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JP2001252300A - 水晶体実質の置換方法 - Google Patents

水晶体実質の置換方法

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Publication number
JP2001252300A
JP2001252300A JP2000070189A JP2000070189A JP2001252300A JP 2001252300 A JP2001252300 A JP 2001252300A JP 2000070189 A JP2000070189 A JP 2000070189A JP 2000070189 A JP2000070189 A JP 2000070189A JP 2001252300 A JP2001252300 A JP 2001252300A
Authority
JP
Japan
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lens
pore
rod
pores
polymer
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000070189A
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English (en)
Inventor
Mototsugu Nishinobu
元嗣 西信
Mitsuo Tsukamoto
光雄 塚本
Aizo Yamauchi
愛造 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
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Priority to US09/805,966 priority patent/US6413262B2/en
Publication of JP2001252300A publication Critical patent/JP2001252300A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting in contact-lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/0008Introducing ophthalmic products into the ocular cavity or retaining products therein
    • A61F9/0017Introducing ophthalmic products into the ocular cavity or retaining products therein implantable in, or in contact with, the eye, e.g. ocular inserts
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F9/00Methods or devices for treatment of the eyes; Devices for putting in contact-lenses; Devices to correct squinting; Apparatus to guide the blind; Protective devices for the eyes, carried on the body or in the hand
    • A61F9/007Methods or devices for eye surgery
    • A61F9/00736Instruments for removal of intra-ocular material or intra-ocular injection, e.g. cataract instruments

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水晶体本来の屈折力調整能を維持しつつ、侵
襲が少ない水晶体実質の置換方法を提供する。 【解決手段】 (1)水晶体嚢に細孔を穿孔し、(2)
該細孔から水晶体実質の少なくとも一部を排出し、
(3)親水性ポリマーを含有してなる水晶体嚢直接注入
剤を前記細孔から充填し、及び(4)前記細孔を封止す
る工程を含む、水晶体実質を置換するための方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶体実質を置換
する方法に関する。さらに詳細には、白内障等の疾患に
よる矢透などの障害がもたらされた水晶体を、毛様体の
緊張−弛緩による水晶体の形状変化に基づく水晶体本来
の屈折力調整能を保持したままで、好ましい透明度、屈
折率等の性質を備えた状態とするために水晶体実質を置
換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白内障は、眼球内の水晶体が混濁化、失
透し、そのために視力が著しく低下して最終的には失明
の原因ともなる疾患である。この白内障は先天性のもの
と後天性のものとに分けられるが、後天性の白内障とし
ては、老人性、糖尿病性、外傷性、或いは紫外線や放射
線等のエネルギー照射によるものなどが知られている。
なかでも老人性白内障は、近年の生活環境や栄養条件の
向上、医療体制の整備等による高齢化社会の進展によっ
て、50歳以上の中高年層に多くの患者を有する体表的
な老人性疾患である。
【0003】このような白内障の治療法としては、水晶
体の外郭である水晶体嚢を残存させたまま混濁化した水
晶体細胞のみを眼球内から外科的に除去する水晶体摘出
術が行われている。また、水晶体摘出後の視力矯正のた
めには、眼鏡、コンタクトレンズ、眼内レンズ(ここで
いう眼内レンズとはあらかじめ重合、成形されたポリマ
ー材料に支持部を取り付け、又は該ポリマー材料の含水
ゲルに支持部を取り付け、虹彩、水晶体嚢等で支持させ
るタイプのもの)が利用されている。人工水晶体の範疇
に入る眼内レンズは、術後、眼鏡やコンタクトレンズよ
りもよい視機能が得られること、超音波吸引手術等の術
式が確立され後嚢が残せるようになったこと、術後成績
もよく合併症などが減少してきたことなどにより急速に
普及している。眼内レンズの素材として硬質のポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)が、軟質の含水性素材と
してポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポ
リ(N−ビニル−2−ピロリドン)等が、また、軟質の
非含水性素材としてシリコンラバー、アクリルラバー等
が考案されている。
【0004】ところが、健常水晶体は本来、その変形に
よって屈折力を調整し、遠近視の焦点調節を行っている
が、上記眼内レンズはいずれも予め形状が定まったプラ
スチック製固形レンズであるため、かかる焦点調節が行
えないという欠点を有している。そこで、遠近両方の視
覚を可能とするための多焦点眼内レンズも利用されてい
るが、光学系の開口絞りに相当する瞳孔を同時使用する
ため、常に遠近二つの像が見えることとなり、必ずしも
快適な視覚経験をもたらすものではない。特に高齢者等
では、このような新環境に慣れるのは困難であり、適用
例は少ない。また、以上説明したような術式では、水晶
体実質の摘出及び眼内レンズ装着のための切開口が未だ
大きいこと等の問題点も残されていた。
【0005】そこで、健常水晶体と同じように、焦点調
節のための変形が可能な柔軟な人工水晶体の挿入が試み
られている。例えば、J.Kesslerは動物の水晶体嚢に透
明な液状シリコーンを注入して、正常な水晶体の形状を
復元できることを報告している(Experiments in Refil
ling the Lens; ARCHIVES OF OPHTHALMOLOGY,71,[3],41
2-417(1964))。しかしながら、かかる方法によると注
入した液状シリコーンが経時的に漏出してしまい、比較
的早期に水晶体の形状が損なわれて適性な視力をもたら
すことが困難になるという問題があり、従って実際の白
内障治療への適用は不可能であった。
【0006】さらに上記問題点を解決する目的で開発さ
れた従来技術として、 水晶体実質を抜き出した後の水晶体嚢内に、光重合性
のモノマー、光開始剤を含む眼内レンズ組成物を直接注
入することにより、又は該水晶体嚢内に挿入したバルー
ン(薄膜状のカプセル)内に前記眼内レンズ組成物を注
入することにより、水晶体嚢内で眼内レンズを形成させ
る方法(特開平2−255151号公報); 水晶体実質を抜き出した後にバルーン(薄膜状のカプ
セル)を挿入し、該バルーン内にポリマー溶液、架橋ゲ
ル等を注入する方法(特開平1一227753号公報)
などを挙げることができる。
【0007】上記の従来技術に関しては、水晶体内に
固形物である眼内レンズが形成されるため、屈折力調整
能がないこと、また、目的とする形状の眼内レンズを形
成させることが困難なため、充分な視力が得られないこ
と、モノマー、光開始剤が生体に吸収されて悪影響を及
ぼしうること、さらに滅菌処理が困難であること、とい
った問題がある。
【0008】また、上記の従来技術に関しては、バル
ーンにポリマー溶液等を注入する方法では、たとえバル
ーンの素材としてエラストマーを用いても、バルーンを
水晶体嚢にフィットした形状に膨らませることは困難で
あり、安定した視機能を得ることができないおそれがあ
る。また、バルーンを挿入するために強膜、角膜、水晶
体嚢等を大きく切開する必要があることから生体に対す
る侵襲が大きくなるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、白内障等で混濁化、失透した水晶体を、健常水晶
体が本来有する屈折力調整能等の機能及び基本構造を保
持したまま、好ましい透明度、屈折率等の性質を備えた
状態に復元すべく、水晶体及びその他周辺組織に対する
侵襲を最小限に抑制しつつ水晶体実質を置換することに
