JP2001172338A - 機能性グラフト化ポリウレタン及びその合成法 - Google Patents
機能性グラフト化ポリウレタン及びその合成法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規な多機能性ポリウレタンに関し、ポリウ
レタンを主鎖とし、各種機能性単量体を主鎖にグラフト
重合により結合させてなる高分子化合物より成り、ポリ
ウレタンの特性と、グラフト重合によって導入された側
鎖のブロックポリマーの特性を併せ持ち、側鎖を構成す
る機能性単量体の種類により親水性、親油性、撥水性、
撥水撥油性等特定の機能を付与することができる機能性
グラフト化ポリウレタン及びその合成法を提案する。 【解決手段】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結合
を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤として
の作用を有するジオール、及びジイソシアネートの反応
により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この主鎖
に、ビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合によ
り結合させて側鎖とした。
レタンを主鎖とし、各種機能性単量体を主鎖にグラフト
重合により結合させてなる高分子化合物より成り、ポリ
ウレタンの特性と、グラフト重合によって導入された側
鎖のブロックポリマーの特性を併せ持ち、側鎖を構成す
る機能性単量体の種類により親水性、親油性、撥水性、
撥水撥油性等特定の機能を付与することができる機能性
グラフト化ポリウレタン及びその合成法を提案する。 【解決手段】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結合
を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤として
の作用を有するジオール、及びジイソシアネートの反応
により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この主鎖
に、ビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合によ
り結合させて側鎖とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な多機能性ポ
リウレタンに関し、ポリウレタンを主鎖とし、各種機能
性単量体を主鎖にグラフト重合により結合させてなる高
分子化合物より成り、ポリウレタンの特性と、グラフト
重合によって導入された側鎖のブロックポリマーの特性
を併せ持ち、側鎖を構成する機能性単量体の種類により
親水性、親油性、撥水性、撥水撥油性等特定の機能を付
与することができる機能性グラフト化ポリウレタン及び
その合成法に関する。
リウレタンに関し、ポリウレタンを主鎖とし、各種機能
性単量体を主鎖にグラフト重合により結合させてなる高
分子化合物より成り、ポリウレタンの特性と、グラフト
重合によって導入された側鎖のブロックポリマーの特性
を併せ持ち、側鎖を構成する機能性単量体の種類により
親水性、親油性、撥水性、撥水撥油性等特定の機能を付
与することができる機能性グラフト化ポリウレタン及び
その合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のようにポリウレタンはゴム弾性を
示す特性を有し、さらに耐摩耗性、耐酸化性、耐油性、
耐老化性等においても優れた性質を有し、しかもその塗
膜は高い強度と柔軟性を有しているので、塗料、繊維、
フォーム、パッキン、接着剤等各種の用途にひろく使用
されている。また、近年、半導体、透明導電性フィル
ム、感光感熱材料などの新しい用途にも使用されてい
る。
示す特性を有し、さらに耐摩耗性、耐酸化性、耐油性、
耐老化性等においても優れた性質を有し、しかもその塗
膜は高い強度と柔軟性を有しているので、塗料、繊維、
フォーム、パッキン、接着剤等各種の用途にひろく使用
されている。また、近年、半導体、透明導電性フィル
ム、感光感熱材料などの新しい用途にも使用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、特願平
10−55438号及び特願平10−122559号に
各種の機能性グラフト化ポリウレタンについて特許出願
しており、最小基本構成としては分子内に少なくとも一
つ以上の二重結合を有するジオールとジイソシアネート
の反応により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この
