JP2001307924A - 油入変圧器の劣化診断装置 - Google Patents
油入変圧器の劣化診断装置Info
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Landscapes
- Testing Relating To Insulation (AREA)
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】光のロスが小さい油中光ファイバセンサを用い
た油入変圧器の劣化診断装置を提供する。 【解決手段】発光ピーク波長が600nm以上1000
nm以下の相異なる2種の波長を照射する半導体レーザ
又は発光ダイオードからなる光源部と、該光源部からの
照射光を絶縁油中にあるコイル最外層の絶縁紙表面に導
く絶縁紙照射用光ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイ
バからの出射光が絶縁油中を透過後、絶縁紙表面で反射
し、該反射光を受光して油入変圧器外部に導く絶縁紙反
射光受光用光ファイバと、該反射光強度を測定する絶縁
紙反射光受光部と、該絶縁油透過光受光部と該絶縁紙反
射光受光部のそれぞれの測定結果から2波長間の反射吸
光度差を演算し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸
光度差と劣化度との関係(マスターカーブ)を用いて劣
化度を判定する劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣
化診断装置。
た油入変圧器の劣化診断装置を提供する。 【解決手段】発光ピーク波長が600nm以上1000
nm以下の相異なる2種の波長を照射する半導体レーザ
又は発光ダイオードからなる光源部と、該光源部からの
照射光を絶縁油中にあるコイル最外層の絶縁紙表面に導
く絶縁紙照射用光ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイ
バからの出射光が絶縁油中を透過後、絶縁紙表面で反射
し、該反射光を受光して油入変圧器外部に導く絶縁紙反
射光受光用光ファイバと、該反射光強度を測定する絶縁
紙反射光受光部と、該絶縁油透過光受光部と該絶縁紙反
射光受光部のそれぞれの測定結果から2波長間の反射吸
光度差を演算し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸
光度差と劣化度との関係(マスターカーブ)を用いて劣
化度を判定する劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣
化診断装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稼働中の油入変圧
器の運転を特に停止することなく、油入変圧器に使用さ
れている絶縁紙の劣化度を非破壊で診断できる油入変圧
器の劣化診断装置に関している。
器の運転を特に停止することなく、油入変圧器に使用さ
れている絶縁紙の劣化度を非破壊で診断できる油入変圧
器の劣化診断装置に関している。
【0002】
【従来の技術】油入変圧器の劣化診断方法としては、特
開平7−272939号公報に、サンプリングした絶縁
油より絶縁紙の分解生成物であるフルフラールや、一酸
化炭素、二酸化炭素等を抽出し、ガス分析を行って、別
途求めてあるガス発生量と絶縁紙の重合度残率との相関
図から劣化度を推定する方法等が提案されている。
開平7−272939号公報に、サンプリングした絶縁
油より絶縁紙の分解生成物であるフルフラールや、一酸
化炭素、二酸化炭素等を抽出し、ガス分析を行って、別
途求めてあるガス発生量と絶縁紙の重合度残率との相関
図から劣化度を推定する方法等が提案されている。
【0003】また、特開平10−74628号公報に絶
縁油のサンプリングが不要で、劣化に伴う微量の発生ガ
スを検知することなく、絶縁紙の劣化度を光学的に2波
長間の反射吸光度差の変化として捕える油入変圧器の劣
化診断装置として、油中光ファイバセンサを用いた劣化
診断装置が提案されている。
縁油のサンプリングが不要で、劣化に伴う微量の発生ガ
スを検知することなく、絶縁紙の劣化度を光学的に2波
長間の反射吸光度差の変化として捕える油入変圧器の劣
化診断装置として、油中光ファイバセンサを用いた劣化
診断装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開平7
−272939号公報では、診断の前に機器から絶縁油
をサンプリングすることが必須であり、また、劣化に伴
う発生ガス量が微量であるため、それを油中から抽出す
る特殊な手段が必要であったり、ガス分析用の評価装置
が大型であるなど簡便な診断方法ではなかった。
−272939号公報では、診断の前に機器から絶縁油
をサンプリングすることが必須であり、また、劣化に伴
う発生ガス量が微量であるため、それを油中から抽出す
る特殊な手段が必要であったり、ガス分析用の評価装置
が大型であるなど簡便な診断方法ではなかった。
【0005】また、特開平10−74628号公報で
は、光ファイバを伝送路に用いた油中プローブは、光フ
ァイバの屈曲により光量が低下し、出力の大きな光源が
必要であるうえ、絶縁紙照射用光ファイバの照射エリア
と絶縁紙反射光受光用光ファイバの受光可能エリアが一
致しておらず、光のロスが大きかった。
は、光ファイバを伝送路に用いた油中プローブは、光フ
ァイバの屈曲により光量が低下し、出力の大きな光源が
必要であるうえ、絶縁紙照射用光ファイバの照射エリア
と絶縁紙反射光受光用光ファイバの受光可能エリアが一
致しておらず、光のロスが大きかった。
【0006】本発明の目的は、上記の課題を解決し、稼
働中の油入変圧器の運転を特に停止することなく、光フ
ァイバの屈曲によって光量が低下しにくく、また、絶縁
紙照射用光ファイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用
光ファイバの受光可能エリアが一致し、光のロスが小さ
い油中光ファイバセンサを用いた油入変圧器の劣化診断
