JP2001264532A - 赤外線吸収フィルター - Google Patents
赤外線吸収フィルターInfo
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- JP2001264532A JP2001264532A JP2000072273A JP2000072273A JP2001264532A JP 2001264532 A JP2001264532 A JP 2001264532A JP 2000072273 A JP2000072273 A JP 2000072273A JP 2000072273 A JP2000072273 A JP 2000072273A JP 2001264532 A JP2001264532 A JP 2001264532A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 近赤外線領域に急峻な吸収を有し、近赤外線
領域の吸収率と吸収巾が大きく、かつ可視領域の光透過
性が高く、更に環境安定性、加工性、生産性の良好な赤
外線吸収フィルターを提供する。 【解決手段】 赤外線吸収色素と高分子樹脂を主たる構
成成分とする赤外線吸収層を透明基材に積層した赤外線
吸収フィルターであって、前記赤外線吸収色素として少
なくともジイモニウム塩化合物を含有し、前記高分子樹
脂が特定の脂環族ジオール成分を60mol%以上共重
合したポリエステル樹脂であり、かつガラス転移温度が
85〜130℃であることを特徴とする赤外線吸収フィ
ルター。
領域の吸収率と吸収巾が大きく、かつ可視領域の光透過
性が高く、更に環境安定性、加工性、生産性の良好な赤
外線吸収フィルターを提供する。 【解決手段】 赤外線吸収色素と高分子樹脂を主たる構
成成分とする赤外線吸収層を透明基材に積層した赤外線
吸収フィルターであって、前記赤外線吸収色素として少
なくともジイモニウム塩化合物を含有し、前記高分子樹
脂が特定の脂環族ジオール成分を60mol%以上共重
合したポリエステル樹脂であり、かつガラス転移温度が
85〜130℃であることを特徴とする赤外線吸収フィ
ルター。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルターに
関するもので、特に可視光線領域に透過率が高く、80
0nmから1200nmの近赤外線を効率よく遮断する
光学フィルターに関するもので、プラズマディスプレイ
(以下、PDPと略す)の前面から放出される赤外線を
遮断するのに適する。
関するもので、特に可視光線領域に透過率が高く、80
0nmから1200nmの近赤外線を効率よく遮断する
光学フィルターに関するもので、プラズマディスプレイ
(以下、PDPと略す)の前面から放出される赤外線を
遮断するのに適する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線吸収フィルターや、ビデオカ
メラ視感度補正用フィルター、等には次に示されるよう
な物が広く使われてきた。 燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有した
フィルター(特開昭60−235740号公報、特開昭
62−153144号公報など)。 基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉さ
せることで特定の波長を透過させる干渉フィルター(特
開昭55−21091号公報、特開昭59−18474
5号公報など)。 共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィル
ター(特開平6−324213号公報)。 バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルター
(特開昭57−21458号公報、特開昭57−198
413号公報、特開昭60−43605号公報、特再平
9−838855号公報、特開平11−116826号
公報など)。
メラ視感度補正用フィルター、等には次に示されるよう
な物が広く使われてきた。 燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有した
フィルター(特開昭60−235740号公報、特開昭
62−153144号公報など)。 基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉さ
せることで特定の波長を透過させる干渉フィルター(特
開昭55−21091号公報、特開昭59−18474
5号公報など)。 共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィル
ター(特開平6−324213号公報)。 バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルター
(特開昭57−21458号公報、特開昭57−198
413号公報、特開昭60−43605号公報、特再平
9−838855号公報、特開平11−116826号
公報など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
赤外線吸収フィルターには、それぞれ以下に示すような
問題点がある。
赤外線吸収フィルターには、それぞれ以下に示すような
問題点がある。
【0004】前記の方式では、近赤外線領域に急峻に
吸収が有り、赤外線遮断率は非常に良好であるが、可視
領域の赤色の一部も大きく吸収してしまい、透過色は青
色に見える。ディスプレー用途では色バランスを重視さ
れ、このような場合、使用するのに困難である。また、
ガラスであるために加工性にも問題がある。
吸収が有り、赤外線遮断率は非常に良好であるが、可視
領域の赤色の一部も大きく吸収してしまい、透過色は青
色に見える。ディスプレー用途では色バランスを重視さ
れ、このような場合、使用するのに困難である。また、
ガラスであるために加工性にも問題がある。
【0005】前記の方式の場合、光学特性は自由に設
計でき、ほぼ設計と同等のフィルタを製造することが可
能である。しかしながら、その反面、屈折率差のある層
の積層枚数を非常に多くする必要があり、製造コストが
高くなるという欠点がある。また、大面積を必要とする
場合、全面積にわたって高い精度の膜厚均一性が要求さ
れるため製造が困難である。
計でき、ほぼ設計と同等のフィルタを製造することが可
能である。しかしながら、その反面、屈折率差のある層
の積層枚数を非常に多くする必要があり、製造コストが
高くなるという欠点がある。また、大面積を必要とする
場合、全面積にわたって高い精度の膜厚均一性が要求さ
れるため製造が困難である。
【0006】前記の方式の場合、の方式の加工性は
改善される。しかし、の方式と同様に急峻な吸収特性
が有るものの、赤色部分にも吸収が有りフィルターが青
く見えてしまう問題点は変わらない。
改善される。しかし、の方式と同様に急峻な吸収特性
が有るものの、赤色部分にも吸収が有りフィルターが青
く見えてしまう問題点は変わらない。
【0007】前記の方式は、赤外線吸収色素として、
フタロシアニン系、ニッケル錯体系、アゾ化合物、ポリ
メチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン
系、キノン系、など多くの色素が用いられている。しか
し、その多くは吸収が不十分であったり、可視領域で特
定の波長の吸収が有るなどの問題点を有している。
フタロシアニン系、ニッケル錯体系、アゾ化合物、ポリ
メチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン
系、キノン系、など多くの色素が用いられている。しか
し、その多くは吸収が不十分であったり、可視領域で特
定の波長の吸収が有るなどの問題点を有している。
【0008】近年、薄形大画面のディスプレイとして開
発されているPDPは、その前面から放出される近赤外
線がリモコン等の誤動作を招くことがあり、この近赤外
線をカットする赤外線吸収フィルタを前面に設置するこ
とが必要とされる。しかしながら、このPDP用の赤外
線遮断フィルターにおいても、前記〜の赤外線吸収
フィルターでは十分な要求に到達していないのが現状で
ある。
発されているPDPは、その前面から放出される近赤外
線がリモコン等の誤動作を招くことがあり、この近赤外
線をカットする赤外線吸収フィルタを前面に設置するこ
とが必要とされる。しかしながら、このPDP用の赤外
線遮断フィルターにおいても、前記〜の赤外線吸収
フィルターでは十分な要求に到達していないのが現状で
ある。
【0009】しかしながら、前記の方式で、赤外線吸
収色素にジイモニウム塩系化合物を用いた場合、上記問
題点を克服し、近赤外線領域の吸収が大きく、かつ可視
領域での吸収が少ないといった要求に満足するフィルタ
ーを得ることができる。さらに、PDP用赤外線吸収フ
ィルターとしても適した性能を得ることができる。
収色素にジイモニウム塩系化合物を用いた場合、上記問
題点を克服し、近赤外線領域の吸収が大きく、かつ可視
領域での吸収が少ないといった要求に満足するフィルタ
ーを得ることができる。さらに、PDP用赤外線吸収フ
ィルターとしても適した性能を得ることができる。
【0010】ところが、ジイモニウム塩系化合物を用い
たフィルターを高温下や加湿下に長時間放置すると、吸
収が小さくなったり、可視領域に特定の吸収が現れ、黄
緑色に変化してしまうという問題がある。この対策とし
て、ガラス転移温度を適度に高くしたポリエステル系樹
脂を用いることが提案されている。例えば、特再平9−
838855号公報及び特開平11−116826号公
報には、特定の芳香族ジオールを10mol%以上共重
合したポリエステル樹脂に赤外線吸収色素を混合したも
のが例示されている。しかし、前記の芳香族ジオールを
用いた組成範囲では、逆にガラス転移温度が高くなりす
ぎるため、共重合ポリエステル樹脂を近赤外線吸収色素
及び溶剤と混合して基材フィルムにコーティングした場
合、乾燥に時間を要したり、乾燥不足による残留溶剤の
ため環境安定性の劣化を招いたり、また、塗布乾燥後に
フィルムがカールしてしまうなどの問題がある。さら
に、前記共重合ポリエステル樹脂の中には溶剤中での溶
解性が低くなり、コーティング適性に耐えないものもあ
る。
たフィルターを高温下や加湿下に長時間放置すると、吸
収が小さくなったり、可視領域に特定の吸収が現れ、黄
緑色に変化してしまうという問題がある。この対策とし
て、ガラス転移温度を適度に高くしたポリエステル系樹
脂を用いることが提案されている。例えば、特再平9−
838855号公報及び特開平11−116826号公
報には、特定の芳香族ジオールを10mol%以上共重
合したポリエステル樹脂に赤外線吸収色素を混合したも
のが例示されている。しかし、前記の芳香族ジオールを
用いた組成範囲では、逆にガラス転移温度が高くなりす
ぎるため、共重合ポリエステル樹脂を近赤外線吸収色素
及び溶剤と混合して基材フィルムにコーティングした場
合、乾燥に時間を要したり、乾燥不足による残留溶剤の
ため環境安定性の劣化を招いたり、また、塗布乾燥後に
フィルムがカールしてしまうなどの問題がある。さら
に、前記共重合ポリエステル樹脂の中には溶剤中での溶
解性が低くなり、コーティング適性に耐えないものもあ
る。
【0011】本発明の目的は、近赤外線領域に急峻な吸
収を有し、近赤外線領域の吸収率と吸収巾が大きく、か
つ可視領域の光透過性が高く、更に環境安定性、加工
性、生産性の良好な赤外線吸収フィルターを提供するこ
とにある。
収を有し、近赤外線領域の吸収率と吸収巾が大きく、か
つ可視領域の光透過性が高く、更に環境安定性、加工
性、生産性の良好な赤外線吸収フィルターを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
状況に鑑みなされたものであって、前記課題を解決する
ことができた赤外線吸収フィルターとは、以下の通りで
ある。
状況に鑑みなされたものであって、前記課題を解決する
ことができた赤外線吸収フィルターとは、以下の通りで
ある。
【0013】本発明の第1の発明は、赤外線吸収色素と
高分子樹脂を主たる構成成分とする赤外線吸収層を透明
基材に積層した赤外線吸収フィルターであって、前記赤
外線吸収色素として少なくともジイモニウム塩化合物を
含有し、前記高分子樹脂が一般式(1)で示される脂環
族ジオール成分を60mol%以上共重合したポリエス
テル樹脂であり、かつガラス転移温度が85〜130℃
であることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
高分子樹脂を主たる構成成分とする赤外線吸収層を透明
基材に積層した赤外線吸収フィルターであって、前記赤
外線吸収色素として少なくともジイモニウム塩化合物を
含有し、前記高分子樹脂が一般式(1)で示される脂環
族ジオール成分を60mol%以上共重合したポリエス
テル樹脂であり、かつガラス転移温度が85〜130℃
であることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1およびR2は、水酸基及び/又
は炭素数1から8のヒドロキシアルキレン基及び/又は
炭素数1から4のヒドロキシアルキレン基にアルキレノ
キシドを1〜10mol%付加した基を示す。)
は炭素数1から8のヒドロキシアルキレン基及び/又は
炭素数1から4のヒドロキシアルキレン基にアルキレノ
キシドを1〜10mol%付加した基を示す。)
【0016】第2の発明は、第1の発明に記載のジイモ
ニウム塩化合物が、一般式(2)で示される構造を有す
ることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
ニウム塩化合物が、一般式(2)で示される構造を有す
ることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル
基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルキ
ニル基を表わし、それぞれ同じであっても、異なってい
ても良い。R9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、ア
ミノ基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸
基、アルキル基を表わし、それぞれ同じであっても、異
なっていても良い。R1〜R12で置換基を結合できるも
のは置換基を有しても良い。X-は陰イオンを表わ
す。)
基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルキ
ニル基を表わし、それぞれ同じであっても、異なってい
ても良い。R9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、ア
ミノ基、アミド基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸
基、アルキル基を表わし、それぞれ同じであっても、異
なっていても良い。R1〜R12で置換基を結合できるも
のは置換基を有しても良い。X-は陰イオンを表わ
す。)
【0019】第3の発明は、前記赤外線吸収色素とし
て、さらにフタロシアニン系化合物及びニッケル錯体系
化合物の少なくとも一種を使用することを特徴とする第
1または2の発明に記載の赤外線吸収フィルターであ
る。
て、さらにフタロシアニン系化合物及びニッケル錯体系
化合物の少なくとも一種を使用することを特徴とする第
1または2の発明に記載の赤外線吸収フィルターであ
る。
【0020】第4の発明は、第3の発明に記載のフタロ
シアニン系化合物が、含フッ素フタロシアニン系化合物
であることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
シアニン系化合物が、含フッ素フタロシアニン系化合物
であることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
【0021】第5の発明は、前記ニッケル錯体系化合物
が、一般式(3)で示される構造を有することを特徴と
する第3または4の発明に記載の赤外線吸収フィルター
である。
が、一般式(3)で示される構造を有することを特徴と
する第3または4の発明に記載の赤外線吸収フィルター
である。
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R1〜R4は水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、アミノ基を表わす。)
子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキ
ル基、アミノ基を表わす。)
【0024】第6の発明は、前記赤外線吸収層中の赤外
線吸収色素の配合比が、ジイモニウム塩化合物1.0重
量部に対して、フタロシアニン系化合物0.5〜0.0
重量部、ニッケル錯体系化合物1.0〜0.0重量部で
あることを特徴とする第3乃至5の発明に記載の赤外線
吸収フィルターである。
線吸収色素の配合比が、ジイモニウム塩化合物1.0重
量部に対して、フタロシアニン系化合物0.5〜0.0
重量部、ニッケル錯体系化合物1.0〜0.0重量部で
あることを特徴とする第3乃至5の発明に記載の赤外線
吸収フィルターである。
【0025】第7の発明は、前記赤外線吸収層がコーテ
ィング法により透明基材に積層されることを特徴とする
第1乃至6の発明に記載の赤外線吸収フィルターであ
る。
ィング法により透明基材に積層されることを特徴とする
第1乃至6の発明に記載の赤外線吸収フィルターであ
る。
【0026】第8の発明は、前記透明基材がポリエステ
ルフィルムであることを特徴とする第1乃至7の発明に
記載の赤外線吸収フィルターである。
ルフィルムであることを特徴とする第1乃至7の発明に
記載の赤外線吸収フィルターである。
【0027】第9の発明は、前記赤外線吸収層におい
て、ポリエステル樹脂の比重が1.05〜1.35の範
囲にあり、赤外線吸収色素の溶解度が1重量%以上であ
ることを特徴とする第1乃至8の発明に記載の赤外線吸
収フィルターである。
て、ポリエステル樹脂の比重が1.05〜1.35の範
囲にあり、赤外線吸収色素の溶解度が1重量%以上であ
ることを特徴とする第1乃至8の発明に記載の赤外線吸
収フィルターである。
【0028】第10の発明は、前記赤外線吸収層の残存
溶剤量が5.0重量%以下であることを特徴とする第1
乃至9の発明に記載の赤外線吸収フィルターである。
溶剤量が5.0重量%以下であることを特徴とする第1
乃至9の発明に記載の赤外線吸収フィルターである。
【0029】第11の発明は、前記ポリエステル樹脂の
ガラス転移点温度が85〜130℃であることを特徴と
する第1乃至10の発明に記載の赤外線吸収フィルター
である。
ガラス転移点温度が85〜130℃であることを特徴と
する第1乃至10の発明に記載の赤外線吸収フィルター
である。
【0030】第12の発明は、最外層に反射防止層を有
