JP2001257429A - 半導体発光装置 - Google Patents
半導体発光装置Info
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Abstract
とができ、出力と信頼性がともに高い半導体発光装置を
提供すること。 【解決手段】 基板、該基板上に形成された活性層、該
活性層の上部に形成されたストライプ状の電流注入領域
を有する半導体発光装置において、該基板に電流阻止領
域が形成されているか、あるいは該基板と該活性層との
間に電流阻止領域を含む層が形成されており、該電流注
入領域と該電流阻止領域が対向していることを特徴とす
る半導体発光装置。
Description
もに高い半導体発光装置に関する。本発明の半導体発光
装置は、半導体レーザなどとして有用である。
せることにより形成される。結晶性の良い化合物半導体
を成長させるためには、基板として化合物半導体と格子
整合している材料を用いることが望ましい。しかしなが
ら、窒化ガリウムのように格子整合する材料が存在しな
い場合は、サファイアなどの異種材料上に成長させざる
を得ない。このような場合は、格子定数や熱膨張係数の
違いにより基板上に成長するエピタキシャル層内に多数
の欠陥が生じてしまう。このため、窒化ガリウム系のレ
ーザ、特に高出力レーザは寿命が短いという問題を抱え
ている。
にも様々な検討がなされてきた。例えば、ELO(Epit
axial Lateral Overgrowth)基板を用いて、選択横方向
成長をさせる方法が開発されている。マスクを用いる方
法については、A.Usui et.alJpn.J.Appl.Phys.36,L899
(1997)に記載されており、マスクを用いない方法につい
ては、T.S.Zheleva et.al Ext.Abst.G3.38(MRS Fall Me
et.Boston,1998)に記載されている。これらの方法を用
いれば、通常1x1010個/cm2程度である転位密度
を、1x108個/cm2程度に低減することができると
されている。しかしながら、この方法によってもウエハ
全面で転位を下げるのは困難であった。
酸化物基板上に1次ガリウム層を成長した後に酸化物基
板の一部を除去し、次いで第2窒化ガリウム層を成長さ
せた後に酸化物層を除去し、さらに所定の厚みの窒化ガ
リウム層を成長させて窒化ガリウム半導体バルク単結晶
を成長させる方法が記載されている。この方法によれ
ば、高品質な窒化ガリウム単結晶基板を作製し光素子の
長寿命化を図るとともに、不純物の注入による導電型制
御を行って基板側への電極形成が可能になる。しかしな
がら、この方法は成長工程と研磨工程を3回ずつ行い、
外周切断も必要であるなど工程数が多く、コストがかか
るという問題がある。また、有効基板サイズが1cm2
程度で小さいため、量産化が困難であるという問題もあ
る。さらに、転位は下がっても106個/cm2程度まで
であり十分とはいえない。このため、上記ELO基板を
用いた場合と比較して大きな差異があるとは言いがた
い。
用いた従来の半導体発光装置の問題を種々検討した結
果、通電により伝搬する転位を抑制することが極めて重
要であることを見出した。従来の半導体発光装置は、転
位密度を下げることを主眼としており、通電による伝搬
する転位抑制については十分な検討が行われていなかっ
た。高品質な半導体発光装置を作製するためには、転位
密度を下げるだけでは限界があり、新たな視点から転位
抑制を検討することが必要である。
を十分に抑制することができ、出力と信頼性がともに高
い半導体発光装置を提供することを課題とした。より具
体的には、通電時の電流経路を見直すことにより転位抑
制を達成することを課題とした。
するために鋭意検討を重ねた結果、活性層の上下に形成
される電流注入領域と電流阻止領域の位置関係を制御す
ることにより、効果的に転位を抑制することができるこ
とを見出し、本発明に到達した。
された活性層、該活性層の上部に形成されたストライプ
状の電流注入領域を有する半導体発光装置において、該
基板に電流阻止領域が形成されているか、あるいは該基
板と該活性層との間に電流阻止領域を含む層が形成され
ており、該電流注入領域と該電流阻止領域が対向してい
ることを特徴とする半導体発光装置を提供する。
域の対向域全体に電流阻止領域が形成されていることが
好ましい。また、電流阻止領域は基板に形成されている
ことが好ましい。さらに、活性層が少なくともGaおよ
びNを構成元素として含むことが好ましく、具体的には
窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、
窒化インジウムガリウム(InGaN)、または窒化ア
ルミニウムガリウム(AlGaN)からなることが好ま
しい。
板であることが好ましく、具体的には窒化ガリウム(G
aN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒
化インジウムガリウム(InGaN)、炭化珪素(Si
C)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム酸リチウム(Li
GaO2)、アルミニウム酸マグネシウム(MgAl2O
4)、サファイア(Al2O3)、シリコン(Si)、燐
化ガリウム(GaP)、または砒化ガリウム(GaA
s)からなることが好ましい。本発明の半導体発光装置
は半導体レーザなどとして有用である。
装置について詳細に説明する。本発明の半導体発光装置
は、基板、該基板上に形成された活性層、該活性層の上
部に形成されたストライプ状の電流注入領域を少なくと
も有するものである。その特徴は、基板に電流阻止領域
が形成されているか、あるいは基板と該活性層との間に
電流阻止領域を含む層が形成されており、該電流注入領
域と該電流阻止領域が対向していることにある。なお、
本明細書において「電流阻止領域」とは、ある層ないし
基板の一部を構成する領域であって電流をブロックする
機能を有するものをいう。
B層」という表現は、A層の上面にB層の底面が接する
ようにB層が形成されている場合と、A層の上面に1以
上の層が形成されさらにその層の上にB層が形成されて
いる場合の両方を含むものである。また、A層の上面と