よって、予後が良好な白内障等の疾患治療を実現するこ
とができる方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは以上の現状
に鑑みて、 (1)混濁化、失透した水晶体細胞を除去し、次いで水
晶体嚢注入剤を充填するための細孔を可能な限り小さ
く、且つ円滑端部となるように穿孔する; (2)細孔を損傷することなく、失透した水晶体実質を
除去する; (3)細孔を損傷することなく容易に注入でき、且つ好
適な屈折力をもたらすことのできる、生体に対して安全
な水晶体実質置換剤を充填する;及び (4)水晶体実質置換剤の充填後に細孔を確実に封止す
る手法を確立し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本願第一発明により、水晶体実質
を置換するための方法であって、以下の工程、すなわ
ち、(1)水晶体嚢に細孔を穿孔し、(2)該細孔から
水晶体実質の少なくとも一部を排出し、(3)親水性ポ
リマーを含有してなる水晶体嚢直接注入剤を前記細孔か
ら充填し、及び(4)前記細孔を封止する、工程を含む
方法を提供する。
【0012】かかる本願第一発明において、前記細孔の
封止が、ゲル状物質又は軟質プラスチックからなる棒状
体であり、棒状体の先端部には膨大部を、中間部には周
縁突起片を有し、棒状体の軸中心には閉塞管部を有する
細孔封止体を用いて行われることを好ましい実施態様と
している。
【0013】そして、この細孔封止体が、閉塞管部が棒
状体の膨大部先端から棒状体の後端部まで貫通している
か、又は閉塞管部が棒状体の膨大部内から棒状体の後端
部まで連通しており、閉塞管部前端から膨大部先端まで
は易貫通性であることを好ましい実施態様としている。
【0014】また、この細孔封止体は、閉塞管部内を前
後スライド自在で且つ閉塞管部に着脱自在の剛性管体を
備えていることを別の好ましい実施態様としている。
【0015】さらに、前記工程(4)が、細孔封止体の
閉塞管部に剛性管体を挿入し、封止体先端の膨大部を前
記細孔から水晶体内に挿入し、膨大部の後縁面と周縁突
起片の前縁面とによって細孔周囲の外郭面を挟持した
後、剛性管体を抜き取り、残留した封止体によって細孔
を封止することによって行われることを好ましい実施態
様としている。
【0016】次に、本願第二発明により、水晶体実質を
置換するための方法であって、以下の工程すなわち、
(1)水晶体嚢に細孔を穿孔し、(2)ゲル状物質又は
軟質プラスチックからなる棒状体であって、棒状体の先
端部には膨大部を、中間部には周縁突起片を有し、棒状
体の軸中心には閉塞管部を有し、閉塞管部は棒状体の膨
大部先端から棒状体の後端部まで貫通している細孔封止
体の該閉塞管部に、閉塞管部内を前後スライド自在で且
つ該閉塞管部に着脱自在の剛性管体を挿入して、封止体
先端の膨大部を前記細孔から水晶体内に挿入し、(3)
剛性管体の先端を膨大部先端より突出させ、この剛性管
体を介して水晶体実質のを排出し、(4)該剛性管体を
介して、親水性ポリマーを含有してなる水晶体嚢直接注
入剤を水晶体内に充填し、及び(5)前記膨大部の後縁
面と周縁突起片の前縁面とによって細孔周囲の外郭面を
挟持した後、剛性管体を抜き取り、残留した封止体によ
って細孔を封止する、工程を含む方法が提供される。
【0017】以上の本願第一及び第二発明において使用
される細孔封止体は、周縁突起片が別体として着脱自在
のリング体であること、閉塞管部内を前後スライド自在
で且つ閉塞管部に着脱自在の剛性管体を備えているこ
と、ゲル状物質が架橋されたポリビニルアルコールを含
むゲル状物質であること、及び軟質プラスチックがシリ
コンラバーであることをそれぞれ別の好ましい実施態様
としている。
【0018】また、以上の本願発明において、水晶体内
に充填される水晶体嚢直接注入剤に含まれる前記親水性
ポリマーの含有量が1〜90重量%であることを好まし
い実施態様としている。
【0019】さらには、前記水晶体嚢直接注入剤は、そ
の粘度が50,000cp以下であること、屈折率が
1.340以上、可視光線透過率が50%以上であるこ
とを好ましい実施態様としており、また、前記親水性ポ
リマーが、ポリビニルアルコール系重合体、ポリビニル
ピロリドン系重合体及びポリエチレングリコール系重合
体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマーで
あることと、前記親水性ポリマーとして、ポリビニルア
ルコール系重合体及びポリビニルピロリドン系重合体を
含有してなることを好ましい実施態様としている。この
ような水晶体嚢直接注入剤を充填して封止すれば、摘出
前の水晶体に実質的に対応する形状を与え、且つ、水晶
体が本来有している毛様体の緊張−弛緩による水晶体の
形状変化に基づく屈折力調整能をも注入後の水晶体実質
置換物に付与することができる。
【0020】また、以上の本願発明は、ヒトを除く動物
に対して実施されること、ならびに白内障患者に対して
実施され、工程(2)において失透した水晶体実質が除
去されることを好ましい実施態様としている。
【0021】さらに上記本願発明において、前記工程
(1)における穿孔が、レーザー光照射によって行われ
るか、又は穿孔用ハンドピースを用いて行われることを
それぞれ好ましい実施態様としている。レーザー光照射
によって穿孔を行う場合、1〜500mmの焦点距離を
有する集光レンズを先端に備えたライトガイドを用いる
ことが好ましく、また穿孔用ハンドピースとしては、回
転軸と、該回転軸を回転するための第1のモータと、該
第1のモータと前記回転軸とを一体的に前後動させるた
めの第2のモータと、前記回転軸の先端に着脱自在に装
着されるトレバンパーと、該トレバンパーが挿通される
固定外筒と、前記トレバンパー内及び/又は該トレバン
パーと前記固定外筒との間の間隔に陰圧を付加するため
の陰圧付加手段とを有し、穿孔作業の際は前記第2のモ
ータにより前記第1のモータと一体の回転軸を前進させ
て前記トレバンパーの先端を前記外筒より突出させ、常
時は前記第2のモータにより前記第1のモータと一体の
回転軸を後退させて前記トレバンパーの先端を前記外筒
内に収容したものであることが好ましい。
【0022】以下、これらの発明及び好ましい実施態様
について、実施の形態を詳説する。
【0023】
【発明の実施の形態】(1)水晶体嚢の穿孔工程 本発明の、水晶体実質を置換するための方法において先
ず実施されるのは、水晶体嚢に細孔を形成する穿孔工程
である。この細孔は、続く水晶体実質の排出と水晶体嚢
直接注入剤の充填を円滑に行い、且つ侵襲をできるだけ
抑制するために、7mm以下、好ましくは2mm以下、
より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.1m
m以下の直径のものとするとよい。また、水晶体嚢直接
注入剤充填後に細孔を封止した後、長期にわたり水晶体
嚢直接注入剤が封止部から漏出しないようにする必要が
あるので、縁部に凹凸や鋸歯形状等を含まない、滑らか
な曲線を有する真円柱形の細孔を形成することが望まし
い。
【0024】そこで本発明においては、レーザー光の照
射、又は穿孔用ハンドピースを用いた穿孔を実施して、
所望サイズ及び形状を有する細孔を形成するとよい。
【0025】レーザー光照射によって穿孔を行う場合、
集光レンズ2を先端部に配設したライトガイド1(一部
概略を示す図1参照)を使用することによって実施する
とよい。このライトガイド1は、内部に多数のファイバ
ー束を備え、当該ファイバー束の直径は通常、目的とす
る細孔の直径に近似した数値に設定される。すなわち、
本発明においては、7mm以下、好ましくは2mm以
下、より好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.
1mm以下の直径を有するファイバー束からレーザー光
が照射されるライトガイド1を用いるとよい。
【0026】レーザー光照射に際し、水晶体を通過して
後方に位置する種々の組織、例えば硝子体、網膜、脈絡
膜、毛様体、視神経、血管等にまで到達してこれら組織
を損傷する可能性がある、単位面積当たりのエネルギー
照射量をでき得る限り低値とするため、集光レンズ2の
焦点距離Lは、好ましくは1〜2000mm、より好ま
しくは、1〜50mmとして、集光後に光線が広角に散
乱するようにするとよい。この焦点距離Lが長すぎる
と、水晶体穿孔後に光線が比較的集中したままで放射さ
れ、上記後方組織への単位面積当たりのエネルギー照射
量が高くなりすぎて組織損傷を免れないことがある。か
かる焦点距離は、集光レンズ2の曲率半径と、レンズ材
料の屈折率とを適宜に選択することによって調整可能で
あり、高屈折率或いは屈折率分布型のレンズが好適に使
用できる。
【0027】また、レーザー光源の種類や出力、ライト
ガイドの設計を適宜に選択するなどして、あるいは別異
の集光デバイスを用いることによって、さらには、レー
ザーエネルギーを水晶体嚢に特異的に集中させる手段、
例えば水晶体嚢に吸収能を高めることができる、補色関
係にある色素液、例えば赤色光に対するインドシアニン
グリーンを塗布するなどして、上記のような集光レンズ
を使用せずに成功裡に穿孔を行うことも可能である。
【0028】レーザー光源としては従来より知られてい
る種々の固体レーザー、液体レーザー、気体レーザーや
半導体レーザーが利用可能であるが、例えばエルビュー
ムレーザー、Nd:YAGレーザー、エキシマレーザ
ー、炭酸ガスレーザー等、細孔の直径と孔縁の強度を制
御する上で有利な波長及び強度を提供できるものを使用
することが望ましい。
【0029】レーザー光の波長は、紫外から可視域を経
て近赤外、すなわち、200〜1500nm、より好ま
しくは400〜800nmとすることが、エイミング光
使用の誤差を回避し得る点で望ましい。
【0030】なお、前記の通り端部が滑らかな真円柱状
の細孔形成を実現することが重要であるものの、後方組
織への損傷を抑制するためには、かかる後方組織へのレ
ーザー露光量を国際電気標準会議(ICE)の最大許容
露光量MPE(maximum permissible exposure)(レー
ザ応用技術ハンドブック、レーザ協会編集、(1989
年4月1日 初版第4冊、朝倉書店)、第8章、表8.
