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JP2001257680A - Atm中継装置およびatmアダプテーション装置 - Google Patents

Atm中継装置およびatmアダプテーション装置

Info

Publication number
JP2001257680A
JP2001257680A JP2000066587A JP2000066587A JP2001257680A JP 2001257680 A JP2001257680 A JP 2001257680A JP 2000066587 A JP2000066587 A JP 2000066587A JP 2000066587 A JP2000066587 A JP 2000066587A JP 2001257680 A JP2001257680 A JP 2001257680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
header
atm
crc code
upper layer
pdu
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000066587A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Takenoshita
博士 竹之下
Morio Yoshida
守男 吉田
Naoya Hashimoto
直也 橋本
Koichi Senda
浩一 千田
Hirotaka Fukuoka
弘登 福岡
Maki Tanigawa
真樹 谷川
Takashi Kondo
隆 近藤
Hiroyuki Ichikawa
弘幸 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp, Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2000066587A priority Critical patent/JP2001257680A/ja
Publication of JP2001257680A publication Critical patent/JP2001257680A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 AALタイプ5等のプロトコルを用いるカッ
トスルー転送方式ATM中継装置において、ATMセル
が誤った宛先に転送されるのを抑制する。 【解決手段】 一般的に、ATM中継装置11では、P
DU管理手段17が一連のユーザデータを構成する複数
のATMセルから先頭ATMセルを識別し、その後、ヘ
ッダ解析手段19がこの先頭ATMセル中の上位層PD
Uに含まれるIPアドレス等の宛先情報を解析する。こ
れに対し、このATM中継装置は、PDU管理手段およ
びヘッダ解析手段間に、上位層PDUのヘッダの後のヘ
ッダCRC符号に基づいて当該上位層PDUのヘッダの
正常性を確認するヘッダCRC符号確認手段21を具え
る。よって、ヘッダCRC符号確認手段によりヘッダの
正常性を確認したのち、ヘッダ解析手段が宛先情報を解
析することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ATM中継装置
およびATMアダプテーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非同期転送モード(ATM:As
ynchronous Transfer Mode)
通信方式では、ITU−T勧告に係る標準プロトコルが
用いられている。ITU−T勧告I.365.3および
ITU−T勧告I.365.4には、ATMアダプテー
ション層(ATM Adaptation Laye
r:以下AALという。)タイプ3プロトコルおよびタ
イプ4プロトコルがそれぞれ勧告化されている。AAL
タイプ3およびタイプ4プロトコルは、互いに共通部分
が多く、一般にはAALタイプ3/4プロトコルと総称
される。AALタイプ3/4プロトコルは、主としてク
ラスCサービスおよびクラスDサービスを提供するAA
Lプロトコルとして知られている。
【0003】一方、現在においては、ITU−T勧告
I.365.5にて勧告化され、UNI信号用やクラス
Cサービスに特化したAALタイプ5プロトコルが、広
く普及しつつある。AALタイプ5プロトコルでは、機
能を限定することによりプロトコルの簡略化を図り、そ
の結果、データ転送速度の高速化や装置構成の簡略化を
実現している。
【0004】図10は、AALタイプ3/4によるプロ
トコル層を概念的に示す図であり、図11は、AALタ
イプ3/4におけるSAR層のPDU(Protoco
lData Unit:プロトコルデータ単位)を概念
的に示す図である。図12は、ATMセルを概念的に示
す図である。また、図13は、AALタイプ3/4プロ
トコルを利用してカットスルー転送するATM中継装置
を概略的に示す図である。以下、図10、図11、図1
2および図13を参照して、従来のカットスルー転送型
ATM中継装置につき説明する。
【0005】図10に示すように、AALタイプ3/4
プロトコルによれば、SSCS(Service Sp
ecific Convergence Sublay
er:サービス依存部コンバージェンスサブレイヤ)で
は、SSCS−SDU(但し、SDUはService
Data Unit:サービスデータ単位であり、ペ
イロードとも称される。)に、ヘッダやトレイラを付加
してなるSSCS−PDUが規定されている。このSS
CS−SDUは、一連のユーザデータを含む上位層(一
般的に上位レイヤとも称される。)PDUに相当する。
SSCS層は、上位層へのサービスに特化したCS(C
onvergence Sublayer:コンバージ
ェンスサブレイヤ)である。なお、図10中、左側のS
SCS−PDU(1)がAALタイプ3プロトコルによる
PDUであり、右側のSSCS−PDU(2)がAALタ
イプ4によるPDUを示す。
【0006】また、CPCS(Common Part
Convergence Sublayer:共通部
コンバージェンスサブレイヤ)では、CPCS−SDU
に、データ長調節用のPAD、CPCSヘッダおよびC
PCSトレイラを付加してなるCPCS−PDUが規定
されている。このCPCS−SDUは、SSCS−PD
Uに相当する。
【0007】また、SAR(Segmentation
and Reassembly:分割組立)層では、
CPCS−PDUを44オクテット(octet)毎の
SAR−SDUに分割し、これらの各SAR−SDUに
SARヘッダおよびSARトレイラを付加してなるSA
R−PDUが規定されている。
【0008】図11に示すように、SAR−PDUは、
SARヘッダにST(Segment Type:セグ
メントタイプ)フィールドを有する。このSTフィール
ドには、一連のユーザデータを構成するSAR−PDU
のうち、それぞれのSAR−PDUが、先頭PDUであ
るか、継続PDUであるか、最後尾PDUであるか若し
くは単一PDUであるかについて示されている。
【0009】また、図11に示すように、SAR−PD
Uは、SARトレイラにCRC(Cyclic Red
undancy Check:巡回冗長検査)符号を有
する。このSAR−CRC符号は、SAR−PDUの正
常性を確認するために設けられていて、一般的には10
ビットのデータ長さを有するCRC−10が用いられて
いる。なお、このSAR−PDUには、これら以外に、
図11に示すように、SN(Sequence Num
ber:シーケンス番号)、MID(Multiple
xing Identification:多重識別
子)およびLI(length Indicatio
n:ペイロード長表示)が含まれる。
【0010】図12に示すように、48octetの各
SAR−PDU(PAYLOAD)に5octetのヘ
ッダを付加してなるATMセルが規定されている。
【0011】ATMセルのヘッダは、VPI(Virt
ual Path Identifier:仮想パス識
別子)およびVCI(Virtual Channel
Identifier:仮想チャネル識別子)フィー
ルドを有していて、ATM中継装置ではこれらのVPI
およびVCIの値に基づいて出力方路が設定される。
【0012】また、ATMセルのヘッダは、PT(Pa
yload Type:ペイロードタイプ)フィールド
を有する。このPTフィールドにはAUU(ATM U
ser−to−User Indication:AT
Mユーザ間表示)が示されていて、AALにおいて利用
可能となっている。なお、図12に示すように、このA
TMセルのヘッダは、これら以外に、GFC(Gene
ric Flow Control:一般的フロー制
御)、CLP(Cell Loss Priorit
y:セル損失優先表示)およびHEC(Header
Error Control:ヘッダ誤り制御)を有す
る。
【0013】ここで、この発明の理解を容易にするた
め、先ず、図13を参照して、以上のようなAALタイ
プ3/4プロトコルを利用してカットスルー転送を行う
従来のATM中継装置につき説明する。
【0014】図13に示すように、AALタイプ3/4
プロトコルを利用するATM中継装置101は、物理層
デバイス103と、PDU管理手段105と、出力方路
選択手段107と、ヘッダ解析手段109と、データ変
換部111とを構成要素として具える。以下、これらの
各構成要素の構成をその機能と共に説明する。
【0015】物理層デバイス103は、ネットワーク側
の伝送ラインから入力されたビットストリームをATM
セルのセルストリームに変換すると共に、ATM中継装
置で所要の処理が済まされたATMセルのストリームを
伝送ラインから出力されるビットストリームに変換す
る。すなわち、物理層デバイス103は、ビットストリ
ームと、ATMセルストリームとの間の双方向変換をす
る。
【0016】PDU管理手段105は、物理層デバイス
103からのATMセルを入力し、これらのATMセル
のうち先頭ATMセルを識別し、その後、識別された先
頭ATMセルをヘッダ解析手段109へ送出する。
【0017】一般的に言うと、先頭ATMセルには、上
位層PDUのヘッダが含まれている。また、一般的な上
位層におけるプロトコルによれば、例えば、OSI(O
pen System Interconnectio
n:開放型システム間相互接続)参照モデルに従うプロ
トコルであっても、或いは、TCP/IP(Trans
mission Control Protocol/
Internet Protocol:伝送制御プロト
コル/インターネットプロトコル)に従うプロトコルで
あっても、通常、上位層PDUのヘッダ内には宛先情報
が含まれている。ただし、実際の製品としてはOSI参
照モデルやTCP/IPモデルに準拠していないものが
多い。しかしながら、このような上位層プロトコルであ
っても宛先情報は含まれているものが多い。
【0018】なお、ここで言う宛先情報とは、OSI参
照モデルにおけるデータリンク層にて設定されるよう
な、中継ノード間のデータ受渡をするための情報ではな
く、ネットワーク層にて設定されるような、エンド・ツ
ー・エンド(End−to−End)のデータ送信先を
示す情報である。
【0019】例えば、上位層がTCP/IPに従うイン
ターネットプロトコルを利用する場合には、IP(In
ternet Protocol)パケットのヘッダ
