JP2001238676A - ニワトリ型モノクローナル抗体 - Google Patents
ニワトリ型モノクローナル抗体Info
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Abstract
適したニワトリ型モノクローナル抗体の製造方法を提供
するものである。また、本発明は、そのための新規なプ
ラスミドベクター及びそのための新規なプライマーを提
供するものである。さらに本発明は、新規なニワトリ型
モノクローナル抗体を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、遺伝子組換え法によりニワト
リ型モノクローナル抗体を製造する方法において、ニワ
トリCλ鎖(L鎖定常領域)をコードする遺伝子が導入
されている発現ベクターに、ニワトリ型モノクローナル
抗体のscFvをコードする遺伝子を導入した発現ベク
ターを用いることを特徴とするニワトリ型モノクローナ
ル抗体の新規な製造方法、及びその方法で製造されるニ
ワトリ型モノクローナル抗体に関する。さらに、本発明
は、遺伝子組換え法によりニワトリ型モノクローナル抗
体を製造する際に使用される新規な発現ベクターpCP
DS、新規なプライマーCLF1、及びそれを使用して
遺伝子を増幅させる方法に関する。
Description
より組換えニワトリ型モノクローナル抗体を製造する方
法、それに用いる発現ベクター、その方法により製造さ
れる組換えニワトリ型モノクローナル抗体、組換えニワ
トリ型モノクローナル抗体の可変領域をコードする遺伝
子を増幅させるためのプライマー、及び当該プライマー
を用いた遺伝子の増幅方法に関する。また、本発明は組
換えニワトリ型モノクローナル抗体の可変領域をコード
する遺伝子を増幅させるためのプライマーとして使用さ
れる新規なオリゴヌクレオチドに関する。
だけを認識する単一抗体であり、この技術は遺伝子組み
替えと並んでバイオテクノロジー分野での基幹技術であ
り、これを利用した診断薬、治療薬は急速に普及発展し
ている。モノクローナル抗体については、マウス、ラッ
ト型など広く活用されているが、ニワトリ型について
は、発明者がすでに提案した例がある程度である。この
ニワトリ型の大きな利点は、マウス等の哺乳動物では作
成困難な抗体が作成可能であるということである。
等であるが、哺乳動物と同様に極めて精緻な免疫能力を
持つ動物であることから、これまでに有用なニワトリ抗
体が数多く作成されてきた。一方、ヒトをはじめとする
哺乳動物間で高度保存された生体成分を認識できる抗体
が哺乳動物を用いて作成できない場合、ニワトリ抗体と
して作成可能であることも経験されてきた。そのため、
ニワトリ抗体を大量調整するひとつの手段として、産卵
鶏を特定の抗原で免役し、その後、卵に移行した抗体を
生成して卵黄抗体(ポリクローナル抗体)として利用す
る方法が開発されているが、この方法によりモノクロー
ナル抗体を製造することはできない。
な基礎・応用領域に活用されているが、マウス型、ラッ
ト型以外のモノクローナル抗体については、応用にまで
至っている成功例は少ない。マウス型、ラット型以外の
モノクローナル抗体での応用の一例としては、本発明者
らが開発した細胞融合法によるニワトリ型モノクローナ
ル抗体がすでに報告されている。上述したとおり、ニワ
トリの大きな利点は、マウスあるいはラットを用いて作
成困難な抗体がニワトリ抗体として得られやすいことで
あり、モノクローナル抗体としても作成可能なことであ
る。本発明者らによる細胞融合技術を用いたニワトリ型
モノクローナル抗体の成功例としては、N−グリコリル
ノイラミン酸(NeuGc)を認識するニワトリ型モノ
クローナル抗体や哺乳動物に高度保存されたプリオンタ
ンパク(PrP)を認識するニワトリ型モノクローナル
抗体などである。NeuGcは、ヒトのがんマーカーと
なる抗原で、ヒトを除くほとんどの哺乳動物に存在して
いるため、マウス、ラットやウサギなど一般に広く免疫
動物として用いる動物では抗体を作ることができない。
また、PrPは、その異常型が狂牛病やヒトCJDの病
原体となることで知られているが、PrPは哺乳動物間
でアミノ酸配列の相同性は90%以上である。一方、哺
乳動物とニワトリの間ではその相同性がわずか30%台
であるため、これまでに作成された哺乳動物PrPを認
識するマウスモノクローナル抗体作成の成功例はわずか
である。本発明者らは、すでにNeuGcや哺乳動物P
rPを認識できるニワトリ型mAbの作成に成功し、そ
れらをヒトがんの診断や狂牛病・ヒトCJDの研究に活
用することができていた。
ニワトリ型モノクローナル抗体の最大の欠点は、その抗
体を産生するハイブリドーマ(融合細胞)の抗体産生能
力が低いことであった。このように、ニワトリ型モノク
ローナル抗体は、他の哺乳動物では作成が困難であるモ
ノクローナル抗体を作成することができるが、その抗体
産生細胞(ハイブリドーマ)の抗体産生能力がマウスや
ラットより低いことが大きな欠点であり、実用化にあた
っての大きな障害となっていた。
して組み換え抗体(リコンビナント抗体)をファージ表
面に発現させる技術が開発された。このファージディス
プレイ抗体技術は1991年に英国MRC研究所のWi
nterらによって開発されたシステムで(Winter,
G., et al., Nature, 349, 293-299 (1991))、非免疫
ヒト末梢血リンパ球から抗体遺伝子を単離し、人工的に
VH、VL遺伝子をシャッフリングさせ多様化したsc
Fv(single chain Fragment of variable region)抗
体をファージ融合タンパクとして発現させ、特異抗体を
得た(Marks, J.D., et al., J. Mol. Biol., 222, 581
-597 (1991))。この技術は、免疫を回避でき、さらに
細胞融合法に変わるヒト化抗体作製技術として高く評価
された。現在では高度免疫したマウス脾細胞を利用して
実用的抗体が数多く作製され、抗PrP抗体も同様に作
製されている(Williamson, R. A., et al., Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA., 99, 7279-7282 (1996))。
下に示す国内外の2つのグループからの報告が挙げられ
る。Daviesらは、非免疫状態のファブリキウス嚢由来抗
体遺伝子と、発現ベクターfd−tet−DOG 1か
ら3種の特異抗体を樹立し、哺乳動物以外でも同様にこ
の技術の適応が可能であり、しかも免疫を回避して作出
できることを証明した(Davis, E. D., et al., J. Imm
unol. Methods, 186,125-135 (1995))。しかしなが
ら、作出された抗体の反応性は極めて低く、また発現ベ
クターの構造からファージディスプレイ抗体しかできな
いという欠点があった。一方、山中らは、マウスアルブ
ミン免疫脾細胞由来の抗体V領域遺伝子と、独自に開発
した発現ベクターpPDSを利用して十分な反応性を示
す特異的ファージディスプレイ抗体の構築を報告し、実
用化抗体の作製には、免疫脾細胞由来抗体遺伝子ライブ
ラリーの利用を強調した(Yamanaka, H. I., et al.,
J. Immunol., 157, 1156-1162 (1996))。ここで使用し
たpPDSは、マウス抗体発現用ベクターとして開発さ
れたもの(Yamanaka, H. I., et al., J. Biochem.,11
7, 1218-1227 81995))で、STRATA GENE社から市販され
ているクローニング用ファージミドベクターのpBlu
escriptIIをベースとしている。
す。pPDSは、そのラクトースオペロン(Lac)プ
ロモーターを利用し組み込んだscFv抗体cDNAの
発現を誘導するようになっている。プロモーターの下流
には、リボゾーム結合部位(RBS)およびM13 g
eneIIIのリーダー配列(g3l)を人工的に繋ぎ込
み、EagIとBssHIIとからなるクローニングサイ
トで組み込まれた抗体遺伝子が大腸菌のペリプラズムを
経て再構成ファージ体として発現できるよう設計されて
いる。更にその下流にはFab抗体の発現に備えてマウ
スCκ鎖遺伝子を繋ぎ、cp3の構造部位へとつながり
終止コドンとなっている。このCκ鎖は、融合タンパク
の発現がうまく行われているかどうかを検証する上でも
非常に有効なタグとなる。また、このpPDSベクター
は、可溶型scFvもしくはFab抗体の発現にも対応
できるように、Cκ鎖とgeneIIIの間にはTAG
(アンバー配列)ストップコドンを挿入しており、通常
はsupEの大腸菌株を用いることによりファージディ
スプレイ抗体として発現されるが、ノンサプレッサー株
で培養すれば、培地中に可溶型抗体が分泌されるように
なる。
型抗体においてはニワトリ抗体遺伝子由来であっても、
検出にはマウスCκ鎖に対する抗体を用いなければなら
ず、サンドイッチELISA等におけるマウス抗体併用
の場合、ニワトリ抗体の正確な測定が不可能であった。
