JP2001281668A - 液晶素子 - Google Patents
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- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/01—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour
- G02F1/13—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
- G02F1/133—Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
- G02F1/1333—Constructional arrangements; Manufacturing methods
- G02F1/1337—Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K19/00—Liquid crystal materials
- C09K19/04—Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
- C09K19/06—Non-steroidal liquid crystal compounds
- C09K19/34—Non-steroidal liquid crystal compounds containing at least one heterocyclic ring
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- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K19/00—Liquid crystal materials
- C09K19/02—Liquid crystal materials characterised by optical, electrical or physical properties of the components, in general
- C09K19/0225—Ferroelectric
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S3/00—Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カイラルスメクチック相を示す液晶の高速応
答性を利用し、配線の段差に起因する配向欠陥を抑制し
てコントラストを向上し、階調表示が可能なアクティブ
マトリクス駆動型の液晶素子を構成する。 【解決手段】 一対の基板の少なくとも一方に、スイッ
チング素子を駆動するための走査信号線及び情報信号線
に対して10°以上の角度を有する方向に一軸配向処理
を施し、スメクチック層形成方向が走査信号線或いは情
報信号線のいずれかに対して10°以内となるようにス
メクチック層を形成する。
答性を利用し、配線の段差に起因する配向欠陥を抑制し
てコントラストを向上し、階調表示が可能なアクティブ
マトリクス駆動型の液晶素子を構成する。 【解決手段】 一対の基板の少なくとも一方に、スイッ
チング素子を駆動するための走査信号線及び情報信号線
に対して10°以上の角度を有する方向に一軸配向処理
を施し、スメクチック層形成方向が走査信号線或いは情
報信号線のいずれかに対して10°以内となるようにス
メクチック層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子に関
する。
ィスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プリンタ
等に用いられるライトバルブに使用される液晶素子に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜トランジスタ(TFT;Th
in Film Transistor)等の能動素子
を用いた表示素子(いわゆるTFT型液晶素子)として
広範に用いられているネマチック液晶素子の代表的な液
晶モードとして、例えば、M.シャット(M.Scha
dt)とW.ヘルフリッヒ(W.Helfrich)
著、Applied Physics Letter
s,18〔4〕(1971年2月15日)P127−1
28において示された、ツイステッドネマチック(Tw
isted Nematic)モードが広く用いられて
いる。
in Film Transistor)等の能動素子
を用いた表示素子(いわゆるTFT型液晶素子)として
広範に用いられているネマチック液晶素子の代表的な液
晶モードとして、例えば、M.シャット(M.Scha
dt)とW.ヘルフリッヒ(W.Helfrich)
著、Applied Physics Letter
s,18〔4〕(1971年2月15日)P127−1
28において示された、ツイステッドネマチック(Tw
isted Nematic)モードが広く用いられて
いる。
【0003】一方、最近では、横方向電界を利用したイ
ンプレインスイッチング(In−Plain Swit
ching)モードや垂直配向(Vertical A
lignment)モードを用いた液晶素子が発表され
ており、従来型の液晶素子の欠点であった視野角特性の
改善がなされている。このように、ネマチック液晶を用
いたTFT型液晶素子に用いるための液晶モードとして
いくつかのモードが存在するが、そのいずれのモードに
おいても、液晶の応答速度が数十ミリ秒以上と遅く、さ
らなる応答速度の改善が要求されている。
ンプレインスイッチング(In−Plain Swit
ching)モードや垂直配向(Vertical A
lignment)モードを用いた液晶素子が発表され
ており、従来型の液晶素子の欠点であった視野角特性の
改善がなされている。このように、ネマチック液晶を用
いたTFT型液晶素子に用いるための液晶モードとして
いくつかのモードが存在するが、そのいずれのモードに
おいても、液晶の応答速度が数十ミリ秒以上と遅く、さ
らなる応答速度の改善が要求されている。
【0004】このような従来型のネマチック液晶素子の
応答速度を改善するものとして、近年、カイラルスメク
チック相を示すスメクチック液晶を用いた液晶モードが
いくつか提案されている。例えば、「ショートピッチタ
イプの強誘電性液晶」、「高分子安定型強誘電性液
晶」、「無しきい値反強誘電性液晶」などが提案されて
おり、未だ実用化には至っていないものの、いずれもサ
ブミリ秒以下の高速応答性が実現できると報告されてい
る。
応答速度を改善するものとして、近年、カイラルスメク
チック相を示すスメクチック液晶を用いた液晶モードが
いくつか提案されている。例えば、「ショートピッチタ
イプの強誘電性液晶」、「高分子安定型強誘電性液
晶」、「無しきい値反強誘電性液晶」などが提案されて
おり、未だ実用化には至っていないものの、いずれもサ
ブミリ秒以下の高速応答性が実現できると報告されてい
る。
【0005】一方、本出願人は、先に、高温側より等方
性液体相(Iso.)−コレステリック相(Ch)−カ
イラルスメクチックC相(SmC*)、または、Is
o.−SmC*を示す相転移系列の液晶材料に着目し、
仮想コーンのエッジより内側の位置にて単安定化させる
ようにした液晶素子を提案している。当該素子では、例
えば、Ch−SmC*相転移の際、或いは、Iso.−
SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのD
C電圧を印加する等の方法により、スメクチック層方向
を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制
御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子を高
い量産性とともに実現しうる。また、当該素子は前記各
種スメクチック液晶素子と比較して、自発分極値を小さ
くすることができることから、TFT等のスイッチング
素子とのマッチングがよい素子となっている。
性液体相(Iso.)−コレステリック相(Ch)−カ
イラルスメクチックC相(SmC*)、または、Is
o.−SmC*を示す相転移系列の液晶材料に着目し、
仮想コーンのエッジより内側の位置にて単安定化させる
ようにした液晶素子を提案している。当該素子では、例
えば、Ch−SmC*相転移の際、或いは、Iso.−
SmC*相転移の際に一対の基板間に正負いずれかのD
C電圧を印加する等の方法により、スメクチック層方向
を一方向に均一化させ、これにより高速応答且つ階調制
御が可能であり、動画質に優れた高輝度の液晶素子を高
い量産性とともに実現しうる。また、当該素子は前記各
種スメクチック液晶素子と比較して、自発分極値を小さ
くすることができることから、TFT等のスイッチング
素子とのマッチングがよい素子となっている。
【0006】上記のように、従来ネマチック液晶を用い
ていたTFT型の液晶素子が抱えていた応答速度に関す
る問題点を解決できるという点から、カイラルスメクチ
ック液晶素子、特に、上記本出願人が提案した液晶素子
の製品化が期待されている。
ていたTFT型の液晶素子が抱えていた応答速度に関す
る問題点を解決できるという点から、カイラルスメクチ
ック液晶素子、特に、上記本出願人が提案した液晶素子
の製品化が期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、高速
応答や階調表示能から、本出願人が提案したスメクチッ
ク液晶素子が次世代のディスプレイとして期待されてい
る。しかしながら、このような液晶素子においては、T
FTの形成されたアクティブマトリクス基板上に液晶を
配向させる必要があり、TFT自身の持つ段差、或い
は、TFTを駆動するために該TFTのゲート及びソー
スにそれぞれ接続されたゲート線及びソース線が作り出
す段差によって、画素内に配向欠陥線が発生するなど均
一配向性が損なわれる現象が観測されている。こうした
現象が発生した場合、コントラスト比が著しく減少し、
表示素子としての性能の劣化につながることから、こう
した段差が作り出す液晶の配向欠陥の抑制が必須となっ
ていた。
応答や階調表示能から、本出願人が提案したスメクチッ
ク液晶素子が次世代のディスプレイとして期待されてい
る。しかしながら、このような液晶素子においては、T
FTの形成されたアクティブマトリクス基板上に液晶を
配向させる必要があり、TFT自身の持つ段差、或い
は、TFTを駆動するために該TFTのゲート及びソー
