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JP2001303253A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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Publication number
JP2001303253A
JP2001303253A JP2000129348A JP2000129348A JP2001303253A JP 2001303253 A JP2001303253 A JP 2001303253A JP 2000129348 A JP2000129348 A JP 2000129348A JP 2000129348 A JP2000129348 A JP 2000129348A JP 2001303253 A JP2001303253 A JP 2001303253A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
inlet
plasma
mesh
film forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000129348A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Tamamaki
宏章 玉巻
Masaya Nomura
雅也 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2000129348A priority Critical patent/JP2001303253A/ja
Publication of JP2001303253A publication Critical patent/JP2001303253A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い品質の薄膜を高速度で得ることが確実に
できるようにした薄膜形成装置を提供する。 【解決手段】 周囲に配置した磁気コイルによって磁界
を印加され、マイクロ波が導入されるとともにアップス
トリームガスが導入されるようにしたECRプラズマを
発生させるためのプラズマ発生室と、ダウンストリーム
ガスを供給するための導入口と、該導入口と高分子基材
との間又は上記プラズマ発生室と上記導入口との間に設
置したメッシュとを含む基材へのプラズマCVDによる
薄膜形成装置において、上記ダウンストリームガスを導
入するための導入口を、供給する該ダウンストリームガ
スが均一に分散するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック基板
等の基材へのプラズマCVDによる薄膜形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高性能で地球にやさしい自動車が求めら
れている時代背景の中で、自動車部品のプラステイック
化が押し進められ、自動車の軽量化による燃費向上が図
られてきた。特に熱可塑性プラステイックは、リサイク
ルしやすい材料として注目を集め、積極的な自動車部品
への採用が試みられている。しかし、プラステイック材
料は金属材料に比べ、機械的強度、表面硬度が低く、耐
擦傷性に劣る。さらにその表面は、太陽の紫外線、熱に
より、変色、強度低下を起こし、耐候性は決して良くな
い。自動車の機能、品質を考慮するとプラステイックが
採用できる部品には限界がある。今後、プラステイック
に何らかの表面処理を施して機能向上を図らない限り、
自動車部品のプラステイック化の進展は期待できない。
【0003】上記のような、プラステイックの表面処理
方法として、プラズマCVDによる薄膜形成方法が従来
行われている。プラズマCVDによれば、基板温度を4
00℃以上に加熱することによって薄膜中の不純物を除
去して良質な薄膜をコートすることができる。しかし、
耐熱性の低いプラステイックへのコートは不可能であっ
た(スニル・ウィクラマナヤカ、畑中義式他、電子情報
通信学会、技術報告、Vol.93,p.91-86,'93年)。そこ
で、同一のプラズマ装置内で高分子基材をまず非重合性
のガス、例えばCO、H2 、O2 でプラズマ処理し、皮
膜の接着性を上昇させてから、有機珪素化合物のプラズ
マ重合により、耐久性の優れたプラズマ重合皮膜を形成
させるようにした方法がある。しかし、その薄膜は、基
材との接着性に優れるが、不純物である、炭素や、水分
を多く含むため、さほど硬さを有することなく、耐擦傷
性に劣るといった問題があった(特開昭62−1329
40号公報)。一方、真空反応室に反応ガスを導入し、
875ガウスの磁界をかけ、マイクロ波を印加すると電
子サイクロトロン共鳴(ECR)効果により、プラズマ
中の電子がマイクロ波の電界により加速し、高密度プラ
ズマが生成でき、このことを利用したECRプラズマ装
置が開発された(特開昭56−155535号公報)。
【0004】しかし、上記従来の方法では、供給ガスを
多量に使用するため、ランニングコストが高いうえ、装
置の汚れも激しく、メンテナンスに手間とコストが多く
かかった。また、皮膜形成に多大な時間を要するため、
プラスチック製基板への熱付加が未だ大きく、基板のダ
メージが大きくなり、皮膜中に残留歪み、クラックが生
じる問題があった。
