JP2001260812A - ウェビング巻取装置及び車両 - Google Patents
ウェビング巻取装置及び車両Info
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- Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構造で、ウェビングの引出しを許容し
てエネルギを吸収する過程でフォースリミッタ荷重を減
少できるウェビング巻取装置及び車両を得る。 【解決手段】 スプール14は、一端部をロック可能な
トーションバー22に連結されると共にピニオン32に
連結され、その近傍にラック40及び一方向クラッチ5
0を設けたピストン38が配置されている。車両急減速
時にピストン38が駆動されるとピニオン32を介して
スプール14が回転され、ウェビング26の緩みが除去
される。その後ウェビング引張力が作用すると、トーシ
ョンバー22の捩り荷重及び一方向クラッチ50の抵抗
荷重がフォースリミッタ荷重として作用する。スプール
14がさらに回転されるとピニオン32とラック40と
の係合が解かれる。このため、簡単な構造でフォースリ
ミッタ荷重を減少できる。
てエネルギを吸収する過程でフォースリミッタ荷重を減
少できるウェビング巻取装置及び車両を得る。 【解決手段】 スプール14は、一端部をロック可能な
トーションバー22に連結されると共にピニオン32に
連結され、その近傍にラック40及び一方向クラッチ5
0を設けたピストン38が配置されている。車両急減速
時にピストン38が駆動されるとピニオン32を介して
スプール14が回転され、ウェビング26の緩みが除去
される。その後ウェビング引張力が作用すると、トーシ
ョンバー22の捩り荷重及び一方向クラッチ50の抵抗
荷重がフォースリミッタ荷重として作用する。スプール
14がさらに回転されるとピニオン32とラック40と
の係合が解かれる。このため、簡単な構造でフォースリ
ミッタ荷重を減少できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両急減速時にウ
ェビングを乗員拘束方向へ緊張させるウェビング巻取装
置に係り、特にウェビングの引出しを阻止するときに、
ウェビングの引出しを許容してエネルギを吸収すること
ができるウェビング巻取装置に関する。
ェビングを乗員拘束方向へ緊張させるウェビング巻取装
置に係り、特にウェビングの引出しを阻止するときに、
ウェビングの引出しを許容してエネルギを吸収すること
ができるウェビング巻取装置に関する。
【0002】また、本発明は、このウェビング巻取装置
を備えた車両に関する。
を備えた車両に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ウェビ
ング巻取装置では、スプール(巻取軸)のウェビング引
出方向の回転が車両急減速時にロックされて、ウェビン
グの引き出しが阻止される。このロック機構としては、
スプールの一端側の装置フレーム近傍にロック手段が配
置されており、車両急減速時にはこのロック手段が作動
されることで、スプールのウェビング引出方向の回転が
阻止される構成である。
ング巻取装置では、スプール(巻取軸)のウェビング引
出方向の回転が車両急減速時にロックされて、ウェビン
グの引き出しが阻止される。このロック機構としては、
スプールの一端側の装置フレーム近傍にロック手段が配
置されており、車両急減速時にはこのロック手段が作動
されることで、スプールのウェビング引出方向の回転が
阻止される構成である。
【0004】また、このようなウェビング巻取装置にお
いて、ウェビングの引き出しを阻止する際に、ウェビン
グの引き出しを所定量許容して、エネルギーの吸収を図
ることが行われている。このエネルギー吸収機構として
は、例えばスプールとこれと同軸的にトーションバーを
配置した構成のものがある。一般的にトーションバー
は、一端部をスプールに、他端部をロック手段に接続さ
れたロックベースに、それぞれ相対回転しないように連
結されている。通常は、スプールとロックベースとはト
ーションバーを介して一体に回転するが、車両急減速時
にロックベースのウェビング引出方向の回転が阻止され
た状態では、スプールが、ウェビング引張力により、ロ
ックベースに対してウェビング引出方向へ回転する。こ
のとき、トーションバーが捩じられてエネルギが吸収さ
れ、スプールの所定量の回転が許容される構成である。
このような吸収エネルギは、ウェビングに付加される荷
重(フォースリミッタ荷重)とウェビング引出量(スプ
ール回転量)の積で決まるものであり、ウェビング巻取
装置では、フォースリミッタ荷重及びスプールの許容回
転量(トーションバーの捩り限界)が与えられている。
いて、ウェビングの引き出しを阻止する際に、ウェビン
グの引き出しを所定量許容して、エネルギーの吸収を図
ることが行われている。このエネルギー吸収機構として
は、例えばスプールとこれと同軸的にトーションバーを
配置した構成のものがある。一般的にトーションバー
は、一端部をスプールに、他端部をロック手段に接続さ
れたロックベースに、それぞれ相対回転しないように連
結されている。通常は、スプールとロックベースとはト
ーションバーを介して一体に回転するが、車両急減速時
にロックベースのウェビング引出方向の回転が阻止され
た状態では、スプールが、ウェビング引張力により、ロ
ックベースに対してウェビング引出方向へ回転する。こ
のとき、トーションバーが捩じられてエネルギが吸収さ
れ、スプールの所定量の回転が許容される構成である。
このような吸収エネルギは、ウェビングに付加される荷
重(フォースリミッタ荷重)とウェビング引出量(スプ
ール回転量)の積で決まるものであり、ウェビング巻取
装置では、フォースリミッタ荷重及びスプールの許容回
転量(トーションバーの捩り限界)が与えられている。
【0005】しかしながら、このような従来のウェビン
グ巻取装置では、エネルギ吸収時のフォースリミッタ荷
重はトーションバーの材料物性値及び寸法形状に支配さ
れ、エネルギ吸収の開始から終了までの間一定の値しか
与えることができなかった。
グ巻取装置では、エネルギ吸収時のフォースリミッタ荷
重はトーションバーの材料物性値及び寸法形状に支配さ
れ、エネルギ吸収の開始から終了までの間一定の値しか
与えることができなかった。
【0006】ところで、スプールが所定量回転した後に
フォースリミッタ荷重を低減させることができれば、車
両急減速の初期には大きなフォースリミッタ荷重を作用
させてスプール回転量(ウェビング引出量)当りのエネ
ルギ吸収量を大きくすることにより、ウェビング引出量
(乗員の移動量)を抑えることができる。一方、所定の
エネルギ吸収後は、フォースリミッタ荷重を低減させる
ことにより、乗員に作用する負荷(荷重)を低減するこ
とができる。
フォースリミッタ荷重を低減させることができれば、車
両急減速の初期には大きなフォースリミッタ荷重を作用
させてスプール回転量(ウェビング引出量)当りのエネ
ルギ吸収量を大きくすることにより、ウェビング引出量
(乗員の移動量)を抑えることができる。一方、所定の
エネルギ吸収後は、フォースリミッタ荷重を低減させる
ことにより、乗員に作用する負荷(荷重)を低減するこ
とができる。
【0007】特に、エアバッグ装置を備えた車両におい
ては、エアバッグと乗員との接触直前にフォースリミッ
タ荷重を低減することによって乗員に作用する総荷重を
減じることが可能で乗員の傷害をさらに軽減することが
できる。
ては、エアバッグと乗員との接触直前にフォースリミッ
タ荷重を低減することによって乗員に作用する総荷重を
減じることが可能で乗員の傷害をさらに軽減することが
できる。
【0008】また、ウェビング巻取装置が一般的に備え
ているプリテンショナ機構を利用して、上述のようにフ
ォースリミッタ荷重特性を変更できれば、ウェビング巻
取装置全体として簡単かつコンパクトな構成とすること
ができる。
ているプリテンショナ機構を利用して、上述のようにフ
ォースリミッタ荷重特性を変更できれば、ウェビング巻
取装置全体として簡単かつコンパクトな構成とすること
ができる。
【0009】本発明は係る事実を考慮し、簡単かつコン
パクトな構造で、ウェビングの引出しを許容してエネル
ギを吸収する際に、エネルギ吸収の初期には大きなフォ
ースリミッタ荷重を付加し、所定のエネルギ吸収後は小
さなフォースリミッタ荷重を付加できるウェビング巻取
り装置を得ることが第1の目的である。
パクトな構造で、ウェビングの引出しを許容してエネル
ギを吸収する際に、エネルギ吸収の初期には大きなフォ
ースリミッタ荷重を付加し、所定のエネルギ吸収後は小
さなフォースリミッタ荷重を付加できるウェビング巻取
り装置を得ることが第1の目的である。
【0010】また、本発明は、上記のウェビング巻取装
置及びエアバッグ装置を備え、乗員に作用する荷重を低
減することができる車両を得ることが第2の目的であ
る。
置及びエアバッグ装置を備え、乗員に作用する荷重を低
