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JP2001248086A - 製紙用2層織物 - Google Patents

製紙用2層織物

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JP2001248086A
JP2001248086A JP2000105569A JP2000105569A JP2001248086A JP 2001248086 A JP2001248086 A JP 2001248086A JP 2000105569 A JP2000105569 A JP 2000105569A JP 2000105569 A JP2000105569 A JP 2000105569A JP 2001248086 A JP2001248086 A JP 2001248086A
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JP
Japan
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surface side
papermaking
running surface
weft
warp
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JP2000105569A
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Hiroyuki Nagura
宏之 名倉
Takehito Kuji
健仁 久慈
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Filcon Co Ltd
Original Assignee
Nippon Filcon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、特に斜め方向の剛性を向上させた製紙
用2層織物を提供する。 【解決手段】 (A)製紙面側経糸と製紙面側緯糸とか
らなる製紙面側織物と、走行面側経糸と走行面側緯糸と
からなる走行面側織物と、製紙面側緯糸間に配置した接
結糸とからなる製紙用2層織物において、(B)走行面
側織物が7シャフト以上で、走行面側経糸が1本の走行
面側緯糸の下側を通った後1本または2本の製紙面側緯
糸の上側を通り、次いで1本の走行面側緯糸の下側を通
り、次いで4本以上の走行面側緯糸の上側を通過し、か
つ該2ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の下側を通る
部分を、それぞれ異なった側に隣り合う走行面側経糸の
1本の走行面側緯糸の下側を通る部分と隣り合うように
配置し、走行面側緯糸が走行面側に走行面側経糸が5本
以上のロングクリンプを形成することを特徴とする製紙
用2層織物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は製紙用織物に関し、
特には抄紙用織物、中でも板紙用の抄紙用織物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】製紙方法は周知の技術であって、まずパ
ルプ繊維等を含む製紙原料が、ヘッドボックスからエン
ドレスに形成されて抄紙機のロール間に掛け入れられ走
行している抄紙用織物上に供給される。抄紙用織物の原
料が供給される側が製紙面、その反対側が走行面であ
る。供給された原料は抄紙用織物の走行に伴って移動
し、移動中に織物の走行面側に設置されたサクションボ
ックスやフォイル等の脱水装置によって、水分が除去さ
れ、湿紙が形成される。すなわち、抄紙用織物がフィル
ターとして機能し、パルプ繊維と水を分離するのであ
る。この抄紙ゾーンで形成された湿紙は、次にプレスゾ
ーンとドライヤーゾーンに移送される。プレスゾーンで
は、湿紙は製紙用フェルトによって移送され、抄紙用フ
ェルトとともにプレスロール間でニップ圧によって搾水
され、さらに水分が除去される。ドライヤーゾーンで
は、湿紙は製紙用キャンバスによって移送され、乾燥さ
れて紙が製造される。
【0003】製紙用織物は、合成樹脂モノフィラメント
