JP2001245842A - 内視鏡用チューブの接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】可撓性チューブに引っ張り力が作用しても可撓
性チューブと被接続部材との接続状態が外れない内視鏡
用チューブの接続構造を提供すること。 【解決手段】可撓性チューブ１０の端部１１を径方向に
広がった形状に形成して、可撓性チューブ１０が接続さ
れる被接続部材２０には可撓性チューブ１０の端部１１
の内面が当接する当接面２１を形成し、可撓性チューブ
１０の端部１１を被接続部材２０の当接面２１に押圧固
定するための押圧固定部材３０を設けた内視鏡用チュー
ブの接続構造において、被接続部材２０の当接面２１に
一つ又は複数の突起２２を形成し、可撓性チューブ１０
が被接続部材２０から抜ける方向に移動しようとすると
きに、突起２２が可撓性チューブ１０の端部１１の内面
に食い込むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡及び内視
鏡用処置具等に用いられる内視鏡用チューブの接続構造
に関する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡や内視鏡用処置具等に用いられる
内視鏡用チューブの接続構造としては、凹凸が外周面に
形成された被接続部材を可撓性チューブの端部内に圧入
する構造が一般的であるが、十分な接続強度が得られな
い場合が少なくない。

【０００３】被接続部材の外周面に雄ネジを形成し、そ
れをダイスのように可撓性チューブ内にねじ込んで被接
続部材と可撓性チューブとを接続したものもあるが、使
用中にネジが緩んで可撓性チューブから被接続部材が脱
落する恐れがある。

【０００４】そこで従来は、可撓性チューブの端部を漏
斗状に広がった形状に形成して、可撓性チューブが接続
される被接続部材には可撓性チューブの端部の内面が当
接するテーパ面を形成し、被接続部材に螺合する押圧固
定部材により可撓性チューブの端部を背後から被接続部
材のテーパ面に押圧固定していた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の内視鏡用チューブの接続構造の場合は、可撓性チ
ューブが引っ張られる等して可撓性チューブに伸び方向
の力が作用すると、可撓性チューブは、テーパ面に押圧
されている部分の厚さが薄くなって押圧固定部材とテー
パ面の間から抜け出してしまう場合がある。

【０００６】そこで本発明は、可撓性チューブに引っ張
り力が作用しても可撓性チューブと被接続部材との接続
状態が外れない内視鏡用チューブの接続構造を提供する
ことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡用チューブの接続構造は、可撓性チ
ューブの端部を径方向に広がった形状に形成して、可撓
性チューブが接続される被接続部材には可撓性チューブ
の端部の内面が当接する当接面を形成し、可撓性チュー
ブの端部を被接続部材の当接面に押圧固定するための押
圧固定部材を設けた内視鏡用チューブの接続構造におい
て、被接続部材の当接面に一つ又は複数の突起を形成
し、可撓性チューブが被接続部材から抜ける方向に移動
しようとするときに、突起が可撓性チューブの端部の内
面に食い込むようにしたものである。

【０００８】なお、可撓性チューブの端部が漏斗状に広
がっていてもよく、或いは、可撓性チューブの端部が可
撓性チューブの軸線に対して略垂直方向に広がっていて
もよい。

【０００９】また、突起が可撓性チューブの軸線を中心
とする環状に形成されていてもよく、突起が網目ローレ
ット状に形成されていてもよい。さらに、可撓性チュー
ブが軸線周りに回転する際に可撓性チューブに食い込む
突起が、可撓性チューブの内周面に密接するように被接
続部材に形成されていてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図１は、本発明の第１の実施例の内視鏡用チ
ューブの接続構造を示しており、図２はその組み立て前
の状態の分解図である。

【００１１】図中、１０は、例えば四フッ化エチレン樹
脂、ポリエチレン樹脂又はポリイミド樹脂等の合成樹脂
材を材料とする可撓性チューブであり、内視鏡内で流体
を通したり処置具を挿通するのに用いられ、或いは内視
鏡用処置具のシース等として用いられている。

【００１２】可撓性チューブ１０の端部１１は、漏斗状
に径方向に広がった形状に形成されている。可撓性チュ
ーブ１０の軸線方向に対して端部１１の内面のなす角度
は、例えば４５°である。

【００１３】２０は、可撓性チューブ１０の端部１１に
接続される口金パイプ或いは機構部品等のような被接続
部材であり、例えばステンレス鋼等の金属又は硬質プラ
スチック等のような硬質の材料によって形成されてい
る。

【００１４】被接続部材２０には、可撓性チューブ１０
の端部１１が当接する当接面２１が形成されている。当
接面２１は、可撓性チューブ１０の端部１１に対応して
４５°程度の角度のテーパ状に形成され、複数（例えば
三つ）の環状の突起２２が可撓性チューブ１０の軸線を
中心として同心円状に形成されている。

【００１５】この実施例における各突起２２の断面形状
は、図１に示されるように、突端が略直角の二等辺三角
形状である。また、被接続部材２０の当接面２１の中央
位置には、可撓性チューブ１０内に圧入される短い筒状
部２３が突設されている。

【００１６】当接面２１の外縁に隣接して被接続部材２
０の外周に形成された雄ネジ部２４には、可撓性チュー
ブ１０と被接続部材２０とを連結固定するためのキャッ
プ状に形成された押圧固定部材３０の雌ネジ部３４が螺
合している。

【００１７】押圧固定部材３０の軸線位置には、可撓性
チューブ１０が緩く通過する大きさの通過孔３１が穿設
され、軸線に対して略４５°をなすテーパ面状の押圧面
３２が、可撓性チューブ１０の端部１１を被接続部材２
０の当接面２１に押圧するように内側に形成されてい
る。