装置を提供することにある。
働中の油入変圧器の運転を特に停止することなく、光フ
ァイバの屈曲によって光量が低下しにくく、また、絶縁
紙照射用光ファイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用
光ファイバの受光可能エリアが一致し、光のロスが小さ
い油中光ファイバセンサを用いた油入変圧器の劣化診断
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、油入変圧
器の油中光ファイバセンサを用いた劣化診断装置の光フ
ァイバの構造、配置を検討した結果、光ファイバの屈曲
によって光量が低下しにくく、また、絶縁紙照射用光フ
ァイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用光ファイバの
受光可能エリアが一致し、光のロスが小さい油中光ファ
イバセンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置を見出
し、本発明に到達した。即ち本発明の要旨は次のとおり
である。
器の油中光ファイバセンサを用いた劣化診断装置の光フ
ァイバの構造、配置を検討した結果、光ファイバの屈曲
によって光量が低下しにくく、また、絶縁紙照射用光フ
ァイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用光ファイバの
受光可能エリアが一致し、光のロスが小さい油中光ファ
イバセンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置を見出
し、本発明に到達した。即ち本発明の要旨は次のとおり
である。
【0008】(1)発光ピーク波長が600nm以上1
000nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射す
る半導体レーザあるいは発光ダイオードからなる光源部
と、該光源部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中
に導く絶縁油照射用光ファイバと、該絶縁油照射用光フ
ァイバからの出射光が透過距離aなる絶縁油中を透過
後、該透過光を受光して油入変圧器外部に導く対向して
設置した絶縁油透過光受光用光ファイバと、該絶縁油透
過光受光用光ファイバに導かれた透過光強度を測定する
絶縁油透過光受光部と、該光源部からの照射光を油入変
圧器内部の絶縁油中にあるコイル最外層に巻回された絶
縁紙表面に導く絶縁紙照射用光ファイバと、該絶縁紙照
射用光ファイバからの出射光が透過距離a/2なる絶縁
油中を透過後、絶縁紙表面で反射し、該反射光を受光し
て油入変圧器外部に導く絶縁紙反射光受光用光ファイバ
と、該絶縁紙反射光受光用光ファイバに導かれた反射光
強度を測定する絶縁紙反射光受光部と、該絶縁油透過光
受光部と該絶縁紙反射光受光部のそれぞれの測定結果か
ら2波長間の反射吸光度差(ΔAR)を(1)式で演算
し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化
度との関係(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定す
る劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置に
おいて、 ΔAR=−log(Ip,1/Io,1)+log(Ip,2/Io,2) …(1) (ここで、Io,1、Io,2は波長λ1、λ2における絶縁油透
過光強度、Ip,1、Ip,2は波長λ1、λ2における絶縁紙反
射光強度(λ1<λ2)を示す。) 該絶縁油照射用光ファイバ、該絶縁油透過光受光用光フ
ァイバ、該絶縁紙照射用光ファイバ、該絶縁紙反射光受
光用光ファイバの各光ファイバが光ファイバ素線を束ね
たバンドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイ
バのバンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射
光受光用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素
線がランダムにミキシングした構造を有する油入変圧器
の劣化診断装置にある。
000nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射す
る半導体レーザあるいは発光ダイオードからなる光源部
と、該光源部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中
に導く絶縁油照射用光ファイバと、該絶縁油照射用光フ
ァイバからの出射光が透過距離aなる絶縁油中を透過
後、該透過光を受光して油入変圧器外部に導く対向して
設置した絶縁油透過光受光用光ファイバと、該絶縁油透
過光受光用光ファイバに導かれた透過光強度を測定する
絶縁油透過光受光部と、該光源部からの照射光を油入変
圧器内部の絶縁油中にあるコイル最外層に巻回された絶
縁紙表面に導く絶縁紙照射用光ファイバと、該絶縁紙照
射用光ファイバからの出射光が透過距離a/2なる絶縁
油中を透過後、絶縁紙表面で反射し、該反射光を受光し
て油入変圧器外部に導く絶縁紙反射光受光用光ファイバ
と、該絶縁紙反射光受光用光ファイバに導かれた反射光
強度を測定する絶縁紙反射光受光部と、該絶縁油透過光
受光部と該絶縁紙反射光受光部のそれぞれの測定結果か
ら2波長間の反射吸光度差(ΔAR)を(1)式で演算
し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化
度との関係(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定す
る劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置に
おいて、 ΔAR=−log(Ip,1/Io,1)+log(Ip,2/Io,2) …(1) (ここで、Io,1、Io,2は波長λ1、λ2における絶縁油透
