JP2001180555A - 小型雪上車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】部品点数を増加することなく簡単な構造でシー
ト後部の荷物収納空間の利便性や使用性を向上させた小
型雪上車を提供する。 【解決手段】 車体ボディおよび車体フレームからなる
車体内にエンジンを搭載し、該車体の下部に操向スキー
および駆動用トラックベルトが備わり、該車体上部にシ
ート６が備わり、該シート後部の車体ボディ内に荷物収
納空間８が形成され、該荷物収納空間８の後部にテール
ライト１０が備わり、前記シート６は、クッション材１
１とこれを支持する枠材１３とからなり、該枠材１３は
前記車体フレーム上に装着された小型雪上車において、
前記テールライト１０の光により前記荷物収納空間８内
を照明する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は小型雪上車（スノー
モービル）に関し、特に後部に荷物収納空間を有するシ
ート構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】小型雪上車は、車体ボディおよび車体フ
レームからなる車体内にエンジンを搭載し、この車体の
下部に操向スキーおよび駆動用トラックベルトが備わ
り、運転者は、車体上部に設けられたシート上に跨って
操縦する。このような小型雪上車は、そのシート後部の
車体ボディ内に荷物収納空間が形成され、この荷物収納
空間の後部にテールライトが備わる。シートは、発泡材
料等のスポンジ材からなるクッション材とこれを支持す
る枠材とからなり、この枠材はアルミニウム等からなる
車体フレーム上に装着される。

【０００３】シートのクッション材は、枠材を通してそ
の後部の荷物収納空間と連通している。クッション材
は、運転者の乗り降りに伴い、また乗車中の体重のかけ
方等により、変形して押しつぶされたり回復したりす
る。押しつぶされるときに、クッション材から空気を排
出し、形状が回復するときに、荷物収納空間から空気を
吸引する。

【０００４】テールライトは電球とそのソケットを一体
化したライトユニットからなり、このライトユニットは
シートの枠材に電球を後方に向けて固定される。シート
のクッション材とソケット保持板の間に上記荷物収納空
間が形成され、その上部に蓋が設けられる。荷物はこの
シート後部の蓋を開けて出し入れされる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
雪上車においては、荷物収納空間に照明がないため、夜
間の荷物の出し入れの際懐中電灯等が必要になり不便で
あった。このような荷物収納空間に専用の照明を設けれ
ば、収納空間を狭めまた周囲の構成を複雑にするととも
に部品点数が増えコストアップとなる。

【０００６】また、シートのクッション材が変形して回
復するときに、荷物収納空間の空気を吸引するため、荷
物収納空間内が負圧となって、蓋の隙間等から雪や水を
含んだ外気が流入して収納された荷物を濡らすことがあ
る。また、蓋を開けたときに荷物収納空間内に進入した
雪や水がクッション材に吸引されクッション材が濡れて
乗車感覚を低下させるとともに劣化を早める。

【０００７】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、部品点数を増加することなく簡単な構造でシート
後部の荷物収納空間の利便性や使用性を向上させた小型
雪上車の提供を目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、車体ボディおよび車体フレームからな
る車体内にエンジンを搭載し、該車体の下部に操向スキ
ーおよび駆動用トラックベルトが備わり、該車体上部に
シートが備わり、該シート後部の車体ボディ内に荷物収
納空間が形成され、該荷物収納空間の後部にテールライ
トが備わり、前記シートは、クッション材とこれを支持
する枠材とからなり、該枠材は前記車体フレーム上に装
着された小型雪上車において、前記テールライトの光に
より前記荷物収納空間内を照明することを特徴とする小
型雪上車を提供する。

【０００９】この構成によれば、荷物収納空間の後部に
装着されたテールライトの光の一部を用いて荷物収納空
間内を照明するため、新たな照明装置を備えることなく
簡単な構成で荷物収納空間を照明することができ、夜間
の荷物の出し入れが容易にできる。

【００１０】好ましい構成例では、前記テールライトの
ソケット又はその支持部材を光透過性材料で形成したこ
とを特徴としている。

【００１１】この構成によれば、テールライトの電球を
装着するソケット又はその支持部材が例えば透明または
半透明の樹脂材料等で構成され、光が電球の背面側にも
漏洩するため、光を荷物収納空間内に導くための孔や切
欠き等を形成することなく荷物収納空間内を照明するこ
とができる。

【００１２】さらに好ましい構成例では、前記シートと
荷物収納空間との間を密閉するとともに、該シートと該
シート前部の車体ボディ内とを連通する空気通路を設け
たことを特徴としている。

【００１３】この構成によれば、シートは、その後部の
荷物収納空間と遮断されて連通しなくなり、シート前部
の車体ボディ内と連通するため、シートの変形回復動作
により空気が吸引されたときに、荷物収納空間内に雪水
等の湿った空気が流入することが抑えられる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図１および図２はそれぞれ、
本発明が適用される小型雪上車の側面図および上面図で
ある。小型雪上車１は、樹脂材料等からなる車体ボディ
２とアルミニウム等からなる車体フレーム（図示しな
い）からなる車体内にエンジン（図示しない）を搭載
し、車体前部に操向スキー３が備わり、車体後部にエン
ジンに連結された駆動用のトラックベルト４が備わる。
車体上部中央部にハンドル５が備わり、その後方にシー
ト６が備わる。シート６の前には燃料タンク７が設けら
れる。シート６の後方には荷物収納空間８が形成され、
その上部に蓋９が設けられる。荷物収納空間８の後部に
はテールライト１０が装着される。