本発明者らは、山中博士よりpPDSの恵与を受け、抗
体産生ニワトリハイブリドーマからファージディスプレ
イ抗体の作出に活用しようとしていることからも、この
問題は解決すべき事項であった。
え法による多量生産に適したニワトリ型モノクローナル
抗体の製造方法を提供するものである。また、本発明
は、そのための新規なプラスミドベクター及びそのため
の新規なプライマーを提供するものである。さらに本発
明は、新規なニワトリ型モノクローナル抗体を提供する
ものである。
法によりニワトリ型モノクローナル抗体を製造する方法
において、ニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)をコードす
る遺伝子が導入されている発現ベクターに、ニワトリ型
モノクローナル抗体のscFvをコードする遺伝子を導
入した発現ベクターを用いることを特徴とするニワトリ
型モノクローナル抗体の新規な製造方法、及びその方法
で製造されるニワトリ型モノクローナル抗体に関する。
また、本発明は、前記方法で使用される新規な発現ベク
ターに関する。さらに、本発明は、ニワトリ型モノクロ
ーナル抗体のVL又はscFvをコードする遺伝子を増
幅させるためのプライマーのひととつが、制限酵素Bs
sHIIで切断できる塩基配列を有することを特徴とする
ニワトリ型モノクローナル抗体のscFvをコードする
遺伝子増幅用のプライマー、及び当該プライマーを使用
してニワトリ型モノクローナル抗体のVL又はscFv
をコードする遺伝子を増幅させる方法に関する。また、
本発明は、ニワトリ型モノクローナル抗体のVL又はs
cFvをコードする遺伝子を増幅させるためのプライマ
ーとして有用な新規なオリゴヌクレオチドに関する。
リオン変換機構解明へのツールとなりうるニワトリ型抗
プリオンタンパク(PrP)パネルモノクローナル抗体
の作製とその安定的な利用を目的として、まず細胞融合
法によって得られた哺乳動物プリオンタンパク(Pr
P)25−29残基(RPKPG)を認識する有効性の
示されたPrP特異的ニワトリ型モノクローナル抗体H
UC2−13を供試材料に、pPDS発現ベクターを用
いたファージディスプレイ抗体技術によるリコンビナン
ト化と大量調製の確立を行った。
パク(PrP)23−231残基を認識するニワトリモ
ノクローナル抗体を次のようにして調製した。リコンビ
ナントヒトプリオンタンパク(PrP)23−231
(約100μg)を4週齢の近交系ニワトリ白色レグホ
ン種H−B15ニワトリの腹腔内に免疫し、その脾臓を
摘出し免疫脾細胞を調製した。これをTK欠損・ウアバ
イン耐性のニワトリB細胞株であるMuH1とPEG法
により融合して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
このようにして得られた抗体産生ハイブリドーマあるい
は免疫ニワトリの脾臓リンパ球から調整した抗体遺伝子
(VHおよびVL領域)をフレキシブルリンカーを介し
て1本鎖にしたscFv(single chain fragment of V
region)を作成した。このscFvを発現させるプラ
スミドベクターとしては、すでに山中(現ロート製薬)
が構築したpPDS(図1参照)があるが、pPDSを
用いると、scFvのN末端側にマウス免疫グロブリン
L鎖のC領域(Cκ)が発現し、V領域がニワトリでC
領域がマウスの組み換え抗体となってしまう。
ることから、反応性には問題ないが、HUC2−13の
ようなバックグラウンド染色のない検出はpPDSベク
ターを使用した場合には得られなかった。リコンビナン
ト抗体作出に使用した発現ベクターpPDSは,山中ら
によりマウス抗体発現用ベクターとして設計・構築され
たものであり、発現するscFv抗体は,変異頻度の極
めて高い抗体V領域で構成されており、安定的に検出す
ることが困難であることから、検出用タグとしてマウス
Cκ鎖が導入されている。したがって、pPDSベクタ
ーを使用して作出したリコンビナント抗体は、抗原認識
部位がニワトリ抗体由来でありながら検出には抗マウス
κ鎖抗体を用いなければならず、その結果として、バッ
クグラウンド染色が生じてきた。リコンビナント抗体に
おいて、マウスCκ鎖を検出用タグとする限り、(1)
高感度検出や定量実験に汎用されるサンドイッチELI
SAを実施した場合、キャプチャー抗体にマウス抗体を
用いたとすると、その抗体をバックグラウンドとして検
出してしまうこと、(2)モデル動物としてマウスを使
用した免疫組織化学染色の場合、そのマウスの持つ免疫
グロブリンを非特異的に検出してしまう、といった問題
点が生じる。
消するとともに、プリオン病解析さらにはより広範な研
究にニワトリ型抗体が活用されることを目的として、抗
ニワトリIg抗体で検出できるよう、pPDS内のマウ
スCκ鎖をニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)に置換した
新規な発現ベクターの構築を試みた。さらに精製を簡便
化する目的から、精製用タグ(FLAG)を導入した純
ニワトリ型リコンビナント抗体発現用ベクターの構築を
おこなった。図2にニワトリリコンビナント抗体発現用
ベクター(pCPDS)の構築の概要を示す。
グした。正常ニワトリ脾細胞から合成したcDNAをも
とにPCRでニワトリCλ鎖を増幅させたところ、Cλ
鎖遺伝子と思われる約340bpのバンドを得た(図3
のA参照)。図3はこれらの結果を示す図面に代わる写
真である。図3中の「M1」はpUC118 Hinf
Iで消化を、「M2」はφx174 HaeIIIで消化
を示す。このバンドを制限酵素処理後ライゲーション
し、形質転換を行った。翌日ランダムに6クローンをア
ルカリSDS法でプラスミド調製を行い、インサートの
有無を確認したところ、全てにインサートが確認され
た。6クローンのうちの1クローン(クローン#1)に
ついて塩基配列決定を行ったところ、114残基のアミ
ノ酸をコードする既報のCλ鎖と完全一致した(図4参
照)。そこで、このクローンをベクター再構築用コンス
トラクト調製のためのテンプレートとした。
トリCλ鎖遺伝子をもとに、再構築コンストラクトに使
用するニワトリCλ鎖遺伝子をPCR法を用いて調製し
た。その結果、副生成物も多々みられたが、約360b
pの位置にニワトリCλ鎖にFLAG配列の付加したと
思われるバンドが検出された(図3のB参照)。このバ
ンドを精製し、geneIII遺伝子とのオーバーラップ
PCR用テンプレートとした。
の増幅は、PCR法を用いて行った。その結果、約60
0bpの位置にgeneIII遺伝子と思われるバンドが
検出された(図3のC参照)。このバンドを精製し、F
LAG配列の付加したニワトリCλ遺伝子とのオーバー
ラップPCR用テンプレートとした。
ーバーラップPCRは、ニワトリCλ鎖遺伝子3’側そ
してgeneIII遺伝子の5’側に付加されたFLAG
配列を介して行った。その結果、約950bpの位置に
ニワトリCλ鎖とgeneIII遺伝子が連結したと思わ
れるバンドが検出された(図3のD参照)。このバンド
を精製し制限酵素処理を行い、EagIとEcoRIで
処理されたpPDSにライゲーション、大腸菌へ形質転
換した。
ワトリCλ鎖遺伝子の増幅でインサートチェックした。
その結果、12クローンで約360bpの位置にニワト
リCλ鎖の増幅が確認できた(図5参照)。図5はこの
結果を示す図面に代わる写真である。図5の「M」はp
UC118 HinfIで消化を示す。これらのクロー
ンはそれぞれpCPDS1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12と命名した。これら12クロ
ーンはscFv遺伝子を含まない状態でファージ体の調
製を行い、発現タンパクの検討を行った。この12クロ
ーン由来のファージ体は、抗マウスIgG(H+L)な
らびに抗ニワトリIgG(H+L)をキャプチャー抗体
とし、ペルオキシダーゼ標識抗M13抗体を検出用抗体
とするサンドイッチELISAでニワトリCλ鎖および
ファージ体の発現確認をした。なお、陽性対照としてp
PDSから発現させたファージ体を用いた。その結果、
pCPDS8と10を除いた残り10クローンで抗ニワ
トリIgG(H+L)をキャプチャー抗体とした場合、
ELISA値(OD492)平均0.6の反応性であっ
た(図6)。図6はこの結果を示すものであり、黒塗り
はキャプチャー抗体として抗マウスIgG(H+L)を
使用した場合を示し、白抜きはキャプチャー抗体として
抗ニワトリIgG(H+L)を使用した場合を示す。こ
れらのクローンは、抗マウスIgG(H+L)をキャプ
チャー抗体とした場合には、平均0.17と低値であ
り、さらにpPDSでの反応性に比べ明らかに低いこと
から構成されたベクターは再構築用コンストラクトを正
確に発現する再構築ベクターであることがわかった。
図7に示す。上述した実験で、正確なニワトリCλ鎖お
よび再構成ファージの発現が確認された再構築ベクター
pCPDS7を用い、図8〜図13に示すニワトリ抗体
をコードする遺伝子HUC2−13のファージディスプ
レイ抗体および可溶型抗体を調製した。調製したリコン