2参照)を下回る数値に抑制するよう、レーザー光の出
力を調整すべきである。
【0031】また、穿孔される水晶体嚢面とライトガイ
ド先端との距離を可能な限り短くすることで、被穿孔面
に熱エネルギ ーを最大限に集中させつつ細孔の直径を
制御し、周辺組織への損傷は回避するようにすることが
好ましい。
【0032】なお、レーザー光の代わりに、加工エネル
ギーを水晶体嚢の被穿孔面に集中的に作用させるように
走査することが可能な加工手段を用い、例えば高周波電
流刺激などによって、水晶体後方ではエネルギーが散乱
されるようにして後方組織に対する損傷を妨げ、且つ周
辺組織にも悪影響を及ぼさない条件下に穿孔を行っても
よい。
【0033】別の穿孔手段として挙げられる穿孔用ハン
ドピースは、例えば特開平10−212号公報、特開平
10−328225号公報等に記載された、図2(A)
に10にて示す、円筒状(パイプ状)の刃物で、その先
端部にテーパ部10aをつけ、先端10bを刃とした、
通常トレパンバー(trepan bar)を備えたものが利用さ
れる。
【0034】特開平10−212号公報に開示されてい
るのは、ヘッド部に着脱自在にトレパンバーが装着され
ているハンドピースであり、トレパンバーの先端の刃を
水晶体嚢の皮膜に押し当てて回転して穿孔するに際し、
外筒11又はトレパンバーに吸気チューブを接続し、穿
孔前又は穿孔中にバキューム装置を作動させてヘッド外
筒内又はトレパンバー10内の圧力を負圧にし、水晶体
嚢の皮膜110をトレパンバーの先端に吸い付け、その
状態でトレパンバーを回転して穿孔するものである(図
2(B)参照)。
【0035】また特開平10−328225号公報に開
示されているのは、図説は省略するが、トレパンバーの
回転速度が十分に上がってから穿孔作業を開始するよう
に、トレパンバーが直接或いは中継回転軸を通して連結
される軸方向に移動可能な可動回転軸と、モータ等の動
力源によって回転され前記可動回転軸を軸方向可動可能
に連結する回転軸と、トレパンバーを内筒とする外筒
と、前記可動回転軸を軸方向に移動させるためのアクチ
ュエータ(作動桿)とを有する構成として、トレパンバ
ーの先端を外筒内に後退させておき、動力源が駆動され
て所定時間経過後にアクチュエータが駆動されてトレパ
ンバーの先端が外筒の先端から所定量突出されて初めて
穿孔作業ができるようにしたものである。この装置によ
れば、トレパンバーが外筒より突出する量を所定量(例
えば、水晶体の厚みが約4mmであるので、3mm位)
に制御できるため、必要以上にトレパンバーが水晶体に
入り込むことがなく安全性が高い上、穿孔作業時にトレ
パンバー及び外筒を通して吸気されるため、水晶体表面
の皮膜がトレパンバーの刃部に吸い寄せられて刃部を密
着するため、よりきれいな細孔とすることができるので
ある。
【0036】より好ましくは、図3に示される、回転軸
219と、該回転軸219を回転するための第1のモー
タ(トレパンバー回転用モータ)216と、該第1のモ
ータ216と前記回転軸219とを一体的に前後動させ
るための第2のモータ(トレパンバー移動用モータ)2
11と、前記回転軸219の先端に着脱自在に装着され
るトレバンパー10と、該トレバンパー10が挿通され
る固定外筒22と、前記トレバンパー10内及び/又は
該トレバンパー10と前記固定外筒22との間の間隔に
陰圧を付加するための陰圧付加手段とを有し、穿孔作業
の際は前記第2のモータ211により前記第1のモータ
216と一体の回転軸219を前進させて前記トレバン
パー10の先端を前記外筒22より突出させ、常時は前
記第2のモータ211により前記第1のモータ216と
一体の回転軸219を後退させて前記トレバンパー10
の先端を前記外筒23内に収容しているハンドピース2
10が用いられる。
【0037】ここで先ず、上記のように本発明の穿孔工
程で好適に利用することができる穿孔用ハンドピース2
10に適用されるトレパンバー10の実施態様について
詳説する。
【0038】図2(B)に示す態様では、外筒11の先
端を水晶体嚢皮膜110に当接させ、トレパンバー10
内及び/又は該トレパンバー10と外筒11との間隙
(すなわち、外筒11内部)を通して矢印A方向に吸気
し、それによって皮膜110を矢印B方向に吸引して該
皮膜110を突出させてその表面に張力を付与した後、
トレパンバー10を回転しながら矢印C方向に前進させ
て皮膜110を切開するものである。
【0039】また、図4(A)〜図4(C)において、
やはり10はトレパンバーを示し、22は外筒、23は
外筒22の外側に該外筒22に対して所定の間隙Gをも
って同軸的に配設された外筒であり、該外筒22と23
により二重管を構成している。そして、図4(C)に示
す24はトレパンバー10内に配設された内筒(センタ
ーパイプ)であって、トレパンバー10は、矢印A及び
B方向に移動可能であり、外筒22、23及び内筒24
は固定されている。
【0040】図4(A)に示した態様は、外筒22と2
3の間の間隙Gを通して吸引するようにしたもので、こ
のようにすると、皮膜110は間隙G部で吸引され、外
筒22の前面では平らに引張され、この平らに引張され
た皮膜110にトレパンバー10の先端部(刃部)が当
たるので、すなわち、トレパンバー10の刃先が同時に
しかも平らな面に当たるので、より好ましい形状となる
よう確実に穿孔することができる。
【0041】図4(B)に示した態様は、図4(A)に
示した態様に加えて、更に、トレパンバー10内を通し
ても吸引するようにしたもので、このようにすると、ト
レパンバー10の先端部の皮膜110は、図4(A)に
示した場合よりも更に強い力で外筒22の前面に引張さ
れるので(ただし、外筒22内に多少突出する)、皮膜
110の表面がより滑らかになり、より好ましい形状と
なるように穿孔することが可能となる。
【0042】図4(C)に示した態様は、トレパンバー
10内に、内筒24を設け、この内筒24内及び外筒2
2と23の間の間隙Gを通して吸引するようにしたもの
で、このようにすると、皮膜110は、図示のように、
外筒22と内筒24との間で平らに引張され、この平ら
に引張された部分にトレパンバー10の刃先が当たるの
で、皮膜110により好ましい形状となるよう、且つ確
実に穿孔することができる。
【0043】図4(A)に示した構造のトレパンバー1
0及び外筒22、23を具備したハンドピース(A1
或いは図4(B)に示したトレパンバー10及び外筒2
2を具備したハンドピース(A2)の要部構成を説明す
るための断面図を図3に示すが、ここで210はハンド
ピースであって(バキュームホース、電源コードは省略
してある)、該ハンドピース210内には、トレパンバ
ー10を前進/後退動させるためのトレパンバー移動用
モータ211及び該トレパンバー10を回転させるため
のトレパンバー回転用モータ216が収納されており、
外筒22と23の間を吸引して外筒22及び23の先端
に皮膜を密着させ、その状態で、これらモータ211及
び216により、トレパンバー10を前進及び回転さ
せ、皮膜に穿孔するようにしている。
【0044】次に、モータ211によってトレパンバー
10を前進/後退させ、モータ216によって回転させ
る機構について説明する。モータ211の回転は、該モ
ータ211の回転軸に連結されたボルト213(送りネ
ジ)に伝達されるが、このボルト213はモータ216
に取り付けられているナット214と螺合している。ま
た、モータ211からは回転止め用のバー212が突出
しており、このバー212の先端部がモータ216側に
設けられた凹部215に係合するようになっており、従
って、モータ211を回転してボルト213を回転させ
ると、モータ216に取付けられているナット214
が、モータ211の回転方向によって前進或いは後退す
る。一方、モータ216の回転はベアリング218によ
って、該モータ216と一体構成の可動体217に対し
て回転自在に支持された回転軸219に伝達され、該回
転軸219の先端部に設けられたOリング220にトレ
パンバー10の端部が挿通、固定されるようになってい
る。
【0045】従って、モータ211を回転させると、該
モータ211の回転方向によって、モータ216及び回
転軸219が可動体217と共に前進又は後退し、従っ
て、トレパンバー10も前進又は後退し、モータ216
を回転させることにより、トレパンバー10が回転し、
それによって、該トレパンバー10を回転及び前進させ
ることにより水晶体嚢皮膜に穿孔することができる。
【0046】このトレパンバー10は、図4(A)に示
すように外筒22内に回転自在に挿通されており、外筒
22と23の間には間隙Gが設けられ、この間隙Gを通
して皮膜110に陰圧が加えられるようになっている。
図3において、A部は前記間隙Gに陰圧をかける機構を
示すが、該A部の構造をより詳細に示すために、図3の
1にて拡大して示してある。
【0047】図3において、221は前記外筒22と2
3の間の間隙Gに陰圧を供給するための陰圧供給口で、
該陰圧供給口221に、図示しないバキューム装置から
のバキュームチューブが接続されるようになっている。
バキューム供給口221から供給された陰圧は、外筒2
3に設けられた開口23aを通して該外筒23と外筒2
2との間の間隙Gに伝達される。外筒23と22との間
の間隙Gは、開口221より後方(回転軸219側)で
は盲リング25により支持され、バキューム供給口22
1より前方(先端側)では通孔を有するリング26によ
って支持され、これにより、外筒23と22とが同軸に
支持され、バキューム供給口221より印加された陰圧
が外筒23と22の先端部間隙に加わり、図4(A)に
示したように水晶体の皮膜110を間隙G方向に吸引す
る。
【0048】なお、図3には、図4(A)に示した水晶
体皮膜吸引機能を有する水晶体嚢皮膜の穿孔用ハンドピ
ースについて説明したが、該ハンドピースは、図2
(B)にした水晶体皮膜吸引機能を有するハンドピース
にも適用可能であり、その場合には、前述の外筒23は