が、宛先情報としての宛先IPアドレスを有する。ただ
し、宛先IPアドレスは、IPバージョン4(IP v
ersion4:IPv4)の場合は32ビット長、I
Pバージョン6(IPv6)の場合は128ビット長と
なる。
【0020】ヘッダ解析手段109は、先頭ATMセル
中の上位層PDUのヘッダに含まれる宛先情報に基づい
て一連のユーザデータを構成するATMセルの出力方路
を設定し、この設定情報を、出力方路管理テーブル11
3に登録する。
【0021】データ変換部111は、PDU管理手段1
05およびヘッダ解析手段109に接続されていて、一
連のユーザデータを構成する各ATMセルに含まれるデ
ータを書き換える。なお、図13に示す例では、データ
変換部111には、ヘッダ解析手段109から送出され
た先頭ATMセルと、PDU管理手段105から送出さ
れた後続ATMセルとの双方が入力され、これらのAT
Mセルに含まれるデータが書き換えられる。
【0022】典型的に言うと、データ変換部111は、
例えば、入力側の伝送ラインにて使用されていたVPI
およびVCIを、出力側の伝送ラインにて使用するべき
VPIおよびVCIに再設定する。
【0023】また、データ変換部111は、例えば、上
位層PDUのヘッダを書き換える機能を有する。すなわ
ち、公知のごとく、IPパケットのような上位層PDU
のヘッダには、このIPパケットが通過したノード数を
示すフィールド(Hop Limit Field:中
継限界数フィールド)が設けられている。データ変換部
111は、例えば、IPパケットが中継ノードを通過す
る毎に、この通過ノード数を示す中継限界数フィールド
を減算していく。この中継限界数フィールドは、宛先不
明のIPパケットを効率よく破棄し、ネットワークリソ
ースの減少を抑制するために設けられている。
【0024】このように、データ変換部111は、VP
IまたはVCI、或いは、上位層PDUのヘッダに含ま
れるデータを必要に応じて書き換えて、これら書き換え
られたATMセルをPDU管理手段105へ送出する。
【0025】以上のように、このATM中継装置101
では、先頭ATMセルに含まれる宛先情報に基づいて出
力方路を設定し、この設定情報を出力方路管理テーブル
113に登録している。
【0026】このATM中継装置101では、以下に説
明するように、この設定情報に基づいて書換後の先頭A
TMセルおよびこれに続く後続のATMセルをルーティ
ングする。
【0027】すなわち、図13のPDU管理手段105
は、VPIまたはVCIが再設定されたこれらのATM
セルを出力方路選択手段107へ出力する。
【0028】出力方路選択手段107は、これに入力さ
れたATMセルのVPIおよびVCIに基づいて、各A
TMセルの自己ルーティングすなわち出力方路の選択を
行う。
【0029】一般的には、この出力方路選択は、マトリ
クススイッチで行う。このマトリクススイッチの入力ポ
ートに入力されて出力方路が選択された各ATMセル
は、再びPDU管理手段105を経由して、物理層デバ
イス103の出力ポートに接続された所望の伝送ライン
の所望の伝送チャネルから出力されることにより、デス
ティネーション(宛先)ノード側に隣接する中継ノード
に伝送される。
【0030】従来のATM中継装置の転送方式には様々
な方式があるが、その一つとして通信の大容量化に有用
なカットスルー転送方式がある。
【0031】カットスルー転送方式では、ATM中継装
置101が、一連のユーザデータを構成する先頭ATM
セルから最後尾ATMセルに到る全てのATMセルを蓄
積したのちに転送するのではなく、到着したATMセル
から順に各ATMセルを逐次に転送する。
【0032】このようなカットスルー転送方式によれ
ば、ATM中継装置101の処理速度が増加し、その結
果、ATMネットワークの転送量や転送速度を向上させ
ることができ、しかも、ATM中継装置内のFIFO
(ファースト・イン・ファースト・アウト)メモリ等の
データ格納用バッファを小さくすることができる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】図11に示すように、
AALタイプ3/4プロトコルによれば、各SAR−P
DUのヘッダにはSTフィールドが設けられているた
め、各中継装置に到着するATMセルに対して正確な先
頭認識処理を行うことができる。したがって、確実に先
頭ATMセルを識別することができる。
【0034】また、AALタイプ3/4プロトコルによ
れば、各SAR−PDUのトレイラにはCRC符号が設
けられているため、各SAR−PDU毎に、その正常性
を確認することができる。したがって、各ATMセル毎
に、各ATMセルペイロードのビット誤りを検出するこ
とができる。
【0035】以上のことから、ATM中継装置がAAL
タイプ3/4プロトコルを利用している場合には、正確
なカットスルー転送をすることができる。
【0036】しかしながら、AALタイプ5プロトコル
を利用する場合には、この限りでない。この理由につ
き、図14および図15を参照して以下に説明する。な
お、図14は、AALタイプ5によるプロトコル層を概
念的に示す図であり、図15は、AALタイプ5による
CPCSトレイラを概念的に示す図である。
【0037】図14に示すように、AALタイプ5プロ
トコルによれば、上位層PDUは、ヘッダ(HEADE
R)と上位層SDUとで構成されていて、SSCSにつ
いては特に規定されていない。CPCSでは、一連のユ
ーザデータを含む上位層PDUにPADおよびトレイラ
を付加してなるCPCS−PDUが規定されている。
【0038】また、SAR層では、CPCS−PDUを
48octet毎のSAR−SDUに分割し、各SAR
−SDUに、ATMヘッダ(図中Hで示す。)を付加し
てなるSAR−PDUが規定されている。
【0039】なお、図14中ではSAR層にてATMセ
ルヘッダを付加するように示している。その理由は、A
ALタイプ5プロトコルによれば、先頭セルの認識用に
ATMセルヘッダ内のPT(Payload Typ
e:ペイロードタイプ)フィールドには、当該ATMセ
ルが先頭或いは継続である場合に0が示され、また最後
尾である場合に1が示されること、および、ATM層に
て付加されるべきATMセルヘッダがAALタイプ5プ
ロトコルではSAR層で利用されることによる。このよ
うな理由によって、図14では、SAR層でATMセル
を生成するように示してある。
【0040】AALタイプ5プロトコルによるCPCS
トレイラは、図15に示すように、CPCS−UU(C
PCS−User−to−User Indicati
on:CPCS−ユーザ間表示)フィールドと、CPI
(Common PartIndicator:共通部
識別子)フィールドと、LENGTH(長さ)フィール
ドと、CRC(CPCS−CRC)符号とを有する。
【0041】CPCS−UUフィールドは、ユーザ間表
示のためのフィールドであり、上位層で使用する情報を
透過的に転送する。
【0042】CPCS−LENGTHフィールドは、C
PCS−SDUの長さを表示していて、SSCSや上位
層に正しい長さのCPCS−SDUを提供するためのフ
ィールドである。
【0043】CPCS−CRC符号は、CPCS−PD
Uの正常性を確認するために設けられている。現在のと
ころ、CPCS−CRCとしては、32ビットのデータ
長さを有するCRC−32が一般的に用いられている。
【0044】したがって、図14に示すAALタイプ5
プロトコルでは、第1に、CPCS−PDUの正常性に
ついては確認するが、CPCS−PDUを分割してなる
複数のSAR−PDUの正常性については確認しない。
よって、AALタイプ5プロトコルでは、一連のユーザ
データを構成する各ATMセルの各々のデータ正常性を
確認するには、最後尾ATMセルに含まれるCPCSの
CPCS−CRC符号に依らなければならない。
【0045】また、このAALタイプ5プロトコルによ
れば、第2に、一連のユーザデータを構成する各ATM
セルが先頭、継続、最終若しくは単一のいずれであるか
を明示的には示しておらず、すなわち、上述したように
最終または単一のATMセルか、若しくは、先頭または
継続のATMセルかについてのみ示しているに過ぎな
い。一方、前述したように、AALタイプ3/4プロト
コルは、先頭、継続、最後尾または単一のいずれである
かを明示的に示していて、この点でAALタイプ5と大
きく異なる。
【0046】以上の2点から、AALタイプ5プロトコ
ルを利用して、上述した従来のATM中継装置にてカッ
トスルー転送をする場合には、先頭ATMセルの紛失や
先頭ATMセルのビット誤りを確実に検出することがで
きない。そのため、誤った宛先情報に基づいて一連のユ
ーザデータを構成する各ATMセルが転送される可能性
がある。一方、AALタイプ3/4プロトコルでは、S
AR−PDUの正常性について各SAR−CRC符号に
より確認することができるため、このような不具合は生
じにくい。
【0047】このとき、特に、複数のATMセルを複製
して複数の宛先に転送するマルチキャスト(選択同報)
通信をする場合には、誤って転送されるATMセルの数
は膨大になってしまう。
【0048】したがって、AALタイプ5プロトコルの
ように一連のユーザデータを構成するATMセルの全て
が到着して初めて当該ユーザデータを構成する先頭AT
Mセルの正常性について確認できるAALプロトコルを
利用するATM中継装置において、ATMセルが誤った
宛先に転送されるのを抑制しつつカットスルー転送でき
るATM中継装置の出現が望まれていた。
【0049】また、これと同時に、ATMセルが誤った
宛先に転送されるのを抑制しつつカットスルー転送でき
る中継方式を実現するAALアダプテーション装置の出
現が望まれていた。
【0050】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明では、
ATM中継装置を次のように構成した。
【0051】この発明のATM中継装置は、一連のユー
ザデータを構成するATMセルの全てが到着して初めて
このユーザデータを構成する先頭ATMセルが正常か否
かを判定できるAALプロトコルを利用するATM中継
装置である。
【0052】そして、この発明のATM中継装置は、一
連のユーザデータを構成するATMセルのうち上位層の
PDUのヘッダを含んでなる先頭ATMセルを識別する
PDU管理手段と、先頭ATMセル中の当該上位層PD
Uのヘッダに含まれる宛先情報に基づいて、一連のユー
ザデータを構成するATMセルの出力方路を設定し、こ
の設定した設定情報を登録するヘッダ解析手段とを具え
る。
【0053】更に、この発明のATM中継装置は、登録
された設定情報に基づいて、一連のユーザデータを構成
するATMセルをカットスルー転送する。
【0054】特に、この発明のATM中継装置は、PD
U管理手段およびヘッダ解析手段間に、上位層PDUの
ヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて、当該上位層
PDUのヘッダが正常か否かを判定し、当該ヘッダが正
常であると判定された場合には、ヘッダ解析手段に出力
方路を設定させるヘッダCRC符号確認手段を具えるこ
とを特徴とする。
【0055】この構成によれば、ヘッダCRC符号確認
手段を有するため、先頭ATMセル中の上位層PDUの
ヘッダが正常か否かについて、当該上位層PDUのヘッ
ダの後のヘッダCRC符号に基づいて判定したのち、A
TMセルの出力方路を設定することができる。よって、
上位層PDUのヘッダに含まれる宛先情報の正常性を確