減することができる車両を得ることが第2の目的であ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、請求項1の発明に係るウェビング巻取装置
は、ウェビングが巻取り引出しされる筒状のスプール
と、前記スプールの一端側に前記スプールと同軸的でか
つ相対回転可能に設けられたロックベースと、前記ロッ
クベースに接続して設けられ、所定の加速度が検知され
た際にフレームに係合して前記ロックベースのウェビン
グ引出方向回転を阻止するロック手段と、前記スプール
内に前記スプールと同軸的に設けられ、一端が前記スプ
ールに連結されると共に他端が前記ロックベースに連結
され、通常は前記スプールと前記ロックベースとを一体
に回転させ、前記ロック手段による前記ロックベースの
ウェビング引出方向回転阻止状態ではウェビング引張力
により捩じれながら前記スプールを前記ロックベースに
対してウェビング引出方向へ相対回転させるトーション
バーと、前記スプールに係合可能に設けられたピストン
と、前記フレームに固定され前記ピストンが挿入された
シリンダと、前記シリンダに連通され前記シリンダ内に
ガスを供給可能なガス供給手段と、を有し、車両急減速
時には前記ガス供給装置が作動され、前記ピストンが前
記シリンダ内でスライド移動することにより前記スプー
ルを強制的に回転させて前記ウェビングを乗員拘束方向
へ緊張させるプリテンショナ機構と、を備えたウェビン
グ巻取装置において、前記シリンダ内に設けられ、前記
プリテンショナ機構が作動された後、前記スプールがウ
ェビング引出方向へ回転される際には前記ピストンと前
記シリンダとの相対移動に伴う抵抗力を生じさせる抵抗
手段を備えたことを特徴としている。
るために、請求項1の発明に係るウェビング巻取装置
は、ウェビングが巻取り引出しされる筒状のスプール
と、前記スプールの一端側に前記スプールと同軸的でか
つ相対回転可能に設けられたロックベースと、前記ロッ
クベースに接続して設けられ、所定の加速度が検知され
た際にフレームに係合して前記ロックベースのウェビン
グ引出方向回転を阻止するロック手段と、前記スプール
内に前記スプールと同軸的に設けられ、一端が前記スプ
ールに連結されると共に他端が前記ロックベースに連結
され、通常は前記スプールと前記ロックベースとを一体
に回転させ、前記ロック手段による前記ロックベースの
ウェビング引出方向回転阻止状態ではウェビング引張力
により捩じれながら前記スプールを前記ロックベースに
対してウェビング引出方向へ相対回転させるトーション
バーと、前記スプールに係合可能に設けられたピストン
と、前記フレームに固定され前記ピストンが挿入された
シリンダと、前記シリンダに連通され前記シリンダ内に
ガスを供給可能なガス供給手段と、を有し、車両急減速
時には前記ガス供給装置が作動され、前記ピストンが前
記シリンダ内でスライド移動することにより前記スプー
ルを強制的に回転させて前記ウェビングを乗員拘束方向
へ緊張させるプリテンショナ機構と、を備えたウェビン
グ巻取装置において、前記シリンダ内に設けられ、前記
プリテンショナ機構が作動された後、前記スプールがウ
ェビング引出方向へ回転される際には前記ピストンと前
記シリンダとの相対移動に伴う抵抗力を生じさせる抵抗
手段を備えたことを特徴としている。
【0012】請求項1に記載のウェビング巻取装置で
は、スプールとロックベースとはトーションバーを介し
て連結されており、通常はこれらが一体に回転する。ま
た、プリテンショナ機構では、通常は、ピストンとスプ
ールとは非係合状態とされ、ピストンがスプールの回転
の障害となることがない。このため、通常は、ウェビン
グの巻取り引出しが自由とされる。
は、スプールとロックベースとはトーションバーを介し
て連結されており、通常はこれらが一体に回転する。ま
た、プリテンショナ機構では、通常は、ピストンとスプ
ールとは非係合状態とされ、ピストンがスプールの回転
の障害となることがない。このため、通常は、ウェビン
グの巻取り引出しが自由とされる。
【0013】車両が急減速状態に至ると、プリテンショ
ナ機構のガス供給装置が作動され、シリンダ内にガスが
供給される。このガスの圧力により、ピストンがスプー
ルと係合しながらスライド移動することによりスプール
が強制的にウェビング巻取方向へ回転され、ウェビング
の緩みが除去されて乗員に緊密に装着される(プリテン
ショナ機構の作動が終了する)。
ナ機構のガス供給装置が作動され、シリンダ内にガスが
供給される。このガスの圧力により、ピストンがスプー
ルと係合しながらスライド移動することによりスプール
が強制的にウェビング巻取方向へ回転され、ウェビング
の緩みが除去されて乗員に緊密に装着される(プリテン
ショナ機構の作動が終了する)。
【0014】このとき、既に車両急減速時の所定の加速
度(減速度)が検知されているため、ロック手段が作動
しフレームに係合し、ロックベースのウェビング引出方
向の回転が阻止されている。
度(減速度)が検知されているため、ロック手段が作動
しフレームに係合し、ロックベースのウェビング引出方
向の回転が阻止されている。
【0015】プリテンショナ機構の作動後、乗員の慣性
移動に伴うウェビング引張力が作用すると、このウェビ
ング引張力は、スプールを介してトーションバーにウェ
ビング引出し方向の回転力として作用すると共に、スプ
ールを介してピストンの初期位置復帰方向への移動力と
しても作用する。このため、トーションバーが捩れると
共に、ピストンがシリンダとの相対移動に伴う抵抗力に
抗しながら移動し、ウェビング(乗員)に作用する荷重
を一定に保ちながら(トーションバーの捩り荷重と抵抗
手段の抵抗荷重とが一定のフォースリミッタ荷重として
作用しながら)スプールがロックベースに対してウェビ
ング引出方向へ回転されてウェビングが引出され、第1
次のエネルギ吸収が果たされる。
移動に伴うウェビング引張力が作用すると、このウェビ
ング引張力は、スプールを介してトーションバーにウェ
ビング引出し方向の回転力として作用すると共に、スプ
ールを介してピストンの初期位置復帰方向への移動力と
しても作用する。このため、トーションバーが捩れると
共に、ピストンがシリンダとの相対移動に伴う抵抗力に
抗しながら移動し、ウェビング(乗員)に作用する荷重
を一定に保ちながら(トーションバーの捩り荷重と抵抗
手段の抵抗荷重とが一定のフォースリミッタ荷重として
作用しながら)スプールがロックベースに対してウェビ
ング引出方向へ回転されてウェビングが引出され、第1
次のエネルギ吸収が果たされる。
【0016】スプールがさらに回転されピストンが初期
位置まで移動されると、スプールとピストンとの係合が
解かれるため、ウェビング引張力はトーションバーの回
転力としてのみ作用する。これにより、抵抗荷重の分だ
けフォースリミッタ荷重が減少する。このとき、トーシ
ョンバーの捩り荷重が別途一定のフォースリミッタ荷重
として作用しながら第2次のエネルギ吸収が果たされ
る。
位置まで移動されると、スプールとピストンとの係合が
解かれるため、ウェビング引張力はトーションバーの回
転力としてのみ作用する。これにより、抵抗荷重の分だ
けフォースリミッタ荷重が減少する。このとき、トーシ
ョンバーの捩り荷重が別途一定のフォースリミッタ荷重
として作用しながら第2次のエネルギ吸収が果たされ
る。
【0017】このように、請求項1に記載のウェビング
巻取り装置では、簡単かつコンパクトな構造で、ウェビ
ングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エネ
ルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を付加
し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリミッタ荷
重を付加することができる。
巻取り装置では、簡単かつコンパクトな構造で、ウェビ
ングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エネ
ルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を付加
し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリミッタ荷
重を付加することができる。
【0018】また、請求項2の発明に係るウェビング巻
取装置は、請求項1記載のウェビング巻取装置におい
て、前記抵抗手段を、前記ピストンの外周または前記シ
リンダの内周の少なくとも一方に設けられたテーパ部
と、前期テーパ部において前記ピストンと前記シリンダ
内壁との間に配置され、前記プリテンショナ機構が作動
される際には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間に
おいて拘束を受けず、前記プリテンショナ機構が作動さ
れた後、前記スプールがウェビング引出方向へ回転され
る際には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間に挟持
され前記ピストンの移動に伴う抵抗力を生じさせるボー
ルと、で構成される一方向クラッチとしたことを特徴と