不要であって、図3中にA2にて拡大して示すように、
外筒22に開口22aを設け、該開口22aを通して外
筒22内に陰圧を印加することにより、外筒22とトレ
パンバー10との間の間隙に陰圧を与えることができ、
更に、該外筒22の前記開口22aに対向した位置にお
いて、トレパンバー10の周囲に多数の小孔を設けるこ
とによって、該トレパンバー10内にも陰圧を印加する
ことができる。
【0049】以上説明したような穿孔用ハンドピース2
10、或いは適宜の改良を加えたハンドピースを用いる
ことで、図2(B)及び図4(A)〜(C)に示すよう
な種々の陰圧供給機能に対応させることが可能となり、
所望の穿孔を実施することができる。
【0050】(2)水晶体実質の排出工程 本発明の水晶体実質の置換方法において次に実施される
のは、前工程で形成した細孔から水晶体実質の少なくと
も一部を排出する工程である。この工程は特定手段に限
定されることなく、中空筒体の先端を細孔から挿入し、
もう一方の先端から適当な負圧印加手段により水晶体実
質を吸引、排出すればよい。当然ながら、中空筒体の外
径は、細孔の直径よりも小さくするとよく、挿入側の先
端は水晶体嚢を傷つけることのないような形状に処理し
ておくことが望ましい。
【0051】水晶体実質は、置換後に、より高い透明度
とすることができるという観点からは可能な限り全量を
排出除去することが好ましいが、混濁の程度や水晶体
嚢、水晶体実質等の状態に応じて、適宜の量すなわち、
少なくとも一部を排出するようにすればよい。
【0052】なお、水晶体実質の状態によっては、この
水晶体実質の排出工程において、先ずガイドファイバー
を刺入して超音波破砕震動子や破砕用レーザを水晶体内
に導入し、混濁、失透した水晶体内部実質を細かく砕い
て流動化させておき、次いで破砕、流動化した水晶体実
質を吸引除去することが望ましい場合がある。
【0053】また、この工程で本発明にかかる封止体を
利用して排出作業を行ってもよく、その実施形態につい
ては後述する封止体についての詳説を参照されたい。
【0054】(3)水晶体嚢直接注入剤の充填工程 本発明の方法における次なる工程で、水晶体嚢内に水晶
体実質置換物とすべく充填される水晶体嚢直接注入剤の
主要成分として含有せしめられる親水性ポリマーとして
は、親水性を示すもの、すなわち、水に溶解するか又は
水により膨潤するという性質を示すものであれば特に限
定されるものではなく、ホモポリマーでもよく、水溶
性、粘度等を調整する目的で親水性モノマーと各種疎水
性モノマーとを共重合させたコポリマーでもよく、これ
らのホモポリマー及びコポリマーにイソシアネート化合
物、エポキシ化合物、エンドキャップ剤(末端封止剤)
等を反応させることにより得られるポリマーや上記のホ
モポリマー及びコポリマーにグラフト重合を行って得ら
れるポリマ一等の変性ポリマーでもよい。さらに、ホモ
ポリマー、コポリマー、変性ポリマーにかかわらず、互
いに相溶性を示すポリマ一同士であれば、それらポリマ
ーの2種以上がブレンドされたものを親水性ポリマーと
してもよい。所定の粘度が保持できる範囲内において、
親水性ポリマーは架橋されていてもよい。
【0055】かかる親水性ポリマーとしては、例えば、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、キチン、アルギン
酸等の多糖類、ポリ(メタ)アクリル系重合体、ポリビ
ニルアルコール(PVA)系重合体、ポリビニルピロリ
ドン(PVP)系重合体、ポリエチレングリコール(P
EG)系重合体等の合成高分子類などが挙げられる。
【0056】ポリ(メタ)アクリル系重合体としては、
ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メ夕)アクリル酸ナト
リウム、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ{N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド}、ポリ{N−メチル
(メタ)アクリルアミド}、ポリ{N−エチル(メタ)
アクリルアミド}、ポリ{N−プロピル(メタ)アクリ
ルアミド}、ポリ{N−イソプロピル(メタ)アクリル
アミド}、ポリ{N一ブチル(メタ)アクリルアミ
ド}、ポリ(N−アクリロイルモルホリン)、ポリ{2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート}、ポリ{3
一ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート}、ポリ
{4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート}などが
挙げられる。
【0057】ポリビニルアルコール系重合体としては、
酢酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パーサテ
ィック酸ビニル等のビニルエステルの単独重合体又はこ
れらの共重合体のケン化物、前記したビニルエステルと
他の共重合可能なモノマーとの共重合体のケン化物など
が挙げられる。該共重合可能なモノマーとしては、エチ
レン、プロピレン、1−ヘキサン等のオレフイン類;
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類、これら
の塩又はエステル類;(メタ)アクリルアミド、N−ア
ルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル
(メタ)アクリルアミド、2−(メタ)アクリルアミド
プロパンスルホン酸及びその塩、(メタ)アクリルアミ
ドプロピルジメチルアミン及びその塩等のアクリルアミ
ド類;スチレン;メチルビニルエーテル、t−ブチルビ
ニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド等のN−ビニルアミド類;酢酸アリル、塩化アリル、
アリルアルコール、アリルスルホン酸及びその塩、8−
ヒドロキシ−1−オクテン等のアリル化合物;(メタ)
アクリロニトリル等のシアン化ビニル類;塩化ビニル、
塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の
ハロゲン化ビニル類;ビニルトリメトキシシラン等のシ
ラン化合物などが挙げられる。これらの共重合可能なモ
ノマーの共重合量は、20モル%以下であるのが好まし
い。
【0058】また、本発明においては、上記したポリビ
ニルアルコール系重合体に、イソシアン酸メチル、イソ
シアン酸エチル、イソシアン酸イソプロピル、イソシア
ン酸イソブチル、イソシアン酸フェニル、イソシアン酸
トリル、イソシアン酸ナフチル等のイソシアネート化合
物、エポキシプロパン、エポキシブタン、エポキシシク
ロヘキサン、エポキシエチルベンゼン等のエポキシ化合
物を反応させて得られるポリマ−や上記したポリビニル
アルコール系重合体にセリウムイオンによるグラフト重
合を行って得られるポリマーを用いることもできる。
【0059】ポリビニルピロリドン系重合体としては、
N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−3−ピロリ
ドン、N−ビニル−4−ピロリドン等のビニルピロリド
ンの単独重合体又はこれらの共重合体、前記したビニル
ピロリドンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体な
どが挙げられる。該共重合可能なモノマーとしては、上
記したポリビニルアルコール系重合体の場合におけるビ
ニルエステル及び共重合可能なモノマーとして例示した
ものと同様のものを使用することができる。共重合可能
なモノマーの共重合量は、20モル%以下であるのが好
ましい。
【0060】ポリエチレングリコール系重合体として
は、エチレンオキシドの単独重合体(ポリエチレングリ
コール)、エチレンオキシドとエボキシプロパン、エポ
キシブタン、エボキシシクロヘキサン、エポキシエチル
ベンゼン等の共重合可能なモノマーとの共重合体などが
挙げられる。共重合可能なモノマーの共重合量は、20
モル%以下であるのが好ましい。
【0061】また、本発明においては、上記したポリエ
チレングリコール系重合体にエンドキャップ剤(末端封
止剤)を反応させて得られるものを使用することもでき
る。エンドキャップ剤としては、酢酸、酪酸、吉草酸、
ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、安息香酸等のカル
ボン酸、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノー
ル、フェノール等のアルコールなどが挙げられる。
【0062】本発明において、親水性ポリマーの含有量
が高い水晶体嚢直接注入剤を調製した場合であっても、
細い注射針を通過可能な程度の粘度を示し、長期にわた
って生体に対して親和性があり、代謝されにくいポリマ
ーが好ましい。細い注射針で注入可能な親水性ポリマー
は、水晶体嚢の細孔を小さくする可能性を付与する上で
好ましい。かかる好適な親水性ポリマーとしては、ポリ
ビニルアルコール系重合体、ポリビニルピロリドン系重
合体及びポリエチレングリコール系重合体からなる群よ
り選ばれる少なくとも1種のポリマーが挙げられ、とり
わけ、ポリビニルアルコール系重合体とポリビニルピロ
リドン系重合体のブレンドがより好ましい。
【0063】また、ポリビニルアルコール系重合体とし
ては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ビバリン酸ビニル、バ
ーサティック酸ビニル等のビニルエステルの単独重合休
又はこれらの共重合体のケン化物が好ましく、酢酸ビニ
ルの単独重合体のケン化物がより好ましい。ポリビニル
ピロリドン系重合体としては、N−ビニル−2−ピロリ
ドンの単独重合体が好ましく、ポリエチレングリコール