することを特徴とする第1乃至11の発明に記載の赤外
線吸収フィルターである。
することを特徴とする第1乃至11の発明に記載の赤外
線吸収フィルターである。
【0031】第13の発明は、最外層に防眩処理層を有
することを特徴とする第1乃至12記載の赤外線吸収フ
ィルターである。
することを特徴とする第1乃至12記載の赤外線吸収フ
ィルターである。
【0032】第14の発明は、第1乃至13の発明に記
載のフィルターをプラズマディスプレイの前面に設置す
ることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
載のフィルターをプラズマディスプレイの前面に設置す
ることを特徴とする赤外線吸収フィルターである。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の赤外線吸収フィルター
は、赤外線吸収色素と高分子樹脂を主たる構成成分とす
る赤外線吸収層を透明基材に積層した構成をしている。
以下、本発明の赤外線吸収フィルターにおける実施の形
態を説明する。
は、赤外線吸収色素と高分子樹脂を主たる構成成分とす
る赤外線吸収層を透明基材に積層した構成をしている。
以下、本発明の赤外線吸収フィルターにおける実施の形
態を説明する。
【0034】本発明の赤外線吸収フィルターにおいて、
赤外線吸収色素として少なくともジイモニウム塩化合物
を使用することが必要である。使用するジイモニウム塩
化合物は、近赤外域の吸収が大きく、かつ可視光透過率
が高いものであれば、何でも良いが、特に一般式(2)
で示される構造式のものが好ましい。
赤外線吸収色素として少なくともジイモニウム塩化合物
を使用することが必要である。使用するジイモニウム塩
化合物は、近赤外域の吸収が大きく、かつ可視光透過率
が高いものであれば、何でも良いが、特に一般式(2)
で示される構造式のものが好ましい。
【0035】
【化7】
【0036】(式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル
基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基を表わ
し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R
9〜R1 2は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アミ
ド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル
基を表わし、それぞれ同じであっても、異なっていても
良い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換基を
有しても良い。X-は陰イオンを表わす。)
基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基を表わ
し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R
9〜R1 2は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アミ
ド基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルキル
基を表わし、それぞれ同じであっても、異なっていても
良い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換基を
有しても良い。X-は陰イオンを表わす。)
【0037】上記の一般式(2)のR1〜R8において、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノ
プロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブ
トキシエチル基などが例示される。また、アリール基と
しては、フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェ
ニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル
基などが、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。さ
らに、アラルキル基としては、ベンジル基、p−フルオ
ロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピ
ル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブ
チル基、t−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル
基、n−オクチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シ
アノエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−シアノ
プロピル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ブ
トキシエチル基などが例示される。また、アリール基と
しては、フェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェ
ニル基、トリル基、ジエチルアミノフェニル、ナフチル
基などが、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられる。さ
らに、アラルキル基としては、ベンジル基、p−フルオ
ロベンジル基、p−クロロフェニル基、フェニルプロピ
ル基、ナフチルエチル基などが挙げられる。
【0038】また、一般式(2)のR9〜R12は、水
素、フッ素、塩素、臭素、ジエチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、
トリフルオロメチル基などが挙げられる。X-は、フッ
素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過
塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、
ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イ
オンなどが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げ
たものに限定されるものではない。
素、フッ素、塩素、臭素、ジエチルアミノ基、ジメチル
アミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、
トリフルオロメチル基などが挙げられる。X-は、フッ
素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過
塩素酸塩イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、
ヘキサフルオロリン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イ
オンなどが挙げられる。ただし、本発明では上記で挙げ
たものに限定されるものではない。
【0039】本発明で使用する赤外線吸収色素は、前記
のジイモニウム塩化合物の他に、さらにフタロシアニン
系化合物及びニッケル錯体系化合物の少なくとも一種を
併用することが好ましい。本発明で用いられるフタロシ
アニン系化合物及び/又はチオニッケル系錯体化合物
は、特に規制されるものではないが、前記ジイモニウム
塩化合物の近赤外領域の吸収を補うことが好ましい。
のジイモニウム塩化合物の他に、さらにフタロシアニン
系化合物及びニッケル錯体系化合物の少なくとも一種を
併用することが好ましい。本発明で用いられるフタロシ
アニン系化合物及び/又はチオニッケル系錯体化合物
は、特に規制されるものではないが、前記ジイモニウム
塩化合物の近赤外領域の吸収を補うことが好ましい。
【0040】フタロシアニン化合物としては、含フッ素
フタロシアニン化合物が好ましい。入手可能な市販品と
しては、日本触媒社製Excolor IR1、IR2、IR3、IR4、TX
-EX805K、TX-EX810K、TX-EX811K、TX-EX812Kなどが挙げ
られる。なかでも、IR1、TX-EX811Kが特に好ましい。
フタロシアニン化合物が好ましい。入手可能な市販品と
しては、日本触媒社製Excolor IR1、IR2、IR3、IR4、TX
-EX805K、TX-EX810K、TX-EX811K、TX-EX812Kなどが挙げ
られる。なかでも、IR1、TX-EX811Kが特に好ましい。
【0041】チオニッケル錯体系化合物としては、一般
式(3)で表される構造式のものが好ましい。市販品と
しては、三井化学社製SIR-128、SIR-130、SIR-132、SIR
-159などが挙げられる。なかでも、SIR-128、SIR-159が
特に好ましい。
式(3)で表される構造式のものが好ましい。市販品と
しては、三井化学社製SIR-128、SIR-130、SIR-132、SIR
-159などが挙げられる。なかでも、SIR-128、SIR-159が
特に好ましい。
【0042】
【化8】
【0043】(R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、アミノ基を表わす。)
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル
基、アミノ基を表わす。)
【0044】本発明の赤外線吸収フィルターの赤外線吸
収層に含有させる前記赤外線吸収色素の配合比は、ジイ
モニウム化合物1.0重量部に対して、含フッ素フタロ
シアニン系化合物0.5〜0.0重量部、ニッケル錯体
系化合物1.0〜0.0重量部であることが、近赤外線
領域に急峻な吸収を有し、近赤外線領域の吸収率と吸収
巾が大きく、かつ可視領域の光透過性を高くする点か
ら、より好ましい。
収層に含有させる前記赤外線吸収色素の配合比は、ジイ
モニウム化合物1.0重量部に対して、含フッ素フタロ
シアニン系化合物0.5〜0.0重量部、ニッケル錯体
系化合物1.0〜0.0重量部であることが、近赤外線
領域に急峻な吸収を有し、近赤外線領域の吸収率と吸収
巾が大きく、かつ可視領域の光透過性を高くする点か
ら、より好ましい。
【0045】本発明で赤外線吸収層の主たる構成成分で
ある高分子樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコ−ルか
らなるポリエステル樹脂である。多価カルボン酸として
は、具体的には以下のものが例示される。 (1)テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−
スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフ
ェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、及び/
又はそれらの金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカ
ルボン酸 (2)p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸 (3)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸 (4)フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、などの不飽和脂
肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸 (5)トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸
等の三価以上の多価カルボン酸
ある高分子樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコ−ルか
らなるポリエステル樹脂である。多価カルボン酸として
は、具体的には以下のものが例示される。 (1)テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−
スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフ
ェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、及び/
又はそれらの金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカ
ルボン酸 (2)p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキ
シ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸 (3)コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸 (4)フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、などの不飽和脂
肪族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸 (5)トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸
等の三価以上の多価カルボン酸
【0046】また、多価アルコールとしては、一般式
(1)で示される脂環族ジオールを必須成分とし、前記
脂環族ジオール成分を60mol%以上ポリエステル樹
脂に共重合させることが必要である。
(1)で示される脂環族ジオールを必須成分とし、前記
脂環族ジオール成分を60mol%以上ポリエステル樹
脂に共重合させることが必要である。
【0047】
【化9】
【0048】一般式(1)で示される脂環族ジオールと
しては、トリシクロデカンジメチロール、トリシクロデ
カンジエチロール、トリシクロデカンジプロピロール、
トリシクロデカンジブタノール、ジメチルトリシクロデ
カンジメチロール等が挙げられる。これらのうち、R1
及びR2共にメチロール基であるトリシクロデカンジメ
チロールが特に好ましい。
しては、トリシクロデカンジメチロール、トリシクロデ
カンジエチロール、トリシクロデカンジプロピロール、
トリシクロデカンジブタノール、ジメチルトリシクロデ
カンジメチロール等が挙げられる。これらのうち、R1
及びR2共にメチロール基であるトリシクロデカンジメ
チロールが特に好ましい。
【0049】また、本発明で用いる赤外線吸収層の主た
る構成成分であるポリエステル樹脂の多価アルコール成
分として、一般式(1)で示される脂環族ジオール成分
以外にも、適宜、脂肪族多価アルコ−ル、脂環族多価ア
ルコ−ル、芳香族多価アルコ−ルなどを多価アルコール
成分の40モル%以下の範囲で共重合することができ
る。
る構成成分であるポリエステル樹脂の多価アルコール成
分として、一般式(1)で示される脂環族ジオール成分
以外にも、適宜、脂肪族多価アルコ−ル、脂環族多価ア
ルコ−ル、芳香族多価アルコ−ルなどを多価アルコール
成分の40モル%以下の範囲で共重合することができ
る。
【0050】例えば、上記脂肪族多価アルコ−ルとして
は、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,
3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,
4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペ
ンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル
などを例示することができる。
は、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,
3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,
4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエ
チレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,
4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、トリメチロ
−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペ
ンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル
などを例示することができる。
【0051】脂環族多価アルコ−ル類としては、1,4
−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
メタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ルなどを例示
することができる。
−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジ
メタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ルなどを例示
することができる。
【0052】芳香族多価アルコ−ル類としては、パラキ
シレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキ
シレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、
1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付
加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物な
どを例示することができる。
シレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキ
シレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、
1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付
加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物な
どを例示することができる。
【0053】さらに、その他の多価アルコールとして、
ε−カプロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得
られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類などを例
