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JP2001279476A - Sus430ステンレス鋼の酸洗方法 - Google Patents

Sus430ステンレス鋼の酸洗方法

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Publication number
JP2001279476A
JP2001279476A JP2000093553A JP2000093553A JP2001279476A JP 2001279476 A JP2001279476 A JP 2001279476A JP 2000093553 A JP2000093553 A JP 2000093553A JP 2000093553 A JP2000093553 A JP 2000093553A JP 2001279476 A JP2001279476 A JP 2001279476A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
nitric acid
pickling
bath
sus430
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000093553A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Yoshioka
正浩 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP2000093553A priority Critical patent/JP2001279476A/ja
Publication of JP2001279476A publication Critical patent/JP2001279476A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、光輝焼鈍されたSUS430ステン
レス鋼を耐食性に優れたものにするばかりでなく、テン
パーカラーの発生を抑制できるSUS430ステンレス
鋼の酸洗方法を提供することを目的としている。 【解決手段】圧延後に光輝焼鈍を施したSUS430ス
テンレス鋼帯を硝酸浴に浸漬する酸洗方法において、前
記硝酸浴の硝酸濃度を7質量%〜13質量%、浴温を1
0℃〜35℃未満、酸洗時間を3〜7秒とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SUS430ステ
ンレス鋼の酸洗方法に係わり、特に、光輝焼鈍を施され
たフェライト系ステンレス鋼であるSUS430を、耐
食性に優れ、且つテンパーカラーの発生が少ないものに
する技術である。
【0002】
【従来の技術】圧延後に光輝焼鈍を施されたステンレス
鋼板(帯)は、表面が美麗であり、自動車、家庭用電気
製品、厨房器具等に広く使用されている。この光輝焼鈍
は、鋼の熱処理の1種であり、鋼表面の酸化脱炭を防
ぎ、金属光沢を失わないように、還元性または真空の雰
囲気で焼きなましを行ない、表面に50μm程度の厚み
の酸化膜を形成するものである。これらのステンレス鋼
のうちでも、フェライト系ステンレス鋼の光輝焼鈍製品
は、耐食性、表面光沢性の他、高温での耐酸化性が求め
られることが多く、トースタ等の家電製品に使用する場
合には、特に400〜500℃の温度域での対テンパー
カラー性が求められる。ここで、テンパーカラーとは、
加熱された鋼の表面に生じた酸化膜に起因する着色のこ
とで、これが生じると表面が汚くなるばかりでなく、表
面光沢が劣化し、その部分の耐食性も悪化する。
【0003】ところで、フェライト系ステンレス鋼の耐
食性を向上させるための研究は、従来より盛んに行なわ
れ、対策としての技術も多々開示されている。例えば、
特開昭59−6398号公報は、「光輝焼鈍したフェラ
イト系ステンレス鋼を2〜4wt%の硝酸水溶液中にて
0.05〜0.5A/dm2の電流密度で15〜30秒
間陽極電解する」技術を提案している。また、特開昭5
9−23882号公報は、「光輝焼鈍ステンレス鋼を硝
酸中で、該ステンレス鋼が少なくとも2度以上陽極側に
なるような交番電解を行ない、その後硝酸中浸漬により
不働態化する」技術を提案している。さらに、特開昭6
0−218498号公報は、「光輝焼鈍ステンレス鋼を
7wt%以下の硝酸中で、該ステンレス鋼が最終回の電
解も含めて少なくとも2度以上陽極になるような断続的