系重合体としては、エチレンオキシドの単独重合体(ポ
リエチレングリコール)が好ましい。
【0064】親水性ポリマーの粘度としては、50,0
00cp以下であるのが好ましく、30,000cp以
下であるのがより好ましく、10,000cp以下であ
るのがさらに好ましい。
【0065】ポリビニルアルコール系重合体の粘度平均
重合度は、生体に吸収されるのを防ぐ観点から、30以
上が好ましく、50以上がより好ましく、70以上が特
に好ましい。また、その含有量が高い注入剤においても
低粘度化を図り、所望の粘度を得る観点から、その粘度
平均重合度は10,000以下が好ましく、5,000
以下がより好ましく、2,000以下が特に好ましい。
また、体温付近の環境温度で透明性を長期にわたって維
持する必要があるため、ポリビニルアルコール系重合体
のけん化度としては、透明性の低下が生じる相分離を防
止する観点から、50モル%以上が好ましく、55モル
%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好まし
い。また、結晶化度の上昇による不透明化を抑える観点
から、99.8モル%以下が好ましく、99.5モル%
以下がより好ましく、99モル%以下が特に好ましい。
【0066】ポリビニルピロリドン系重合体の数平均分
子量は、生体に吸収されるのを防ぐ観点から、3,00
0以上が好ましく、4,000以上がより好ましく、
5,000以上が特に好ましい。また、その含有量が高
い注入剤においても低粘度化を図り、所望の粘度を得る
観点から、その数平均分子量は3,000,000以下
が好ましく、2,000,000以下がより好ましく、
1,000,000以下が特に好ましい。
【0067】ポリエチレングリコール系重合体の数平均
分子量は、生体に吸収されるのを防ぐ観点から、200
以上が好ましく、400以上がより好ましい。また、そ
の含有量が高い注入剤においても低粘度化を図り、所望
の粘度を得る観点から、その数平均分子量は1,00
0,000以下が好ましく、800,000以下がより
好ましく、500,000以下が特に好ましい。
【0068】ポリビニルアルコール系重合体とポリビニ
ルピロリドン系重合体のブレンドは、高含有量溶液とし
て調製した場合のポリビニルアルコール系重合体の粘度
の経時変化、ポリビニルピロリドン系重合体の透明性の
低下を相補的に改善することが可能となるため好適であ
る。ブレンドによる効果を発揮させる観点から、ブレン
ド比率(重量比)は、例えば、ポリビニルアルコール系
重合体/ポリビニルピロリドン系重合体=1/99〜9
9/1が好ましく、3/97〜97/3がより好まし
く、5/95〜95/5が特に好ましい。
【0069】本発明にて使用される水晶体嚢直接注入剤
の屈折率としては、毛様体の緊張−弛緩に伴う水晶体の
変形により、所望の屈折率の変化を生じさせる観点か
ら、1.340以上が好ましく、1.345以上がより
好ましく、1.350以上が特に好ましい。さらに計算
された屈折率分布型レンズの注入置換が可能となれば一
層望ましい。
【0070】本発明にて使用される水晶体嚢直接注入剤
は、親水性ポリマーの含有量が高くても粘度が低いもの
が水晶体嚢の細孔を小さくする上で好ましい。より直径
の小さい注射針の使用を可能とする観点から、水晶体嚢
直接注入剤の粘度は50,000cp以下が好ましく、
30,000cp以下がより好ましく、10,000c
p以下が特に好ましい。かかる程度の粘度を示す注入剤
を水晶体嚢に充填した場合、それにより形成される水晶
体実質置換物が毛様体の緊張−弛緩により形状変化でき
る。したがって、本発明の注入剤はかかる水晶体実質置
換物に屈折力調整能を付与することができる好適な組成
物である。
【0071】本発明にて使用される水晶体嚢直接注入剤
は、透明性の観点から可視光線の透過率が50%以上で
あるのが好ましく、55%以上であるのがより好まし
く、60%以上であるのが特に好ましい。また、充分な
視機能を確保する観点から、50%以上であるのが好ま
しい。
【0072】本発明にて使用される水晶体嚢直接注入剤
における親水性ポリマーの含有量は、所望の性能が発揮
される限り特に限定されない。例えば、水晶体嚢直接注
入後の水晶体実質置換物に所望の屈折力を発揮させる観
点から、前記含有量は水晶体嚢直接注入剤の1重量%以
上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%
以上が特に好ましい。また、注入の容易さの観点や経時
的な粘度変化や透明性の変化を抑制する観点から、前記
含有量は水晶体嚢直接注入剤の90重量%以下が好まし
く、85重量%以下がより好ましく、80重量%以下が
特に好ましい。
【0073】本発明にて使用される水晶体嚢直接注入剤
は、前記のような親水性ポリマーの水溶液又はゲル状の
ものが好ましい。親水性ポリマーを溶解又は膨潤させて
水溶液又はゲルを調製するための溶媒としては、例え
ば、水、生理食塩水、眼内灌流液、眼内洗浄液等が挙げ
られる。
【0074】本発明にて好適に使用される水晶体嚢直接
注入剤には、その性能を損なわない範囲で所望により親
水性ポリマー以外の添加剤が含有されていてもよい。例
えば、染料等の着色剤、UV吸収剤、酸化防止剤、安定
剤、界面活性剤、金属封鎖剤、脱泡剤、ブドウ糖等の栄
養分、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水
素ナトリウム、ホウ酸等の無機化合物、オキシグルタチ
オン等の眼組織保護剤等が挙げられる。上記物質の配合
は、例えば、親水性ポリマーを原料として水晶体嚢直接
注入剤を調製する際に、あらかじめ上記物質を含んだ製
剤を用いることにより実施できる。この場合の製剤とし
ては、例えば、生理食塩水、眼内灌流液、眼内洗浄液等
が挙げられる。なかでも一般的に生体に対して等張緩衝
作用をもつ生理食塩水及び限内灌流液が好ましく、房水
組成に近い組成で等張緩衝作用をもち、白内障手術、緑
内障手術、硝子体等の眼内手術時に灌流させ、眼組織の
保護や洗浄等を行う製剤である眼内灌流液がより好まし
い。
【0075】水晶体嚢直接注入剤の調製法としては特に
限定されるものではなく、親水性ポリマーを所望により
添加剤とともに水に溶解する方法、あらかじめ親水性ポ
リマーが溶解している水溶液に所望により添加剤を溶解
する方法、あらかじめ所望により添加剤が溶解している
水溶液に親水性ポリマーを溶解する方法、あらかじめ所
望の効果を有する製剤中に親水性ポリマーを溶解する方
法等いずれでもよいが、親水性ポリマー及び添加剤が変
性しない条件で調製することが好ましい。また調製され
た水晶体嚢直接注入剤は、水晶体嚢に直接注入すること
を考慮して無菌的に調製されるか、水晶体嚢注入前に所
定の滅菌操作を行って使用される。調製後に変性を起こ
してはならないこと、無菌的な調製又は使用前の滅菌操
作を考慮すると、水晶体嚢直接注入剤はバイアル瓶に封
入された状態で供されることが好ましく、注射用カート
リッジに封入された状態で供されることがより好まし
い。
【0076】本発明の水晶体嚢直接注入剤における「直
接」とは、水晶体嚢内に挿入されたバルーン内に注入す
るのではなく、水晶体嚢内に直接注入することを意味す
る。
【0077】水晶体嚢直接注入剤を前記細孔から水晶体
嚢に注入するには、水晶体実質の排出工程にて使用した
と同様の中空筒体を用いればよいが、注射針を用いて注
入してもよい。用いる注射針が細いほど水晶体嚢の細孔
を小さくできることとなるため好ましく、例えば、注射
針としては、16Gよりも細いことが好ましく、18G
よりも細いことがより好ましく、20Gよりも細いこと
が特に好ましい。水晶体嚢直接注入剤の注入剤を上記の
ごとく低粘度としているので、かかる細い直径の注射針
を用いて容易に注入操作を行うことができる。
【0078】(4)水晶体嚢細孔の封止工程 水晶体嚢直接注入剤を充填後、細孔を封止する工程を実
施する。この際、生体適合性のバッチ、栓、接着剤等で
細孔を塞ぎ、水晶体実質置換物が長期にわたり漏出しな
い限りにおいて、封止手段は特に限定されるものではな
い。
【0079】好ましくは、安定性が高く、化学的変成や
分解作用を受けにくい柔軟な素材であり、しかも毒性が
なく生体組織との適合性に優れ、周辺組織に障害を起こ
さないような物理的、機械的性質を有するゲル状物質又
は軟質プラスチックを材料とした細孔封止体を用いると
よい。これらの材料としては、例えばポリビニルアルコ
ール(PVA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート
等の含水ゲル状体、シリコンラバー、軟質アクリル樹脂
などの軟性プラスチック等を例示することができる。ま
た、PVAゲル状体等の場合には架橋して硬度を高める
ことが好ましい。架橋方法としては、凍結法や照射線照
射法等を用いることができる。
【0080】この細孔封止体は、前記のゲル状物質又は
軟質プラスチックを鋳型等に注入し、固化することによ
って成型することができる。細孔封止体として、棒状体
であり、棒状体の先端部には膨大部を、中間部には周縁
突起片を有し、棒状体の軸中心には閉塞管部を有するも
のが好ましいが、かかる封止体の注型成型に際して、棒
状体は、円柱型、楕円柱型又は多角柱型等とすることが
できるが、多角柱型の場合には角部に曲面を持たせるこ
とが好ましい。
【0081】棒状体先端の膨大部は、棒状体と一体成型
され、その形状は例えば、円錐型、角錐型、半球型等と
することができる。或いは、これら円錐型、角錐型、半
球型等の後端部周縁に突起片を有する形状であってもよ
い。
【0082】棒状体中間部の周縁突起片は、棒状体周縁
の立設片であり、棒状体と一体成型することができる。
或いは、棒状体に着脱自在のリング体とすることもでき
る。リング体は前記ゲル状物質又は軟質プラスチックの
他、金属、硬質ゴム、硬質プラスチック等からなる成型
品を用いることができる。なおリング体の内径は、棒状
体の外径より小さくすることが好ましい。また、周縁突