示することができる。
ε−カプロラクトンなどのラクトン類を開環重合して得
られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類などを例
示することができる。
【0054】これらの他、前記ポリエステル樹脂の末端
の極性基を封鎖するために、単官能単量体をポリエステ
ル樹脂に導入してもよい。
の極性基を封鎖するために、単官能単量体をポリエステ
ル樹脂に導入してもよい。
【0055】単官能単量体としては、安息香酸、クロロ
安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、
スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モ
ノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息
香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシ
ャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチ
ル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサ
リチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリ
ル酸、およびこれらの低級アルキルエステル、等のモノ
カルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アル
コ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いる
ことができる。
安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、
スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モ
ノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息
香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、ターシ
ャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチ
ル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサ
リチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリ
ル酸、およびこれらの低級アルキルエステル、等のモノ
カルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アル
コ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いる
ことができる。
【0056】特再平9−838855号公報及び特開平
11−116826号公報には、特定の芳香族ジオール
を10mol%以上共重合したポリエステル樹脂が開示
されているが、本発明では、一般式(1)で示される脂
環族ジオールを60mol%以上ポリエステル樹脂に共
重合とすることで、溶剤溶解性及びコーティング適性の
点で極めて優れることを見出した。
11−116826号公報には、特定の芳香族ジオール
を10mol%以上共重合したポリエステル樹脂が開示
されているが、本発明では、一般式(1)で示される脂
環族ジオールを60mol%以上ポリエステル樹脂に共
重合とすることで、溶剤溶解性及びコーティング適性の
点で極めて優れることを見出した。
【0057】前記脂環族ジオールが60mol%未満の
場合、溶剤溶解性が向上しコーティングしやすくなる
が、共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下
し、赤外線吸収色素を混合した場合の環境安定性が劣化
してしまう。また、本発明では一般式(1)で示される
脂環族ジオール成分の共重合量の上限は95mol%未
満とすることが好ましい。95mol%以上の場合、共
重合ポリエステル樹脂の重合度が上がりにくく、その結
果、非常に脆くなる傾向があるので好ましくない。
場合、溶剤溶解性が向上しコーティングしやすくなる
が、共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度が低下
し、赤外線吸収色素を混合した場合の環境安定性が劣化
してしまう。また、本発明では一般式(1)で示される
脂環族ジオール成分の共重合量の上限は95mol%未
満とすることが好ましい。95mol%以上の場合、共
重合ポリエステル樹脂の重合度が上がりにくく、その結
果、非常に脆くなる傾向があるので好ましくない。
【0058】本発明では、近赤外線吸収色素の分散媒と
なる共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、耐候
性を向上させる為に、赤外線吸収フィルターを利用する
機器の使用保証温度以上であることが必要であるい。
なる共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、耐候
性を向上させる為に、赤外線吸収フィルターを利用する
機器の使用保証温度以上であることが必要であるい。
【0059】ガラス転移温度が機器使用温度以下である
と、赤外線吸収色素であるジイモニウム塩化合物が、共
重合ポリエステル自体と反応したり、共重合ポリエステ
ル中に分散された他の赤外線吸収色素と反応したりす
る。また、加湿下では、共重合ポリエステルが外気中の
水分などの吸収が大きくなり、赤外線吸収色素や共重合
ポリエステルの劣化が大きくなる。
と、赤外線吸収色素であるジイモニウム塩化合物が、共
重合ポリエステル自体と反応したり、共重合ポリエステ
ル中に分散された他の赤外線吸収色素と反応したりす
る。また、加湿下では、共重合ポリエステルが外気中の
水分などの吸収が大きくなり、赤外線吸収色素や共重合
ポリエステルの劣化が大きくなる。
【0060】本発明において、赤外線吸収層の主たる構
成成分である共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度
は、85〜130℃であることが必要であり、好ましく
は90〜110℃である。ガラス転移温度が85℃未満
の場合、先に述べたようにジイモニウム塩化合物が変性
する。また、ガラス転移温度が130℃を超えた場合、
共重合ポリエステル樹脂を溶剤に溶解し、透明基材上に
コーティングし十分な乾燥をしようとする際に高温にし
なければならず、ジイモニウム塩化合物が変性してしま
う。また、他の耐熱性の弱い赤外線吸収色素の劣化も招
く。さらに、低温で乾燥した場合、乾燥時間が長くせざ
るを得ず、そのため生産性が悪くなり、安価な赤外線吸
収フィルターを作ることができなくなる。また、十分な
乾燥ができない可能性もある。
成成分である共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度
は、85〜130℃であることが必要であり、好ましく
は90〜110℃である。ガラス転移温度が85℃未満
の場合、先に述べたようにジイモニウム塩化合物が変性
する。また、ガラス転移温度が130℃を超えた場合、
共重合ポリエステル樹脂を溶剤に溶解し、透明基材上に
コーティングし十分な乾燥をしようとする際に高温にし
なければならず、ジイモニウム塩化合物が変性してしま
う。また、他の耐熱性の弱い赤外線吸収色素の劣化も招
く。さらに、低温で乾燥した場合、乾燥時間が長くせざ
るを得ず、そのため生産性が悪くなり、安価な赤外線吸
収フィルターを作ることができなくなる。また、十分な
乾燥ができない可能性もある。
【0061】本発明の赤外線吸収フィルターは、赤外線
吸収層の残存溶剤量が5.0重量%以下であることが好
ましい。溶剤系のコーティング法で赤外線吸収層を形成
した場合、残留溶剤量が5.0重量%を超えても、見た
目には乾燥していて、ブロッキング等も発生していなく
ても、見かけのガラス転移温度が著しく低下する。特
に、赤外線吸収色素としてジイモニウム塩化合物を使っ
た場合、高温、加湿下に長時間放置した際に、ジイモニ
ウム塩系色素が変性してしまい、フィルタが黄緑色に変
色してしまうという問題がある。
吸収層の残存溶剤量が5.0重量%以下であることが好
ましい。溶剤系のコーティング法で赤外線吸収層を形成
した場合、残留溶剤量が5.0重量%を超えても、見た
目には乾燥していて、ブロッキング等も発生していなく
ても、見かけのガラス転移温度が著しく低下する。特
に、赤外線吸収色素としてジイモニウム塩化合物を使っ
た場合、高温、加湿下に長時間放置した際に、ジイモニ
ウム塩系色素が変性してしまい、フィルタが黄緑色に変
色してしまうという問題がある。
【0062】本発明において、赤外線吸収層の残留溶剤
量が0.05〜3.0重量%であることが特に好まし
い。残留溶剤量が0.05重量%未満では、高温高湿下
に長時間放置した場合の近赤外吸収色素の変性は小さく
なるが、0.05重量%未満にするために必要な熱によ
って近赤外線吸収色素が変性しやすくなる。
量が0.05〜3.0重量%であることが特に好まし
い。残留溶剤量が0.05重量%未満では、高温高湿下
に長時間放置した場合の近赤外吸収色素の変性は小さく
なるが、0.05重量%未満にするために必要な熱によ
って近赤外線吸収色素が変性しやすくなる。
【0063】赤外線吸収層の残留溶剤量を5.0重量%
以下にするためには、下記式(4)〜(6)の乾燥条件
を同時に満足させることが必要である。下記式(4)〜
(6)で用いた因子の単位は、風速がm/秒、熱風温度
が℃、乾燥時間が分、コート厚みがμmである。 風速×(熱風温度−20)× 乾燥時間/コート厚み>48 …(4) 熱風温度:≧80℃ …(5) 乾燥時間:≦60分 …(6)
以下にするためには、下記式(4)〜(6)の乾燥条件
を同時に満足させることが必要である。下記式(4)〜
(6)で用いた因子の単位は、風速がm/秒、熱風温度
が℃、乾燥時間が分、コート厚みがμmである。 風速×(熱風温度−20)× 乾燥時間/コート厚み>48 …(4) 熱風温度:≧80℃ …(5) 乾燥時間:≦60分 …(6)
【0064】本発明において、赤外線吸収層に用いられ
る共重合ポリエステル樹脂としては、比重が1.05〜
1.35の範囲にあり、前記の赤外線吸収色素の溶解度
が1重量%以上であるものが好ましい。
る共重合ポリエステル樹脂としては、比重が1.05〜
1.35の範囲にあり、前記の赤外線吸収色素の溶解度
が1重量%以上であるものが好ましい。
【0065】本発明の赤外線吸収層の透明基材は高分子
フィルムであることが好ましく、フィルムを構成する樹
脂としては、ポリエステル系、アクリル系、セルロース
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィ
ン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート、フェノー
ル系、ウレタン系樹脂などが挙げられるが、特に限定さ
れない。なかでも、環境負荷、コストパフォーマンスな
どの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートなどのポリエステル系樹脂が好ましい。なかでも、
ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)が
特に好適である。以下、PETを例に挙げ詳しく説明す
る。
フィルムであることが好ましく、フィルムを構成する樹
脂としては、ポリエステル系、アクリル系、セルロース
系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィ
ン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート、フェノー
ル系、ウレタン系樹脂などが挙げられるが、特に限定さ
れない。なかでも、環境負荷、コストパフォーマンスな
どの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートなどのポリエステル系樹脂が好ましい。なかでも、
ポリエチレンテレフタレート(以後、PETと略す)が
特に好適である。以下、PETを例に挙げ詳しく説明す
る。
【0066】PET樹脂の製造は、テレフタル酸とエチ
レングリコールを出発原料とし、エステル化反応を経て
重縮合する公知の直接重合法、またはテレフタル酸ジメ
チルとエチレングリコールを出発原料としエステル交換
反応を経て重縮合する公知のエステル交換法のいずれか
を用いることができる。直接重合法の場合、PET樹脂
中に含有させるものとしては、重縮合触媒(Sb2O3、
Sbグリコラートなど)、熱安定化剤(トリメチルフォ
スフェートなどのP系化合物)、静電印可法を用いて未
延伸フィルムを製造する際の密着性改良剤(グリコール
可溶性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)が
挙げられる。エステル交換法の場合、上記化合物のほか
にエステル交換反応触媒(Mg、Ca、Zn、Mnなど
の酢酸塩など)が必要である。特に、重縮合触媒として
Sb2O3を使用した場合、重合時及び/または未延伸P
ETフィルムの製造時に、Sb2O3が金属Sbに還元さ
れ、フィルム表面に凝集物として析出しやすくなる。こ
れがフィルムにおける光学欠点の原因の1つとなるた
め、重縮合時間を著しく遅くしない範囲で、できるだけ
Sb2O3の含有量を低減させることが好ましい。
レングリコールを出発原料とし、エステル化反応を経て
重縮合する公知の直接重合法、またはテレフタル酸ジメ
チルとエチレングリコールを出発原料としエステル交換
反応を経て重縮合する公知のエステル交換法のいずれか
を用いることができる。直接重合法の場合、PET樹脂
中に含有させるものとしては、重縮合触媒(Sb2O3、
Sbグリコラートなど)、熱安定化剤(トリメチルフォ
スフェートなどのP系化合物)、静電印可法を用いて未
延伸フィルムを製造する際の密着性改良剤(グリコール
可溶性のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩など)が
挙げられる。エステル交換法の場合、上記化合物のほか
にエステル交換反応触媒(Mg、Ca、Zn、Mnなど
の酢酸塩など)が必要である。特に、重縮合触媒として
Sb2O3を使用した場合、重合時及び/または未延伸P
ETフィルムの製造時に、Sb2O3が金属Sbに還元さ
れ、フィルム表面に凝集物として析出しやすくなる。こ
れがフィルムにおける光学欠点の原因の1つとなるた
め、重縮合時間を著しく遅くしない範囲で、できるだけ
Sb2O3の含有量を低減させることが好ましい。
【0067】PETフィルム中に大きさ20μm以上の
異物をフィルムの単位面積当たり10個/m2以下とす
るためには、PET樹脂中のSb2O3の含有量をSb元
素として50〜250ppmとすることが好ましく、5
0〜200ppmがさらに好ましく、特に好ましくは7
0〜150ppmである。また、PET樹脂中には、一
般に易滑性付与などを目的で不活性粒子及び内部析出粒
子を含有させるが、透明性を向上させ、かつ上記異物を
低減する点から、これらの粒子は実質上含有させないこ
とが必要である。粒子を実質上含有していないとは、例
えば無機粒子を例に挙げると、フィルム中の無機粒子の
含有量が、蛍光X線で分析した際の検出限界よりも少な
い含有量であることを意味する。
異物をフィルムの単位面積当たり10個/m2以下とす
るためには、PET樹脂中のSb2O3の含有量をSb元
素として50〜250ppmとすることが好ましく、5
0〜200ppmがさらに好ましく、特に好ましくは7
0〜150ppmである。また、PET樹脂中には、一
般に易滑性付与などを目的で不活性粒子及び内部析出粒
子を含有させるが、透明性を向上させ、かつ上記異物を
低減する点から、これらの粒子は実質上含有させないこ
とが必要である。粒子を実質上含有していないとは、例
えば無機粒子を例に挙げると、フィルム中の無機粒子の
含有量が、蛍光X線で分析した際の検出限界よりも少な
い含有量であることを意味する。
【0068】さらに、重縮合完了後PET樹脂を孔径
(95%カット)が7μm以下のナスロン製フィルター
で濾過処理を行なったり、溶融樹脂をストランド状に冷
却水中に押し出す際に予め冷却水を濾過処理(孔径:1
μm以下)し、かつこの工程を密閉した部屋とし、ヘパ
フィルターで環境中の1μm以上の異物を低減させてお
くことは、基材フィルムの原料となるPET樹脂中の大
きさ20μm以上の異物をフィルムの単位面積当たり1
0個/m2以下とするのに好ましい。
(95%カット)が7μm以下のナスロン製フィルター
で濾過処理を行なったり、溶融樹脂をストランド状に冷
却水中に押し出す際に予め冷却水を濾過処理(孔径:1
μm以下)し、かつこの工程を密閉した部屋とし、ヘパ
フィルターで環境中の1μm以上の異物を低減させてお
くことは、基材フィルムの原料となるPET樹脂中の大
きさ20μm以上の異物をフィルムの単位面積当たり1
0個/m2以下とするのに好ましい。
【0069】また、PET樹脂の極限粘度は、0.45
〜0.70dl/gの範囲が好ましい。さらに好ましく
は0.50〜0.67dl/gであり、特に好ましくは
0.55〜0.65dl/gである。極限粘度が0.4
5dl/gよりも低いと、フィルム製造時に破断が多発
し、かつ強伸度特性が不十分となる。一方、0.70d
l/gより大きいと、濾圧上昇が大きくなり異物除去の
ための高精度濾過が困難となり好ましくない。
〜0.70dl/gの範囲が好ましい。さらに好ましく
は0.50〜0.67dl/gであり、特に好ましくは
0.55〜0.65dl/gである。極限粘度が0.4
5dl/gよりも低いと、フィルム製造時に破断が多発
し、かつ強伸度特性が不十分となる。一方、0.70d
l/gより大きいと、濾圧上昇が大きくなり異物除去の
ための高精度濾過が困難となり好ましくない。
【0070】不活性粒子及び内部析出粒子を実質的に含
有していないPET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出
し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押出しし、
冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この
際、PET樹脂中に含まれている異物をさらに除去する
ために、溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所
で、樹脂中に含まれる異物を除去するために前記高精度
濾過を行う。
有していないPET樹脂を十分に真空乾燥した後、押出
し機に供給し、約280℃でシート状に溶融押出しし、
冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この