B層の底面が部分的に接していて、その他の部分ではA
層とB層の間に1以上の層が存在している場合も、上記
表現に含まれる。具体的な態様については、以下の各層
の説明と実施例の具体例から明らかである。
一実施態様を示す図1を参照しながら説明する。図1に
示すように、本発明の半導体発光装置は、基板21、活
性層32、およびストライプ状の電流注入領域36を少
なくとも有する。基板21の下には電極40が形成され
ており、該基板21内にはストライプ状の電流阻止領域
23が形成されている。基板21上にはGaN層24、
第1導電型クラッド層25、活性層を有する発光層3
2、第2導電型第1クラッド層33、酸化防止層34が
順に形成されている。酸化防止層34の上には、図に示
すようにストライプ状の開口部36を挟んで両脇に電流
ブロック層35が形成されている。このSiNx膜が絶
縁性を示すために、電流はストライプ状の開口部36に
注入されるようになっている。ストライプ状の開口部3
6には、その両端のSiNx膜35にも乗りかかるよう
に第2導電型第2クラッド層37が形成されている。さ
らに、第2導電型第2クラッド層37の表面全体はコン
タクト層38で覆われており、その上に電極39が形成
されている。
電流阻止領域23は互いに対向するように形成されてい
る。図2はこれらの位置関係を上から見た図である。電
流注入領域36の直下には電流注入領域よりも大きい電
流阻止領域23が形成されている。本明細書において
「電流注入領域と電流阻止領域が対向する」とは、この
ように電流注入領域をエピタキシャル成長とは逆方向に
平行移動したときに、電流阻止領域と重なる部分が存在
するような位置関係にあることを意味する。重なる部分
は、電流注入領域の一部と電流阻止領域の一部であって
もよい。また、電流注入領域を平行移動したときにその
全体が電流阻止領域に覆われる関係にあってもよいし、
逆に電流注入領域を平行移動したときにその全体が電流
阻止領域を覆う関係にあってもよい。
たときにその全体が電流阻止領域に覆われる関係にある
態様である(請求項2)。特に、電流注入領域を平行移
動したときに電流注入領域の中心線が電流阻止領域の中
心線に重なるか、近傍にあることが好ましい。これらの
好ましい態様では、ストライプ状の電流注入領域の幅
(a)は電流阻止領域の幅(b)よりも小さく、その差
(b−a)は、下限としては1μm以上であることが好
ましく、3μm以上であることがより好ましい。上限と
しては、50μm以下であることが好ましく、20μm
以下であることがより好ましい。なお、幅が一定でない
場合は、全長の平均幅が上記範囲内におさまればよい。
性層下側のクラッド層と反対の導電型であるため、電流
は電流阻止領域の外側を迂回して流れることになる。こ
のため、通電による転位は電流阻止領域の外側で上方に
伝搬するが、電流阻止領域の上方には伝搬しにくくな
る。すなわち、電流阻止領域の下側に存在した貫通転位
を電流阻止領域によって止めることが可能となる。この
ため、本発明にしたがって、電流阻止領域の上方に対向
するように電流注入領域を形成しておけば、該電流注入
領域の直下にあたるストライプ状の活性層部分へは転位
が伝搬しにくくなる。したがって、本発明の構成を採用
することによって、出力と信頼性を高めることができ
る。
構成する各層の詳細を説明する。本発明の半導体発光装
置を構成する基板は、InAlGaN系エピタキシャル
層の成長が可能であれば、特に制約はない。例えば、炭
化珪素(SiC)、サファイア(Al2O3)、酸化亜鉛
(ZnO)、ガリウム酸リチウム(LiGaO2)、ア
ルミニウム酸マグネシウム(MgAl2O4)、シリコン
(Si)、燐化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(G
aAs)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム
ガリウム(AlGaN)等の基板を用いることができ
る。ただし、低温バッファ層、クラック防止層の挿入お
よび選択成長を利用した貫通転位を低減させる手法(E
LOG、FIELOなど)を取り入れることにより、半
導体レーザ等の発光素子に適した窒化物半導体を成長さ
せることができる。また、裏面側に電極を取れるように
するためには、炭化珪素(SiC)、シリコン(S
i)、燐化ガリウム(GaP)、砒化ガリウム(GaA
s)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウムガリ
ウム(AlGaN)等の基導電性基板が好ましい。さら
に、その上に積層する層と格子整合し、かつ熱膨張係数
が同じとなるGaNあるいはAlGaNバルク単結晶基
板からなるホモ基板がより好ましい。これらのホモ基板
は、転位密度を大幅に下げた場合においても、III族
窒化物エピタキシャル層の成長前に基板界面に転位が形
成されてしまうので、本発明の効果を有効に利用でき
る。
成長層に持ち込まないために厚さ0.2〜2μm程度の
バッファ層を形成しておくことが好ましい。ただし、バ
ッファ層は必ずしも形成しなくてもよい。
を形成する。化合物半導体層は、活性層の上下に活性層
より屈折率の小さい層を含んでおり、そのうち基板側の
層は第1導電型クラッド層、他方のエピタキシャル側の
層は第2導電型クラッド層として機能する。このほか光
ガイド層として機能する層を含んでいてもよい。これら
の屈折率の大小関係は、各層の材料組成を当業者に公知
の方法にしたがって適宜選択することにより調節するこ
とができる。例えば、AlxGa1-xAs、(AlxGa
1-x)0.5In0.5P、AlxGa1-xNなどのAl組成を
変化させることによって屈折率を調節することができ
る。
板、バッファ層、クラッド層の内部あるいはその上)に
選択的に形成される。成長回数低減や表面酸化抑制の観
点から、基板内に電流阻止領域を形成することが好まし
い。このことにより、劈開、組立等の歩留まりを向上
し、また、ジャンクション・ダウンで組み立てた場合に
十分なLD特性が得られ、さらに、非可逆的光損傷(C
OD)レベルを高めたり、素子の信頼性を向上させるこ
とができる。電流阻止領域の厚みは、薄すぎると電流ブ
ロックの機能が不十分となり、厚くなりすぎると通過抵
抗が大きくなるなってしまう。具体的には、下限は0.