スにそれぞれ接続されたゲート線及びソース線が作り出
す段差によって、画素内に配向欠陥線が発生するなど均
一配向性が損なわれる現象が観測されている。こうした
現象が発生した場合、コントラスト比が著しく減少し、
表示素子としての性能の劣化につながることから、こう
した段差が作り出す液晶の配向欠陥の抑制が必須となっ
ていた。
【0008】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題とするところは、カイラルスメクチック
液晶を用いたアクティブマトリクス駆動型の液晶素子に
おいて、TFTのゲート線やソース線による段差に起因
する液晶の配向欠陥の発生を抑制することにある。
ので、その課題とするところは、カイラルスメクチック
液晶を用いたアクティブマトリクス駆動型の液晶素子に
おいて、TFTのゲート線やソース線による段差に起因
する液晶の配向欠陥の発生を抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対の基板
と、該基板間に狭持されたカイラルスメクチック液晶
と、複数の行及び列に沿って配置された画素毎に配置さ
れたスイッチング素子と、該スイッチング素子を介して
画素毎に上記液晶を駆動する電極と、を備え、上記液晶
を配向させるための一軸配向処理が少なくとも一方の基
板の液晶との界面に施された液晶素子であって、上記カ
イラルスメクチック液晶の相転移系列が、高温側より、
等方性液体相−コレステリック相−カイラルスメクチッ
クC相、または、等方性液体相−カイラルスメクチック
C相であり、上記スイッチング素子を行毎に接続する走
査信号線、及び、列毎に接続する情報信号線に対して、
上記配向処理軸が10°以上の角度を有し、且つ、上記
液晶のスメクチック層形成方向が上記走査信号線或いは
情報信号線のいずれかに対して10°以内の角度となる
層構造を有することを特徴とする液晶素子を提供するも
のである。
と、該基板間に狭持されたカイラルスメクチック液晶
と、複数の行及び列に沿って配置された画素毎に配置さ
れたスイッチング素子と、該スイッチング素子を介して
画素毎に上記液晶を駆動する電極と、を備え、上記液晶
を配向させるための一軸配向処理が少なくとも一方の基
板の液晶との界面に施された液晶素子であって、上記カ
イラルスメクチック液晶の相転移系列が、高温側より、
等方性液体相−コレステリック相−カイラルスメクチッ
クC相、または、等方性液体相−カイラルスメクチック
C相であり、上記スイッチング素子を行毎に接続する走
査信号線、及び、列毎に接続する情報信号線に対して、
上記配向処理軸が10°以上の角度を有し、且つ、上記
液晶のスメクチック層形成方向が上記走査信号線或いは
情報信号線のいずれかに対して10°以内の角度となる
層構造を有することを特徴とする液晶素子を提供するも
のである。
【0010】上記本発明は、電圧無印加時には、液晶の
平均分子軸が単安定化された第一の状態を示し、第一の
極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸が印加電圧
の大きさに応じた角度で上記第一の状態の位置から一方
の側にチルトし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性
の電圧印加時には、液晶の平均分子軸が印加電圧の大き
さに応じた角度で上記第一の状態の位置から第一の極性
の電圧印加時とは逆側にチルトし、上記第一の極性の電
圧印加時と第二の極性の電圧印加時の液晶の平均分子軸
の第一の状態の位置を基準とした最大チルト状態のチル
ト角をそれぞれβ1、β2とすると、β1>β2となるこ
と、特に、上記β1とβ2との関係が、β1≧5×β2とな
ること、或いは、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸
が単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧
印加時には、該液晶の平均分子軸は印加電圧の大きさに
応じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチル
トし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加
時には、液晶の平均分子軸が上記第一の状態から実質的
に変化しないこと、及び、上記カイラルスメクチック液
晶のバルク状態でのらせんピッチが液晶素子のセル厚の
2倍より長いこと、上記スイッチング素子が薄膜トラン
ジスタであること、を好ましい態様として含むものであ
る。
平均分子軸が単安定化された第一の状態を示し、第一の
極性の電圧印加時には、該液晶の平均分子軸が印加電圧
の大きさに応じた角度で上記第一の状態の位置から一方
の側にチルトし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性
の電圧印加時には、液晶の平均分子軸が印加電圧の大き
さに応じた角度で上記第一の状態の位置から第一の極性
の電圧印加時とは逆側にチルトし、上記第一の極性の電
圧印加時と第二の極性の電圧印加時の液晶の平均分子軸
の第一の状態の位置を基準とした最大チルト状態のチル
ト角をそれぞれβ1、β2とすると、β1>β2となるこ
と、特に、上記β1とβ2との関係が、β1≧5×β2とな
ること、或いは、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸
が単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧
印加時には、該液晶の平均分子軸は印加電圧の大きさに
応じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチル
トし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加
時には、液晶の平均分子軸が上記第一の状態から実質的
に変化しないこと、及び、上記カイラルスメクチック液
晶のバルク状態でのらせんピッチが液晶素子のセル厚の
2倍より長いこと、上記スイッチング素子が薄膜トラン
ジスタであること、を好ましい態様として含むものであ
る。
【0011】上記したように、本出願人が提案した、特
定の相転移系列を有するカイラルスメクチック液晶を用
いてTFT型の液晶素子を構成する場合、しばしばTF
Tの配線の段差に起因する配向欠陥が発生し、コントラ
スト劣化を生じていたが、このような配向欠陥は基板に
段差が存在するため、均一なスメクチック層形成が妨げ
られる結果発生するものであり、アクティブマトリクス
基板に配線などの段差が存在する以上、その発生は本質
的には避けられないものと考えられる。また、当該配向
欠陥はスメクチック層構造の乱れに起因するものである
から、例えば段差の存在しない対向基板側のみにラビン
グ処理を施したような片側ラビング構成の素子とした場
合にも、本発明者らの検討によれば、アクティブマトリ
クス基板側に段差が存在すれば、スメクチック層構造が
乱れ、配向欠陥が発生していた。即ち、当該配向欠陥を
抑制するには、例えばラビングの面内均一性を高めるな
どの方法は本質的な解決策にはならないことを示唆して
いる。
定の相転移系列を有するカイラルスメクチック液晶を用
いてTFT型の液晶素子を構成する場合、しばしばTF
Tの配線の段差に起因する配向欠陥が発生し、コントラ
スト劣化を生じていたが、このような配向欠陥は基板に
段差が存在するため、均一なスメクチック層形成が妨げ
られる結果発生するものであり、アクティブマトリクス
基板に配線などの段差が存在する以上、その発生は本質
的には避けられないものと考えられる。また、当該配向
欠陥はスメクチック層構造の乱れに起因するものである
から、例えば段差の存在しない対向基板側のみにラビン
グ処理を施したような片側ラビング構成の素子とした場
合にも、本発明者らの検討によれば、アクティブマトリ
クス基板側に段差が存在すれば、スメクチック層構造が
乱れ、配向欠陥が発生していた。即ち、当該配向欠陥を
抑制するには、例えばラビングの面内均一性を高めるな
どの方法は本質的な解決策にはならないことを示唆して
いる。
【0012】本発明においては、基板上に段差を形成す
る走査信号線、情報信号線に対して、10°以上の角度
を有する方向に一軸配向処理を施し、カイラルスメクチ
ック相のスメクチック層形成方向が上記走査信号線或い
は情報信号線のいずれかに対して10°以内となるよう
にスメクチック層構造を形成する。その結果、走査信号
線或いは情報信号線の配線方向とスメクチック層方向と
が極めて近い角度で存在することから、当該配線の段差
から発生する配向欠陥が画素を斜めに横断しないため、
素子としてのコントラストが向上し、また、上記の角度
設定により、配向欠陥の発生量自体が抑制される。
る走査信号線、情報信号線に対して、10°以上の角度
を有する方向に一軸配向処理を施し、カイラルスメクチ
ック相のスメクチック層形成方向が上記走査信号線或い
は情報信号線のいずれかに対して10°以内となるよう
にスメクチック層構造を形成する。その結果、走査信号
線或いは情報信号線の配線方向とスメクチック層方向と
が極めて近い角度で存在することから、当該配線の段差
から発生する配向欠陥が画素を斜めに横断しないため、
素子としてのコントラストが向上し、また、上記の角度
設定により、配向欠陥の発生量自体が抑制される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態にかか
る液晶相を説明する図である。
る液晶相を説明する図である。
【0014】図1(a)は、Ch相と情報信号線と走査
信号線とラビング方向を表す図である。
信号線とラビング方向を表す図である。
【0015】図1(b)は、図1(a)におけるCh相
とSmC*相との相転移温度の近傍にて正のDC電圧を
印加しながらSmC*相へ相転移させることによって、
SmC*相において一方向にそろった層が得られた状態
を示す図である。
とSmC*相との相転移温度の近傍にて正のDC電圧を
印加しながらSmC*相へ相転移させることによって、
SmC*相において一方向にそろった層が得られた状態
を示す図である。
【0016】図1(c)は、図1(a)におけるCh相
とSmC*相との相転移温度の近傍にて負のDC電圧を
印加しながらSmC*相へ相転移させることによって、
SmC*相において一方向にそろった層が得られた状態
を示す図である。
とSmC*相との相転移温度の近傍にて負のDC電圧を
印加しながらSmC*相へ相転移させることによって、
SmC*相において一方向にそろった層が得られた状態
