JP2001210329A - 非水系リチウム二次電池用負極材の製造法 - Google Patents
非水系リチウム二次電池用負極材の製造法Info
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高容量で、長サイクル寿命、且つ初回充電時
の不可逆容量が小さく、即ち電解液に対し優しい負極材
を製造する事にある。 【解決手段】 非水系リチウム二次電池用負極材を製造
する方法であって、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物
である炭素質物前駆体を混合、不活性雰囲気下で焼成し
てなることを特徴とし、該金属質物Mは固相A、Bから
なり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面は固
相Bによって被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは
構成元素としてケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは
周期律表の2族元素、遷移金属元素、12族元素、13
族元素、並びに炭素とケイ素を除く14族元素からなる
群から選ばれた少なくとも一種の元素と、ケイ素との固
溶体又は金属間化合物である前記負極材の製造法。
の不可逆容量が小さく、即ち電解液に対し優しい負極材
を製造する事にある。 【解決手段】 非水系リチウム二次電池用負極材を製造
する方法であって、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物
である炭素質物前駆体を混合、不活性雰囲気下で焼成し
てなることを特徴とし、該金属質物Mは固相A、Bから
なり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面は固
相Bによって被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは
構成元素としてケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは
周期律表の2族元素、遷移金属元素、12族元素、13
族元素、並びに炭素とケイ素を除く14族元素からなる
群から選ばれた少なくとも一種の元素と、ケイ素との固
溶体又は金属間化合物である前記負極材の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小型、計量の電気
機器や電気自動車の電源として好適な、非水系リチウム
二次電池用負極材の製造法に関する。
機器や電気自動車の電源として好適な、非水系リチウム
二次電池用負極材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化に伴い、高容量
の二次電池が求められている。そのため、ニッケル・カ
ドミウム電池、ニッケル・水素電池に比べ、エネルギー
密度の高い非水系リチウム二次電池が注目されている。
の二次電池が求められている。そのため、ニッケル・カ
ドミウム電池、ニッケル・水素電池に比べ、エネルギー
密度の高い非水系リチウム二次電池が注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】負極材料としては、最
初リチウム金属を用いる事が試みられたが、充放電を繰
り返すうちに、樹枝状のリチウムが析出し、セパレータ
ーを貫通して正極にまで達し、この結果短絡を起こす可
能性があることが判明した。
初リチウム金属を用いる事が試みられたが、充放電を繰
り返すうちに、樹枝状のリチウムが析出し、セパレータ
ーを貫通して正極にまで達し、この結果短絡を起こす可
能性があることが判明した。
【0004】また、特開昭57−208079には、リ
チウムを負極材とし、電極板として結晶化度が高い黒鉛
を使用することが提案された。しかしながら、黒鉛は、
リチウム吸蔵に黒鉛結晶中へのインターカレーションを
利用するため、常温、常圧では、その体積理論容量であ
る820mAh/ccを超えるものは得られないという欠点が
あった。
チウムを負極材とし、電極板として結晶化度が高い黒鉛
を使用することが提案された。しかしながら、黒鉛は、
リチウム吸蔵に黒鉛結晶中へのインターカレーションを
利用するため、常温、常圧では、その体積理論容量であ
る820mAh/ccを超えるものは得られないという欠点が
あった。
【0005】より高容量を発現できる負極材料として
は、Al、Si、Sn等、リチウムと化合する金属を用
いれば良いことが知られているが、これらの材料は充放
電サイクルに伴い、容量が著しく低下するという問題が
あった。
は、Al、Si、Sn等、リチウムと化合する金属を用
いれば良いことが知られているが、これらの材料は充放
電サイクルに伴い、容量が著しく低下するという問題が
あった。
【0006】特開平5−286763には、Alに複数
種の炭素を添加する事で、充放電サイクルに伴う容量の
低下が抑制されることが開示されているが、Alを用い
ると、その体積当たりの容量は、最大でも2,839mA
h/ccと制限される。一方、Siはその体積当たりの容量
が最大4,648mAh/ccと大きいが、充放電時の体積変
化も大きく、上述の問題が生じる為、負極材料として実
用化に至っていない。
種の炭素を添加する事で、充放電サイクルに伴う容量の
低下が抑制されることが開示されているが、Alを用い
ると、その体積当たりの容量は、最大でも2,839mA
h/ccと制限される。一方、Siはその体積当たりの容量
が最大4,648mAh/ccと大きいが、充放電時の体積変
化も大きく、上述の問題が生じる為、負極材料として実
用化に至っていない。
【0007】近年、これらの欠点を解決する方法とし
て、珪化物粉体をLi二次電池用負極材として用いる技
術が、特開平7−240201に開示されている。これ
らの化合物は体積容量が大きく、サイクル寿命も長いこ
とがわかってきたが、本材料は電導度が低く、単体で用
いるとLiと十分に化合できず、理論容量を発現できな
い。そこで、特開平8−153517には本材料粉体に
アセチレンブラックなどの導電剤を添加して負極材を形
成する技術が開示されている。
て、珪化物粉体をLi二次電池用負極材として用いる技
術が、特開平7−240201に開示されている。これ
らの化合物は体積容量が大きく、サイクル寿命も長いこ
とがわかってきたが、本材料は電導度が低く、単体で用
いるとLiと十分に化合できず、理論容量を発現できな
い。そこで、特開平8−153517には本材料粉体に
アセチレンブラックなどの導電剤を添加して負極材を形
成する技術が開示されている。
【0008】しかし、アセチレンブラックは、一般的に
その粒子径が1μm未満と非常に小さいため、比表面積
が大きく、初回充電時の不可逆容量を増大させると言う
問題がある。
その粒子径が1μm未満と非常に小さいため、比表面積
が大きく、初回充電時の不可逆容量を増大させると言う
問題がある。
【0009】この様な欠点を解決するため、珪化物とと
もに導電材として結晶性の高い黒鉛粒子を用いること
が、特開平10−199527に記載されている。これ
により、珪化物単体で使用するよりも、容量は向上し、
サイクル寿命も向上、更に初回充電時の不可逆容量は低
減されるが、やはり長期にわたるサイクルを行うと容量
の漸次低下が起こる。これは、リチウムの充放電に伴う
珪化物の体積変化が、黒鉛で導電化されている負極構造
に変化を及ぼし、充放電サイクルに伴いこれを破壊して
いっているためと考えられる。
もに導電材として結晶性の高い黒鉛粒子を用いること
が、特開平10−199527に記載されている。これ
により、珪化物単体で使用するよりも、容量は向上し、
サイクル寿命も向上、更に初回充電時の不可逆容量は低
減されるが、やはり長期にわたるサイクルを行うと容量
の漸次低下が起こる。これは、リチウムの充放電に伴う
珪化物の体積変化が、黒鉛で導電化されている負極構造
に変化を及ぼし、充放電サイクルに伴いこれを破壊して
いっているためと考えられる。
【0010】負極の主活物質が珪化物でなくSi金属で
はあるものの、上述の構造破壊を抑制するために、主活
物質に対し、導電剤である黒鉛質物をより近接させた構
造を得るために、活物質粉体と黒鉛を共に機械処理する
発明が特開平9−249407に開示されている。本技
術を珪化物に適用すればSiの場合と同様、サイクル寿
命は更に伸びると推察されるが、その一方で、黒鉛粒子
を機械処理することは、結果として黒鉛の比表面積の増
加に繋がり、初回充電時の不可逆容量の増加を招いてし
まう。
はあるものの、上述の構造破壊を抑制するために、主活
物質に対し、導電剤である黒鉛質物をより近接させた構
造を得るために、活物質粉体と黒鉛を共に機械処理する
発明が特開平9−249407に開示されている。本技
術を珪化物に適用すればSiの場合と同様、サイクル寿
命は更に伸びると推察されるが、その一方で、黒鉛粒子
を機械処理することは、結果として黒鉛の比表面積の増
加に繋がり、初回充電時の不可逆容量の増加を招いてし
まう。
【0011】我々は、鋭意検討した結果、後述する方法
で作成したリチウム二次電池用負極材が、高容量、且つ
長期にわたる充放電サイクルを行っても容量劣化が極め