等の経糸、緯糸を用いて織機で製織される。無端状に形
成するには周知の織継やピンシーム等によって無端状に
形成されるか、袋織り織機により製織の段階で無端状に
形成される。袋織りの場合は織機上と使用時では経糸と
緯糸の関係が逆になる。本明細書にて、経糸とは、製紙
機械の機械方向すなわち織物の進行方向に伸びている糸
であり、緯糸とは、製紙機械の機械横断方向すなわち織
物の巾方向に伸びている糸である。製紙用織物、特に抄
紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。表面平
滑性の向上、紙のワイヤーマーク発生防止、製紙の歩留
まりの向上、良好なろ水性、耐摩耗性、剛性、寸法安定
性、走行安定性等である。これ等の要求に対して、従来
より様々な提案がなされている。耐摩耗性の向上をさせ
るためには、織物組織を緯糸摩耗型の組織にしたり、糸
の材質を変更したりするという対策がとられている。一
般的に使用中の織物の耐摩耗性の向上と姿勢安定性の維
持の点からは、織物の緯糸に耐摩耗作用を受け持たせる
ことが好ましい。経糸が摩耗すると当然のことではある
が、引張強度が低下して織物の寸法が伸び、さらに摩耗
して経糸が摩耗切断すると織物自体が切断してしまって
使用寿命が尽きてしまうからである。
【0004】また、耐摩耗性の優れているポリアミドモ
ノフィラメントを緯糸に使用することも試みられている
が、この試みは織物の構造自体を改善するものではな
く、単に使用する材料の性質を利用するだけであって、
画期的効果は得られず、半面ポリアミドモノフィラメン
トを用いた織物は姿勢安定性が悪いという欠点があっ
た。また、走行面の緯糸に太い糸を使用することも試み
られたが、経糸と緯糸のバランスが崩れ、クリンプ性が
悪化してワイヤーマーク発生の原因となる等の欠点があ
り実用上問題があった。紙のワイヤーマークの発生を防
止するためには経糸及び緯糸の本数密度を増やし、繊維
の支持性を向上させることが考えられるが、そのために
は経糸、緯糸の線径を細くする必要がある。しかし、現
在一般的に使用されている周知の経糸1重緯糸2重織物
では線径を細くすると耐摩耗性、剛性、姿勢安定性が低
下してしまう。このように、製紙用織物は、耐摩耗性や
剛性を向上させようとして線径を太くすると表面性が損
なわれ、紙にワイヤーマークが発生する、逆に表面性を
向上させようと線径を細くして本数密度を増やすと耐摩
耗性や剛性が低下してしまうというように、いわば相反
する問題を抱えていた。
【0005】上述の問題を解決するために製紙面側と走
行面側とを夫々別々の経糸、緯糸を用いて構成して、両
層の織物を接結糸によって一体化させた織物での試みも
なされている。すなわち、製紙面側織物には線径の小さ
い経糸、緯糸を使用して緻密な製紙面を形成し、走行面
側織物には線径の大きい経糸、緯糸を使用して耐摩耗性
の大きい走行面を形成するのである。剛性を向上させる
ためには、巾方向や長さ方向に関しては糸を複数層重ね
ることによって対策がなされており、最近では緯糸を3
層に重ねた経糸一重緯糸三重構造の抄紙用織物が多く実
用化されている。しかし、斜め方向の剛性に関しては、
経糸と緯糸の織り込み回数を増加させて向上させる程度
の提案しかなされていないのが現状である。斜め方向の
剛性が劣ると当然であるが織物が変形しやすくなって、
菱形に変形したり、緯糸が弓状に変形する筋曲がりとい
われる現象が発生する。また、これによって巾が縮んだ
り走行性が悪くなる問題があった。特に板紙を抄造する
場合には、坪量が大きいため、抄造時の原料も重いので
特に剛性が要求され、剛性が劣る織物を使用すると地合
崩れや負荷アップ等の問題が発生した。また、板紙の製
造に用いる原料は温度が高く、使用中の熱による剛性低
下が起こるため、より剛性が高い織物が求められるので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑みて、製紙面側と走行面側とをそれぞれ別々の経糸、
緯糸を用いて構成して、両層の織物を接結糸によって一
本化させた織物において、剛性、特に斜め方向の剛性を
向上させた製紙用織物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. (A)製紙面側経糸と製紙面側緯糸とからなる