過光強度、Ip,1、Ip,2は波長λ1、λ2における絶縁紙反
射光強度(λ1<λ2)を示す。) 該絶縁油照射用光ファイバ、該絶縁油透過光受光用光フ
ァイバ、該絶縁紙照射用光ファイバ、該絶縁紙反射光受
光用光ファイバの各光ファイバが光ファイバ素線を束ね
たバンドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイ
バのバンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射
光受光用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素
線がランダムにミキシングした構造を有する油入変圧器
の劣化診断装置にある。
【0009】(2)発光ピーク波長が600nm以上1
000nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射す
る半導体レーザ又は発光ダイオードからなる光源部と、
該光源部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中にあ
るコイル最外層に巻回された絶縁紙表面に導く絶縁紙照
射用光ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイバからの出
射光が絶縁油中を透過後絶縁紙表面で反射し、該反射光
を受光して油入変圧器外部に導く絶縁紙反射光受光用光
ファイバと、該反射光強度を測定する絶縁紙反射光受光
部と、該絶縁油透過光受光部と該絶縁紙反射光受光部の
それぞれの測定結果から2波長間の反射吸光度差を演算
し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化
度との関係(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定す
る劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置に
おいて、前記の各光ファイバが光ファイバ素線を束ねた
バンドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイバ
のバンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射光
受光用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素線
がランダムにミキシングした構造を有する油中光ファイ
バセンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置である。
000nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射す
る半導体レーザ又は発光ダイオードからなる光源部と、
該光源部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中にあ
るコイル最外層に巻回された絶縁紙表面に導く絶縁紙照
射用光ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイバからの出
射光が絶縁油中を透過後絶縁紙表面で反射し、該反射光
を受光して油入変圧器外部に導く絶縁紙反射光受光用光
ファイバと、該反射光強度を測定する絶縁紙反射光受光
部と、該絶縁油透過光受光部と該絶縁紙反射光受光部の
それぞれの測定結果から2波長間の反射吸光度差を演算
し、さらに予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化
度との関係(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定す
る劣化度演算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置に
おいて、前記の各光ファイバが光ファイバ素線を束ねた
バンドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイバ
のバンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射光
受光用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素線
がランダムにミキシングした構造を有する油中光ファイ
バセンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置である。
【0010】ここで、バンドルを構成するための光ファ
イバ素線としては、プラスチック系光ファイバ、多成分
ガラス系光ファイバ等、汎用の光ファイバを問題なく使
用できる。光ファイバ素線径は50μm〜125μmで
適宜使用できる。また、バンドル外径は0.5mm〜
3.0mmで適宜使用できる。絶縁油照射用光ファイ
バ、絶縁油透過光受光用光ファイバ、絶縁紙照射用光フ
ァイバ、絶縁紙反射光受光用光ファイバの各光ファイバ
に光ファイバ素線を束ねたバンドル構造を適用したこと
で、光ファイバの屈曲により光量が低下しにくい構成と
することができた。さらに、絶縁紙照射用光ファイバの
バンドルを構成する光ファイバ素線と絶縁紙反射光受光
用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素線とを
ランダムにミキシングした構造とすることで、絶縁紙照
射用光ファイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用光フ
ァイバの受光可能エリアを原理的に完全に一致させ、光
のロスを低減できた。
イバ素線としては、プラスチック系光ファイバ、多成分
ガラス系光ファイバ等、汎用の光ファイバを問題なく使
用できる。光ファイバ素線径は50μm〜125μmで
適宜使用できる。また、バンドル外径は0.5mm〜
3.0mmで適宜使用できる。絶縁油照射用光ファイ