を示す図である。
【0017】以下に図1(a)〜(c)を用いて本発明
の液晶素子の液晶相について説明する。
の液晶素子の液晶相について説明する。
【0018】図1(a)に示すように、走査信号線と情
報信号線とが交点にて直交している。これら信号線は一
つの基板上に設けられているものであり、それぞれ基板
面から若干凸である。
報信号線とが交点にて直交している。これら信号線は一
つの基板上に設けられているものであり、それぞれ基板
面から若干凸である。
【0019】ラビング方向は、交点から情報信号線に対
して若干の角度をもってずれている。このラビング方向
とは、配向制御膜(配向膜)が一軸配向処理された方向
のことである。このラビング処理された配向制御膜は液
晶を挟持するための一対の対向基板のうち、いずれの基
板に設けられていても良い。
して若干の角度をもってずれている。このラビング方向
とは、配向制御膜(配向膜)が一軸配向処理された方向
のことである。このラビング処理された配向制御膜は液
晶を挟持するための一対の対向基板のうち、いずれの基
板に設けられていても良い。
【0020】一対の基板に挟持された液晶がCh相を発
現している場合の様子を同図の紙面左側に模式的に示し
た。図中、楕円は液晶分子の存在を模式的に表したもの
である。このCh相の模式図をそのまま紙面右側にずら
し、情報電極と走査電極とラビング方向を示す模式図に
重ねると、上記楕円とラビング方向との関係がおおよそ
理解できる。つまり、当該楕円の長軸はラビング方向に
ほぼ沿っている。
現している場合の様子を同図の紙面左側に模式的に示し
た。図中、楕円は液晶分子の存在を模式的に表したもの
である。このCh相の模式図をそのまま紙面右側にずら
し、情報電極と走査電極とラビング方向を示す模式図に
重ねると、上記楕円とラビング方向との関係がおおよそ
理解できる。つまり、当該楕円の長軸はラビング方向に
ほぼ沿っている。
【0021】このような基板を少なくとも一方の基板と
して有する本発明の液晶素子は、一対の基板の間に液晶
を設けている。
して有する本発明の液晶素子は、一対の基板の間に液晶
を設けている。
【0022】本発明では、このラビング方向と情報信号
線とのなす角度(交点基準)θ1が一定角度以上である
必要があり、具体的には10°以上である。
線とのなす角度(交点基準)θ1が一定角度以上である
必要があり、具体的には10°以上である。
【0023】尚、本実施形態では、この交点から情報信
号線の方向を角度が0°とし、θ1がなす角度を正の値
として説明する。つまり、正の角度は情報信号線から紙
面時計回りの方向とする。
号線の方向を角度が0°とし、θ1がなす角度を正の値
として説明する。つまり、正の角度は情報信号線から紙
面時計回りの方向とする。
【0024】また、本実施形態ではθ1をラビング方向
と情報信号線とがなす角度として説明するが、直交する
2つの信号線の両方に対してラビング方向のなす角度が
θ1以上であるならば、ラビング方向とθ1をなす信号線
が情報信号線のかわりに走査信号線であっても良い。
と情報信号線とがなす角度として説明するが、直交する
2つの信号線の両方に対してラビング方向のなす角度が
θ1以上であるならば、ラビング方向とθ1をなす信号線
が情報信号線のかわりに走査信号線であっても良い。
【0025】このような図1(a)の紙面左側に示すC
h相を有する液晶素子を、SmC*相を有する液晶素子
とした場合の様子を示すのが図1(b)、(c)であ
る。図1(b)は図1(a)の液晶素子の液晶をSmC
*相に相転移させる工程において、両基板間に、即ち液
晶に正の極性のDC電圧を印加した場合を表す。図1
(b)において、紙面左側にSmC*相における液晶の
各分子の様子を模式的に示した。図中の太線が液晶分子
を表す。それぞれの液晶分子の安定状態は共に同じ方向
である。また、各液晶分子が動きうる範囲をコーンとし
て模式的に示した。
h相を有する液晶素子を、SmC*相を有する液晶素子
とした場合の様子を示すのが図1(b)、(c)であ
る。図1(b)は図1(a)の液晶素子の液晶をSmC
*相に相転移させる工程において、両基板間に、即ち液
晶に正の極性のDC電圧を印加した場合を表す。図1
(b)において、紙面左側にSmC*相における液晶の
各分子の様子を模式的に示した。図中の太線が液晶分子
を表す。それぞれの液晶分子の安定状態は共に同じ方向
である。また、各液晶分子が動きうる範囲をコーンとし
て模式的に示した。
【0026】同図において、液晶分子は縦に2列のグル
ープに分かれているといえる。これら2つのグループが
それぞれスメクチック層を模式的に表す。スメクチック
層は互いに平行であり、この縦方向(図では縦方向に若
干傾いている)にその層が形成される。その方向を模式
的に図1(b)の紙面右側に示す。尚、図1(b)の紙
面右側にはさらにその層の法線(スメクチック層形成方
向に対して紙面内垂直方向)も表した。
ープに分かれているといえる。これら2つのグループが
それぞれスメクチック層を模式的に表す。スメクチック
層は互いに平行であり、この縦方向(図では縦方向に若
干傾いている)にその層が形成される。その方向を模式
的に図1(b)の紙面右側に示す。尚、図1(b)の紙
面右側にはさらにその層の法線(スメクチック層形成方
向に対して紙面内垂直方向)も表した。
【0027】また図1(b)と異なり、印加されるDC
電圧とは逆極性のDC電圧を印加した場合の様子を図1
(c)に示す。図1(a)の液晶素子の液晶をSmC*
相に相転移させる工程において、逆の極性の電圧を印加
した以外は図1(b)で説明した工程と同じである。こ
の場合、逆極性の電圧とは負の電圧である。
電圧とは逆極性のDC電圧を印加した場合の様子を図1
(c)に示す。図1(a)の液晶素子の液晶をSmC*
相に相転移させる工程において、逆の極性の電圧を印加
した以外は図1(b)で説明した工程と同じである。こ
の場合、逆極性の電圧とは負の電圧である。
【0028】同図の紙面左側に示すように、液晶分子は
それぞれ縦に2つのグループに分けることができる。但
し、スメクチック層形成方向の、走査信号線に対する傾
き方向が図1(b)とは異なる。
それぞれ縦に2つのグループに分けることができる。但
し、スメクチック層形成方向の、走査信号線に対する傾
き方向が図1(b)とは異なる。
【0029】尚、本発明では、スメクチック層形成方向
が図1(c)よりも図1(b)となる方が好ましい。但
しこれは印加される上記電圧の極性のうち一方の極性を
利用することが本発明で重要であることを説明するもの
であり、図1(b)で示すスメクチック層形成方向を得
るために印加される電圧の極性が正でなければならな
い、ということではなく、例えば液晶材料の特性によ
り、印加される上記電圧の極性を負とすることで図1
(b)で示すスメクチック層形成方向を得ても良い。
尚、その場合は図1(c)に示されるスメクチック層形
成方向を得るためには逆極性である正の上記電圧を印加
することになる。
が図1(c)よりも図1(b)となる方が好ましい。但
しこれは印加される上記電圧の極性のうち一方の極性を
利用することが本発明で重要であることを説明するもの
であり、図1(b)で示すスメクチック層形成方向を得
るために印加される電圧の極性が正でなければならな
い、ということではなく、例えば液晶材料の特性によ
り、印加される上記電圧の極性を負とすることで図1
(b)で示すスメクチック層形成方向を得ても良い。
尚、その場合は図1(c)に示されるスメクチック層形
成方向を得るためには逆極性である正の上記電圧を印加
することになる。
【0030】次に図2(a)、(b)を用いて説明す
る。
る。
【0031】図2(a)は図1(b)で説明したスメク
チック層形成方向を図1(a)で示した情報信号線とそ
れに直交する走査信号線とラビング方向に重ねた模式図
である。また、図2(b)は図1(c)で説明したスメ
クチック層形成方向を図1(a)で示した情報信号線と
それに直交する走査信号線とラビング方向に重ねた模式
図である。図2(a)に示すように、スメクチック層形
成方向は走査信号線にほぼ平行である。また、図2
(b)に示すスメクチック層形成方向は走査信号線に対
して10°より大きく傾いている。
チック層形成方向を図1(a)で示した情報信号線とそ
れに直交する走査信号線とラビング方向に重ねた模式図
である。また、図2(b)は図1(c)で説明したスメ
クチック層形成方向を図1(a)で示した情報信号線と
それに直交する走査信号線とラビング方向に重ねた模式
図である。図2(a)に示すように、スメクチック層形
成方向は走査信号線にほぼ平行である。また、図2
(b)に示すスメクチック層形成方向は走査信号線に対
して10°より大きく傾いている。
【0032】図2(a)に示すスメクチック層形成方向
を実際に走査信号線に完全に平行とすることはまれであ
るが、走査信号線に対して10°以内の範囲にするとコ
ントラストが非常に高くなるので好ましい。尚、この1
0°以内とは、走査信号線に対して時計回り方向或いは
反時計回り方向のいずれでも良い。
を実際に走査信号線に完全に平行とすることはまれであ
るが、走査信号線に対して10°以内の範囲にするとコ
ントラストが非常に高くなるので好ましい。尚、この1
0°以内とは、走査信号線に対して時計回り方向或いは
反時計回り方向のいずれでも良い。
【0033】そして、図2(b)のスメクチック層形成
方向の場合は、スメクチック層形成方向と走査信号線と
のなす角度の絶対値は10°以内とはならない。
方向の場合は、スメクチック層形成方向と走査信号線と
のなす角度の絶対値は10°以内とはならない。
【0034】従って本発明では、 ・ラビング方向(一軸配向処理軸)を特定の範囲に設定
すること、 ・印加する電圧の絶対値が同じであっても、その極性が
異なると得られるスメクチック層形成方向の向きが異な
るだけでなく、走査信号線とスメクチック層形成方向と
のなす角度の値が異なる。従って、いずれか一方の極性
を選択し、スメクチック層形成方向を走査信号線に対し
て所定の角度以内(走査信号線に対して実質平行となる
よう)に設定すること、の以上2点が重要である。
すること、 ・印加する電圧の絶対値が同じであっても、その極性が
異なると得られるスメクチック層形成方向の向きが異な
るだけでなく、走査信号線とスメクチック層形成方向と
のなす角度の値が異なる。従って、いずれか一方の極性
を選択し、スメクチック層形成方向を走査信号線に対し
て所定の角度以内(走査信号線に対して実質平行となる
よう)に設定すること、の以上2点が重要である。
【0035】本発明において用いられるカイラルスメク
チック液晶は、本発明の液晶素子において、高温側よ