主鎖にビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合に
より結合させて側鎖とした機能性グラフト化ポリウレタ
ンであり、ポリウレタン主鎖の特性とグラフト重合化さ
れた側鎖化合物の特性を併せ持つ従来にない多方面の用
途に対応できる組成物を提案した。また、この出願にお
いてグラフト化されないジオールとして水素添加ポリブ
タジエンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエ
ステルジオールなどを併用する内容も記載した。しかし
ながら、主鎖を形成するポリウレタンの特性は、ジイソ
シアネートの構造、分子内に二重結合を有するジオール
(グラフト化されるジオール)の構造、グラフト化され
ないジオールの構造の組み合わせに依存するが、特願平
10−55438号及び特願平10−122559号に
おいてはグラフト化されないジオールを主鎖中のビニル
基の割合を調整する目的で併用したものであり、グラフ
ト化されるジオールと比較的類似した構造のものを用い
たので、主鎖のポリウレタンの特性はやや似通ったもの
となっていた。そこで、本発明者らは、このグラフト化
されないジオールを従来にない特定の構造、性状を有す
る組成に置き換えることにより主鎖のポリウレタンの特
性を従来にはないタイプのものに変え、これによりさら
なる用途も期待する。
10−55438号及び特願平10−122559号に
各種の機能性グラフト化ポリウレタンについて特許出願
しており、最小基本構成としては分子内に少なくとも一
つ以上の二重結合を有するジオールとジイソシアネート
の反応により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この
主鎖にビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合に
より結合させて側鎖とした機能性グラフト化ポリウレタ
ンであり、ポリウレタン主鎖の特性とグラフト重合化さ
れた側鎖化合物の特性を併せ持つ従来にない多方面の用
途に対応できる組成物を提案した。また、この出願にお
いてグラフト化されないジオールとして水素添加ポリブ
タジエンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエ
ステルジオールなどを併用する内容も記載した。しかし
ながら、主鎖を形成するポリウレタンの特性は、ジイソ
シアネートの構造、分子内に二重結合を有するジオール
(グラフト化されるジオール)の構造、グラフト化され
ないジオールの構造の組み合わせに依存するが、特願平
10−55438号及び特願平10−122559号に
おいてはグラフト化されないジオールを主鎖中のビニル
基の割合を調整する目的で併用したものであり、グラフ
ト化されるジオールと比較的類似した構造のものを用い
たので、主鎖のポリウレタンの特性はやや似通ったもの
となっていた。そこで、本発明者らは、このグラフト化
されないジオールを従来にない特定の構造、性状を有す
る組成に置き換えることにより主鎖のポリウレタンの特
性を従来にはないタイプのものに変え、これによりさら
なる用途も期待する。
【0004】
【課題を解決するために手段】本発明者らは上記に鑑み
鋭意研究の結果本発明に至った。即ち、主鎖を形成する
ポリウレタンの基本成分であるジイソシアネート、二重
結合を有する(グラフト重合化される)ジオール、及び
二重結合を有しないジオールの組み合わせにおいて、二
重結合を有しないジオールとして特定の構造のものを用
いることにより、主鎖のポリウレタンの特性を改質する
ことが本発明の目的であり、その後のグラフト化の工程
は特願平10−55438号及び特願平10−1225
59号と同様となる。このようにして得られる本発明の
機能性グラフト化ポリウレタンは、主鎖のポリウレタン
の特性が従来のポリウレタンと異なり、結果的に得られ
るグラフト化ポリウレタンも特願平10−55438号
及び特願平10−122559号では認められなかった
他の分野での応用用途が新たに見込まれる。
鋭意研究の結果本発明に至った。即ち、主鎖を形成する
ポリウレタンの基本成分であるジイソシアネート、二重
結合を有する(グラフト重合化される)ジオール、及び
二重結合を有しないジオールの組み合わせにおいて、二
重結合を有しないジオールとして特定の構造のものを用
いることにより、主鎖のポリウレタンの特性を改質する
ことが本発明の目的であり、その後のグラフト化の工程
は特願平10−55438号及び特願平10−1225
59号と同様となる。このようにして得られる本発明の
機能性グラフト化ポリウレタンは、主鎖のポリウレタン
の特性が従来のポリウレタンと異なり、結果的に得られ
るグラフト化ポリウレタンも特願平10−55438号