認したのちに、当該宛先情報に基づいて出力方路を設定
することができるため、ATMセルが誤った宛先に転送
されるの抑制しつつカットスルー転送することができ
る。
【0056】なお、ここでいうヘッダCRC符号は、例
えば後述するATMアダプテーション装置によって設定
される。
【0057】また、このヘッダCRC符号は、例えば、
上位層PDUのヘッダの直後に設けられていてよい。
【0058】また、典型的には、このAALプロトコル
を、ITU−T勧告I.365.5(出願当時)にて勧
告化されたAALタイプ5プロトコルとすることができ
る。
【0059】また、このATM中継装置は、好ましく
は、PDU管理手段およびヘッダ解析手段に接続されて
いて、一連のユーザデータを構成する各ATMセルに含
まれるデータを書き換えるデータ変換部を更に具えても
よい。
【0060】例えば、このデータ変換部は、後述するよ
うに、各ATMセルの出力方路を決定するVPIまたは
VCIを設定するVPI/VCI設定手段を有してもよ
い。
【0061】また、データ変換部を有するこの発明のA
TM中継装置の第1の好適実施例では、次のように構成
するのが好ましい。
【0062】ヘッダCRC符号確認手段は、上位層PD
Uのヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて演算を行
う第1ヘッダCRC符号演算回路に接続される。
【0063】データ変換部は、上位層PDUのヘッダが
書き換えられるべき情報を有する場合に当該上位層PD
Uのヘッダを書き換える上位層PDUヘッダ書換手段
と、この書き換えられた上位層PDUのヘッダに基づい
て再計算されたヘッダCRC符号を、当該再計算前のヘ
ッダCRC符号と置き換えるヘッダCRC符号置換手段
とを有する。
【0064】ヘッダCRC符号置換手段は、書き換えら
れた前記上位層PDUのヘッダに基づいてCRC符号を
演算する第2ヘッダCRC符号演算回路に接続される。
【0065】そして、第1ヘッダCRC符号演算回路
と、第2ヘッダCRC符号演算回路とを共通な回路で構
成してあるのがよい。
【0066】このように、ヘッダCRC符号確認手段に
接続された第1ヘッダCRC符号演算回路と、ヘッダC
RC符号置換手段に接続されたヘッダCRC符号演算回
路とを、共通な演算回路で構成することにより、個別に
演算回路を設ける必要がなくなる。したがって、装置構
成を簡略化でき、その結果、ATM中継装置のコストや
装置サイズを低減させることができる。
【0067】また、データ変換部を有するこの発明のA
TM中継装置の好適実施例では、次のように構成するの
が好ましい。
【0068】前述したAALプロトコルを、ITU−T
勧告I.365.5にて勧告化されたAALタイプ5プ
ロトコル、すなわち、ATM層および上位層間の変換を
行うAALが、CPCSおよびSAR層を含み、およ
び、CPCS−PDUのトレイラがCPCS−CRC符
号を含むプロトコルとする。
【0069】PDU管理手段は、先頭ATMセルを識別
すると共に、一連のユーザデータを構成する最後尾AT
Mセルを識別する機能を有する。
【0070】ヘッダCRC符号確認手段は、前記上位層
のPDUヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて演算
を行う第1ヘッダCRC符号演算回路に接続される。
【0071】データ変換部は、上位層PDUのヘッダが
書き換えられるべき情報を有する場合に当該上位層PD
Uのヘッダを書き換える上位層PDUヘッダ書換手段
と、この書き換えられた上位層PDUのヘッダに基づい
て再計算されたヘッダCRC符号を、当該再計算前のヘ
ッダCRC符号と置き換えるヘッダCRC符号置換手段
と、このヘッダCRC符号置換後の上位層PDUを含む
CPCS−PDUに基づいて再計算されたCPCS−C
RC符号を、当該再計算前のCPCS−CRC符号と置
き換えるCPCS−CRC符号置換手段とを有する。
【0072】ヘッダCRC符号置換手段は、書き換えら
れた上位層PDUのヘッダに基づいてCRC符号を演算
する第2ヘッダCRC符号演算回路に接続される。
【0073】CPCS−CRC符号置換手段は、ヘッダ
CRC符号置換後の上位層PDUを含むCPCS−PD
Uに基づいてCRC符号を演算するCPCS−CRC符
号演算回路に接続される。
【0074】そして、第1ヘッダCRC符号演算回路お
よび第2ヘッダCRC符号演算回路のうち一方または双
方を、CPCS−CRC符号演算回路と共通な回路で構
成する。
【0075】このように、第1或いは第2ヘッダCRC
符号演算回路と、CPCS−CRC符号演算回路とを、
共通な演算回路で実現することにより、個別に演算回路
を設ける必要がなくなる。したがって、装置構成を簡略
化でき、その結果、ATM中継装置のコストや装置サイ
ズを低減させることができる。
【0076】また、特に、第2ヘッダCRC符号演算回
路およびCPCS−CRC演算回路を共通な回路で構成
した場合には、ヘッダCRC符号を生成する演算に用い
られたビット情報の一部をそのまま利用して、CPCS
−CRC符号を生成する演算を行うことができる。した
がって、処理速度を向上させることができる。
【0077】また、この発明のATM中継装置の実施に
当たり、例えば、上位層PDUを、インターネットプロ
トコルバージョン6(IPv6)のパケットとするのが
好ましい。周知のごとく、IPパケットのヘッダには宛
先IPアドレスが設けられている。特に、IPv6パケ
ットのヘッダ後には任意の拡張ヘッダを付加することが
できるため、好適である。
【0078】一方、この発明のATMアダプテーション
装置は、AALプロトコルを利用して、送信されるべき
上位層PDU(送信上位層PDUという。)からATM
セル(送信ATMセルという。)への変換と、受信した
ATMセル(受信ATMセルという。)から上位層PD
U(受信上位層PDUという。)への変換との双方向変
換を行うATMアダプテーション装置において、送信上
位層PDUのヘッダが宛先情報を有する場合には、この
送信上位層PDUのヘッダに基づいて、当該送信上位層
PDUのヘッダの正常性を確認するためのヘッダCRC
符号を、当該送信上位層PDUのヘッダの後に付加する
ヘッダCRC符号付加手段と、ヘッダCRC符号付加後
の送信上位層PDUを複数のATMセルに分割すると共
に、外部から受信された受信ATMセルを受信上位層P
DUに組み立てるセル分割・組立手段とを具えることを
特徴とする。
【0079】この構成によれば、上位層PDUのヘッダ
を保護するためのヘッダCRC符号を上位層PDUに付
加することができる。したがって、ATMセルが誤った
宛先に転送されるのを抑制しつつカットスルー転送する
上述したATM中継方式を実現することができる。
【0080】また、好ましくは、このATMアダプテー
ション装置は、セル分割・組立手段が複数のATMセル
を上位層PDUに組み立てたのちに、当該上位層PDU
に含まれるヘッダCRC符号を除去するヘッダCRC符
号除去手段を更に具える。
【0081】このように、ヘッダCRC除去手段を設け
ることにより、上位層においては利用されないヘッダC
RC符号を除去し、その結果、ヘッダCRC符号を含ま
ない本来のフォーマットの上位層PDUを上位層に提供
することができる。
【0082】また、典型的には、このAALプロトコル
を、ITU−T勧告I.365.5にて勧告化されたA
ALタイプ5プロトコルとすることができる。
【0083】また、この発明のATMアダプテーション
装置の実施に当たり、次のように構成するのが好まし
い。
【0084】AALプロトコルを、ITU−T勧告I.
365.5にて勧告化されたAALタイプ5プロトコ
ル、すなわち、ATM層および上位層間の変換を行うA
ALが、CPCSおよびSAR層を含み、および、CP
CS−PDUのトレイラがCPCS−CRC符号を含む
プロトコルとする。
【0085】セル分割・組立手段は、送信上位層PDU
を含むCPCS−PDUに基づいてCRC符号を演算す
るCPCS−CRC符号演算回路に接続される。
【0086】ヘッダCRC符号付加手段は、前記送信上
位層PDUのヘッダに基づいてCRC符号を演算するヘ
ッダCRC符号演算回路に接続される。
【0087】そして、CPCS−CRC符号演算回路お
よびヘッダCRC符号演算回路を、共通な回路で構成し
てあるのがよい。
【0088】このように、ヘッダCRC符号演算回路
と、CPCS−CRC符号演算回路とを、共通な演算回
路で実現することにより、個別に演算回路を設ける必要
がなくなる。したがって、装置構成を簡略化でき、その
結果、ATMアダプテーション装置のコストや装置サイ
ズを低減させることができる。また、ヘッダCRC符号
を生成するのに用いたビット情報の一部をそのまま利用
して、CPCS−CRC符号を生成することができる。
したがって、処理速度を向上させることができる。
【0089】また、この発明のATMアダプテーション
装置の実施に当たり、典型的には、ヘッダCRC符号付
加手段は、ヘッダCRC符号を、上位層PDUのヘッダ
の直後に付加する。ただし、この発明のATMアダプテ
ーション装置では、これに限られずに、このヘッダCR
C符号は、上位層PDUのヘッダの直後でなくとも、少
なくとも、先頭ATMセルのペイロードとして含まれる
位置であればどこに設けられてもよい。
【0090】また、この発明のATMアダプテーション
装置の実施に当たり、例えば、上位層PDUを、インタ
ーネットプロトコルバージョン6のパケットとするのが
好ましい。周知のごとく、IPパケットのヘッダには宛
先IPアドレスが設けられている。特に、IPv6パケ
ットのヘッダ後には任意の拡張ヘッダを付加することが
できるため、好適である。
【0091】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明の
ATM中継装置およびATMアダプテーション装置の実
施の形態につきそれぞれ説明する。なお、この説明に用
いる各図は、これら発明を理解できる程度に各構成成分
の接続関係等を概略的に示してあるに過ぎない。また、
各図において同様な構成成分については、同一の番号を
付して示し、その重複する説明を省略することがある。
【0092】なお、以下の各実施の形態において、この
発明のATM中継装置およびATMアダプテーション装
置を構成する機能部には、所要に応じてメモリが設けら
れている。周知のごとく、それぞれのメモリには、対応
する機能部に入力される情報や当該機能部で生成される
情報を読み出し自在に格納できると共に、それぞれのメ
モリには、所要に応じて、対応するメモリでの処理を実
行するために予め用意しておく必要のある情報を予め読
み出し自在に格納しておく。これらのメモリは機能部毎
に設けておいてもよいことはもとより、一つのメモリを
共通に用いてもよい。
【0093】(第1の実施の形態:ATM中継装置の第
1の形態)図1は、第1の実施の形態のATM中継装置
を概略的に示す図である。図2は、実施の形態のプロト
コル層の概念図である。以下、図1および図2を参照し
て第1の実施の形態のATM中継装置につき説明する。
【0094】図1に示すATM中継装置11は、一連の
ユーザデータを構成するATMセルの全てが到着して初
めてこのユーザデータを構成する先頭ATMセルが正常
か否かを判定できるAALプロトコルを利用する装置で
ある。そして、この発明では、PDU管理手段17と、
ヘッダ解析手段19とを含んでいる上記ATM中継装置
11において、特に、これらPDU管理手段17および