り、Iso.−Ch−SmC*、または、Iso.−S
mC*の相転移系列を示し、SmC*への相転移の際に、
当該液晶に正負いずれかのDC電圧を印加することによ
り、2つのスメクチック層形成方向のうち一方の層方向
のみにそろる。即ち、平均一軸配向処理軸とスメクチッ
ク層法線方向のずれ方向が一定となるようにし、電圧無
印加の状態で液晶分子を仮想コーンエッジの内側に安定
化させ、そのメモリ性を消失させたSmC*相の配向状
態を得る。尚、この相転移系列では、DSC(示差走査
熱量計)でスメクチックA(SmA)相を観察したとこ
ろ、該相の発現は認められなかった。
チック液晶は、本発明の液晶素子において、高温側よ
り、Iso.−Ch−SmC*、または、Iso.−S
mC*の相転移系列を示し、SmC*への相転移の際に、
当該液晶に正負いずれかのDC電圧を印加することによ
り、2つのスメクチック層形成方向のうち一方の層方向
のみにそろる。即ち、平均一軸配向処理軸とスメクチッ
ク層法線方向のずれ方向が一定となるようにし、電圧無
印加の状態で液晶分子を仮想コーンエッジの内側に安定
化させ、そのメモリ性を消失させたSmC*相の配向状
態を得る。尚、この相転移系列では、DSC(示差走査
熱量計)でスメクチックA(SmA)相を観察したとこ
ろ、該相の発現は認められなかった。
【0036】本発明においては、上記相転移系列を示す
カイラルスメクチック液晶として液晶組成物が好ましく
用いられ、ビフェニル骨格やフェニルシクロヘキサンエ
ステル骨格、フェニルピリミジン骨格を有する炭化水素
系液晶材料、ナフタレン系液晶材料、ポリフッ素系液晶
材料等を適宜選択して調整することができる。具体的に
は、該液晶組成物を構成する好ましい成分として、下記
液晶化合物(1)〜(4)が挙げられる。
カイラルスメクチック液晶として液晶組成物が好ましく
用いられ、ビフェニル骨格やフェニルシクロヘキサンエ
ステル骨格、フェニルピリミジン骨格を有する炭化水素
系液晶材料、ナフタレン系液晶材料、ポリフッ素系液晶
材料等を適宜選択して調整することができる。具体的に
は、該液晶組成物を構成する好ましい成分として、下記
液晶化合物(1)〜(4)が挙げられる。
【0037】
【化1】
【0038】R1、R2:炭素原子数が1〜20である置
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF n:0または1
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF n:0または1
【0039】
【化2】
【0040】R1、R2:炭素原子数が1〜20である置
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
【0041】
【化3】
【0042】R1、R2:炭素原子数が1〜20である置
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
【0043】
【化4】
【0044】R1、R2:炭素原子数が1〜20である置
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
換基を有していてもよい直鎖状または分岐状のアルキル
基 X1、X2:単結合、O、COO、OOC Y1〜Y4:HまたはF
【0045】以下、図面を参照して本発明の液晶素子を
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0046】図3は、本発明の液晶素子の一実施形態の
アクティブマトリクス基板に周辺駆動回路を接続した状
態の構成を模式的に示す平面図であり、図4はその1画
素の構成を示す断面模式図、図5は1画素の等価回路図
である。本実施形態は、スイッチング素子としてアモル
ファスSi(a−Si)TFTを用いた例である。
アクティブマトリクス基板に周辺駆動回路を接続した状
態の構成を模式的に示す平面図であり、図4はその1画
素の構成を示す断面模式図、図5は1画素の等価回路図
である。本実施形態は、スイッチング素子としてアモル
ファスSi(a−Si)TFTを用いた例である。
【0047】図中、10は本発明の液晶素子に相当する
パネル部、11は走査信号ドライバ、12は情報信号ド
ライバ、14はTFT、15は画素電極、20はアクテ
ィブマトリクス基板、21は透明基板、22はゲート電
極、23はゲート絶縁膜、24はa−Si層、25,2
6はn+a−Si層、27はソース電極、28はドレイ
ン電極、29はチャネル保護膜、30は保持容量電極、
31は液晶容量(Clc)、32は保持容量(Cs)、4
0は対向基板、41は透明基板、42は共通電極、43
a,43bは配向制御膜、49は液晶層である。
パネル部、11は走査信号ドライバ、12は情報信号ド
ライバ、14はTFT、15は画素電極、20はアクテ
ィブマトリクス基板、21は透明基板、22はゲート電
極、23はゲート絶縁膜、24はa−Si層、25,2
6はn+a−Si層、27はソース電極、28はドレイ
ン電極、29はチャネル保護膜、30は保持容量電極、
31は液晶容量(Clc)、32は保持容量(Cs)、4
0は対向基板、41は透明基板、42は共通電極、43
a,43bは配向制御膜、49は液晶層である。
【0048】図4に示されるように、本液晶素子におい
ては、TFT14及び画素電極15を備えたアクティブ
マトリクス基板20と共通電極42を備えた対向基板4
0間に、自発分極(Ps)を有する液晶層49が狭持さ
れ、液晶容量(Clc)31が構成されている。
ては、TFT14及び画素電極15を備えたアクティブ
マトリクス基板20と共通電極42を備えた対向基板4
0間に、自発分極(Ps)を有する液晶層49が狭持さ
れ、液晶容量(Clc)31が構成されている。
【0049】アクティブマトリクス基板20について
は、ガラスやプラスチック等透明性の高い材料からなる
透明基板21上に、TFT14が形成され、各行毎に共
通に走査信号線(ゲート線)G1、G2…に接続されたゲ
ート電極22上に窒化シリコン(SiNx)等の材料か
らなるゲート絶縁膜23を介してa−Si層24が設け
られており、該a−Si層24上に、それぞれn+a−
Si層25、26を介してソース電極27、ドレイン電
極28が互いに離間して設けられている。ソース電極2
7は各列毎に共通に、図3に示す情報信号線(ソース
線)S1、S2…に接続され、ドレイン電極28はITO
等透明導電膜からなる画素電極15に接続されている。
また、TFT14におけるa−Si層24上をチャネル
保護膜29が被覆している。このTFT14は、該当す
る走査信号線が走査選択された期間において、ゲート電
極22にゲートパルスが印加され、オン状態となる。
は、ガラスやプラスチック等透明性の高い材料からなる
透明基板21上に、TFT14が形成され、各行毎に共
通に走査信号線(ゲート線)G1、G2…に接続されたゲ
ート電極22上に窒化シリコン(SiNx)等の材料か
らなるゲート絶縁膜23を介してa−Si層24が設け
られており、該a−Si層24上に、それぞれn+a−
Si層25、26を介してソース電極27、ドレイン電
極28が互いに離間して設けられている。ソース電極2
7は各列毎に共通に、図3に示す情報信号線(ソース
線)S1、S2…に接続され、ドレイン電極28はITO
等透明導電膜からなる画素電極15に接続されている。
また、TFT14におけるa−Si層24上をチャネル
保護膜29が被覆している。このTFT14は、該当す
る走査信号線が走査選択された期間において、ゲート電
極22にゲートパルスが印加され、オン状態となる。
【0050】さらに、アクティブマトリクス基板20に
おいては、画素電極15と、該画素電極15の透明基板
21側に設けられた保持容量電極30とで、絶縁膜23
を狭持した構造により、保持容量(Cs)32が液晶容
量(Clc)31と並列の形で設けられている。保持容量
電極30はその面積が大きい場合、画素の開口率が低下
するため、ITO等の透明導電膜により形成される。
おいては、画素電極15と、該画素電極15の透明基板
21側に設けられた保持容量電極30とで、絶縁膜23
を狭持した構造により、保持容量(Cs)32が液晶容
量(Clc)31と並列の形で設けられている。保持容量
電極30はその面積が大きい場合、画素の開口率が低下
するため、ITO等の透明導電膜により形成される。
【0051】対向基板40については、ガラスやプラス
チック等透明性の高い材料からなる透明基板41上に、
全面同様の厚みでITO等透明導電膜からなる共通電極
42が形成されている。
チック等透明性の高い材料からなる透明基板41上に、
全面同様の厚みでITO等透明導電膜からなる共通電極
42が形成されている。
【0052】アクティブマトリクス基板20、対向基板
40の電極上には、必要に応じてショートを防止するた
めの絶縁膜(不図示)を、例えばSiO2、TiO2、T
a2O5等により設けてもよい。さらに、本発明において
は、少なくとも一方の基板の液晶層49との界面に一軸
配向処理を施す。本実施形態は、両基板上に配向制御膜
43a,43bを設けた構成例であり、少なくとも一方
の配向制御膜には一軸配向処理を施す。本発明に用いら
れる配向制御膜としては、ポリイミド、ポリイミドアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機材料を
溶液塗工した膜の表面にラビング処理を施したもの、或
いは、SiO等の酸化物、窒化物を基板に対し斜め方向
から所定の角度で蒸着した無機材料の斜方蒸着膜を用い
ることができる。これら配向制御膜については、その材
料の選択、処理の条件等により、液晶分子のプレチルト
角(配向制御膜界面付近で膜面に対して液晶分子のなす
角度)が調整される。
40の電極上には、必要に応じてショートを防止するた
めの絶縁膜(不図示)を、例えばSiO2、TiO2、T
a2O5等により設けてもよい。さらに、本発明において
は、少なくとも一方の基板の液晶層49との界面に一軸
配向処理を施す。本実施形態は、両基板上に配向制御膜
43a,43bを設けた構成例であり、少なくとも一方
の配向制御膜には一軸配向処理を施す。本発明に用いら
れる配向制御膜としては、ポリイミド、ポリイミドアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の有機材料を
溶液塗工した膜の表面にラビング処理を施したもの、或
いは、SiO等の酸化物、窒化物を基板に対し斜め方向
から所定の角度で蒸着した無機材料の斜方蒸着膜を用い
ることができる。これら配向制御膜については、その材
料の選択、処理の条件等により、液晶分子のプレチルト