て小さく、更に初回充放電時に発生する不可逆容量も抑
制した材料であることを見いだした。
で作成したリチウム二次電池用負極材が、高容量、且つ
長期にわたる充放電サイクルを行っても容量劣化が極め
て小さく、更に初回充放電時に発生する不可逆容量も抑
制した材料であることを見いだした。
【0012】即ち、本発明の目的は、高容量で、長サイ
クル寿命、且つ初回充電時の不可逆容量が小さく、即ち
電解液に対し優しい負極材を製造する事にある。
クル寿命、且つ初回充電時の不可逆容量が小さく、即ち
電解液に対し優しい負極材を製造する事にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達するた
め、負極材は、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物であ
る炭素質物前駆体を混合、不活性雰囲気下で焼成してな
ることを特徴とし、該金属質物Mには、固相A、Bから
なり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面は固
相Bによって被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは
構成元素としてケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは
周期律表の2族元素、遷移元素、12族、13族、並び
に炭素とケイ素を除く14族元素からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素と、ケイ素との固溶体、又は金
属間化合物を用いる。
め、負極材は、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物であ
る炭素質物前駆体を混合、不活性雰囲気下で焼成してな
ることを特徴とし、該金属質物Mには、固相A、Bから
なり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面は固
相Bによって被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは
構成元素としてケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは
周期律表の2族元素、遷移元素、12族、13族、並び
に炭素とケイ素を除く14族元素からなる群から選ばれ
た少なくとも一種の元素と、ケイ素との固溶体、又は金
属間化合物を用いる。
【0014】体積容量の大きい上記金属質物Mと導電性
粒子である黒鉛を炭素質物で一体に接触処理する事によ
って、高容量と長サイクル寿命を両立すると共に、表面
に炭素質物が存在することで初回充電時に生じる不可逆
容量を抑制できる。
粒子である黒鉛を炭素質物で一体に接触処理する事によ
って、高容量と長サイクル寿命を両立すると共に、表面
に炭素質物が存在することで初回充電時に生じる不可逆
容量を抑制できる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細を述べる。本発
明の材料を構成する、上記金属質物M、黒鉛質物、及び
炭素質物前駆体を不活性雰囲気下で焼成してなる材料の
複合方法としては、(1)金属質物M粒子、黒鉛質物粒
子、及び炭素質物前駆体を焼成した炭素質物粒子、それ
ぞれを混合した形態、(2)金属質物M粉体の表面の一
部又は全部を、前記炭素質物前駆体により接触処理し、
焼成後、適当な解砕や粉砕工程を行い粉体化し、ここに
黒鉛質物粉体を混合した形態、(3)金属質物Mの表面
の一部又は全部を前記炭素質前駆体により接触処理し、
焼成後、前記工程で粉体とし、ここに黒鉛質物粉体の表
面の一部又は全部を炭素質物前駆体により接触処理し、
焼成後、粉体化したものを混合した形態、(4)金属質
物Mの表面の一部又は全部に、黒鉛質物と前記炭素質前
駆体の混合物を接触処理し、焼成後、前記工程で粒子状
とした形態、(5)金属質物Mの表面の一部又は全部
に、予め黒鉛質物を被覆し、更にこれに炭素質物前駆体
を接触処理し、二層以上の複合層からなる材料を作成
後、焼成し、前記工程により粒子状とした形態、更にこ
れらの形態の一種以上が混成された形態が挙げられる。
明の材料を構成する、上記金属質物M、黒鉛質物、及び
炭素質物前駆体を不活性雰囲気下で焼成してなる材料の
複合方法としては、(1)金属質物M粒子、黒鉛質物粒
子、及び炭素質物前駆体を焼成した炭素質物粒子、それ
ぞれを混合した形態、(2)金属質物M粉体の表面の一
部又は全部を、前記炭素質物前駆体により接触処理し、
焼成後、適当な解砕や粉砕工程を行い粉体化し、ここに
黒鉛質物粉体を混合した形態、(3)金属質物Mの表面
の一部又は全部を前記炭素質前駆体により接触処理し、
焼成後、前記工程で粉体とし、ここに黒鉛質物粉体の表
面の一部又は全部を炭素質物前駆体により接触処理し、
焼成後、粉体化したものを混合した形態、(4)金属質
物Mの表面の一部又は全部に、黒鉛質物と前記炭素質前
駆体の混合物を接触処理し、焼成後、前記工程で粒子状
とした形態、(5)金属質物Mの表面の一部又は全部
に、予め黒鉛質物を被覆し、更にこれに炭素質物前駆体
を接触処理し、二層以上の複合層からなる材料を作成
後、焼成し、前記工程により粒子状とした形態、更にこ
れらの形態の一種以上が混成された形態が挙げられる。
【0016】また、ここで言う炭素質物前駆体の接触処
理とは、該物質による粒子同士の結着から、粒子表面に
該物質からなる層を設ける様な、いわゆる被覆までの概
念を含む。
理とは、該物質による粒子同士の結着から、粒子表面に
該物質からなる層を設ける様な、いわゆる被覆までの概
念を含む。
【0017】負極材の構成材料である上記3種の混合の
順序は、請求項の範囲を損なわない限り、いずれも可能
であるが、金属質物Mと黒鉛質物をまず混合し、これに
炭素質物前駆体を更に添加、更に混合すると、金属質物
M表面に導電剤である黒鉛質物が近接するため、充放電
サイクル進行時においても導電性が保たれ好ましい。
順序は、請求項の範囲を損なわない限り、いずれも可能
であるが、金属質物Mと黒鉛質物をまず混合し、これに
炭素質物前駆体を更に添加、更に混合すると、金属質物
M表面に導電剤である黒鉛質物が近接するため、充放電
サイクル進行時においても導電性が保たれ好ましい。
【0018】上記活物質を作成するためのそれぞれの材
料の複合手段については、従来公知の方法が可能であ
り、例えば、Vブレンダー等の粉体混合機、アキシャル
ミキサー、ディスパーザー、パドルミキサー、レーディ
ゲミキサー、プラネタリーミキサー、乳化分散機等の攪
拌機、KRCニーダー、ニーダー、グラインダー等の混
練機、ターボミル、ボールミル、ジェットミル、ディス
クミル、インパクトミル、ピンミル、ハンマーミル等の
粉砕機や解砕機、メカノフュージョン、ハイブリダイザ
ー、シータ・コンポーザ等の造粒、表面改質、コーティ
ング装置を一種以上組み合わせて用いることが可能であ
る。
料の複合手段については、従来公知の方法が可能であ
り、例えば、Vブレンダー等の粉体混合機、アキシャル
ミキサー、ディスパーザー、パドルミキサー、レーディ
ゲミキサー、プラネタリーミキサー、乳化分散機等の攪
拌機、KRCニーダー、ニーダー、グラインダー等の混
練機、ターボミル、ボールミル、ジェットミル、ディス
クミル、インパクトミル、ピンミル、ハンマーミル等の
粉砕機や解砕機、メカノフュージョン、ハイブリダイザ
ー、シータ・コンポーザ等の造粒、表面改質、コーティ
ング装置を一種以上組み合わせて用いることが可能であ
る。
【0019】特に上記(4)の複合形態に於いては、グ
ラインダーやニーダーを用いると原材料を均質に混合す
る事が可能なため、使用することが好ましい。(5)の
複合形態に於いては、前述のメカノフュージョンやハイ
ブリダイザーを用いると、操作条件を適当に設定するこ
とにより、効率よく金属質物Mの表面を黒鉛質物で被覆
処理できるので好ましい。メカノフュージョンやハイブ
リダイザーでの機械処理は、大気中でも可能であるが、
導電材である黒鉛粒子の主に表面が酸化によってダメー
ジを受け、電導度が低下することがあるので、該処理は
窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好まし
い。処理の強さは機器によって異なるが、剪断速度10
s-1以上で行うことが好ましい。これ以上剪断速度が遅
いと金属質物Mと黒鉛質物の比重が違うため、両材料が
十分混合されず不均一なものになりやすい。更に好まし
くは剪断速度1000s-1以上で行う。
ラインダーやニーダーを用いると原材料を均質に混合す
る事が可能なため、使用することが好ましい。(5)の
複合形態に於いては、前述のメカノフュージョンやハイ
ブリダイザーを用いると、操作条件を適当に設定するこ
とにより、効率よく金属質物Mの表面を黒鉛質物で被覆
処理できるので好ましい。メカノフュージョンやハイブ
リダイザーでの機械処理は、大気中でも可能であるが、
導電材である黒鉛粒子の主に表面が酸化によってダメー
ジを受け、電導度が低下することがあるので、該処理は
窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好まし
い。処理の強さは機器によって異なるが、剪断速度10