ヘッダ解析手段19間に、ヘッダCRC符号確認手段2
1を具える点に特徴を有している。なお、ヘッダCRC
符号については後述する。
【0095】この第1の実施の形態では、ATM中継装
置11を上述のPDU管理手段17、ヘッダ解析手段1
9およびヘッダCRC符号確認手段の他に、物理層デバ
イス13と、出力方路選択手段15と、ヘッダCRC符
号演算回路23と、出力方路管理テーブルと25とを有
する構成例として示してある。
【0096】以下、図1に示した構成例につき説明す
る。ただし、図1の各構成成分は、必要に応じて図示し
ないプロセッサ等の制御部により制御されてもよい。
【0097】物理層デバイス13は、ネットワーク側の
伝送ラインから入力されたビットストリームをATMセ
ルのセルストリームに変換すると共に、ATMセルのス
トリームを伝送ラインから出力されるビットストリーム
に変換する。すなわち、物理層デバイス13は、ビット
ストリームと、ATMセルストリームとの間の双方向変
換をする。
【0098】なお、図1中では、物理層デバイス13を
一つのデバイスとして示してあるが、一般的には複数の
デバイスであってそれぞれ複数の入出力ポートを有する
デバイスである。
【0099】物理層デバイス13の各入出力ポートは、
ハードウェア的に言うとネットワーク側の同一または異
なる伝送ラインに接続されているが、ATMの概念上で
は互いに異なる仮想チャネルに接続されていると見なせ
る。このネットワーク側の伝送ラインは、例えばNNI
(Network Node Interface:ネ
ットワーク・ノード・インターフェース)ポート或いは
UNI(User−Network Interfac
e:ユーザ・網インターフェース)である。この伝送ラ
インは、例えば、同期ディジタルハイアラーキ(SD
H)や同期式光通信網(SONET)等のフォーマット
のビットストリームを伝送する。
【0100】PDU管理手段17は、ATMセルのうち
上位層PDUのヘッダを含んでなる先頭ATMセルを識
別する。すなわち、図1に示す例では、PDU管理手段
17は、物理層デバイス13から出力されたATMセル
が入力されると、これらのATMセルのうち先頭ATM
セルを識別する。
【0101】また、この構成例では、PDU管理手段1
7には、物理層デバイス13から出力されたATMセル
を、例えば、ATM中継装置11内の処理に適したデー
タフォーマットに変換する機能をもたせてある。すなわ
ち、PDU管理手段17からヘッダCRC符号確認手段
21に伝達されるデータは、ATMセルそれ自体であっ
てもよいが、この構成例ではATMセルそのものではな
くATM中継装置11内での処理に用いる識別子がAT
MセルまたはATMセルペイロードに付加されたデータ
とする。実施の形態では、このようにATMセルを装置
内部処理用に変換してなるデータを、内部処理用データ
ユニットと総称する。ここでは、内部処理用データユニ
ットとして、ATMセルに装置内部処理用識別子を付加
したデータユニットを用いる例につき説明する。
【0102】この例では、第1の実施の形態のPDU管
理手段17は、例えば先頭ATMセルに係る内部処理用
データユニットを、ヘッダCRC符号確認手段21へ出
力する。
【0103】この発明は、既に説明した通り、少なくと
もPDU管理手段17およびヘッダ解析手段19を具え
る従来のATM中継装置に、ヘッダCRC符号確認手段
21を設けた点を特徴とする。
【0104】この発明のATM中継装置11は、従来の
ATM中継装置と同様に、ヘッダ解析手段19により先
頭ATMセルに含まれる宛先情報を解析し、この宛先情
報に基づいて各ATMセルをカットスルー転送する。こ
のATM中継装置11では、特に、ヘッダ解析手段19
が宛先情報を解析する前に予め、ヘッダCRC確認手段
21が上位層PDUのヘッダの正常性を確認する構成と
なっている。
【0105】ヘッダCRC符号確認手段21には、先頭
ATMセルに係る内部処理用データユニットを、PDU
管理手段17から入力する。
【0106】このヘッダCRC符号確認手段21は、上
位層PDUのヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて
当該上位層PDUのヘッダが正常か否かを判定する機能
を有している。そして、上位層PDUのヘッダが正常で
ある場合には、このヘッダCRC符号確認手段21は、
先頭ATMセルに係る内部処理用データユニットをヘッ
ダ解析手段19に送出することにより、ヘッダ解析手段
19に出力方路を設定させる。
【0107】なお、ここでいうヘッダCRC符号とは、
この発明で提案された概念である。ここで、図2を参照
してヘッダCRC符号につき説明する。
【0108】図2を、前出の図14と比較することから
も容易に理解できるように、実施の形態ではAALタイ
プ5プロトコルに準拠している。AALタイプ5プロト
コルでは、AALタイプ3/4プロトコルとは異なり、
SAR−PDU毎の正常性については確認していない。
【0109】図2に示すように、上位層PDUはヘッダ
を有している。そして、一連のユーザデータを構成する
一般的な上位層PDUのヘッダには、宛先情報が含まれ
ている。
【0110】この上位層とは、AALよりも上位のプロ
トコル層であって、OSI参照モデルに従うとネットワ
ーク層に相当するプロトコル層、若しくは、TCP/I
Pモデルに従うとIP層に相当するプロトコル層であ
り、通常、エンド・ツー・エンドの宛先情報を含むプロ
トコル層である。典型的な上位層プロトコルとしては、
TCP/IPによるインターネットプロトコルがある。
【0111】例えばインターネットプロトコルの場合に
は、IPパケットのヘッダが4octet長(IPv4
の場合である。)或いは16octet長(IPv6の
場合である。)の宛先IPアドレスを含んでいる。この
IPパケットのヘッダは20octet(IPv4の場
合である。)或いは16octet(IPv6の場合で
ある。)の長さであり、一方、ATMセルのペイロード
長が48octetであるため、IPパケットのヘッダ
は、必ず先頭ATMセルのペイロードに含まれている。
【0112】また、図2に示すように、ヘッダCRC符
号(図中にHD−CRCとして示してある。)は、上位
層PDUのヘッダ(HEADER)の正常性を確認する
ためのCRC符号である。このようなヘッダCRC符号
(HD−CRC)は、上位層PDUのヘッダ(HEAD
ER)の後に設けることができる。ただし、図2の例で
は、特に、上位層PDUのヘッダ(HEADER)の直
後に、ヘッダCRC符号(HD−CRC)を設けてあ
る。このとき、図2に示すように、ヘッダCRC符号
(HD−CRC)は、上位層のペイロード(上位層SD
U)に含まれていると見なせる。
【0113】典型的には、このようなヘッダCRC符号
は、後述するATMアダプテーション装置において付加
される。ATMアダプテーション装置とは、AALプロ
トコルを利用して、上位層に属する一連のユーザデータ
およびATMセルの間を双方向変換する装置である。
【0114】図1に示すように、このヘッダCRC符号
確認手段21は、ヘッダCRC符号に基づいて上位層P
DUが正常であると判定した場合に、先頭ATMセルに
係る内部処理用データユニットをヘッダ解析手段19へ
出力する。
【0115】逆に、ヘッダCRC符号確認手段21は、
ヘッダCRC符号に基づいて上位層PDUが異常である
と判定した場合に、先頭ATMセルの紛失や先頭ATM
セルにビット化け等のエラーがあったものとして、先頭
ATMセルに係る内部処理用データユニットをヘッダ解
析手段19へ出力せずに廃棄する。このとき、ヘッダC
RC符号確認手段21は、例えば、出力方路管理テーブ
ル25に当該処理の中止を登録する。その後、必要に応
じて、ビット誤りの訂正やフレームの再送要求等が行わ
れる。
【0116】図1に示すヘッダCRC符号確認手段21
は、上位層PDUヘッダの後のヘッダCRC符号に基づ
いて演算を行うヘッダCRC符号演算回路23に接続さ
れている。この場合には、具体的に言うと、正常性の確
認は例えば次に示す一般的な手順で行うことができる。
【0117】送信側の装置、すなわち例えば後述のAT
Mアダプテーション装置において、上位層PDUヘッダ
のビット情報が多項式表現でM(X)と表され、CRC
演算多項式がG(X)=aNN-1+aN-1N-2+…+a
1X+a0と表されるとき、X NM(X)/G(X)の剰
余R(X)を演算する。この演算結果R(X)を、ヘッ
ダCRC符号として上位層PDUヘッダの後に付加す
る。ただし、a0〜aNは任意の係数を示し、通常これら
のパラメータは予め読み出し自在にメモリに格納してあ
る。
【0118】一方、受信側の装置すなわちこのATM中
継装置11において、ヘッダCRC符号確認手段21に
は、受信した上位層PDUヘッダのビット情報M’
(X)およびヘッダCRC符号R’(X)が入力され
る。ただし、ビット情報M’(X)は、ビット情報M
(X)に誤りが生じたものを示す。このとき、ヘッダC
RC符号演算回路23は、(XNM’(X)+R’
(X))/G(X)の剰余を演算し、この演算結果をヘ
ッダCRC符号確認手段21へ出力する。このとき、ヘ
ッダCRC符号確認手段21は、その信号が、0であれ
ばビット誤りは無いと判定し、剰余が0でなければビッ
ト誤りが発生したと判定する。
【0119】ヘッダ解析手段19は、ヘッダCRC符号
確認手段21から、先頭ATMセルに係る内部処理用デ
ータユニットを入力する。
【0120】ヘッダ解析手段19は、この内部処理用デ
ータユニット中の上位層PDUのヘッダに含まれる宛先
情報に基づいて、一連のユーザデータを構成するATM
セルの出力方路を設定し、この出力方路の設定情報を出
力方路管理テーブル25に登録する。
【0121】出力方路管理テーブル25には、設定する
べきコネクションに関する宛先情報およびVPI/VC
Iが互いに関連付けられて登録される。
【0122】このATM中継装置11では、この出力方
路管理テーブル25に登録された設定情報に基づいて、
PDU管理手段17がATMセルのルーティングを行
う。
【0123】図1に示すPDU管理手段17には、一連
のユーザデータを構成する内部処理用データユニットが
入力される。PDU管理手段17は、一連のユーザデー
タを構成する内部処理用データユニットを再びATMセ
ルのデータフォーマットに変換したのち、これを出力方
路選択手段15へ出力する。この変換過程では、例え
ば、識別子を除去する、或いは、識別子を除去したのち
ATMセルヘッダを付加する等の処理が行われる。
【0124】出力方路選択手段15は、ATMセルを自
己ルーティングさせるマトリクススイッチを含んでい
る。一連のユーザデータを構成するATMセルは、この
出力方路選択手段15において、デスティネーションノ
ード側の隣接中継装置等へ向かうチャネルに対応した物
理層デバイス13から出力されるようにルーティングさ
れたのち、再びPDU管理手段17へ出力される。PD
U管理手段17に再び入力した各ATMセルは、トラフ
ィックの管理等に供されたのち所定の物理層デバイス1
3へ出力される。
【0125】以上説明した第1の実施の形態のATM中
継装置11では、ヘッダCRC符号確認手段21が先頭
ATMセルに含まれる上位層PDUのヘッダCRC符号
に基づいて上位層PDUヘッダの正常性を確認したの
ち、ヘッダ解析手段19が当該ヘッダを解析している。
よって、このATM中継装置11では、到着したATM
セルから順に各ATMセルを逐次に転送する場合すなわ
ちカットスルー転送する場合に、ヘッダ解析手段19が