している。
取装置は、請求項1記載のウェビング巻取装置におい
て、前記抵抗手段を、前記ピストンの外周または前記シ
リンダの内周の少なくとも一方に設けられたテーパ部
と、前期テーパ部において前記ピストンと前記シリンダ
内壁との間に配置され、前記プリテンショナ機構が作動
される際には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間に
おいて拘束を受けず、前記プリテンショナ機構が作動さ
れた後、前記スプールがウェビング引出方向へ回転され
る際には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間に挟持
され前記ピストンの移動に伴う抵抗力を生じさせるボー
ルと、で構成される一方向クラッチとしたことを特徴と
している。
【0019】請求項2記載のウェビング巻取装置では、
プリテンショナ機構が作動される際には、一方向クラッ
チを構成するボールがピストンとシリンダ内壁との間に
おいて拘束を受けないため、ピストンの移動に伴う抵抗
力が生じない。このため、ピストンはスプールと係合し
ながらスムースにスライド移動され、スプールが強制的
にウェビング巻取方向へ回転されることによりウェビン
グの緩みが除去されて乗員に緊密に装着される。
プリテンショナ機構が作動される際には、一方向クラッ
チを構成するボールがピストンとシリンダ内壁との間に
おいて拘束を受けないため、ピストンの移動に伴う抵抗
力が生じない。このため、ピストンはスプールと係合し
ながらスムースにスライド移動され、スプールが強制的
にウェビング巻取方向へ回転されることによりウェビン
グの緩みが除去されて乗員に緊密に装着される。
【0020】一方、プリテンショナ機構作動後のエネル
ギ吸収時においては、ウェビング引張力がスプールを介
してピストンの移動力として作用すると、一方向クラッ
チを構成するボールがピストンとシリンダ内壁との間で
挟持されるため、ボールとシリンダ内壁とが当接しなが
ら、または、シリンダ若しくはボールが塑性変形しなが
らピストンが初期位置復帰方向(ウェビング引出方向)
へ移動する。このため、ボールとシリンダ内壁との間で
動摩擦力または塑性変形に伴う抵抗力が発生しながらピ
ストンが初期位置まで移動される。これにより、トーシ
ョンバーの捩り荷重に加えてピストンの移動に伴う動摩
擦荷重または塑性変形に伴う抵抗荷重がフォースリミッ
タ荷重として確実に作用し、ピストンが初期位置まで移
動された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフォー
スリミッタ荷重として作用する。
ギ吸収時においては、ウェビング引張力がスプールを介
してピストンの移動力として作用すると、一方向クラッ
チを構成するボールがピストンとシリンダ内壁との間で
挟持されるため、ボールとシリンダ内壁とが当接しなが
ら、または、シリンダ若しくはボールが塑性変形しなが
らピストンが初期位置復帰方向(ウェビング引出方向)
へ移動する。このため、ボールとシリンダ内壁との間で
動摩擦力または塑性変形に伴う抵抗力が発生しながらピ
ストンが初期位置まで移動される。これにより、トーシ
ョンバーの捩り荷重に加えてピストンの移動に伴う動摩
擦荷重または塑性変形に伴う抵抗荷重がフォースリミッ
タ荷重として確実に作用し、ピストンが初期位置まで移
動された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフォー
スリミッタ荷重として作用する。
【0021】このように、請求項2に記載のウェビング
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を確
実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリ
ミッタ荷重を付加することができる。
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を確
実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリ
ミッタ荷重を付加することができる。
【0022】さらに、請求項3の発明に係るウェビング
巻取装置は、請求項1記載のウェビング巻取装置におい
て、前記抵抗手段を、一端に向けて外径が増加する中空
円錐台状に形成され、前記一端外周部が前記シリンダ内
壁に接触するように前記ピストンに接続されたキャップ
としたことを特徴としている。
巻取装置は、請求項1記載のウェビング巻取装置におい
て、前記抵抗手段を、一端に向けて外径が増加する中空
円錐台状に形成され、前記一端外周部が前記シリンダ内
壁に接触するように前記ピストンに接続されたキャップ
としたことを特徴としている。
【0023】請求項3記載のウェビング巻取装置では、
プリテンショナ機構が作動される際には、キャップの円
錐部が内側に窄まるように変形させながらピストンが移
動するため、ピストンの移動に伴う抵抗力は小さい。こ
のため、ピストンはスプールと係合しながらスムースに
スライド移動され、スプールが強制的にウェビング巻取
方向へ回転されることによりウェビングの緩みが除去さ
れて乗員に緊密に装着される。
プリテンショナ機構が作動される際には、キャップの円
錐部が内側に窄まるように変形させながらピストンが移
動するため、ピストンの移動に伴う抵抗力は小さい。こ
のため、ピストンはスプールと係合しながらスムースに
スライド移動され、スプールが強制的にウェビング巻取
方向へ回転されることによりウェビングの緩みが除去さ
れて乗員に緊密に装着される。
【0024】一方、プリテンショナ機構作動後のエネル
ギ吸収時においては、ウェビング引張力がスプールを介
してピストンの移動力として作用すると、キャップ円錐
部を外側に拡げるように変形させながらピストンがウェ
ビング引出方向に移動する。このため、キャップ下端部
がシリンダ内壁をかじり、キャップとシリンダ内壁との
間でかじり抵抗力が発生しながらピストンが初期位置ま
で移動される。これにより、トーションバーの捩り荷重
に加えてピストンの移動に伴うかじり荷重がフォースリ
ミッタ荷重として確実に作用し、ピストンが初期位置ま
で移動された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフ
ォースリミッタ荷重として作用する。
ギ吸収時においては、ウェビング引張力がスプールを介
してピストンの移動力として作用すると、キャップ円錐
部を外側に拡げるように変形させながらピストンがウェ
ビング引出方向に移動する。このため、キャップ下端部
がシリンダ内壁をかじり、キャップとシリンダ内壁との
間でかじり抵抗力が発生しながらピストンが初期位置ま
で移動される。これにより、トーションバーの捩り荷重
に加えてピストンの移動に伴うかじり荷重がフォースリ
ミッタ荷重として確実に作用し、ピストンが初期位置ま
で移動された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフ
ォースリミッタ荷重として作用する。
【0025】このように、請求項3に記載のウェビング
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を確
実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリ
ミッタ荷重を付加することができる。
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を確
実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリ
ミッタ荷重を付加することができる。
【0026】さらにまた、請求項4の発明に係るウェビ
ング巻取装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記
載のウェビング巻取装置において、前記シリンダ内のガ
スを排出可能な小孔を設けたことを特徴としている。
ング巻取装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記
載のウェビング巻取装置において、前記シリンダ内のガ
スを排出可能な小孔を設けたことを特徴としている。
【0027】請求項4記載のウェビング巻取装置では、
プリテンショナ機構作動後のエネルギ吸収時において、
ウェビング引張力がスプールを介してピストンの移動力
として作用すると、シリンダ内に残留するガスを小孔か
ら確実に排出しながらピストンが初期位置まで移動され
る。これにより、ピストンが初期位置まで移動される間
において、不安定な挙動を示すガスの圧縮に伴う荷重の
影響を受けずに安定したフォースリミッタ荷重を得るこ
とができる。
プリテンショナ機構作動後のエネルギ吸収時において、
ウェビング引張力がスプールを介してピストンの移動力
として作用すると、シリンダ内に残留するガスを小孔か
ら確実に排出しながらピストンが初期位置まで移動され
る。これにより、ピストンが初期位置まで移動される間