s-1以上で行うことが好ましい。これ以上剪断速度が遅
いと金属質物Mと黒鉛質物の比重が違うため、両材料が
十分混合されず不均一なものになりやすい。更に好まし
くは剪断速度1000s-1以上で行う。
【0020】本発明の負極材を作成するためには、上記
のような手段を用いて原材料を混合した後、更に焼成を
する必要があるが、この温度は700〜1500℃の範
囲にあることが好ましい。この温度以下では炭素質物の
芳香性が十分発達しないため、電導度が低く、リチウム
充放電時に不可逆容量が発生しやすい。また、この温度
以上では、原材料の金属質物の融点に近いため、金属部
分が溶融してしまい、活物質とすることが困難である。
この温度の範囲は800〜1300℃が更に好ましく、
800〜1100℃であることが最も好ましい。
のような手段を用いて原材料を混合した後、更に焼成を
する必要があるが、この温度は700〜1500℃の範
囲にあることが好ましい。この温度以下では炭素質物の
芳香性が十分発達しないため、電導度が低く、リチウム
充放電時に不可逆容量が発生しやすい。また、この温度
以上では、原材料の金属質物の融点に近いため、金属部
分が溶融してしまい、活物質とすることが困難である。
この温度の範囲は800〜1300℃が更に好ましく、
800〜1100℃であることが最も好ましい。
【0021】次に、本負極材を製造するために必要な原
材料の説明をする。
材料の説明をする。
【0022】金属質物Mは固相A、Bからなり、固相A
からなる核粒子の周囲の一部又は全面は固相Bによって
被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは構成元素とし
てケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは周期律表の2
族元素、遷移元素、12族、13族、並びに炭素とケイ
素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも
一種の元素と、ケイ素との固溶体、又は金属間化合物で
あるものが好ましい。例えば、前記固相AがSiからな
り、固相BがNiSi2、CoSi2、VSi2、TiS
i2、MnSi1.8、及び/又はMg2Siからなる金属
質物が挙げられる。
からなる核粒子の周囲の一部又は全面は固相Bによって
被覆された構造を持ち、更に前記固相Aは構成元素とし
てケイ素を少なくとも含み、前記固相Bは周期律表の2
族元素、遷移元素、12族、13族、並びに炭素とケイ
素を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも
一種の元素と、ケイ素との固溶体、又は金属間化合物で
あるものが好ましい。例えば、前記固相AがSiからな
り、固相BがNiSi2、CoSi2、VSi2、TiS
i2、MnSi1.8、及び/又はMg2Siからなる金属
質物が挙げられる。
【0023】黒鉛質物としては、その結晶面(002)
の面間隔d002が0.348nm以下、且つ黒鉛質物の積
層層の厚さLcが10nm以上である高結晶性の黒鉛粉体
を用いることが好ましい。d002が0.338nm以下、
且つ該積層層の厚さLcが20nm以上であるものは更に
好ましく、d002が0.337nm以下、且つ該積層層の
厚さLcが40nm以上であるものは最も好ましい。
の面間隔d002が0.348nm以下、且つ黒鉛質物の積
層層の厚さLcが10nm以上である高結晶性の黒鉛粉体
を用いることが好ましい。d002が0.338nm以下、
且つ該積層層の厚さLcが20nm以上であるものは更に
好ましく、d002が0.337nm以下、且つ該積層層の
厚さLcが40nm以上であるものは最も好ましい。
【0024】また、黒鉛質物を波長514.3nmのアル
ゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析
し、その1580cm-1〜1620cm-1の範囲に現れるピ
ークの強度をIA、1350cm-1〜1370cm-1の範囲
に現れるピークの強度をIBとしたときの、ピーク強度
比R(=IB/IA)が0.4以下である黒鉛質物は好
ましい。Rが0.3以下であるものは更に好ましく、
0.25以下であるものは最も好ましい。
ゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析
し、その1580cm-1〜1620cm-1の範囲に現れるピ
ークの強度をIA、1350cm-1〜1370cm-1の範囲
に現れるピークの強度をIBとしたときの、ピーク強度
比R(=IB/IA)が0.4以下である黒鉛質物は好
ましい。Rが0.3以下であるものは更に好ましく、
0.25以下であるものは最も好ましい。
【0025】使用する黒鉛質物の平均粒子径は1μm以
上1mm以下であるものが好ましい。平均粒子径がこれ以
上大きいと、金属質物Mと均一に混合することが難し
く、これ以上小さいと、比表面積が大きすぎて初回充放
電時の不可逆容量が大きくなる。この平均粒子径が1〜
40μmであるものは更に好ましく、平均粒子径が1〜
25μmのものは最も好ましい。平均粒子径が上記範囲
を逸脱していても、請求項3、4記載の機械処理をする
段階で、当該範囲に収めることができれば、その様なも
のも使用可能である。
上1mm以下であるものが好ましい。平均粒子径がこれ以
上大きいと、金属質物Mと均一に混合することが難し
く、これ以上小さいと、比表面積が大きすぎて初回充放
電時の不可逆容量が大きくなる。この平均粒子径が1〜
40μmであるものは更に好ましく、平均粒子径が1〜
25μmのものは最も好ましい。平均粒子径が上記範囲
を逸脱していても、請求項3、4記載の機械処理をする
段階で、当該範囲に収めることができれば、その様なも
のも使用可能である。
【0026】この様な黒鉛質物は、結晶面(002)の
面間隔d002が0.348nm以下である様な、適当な天
然黒鉛、人造黒鉛、これらの高純度精製品、これらの再
加熱処理品、或いは、これらからなる混合物の粉体でま
かなうことができる。
面間隔d002が0.348nm以下である様な、適当な天
然黒鉛、人造黒鉛、これらの高純度精製品、これらの再
加熱処理品、或いは、これらからなる混合物の粉体でま
かなうことができる。
【0027】炭素質物前駆体には、軟ピッチから硬ピッ
チまでのコールタールピッチ,或いは乾留液化油などの
石炭系重質油、常圧残油、減圧残油の直流系重質油、原
油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等
分解系重質油の石油系重質油、更にアセナフチレン、デ
カシクレン、アントラセン、フェナントレンなどの芳香
族炭化水素、フェナジンやアクリジンなどのN環化合
物、チオフェン、ビチオフェンなどのS環化合物、ビフ
ェニル、テルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、これらのものの不溶化処理品、含窒素性のポリアク
リロニトリル、ポリピロールなどの有機高分子、含硫黄
性のポリチオフェン、ポリスチレンなどの有機高分子、
セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン
酸、キチン、キトサン、サッカロースに代表される多糖
類などの天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルア
ルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イ
ミド樹脂等の熱硬化性樹脂,以上のものとベンゼン、ト
ルエン、キシレン、キノリン、n−ヘキサンなどの低分
子有機溶媒の混合品、などから選ばれる一種以上の炭素
化可能な有機化合物を用いる。
チまでのコールタールピッチ,或いは乾留液化油などの
石炭系重質油、常圧残油、減圧残油の直流系重質油、原
油、ナフサなどの熱分解時に副生するエチレンタール等
分解系重質油の石油系重質油、更にアセナフチレン、デ
カシクレン、アントラセン、フェナントレンなどの芳香
族炭化水素、フェナジンやアクリジンなどのN環化合
物、チオフェン、ビチオフェンなどのS環化合物、ビフ
ェニル、テルフェニルなどのポリフェニレン、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、これらのものの不溶化処理品、含窒素性のポリアク
リロニトリル、ポリピロールなどの有機高分子、含硫黄
性のポリチオフェン、ポリスチレンなどの有機高分子、
セルロース、リグニン、マンナン、ポリガラクトウロン
酸、キチン、キトサン、サッカロースに代表される多糖
類などの天然高分子、ポリフェニレンサルファイド、ポ
リフェニレンオキシド等の熱可塑性樹脂、フルフリルア
ルコール樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、イ
ミド樹脂等の熱硬化性樹脂,以上のものとベンゼン、ト
ルエン、キシレン、キノリン、n−ヘキサンなどの低分
子有機溶媒の混合品、などから選ばれる一種以上の炭素
化可能な有機化合物を用いる。
【0028】上記炭素質物前駆体は、H/C(原子比)
が0.4以上1.8以下であるものを用いると金属質物
Mや黒鉛質物と混合しやすいので好ましい。0.6以上