起片を棒状体と一体成型する場合には、棒状体先端の膨
大部後縁面とこの周縁突起片の前縁面との間隔が、生体
器官の外郭の厚みと略同一となる位置に周縁突起片を成
型する。
【0083】棒状体軸中心の閉塞管部は、例えば注射針
等の剛性管体を挿入するためのガイド部として機能し、
通常は閉塞状態となるように成型される。この閉塞管部
は、棒状体の膨大部先端から棒状体の後端部まで貫通し
ていてもよく、或いは閉塞管部が棒状体の膨大部内から
棒状体の後端部まで連通するように成型されていてもよ
い。後者の場合には、閉塞管部前端から膨大部先端まで
が、剛性管体によって易貫通性となるようにする。
【0084】図5は、本発明の方法において好適に使用
される細孔封止体の一例を示した側面図である。この細
孔封止体51は、略円柱状の棒状部52の先端に円錐型
の膨大部53を有しており、棒状体52の軸中心の閉塞
管部54には注射針55が装着されている。また、周縁
突起片として、別体のリング体56が着脱自在に装着さ
れるようにもなっている。図6は、別の細孔封止体例を
示した側面図である。この例の場合には、円錐型の膨大
部53の周縁に突起片531が形成されている。
【0085】図5に例示した細孔封止体51は、例えば
図7に示したような3つのパーツからなる成型型71、
72、73を作成し、これら成型型の中空部58にゲル
状物質又は軟質プラスチックを注入し、固化させること
によって作成することができる。また、ゲル状物質又は
軟質プラスチックを注入する際に、中空部58の軸中心
部に直線状の芯材を配設しておくことによって、注射針
55を挿嵌するガイドとしての閉塞管部54を成型する
ことができる。芯材は注射針55と同等もしくはより細
い径のものを使用する。
【0086】本発明で好適に用いられる細孔封止体は、
そのサイズについては特段の制限はなく、対象とする生
体器官の種類等に応じて適宜とすることができる。例え
ば、図5に例示した細孔封止体を水晶体に用いる場合に
は、棒状体52の外径を0.5〜2.0 mm、好まし
くは0・8〜1・2mm程度、膨大部53の最大径は
1.0〜3.0mm、好ましくは1.2〜2.0 mm
程度、膨大部53の先端から棒状体52の後端までは
5.0〜15.0mm、好ましくは6.0〜8.0mm
程度とすることができる。また、注射針55は20〜3
2G程度のものを使用することができる。
【0087】次に、如上の細孔封止体を用いて水晶体嚢
の細孔を封止する工程(4)を実施する手順について説
明する。
【0088】先ず、前記封止体の閉塞管部に注射針等の
剛性管体を挿入する。これによって軟性物質からなる封
止体に硬度を付与することができる。次いで、水晶体嚢
の細孔から封止体先端の膨大部を水晶体嚢内に挿入し、
膨大部の後縁面と周縁突起片の前縁面とによって細孔周
囲の外郭面を挟持する。周縁突起片としてリング体を用
いる場合には、予めリング体を棒状体の後方に装着して
おき、これを前方にスライドさせればよい。そして、剛
性管体を抜き取ることによって、細孔を封止する。余分
な棒状体部分は切断除去すればよい。
【0089】なお、このように単に細孔を封止するのみ
の場合にあっては、剛性管体は中空状の注射針ではな
く、中実芯材であってもよい。しかし、注射針等の中空
筒体を用いることにより、装着した封止体をガイドとし
て利用して、水晶体実質の排出、及び/又は水晶体嚢内
への水晶体嚢直接注入剤の充填操作を、この剛性管体を
介して行うことができる。また、水晶体嚢内へ物質を注
入した後に剛性管体を引き抜いても、閉塞管部は棒状体
構成素材のゲル状物質の膨潤や軟質プラスチックの変形
などによって閉じた状態となり、水晶体実質置換物が長
期にわたり漏出することが回避できるので好ましい。
【0090】以下、図8に示した柔構造人工水晶体によ
る白内障手術の例に沿って、本発明の好ましい一実施形
態である水晶体実質の置換方法を説明する。 A:先ず、水晶体109の外郭組織である水晶体嚢皮膜
110に、(1)に記載した方法に従ってレーザー光照
射又は穿孔用ハンドピース等により細孔111を形成す
る。次いで、細孔111にガイドファイバーを刺入して
超音波破砕震動子や破砕用レーザを水晶体109内に導
入し、混濁した水晶体内部実質を細かく砕いて流動化さ
せ、この破砕処理後の流動化実質の少なくとも一部を吸
引管512を介して吸引除去する。 B:水晶体嚢は、その細孔111部分を除き、完全なカ
プセル状態が保持されており、毛様体及び細胞組織も健
常である。 C:その後、細孔封止体51に注射針55を挿入し、そ
の膨大部53を細孔111に挿入する。そして、この注
射針55から、水晶体実質置換物の材料である水晶体嚢
直接注入剤113を注入する。 D:水晶体嚢直接注入剤113を充填して水晶体109
の形状を復元したのち、リング体56を水晶体嚢の皮膜
110に押し当て、注射針55を抜き、棒状体52の余
分な部分を切断除去する。
【0091】なお、術後の経過に応じて、この封止体5
1に再度注射針55を挿入し、薬剤や透明粘性物質の追
加投与等を適宜に行うこともできるので、万一水晶体実
質置換物が経時的に漏出しても患者に対する侵襲なく適
切に対処することが可能である。
【0092】以上説明した本発明にかかる水晶体実質の
置換方法は、特に白内障の治療において好適に採用され
うるが、これに限らず、その他の水晶体嚢の障害に関わ
る水晶体乱視等の疾患に適用可能である。
【0093】また、本発明で水晶体実質が置換される水
晶体は生体内、生体外のいずれの存在状態におかれてい
てもよいが、侵襲が少なく短時間で処置できるので、生
体内での施術において特に有用であると考えられる。
【0094】なお、本発明の方法は広く様々な動物に対
して適用可能であるが、特に、サル、イヌ、ウサギ、ネ
コ、ハムスター等の愛玩動物やウマ、ウシ等の家畜を含
む種々の哺乳動物に対して好適に実施される。
【0095】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに詳細且
つ具体的に説明するが、この発明は以下の実施例によっ
て限定されるものではない。 1.封止体製造例 [製造例1]完全けん化、重合度2000のPVA20
gをジメチルスルホキサイド(DMSO)と精製水の混
合溶媒(重量比80:20)100gにて加熱溶融し、
得られた高粘度溶液を図6に示す成型型(樹脂製)に注
入し、マイナス20℃の冷凍庫で3時間冷却固化させ、
常温に戻す操作を3度繰り返した。成型型から細孔封止
体を取り出し、エタノール50%水溶液中で攪拌しなが
ら数日間放置したのち、生理食塩水中に移して、攪拌し
ながら、数日間放置し、生理食塩水で置換されたPVA
含水ゲルの封止体(棒状部の直径1.0 mm、長さ1
0.0 mm)を作成した。
【0096】[製造例2]製造例1と同様のPVAゲル
を用い、厚さ0.2mm、外径2.0mm、内径1.0
mmのリング体作成し、このリング体を製造例1で作成
した細孔封止体に装着した。
【0097】[製造例3]NCL(シリコン基剤、信越
化学)5.0 gとC−NCL(触媒、信越化学)0.
5gとをガラス容器中で攪拌し、脱泡処理後、図6に示
す成型型に注入し、1.5kgf/cm2のプレス機に
セットし、ホットプレートを用いて100℃にて30分
間加熱したのち、成型型から離型後、プラズマ処理を行
って、製造例1と同サイズの無色透明なシリコンラバー
製細孔封止体を作成した。
【0098】[製造例4]X−32−159−6(シリ
コン基剤、信越化学)5.0gとCX−32−159−
6(シリコン基剤、信越化学)0.5gとをガラス容器
中で攪拌し、脱泡処理後、図6に示す成型型に注入し、
1.5kgf/cm2のプレス磯にセットし、ホットプ
レートを用いて100℃、30分加熱したのち、成型型
から離型後、プラズマ処理を行って、製造例1と同サイ
ズの無色透明なシリコンラバー製細孔封止体を作成し
た。
【0099】[製造例5]製造例1と同様にして、棒状
部の直径が2.0mmのPVAゲル封止体を作成し、ま
た製造例2と同様にして、内径2.0 mmのPVAゲ
ルリング体を作成した。 2.水晶体実質置換の実施例 以下の実施例及び比較例における水晶体嚢直接注入剤の
粘度、屈折率、可視光線透過率は、下記のようにして測
定又は評価した。
【0100】[水晶体嚢直接注入剤の粘度]水晶体嚢直
接注入剤及び水晶体嚢への充填後6ケ月後を経て摘出さ
れた水晶体実質置換物の粘度は、35℃の恒温装置付属
のE型粘度計(TOKIMEC製VISCONIC E
HD)により測定し、以下の計算式により、家兎水晶体
嚢への充填前及び摘出後の粘度の変化率を求めた。
【0101】
【数1】
【0102】[水晶体嚢直接注入剤の屈折率]水晶体嚢
直接注入剤及び水晶体嚢への充填後6ケ月後を経て摘出
された水晶体実質置換物の屈折率は、35℃の恒温装置
付属の屈折率計(アタゴ製 アッベ屈折計1型)により
測定し、以下の計算式により、家兎水晶体嚢への充填前
及び摘出後の屈折率の変化率を求めた。
【0103】
【数2】
【0104】[水晶体嚢直接注入剤の可視光線透過率]
水晶体嚢直接注入剤及び水晶体嚢への充填後6ケ月後を
経て摘出された水晶体実質置換物の可視光線透過率を3
5℃の恒温槽内にしばらく放置した後、取り出して直ち
にヘイズメーター(TOKYO DENSHOKU製
TC−H/CL:測定波長380〜780nm)により
測定し、以下の計算式により、家兎水晶体嚢への充填前
及び摘出後の可視光線透過率の変化率を求めた。
【0105】
【数3】
【0106】[実施例1]親水性ポリマーとしてポリビ
ニルアルコール(PVA405:クラレ製/粘度平均重
合度500、けん化度82モル%)15重量部を生理食
塩水(大塚製薬製)85重量部に溶解し、溶液状の水晶
体嚢直接注入剤を作製した。この注入剤の粘度は200
cp、屈折率は1.358、可視光線透過率は99%で
あった。この注入剤を注射用カートリッジに封入後、オ
ートクレーブ滅菌を行った。
【0107】家兎の水晶体嚢に、図3に示す穿孔用ハン
ドピースを用いて、約1mmの直径の細孔を形成した。