において、不安定な挙動を示すガスの圧縮に伴う荷重の
影響を受けずに安定したフォースリミッタ荷重を得るこ
とができる。
【0028】このように、請求項4に記載のウェビング
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を一
層確実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォー
スリミッタ荷重を付加することができる。
巻取装置では、一層簡単かつコンパクトな構造で、ウェ
ビングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エ
ネルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を一
層確実に付加し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォー
スリミッタ荷重を付加することができる。
【0029】上記第2の課題を解決するために、請求項
5の発明に係る車両は、請求項1乃至請求項4の何れか1
項記載のウェビング巻取装置を備え、かつエアバッグ装
置を備えた車両であって、エアバッグと乗員との接触直
前に前記スプールと前記ピストンとの係合状態が解除さ
れることを特徴としている。
5の発明に係る車両は、請求項1乃至請求項4の何れか1
項記載のウェビング巻取装置を備え、かつエアバッグ装
置を備えた車両であって、エアバッグと乗員との接触直
前に前記スプールと前記ピストンとの係合状態が解除さ
れることを特徴としている。
【0030】請求項5記載の車両では、エアバッグと乗
員との接触直前に、スプールとピストンとの係合が解除
され、前記抵抗手段による抵抗荷重の分だけフォースリ
ミッタ荷重が低減される。このため、エアバッグと乗員
との接触前においては、大きなフォースリミッタ荷重を
付加してスプール回転量当りのエネルギ吸収量を大きく
することにより、ウェビング引出量(乗員の移動量)を
抑えることができる。一方、エアバッグと乗員との接触
後は、フォースリミッタ荷重が低減されているため、乗
員に作用する総荷重が低減され、乗員の傷害の程度を軽
減することができる。
員との接触直前に、スプールとピストンとの係合が解除
され、前記抵抗手段による抵抗荷重の分だけフォースリ
ミッタ荷重が低減される。このため、エアバッグと乗員
との接触前においては、大きなフォースリミッタ荷重を
付加してスプール回転量当りのエネルギ吸収量を大きく
することにより、ウェビング引出量(乗員の移動量)を
抑えることができる。一方、エアバッグと乗員との接触
後は、フォースリミッタ荷重が低減されているため、乗
員に作用する総荷重が低減され、乗員の傷害の程度を軽
減することができる。
【0031】このように、請求項5記載の車両は、上記
のウェビング巻取装置及びエアバッグ装置を備え、乗員
に作用する荷重を低減することができる。
のウェビング巻取装置及びエアバッグ装置を備え、乗員
に作用する荷重を低減することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1及び図
2に基づいて説明する。
2に基づいて説明する。
【0033】図1には、本実施の形態に係るウェビング
巻取装置10の全体構成が示されている。
巻取装置10の全体構成が示されている。
【0034】ウェビング巻取装置10は、フレーム12
を備えている。フレーム12は、対向する一対の脚片1
2A、脚片12Bと各脚片を連結する背片12Cとを有
し、略コ字型に形成されている。背片12Cは下方に延
出されており、その下端部が車体にボルト止めされて固
定されている。
を備えている。フレーム12は、対向する一対の脚片1
2A、脚片12Bと各脚片を連結する背片12Cとを有
し、略コ字型に形成されている。背片12Cは下方に延
出されており、その下端部が車体にボルト止めされて固
定されている。
【0035】フレーム12の対向する脚片12A、12
Bの間には、軸方向が脚片12A、12Bの対向方向と
された筒状のスプール14が設けられている。このスプ
ール14にはウェビング26の一端が係止され、スプー
ル14の回転により、ウェビング26がスプール14に
対して巻取り引出し自在となる。
Bの間には、軸方向が脚片12A、12Bの対向方向と
された筒状のスプール14が設けられている。このスプ
ール14にはウェビング26の一端が係止され、スプー
ル14の回転により、ウェビング26がスプール14に
対して巻取り引出し自在となる。
【0036】スプール14の筒内には、脚片12A側の
端部にロックベース16が配置されている。ロックベー
ス16は、フレーム12の脚片12Aの開口部にスプー
ル14と同軸的でかつ回転自在に支持されている。ロッ
クベース16にはロック手段を構成するロックプレート
24が接続され、図示しない加速度センサが所定の加速
度(減速度)を検知した場合にロックプレート24がフ
レーム12に噛込むことによりロックベース16の回転
を阻止する構成となっている。
端部にロックベース16が配置されている。ロックベー
ス16は、フレーム12の脚片12Aの開口部にスプー
ル14と同軸的でかつ回転自在に支持されている。ロッ
クベース16にはロック手段を構成するロックプレート
24が接続され、図示しない加速度センサが所定の加速
度(減速度)を検知した場合にロックプレート24がフ
レーム12に噛込むことによりロックベース16の回転
を阻止する構成となっている。
【0037】また、ロックベース16には、スプール1
4の筒内軸心部分に配置されたトーションバー20の六
角部が挿入されており、ロックベース16が常にトーシ
ョンバー20の一端側六角部と一体に回転するように構
成されている。
4の筒内軸心部分に配置されたトーションバー20の六
角部が挿入されており、ロックベース16が常にトーシ
ョンバー20の一端側六角部と一体に回転するように構
成されている。
【0038】一方、スプール14筒内の脚片12B側端
部には、スリーブ18が配置されている。スリーブ18
は、スプライン状の歯20が嵌合することでスプール1
4と一体に連結されると共に、脚片12Bの開口部にス
プール14と同軸的でかつ回転自在に支持されている。
スリーブ18の先端部は脚片から外方へ突出しており、
さらに、その突出部端にはぜんまいばね(図示省略)が
設けられている。これにより、スリーブ18は常にウェ
ビング34を巻取る方向に回転付勢されている。
部には、スリーブ18が配置されている。スリーブ18
は、スプライン状の歯20が嵌合することでスプール1
4と一体に連結されると共に、脚片12Bの開口部にス
プール14と同軸的でかつ回転自在に支持されている。
スリーブ18の先端部は脚片から外方へ突出しており、
さらに、その突出部端にはぜんまいばね(図示省略)が
設けられている。これにより、スリーブ18は常にウェ
ビング34を巻取る方向に回転付勢されている。
【0039】さらに、このスリーブ18は、前述したト
ーションバー20の他端六角部が挿入されることによ
り、ロックベース16と連結されている。これにより、
通常は、スプール14、スリーブ18、トーションバー
20、及びロックベース16は一体に回転するよう構成
されている。
ーションバー20の他端六角部が挿入されることによ
り、ロックベース16と連結されている。これにより、
通常は、スプール14、スリーブ18、トーションバー
20、及びロックベース16は一体に回転するよう構成
されている。
【0040】また、ウェビング巻取装置10は、プリテ
ンショナ機構30を備えており、プリテンショナ機構3
0はピニオン32を備えている。ピニオン32は、スリ
ーブ18のスプール14外側端に連結されており、スリ
ーブ18を介してスプール14と常に一体となって回転
するようになっている。このため、ピニオン18が回転
することによりスプール14が回転し、ウェビング26
の巻取りまたは巻き戻しができる構成となっている。
ンショナ機構30を備えており、プリテンショナ機構3
0はピニオン32を備えている。ピニオン32は、スリ
ーブ18のスプール14外側端に連結されており、スリ
ーブ18を介してスプール14と常に一体となって回転
するようになっている。このため、ピニオン18が回転
することによりスプール14が回転し、ウェビング26
の巻取りまたは巻き戻しができる構成となっている。
【0041】さらに、脚片12Bにはシリンダ34が固
定されている。シリンダ34は円筒状に形成されてお
り、上端がピニオン32の近傍で開口している。このシ
リンダ34内には、ピストン38が設けられている。ピ
ストン38の底部は円盤状に形成されており、シリンダ
34内をスライド移動可能とされている。ピストン38
の底部にはシール保持部42が連結されており、シール
保持部42の外周にはシリンダ34の内壁との間をシー
ルするためのOリング44が嵌合されている。
定されている。シリンダ34は円筒状に形成されてお
り、上端がピニオン32の近傍で開口している。このシ
リンダ34内には、ピストン38が設けられている。ピ