誤った上位層PDUのヘッダに基づいて宛先の解析を行
うことはない。
【0126】したがって、このATM中継装置11によ
れば、AALタイプ5プロトコルを利用する場合でも、
ATMセルを正確な宛先にカットスルー転送することが
できる。
【0127】また、このATM中継装置11は、必然的
にTCPやIP等の上位層プロトコルそのものを制御す
る発信元および送信先の通信装置に適用してもメリット
が少なく、上位層を取り扱わずに隣接中継装置にデータ
を転送するような中継装置に適用するべきものである。
【0128】また、この第1の実施の形態では、AAL
タイプ5を利用するATM中継装置につき説明したが、
この発明はもちろんこれのみに限定されるものではな
く、一連のユーザデータを構成するATMセルの全てが
到着して初めてユーザデータを構成する先頭ATMセル
の正常性を確認できるAALプロトコルを利用するAT
M中継装置にも適用できる。すなわち、今後、勧告化さ
れるであろうAALプロトコルでも、それがこのような
性質を有する限り、この発明を適用することができると
考えられる。
【0129】(第2の実施の形態:ATM中継装置の第
2の形態)ここで、第1の実施の形態のATM中継装置
の変形例として、第2の実施の形態のATM中継装置に
つき説明する。第2の実施の形態では、特に、一連のユ
ーザデータを構成する各ATMセルに含まれるデータを
書き換えるATM中継装置の実施の形態につき説明す
る。
【0130】図3は、第2の実施の形態のATM中継装
置を概略的に示す図である。以下、図3を参照して、第
2の実施の形態のATM中継装置につき説明する。
【0131】図3に示すように、第2の実施の形態のA
TM中継装置31は、第1の実施の形態と同様に、物理
層デバイス13と、出力方路選択手段15と、PDU管
理手段17aと、ヘッダ解析手段19と、ヘッダCRC
符号確認手段21と、出力方路管理テーブル25とを具
える。
【0132】図3に示す例では、ヘッダCRC符号確認
手段21は、第1ヘッダCRC符号演算回路23aに接
続されている。ただし、この第1ヘッダCRC符号演算
回路23aは、図1に示すヘッダCRC符号演算回路2
3と同一構成である。
【0133】PDU管理手段17aは、第1の実施の形
態と同様に先頭ATMセルを識別するが、これと共に、
後続のATMセルおよび最後尾ATMセルを識別する。
なお、この第2の実施の形態においても、PDU管理手
段17aは、第1の実施の形態と同様に、ATMセルそ
のものではなく内部処理用データユニットをヘッダCR
C符号確認手段21およびCPCS−CRC符号置換手
段39へ出力する。
【0134】図3に示すように、この第2の実施の形態
のATM中継装置31は、データ変換部33を有する点
で、第1の実施の形態のATM中継装置とは異なる。
【0135】データ変換部33は、PDU管理手段17
aおよびヘッダ解析手段19に接続されていて、一連の
ユーザデータを構成する各ATMセルに含まれるデータ
を書き換える。このデータ変換部33は、例えば、図1
3を参照して説明した従来のATM中継装置に含まれる
データ変換部と同様の機能を基本的には有するが、この
発明固有の処理機能を含んでいる。
【0136】すなわち、図3に示すデータ変換部33
は、上位層PDUヘッダ書換手段35と、ヘッダCRC
符号置換手段37と、CPCS−CRC符号置換手段3
9と、VPI/VCI設定手段41とを有する。
【0137】上位層PDUヘッダ書換手段35は、第1
の実施の形態にて説明したように、上位層PDUのヘッ
ダが書き換えられるべき情報を有する場合に、当該上位
層PDUのヘッダを書き換える。例えば、IPv6(I
nternet Protocol version
6)では、IPパケットヘッダに中継限界数(HopL
imit)フィールドが設けられている。前述したよう
に、この中継限界数フィールドは、中継ノードを通過す
る毎に書き換えられる。
【0138】前述したように、IPv6ではIPパケッ
トのヘッダ後に任意の数の拡張ヘッダを付加することが
できる。
【0139】図3に示すように、上位層PDUヘッダ書
換手段35は、ヘッダ解析手段19からヘッダ解析後の
先頭ATMセルに係る内部処理用データユニットが入力
されると、この内部処理用データユニットに含まれる上
位層PDUヘッダを必要に応じて書き換える。
【0140】ヘッダCRC符号置換手段37は、上位層
PDUヘッダ書換手段35にて上位層PDUのヘッダが
書き換えられたことに対応して、この書き換えられた上
位層PDUのヘッダに基づいて再計算されたヘッダCR
C符号を、当該再計算前のヘッダCRC符号と置き換え
る。
【0141】図3に示す例では、ヘッダCRC符号置換
手段37は、上位層PDUヘッダ書換後の先頭ATMセ
ルに係る内部処理用データユニットが入力されると、こ
の内部処理用データユニットに含まれるヘッダCRC符
号を置換する。
【0142】このヘッダCRC符号置換手段37は、第
2ヘッダCRC符号演算回路23bに接続されている。
この第2ヘッダCRC符号演算回路23bが、このとき
書き換えられた上位層PDUヘッダのビット情報に基づ
いてヘッダCRC符号を演算する。
【0143】CPCS−CRC符号置換手段39は、上
位層PDUヘッダの書き換えおよびヘッダCRC符号の
置換に対応して、ヘッダCRC符号置換後の上位層PD
Uを含むCPCS−PDUのビット情報に基づいて再計
算されたCPCS−CRC符号を、当該再計算前のCP
CS−CRC符号と置き換える。
【0144】図3の例では、CPCS−CRC符号置換
手段39は、ヘッダCRC符号置換後の先頭ATMセル
に係る内部処理用データユニットと、後続ATMセルに
係る内部処理用データユニットとが入力されると、最後
尾ATMセルに係る内部処理用データユニットに含まれ
るCPCS−CRC符号を置換する。
【0145】このCPCS−CRC符号置換手段39
は、CPCS−CRC符号演算回路45に接続されてい
る。このCPCS−CRC符号演算回路45が、ヘッダ
CRC符号置換後の上位層PDUを含むCPCS−PD
Uのビット情報に基づいてCRC符号を演算する。
【0146】図3に示す場合には、CPCS−CRC符
号置換手段39は、上位層PDUヘッダの書き換えおよ
びヘッダCRC符号の置換がなされた先頭ATMセルに
係る内部処理用データユニットと、後続ATMセルに係
る内部処理用データユニットとが入力され、これにより
CPCS−PDUのビット情報を得ている。
【0147】VPI/VCI設定手段41は、入力側の
伝送ラインにて使用されていたVPI/VCIを、出力
側の伝送ラインにて使用するべきVPIおよびVCIに
再設定すなわち置換する。また、このように再設定され
たVPI/VCIは、出力方路管理テーブル25に登録
される。
【0148】図3に示す例では、VPI/VCI設定手
段41は、CPCS−CRC符号置換手段39の後段に
設けられていて、CPCS−CRC符号置換後にVPI
またはVCIの設定を行っているが、もちろん、これに
限定されることはなく、ヘッダ解析手段19の後段であ
ればどこに設けられてもよい。また、PDU管理手段1
7a等にVPI/VCI設定機能をもたせてもよい。
【0149】図4は、出力方路管理テーブルを概念的に
示す図である。ただし、図4には、宛先IPアドレスに
対してVPI/VCIを再設定する例につき示してあ
る。
【0150】図4に示すように、出力方路管理テーブル
では、宛先IPアドレス(図中、123.111.**
*など)およびネットワーク内で隣接するソース(発信
元)ノード側の中継装置とのコネクションで使用したV
PI/VCIの組(図中、VPIが1かつVCIが1の
組など)に対し、デスティネーション(宛先)ノード側
の中継装置とのコネクションにて使用するべきVPI/
VCIの組を登録している。通常、一連のユーザデータ
を構成するATMセルには一組のVPI/VCI(図
中、VPIが3VCIが1の組等)が付与される。図4
に例示するように、一つの宛先IPアドレスに対して
は、一義的に他のVPI/VCIと区別できる組合せの
VPI/VCIが設定されている。
【0151】出力方路管理テーブル25には例えば図示
しない制御部が接続されていて、この制御部が、ヘッダ
解析手段19において解析された宛先情報に基づいてコ
ネクションを設定し、各コネクション毎に異なるVPI
/VCIを出力方路管理テーブル25に登録する。
【0152】このようにVPI/VCIを設定したの
ち、VPI/VCI設定手段41は、各内部処理用デー
タユニットをPDU管理手段17aへ出力する。
【0153】その後、第1の実施の形態と同様に、PD
U管理手段17aは、各内部処理用データユニットをA
TMセルのデータフォーマットに変換したのち、出力方
路選択手段15を経由して各ATMセルを物理層デバイ
ス13へ出力する。
【0154】以上説明した第2の実施の形態のATM中
継装置31では、第1の実施の形態のATM中継装置と
同様に、ヘッダCRC符号確認手段21が先頭ATMセ
ルに含まれる上位層PDUのヘッダCRC符号に基づい
て上位層PDUヘッダの正常性を確認したのち、ヘッダ
解析手段19が当該ヘッダを解析している。よって、こ
のATM中継装置31では、到着したATMセルから順
に各ATMセルを逐次に転送する場合すなわちカットス
ルー転送する場合に、ヘッダ解析手段19が誤った上位
層PDUのヘッダに基づいて宛先を解析しない。
【0155】したがって、このATM中継装置31によ
れば、AALタイプ5プロトコルを利用する場合でも、
ATMセルを正確な宛先にカットスルー転送することが
できる。
【0156】また、従来のATM中継装置においても、
上位層PDUのヘッダが書き換えられることに対応して
CPCS−CRC符号を置換する必要はあったが、この
発明のATM中継装置では、上位層PDUのヘッダが書
き換えられた場合に、CPCS−CRC符号のみならず
ヘッダCRC符号も同様に置換する必要がある。しかし
ながら、この第2の実施の形態のように構成すれば、容
易にこれを実現することができる。
【0157】(第3の実施の形態:ATM中継装置の第
3の形態)ここで、第2の実施の形態のATM中継装置
の変形例として、第3の実施の形態のATM中継装置に
つき説明する。第3の実施の形態では、特に、第1ヘッ
ダCRC符号演算回路および第2ヘッダCRC符号演算
回路を共通な回路で構成する形態につき説明する。
【0158】図5は、第3の実施の形態のATM中継装
置を概略的に示す図である。以下、図5を参照して、第
3の実施の形態のATM中継装置につき説明する。
【0159】図5に示すように、第3の実施の形態のA
TM中継装置51は、第1の実施の形態と同様に、物理
層デバイス13と、出力方路選択手段15と、PDU管
理手段17aと、ヘッダ解析手段19と、ヘッダCRC
符号確認手段21と、出力方路管理テーブル25とを具
える。また、このATM中継装置51は、第2の実施の
形態と同じ構成のデータ変換部33を具える。
【0160】すなわち、図5に示すデータ変換部33
は、上位層PDUヘッダ書換手段35と、ヘッダCRC
符号置換手段37と、CPCS−CRC符号置換手段3
9と、VPI/VCI設定手段41とを有する。
【0161】この第3の実施の形態のATM中継装置5
1は、ヘッダCRC符号確認手段21およびヘッダCR
C符号置換手段37が、一つのCRC符号演算回路であ
るヘッダCRC符号共通演算回路23cに接続されてい
る点に特徴がある。すなわち、第2の実施の形態にて説
明した第1ヘッダCRC符号演算回路と第2ヘッダCR
C符号演算回路とを共通な回路で構成してある。その点