製紙面側織物と、走行面側経糸と走行面側緯糸とからな
る走行面側織物と、製紙面側緯糸間に配置した接結糸と
からなる製紙用2層織物において、(B)走行面側織物
が7シャフト以上で、走行面側経糸が1本の走行面側緯
糸の下側を通った後1本または2本の製紙面側緯糸の上
側を通り、次いで1本の走行面側緯糸が下側を通り、次
いで4本以上の走行面側緯糸の上側を通過し、かつ該2
ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の下側を通る部分
を、それぞれ異なった側に隣り合う走行面側経糸の1本
の走行面側緯糸の下側を通る部分と隣り合うように配置
し、走行面側緯糸が走行面側に走行面側経糸が5本以上
のロングクリンプを形成することを特徴とする製紙用2
層織物。 2. 2ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の下側を通
る部分を、それぞれ異なった側に隣り合う走行面側経糸
の1本の走行面側緯糸の下側を通る部分と隣り合うよう
に配置して、2ヶ所に形成される1本の走行面側緯糸の
下側を通る部分の間で経糸を斜め方向に配置した、1項
に記載された製紙用2層織物。」に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の製紙用織物の走行面側織
物は、7シャフト以上であり、走行面側経糸が、1本の
走行面側緯糸の下側を通った後1本または2本の走行面
側緯糸の下側を通り、次いで1本の走行面側緯糸の下側
を通り、次いで4本以上の走行面側緯糸の上側を通過す
る組織であり、かつ該2ヶ所形成される1本の走行面側
緯糸の下側を通る部分が、それぞれ異なった側に隣り合
う走行面側経糸の1本の走行面側緯糸の下側を通る部分
と隣り合うように配置され、さらに、走行面側緯糸が走
行面側に走行面側経糸5本分以上のロングクリンプを形
成する。このように構成したことにより、走行面側経糸
が両側の経糸と交互に接近または接触してラテラルにな
り、斜め方向に形成配置されるため、斜め方向の糸が存
在することとなり、バイアス織物のように斜め方向の剛
性が非常に大きくなるのである。1本の走行面側緯糸の
下側を通る部分が、隣り合う走行面側経糸の1本の走行
面側緯糸の下側を通る部分と隣り合うように配置される
と、その部分では2本の連続する走行面側経糸が走行面
側緯糸によって上側から織り込まれることになるため、
走行面側経糸をまとめて接近させようとする力が働き、
上記構成となるのである。また、走行面側緯糸が隣り合
う2本の走行面側経糸で走行面側から強力に織り込まれ
て、走行面側にロングクリンプを形成するため耐摩耗性
が良好となり、また巾方向の剛性も大きくなる。なお、
走行面側織物は7シャフト以上である必要がある。本発
明では走行面側緯糸を隣り合う2本の走行面側経糸で強
力に織り込むため、5シャフト以下では、走行面に形成
できるクリンプが経糸3本分以下と短く、走行面側に鋭
く突出したクリンプしか形成できず、耐摩耗性がまった
く満足できない。また6シャフトでは、ある程度のロン
グクリンプを形成させることは可能であるが、組織上斜
文がきつくなってしまい他の諸性能に悪影響を及ぼして
しまうのである。製紙面側織物に対する糸本数の密度は
特に限定されず、走行面側経糸や走行面側緯糸を製紙面
側の1/2や2/3等の密度にしてもよい。ただし、特
に走行面側緯糸の密度は、耐摩耗性との関連があるため
同密度が最も好適である。あまり少なくすると耐摩耗性
が低下してしまうのである。
【0009】次に本発明の実施の形態を図面に基づいて
具体的に説明する。図1は、本発明の実施例の完全組織
を示す意匠図である。完全組織とは、織物組織の最小の
繰り返し単位であって、この完全組織が上下左右につな
がって織物全体の組織が形成される。図2は、図1の走
行面側の一部平面図である。意匠図において、経糸はア
ラビア数字、例えば1、2、3で示し、緯糸はダッシュ
を付したアラビア数字、例えば1′、4′、7′、で示
す。また、×印は製紙面側経糸が製紙面側緯糸の上側に
位置していることを示し、○印は走行面側経糸が走行面
側緯糸の下側に位置していることを示し、■印は接結糸
が製紙面側経糸の上側に位置していることを示し、□印