際、PET樹脂中に含まれている異物をさらに除去する
ために、溶融樹脂が約280℃に保たれた任意の場所
で、樹脂中に含まれる異物を除去するために前記高精度
濾過を行う。
【0071】溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材
は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の
場合、原料PET樹脂中の触媒や添加物、反応缶壁から
の落下物、外部コンタミ物に起因する粗大異物及び高融
点有機物などの大きさ20μm以上の異物をフィルムの
単位面積当たり10個/m2以下とするのに好適であ
る。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子
サイズ(初期濾過効率95%)を15μm以下とするこ
とが好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超え
ると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやす
い。濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μm
以下の濾材を使用して溶融樹脂の高精度濾過を行うこと
により、生産性が低下する場合があるが、光学欠点が少
なく、かつ透明性に優れたPETフィルムを得るには極
めて重要である。
は、特に限定はされないが、ステンレス焼結体の濾材の
場合、原料PET樹脂中の触媒や添加物、反応缶壁から
の落下物、外部コンタミ物に起因する粗大異物及び高融
点有機物などの大きさ20μm以上の異物をフィルムの
単位面積当たり10個/m2以下とするのに好適であ
る。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材の濾過粒子
サイズ(初期濾過効率95%)を15μm以下とするこ
とが好ましい。濾材の濾過粒子サイズが15μmを超え
ると、20μm以上の異物の除去が不十分となりやす
い。濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)が15μm
以下の濾材を使用して溶融樹脂の高精度濾過を行うこと
により、生産性が低下する場合があるが、光学欠点が少
なく、かつ透明性に優れたPETフィルムを得るには極
めて重要である。
【0072】未延伸フィルムを冷却する方法としては、
溶融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート状に押
し出し、シート状溶融物を静電印可密着法により回転冷
却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知
の方法が適用できる。
溶融樹脂を回転冷却ドラム上にダイスからシート状に押
し出し、シート状溶融物を静電印可密着法により回転冷
却ドラムに密着させながら、急冷してシートとする公知
の方法が適用できる。
【0073】本発明の赤外線吸収フィルターの透明基材
となる高分子フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸し
たフィルムであることが好ましく、二軸延伸フィルムで
あることが特に好ましい。二軸延伸フィルムは下記のよ
うな条件で製造する。
となる高分子フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸し
たフィルムであることが好ましく、二軸延伸フィルムで
あることが特に好ましい。二軸延伸フィルムは下記のよ
うな条件で製造する。
【0074】得られた未延伸フィルムを、80〜120
℃に加熱したロールで長手方向に少なくとも2段階以上
に分け総縦延伸倍率が2.5〜5.0倍となるよう延伸
して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィル
ムの端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱
された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に
延伸する。また、この二軸延伸をロールによる傷の低減
を目的に、前記逐次二軸延伸法の代わりに、テンターに
てリニアモーター方式により駆動される同時二軸延伸法
で行っても良い。なお、従来からある同時二軸延伸法で
も構わない。引き続き200〜240℃の熱処理ゾーン
に導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了
させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向及
び/又は長手方向に3〜10%の弛緩処理を施してもよ
い。
℃に加熱したロールで長手方向に少なくとも2段階以上
に分け総縦延伸倍率が2.5〜5.0倍となるよう延伸
して、一軸配向PETフィルムを得る。さらに、フィル
ムの端部をクリップで把持して、80〜180℃に加熱
された熱風ゾーンに導き、幅方向に2.5〜5.0倍に
延伸する。また、この二軸延伸をロールによる傷の低減
を目的に、前記逐次二軸延伸法の代わりに、テンターに
てリニアモーター方式により駆動される同時二軸延伸法
で行っても良い。なお、従来からある同時二軸延伸法で
も構わない。引き続き200〜240℃の熱処理ゾーン
に導き、1〜60秒間の熱処理を行い、結晶配向を完了
させる。この熱処理工程中で、必要に応じて、幅方向及
び/又は長手方向に3〜10%の弛緩処理を施してもよ
い。
【0075】また、前記の二軸配向PETフィルムの少
なくとも片面に、高分子易接着層を積層させることが好
ましい。高分子易接着層は、上記フィルム製造工程中の
任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、水
溶性または水分散性樹脂からなる高分子易接着樹脂の塗
布液を塗布・乾燥させて積層させることが好ましい。
なくとも片面に、高分子易接着層を積層させることが好
ましい。高分子易接着層は、上記フィルム製造工程中の
任意の段階で、PETフィルムの少なくとも片面に、水
溶性または水分散性樹脂からなる高分子易接着樹脂の塗
布液を塗布・乾燥させて積層させることが好ましい。
【0076】上記水性塗布液を塗布する工程は、通常の
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好まし
くは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布す
る。なお、未延伸フィルム作成後から塗布工程における
空気中のクリーン度(0.5μ以上の粒子数/ft3)
を、クラス100,000となるようヘパフィルターに
よりコントロールすることは、フィルム表面に付着する
異物を低減させるのに有効である。
塗布工程、すなわち二軸延伸し熱固定した基材フィルム
に塗布する工程でもよいが、該フィルムの製造工程中に
塗布するインラインコート法が好ましい。さらに好まし
くは、結晶配向が完了する前の基材フィルムに塗布す
る。なお、未延伸フィルム作成後から塗布工程における
空気中のクリーン度(0.5μ以上の粒子数/ft3)
を、クラス100,000となるようヘパフィルターに
よりコントロールすることは、フィルム表面に付着する
異物を低減させるのに有効である。
【0077】未延伸あるいは一軸延伸後のポリエステル
フィルム基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸す
る場合、塗布後の乾燥工程では水等の溶剤分のみを取り
除きかつ塗布層の架橋反応が進行しない温度及び時間を
選定することが重要である。乾燥温度は70〜140℃
で行うことが好ましく、乾燥時間は塗布液及び塗布量に
応じて調整するが、温度(℃)と時間(秒)の温度積とし
て3000以下が好ましい。
フィルム基材に上記塗布液を塗布した後、乾燥、延伸す
る場合、塗布後の乾燥工程では水等の溶剤分のみを取り
除きかつ塗布層の架橋反応が進行しない温度及び時間を
選定することが重要である。乾燥温度は70〜140℃
で行うことが好ましく、乾燥時間は塗布液及び塗布量に
応じて調整するが、温度(℃)と時間(秒)の温度積とし
て3000以下が好ましい。
【0078】水性塗布液中の固形分濃度は、30重量%
以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%
以下である。該水性塗布液が塗布・乾燥されたフィルム
は、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこ
で加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、
二軸配向積層PETフィルムとなる。赤外線吸収層との
良好な密着性を得るためには、熱処理工程において10
0℃以上でかつ1分間以上熱処理し、また熱処理後の易
接着層の塗布量を0.05g/m2以上となるように塗
工することが好ましい。
以下であることが好ましく、特に好ましくは10重量%
以下である。該水性塗布液が塗布・乾燥されたフィルム
は、延伸および熱固定のためにテンターに導かれ、そこ
で加熱されて、熱架橋反応により安定な被膜を形成し、
二軸配向積層PETフィルムとなる。赤外線吸収層との
良好な密着性を得るためには、熱処理工程において10
0℃以上でかつ1分間以上熱処理し、また熱処理後の易
接着層の塗布量を0.05g/m2以上となるように塗
工することが好ましい。
【0079】上記水性塗布液の塗布方法は、公知の方法
で行うことができる。例えば、リバースロールコート
法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシ
ュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤ
ーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法
およびカーテンコート法などが挙げられ、これらの方法
を単独で、あるいは組み合わせることができる。
で行うことができる。例えば、リバースロールコート
法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシ
ュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤ
ーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸コート法
およびカーテンコート法などが挙げられ、これらの方法
を単独で、あるいは組み合わせることができる。
【0080】上記の高分子易接着樹脂は、特に限定され
るものではないが、例えば水性ポリエステル樹脂、水性
ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、アクリル酸グラ
フト系ポリエステル樹脂、マレイン酸グラフト系ポリエ
ステル樹脂等が挙げられる。なかでも、前記の共重合ポ
リエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂を主な構成成分
とする高分子樹脂やマレイン酸グラフト系ポリエステル
樹脂は、基材のPETフィルムや赤外線吸収層との接着
性に優れ、かつ赤外線吸収フィルターの最外層に積層さ
れる反射防止層や防眩処理層との接着性にも優れてお
り、さらに高い透明性も有することから好適である。し
たがって、基材のPETフィルムの赤外線吸収層を積層
する表面、及び基材のPETフィルムの反射防止層ある
いは防眩処理層を積層する表面には、前記の高分子易接
着層、特に共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン
樹脂を主な構成成分とする高分子樹脂及び/又はマレイ
ン酸グラフト系ポリエステル樹脂からなる易接着層を設
けておくことが好ましい。
るものではないが、例えば水性ポリエステル樹脂、水性
ポリウレタン樹脂、水性アクリル樹脂、アクリル酸グラ
フト系ポリエステル樹脂、マレイン酸グラフト系ポリエ
ステル樹脂等が挙げられる。なかでも、前記の共重合ポ
リエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂を主な構成成分
とする高分子樹脂やマレイン酸グラフト系ポリエステル
樹脂は、基材のPETフィルムや赤外線吸収層との接着
性に優れ、かつ赤外線吸収フィルターの最外層に積層さ
れる反射防止層や防眩処理層との接着性にも優れてお
り、さらに高い透明性も有することから好適である。し
たがって、基材のPETフィルムの赤外線吸収層を積層
する表面、及び基材のPETフィルムの反射防止層ある
いは防眩処理層を積層する表面には、前記の高分子易接
着層、特に共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン
樹脂を主な構成成分とする高分子樹脂及び/又はマレイ
ン酸グラフト系ポリエステル樹脂からなる易接着層を設
けておくことが好ましい。
【0081】本発明の赤外線吸収フィルターの透明基材
である二軸配向積層PETフィルムの易接着層に使用さ
れる水性塗布液には、熱架橋反応を促進させるため、触
媒を添加しても良く、例えば無機物質、塩類、有機物
質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物
等、種々の化学物質が用いることができる。また水溶液
のpHを調節するために、アルカリ性物質あるいは酸性
物質を添加してもよい。
である二軸配向積層PETフィルムの易接着層に使用さ
れる水性塗布液には、熱架橋反応を促進させるため、触
媒を添加しても良く、例えば無機物質、塩類、有機物
質、アルカリ性物質、酸性物質および含金属有機化合物
等、種々の化学物質が用いることができる。また水溶液
のpHを調節するために、アルカリ性物質あるいは酸性
物質を添加してもよい。
【0082】上記水性塗布液を基材フィルム表面に塗布
する際には、該フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液
を均一にコートするために、公知のアニオン性活性剤お
よびノニオン性の界面活性剤を必要量使用することがで
きる。塗布液に用いる溶剤は、水のほかに、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなど
のアルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%
未満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未
満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な
範囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール
類とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とす
ることが好ましい。
する際には、該フィルムへの濡れ性を向上させ、塗布液
を均一にコートするために、公知のアニオン性活性剤お
よびノニオン性の界面活性剤を必要量使用することがで
きる。塗布液に用いる溶剤は、水のほかに、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコールなど
のアルコール類を、全塗布液に占める割合が50重量%
未満となるまで混合してもよい。さらに、10重量%未
満であれば、アルコール類以外の有機溶剤を溶解可能な
範囲で混合してもよい。ただし、塗布液中、アルコール
類とその他の有機溶剤との合計は、50重量%未満とす
ることが好ましい。
【0083】有機溶剤の添加量が50重量%未満であれ
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%を越えると、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液
の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下する
ために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらに
は火災などの危険性も考えられる。
ば、塗布乾燥時に乾燥性が向上するとともに、水のみの
場合と比較して塗布膜の外観向上の効果がある。50重
量%を越えると、溶剤の蒸発速度が速く塗工中に塗布液
の濃度変化が起こり、粘度が上昇して塗工性が低下する
ために、塗布膜の外観不良を起こす恐れがあり、さらに
は火災などの危険性も考えられる。
【0084】本発明では基材フィルム中に易滑性付与な
どを目的とした粒子を含有していないため、上記水性塗
布液中に粒子を含有させ、易接着層表面に適度な突起を
形成させることが、フィルムのハンドリング性(滑り
性、巻き性、耐ブロッキング性)、耐摩耗性、耐スクラ
ッチ性などの点から好ましい。かかる粒子の例として
は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオ
リン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、
硫化モリブデンなどの無機粒子、架橋高分子粒子、シュ
ウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。こ
れらの中でも、シリカ粒子はポリエステル樹脂と屈折率
が比較的近く、高い透明性を有するフィルムを得ること
ができるため、最も好適である。
どを目的とした粒子を含有していないため、上記水性塗
布液中に粒子を含有させ、易接着層表面に適度な突起を
形成させることが、フィルムのハンドリング性(滑り
性、巻き性、耐ブロッキング性)、耐摩耗性、耐スクラ
ッチ性などの点から好ましい。かかる粒子の例として
は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオ
リン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、
硫化モリブデンなどの無機粒子、架橋高分子粒子、シュ
ウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。こ
れらの中でも、シリカ粒子はポリエステル樹脂と屈折率
が比較的近く、高い透明性を有するフィルムを得ること
ができるため、最も好適である。
【0085】上記水性塗布液に含有する粒子の平均粒径
は、0.01〜1.0μmが好ましく、0.03〜0.
5μm以下が特に好ましい。平均粒径が1.0μmを超
えると、フィルム表面が粗面化し、フィルムの透明性が
低下する傾向がある。一方、平均粒径が0.01μm未
満では、フィルムの滑り性、巻き性、ブロッキング性な
どが不十分となりやすい。
は、0.01〜1.0μmが好ましく、0.03〜0.