角(配向制御膜界面付近で膜面に対して液晶分子のなす
角度)が調整される。
【0053】配向制御膜43a,43bがいずれも一軸
配向処理が施された膜である場合、それぞれの膜の一軸
配向処理方向(特にラビング方向)を、用いる液晶材料
に応じて反平行(平行且つ逆向き)、平行(平行且つ同
じ向き)、またはクロスラビング(処理方向が交差)に
設定することができる。
配向処理が施された膜である場合、それぞれの膜の一軸
配向処理方向(特にラビング方向)を、用いる液晶材料
に応じて反平行(平行且つ逆向き)、平行(平行且つ同
じ向き)、またはクロスラビング(処理方向が交差)に
設定することができる。
【0054】アクティブマトリクス基板20と対向基板
40とは、通常、シリカビーズ等のスペーサー(不図
示)を介して対向しており、ここで決定される基板間の
距離(セルギャップ、液晶層49の厚さ)については、
液晶材料の違いによって最適な範囲及び上限値が異なる
が、均一な一軸配向性、また、電圧無印加時に液晶分子
の平均分子軸をほぼ一軸配向処理軸(上下基板で処理方
向が交差する場合は、その平均配向処理軸)と実質的に
同一にする配向状態を発現させるべく、0.3〜10μ
mの範囲に設定することが好ましい。また、用いるカイ
ラルスメクチック液晶のバルク状態でのらせんピッチが
液晶素子のセル厚(セルギャップ)の2倍より長いこと
が好ましい。
40とは、通常、シリカビーズ等のスペーサー(不図
示)を介して対向しており、ここで決定される基板間の
距離(セルギャップ、液晶層49の厚さ)については、
液晶材料の違いによって最適な範囲及び上限値が異なる
が、均一な一軸配向性、また、電圧無印加時に液晶分子
の平均分子軸をほぼ一軸配向処理軸(上下基板で処理方
向が交差する場合は、その平均配向処理軸)と実質的に
同一にする配向状態を発現させるべく、0.3〜10μ
mの範囲に設定することが好ましい。また、用いるカイ
ラルスメクチック液晶のバルク状態でのらせんピッチが
液晶素子のセル厚(セルギャップ)の2倍より長いこと
が好ましい。
【0055】また、スペーサーに加えて、基板間の接着
性を向上させ、液晶の耐衝撃性を向上させるべく、エポ
キシ樹脂等からなる接着粒子を分散配置することもでき
る。
性を向上させ、液晶の耐衝撃性を向上させるべく、エポ
キシ樹脂等からなる接着粒子を分散配置することもでき
る。
【0056】本発明の液晶素子においては、図3に示す
ように、液晶素子に相当するパネル部10において、駆
動手段である走査信号ドライバ11に接続された走査信
号線(ゲート線)G1、G2…と、駆動手段である情報信
号ドライバ12に接続された情報信号線(ソース線)S
1、S2…が互いに絶縁された状態で直交するように設け
られており、その各交点の画素に対応してスイッチング
素子であるTFT14と画素電極15が設けられている
(同図では簡略化のため5×5画素の領域のみを示
す)。前記したように、走査信号線G1、G2…はTFT
14のゲート電極に、情報信号線S1、S2…はTFT1
4のソース電極27にそれぞれ接続され、TFT14の
ドレイン電極28に画素電極15が接続されている。係
る構成において、走査信号ドライバ11により走査信号
線G1、G2…が例えば線順次に走査選択されてゲート電
圧が供給され、この走査信号線の走査選択に同期して情
報信号ドライバ12から、各画素に書き込む情報に応じ
た情報信号電圧が情報信号線S 1、S2…に供給され、T
FT14を介して各画素電極に印加される。
ように、液晶素子に相当するパネル部10において、駆
動手段である走査信号ドライバ11に接続された走査信
号線(ゲート線)G1、G2…と、駆動手段である情報信
号ドライバ12に接続された情報信号線(ソース線)S
1、S2…が互いに絶縁された状態で直交するように設け
られており、その各交点の画素に対応してスイッチング
素子であるTFT14と画素電極15が設けられている
(同図では簡略化のため5×5画素の領域のみを示
す)。前記したように、走査信号線G1、G2…はTFT
14のゲート電極に、情報信号線S1、S2…はTFT1
4のソース電極27にそれぞれ接続され、TFT14の
ドレイン電極28に画素電極15が接続されている。係
る構成において、走査信号ドライバ11により走査信号
線G1、G2…が例えば線順次に走査選択されてゲート電
圧が供給され、この走査信号線の走査選択に同期して情
報信号ドライバ12から、各画素に書き込む情報に応じ
た情報信号電圧が情報信号線S 1、S2…に供給され、T
FT14を介して各画素電極に印加される。
【0057】上記実施形態においては、スイッチング素
子としてα−SiTFTを用いた例を挙げたが、多結晶
Si(p−Si)TFTを用いることもでき、また、ス
イッチング素子としては、MIM(Metal Ins
ulator Metal)等を用いることもできる。
子としてα−SiTFTを用いた例を挙げたが、多結晶
Si(p−Si)TFTを用いることもでき、また、ス
イッチング素子としては、MIM(Metal Ins
ulator Metal)等を用いることもできる。
【0058】本発明の液晶素子は、一方の基板に少なく
ともR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタを
設けることにより、カラー液晶素子とすることができ、
また、R、G、Bの光源を備えて順次切り替えることに
より、時分割による混色を利用してフルカラー表示させ
ることもできる。
ともR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタを
設けることにより、カラー液晶素子とすることができ、
また、R、G、Bの光源を備えて順次切り替えることに
より、時分割による混色を利用してフルカラー表示させ
ることもできる。
【0059】上記実施形態の液晶素子は透過型であり、
一対の偏光板間に狭持して用いるが、本発明の液晶素子
は、透明基板21、41のいずれかを反射性素材で形成
するか、或いは別途反射部材を設けることによって、反
射型の液晶素子を構成することもでき、この場合には光
の入射及び出射側の基板の外側に偏光板を配置して用い
る。
一対の偏光板間に狭持して用いるが、本発明の液晶素子
は、透明基板21、41のいずれかを反射性素材で形成
するか、或いは別途反射部材を設けることによって、反
射型の液晶素子を構成することもでき、この場合には光
の入射及び出射側の基板の外側に偏光板を配置して用い
る。
【0060】本発明の液晶素子においては、液晶材料の
組成を調整し、その処理や素子構成、例えば配向制御膜
43a,43bの材料や処理条件を適宜設定することに
より、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸が単安定化
された第一の状態を示し、第一の極性の電圧印加時に
は、該液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応じた角
度で上記第一の状態の位置から一方の側にチルトし、該
第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加時には、
液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応じた角度で上
記第一の状態の位置から第一の極性の電圧印加時とは逆
側にチルトし、上記第一の極性の電圧印加時と第二の極
性の電圧印加時の液晶の平均分子軸の第一の状態の位置
を基準とした最大チルト状態のチルト角をそれぞれ
β1、β2とすると、β1>β2、好ましくはβ1≧5×β2
となる特性、いわゆる疑似片V字特性を示すようにして
もよい。或いは、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸
が単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧
印加時には、該液晶の平均分子軸は印加電圧の大きさに
応じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチル
トし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加
時には、液晶の平均分子軸が上記第一の状態から実質的
に変化しない片V字特性を示すようにしてもよい。
組成を調整し、その処理や素子構成、例えば配向制御膜
43a,43bの材料や処理条件を適宜設定することに
より、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸が単安定化
された第一の状態を示し、第一の極性の電圧印加時に
は、該液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応じた角
度で上記第一の状態の位置から一方の側にチルトし、該
第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加時には、
液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応じた角度で上
記第一の状態の位置から第一の極性の電圧印加時とは逆
側にチルトし、上記第一の極性の電圧印加時と第二の極
性の電圧印加時の液晶の平均分子軸の第一の状態の位置
を基準とした最大チルト状態のチルト角をそれぞれ
β1、β2とすると、β1>β2、好ましくはβ1≧5×β2
となる特性、いわゆる疑似片V字特性を示すようにして
もよい。或いは、電圧無印加時には、液晶の平均分子軸
が単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧
印加時には、該液晶の平均分子軸は印加電圧の大きさに
応じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチル
トし、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加
時には、液晶の平均分子軸が上記第一の状態から実質的
に変化しない片V字特性を示すようにしてもよい。
【0061】本発明の液晶素子は、階調信号を供給する
駆動回路に接続し、上記疑似片V字特性或いは片V字特
性により、電圧印加により液晶の平均分子軸の単安定位
置からの連続的なチルト角の変化による素子からの出射
光量の連続的な変化を利用し、振幅変調によるアクティ
ブマトリクス駆動を行うことで、アナログ階調表示が可
能になる。
駆動回路に接続し、上記疑似片V字特性或いは片V字特
性により、電圧印加により液晶の平均分子軸の単安定位