次いで、この細孔から超音波破砕吸引により水晶体実質
をほぼ完全に除去した。水晶体嚢内に、製造例2で作成
した封止体に27G注射針を装着して、封止体先端を細
孔に挿入し、注射針を介して上記注入剤を充填した。充
填後、ピンセットを用いてリング体を前方に押しつけ膨
大部との間で嚢を挟持して封止体を固定し、注射針を抜
いて余部の棒状部部分を切り取って細孔に栓をした。
【0108】6ヶ月後、家兎水晶体を摘出し、肉眼にて
観察したところ、注入剤の漏出、水晶体嚢のしわ、破れ
及び炎症、癒着等組織的な異常は全く観られず、また水
晶体実質置換物の物性は注入前の水晶体嚢直接注入剤と
ほぼ同一であった。上記した方法によりその粘度、屈折
率、可視光線透過率の測定を行い、変化率で評価を行っ
た。その結果を観察所見とともに下記の表1に示す。
【0109】[実施例2]親水性ポリマーとしてポリ
(N−ビニル−2−ピロリドン)(K−15:五協産業
製/平均分子量10,000)40重量部をオペガード
MA(千寿製薬製)60重量部に溶解し、溶液状の水晶
体嚢直接注入剤を作製した。この注入剤の粘度は370
cp、屈折率は1.410、可視光線透過率は87%で
あった。この注入剤を注射用カートリッジに封入後、オ
ートクレーブ滅菌を行った。
【0110】家兎の水晶体嚢に、内部ファイバー束径1
mmライトガイドを用い、半導体レーザーを光源として
600〜1200nmの波長、出力2Wで、予めレーザ
ーエネルギー吸収能を高めるインドシアニングリーン水
溶液(ジアノグリーン注、第一製薬株式会社製)を塗布
しておいた水晶体嚢とライトガイド先端を離間させずに
レーザー光照射を行い、直径約1mmの細孔を形成し
た。次いで、この細孔から超音波破砕吸引により水晶体
実質をほぼ完全に除去した。水晶体嚢内に、上記注入剤
を細孔から24Gの注射針で術前の水晶体と同様の形状
に復元するまで充填し、その後、製造例4の細孔封止体
を用いて細孔に栓をした。
【0111】6ケ月後、家兎水晶体を摘出し、肉眼にて
観察したところ、注入剤の漏出、水晶体嚢のしわ、破れ
及び炎症、定着等組織的な異常は全く見られず、また注
入剤の物性は注入前とほぼ同一であった。上記した方法
によりその粘度、屈折率、可視光線透過率の測定を行
い、変化率で評価を行った。その結果を観察所見ととも
に下記の表1に示す。なお、オぺガードMAは眼内灌流
液であり、その組成は次の通りである。1mL当たり、
ブドウ糖1.5mg、NaCl 6.6mg、KCl
0.36mg、CaCl2 0.18mg、MgS04
0.3mg、NaHC03 2.1mgを含む水溶液。
【0112】[実施例3]親水性ポリマーとしてポリエ
チレングリコール(PEG#1000:和光製/平均分
子量1,000)60重量部を精製水(大塚製薬製)4
0重量部に溶解し、溶液状の水晶体嚢直接注入剤を作製
した。この注入剤の粘度は440cp、屈折率は1.4
42、可視光線透過率は97%であった。この注入剤を
注射用力ートリッジに封入後、オートクレーブ滅菌を行
った。
【0113】実施例1におけると同様にして家兎の水晶
体嚢に細孔を形成し、製造例5で作成した細孔封止体に
21G注射針を装着して、封止体先端を細孔に挿入し、
注射針を介して家兎の硝子体の大部分を吸引除去した。
次いで、この注射針を介して上記注入剤を術前の水晶体
と同様の形状に復元するまで充填し、リング体によって
封止体を固定した後、注射針を抜き取り、余分な封止体
端部を切断除去して細孔に栓をした。水晶体嚢の細孔は
1mm以下であった。6ヶ月後、家兎水晶体を摘出し、
肉眼にて観察したところ、注入剤の漏出、水晶体嚢のし
わ、破れ及び炎症、癒着等組織的な異常は全く観られ
ず、また水晶体実質置換物の物性は注入前の水晶体嚢直
接注入剤とほぼ同一であった。上記した方法によりその
粘度、屈折率、可視光線透過率の測定を行い、変化率で
評価を行った。その結果を観察所見とともに下記の表l
に示す。
【0114】
【表1】
【0115】[実施例4]親水性ポリマーとしてポリビ
ニルアルコール(PVA205:クラレ製/粘度平均重
合度500、けん化度88モル%)20重量部、ポリ
(N−ビニル−2−ピロリドン)(KT30:五協産業
製/平均分子量10,000)20重量部をオペガード
MA(千寿製薬製)60重量部に溶解し、水晶体嚢直接
注入剤を作製した。この注入剤の粘度は700cp、屈
折率は1.411、可視光線透過率は93%であった。
この注入剤を注射用カートリッジに封入後、オートクレ
ーブ滅菌を行った。
【0116】図1に一部概略にて示すような焦点距離5
0mmの集光レンズ(セルフォック、日本板ガラス製、
屈折率分布型ロッド状レンズ)を先端部に配設した、内
部ファイバー束径1mmライトガイドを用いて直径約1
mmの細孔を形成したことを除いては実施例2における
と同様にして、水晶体実質をほぼ完全に除去した家兎の
水晶体嚢内に、この注入剤を24Gの注射針で術前の水
晶体と同様の形状に復元するまで充填し、そして細孔に
栓をした。水晶体嚢の細孔は1mm以下であった。6ヶ
月後、家兎水晶体を摘出し、肉眼にて観察したところ、
注入剤の漏出、水晶体嚢のしわ、破れ及び炎症、癒着等
組織的な異常は全く観られず、また水晶体実質置換物の
物性は注入前の水晶体嚢直接注入剤とほぼ同一であっ
た。上記した方法によりその粘度、屈折率、可視光線透
過率の測定を行い、変化率で評価を行った。その結果を
観察所見とともに下記の表2に示す。
【0117】[実施例5]親水性ポリマーとしてイタコ
ン酸ナトリウム共重合ポリビニルアルコール(KL−5
04:クラレ製/粘度平均重合度400、イタコン酸共
重合率1モル%、けん化度75モル%)35重量部を生
理食塩水(大塚製薬製)65重量部に溶解し、ゲル状の
水晶体嚢直接注入剤を作製した。この注入剤の粘度は8
800cp、屈折率は1.403、可視光線透過率は8
2%であった。この注入剤を注射用カートリッジに封入
後、オートクレーブ滅菌を行った。
【0118】実施例2におけると同様に水晶体実質をほ
ぼ完全に除去した家兎の水晶体嚢内に、この注入剤を2
2Gの注射針で術前の水晶体と同様の形状に復元するま
で充填し、そして細孔に栓をした。水晶体嚢の細孔は1
mm以下であった。6ケ月後、家兎水晶体を摘出し、肉
眼にて観察したところ、注入剤の漏出、水晶体嚢のし
わ、破れ及び炎症、癒着等組織的な異常は全く観られ
ず、また水晶体実質置換物の物性は注入前の水晶体嚢直
接注入剤とほぼ同一であった。上記した方法によりその
粘度、屈折率、可視光線透過率の測定を行い、変化率で
評価を行った。その結果を観察所見とともに下記の表2
に示す。
【0119】
【表2】
【0120】[比較例1]光重合性モノマーとしてのポ
リジメチルシロキサン(ジメチルシロキサンの繰り返し
数の平均値60)を有するメタクリル酸エステル(X−
22−174DX:信越化学製)100重量部と、光開
始剤としてのアセトフェノン(和光製)1重量部を混合
し、注入材料を作製した。この注入材料を注射用カート
リッジに封入した。
【0121】実施例1におけると同様に水晶体実質をほ
ぼ完全に除去した家兎の水晶体嚢内に22Gの注射針で
上記注入材料を充填して術前の水晶体と同様の形状に復
元させ、そして製造例4の細孔封止体を用いて細孔に栓
をした。
【0122】その後ハロゲン光で光照射し、前記モノマ
ーを硬化させた。水晶体嚢の細孔は1mm以下であっ
た。6ケ月後、家兎水晶体を摘出し、肉眼にて観察した
ところ、モノマーが硬化しているため水晶体としての流
動性がなくなっており、本比較例において形成された水
晶体は毛様体の緊張−弛緩で形状を変えられるものでは
ないことが明らかであった。また、未重合モノマー又は
光開始剤が原因であると考えられる炎症が水晶体内上皮
に観察された。なお、本比較例では、注入前の注入材料
は重合性モノマー組成物であり、注入後は重合してポリ
マーとなることから、粘度、屈折率、可視光線透過率の
測定は行わなかった。観察所見を下記表3に示す。
【0123】[比較例2]従来の白内障施術法に従い、
家兎の水晶体前嚢に円形破嚢術で円孔を開け、乳化吸引
法により水晶体実質の大部分を除去した。次いで、シリ
コーンバルーンにシリコーンチューブを取り付けたもの
を、水晶体嚢内に挿入し、一方からカテーテルを用いて
HEALON(ファルマシア製:1mL当たり、ヒアル
ロン酸ナトリウム10mg、NaC1 8.5mg、N
2HP04・2H20 0.28mg、NaH2P04
20 0.04mgを含む含水ゲル状物;粒度870
0cp、屈折率1.336、可視光線透過率95%)を
充填した。眼内へのバルーンの挿入時の強膜及び水晶体
嚢の細孔は5mm以上とならざるを得なかった。また、
6ヶ月後家兎水晶体を摘出し、肉眼にて観察したとこ
ろ、水晶体嚢内に隙間が観察され、充分な視機能が得ら
れていないことは明らかであった。上記した方法により
その粘度、屈折率、可視光線透過率の測定を行い、変化
率で評価を行った。その結果を観察所見とともに下記の
表3に示す。
【0124】
【表3】
【0125】以上、表1及び2に示す結果から、実施例
1〜5の水晶体嚢直接注入剤は、粘度が充分に小さいた
め、充填後は毛様体の緊張−弛緩による該水晶体嚢の形
状の変化に対応して変形することが可能であることが明
らかになった。しかも使用した水晶体嚢直接注入剤は高
屈折率であることから、充填後に形成される水晶体実質
置換物は水晶体が本来有する屈折力調節能を有すること
が明らかとなった。さらに生体内での代謝等による組成
変化、物性変化もなく、長期にわたって透明性を維持
し、生体との親和性を有するため、水晶体嚢に直接注入
される水晶体実質の代替物として有用であることが分か
った。さらに、本発明の水晶体嚢直接注入剤は、細い直
後の注射針から注入可能であるため、充填操作が容易で
あり、しかも水晶体嚢の細孔を小さくすることができ
た。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水晶体実
質の置換方法は、安定性、安全性が高く、比較的短時間