5μm以下が特に好ましい。平均粒径が1.0μmを超
えると、フィルム表面が粗面化し、フィルムの透明性が
低下する傾向がある。一方、平均粒径が0.01μm未
満では、フィルムの滑り性、巻き性、ブロッキング性な
どが不十分となりやすい。
【0086】また、上記易接着層中の粒子含有量は、
0.01〜60重量%が好ましく、0.05〜30重量
%がさらに好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重
量%である。易接着層中の粒子含有量が60重量%を超
えると、フィルムの透明性が悪化しやすくなり、さらに
易接着性が損なわれることがある。一方、易接着層中の
粒子含有量が0.01重量%未満では、フィルムの滑り
性、巻き性、ブロッキング性などが不十分となりやす
い。
0.01〜60重量%が好ましく、0.05〜30重量
%がさらに好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重
量%である。易接着層中の粒子含有量が60重量%を超
えると、フィルムの透明性が悪化しやすくなり、さらに
易接着性が損なわれることがある。一方、易接着層中の
粒子含有量が0.01重量%未満では、フィルムの滑り
性、巻き性、ブロッキング性などが不十分となりやす
い。
【0087】易接着層中に、前記粒子を2種類以上配合
してもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを併用して
もよい。いずれにしても、粒子全体の平均粒径、および
合計の含有量が上記した範囲を満足することが好まし
い。
してもよく、同種の粒子で粒径の異なるものを併用して
もよい。いずれにしても、粒子全体の平均粒径、および
合計の含有量が上記した範囲を満足することが好まし
い。
【0088】上記塗布液を塗布する際には、塗布液中の
粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液
が精密濾過されるように濾材を配置することが好まし
い。
粒子の粗大凝集物を除去するために、塗布直前に塗布液
が精密濾過されるように濾材を配置することが好まし
い。
【0089】本発明で用いられる塗布液を精密濾過する
ための濾材の濾過粒子サイズを25μm以下(初期濾過
効率95%)とすることは、高分子易接着層の表面及び
/又は内部に、100μm以上の最大径を有する粗大物
を高分子易接着層の単位面積当たり3個/m2以下とす
るのに好適である。濾材の濾過粒子サイズが25μm以
上では粗大凝集物を十分除去できず、除去できなかった
多くの粗大凝集物は塗布乾燥後、易接着層が一軸延伸あ
るいは二軸延伸された際に、延伸応力により粗大凝集物
が広がり、100μm以上の凝集物として認識され、結
果として多くの光学欠点が発生する傾向がある。
ための濾材の濾過粒子サイズを25μm以下(初期濾過
効率95%)とすることは、高分子易接着層の表面及び
/又は内部に、100μm以上の最大径を有する粗大物
を高分子易接着層の単位面積当たり3個/m2以下とす
るのに好適である。濾材の濾過粒子サイズが25μm以
上では粗大凝集物を十分除去できず、除去できなかった
多くの粗大凝集物は塗布乾燥後、易接着層が一軸延伸あ
るいは二軸延伸された際に、延伸応力により粗大凝集物
が広がり、100μm以上の凝集物として認識され、結
果として多くの光学欠点が発生する傾向がある。
【0090】塗布液を精密濾過するための濾材のタイプ
は上記性能を有していれば特に限定されないが、例えば
フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が好適であ
る。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記粗
大凝集物の除去性能を有し、且つ塗布液に悪影響を及ば
さなければ特に限定はされないが、例えばステンレス、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの材質が
好適である。
は上記性能を有していれば特に限定されないが、例えば
フィラメント型、フェルト型、メッシュ型が好適であ
る。塗布液を精密濾過するための濾材の材質は、上記粗
大凝集物の除去性能を有し、且つ塗布液に悪影響を及ば
さなければ特に限定はされないが、例えばステンレス、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの材質が
好適である。
【0091】上記水性塗布液中には、易接着性及び透明
性を阻害しない範囲で、粒子以外に帯電防止剤、紫外線
吸収防止剤、可塑剤、抗菌剤、顔料、潤滑剤などの種々
の添加剤を混合してもよい。
性を阻害しない範囲で、粒子以外に帯電防止剤、紫外線
吸収防止剤、可塑剤、抗菌剤、顔料、潤滑剤などの種々
の添加剤を混合してもよい。
【0092】得られた易接着層を有する二軸延伸積層P
ETフィルムの厚みは、50〜300μmが好ましく、
特に好ましくは100〜250μmである。フィルム厚
みが50μm未満では、剛性が不十分となり好ましくな
い。一方、フィルム厚みが300μmを超えると、フィ
ルム中に存在する光学欠点となる異物が増加し、全光線
透過率を低下させるので好ましくない。
ETフィルムの厚みは、50〜300μmが好ましく、
特に好ましくは100〜250μmである。フィルム厚
みが50μm未満では、剛性が不十分となり好ましくな
い。一方、フィルム厚みが300μmを超えると、フィ
ルム中に存在する光学欠点となる異物が増加し、全光線
透過率を低下させるので好ましくない。
【0093】さらに、前記易接着層を有するPETフィ
ルム中に大きさ20μm以上の異物がフィルムの単位面
積当たり10個/m2以下であることが必要であり、好
ましくは8個/m2以下、特に好ましくは6個/m2以下
である。大きさ20μm以上の異物が10個/m2を越
えると、フィルム全体のヘイズ値が上がり、全光線透過
率の低下を招いたりする。さらに、光学欠点の原因とも
なり、赤外線吸収フィルターとして好ましくない。
ルム中に大きさ20μm以上の異物がフィルムの単位面
積当たり10個/m2以下であることが必要であり、好
ましくは8個/m2以下、特に好ましくは6個/m2以下
である。大きさ20μm以上の異物が10個/m2を越
えると、フィルム全体のヘイズ値が上がり、全光線透過
率の低下を招いたりする。さらに、光学欠点の原因とも
なり、赤外線吸収フィルターとして好ましくない。
【0094】大きさ20μm以上の異物がフィルムの単
位面積当たり10個/m2以下とするためには、上記で
説明したように、例えばフィルム用原料としてPET樹
脂を使用する場合、以下の方法が好適である。 (1)PET製造時の重縮合触媒であるSb2O3の含有
量を通常より少なくすること(PETに対してSb元素
として50〜250ppmが好ましく、50〜200p
pmがさらに好ましく、特に好ましくは70〜150p
pm)。 (2)不活性粒子及び内部析出粒子を実質上含有させな
いこと。 (3)重縮合完了後PET樹脂を孔径(95%カット)
が5μm以下のナスロン製フィルターで濾過処理を行な
ったり、溶融樹脂をストランド状に冷却水中に押し出す
際に予め冷却水を濾過処理(孔径:1μm以下)し、か
つこの工程をカーテンで仕切り、ヘパフィルターで環境
中の1μm以上の異物を除去すること。 (4)PETフィルム製造時の押出し工程で溶融PET
樹脂を高精度濾過(濾材の初期濾過効率95%での濾過
粒子サイズ:≦15μm)とすること。
位面積当たり10個/m2以下とするためには、上記で
説明したように、例えばフィルム用原料としてPET樹
脂を使用する場合、以下の方法が好適である。 (1)PET製造時の重縮合触媒であるSb2O3の含有
量を通常より少なくすること(PETに対してSb元素
として50〜250ppmが好ましく、50〜200p
pmがさらに好ましく、特に好ましくは70〜150p
pm)。 (2)不活性粒子及び内部析出粒子を実質上含有させな
いこと。 (3)重縮合完了後PET樹脂を孔径(95%カット)
が5μm以下のナスロン製フィルターで濾過処理を行な
ったり、溶融樹脂をストランド状に冷却水中に押し出す
際に予め冷却水を濾過処理(孔径:1μm以下)し、か
つこの工程をカーテンで仕切り、ヘパフィルターで環境
中の1μm以上の異物を除去すること。 (4)PETフィルム製造時の押出し工程で溶融PET
樹脂を高精度濾過(濾材の初期濾過効率95%での濾過
粒子サイズ:≦15μm)とすること。
【0095】本発明の赤外線吸収フィルターの基材とな
るPETフィルムは、ヘイズ値が1.0%以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは0.8%以下、特に好
ましくは0.6%以下である。ヘイズ値が1.0%を超
えると、このPETフィルムを基材とする赤外線吸収フ
ィルターを使用したディスプレーの画面の鮮明度が低下
するので好ましくない。ヘイズ値を1.0%以下とする
ためには、前記のフィルム中に不活性粒子及び内部析出
粒子を実質上含有させず、かつ前述の粗大異物を除去す
る手段を採用し、さらに高分子易接着層を構成する樹脂
として、共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹
脂を主な構成成分とする高分子樹脂及び/又はマレイン
酸グラフト系ポリエステル樹脂を用いることが有効であ
る。
るPETフィルムは、ヘイズ値が1.0%以下であるこ
とが好ましい。さらに好ましくは0.8%以下、特に好
ましくは0.6%以下である。ヘイズ値が1.0%を超
えると、このPETフィルムを基材とする赤外線吸収フ
ィルターを使用したディスプレーの画面の鮮明度が低下
するので好ましくない。ヘイズ値を1.0%以下とする
ためには、前記のフィルム中に不活性粒子及び内部析出
粒子を実質上含有させず、かつ前述の粗大異物を除去す
る手段を採用し、さらに高分子易接着層を構成する樹脂
として、共重合ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹
脂を主な構成成分とする高分子樹脂及び/又はマレイン
酸グラフト系ポリエステル樹脂を用いることが有効であ
る。
【0096】前記で得られた二軸配向積層PETフィル
ムの少なくとも片面に高分子易接着層を積層したフィル
ムに、赤外線吸収層を積層する。赤外線吸収層の積層は
透明高分子フィルムの易接着面でも良いし、易接着層の
ない面でもかまわない。
ムの少なくとも片面に高分子易接着層を積層したフィル
ムに、赤外線吸収層を積層する。赤外線吸収層の積層は
透明高分子フィルムの易接着面でも良いし、易接着層の
ない面でもかまわない。
【0097】また、本発明の赤外線吸収フィルターの耐
光性を一層向上させるために、UV吸収剤を赤外線吸収
層に含有させてもよい。さらに、耐候性及び耐溶剤性を
一層向上させるために、赤外線吸収色素を分散する高分
子樹脂を、架橋剤を用いて架橋させても良い。また、本
発明の赤外線吸収フィルターの赤外線吸収層中には、本
発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、更に他種
の色素を混合しても構わない。
光性を一層向上させるために、UV吸収剤を赤外線吸収
層に含有させてもよい。さらに、耐候性及び耐溶剤性を
一層向上させるために、赤外線吸収色素を分散する高分
子樹脂を、架橋剤を用いて架橋させても良い。また、本
発明の赤外線吸収フィルターの赤外線吸収層中には、本
発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、更に他種
の色素を混合しても構わない。
【0098】但し、PETフィルムの両面に赤外線吸収
層を積層させた赤外線フィルターを製造する場合、赤外
線吸収層によりフィルムの両面が平滑になるため、量産
時ロール状に巻き取ることが困難となる。そこで、前記
赤外線吸収層の少なくとも片面に不活性粒子を含有さ
せ、赤外線吸収層表面に凹凸を形成させることにより、
滑り性、巻き性、ブロッキング性などのハンドリング特
性を改善させることが好ましい。不活性粒子は、赤外線
吸収色素を分散させる高分子樹脂中に混合しておくこと
が好ましい。不活性粒子としては、透明性の点より、可
視光線の波長よりも短波長である平均粒径が0.01〜
0.1μmのシリカ、アルミナなどの金属酸化物や、フ
ッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂の微
粒子を使用することができる。また、本発明の赤外線吸
収フィルターの赤外線吸収層には、耐光性を向上させる
目的で、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。さ
らに、本発明の赤外線吸収フィルターの赤外線吸収層中
には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、
更に他種の色素を混合しても構わない。
層を積層させた赤外線フィルターを製造する場合、赤外
線吸収層によりフィルムの両面が平滑になるため、量産
時ロール状に巻き取ることが困難となる。そこで、前記
赤外線吸収層の少なくとも片面に不活性粒子を含有さ
せ、赤外線吸収層表面に凹凸を形成させることにより、
滑り性、巻き性、ブロッキング性などのハンドリング特
性を改善させることが好ましい。不活性粒子は、赤外線
吸収色素を分散させる高分子樹脂中に混合しておくこと
が好ましい。不活性粒子としては、透明性の点より、可
視光線の波長よりも短波長である平均粒径が0.01〜
0.1μmのシリカ、アルミナなどの金属酸化物や、フ
ッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂の微
粒子を使用することができる。また、本発明の赤外線吸
収フィルターの赤外線吸収層には、耐光性を向上させる
目的で、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。さ
らに、本発明の赤外線吸収フィルターの赤外線吸収層中
には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、
更に他種の色素を混合しても構わない。
【0099】基材のPETフィルムの少なくとも片面に
赤外線吸収層を積層する際、メチルエチルケトン、テト
ラヒドロフラン、トルエンなどの溶剤で高分子樹脂を溶
解させ、次いで赤外線吸収色素を分散させた塗布液を基
材フィルムの少なくとも片面に塗布乾燥させることが好
ましい。また、本発明の赤外線吸収フィルターの赤外線
吸収層には、耐光性を向上させる目的で、紫外線吸収剤
を含有させることが好ましい。さらに、本発明の赤外線
吸収フィルターの赤外線吸収層中には、本発明の効果を
阻害しない範囲で必要に応じて、更に他種の色素を混合
しても構わない。
赤外線吸収層を積層する際、メチルエチルケトン、テト
ラヒドロフラン、トルエンなどの溶剤で高分子樹脂を溶
解させ、次いで赤外線吸収色素を分散させた塗布液を基
材フィルムの少なくとも片面に塗布乾燥させることが好
ましい。また、本発明の赤外線吸収フィルターの赤外線
吸収層には、耐光性を向上させる目的で、紫外線吸収剤
を含有させることが好ましい。さらに、本発明の赤外線
吸収フィルターの赤外線吸収層中には、本発明の効果を
阻害しない範囲で必要に応じて、更に他種の色素を混合
しても構わない。
【0100】基材フィルムの両面に赤外線吸収層を塗布
する場合、その方法は特に限定されるものではないが、
一例として次に様な方法を用いることができる。例え
ば、一つのコーティングライン上に複数個のコーターヘ
ッドを設けることにより、両面を同時にコーティングし
両面同時に乾燥させる方法、または、初めに片面にコー
ティングし乾燥させた後、再度裏面をコーティングし乾
燥させる方法などが挙げられる。
する場合、その方法は特に限定されるものではないが、
一例として次に様な方法を用いることができる。例え
ば、一つのコーティングライン上に複数個のコーターヘ
ッドを設けることにより、両面を同時にコーティングし
両面同時に乾燥させる方法、または、初めに片面にコー
ティングし乾燥させた後、再度裏面をコーティングし乾
燥させる方法などが挙げられる。
【0101】本発明の赤外線吸収フィルターは、赤外線
吸収層と同一面または反対面に金属メッシュ導電層を積
層することが好ましい。金属メッシュ導電層を積層する
ことにより、ディスプレーから放出される有害電磁波を
除去することが可能となる。金属メッシュ導電層として
は、電気電導性の高い金属箔をエッチング処理を施し
て、メッシュ状にしたものや、金属繊維を使った織物状
のメッシュや、高分子繊維の表面に金属をメッキ等の手
法を用いて付着させた繊維を用いても良い。
吸収層と同一面または反対面に金属メッシュ導電層を積
層することが好ましい。金属メッシュ導電層を積層する
ことにより、ディスプレーから放出される有害電磁波を
除去することが可能となる。金属メッシュ導電層として