バ、絶縁油透過光受光用光ファイバ、絶縁紙照射用光フ
ァイバ、絶縁紙反射光受光用光ファイバの各光ファイバ
に光ファイバ素線を束ねたバンドル構造を適用したこと
で、光ファイバの屈曲により光量が低下しにくい構成と
することができた。さらに、絶縁紙照射用光ファイバの
バンドルを構成する光ファイバ素線と絶縁紙反射光受光
用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素線とを
ランダムにミキシングした構造とすることで、絶縁紙照
射用光ファイバの照射エリアと絶縁紙反射光受光用光フ
ァイバの受光可能エリアを原理的に完全に一致させ、光
のロスを低減できた。
【0011】また、半導体レーザ(LD)あるいは発光
ダイオード(LED)の発光ピーク波長としては、63
5、650、660、670、780、800、82
0、830、850、940、950nm等があげら
れ、これらのLD、LEDが市販されており、動作も安
定しており好適である。
ダイオード(LED)の発光ピーク波長としては、63
5、650、660、670、780、800、82
0、830、850、940、950nm等があげら
れ、これらのLD、LEDが市販されており、動作も安
定しており好適である。
【0012】絶縁油の透過距離aは特に制限されない
が、あまり長くとるとプローブが大きくなるため、1〜
20mmが好適である。
が、あまり長くとるとプローブが大きくなるため、1〜
20mmが好適である。
【0013】また、特開平3−226651号公報に記
載されているように、劣化度は換算時間θで表すことが
一般的である。換算時間θで表すことにより、様々な劣
化履歴を有する材料であっても、θが等しければ同じ劣
化度であることを意味する。換算時間θは(2)式で定
義される。
載されているように、劣化度は換算時間θで表すことが
一般的である。換算時間θで表すことにより、様々な劣
化履歴を有する材料であっても、θが等しければ同じ劣
化度であることを意味する。換算時間θは(2)式で定
義される。
【0014】 θ=t×exp(−ΔE/RT) …(2) ここで、ΔEは劣化のみかけの活性化エネルギー(J/
mol)、Rは気体定数(J/K/mol)、Tは劣化
の絶対温度(K)、tは劣化(使用)時間(h)であ
る。絶縁紙劣化のΔEはいわゆるアレニウスプロット法
により容易に算出できる。さらに、予め求めておいた絶
縁紙の寿命点における換算時間をθ0とすれば、実測か
ら求めた換算時間θとの差Δθ(=θ0−θ)が余寿命
に相当する換算時間となり、劣化度判定の尺度となる。
即ち、寿命点t0までの余寿命Δt(=t0−t)(h)
は(3)式で表される。
mol)、Rは気体定数(J/K/mol)、Tは劣化
の絶対温度(K)、tは劣化(使用)時間(h)であ
る。絶縁紙劣化のΔEはいわゆるアレニウスプロット法
により容易に算出できる。さらに、予め求めておいた絶
縁紙の寿命点における換算時間をθ0とすれば、実測か
ら求めた換算時間θとの差Δθ(=θ0−θ)が余寿命
に相当する換算時間となり、劣化度判定の尺度となる。
即ち、寿命点t0までの余寿命Δt(=t0−t)(h)
は(3)式で表される。
【0015】 Δt=Δθ/exp(−ΔE/RT) …(3) (3)式より時間t以降の絶縁紙の平均使用温度条件が
定まれば、その後の余寿命Δtを求めることができる。
定まれば、その後の余寿命Δtを求めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施例を図面を参
照して説明する。ただし,本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
照して説明する。ただし,本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
【0017】
【実施例1】図1は油入変圧器1の劣化診断装置の適用
形態を示す模式図である。また、図3に劣化度判定のた
めの演算のフローチャートを示す。図1において劣化度
演算部10は測定データ記憶用メモリー、読み出し専用
メモリーを内蔵したマイクロプロセッサ、表示部からな
っており、光源波長の切り替え、受光強度測定、演算、
結果表示まで行う。光源部8の光源としてはλ1=63
5nmの半導体レーザ(LD)と、λ2=830nmの
LDをそれぞれ発光出力500μWで用いた。各光源波
長の絶縁油4の透過光強度(Io,1、Io,2)は以下のよう
にして測定した。λ1からの出射光は絶縁油照射用光フ
ァイバ6内を通り、プローブ5に導かれる。絶縁油照射
用光ファイバ6は50μmの多成分ガラス系光ファイバ
のバンドルからなり、バンドルの外径は1mmである。
プローブ5は図2に示すような内部構造を有しており、
筐体、内部とも樹脂からなり、間隙のない構造を有して
いる。該絶縁油照射用光ファイバ6からの照射光はプロ
ーブ5内に設置した5mmのスリットに満たされた絶縁
油4中を透過し、対向して設置した絶縁油透過光受光用
光ファイバ7に到達する。絶縁油透過光受光用光ファイ
バ7は50μmの多成分ガラス系光ファイバのバンドル
からなり、バンドルの外径は1mmである。該絶縁油透
過光は該絶縁油透過光受光用光ファイバ7を経て絶縁油
透過光受光部9へと導かれる。該絶縁油透過光受光部9
にてλ1における透過光強度を検出し、劣化度演算部1
0にIo,1が記憶される。同様にして、λ2からの出射光
に対する絶縁油4の透過光強度を測定し、劣化度演算部
10にλ2における透過光強度Io,2を記憶する。
形態を示す模式図である。また、図3に劣化度判定のた
めの演算のフローチャートを示す。図1において劣化度
演算部10は測定データ記憶用メモリー、読み出し専用
メモリーを内蔵したマイクロプロセッサ、表示部からな
っており、光源波長の切り替え、受光強度測定、演算、
結果表示まで行う。光源部8の光源としてはλ1=63
5nmの半導体レーザ(LD)と、λ2=830nmの
LDをそれぞれ発光出力500μWで用いた。各光源波
長の絶縁油4の透過光強度(Io,1、Io,2)は以下のよう
にして測定した。λ1からの出射光は絶縁油照射用光フ