ビナント抗体は、HUC2−13とあわせてH25ペプ
チドに対する反応性の確認を試みた。その結果、一次抗
体を希釈なしで用いた場合、全ての抗体でELISA値
(OD492)が1.5を越えた。希釈した場合、HU
C2−13および菌体破壊から調製した可溶型抗体では
25倍希釈までほとんどELISA力価の低下はみられ
なかった。一方、ファージディスプレイ抗体および培養
上清からの可溶型抗体では低下傾向にあり、125倍希
釈では陽性ELISA力価が得られなかった。菌体破壊
から調製した可溶型抗体は、125倍希釈からHUC2
−13のELISA力価を上回っていた(図14参
照)。
図14中の黒四角印はニワトリ型ファージディスプレイ
抗体を示し、灰色菱形印はニワトリ型可溶型抗体(培養
上清)を示し、灰色丸形印はニワトリ型可溶型抗体(菌
体破壊)を示し、灰色三角形印はHUC2−13(ネイ
ティブ抗体)を示す。
ナント抗体作製のためのベクターの再構築ができりこと
がわかった。このベクターから得られた純粋なニワトリ
リコンビナント抗体は、マウス抗体によるノイズが少な
く、検出のS/N比を高くすることができる。本発明の
ベクターの構築に当たって、(1)機能的なScFv抗
体が発現できる、(2)将来的にFab抗体も作製でき
るようなベクターにする、(3)簡便に精製できる、の
3点に留意した。この3点を考慮し、マウスCκ鎖の代
わりにニワトリCλ鎖を、精製用タグとしてFLAG配
列と呼ばれる人工配列を選択した。
ベクターをベースとし、適当な制限酵素部位を利用して
コンストラクトの入れ替えという形でできるようにし
た。pPDSは、scFv抗体クローニングサイト以降
geneIII終止コドンの直後のEcoRIまで、位置
的にも適当な制限酵素部位がないためEagI−Eco
RI間、もしくはBssHII−EcoRI間でコンスト
ラクトを置換せざるを得なかった。ニワトリCλ鎖とS
cFv抗体遺伝子の連結部位は、自然なVL−Cλアミ
ノ酸配列に近似するよう注意しながら、高切断効率であ
り、かつベクターやScFv抗体遺伝子を切断しない制
限酵素とその設置部位を選定した。この切断位置を検討
するために、Vλ領域とCλ領域の結合をまとめた。こ
れを表1として示す。
タリックは置換に問題があるアミノ酸を示す。1)で示
されるアミノ酸配列に対応する塩基配列はpPDS用の
プライマー配列であり、2)で示されるアミノ酸配列に
対応する塩基配列は本発明のニワトリ型抗体発現ベクタ
ー用のプライマー配列であることを示す。この結果、ふ
たたびBssHIIとなったが、BssHII−EcoRI
間でコンストラクトの置換を行うと、空ベクター発現時
にフレームシフトが生じ正確にタンパク発現されないこ
とから、ベクターの有効性を確認できないことが明らか
となった。そこで、新たなEagI−BssHII間のス
ペーサーをつけ加えたEagI−EcoRI間コンスト
ラクトを導入することにした。
eneIIIはpPDSから遺伝子を準備した。一方、F
LAG−アンバー配列はプライマーの一部に導入し、C
λ鎖増幅時に連結させることとしたが、煩雑な脾臓細胞
由来cDNA群からCλ鎖増幅時にこの54塩基もある
プライマーを用いるのは危険であると判断し、いったん
クローニングしたCλ鎖をテンプレートとしてFLAG
−アンバー連結PCRを行うことにした。EagI−B
ssHIIのscFv抗体遺伝子クローニングサイト−ニ
ワトリCλ鎖−FLAG−アンバー配列(TAG)−g
eneIIIまでの再構築用コンストラクトは全てKOD
DNAポリメラーゼを用いたPCR法で作製した。E
agIとEcoRIで処理したpPDSにライゲーショ
ンし、最終的に10クローンのニワトリCλ鎖、再構成
ファージ体を発現するベクターが得られた(図6参
照)。
リリコンビナント抗体作製のための概要を図15に示
す。これを順に説明する。 (1)抗体V領域遺伝子(VHおよびVL)の調製 抗体産生ハイブリドーマからRNAを抽出し、RT−P
CR(逆転写PCR)により合成したcDNAを元に、
下記の表2に示す合成プライマーセット(VH増幅用プ
ライマーセット、VL増幅用プライマーセット)を用い
て増幅する。 (2)scFvの構築 (1)の実験で得たVHおよびVLの増幅産物を精製し
た後、VHおよびVLを、リンカ(scFv linker)(−
(Gly−Gly−Gly−Ser)3−)を用いて連
結する(アッセンブリー反応)。 (3)scFvの再増幅と制限酵素処理 scFvの再増幅のための下記表2に示すプライマー・
セット(CHBとCLF1)を用いて、(2)で構築し
たscFvの再増幅を行い、scFvを精製した後、プ
ラスミドベクターpCPDSに挿入するため、制限酵素
(EagIとBssHII)を用いてscFv挿入遺伝子
断片(インサート)を調製する。
Sへの挿入(ライゲーション) pCPDSとインサートを1:1〜10(モル比)に調
整し、Ligation Kit ver.1(タカラ社製(TAKARA))を
用いてライゲーションを行う。 (5)大腸菌の形質転換 インサートを挿入したpCPDS(10μl)を用い
て、大腸菌(XL1−blue,100μl)を形質転
換する。 (6)インサートを発現する形質転換大腸菌の選抜 増殖させた大腸菌のコロニーから複数の大腸菌コロニー
を任意に取り、プライマー・セットを用いてscFvの
増幅を行い、インサートを発現する形質転換大腸菌を選
抜する。 (7)ファージ発現抗体の作成 選抜済み大腸菌にヘルパーファージを感染させ、ファー
ジ発現抗体を作成する。 (8)特異的ファージ抗体の選抜のためのバニシング 抗原(プリオンタンパク)を固相化したプレートにファ
ージ発現抗体を反応させた後、反応したファージ発現抗
体のみを回収し、大腸菌に感染して特異的ファージ抗体
を選抜する。 (9)可溶化抗体の作成 特異的ファージ抗体をノンプレッサー大腸菌(SOLA
あるいはHB2151)に感染させる。感染24時間後
に、大腸菌培養上清および培養菌体を回収し、上清およ
び菌体破壊抽出物を可溶化抗体とする。 (10)可溶化抗体の生成 抗FLAG抗体結合アガロースゲルを用いて可溶化抗体
をアフィニティ精製する。
CPDSを用いることにより純粋なニワトリリコンビナ
ント抗体を製造することができる。この本発明のニワト
リ型抗体を作成するためのscFvの製造についてさら
に詳細に説明する。哺乳動物と鳥類では、抗体遺伝子の
多様性獲得メカニズムが異なっており、哺乳動物抗体遺
伝子では多数のV遺伝子のうちの1つが再構築するが、
鳥類抗体遺伝子では、機能する抗体遺伝子はただ1つで
あり、この機能的抗体遺伝子内に偽V遺伝子がランダム
に挿入される。図16は哺乳動物(図16上段)と鳥類
(図16下段)における抗体H鎖を模式的に示したもの
である。哺乳動物抗体遺伝子では多数のV遺伝子のうち
の1つが再構築するために、5’側の塩基配列も変動
し、抗体の種類によってプライマーを用意しなければな
らないのであるが、鳥類抗体遺伝子では、機能する抗体
遺伝子はただ1つであり、この機能的抗体遺伝子内に抗
体の種類に応じた偽V遺伝子がランダムに挿入されるた
めに、どの種類の抗体であったも5’側の塩基配列も基
本的に変動しない。
らPCRで増幅しようとする場合、哺乳動物V遺伝子
は、多数のV遺伝子のどれが用いられているかわからな
いので、抗体の種類に応じて5’側(V遺伝子側)に多
数のプライマーを合成し、準備しなければならない。一
方、鳥類V遺伝子は、ベースとなる機能的V遺伝子が1
つであるので、あらかじめその塩基配列がわかっている
ので、5’側1つ、3’側1つの1ペアのプライマー
で、全ての抗体産生細胞に対応できる点も、鳥類の抗体
を用いる際の大きな特徴である。本発明が開示する鳥類
用のプライマーを次の表2に示す。
ることにより、基本的にはどのような抗体であっても、
鳥類、好ましくはニワトリの抗体遺伝子を増幅させるこ
とが可能となる。この中で、CLF1として示されるプ
ライマーは、新規な塩基配列を有するものであり、その
途中に制限酵素BssHIIで切断できるサイト(gcg
cgc)を有していることを大きな特徴とするものであ
る。この塩基配列を配列表の配列番号1に示す。図17
は、このプライマーCLF1の使用状況を模式的に示し
たものであり、図17の上段の左側がVL領域であり、
そのすぐ右側がCλ領域である。前記してきたように、
発現ベクターpCPDSにおいてはVL領域とCλ領域
が制限酵素BssHIIで結合されるために、VL領域の
3’末端とCλ領域の5’末端の結合の様子を示してい
る。図17の丸2で示した塩基配列の四角枠で囲った部
分が制限酵素BssHIIで切断可能な位置である。そし
て、前述してきたように鳥類ではVL領域の末端の塩基
配列は抗体の種類により変動しなのであるから、このプ
ライマーCLF1を用いることによりVL領域及びVH
−リンカー−VLからなるscFvをも増幅可能とな
る。
コンビナント抗体を製造するための新規なプライマーセ
ット、新規な発現ベクターpCPDS、及びそれを用い
て製造される純粋なニワトリリコンビナント抗体を提供
するものである。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