01μm以上が好ましく、0.1μm以上がより好まし
い。上限は、5μm以下が好ましく、3μm以下がより
好ましい。
ことができる。この端部での電流非注入構造により、端
面での電流再結合を低減することが可能となり、非可逆
的光損傷(COD)レベルを高めたり、素子の信頼性を
向上させることができる。
に埋め込んで形成すれば、光導波路に大きな段差が生じ
ることなく、端面近傍にも電流阻止領域を形成すること
ができ、端部での光導波損失の発生を防止でき、ジャン
クション・ダウン組立時におけるストレスを低減するこ
とが可能となる。このとき、光導波路が実質的に一直線
上にあることが好ましく、具体的には端部における光導
波路の段差が波長の1/10以下であることが好まし
い。
流非注入の効果が低減したり、劈開が困難になるなどの
問題が生じてしまい、広すぎると、損失が大きくなりす
ぎて動作電流などのレーザ特性を劣化させてしまう。具
体的には、下限は2μm以上が好ましく、5μm以上が
好ましい。上限は、50μm以下が好ましく、30μm
以下が好ましい。
ないが、電流阻止領域は、不純物拡散あるいは不純物注
入により形成することが好ましい。このとき、結晶成長
装置内で不純物拡散層を形成し、引き続き該結晶成長装
置内で熱処理を行うことにより製造することがより好ま
しく、結晶成長装置が有機金属気相成長装置であること
がさらに好ましい。また、不純物拡散層は前記電流阻止
領域に対して選択エッチングにより除去することが、平
坦化の観点から好ましい。
純物拡散プロセスとして、薄膜成長装置内で拡散源を有
する層の成長とアニールプロセスとを一貫して行うこと
が好ましい。さらに、端部でのリーク電流低減のために
不純物拡散層は少なくともレーザチップ作製プロセス終
了までに除去しておくことが好ましい。
低減の観点から、拡散定数の大きいものが好ましく、例
えば亜鉛(Zn)、錫(Sn)、リチウム(Li)、銅
(Cu)などが挙げられる。また、III−V族半導体
に対しては、例えば、p型不純物として、亜鉛(Z
n)、マグネシウム(Mg)、ベリリウム(Be)な
ど、n型不純物として、シリコン(Si)、ゲルマニウ
ム(Ge)、錫(Sn)、硫黄(S)、セレン(S
e)、テルル(Te)などが挙げられる。また、高抵抗
化することができる不純物でもよく、例えば、銅(C
u)、鉄(Fe)、クロム(Cr)などの遷移元素、水
素(H)など、特にIII−V族半導体に対しては、ボ
ロン(B)、酸素(O)などが挙げられる。
の好ましい方法以外に例えばイオン注入法を採用しても
よい。イオン注入後に熱処理を行い、不純物を拡散させ
ることができる。ただし、高エネルギーであるいは質量
数の大きい不純物を注入すると、多量の欠陥(特に、ド
ーズ量が多い場合)が発生するので好ましくない。
成することが好ましく、III族窒化物の場合であれば
例えばGaNからなる層を形成することが好ましい。こ
のGaN層の抵抗率は、その上の第1導電型クラッド層
および第2導電型クラッド層に比べて小さくすることが
できる。このため、電流阻止領域の上部には充分に電流
が回り込むことができ、電流阻止領域を形成しても活性
層への電流注入に大きな影響を与えずに済ませることが
できる。
ッド層は、活性層よりも屈折率の小さい材料で形成され
る。また、第1導電型クラッド層の屈折率は、第2導電
型クラッド層の屈折率よりも大きいことが好ましい。例
えば、第1導電型のGaInP、AlGaInP、Al
InP、AlGaAs、AlGaAsP、AlGaIn
As、GaInAsP、GaN、AlGaN、AlGa
InN、BeMgZnSe、MgZnSSe、CdZn
SeTe等の一般的なIII−V族、II−VI族半導
体を用いることができる。第1導電型クラッド層のキャ
リア濃度は、下限は1×1018cm-3以上が好ましく、
3×1018cm-3以上がより好ましく、5×1018cm
-3以上が最も好ましい。上限は2×1020cm-3以下が
好ましく、5×1019cm-3以下がより好ましく、3×
1018cm-3以下が最も好ましい。
のであるときは、好ましくは0.5〜4μm、より好ま
しくは1〜3μm程度の厚みを有するが、第1導電型ク
ラッド層は第1導電型第1クラッド層と第1導電型第2
クラッド層の複数層からなるものであってもよい。具体
的には活性層側にGaInP、AlGaInP又はAl
InPからなるクラッド層と、その層よりも基板側に第
1導電型のAlGaAs又はAlGaAsPからなるク
ラッド層が形成されている態様を例示することができ
る。このとき、活性層側の層の厚さは薄くすることが好
ましく、厚さの下限としては0.01μm以上が好まし
く、0.05μm以上がより好ましい。上限としては、
0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ま
しい。また、基板側の層のキャリア濃度は、下限2×1
017cm-3〜以上が好ましく、5×1017cm-3以上が
より好ましい。上限は3×1018cm-3以下が好まし
く、2×1018cm-3以下がより好ましい。
の構造は特に制限されない。発光層は、光ガイド層に挟
まれた活性層からなるものであるのが好ましい。また、
電流リーク抑制層が形成されていてもよい。
三重量子井戸構造(TQW)をとることができる。この
三重量子井戸構造(TQW)は、例えばバリア層(ノン
ドープ)に挟まれた3層の量子井戸層(ノンドープ)か
らなる構造を有する。この三重量子井戸構造以外にも、
単一量子井戸構造(SQW)や、二重量子井戸構造(D
QW)や4層以上の量子井戸層を有する多量子井戸構造