以外は、第2の実施の形態と同様である。
【0162】よって、第2の実施の形態にて説明した効
果が得られるほか、第2の実施の形態のように個別にC
RC符号演算回路を設ける必要がなくなる。したがっ
て、装置構成をハードウェア的に簡略化でき、その結
果、ATM中継装置のコストや装置サイズを低減させる
ことができる。
【0163】(第4の実施の形態:ATM中継装置の第
4の形態)ここで、第2の実施の形態のATM中継装置
のもう一つの変形例として、第4の実施の形態のATM
中継装置につき説明する。上述した第3の実施の形態で
は、第1ヘッダCRC符号演算回路および第2ヘッダC
RC符号演算回路が共通な回路で構成している。しかし
ながら、この第4の実施の形態では、第1ヘッダCRC
符号演算回路、第2ヘッダCRC符号演算回路およびC
PCS−CRC符号演算回路を共通な回路で構成する形
態につき説明する。
【0164】図6は、第4の実施の形態のATM中継装
置を概略的に示す図である。以下、図6を参照して、第
4の実施の形態のATM中継装置につき説明する。
【0165】図6に示すように、第4の実施の形態のA
TM中継装置61は、第1の実施の形態と同様に、物理
層デバイス13と、出力方路選択手段15と、PDU管
理手段17aと、ヘッダ解析手段19と、ヘッダCRC
符号確認手段21と、出力方路管理テーブル25とを具
える。
【0166】ただし、図6に示すATM中継装置61
は、第2および第3の実施の形態と同じ構成のデータ変
換部を有してはいるが、図6に示すと共に以下に説明す
るように、第4の実施の形態でのデータ変換部33aに
おける各構成の接続関係が若干異なる。
【0167】この第4の実施の形態のATM中継装置6
1は、ヘッダCRC符号確認手段21、ヘッダCRC符
号置換手段37およびCPCS−CRC符号置換手段3
9が、一つのCRC符号演算回路であるヘッダCRC/
CPCS−CRC符号共通演算回路23dに接続されて
いる点に特徴がある。すなわち、第2の実施の形態にて
説明した第1ヘッダCRC符号演算回路と、第2ヘッダ
CRC符号演算回路と、CPCS−CRC符号演算回路
とを共通な回路で構成してある。
【0168】図6に示すデータ変換部33aでは、特
に、ヘッダCRC符号置換手段37およびCPCS−C
RC符号置換手段39が、ヘッダCRC/CPCS−C
RC符号共通演算回路23dに接続されている。
【0169】また、図6に示すデータ変換部33aは、
ヘッダCRC符号置換手段37およびCPCS−CRC
符号置換手段39を互いに接続していない。これらの点
が第2および第3の実施の形態と異なる。この理由は次
の通りである。
【0170】図6に示すように、ヘッダCRC/CPC
S−CRC符号共通演算回路23dは、ヘッダCRC符
号置換手段37に対しては、先頭ATMセルに係る内部
処理用データユニットに含まれる上位層PDUヘッダの
ビット情報に基づいて演算したヘッダCRC符号を出力
し、他方、CPCS−CRC符号置換手段39に対して
は、先頭ATMセルおよび後続ATMセルに係る内部処
理用データユニットに含まれるCPCS−PDUのビッ
ト情報に基づいて演算したCPCS−CRC符号を出力
する。このヘッダCRC/CPCS−CRC符号共通演
算回路23dは、特に、ヘッダCRC符号を計算すると
共に、この演算に継続してCPCS−CRC符号を計算
することができる。そのため、ヘッダCRC符号置換手
段37からCPCS−CRC符号置換手段39への信号
の伝達がなされる必要はない。
【0171】この場合には、図6に示すように、ヘッダ
CRC符号置換手段37が先頭ATMセルに係る内部処
理用データユニットをVPI/VCI設定手段41へ出
力し、これとは別経路で、CPCS−CRC符号置換手
段39が後続ATMセルに係る内部処理用データユニッ
トをVPI/VCI設定手段41へ出力する。
【0172】以上のように、第4の実施の形態のATM
中継装置61によれば、第2或いは第3の実施の形態の
ように個別にCRC符号演算回路を設ける必要がなくな
る。よって、第4の実施の形態のATM中継装置61に
よれば、第2および第3の実施の形態にて説明した効果
が得られるほか、第3の実施の形態のように各CRC符
号演算回路を個別に設ける必要が無くなる。したがっ
て、第3の実施の形態に比べても、装置構成をハードウ
ェア的に簡略化でき、その結果、ATM中継装置のコス
トや装置サイズを低減させることができる。
【0173】その上、第4の実施の形態のATM中継装
置61によれば、第2ヘッダCRC符号演算回路および
CPCS−CRC演算回路を共通な回路で構成してい
る。よって、第2ヘッダCRC符号を生成する演算に用
いられたビット情報の一部をそのまま利用して、CPC
S−CRC符号を生成する演算を行うことができる。し
たがって、処理速度を向上させることができる。
【0174】なお、前述した式の例を用いて具体的に説
明すると、共通演算回路23dには、上位層PDUヘッ
ダのビット情報(多項式表現でM(X)とする。)が入
力される。その後、このビット情報M(X)を保持した
共通演算回路23dに、上位層PDUのヘッダに続くC
PCS−PDUを構成するビット情報M1(X)が入力
される。よって、共通演算回路23dでは、先に入力し
た上位層PDUヘッダのビット情報M(X)を消去する
ことなく、これをCPCS−CRC符号演算に利用する
ことができる。したがって、上位層PDUヘッダのビッ
ト情報を重複して入力する必要が無くなるため、処理速
度を向上させることができる。
【0175】なお、この第4の実施の形態では、第1ヘ
ッダCRC符号演算回路、第2ヘッダCRC符号演算回
路およびCPCS−CRC符号演算回路を共通な回路で
構成したが、そうではなく、少なくとも第2の実施の形
態の第1ヘッダCRC符号演算回路および第2ヘッダC
RC符号演算回路のいずれか一方を、CPCS−CRC
符号算回路と共通な回路で構成すれば、少なくとも、第
2の実施の形態に比べて装置構成を簡略化することがで
きる。
【0176】(第5の実施の形態:ATMアダプテーシ
ョン装置の第1の形態)図7は、第5の実施の形態のA
TMアダプテーション装置を概略的に示す図である。図
8は、従来のATMアダプテーション装置を概略的に示
す図である。以下、図7、前出の図2および図14を参
照して、第5の実施の形態のATMアダプテーション装
置につき説明する。ただし、図8を必要に応じて参照す
ることにより、従来のATMアダプテーション装置との
違いを明確としていく。
【0177】ATMアダプテーション装置は、AALプ
ロトコルを利用して上位層に属する一連のユーザデータ
およびATMセルの間を双方向変換する装置である。A
TMアダプテーション装置は、典型的には、ソースノー
ド側或いはデスティネーションノード側のユーザ端末装
置自体、或いは、複数のユーザ端末装置を含むB−IS
DN(Broadband−Integrated S
ervices Digital Network)等
のATMネットワークに接続するATM網終端装置、若
しくは、CSMA/CD方式やトークンリング方式等の
既存のLANとATMネットワークを接続するためのA
TMインターフェース装置等に含まれる。一般的には、
ATMアダプテーション装置とは、これらの装置に取り
付けられるATMアダプタカードやATMボードの一部
を構成するハードウェアモジュールである。
【0178】ここで、図8を参照して従来のATMアダ
プテーション装置につき説明し、その後、図7を参照し
て第5の実施の形態のATMアダプテーション装置につ
いて説明する。
【0179】<従来のATMアダプテーション装置の説
明>図8に示すように、ATMアダプテーション装置8
1は、物理層デバイス13と、PDU管理手段17b
と、セル分割・組立手段73と、上位層利用部75とを
具える。
【0180】上位層利用部75は、図14に示すような
宛先情報を含むヘッダを有する上位層PDUを生成す
る。上位層利用部75は、例えば、OSI参照モデルで
いうネットワーク層、或いは、TCP/IPモデルでい
うインターネットプロトコル層に相当する上位層プロト
コルを処理するモジュールである。一般的には、上位層
プロトコルはソフトウェア的に処理されることが多い。
そのため、図8に示す上位層利用部75は図示しないプ
ロセッサに接続されていて、上位層利用部75に相当す
るアプリケーション(TCP/IPアプリケーションな
ど)をプロセッサが読み出すことにより、当該上位層に
おける処理が行われる。
【0181】図8に示す従来のATMアダプテーション
装置81は、AALプロトコルを利用して、送信される
べき上位層PDU(送信上位層PDU)からATMセル
(送信ATMセル)への変換と、受信したATMセル
(受信ATMセル)から上位層PDU(受信上位層PD
U)への変換との双方向変換を行う。
【0182】このATMアダプテーション装置81がソ
ースノード側にある場合、上位層利用部75は、送信上
位層PDUをセル分割・組立手段73へ出力する。この
セル分割・組立手段73は、上位層利用部75から送信
上位層PDUを入力し、この送信上位層PDUを分割
(セグメント化)して送信ATMセルを生成する。この
生成についての規定は、図14に示すと共に、課題の欄
にて説明した通りである。すなわち、図14を参照する
と、セル分割・組立手段73は、送信上位層PDUにC
PCSトレイラを付加することでCPCS−PDUを生
成し、その後、CPCS−PDUを分割し、分割したそ
れぞれにATMセルヘッダを付加することで、一連のユ
ーザデータを構成する送信ATMセルを生成する。
【0183】なお、図示せずも、セル分割・組立手段7
3は、後述の第5の実施の形態のATMアダプテーショ
ン装置のそれと同様に、送信上位層PDUを含むCPC
S−PDUに基づいてCRC符号を演算するCPCS−
CRC符号演算回路に接続されている。
【0184】その後、PDU管理手段17bは、セル分
割・組立手段73から送信ATMセルを入力し、これら
の送信ATMセルを物理層デバイス13へ出力する。物
理層デバイス13は、各送信ATMセルのストリームを
ビットストリームに変換したのち所定の伝送チャネルへ
出力する。これにより、一連のユーザデータを構成する
各送信ATMセルは、物理層デバイス13からATMネ
ットワークへ出力され、デスティネーションノード側の
中継ノードへと伝送される。
【0185】また、逆に、図8に示す従来のATMアダ
プテーション装置81がデスティネーションノード側に
ある場合は、ビットストリーム形式の受信ATMセルが
ATMネットワークから物理層デバイス13へ入力され
る。これに対して、物理層デバイス13は、ビットスト
リームをATMセルストリームに変換したのちPDU管
理手段17bへ出力する。
【0186】このとき、PDU管理手段17bは、受信
ATMセルをセル分割・組立手段73へ出力する。その
後、セル分割・組立手段73は、上述した分割とは逆の
手順でセルの組立を行うことで受信上位層PDUを生成
し、受信上位層PDUを上位層利用部75へ出力する。
【0187】以上のように、従来のATMアダプテーシ
ョン装置81によれば、AALプロトコルを利用して上
位層PDUおよびATMセルの間を双方向変換すること
ができる。
【0188】<第5の実施の形態のATMアダプテーシ
ョン装置の説明>一方、図7に示すように、第5の実施
の形態のATMアダプテーション装置71は、物理層デ
バイス13と、PDU管理手段17bと、セル分割・組
立手段73と、上位層利用部75とを具える。この点
は、上述した従来のATMアダプテーション装置と同じ
である。