は接結糸が走行面側経糸の下側に位置していることを示
す。製紙面側と走行面側の経糸、緯糸は上下に重なって
配置されている。図1ないし図4では本数密度が同じで
あるため、製紙面側の経糸、緯糸の真下に走行面側の経
糸、緯糸が配置されている。尚、意匠図では糸が上下に
正確に重なって製紙面側の経糸、緯糸の真下の走行面側
の経糸、緯糸が配置されることになっているが、これは
図面の都合上であって実際の織物ではずれて配置されて
も構わないのである。
【0010】本発明に使用される糸としては、製紙用織
物に望まれる特性によって自由に選択でき特に限定され
ない。例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメ
ント、スパンヤーン、捲縮加工や崇高加工等を施した一
般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレ
ッチヤーンと称される加工糸、モール糸、あるいはこれ
等をより合わせる等して組み合わせた糸等が使用でき
る。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状や星
型等の糸や楕円形状、中空等の糸が使用できる。また、
糸の材質としても、自由に選択でき、ポリエステル、ナ
イロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニ
リデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリテトラフ
ルオロエチレン、綿、ウール、金属等が使用できる。勿
論、共重合体やこれ等の材質に目的に応じて色々な物質
をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。一般
的には、製紙面側経糸、走行面側経糸、製紙面側緯糸に
は剛性があり、寸法安定性が優れているポリエステルモ
ノフィラメントを用いるのが好ましい。また、接結糸
は、前述した内部摩耗に対する耐摩耗性を要求されるた
めナイロンモノフィラメントを用いるのが好ましい。ま
た、耐摩耗性が要求される走行面側緯糸にはポリエステ
ルモノフィラメントとナイロンモノフィラメントを交互
に配置する等、交織するのが剛性を確保しつつ耐摩耗性
を向上できて好ましい。
【0011】
【実施例】次に実施例を上げて具体的に説明する。 実施例1 図1が本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図であ
る。図1の意匠図において、1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10が経糸であり製紙面側経糸と走行面側
経糸が上下に配置されている。1′、4′、7′、1
0′、13′、16′、19′、22′、25′、2
8′が緯糸であって製紙面側緯糸と走行面側緯糸が上下
に配置されている。2′、3′、5′、6′、8′、
9′、11′、12′、14′、15′、17′、1
8′、20′、21′、23′、24′、26′、2
7′、29′、30′が接結糸である。まず走行面側織
物をみてみると、走行面側経糸1は、走行面側緯糸1′
の上側を通り、次いで走行面側緯糸4′の下側を通り、
次いで走行面側緯糸7′、10′の上側を通り、次いで
走行面側緯糸13′の下側を通り、次いで走行面側緯糸
16′、19′、22′、25′、28′の下側を通
る。そして、組織上、この走行面側経糸1を走行面側緯
糸3本分上方にシフトさせて順次走行面側経糸2、3、
4……………10と配置して完全組織を形成する。とこ
ろで、走行面側経糸3をみてみると、走行面側緯糸1′
と22′の上側を通っており、走行面側緯糸1′の上側
を通っている部分では、走行面側経糸4が走行面側緯糸
1′の上側を通っている部分が隣り合って配置され、走
行面側緯糸22′の上側を通っている部分では、走行面
側経糸2が走行面側緯糸22′の上側を通っている部分
が隣り合って配置されている。したがって、走行面側経
糸の2ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の上側を通る
部分が、それぞれ異なった側に隣り合う走行面側経糸の