ストン38の底部は円盤状に形成されており、シリンダ
34内をスライド移動可能とされている。ピストン38
の底部にはシール保持部42が連結されており、シール
保持部42の外周にはシリンダ34の内壁との間をシー
ルするためのOリング44が嵌合されている。
【0042】一方、シリンダ34の底部には、凹部36
が一体に形成されている。この凹部36はシリンダ内径
より小径とされ、シリンダ34と凹部36とは段付きと
されている。この段部にOリング44が係合することに
より、ピストン38が底付きしない構成となっている。
また、Oリング44がこの段部に係合する位置がピスト
ン38の初期位置とされている。
が一体に形成されている。この凹部36はシリンダ内径
より小径とされ、シリンダ34と凹部36とは段付きと
されている。この段部にOリング44が係合することに
より、ピストン38が底付きしない構成となっている。
また、Oリング44がこの段部に係合する位置がピスト
ン38の初期位置とされている。
【0043】また、シリンダ34にはガス供給装置46
が接続され、また、ガス供給装置46には制御手段48
が接続されている。これにより、車両急減速時には、制
御手段48がガス供給装置46を作動させ、供給される
ガス圧力によりピストン38が図2(A)の矢印Aの方
向へ移動される構成となっている。
が接続され、また、ガス供給装置46には制御手段48
が接続されている。これにより、車両急減速時には、制
御手段48がガス供給装置46を作動させ、供給される
ガス圧力によりピストン38が図2(A)の矢印Aの方
向へ移動される構成となっている。
【0044】一方、ピストン38の先端部にはラック4
0が一体に設けられている。このラック40は前述した
ピニオン32に対応しており、通常はピニオン32から
所定の隙間を有して位置している(非係合状態とされて
いる)。これにより、ラック40がピストン38と共に
シリンダ34内を図2(A)の矢印A方向へスライド移
動すると、ラック40がピニオン32に噛み合ってピニ
オン32をウエビング26巻取方向(図2(A)の矢印
B方向)へ回転させるようになっている。
0が一体に設けられている。このラック40は前述した
ピニオン32に対応しており、通常はピニオン32から
所定の隙間を有して位置している(非係合状態とされて
いる)。これにより、ラック40がピストン38と共に
シリンダ34内を図2(A)の矢印A方向へスライド移
動すると、ラック40がピニオン32に噛み合ってピニ
オン32をウエビング26巻取方向(図2(A)の矢印
B方向)へ回転させるようになっている。
【0045】なお、プリテンショナ機構30によって強
制回転されるスプール14の回転量がトーションバー2
2の捩れにより許容されるスプール14の回転量より小
さくなるようにピストン38の行程長及びラック40、
ピニオン32の歯数が決められている。
制回転されるスプール14の回転量がトーションバー2
2の捩れにより許容されるスプール14の回転量より小
さくなるようにピストン38の行程長及びラック40、
ピニオン32の歯数が決められている。
【0046】また、ピストン38とシール保持部42と
の間には、抵抗手段を構成する一方向クラッチ50が設
けられている。ラック40とシール保持部42との間に
は一対の円板52、54が設けられており、この円板5
2と円板54との間には、下方に向かって断面積が減少
する円錐台状のテーパ部56が設けられている。さら
に、一対に円板52、54の間において、シリンダ34
の内壁とテーパ部56との間には一または複数のボール
58が配置されている。一方向クラッチ50は、ボール
58が常に2枚の円板52、54間に位置する構成とな
っている。
の間には、抵抗手段を構成する一方向クラッチ50が設
けられている。ラック40とシール保持部42との間に
は一対の円板52、54が設けられており、この円板5
2と円板54との間には、下方に向かって断面積が減少
する円錐台状のテーパ部56が設けられている。さら
に、一対に円板52、54の間において、シリンダ34
の内壁とテーパ部56との間には一または複数のボール
58が配置されている。一方向クラッチ50は、ボール
58が常に2枚の円板52、54間に位置する構成とな
っている。
【0047】このボール58は、ピストン38が図2
(A)の矢印A方向へ移動する際にはシリンダ34の内
壁とテーパ部56の小径部との間に位置し拘束を受け
ず、ピストン38が図2(B)の矢印D方向(初期位置
復帰方向)へ移動する際にはシリンダ34の内壁とテー
パ部56の大径部との間に挟持される構成となってい
る。これにより、一方向クラッチ50は、ピストン38
が図2(B)の矢印D方向へ移動する際にのみ抵抗力を
発生する構成となっている。
(A)の矢印A方向へ移動する際にはシリンダ34の内
壁とテーパ部56の小径部との間に位置し拘束を受け
ず、ピストン38が図2(B)の矢印D方向(初期位置
復帰方向)へ移動する際にはシリンダ34の内壁とテー
パ部56の大径部との間に挟持される構成となってい
る。これにより、一方向クラッチ50は、ピストン38
が図2(B)の矢印D方向へ移動する際にのみ抵抗力を
発生する構成となっている。
【0048】なお、上記の一方向クラッチ50に代え
て、シリンダ内面に上方が大径とされたテーパ部を設
け、ピストンのストレート部との間にボールを配置した
一方向クラッチを採用しても良い。
て、シリンダ内面に上方が大径とされたテーパ部を設
け、ピストンのストレート部との間にボールを配置した
一方向クラッチを採用しても良い。
【0049】次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0050】上記構成のウェビング巻取装置10では、
スプール14とロックベース16とはトーションバー2
0によって連結されているので、通常は、これらが一体
に回転する。また、ピストン38に設けられたラック4
0はピニオン32と非係合状態とされ、ラック40がス
プール14の回転の障害となることがない。このため、
通常は、ウェビング26の巻取り引出しが自由とされ
る。
スプール14とロックベース16とはトーションバー2
0によって連結されているので、通常は、これらが一体
に回転する。また、ピストン38に設けられたラック4
0はピニオン32と非係合状態とされ、ラック40がス
プール14の回転の障害となることがない。このため、
通常は、ウェビング26の巻取り引出しが自由とされ
る。
【0051】車両が急減速状態に至ると、まず、プリテ
ンショナ機構30が作動する。すなわち、ガス供給装置
46が作動することによりシリンダ34内に供給された
ガスの圧力によってピストン38が図2(A)の矢印A
方向へスライド移動され、ラック40がピニオン32に
噛み合いながら移動することでピニオン32が図2
(A)の矢印B方向へ回転される。これによって、スプ
ール14が強制的にウエビング巻取方向へ回転され、ウ
エビング26の緩みが除去されて乗員に緊密に装着され
る(プリテンショナ機構30の作動が完了する)。
ンショナ機構30が作動する。すなわち、ガス供給装置
46が作動することによりシリンダ34内に供給された
ガスの圧力によってピストン38が図2(A)の矢印A
方向へスライド移動され、ラック40がピニオン32に
噛み合いながら移動することでピニオン32が図2
(A)の矢印B方向へ回転される。これによって、スプ
ール14が強制的にウエビング巻取方向へ回転され、ウ
エビング26の緩みが除去されて乗員に緊密に装着され
る(プリテンショナ機構30の作動が完了する)。
【0052】このとき、一方向クラッチ50は、ボール
58がシリンダ34の内壁とテーパ部56の小径部との
間に位置し抵抗力を発生させないため、ピストン38は
スムーズにスライド移動される。
58がシリンダ34の内壁とテーパ部56の小径部との
間に位置し抵抗力を発生させないため、ピストン38は
スムーズにスライド移動される。
【0053】一方、プリテンショナ機構30作動持に、
既に車両急減速に伴う所定の加速度(減速度)が検知さ
れているため、ロック手段を構成するロックプレート2
4がフレーム12に係合し、ロックベース16のウェビ
ング引出方向の回転が阻止されている。
既に車両急減速に伴う所定の加速度(減速度)が検知さ
れているため、ロック手段を構成するロックプレート2
4がフレーム12に係合し、ロックベース16のウェビ
ング引出方向の回転が阻止されている。
【0054】このため、プリテンショナ機構30作動
後、乗員の慣性移動に伴うウェビング引張力が作用する
と、このウェビング引張力は、スプール14及びスリー
ブ18を介してトーションバー20にウェビング引出方
向の回転力として作用すると共に、スプール14、ピニ
オン32及びラック40を介してピストン38の初期位
置復帰方向への移動力としても作用する。
後、乗員の慣性移動に伴うウェビング引張力が作用する
と、このウェビング引張力は、スプール14及びスリー
ブ18を介してトーションバー20にウェビング引出方
向の回転力として作用すると共に、スプール14、ピニ
オン32及びラック40を介してピストン38の初期位