現用ベクターの設計 ニワトリリコンビナント抗体発現用ベクターの設計は、
pPDSベクターをベースに行った。pPDSにすでに
挿入されているマウスCκ鎖遺伝子をニワトリCλ鎖遺
伝子に置換し、その際VLとCλ連結の配列がgermline
のアミノ酸配列に近似し、使用遺伝子が切断されないよ
うなクローニング用制限酵素部位を選択した(表1参
照)。また、インサートのない状態(Mock)でもニ
ワトリCλ鎖の発現でベクター検定できるようEagI
以降のスペーサー配列も新たに設計し直した。ニワトリ
Cλ鎖の下流には精製用タグであるFLAG配列(DY
KDDDDK)、さらにFLAG配列とgeneIIIの
間には可溶型抗体として発現できるようTAG(amb
er)ストップコドンを挿入した。EagI部位からg
eneIIIまで作製したコンストラクトは、EagIと
EcoRI処理したpPDSにライゲーションし、ニワ
トリリコンビナント抗体発現用ベクターとした(図2参
照)。
ーの設計と合成 ニワトリCλ鎖遺伝子クローニング用プライマーは、既
報のCλ鎖塩基配列をもとにOLIGO 4.05 Primer Analys
is Software(National Bioscinece)を用いて設計し、
北海道システムサイエンスに委託して合成した。 (2) ニワトリCλ鎖遺伝子の増幅とクローニング ニワトリCλ鎖遺伝子の増幅は、正常ニワトリ脾細胞か
ら後記する方法に準じRT−PCR法で行った。PCR
反応液は、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム
抽出後エタノール沈殿濃縮し、DW 20μlに再溶解
した。その溶液に16U/μlのBamHIと20U/
μlのHindIIIをそれぞれ1μlずつ添加し、37
℃ 2時間の制限酵素処理し、エタノール沈殿濃縮をし
た。濃縮後のサンプルは、DW 10μlに再溶解し、
1.5%アガロースゲルを用いて電気泳動後、UltraCle
anで精製し、DW 10μlに再溶解した。濃度測定
後、pBluescriptII SK(−)とモル比が
ベクター:インサート=1:3になるように混合し、TA
KARA Ligation Kit ver.1で16℃ 3時間ライゲーシ
ョンした。ライゲーション終了後、その反応液5μlを
コンピテントセルに形質転換し、40μlをアンピシリ
ン含有2×YTプレートにプレーティングした。翌日、
得られたコロニーを単離しアンピシリン含有2×YT培
地で少量培養し、アルカリ−SDS法でプラスミドを調
製後、BamHI、HindIIIで制限酵素処理し、イ
ンサート有無の確認をした。定法にしたがって、その塩
基配列を決定した(図4参照)。
子の調製 (1) ニワトリCλ鎖遺伝子増幅用プライマーの設計
と合成 再構築ベクターのコンストラクトとなるニワトリCλ鎖
遺伝子の増幅用プライマーは、scFv抗体遺伝子クロ
ーニングサイトになるようEagI、BssHIIを組み
込み、さらに空ベクターでも発現できるようフレームシ
フトに留意したセンスプライマーと、FLAG−アンバ
ー−geneIII−5’末端配列を付加してpPDSか
ら単離したgeneIIIと連結できるようにしたアンチ
センスプライマーを設計し、その合成した。 (2) ニワトリCλ鎖遺伝子の増幅 塩基配列決定後、データバンクと照会し完全一致したク
ローンは、塩化セシウム法で大量調製した。調製したサ
ンプルをテンプレートとし、オーバーラップPCR用ニ
ワトリCλ鎖遺伝子を調製した。PCR反応液は、フェ
ノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出後エタノー
ル沈殿濃縮し、DW 10μlに再溶解した。この反応
液を1.5%アガロースゲルで電気泳動後、Ultra
Cleanで精製、DW 10μlに再溶解し、VCS
−M13由来geneIIIとのオーバーラップPCR用
サンプルとした。
geneIIIの調製 (1) geneIII増幅用プライマーの設計と合成 pPDSからのgeneIII増幅には、ニワトリCλ鎖
とFLAG−アンバー配列を介して連結できるようなセ
ンスプライマーとgeneIIIの終止コドン直後にEc
oRIを導入したアンチセンスプライマーを設計し、合
成した。 (2) geneIIIの増幅 VCS−M13由来geneIIIの調製は、pPDSベ
クターからPCR法で行った。PCR反応液は、フェノ
ール抽出、フェノール・クロロホルム抽出後エタノール
沈殿濃縮し、DW 10μlに再溶解した。この反応液
を1.5%アガロースゲルで電気泳動後、UltraC
leanで精製、DW 10μlに再溶解し、ニワトリ
Cλ鎖とのオーバーラップPCR用サンプルとした。
との連結反応 ニワトリCλ鎖とgeneIIIとの連結は、モル比1:
1で混合したテンプレートをもとにアッセンブリー反
応、再増幅反応で行った。PCR反応液は、フェノール
抽出、フェノール・クロロホルム抽出後エタノール沈殿
濃縮し、DW 10μlに再溶解した。この反応液を
1.5%アガロースゲルで電気泳動後、UltraCl
eanで精製、DW 10μlに再溶解した。
Cκ鎖、geneIIIの除去とニワトリCλ鎖−gen
e3の挿入 pPDSベクターにニワトリCλ鎖−geneIIIを挿
入するため、10U/μlのEagIと10U/μlの
EcoRIで制限酵素処理し、さらに、分子内ライゲー
ションを防ぐためBAP処理を行った。BAP処理後の
反応液は、1.0%アガロースゲルを用いて電気泳動
し、UltraCleanで精製後、DW10μlに再
溶解し、再構築用サンプルとした。また、ニワトリCλ
鎖−geneIIIも同様に制限酵素処理、精製して10
μlの再構築用サンプルを準備した。調製した再構築用
サンプルは濃度測定後、ベクター:インサートのモル比
が1:3になるように混合し、TAKARA Ligation Kit ve
r.1で16℃ 3時間ライゲーションし、その反応液5
μlをコンピテントセル50μlに形質転換した。形質
転換した大腸菌はアンピシリン含有2×YTプレートに
40μlプレーティングし、終夜37℃で培養した。挿
入遺伝子は,コロニーをテンプレートにニワトリCλ鎖
のPCR法による増幅で確認した。
A法で行った.抗ニワトリIgG(H+L)抗体(Kirk
egaard and Perry Laboratories)と抗マウスIgG
(H+L)抗体(Kirkegaard and Perry Laboratorie
s)を0.5μg/wellで4℃ 終夜固相化し、ブ
ロッキングの後、挿入遺伝子の確認できたコロニーをも
とにscFv抗体発現なしの再構成ファージ体を50μ
l/well添加し、37℃ 1時間反応させた。反応
後、3,500倍希釈したHRPO標識抗M13抗体を
37℃ 1時間反応させo−フェニレンジアミンを基質
として発色させた。10分間の反応後、492nmの吸
収をマイクロプレートリーダMPR−A4iで測定し
た。
胞株MuH1を親株として、細胞融合で作成された哺乳
動物プオリンタンパクPrPの25−29残基を認識す
る抗PrPニワトリモノクローナル抗体HUC2−13
産生ハイブリドーマを使用した。なお、細胞は10%F
BS(Fetal bovine serum)(SIGMA)含有IMDM(I
scove's modified Dullbecco's medium)(GIBCO BRL)
を用い、38.5℃、5%CO2インキュベーター内で
培養維持した。その培養上清は、抗PrPニワトリモノ
クローナル抗体HUC2−13として利用した。 (2) 抗体V遺伝子のRT−PCRによる増幅 (2−1) RNAの抽出とcDNAの合成 供試細胞のRNAは、ISOGEN−LS(Nippon Gen
e)を用い、添付のプロトコールに従い単離した。単離
したRNAは、ジエチルピロカーボネート処理蒸留水
(diethylpyrocarbonate-distilled water、DEPC-DW)
20μlに再溶解した。1st strand cDN
Aの合成は、Oligo−dTプライマー法を用いて行
った。1〜5μgの全RNA溶液に500μg/ml
Oligo dT15プライマー(Boehringer Mammhei
m)を1.0μl加え、蒸留水(D.W)で12μlに
調製した。この混合液を70℃で10分間インキュベー
トし、氷冷後、5×逆転写バッファー(GIBCO BRL)を
4.0μl、0.1Mジチオスレイトール(dithiothre
itol、DTT)(GIBCO BRL)を2.0μl、5mM
dNTPs(GIBCO BRL)を2.0μl加え、42℃で
2分間インキュベートした。その後、200U/μl逆
転写酵素(SuperscriptII RT)(GIBCO
BRL)を1.0μl加え、42℃で50分間、続いて7
0℃で15分間インキュベートした。合成したcDNA
は−20℃で保存した。 (2−2) VH、VL抗体遺伝子ならびにリンカー遺
伝子の増幅と精製 PCR(polymerase chain reaction)法によるVH、
VL抗体遺伝子の増幅には、(2−1)で合成したcD