及び特願平10−122559号では認められなかった
他の分野での応用用途が新たに見込まれる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に係る機能性グラフト化ポ
リウレタンについて以下に詳細に説明する。
リウレタンについて以下に詳細に説明する。
【0006】本発明に用いられるジイソシアネートとし
ては、特に限定されるものではなく、例えばヘキサメチ
レンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイ
ソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、などの脂肪族
ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、4,
4−メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフタレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシア
ネートなどがある。
ては、特に限定されるものではなく、例えばヘキサメチ
レンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
メチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイ
ソシアネート、メチレンジイソシアネート、エチレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート、などの脂肪族
ジイソシアネート類、トリレンジイソシアネート、4,
4−メチレンジフェニルジイソシアネート、ナフタレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフ
ェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシア
ネートなどがある。
【0007】本発明に用いられる二重結合を有するジオ
ールとしては、分子内に少なくとも一つ以上の二重結合
を有するものであれば良く、内部オレフィン型のジオー
ルであればよい。本発明の二重結合を有するジオールと
してより良好なものとしては、分子内に少なくともビニ
ル基を一つ以上有するジオールがあり、それらのジオー
ルの内、特に末端(側鎖)ビニル基を有するポリブタジ
エンジオールが好ましい。最も好ましいポリブタジエン
ジオールの例としては、
ールとしては、分子内に少なくとも一つ以上の二重結合
を有するものであれば良く、内部オレフィン型のジオー
ルであればよい。本発明の二重結合を有するジオールと
してより良好なものとしては、分子内に少なくともビニ
ル基を一つ以上有するジオールがあり、それらのジオー
ルの内、特に末端(側鎖)ビニル基を有するポリブタジ
エンジオールが好ましい。最も好ましいポリブタジエン
ジオールの例としては、
【化25】 を挙げることができる。
【0008】主鎖のポリウレタンの合成反応には、例え
ば前記4,4−メチレンジフェニルジイソシアネートと
前記ポリブタジエンジオールと二重結合を有しないジオ
ールを併用して反応させるのであるが、この二重結合を
有しないジオールの役割は第一に主鎖の特性の改良であ
り、第二に主鎖中のビニル基の割合の調整である。この
二重結合を有しないジオールとしては、
ば前記4,4−メチレンジフェニルジイソシアネートと
前記ポリブタジエンジオールと二重結合を有しないジオ
ールを併用して反応させるのであるが、この二重結合を
有しないジオールの役割は第一に主鎖の特性の改良であ
り、第二に主鎖中のビニル基の割合の調整である。この
二重結合を有しないジオールとしては、
【化26】 の構造の両末端アルコール変性シリコーンオイルとして
一般的に知られており、Rとしては−CH2−、CH2C
H2−、−CH2CH2CH2−があり、nとしては10〜
5000程度であり、例えば東レ・シリコーン(株)製
『BY16−848』、GE東芝シリコーン(株)製
『TSF−4751』があり、これら両末端アルコール
変性シリコーンオイルを本発明における二重結合を有し
ないジオールとして用い、ジイソシアネート及びポリブ
タジエンジオールと反応させて得られる主鎖のポリウレ
タンは従来のポリウレタンの有しているゴム弾性、耐摩
耗性、耐酸化性、耐油性、耐老化性などを保有したま
ま、それに加えてすべり性、付着防止性、剥離性が新た
な特性として付与される。
一般的に知られており、Rとしては−CH2−、CH2C
H2−、−CH2CH2CH2−があり、nとしては10〜
5000程度であり、例えば東レ・シリコーン(株)製
『BY16−848』、GE東芝シリコーン(株)製
『TSF−4751』があり、これら両末端アルコール