(MQW)であってもよい。活性層を量子井戸構造とす
ることにより、単層のバルク活性層と比較して、短波長
化かつ低しきい値化を達成することができる。
aAs、GaInP、AlGaInP、GaInAs、
AlGaInAs、GaInAsP、GaN、GaIn
Nなどを例示することができる。GaとInを構成元素
として含む材料である場合は、自然超格子が形成されや
すいために、オフ基板を用いることによる自然超格子抑
制の効果が大きくなる。
混晶化の容易さの観点から、次の構造が好ましい。すな
わち、(1)混晶化前後での組成の変化量を大きくでき
ることから、活性層が単一の井戸層を有している(単一
量子井戸)こと、(2)活性層が複数の井戸層を有して
いる(多重量子井戸)場合、混晶化領域中央付近でのバ
ンドギャップの低減を抑制するために、混晶組成井戸層
に挟まれたバリア層の厚みが井戸層よりも大きいこと、
(3)混晶化前後でのバンドギャップ変化を大きくする
ために、井戸層に圧縮歪みがかっかっていること、
(4)井戸層の構成元素に比較的低温で拡散しやすいI
nが含まれていること、(5)井戸層を挟むバリア層あ
るいはガイド層の構成元素にバンドギャップを小さくす
るInが含まれていないこと、(6)井戸層を挟むバリ
ア層あるいはガイド層の構成元素にバンドギャップを大
きくするAlが含まれていることが好ましい。活性層は
アンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp型
不純物をドープしてもよい。不純物は井戸層、バリヤ層
両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしても
よい。
イド層は、活性層の光ガイド層として作用する。光ガイ
ド層としては、GaN、InGaNを成長させることが
望ましく、通常10nm〜3μm、さらに好ましくは2
0nm〜0.5μmの膜厚で成長させることが望まし
い。またこの光ガイド層にn型不純物をドープしても良
い。
成することもできる。例えば、活性層と光ガイド層の間
に形成することができる。電流リーク抑制層は0.1μ
m以下の膜厚で形成すれば素子の出力を向上することが
できる傾向にある。膜厚の下限は特に限定しないが、5
nm以上の膜厚で形成することが望ましい。
形成される。第2導電型クラッド層は2層以上形成して
もよい。以下の説明では、活性層に近い方から順に第2
導電型第1クラッド層と第2導電型第2クラッド層の2
層を有する好ましい態様を例にとって説明する。
も屈折率の小さい材料で形成される。例えば、第2導電
型のAlGaInP、AlInP、AlGaAs、Al
GaAsP、AlGaInAs、GaInAsP、Al
GaInN、BeMgZnSe、MgZnSSe、Cd
ZnSeTe等の一般的なIII−V族、II−VI族
半導体を用いることができる。第2導電型クラッド層が
Alを含むIII−V族化合物半導体で構成されている
場合は、その成長可能な実質的全面をGaAs、GaA
sP、GaInAs、GaInP、GaInN等のAl
を含まないIII−V族化合物半導体で覆えば表面酸化
を防止することができるため好ましい。
は、下限は2×1017cm-3以上が好ましく、5×10
17cm-3以上がより好ましく、7×1017cm-3以上が
最も好ましい。上限は5×1018cm-3以下が好まし
く、3×1018cm-3以下がより好ましく、2×1018
cm-3以下が最も好ましい。厚さの下限としては0.0
1μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好まし
く、0.07μm以上が最も好ましい。上限としては、
0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ま
しく、0.2μm以下が最も好ましい。
形成する。本発明の好ましい実施様態では、第2導電型
第1クラッド層の屈折率は、第1導電型クラッド層の屈
折率よりも小さい。このような態様を採用することによ
り、活性層から光ガイド層側へ有効に光がしみ出すよう
に光分布(近視野像)を制御することができる。また、
活性領域(活性層の存在する部分)から不純物拡散領域
への光導波損失を低減することもできるため、高出力動
作におけるレーザ特性や信頼性の向上を達成することが
できる。
入領域は、第2導電型第1クラッド層の上方に形成され
る。電流注入領域は、通常は電流ブロック層に挟まれた
開口部からなる。電流ブロック層の材料は半導体であれ
ば、特に限定されない。電流ブロック層の材料として半
導体を用いた場合は、誘電体膜と比較して熱伝導率が高
いために放熱性が良い、劈開性が良い、平坦化しやすい
ためにジャンクション・アップで組み立てやすい、コン
タクト層を全面に形成しやすいのでコンタクト抵抗を下
げやすいなどの利点がある。
層に挟まれた第2導電型第2クラッド層の屈折率よりも
低くする(実屈折率ガイド構造)。このような屈折率の
制御を行うことによって、従来のロスガイド構造に比べ
て動作電流を低減することが可能になる。電流ブロック
層と第2導電型第2クラッド層との屈折率差は、電流ブ
ロック層が化合物半導体の場合、下限は0.001以上
が好ましく、0.003以上がより好ましく、0.00
7以上が最も好ましい。上限は、1.0以下が好まし
く、0.5以下がより好ましく、0.1以下が最も好ま
しい。電流ブロック層が誘電体の場合、下限は0.1以
上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.7以上
が最も好ましい。上限は、3.0以下が好ましく、2.