1.2以下が更に好ましく、0.8以上1.1以下であ
るものは最も好ましい。H/Cがこれ以上であると焼成
後の炭化収率が悪くなり、これ以上であると材料同士の
混合が難しい。
が0.4以上1.8以下であるものを用いると金属質物
Mや黒鉛質物と混合しやすいので好ましい。0.6以上
1.2以下が更に好ましく、0.8以上1.1以下であ
るものは最も好ましい。H/Cがこれ以上であると焼成
後の炭化収率が悪くなり、これ以上であると材料同士の
混合が難しい。
【0029】金属質物M、黒鉛質物、及び炭素質物前駆
体を焼成する事により生じる炭素質物の負極材内での割
合は、その全体を100重量%としたとき、それぞれ5
0〜95重量%、4.9〜30重量%、及び0.1〜2
0重量%であると、体積当たりの容量が大きく、サイク
ル寿命に優れ、且つ初回充放電時の不可逆容量が小さい
負極材が作成できるので好ましい。但し前記数値範囲は
焼成後の重量割合であるから、材料混合段階では、焼成
によって起こる重量変化などを考慮する必要がある。
体を焼成する事により生じる炭素質物の負極材内での割
合は、その全体を100重量%としたとき、それぞれ5
0〜95重量%、4.9〜30重量%、及び0.1〜2
0重量%であると、体積当たりの容量が大きく、サイク
ル寿命に優れ、且つ初回充放電時の不可逆容量が小さい
負極材が作成できるので好ましい。但し前記数値範囲は
焼成後の重量割合であるから、材料混合段階では、焼成
によって起こる重量変化などを考慮する必要がある。
【0030】次に、本発明の負極材を用いて負極体を構
成する方法について説明する。
成する方法について説明する。
【0031】負極体は、上記金属質物M、黒鉛質物、及
び炭素質物前駆体から作成される上記負極材を使用する
限り、限定無く従来公知の方法が採用可能であるが、例
えば、まず金属質物Mと黒鉛質物をグラインダーで均質
になるまで混合し、そこに炭素質物前駆体を添加し、ミ
キサーなどで混練する。これを不活性雰囲気下で焼成
し、その後室温付近まで冷却した後取り出し、好ましく
は8〜25μm、更に好ましくは8〜20μm、最も好ま
しくは10〜15μmの範囲に粉砕又は解砕し、粉体状
とする。これに導電剤、結着剤、及び溶媒等を加えて、
スラリー状とし、銅箔、ニッケルメッシュ、又はステン
レスメッシュ等の集電体の基板にスラリーを塗布・乾燥
することで電極とする。該粒子を結着させる集電体とし
ては、限定無く用いることができ、例えば金属円柱、金
属コイル、金属板、金属薄膜、炭素板、炭素円柱などを
用いることができるが、ニッケル箔や銅箔などの金属薄
膜が好ましい。銅箔は更に好ましい。更に、これら集電
体に負極材を付着させた電極材料をそのままロール成
形、圧縮成形等の方法で任意の電極の形状に成形するこ
ともできる。
び炭素質物前駆体から作成される上記負極材を使用する
限り、限定無く従来公知の方法が採用可能であるが、例
えば、まず金属質物Mと黒鉛質物をグラインダーで均質
になるまで混合し、そこに炭素質物前駆体を添加し、ミ
キサーなどで混練する。これを不活性雰囲気下で焼成
し、その後室温付近まで冷却した後取り出し、好ましく
は8〜25μm、更に好ましくは8〜20μm、最も好ま
しくは10〜15μmの範囲に粉砕又は解砕し、粉体状
とする。これに導電剤、結着剤、及び溶媒等を加えて、
スラリー状とし、銅箔、ニッケルメッシュ、又はステン
レスメッシュ等の集電体の基板にスラリーを塗布・乾燥
することで電極とする。該粒子を結着させる集電体とし
ては、限定無く用いることができ、例えば金属円柱、金
属コイル、金属板、金属薄膜、炭素板、炭素円柱などを
用いることができるが、ニッケル箔や銅箔などの金属薄
膜が好ましい。銅箔は更に好ましい。更に、これら集電
体に負極材を付着させた電極材料をそのままロール成
形、圧縮成形等の方法で任意の電極の形状に成形するこ
ともできる。
【0032】上記の目的で使用できる導電剤としては、
その電導度が1S/cm以上の高結晶性の人造黒鉛、天然黒
鉛、これらの高純度精製品、また、例えば銅、ニッケ
ル、ステンレス、鉄などで、その粒子径が25μm以下
の金属微粉、又はこれらのものの混合品が挙げられる。
その電導度が1S/cm以上の高結晶性の人造黒鉛、天然黒
鉛、これらの高純度精製品、また、例えば銅、ニッケ
ル、ステンレス、鉄などで、その粒子径が25μm以下
の金属微粉、又はこれらのものの混合品が挙げられる。
【0033】上記結着剤としては、溶媒に対して安定
な、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、芳香族ポリアミド、セルロース等の樹脂系
高分子、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状
高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラ
ストマー状高分子、シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン
・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等の軟質
樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン
共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン、特
にリチウムイオンのイオン伝導性を有する高分子組成物
や上記の結着剤の混合物が挙げられる。
な、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレ
フタレート、芳香族ポリアミド、セルロース等の樹脂系
高分子、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム等のゴム状
高分子、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重
合体、その水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエ
ン・スチレン共重合体、スチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体、その水素添加物等の熱可塑性エラ
ストマー状高分子、シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン
・α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体等の軟質
樹脂状高分子、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン・エチレン
共重合体等のフッ素系高分子、アルカリ金属イオン、特
にリチウムイオンのイオン伝導性を有する高分子組成物
や上記の結着剤の混合物が挙げられる。
【0034】上記のイオン伝導性を有する高分子として
は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等
のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の
架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスフ
ァゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等の高
分子化合物に、リチウム塩、又はリチウムを主体とする
アルカリ金属塩を複合させた系、或いはこれにプロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の高い誘電率やイオン−双極子相互作用力を有
する有機化合物を配合した系を用いることができる。
は、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等
のポリエーテル系高分子化合物、ポリエーテル化合物の
架橋体高分子、ポリエピクロルヒドリン、ポリフォスフ
ァゼン、ポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ポリ
ビニリデンカーボネート、ポリアクリロニトリル等の高
分子化合物に、リチウム塩、又はリチウムを主体とする
アルカリ金属塩を複合させた系、或いはこれにプロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の高い誘電率やイオン−双極子相互作用力を有
する有機化合物を配合した系を用いることができる。
【0035】溶媒としては、上記溶媒の他、水、アセト
ン、ジメチルエーテル、或いはメタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール等のアルコール、N
−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセタミド、ヘキサメチルホスフォルアミド、ジメチ
ルスルフォキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、キ
ノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を用
いることができる。