は、電気電導性の高い金属箔をエッチング処理を施し
て、メッシュ状にしたものや、金属繊維を使った織物状
のメッシュや、高分子繊維の表面に金属をメッキ等の手
法を用いて付着させた繊維を用いても良い。
【0102】上記電磁波吸収層に用いられる金属メッシ
ュの開口率は、ディスプレー用途に用いた場合を考慮す
ると、50%以上とすることが好ましい。前記電磁波吸
収層に使用される金属は、電気電導性が高く、かつ安定
性が良ければ、いかなる金属でも良く、特に限定される
ものではない。加工性、コストなどの観点より、好まし
くは、銅、ニッケル、タングステンなどが良い。
ュの開口率は、ディスプレー用途に用いた場合を考慮す
ると、50%以上とすることが好ましい。前記電磁波吸
収層に使用される金属は、電気電導性が高く、かつ安定
性が良ければ、いかなる金属でも良く、特に限定される
ものではない。加工性、コストなどの観点より、好まし
くは、銅、ニッケル、タングステンなどが良い。
【0103】また、本発明の赤外線吸収フィルターは、
最外層に耐スクラッチ性改善のために、ハードコート処
理層(HC)を設けてもよい。このハードコート処理層
(HC)としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの硬化性樹
脂を単体もしくは混合した架橋性樹脂硬化物層が好まし
い。
最外層に耐スクラッチ性改善のために、ハードコート処
理層(HC)を設けてもよい。このハードコート処理層
(HC)としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹
脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの硬化性樹
脂を単体もしくは混合した架橋性樹脂硬化物層が好まし
い。
【0104】このハードコート処理層(HC)の厚さ
は、1〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは
2〜30μmの範囲である。厚さが1μmより薄い場合
は、耐スクラッチ性が不十分となり、50μmを越える
厚さでは、ハードコート用樹脂のコーティングの速度が
著しく遅くなり、生産性の面で好ましくない。
は、1〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは
2〜30μmの範囲である。厚さが1μmより薄い場合
は、耐スクラッチ性が不十分となり、50μmを越える
厚さでは、ハードコート用樹脂のコーティングの速度が
著しく遅くなり、生産性の面で好ましくない。
【0105】ハードコート処理層(HC)を積層する方
法としては、PETフィルムの赤外線吸収層を設けた面
の反対側の面に、上記の樹脂をグラビア方式、リバース
方式、ダイ方式などでコーティングした後、熱、紫外
線、電子線等のエネルギーを印加して硬化させる方法が
好ましい。
法としては、PETフィルムの赤外線吸収層を設けた面
の反対側の面に、上記の樹脂をグラビア方式、リバース
方式、ダイ方式などでコーティングした後、熱、紫外
線、電子線等のエネルギーを印加して硬化させる方法が
好ましい。
【0106】また、本発明の赤外線吸収フィルターは、
プラズマディスプレイなどに用いた場合の視認性向上の
ために、最外層に、防眩処理層(AG)を設けてもよ
い。防眩処理層(AG)は、硬化性樹脂をコーティン
グ、乾燥後にエンボスロールで表面に凹凸を形成し、こ
の後熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加し、硬化
させることにより製造することができる。前記硬化性樹
脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリ
コン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単体もしくは混合
したものが好ましい。
プラズマディスプレイなどに用いた場合の視認性向上の
ために、最外層に、防眩処理層(AG)を設けてもよ
い。防眩処理層(AG)は、硬化性樹脂をコーティン
グ、乾燥後にエンボスロールで表面に凹凸を形成し、こ
の後熱、紫外線、電子線等のエネルギーを印加し、硬化
させることにより製造することができる。前記硬化性樹
脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ア
クリル系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリ
コン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの単体もしくは混合
したものが好ましい。
【0107】さらに、本発明赤外線吸収フィルターをデ
ィスプレーに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上
させるために、最外層に反射防止処理層(AR)を設け
てもよい。この反射防止処理層(AR)には、プラスチ
ックフィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する材料を
単層もしくは2層以上の積層するのが好ましい。単層構
造の場合、プラスチックフィルムよりも小さな屈折率を
有する材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構
造とする場合は、プラスチックフィルムと隣接する層に
は、プラスチックフィルムよりも大きな屈折率を有する
材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を
有する材料を選ぶことが好ましい。このような反射防止
処理層(AR)を構成する材料としては、有機材料でも
無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定
されないが、例えば、CaF2、MgF2、NaAl
F4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd2O3、Sn
O2、TiO2、CeO2、ZnS、In2O3などの誘電
体を用いるのが好ましい。
ィスプレーに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上
させるために、最外層に反射防止処理層(AR)を設け
てもよい。この反射防止処理層(AR)には、プラスチ
ックフィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する材料を
単層もしくは2層以上の積層するのが好ましい。単層構
造の場合、プラスチックフィルムよりも小さな屈折率を
有する材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構
造とする場合は、プラスチックフィルムと隣接する層に
は、プラスチックフィルムよりも大きな屈折率を有する
材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を
有する材料を選ぶことが好ましい。このような反射防止
処理層(AR)を構成する材料としては、有機材料でも
無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定
されないが、例えば、CaF2、MgF2、NaAl
F4、SiO2、ThF4、ZrO2、Nd2O3、Sn
O2、TiO2、CeO2、ZnS、In2O3などの誘電
体を用いるのが好ましい。
【0108】この反射防止処理層(AR)の積層方法
は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン
プレーティング法などのドライコーティングプロセスで
も、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェ
ットコーティングプロセスでもよい。
は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオン
プレーティング法などのドライコーティングプロセスで
も、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェ
ットコーティングプロセスでもよい。
【0109】さらに、このハードコート処理層(H
C)、防眩処理層(AG)、反射防止処理層(AR)の
積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、
紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知
の処理を施してもよい。
C)、防眩処理層(AG)、反射防止処理層(AR)の
積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、
紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知
の処理を施してもよい。
【0110】
【実施例】次に、本発明の赤外線吸収フィルターの製造
方法について、実施例を用いて詳しく説明するが、当然
これに限定されるものではない。実施例及び比較例で使
用した「部」は、特に断らない限り、「重量部」を意味
する。また、本明細書中で使用した特性値の評価は下記
の方法によった。
方法について、実施例を用いて詳しく説明するが、当然
これに限定されるものではない。実施例及び比較例で使
用した「部」は、特に断らない限り、「重量部」を意味
する。また、本明細書中で使用した特性値の評価は下記
の方法によった。
【0111】(1)ポリエステル樹脂の極限粘度 1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノ−ル(重
量比:2/3)の混合溶媒中で、30℃での溶液粘度か
ら求めた。
量比:2/3)の混合溶媒中で、30℃での溶液粘度か
ら求めた。
【0112】(2)フィルム中異物及び塗布液中粗大凝
集物の大きさ 以下に説明する光学欠点検出装置により、250mm×
250mmのフィルム片16枚について、光学的に50
μm以上の大きさと認識される光学欠点を検出した。 (光学欠点の検出原理)投光器として20W×2灯の蛍
光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット
幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線
上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度
で光を入射すると、そこに光学欠点が存在するとその部
分が光り輝き、その光量をXYテーブル上方500mm
に配置したCCDイメージセンサカメラで電気信号に変
換し、その電気信号を増幅し、微分してスレッシュホー
ルドレベルとコンパレータで比較して、光学欠点の検出
信号を出力する。また、CCDイメージセンサカメラか
ら入力されたビデオ信号を画像手順により光学欠点の大
きさを計測し設定された大きさの光学欠点の位置を表示
する。
集物の大きさ 以下に説明する光学欠点検出装置により、250mm×
250mmのフィルム片16枚について、光学的に50
μm以上の大きさと認識される光学欠点を検出した。 (光学欠点の検出原理)投光器として20W×2灯の蛍
光灯をXYテーブル下方400mmに配置し、スリット
幅10mmのマスクを設ける。投光器と受光器を結ぶ線
上と測定するフィルム面の鉛直方向となす角度を12度
で光を入射すると、そこに光学欠点が存在するとその部
分が光り輝き、その光量をXYテーブル上方500mm
に配置したCCDイメージセンサカメラで電気信号に変
換し、その電気信号を増幅し、微分してスレッシュホー
ルドレベルとコンパレータで比較して、光学欠点の検出
信号を出力する。また、CCDイメージセンサカメラか
ら入力されたビデオ信号を画像手順により光学欠点の大
きさを計測し設定された大きさの光学欠点の位置を表示
する。
【0113】前述の光学欠点検出装置を用い、検出した
欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中の粗大
凝集物による光学欠点を選び出し、さらに適当な大きさ
に切り取って、スケール付き顕微鏡でフィルム面に対し
て垂直方向から観察した時の大きさを測定した。異物に
よる光学欠点の場合は、異物の大きさの最大径を測定
し、20μm以上の大きさの異物をフィルム単位面積
(1m2)当たりの個数で求めた。塗布液中の粗大凝集
物の場合、粗大凝集物の最大径を測定し、100μm以
上の大きさの異物を易接着層の単位面積(1m2)当た
りの個数で求めた。
欠点部分から異物による光学欠点、及び塗布液中の粗大
凝集物による光学欠点を選び出し、さらに適当な大きさ
に切り取って、スケール付き顕微鏡でフィルム面に対し
て垂直方向から観察した時の大きさを測定した。異物に
よる光学欠点の場合は、異物の大きさの最大径を測定
し、20μm以上の大きさの異物をフィルム単位面積
(1m2)当たりの個数で求めた。塗布液中の粗大凝集
物の場合、粗大凝集物の最大径を測定し、100μm以
上の大きさの異物を易接着層の単位面積(1m2)当た
りの個数で求めた。
【0114】(3)ヘイズ値 JIS−K7105に準じ、ヘイズメーター(東京電色
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
工業社製モデルTC−H3DP)を用いて測定した。
【0115】(4)分光特性 自記分光光度計(日立U−3500型)を用い、波長1
500〜200nmの範囲で測定した。
500〜200nmの範囲で測定した。
【0116】(5)環境安定性 温度60℃、湿度95%の雰囲気下でサンプルを500
時間放置した後、上記記載の分光特性を測定した。
時間放置した後、上記記載の分光特性を測定した。
【0117】(実施例1) (1)高分子易接着層用塗布液の調整 本発明で透明高分子フィルムに積層する高分子易接着層
に用いる塗布液を以下の方法に従って調製した。ジメチ
ルテレフタレート95部、ジメチルイソフタレート95
部、エチレングリコール35部、ネオペンチルグリコー
ル145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化アンチモン
0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけて
エステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムイソ
フタル酸6.0部を添加し、240℃で1時間かけてエ
ステル化反応を行った後、250℃で減圧下(13.3
〜0.267hPa)で2時間かけて重縮合反応を行
い、分子量19,500、軟化点60℃のポリエステル
樹脂を得た。
に用いる塗布液を以下の方法に従って調製した。ジメチ
ルテレフタレート95部、ジメチルイソフタレート95
部、エチレングリコール35部、ネオペンチルグリコー
ル145部、酢酸亜鉛0.1部および三酸化アンチモン
0.1部を反応容器に仕込み、180℃で3時間かけて
エステル交換反応を行った。次に、5−ナトリウムイソ
フタル酸6.0部を添加し、240℃で1時間かけてエ
ステル化反応を行った後、250℃で減圧下(13.3
〜0.267hPa)で2時間かけて重縮合反応を行
い、分子量19,500、軟化点60℃のポリエステル
樹脂を得た。
【0118】得られたポリエステル樹脂(A)の30%
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(Cat
64)を0.5部、水を44.3部およびイソプロピル
アルコールを5部、それぞれ混合し、さらにアニオン系
界面活性剤の10%水溶液を0.6部、球状シリカ粒子
A(日産化学工業社製:スノーテックスOL、平均粒径
40nm)の20%水分散液を1.8部、乾式法シリカ
粒子B(日本アエロジル社製;アエロジルOX50、平
均粒径500nm、平均一次粒径40nm)の4%水分
散液を1.1部添加し塗布液とした。(以下、塗布液A
Bと略記する。)
水分散液を6.7部、重亜硫酸ソーダでブロックしたイ
ソシアネート基を含有する自己架橋型ポリウレタン樹脂
(B)の20%水溶液(第一工業製薬製:商品名エラス
トロンH−3)を40部、エラストロン用触媒(Cat
64)を0.5部、水を44.3部およびイソプロピル
アルコールを5部、それぞれ混合し、さらにアニオン系
界面活性剤の10%水溶液を0.6部、球状シリカ粒子
A(日産化学工業社製:スノーテックスOL、平均粒径
40nm)の20%水分散液を1.8部、乾式法シリカ
粒子B(日本アエロジル社製;アエロジルOX50、平
均粒径500nm、平均一次粒径40nm)の4%水分
散液を1.1部添加し塗布液とした。(以下、塗布液A
Bと略記する。)