【0005】そこで、高品質膜の低温堆積が可能なEC
RプラズマCVD(電子共鳴サイクロトロン共鳴プラズ
マ式化学蒸着、Electron Cycrotron Resonance Plasma
Assisted Chemical Vapor Deposition)技術を利用し
て、プラスチック表面に透明なSiC膜を薄く堆積さ
せ、意匠性を損なうことなしに表面硬度を向上させるよ
うにした高分子基材へのプラズマCVDによるSiO2
薄膜形成方法及び装置を開発した(特願平8―5258
0号)。この装置では、メッシュをプラズマ発生室と供
給ガスの導入口との間に設置し、このメッシュによって
プラズマ中の電子を捕らえて、アースに逃がして、プラ
ズマ中のラジカル(中性子)のみを通過させ、成膜速度
を向上させるようにしている。しかしながら、上記技術
においても、コートされるSiO2 皮膜の硬度には限界
があり、より硬度の高い薄膜を形成することが要望され
ていた。また、SiO2 皮膜は、紫外線を透過するた
め、プラスチック材にこのような薄膜を形成しても、プ
ラスチック材が紫外線によって劣化するおそれがあっ
た。すなわち、約4.5eV〜5eVのバンドギャップ
を持つSiC膜は、約8eVのバンドギャップを持つS
iO2 膜と比較するとバンドギャップが小さく、紫外線
カット特性を有する。
【0006】このようなことに鑑みて、プラスチック基
材の表面に、十分な硬度と紫外線に対する耐候性を備え
るSiC薄膜を低温で形成することを可能とする高分子
基材へのプラズマCVDによるSiC薄膜形成方法及び
装置を、特願平8−288156号(特開平10−81
971号)として開発した。
【0007】しかしながら、この薄膜形成装置において
も、未だに以下の問題点を持っていた。 (1)原料ガス(ダウンストリームガス)導入口の形状
や、プラズマ密度分布により、形成した薄膜の厚さに同
心円状のむらが生じてしまう。 (2)長時間にわたる連続運転により、メッシュに膜成
分が付着し、膜形成速度が低下してしまい、高い品質の
薄膜を高速で得るといった本来の特性を発揮できなくす
るおそれがあった。 (3)本来、メッシュは、基板に近づけるほうが、成膜
速度が上がるが、基板をメッシュに近づけ過ぎると、形
成した薄膜にメッシュ跡が転写されてしまい、品質の劣
化を招く。よって、高い品質の薄膜を得るためには、成
膜速度を犠牲にして、ある程度メッシュを基板から遠ざ
けなければならなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
対して、高い品質の薄膜を高速度で得ることが確実にで
きるようにした薄膜形成装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る薄膜形成装置は、周囲に配置した磁気
コイルによって磁界を印加され、マイクロ波が導入され
るとともにアップストリームガスが導入されるようにし
たECRプラズマを発生させるためのプラズマ発生室
と、ダウンストリームガスを供給するための導入口と、
該導入口と高分子基材との間又は上記プラズマ発生室と
上記導入口との間に設置したメッシュとを含む基材への
プラズマCVDによる薄膜形成装置において、上記ダウ
ンストリームガスを導入するための導入口を、供給する
該ダウンストリームガスが均一に分散するように構成し
たことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る薄膜形成装置は、他の
形態として、上記メッシュを中心部において密になるよ
うに構成したことを特徴とする。さらに、本発明に係る
薄膜形成装置は、他の形態として、上記メッシュを移動
可能に設置したことを特徴とする。さらにまた、本発明
に係る薄膜形成装置は、他の形態として、上記メッシュ
を振動させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る薄膜形成装
置の一実施の形態を示す。この装置は、後述するよう
に、HMDSを用いてSiCの薄膜を形成する装置に関
する実施の形態である。この装置は、横型構成のECR
プラズマCVD装置で、プラズマ発生室1の周囲に磁気
コイル2を配置し、プラズマ発生室1内にECR条件で
ある磁界を印加し、マイクロ波を発生室1に導入3さ
せ、プラズマを発生させる。なお、3aは石英ガラスで
ある。磁気コイル2の磁界分布はプラズマ発生室1から
試料室4の方向に低くなる発散磁界型である。アップス
トリームのガスをマスフローコントローラで流量制御し
て、プラズマ発生室内に導入5し、ECRプラズマを発
生させる。アップストリームに供給されるガスとして
は、H2 、He、Ar等を挙げることができる。ただ
し、H2 がHMDSを最も良く分解するので最適であ
る。
【0012】さらに、ダウンストリームにおいて、別の
ガスを流量制御してリング状の導入口6から流し込み、
PC(ポリカーボネート樹脂)あるいはPP(ポリプロ
ピレン)等の高分子基材7(プラスチック製の基板)表
面にSiC膜を堆積することができる。本発明の適用の
対象となるプラスチック製の基板7の原料としては、ポ
リカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)の
他、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)等の
高分子を挙げることができる。本発明では、リング状の
導入口6から流し込むダウンストリームガス(原料ガ