ン、ジメチルエーテル、或いはメタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロパノール等のアルコール、N
−メチルピロリジノン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセタミド、ヘキサメチルホスフォルアミド、ジメチ
ルスルフォキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、キ
ノリン、ピリジン、メチルナフタレン、ヘキサン等を用
いることができる。
【0036】本発明に用いる上記負極材粒子及び上記結
着剤との混合形式としては、各種の形態をとることがで
きる。即ち、二種の粒子が混合結着した形態、繊維状の
結着剤が上記発明粒子及び導電剤に絡み合う形で混合し
た形態、又は結着剤の層が粒子表面に付着した形態など
が挙げられる。
着剤との混合形式としては、各種の形態をとることがで
きる。即ち、二種の粒子が混合結着した形態、繊維状の
結着剤が上記発明粒子及び導電剤に絡み合う形で混合し
た形態、又は結着剤の層が粒子表面に付着した形態など
が挙げられる。
【0037】上記負極材粒子と導電剤の混合割合は、負
極の構成物質全体を100重量%とした時、負極材を少
なくとも60重量%以上、且つ導電剤を1重量%以上3
0重量%以下とすると好ましい。これ以上の量の導電剤
を添加すると、単位体積あたりに電極が発生できる充放
電容量が小さくなり、これ以下の量では導電剤同士の導
電パスが電極内に形成できないなどの理由で添加効果が
十分に発現されない。
極の構成物質全体を100重量%とした時、負極材を少
なくとも60重量%以上、且つ導電剤を1重量%以上3
0重量%以下とすると好ましい。これ以上の量の導電剤
を添加すると、単位体積あたりに電極が発生できる充放
電容量が小さくなり、これ以下の量では導電剤同士の導
電パスが電極内に形成できないなどの理由で添加効果が
十分に発現されない。
【0038】上記結着剤の上記負極材粒子及び導電剤と
の混合割合は、負極材粒子と導電剤の合計の重量に対
し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは、
0.5〜5重量%である。これ以上の量の結着剤を添加
すると、電極の内部抵抗が大きくなり、好ましくなく、
これ以下の量では集電体と電極粉体の結着性に劣る。
の混合割合は、負極材粒子と導電剤の合計の重量に対
し、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは、
0.5〜5重量%である。これ以上の量の結着剤を添加
すると、電極の内部抵抗が大きくなり、好ましくなく、
これ以下の量では集電体と電極粉体の結着性に劣る。
【0039】この負極体を用いて電池を作製する場合を
以下に説明する。電解液、正極板を、その他の電池構成
要素であるセパレータ、ガスケット、集電体、封口板、
セルケース等と組み合わせて二次電池を構成する。作成
可能な電池は筒型、角型、コイン型等特に限定されるも
のではないが、基本的にはセル床板上に集電体と負極体
を乗せ、その上に電解液とセパレータを、更に負極体と
対向するように正極体を乗せ、ガスケット、封口板と共
にかしめて二次電池とする。
以下に説明する。電解液、正極板を、その他の電池構成
要素であるセパレータ、ガスケット、集電体、封口板、
セルケース等と組み合わせて二次電池を構成する。作成
可能な電池は筒型、角型、コイン型等特に限定されるも
のではないが、基本的にはセル床板上に集電体と負極体
を乗せ、その上に電解液とセパレータを、更に負極体と
対向するように正極体を乗せ、ガスケット、封口板と共
にかしめて二次電池とする。
【0040】電解液用に使用できる非水溶媒としては、
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエ
チルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン、ジメ
チルスルフィド、プロピレンサルファイド、エチレンサ
ルファイド、ビニレンカーボネート等の有機溶媒、ポリ
エピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキ
サン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネ
ート、ポリアクリロニトリル等の高分子化合物に、リチ
ウム塩、又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩を複
合させた系、或いはこれにプロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の高い誘電
率やイオン−双極子相互作用力を有する有機化合物の単
独、又は二種類以上を混合したものを用いることができ
る。
プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエ
チルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、スルホラン、1,3−ジオキソラン、ジメ
チルスルフィド、プロピレンサルファイド、エチレンサ
ルファイド、ビニレンカーボネート等の有機溶媒、ポリ
エピクロルヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリシロキ
サン、ポリビニルピロリドン、ポリビニリデンカーボネ
ート、ポリアクリロニトリル等の高分子化合物に、リチ
ウム塩、又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩を複
合させた系、或いはこれにプロピレンカーボネート、エ
チレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の高い誘電
率やイオン−双極子相互作用力を有する有機化合物の単
独、又は二種類以上を混合したものを用いることができ
る。
【0041】これらの溶媒に0.5〜2.0M程度のL
iClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、
LiAsF6、LiCl、LiBr、Liトリフルオロ
スルフォンイミド、Liビス(テトラフルオロメタンス
ルフォニル)イミド等の電解質を溶解して電解液とす
る。
iClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、
LiAsF6、LiCl、LiBr、Liトリフルオロ
スルフォンイミド、Liビス(テトラフルオロメタンス
ルフォニル)イミド等の電解質を溶解して電解液とす
る。
【0042】また、リチウムイオン等のアルカリ金属カ
チオンの導電体であるポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリ(メタクロイルエチレンオキシ
ド)等のエーテル系高分子固体電解質や、ポリエーテル
化合物の架橋体高分子、またこれらのものの構造末端の
水素基がメチル基、或いはエチル基等のアルキル基に交
換された、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル等の
ω−アルキルポリエーテル、ポリアクリロニトリルやけ
ん化度が高いポリビニルアルコールを上記有機溶媒と上
記電解質を混合したゲル電解質を用いることもできる。
チオンの導電体であるポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリ(メタクロイルエチレンオキシ
ド)等のエーテル系高分子固体電解質や、ポリエーテル
化合物の架橋体高分子、またこれらのものの構造末端の
水素基がメチル基、或いはエチル基等のアルキル基に交
換された、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル等の
ω−アルキルポリエーテル、ポリアクリロニトリルやけ
ん化度が高いポリビニルアルコールを上記有機溶媒と上
記電解質を混合したゲル電解質を用いることもできる。
【0043】正極材としては、従来から知られているい
ずれも使用でき、特に限定されるものではない。具体的
には、LiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、Li
Mn2O4及びこれらの非定比化合物、MnO2、Ti
S2、FeS2、Nb3S4、Mo3S4、CoS2、V
2O5、P2O5、CrO3、V6O13、TeO2、GeO2等
を用いることができる。
ずれも使用でき、特に限定されるものではない。具体的
には、LiFeO2、LiCoO2、LiNiO2、Li
Mn2O4及びこれらの非定比化合物、MnO2、Ti
S2、FeS2、Nb3S4、Mo3S4、CoS2、V
2O5、P2O5、CrO3、V6O13、TeO2、GeO2等
を用いることができる。
【0044】正極体は、例えば、上記正極材に、アセチ
レンブラック、黒鉛等の導電剤を添加し、テトラフルオ
ロエチレン等を結着剤として混合後、アルミ箔上に塗布
し、成形、乾燥することによって得ることができる。
レンブラック、黒鉛等の導電剤を添加し、テトラフルオ
ロエチレン等を結着剤として混合後、アルミ箔上に塗布