5以下がより好ましく、1.8以下が最も好ましい。
光分布)を制御したり電流阻止の機能を向上させるため
に、屈折率、キャリア濃度又は導電型が異なる2つ以上
の層から形成してもよい。電流ブロック層の上には表面
保護層を形成して、表面酸化の抑制あるいはプロセス上
の表面保護を図ることができる。表面保護層の導電型は
特に規定されないが、第2導電型とすることにより、電
流阻止機能の向上を図ることができる。
は高抵抗(アンドープもしくは深い順位を形成する不純
物(O、Cr、Feなど)をドープ)、あるいはこれら
2つの組み合わせのいずれであってもよく、導電型ある
いは組成の異なる複数の層から形成されていてもよい。
例えば、活性層に近い側から第2導電型あるいは高抵抗
の半導体層、および第1導電型の半導体層の順に形成さ
れている電流ブロック層を好ましく用いることができ
る。また、あまり薄いと電流阻止に支障を生じる可能性
があるため、厚さは0.1μm以上であるのが好まし
く、0.5μm以上であるのがより好ましい。素子とし
てのサイズ等を勘案すれば、0.1〜3μm程度の範囲
から選択するのが好ましい。
部および少なくとも開口部両脇の電流ブロック層上の一
部にいたるように第2導電型第2クラッド層を形成する
ことが好ましい。第2導電型第2クラッド層は、開口部
の上側表面をすべて覆い且つ開口部両脇の電流ブロック
層上の一部に延在されるように形成することが好まし
い。不純物拡散により形成される窓領域を光導波路の両
端部分の比較的狭い範囲に自己整合的に形成し、その電
流ブロック層をそのまま用いて第2導電型第2クラッド
層が開口部の両脇の電流ブロック層上の一部まで延在さ
れるように形成すれば、素子特性を十分に安定化させる
ことができる。
は、下限は5×1017cm-3以上が好ましく、7×10
17cm-3以上がより好ましく、1×1018cm-3以上が
最も好ましい。上限は1×1019cm-3以下が好まし
く、5×1018cm-3以下がより好ましく、3×1018
cm-3以下が最も好ましい。
なりすぎると光閉じ込めが不十分となり、厚くなりすぎ
りと通過抵抗が増加してしまうことを考慮して、下限は
0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ま
しい。上限は3.0μm以下が好ましく、2.0μm以
下がより好ましい。
層を形成した後にさらに電極を形成するに先立ち、電極
材料との接触抵抗を低減するために、低抵抗(高キャリ
ア濃度)のコンタクト層を形成することが好ましい。特
に電極を形成しようとする最上層表面の全体にコンタク
ト層を形成したうえで電極を形成することが好ましい。
クラッド層よりバンドギャップが小さい材料の中から選
択し、金属電極とのオーミック性を取るため低抵抗で適
当なキャリア密度を有するのが好ましい。キャリア密度
の下限は、1×1018cm-3以上が好ましく、3×10
18cm-3以上がより好ましく、5×1018cm-3以上が
最も好ましい。上限は、2×1020cm-3以下が好まし
く、5×1019cm-3以下がより好ましく、3×1018
cm-3以下が最も好ましい。コンタクト層の厚みは、
0.1〜10μmが好ましく、1〜8μmがより好まし
く、2〜6μmがもっとも好ましい。
ク層に形成される開口部について説明する。電流ブロッ
ク層の開口部は、上側(コンタクト層側)よりも下側
(活性層側)の方が小さくなるようにする方が、通過抵
抗の低減(動作電圧および発熱の低減)の観点から好ま
しい。
長しているストライプ状の開口部であってもよいし、一
方の端部まで伸長しているが他方の端部までは伸長して
いない開口部であってもよい。開口部が両端部まで伸長
しているストライプ状の開口部である場合は、端部窓構
造領域における光の制御がより容易になり、端面におけ
る横方向の光の拡がりを小さくすることができる。一
方、開口部が端面からある程度内側に入った部分に形成
されている場合は、端面付近で電流を非注入にすること
ができるため、端面での電流の再結合を防ぐとともに、
クラッド層などからの電流の回り込みを最小限にとどめ
ることができる。開口部の構造はこのような利点を考慮
しながら、使用目的に応じて適宜決定することが好まし
い。
形成される開口部の伸びる方向(長手方向)に直交する
方向から、±30°以内の方向が好ましく、±7°以内
の方向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好まし
い。また、開口部の方向は、基板の面方位が(100)
の場合、[01−1]またはそれと等価な方向が、オフ
アングルの方向は[011]方向またはそれと等価な方
向から±30°以内の方向が好ましく、±7°以内の方
向がより好ましく、±2°以内の方向が最も好ましい。
なお、本明細書において「[01−1]方向」という場
合は、一般的なIII−V族、II−VI族半導体にお
いて、(100)面と[01−1]面との間に存在する
[11−1]面が、それぞれV族又はVI族元素が現れ
る面であるように[01−1]方向を定義する。
−1]方向の場合に限定されない。例えば、開口部が
[011]方向又はそれと結晶学的に等価な方向に伸び
ている場合、例えば、成長条件により、成長速度に異方
性をもたせることができ、(100)面では速く、(1
11)B面ではほとんど成長しないようにすることがで
きる。その場合、(111)B面を側面とする第2導電
型第2クラッド層が形成される。この場合も次にコンタ
クト層を形成する際、より等方性の強い成長が起こる条
件を選ぶことにより、(100)面の頂部とともに(1
11)B面からなる側面にも全面的にコンタクト層が形
成される。
を用いた場合には、開口部の伸びる方向は、例えば(0
001)面上では[11−20]又は[1−100]が
好ましい。HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)
ではどちらの方向でもよいが、MOVPEでは[11−
20]方向がより好ましい。
ては、まず、所望の垂直拡がり角を得るために活性層の
厚みとクラッド層の組成を決定する。通常、垂直拡がり
角を狭くすると活性層からクラッド層への光の浸みだし
が促進され、端面での光密度が小さくなり、出射端面の
光学的損傷(COD)レベルが向上することができるの
で、高出力動作を必要とする時には比較的に狭めに設定
されるが、下限は活性層内の光閉じ込めの低減による発
振しきい値電流の増大及びキャリアのオーバーフローに
よる温度特性の低下を抑制することで制限があり、下限
は、15°以上が好ましく、17°以上がより好まし
く、19°以上が最も好ましい。上限は、33°以下が
好ましく、31°以下がより好ましく、30°以下が最
も好ましい。
特性を大きく支配する構造パラメータは活性層と電流ブ
ロック層との間の距離dpと開口部底部における幅(以
下「開口幅」という)Wとなる。なお、活性層と電流ブ
ロック層との間に第2導電型第1クラッド層のみが存在
する場合、dpは第2導電型第1クラッド層の厚みとな
る。また、活性層が量子井戸構造の場合、最も電流ブロ
ック層に近い活性層と電流ブロック層との距離がdpに
なる。
が好ましく、0.20μm以下がより好ましく、0.1
5μm以下がもっとも好ましい。下限は0.03μm以
上が好ましく、0.05μm以上がより好ましく、0.