ァイバ6内を通り、プローブ5に導かれる。絶縁油照射
用光ファイバ6は50μmの多成分ガラス系光ファイバ
のバンドルからなり、バンドルの外径は1mmである。
プローブ5は図2に示すような内部構造を有しており、
筐体、内部とも樹脂からなり、間隙のない構造を有して
いる。該絶縁油照射用光ファイバ6からの照射光はプロ
ーブ5内に設置した5mmのスリットに満たされた絶縁
油4中を透過し、対向して設置した絶縁油透過光受光用
光ファイバ7に到達する。絶縁油透過光受光用光ファイ
バ7は50μmの多成分ガラス系光ファイバのバンドル
からなり、バンドルの外径は1mmである。該絶縁油透
過光は該絶縁油透過光受光用光ファイバ7を経て絶縁油
透過光受光部9へと導かれる。該絶縁油透過光受光部9
にてλ1における透過光強度を検出し、劣化度演算部1
0にIo,1が記憶される。同様にして、λ2からの出射光
に対する絶縁油4の透過光強度を測定し、劣化度演算部
10にλ2における透過光強度Io,2を記憶する。
【0018】次に、各光源波長の絶縁紙3の反射光強度
(Ip,1、Ip,2)を以下のようにして測定した。λ1から
の出射光は絶縁紙照射用光ファイバ11内を通り、プロ
ーブ5に導かれる。絶縁紙照射用光ファイバ11は50
μmの多成分ガラス系光ファイバのバンドルからなり、
バンドルの外径は1mmである。プローブ5は図2に示
すような内部構造を有しており、油入変圧器1内部の絶
縁油4中にあるコイル2最外層に巻回された絶縁紙3表
面に設置されている。絶縁紙3表面と該絶縁紙照射用光
ファイバ11の端面(保護用石英ガラス板含む)との距
離は2.5mmで、絶縁油4の透過スリットの1/2で
ある。該絶縁紙照射用光ファイバ11からの照射光はプ
ローブ5と絶縁紙3表面との2.5mmの間隙に満たさ
れた絶縁油4中を透過し、絶縁紙3表面上で反射して絶
縁紙反射光受光用光ファイバ12に到達する。絶縁紙反
射光受光用光ファイバ12は50μmの多成分ガラス系
光ファイバのバンドルからなり、バンドルの外径は1m
mである。なお、該絶縁紙照射用光ファイバ11のバン
ドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射光受光用
光ファイバ12のバンドルを構成する光ファイバ素線と
は、図2に示したようにランダムにミキシングした構造
を有しており、該絶縁紙照射用光ファイバ11の照射エ
リアと該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の受光可能
エリアを原理的に完全に一致させている。該絶縁紙反射
光は該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12を経て絶縁紙
反射光受光部13へと導かれる。該絶縁紙反射光受光部
13にてλ1における反射光強度を検出し、劣化度演算
部10にIp,1が記憶される。同様にしてλ2からの出射
光に対する絶縁紙3の反射光強度を測定し、劣化度演算
部10にλ2における反射光強度Ip,2を記憶する。
(Ip,1、Ip,2)を以下のようにして測定した。λ1から
の出射光は絶縁紙照射用光ファイバ11内を通り、プロ
ーブ5に導かれる。絶縁紙照射用光ファイバ11は50
μmの多成分ガラス系光ファイバのバンドルからなり、
バンドルの外径は1mmである。プローブ5は図2に示
すような内部構造を有しており、油入変圧器1内部の絶
縁油4中にあるコイル2最外層に巻回された絶縁紙3表
面に設置されている。絶縁紙3表面と該絶縁紙照射用光
ファイバ11の端面(保護用石英ガラス板含む)との距
離は2.5mmで、絶縁油4の透過スリットの1/2で
ある。該絶縁紙照射用光ファイバ11からの照射光はプ
ローブ5と絶縁紙3表面との2.5mmの間隙に満たさ
れた絶縁油4中を透過し、絶縁紙3表面上で反射して絶
縁紙反射光受光用光ファイバ12に到達する。絶縁紙反
射光受光用光ファイバ12は50μmの多成分ガラス系
光ファイバのバンドルからなり、バンドルの外径は1m
mである。なお、該絶縁紙照射用光ファイバ11のバン
ドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射光受光用
光ファイバ12のバンドルを構成する光ファイバ素線と
は、図2に示したようにランダムにミキシングした構造
を有しており、該絶縁紙照射用光ファイバ11の照射エ
リアと該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の受光可能
エリアを原理的に完全に一致させている。該絶縁紙反射
光は該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12を経て絶縁紙
反射光受光部13へと導かれる。該絶縁紙反射光受光部
13にてλ1における反射光強度を検出し、劣化度演算
部10にIp,1が記憶される。同様にしてλ2からの出射
光に対する絶縁紙3の反射光強度を測定し、劣化度演算
部10にλ2における反射光強度Ip,2を記憶する。
【0019】このようにして得られたλ1、λ2における
該絶縁油透過光強度Io,1、Io,2、該絶縁紙反射光強度I
p,1、Ip,2から(1)式を用いて2波長間の反射吸光度
差ΔA Rを算出した。今回の測定結果では、Io,1=2.
22μW、Io,2=2.35μW、Ip,1=1.15μW、
Ip,2=1.95μWだったので、ΔAR値は(1)式よ
り=0.205となった。絶縁油透過光受光部9、絶縁
紙反射光受光部13の性能的には0.5μW以上の光量
があれば十分な感度を有するため、何ら問題を生じなか
った。また、測定時に該絶縁油照射用光ファイバ6、該
絶縁油透過光受光用光ファイバ7、該絶縁紙照射用光フ
ァイバ11、該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の各
光ファイバを故意に曲げたりしても受光量変動は3%以
内で良好であった。
該絶縁油透過光強度Io,1、Io,2、該絶縁紙反射光強度I
p,1、Ip,2から(1)式を用いて2波長間の反射吸光度
差ΔA Rを算出した。今回の測定結果では、Io,1=2.