変性シリコーンオイルを本発明における二重結合を有し
ないジオールとして用い、ジイソシアネート及びポリブ
タジエンジオールと反応させて得られる主鎖のポリウレ
タンは従来のポリウレタンの有しているゴム弾性、耐摩
耗性、耐酸化性、耐油性、耐老化性などを保有したま
ま、それに加えてすべり性、付着防止性、剥離性が新た
な特性として付与される。
【0009】また、他の二重結合を有しないジオールと
して、
して、
【化27】 のポリエチレングリコールがあり、ここでnとしては5
00〜20000程度であり、このようなポリエチレン
グリコールを本発明における二重結合を有しないジオー
ルとして用い、ジイソシアネート及びポリブタジエンジ
オールと反応させて得られる主鎖のポリウレタンは従来
のポリウレタンの有しているゴム弾性、耐摩耗性、耐酸
化性、耐油性、耐老化性などを保有したまま、それに加
えて水に対する親和性が新たな特性として付与される。
00〜20000程度であり、このようなポリエチレン
グリコールを本発明における二重結合を有しないジオー
ルとして用い、ジイソシアネート及びポリブタジエンジ
オールと反応させて得られる主鎖のポリウレタンは従来
のポリウレタンの有しているゴム弾性、耐摩耗性、耐酸
化性、耐油性、耐老化性などを保有したまま、それに加
えて水に対する親和性が新たな特性として付与される。
【0010】また、ポリウレタンの合成に際しては、ジ
オール成分に対して過剰量のジイソシアネートを添加し
てポリウレタンを合成するが、一定の条件で反応させた
後、HO−(CH2)nOH(n=2〜10)で表される
低分子ジオールを添加するようにしても良い。この低分
子ジオールは反応性に富み、得られるポリウレタンをよ
り高分子にすることができる。例えばブタンジオール
(n=4)等を添加すると、ポリウレタンの末端のイソ
シアネート基と反応し、例えば4000程度の分子量の
ポリウレタンを12000程度の高分子量に高めること
ができる。尚、この場合において、例えばブタンジオー
ルの代わりにエチレンジアミン(H2NCH2CH2N
H2)等を使用することにより、主鎖延長の他にポリウ
レタンを硬く且つ強くすることもできる。
オール成分に対して過剰量のジイソシアネートを添加し
てポリウレタンを合成するが、一定の条件で反応させた
後、HO−(CH2)nOH(n=2〜10)で表される
低分子ジオールを添加するようにしても良い。この低分
子ジオールは反応性に富み、得られるポリウレタンをよ
り高分子にすることができる。例えばブタンジオール
(n=4)等を添加すると、ポリウレタンの末端のイソ
シアネート基と反応し、例えば4000程度の分子量の
ポリウレタンを12000程度の高分子量に高めること
ができる。尚、この場合において、例えばブタンジオー
ルの代わりにエチレンジアミン(H2NCH2CH2N
H2)等を使用することにより、主鎖延長の他にポリウ
レタンを硬く且つ強くすることもできる。
【0011】尚、ポリウレタンを合成する際の溶媒とし
ては、通常にポリウレタンを合成する際に使用する溶媒
であれば良く、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等を例示できる。また、その他の合成条件についても
通常にポリウレタンを合成する際の条件で行えばよい。
ては、通常にポリウレタンを合成する際に使用する溶媒
であれば良く、トルエン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等を例示できる。また、その他の合成条件についても
通常にポリウレタンを合成する際の条件で行えばよい。
【0012】こうして得られるポリウレタン(又はプレ
ポリマー)は分子量2000〜500000程度であ
り、主鎖中に適度の間隔で二重結合(好ましくはビニル
基)を有している。このポリウレタン中の二重結合(ビ
ニル基等)に各種機能性単量体をグラフト重合により結
合させるのであるが、ポリウレタンに機能性単量体を加
え、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等
のアゾ系、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)等の過
酸化物系、過硫酸アンモン等のラジカル開始剤により、
適当な溶媒、例えばジオキサン、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチルピロリ
ドン等に溶解させた状態でグラフト重合させるのであ
る。尚、この場合、第一の単量体をグラフト重合させた
後、第二の単量体をグラフト重合させる二段階合成によ
り異なった二種類の機能を有する機能性ポリウレタンを
合成することもできる。例えば親水性モノマーと撥水性
モノマーを交互にグラフト重合させて得られたポリウレ
