマーが2
    −ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであり、塩基
    性含窒素官能基を有するモノマーがN,N−ジメチルア
    ミノエチル(メタ)アクリレート又はN,N−ジエチル
    アミノエチル(メタ)アクリレートである請求項4記載
    のグラフト又はブロック共重合体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010253181A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Kaneka Corp 新規白血球除去フィルター。
WO2012057185A1 (ja) 2010-10-27 2012-05-03 東レ株式会社 血液成分吸着用担体及び血液成分吸着カラム
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