し、成形、乾燥することによって得ることができる。
【0045】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。
【0046】電極材料の評価方法 すべての評価は以下の如く行った。本発明の負極材と結
着剤を用い、銅箔集電体上に塗布、結着した後、ペレッ
ト状に成形した。これをセパレーター、電解液と共に、
対極をリチウム金属とした半電池とし、2016コイン
セル中に組み立てた。充放電容量は充放電試験機を用
い、上述の様なセルで評価したが、正極体とともに組ん
だリチウムイオン電池でも同様な効果が期待できる。
着剤を用い、銅箔集電体上に塗布、結着した後、ペレッ
ト状に成形した。これをセパレーター、電解液と共に、
対極をリチウム金属とした半電池とし、2016コイン
セル中に組み立てた。充放電容量は充放電試験機を用
い、上述の様なセルで評価したが、正極体とともに組ん
だリチウムイオン電池でも同様な効果が期待できる。
【0047】(実施例1)SiをNiSi2の表面及び
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物40
gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルから得
られたR値が0.2である平均粒子径1.6μmの人造
黒鉛4gを、MRK製モルダーグラインダーにて大気中
で2分間均一に混合した。この混合物にH/Cが約1.
0、芳香族性指数faが約0.5のタールピッチ5gを
添加し、更に混合した。これを焼成炉中でアルゴン雰囲
気下、昇温速度8℃/min.で900℃まで昇温させ、1
時間保持した。室温付近まで冷却後、焼成したものを瑪
瑙乳鉢で解砕し、目開き45μmの篩で分級し、平均粒
子径14.1μmに整粒してサンプルとした。焼成時の
収率及び元素分析から得られたこの粒子の金属質物M、
黒鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒子全体を100重
量%とした時、90重量%、9重量%、及び1重量%で
あった。また、SEMにより該サンプル粒子を観察した
ところ、金属質物M粒子の表面を、黒鉛と炭素質物の混
合物が被覆した構造が観察された。このサンプル粒子6
gに対し、導電剤としてd002が0.336nmである平
均粒子径1.6μmの人造黒鉛0.7gと、結着剤とし
て前記粒子100重量%に対しカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)
合計2.46重量%と、共に混合し、厚み19μmの銅
箔上に塗布後、80℃で予備乾燥した。更に、直径1
2.5mmの円盤状に打ち抜き110℃で一昼夜加熱減圧
乾燥して電極とした。得られた電極に対し、電解液を含
浸させたポリエチレン製セパレーターを挟み、リチウム
金属電極に対向させたコイン型セルを作成し、充放電試
験を行った。電解液には、エチレンカーボネート(E
C)とエチルメチルカーボネート(EMC)を容量比で
1:3比率で混合した溶媒に、リチウムヘキサフルオロ
フォスフェート(LiPF6)を1.25mol/Lの割合で
溶解させたものを用いた。基準充放電試験は、電流密度
0.32mA/cm2で極間電位差が0Vになるまでドープを
行い、同じ電流密度で1.5Vになるまで脱ドープを行
った。容量値は、コイン型セル3個について各々充放電
試験を行い、第1回目充放電サイクル時の脱ドープ容量
の平均、同サイクルのドープ容量から脱ドープ容量を差
し引いた不可逆容量の平均、及び第20回目の放電容量
を第1回目の放電容量で割った値の百分率(容量維持率
/%)で評価した。
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物40
gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルから得
られたR値が0.2である平均粒子径1.6μmの人造
黒鉛4gを、MRK製モルダーグラインダーにて大気中
で2分間均一に混合した。この混合物にH/Cが約1.
0、芳香族性指数faが約0.5のタールピッチ5gを
添加し、更に混合した。これを焼成炉中でアルゴン雰囲
気下、昇温速度8℃/min.で900℃まで昇温させ、1
時間保持した。室温付近まで冷却後、焼成したものを瑪
瑙乳鉢で解砕し、目開き45μmの篩で分級し、平均粒
子径14.1μmに整粒してサンプルとした。焼成時の
収率及び元素分析から得られたこの粒子の金属質物M、
黒鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒子全体を100重
量%とした時、90重量%、9重量%、及び1重量%で
あった。また、SEMにより該サンプル粒子を観察した
ところ、金属質物M粒子の表面を、黒鉛と炭素質物の混
合物が被覆した構造が観察された。このサンプル粒子6
gに対し、導電剤としてd002が0.336nmである平
均粒子径1.6μmの人造黒鉛0.7gと、結着剤とし
て前記粒子100重量%に対しカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)
合計2.46重量%と、共に混合し、厚み19μmの銅
箔上に塗布後、80℃で予備乾燥した。更に、直径1
2.5mmの円盤状に打ち抜き110℃で一昼夜加熱減圧
乾燥して電極とした。得られた電極に対し、電解液を含
浸させたポリエチレン製セパレーターを挟み、リチウム
金属電極に対向させたコイン型セルを作成し、充放電試
験を行った。電解液には、エチレンカーボネート(E
C)とエチルメチルカーボネート(EMC)を容量比で
1:3比率で混合した溶媒に、リチウムヘキサフルオロ
フォスフェート(LiPF6)を1.25mol/Lの割合で
溶解させたものを用いた。基準充放電試験は、電流密度
0.32mA/cm2で極間電位差が0Vになるまでドープを
行い、同じ電流密度で1.5Vになるまで脱ドープを行
った。容量値は、コイン型セル3個について各々充放電
試験を行い、第1回目充放電サイクル時の脱ドープ容量
の平均、同サイクルのドープ容量から脱ドープ容量を差
し引いた不可逆容量の平均、及び第20回目の放電容量
を第1回目の放電容量で割った値の百分率(容量維持率
/%)で評価した。
【0048】
【数1】
【0049】なお、負極材の比重には、リチウムドープ
前の該サンプルの真比重を用いた。
前の該サンプルの真比重を用いた。
【0050】(実施例2)実施例1の金属質物M、人造
黒鉛、及びタールピッチをそれぞれ40g、4g、及び
10g使用し、実施例1と同様の方法で混合、焼成し
た。室温付近まで冷却後、瑪瑙乳鉢で解砕し、目開き4
5μmの篩で分級し、平均粒子径14.1μmに整粒して
サンプルとした。焼成時の収率及び元素分析から得られ
たこの粒子の金属質物M、黒鉛質物、及び炭素質物の割
合は、粒子全体を100重量%としたとき、89重量
%、9重量%、及び2重量%であった。また、SEMに
よりサンプル粒子を観察したところ、金属質物M粒子の
表面に炭素質物が被覆した構造が観察された。このサン
プル粒子6gに対し、導電剤として、d002が0.33
6nmである平均粒子径3.7μmの人造黒鉛0.7g
と、結着剤として前記粒子100重量%に対しカルボキ
シメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエン
ゴム(SBR)合計2.46重量%と、共に混合し、実
施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行った。
黒鉛、及びタールピッチをそれぞれ40g、4g、及び
10g使用し、実施例1と同様の方法で混合、焼成し
た。室温付近まで冷却後、瑪瑙乳鉢で解砕し、目開き4
5μmの篩で分級し、平均粒子径14.1μmに整粒して
サンプルとした。焼成時の収率及び元素分析から得られ
たこの粒子の金属質物M、黒鉛質物、及び炭素質物の割
合は、粒子全体を100重量%としたとき、89重量
%、9重量%、及び2重量%であった。また、SEMに
よりサンプル粒子を観察したところ、金属質物M粒子の
表面に炭素質物が被覆した構造が観察された。このサン
プル粒子6gに対し、導電剤として、d002が0.33
6nmである平均粒子径3.7μmの人造黒鉛0.7g
と、結着剤として前記粒子100重量%に対しカルボキ
シメチルセルロース(CMC)及びスチレンブタジエン
ゴム(SBR)合計2.46重量%と、共に混合し、実
施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行った。
【0051】(実施例3)SiをNiSi2の表面及び
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物15
0gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルのR
値が0.2である平均粒子径1.6μmの人造黒鉛28
gを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて常
温、窒素雰囲気下で15分間処理した。このサンプル4
0gに実施例1で用いたタールピッチ8gを添加し、更
に大気中で混合した。これを実施例1と同様の方法で焼