22μW、Io,2=2.35μW、Ip,1=1.15μW、
Ip,2=1.95μWだったので、ΔAR値は(1)式よ
り=0.205となった。絶縁油透過光受光部9、絶縁
紙反射光受光部13の性能的には0.5μW以上の光量
があれば十分な感度を有するため、何ら問題を生じなか
った。また、測定時に該絶縁油照射用光ファイバ6、該
絶縁油透過光受光用光ファイバ7、該絶縁紙照射用光フ
ァイバ11、該絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の各
光ファイバを故意に曲げたりしても受光量変動は3%以
内で良好であった。
【0020】さらに、劣化度演算部10では、図4に示
したような絶縁紙4の反射吸光度差と劣化度との関係
(マスターカーブ)が予め記憶されており、この関係図
から測定した絶縁紙の劣化度を換算時間として算出し、
結果を表示できる。
したような絶縁紙4の反射吸光度差と劣化度との関係
(マスターカーブ)が予め記憶されており、この関係図
から測定した絶縁紙の劣化度を換算時間として算出し、
結果を表示できる。
【比較例1】実施例1と同様の劣化診断装置の構成であ
るが、図5に示したように光ファイバがバンドル構造を
有していない、従来構造のプローブを用いて同様の測定
を実施した。光源部8の光源としてはλ1=635nm
の半導体レーザ(LD)と、λ2=830nmのLDを
それぞれ発光出力500μWで用いた。各光源波長の絶
縁油4の透過光強度(Io,1、Io,2)は以下のようにして
測定した。λ1からの出射光は絶縁油照射用光ファイバ
6内を通り、プローブ5に導かれる。絶縁油照射用光フ
ァイバ6は直径1.0mmのプラスチック系光ファイバ
である。プローブ5は図5に示すような内部構造を有し
ており、筐体、内部とも樹脂からなり、間隙のない構造
を有している。該絶縁油照射用光ファイバ6からの照射
光はプローブ5内に設置した5mmのスリットに満たさ
れた絶縁油4中を透過し、対向して設置した絶縁油透過
光受光用光ファイバ7に到達する。絶縁油透過光受光用
光ファイバ7は直径1.0mmのプラスチック系光ファ
イバである。該絶縁油透過光は該絶縁油透過光受光用光
ファイバ7を経て絶縁油透過光受光部9へと導かれる。
該絶縁油透過光受光部9にてλ1における透過光強度を
検出し、劣化度演算部10にIo,1が記憶される。同様に
して、λ2からの出射光に対する絶縁油4の透過光強度
を測定し、劣化度演算部10にλ2における透過光強度I
o,2を記憶する。
るが、図5に示したように光ファイバがバンドル構造を
有していない、従来構造のプローブを用いて同様の測定
を実施した。光源部8の光源としてはλ1=635nm
の半導体レーザ(LD)と、λ2=830nmのLDを
それぞれ発光出力500μWで用いた。各光源波長の絶
縁油4の透過光強度(Io,1、Io,2)は以下のようにして
測定した。λ1からの出射光は絶縁油照射用光ファイバ
6内を通り、プローブ5に導かれる。絶縁油照射用光フ
ァイバ6は直径1.0mmのプラスチック系光ファイバ
である。プローブ5は図5に示すような内部構造を有し
ており、筐体、内部とも樹脂からなり、間隙のない構造
を有している。該絶縁油照射用光ファイバ6からの照射
光はプローブ5内に設置した5mmのスリットに満たさ
れた絶縁油4中を透過し、対向して設置した絶縁油透過
光受光用光ファイバ7に到達する。絶縁油透過光受光用
光ファイバ7は直径1.0mmのプラスチック系光ファ
イバである。該絶縁油透過光は該絶縁油透過光受光用光
ファイバ7を経て絶縁油透過光受光部9へと導かれる。
該絶縁油透過光受光部9にてλ1における透過光強度を
検出し、劣化度演算部10にIo,1が記憶される。同様に
して、λ2からの出射光に対する絶縁油4の透過光強度
を測定し、劣化度演算部10にλ2における透過光強度I
o,2を記憶する。
【0021】次に、各光源波長の絶縁紙3の反射光強度
(Ip,1、Ip,2)を以下のようにして測定した。λ1から
の出射光は絶縁紙照射用光ファイバ11内を通り、プロ
ーブ5に導かれる。絶縁紙照射用光ファイバ11は直径
1.0mmのプラスチック系光ファイバである。プロー
ブ5は図5に示すような内部構造を有しており、油入変
圧器1内部の絶縁油4中にあるコイル2最外層に巻回さ
れた絶縁紙3表面に設置されている。絶縁紙3表面と該
絶縁紙照射用光ファイバ11の端面(保護用石英ガラス
板含む)との距離は2.5mmで、絶縁油4の透過スリ
ットの1/2である。該絶縁紙照射用光ファイバ11か
らの照射光はプローブ5と絶縁紙3表面との2.5mm
の間隙に満たされた絶縁油4中を透過し、絶縁紙3表面
上で反射して絶縁紙反射光受光用光ファイバ12に到達
する。絶縁紙反射光受光用光ファイバ12は直径1.0
mmのプラスチック系光ファイバである。なお、該絶縁
紙照射用光ファイバ11と該絶縁紙反射光受光用光ファ
イバ12とは図5に示したように並列配値しており、該
絶縁紙照射用光ファイバ11の照射エリアと該絶縁紙反
射光受光用光ファイバ12の受光可能エリアは一致して
いない。該絶縁紙反射光は該絶縁紙反射光受光用光ファ
イバ12を経て絶縁紙反射光受光部13へと導かれる。
該絶縁紙反射光受光部13にてλ1における反射光強度
を検出し、劣化度演算部10にIp,1が記憶される。同様
にしてλ2からの出射光に対する絶縁紙3の反射光強度
を測定し、劣化度演算部10にλ2における反射光強度I
p,2を記憶する。
(Ip,1、Ip,2)を以下のようにして測定した。λ1から
の出射光は絶縁紙照射用光ファイバ11内を通り、プロ
ーブ5に導かれる。絶縁紙照射用光ファイバ11は直径
1.0mmのプラスチック系光ファイバである。プロー
ブ5は図5に示すような内部構造を有しており、油入変
圧器1内部の絶縁油4中にあるコイル2最外層に巻回さ
れた絶縁紙3表面に設置されている。絶縁紙3表面と該
絶縁紙照射用光ファイバ11の端面(保護用石英ガラス
板含む)との距離は2.5mmで、絶縁油4の透過スリ
ットの1/2である。該絶縁紙照射用光ファイバ11か
らの照射光はプローブ5と絶縁紙3表面との2.5mm