置からの連続的なチルト角の変化による素子からの出射
光量の連続的な変化を利用し、振幅変調によるアクティ
ブマトリクス駆動を行うことで、アナログ階調表示が可
能になる。
【0062】図6に、本発明の液晶素子の駆動方法の一
実施形態の駆動波形を示す。当該方法は、図3〜図5に
示した液晶素子を上記疑似片V字特性を示すように構成
した素子において、1画素においてある情報を表示する
ための期間(1フレーム)を複数のフィールド(図6で
は1F及び2F)に分割し、これら2フィールドにおい
て平均的に所定の情報に応じた出射光量を得る。
実施形態の駆動波形を示す。当該方法は、図3〜図5に
示した液晶素子を上記疑似片V字特性を示すように構成
した素子において、1画素においてある情報を表示する
ための期間(1フレーム)を複数のフィールド(図6で
は1F及び2F)に分割し、これら2フィールドにおい
て平均的に所定の情報に応じた出射光量を得る。
【0063】図6(a)は、1画素に着目した際に、当
該画素のTFT14のゲート電極22に接続された走査
信号線に印加される電圧Vgを示す。図3の構造の液晶
素子では、各フィールド毎に走査信号線G1、G2…が例
えば線順次で選択され、一走査信号線には選択期間ton
において所定のゲート電圧Vonが印加され、ゲート電極
22に電圧Vonが加わり、TFT14がオン状態とな
る。他の走査信号線が選択されている期間に相当する非
選択期間toffには、ゲート電極22に電圧が加わらず
TFT14は高抵抗(オフ状態)となる。
該画素のTFT14のゲート電極22に接続された走査
信号線に印加される電圧Vgを示す。図3の構造の液晶
素子では、各フィールド毎に走査信号線G1、G2…が例
えば線順次で選択され、一走査信号線には選択期間ton
において所定のゲート電圧Vonが印加され、ゲート電極
22に電圧Vonが加わり、TFT14がオン状態とな
る。他の走査信号線が選択されている期間に相当する非
選択期間toffには、ゲート電極22に電圧が加わらず
TFT14は高抵抗(オフ状態)となる。
【0064】図6(b)は、当該画素のTFT14のソ
ース電極27に接続された情報信号線に印加される電圧
Vsを示す。図6(a)に示すように、各フィールドの
選択期間tonにおいてゲート電極22にゲート電圧Von
が印加された際、これに同期して当該画素のTFT14
のソース電極27に接続された情報信号線からソース電
極27に、所定のソース電圧(情報信号電圧)Vs(基
準電位を共通電極42の電位Vcとする)が印加され
る。
ース電極27に接続された情報信号線に印加される電圧
Vsを示す。図6(a)に示すように、各フィールドの
選択期間tonにおいてゲート電極22にゲート電圧Von
が印加された際、これに同期して当該画素のTFT14
のソース電極27に接続された情報信号線からソース電
極27に、所定のソース電圧(情報信号電圧)Vs(基
準電位を共通電極42の電位Vcとする)が印加され
る。
【0065】ここで、1フレームを構成する第一フィー
ルド(1F)では、当該画素に書き込まれる情報、例え
ば用いる液晶に応じた電圧−透過率特性を基に当該画素
で得ようとする光学状態または表示情報(透過率)に応
じたレベルVxの正極性のソース電圧が印加される。こ
の時、TFT14がオン状態であるため、上記ソース電
極27に印加された電圧Vxがドレイン電極28を介し
て画素電極15に印加され、液晶容量(Clc)31及び
保持容量(Cs)32に充電がなされ、画素電極15の
電位がソース電圧Vxになる。
ルド(1F)では、当該画素に書き込まれる情報、例え
ば用いる液晶に応じた電圧−透過率特性を基に当該画素
で得ようとする光学状態または表示情報(透過率)に応
じたレベルVxの正極性のソース電圧が印加される。こ
の時、TFT14がオン状態であるため、上記ソース電
極27に印加された電圧Vxがドレイン電極28を介し
て画素電極15に印加され、液晶容量(Clc)31及び
保持容量(Cs)32に充電がなされ、画素電極15の
電位がソース電圧Vxになる。
【0066】続いて、非選択期間toffにおいて当該画
素のTFT14がオフ状態となるため、この期間には、
液晶容量31及び保持容量32では選択期間tonに充電
された電荷が蓄積された状態を維持し、電圧Vxが保持
される。そして、当該画素の液晶層49に第一フィール
ド(1F)の期間を通してVxが印加され、当該画素で
はこの電圧値に応じた光学状態(透過光量)が得られ
る。このとき、液晶の応答速度が走査選択期間tonより
遅い場合、液晶容量31及び保持容量32に充電が完了
しても液晶の応答が終了せず、ゲートがオフされた非選
択期間toffにおいても液晶分子のスイッチングが行わ
れる。このような場合は、自発分極Psの反転によって
液晶容量31及び保持容量32に充電された電荷が相殺
されて、液晶層49に印加される電圧が図6(c)に示
すようにVxよりVd小さいVx ’という値をとる。
素のTFT14がオフ状態となるため、この期間には、
液晶容量31及び保持容量32では選択期間tonに充電
された電荷が蓄積された状態を維持し、電圧Vxが保持
される。そして、当該画素の液晶層49に第一フィール
ド(1F)の期間を通してVxが印加され、当該画素で
はこの電圧値に応じた光学状態(透過光量)が得られ
る。このとき、液晶の応答速度が走査選択期間tonより
遅い場合、液晶容量31及び保持容量32に充電が完了
しても液晶の応答が終了せず、ゲートがオフされた非選
択期間toffにおいても液晶分子のスイッチングが行わ
れる。このような場合は、自発分極Psの反転によって
液晶容量31及び保持容量32に充電された電荷が相殺
されて、液晶層49に印加される電圧が図6(c)に示
すようにVxよりVd小さいVx ’という値をとる。
【0067】次に、第二のフィールド(2F)の選択期
間tonでは、第一フィールド(1F)とは極性が逆で絶
対値が同じ電圧値−Vxを有するソース電圧が当該画素
のTFT14のソース電極27に印加される。この時、
TFT14はオン状態であり、画素電極15に当該電圧
−Vxが印加され、液晶容量31及び保持容量32に充
電がなされ、画素電極15の電位がソース電圧−Vxと
なる。
間tonでは、第一フィールド(1F)とは極性が逆で絶
対値が同じ電圧値−Vxを有するソース電圧が当該画素
のTFT14のソース電極27に印加される。この時、
TFT14はオン状態であり、画素電極15に当該電圧
−Vxが印加され、液晶容量31及び保持容量32に充
電がなされ、画素電極15の電位がソース電圧−Vxと
なる。
【0068】続く非選択期間toffにおいて、TFT1
4がオフ状態となると、液晶容量31及び保持容量32
では選択期間tonで充電された電荷が蓄積された状態を
維持し、電圧−Vxが保持される。そして、当該画素に
おける液晶層49に第2フィールド(2F)を通して電
圧−Vxが印加され、当該画素ではこの電圧値に応じた
光学状態(透過光量)が得られる。このとき、液晶の応
答速度が走査選択期間tonより遅い場合、液晶容量31
及び保持容量32に充電が完了しても液晶の応答が終了
せず、ゲートがオフされた非選択期間toffにおいても
液晶分子のスイッチングが行われる。このような場合
は、自発分極Psの反転によって液晶容量31及び保持
容量32に充電された電荷が相殺されて、液晶層49に
印加される電圧が図6(c)に示すように−Vxより絶
対値がVd小さい−Vx ’という値をとる。
4がオフ状態となると、液晶容量31及び保持容量32
では選択期間tonで充電された電荷が蓄積された状態を
維持し、電圧−Vxが保持される。そして、当該画素に
おける液晶層49に第2フィールド(2F)を通して電
圧−Vxが印加され、当該画素ではこの電圧値に応じた
光学状態(透過光量)が得られる。このとき、液晶の応
答速度が走査選択期間tonより遅い場合、液晶容量31
及び保持容量32に充電が完了しても液晶の応答が終了
せず、ゲートがオフされた非選択期間toffにおいても
液晶分子のスイッチングが行われる。このような場合
は、自発分極Psの反転によって液晶容量31及び保持
容量32に充電された電荷が相殺されて、液晶層49に
印加される電圧が図6(c)に示すように−Vxより絶
対値がVd小さい−Vx ’という値をとる。
【0069】図6(c)は、上述したような当該画素の
液晶容量31及び保持容量32に実際に保持され液晶層
49に印加される電圧Vpixを、図6(d)は当該画素
での液晶の実際の光学応答(透過型液晶素子とした場合
での光学応答)を模式的に示したものである。図6
(c)に示すように、2フィールド1F及び2Fを通じ
て、印加電圧は互いに極性が反転しただけの同一レベル
(絶対値)Vx ’である。一方、図6(d)に示すよう
に、第一フィールド(1F)では、Vx ’に応じた階調
表示状態(透過光量)が得られ、第二フィールド(2
F)では、−Vx ’に応じた階調表示状態が得られる。
前記したように、本実施形態の液晶素子は疑似V字型特
性を示すように構成されており、同じ絶対値の電圧を印
加されても、単安定化状態からのチルト角が異なるた
め、第二フィールド(2F)では、第一フィールド(1
F)の透過光量Txに比べて、わずかな透過光量の変化
しか得られず、0レベルに近いTyとなる。
液晶容量31及び保持容量32に実際に保持され液晶層
49に印加される電圧Vpixを、図6(d)は当該画素
での液晶の実際の光学応答(透過型液晶素子とした場合
での光学応答)を模式的に示したものである。図6
(c)に示すように、2フィールド1F及び2Fを通じ
て、印加電圧は互いに極性が反転しただけの同一レベル
(絶対値)Vx ’である。一方、図6(d)に示すよう
に、第一フィールド(1F)では、Vx ’に応じた階調
表示状態(透過光量)が得られ、第二フィールド(2
F)では、−Vx ’に応じた階調表示状態が得られる。
前記したように、本実施形態の液晶素子は疑似V字型特
性を示すように構成されており、同じ絶対値の電圧を印
加されても、単安定化状態からのチルト角が異なるた
め、第二フィールド(2F)では、第一フィールド(1
F)の透過光量Txに比べて、わずかな透過光量の変化
しか得られず、0レベルに近いTyとなる。
【0070】図6に示したようなアクティブマトリクス
駆動では、カイラルスメクチック相を示す液晶の高速応
答性に基づいた階調表示が可能になると同時に、1画素
においてあるレベルの階調表示を、高い透過光量を得る
第一フィールドと低い透過光量を得る第二フィールドに
分割して連続的に行うため、時間開口率が実質的に50
%になり、人間の目の感じる動画高速応答特性も良好に
なる。また、第二フィールドにおいては、液晶分子の若