な交番電解を行なう」技術を開示している。これらの耐
食性に着眼した従来の対策は、いずれも光輝焼鈍後に硝
酸電解酸洗を行うものであり、耐食性は確かに向上す
る。
【0004】しかしながら、電解酸洗を行なうと、せっ
かく光輝焼鈍で形成された前記の鋼板表面の酸化膜がほ
とんど失われてしまう。そのため、かかる処理を施され
た鋼板を高温で使用すると、前記したテンパーカラーが
発生し易くなってしまうという問題があった。テンパー
カラーが生じた部分は、前記したように耐食性も悪くな
るので、上記したような方法では、対策として完全なも
のではなく、改善が望まれていた。
【0005】また、本出願人は、以前に特開平3−53
027号公報にて「給湯器等、温水を扱う容器に適した
組成のフェライト系ステンレス鋼板を圧延後、仕上げ焼
鈍として950〜1100℃の温度範囲で光輝焼鈍を行
ない、引き続き硝酸浴中に浸漬する」という温水用フェ
ライト系ステンレス鋼の製造方法を提案している。この
技術では、硝酸浴としては、HNO3濃度:5〜60重
量%、温度:20〜70℃、浸漬時間:5秒以上として
いる。しかしながら、この技術の開発時には、温水すな
わち高々100℃以下の環境下での容器の耐食性にのみ
着眼していたので、前述のように400〜500℃の環
境下での対テンパーカラー性の向上を考慮していなかっ
た。そのためか、該技術をトースタに使用するSUS4
30ステンレス鋼板の光輝焼鈍材に対して実施したとこ
ろ、前記酸洗条件の選択によってテンパーカラーの発生
が有ったり、無かったりして不安定な結果になってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、光輝焼鈍されたSUS430フェライト系ステ
ンレス鋼を耐食性に優れたものにするばかりでなく、テ
ンパーカラーの発生を抑制できるSUS430ステンレ
ス鋼の酸洗方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、その成果を本発明に具現化し
た。
【0008】すなわち、本発明は、圧延後に光輝焼鈍を
施したSUS430ステンレス鋼帯を硝酸浴に浸漬する
酸洗方法において、前記硝酸浴の硝酸濃度を7質量%〜
13質量%、浴温を10℃〜35℃未満、且つ酸洗時間
を3〜7秒とすることを特徴とするSUS430ステン
レス鋼の酸洗方法である。
【0009】本発明によれば、耐食性を得るために必要
な不働体皮膜の十分な生成と光輝焼鈍後のMnを主体と
する酸化膜の適度な残存との両立が可能となるので、耐
食性に優れ、且つ高温での対テンパーカラー性にも優れ
たSUS430ステンレス鋼が安定して製造できるよう
になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明をなすに至った経緯を
交え、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】発明者は、前記特開平3−53027号公
報記載の技術を、光輝焼鈍後のSUS430ステンレス
鋼に適用すると、耐食性が良好で、且つ高温での使用で
テンパーカラーが発生したり、しなかったりすることに
着目した。そして、テンパーカラーが発生しない場合の
酸洗条件を明確にすれば良いと考え、種々の実験を重ね
た。
【0012】まず、発明者は、前記公報記載の酸洗条件
からテンパーカラーの発生が抑制できた硝酸濃度:10
質量%、浴温度:30℃を選び、光輝焼鈍されたSUS
430からなる試験片を該浴への浸漬時間を5秒として
酸洗を行なった。そして、浴から抜き出した後、該試験
片の表面の組成を蛍光X線分析した。この結果を、縦軸
をX線の強度、横軸を照射時間(長い方が鋼の表面から
板厚方向に深い点を表す)として整理した。一方、テン
パーカラーの発生があることが明らかな場合、つまり上
記と同じ硝酸浴と温度で交番電解(陽極と陰極を一定時
間毎に切換る)酸洗した結果を、上記と同様に整理して
図3に示す。
【0013】その結果、テンパーカラーが抑制された場
合は、図2より表層から約2秒の点にMnの濃化層があ
り、一方、テンパーカラーが発生した場合は、図3より
Mnの濃化層が消失していることがわかる。よって、テ
ンパーカラーを抑制するためには、Mnの濃化層を残存
させることが必要であることがわかった。
【0014】次に、発明者は、硝酸濃度と浴温を種々変
更する実験を行なった。
【0015】光輝焼鈍を施されたSUS430ステンレ
ス鋼からなる試料を種々の硝酸濃度及び浴温にした浴に
5分間浸漬し、浴から抜き出した各試料の表面について