NAを、リンカー遺伝子の増幅にはリンカー供給用に構
築されたプラスミドpLINKをテンプレートとし、そ
れぞれ1ペアのセンスプライマーおよびリバースプライ
マー、KOD DNAポリメラーゼ(TOYOBO)、Clo
ned Pfu DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)
を用いた。また、陽性対照として、Yamanakaらが作製し
た抗マウスアルブミンモノクローナル抗体3C8(ニワ
トリリコンビナント抗体)を供試した。VH、VL抗体
遺伝子のPCR反応溶液は、フェノール抽出、フェノー
ル・クロロホルム抽出、10mg/ml グリコーゲン
2μlを加えたエタノール沈殿によって濃縮した後、
1.5%アガロースゲル(和光純薬)を用いて電気泳動
した。得られたバンドは、Ultra Clean(MO
BIO laboratories、 Inc.)で添付プロトコールに従い
精製し、DW 20μlで溶出させた。リンカー遺伝子
のPCR反応溶液は、VH、VL抗体遺伝子の精製と同
様に行った。ただし、電気泳動には3.0%アガロース
ゲルを用いた。
精製 scFv抗体遺伝子合成増幅のためのアッセンブリー反
応ならびに再増幅反応は、精製したVH、VL、および
リンカーをそれぞれモル比1:1:1で混合して行っ
た。scFv抗体遺伝子のPCR反応溶液は、フェノー
ル抽出、フェノール・クロロホルム抽出、10mg/m
l グリコーゲン 2μl加えたエタノール沈殿によっ
て濃縮した後、1.5%アガロースゲルを用いて電気泳
動した。得られたバンドは、Ultra Cleanで
添付プロトコールに従い精製し、DW 20μlで溶出
させた。 (3) 発現ベクター(pPDS)の調製 ロート製薬(株)山中八郎博士より分与を受けたファー
ジディスプレイ用発現ベクター(pPDS)(図1)
を、Escherichia coli XL1-Blueへ塩化ルビジウム法に
よる形質転換を行い、50μg/mlアンピシリン含有
2×YTプレートにプレーティング後、37℃の終夜培
養をした。得られたコロニーは選択採取し、50μg/
mlアンピシリン含有2×YT培地で大量振盪培養し
た。培養した大腸菌からのベクター精製は、塩化セシウ
ム密度勾配平衡遠心法により行った。 (4) 制限酵素処理とBAP処理 精製したscFv遺伝子断片2μgとベクターpPDS
10μgは、DNA1.0μgに対して4.0UのEa
gI(New England BioLabs, Inc.)を添加し、37℃
で終夜処理した。EagI処理後、同様の比率で反応液
にBssHII(New England BioLabs, Inc.)を添加
し、50℃で4時間処理した。BssHII処理後,68
℃、20分間の酵素失活処理をし、反応液をDWで30
0μlにメスアップした上でフェノール抽出、フェノー
ル・クロロホルム抽出、10mg/mlグリコーゲン
2μlを加えたエタノール沈殿をし、DW 30μlに
再溶解した。ベクターは、分子内ライゲーションを防ぐ
ため大腸菌由来アルカリフォスファターゼ(Bacterial
alkaline phosphatase、BAP)(TOYOBO)を用いて脱
リン酸化処理した。ベクター30μlに5×BAPバッ
ファー10μl、アルカリフォスファターゼ(0.4U
/μl)3μl、DW 7μlを加え、37℃ 3時間
の処理を行った。処理後の反応液は、DWで300μl
にメスアップした上でフェノール抽出、フェノール・ク
ロロホルム抽出、10mg/ml グリコーゲン 2μ
l加えたエタノール沈殿をし、DW 30μlに再溶解
した。
比が3:1になるように調製し、DNA ligation kit
ver.1(TAKARA)を用いてライゲーション反応を行っ
た。なお、その方法は添付プロトコールに従った。 (6) 形質転換(塩化ルビジウム法) 形質転換は、−85℃で保存したEscherichia coli XL1
-Blueコンピテントセル溶液100μlを氷中で融解
し、これにライゲーション溶液を10μl加え、氷中3
0分間静置した。次に42℃、2分間熱処理し、すばや
く氷中に移して2分間静置した。SOC培地を1.0m
l加え37℃で1時間振盪培養し、10μlを100μ
g/mlアンピシリン含有SOBAGプレートにプレー
ティング、37℃で終夜培養した。 (7) 挿入DNA断片の確認 挿入DNAであるscFv遺伝子の確認は、pPDSベ
クター由来の配列であり挿入部位を完全に増幅できるよ
うに設計したLac Z上流配列のM13−R、および
マウスCκ鎖内配列のSLP−1の1ペアプライマーを
用い、コロニーをテンプレートとしたPCR法で行っ
た。 (8) ファージディスプレイ抗体の調製 形質転換後、挿入DNA断片の確認されたコロニーは、
50μg/mlアンピシリン含有SOC培地 2mlで
30℃、ゆっくりとした終夜振盪培養をした。翌日、培
養液 0.8mlに、100μg/mlアンピシリン含
有SuperBroth培地 0.2ml、および2M
グルコース 37μlを添加した。50mlチューブで
37℃、3時間振盪培養した後、5×109pfuのヘ
ルパーファージ(VCS−M13)を加え穏やかに振盪
しながら30分間培養しファージを感染させた。さらに
30分間強めに振盪培養した後、室温で800×g 1
0分間の遠心を行い上清を捨てた。沈殿物は、1mlの
100μg/mlアンピシリン、50μg/mlカナマ
イシン含有Super Broth培地で再懸濁した
後、同培地9mlを加えて激しく振盪しながら終夜培養
した。翌日冷却後、800×g 10分間の遠心で菌体
を除き、0.45μmポアフィルター(関東化学)で上
清を濾過し、その濾液をファージディスプレイ抗体浮遊
液とした。なお、抗体は4℃もしくは−20℃で保存し
た。得られたコロニーから10コロニーをランダムに単
離し、PCRでインサート(scFv遺伝子断片)の有
無を確認した。その結果、10クローン中4クローン
(クローン#:1,3,5,および6)でインサートが
確認され、これをもとにファージディスプレイ抗体を調
製し、これら4種のファージディスプレイ抗体をそれぞ
れHUC2p1,HUC2p3,HUC2p5およびH
UC2p6と命名した。 (9) 可溶型抗体の調製 可溶型抗体は、アンバー配列ノンサプレッサー株である
Escherichia coli XL1-Blue SOLR株(SOLR株)にフ
ァージディスプレイ抗体を感染させることにより作成し
た。SOLR株は25μg/mlカナマイシン含有SO
C培地2mlで終夜培養し、その培養液200μlにフ
ァージディスプレイ抗体5μlを加えて37℃で1時間
感染させた。この培養液を2×YT培地で希釈し、10
0μg/mlアンピシリン含有2×YTプレートにプレ
ーティングし、37℃で終夜培養した。得られたコロニ
ーをテンプレートとしたPCRでscFv抗体遺伝子断
片が確認されたものを50μg/mlアンピシリン含有
Super Broth培地2mlで培養した。その培
養液500μlにSuper Broth培地4.5m
lを加え、さらにアンピシリン、カナマイシンをそれぞ
れ終濃度100μg/ml、50μg/mlとなるよう
に加え37℃、2時間振盪培養した。その後、終濃度が
1mMとなるようにIPTGを加え、さらに4時間振盪
培養した。培養液は氷冷後、室温で800×g 10分
間遠心し、その上清を回収した。上清はさらに0.45
μmポアフィルターで濾過滅菌し、その濾液を可溶型抗
体液(培養上清)、また、沈殿物は培養液同容量のPB
S 5mlで撹拌後、Handy Sonic mod
el UR−20P(トミー精工)で超音波処理しその
濾液を可溶型抗体液(菌体破壊抽出物)として調製し
た。なお、抗体は4℃もしくは−20℃で保存した。
の再構築ベクターを用いた発現 実施例8の(8)で構築したHUC2p3からScFv
抗体遺伝子を再構築ベクター用に設計したプライマーを
用い、増幅させた。反応液は、フェノール抽出、フェノ
ール・クロロホルム抽出後、エタノール沈殿濃縮し、D
W 20μlに再溶解した。塩化セシウム法を用いた大
量調製後の再構築ベクターならびにHUC2p3由来S
cFv抗体遺伝子は、10U/μlのEagIと10U
/μlのBssHIIで制限酵素処理した。さらに、ベク
ターは分子内ライゲーションを防ぐためBAP処理を行
った。処理後の反応液は、1.0%アガロースゲルを用
いて電気泳動し、UltraCleanで精製後、DW
10μlに再溶解し、再構築用サンプルとした。調製
した再構築用サンプルは濃度測定後、ベクター:インサ
ートのモル比が1:3になるように混合し、TAKARA Lig
ation Kit ver.1で16℃ 3時間ライゲーションし、
その反応液5μlをコンピテントセル50μlに形質転
換した。形質転換した大腸菌はアンピシリン含有2×Y
Tプレートに40μlプレーティングし、終夜37℃で
培養した。インサートのチェックは、scFv抗体遺伝
子増幅用のプライマーを用い、コロニーをテンプレート
とするPCRで行った。インサートの確認できたコロニ
ーは、実施例8に記載した方法に準じてファージディス
プレイ抗体を調製した.