07μm以上がもっとも好ましい。ただし、使用目的
(拡がり角をどこに設定するかなど)、材料系(屈折
率、抵抗率等)などが異なると、上記の最適範囲も少し
シフトする。また、この最適範囲は上記の各構造パラメ
ータがお互いに影響し合うことにも注意を要する。
00μm以下であることが好ましく、50μm以下であ
ることがより好ましい。下限が1μm以上であることが
好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、
2μm以上であることがもっとも好ましい。また、横モ
ードをシングルモード(単一ピークの横方向光強度分
布)にするためには、高次モードのカットオフ及び空間
的ホールバーニングの防止の観点からWをあまり大きく
することができず、Wの上限は7μm以下が好ましく、
6μm以下がより好ましい。
おける開口幅Wを広くすることが端面での光密度低減の
観点から有効であるが、動作電流を低減するためには開
口幅を狭くすることが、導波路ロス低減の観点から好ま
しい。そこで、ゲイン領域となる中央付近の開口幅W2
を比較的狭くし、端部付近の開口幅W1を比較的広くな
るようにすることにより、低動作電流と高出力動作を同
時に実現することができ、高い信頼性も確保することが
できる(図3(a))。すなわち、端部(劈開面)幅W
1については、上限が1000μm以下であることが好
ましく、500μm以下であるがより好ましい。下限が
2μm以上であることが好ましく、3μm以上であるこ
とがより好ましい。中央部幅W2については、上限が1
00μm以下であることが好ましく、50μm以下であ
ることがより好ましい。下限が1μm以上であることが
好ましく、1.5μm以上であることがより好ましく、
2μm以上であることがもっとも好ましい。端部幅W1
と中央部幅W2の差については、上限は1000μm以
下が好ましく、500μm以下がより好ましい。下限に
ついては、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上
がより好ましい。
めには、端部幅W1の上限は、7μm以下が好ましく、
6μm以下がより好ましい。中央部幅W2の上限は、6
μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。端部
幅W1と中央部幅W2の差については、上限は5μm以
下が好ましく、3μm以下がより好ましく、2μm以下
が最も好ましい。下限については、0.2μm以上が好
ましく、0.5μm以上がより好ましい。
いレーザを達成するためには、上記dpとWを適切な範
囲に制御性良く納めることが必要となる。
を狭くすることが有効であるが、開口幅を狭くすると注
入電流密度が密度がバルク劣化抑制の観点から好ましく
ない。そこで、ゲイン領域となる中央部幅W2を比較的
広くし、端部付近を比較的狭くなるようにすることによ
り、ビームスポット低減と低動作電流を同時に実現する
ことができ、高い信頼性も確保することができる(図3
(b))。すなわち、端部(劈開面)幅W1について
は、上限が10μm以下であることが好ましく、5μm
以下であるがより好ましく、3μm以下であるがもっと
も好ましい。下限が0.5μm以上であることが好まし
く、1μm以上であることがより好ましい。中央部幅W
2については、上限が100μm以下であることが好ま
しく、50μm以下であることがより好ましい。下限が
1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であ
ることがより好ましく、2μm以上であることがもっと
も好ましい。端部幅W1と中央部幅W2の差について
は、上限は100μm以下が好ましく、50μm以下が
より好ましい。下限については、0.2μm以上が好ま
しく、0.5μm以上がより好ましい。
長さは所望の特性に応じて、設計すればよいが、漸減部
分の長さは、導波路損失低減の観点から、それぞれ5〜
10μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
端部の長さは、劈開精度の観点から5〜30μmが好ま
しく、10〜20μmがより好ましい。ただし、必要に
応じて、以下のように窓を作製してもよい。
開口幅あるいは長さがチップ両側で非対称となるもの。 (2)端部の幅一定となる領域を設定せずに、端部まで
漸増あるいは漸減としたもの。 (3)端面の片側(通常、高出力光取り出し(前端面)
側)だけ開口幅が漸増あるいは漸減するようにしたも
の。 (4)端部開口幅が前端面と後端面とで異なるもの。 (5)上記の(1)〜(4)のいくつかを組み合わせた
もの。また、端面付近に電極を設けないようにして、端
部近傍の開口部への電流注入によるバルク劣化の抑制や
端面での再結合電流を低減することは、高い信頼性での
小スポット径のレーザ作製の観点から有効である。
長さは、短くなりすぎると再現性よく劈開することが困
難となり、一方、長くなりすぎると窓領域での損失が増
加するためにしきい値電流の増大やスロープ効率の低減
などレーザ特性の劣化を招いてしまう。そこで、窓領域
の長さは、下限として、1μm以上が好ましく、5μm
以上がより好ましい。上限としては、50μm以下が好
ましく、30μm以下がより好ましい。
好ましいが、片側の側面にだけ形成されていてもよい。
片側にだけ形成されている場合は、より高出力のレーザ
光が出射される端面側に形成されていることが好まし
い。
特に制限されない。いかなる方法により製造されたもの
であっても、上記請求項1の要件を満たすものであれば
本発明の範囲に含まれる。
は、従来から用いられている方法を適宜選択して使用す
ることができる。結晶の成長方法は特に限定されるもの
ではなく、ダブルヘテロ構造の結晶成長や電流ブロック