【００１５】図３は上記小型雪上車のシート部分の詳細
図であり、図４はその裏面側から見た平面図である。ま
た、図５および図６はそれぞれ、図４のＡ−Ａ部分およ
びＢ−Ｂ部分の断面図である。シート６は、発泡ウレタ
ンその他の発泡性樹脂材料からなるクッション材１１
と、このクッション材１１に一体接合されたオレフィン
系その他適当な発泡ビーズ材１２と、この発泡ビーズ材
１２を支持する枠体を構成する樹脂ボトム材１３とによ
り構成される。クッション材１１は、柔軟なスポンジ状
であり、前述のように、その変形および回復に伴って空
気を排出および吸引する。このクッション材１１の表面
は耐水性および気密性のある人工レザー等の表皮材２３
で覆われる。発泡ビーズ材１２は空気を遮断する材質で
あり、前部ビーズ材１２ａ、底部ビーズ材１２ｂ、後部
ビーズ材１２ｃとからなり、クッション材１１の周縁を
塞ぐ。

【００１６】本実施形態においては、後部ビーズ材１２
ｃおよびその背面の樹脂ボトム材１３により、クッショ
ン材１１はその後方の荷物収納空間８と完全に遮断され
る。樹脂ボトム材１３の底部には、開口１７が形成され
る。この開口１７を通して底部ビーズ材１２ｂの底面が
突出して図５に示すように、車体フレーム２２に対し樹
脂ボトム材１３とともに開口１７内の底部ビーズ材１２
ｂの底面全体が接触してシート荷重を支持する。これに
より、荷重を受ける面積が大きくなり、無理が集中荷重
を生じることなく、安定してシート荷重を支持できる。

【００１７】この底部ビーズ材１２の底面には、溝状の
空気通路１９が形成される。各吸気通路１９に臨んで、
クッション材１１と連通するための空気孔１８が底部ビ
ーズ材１２ｃに形成される。各空気通路１９に連通し
て、底部ビーズ材１２ｂの前部に切欠き２０が形成され
る。この切欠き２０を介して各空気通路１９がシート６
の前方の車体ボディ２内の燃料タンク収納スペース２４
と連通する。このような構成により、クッション材１１
から押し出された空気は、図６の矢印Ｂに示すように、
空気孔１８を通して空気通路１９を通り、切欠き２０を
介して、樹脂ボトム材１３に設けた開口１３ａを通して
燃料タンク収納スペース２４内に流出する。クッション
材１１が空気を吸引するときには、矢印Ｂと逆方向の流
路で車体ボディ内の燃料タンク収納スペース２４から空
気を吸引する。

【００１８】樹脂ボトム材１３の後部にテールライト１
０が装着される。テールライト１０は、樹脂ボトム材１
３に一体的に固定された支持板１６と、この支持板１６
に取付けられたソケット１５と、このソケット１５に填
め込まれた電球１４とにより構成される。

【００１９】本実施形態では、ソケット１５および／ま
たは支持板１６を透明または半透明な光透過性材料で構
成する。これにより、電球１４の光が矢印Ａのように、
その背面側の荷物収納空間８内に漏洩して荷物収納空間
８内を照明する。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、荷物
収納空間の後部に装着されたテールライトの光の一部を
用いて荷物収納空間内を照明するため、新たな照明装置
を備えることなく簡単な構成で荷物収納空間を照明する
ことができ、夜間の荷物の出し入れが容易にできる。

【００２１】また、シートと荷物収納空間との間を密閉
するとともに、該シートと該シート前部の車体ボディ内
とを連通する空気通路を設けた構成によれば、シート
は、その後部の荷物収納空間と遮断されて連通しなくな
り、シート前部の車体ボディ内と連通するため、シート
の変形回復動作により空気が吸引されたときに、荷物収
納空間内に雪水等の湿った空気が流入することが抑えら
れ、またシートが荷物収納空間内の雪水等を含む空気を
吸引することが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明が適用される小型雪上車の側面図

【図２】 図１の小型雪上車の上面図

【図３】 図１の小型雪上車のシート部分の側面図

【図４】 図３のシート部分の底面図

【図５】 図４のＡ−Ａ部分の断面図

【図６】 図４のＢ−Ｂ部分の断面図

【符号の説明】

１：小型雪上車、２：車体ボディ、３：操向スキー、
４：トラックベルト、５：ハンドル、６：シート、７：
燃料タンク、８：荷物収納空間、９：蓋、１０：テール
ライト、１１：クッション材、１２：発泡ビーズ材、１
３：樹脂ボトム材、１４：電球、１５：ソケット、１
６：支持板、１７：開口、１８：空気孔、１９：空気通
路、２０：切欠き、２２：車体フレーム、２３：表皮
材、２４：燃料タンク収納スペース

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車体ボディおよび車体フレームからなる車
   体内にエンジンを搭載し、 該車体の下部に操向スキーおよび駆動用トラックベルト
   が備わり、 該車体上部にシートが備わり、 該シート後部の車体ボディ内に荷物収納空間が形成さ
   れ、 該荷物収納空間の後部にテールライトが備わり、 前記シートは、クッション材とこれを支持する枠材とか
   らなり、 該枠材は前記車体フレーム上に装着された小型雪上車に
   おいて、 前記テールライトの光により前記荷物収納空間内を照明
   することを特徴とする小型雪上車。
2. 【請求項２】前記テールライトのソケット又はその支持
   部材を光透過性材料で形成したことを特徴とする請求項
   １に記載の小型雪上車。
3. 【請求項３】前記シートと荷物収納空間との間を密閉す
   るとともに、該シートと該シート前部の車体ボディ内と
   を連通する空気通路を設けたことを特徴とする請求項１
   または２に記載の小型雪上車。