【００１８】したがって、可撓性チューブ１０と被接続
部材２０とを接続する時には、可撓性チューブ１０の端
部１１を被接続部材２０の当接面２１に当接させた状態
で、押圧固定部材３０の雌ネジ部３４を被接続部材２０
の雄ネジ部２４ときつく螺合させる。

【００１９】それによって、可撓性チューブ１０の端部
１１が被接続部材２０の当接面２１と押圧固定部材３０
の押圧面３２との間にきつく挟み付けられて可撓性チュ
ーブ１０と被接続部材２０とが連結され、被接続部材２
０の軸線位置に形成された通路孔２５と可撓性チューブ
１０とが真っ直ぐに連通する。

【００２０】そしてその状態では、被接続部材２０の当
接面２１に形成された突起２２が可撓性チューブ１０の
端部１１の内面に食い込んだ状態になるので、可撓性チ
ューブ１０が強い力で引っ張られて端部１１部分の肉厚
が薄くなっても、可撓性チューブ１０が被接続部材２０
の当接面２１から引き抜かれず、可撓性チューブ１０と
被接続部材２０とが安定した状態に連結される。

【００２１】図３は、本発明の第２の実施例の内視鏡用
チューブの接続構造を示しており、被接続部材２０の筒
状部２３の外周面に軸線と平行な突起（例えば、ローレ
ット等）を可撓性チューブ１０の内周面に密接するよう
に形成して、可撓性チューブ１０が軸線周りに回転しよ
うとする際に可撓性チューブ１０の内面にその突起が食
い込むようにしたものである。

【００２２】このようにすることにより、可撓性チュー
ブ１０と被接続部材２０との相対的回転の発生を防止す
ることができる。ただし本発明は、図４に示される第３
の実施例のように、筒状部２３を設けない構成をとって
も差し支えない。

【００２３】図５は、本発明の第４の実施例の内視鏡用
チューブの接続構造を示しており、可撓性チューブ１０
の端部１１を、軸線に対して略垂直方向に広がった形状
に形成したものである。

【００２４】被接続部材２０の当接面２１と押圧固定部
材３０の押圧面３２も、同様に軸線に対して略垂直をな
す面として形成されている。このように構成しても第１
の実施例と同様の作用効果が得られる。

【００２５】図６は、本発明の第５の実施例の被接続部
材２０を略示しており、当接面２１に形成される突起２
２を網目ローレット状に形成したものである。このよう
に、突起２２は、押圧固定部材３０によって当接面２１
に押圧される可撓性チューブ１０の端部１１に食い込む
ものであれば、どのような形態であってもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、可撓性チューブが被接
続部材から抜ける方向に移動しようとするときに、被接
続部材の当接面に形成された突起が可撓性チューブの端
部の内面に食い込むので、可撓性チューブに引っ張り力
が作用しても可撓性チューブが被接続部材から外れず安
定した連結状態が保証される。そして、分解修理等の際
には、押圧固定部材による押圧を解除すれば、可撓性チ
ューブと被接続部材との連結状態を容易に解除すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の内視鏡用チューブの接
続構造の側面断面図である。

【図２】本発明の第１の実施例の内視鏡用チューブの接
続構造の分解状態の側面断面図である。

【図３】本発明の第２の実施例の内視鏡用チューブの接
続構造の分解状態の側面断面図である。

【図４】本発明の第３の実施例の内視鏡用チューブの接
続構造の側面断面図である。

【図５】本発明の第４の実施例の内視鏡用チューブの接
続構造の側面断面図である。

【図６】本発明の第５の実施例の被接続部材の側面略示
図である。

【符号の説明】

１０ 可撓性チューブ １１ 端部 ２０ 被接続部材 ２１ 当接面 ２２ 突起 ２４ 雄ネジ部 ３０ 押圧固定部材 ３２ 押圧面

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】可撓性チューブの端部を径方向に広がった
   形状に形成して、上記可撓性チューブが接続される被接
   続部材には上記可撓性チューブの端部の内面が当接する
   当接面を形成し、上記可撓性チューブの端部を上記被接
   続部材の当接面に押圧固定するための押圧固定部材を設
   けた内視鏡用チューブの接続構造において、 上記被接続部材の当接面に一つ又は複数の突起を形成
   し、上記可撓性チューブが上記被接続部材から抜ける方
   向に移動しようとするときに、上記突起が上記可撓性チ
   ューブの端部の内面に食い込むようにしたことを特徴と
   する内視鏡用チューブの接続構造。
2. 【請求項２】上記可撓性チューブの端部が、漏斗状に広
   がっている請求項１記載の内視鏡用チューブの接続構
   造。
3. 【請求項３】上記可撓性チューブの端部が、上記可撓性
   チューブの軸線に対して略垂直方向に広がっている請求
   項１記載の内視鏡用チューブの接続構造。
4. 【請求項４】上記突起が上記可撓性チューブの軸線を中
   心とする環状に形成されている請求項１記載の内視鏡用
   チューブの接続構造。
5. 【請求項５】上記突起が網目ローレット状に形成されて
   いる請求項１記載の内視鏡用チューブの接続構造。
6. 【請求項６】上記可撓性チューブが軸線周りに回転する
   際に上記可撓性チューブに食い込む突起が、上記可撓性
   チューブの内周面に密接するように上記被接続部材に形
   成されている請求項１ないし５のいずれかの項に記載の
   内視鏡用チューブの接続構造。