層等の選択成長には、有機金属気相成長法(MOCVD
法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライ
ドあるいはハライド気相成長法(VPE法)、液相成長
法(LPE法)等の公知の成長方法を適宜選択して用い
ることができる。
は、まず基板に上記例示にしたがって電流阻止領域を形
成し、GaN層、第1導電型クラッド層、活性層、第2
導電型第1クラッド層を有するダブルヘテロ構造を形成
後、第2導電型第1クラッド層上に電流ブロック層を形
成し、電流ブロック層を開口した後で不純物拡散用の化
合物半導体層を選択成長させ、該化合物半導体層を除去
した後、第2導電型第2クラッド層を形成する工程を例
示することができる。この製造方法の詳細やその他の製
造方法については、以下の実施例や関連技術文献から理
解することができる。
長方法、装置の形状等に応じて異なるが、MOCVD法
を用いてIII族窒化物半導体層を成長する場合、ダブ
ルへテロ構造は、成長温度900〜1200℃程度、V
/III比1,000〜10,000程度で行うのが好
ましい。
lGaAs、AlGaInPのようにAlを含む場合、
成長中に微量のHClガスを導入することにより、マス
ク上へのポリの堆積を防止することができるため非常に
好ましい。Alの組成が高いほど、あるいはマスク幅あ
るいはマスク面積比が大きいほど、他の成長条件を一定
とした場合、ポリの堆積を防止し、かつ半導体表面露出
部のみに選択成長を行う(セレクティブモード)のに必
要なHCl導入量は増加する。一方、HClガスの導入
量が多すぎるとAlGaAs層の成長が起こらず、逆に
半導体層がエッチングされてしまうが(エッチングモー
ド)が、Al組成が高くなるほど他の成長条件を一定と
した場合、エッチングモードになるのに必要なHCl導
入量は増加する。このため、最適なHCl導入量はトリ
メチルアルミニウム等のAlを含んだIII族原料供給
モル数に大きく依存する。具体的には、HClの供給モ
ル数とAlを含んだIII族原料供給モル数の比(HC
l/III族)は、下限は0.01以上が好ましく、
0.05以上がより好ましく、0.1以上が最も好まし
い。上限は、50以下が好ましく、10以下がより好ま
しく、5以下が最も好ましい。ただし、Inを含む化合
物半導体層を選択成長(特に、HCl導入)させる場合
は、組成制御が困難になりやすい。
は、誘電体であることが好ましく、具体的には、SiN
x膜、SiO2膜、SiON膜、Al2O3膜、ZnO
膜、SiC膜及びアモルファスSiからなる群から選択
される。保護膜は、マスクとしてMOCVDなどを用い
てグルーブを選択再成長により形成する場合に用いられ
る。
レーザ装置として、情報処理用光源(通常AlGaAs
系(波長780nm近傍)、AlGaInP系(波長6
00nm帯)、InGaN系(波長400nm近
傍))、通信用信号光源(通常InGaAsPあるいは
InGaAsを活性層とする1.3μm帯、1.5μm
帯)レーザ、ファイバー励起用光源(InGaAs歪み
量子井戸活性層/GaAs基板を用いる980nm近
傍、InGaAsP歪み量井戸活性層/InP基板を用
いる1480nm近傍など)レーザなどの通信用半導体
レーザ装置などの、特に高出力動作が求められる多用な
装置を挙げることができる。また、通信用レーザでも、
円形に近いレーザはファイバーとの結合効率を高める点
で有効である。また、遠視野像が単一ピークであるもの
は、情報処理や光通信などの幅広い用途に好適なレーザ
として供することができる。
レーザ以外に半導体光増幅器、光検出器、光変調器、光
スイッチなどの光素子およびこれらの集積装置について
も応用が可能である。さらに、本発明は半導体レーザ以
外に端面発光型などの発光ダイオード(LED)として
も応用可能である。
に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、
処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限
り適宜変更することができる。したがって、本発明の範
囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。な
お、以下の実施例において、結晶成長はMOCVD法で
行い、原料ガスとしてトリメチルガリウム(TMG)、
トリメチルアルミニウム(TMA)、アンモニア(NH
3)を用い、ドーパントにCp2Mg(シクロペンタジエ
ニルマグネシウム)およびシラン(SiH4)を用い
た。また、以下の実施例で参照している図は、構造を把
握しやすくするために敢えて寸法を変えている部分があ
るが、実際の寸法は以下の文中に記載されるとおりであ
る。
レーザ素子の形状を示す模式的な断面図でありリッジス
トライプに垂直な方向で切断した際の図を示すものであ
る。以下、この図を基に実施例について説明する。ま
ず、(0001)Si面を有する4H−SiCまたは6
H−SiC基板21の全面に、シリコン窒化(SiN
x)膜(3000nm)を形成し、フォトリソグラフィ
ーにより、幅6μmのストライプ状の開口部を(1−1
00)方向に350μm間隔で多数形成した。この幅6
μmの開口部に選択的にイオン注入を行い、電流阻止領
域23をp型あるいは高抵抗となるようにした。注入元
素として、p型にするためにはMgが好ましく、高抵抗
にするためにはNあるいはBが好ましい。
度MOCVD装置に戻し、1000℃で膜厚4μmのS
iドープn型(3×1018/cm3)GaN層24を成
長させた。このとき、注入損傷はこのあとの成長前の昇
温時にアニールが起こり、注入領域の結晶性が回復し
た。続いて、1050℃で膜厚1.2μmのSiドープ
