JP2001297721A - 展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置 - Google Patents
展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置Info
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- JP2001297721A JP2001297721A JP2001089686A JP2001089686A JP2001297721A JP 2001297721 A JP2001297721 A JP 2001297721A JP 2001089686 A JP2001089686 A JP 2001089686A JP 2001089686 A JP2001089686 A JP 2001089686A JP 2001297721 A JP2001297721 A JP 2001297721A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スクリーンの見かけ上のフラット性を改善し
た展張型のシャドウグリルを有するカラー受像管を得
る。 【解決手段】 パネルスクリーン3の中心を含み、この
スクリーン3の鉛直方向で観視者側をZ軸とするとき、
パネル1外面断面は、スクリーン3の垂直方向及び水平
方向でともにZ軸方向に凸、パネル1内面断面は、垂直
方向でほぼ直線、水平方向でZ軸に対して凸の形状にす
ることにより見かけ上のスクリーン20をフラットにし
た。
た展張型のシャドウグリルを有するカラー受像管を得
る。 【解決手段】 パネルスクリーン3の中心を含み、この
スクリーン3の鉛直方向で観視者側をZ軸とするとき、
パネル1外面断面は、スクリーン3の垂直方向及び水平
方向でともにZ軸方向に凸、パネル1内面断面は、垂直
方向でほぼ直線、水平方向でZ軸に対して凸の形状にす
ることにより見かけ上のスクリーン20をフラットにし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、展張型シャドウ
グリルを具備したカラー受像管装置に関するものであ
る。
グリルを具備したカラー受像管装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図6は、従来の展張型シャドウグリルを
具備したカラー受像管装置を示す一部断面側面図であ
り、図において、1はカラー受像管の外囲器を構成する
パネル、2はパネル1とともにカラー受像管の外囲器を
構成するファンネル、3はパネル内面に赤、青、緑の蛍
光体が順序よく配列され形成された蛍光スクリーン、4
は電子銃、5は電子銃4から出射される電子ビーム、6
は電子ビーム5を電磁的に偏向する偏向ヨーク、7は色
選択電極の働きをする展張型シャドウグリルである。
具備したカラー受像管装置を示す一部断面側面図であ
り、図において、1はカラー受像管の外囲器を構成する
パネル、2はパネル1とともにカラー受像管の外囲器を
構成するファンネル、3はパネル内面に赤、青、緑の蛍
光体が順序よく配列され形成された蛍光スクリーン、4
は電子銃、5は電子銃4から出射される電子ビーム、6
は電子ビーム5を電磁的に偏向する偏向ヨーク、7は色
選択電極の働きをする展張型シャドウグリルである。
【0003】図7は、従来から使用されている展張型シ
ャドウグリル7の構造を示す。図において、8は例えば
SUSのような鋼材で作られたフレーム、10は例えば
0.1mmの板厚のリムド鋼でスリット状の開口11と
テープ状の条片9とを形成したアパーチャーグリル10
で、このアパーチャーグリル10は一方向に展張された
状態でフレーム8に溶接で固着し保持されている。な
お、10aはダンパーワイヤ、10bはダンパースプリ
ングである。
ャドウグリル7の構造を示す。図において、8は例えば
SUSのような鋼材で作られたフレーム、10は例えば
0.1mmの板厚のリムド鋼でスリット状の開口11と