成、ハンマーミルで解砕し、目開き38μmの篩で分級
し、平均粒子径14.1μmに整粒してサンプルとし
た。焼成時の収率及び元素分析から得られたこの粒子の
金属質物M、黒鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒子全
体を100重量%としたとき、83重量%、16重量
%、及び1重量%であった。また、SEMにより該サン
プル粒子を観察したところ、金属質物M粒子の表面を、
黒鉛と炭素質物の混合物が被覆した構造が観察された。
このサンプル粒子に6gに対し、導電剤として、d002
が0.336nmである平均粒子径3.7μmの人造黒鉛
0.2gと、結着剤として前記粒子100重量%に対し
カルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブ
タジエンゴム(SBR)合計2.46重量%と、共に混
合し、実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行
った。
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物15
0gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルのR
値が0.2である平均粒子径1.6μmの人造黒鉛28
gを、ホソカワミクロン製メカノフュージョンにて常
温、窒素雰囲気下で15分間処理した。このサンプル4
0gに実施例1で用いたタールピッチ8gを添加し、更
に大気中で混合した。これを実施例1と同様の方法で焼
成、ハンマーミルで解砕し、目開き38μmの篩で分級
し、平均粒子径14.1μmに整粒してサンプルとし
た。焼成時の収率及び元素分析から得られたこの粒子の
金属質物M、黒鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒子全
体を100重量%としたとき、83重量%、16重量
%、及び1重量%であった。また、SEMにより該サン
プル粒子を観察したところ、金属質物M粒子の表面を、
黒鉛と炭素質物の混合物が被覆した構造が観察された。
このサンプル粒子に6gに対し、導電剤として、d002
が0.336nmである平均粒子径3.7μmの人造黒鉛
0.2gと、結着剤として前記粒子100重量%に対し
カルボキシメチルセルロース(CMC)及びスチレンブ
タジエンゴム(SBR)合計2.46重量%と、共に混
合し、実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行
った。
【0052】(実施例4)SiをNiSi2の表面及び
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物80
gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルのR値
が0.2である平均粒子径1.6μmの人造黒鉛1g
を、奈良機械製ハイブリダイザーにて常温、アルゴン雰
囲気下で3分間処理した。このサンプル40gに実施例
1で用いたタールピッチ7gを添加し、更に大気中で混
合した。これを実施例1と同様な方法で焼成、瑪瑙乳鉢
で解砕し、目開き45μmの篩で分級し、整粒された平
均粒子径14.1μmのサンプルを得た。焼成時の収率
及び元素分析から、得られたこの粒子の金属質物M、黒
鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒粒子全体を100重
量%としたとき、97重量%、1重量%、及び2重量%
であった。また、SEMにより該サンプル粒子を観察し
たところ、金属質物M粒子の表面を、黒鉛と炭素質物の
混合物が被覆した構造が観察された。このサンプル粒子
に6gに対し、導電剤としてd002が0.336nmであ
る平均粒子径1.6μmの人造黒鉛1.3gと、結着剤
として前記粒子100重量%に対しカルボキシメチルセ
ルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SB
R)合計2.46重量%と、共に混合し、実施例1と同
様に電極を作製し、充放電試験を行った。
内部に包含する平均粒子径12.5μmの金属質物80
gと、d002が0.336nm、ラマンスペクトルのR値
が0.2である平均粒子径1.6μmの人造黒鉛1g
を、奈良機械製ハイブリダイザーにて常温、アルゴン雰
囲気下で3分間処理した。このサンプル40gに実施例
1で用いたタールピッチ7gを添加し、更に大気中で混
合した。これを実施例1と同様な方法で焼成、瑪瑙乳鉢
で解砕し、目開き45μmの篩で分級し、整粒された平
均粒子径14.1μmのサンプルを得た。焼成時の収率
及び元素分析から、得られたこの粒子の金属質物M、黒
鉛質物、及び炭素質物の割合は、粒粒子全体を100重
量%としたとき、97重量%、1重量%、及び2重量%
であった。また、SEMにより該サンプル粒子を観察し
たところ、金属質物M粒子の表面を、黒鉛と炭素質物の
混合物が被覆した構造が観察された。このサンプル粒子
に6gに対し、導電剤としてd002が0.336nmであ
る平均粒子径1.6μmの人造黒鉛1.3gと、結着剤
として前記粒子100重量%に対しカルボキシメチルセ
ルロース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SB
R)合計2.46重量%と、共に混合し、実施例1と同
様に電極を作製し、充放電試験を行った。
【0053】(比較例1)d002が0.336nm、ラマ
ンスペクトルのR値が0.1である平均粒子径3.7μ
mの人造黒鉛を、結着剤であるカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)
を前記黒鉛100重量%に対し合計2.46重量%と共
に混合し、実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験
を行った。
ンスペクトルのR値が0.1である平均粒子径3.7μ
mの人造黒鉛を、結着剤であるカルボキシメチルセルロ
ース(CMC)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)
を前記黒鉛100重量%に対し合計2.46重量%と共
に混合し、実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験
を行った。
【0054】(比較例2)実施例1で用いた金属物質M
を、結着剤であるカルボキシメチルセルロース(CM
C)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を前記金属
100重量%に対し合計2.46重量%と共に混合し、
実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行った。
を、結着剤であるカルボキシメチルセルロース(CM
C)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)を前記金属
100重量%に対し合計2.46重量%と共に混合し、
実施例1と同様に電極を作製し、充放電試験を行った。
【0055】(比較例3)実施例1で用いた金属質物M
4.8gに対し、比較例1で用いた人造黒鉛を1.2g
添加し、均一に混合した。この混合物100重量%に対
し、結着剤であるカルボキシメチルセルロース(CM
C)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)合計2.4
6重量%を共に混合し、実施例1と同様に電極を作製
し、充放電試験を行った。
4.8gに対し、比較例1で用いた人造黒鉛を1.2g
添加し、均一に混合した。この混合物100重量%に対
し、結着剤であるカルボキシメチルセルロース(CM
C)及びスチレンブタジエンゴム(SBR)合計2.4
6重量%を共に混合し、実施例1と同様に電極を作製
し、充放電試験を行った。
【0056】以下、本発明によって作製したリチウム二
次電池を具体的に充放電した実施例1から4及び比較例
1から3との比較検討を示す。表1に実施例1から4及
び比較例1から3のリチウム二次電池の脱ドープ容量、
不可逆容量、容量維持率をまとめた。
次電池を具体的に充放電した実施例1から4及び比較例
1から3との比較検討を示す。表1に実施例1から4及
び比較例1から3のリチウム二次電池の脱ドープ容量、
不可逆容量、容量維持率をまとめた。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、高容量で、長期サイク
ルでの容量劣化が小さく、更に初回充電時に発生する不
可逆容量が小さいリチウム二次電池の負極材を製造する
ことができる。
ルでの容量劣化が小さく、更に初回充電時に発生する不