タンは新規な性能を有し、新しい用途を開発できる可能
性がある。
ポリマー)は分子量2000〜500000程度であ
り、主鎖中に適度の間隔で二重結合(好ましくはビニル
基)を有している。このポリウレタン中の二重結合(ビ
ニル基等)に各種機能性単量体をグラフト重合により結
合させるのであるが、ポリウレタンに機能性単量体を加
え、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等
のアゾ系、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)等の過
酸化物系、過硫酸アンモン等のラジカル開始剤により、
適当な溶媒、例えばジオキサン、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルフォキシド、N−メチルピロリ
ドン等に溶解させた状態でグラフト重合させるのであ
る。尚、この場合、第一の単量体をグラフト重合させた
後、第二の単量体をグラフト重合させる二段階合成によ
り異なった二種類の機能を有する機能性ポリウレタンを
合成することもできる。例えば親水性モノマーと撥水性
モノマーを交互にグラフト重合させて得られたポリウレ
タンは新規な性能を有し、新しい用途を開発できる可能
性がある。
【0013】本発明の特徴の一つは、上述の如くグラフ
ト重合させる機能性単量体の種類により機能の異なる各
種の機能性ポリウレタンを得ることができるのである
が、さらに主鎖のポリウレタンそのものにも特定の性能
を付与させることができ、その結果、非常に多くの今ま
では成し得なかった用途に対しても適用できるようにな
る。
ト重合させる機能性単量体の種類により機能の異なる各
種の機能性ポリウレタンを得ることができるのである
が、さらに主鎖のポリウレタンそのものにも特定の性能
を付与させることができ、その結果、非常に多くの今ま
では成し得なかった用途に対しても適用できるようにな
る。
【0014】本発明にてグラフト重合させる機能性単量
体については特願平10−55438号及び特願平10
−122559号と同様である。
体については特願平10−55438号及び特願平10
−122559号と同様である。
【0015】第一にあげられる機能性単量体は、親水性
モノマーであり、その例としては、
モノマーであり、その例としては、
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】 等があり、これらのモノマーをグラフト重合により主鎖
のポリウレタンに結合させた親水性セグメントを側鎖に
した機能性グラフト化ポリウレタンは保水性を有する。
さらに、
のポリウレタンに結合させた親水性セグメントを側鎖に
した機能性グラフト化ポリウレタンは保水性を有する。
さらに、
【化35】
【化36】 をグラフト重合したタイプのものは抗血栓性を有し、
【化37】 も同様の作用がある。また、
【化38】 をグラフト重合したタイプのものは末端のリン酸に係る
OHにより無機物との結合ができるため、歯の接着に適
用することができる。
OHにより無機物との結合ができるため、歯の接着に適
用することができる。
【0016】第二にあげられる機能性単量体は、親油性
(疎水性)モノマーであり、その例としては、
(疎水性)モノマーであり、その例としては、
【化39】 があり、このモノマーをグラフト重合により主鎖のポリ
ウレタンに結合させた親油性セグメントを側鎖にした機
能性グラフト化ポリウレタンは保油性を有する。このよ
うな親油性(疎水性)モノマーとしては、上記モノマー
以外に
ウレタンに結合させた親油性セグメントを側鎖にした機
能性グラフト化ポリウレタンは保油性を有する。このよ
うな親油性(疎水性)モノマーとしては、上記モノマー
以外に
【化40】
【化41】
【化42】
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】 で示すようなスチレン、アルキルスチレン、アクリロニ
トリル、アルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル、エチレン、プロピレン等の各種単量体があり、こ
れらの単量体は、AIBNのようなアゾ化合物、BPO
等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の無機過酸化物などの開始剤により、溶液重合、乳
化重合、懸濁重合法により、グラフト重合化され、表面
グラフト化する単量体の種類により、表面硬度、表面弾
性、親油−親水バランスの異なる種々の特性を有するグ
ラフト化ウレタン組成物が作成される。また、親油性モ
ノマーを二種類乃至三種類を同時にグラフト重合させる
ことにより、一つのグラフト化合物でありながら表面親