干のスイッチング動作により完全に透過光量が0にはな
らないので、1フレーム期間全体での輝度は確保され
る。さらに、第一及び第二フィールドで同様のレベルの
電圧が極性反転して液晶層49に印加されるため、液晶
層49に実際に印加される電圧が交流化され、液晶の劣
化が防止される。
駆動では、カイラルスメクチック相を示す液晶の高速応
答性に基づいた階調表示が可能になると同時に、1画素
においてあるレベルの階調表示を、高い透過光量を得る
第一フィールドと低い透過光量を得る第二フィールドに
分割して連続的に行うため、時間開口率が実質的に50
%になり、人間の目の感じる動画高速応答特性も良好に
なる。また、第二フィールドにおいては、液晶分子の若
干のスイッチング動作により完全に透過光量が0にはな
らないので、1フレーム期間全体での輝度は確保され
る。さらに、第一及び第二フィールドで同様のレベルの
電圧が極性反転して液晶層49に印加されるため、液晶
層49に実際に印加される電圧が交流化され、液晶の劣
化が防止される。
【0071】上記のアクティブマトリクス駆動では、2
フィールドからなる1フレーム全体では、TxとTyを平
均した透過光量が得られる。このため、ソース電圧Vs
については、実際に当該フレームで当該画素で得ようと
する画像情報(階調情報)に応じて、所定のレベルだけ
大きな透過光量を得ることのできる電圧値を選択して印
加することで、第一フィールド(1F)において、所望
の階調状態より高いレベルの透過光量での階調状態を表
示することも好ましい。
フィールドからなる1フレーム全体では、TxとTyを平
均した透過光量が得られる。このため、ソース電圧Vs
については、実際に当該フレームで当該画素で得ようと
する画像情報(階調情報)に応じて、所定のレベルだけ
大きな透過光量を得ることのできる電圧値を選択して印
加することで、第一フィールド(1F)において、所望
の階調状態より高いレベルの透過光量での階調状態を表
示することも好ましい。
【0072】尚、上記駆動方法に、RGB各色光源とを
組み合わせることにより、時分割による混色を利用して
フルカラー表示を行うこともできる。
組み合わせることにより、時分割による混色を利用して
フルカラー表示を行うこともできる。
【0073】
【実施例】〔液晶組成物の調整〕下記液晶化合物を混合
して、液晶組成物LC−1を調整した。各構造式に併記
した数値は混合の際の重量比率である。
して、液晶組成物LC−1を調整した。各構造式に併記
した数値は混合の際の重量比率である。
【0074】
【化5】
【0075】上記液晶組成物LC−1の物性パラメータ
を以下に示す。
を以下に示す。
【0076】
【化6】
【0077】自発分極(30℃):Ps=2.9nC/
cm2 チルト角(30℃):Θ=23.3° スメクチック層の傾き角(30℃):δ=21.6°
(セルギャップ=1.4μm) SmC*でのらせんピッチ(30℃):20μm以上
cm2 チルト角(30℃):Θ=23.3° スメクチック層の傾き角(30℃):δ=21.6°
(セルギャップ=1.4μm) SmC*でのらせんピッチ(30℃):20μm以上
【0078】尚、DSC測定(測定装置:Perkin
Elmer社製「DSC Pyris1」、測定条
件:100℃で1分間保持した後、5℃/minで−3
0℃まで降温し、その後−30℃で5分間保持した後、
5℃/minで100℃まで昇温して測定)した結果、
SmA相を発現しない液晶素子であった。
Elmer社製「DSC Pyris1」、測定条
件:100℃で1分間保持した後、5℃/minで−3
0℃まで降温し、その後−30℃で5分間保持した後、
5℃/minで100℃まで昇温して測定)した結果、
SmA相を発現しない液晶素子であった。
【0079】〔自発分極Psの測定〕上記自発分極は、
K.ミヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発分極
の直接測定方法」(日本応用物理学会誌、22,10号
(661)1983,”Direct Method
with Triangular Waves for
Measuring Spontaneous Po
larizationin Ferroelectri
c Liquid Crystal”,asdescr
ibed by K.Miyasato et al.
(Jap.J.appl.Phys.22.No.1
0,L661(1983)))によって測定した。
K.ミヤサト他「三角波による強誘電性液晶の自発分極
の直接測定方法」(日本応用物理学会誌、22,10号
(661)1983,”Direct Method
with Triangular Waves for
Measuring Spontaneous Po
larizationin Ferroelectri
c Liquid Crystal”,asdescr
ibed by K.Miyasato et al.
(Jap.J.appl.Phys.22.No.1
0,L661(1983)))によって測定した。
【0080】〔チルト角Θの測定〕±12.5〜±50
V、1〜100HzのAC(交流)を液晶素子の上下基
板間に電極を介して印加しながら、直交ニコル下、その
間に配置された液晶素子を偏光板と平行に回転させると
同時に、フォトマル(浜松フォトニクス社製)で光学応
答を検知しながら、第1の消光位(透過率が最も低くな
る位置)及び第2の消光位を求める。そしてこの時の第
1の消光位から第2の消光位までの角度の1/2をチル
ト角Θとする。
V、1〜100HzのAC(交流)を液晶素子の上下基
板間に電極を介して印加しながら、直交ニコル下、その
間に配置された液晶素子を偏光板と平行に回転させると
同時に、フォトマル(浜松フォトニクス社製)で光学応
答を検知しながら、第1の消光位(透過率が最も低くな
る位置)及び第2の消光位を求める。そしてこの時の第
1の消光位から第2の消光位までの角度の1/2をチル
ト角Θとする。
【0081】〔スメクチック層の傾き角δの測定〕スメ
クチック層の傾き角は、基本的には、クラークやラガー
ウォルによって行われた方法(Japan Displ
ay’86,Sep.30〜Oct.2,1986,4
56〜458)、或いは、大内らの方法(J.J.A.
P.27(5)(1988)725〜728)と同様の
方法により測定した。測定装置は、回転陰極方式X線回
折装置(MACサイセンス社製)を用い、液晶セルのガ
ラス基板へのX線の吸収を低減させるため、基板にはコ
ーニング社製のマイクロシート(80μm)を用いた。
クチック層の傾き角は、基本的には、クラークやラガー
ウォルによって行われた方法(Japan Displ
ay’86,Sep.30〜Oct.2,1986,4
56〜458)、或いは、大内らの方法(J.J.A.
P.27(5)(1988)725〜728)と同様の
方法により測定した。測定装置は、回転陰極方式X線回
折装置(MACサイセンス社製)を用い、液晶セルのガ
ラス基板へのX線の吸収を低減させるため、基板にはコ
ーニング社製のマイクロシート(80μm)を用いた。
【0082】〔液晶素子の作製〕一方の基板として、図
4に示した断面構造を有し、ゲート絶縁膜として窒化シ
リコン膜を備えたa−SiTFTを有するアクティブマ
トリクス基板と、対向する基板としてRGBのカラーフ
ィルタと透明電極を有する厚さ1.1mmの基板を用意
した。画面サイズは10.4インチ、画素数は800×
600とした。両基板の透明電極(厚さ700ÅのIT
O膜)上に、市販のTFT用配向制御膜(日産化学社製
「SE7992」)をスピンコート法により塗布し、そ
の後、80℃で5分間の前乾燥を行った後、200℃で
1時間加熱焼成を施し、膜厚500Åのポリイミド被膜
を得た。
4に示した断面構造を有し、ゲート絶縁膜として窒化シ
リコン膜を備えたa−SiTFTを有するアクティブマ
トリクス基板と、対向する基板としてRGBのカラーフ
ィルタと透明電極を有する厚さ1.1mmの基板を用意
した。画面サイズは10.4インチ、画素数は800×
600とした。両基板の透明電極(厚さ700ÅのIT
O膜)上に、市販のTFT用配向制御膜(日産化学社製
「SE7992」)をスピンコート法により塗布し、そ
の後、80℃で5分間の前乾燥を行った後、200℃で
1時間加熱焼成を施し、膜厚500Åのポリイミド被膜
を得た。
【0083】続いて、上記ポリイミド被膜に対して、一
軸配向処理としてナイロン布によるラビング処理を施し
た。ラビング処理の条件は、直径10cmのロールにナ
イロン(帝人社製「NF−77」)を貼り合わせたラビ
ングロールを用い、押し込み量0.3mm、送り速度1
0cm/s、回転数1000rpm、送り回数4回とし
た。
軸配向処理としてナイロン布によるラビング処理を施し
た。ラビング処理の条件は、直径10cmのロールにナ
イロン(帝人社製「NF−77」)を貼り合わせたラビ
ングロールを用い、押し込み量0.3mm、送り速度1
0cm/s、回転数1000rpm、送り回数4回とし
た。
【0084】次いで、一方の基板上にスペーサーとし
て、平均粒径1.4μmのシリカビーズを散布し、各基
板のラビング処理方向が互いに反平行(アンチパラレ
ル)となるように対向させ、均一なセルギャップの素子
(アクティブマトリクスパネルA)を得た。尚、このと
きラビング処理の方向として、情報信号線と平行(パネ
ルA1)、情報信号線から時計回りに5°ずらした(パ
ネルA2)、以下、5°刻みでラビング処理方向をずら
し、情報信号線から時計回りに45°ずらしたパネルA
10まで10パネルを作製した。
て、平均粒径1.4μmのシリカビーズを散布し、各基
板のラビング処理方向が互いに反平行(アンチパラレ
ル)となるように対向させ、均一なセルギャップの素子
(アクティブマトリクスパネルA)を得た。尚、このと
きラビング処理の方向として、情報信号線と平行(パネ
ルA1)、情報信号線から時計回りに5°ずらした(パ
ネルA2)、以下、5°刻みでラビング処理方向をずら
し、情報信号線から時計回りに45°ずらしたパネルA
10まで10パネルを作製した。
【0085】上記のプロセスで作製したパネルA1〜A
10に前記液晶組成物LC−1をCh相の温度で注入
し、液晶をカイラルスメクチック液晶相を示す温度まで
冷却し(降温条件:Tc±2℃で1℃/min、尚、T
cとはCh→SmC*相転移温度である)、この冷却の
際、Ch−SmC*相転移前後において、+2Vまたは
−2Vのオフセット電圧(直流)を印加して冷却を行う
処理を施し、液晶素子A1〜A10を作製した。係るサ
ンプルについて、スメクチック層形成方向及び室温にお
けるコントラストの評価を行った。+2V印加時の結果