行った。
可溶型抗体の反応性は、H25ペプチドを抗原としてE
LISAで解析した。一次抗体のリコンビナント抗体な
らびにネイティブ抗体は15,625倍までの5倍段階
希釈液を用いた。二次抗体に2,000倍希釈したHR
PO標識抗ニワトリIgG(H+L)(Kirkegaard and
Perry Laboratories)を用いたELISAで解析し
た。即ち、5μg/ml濃度のH25ペプチドを96ウ
ェルプレートに50μl/well(0.25μg/w
ell)ずつ添加し、4℃、終夜固相化しこれを抗原プ
レートとした。抗原プレートはBlockAce(雪印
乳業)をPBSで25%に希釈したものを400μl/
well加え37℃ 1時間ブロッキングし、PBS−
Tween 20(0.05%)で3回洗浄した。一次
抗体反応は、リコンビナント抗体を50μl/well
加え、37℃、2時間静置して行った。PBS−Twe
en 20(0.05%)で5回洗浄後、二次抗体反応
として10%BlockAceで3,000倍希釈した
ペルオキシダーゼ標識抗M13抗体(Amersham Pharmac
ia biotech)を加え、37℃ 1時間静置した。PBS
−Tween 20(0.05%)で8回洗浄後、o−
フェニレンジアミン(ペルオキシダーゼ標識二次抗体使
用時)(SIGMA)もしくはp−ニトロフェニルフォスフ
ェート(アルカリフォスファターゼ標識二次抗体使用
時)(Kirkegaard and Perry Laboratories)を用いて
20分間の発色を行い、492もしくは405nmの吸
収をマイクロプレートリーダ MPR−A4i(TOS
OH)で測定した。
びVL)の調整 抗体産生ハイブリドーマからRNAを抽出し、RT−P
CR(逆転写PCR)により合成したcDNAを元に、
表2に示す合成プライマーセット(VH増幅用プライマ
ーセット、VL増幅用プライマーセット)を用いて、V
H及びVL領域を増幅する。 (VH増幅条件) 10x KOD buffer 1 5μl 25mM MgCl2 3μl 2.0mM dNTPS 4μl プライマーCHB(10nmol/ml)* 5μl プライマーCHSF(10nmol/ml)* 5μl cDNA 1μl KOD polymerase 0.5μl DW 26.5μl *VL増幅条件はプライマーCLSBとCLF1を用いる。 以上のPCR混合物を作り、サーマルサイクラーにセッ
トして、以下のPCRサイクル条件でVHとVLの増幅
を行う。 (PCRサイクル条件) ・98℃10秒x1回 ・(98℃15秒、60℃7秒、74℃20秒)x30
回 ・74℃30秒 ・4℃
後、VHおよびVLを、リンカ(scFv linke
r)を用いて連結する(アッセンブリー反応)。 (連結条件) 10x KOD buffer 1 2.5μl 25mM MgCl2 2.1μl 2.0mM dNTPs 10μl VH(0.125pmol/μl) 1μl VL(0.125pmol/μl) 1μl scFv linker(0.125pmol/μl) 1μl KDO polymerase 0.3μl DW 7.1μl 以上のPCR 混合物を作り、サーマルサイクラーにセ
ットして、以下のPCRサイクル条件でVHとVLの連
結を行う。 ・98℃10秒x1回 ・(98℃15秒、65℃30秒)x7回 ・74℃30秒x1回 ・4℃
処理 scFvの再増幅のための表2に示すプライマー・セッ
ト(CHBとCLF1)を用いて、実施例13で構築し
たscFvの再増幅を行い、scFvを精製した後、プ
ラスミドベクターpCPDSに挿入するため、制限酵素
(EagIとBssHII)を用いてscFv挿入遺伝子
断片(インサート)を調製する。 (再増幅反応) 10xKOD buffer 1 2.5μl 2.0mM dNTPs 4μl scFvプライマーCHB(10nmol/ml) 3μl scFvプライマーCLF1(10nmol/ml) 3μl KOD polymerase 0.3μl DW 12.2μl (PCR温度条件) ・98℃10秒x1回 ・(98℃15秒、65℃7秒、74℃20秒)x30回 ・74℃30秒x1回 ・4℃ (制限酵素処理) ・scFvの制限酵素処理 scFv fragment 20μl 10xNEBuffer3 5μl DWで 48μl EagI(50units/μl) 37℃で一晩処理 ・pCPDS vectorの制限酵素処理 pCMDS vector(5μg) xμl 10xNEBuffer3 9μl DWで 88μl EagI(50units/μl) 37℃で一晩処理 ・電気泳動でベクターの消化が完全に行われたことを確
認した後、2μlのBssII(20units/μl)
を加え、50℃3〜4時間消化する。 ・68℃20分間処理し、酵素を失活させる。 ・scFvの精製 ・pCPDSはセルフライゲーションを防ぐためにBA
P処理し、精製する。
CPDSへの挿入(ライゲーション) pCPDSとインサートを1:1〜10(モル比)に調
整し、Ligation Kit ver.1(タカラ社製(TAKAR
A))を用いてライゲーションを行う。 ベクター Xμl インサート Yμl 5 x ligation buffer 1μl DWで 5μl A buffer 20μl B buffer 5μl 16℃で4〜終夜処理。
て、大腸菌(XL1−blue,100μl)を、実施
例8に記載の方法に準じて順形質転換する。インサート
を発現する形質転換大腸菌を、増殖させた大腸菌のコロ
ニーから複数の大腸菌コロニーを任意に取り、プライマ
ー・セットを用いてscFvの増幅を行い、インサート
を発現する形質転換大腸菌を選抜する。
8に記載の方法に準じてファージ発現抗体を作成する。
ためのバニシング 抗原(プリオンタンパク)を固相化したプレートにファ
ージ発現抗体を反応させた後、反応したファージ発現抗
体のみを回収し、大腸菌に感染して特異的ファージ抗体
を選抜する。パニングは、抗原抗体反応を利用した高親
和性抗体選抜法である。例えば、次のようにして行う。
5μg/ml濃度のマルトース結合タンパク融合リコン
ビナントヒトPrP23−231(MBP−HuPr
P)を96ウェルプレートに50μl/well(0.
25μg/well)ずつ加え、4℃、終夜固相化しこ
れを抗原コートプレートとした。抗原コートプレート1
6ウェルに25%BlockAce 400μl/we
ll加え37℃ 1時間ブロッキングし、PBS−Tw
een 20(0.05%)で3回洗浄した。洗浄後、
ファージディスプレイ抗体浮遊液 1.6ml、Blo
ckAce 704μl、5M NaCl96μlで混
合したものを150μl/well添加し、37℃ 2
時間反応させ、PBS−Tween20(0.05%)
で15回洗浄した。洗浄後のウェルには、溶出液50μ
l/wellを添加し、15分間 室温の反応後、2M
トリス3μl/wellで中和した。中和後、反応液を
回収しOD600=0.5〜1.0に培養したXL1−
Blue 2mlに37℃ 1時間感染させた。感染後
の溶液の一部は力価測定のために、100μg/mlア
ンピシリン含有SOBAGプレートにプレーティング
し、溶出ファージ力価を測定した。さらにPCRによる
インサートチェック後、そのインサート率を溶出ファー
ジ力価に積し陽性溶出ファージ力価を求めた。残りの感
染溶液には50μg/mlアンピシリン含有Super
Broth培地 400μlと2M グルコース37μ
l加え、37℃ 2時間の培養後、5×109pfuの
ヘルパーファージ(VCS−M13)を1時間感染させ
た。感染後、800×g 10分間遠心して上清を除
き、100μg/mlアンピシリン、50μg/mlカ
ナマイシン、25μg/mlテトラサイクリン含有Su
perBroth培地 10mlで終夜培養した。翌日
冷却後、800×g 10分間の遠心で菌体を除き、
0.45μmポアフィルターで上清を濾過し、その濾液
を一次パニング済ファージディスプレイ抗体浮遊液と
し、次回のパニングサンプルとした。
ノンプレッサー大腸菌(SOLAあるいはHB215
1)に感染させる。感染24時間後に、大腸菌培養上清
および培養菌体を回収し、上清および菌体破壊抽出物を
可溶化抗体とする。抗FLAG抗体結合アガロースゲル
を用いて可溶化抗体をアフィニティ精製する。
抗体、好ましくはニワトリ型リコンビナント抗体を提供
する。ニワトリ型モノクローナル抗体は、哺乳動物では
作成できないモノクローナル抗体を作成することがで
き、ヒトのがんマーカーとなる抗原であるN−グリコリ
ルノイラミン酸、プリオン病に関連するプリオンタンパ
クなどを認識するなどの例をはじめ、多くの生態系高分
子への応用が可能であり、種々の検査・診断薬などへの
展開が期待される。したがって、がん、プリオン病など
の種々の診断薬、治療薬への応用が期待される。ところ
が、ニワトリ型の大きな欠点は、一般にモノクローナル
抗体を産生させる融合細胞の手法では、実際に実用する
ための必要量ができないことである。本発明は、実質上
純粋なニワトリ型抗体を、遺伝子組み替え法で、初めて
多量に作ることに成功した。即ち、本発明は、新規なプ
ラスミドベクターとプライマーを用いてニワトリ型モノ
クローナル抗体を効率よく多量に産生することを可能に
したものであり、抗体、その製法、ベクター、プライマ
ー・セット等を提供するものである。また、鳥類の抗体
遺伝子は、3’末端及び5’末端の塩基配列が比較的固
定化されており、本発明が提供するプライマーを用いて