の間隙に満たされた絶縁油4中を透過し、絶縁紙3表面
上で反射して絶縁紙反射光受光用光ファイバ12に到達
する。絶縁紙反射光受光用光ファイバ12は直径1.0
mmのプラスチック系光ファイバである。なお、該絶縁
紙照射用光ファイバ11と該絶縁紙反射光受光用光ファ
イバ12とは図5に示したように並列配値しており、該
絶縁紙照射用光ファイバ11の照射エリアと該絶縁紙反
射光受光用光ファイバ12の受光可能エリアは一致して
いない。該絶縁紙反射光は該絶縁紙反射光受光用光ファ
イバ12を経て絶縁紙反射光受光部13へと導かれる。
該絶縁紙反射光受光部13にてλ1における反射光強度
を検出し、劣化度演算部10にIp,1が記憶される。同様
にしてλ2からの出射光に対する絶縁紙3の反射光強度
を測定し、劣化度演算部10にλ2における反射光強度I
p,2を記憶する。
【0022】このようにして得られたλ1、λ2における
該絶縁油透過光強度Io,1、Io,2、該絶縁紙反射光強度I
p,1、Ip,2から(1)式を用いて2波長間の反射吸光度
差ΔA Rを算出した。今回の測定結果では、Io,1=0.
44μW、Io,2=0.49μW、Ip,1=0.12μW、
Ip,2=0.215μWだったので、ΔAR値は(1)式
より=0.207となった。絶縁油透過光受光部9、絶
縁紙反射光受光部13の性能的には0.5μW以上の光
量が必要なため、ΔAR値が実施例1とほぼ近い値を得
られたが信頼性を確保する上で問題があった。また、測
定時に該絶縁油照射用光ファイバ6、該絶縁油透過光受
光用光ファイバ7、該絶縁紙照射用光ファイバ11、該
絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の各光ファイバを故
意に曲げたりすると受光量の低下は40%程度の範囲で
変動し、実質的に測定不能となった。
該絶縁油透過光強度Io,1、Io,2、該絶縁紙反射光強度I
p,1、Ip,2から(1)式を用いて2波長間の反射吸光度
差ΔA Rを算出した。今回の測定結果では、Io,1=0.
44μW、Io,2=0.49μW、Ip,1=0.12μW、
Ip,2=0.215μWだったので、ΔAR値は(1)式
より=0.207となった。絶縁油透過光受光部9、絶
縁紙反射光受光部13の性能的には0.5μW以上の光
量が必要なため、ΔAR値が実施例1とほぼ近い値を得
られたが信頼性を確保する上で問題があった。また、測
定時に該絶縁油照射用光ファイバ6、該絶縁油透過光受
光用光ファイバ7、該絶縁紙照射用光ファイバ11、該
絶縁紙反射光受光用光ファイバ12の各光ファイバを故
意に曲げたりすると受光量の低下は40%程度の範囲で
変動し、実質的に測定不能となった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、稼働中の油入変圧器の
運転を特に停止することなく、光ファイバの屈曲によっ
て光量が低下しにくく、また、絶縁紙照射用光ファイバ
の照射エリアと絶縁紙反射光受光用光ファイバの受光可
能エリアが一致し、光のロスが小さい油中光ファイバセ
ンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置を提供できる。
運転を特に停止することなく、光ファイバの屈曲によっ
て光量が低下しにくく、また、絶縁紙照射用光ファイバ
の照射エリアと絶縁紙反射光受光用光ファイバの受光可
能エリアが一致し、光のロスが小さい油中光ファイバセ
ンサを用いた油入変圧器の劣化診断装置を提供できる。
【0024】
【図1】 油入変圧器の劣化診断装置の適用形態を示す
模式図。
模式図。
【図2】 光ファイバがバンドル構造を有するプローブ
の構造模式図。
の構造模式図。
【図3】 絶縁紙劣化度判定のための診断のフローチャ
ート。
ート。
【図4】 反射吸光度差をパラメータにした診断マスタ
ーカーブの例。
ーカーブの例。
【図5】 光ファイバがバンドル構造を有していない、
従来構造のプローブの構造模式図。
従来構造のプローブの構造模式図。
1…油入変圧器、2…コイル、3…鉄心、4…絶縁油、
5…セル、6…照射用光ファイバ、7…受光用光ファイ
バ、8…光源部、9…受光部、10…演算部
5…セル、6…照射用光ファイバ、7…受光用光ファイ
バ、8…光源部、9…受光部、10…演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 純一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 伊藤 雄三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松村 俊朗 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 松原 宏 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 Fターム(参考) 2G015 AA02 AA04 AA07 CA20 2G059 AA05 BB10 BB15 CC20 EE01 EE02 EE11 FF06 GG01 GG02 HH01 HH02 JJ17 KK03 MM01 MM05 MM10 PP04
Claims (2)
- 【請求項1】発光ピーク波長が600nm以上1000
nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射する半導
体レーザ又は発光ダイオードからなる光源部と、該光源
部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中に導く絶縁
油照射用光ファイバと、該絶縁油照射用光ファイバから
の出射光が透過距離aなる絶縁油中を透過後、該透過光
を受光して油入変圧器外部に導く対向して設置した絶縁
油透過光受光用光ファイバと、該絶縁油透過光受光用光
ファイバに導かれた透過光強度を測定する絶縁油透過光
受光部と、該光源部からの照射光を油入変圧器内部の絶