【0119】(2)PET樹脂の製造 エステル化反応缶を昇温し、200℃に到達した時点
で、テレフタル酸を86.4重量部及びエチレングリコ
ールを64.4重量部からなるスラリーを仕込み、攪拌
しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017重量
部及びトリエチルアミンを0.16重量部添加した。次
いで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240
℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エ
ステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水
和物0.071重量部、次いでリン酸トリメチル0.0
14重量部を添加した。さらに、15分かけて260℃
に昇温し、リン酸トリメチル0.012重量部、次いで
酢酸ナトリウム0.0036重量部を添加した。15分
後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移
送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、2
85℃で重縮合反応を行った。重縮合反応終了後、95
%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理
を行った。溶融樹脂をノズルから冷却水槽中に押し出
し、このストランド状PET樹脂をカットしてPETチ
ップを得た。得られたPETチップ(A)は、極限粘度
が0.62dl/g、Sb含有量が144ppm、Mg
含有量が58ppm、P量が40ppm、カラーL値が
56.2、カラーb値が1.6であり、不活性粒子及び
内部析出粒子は実質上含有していなかった。
で、テレフタル酸を86.4重量部及びエチレングリコ
ールを64.4重量部からなるスラリーを仕込み、攪拌
しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017重量
部及びトリエチルアミンを0.16重量部添加した。次
いで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240
℃の条件で、加圧エステル化反応を行った。その後、エ
ステル化反応缶内を常圧に戻し、酢酸マグネシウム4水
和物0.071重量部、次いでリン酸トリメチル0.0
14重量部を添加した。さらに、15分かけて260℃
に昇温し、リン酸トリメチル0.012重量部、次いで
酢酸ナトリウム0.0036重量部を添加した。15分
後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移
送し、減圧下260℃から280℃へ徐々に昇温し、2
85℃で重縮合反応を行った。重縮合反応終了後、95
%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理
を行った。溶融樹脂をノズルから冷却水槽中に押し出
し、このストランド状PET樹脂をカットしてPETチ
ップを得た。得られたPETチップ(A)は、極限粘度
が0.62dl/g、Sb含有量が144ppm、Mg
含有量が58ppm、P量が40ppm、カラーL値が
56.2、カラーb値が1.6であり、不活性粒子及び
内部析出粒子は実質上含有していなかった。
【0120】(3)易接着フィルムの製膜 フィルム用原料として上記PETチップ(A)を使用
し、135℃で6時間減圧乾燥(1.33hPa)した
後、押し出し機に供給した。この際、溶融樹脂を濾過粒
子サイズ(初期濾過効率95%)15μmのステンレス
製焼結濾材を用いて、濾過処理を行った。次いで、約2
80℃の溶融樹脂をダイスからシート状に溶融押し出し
て、表面温度20℃に保った金属冷却ロール(チルロー
ル)上で静電気を印可して急冷固化させ、厚さ1400
μmの未延伸フィルムを得た。
し、135℃で6時間減圧乾燥(1.33hPa)した
後、押し出し機に供給した。この際、溶融樹脂を濾過粒
子サイズ(初期濾過効率95%)15μmのステンレス
製焼結濾材を用いて、濾過処理を行った。次いで、約2
80℃の溶融樹脂をダイスからシート状に溶融押し出し
て、表面温度20℃に保った金属冷却ロール(チルロー
ル)上で静電気を印可して急冷固化させ、厚さ1400
μmの未延伸フィルムを得た。
【0121】次に、この未延伸フィルムを加熱されたロ
ール群及び赤外線ヒーターを用いてで100℃に加熱
し、その後周速差のあるロール群で長手方向に2段階に
分け総縦延伸倍率が3.5倍となるように延伸して一軸
配向PETフィルムを得た。
ール群及び赤外線ヒーターを用いてで100℃に加熱
し、その後周速差のあるロール群で長手方向に2段階に
分け総縦延伸倍率が3.5倍となるように延伸して一軸
配向PETフィルムを得た。
【0122】その後、前記塗布液を濾過粒子サイズ(初
期濾過効率95%)25μmのフェルト型ポリプロピレ
ン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で前記一軸配
向PETフィルムの片面に塗布、乾燥した。なお、未延
伸キャストフィルム製造後から塗布工程における空気中
のクリーン度(0.5μ以上の粒子数/ft3)はクラ
ス100,000となるようヘパフィルターによりコン
トロールした。引き続いて、フィルムの端部をクリップ
で把持してテンターの予熱ゾーンにおいて80℃で20
秒間塗布層を乾燥させた後、横延伸ゾーンで幅方向に1
30℃で4.0倍に延伸した。続いて240℃で熱固定
処理を行い、さらに200℃で3%の横緩和処理を行
い、易接着層を有する厚さ100μmの二軸配向PET
フィルムを得た。また、塗布量は固形分量として0.1
0g/m2であった。得られた易接着層を有する二軸配
向PETフィルムは、フィルム中に粒子を実質上含有し
ておらず、フィルム中に存在する最大径が20μm以上
の異物は6個/m2、易接着層の表面及び内部に存在す
る最大径が100μm以上の異物の個数は3個/m2で
あった。
期濾過効率95%)25μmのフェルト型ポリプロピレ
ン製濾材で精密濾過し、リバースロール法で前記一軸配
向PETフィルムの片面に塗布、乾燥した。なお、未延
伸キャストフィルム製造後から塗布工程における空気中
のクリーン度(0.5μ以上の粒子数/ft3)はクラ
ス100,000となるようヘパフィルターによりコン
トロールした。引き続いて、フィルムの端部をクリップ
で把持してテンターの予熱ゾーンにおいて80℃で20
秒間塗布層を乾燥させた後、横延伸ゾーンで幅方向に1
30℃で4.0倍に延伸した。続いて240℃で熱固定
処理を行い、さらに200℃で3%の横緩和処理を行
い、易接着層を有する厚さ100μmの二軸配向PET
フィルムを得た。また、塗布量は固形分量として0.1
0g/m2であった。得られた易接着層を有する二軸配
向PETフィルムは、フィルム中に粒子を実質上含有し
ておらず、フィルム中に存在する最大径が20μm以上
の異物は6個/m2、易接着層の表面及び内部に存在す
る最大径が100μm以上の異物の個数は3個/m2で
あった。
【0123】(4)赤外線吸収層用共重合ポリエステル
樹脂の製造 赤外線吸収色素の分散媒となる共重合ポリエステル樹脂
を以下の要領で製作した。温度計、撹拌機を備えたオ−
トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコール 93重量部 トリシクロデカンジメタノール 137重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を245℃
まで昇温し、系の圧力1.33〜13.3hPaとして
180分間反応を続け、共重合ポリエステル樹脂(A
1)を得た。共重合ポリエステル樹脂(A1)の極限粘
度は0.40dl/g、ガラス転移温度は90℃、比重
は1.245であった。
樹脂の製造 赤外線吸収色素の分散媒となる共重合ポリエステル樹脂
を以下の要領で製作した。温度計、撹拌機を備えたオ−
トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコール 93重量部 トリシクロデカンジメタノール 137重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を245℃
まで昇温し、系の圧力1.33〜13.3hPaとして
180分間反応を続け、共重合ポリエステル樹脂(A
1)を得た。共重合ポリエステル樹脂(A1)の極限粘
度は0.40dl/g、ガラス転移温度は90℃、比重
は1.245であった。
【0124】また、NMR分析による共重合ポリエステ
ル樹脂(A1)の構成成分の組成比は、 酸成分 テレフタル酸 71mol% イソフタル酸 29mol% アルコール成分 エチレングリコール 31mol% トリシクロデカンジメタノール 69mol% であった。
ル樹脂(A1)の構成成分の組成比は、 酸成分 テレフタル酸 71mol% イソフタル酸 29mol% アルコール成分 エチレングリコール 31mol% トリシクロデカンジメタノール 69mol% であった。
【0125】(5)赤外線吸収フィルターの製造 次に、フラスコ中に、溶剤、前記共重合ポリエステル樹
脂(A1)、及び赤外線吸収色素を表1に示すような組
成で添加し、加熱しながら攪拌し、赤外線吸収色素及び
共重合ポリエステル樹脂(A1)を溶解した。更に溶解
した樹脂を前記易接着PETフィルム基材の易接着層面
に、ギャップが100μmのアプリケーターを用いて塗
布し、乾燥温度90℃で1時間乾燥させた。乾燥後の赤
外線吸収層の厚みは25μm、残留溶剤量は1重量%で
あった。
脂(A1)、及び赤外線吸収色素を表1に示すような組
成で添加し、加熱しながら攪拌し、赤外線吸収色素及び
共重合ポリエステル樹脂(A1)を溶解した。更に溶解
した樹脂を前記易接着PETフィルム基材の易接着層面
に、ギャップが100μmのアプリケーターを用いて塗
布し、乾燥温度90℃で1時間乾燥させた。乾燥後の赤
外線吸収層の厚みは25μm、残留溶剤量は1重量%で
あった。
【0126】得られた赤外線吸収フィルターは、目視で
の色目はダークグレーであった。図1にその分光特性を
示す。図1に示すように、波長400nmから650n
mまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700
nm以上では急峻に吸収がある赤外線吸収フィルターが
得られた。また、ヘイズ値は0.5%と極めて小さく高
透明であった。
の色目はダークグレーであった。図1にその分光特性を
示す。図1に示すように、波長400nmから650n
mまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700
nm以上では急峻に吸収がある赤外線吸収フィルターが
得られた。また、ヘイズ値は0.5%と極めて小さく高
透明であった。
【0127】得られた赤外線吸収フィルターを温度60
℃、湿度95%RHの雰囲気中に500時間放置し、再
度分光特性を測定したところ図2のようになり、若干の
色変化は見られるが、近赤外線吸収特性を維持してい
た。また、得られたフィルターを、プラズマディスプレ
ーの前面に配置したところ、色目の変化はなく、コント
ラストが向上し、かつ近赤外線の放射も低減していた。
℃、湿度95%RHの雰囲気中に500時間放置し、再
度分光特性を測定したところ図2のようになり、若干の
色変化は見られるが、近赤外線吸収特性を維持してい
た。また、得られたフィルターを、プラズマディスプレ
ーの前面に配置したところ、色目の変化はなく、コント
ラストが向上し、かつ近赤外線の放射も低減していた。
【0128】
【表1】
【0129】(実施例2)実施例1の赤外線吸収フィル
ターの製造において、赤外線吸収層用塗布液の組成を表
2に示すような組成に変更した以外は実施例1と同様な
方法で、赤外線吸収フィルターを得た。乾燥後の赤外線
吸収層の厚さは25μm、残留溶剤量は1重量%であっ
た。図3にその分光特性を示す。得られた赤外線吸収フ
ィルターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に5
00時間放置し、再度分光特性を測定したところ図4の
ようになり、若干の色変化は見られるが、近赤外線吸収
特性を維持していた。
ターの製造において、赤外線吸収層用塗布液の組成を表
2に示すような組成に変更した以外は実施例1と同様な
方法で、赤外線吸収フィルターを得た。乾燥後の赤外線
吸収層の厚さは25μm、残留溶剤量は1重量%であっ
た。図3にその分光特性を示す。得られた赤外線吸収フ
ィルターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に5
00時間放置し、再度分光特性を測定したところ図4の
ようになり、若干の色変化は見られるが、近赤外線吸収
特性を維持していた。
【0130】
【表2】
【0131】(比較例1)赤外線吸収層用高分子樹脂と
して、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロ
ンRV200、比重1.255、ガラス転移温度67
℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして赤外線吸収
層用塗布液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾
燥後の赤外線吸収層の厚さは25μmであった。得られ
た赤外線吸収フィルターは、目視での色目はダークグレ
ーであった。図5にその分光特性を示す。図5に示すよ
うに、波長400nmから650nmまでの可視領域に
おいては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に
吸収がある赤外線吸収フィルターが得られた。
して、共重合ポリエステル樹脂(東洋紡績社製、バイロ
ンRV200、比重1.255、ガラス転移温度67
℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして赤外線吸収
層用塗布液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾
燥後の赤外線吸収層の厚さは25μmであった。得られ
た赤外線吸収フィルターは、目視での色目はダークグレ
ーであった。図5にその分光特性を示す。図5に示すよ
うに、波長400nmから650nmまでの可視領域に
おいては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に
吸収がある赤外線吸収フィルターが得られた。
【0132】しかしながら、得られた赤外線吸収フィル
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図6のよう
になり、色調が緑色に変化し、近赤外線吸収特性は極め
て悪くなった。
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図6のよう
になり、色調が緑色に変化し、近赤外線吸収特性は極め
て悪くなった。
【0133】(比較例2)赤外線吸収色素の分散媒とな
る共重合ポリエステル樹脂を以下の要領で製作した。温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコール 105重量部 トリシクロデカンジメタノール 98重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を245℃
まで昇温し、系の圧力1.33〜13.3hPaとして
180分間反応を続け、共重合ポリエステル樹脂(A
2)を得た。この共重合ポリエステル樹脂の極限粘度は
0.40dl/g、ガラス転移温度は80℃、比重は
1.245であった。
る共重合ポリエステル樹脂を以下の要領で製作した。温
度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチル 136重量部 イソフタル酸ジメチル 58重量部 エチレングリコール 105重量部 トリシクロデカンジメタノール 98重量部 三酸化アンチモン 0.09重量部 を仕込み170〜220℃で180分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を245℃
まで昇温し、系の圧力1.33〜13.3hPaとして
180分間反応を続け、共重合ポリエステル樹脂(A
2)を得た。この共重合ポリエステル樹脂の極限粘度は
0.40dl/g、ガラス転移温度は80℃、比重は
1.245であった。
【0134】また、NMR分析による上記共重合ポリエ
ステル樹脂(A2)の構成成分の組成比は、 酸成分 テレフタル酸 71mol% イソフタル酸 29mol% アルコール成分 エチレングリコール 49mol% トリシクロデカンジメタノール 51mol% であった。