抗体の種類に関係なく当該遺伝子を増幅することが可能
であり、本発明は各種の抗原に対するモノクローナル抗
体を遺伝子組換え手段により簡便に作成できる方法を提
供するものである。
示すものである。
発現用ベクター(pCPDS)の構築の概要を示す。
40bpのバンド(図3のA)、約360bpの位置に
ニワトリCλ鎖にFLAG配列の付加したと思われるバ
ンド(図3のB)、約600bpの位置のgeneIII
遺伝子と思われるバンド(図3のC)、約950bpの
位置のニワトリCλ鎖とgeneIII遺伝子が連結した
と思われるバンド(図3のD)が検出されたことを示
す、図面に代わる写真である。図3中の「M1」はpU
C118 HinfIで消化を、「M2」はφx174
HaeIIIで消化を示す。
ワトリCλ鎖遺伝子の塩基配列と、本発明の方法で得ら
れたCλ鎖の塩基配列を比較したものである。
で約360bpの位置にニワトリCλ鎖の増幅が確認で
きたことを示す、図面に代わる写真である。図5の
「M」はpUC118 HinfIで消化を示す。
のリコンビナント抗体について、抗ニワトリIgG(H
+L)をキャプチャー抗体とした場合、及び抗マウスI
gG(H+L)をキャプチャー抗体とした場合のELI
SA値(OD492)を示すものである。黒塗りはキャ
プチャー抗体として抗マウスIgG(H+L)を使用し
た場合を示し、白抜きはキャプチャー抗体として抗ニワ
トリIgG(H+L)を使用した場合を示す。
成を示す。
を、HUC2−13と共に比較して示したものである。
図8のNはDセグメントの塩基配列を示し、:は欠失を
示す。
を、HUC2−13と共に比較して示したものである。
図9のNはDセグメントの塩基配列を示し、:は欠失を
示す。
配列、及びV領域軽鎖のアミノ酸配列を、HUC2−1
3と共に比較して示したものである。図10のNはDセ
グメントの塩基配列を示し、:は欠失を示す。
配列を、HUC2−13と共に比較して示したものであ
る。図11の:は欠失を示す。
配列を、HUC2−13と共に比較して示したものであ
る。図12の:は欠失を示す。
性獲得機構をHUC2VLと共に比較して示したもので
ある。図13の?は突然変異を示し、:は欠失を示し、
PVは偽遺伝子を示す。
コンビナント抗体のH25ペプチドに対する反応性の確
認を試みたELISA値(OD492)の結果を示すも
のである。図14中の黒四角印はニワトリ型ファージデ
ィスプレイ抗体を示し、灰色菱形印はニワトリ型可溶型
抗体(培養上清)を示し、灰色丸形印はニワトリ型可溶
型抗体(菌体破壊)を示し、灰色三角形印はHUC2−
13(ネイティブ抗体)を示す。
ナント抗体作製のための概要を示したものである。
(図16下段)における抗体H鎖遺伝子の構成を模式的
に示したものである。
用状況を模式的に示したものであり、図17の上段の左
側がVL領域であり、そのすぐ右側がCλ領域である。
だけを認識する単一抗体であり、この技術は遺伝子組換
えと並んでバイオテクノロジー分野での基幹技術であ
り、これを利用した診断薬、治療薬は急速に普及発展し
ている。モノクローナル抗体については、マウス、ラッ
ト型など広く活用されているが、ニワトリ型について
は、発明者がすでに提案した例がある程度である。この
ニワトリ型の大きな利点は、マウス等の哺乳動物では作
成困難な抗体が作成可能であるということである。
下等であるが、哺乳動物と同様に極めて精緻な免疫能力
を持つ動物であることから、これまでに有用なニワトリ
抗体が数多く作成されてきた。一方、ヒトをはじめとす
る哺乳動物間で高度保存された生体成分を認識できる抗
体が哺乳動物を用いて作成できない場合、ニワトリ抗体
として作成可能であることも経験されてきた。そのた
め、ニワトリ抗体を大量調整するひとつの手段として、
産卵鶏を特定の抗原で免疫し、その後、卵に移行した抗
体を生成して卵黄抗体(ポリクローナル抗体)として利
用する方法が開発されているが、この方法によりモノク
ローナル抗体を製造することはできない。
活用して組換え抗体(リコンビナント抗体)をファージ
表面に発現させる技術が開発された。このファージディ
スプレイ抗体技術は1991年に英国MRC研究所のW
interらによって開発されたシステムで(Winter,
G., et al., Nature, 349, 293-299(1991))、非免疫ヒ
ト末梢血リンパ球から抗体遺伝子を単離し、人工的にV
H、VL遺伝子をシャッフリングさせ多様化したscF
v(single chain Fragment of variable region)抗体
をファージ融合タンパクとして発現させ、特異抗体を得
た(Marks, J. D., et al., J. Mol. Biol., 222, 581-
597 (1991))。この技術は、免疫を回避でき、さらに細
胞融合法に変わるヒト化抗体作製技術として高く評価さ
れた。現在では高度免疫したマウス脾細胞を利用して実
用的抗体が数多く作製され、抗PrP抗体も同様に作製
されている(Williamson, R. A., etal., Proc. Natl.
Acad. Sci. USA., 99, 7279-7282 (1996))。
ンパク(PrP)23−231残基を認識するニワトリ
モノクローナル抗体を次のようにして調製した。リコン
ビナントヒトプリオンタンパク(PrP)23−231
(約100μg)を4週齢の近交系ニワトリ白色レグホ
ン種H−B15ニワトリの腹腔内に免疫し、その脾臓を
摘出し免疫脾細胞を調製した。これをTK欠損・ウアバ
イン耐性のニワトリB細胞株であるMuH1とPEG法
により融合して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
このようにして得られた抗体産生ハイブリドーマあるい
は免疫ニワトリの脾臓リンパ球から調整した抗体遺伝子
(VHおよびVL領域)をフレキシブルリンカーを介し
て1本鎖にしたscFv(single chain fragment of V
region)を作成した。このscFvを発現させるプラ
スミドベクターとしては、すでに山中(現ロート製薬)
が構築したpPDS(図1参照)があるが、pPDSを
用いると、scFvのN末端側にマウス免疫グロブリン
L鎖のC領域(Cκ)が発現し、V領域がニワトリでC
領域がマウスの組換え抗体となってしまう。
ビナント抗体作製のためのベクターの再構築ができたこ
とがわかった。このベクターから得られた純粋なニワト
リリコンビナント抗体は、マウス抗体によるノイズが少
なく、検出のS/N比を高くすることができる。本発明
のベクターの構築に当たって、(1)機能的なScFv
抗体が発現できる、(2)将来的にFab抗体も作製で
きるようなベクターにする、(3)簡便に精製できる、
の3点に留意した。この3点を考慮し、マウスCκ鎖の
代わりにニワトリCλ鎖を、精製用タグとしてFLAG
配列と呼ばれる人工配列を選択した。
DSへの挿入(ライゲーション) pCPDSとインサートを1:1〜10(モル比)に調
整し、Ligation Kit ver.1(タカラ社製(TAKARA))を
用いてライゲーションを行う。 (5)大腸菌の形質転換 インサートを挿入したpCPDS(10μl)を用い
て、大腸菌(XL1−blue,100μl)を形質転
換する。 (6)インサートを発現する形質転換大腸菌の選抜 増殖させた大腸菌のコロニーから複数の大腸菌コロニー
を任意に取り、プライマー・セットを用いてscFvの
増幅を行い、インサートを発現する形質転換大腸菌を選
抜する。 (7)ファージ発現抗体の作成 選抜済み大腸菌にヘルパーファージを感染させ、ファー
ジ発現抗体を作成する。 (8)特異的ファージ抗体の選抜のためのパニング 抗原(プリオンタンパク)を固相化したプレートにファ
ージ発現抗体を反応させた後、反応したファージ発現抗
体のみを回収し、大腸菌に感染して特異的ファージ抗体
を選抜する。 (9)可溶化抗体の作成 特異的ファージ抗体をノンプレッサー大腸菌(SOLA
あるいはHB2151)に感染させる。感染24時間後
に、大腸菌培養上清および培養菌体を回収し、上清およ
び菌体破壊抽出物を可溶化抗体とする。 (10)可溶化抗体の生成 抗FLAG抗体結合アガロースゲルを用いて可溶化抗体
をアフィニティ精製する。
のためのパニング抗原(プリオンタンパク)を固相化し
たプレートにファージ発現抗体を反応させた後、反応し
たファージ発現抗体のみを回収し、大腸菌に感染して特
異的ファージ抗体を選抜する。パニングは、抗原抗体反
応を利用した高親和性抗体選抜法である。例えば、次の
ようにして行う。5μg/ml濃度のマルトース結合タ
ンパク融合リコンビナントヒトPrP23−231(M
BP−HuPrP)を96ウェルプレートに50μl/
well(0.25μg/well)ずつ加え、4℃、
終夜固相化しこれを抗原コートプレートとした。抗原コ
ートプレート16ウェルに25%BlockAce 4
00μl/well加え37℃ 1時間ブロッキング
し、PBS−Tween 20(0.05%)で3回洗
浄した。洗浄後、ファージディスプレイ抗体浮遊液
1.6ml、BlockAce 704μl、5M N
aCl96μlで混合したものを150μl/well
添加し、37℃ 2時間反応させ、PBS−Tween
20(0.05%)で15回洗浄した。洗浄後のウェル
には、溶出液50μl/wellを添加し、15分間
室温の反応後、2Mトリス3μl/wellで中和し
た。中和後、反応液を回収しOD600=0.5〜1.