置復帰方向への移動力としても作用する。
【0055】ここで、ウェビング26に引張力が作用し
スプール14を介してピニオン32が図2(B)の矢印
C方向へ回転されると、一方向クラッチ50を構成する
ボール58がシリンダ34の内壁とテーパ部56の大径
部との間に位置し、ボール58とシリンダ34の内壁と
が当接しながら、または、シリンダ34若しくはボール
58が塑性変形しながらピストン38が初期位置復帰方
向(図2(B)の矢印D方向へ)へ移動する。このた
め、ボール58とシリンダ34の内壁との間で動摩擦力
または塑性変形に伴う抵抗力が発生しながらピストン3
8が初期位置まで移動される。これにより、ウェビング
26(乗員)に作用する荷重を一定に保ちながら(トー
ションバー22の捩り荷重とピストン38の移動に伴う
動摩擦荷重とが図3に示すF2のフォースリミッタ荷重
として作用しながら)スプール14がロックベース16
に対してウェビング引出方向へ回転されてウェビング2
6が引出され、第1次のエネルギ吸収が果たされる。
スプール14を介してピニオン32が図2(B)の矢印
C方向へ回転されると、一方向クラッチ50を構成する
ボール58がシリンダ34の内壁とテーパ部56の大径
部との間に位置し、ボール58とシリンダ34の内壁と
が当接しながら、または、シリンダ34若しくはボール
58が塑性変形しながらピストン38が初期位置復帰方
向(図2(B)の矢印D方向へ)へ移動する。このた
め、ボール58とシリンダ34の内壁との間で動摩擦力
または塑性変形に伴う抵抗力が発生しながらピストン3
8が初期位置まで移動される。これにより、ウェビング
26(乗員)に作用する荷重を一定に保ちながら(トー
ションバー22の捩り荷重とピストン38の移動に伴う
動摩擦荷重とが図3に示すF2のフォースリミッタ荷重
として作用しながら)スプール14がロックベース16
に対してウェビング引出方向へ回転されてウェビング2
6が引出され、第1次のエネルギ吸収が果たされる。
【0056】スプール14がさらに回転されピストン3
8が初期位置まで移動されると、ピニオン32とラック
40との係合が解かれるため、ウェビング引張力はトー
ションバー22の回転力としてのみ作用する。このた
め、ピストン38の移動に伴う動摩擦荷重の分だけフォ
ースリミッタ荷重が減少する。したがって、トーション
バー22の捩り荷重が図3に示すF1のフォースリミッ
タ荷重として作用しながら第2次のエネルギ吸収が果た
される。
8が初期位置まで移動されると、ピニオン32とラック
40との係合が解かれるため、ウェビング引張力はトー
ションバー22の回転力としてのみ作用する。このた
め、ピストン38の移動に伴う動摩擦荷重の分だけフォ
ースリミッタ荷重が減少する。したがって、トーション
バー22の捩り荷重が図3に示すF1のフォースリミッ
タ荷重として作用しながら第2次のエネルギ吸収が果た
される。
【0057】このときのウェビング引張力とスプール1
4の回転量とは、図3に示される関係となり、スプール
14が所定量回転した後にフォースリミッタ荷重を減少
させることができる。このため、車両急減速の初期には
大きなフォースリミッタ荷重を付加して時間当りのエネ
ルギ吸収量を大きくしてウェビング引出量(乗員の移動
量)を抑えて、所定のエネルギ吸収後はより小さいフォ
ースリミッタ荷重を付加して時間当りのエネルギ吸収量
を小さくすることによって乗員への負荷を軽減すること
ができる。特に、エアバッグ装置を備えた車両において
は、エアバッグと乗員との接触直前にフォースリミッタ
荷重を減少することによって乗員に作用する荷重を減じ
ることが可能で乗員の傷害をさらに軽減することができ
る。
4の回転量とは、図3に示される関係となり、スプール
14が所定量回転した後にフォースリミッタ荷重を減少
させることができる。このため、車両急減速の初期には
大きなフォースリミッタ荷重を付加して時間当りのエネ
ルギ吸収量を大きくしてウェビング引出量(乗員の移動
量)を抑えて、所定のエネルギ吸収後はより小さいフォ
ースリミッタ荷重を付加して時間当りのエネルギ吸収量
を小さくすることによって乗員への負荷を軽減すること
ができる。特に、エアバッグ装置を備えた車両において
は、エアバッグと乗員との接触直前にフォースリミッタ
荷重を減少することによって乗員に作用する荷重を減じ
ることが可能で乗員の傷害をさらに軽減することができ
る。
【0058】なお、一般に、エネルギ吸収時に許容する
ウェビング引出量の方がプリテンショナ機構30による
ウェビング巻取り量より大きいため、上述したようなフ
ォースリミッタ荷重特性が得られる。
ウェビング引出量の方がプリテンショナ機構30による
ウェビング巻取り量より大きいため、上述したようなフ
ォースリミッタ荷重特性が得られる。
【0059】このように、本実施の形態に係るのウェビ
ング巻取り装置10では、簡単かつコンパクトな構造
で、ウェビングの引出しを許容してエネルギを吸収する
過程においてフォースリミッタ荷重を減少させることが
できる。 (抵抗手段の変形例)上記の実施の形態に係るウェビン
グ巻取装置10では、プリテンショナ機構30を備えた
構成としたが、以下に説明する変形例に示すプリテンシ
ョナ機構を備えた構成としても良い。なお、上記の実施
の形態と共通する部品には、上記の実施の形態と同一の
符号を付してその説明を省略する。
ング巻取り装置10では、簡単かつコンパクトな構造
で、ウェビングの引出しを許容してエネルギを吸収する
過程においてフォースリミッタ荷重を減少させることが
できる。 (抵抗手段の変形例)上記の実施の形態に係るウェビン
グ巻取装置10では、プリテンショナ機構30を備えた
構成としたが、以下に説明する変形例に示すプリテンシ
ョナ機構を備えた構成としても良い。なお、上記の実施
の形態と共通する部品には、上記の実施の形態と同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0060】ウェビング巻取装置10は、プリテンショ
ナ機構30に代えて、図4に示すプリテンショナ機構6
0を備えた構成としても良い。
ナ機構30に代えて、図4に示すプリテンショナ機構6
0を備えた構成としても良い。
【0061】プリテンショナ機構60では、抵抗手段を
構成する一方向クラッチ50に代えて、キャップ62を
備えた構成としている。ピストン38の底部には、キャ
ップ62が設けられている。キャップ62は、シリンダ
34の底面に向けて外径が増加する下端開口の中空円錐
台状であり(図4(B)参照)、ピストン38と同軸的
でかつシリンダ34の内壁面に接するようにストッパ6
4によりピストン38の底面に固定される構成である。
また、キャップ62の下端部がシリンダ34低部と凹部
36とで形成される段部に係合する位置がピストン38
の初期位置とされている。
構成する一方向クラッチ50に代えて、キャップ62を
備えた構成としている。ピストン38の底部には、キャ
ップ62が設けられている。キャップ62は、シリンダ
34の底面に向けて外径が増加する下端開口の中空円錐
台状であり(図4(B)参照)、ピストン38と同軸的
でかつシリンダ34の内壁面に接するようにストッパ6
4によりピストン38の底面に固定される構成である。
また、キャップ62の下端部がシリンダ34低部と凹部
36とで形成される段部に係合する位置がピストン38
の初期位置とされている。
【0062】プリテンショナ機構60を備えたウェビン
グ巻取装置では、車両急減速時にガス供給装置46の作
動によりピストン38がウェビング巻取方向に駆動され
る際には、キャップ62の円錐部を内側に窄まるように
変形させながらピストン38が移動するため、ピストン
38の移動に伴う抵抗力は小さい。このため、ピストン
38はスムーズに駆動されラック40及びピニオン32
を介してスプールが強制的にウェビング巻取方向へ回転
され、ウェビング26の緩みが除去されて乗員に緊密に
装着される。
グ巻取装置では、車両急減速時にガス供給装置46の作
動によりピストン38がウェビング巻取方向に駆動され
る際には、キャップ62の円錐部を内側に窄まるように
変形させながらピストン38が移動するため、ピストン
38の移動に伴う抵抗力は小さい。このため、ピストン
38はスムーズに駆動されラック40及びピニオン32
を介してスプールが強制的にウェビング巻取方向へ回転
され、ウェビング26の緩みが除去されて乗員に緊密に
装着される。
【0063】一方、プリテンショナ機構60作動後のエ
ネルギ吸収時においては、ウェビング26に引張力が作
用しスプール14を介してピニオン32が逆回転される
と、キャップ62の円錐部を外側に拡げるように変形さ
せながらピストン38がウェビング引出方向に移動す
る。このため、キャップ62下端部がシリンダ38内壁
をかじり、キャップ62とシリンダ34の内壁との間で
かじり抵抗力が発生しながらピストン38が初期位置ま
で移動される。これにより、トーションバー22の捩り
荷重に加えてピストン38の移動に伴うかじり荷重がフ
ォースリミッタ荷重として確実に作用する。スプール1
4がさらに回転されてピストン38が初期位置まで移動