ス)として、ヘキサメチルジシラン(HMDS)をHe
ガスによってバブリングしたものを用いる。なお、本発
明に好適な他のケイ素含有化合物も用いることができ
る。
【0013】このHMDSと水素ガスを用いたプラズマ
CVDでは、まずアップストリーム・プラズマからの水
素ラジカルにより、HMDSのSi−Si結合が切断さ
れ、前駆体が生じる。さらに、その前駆体が反応して、
SiC膜が堆積していくと考えられている。
【0014】本発明のリング状の導入口6から供給され
る原料ガスの供給システムは、恒温室8、MFC(マス
フローコントローラ)装置9,10、バブリング用He
ガスのタンク11、液体HMDSを内蔵した容器12及
び供給ライン13を含む。この供給システムでは、恒温
室8の28℃に保った容器12内に液体状で存在するH
MDSに、MFC装置9を経由してバブルガスとしてH
eガスを導入する。バブリングされたHMDSは、MF
C装置10を経由して、供給ライン13を通してダウン
ストリームガスとして導入口6から供給される。
【0015】本実施の形態において、該導入口6は、図
2に拡大して示すように長方形状の縦側内周面に小孔6
aが複数穿設されており、その小孔よりガスが均一に流
れ出るようになっている。この左右の小孔6a同士は、
互いに縦方向でずれている。したがって、図の点線の矢
印で示すように、流出したガス同士が干渉し合わない構
成となっている。さらに、小孔6aの流出方向は、基板
側に向けて5〜20°の角度θが設けられており、確実
にガス同士の干渉を避けることができるようになってい
る。
【0016】従来、この導入口6は、円形状に構成され
ていた。このため、導入されたガスが、中心部に集ま
り、均一な分散を行うことができなかった。上記構成と
することにより、供給する該ダウンストリームガスが均
一に分散するようになる。これによって、形成した薄膜
の厚さに同心円状のむらが生じてしまうといった従来の
欠点が解消される。よって、高い品質の薄膜を高速度で
得ることができる。
【0017】さらに、この装置では、アースに接続した
円形メッシュ14をリング状供給ガス導入口6と基板7
の間に設けている。メッシュ14は、一般的に金属製
(ステンレスが好ましい)であり、アースするかもしく
は直流の正、負電圧を印加している。15で示したもの
は直流電源である。メッシュ14は、プラズマ中の電子
を捕らえて、アースに逃がして、プラズマ中のラジカル
(中性子)のみを通過させる役目を持つ、そのためメッ
シュの直径、ワイヤーの太さ格子の寸法が重要である。
メッシュ14は、リング形状の供給ガス導入口6の直径
と生成するこの地点でのプラズマストリーム16の直径
よりも大きくなければならない。例えば、メッシュ14
をステンレス製ワイヤーで構成した場合、太すぎると形
成膜表面にワイヤーの影が転写され、凹凸になるため、
ある程度細くなければならない。したがって、ワイヤー
の直径はφ0.1mm以上1mm以下が好ましい。
【0018】メッシュ14の格子サイズは、大きすぎる
とプラズマ中の電子をトラップできず、ラジカルと一緒
にメッシュ14を通過してしまうため、ある程度小さく
しなければならない。したがって、5mm×5mm以下
が好ましい。ただし、格子の形状は限定されることな
く、例えば8角形でも良く、格子1つの面積サイズが2
5mm2 以下であることが好ましい。ECRプラズマC
VD装置内に設置されるメッシュ14の位置ならびにリ
ング状供給ガス導入口6と基板7(プラスチックあるい
は金属、セラミックス、素材は特に限定されない)の位
置関係のマッチングが、SiC膜の低温高速形成の上で
重要である。メッシュ14が設置される位置は、基板7
側に近づけるのではなく、リング状供給ガス導入口6に
近いほどSiC膜の成膜速度は、上昇するので望まし
い。また、プラズマ発生室1内、あるいは、プラズマ発
生室1とリング状供給ガス導入口6の間にメッシュ14
を設置しても効果がある。
【0019】メッシュ14をアースすること、あるいは
マイナスからプラスまで直流電圧を印加することによっ
て、プラズマ中の電子、負イオン、正イオンの量をコン
トロールすることができる。直流電圧を−50Vから+
50の範囲で印加すると成膜スピードは上昇する。特に
OV、つまりメッシュ14をアースだけして、電圧を印
加しない場合がプラズマ中の電子のトラップ効果が最も
高く、成膜速度が著しく高くなる(後述する実施例参
照)。SiC膜の成膜速度を高めるにはメッシュ14を
アースすることが良好である。なお、メッシュ14に直
流電圧を印加する場合、メッシュ14は反応室と完全に
絶縁されてなければならない。ステンレスメッシュ14
は、プラズマ中の電子を捕らえて、アースに逃がし、プ
ラズマ中のラジカル(中性子)のみを通過させる役割を
果たす。
【0020】基板7を加熱せずに不純物を含まない良質
SiCをコートするためには、発生したプラズマ条件の
精密制御が必要となる。特に原料の供給ガスの供給量が
重要である。HeによってバブリングされたHMDSを
原料ガスとした場合、0.8から1sccm〔standard
cc/min の略、SI単位系では、cc/min(at 25℃)〕の間
が好適である。1sccmを超えると、反応室内に余分
な膜が付着するようになり、反応室が汚染されてしま
い、良質なSiC膜のコーテイングに障害を及ぼすよう
になる。これに対し、H2 ガスは、5から50sccm
の範囲が好適である。また、試料室4内の圧力は、0.