テープ状の条片9とを形成したアパーチャーグリル10
で、このアパーチャーグリル10は一方向に展張された
状態でフレーム8に溶接で固着し保持されている。な
お、10aはダンパーワイヤ、10bはダンパースプリ
ングである。
【0004】次に動作を説明する。カラー受像管は、パ
ネル1とファンネル2により構成される外囲器により内
部が高真空に保たれており、電子銃4から出射された電
子ビーム5を、パネル1の内面に形成され、高電圧が印
加された蛍光スクリーン3に射突させることにより発光
させる。また同時に、電子ビーム5は偏向ヨーク6によ
って作られる偏向磁界によって上下左右に偏向されてお
り、蛍光スクリーン3の上にラスタと呼ばれる画像表示
領域を形成する。この画像表示領域において、電子ビー
ム5の射突量に応じた蛍光スクリーン3の赤、青、緑各
色の発光強度の分布をパネル1の外面から観測すること
により画像が認識される。シャドウグリル7には無数の
スリット状の開口11が順序よく配列されており、この
開口11の孔を電子ビーム5が通過することにより、幾
何学的に蛍光スクリーン3上の赤、青、緑の蛍光体スト
ライプの所定の位置に射突し、正確に色選択を行う。シ
ャドウグリル7はテープ状条片9で構成されているため
にフレーム8によって一方向に展張された状態にある。
ネル1とファンネル2により構成される外囲器により内
部が高真空に保たれており、電子銃4から出射された電
子ビーム5を、パネル1の内面に形成され、高電圧が印
加された蛍光スクリーン3に射突させることにより発光
させる。また同時に、電子ビーム5は偏向ヨーク6によ
って作られる偏向磁界によって上下左右に偏向されてお
り、蛍光スクリーン3の上にラスタと呼ばれる画像表示
領域を形成する。この画像表示領域において、電子ビー
ム5の射突量に応じた蛍光スクリーン3の赤、青、緑各
色の発光強度の分布をパネル1の外面から観測すること
により画像が認識される。シャドウグリル7には無数の
スリット状の開口11が順序よく配列されており、この
開口11の孔を電子ビーム5が通過することにより、幾
何学的に蛍光スクリーン3上の赤、青、緑の蛍光体スト
ライプの所定の位置に射突し、正確に色選択を行う。シ
ャドウグリル7はテープ状条片9で構成されているため
にフレーム8によって一方向に展張された状態にある。
【0005】図8は、蛍光スクリーン3を観視者側から
見た正面図である。図で蛍光スクリーン3の中心はスク
リーンと鉛直方向にZ軸、垂直方向はV、水平方向はH
で示している。中心のZ軸から垂直軸V端及び水平軸H
端までの距離をそれぞれlv、lhとする。上記のシャ
ドウグリル7の構成と蛍光スクリーン3との関係は、V
方向と、長手のテープ状の条片9とが一致しており、長
手のテープ状の条片9は垂直方向Vに展張せしめてあ
る。
見た正面図である。図で蛍光スクリーン3の中心はスク
リーンと鉛直方向にZ軸、垂直方向はV、水平方向はH
で示している。中心のZ軸から垂直軸V端及び水平軸H
端までの距離をそれぞれlv、lhとする。上記のシャ
ドウグリル7の構成と蛍光スクリーン3との関係は、V
方向と、長手のテープ状の条片9とが一致しており、長
手のテープ状の条片9は垂直方向Vに展張せしめてあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような構成の従来
のカラー受像管装置での最近の技術動向は、パネル(蛍
光スクリーン)のフラット化である。従来から使用され
ているカラー受像管はガラス真空容器であるがゆえに、
その軽量化を図るためにパネルはフラットなものは使わ
れずにいた。一方、最近の技術の進歩はシミュレーショ
ン技術等の発展もあり、よりフラットに近いパネルの使
用が可能となってきた。しかし、発明者の実験によれ
ば、図9に示すように、パネル1に完全にフラットな平
行平板のガラスを用いて受像管を作って見ると、例え
ば、人の顔をアップで写した画像の場合に、人の顔が真
ん中がへこんだ画像に見える。
