JP2001298877A - 複数負荷の電力監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくに電圧取り出し用の接続が簡単な複数負
荷の電力監視装置を提供すること。 【解決手段】 複数の負荷Lを有する電力系統における
各負荷の消費電力を計測し、前記電力系統の電力を監視
する装置において、前記電力系統の何れかの点における
電圧Vを取り出す電圧検出手段と、前記各負荷における
電流Aを取り出す複数のクランプ型電流検出手段CTと、
前記電圧検出手段からの電圧と前記電流検出手段からの
各電流とによって各負荷毎の電力を算出する電力計Wと
をそなえたことを特徴とする複数負荷の電力監視装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、１つの電力系統に
おける複数の負荷の消費電力を監視する装置に係り、と
くに非定常的に設置して電力監視を行う装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、エネルギー消費量の低減を目指し
て法制度を含めた動きがあり、例えば事業所では、いく
つかの電力系統における消費電力を定期的に計測してそ
の変化傾向を把握することが行われている。

【０００３】このために、事業所では、計測時に給電線
に電力計を接続して、計測を行う。このように非定常的
に計測する場合は、計測装置を常設せずに計測を行うと
きだけ装置を設置する方法を採る例が多い。

【０００４】この計測装置では、電力計測を行うための
電圧および電流を得るにつき、電圧は給電線との接続線
により取り出すのに対し、電流は変流器を介して取り出
すのが通例である。そして、計測時には接続線による電
圧検出用接続を行うとともに変流器を設けて電流検出用
接続とする。この変流器は、クランプ型のものを用いれ
ば給電線をくわえ込む操作をするだけであり、簡便に設
置できるから実際的である。

【０００５】そして、従来、この種の監視を行うには、
図３に示すような手法を採っている。すなわち、１つの
電力系統にメインブレーカNFB0を介して分岐系統ブレー
カNFB1ないしNFB10を介して負荷L1ないしN10が接続され
ている場合、各負荷毎に電力計W1ないしW10を設置して
負荷毎の電力計測を行うことにより消費電力を監視して
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この場合、各電力計W1
〜W10を負荷一つ一つにつき接続する必要があり、電圧V
を取り出すための接続と、電流A取り出し用の変流器CT1
ないしCT10の接続とを行う必要がある。

【０００７】ここで、この種の非定常的に設置する電力
計では、変流器はクランプ型のものを用いるのが通例で
あるから、接続作業としてはさほど煩雑ではないが、電
圧取り出し用の接続線を各電力計毎に接続する作業はか
なり煩雑である。

【０００８】本発明は上述の点を考慮してなされたもの
で、とくに電圧取り出し用の接続が簡単な複数負荷の電
力監視装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題解決のための手段】上記目的達成のため、本発明
では、複数の負荷を有する電力系統における各負荷の消
費電力を計測し、前記電力系統の電力を監視する装置に
おいて、前記電力系統の何れかの点における電圧を取り
出す電圧検出手段と、前記各負荷における電流を取り出
す複数のクランプ型電流検出手段と、前記電圧検出手段
からの電圧と前記電流検出手段からの各電流とによって
各負荷毎の電力を算出する電力計とをそなえたことを特
徴とする複数負荷の電力監視装置、を提供するものであ
る。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は、本発明における電力監視
装置の結線の仕方を示したものである。この場合は、図
３に示した従来例と異なり、各負荷に共通に１台の集合
形電力計Wを設置し、この電力計Wに、ある一つの負荷L1
の給電線から取り出した電圧V1と、各負荷の給電線に設
けた変流器CT1ないしCT10で取り出した電流とを与えて
負荷毎の消費電力を計測するように構成されている。

【００１１】いまある事業所において電力計測を行うと
すると、集合形電力計Wを設置し、メインブレーカNFB0
を遮断して全負荷に共通の電圧を与えるための結線と、
各負荷毎の電流を与えるための結線とを行う。電圧用の
結線は、接続線の繋ぎ込みを行うが、電流用の結線は変
流器CT1ないしCT10の極性を確認しつつクランプを行え
ばよい。これにより、集合形電力計Wの電圧および電流
取り出しのための接続が完了する。そこで、メインブレ
ーカNFB0を再投入して電力計測を行う。