05から2Paの範囲が好適である。さらに、このプラ
ズマ条件でアースしたメッシュ14をリング状供給ガス
導入口6から0〜50mmの位置に設置すると、著しく
成膜スピードが上昇し効果的である。また、メッシュを
用いても、膜質は低下することはない。マイクロ波の出
力は、100Wから200Wの間が好ましく、特に、1
50W付近が良い。後述する実施例から了解されるよう
に、出力が150Wを超えると、堆積速度が低下してし
まう。
【0021】基板温度は、室温でも良い。しかし、加熱
が可能なプラスチックでは、200℃以上の加熱が良
い。不純物である酸素(O)の含有率が低下するからで
ある。200℃以下の耐熱性を有するプラスチック、す
なわち、室温から200℃未満において使用することが
好適な基板素材としては、ポリアセタール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレ
ン、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン、エチレン酸ビスポリマー、エチレンビニルアルコ
ール、ポリフェニレンエーテル、ポリブタジエン、AB
S樹脂、塩化ビニル、ポリアレート、ポリウレタン系樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹
脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直
鎖状低密度ポリエチレン等を挙げることができる。20
0℃以上の耐熱性を備えたプラスチックとしては、ポリ
イミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリア
ミドフェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン樹脂、
ポリエーテルスルフォン樹脂、及び芳香族ポリエステル
等を挙げることができる。さらに、上記図1の装置にお
いて、冷却水供給口17より冷却水を供給し、冷却水排
出口18より冷却水を排出する。また、7aは基板7の
加熱装置である。
【0022】なお、基板温度を600℃以下とする場合
には、アモルファス膜もしくは透明アモルファス膜が形
成され、700℃以上とする場合には、多結晶膜が形成
される。
【0023】本発明は、上記導入口6を従来と同一とし
た場合であっても、上記メッシュ14を改良して実施す
ることができる。図3は、そのような実施の形態を示
す。この実施の形態のうち、図3の(a)に示したメッ
シュ31は、中心が密であって、外側が疎であるように
構成したメッシュである。また、図3の(b)で示すよ
うな、一方向にのみワイヤーの走るメッシュ32を準備
し、これを二枚準備して図3の(c)に示すように直交
させるようにし、互いに近接して配置するようにしても
良い。メッシュ31もメッシュ32も流れ方向から見た
メッシュサイズが図1の実施の形態と同様25mm2
下になるように設定する。図3の実施の形態では、メッ
シュを中心部において密になるように構成している。こ
れによって、プラズマ密度分布が均質化し、形成した薄
膜の厚さに同心円状のむらができるといったことが生じ
ない。したがって、装置本来の高い品質の薄膜を高速で
得ることができるといった効果を満足することができ
る。
【0024】なお、従来のメッシュ14に対し、小さい
径(直径2〜4cm)のメッシュを重ねて配置するよう
にしても、プラズマ密度分布を均質化するといった目的
を達成することができる。また、図2に示したガス導入
口6と、このようにメッシュを中心部において密になる
ように構成することにより、より効果を高めることがで
きる。
【0025】図4は、メッシュを移動可能に設置した実
施の形態を示す。この形態では、メッシュ41を滑車4
2に掛け渡したワイヤー43に装着し、モータ44の回
転により、ワイヤー43を摺動させるように構成してい
る。ワイヤー43が摺動することによって、メッシュ4
1がガイド45内で摺動する。これによって、プラズマ
の当たる領域Pが変化する。この実施の形態では、メッ
シュ41に膜成分が付着した場合でも、メッシュ41が
移動することによって、新たなメッシュ面が現れ、導電
性が確保される。長時間にわたる連続運転により、メッ
シュに膜成分が付着し、膜形成速度が低下してしまい、
高い品質の薄膜を高速で得るといった本来の特性を発揮
できなくなるといった従来の欠点が解消される。なお、
メッシュ41は、3時間程度の間隔を空けて移動するこ
とが好適である。
【0026】本発明では、さらに、別の実施の形態とし
て、メッシュを常時振動させるようにすることとしても
良い。係る振動は、上記図2から図4について示したい
ずれの実施の形態のメッシュでも付加することができ