された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフォース
リミッタ荷重として作用する。
ネルギ吸収時においては、ウェビング26に引張力が作
用しスプール14を介してピニオン32が逆回転される
と、キャップ62の円錐部を外側に拡げるように変形さ
せながらピストン38がウェビング引出方向に移動す
る。このため、キャップ62下端部がシリンダ38内壁
をかじり、キャップ62とシリンダ34の内壁との間で
かじり抵抗力が発生しながらピストン38が初期位置ま
で移動される。これにより、トーションバー22の捩り
荷重に加えてピストン38の移動に伴うかじり荷重がフ
ォースリミッタ荷重として確実に作用する。スプール1
4がさらに回転されてピストン38が初期位置まで移動
された後は、トーションバーの捩り荷重のみがフォース
リミッタ荷重として作用する。
【0064】したがって、プリテンショナ機構60を備
えたウェビング巻取装置では、上記の実施の形態に係る
ウェビング巻取装置と同様に図3に示すフォースリミッ
タ荷重特性を得ることができる。
えたウェビング巻取装置では、上記の実施の形態に係る
ウェビング巻取装置と同様に図3に示すフォースリミッ
タ荷重特性を得ることができる。
【0065】また、ウェビング巻取装置10は、図5
(A)に示すプリテンショナ機構70を備えた構成とし
ても良い。
(A)に示すプリテンショナ機構70を備えた構成とし
ても良い。
【0066】プリテンショナ機構70は、プリテンショ
ナ機構30における一方向クラッチ50に代えて一方向
クラッチ72を備えた構成である。一方向クラッチ72
では、円板74にシリンダ34の内外を連通する小孔7
6が設けられている。
ナ機構30における一方向クラッチ50に代えて一方向
クラッチ72を備えた構成である。一方向クラッチ72
では、円板74にシリンダ34の内外を連通する小孔7
6が設けられている。
【0067】さらに、ウェビング巻取装置10は、図5
(B)に示すプリテンショナ機構90を備えた構成とし
ても良い。
(B)に示すプリテンショナ機構90を備えた構成とし
ても良い。
【0068】プリテンショナ機構90は、プリテンショ
ナ機構60におけるキャップ62に代えてキャップ92
を備えた構成である。キャップ92には、シリンダ34
の内外を連通する小孔94が設けられている。
ナ機構60におけるキャップ62に代えてキャップ92
を備えた構成である。キャップ92には、シリンダ34
の内外を連通する小孔94が設けられている。
【0069】プリテンショナ機構70またはプリテンシ
ョナ機構90を備えたウェビング巻取装置では、プリテ
ンショナ機構作動後のエネルギ吸収時においては、ウェ
ビング26に引張力が作用しスプール14を介してピニ
オン32が逆回転されると、シリンダ34内に残留する
ガスを小孔76または小孔94から確実に排出しながら
ピストン38が初期位置まで移動される。これにより、
ピストン38が初期位置まで移動される間において、不
安定な挙動を示すガスの圧縮に伴う荷重の影響を受けず
に安定したフォースリミッタ荷重を得ることができる。
ョナ機構90を備えたウェビング巻取装置では、プリテ
ンショナ機構作動後のエネルギ吸収時においては、ウェ
ビング26に引張力が作用しスプール14を介してピニ
オン32が逆回転されると、シリンダ34内に残留する
ガスを小孔76または小孔94から確実に排出しながら
ピストン38が初期位置まで移動される。これにより、
ピストン38が初期位置まで移動される間において、不
安定な挙動を示すガスの圧縮に伴う荷重の影響を受けず
に安定したフォースリミッタ荷重を得ることができる。
【0070】したがって、プリテンショナ機構70また
はプリテンショナ機構90を備えたウェビング巻取装置
では、第一次のエネルギ吸収の際に確実に一定のフォー
スリミッタ荷重を作用させることができる。
はプリテンショナ機構90を備えたウェビング巻取装置
では、第一次のエネルギ吸収の際に確実に一定のフォー
スリミッタ荷重を作用させることができる。
【0071】なお、上記の実施の形態では、小孔76ま
たは小孔94が抵抗手段を構成する一方向クラッチ72
またはキャップ92に設けられた構成としたが、小孔が
シリンダ34に設けられた構成としても良い。
たは小孔94が抵抗手段を構成する一方向クラッチ72
またはキャップ92に設けられた構成としたが、小孔が
シリンダ34に設けられた構成としても良い。
【0072】また、上記実施の形態に係るウェビング巻
取装置10は、エアバッグ装置を備えた車両に適用する
ことができる。
取装置10は、エアバッグ装置を備えた車両に適用する
ことができる。
【0073】この車両では、エアバッグと乗員との接触
直前に、ピニオン32とラック40との噛合いを解除す
る構成とすることができる。これにより、乗員とエアバ
ッグとが接触する際には、一方向クラッチ50若しくは
72、または、キャップ62若しくは92による抵抗荷
重の分だけフォースリミッタ荷重が低減される。したが
って、エアバッグと乗員との接触前においては、大きな
フォースリミッタ荷重を付加してスプール14の回転量
当りのエネルギ吸収量を大きくすることでウェビング引
出量(乗員の移動量)を抑えることができる。一方、エ
アバッグと乗員との接触後は、フォースリミッタ荷重が
低減されているため、乗員に作用する総荷重が低減さ
れ、乗員の傷害の程度を軽減することができる。
直前に、ピニオン32とラック40との噛合いを解除す
る構成とすることができる。これにより、乗員とエアバ
ッグとが接触する際には、一方向クラッチ50若しくは
72、または、キャップ62若しくは92による抵抗荷
重の分だけフォースリミッタ荷重が低減される。したが
って、エアバッグと乗員との接触前においては、大きな
フォースリミッタ荷重を付加してスプール14の回転量
当りのエネルギ吸収量を大きくすることでウェビング引
出量(乗員の移動量)を抑えることができる。一方、エ
アバッグと乗員との接触後は、フォースリミッタ荷重が
低減されているため、乗員に作用する総荷重が低減さ
れ、乗員の傷害の程度を軽減することができる。
【0074】なお、この場合、抵抗手段により付加され
る荷重の大きさを調整することによって、エアバッグと
乗員との接触時期が予め設定することができる。
る荷重の大きさを調整することによって、エアバッグと
乗員との接触時期が予め設定することができる。
【0075】このように、上記実施の形態に係るウェビ
ング巻取装置10を適用し、エアバッグ装置を備えた車
両は、乗員に作用する荷重を低減することができる。
ング巻取装置10を適用し、エアバッグ装置を備えた車
両は、乗員に作用する荷重を低減することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るウェビ
ング巻取装置は、簡単かつコンパクトな構造で、ウェビ
ングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エネ
ルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を付加
し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリミッタ荷
重を付加することができるという優れた効果を有する。
ング巻取装置は、簡単かつコンパクトな構造で、ウェビ
ングの引出しを許容してエネルギを吸収する際に、エネ
ルギ吸収の初期には大きなフォースリミッタ荷重を付加
し、所定のエネルギ吸収後は小さなフォースリミッタ荷
重を付加することができるという優れた効果を有する。
【0077】さらに、本発明に係る車両は、上記のウェ
ビング巻取装置及びエアバッグ装置を備え、乗員に作用
する荷重を減じることができる。
ビング巻取装置及びエアバッグ装置を備え、乗員に作用
する荷重を減じることができる。
【図1】(A)は本発明の実施の形態に係るウェビング
巻取装置の側面図、(B)は全体構成を示す断面図であ
る。
巻取装置の側面図、(B)は全体構成を示す断面図であ
る。
【図2】(A)は本発明の実施の形態に係るウェビング
巻取装置を構成するプリテンショナ機構の作動時の断面
図、(B)はエネルギ吸収時の断面図である。
巻取装置を構成するプリテンショナ機構の作動時の断面
図、(B)はエネルギ吸収時の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るウェビング巻取装置
のウェビング引張力(フォースリミッタ荷重)とスプー
ルのウェビング引出方向回転量との関係を示す線図であ
る。
のウェビング引張力(フォースリミッタ荷重)とスプー
ルのウェビング引出方向回転量との関係を示す線図であ
る。
【図4】(A)は本発明の実施の形態の変形例に係るウ
ェビング巻取装置を構成するプリテンショナ機構の断面
図、(B)は当該プリテンショナ機構を構成するキャッ
プの斜視図である。
ェビング巻取装置を構成するプリテンショナ機構の断面
図、(B)は当該プリテンショナ機構を構成するキャッ