可逆容量が小さいリチウム二次電池の負極材を製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 秀治 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 西岡 圭子 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 (72)発明者 笠松 真治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新田 芳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL01 AL07 AM03 AM04 AM05 BJ13 CJ02 CJ28 DJ12 DJ16 DJ17 HJ01 HJ02 HJ13 HJ14 5H050 AA07 AA08 BA17 CA08 CA09 CB01 DA09 EA09 EA10 EA24 FA18 GA02 GA05 GA27 HA01 HA02 HA05 HA13 HA14 HA20
Claims (12)
- 【請求項1】 非水系リチウム二次電池用負極材を製造
する方法であって、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物
である炭素質物前駆体を混合、不活性雰囲気下で焼成し
てなることを特徴とし、該金属質物Mが、固相A、Bか
らなり、固相Aからなる核粒子の周囲の一部又は全面は
固相Bによって被覆された構造を持ち、更に該固相Aが
構成元素としてケイ素を少なくとも含み、該固相Bが周
期律表の2族元素、遷移金属元素、12族元素、13族
元素、並びに炭素とケイ素を除く14族元素からなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素と、ケイ素との固溶
体又は金属間化合物である方法。 - 【請求項2】 前記金属質物Mの表面に、予め黒鉛質
物、及び有機物である炭素質物前駆体を被覆し、これを
焼成してなる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記金属質物M表面を、該金属質物Mと
黒鉛質物を不活性雰囲気下で機械処理することにより被
覆し、更に該処理物質を炭素質物前駆体と接触処理した
後、焼成する請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 機械処理を、不活性雰囲気下、剪断速度
10s-1以上で行う請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 焼成温度が700〜1500℃である請
求項1乃至4のいずれか1に記載の負極材の製造法。 - 【請求項6】 黒鉛質物の結晶面(002)の面間隔d
002が0.348nm以下、且つ該黒鉛質物の積層層の厚
さLcが10nm以上である請求項1乃至5のいずれか1
に記載の方法。 - 【請求項7】 黒鉛質物が、波長514.3nmのアルゴ
ンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析に於
いて、1580cm-1〜1620cm-1の範囲に現れるピー
クの強度をIA、1350cm-1〜1370cm-1の範囲に
現れるピークの強度をIBとしたときの、ピーク強度比
R(=IB/IA):0.4以下を有するものである請
求項1乃至6のいずれか1に記載の負極材の製造法。 - 【請求項8】 黒鉛質物が、平均粒子径が1μm以上1m
m以下である請求項1乃至7にいずれか1に記載の方
法。 - 【請求項9】 黒鉛質物が、結晶面(002)の面間隔
d002が0.348nm以下である、天然黒鉛、人造黒
鉛、これらの高純度精製品、或いは、これらの混合物で
ある請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法。 - 【請求項10】 炭素質物前駆体が、コールタールピッ
チ,石炭系重質油、直流系重質油、石油系重質油,芳香
族炭化水素、窒素含有複素環有機化合物、イオウ含有複
素環有機化合物、含窒素性有機高分子、含イオウ性有機
高分子、天然高分子から選ばれた一種以上の炭素化可能
な有機化合物である請求項1乃至5のいずれか1に記載
の方法。 - 【請求項11】 炭素質物前駆体が、H/C:0.4以
上1.8以下のものである請求項1乃至5及び10のい
ずれか1に記載の方法。 - 【請求項12】 負極材全体を100重量%としたと
き、金属質物M、黒鉛質物、及び有機物である炭素質物
前駆体を熱処理した炭素質物の割合が、それぞれ50〜
95重量%、4.9〜30重量%、及び0.1〜20重
量%である請求項1乃至11のいずれか1に記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000347569A JP2001210329A (ja) | 1999-11-16 | 2000-11-15 | 非水系リチウム二次電池用負極材の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32514099 | 1999-11-16 | ||
JP11-325140 | 1999-11-16 | ||
JP2000347569A JP2001210329A (ja) | 1999-11-16 | 2000-11-15 | 非水系リチウム二次電池用負極材の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001210329A true JP2001210329A (ja) | 2001-08-03 |
Family
ID=26571732
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000347569A Pending JP2001210329A (ja) | 1999-11-16 | 2000-11-15 | 非水系リチウム二次電池用負極材の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001210329A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005276821A (ja) * | 2004-02-24 | 2005-10-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 非水系二次電池用負極材料とその製造方法 |
JP2007115687A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-05-10 | Samsung Sdi Co Ltd | 負極活物質、その製造方法、並びにそれを採用した負極及びリチウム電池 |
WO2007148553A1 (ja) * | 2006-06-20 | 2007-12-27 | Osaka Gas Chemicals Co., Ltd. | リチウムイオン二次電池用負極活物質 |
JP2009514181A (ja) * | 2005-10-31 | 2009-04-02 | ティ/ジェイ テクノロジーズ インコーポレイテッド | 高容量の電極、及びその製造及び使用のための方法 |
KR101035361B1 (ko) * | 2005-01-28 | 2011-05-20 | 삼성에스디아이 주식회사 | 음극 활물질, 그 제조 방법 및 이를 채용한 음극과 리튬전지 |
US12351462B1 (en) | 2024-10-25 | 2025-07-08 | Urbix, Inc. | Graphite shaping and coating devices, systems, and methods |
-
2000
- 2000-11-15 JP JP2000347569A patent/JP2001210329A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005276821A (ja) * | 2004-02-24 | 2005-10-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 非水系二次電池用負極材料とその製造方法 |
KR101035361B1 (ko) * | 2005-01-28 | 2011-05-20 | 삼성에스디아이 주식회사 | 음극 활물질, 그 제조 방법 및 이를 채용한 음극과 리튬전지 |
JP2007115687A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-05-10 | Samsung Sdi Co Ltd | 負極活物質、その製造方法、並びにそれを採用した負極及びリチウム電池 |
JP2009514181A (ja) * | 2005-10-31 | 2009-04-02 | ティ/ジェイ テクノロジーズ インコーポレイテッド | 高容量の電極、及びその製造及び使用のための方法 |
WO2007148553A1 (ja) * | 2006-06-20 | 2007-12-27 | Osaka Gas Chemicals Co., Ltd. | リチウムイオン二次電池用負極活物質 |
US12351462B1 (en) | 2024-10-25 | 2025-07-08 | Urbix, Inc. | Graphite shaping and coating devices, systems, and methods |
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