0に培養したXL1−Blue 2mlに37℃ 1時
間感染させた。感染後の溶液の一部は力価測定のため
に、100μg/mlアンピシリン含有SOBAGプレ
ートにプレーティングし、溶出ファージ力価を測定し
た。さらにPCRによるインサートチェック後、そのイ
ンサート率を溶出ファージ力価に積し陽性溶出ファージ
力価を求めた。残りの感染溶液には50μg/mlアン
ピシリン含有SuperBroth培地 400μlと
2M グルコース37μl加え、37℃ 2時間の培養
後、5×109pfuのヘルパーファージ(VCS−M
13)を1時間感染させた。感染後、800×g 10
分間遠心して上清を除き、100μg/mlアンピシリ
ン、50μg/mlカナマイシン、25μg/mlテト
ラサイクリン含有SuperBroth培地 10ml
で終夜培養した。翌日冷却後、800×g 10分間の
遠心で菌体を除き、0.45μmポアフィルターで上清
を濾過し、その濾液を一次パニング済ファージディスプ
レイ抗体浮遊液とし、次回のパニングサンプルとした。
抗体、好ましくはニワトリ型リコンビナント抗体を提供
する。ニワトリ型モノクローナル抗体は、哺乳動物では
作成できないモノクローナル抗体を作成することがで
き、ヒトのがんマーカーとなる抗原であるN−グリコリ
ルノイラミン酸、プリオン病に関連するプリオンタンパ
クなどを認識するなどの例をはじめ、多くの生体系高分
子への応用が可能であり、種々の検査・診断薬などへの
展開が期待される。したがって、がん、プリオン病など
の種々の診断薬、治療薬への応用が期待される。ところ
が、ニワトリ型の大きな欠点は、一般にモノクローナル
抗体を産生させる融合細胞の手法では、実際に実用する
ための必要量ができないことである。本発明は、実質上
純粋なニワトリ型抗体を、遺伝子組換え法で、初めて多
量に作ることに成功した。即ち、本発明は、新規なプラ
スミドベクターとプライマーを用いてニワトリ型モノク
ローナル抗体を効率よく多量に産生することを可能にし
たものであり、抗体、その製法、ベクター、プライマー
・セット等を提供するものである。また、鳥類の抗体遺
伝子は、3’末端及び5’末端の塩基配列が比較的固定
化されており、本発明が提供するプライマーを用いて抗
体の種類に関係なく当該遺伝子を増幅することが可能で
あり、本発明は各種の抗原に対するモノクローナル抗体
を遺伝子組換え手段により簡便に作成できる方法を提供
するものである。
Claims (27)
- 【請求項1】 遺伝子組換え法によりニワトリ型モノク
ローナル抗体を製造する方法において、ニワトリCλ鎖
(L鎖定常領域)をコードする遺伝子が導入されている
発現ベクターに、ニワトリ型モノクローナル抗体のsc
Fvをコードする遺伝子を導入した発現ベクターを用い
ることを特徴とするニワトリ型モノクローナル抗体の製
造方法。 - 【請求項2】 ニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)をコー
ドする遺伝子が導入されている発現ベクターが、精製用
タグを有する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 ニワトリ型モノクローナル抗体のscF
vをコードする遺伝子が導入される位置での制限酵素
が、EagI−BssHIIである請求項1又は2に記載
の方法。 - 【請求項4】 ファージディスプレー法により発現させ
る請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 可溶型抗体として発現できるためのタグ
(アンバー)が、ファージの蛋白質をコードする遺伝子
の上流に導入されている発現ベクターを用いる請求項4
に記載の方法。 - 【請求項6】 ニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)をコー
ドする遺伝子が導入されている発現ベクターが、pCP
DSである請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 遺伝子組換え法によりニワトリ型モノク
ローナル抗体を製造するための発現ベクターであって、
ニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)をコードする遺伝子が
導入されていることを特徴とする発現ベクター。 - 【請求項8】 ニワトリCλ鎖(L鎖定常領域)をコー
ドする遺伝子が導入されている発現ベクターが、精製用
タグを有する請求項7に記載の発現ベクター。 - 【請求項9】 ニワトリ型モノクローナル抗体のscF
vをコードする遺伝子が導入される位置での制限酵素
が、EagI−BssHIIである請求項7又は8に記載
の発現ベクター。 - 【請求項10】 発現ベクターが、ニワトリpPDSで
ある請求項7〜9のいずれかに記載の発現ベクター。 - 【請求項11】 ニワトリ型モノクローナル抗体のsc
Fvをコードする遺伝子が制限酵素EagI−BssH
IIの位置に導入されている請求項7〜10のいずれかに
記載の発現ベクター。 - 【請求項12】 ファージディスプレー法によりニワト
リ型モノクローナル抗体のscFvが発現し得る請求項
11に記載の発現ベクター。 - 【請求項13】 可溶型抗体として発現できるためのタ
グ(アンバー)が、ファージの蛋白質をコードする遺伝
子の上流に導入されている請求項12に記載の発現ベク
ター。 - 【請求項14】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法
により製造されるニワトリ型組換え抗体。 - 【請求項15】 ヒトプリオンタンパク(PrP)に対
するモノクローナル抗体である請求項14に記載の抗
体。 - 【請求項16】 可溶化抗体である請求項14又は15
に記載の抗体。 - 【請求項17】 ニワトリ型モノクローナル抗体のVL
又はscFvをコードする遺伝子を増幅させるためのプ
ライマーのひととつが、制限酵素BssHIIで切断でき
る塩基配列を有することを特徴とするニワトリ型モノク
ローナル抗体のscFvをコードする遺伝子増幅用のプ
ライマー。 - 【請求項18】 塩基数が15〜30である請求項17
に記載のプライマー。 - 【請求項19】 塩基配列が、 3’−ttgggactggcaggatccgcgc
gggttc−5’ 又はその相補鎖である請求項17又は18に記載のプラ
イマー。 - 【請求項20】 他方のプライマーの塩基配列が、 5’−ctgatggcggccgtgacgtt−
3’ 又はその相補鎖である請求項17〜19のいずれかに記
載のプライマー。 - 【請求項21】 他方のプライマーの塩基配列が、 5’−tctgacgtcgcgctgactcagc
c−3’ 又はその相補鎖である請求項17〜19のいずれかに記
載のプライマー - 【請求項22】 請求項17〜21のいずれかに記載の
プライマーを用いて、ニワトリ型モノクローナル抗体の
可変領域をコードする遺伝子を増幅させる方法。 - 【請求項23】 可変領域がVL領域である請求項22
に記載の方法。 - 【請求項24】 プライマーが請求項21に記載のプラ
イマーである請求項23に記載の方法。 - 【請求項25】 可変領域がscFvである請求項22
に記載の方法。 - 【請求項26】 プライマーが請求項20に記載のプラ
イマーである請求項25に記載の方法。 - 【請求項27】 塩基配列が、 3’−ttgggactggcaggatccgcgc
gggttc−5’ 又はその相補鎖であるオリゴヌクレオチド。
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---|---|---|---|
JP2000054875A JP2001238676A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | ニワトリ型モノクローナル抗体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000054875A JP2001238676A (ja) | 2000-02-29 | 2000-02-29 | ニワトリ型モノクローナル抗体 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2001238676A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005278633A (ja) * | 2004-03-04 | 2005-10-13 | Hiroshima Univ | ニワトリ型モノクローナル抗体の生産方法、および当該生産方法によって生産されるニワトリ型モノクローナル抗体 |
WO2007026689A1 (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-08 | Japan Science And Technology Agency | ダチョウを用いた抗体、及びその作製方法 |
CN105559202A (zh) * | 2016-03-10 | 2016-05-11 | 陕西瑞凯生物科技有限公司 | 一种基于卵黄抗体的防霾口罩及其制备方法 |
-
2000
- 2000-02-29 JP JP2000054875A patent/JP2001238676A/ja active Pending
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US8815244B2 (en) | 2005-08-29 | 2014-08-26 | Japan Science And Technology Agency | Method for production of antibody using ostrich |
CN105559202A (zh) * | 2016-03-10 | 2016-05-11 | 陕西瑞凯生物科技有限公司 | 一种基于卵黄抗体的防霾口罩及其制备方法 |
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