のカラー受像管装置での最近の技術動向は、パネル(蛍
光スクリーン)のフラット化である。従来から使用され
ているカラー受像管はガラス真空容器であるがゆえに、
その軽量化を図るためにパネルはフラットなものは使わ
れずにいた。一方、最近の技術の進歩はシミュレーショ
ン技術等の発展もあり、よりフラットに近いパネルの使
用が可能となってきた。しかし、発明者の実験によれ
ば、図9に示すように、パネル1に完全にフラットな平
行平板のガラスを用いて受像管を作って見ると、例え
ば、人の顔をアップで写した画像の場合に、人の顔が真
ん中がへこんだ画像に見える。
【0007】この理由を、パネルガラスに平行平板のガ
ラスを使用した図9のパネル1について説明する。図9
は、上半分(Z軸より上方)は垂直軸V断面、下半分
(Z軸より下方)は水平軸H断面である。この場合、例
えばパネル1から95mm離れて観視者19がパネル1
の蛍光スクリーン3を見た時の見かけ上のスクリーン2
0は、図10の一点鎖線に示すようになる。すなわち、
スクリーン中心ではパネルガラスの肉厚T0に対して約
T0/3だけ浮き上がった位置に見えるが、スクリーン
周辺に行くに従ってさらにΔTだけ浮き上がる。従っ
て、見かけ上のスクリーン20は一点鎖線に示したよう
に観視者19から見て中央がへこんだスクリーンとなっ
ているわけである。そのため人の顔が真ん中がへこんだ
画像に見えるのである。
ラスを使用した図9のパネル1について説明する。図9
は、上半分(Z軸より上方)は垂直軸V断面、下半分
(Z軸より下方)は水平軸H断面である。この場合、例
えばパネル1から95mm離れて観視者19がパネル1
の蛍光スクリーン3を見た時の見かけ上のスクリーン2
0は、図10の一点鎖線に示すようになる。すなわち、
スクリーン中心ではパネルガラスの肉厚T0に対して約
T0/3だけ浮き上がった位置に見えるが、スクリーン
周辺に行くに従ってさらにΔTだけ浮き上がる。従っ
て、見かけ上のスクリーン20は一点鎖線に示したよう
に観視者19から見て中央がへこんだスクリーンとなっ
ているわけである。そのため人の顔が真ん中がへこんだ
画像に見えるのである。
【0008】図11はこの不都合を改良した従来例で、
図9と同じく、Z軸より上は垂直軸V断面、Z軸より下
は水平軸H断面を示している。このパネル1は、垂直方
向には平板を用い、水平方向にはスクリーン周辺にウェ
ッジΔTHをもたせている場合である。この場合の見か
け上のスクリーン20は、図12の一点鎖線20のよう
になる。すなわち、垂直方向については従来の平板の場
合と同じである。水平方向については見かけ上のスクリ
ーンをフラットに近づけてあるため、従来の平行平板の
パネル1に比べて格段の改善はされている。しかしなが
ら、水平方向でのフラット性の不十分さおよび垂直方向
のフラット性については依然として気になるものであ
る。
図9と同じく、Z軸より上は垂直軸V断面、Z軸より下
は水平軸H断面を示している。このパネル1は、垂直方
向には平板を用い、水平方向にはスクリーン周辺にウェ
ッジΔTHをもたせている場合である。この場合の見か
け上のスクリーン20は、図12の一点鎖線20のよう
になる。すなわち、垂直方向については従来の平板の場
合と同じである。水平方向については見かけ上のスクリ
ーンをフラットに近づけてあるため、従来の平行平板の
パネル1に比べて格段の改善はされている。しかしなが
ら、水平方向でのフラット性の不十分さおよび垂直方向
のフラット性については依然として気になるものであ
る。
【0009】この発明は上記のような見かけ上のスクリ
ーンのフラット性からのずれによる画像の不自然さを除
去するためになされたもので、見かけ上のスクリーンを
よりフラットにした、展張型シャドウグリルを備えたカ
ラー受像管装置を提供するものである。
ーンのフラット性からのずれによる画像の不自然さを除
去するためになされたもので、見かけ上のスクリーンを
よりフラットにした、展張型シャドウグリルを備えたカ