ステル樹脂(A2)の構成成分の組成比は、 酸成分 テレフタル酸 71mol% イソフタル酸 29mol% アルコール成分 エチレングリコール 49mol% トリシクロデカンジメタノール 51mol% であった。
【0135】赤外線吸収層用高分子樹脂として、上記共
重合ポリエステル樹脂(A2)を用いる以外は、実施例
1と同様にして赤外線吸収層用塗布液を調整し、赤外線
吸収フィルターを得た。乾燥後の赤外線吸収層の厚さは
25μmであった。得られた赤外線吸収フィルターは、
目視での色目はダークグレーであった。また、その分光
特性は実施例1とほぼ同等の分光特性を有していた。
重合ポリエステル樹脂(A2)を用いる以外は、実施例
1と同様にして赤外線吸収層用塗布液を調整し、赤外線
吸収フィルターを得た。乾燥後の赤外線吸収層の厚さは
25μmであった。得られた赤外線吸収フィルターは、
目視での色目はダークグレーであった。また、その分光
特性は実施例1とほぼ同等の分光特性を有していた。
【0136】しかしながら、得られた赤外線吸収フィル
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図7のよう
になり、色調が緑色に変化し、近赤外線吸収特性は極め
て悪くなった。
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図7のよう
になり、色調が緑色に変化し、近赤外線吸収特性は極め
て悪くなった。
【0137】(比較例3)赤外線吸収層用高分子樹脂と
して、比較例1で使用した共重合ポリエステル樹脂(A
2)を用いる以外は、実施例2と同様にして赤外線吸収
層用塗布液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾
燥後の赤外線吸収層の厚さは25μmであった。得られ
た赤外線吸収フィルターは、目視での色目はダークグレ
ーであった。図8にその分光特性を示す。図8に示すよ
うに、波長400nmから650nmまでの可視領域に
おいては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に
吸収がある赤外線吸収フィルターが得られた。
して、比較例1で使用した共重合ポリエステル樹脂(A
2)を用いる以外は、実施例2と同様にして赤外線吸収
層用塗布液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾
燥後の赤外線吸収層の厚さは25μmであった。得られ
た赤外線吸収フィルターは、目視での色目はダークグレ
ーであった。図8にその分光特性を示す。図8に示すよ
うに、波長400nmから650nmまでの可視領域に
おいては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に
吸収がある赤外線吸収フィルターが得られた。
【0138】しかしながら、得られた赤外線吸収フィル
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図9のよう
になり、色調が黄緑色に変化した。
ターを温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中に500
時間放置し、再度分光特性を測定したところ図9のよう
になり、色調が黄緑色に変化した。
【0139】(比較例4)赤外線吸収層用高分子樹脂と
して、特再平9−838855号公報の実施例1に記載
の共重合ポリエステル樹脂(A3;ガラス転移温度14
0℃、極限粘度0.42、分子量Mw45000)を用
いる以外は、実施例1と同様にして赤外線吸収層用塗布
液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾燥後の赤
外線吸収層の厚さは25μmであった。得られた赤外線
吸収フィルターは、目視での色目はダークグレーであっ
た。また、その分光特性は実施例1とほぼ同等の分光特
性を有していた。しかしながら、得られた赤外線吸収フ
ィルターを静置したところ湾曲していた。また、得られ
た赤外線吸収フィルターを温度60℃、湿度95%RH
の雰囲気中に500時間放置したところ、赤外線吸収層
が基材のPETフィルムから完全に剥離した。
して、特再平9−838855号公報の実施例1に記載
の共重合ポリエステル樹脂(A3;ガラス転移温度14
0℃、極限粘度0.42、分子量Mw45000)を用
いる以外は、実施例1と同様にして赤外線吸収層用塗布
液を調整し、赤外線吸収フィルターを得た。乾燥後の赤
外線吸収層の厚さは25μmであった。得られた赤外線
吸収フィルターは、目視での色目はダークグレーであっ
た。また、その分光特性は実施例1とほぼ同等の分光特
性を有していた。しかしながら、得られた赤外線吸収フ
ィルターを静置したところ湾曲していた。また、得られ
た赤外線吸収フィルターを温度60℃、湿度95%RH
の雰囲気中に500時間放置したところ、赤外線吸収層
が基材のPETフィルムから完全に剥離した。
【0140】
【発明の効果】本発明の赤外線吸収フィルタ−は、近赤
外域に大きく且つ巾の広い吸収をもち、かつ可視領域の
光透過性が高く、更に環境安定性に優れている(高温ま
たは高湿下で長時間使用しても分光特性及び色調の変化
が少ない)。また、加工性及び生産性が良好であり、静
置してもカールすることがないという利点を有する。そ
のため、ビデオカメラ、ディスプレ−などの光学機器、
特にプラズマディスプレイ用の赤外線吸収フィルタ−と
して特に好適である。
外域に大きく且つ巾の広い吸収をもち、かつ可視領域の
光透過性が高く、更に環境安定性に優れている(高温ま
たは高湿下で長時間使用しても分光特性及び色調の変化
が少ない)。また、加工性及び生産性が良好であり、静
置してもカールすることがないという利点を有する。そ
のため、ビデオカメラ、ディスプレ−などの光学機器、
特にプラズマディスプレイ用の赤外線吸収フィルタ−と
して特に好適である。
【図1】実施例1で得た赤外線吸収フィルターの分光特
性を示した図である。
性を示した図である。
【図2】実施例1で得た赤外線吸収フィルターを温度60
℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の分
光特性を示した図である。
℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の分
光特性を示した図である。
【図3】実施例2で得た赤外線吸収フィルターの分光特
性を示した図である。
性を示した図である。
【図4】実施例2で得た赤外線吸収フィルターを温度6
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
【図5】比較例1で得た赤外線吸収フィルターの分光特
性を示した図である。
性を示した図である。
【図6】比較例1で得た赤外線吸収フィルターを温度6
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
【図7】比較例2で得た赤外線吸収フィルターを温度6
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
【図8】比較例3で得た赤外線吸収フィルターの分光特
性を示した図である。
性を示した図である。
【図9】比較例3で得た赤外線吸収フィルターを温度6
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
0℃、湿度95%の雰囲気中に500時間放置した後の
分光特性を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA24 4F100 AA20 AH04B AK41 AK41B AK51 AR00C AR00D AT00A BA02 BA03 BA04 BA10A BA10B BA10C BA10D CA30B DE04 EJ37 GB41 GB56 JD10B JN01A JN06C JN30D
Claims (14)
- 【請求項1】 赤外線吸収色素と高分子樹脂を主たる構
成成分とする赤外線吸収層を透明基材に積層した赤外線
吸収フィルターであって、前記赤外線吸収色素として少
なくともジイモニウム塩化合物を含有し、前記高分子樹
脂が一般式(1)で示される脂環族ジオール成分を60
mol%以上共重合したポリエステル樹脂であり、かつ
ガラス転移温度が85〜130℃であることを特徴とす
る赤外線吸収フィルター。 【化1】 (式中、R1およびR2は、水酸基及び/又は炭素数1か
ら8のヒドロキシアルキレン基及び/又は炭素数1から
4のヒドロキシアルキレン基にアルキレノキシドを1〜
10mol%付加した基を示す。) - 【請求項2】 請求項1記載のジイモニウム塩化合物
が、一般式(2)で示される構造を有することを特徴と
する赤外線吸収フィルター。 【化2】 (式中、R1〜R8は、水素原子、アルキル基、アリール
基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基を表わ
し、それぞれ同じであっても、異なっていても良い。R
9〜R12は、水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、アミ
ド基、シアノ基、ニトロ基、カルボン酸基、アルキル基
を表わし、それぞれ同じであっても、異なっていても良
い。R1〜R12で置換基を結合できるものは置換基を有
しても良い。X-は陰イオンを表わす。) - 【請求項3】 前記赤外線吸収色素として、さらにフタ
ロシアニン系化合物及びニッケル錯体系化合物の少なく
とも一種を使用することを特徴とする請求項1または2
記載の赤外線吸収フィルター。 - 【請求項4】 請求項3記載のフタロシアニン系化合物
が、含フッ素フタロシアニン系化合物であることを特徴
とする赤外線吸収フィルター。 - 【請求項5】 前記ニッケル錯体系化合物が、一般式
(3)で示される構造を有することを特徴とする請求項
3または4記載の赤外線吸収フィルター。 【化3】 (式中、R1〜R4は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アミノ
基を表わす。) - 【請求項6】 前記赤外線吸収層中の赤外線吸収色素の
配合比が、ジイモニウム塩化合物1.0重量部に対し
て、フタロシアニン系化合物0.5〜0.0重量部、ニ
ッケル錯体系化合物1.0〜0.0重量部であることを
特徴とする請求項3乃至5記載の赤外線吸収フィルタ
ー。 - 【請求項7】 前記赤外線吸収層がコーティング法によ
り透明基材に積層されることを特徴とする請求項1乃至
6記載の赤外線吸収フィルター。 - 【請求項8】 前記透明基材がポリエステルフィルムで
あることを特徴とする請求項1乃至7記載の赤外線吸収
フィルター。 - 【請求項9】 前記赤外線吸収層において、ポリエステ
ル樹脂の比重が1.05〜1.35の範囲にあり、赤外
線吸収色素の溶解度が1重量%以上であることを特徴と
する請求項1乃至8記載の赤外線吸収フィルター。 - 【請求項10】 前記赤外線吸収層の残存溶剤量が5.
0重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至9記
載の赤外線吸収フィルター。 - 【請求項11】 前記ポリエステル樹脂のガラス転移点
温度が85〜130℃であることを特徴とする請求項1
乃至10記載の赤外線吸収フィルター。 - 【請求項12】 最外層に反射防止層を有することを特
徴とする請求項1乃至11記載の赤外線吸収フィルタ
ー。 - 【請求項13】 最外層に防眩処理層を有することを特
徴とする請求項1乃至12記載の赤外線吸収フィルタ
ー。 - 【請求項14】 請求項1乃至13記載のフィルターを
プラズマディスプレイの前面に設置することを特徴とす
る赤外線吸収フィルター。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000072273A JP2001264532A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | 赤外線吸収フィルター |
KR10-2000-0077619A KR100444332B1 (ko) | 1999-12-20 | 2000-12-18 | 적외선 흡수필터 |
TW089127202A TW472158B (en) | 1999-12-20 | 2000-12-19 | Infrared absorption filter |
US09/740,519 US6542292B2 (en) | 1999-12-20 | 2000-12-19 | Infrared absorption filter |
EP00127937A EP1111410B1 (en) | 1999-12-20 | 2000-12-20 | Infrared absorption filter |
CNB00135776XA CN1178075C (zh) | 1999-12-20 | 2000-12-20 | 红外线吸收滤光片 |
DE60009848T DE60009848T2 (de) | 1999-12-20 | 2000-12-20 | Infrarot-absorbierender Filter |
HK01107793A HK1037235A1 (en) | 1999-12-20 | 2001-11-07 | Infrared absorption filter. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000072273A JP2001264532A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | 赤外線吸収フィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001264532A true JP2001264532A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18590716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001264532A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006070717A1 (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-06 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | 波長選択吸収フィルター |
JP2006181996A (ja) * | 2004-12-28 | 2006-07-13 | Toyobo Co Ltd | 光学用二軸配向積層ポリエステルフィルム |
WO2008097029A1 (en) * | 2007-02-08 | 2008-08-14 | Lg Chem, Ltd. | Pdp filter for absorbing near infrared ray |
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KR100930013B1 (ko) * | 2001-10-04 | 2009-12-07 | 가부시키가이샤 브리지스톤 | 근적외선 흡수 필름 |
CN103243562A (zh) * | 2013-05-16 | 2013-08-14 | 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 | 空间遥感器光阑用低光学反射率涂层丝织物及其制备工艺 |
JP2014044301A (ja) * | 2012-08-27 | 2014-03-13 | Asahi Glass Co Ltd | 近赤外線吸収フィルタおよび固体撮像装置 |
JP2016167283A (ja) * | 2002-09-26 | 2016-09-15 | グリッドマーク株式会社 | トレース装置 |
JPWO2017051512A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2018-08-30 | 日本板硝子株式会社 | 赤外線吸収層用組成物、赤外線カットフィルタ、及び撮像装置 |
CN111448494A (zh) * | 2017-12-13 | 2020-07-24 | 日本化药株式会社 | 可见光区域及红外线区域用偏光元件及偏光板 |
-
2000
- 2000-03-15 JP JP2000072273A patent/JP2001264532A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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