【0189】このATMアダプテーション装置71は、
特に、セル分割・組立手段73および上位層利用部75
間に、ヘッダCRC符号付加手段79aを具える点を特
徴とする。
【0190】ヘッダCRC符号付加手段79aは、送信
するべき上位層PDU(送信上位層PDU)のヘッダが
宛先情報を有する場合には、この送信上位層PDUのヘ
ッダに基づいて、送信上位層PDUのヘッダの正常性を
確認するためのヘッダCRC符号を、当該送信上位層P
DUのヘッダの後に付加する。
【0191】すなわち、ヘッダCRC符号付加手段79
aは、ソースノード側のATMアダプテーション装置7
1で動作する機能モジュールであり、上位層利用部75
から入力した送信上位層PDUをセル分割・組立手段7
3へ出力する前に予め、この送信上位層PDUのヘッダ
の後にヘッダCRC符号を付加する。
【0192】また、この第5の実施の形態のATMアダ
プテーション装置71では、ヘッダCRC符号付加手段
79aはヘッダCRC符号演算回路78bに接続されて
いる。このヘッダCRC符号演算回路78bは、ヘッダ
CRC符号付加手段79aから送信上位層PDUヘッダ
のビット情報(多項式表現でM2(X)とする。)を得
ると、前述したようにXN2(X)/G(X)の剰余R
(X)を演算し(ただし、前出の式と同様、G(X)は
(N−1)次のCRC演算多項式である。)、この演算
結果をヘッダCRC符号付加手段79aへ出力する。ヘ
ッダCRC符号付加手段79aは、この演算結果R
(X)が入力されると、これをヘッダCRC符号として
送信上位層PDUのヘッダの後に付加する。
【0193】例えば、図2に示すように、このヘッダC
RC符号付加手段79aは、ヘッダCRC符号を、上位
層PDUのヘッダの後、図示例では特に上位層PDUの
ヘッダの直後に付加する。
【0194】ただし、ヘッダCRC符号付加手段79a
は、送信上位層PDUのヘッダが宛先情報を有する場合
に、ヘッダCRC符号を付加する。送信上位層PDUヘ
ッダが宛先情報を有するか否かについては、ヘッダCR
C符号付加手段79aが判断する必要はない。
【0195】このとき、例えば、このATMアダプテー
ション装置71では、上位層プロトコルがそのヘッダに
宛先情報を有する場合には上位層利用部75が送信上位
層PDUをヘッダCRC符号付加手段79aへ出力し、
宛先情報を有しない場合には上位層利用部75により送
信上位層PDUをヘッダCRC符号付加手段79aへ出
力せず別の接続経路(図示せず)を介してセル分割・組
立手段73へ出力するように、上位層利用部75を構成
することができる。
【0196】前述したように、典型的な上位層PDUと
しては、例えばIPパケットがある。IPパケットのヘ
ッダには宛先情報としての宛先IPアドレスが含まれて
いる。
【0197】セル分割・組立手段73は、ヘッダCRC
符号付加後の送信上位層PDUを複数の送信ATMセル
に分割すると共に、受信ATMセルを受信上位層PDU
に組み立てる。
【0198】このセル分割・組立手段73は、典型的に
は、AALタイプ5を利用してATMセルを生成する。
もちろん、セル分割・組立手段73は、AALタイプ5
に限らず、上述の実施の形態と同様に、一連のユーザデ
ータを構成するATMセルの全てが到着して初めてユー
ザデータを構成する先頭ATMセルの正常性を確認でき
るAALプロトコルを利用すればよい。
【0199】図7に示すように、第5の実施の形態のセ
ル分割・組立手段73は、CPCS−CRC符号演算回
路78aに接続されている。このCPCS−CRC符号
演算回路78aは、ATMセル組み立て時に、セル分割
・組立手段73からCPCS−PDUのビット情報(多
項式表現でM(X)とする。)を得ると、前述したよう
にXNM(X)/G(X)の剰余R(X)を演算し(た
だし、前出の式と同様に、G(X)は(N−1)次のC
RC演算多項式である。)、この演算結果をセル分割・
組立手段73へ出力する。セル分割・組立手段73は、
この演算結果R(X)が入力されると、これをCPCS
−CRC符号としてCPCSトレイラ内に含ませる。
【0200】PDU管理手段17bおよび物理層デバイ
ス13は、上述した従来のATMアダプテーション装置
と同様に動作する。
【0201】また、特に、図7に示すATMアダプテー
ション装置71は、デスティネーションノードであると
きに機能するヘッダCRC符号除去手段79bを具え
る。
【0202】ヘッダCRC符号除去手段79bは、セル
分割・組立手段73で組み立てられた受信上位層PDU
に含まれるヘッダCRC符号を除去する。このようにヘ
ッダCRC符号除去手段79bを設けると、通常のフォ
ーマットとなった受信上位層PDUを上位層利用部75
へ出力することができる。
【0203】以上のように、第5の実施の形態のATM
アダプテーション装置71によれば、上位層PDUのヘ
ッダを保護するためのヘッダCRC符号を送信上位層P
DUに付加することができる。したがって、前述した実
施の形態のATM中継装置を利用することにより、AT
Mセルが誤った宛先に転送されるのを抑制しつつカット
スルー転送できるATM中継方式を実現することができ
る。
【0204】(第6の実施の形態:ATMアダプテーシ
ョン装置の第2の形態)ここで、第5の実施の形態のA
TMアダプテーション装置の変形例として、第6の実施
の形態のATMアダプテーション装置につき説明する。
第6の実施の形態では、特に、ヘッダCRC符号演算回
路およびCPCS−CRC符号演算回路を共通な回路で
構成する形態につき説明する。
【0205】図9は、第6の実施の形態のATMアダプ
テーション装置を概略的に示す図である。以下、図9を
参照して第6の実施の形態のATMアダプテーション装
置につき説明する。
【0206】図9に示すように、第6の実施の形態のA
TMアダプテーション装置91は、第5の実施の形態の
ATMアダプテーション装置と同様に、物理層デバイス
13と、PDU管理手段17bと、セル分割・組立手段
73と、上位層利用部75とを具える。また、このAT
Mアダプテーション装置71は、ヘッダCRC符号付加
手段79aと、ヘッダCRC符号除去手段79bとを具
える。これらの点は、上述した第5の実施の形態のAT
Mアダプテーション装置と同じである。
【0207】このATMアダプテーション装置91は、
特に、ヘッダCRC符号付加手段79aおよびセル分割
・組立手段73が、一つのCRC符号演算回路であるヘ
ッダCRC/CPCS−CRC符号共通演算回路78c
に接続されている点に特徴がある。すなわち、第5の実
施の形態にて説明したヘッダCRC符号演算回路とCP
CS−CRC符号演算回路とを共通な回路で構成してあ
る。その点以外は、第5の実施の形態と同様である。
【0208】よって、第5の実施の形態にて説明した効
果が得られるほか、第5の実施の形態のように個別にC
RC符号演算回路を設ける必要がなくなる。したがっ
て、装置構成をハードウェア的に簡略化でき、その結
果、ATM中継装置のコストや装置サイズを低減させる
ことができる。
【0209】また、第6の実施の形態のATMアダプテ
ーション装置91によれば、ヘッダCRC符号演算回路
およびCPCS−CRC演算回路を共通な回路で構成し
ている。この共通演算回路78cには、送信上位層PD
Uヘッダのビット情報(多項式表現でM(X)とす
る。)が入力される。その後、このビット情報M(X)
を保持した共通演算回路23dに、送信上位層PDUの
ヘッダに続くCPCS−PDUを構成するビット情報
(多項式表現でM1(X)とする。)が入力される。よ
って、共通演算回路78cでは、先に入力した送信上位
層PDUのヘッダのビット情報M(X)を消去すること
なく、これをCPCS−CRC符号演算に利用すること
ができる。したがって、上位層PDUヘッダのビット情
報を重複して入力する必要が無くなるため、処理速度を
向上させることができる。
【0210】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明のATM中継装置によれば、先頭ATMセル中の上
位層PDUのヘッダが正常か否かをヘッダCRC符号に
基づいて判定したのち、ATMセルの出力方路を設定す
ることができる。よって、上位層PDUのヘッダに含ま
れる宛先情報の正常性を確認したのちに当該宛先情報に
基づいて出力方路を設定することができ、その結果、A
TMセルが誤った宛先に転送されるの抑制しつつカット
スルー転送することができる。
【0211】また、この発明のATMアダプテーション
装置によれば、上位層PDUのヘッダを保護するための
ヘッダCRC符号を送信上位層PDUに付加することが
できる。したがって、上述のように、ATMセルが誤っ
た宛先に転送されるのを抑制しつつカットスルー転送す
るATM中継方式を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のATM中継装置を概略的に
示す図である。
【図2】実施の形態のプロトコル層を概念的に示す図で
ある。
【図3】第2の実施の形態のATM中継装置を概略的に
示す図である。
【図4】出力方路管理テーブルを概念的に示す図であ
る。
【図5】第3の実施の形態のATM中継装置を概略的に
示す図である。
【図6】第4の実施の形態のATM中継装置を概略的に
示す図である。
【図7】第5の実施の形態のATMアダプテーション装
置を概略的に示す図である。
【図8】従来のATMアダプテーション装置を概略的に
示す図である。
【図9】第6の実施の形態のATMアダプテーション装
置を概略的に示す図である。
【図10】AALタイプ3/4によるプロトコル層を概
念的に示す図である。
【図11】AALタイプ3/4におけるSAR層のPD
Uを概念的に示す図である。
【図12】ATMセルを概念的に示す図である。
【図13】従来のATM中継装置を概略的に示す図であ
る。
【図14】AALタイプ5によるプロトコル層を概念的
に示す図である。
【図15】AALタイプ5によるCPCSトレイラを概
念的に示す図である。
【符号の説明】
11、31、51、61:ATM中継装置 13:物理層デバイス 15:出力方路選択手段 17、17a、17b:PDU管理手段 19:ヘッダ解析手段 21:ヘッダCRC符号確認手段 23:ヘッダCRC符号演算回路 23a:第1ヘッダCRC符号演算回路 23b:第2ヘッダCRC符号演算回路 23c:ヘッダCRC符号共通演算回路 23d:ヘッダCRC/CPCS−CRC符号共通演算
回路 25:出力方路管理テーブル 33、33a:データ変換部 35:上位層PDUヘッダ書換手段 37:ヘッダCRC符号置換手段 39:CPCS−CRC符号置換手段 41:VPI/VCI設定手段 43:CPCS−CRC符号演算回路 71、81、91:ATMアダプテーション装置 73:セル分割・組立手段 75:上位層利用部 78a:CPCS−CRC符号演算回路 78b:ヘッダCRC符号演算回路 78c:ヘッダCRC/CPCS−CRC符号共通演算