1本の走行面側緯糸の上側を通る部分と隣り合うように
配置されていることがわかる。このように配置されるこ
とにより、走行面側緯糸1′の部分では走行面側経糸3
と4が接近または接触配置され、走行面側緯糸22′の
部分では走行面側経糸3と2が接近または接触配置さ
れ、走行面側経糸が両側の走行面側経糸と交互に接近ま
たは接触してラテラルになり、斜め方向に配置されてい
る。また、走行面側緯糸1′は、走行面側経糸3、4の
上側を通り、走行面側経糸5、6、7、8、9、10、
1、2の下側を通って、走行面側に走行面側経糸8本分
のロングクリンプを形成している。したがって、耐摩耗
性が良好となる。次に製紙面側織物をみてみると、製紙
面側緯糸1′は、製紙面側経糸1、2の下側を通り、次
いで製紙面側経糸3、4、5の上側を通り、さらに製紙
面側経糸6、7の下側を通り、次いで製紙面側経糸8、
9、10の上側を通っている。したがって、製紙面側緯
糸1′の組織は、連続する2本の製紙面側経糸の下側を
通った後連続する3本の製紙面側経糸の上側を通る組織
の繰り返しであることがわかる。そして、組織上、この
製紙面側緯糸1′を製紙面側経糸2本分右方のシフトさ
せて順次製紙面側緯糸4′、7′、10′………………
…28′と配置して完全組織を形成する。製紙面側経糸
1は、製紙面側緯糸1′の上側を通り、次いで製紙面側
緯糸4′の下側を通り、次いで製紙面側緯糸7′の上側
を通り、次いで製紙面側緯糸10′、13′の下側を通
り、さらに製紙面側緯糸16′の上側を通り、次いで製
紙面側緯糸19′の下側を通り、次いで製紙面側緯糸2
2′の上側を通り、次いで製紙面側緯糸25′、28′
の下側を通る。したがって、製紙面側経糸1の組織は、
1本の製紙面側緯糸の上側を通り、次いで1本の製紙面
側緯糸の下側を通り、次いで1本の製紙面側緯糸の上側
を通り、次いで2本の製紙面側緯糸の下側を通る組織の
繰り返しである。そして、組織上、この製紙面側経糸1
を製紙面側緯糸3本分上方にシフトさせて順次製紙面側
経糸2、3、4、…………………10と配置して完全組
織を形成する。ところで、製紙面側経糸3をみてみる
と、製紙面側緯糸4′と10′の上側を通っており、製
紙面側緯糸4′の上側を通っている部分では、製紙面側
経糸4が製紙面側緯糸4′の上側を通っている部分が隣
り合って配置され、製紙面側緯糸10′の上側を通って
いる部分では、製紙面側経糸2が製紙面側緯糸10′の
上側を通っている部分が隣り合って配置されている。し
たがって、製紙面側経糸の2ヶ所形成される1本の製紙
面側緯糸の上側を通る部分が、それぞれ異なった側に隣
り合う製紙面側経糸の1本の製紙面側緯糸の上側を通る
部分と隣り合うように配置されていることがわかる。こ
のように配置されることにより、製紙面側緯糸4′の部
分では製紙面側経糸3と4が接触配置され、製紙面側緯
糸10′の部分では製紙面側経糸3と2が接触配置さ
れ、製紙面側経糸が両側の経糸と交互に接触してラテラ
ルになり、斜め方向に配置されている。製紙面側緯糸1
9′、25′の部分でも同様である。このように、本実
施例では製紙面側織物においても、走行面側織物と同様
に経糸が両側の経糸と交互に接触してラテラルになる構
造とした。このように構成すると、走行面側織物と製紙
面側織物との相乗効果によって剛性が非常に良好とな
る。勿論、製紙面側織物の構造は本実施例に限定される
わけではなく、通常の平織組織や、2/2や1/2、1
/3、1/4組織の各種綾織組織や朱子織組織の織物が
採用できる。次に接結糸をみてみると、例えば接結糸
2′は、製紙面側緯糸1′が連続する製紙面側経糸1、
2の下側に配置されている部分の横と製紙面側緯糸4′
が連続する製紙面側経糸8、9の下側に配置されている
部分の横で、この製紙面側経糸1、2及び8、9の上側
を通って製紙面側経糸2本分のクリンプを形成し、かつ
走行面側経糸5の下側を通って走行面側織物と織り合わ
されている。また、接結糸3′は、製紙面側緯糸1′が
連続する製紙面側経糸6、7の下側に配置されている部
分の横と製紙面側緯糸4′が連続する製紙面側経糸3、
4の下側に配置されている部分の横で、この製紙面側経
糸6、7及び3、4の上側を通って製紙面側経糸2本分
のクリンプを形成し、かつ走行面側経糸9の下側を通っ
て走行面側織物と織り合わされている。このことから、