油性状態の微妙に異なるグラフト化ポリウレタン組成物
が得られる。
トリル、アルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、塩化ビ
ニル、エチレン、プロピレン等の各種単量体があり、こ
れらの単量体は、AIBNのようなアゾ化合物、BPO
等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の無機過酸化物などの開始剤により、溶液重合、乳
化重合、懸濁重合法により、グラフト重合化され、表面
グラフト化する単量体の種類により、表面硬度、表面弾
性、親油−親水バランスの異なる種々の特性を有するグ
ラフト化ウレタン組成物が作成される。また、親油性モ
ノマーを二種類乃至三種類を同時にグラフト重合させる
ことにより、一つのグラフト化合物でありながら表面親
油性状態の微妙に異なるグラフト化ポリウレタン組成物
が得られる。
【0017】第三にあげられる機能性単量体は、撥水性
モノマーであり、その例としては、
モノマーであり、その例としては、
【化47】 がある。一般にシリコーン化合物は水をはじく性質を有
するが、引っ張る等の外力が加わると簡単に裂け目を生
ずるなど脆弱であって強度が極めて小さいものであっ
た。しかし、この撥水性モノマーを側鎖にグラフト重合
した本発明の機能性グラフト化ポリウレタンは、柔軟
性、透明性を有し、且つ高い強度を有し、しかも通常の
ポリウレタンを溶解する溶剤にも溶解するため、従来の
撥水剤にない優れた効果を有するものとなる。この撥水
剤を用いて接触角を測定すると、120〜160゜程度
になる。
するが、引っ張る等の外力が加わると簡単に裂け目を生
ずるなど脆弱であって強度が極めて小さいものであっ
た。しかし、この撥水性モノマーを側鎖にグラフト重合
した本発明の機能性グラフト化ポリウレタンは、柔軟
性、透明性を有し、且つ高い強度を有し、しかも通常の
ポリウレタンを溶解する溶剤にも溶解するため、従来の
撥水剤にない優れた効果を有するものとなる。この撥水
剤を用いて接触角を測定すると、120〜160゜程度
になる。
【0018】第四にあげられる機能性単量体は、撥水撥
油性モノマーであり、その例としては、
油性モノマーであり、その例としては、
【化48】 がある。この他に撥水撥油性モノマーとしては、
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】 で示すようなテトラフロロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等の各種単量体が
あり、これらの単量体は、AIBNのようなアゾ化合
物、BPO等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の無機過酸化物などの開始剤により、溶
液重合、乳化重合、懸濁重合法により、グラフト重合化
される。一般にフッ素化合物は撥水撥油性を有するが、
これを衣服等にスプレーすると、塗着部が概してゴワゴ
ワになって衣服等素材の柔軟性が損なわれる。また、フ
ッ素化合物を溶解させる溶剤は殆どなく、塩素系溶剤等
の毒性の強い限られた溶剤のみにしか溶解しないため、
その取扱いが困難であるという欠点を有していた。しか
し、この撥水撥油性モノマーを側鎖にグラフト重合した
本発明の機能性グラフト化ポリウレタンは、ポリウレタ
ン自身が柔軟性を有し、しかも高い強度を有するので、
フィルム成形も可能になり、さらには通常のポリウレタ
ンを溶かす溶剤に溶解するため、塗料としての用途にも
用いることができる。また、撥水撥油性という機能は汚
れを付着させないので、対象物に撥水性ばかりでなく汚
れ防止の機能も付与することができ、さらには基材への
接着性も高いので、種々の材料に適用することができ
る。フィルム成形性を利用してチューブとして使用する
と前記付着防止性の性質による、人工血管として応用す
ることにより抗血栓性の人工血管が得られる。さらに汚
れ防止性を利用して各種電子部品用としての用途にも使
用できる。また、撥水性能を判定する接触角は表面形状
にもよるが、130〜170゜程度になることもある。
ン、フッ化ビニル、三フッ化エチレン等の各種単量体が
あり、これらの単量体は、AIBNのようなアゾ化合
物、BPO等の有機過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム等の無機過酸化物などの開始剤により、溶
液重合、乳化重合、懸濁重合法により、グラフト重合化
される。一般にフッ素化合物は撥水撥油性を有するが、
これを衣服等にスプレーすると、塗着部が概してゴワゴ
ワになって衣服等素材の柔軟性が損なわれる。また、フ
ッ素化合物を溶解させる溶剤は殆どなく、塩素系溶剤等
の毒性の強い限られた溶剤のみにしか溶解しないため、