回路 79a:ヘッダCRC符号付加手段 79b:ヘッダCRC符号除去手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 守男 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 橋本 直也 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 千田 浩一 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 福岡 弘登 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内 (72)発明者 谷川 真樹 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 近藤 隆 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 市川 弘幸 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5K030 HA10 HB12 HB29 HD03 JA06 KA15 LA01 LB05 9A001 BB02 BB04 CC04 CC06 CC07 DD10 EE02 EE04 JJ12 JJ18 KK56 LL02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一連のユーザデータを構成するATM
    (Asynchronous Transfer Mo
    de)セルの全てが到着して初めて該ユーザデータを構
    成する先頭ATMセルが正常か否かを判定できるAAL
    (ATM Adaptation Layer)プロト
    コルを利用するATM中継装置であって、 一連の前記ユーザデータを構成するATMセルのうち上
    位層のPDU(Protocol Data Uni
    t)のヘッダを含んでなる先頭ATMセルを識別するP
    DU管理手段と、 識別された前記先頭ATMセル中の当該上位層PDUの
    ヘッダに含まれる宛先情報に基づいて、一連の前記ユー
    ザデータを構成するATMセルの出力方路を設定し、該
    設定した設定情報を登録するヘッダ解析手段とを具え、
    および、 登録された前記設定情報に基づいて、一連の前記ユーザ
    データを構成するATMセルをカットスルー転送する当
    該ATM中継装置において、 前記PDU管理手段および前記ヘッダ解析手段間に、前
    記上位層PDUのヘッダの後のヘッダCRC(Cycl
    ic Redundancy Check)符号に基づ
    いて当該上位層PDUのヘッダが正常か否かを判定し、
    当該ヘッダが正常であると判定された場合には、前記ヘ
    ッダ解析手段に前記出力方路を設定させるヘッダCRC
    符号確認手段を具えることを特徴とするATM中継装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のATM中継装置におい
    て、 前記PDU管理手段および前記ヘッダ解析手段に接続さ
    れていて、一連の前記ユーザデータを構成する各ATM
    セルに含まれるデータを書き換えるデータ変換部を更に
    具えることを特徴とするATM中継装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のATM中継装置におい
    て、 前記ヘッダCRC符号確認手段は、前記上位層のPDU
    ヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて演算を行う第
    1ヘッダCRC符号演算回路に接続され、 前記データ変換部は、前記上位層PDUのヘッダが書き
    換えられるべき情報を有する場合に当該上位層PDUの
    ヘッダを書き換える上位層PDUヘッダ書換手段と、該
    書き換えられた上位層PDUのヘッダに基づいて再計算
    されたヘッダCRC符号を、当該再計算前のヘッダCR
    C符号と置き換えるヘッダCRC符号置換手段とを有
    し、 前記ヘッダCRC符号置換手段は、書き換えられた前記
    上位層PDUのヘッダに基づいてCRC符号を演算する
    第2ヘッダCRC符号演算回路に接続され、 前記第1ヘッダCRC符号演算回路と、前記第2ヘッダ
    CRC符号演算回路とを共通な回路で構成してあること
    を特徴とするATM中継装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のATM中継装置におい
    て、 前記プロトコルを、ITU−T勧告I.365.5にて
    勧告化されたAALタイプ5プロトコルとしたことを特
    徴とするATM中継装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のATM中継装置におい
    て、 前記プロトコルが、ITU−T勧告I.365.5にて
    勧告化されたAALタイプ5プロトコル、すなわち、A
    TM層および上位層間の変換を行うAALが、CPCS
    (Common Part Convergence
    Sublayer)およびSAR(Segmentat
    ion and Reassembly)層を含み、お
    よび、CPCS−PDUのトレイラがCPCS−CRC
    符号を含むプロトコルであり、 前記PDU管理手段は、前記先頭ATMセルを識別する
    と共に、一連の前記ユーザデータを構成する最後尾AT
    Mセルを識別し、 前記ヘッダCRC符号確認手段は、前記上位層のPDU
    ヘッダの後のヘッダCRC符号に基づいて演算を行う第
    1ヘッダCRC符号演算回路に接続され、 前記データ変換部は、 前記上位層PDUのヘッダが書き換えられるべき情報を
    有する場合に当該上位層PDUのヘッダを書き換える上
    位層PDUヘッダ書換手段と、 該書き換えられた上位層PDUのヘッダに基づいて再計
    算されたヘッダCRC符号を、当該再計算前のヘッダC
    RC符号と置き換えるヘッダCRC符号置換手段と、 該ヘッダCRC符号置換後の上位層PDUを含むCPC
    S−PDUに基づいて再計算されたCPCS−CRC符
    号を、当該再計算前のCPCS−CRC符号と置き換え
    るCPCS−CRC符号置換手段とを有し、 前記ヘッダCRC符号置換手段は、書き換えられた前記
    上位層PDUのヘッダに基づいてCRC符号を演算する
    第2ヘッダCRC符号演算回路に接続され、 前記CPCS−CRC符号置換手段は、ヘッダCRC符
    号置換後の上位層PDUを含むCPCS−PDUに基づ
    いてCRC符号を演算するCPCS−CRC符号演算回
    路に接続され、 前記第1ヘッダCRC符号演算回路および前記第2ヘッ
    ダCRC符号演算回路のうち一方または双方を、前記C
    PCS−CRC符号演算回路と共通な回路で構成してあ
    ることを特徴とするATM中継装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のATM中継装置におい
    て、 前記上位層PDUを、インターネットプロトコルバージ
    ョン6のパケットとしたことを特徴とするATM中継装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のATM中継装置におい
    て、 前記ヘッダCRC符号は、前記上位層PDUのヘッダの
    直後に設けてあることを特徴とするATM中継装置。
  8. 【請求項8】 AAL(ATM Adaptation
    Layer)プロトコルを利用して、送信されるべき
    上位層PDU(送信上位層PDUという。)からATM
    (Asynchronous Transfer Mo
    de)セル(送信ATMセルという。)への変換と、受
    信したATMセル(受信ATMセルという。)から上位
    層PDU(受信上位層PDUという。)への変換との双
    方向変換を行うATMアダプテーション装置において、 前記送信上位層PDU(Protocol Data
    Unit)のヘッダが宛先情報を有する場合には、該送
    信上位層PDUのヘッダに基づいて、当該送信上位層P
    DUのヘッダの正常性を確認するためのCRC符号(ヘ
    ッダCRC符号という。)を、当該送信上位層PDUの
    ヘッダの後に付加するヘッダCRC符号付加手段と、 該ヘッダCRC符号付加手段から入力された前記ヘッダ
    CRC符号付加後の前記送信上位層PDUを、複数の前
    記送信ATMセルに分割すると共に、外部から受信され
    た前記受信ATMセルを、前記受信上位層PDUに組み
    立てるセル分割・組立手段とを具えることを特徴とする
    ATMアダプテーション装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のATMアダプテーショ
    ン装置において、 前記セル分割・組立手段が、複数の前記受信ATMセル
    を前記受信上位層PDUに組み立てたのちに、当該受信
    上位層PDUに含まれる前記ヘッダCRC符号を除去す
    るヘッダCRC符号除去手段を更に具えることを特徴と
    するATMアダプテーション装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のATMアダプテーシ
    ョン措置において、 前記AALプロトコルを、ITU−T勧告I.365.
    5にて勧告化されたAALタイプ5プロトコルとしたこ
    とを特徴とするATMアダプテーション装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載のATMアダプテーシ
    ョン装置において、 前記AALプロトコルが、ITU−T勧告I.365.
    5にて勧告化されたAALタイプ5プロトコル、すなわ
    ち、ATM層および上位層間の変換を行うAALが、C
    PCS(Common Part Convergen
    ce Sublayer)およびSAR(Segmen
    tation and Reassembly)層を含
    み、および、CPCS−PDUのトレイラがCPCS−
    CRC符号を含むプロトコルであり、 前記セル分割・組立手段は、前記送信上位層PDUを含
    むCPCS−PDUに基づいてCRC符号を演算するC
    PCS−CRC符号演算回路に接続され、 前記ヘッダCRC符号付加手段は、前記送信上位層PD
    Uのヘッダに基づいてCRC符号を演算するヘッダCR
    C符号演算回路に接続され、 前記CPCS−CRC符号演算回路および前記ヘッダC
    RC符号演算回路を共通な回路で構成してあることを特
    徴とするATMアダプテーション装置。
  12. 【請求項12】 請求項8に記載のATMアダプテーシ
    ョン装置において、 前記ヘッダCRC符号付加手段は、前記ヘッダCRC符
    号を、前記送信上位層PDUのヘッダの直後に付加する
    ことを特徴とするATMアダプテーション装置。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のATMアダプテーシ
    ョン装置において、 前記上位層PDUを、インターネットプロトコルバージ
    ョン6のパケットとしたことを特徴とするATMアダプ
    テーション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1826960A1 (en) 2006-02-27 2007-08-29 Fujitsu Ltd. Cut-through transfer

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