接結糸が接結糸本来の機能と繊維支持糸の機能を合わせ
持ち、さらに、製紙面側緯糸が連続する2本の製紙面側
経糸の下側を通過する部分の両側で、該2本の製紙面側
経糸の上側に配置され、実質上製紙面側に連続する緯糸
クリンプを形成し、繊維支持性が非常に良好となること
がわかる。図2、図3、図4は他の実施例である走行面
側織物の意匠図である。図2は9シャフト、図3は8シ
ャフト、図4は7シャフトの織物である。意匠図からい
ずれの織物も走行面側経糸が両側の走行面側経糸と交互
に接近または接触してラテラルになり、斜め方向に配置
されることが理解される。
【0012】従来例 走行面側織物が4/1サテン組織の通常の緯糸摩耗型織
物で上層織物が平織組織で形成されている通常の製紙用
2層織物である。
【0013】比較試験 実施例1を本発明の代表例として比較試験を実施した。
常法により製織した製紙用織物を100mm角に切断
し、対角方向に500gの荷重をかけ伸び量を測定し、
斜め方向の剛性を比較した。実施例は0.3%であった
のに対し、比較例は2.4%であった。
【0014】
【発明の効果】本発明の製紙用2層織物は、上述のよう
に製紙面側と走行面側とをそれぞれ別々の経糸、緯糸を
用いて構成して、両層の織物を接結糸によって一体化さ
せた織物であって、剛性、特に斜め方向の剛性が非常に
大きく、織物が菱形に変形したり、緯糸が弓状に変形す
る筋曲がりといわれる現象が発生せず、巾が縮んだり走
行性が悪くなる問題がない。また、坪量が大きく、原料
温度が高い板紙を製造しても、地合崩れや負荷アップ等
の問題が発生することがないという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の完全組織を示す意匠図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図3】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図で
ある。
【符号の説明】
1 経糸 2 経糸 3 経糸 4 経糸 5 経糸 6 経糸 7 経糸 8 経糸 9 経糸 10 経糸 1′ 緯糸 4′ 緯糸 7′ 緯糸 10′ 緯糸 13′ 緯糸 16′ 緯糸 19′ 緯糸 22′ 緯糸 25′ 緯糸 28′ 緯糸 2′ 接結糸 3′ 接結糸 5′ 接結糸 6′ 接結糸 8′ 接結糸 9′ 接結糸 11′ 接結糸 12′ 接結糸 14′ 接結糸 15′ 接結糸 17′ 接結糸 18′ 接結糸 20′ 接結糸 21′ 接結糸 23′ 接結糸 24′ 接結糸 26′ 接結糸 27′ 接結糸 29′ 接結糸 30′ 接結糸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)製紙面側経糸と製紙面側緯糸とか
    らなる製紙面側織物と、走行面側経糸と走行面側緯糸と
    からなる走行面側織物と、製紙面側緯糸間に配置した接
    結糸とからなる製紙用2層織物において、(B)走行面
    側織物が7シャフト以上で、走行面側経糸が1本の走行
    面側緯糸の下側を通った後1本または2本の製紙面側緯
    糸の上側を通り、次いで1本の走行面側緯糸の下側を通
    り、次いで4本以上の走行面側緯糸の上側を通過し、か
    つ該2ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の下側を通る
    部分を、それぞれ異なった側に隣り合う走行面側経糸の
    1本の走行面側緯糸の下側を通る部分と隣り合うように
    配置し、走行面側緯糸が走行面側に走行面側経糸が5本
    以上のロングクリンプを形成することを特徴とする製紙
    用2層織物。
  2. 【請求項2】 2ヶ所形成される1本の走行面側緯糸の
    下側を通る部分を、それぞれ異なった側に隣り合う走行
    面側経糸の1本の走行面側緯糸の下側を通る部分と隣り
    合うように配置して、2ヶ所に形成される1本の走行面
    側緯糸の下側を通る部分の間で経糸を斜め方向に配置し
    た、請求項1に記載された製紙用2層織物。
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