その取扱いが困難であるという欠点を有していた。しか
し、この撥水撥油性モノマーを側鎖にグラフト重合した
本発明の機能性グラフト化ポリウレタンは、ポリウレタ
ン自身が柔軟性を有し、しかも高い強度を有するので、
フィルム成形も可能になり、さらには通常のポリウレタ
ンを溶かす溶剤に溶解するため、塗料としての用途にも
用いることができる。また、撥水撥油性という機能は汚
れを付着させないので、対象物に撥水性ばかりでなく汚
れ防止の機能も付与することができ、さらには基材への
接着性も高いので、種々の材料に適用することができ
る。フィルム成形性を利用してチューブとして使用する
と前記付着防止性の性質による、人工血管として応用す
ることにより抗血栓性の人工血管が得られる。さらに汚
れ防止性を利用して各種電子部品用としての用途にも使
用できる。また、撥水性能を判定する接触角は表面形状
にもよるが、130〜170゜程度になることもある。
【0019】その他にも機能性単量体としてどのような
モノマーを用いてもよく、例えば
モノマーを用いてもよく、例えば
【化53】 のイオン構造を有した単量体をポリウレタンにグラフト
化した後、続いて抗血栓剤ヘパリン等のR-SO3 -Na+
(Rは多糖)の構造を持つ化合物を反応し、抗血栓グラ
フト化ポリウレタンを得る。また、
化した後、続いて抗血栓剤ヘパリン等のR-SO3 -Na+
(Rは多糖)の構造を持つ化合物を反応し、抗血栓グラ
フト化ポリウレタンを得る。また、
【化54】 の単量体をポリウレタンにグラフト化した後、水、アル
コール、或いはアミンでエポキシド基を開環させ、官能
性基エポキシドを残し、その後、アミン、アルコール、
水等と反応させ、反応性ポリウレタンを得ることがで
き、例えば接着性ポリウレタンとして用いることができ
る。
コール、或いはアミンでエポキシド基を開環させ、官能
性基エポキシドを残し、その後、アミン、アルコール、
水等と反応させ、反応性ポリウレタンを得ることがで
き、例えば接着性ポリウレタンとして用いることができ
る。
【0020】また、本発明においてグラフト化させる場
合、2種以上の単量体をグラフト化させることもでき
る。その第一の例としては親水性単量体と親油性単量体
を同時にグラフト化させるものであり、側鎖に親水性及
び親油性の両方を有するグラフト化合物を得るのである
がその第一の形態は親水性側鎖と親油性側鎖をランダム
に有する化合物を形成する場合であり、第二の形態とし
ては一つの側鎖に親水性単量体と親油性単量体を交互に
或いはブロック共重合させた化合物を形成する場合であ
り、使用される親水性モノマーの例としては
合、2種以上の単量体をグラフト化させることもでき
る。その第一の例としては親水性単量体と親油性単量体
を同時にグラフト化させるものであり、側鎖に親水性及
び親油性の両方を有するグラフト化合物を得るのである
がその第一の形態は親水性側鎖と親油性側鎖をランダム
に有する化合物を形成する場合であり、第二の形態とし
ては一つの側鎖に親水性単量体と親油性単量体を交互に
或いはブロック共重合させた化合物を形成する場合であ
り、使用される親水性モノマーの例としては
【化55】
【化56】
【化57】 を始めとし本発明において親水性モノマーとして記載し
たものが含まれ、一方、親油性モノマーの例としては
たものが含まれ、一方、親油性モノマーの例としては
【化58】
【化59】 を始めとし、本発明において親油性モノマーとして記載
したものが含まれる。このようにして得られたグラフト
化合物は親油性親水性両性能を有し、その用途の例とし
ては海棲生物の付着を防止する様な防汚塗料、船底塗料
への応用を始め種々の新しい用途が見込まれる。
したものが含まれる。このようにして得られたグラフト
化合物は親油性親水性両性能を有し、その用途の例とし
ては海棲生物の付着を防止する様な防汚塗料、船底塗料
への応用を始め種々の新しい用途が見込まれる。
【0021】さらに他の例としては前述の如く、
【化60】 をグラフト化させたものは、抗血栓性を有することは述
べたが、ブチルアクリレートやメチルメタクリレートの
ような親油性のモノマーと前記単量体Aとの両者をグラ
フト化させた場合、得られたグラフト化合物は親油性の
導入により、表面疎水性を増し、単独のグラフトに比
べ、より抗血栓性を有し、血液適合性がより良好とな
る。
べたが、ブチルアクリレートやメチルメタクリレートの
ような親油性のモノマーと前記単量体Aとの両者をグラ
フト化させた場合、得られたグラフト化合物は親油性の
導入により、表面疎水性を増し、単独のグラフトに比
べ、より抗血栓性を有し、血液適合性がより良好とな
る。
【0022】また、ポリウレタン主鎖中に前記両末端ア
ルコール変性シリコーンオイルを反応導入させ、さらに
前記MPCを側鎖にグラフト重合させて得られたMPC