る。また、図1の従来の形態のメッシュでも実施するこ
とができる。振動を付与する手段は、当業者にとって公
知の手段、例えば、レシプロ、又はロータリーの機能を
備えた各種振とう機を採用することができる。振動をメ
ッシュに付与することにより、メッシュ跡が基板に転写
されることがなく、メッシュを、基板に近づけることが
でき、成膜速度が上がる。よって、高い品質の薄膜を高
速度で得ることが確実にできる。
【0027】
【発明の効果】上記したところから明かなように、本発
明によれば、高い品質の薄膜を高速度で得ることが確実
にできるようにした薄膜形成装置を提供することができ
る。なお、本発明は、図1〜図4において、SiC薄膜
について説明したが、本発明の目的に沿う限り、他の薄
膜にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜形成装置の一実施の形態を説
明する概念図である。
【図2】本発明に係る薄膜形成装置の一実施の形態のリ
ング状導入口を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る薄膜形成装置に用いるメッシュの
実施の形態を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る薄膜形成装置に用いるメッシュの
他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 プラズマ発生室 2 磁気コイル 3 マイクロ波導入口 4 試料室 5 プラズマ発生ガス導入口 6 原料(供給)ガスの導入口 7 高分子基材 8 恒温室 9 MFC装置 10 MFC装置 11 Heガスタンク 12 HMDS容器 13 供給ライン 14 メッシュ 15 直流電源 16 プラズマストリーム 17 冷却水供給口 18 冷却水排出口 31、32、41 メッシュ 42 滑車 43 ワイヤー 44 モータ 45 ガイド P 領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に配置した磁気コイルによって磁界
    を印加され、マイクロ波が導入されるとともにアップス
    トリームガスが導入されるようにしたECRプラズマを
    発生させるためのプラズマ発生室と、ダウンストリーム
    ガスを供給するための導入口と、該導入口と高分子基材
    との間又は上記プラズマ発生室と上記導入口との間に設
    置したメッシュとを含む基材へのプラズマCVDによる
    薄膜形成装置において、上記ダウンストリームガスを導
    入するための導入口を、供給する該ダウンストリームガ
    スが均一に分散するように構成したことを特徴とする薄
    膜形成装置。
  2. 【請求項2】 周囲に配置した磁気コイルによって磁界
    を印加され、マイクロ波が導入されるとともにアップス
    トリームガスが導入されるようにしたECRプラズマを
    発生させるためのプラズマ発生室と、ダウンストリーム
    ガスを供給するための導入口と、該導入口と高分子基材
    との間又は上記プラズマ発生室と上記導入口との間に設
    置したメッシュとを含む基材へのプラズマCVDによる
    薄膜形成装置において、上記メッシュを中心部において
    密になるように構成したことを特徴とする薄膜形成装
    置。
  3. 【請求項3】 周囲に配置した磁気コイルによって磁界
    を印加され、マイクロ波が導入されるとともにアップス
    トリームガスが導入されるようにしたECRプラズマを
    発生させるためのプラズマ発生室と、ダウンストリーム
    ガスを供給するための導入口と、該導入口と高分子基材
    との間又は上記プラズマ発生室と上記導入口との間に設
    置したメッシュとを含む基材へのプラズマCVDによる
    薄膜形成装置において、上記メッシュを移動可能に設置
    したことを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 周囲に配置した磁気コイルによって磁界
    を印加され、マイクロ波が導入されるとともにアップス
    トリームガスが導入されるようにしたECRプラズマを
    発生させるためのプラズマ発生室と、ダウンストリーム
    ガスを供給するための導入口と、該導入口と高分子基材
    との間又は上記プラズマ発生室と上記導入口との間に設
    置したメッシュとを含む基材へのプラズマCVDによる
    薄膜形成装置において、上記メッシュを振動させるよう
    にしたことを特徴とする薄膜形成装置。
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