ラー受像管装置を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明に係る展張型シ
ャドウグリルを具備したカラー受像管装置は、外囲器を
構成するパネルと、このパネルの内面に形成されるスク
リーンと、多数のスリット状開口を並設したアパーチャ
グリルをスリットの長手方向に展張してフレームに装着
した展張型シャドウグリルとを有するカラー受像管装置
において、上記パネル外面断面を、上記スクリーンの中
心を含み、その鉛直方向で観視者側をZ軸とするとき、
上記スクリーンの垂直方向及び水平方向でともにZ軸方
向に凸とし、上記パネルの内面断面を、垂直方向でほぼ
直線、水平方向でZ軸に対して凸の形状としたものであ
る。
ャドウグリルを具備したカラー受像管装置は、外囲器を
構成するパネルと、このパネルの内面に形成されるスク
リーンと、多数のスリット状開口を並設したアパーチャ
グリルをスリットの長手方向に展張してフレームに装着
した展張型シャドウグリルとを有するカラー受像管装置
において、上記パネル外面断面を、上記スクリーンの中
心を含み、その鉛直方向で観視者側をZ軸とするとき、
上記スクリーンの垂直方向及び水平方向でともにZ軸方
向に凸とし、上記パネルの内面断面を、垂直方向でほぼ
直線、水平方向でZ軸に対して凸の形状としたものであ
る。
【0011】また、パネル外面は、垂直方向断面概形状
を曲率半径ROV、水平方向断面概形状を曲率半径RO
Hとするとき、ROV<ROHの凸の形状になされてい
るものである。
を曲率半径ROV、水平方向断面概形状を曲率半径RO
Hとするとき、ROV<ROHの凸の形状になされてい
るものである。
【0012】また、パネルの外面に反射防止膜が設けら
れているものである。
れているものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を、対角寸法が51cmの受像管について
説明する。図1に示す実施の形態1の受像管装置は、図
6に示す従来の受像管装置とはパネル1の形状と、偏向
ヨーク6および必要に応じて追加される補助コイル12
を除いて同じである。すなわち、図1において、1はカ
ラー受像管の外囲器を構成するパネル、2はパネル1と
ともにカラー受像管の外囲器を構成するファンネル、3
はパネル内面に赤、青、緑の蛍光体が順序よく配列され
形成された蛍光スクリーン、4は電子銃、5は電子銃4
から出射される電子ビーム、6は電子ビーム5を電磁的
に偏向する偏向ヨーク、7は図7に示されたと同様な構
造で、同様な色選択電極の働きをする展張型シャドウグ
リル、8はそのフレームである。
実施の形態1を、対角寸法が51cmの受像管について
説明する。図1に示す実施の形態1の受像管装置は、図
6に示す従来の受像管装置とはパネル1の形状と、偏向
ヨーク6および必要に応じて追加される補助コイル12
を除いて同じである。すなわち、図1において、1はカ
ラー受像管の外囲器を構成するパネル、2はパネル1と
ともにカラー受像管の外囲器を構成するファンネル、3
はパネル内面に赤、青、緑の蛍光体が順序よく配列され
形成された蛍光スクリーン、4は電子銃、5は電子銃4
から出射される電子ビーム、6は電子ビーム5を電磁的
に偏向する偏向ヨーク、7は図7に示されたと同様な構
造で、同様な色選択電極の働きをする展張型シャドウグ
リル、8はそのフレームである。
【0014】上記パネル1は、外面は垂直方向及び水平
方向ともに凸の形状に、内面は垂直軸方向断面はほぼ直
線、水平側方向断面はZ軸に対して凸な形状になされて
いる。偏向ヨーク6は、外観は従来と同様であるが、偏
向磁界、特に垂直コイルによる磁界が従来と異なってい
る。また、偏向ヨーク6の電子銃側には補助コイル12
が設けられることもある。偏向ヨーク6のほぼ中心に仮
想の偏向中心面13があり、Z軸との交点が偏向中心1
4となる。
方向ともに凸の形状に、内面は垂直軸方向断面はほぼ直
線、水平側方向断面はZ軸に対して凸な形状になされて
いる。偏向ヨーク6は、外観は従来と同様であるが、偏
向磁界、特に垂直コイルによる磁界が従来と異なってい