【００１２】このように、１つの電力系統の電力監視を
行うには、１台の集合形電力計を設置し、１回の停電作
業、１つの電圧源への接続および負荷数だけの変流器の
クランプ作業を行えば足りる。この結果、負荷毎に電
圧、電流取り出しのための接続を行う場合に比べて作業
能率が大幅に改善される。

【００１３】そして、接続作業が簡単化されることに対
応して、電力監視を終わって接続を取り外す際もその作
業が簡単化される。

【００１４】電圧の取り出しは、破線で描いたように、
予備のブレーカNFB11があるときは、このブレーカNFB11
から取り出した電圧V2を電圧V1の代わりに用いてもよ
い。

【００１５】図２は、図１に示した集合形電力計Wの内
部構成を示したものである。この集合形電力計Wは、上
記下２つの電圧E1,E2の何れかを電圧入力Vとし、各負荷
L1ないしL10の給電線に設けられた変流器CT1ないしCT10
の検出電流を電流入力として電力計測を行う。

【００１６】すなわち、電圧入力Vは、各負荷毎に設け
られた乗算器Q1ないしQ10の各電圧入力端子Vに共通に与
えられる。また変流器CT1ないしCT10からの電流入力
は、電流−電圧変換器A/V1ないしA/V10を介して乗算器Q
1ないしQ10の各電流入力端子Ｉに各別に与えられる。

【００１７】これにより各乗算器Q1ないしQ10は、共通
電圧と各負荷毎の電流とを乗算して消費電力を算出し、
算出結果を各出力端子Pからデータ処理装置CPUに対して
送出する。

【００１８】データ処理装置CPUは、乗算器Q1ないしQ10
から受け取った算出結果を、例えばディスプレーDに与
えて表示したり、メモリーカードMに格納したり、通信
装置Tを介して他の機器に送信したりする。

【００１９】上記実施例では、電圧、電流の検出などに
つき単相電力系統についての説明を行っているが、３相
電力系統についても平衡負荷であることを条件に本発明
を適用することができる。すなわち、平衡負荷であれ
ば、相電圧と相電流とから単相分の電力を算出してその
３倍値を求めれば３相電力が得られる。

【００２０】したがって、単相電力系統についての手法
がそのまま３相電力系統にも適用できる。

【００２１】

【発明の効果】本発明は上述のように、１つの電力系統
における複数の負荷につき共通の電圧と各負荷毎の電流
とを取り出して各負荷毎の電力を検出するようにしたた
め、非定常的に電力計を設置して電力監視を行う場合の
電圧および電流を取り出すための接続作業および取り外
し作業を負荷毎に各別に行う必要がなく、作業能率を大
幅に改善できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における結線を示す図。

【図２】図１に示した集合形電力計Wの内部構成を示す
ブロック線図。

【図３】複数の負荷を有する電力系統における従来の電
力計測のための結線法を示す図。

【符号の説明】

NFB ブレーカ Ｌ 負荷 CT 変流器 W 電力計 A/V 電流−電圧変換器 Q 乗算器 CPU データ処理装置 D 表示装置 M メモリー T 通信装置 V 電圧 A 電流

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の負荷を有する電力系統における各負
   荷の消費電力を計測し、前記電力系統の電力を監視する
   装置において、 前記電力系統の何れかの点における電圧を取り出す電圧
   検出手段と、 前記各負荷における電流を取り出す複数のクランプ型電
   流検出手段と、 前記電圧検出手段からの電圧と前記電流検出手段からの
   各電流とによって各負荷毎の電力を算出する電力計とを
   そなえたことを特徴とする複数負荷の電力監視装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の複数負荷の電力監視装置に
   おいて、 前記電圧検出手段は、前記電力系統における予備電源で
   ある複数負荷の電力監視装置。