にて処置可能であり、しかも侵襲性が極めて低い。処置
後には水晶体本来のの屈折力調製能が維持され、長期に
わたって望ましい透明度を保ち、例えば白内障患者に対
して快適な予後が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様にかかる穿孔のためのレー
ザー光照射用ライトガイドの一部を概略例示した断面図
である。
【図2】本発明の他の実施態様にかかる穿孔用ハンドピ
ースに用いられるトレパンバーの一例及びその使用例を
示すための斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図3】本発明の他の実施態様にかかる穿孔用ハンドピ
ースを示すための要部構成図である。
【図4】本発明の他の実施態様にかかる穿孔用ハンドピ
ースに用いられるトレパンバーの使用例を示すための断
面図(A)、(B)及び(C)である。
【図5】本発明の一実施態様にかかる細孔封止体の一例
を示した側面図である。
【図6】本発明の別の実施態様にかかる細孔封止体の例
を示した側面図である。
【図7】図4に例示した細孔封止体の作成のための成型
型を例示した平面図である。
【図8】(A)、(B)、(C)及び(D)は、本発明
の細孔封止体を用いて水晶体実質置換を行う方法を示し
た工程図である。
【符号の簡単な説明】
1…ライトガイド 2…集光レンズ 10…トレパンバー 10a…テーパ部 10b…刃 11,22,23…外筒 22a,23a…開口 24…内筒 25…盲リング 26…リング 210…ハンドピース 211…トレパンバー移動用モータ 212…回転止め用バー 213…ボルト 214…ナット 215…凹部 216…トレパンバー回転用モータ 217…可動体 218…ベアリング 219…回転軸 220…Oリング 221…バキューム供給口 222,223…Oリング 51…細孔封止体 52…棒状体 521…突起片 53…膨大部 54…閉塞管部 55…注射針 56…リング体 71、72、72…成型型パーツ 58…中空部 109…水晶体 110…水晶体嚢皮膜 111…細孔 512…吸引管 113…水晶体嚢直接注入剤
フロントページの続き (72)発明者 塚本 光雄 大阪府大阪市福島区大開1丁目14番5号 (72)発明者 山内 愛造 神奈川県厚木市緑ケ丘2丁目14番10号 Fターム(参考) 4C026 AA02 BB01 BB02 BB06 BB07 BB08 4C081 AB21 BB01 CA051 CA061 CA181 CB041 DA15 4C097 AA24 BB04 DD01 EE01 EE20 SA10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶体実質を置換するための方法であっ
    て、以下の工程すなわち、(1)水晶体嚢に細孔を穿孔
    し、(2)該細孔から水晶体実質の少なくとも一部を排
    出し、(3)親水性ポリマーを含有してなる水晶体嚢直
    接注入剤を前記細孔から充填し、及び(4)前記細孔を
    封止する、工程を含む方法。
  2. 【請求項2】 前記細孔の封止が、ゲル状物質又は軟質
    プラスチックからなる棒状体であり、棒状体の先端部に
    は膨大部を、中間部には周縁突起片を有し、棒状体の軸
    中心には閉塞管部を有する細孔封止体を用いて行われる
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記細孔封止体が、閉塞管部が棒状体の
    膨大部先端から棒状体の後端部まで貫通している請求項
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記閉塞管部が棒状体の膨大部内から棒
    状体の後端部まで連通しており、閉塞管部前端から膨大
    部先端までは易貫通性である請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記閉塞管部内を前後スライド自在で、
    且つ該閉塞管部に着脱自在の剛性管体を備えている請求
    項2乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(4)が、細孔封止体の閉塞管
    部に剛性管体を挿入し、封止体先端の膨大部を前記細孔
    から水晶体内に挿入し、膨大部の後縁面と周縁突起片の
    前縁面とによって細孔周囲の外郭面を挟持した後、剛性
    管体を抜き取り、残留した封止体によって細孔を封止す
    ることによって行われる請求項2乃至5のいずれかに記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 水晶体実質を置換するための方法であっ
    て、以下の工程すなわち、(1)水晶体嚢に細孔を穿孔
    し、(2)ゲル状物質又は軟質プラスチックからなる棒
    状体であって、棒状体の先端部には膨大部を、中間部に
    は周縁突起片を有し、棒状体の軸中心には閉塞管部を有
    し、閉塞管部は棒状体の膨大部先端から棒状体の後端部
    まで貫通している細孔封止体の該閉塞管部に、閉塞管部
    内を前後スライド自在で且つ該閉塞管部に着脱自在の剛
    性管体を挿入して、封止体先端の膨大部を前記細孔から
    水晶体内に挿入し、(3)剛性管体の先端を膨大部先端
    より突出させ、この剛性管体を介して水晶体実質の少な
    くとも一部を排出し、(4)該剛性管体を介して、親水
    性ポリマーを含有してなる水晶体嚢直接注入剤を水晶体
    内に充填し、及び(5)前記膨大部の後縁面と周縁突起
    片の前縁面とによって細孔周囲の外郭面を挟持した後、
    剛性管体を抜き取り、残留した封止体によって細孔を封
    止する、工程を含む方法。
  8. 【請求項8】 前記周縁突起片が別体として着脱自在の
    リング体である請求項2乃至7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記ゲル状物質が、架橋されたポリビニ
    ルアルコールを含むゲル状物質である請求項2乃至8の
    いずれかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記軟質プラスチックが、シリコンラ
    バーである請求項2乃至8のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記親水性ポリマーの含有量が1〜9
    0重量%である請求項1乃至10のいずれかに記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 前記水晶体嚢直接注入剤の粘度が5
    0,000cp以下である請求項1乃至11のいずれか
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記水晶体嚢直接注入剤の屈折率が
    1.340以上、可視光線透過率が50%以上である請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記親水性ポリマーが、ポリビニルア
    ルコール系重合体、ポリビニルピロリドン系重合体及び
    ポリエチレングリコール系重合体からなる群より選ばれ
    る少なくとも1種のポリマーである請求項1乃至13の
    いずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記親水性ポリマーとして、ポリビニ
    ルアルコール系重合体及びポリビニルピロリドン系重合
    体を含有してなる請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 ヒトを除く動物に対して実施される請
    求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 ヒトを除く動物である白内障患者に対
    して実施され、工程(2)において、失透した水晶体実
    質が除去される請求項1乃至16のいずれかに記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記工程(1)における穿孔が、レー
    ザー光照射によって行われる請求項1乃至17記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 前記レーザー光照射が、1〜500m
    mの焦点距離を有する集光レンズを先端に備えたライト
    ガイドを用いて行われる請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記工程(1)における穿孔が、穿孔
    用ハンドピースを用いて行われる請求項1乃至17記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 前記穿孔用ハンドピースが、回転軸
    と、該回転軸を回転するための第1のモータと、該第1
    のモータと前記回転軸とを一体的に前後動させるための
    第2のモータと、前記回転軸の先端に着脱自在に装着さ
    れるトレバンパーと、該トレバンパーが挿通される固定
    外筒と、前記トレバンパー内及び/又は該トレバンパー
    と前記固定外筒との間の間隔に陰圧を付加するための陰
    圧付加手段とを有し、穿孔作業の際は前記第2のモータ
    により前記第1のモータと一体の回転軸を前進させて前
    記トレバンパーの先端を前記外筒より突出させ、常時は
    前記第2のモータにより前記第1のモータと一体の回転
    軸を後退させて前記トレバンパーの先端を前記外筒内に
    収容していることを特徴とする穿孔用ハンドピースであ
    る請求項20記載の方法。
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