る。また、偏向ヨーク6の電子銃側には補助コイル12
が設けられることもある。偏向ヨーク6のほぼ中心に仮
想の偏向中心面13があり、Z軸との交点が偏向中心1
4となる。
【0015】図2はこの実施の形態1のパネル1、蛍光
スクリーン3および展張型シャドウグリル7の要部を拡
大して示す断面図である。図の上半分(Z軸より上方)
は垂直軸V断面を、また、下半分(Z軸より下方)は水
平軸H断面をそれぞれ示している。図から明かなよう
に、パネル外面は、垂直軸V断面はZ軸に対して凸で、
その概曲率半径がROV、水平軸H断面はZ軸に対して
凸で、その概曲率半径がROHである。パネル内面は、
垂直軸V断面はほぼ直線で、その概曲率半径がRIV、
水平軸H断面はZ軸に対して凸で、その概曲率半径がR
IHの形状になされている。
スクリーン3および展張型シャドウグリル7の要部を拡
大して示す断面図である。図の上半分(Z軸より上方)
は垂直軸V断面を、また、下半分(Z軸より下方)は水
平軸H断面をそれぞれ示している。図から明かなよう
に、パネル外面は、垂直軸V断面はZ軸に対して凸で、
その概曲率半径がROV、水平軸H断面はZ軸に対して
凸で、その概曲率半径がROHである。パネル内面は、
垂直軸V断面はほぼ直線で、その概曲率半径がRIV、
水平軸H断面はZ軸に対して凸で、その概曲率半径がR
IHの形状になされている。
【0016】ここで、パネル1中心のガラス肉厚をT0
とすると、パネル1の垂直軸V端でのガラス肉厚TV=
T0−ΔTVである。同じように、パネル1の水平軸H
端でのガラス肉厚TH=T0+ΔTHである。ここでΔ
TVおよびΔTHは、図8に示すスクリーン中心Zから
lvおよびlhの距離における肉厚T0との差で、以下
それぞれウェッジと呼称する。
とすると、パネル1の垂直軸V端でのガラス肉厚TV=
T0−ΔTVである。同じように、パネル1の水平軸H
端でのガラス肉厚TH=T0+ΔTHである。ここでΔ
TVおよびΔTHは、図8に示すスクリーン中心Zから
lvおよびlhの距離における肉厚T0との差で、以下
それぞれウェッジと呼称する。
【0017】シャドウグリル7の形状は垂直軸V方向に
展張されているから、垂直方向の断面はほぼ直線となっ
ている。水平方向についてのシャドウグリル7の形状
は、スリット状の開口11のピッチaとパネル1の内面
形状および電子ビームの偏向中心面13での両サイド電
子ビームのZ軸からの離軸寸法SBとで決まる曲面とな
っている。
展張されているから、垂直方向の断面はほぼ直線となっ
ている。水平方向についてのシャドウグリル7の形状
は、スリット状の開口11のピッチaとパネル1の内面
形状および電子ビームの偏向中心面13での両サイド電
子ビームのZ軸からの離軸寸法SBとで決まる曲面とな
っている。
【0018】以下、この発明の作用を説明するために、
従来の平行平板のガラスパネルを使用した場合において
は、見かけ上のスクリーンに不都合が発生する理由を図
4、図5により詳述する。図4は、観視者19がパネル
100の外面から95mm離れた位置からフラットなパ
ネル内面に塗布された蛍光スクリーン300を見たとき
に、蛍光スクリーン300がどのように浮き上がって見
えるかを計算するためのパネルのモデルユニットの配置
図である。ここで、観視者19とパネル100外面との
距離を95mmとした理由は、技術的評価の最悪時を想
定して決めた距離である。この場合のパネル100外面
は、この試算ではフラットだけでなく、曲率半径が変え
られる、Z軸に凹の形状のR球としている。
従来の平行平板のガラスパネルを使用した場合において
は、見かけ上のスクリーンに不都合が発生する理由を図
4、図5により詳述する。図4は、観視者19がパネル
100の外面から95mm離れた位置からフラットなパ
ネル内面に塗布された蛍光スクリーン300を見たとき
に、蛍光スクリーン300がどのように浮き上がって見
えるかを計算するためのパネルのモデルユニットの配置
図である。ここで、観視者19とパネル100外面との