と−2V印加時の結果をそれぞれ表1に示す。尚、層形
成方向は走査信号線に対しての角度を示しており、時計
回り方向を正の向きとした。また、1つのサンプル(例
えば、素子A1)に+2Vにてオフセット電圧を印加し
て、再配向処理をした上でコントラストを測定し、その
後、同じサンプルを−2Vにて再配向させて同様の評価
をした。或いは、ラビング処理の方向が同一な2つのサ
ンプル(素子A1とA1’)の一方に+2Vを印加し、
他方に−2Vを印加して再配向処理を施してコントラス
トを測定しても同様の結果を得られる。
10に前記液晶組成物LC−1をCh相の温度で注入
し、液晶をカイラルスメクチック液晶相を示す温度まで
冷却し(降温条件:Tc±2℃で1℃/min、尚、T
cとはCh→SmC*相転移温度である)、この冷却の
際、Ch−SmC*相転移前後において、+2Vまたは
−2Vのオフセット電圧(直流)を印加して冷却を行う
処理を施し、液晶素子A1〜A10を作製した。係るサ
ンプルについて、スメクチック層形成方向及び室温にお
けるコントラストの評価を行った。+2V印加時の結果
と−2V印加時の結果をそれぞれ表1に示す。尚、層形
成方向は走査信号線に対しての角度を示しており、時計
回り方向を正の向きとした。また、1つのサンプル(例
えば、素子A1)に+2Vにてオフセット電圧を印加し
て、再配向処理をした上でコントラストを測定し、その
後、同じサンプルを−2Vにて再配向させて同様の評価
をした。或いは、ラビング処理の方向が同一な2つのサ
ンプル(素子A1とA1’)の一方に+2Vを印加し、
他方に−2Vを印加して再配向処理を施してコントラス
トを測定しても同様の結果を得られる。
【0086】
【表1】
【0087】上記の結果の通り、素子A3〜A7のサン
プルについては、コントラストが極めて良好であった。
一方、スメクチック層形成方向は一軸配向処理に垂直な
方向から20°ずれた方向に形成されること、及び走査
信号線に対して10°を超える方向に層が形成された場
合にはコントラストが急激に落ち込む結果となった。ま
た、このときの配向状態を顕微鏡で観測すると、層形成
方向が走査信号線に対して10°以内の範囲では画素内
に配向欠陥らしきものはほとんど存在しないものの、1
0°を超えると走査信号線で発生した配向欠陥が画素内
を斜めに横切って走っており、これがコントラスト低下
の原因と推察される。
プルについては、コントラストが極めて良好であった。
一方、スメクチック層形成方向は一軸配向処理に垂直な
方向から20°ずれた方向に形成されること、及び走査
信号線に対して10°を超える方向に層が形成された場
合にはコントラストが急激に落ち込む結果となった。ま
た、このときの配向状態を顕微鏡で観測すると、層形成
方向が走査信号線に対して10°以内の範囲では画素内
に配向欠陥らしきものはほとんど存在しないものの、1
0°を超えると走査信号線で発生した配向欠陥が画素内
を斜めに横切って走っており、これがコントラスト低下
の原因と推察される。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
カイラルスメクチック相を示す液晶の高速応答性を利用
し、且つ、画素内に発生する配向欠陥を抑制して高コン
トラスト比で良好な階調表示が可能な液晶素子が提供さ
れる。
カイラルスメクチック相を示す液晶の高速応答性を利用
し、且つ、画素内に発生する配向欠陥を抑制して高コン
トラスト比で良好な階調表示が可能な液晶素子が提供さ
れる。
【図1】本発明の一実施形態における、ラビング方向、
スメクチック層形成方向、走査信号線及び情報信号線の
方向を模式的に示す図である。
スメクチック層形成方向、走査信号線及び情報信号線の
方向を模式的に示す図である。
【図2】図1の模式図をさらに模式的に示す図である。
【図3】本発明の液晶素子の一実施形態のアクティブマ
トリクス基板に周辺駆動回路を接続した状態を示す平面
模式図である。
トリクス基板に周辺駆動回路を接続した状態を示す平面
模式図である。
【図4】図3の液晶素子の1画素の断面模式図である。
【図5】図3の液晶素子の1画素の等価回路図である。
【図6】図3の液晶素子の駆動方法の一例を示す波形図
である。
である。
11 走査信号ドライバ 12 情報信号ドライバ 14 TFT 15 画素電極 20 アクティブマトリクス基板 21 透明基板 22 ゲート電極 23 ゲート絶縁膜 24 a−Si層 25,26 n+a−Si層 27はソース電極 28 ドレイン電極 29 チャネル保護膜 30 保持容量電極 31 液晶容量(Clc) 32 保持容量 40 対向基板 41 透明基板 42 共通電極 43a,43b 配向制御膜 49 液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1368 G02F 1/1368 1/141 1/141
Claims (6)
- 【請求項1】 一対の基板と、該基板間に狭持されたカ
イラルスメクチック液晶と、複数の行及び列に沿って配
置された画素毎に配置されたスイッチング素子と、該ス
イッチング素子を介して画素毎に上記液晶を駆動する電
極と、を備え、上記液晶を配向させるための一軸配向処
理が少なくとも一方の基板の液晶との界面に施された液
晶素子であって、上記カイラルスメクチック液晶の相転
移系列が、高温側より、等方性液体相−コレステリック
相−カイラルスメクチックC相、または、等方性液体相
−カイラルスメクチックC相であり、上記スイッチング
素子を行毎に接続する走査信号線、及び、列毎に接続す
る情報信号線に対して、上記配向処理軸が10°以上の
角度を有し、且つ、上記液晶のスメクチック層形成方向
が上記走査信号線或いは情報信号線のいずれかに対して
10°以内の角度となる層構造を有することを特徴とす
る液晶素子。 - 【請求項2】 電圧無印加時には、液晶の平均分子軸が
単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧印
加時には、該液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応
じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチルト
し、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加時
には、液晶の平均分子軸が印加電圧の大きさに応じた角
度で上記第一の状態の位置から第一の極性の電圧印加時
とは逆側にチルトし、上記第一の極性の電圧印加時と第
二の極性の電圧印加時の液晶の平均分子軸の第一の状態
の位置を基準とした最大チルト状態のチルト角をそれぞ
れβ1、β2とすると、β1>β2となる請求項1記載の液
晶素子。 - 【請求項3】 上記β1とβ2との関係が、β1≧5×β2
となる請求項2記載の液晶素子。 - 【請求項4】 電圧無印加時には、液晶の平均分子軸が
単安定化された第一の状態を示し、第一の極性の電圧印
加時には、該液晶の平均分子軸は印加電圧の大きさに応
じた角度で上記第一の状態の位置から一方の側にチルト
し、該第一の極性とは逆極性の第二の極性の電圧印加時
には、液晶の平均分子軸が上記第一の状態から実質的に
変化しない請求項1記載の液晶素子。 - 【請求項5】 上記カイラルスメクチック液晶のバルク
状態でのらせんピッチが液晶素子のセル厚の2倍より長
い請求項1〜4のいずれかに記載の液晶素子。 - 【請求項6】 上記スイッチング素子が薄膜トランジス
タである請求項1〜5のいずれかに記載の液晶素子。
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KR1020010003564A KR100346797B1 (ko) | 2000-01-24 | 2001-01-22 | 액정소자 |
US09/766,608 US20020018171A1 (en) | 2000-01-24 | 2001-01-23 | Liquid crystal device |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000014409 | 2000-01-24 | ||
JP2000-14409 | 2000-01-24 | ||
JP2001010975A JP2001281668A (ja) | 2000-01-24 | 2001-01-19 | 液晶素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001010975A Pending JP2001281668A (ja) | 2000-01-24 | 2001-01-19 | 液晶素子 |
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JP (1) | JP2001281668A (ja) |
KR (1) | KR100346797B1 (ja) |
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JP4211745B2 (ja) * | 2005-03-14 | 2009-01-21 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置、電子機器および投射型表示装置 |
JP7213984B2 (ja) * | 2019-07-26 | 2023-01-27 | 富士フイルム株式会社 | レーザー発振素子 |
-
2001
- 2001-01-19 JP JP2001010975A patent/JP2001281668A/ja active Pending
- 2001-01-22 KR KR1020010003564A patent/KR100346797B1/ko not_active Expired - Fee Related
- 2001-01-23 US US09/766,608 patent/US20020018171A1/en not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
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US20020018171A1 (en) | 2002-02-14 |
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KR20010074532A (ko) | 2001-08-04 |
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