縁油中にあるコイル最外層に巻回された絶縁紙表面に導
く絶縁紙照射用光ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイ
バからの出射光が透過距離a/2なる絶縁油中を透過
後、絶縁紙表面で反射し、該反射光を受光して油入変圧
器外部に導く絶縁紙反射光受光用光ファイバと、該絶縁
紙反射光受光用光ファイバに導かれた反射光強度を測定
する絶縁紙反射光受光部と、該絶縁油透過光受光部と該
絶縁紙反射光受光部のそれぞれの測定結果から2波長間
の反射吸光度差(ΔAR)を(1)式で演算し、さらに
予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化度との関係
(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定する劣化度演
算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置において、 ΔAR=−log(Ip,1/Io,1)+log(Ip,2/Io,2) …(1) (ここで、Io,1、Io,2は波長λ1、λ2における絶縁油透
過光強度、Ip,1、Ip,2は波長λ1、λ2における絶縁紙反
射光強度(λ1<λ2)を示す。) 該絶縁油照射用光ファイバ、該絶縁油透過光受光用光フ
ァイバ、該絶縁紙照射用光ファイバ、該絶縁紙反射光受
光用光ファイバの各光ファイバが光ファイバ素線を束ね
たバンドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイ
バのバンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射
光受光用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素
線がランダムにミキシングした構造を有することを特徴
とする油入変圧器の劣化診断装置。 - 【請求項2】発光ピーク波長が600nm以上1000
nm以下の相異なる2種の波長の照射光を照射する半導
体レーザ又は発光ダイオードからなる光源部と、該光源
部からの照射光を油入変圧器内部の絶縁油中にあるコイ
ル最外層に巻回された絶縁紙表面に導く絶縁紙照射用光
ファイバと、該絶縁紙照射用光ファイバからの出射光が
絶縁油中を透過後絶縁紙表面で反射し、該反射光を受光
して油入変圧器外部に導く絶縁紙反射光受光用光ファイ
バと、該反射光強度を測定する絶縁紙反射光受光部と、
該絶縁油透過光受光部と該絶縁紙反射光受光部のそれぞ
れの測定結果から2波長間の反射吸光度差を演算し、さ
らに予め記憶させた絶縁紙の反射吸光度差と劣化度との
関係(マスターカーブ)を用いて劣化度を判定する劣化
度演算部とを備えた油入変圧器の劣化診断装置におい
て、前記の各光ファイバが光ファイバ素線を束ねたバン
ドル構造を有し、かつ、該絶縁紙照射用光ファイバのバ
ンドルを構成する光ファイバ素線と該絶縁紙反射光受光
用光ファイバのバンドルを構成する光ファイバ素線がラ
ンダムにミキシングした構造を有する油中光ファイバセ
ンサを用いたことを特徴とする油入変圧器の劣化診断装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000122263A JP2001307924A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | 油入変圧器の劣化診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000122263A JP2001307924A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | 油入変圧器の劣化診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001307924A true JP2001307924A (ja) | 2001-11-02 |
Family
ID=18632761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000122263A Pending JP2001307924A (ja) | 2000-04-24 | 2000-04-24 | 油入変圧器の劣化診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001307924A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100591959B1 (ko) * | 2003-11-25 | 2006-06-20 | 한상옥 | 변압기용 전기절연유의 열화진단을 위한 3단자형전기용량센서 |
KR101068552B1 (ko) | 2010-05-31 | 2011-09-28 | 한국전력공사 | 전력용 변압기 절연지의 열화도 평가 장치 |
CN104931860A (zh) * | 2014-03-19 | 2015-09-23 | 国家电网公司 | 一种测定油纸绝缘特性的装置 |
CN109581158A (zh) * | 2018-11-22 | 2019-04-05 | 西南交通大学 | 一种变压器油纸绝缘材料的电-压-流-热综合测试平台及测试方法 |
CN112923977A (zh) * | 2021-02-05 | 2021-06-08 | 中国矿业大学 | 观测变压器油道内不同粒径杂质动力学行为的装置及方法 |
CN114705628A (zh) * | 2022-04-06 | 2022-07-05 | 西安交通大学 | 一种具有高抗干扰能力的变压器油中气体检测系统及方法 |
-
2000
- 2000-04-24 JP JP2000122263A patent/JP2001307924A/ja active Pending
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