距離を95mmとした理由は、技術的評価の最悪時を想
定して決めた距離である。この場合のパネル100外面
は、この試算ではフラットだけでなく、曲率半径が変え
られる、Z軸に凹の形状のR球としている。
【0019】このモデルによる計算結果を図5に示す。
図5は縦軸が見かけ上の浮き上がり量(mm)、横軸が
蛍光スクリーン300の周辺を見る角度αである。図で
は、曲率半径RP(mm)をパラメータにし、周辺の浮
き上がり量をスクリーン中心での浮き上がり量でそれぞ
れノーマライズしてある。図5において、RP=900
00が平行平板に相当する場合と考えてよい。この計算
結果から次のことがいえる。 平行平板のパネルでも、周辺でより浮き上がる。 曲率半径が小さくなるほど周辺での浮き上がりが大き
くなる。 この図5の特性は観視者19とパネルとの距離の関数
である。 負のR球にすると浮き上がりを減らすことができる。 また、この計算では内面をフラットとし、外面をZ軸に
対して凹の形状としたが、ガラスパネル100をひっく
り返しても光学的にはほとんど変わらない。
図5は縦軸が見かけ上の浮き上がり量(mm)、横軸が
蛍光スクリーン300の周辺を見る角度αである。図で
は、曲率半径RP(mm)をパラメータにし、周辺の浮
き上がり量をスクリーン中心での浮き上がり量でそれぞ
れノーマライズしてある。図5において、RP=900
00が平行平板に相当する場合と考えてよい。この計算
結果から次のことがいえる。 平行平板のパネルでも、周辺でより浮き上がる。 曲率半径が小さくなるほど周辺での浮き上がりが大き
くなる。 この図5の特性は観視者19とパネルとの距離の関数
である。 負のR球にすると浮き上がりを減らすことができる。 また、この計算では内面をフラットとし、外面をZ軸に
対して凹の形状としたが、ガラスパネル100をひっく
り返しても光学的にはほとんど変わらない。
【0020】従って、実施の形態1では、図2に示すよ
うに、パネル1外面をZ軸に対して凸の形状とし、パネ
ル内面をZ軸に対して、垂直方向断面は直線形状、水平
方向断面は凸の形状としたものであり、これによりスク
リーン3周辺での浮き上がりの量を減らし、見かけ上の
スクリーン20をよりフラットに近づけるようにしてい
る。すなわち、図5で負のR球にして改良する要素を利
用している。実施の形態1では、パネル1外面をまず凸
の形状にすることにより、この発明の課題である見かけ
上のスクリーン20の周辺の浮き上がりを減らす手段と
し、パネル1内面の垂直方向断面を直線とすることで展
張型のシャドウグリル7が採用し易くしている。水平方
向断面については、シャドウグリル7のピッチ、電子ビ
ームの偏向中心面13での離軸量SBおよび浮き上がり
量を考慮して、Z軸に対し凸とする。
うに、パネル1外面をZ軸に対して凸の形状とし、パネ
ル内面をZ軸に対して、垂直方向断面は直線形状、水平
方向断面は凸の形状としたものであり、これによりスク
リーン3周辺での浮き上がりの量を減らし、見かけ上の
スクリーン20をよりフラットに近づけるようにしてい
る。すなわち、図5で負のR球にして改良する要素を利
用している。実施の形態1では、パネル1外面をまず凸
の形状にすることにより、この発明の課題である見かけ
上のスクリーン20の周辺の浮き上がりを減らす手段と
し、パネル1内面の垂直方向断面を直線とすることで展
張型のシャドウグリル7が採用し易くしている。水平方
向断面については、シャドウグリル7のピッチ、電子ビ
ームの偏向中心面13での離軸量SBおよび浮き上がり
量を考慮して、Z軸に対し凸とする。
【0021】本実施の形態1では、以上述べてきたよう
に、外面形状をZ軸に対して凸としてあるために、見か
け上のスクリーン20をよりフラットにすることができ
る。例えば、図11の従来例に比べて、垂直方向につい
て明らかに改善されている。しかも、パネル内面の垂直
軸V方向は断面が直線であるため、展張型のシャドウグ
リルを従来の考え方の延長で使用できる。
に、外面形状をZ軸に対して凸としてあるために、見か