n型(1X1018〜1×1019/cm3)Al0.1Ga
0.9Nクラッド層からなるn側クラッド層25を成長さ
せた。
GaNよりなるn側光ガイド層26を成長させた。次
に、温度を800℃に保持して、膜厚4nmのアンドー
プIn 0.15Ga0.85N井戸層27および膜厚10nmの
アンドープIn0.02Ga0.98Nバリア層28を交互に複
数層有する総膜厚50nmの多重量子井戸構造(MQ
W)を有する活性層29を成長させた。次に、温度を1
050℃に上げ、p側光ガイド層よりもバンドギャップ
エネルギーが大きい、Mgドープp型(1X1019〜1
×1020/cm3)Al0.2Ga0.8Nよりなる電子リー
ク抑制層30を25nmの膜厚で成長させた。続いて1
050℃で、バンドギャップエネルギーがp側電子リー
ク防止層よりも小さい、アンドープGaNよりなるp側
光ガイド層31を0.1μmの膜厚で成長させた。この
層は、活性層の光ガイド層として作用する。
gドープp型(1X1018〜1×1019/cm3)Al
0.1Ga0.9N層よりなるp側第1クラッド層33、膜厚
0.01μmのp型(5×1018〜5×1019/c
m3)GaNからなる酸化防止層34を成長させた。次
に、エピタキシャル基板の全面に、膜厚20nmのシリ
コン窒化(SiNx)膜35を形成した。フォトリソグ
ラフィーにより、形成したSiNx膜に幅3μmのスト
ライプ状の開口部36を(1−100)方向に多数形成
した。このとき、電流阻止領域23とSiNx膜のスト
ライプ状開口部36の位置関係は、図2の上面図に示す
関係になるようにした。
gドープp型(1X1018〜1×1019/cm3)Al
0.1Ga0.9N層よりなるリッジ形状のp側第2クラッド
層37を成長させた。このとき、このリッジ直下が電流
注入領域となり、結晶欠陥が活性層の発光領域にまで伸
びてこなくなる傾向にあるため、素子を長寿命として信
頼性を向上させることができた。最後に、1050℃
で、p側第2クラッド層の全面を覆うように、膜厚0.
5nmのMgドープp型(5X1019〜1×10 20/c
m3)GaNよりなるp側コンタクト層38を成長させ
た。
mとした後、p側コンタクト層のリッジ最表面のほぼ全
面にp側電極39を形成し、一方、n型SiC基板表面
にn側電極40を形成した。この電極を形成したウエハ
を、ストライプ状の電極に垂直な方向にバー状に劈開し
て、劈開面(1−100面)に共振器を作製し、共振器
面に誘電体多層膜を形成した。
ートシンクに設置し、それぞれの電極をワイヤーボンデ
ィングして、室温でレーザ発振を試みたところ、室温に
おいて連続発振を示し、良好なレーザ特性が歩留まりよ
く得られた。素子寿命は、電流阻止領域およびGaN層
を形成しなかった素子と比較して向上した。特に約30
mW以上の高出力動作においては、素子寿命は大幅に向
上した(約3〜10倍)。
難であった高出力かつ高信頼のGaN系半導体発光装置
の作製が可能となる。また、本発明は、特に導電性基板
に対して充分効力があるため、n側に電極を形成したG
aN系半導体発光装置の作製が可能となり、工業的的に
も非常に有力な手法である。
図である。
流阻止領域の関係を示す上面図である。
部の態様を示す上面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基板、該基板上に形成された活性層、該
活性層の上部に形成されたストライプ状の電流注入領域
を有する半導体発光装置において、該基板に電流阻止領
域が形成されているか、あるいは該基板と該活性層との
間に電流阻止領域を含む層が形成されており、該電流注
入領域と該電流阻止領域が対向していることを特徴とす
る半導体発光装置。 - 【請求項2】 前記電流注入領域の対向域全体に前記電
流阻止領域が形成されていること特徴とする請求項1に
記載の半導体発光装置。 - 【請求項3】 前記電流阻止領域が前記基板に形成され
ていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導
体発光装置。 - 【請求項4】 前記活性層が少なくともGaおよびNを
構成元素として含むことを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項5】 前記活性層が、窒化ガリウム(Ga
N)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムガリ
ウム(InGaN)、または窒化アルミニウムガリウム
(AlGaN)からなることを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載の半導体発光装置。 - 【請求項6】 前記基板が導電性基板であることを特徴
とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光装
置。 - 【請求項7】 前記導電性基板が窒化ガリウム(Ga
N)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化
インジウムガリウム(InGaN)、炭化珪素(Si
C)、酸化亜鉛(ZnO)、ガリウム酸リチウム(Li
GaO2)、アルミニウム酸マグネシウム(MgAl2O
4)、サファイア(Al2O3)、シリコン(Si)、燐
化ガリウム(GaP)、または砒化ガリウム(GaA
s)からなることを特徴とする請求項6に記載の半導体
発光装置。 - 【請求項8】 前記半導体発光装置が半導体レーザであ
ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の半
導体発光装置。
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