前記同様に試料表面の組成分析を行なった。そして、M
nが多く酸化膜が残存する条件を知るため、横軸を硝酸
濃度、縦軸を浴温としてMnが多くなる領域を調査し
た。その結果は、図1にハッチングで示すように、硝酸
濃度の上限が13質量%、下限が7質量%、浴温度の上
限が35℃、下限が10℃で囲まれる領域で、酸化膜が
残存することがわかった。この結果は、理論上、硝酸濃
度や浴温が高いと酸化膜の溶解が進み、逆に低いと溶解
が遅いと考えられるので、妥当なものである。
【0016】しかしながら、酸化膜の溶解程度には、前
記したように浴への浸漬時間、つまり酸洗時間の影響も
ある。そこで、上記実験に浴への浸漬時間を種々変更す
る場合も加え、上記酸化膜の残存領域の確認を行なっ
た。その結果、酸洗時間が3秒〜7秒の間で該領域の存
在することがわかった。
【0017】そこで、発明者は、これら領域にある試料
のうちから適宜選択して、高温でのテンパーカラーの発
生及び耐食性を調査した。その結果、いずれの試料もト
ースタの材料として満足できることが確認できたので、
上記した硝酸濃度、浴温及び酸洗時間の範囲を要件とし
て、本発明を完成させたのである。なお、高温でのテン
パーカラーは、試料を450℃で3分間加熱した後の
「彩度」で、耐食性は所謂「SST評点」で評価した。
ここで、「彩度」は、JIS Z 8729に示すb*
を色差計で測定し、「SST評点」は、JIS Z 2
371に示す要領で測定したものである。
【0018】
【実施例】ステンレス鋼板の連続焼鈍ラインの後流側に
長さ20m,幅2m,深さ1.5mの酸洗槽を配設し、
本発明に係る酸洗方法を実施した。具体的には、幅1m
のSUS430からなる鋼帯を、焼鈍炉内で温度100
0℃、雰囲気を窒素+水素として光輝焼鈍し、その後、
所定の走行速度(酸洗時間に相当する)で前記槽に保持
した硝酸浴中に連続的に浸漬し、抜き出すことで酸洗し
た。硝酸浴の硝酸濃度及び浴温は、それぞれ所定の値で
一定に保持するよう調整した。実施結果は、酸洗後の鋼
帯から試料を採取して前記した「彩度」及び「SST評
点」を測定し、高温でのテンパーカラーの発生及び耐食
性で評価した。なお、本発明の効果を確認するため、別
途、硝酸濃度、浴温及び走行速度を本発明で限定した範
囲外に設定した場合(比較例)も実施している。これら
の実施結果を、表1に一括して示す。
【0019】表1より、本発明に係る酸洗方法によれ
ば、高温でのテンパーカラーの発生がなく、且つ耐食性
に優れたSUS430鋼帯が安定して製造できることが
明らかである。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、耐食
性に優れ、かつ高温での対テンパーカラー性に優れたS
US430ステンレス鋼が安定して製造できるようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸洗条件の適正領域を決定するのに行なった実
験結果を示す図である。
【図2】硝酸浴でのみ酸洗したSUS430鋼試料の表
面組成を分析した1例を示す図である。
【図3】硝酸浴で交番電解酸洗したSUS430鋼試料
の表面組成を分析した1例を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延後に光輝焼鈍を施したSUS430
    ステンレス鋼帯を硝酸浴に浸漬する酸洗方法において、 前記硝酸浴の硝酸濃度を7質量%〜13質量%、浴温を
    10℃〜35℃未満、酸洗時間を3〜7秒とすることを
    特徴とするSUS430ステンレス鋼の酸洗方法。
JP2000093553A 2000-03-30 2000-03-30 Sus430ステンレス鋼の酸洗方法 Withdrawn JP2001279476A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1300345C (zh) * 2003-12-11 2007-02-14 宁波宝新不锈钢有限公司 一种sus430高耐蚀性研磨品的制造方法

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A300 Withdrawal of application because of no request for examination

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Effective date: 20070605