け上のスクリーン20をよりフラットにすることができ
る。例えば、図11の従来例に比べて、垂直方向につい
て明らかに改善されている。しかも、パネル内面の垂直
軸V方向は断面が直線であるため、展張型のシャドウグ
リルを従来の考え方の延長で使用できる。
【0022】なお、図2に示したように外面が非球面の
形状は、反射光があったときに違和感をもって見えてし
まう。そのためパネル外面に反射防止膜15を設けて余
分な反射光はなくした方が好ましい。
形状は、反射光があったときに違和感をもって見えてし
まう。そのためパネル外面に反射防止膜15を設けて余
分な反射光はなくした方が好ましい。
【0023】以上の説明では、垂直軸V断面および水平
軸H断面の形状でその特徴を説明してきたが、両軸以外
の部分のパネル形状については、例えば連続で滑らかで
あれば、特に制限されるところのものはない。例えば、
図3で、垂直軸V断面の曲率半径をRV、水平軸H断面
の曲率半径をRHとしたときに、垂直軸VからΘ度離れ
た、中心を含む断面形状を概曲率半径Rとすれば、次の
式で表されるように中間部の形状を決めてもよい。 1/R2 =cos2 Θ/RV2 +sin2 Θ/RH2 この式は外面、内面いずれの非球面にも適用可能であ
る。
軸H断面の形状でその特徴を説明してきたが、両軸以外
の部分のパネル形状については、例えば連続で滑らかで
あれば、特に制限されるところのものはない。例えば、
図3で、垂直軸V断面の曲率半径をRV、水平軸H断面
の曲率半径をRHとしたときに、垂直軸VからΘ度離れ
た、中心を含む断面形状を概曲率半径Rとすれば、次の
式で表されるように中間部の形状を決めてもよい。 1/R2 =cos2 Θ/RV2 +sin2 Θ/RH2 この式は外面、内面いずれの非球面にも適用可能であ
る。
【0024】
【発明の効果】以上のように、この発明による展張タイ
プのシャドウグリルを採用したカラー受像管装置では、
従来垂直方向についての見かけ上の浮き上がりの調整が
できなかったために、見かけ上のスクリーンに異方性が
残り、見かけ上のスクリーンのフラット性が良くなかっ
たが、これを改善できる。
プのシャドウグリルを採用したカラー受像管装置では、
従来垂直方向についての見かけ上の浮き上がりの調整が
できなかったために、見かけ上のスクリーンに異方性が
残り、見かけ上のスクリーンのフラット性が良くなかっ
たが、これを改善できる。
【0025】また、従来のカラー受像管パネルはウェッ
ジがついていなかったために静的な受像管としての強度
も若干問題があったが、この発明ではこれらの問題を解
決乃至改善でき、より好ましいフラットなスクリーンの
構成とすることができる。
ジがついていなかったために静的な受像管としての強度
も若干問題があったが、この発明ではこれらの問題を解
決乃至改善でき、より好ましいフラットなスクリーンの
構成とすることができる。
【0026】また、垂直方向に展張されている従来の形
のシャドウグリルをそのまま使用できるため、新たな部
品の開発を必要としない。
のシャドウグリルをそのまま使用できるため、新たな部
品の開発を必要としない。
【図1】 この発明の実施の形態1に係る展張型シャド
ウグリルを具備したカラー受像管を示す一部断面側面図
である。
ウグリルを具備したカラー受像管を示す一部断面側面図
である。
【図2】 実施の形態1の動作を説明するパネル部の断
面図である。
面図である。
【図3】 実施の形態1の原理を説明するためのスクリ
ーンを示す正面図である。
ーンを示す正面図である。
【図4】 この発明の原理を説明するためのパネル部を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図5】 この発明の計算例を説明するためのグラフで
ある。
ある。
【図6】 従来のカラー受像管装置を示す一部断面側面
図である。
図である。
【図7】 従来のカラー受像管装置で使用される展張型
シャドウグリルを示す斜視図である。
シャドウグリルを示す斜視図である。
【図8】 スクリーンの座標系を説明する図である。