プの斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の変形例に係るウェビング
巻取装置を構成するプリテンショナ機構の断面図であっ
て、(A)は一方向クラッチに小孔を設けた場合を示す
断面図、(B)はキャップに小孔を設けた場合を示す断
面図である。
巻取装置を構成するプリテンショナ機構の断面図であっ
て、(A)は一方向クラッチに小孔を設けた場合を示す
断面図、(B)はキャップに小孔を設けた場合を示す断
面図である。
10 ウェビング巻取装置 12 フレーム 14 スプール 16 ロックベース 18 スリーブ 22 トーションバー 24 ロックプレート(ロック手段) 26 ウェビング 30 プリテンショナ機構 32 ピニオン 34 シリンダ 38 ピストン 40 ラック 46 ガス供給装置 50 一方向クラッチ(抵抗手段) 60 プリテンショナ機構 62 キャップ(抵抗手段) 70 プリテンショナ機構 72 一方向クラッチ(抵抗手段) 76 小孔 90 プリテンショナ機構 92 キャップ(抵抗手段) 94 小孔
Claims (5)
- 【請求項1】 ウェビングが巻取り引出しされる筒状の
スプールと、 前記スプールの一端側に前記スプールと同軸的でかつ相
対回転可能に設けられたロックベースと、 前記ロックベースに接続して設けられ、所定の加速度が
検知された際にフレームに係合して前記ロックベースの
ウェビング引出方向回転を阻止するロック手段と、 前記スプール内に前記スプールと同軸的に設けられ、一
端が前記スプールに連結されると共に他端が前記ロック
ベースに連結され、通常は前記スプールと前記ロックベ
ースとを一体に回転させ、前記ロック手段による前記ロ
ックベースのウェビング引出方向回転阻止状態ではウェ
ビング引張力により捩じれながら前記スプールを前記ロ
ックベースに対してウェビング引出方向へ相対回転させ
るトーションバーと、 前記スプールに係合可能に設けられたピストンと、前記
フレームに固定され前記ピストンが挿入されたシリンダ
と、前記シリンダに連通され前記シリンダ内にガスを供
給可能なガス供給手段と、を有し、車両急減速時には前
記ガス供給装置が作動され、前記ピストンが前記シリン
ダ内でスライド移動することにより前記スプールを強制
的に回転させて前記ウェビングを乗員拘束方向へ緊張さ
せるプリテンショナ機構と、 を備えたウェビング巻取装置において、 前記シリンダ内に設けられ、前記プリテンショナ機構が
作動された後、前記スプールが前記ウェビング引出方向
へ回転される際には前記ピストンと前記シリンダとの相
対移動に伴う抵抗力を生じさせる抵抗手段を備えたこと
を特徴とするウェビング巻取装置。 - 【請求項2】 前記抵抗手段を、 前記ピストンの外周または前記シリンダの内周の少なく
とも一方に設けられたテーパ部と、 前期テーパ部において前記ピストンと前記シリンダ内壁
との間に配置され、前記プリテンショナ機構が作動され
る際には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間におい
て拘束を受けず、前記プリテンショナ機構が作動された
後、前記スプールがウェビング引出方向へ回転される際
には前記ピストンと前記シリンダ内壁との間に挟持され
前記ピストンの移動に伴う抵抗力を生じさせるボール
と、 で構成される一方向クラッチとしたことを特徴とする請
求項1記載のウェビング巻取装置。 - 【請求項3】 前記抵抗手段を、一端に向けて外径が増
加する中空円錐台状に形成され、前記一端外周部が前記
シリンダ内壁に接触するように前記ピストンに接続され
たキャップとしたことを特徴とする請求項1記載のウェ
ビング巻取装置。 - 【請求項4】 前記シリンダ内のガスを排出可能な小孔
を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
か1項記載のウェビング巻取装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の
ウェビング巻取装置を備え、かつエアバッグ装置を備え
た車両であって、 エアバッグと乗員との接触直前に前記スプールと前記ピ
ストンとの係合状態がが解除されることを特徴とする車
両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078408A JP2001260812A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ウェビング巻取装置及び車両 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000078408A JP2001260812A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ウェビング巻取装置及び車両 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001260812A true JP2001260812A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18595823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000078408A Pending JP2001260812A (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ウェビング巻取装置及び車両 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001260812A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008254459A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Autoliv Development Ab | シートベルト用リトラクタ |
JP2010089528A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-22 | Autoliv Development Ab | シートベルト装置 |
JP2010202080A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Ashimori Ind Co Ltd | シートベルト用リトラクタ |
JP2013001153A (ja) * | 2011-06-13 | 2013-01-07 | Ashimori Industry Co Ltd | シートベルト用リトラクタ |
JP2015168423A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 現代自動車株式会社Hyundaimotor Company | 車両のアンカープリテンショナー |
CN115027407A (zh) * | 2022-05-13 | 2022-09-09 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种安全带限力装置 |
-
2000
- 2000-03-21 JP JP2000078408A patent/JP2001260812A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008254459A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Autoliv Development Ab | シートベルト用リトラクタ |
JP2010089528A (ja) * | 2008-10-03 | 2010-04-22 | Autoliv Development Ab | シートベルト装置 |
JP2010202080A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Ashimori Ind Co Ltd | シートベルト用リトラクタ |
JP2013001153A (ja) * | 2011-06-13 | 2013-01-07 | Ashimori Industry Co Ltd | シートベルト用リトラクタ |
JP2015168423A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | 現代自動車株式会社Hyundaimotor Company | 車両のアンカープリテンショナー |
CN115027407A (zh) * | 2022-05-13 | 2022-09-09 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种安全带限力装置 |
CN115027407B (zh) * | 2022-05-13 | 2024-01-16 | 岚图汽车科技有限公司 | 一种安全带限力装置 |
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