【図9】 従来の平行平板のパネルを示す断面図であ
る。
る。
【図10】 図9のパネルの特性を説明する図である。
【図11】 従来の改良型パネルを示す断面図である。
【図12】 図11のパネルの特性を説明する図であ
る。
る。
1 カラー受像管のパネル、2 カラー受像管のファン
ネル、3 蛍光面スクリーン、4 電子銃、5 電子ビ
ーム、6 偏向ヨーク、7 展張型のシヤドウグリル、
8 フレーム、9 テープ状の条片、10 アパーチヤ
ーグリル、11 スリット状の開口、12 補助コイ
ル、13 偏向中心面、14 偏向中心、15 反射防
止膜、19 観視者、20 見かけ上のスクリーン、Z
スクリーン中心軸、V スクリーン垂直軸、H スク
リーン水平軸。
ネル、3 蛍光面スクリーン、4 電子銃、5 電子ビ
ーム、6 偏向ヨーク、7 展張型のシヤドウグリル、
8 フレーム、9 テープ状の条片、10 アパーチヤ
ーグリル、11 スリット状の開口、12 補助コイ
ル、13 偏向中心面、14 偏向中心、15 反射防
止膜、19 観視者、20 見かけ上のスクリーン、Z
スクリーン中心軸、V スクリーン垂直軸、H スク
リーン水平軸。
Claims (3)
- 【請求項1】 外囲器を構成するパネルと、このパネル
の内面に形成されるスクリーンと、多数のスリット状開
口を並設したアパーチャグリルをスリットの長手方向に
展張してフレームに装着した展張型シャドウグリルとを
有するカラー受像管装置において、上記パネル外面断面
を、上記スクリーンの中心を含み、その鉛直方向で観視
者側をZ軸とするとき、上記スクリーンの垂直方向及び
水平方向でともにZ軸方向に凸とし、上記パネルの内面
断面を、垂直方向でほぼ直線、水平方向でZ軸に対して
凸の形状としたことを特徴とする展張型シャドウグリル
を具備したカラー受像管装置。 - 【請求項2】 パネル外面は、垂直方向断面概形状を曲
率半径ROV、水平方向断面概形状を曲率半径ROHと
するとき、ROV<ROHの凸の形状になされているこ
とを特徴とする請求項1記載の展張型シャドウグリルを
具備したカラー受像管装置。 - 【請求項3】 パネルの外面に反射防止膜が設けられて
いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の展
張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001089686A JP2001297721A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001089686A JP2001297721A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23686697A Division JP3282553B2 (ja) | 1997-09-02 | 1997-09-02 | 展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001297721A true JP2001297721A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18944582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001089686A Pending JP2001297721A (ja) | 2001-03-27 | 2001-03-27 | 展張型シャドウグリルを具備したカラー受像管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001297721A (ja) |
-
2001
- 2001-03-27 JP JP2001089686A patent/JP2001297721A/ja active Pending
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