グラフト化ポリウレタンは特に主鎖の特性である付着防
止性、離型性、及びすべり性に加えて側鎖のMPCの特
性である表面保水性のために海棲生物の付着を防止する
性能を有し、例えば海水を冷却水に使用する設備等にお
ける防汚塗料や各種船舶の選定塗料等に使用することに
より大きな効果が期待できる。
ルコール変性シリコーンオイルを反応導入させ、さらに
前記MPCを側鎖にグラフト重合させて得られたMPC
グラフト化ポリウレタンは特に主鎖の特性である付着防
止性、離型性、及びすべり性に加えて側鎖のMPCの特
性である表面保水性のために海棲生物の付着を防止する
性能を有し、例えば海水を冷却水に使用する設備等にお
ける防汚塗料や各種船舶の選定塗料等に使用することに
より大きな効果が期待できる。
【0023】尚、本発明の機能性グラフト化ポリウレタ
ンにおける主鎖を構成するポリウレタンと、側鎖を構成
するグラフト重合によって導入されたブロックポリマー
との割合は、95:5〜5:95であり、この範囲より
側鎖の割合が小さい(主鎖の割合が大きい)と、導入さ
れた側鎖の機能が十分に発揮されず、主鎖、即ちポリウ
レタンの性質のみが表れるものとなる。逆にこの範囲よ
り側鎖の割合が大きい(主鎖の割合が小さい)と、主
鎖、即ちポリウレタンの特性が損なわれ、側鎖、即ち機
能性単量体からなるホモポリマーとしての性質のみが表
れるものとなる。
ンにおける主鎖を構成するポリウレタンと、側鎖を構成
するグラフト重合によって導入されたブロックポリマー
との割合は、95:5〜5:95であり、この範囲より
側鎖の割合が小さい(主鎖の割合が大きい)と、導入さ
れた側鎖の機能が十分に発揮されず、主鎖、即ちポリウ
レタンの性質のみが表れるものとなる。逆にこの範囲よ
り側鎖の割合が大きい(主鎖の割合が小さい)と、主
鎖、即ちポリウレタンの特性が損なわれ、側鎖、即ち機
能性単量体からなるホモポリマーとしての性質のみが表
れるものとなる。
【0024】以上、主鎖を構成するポリウレタンに、機
能性単量体をグラフト重合により結合させて側鎖とした
機能性グラフト化ポリウレタンについて記述したが、さ
らにこの機能性グラフト化ポリウレタンの表面グラフト
について以下に記載する。
能性単量体をグラフト重合により結合させて側鎖とした
機能性グラフト化ポリウレタンについて記述したが、さ
らにこの機能性グラフト化ポリウレタンの表面グラフト
について以下に記載する。
【0025】ポリウレタンの表面グラフトとは、ポリウ
レタンの表面に分子レベルのグラフト化を行うことであ
り、端的に言うならばポリウレタンの有する各種特性を
全く損なうことなく、その表面のみはグラフト化された
物質の性質を有するものであり、一種のポリウレタンの
表面処理と言えなくもないが、一般の表面処理と異な
り、本発明に係る表面処理は、ポリウレタン表面と反応
により化学的に結合されているため、剥離、分離などを
全く生じない。即ち、混合物(積層体)ではなく反応生
成物(一体)である。また、このような反応を行うこと
により、[0023]に記載した主鎖の割合が大きいと
側鎖に導入された物質の機能が十分に発揮されないとい
う課題も解消されるのである。
レタンの表面に分子レベルのグラフト化を行うことであ
り、端的に言うならばポリウレタンの有する各種特性を
全く損なうことなく、その表面のみはグラフト化された
物質の性質を有するものであり、一種のポリウレタンの
表面処理と言えなくもないが、一般の表面処理と異な
り、本発明に係る表面処理は、ポリウレタン表面と反応
により化学的に結合されているため、剥離、分離などを
全く生じない。即ち、混合物(積層体)ではなく反応生
成物(一体)である。また、このような反応を行うこと
により、[0023]に記載した主鎖の割合が大きいと
側鎖に導入された物質の機能が十分に発揮されないとい
う課題も解消されるのである。
【0026】この表面グラフトしたポリウレタンの合成
法についてさらに詳細に記すると、以下の第一〜第五工
程からなる。第一工程であるポリウレタンの合成は前述
と同様である。第二工程であるグラフト化ポリウレタン
の合成についても前述とほぼ同様であるが、この場合
は、ビニル基とエポキシ基とを併せ持つ単量体をグラフ
ト重合させる。この際、ポリウレタン間のクロスリンキ
ングを避けるために反応即ちグラフト化パーセンテージ
は低レベルにコントロールする必要がある。この第二工
程に用いる単量体として代表的であるのが、
法についてさらに詳細に記すると、以下の第一〜第五工
程からなる。第一工程であるポリウレタンの合成は前述
と同様である。第二工程であるグラフト化ポリウレタン
の合成についても前述とほぼ同様であるが、この場合
は、ビニル基とエポキシ基とを併せ持つ単量体をグラフ
ト重合させる。この際、ポリウレタン間のクロスリンキ
ングを避けるために反応即ちグラフト化パーセンテージ
は低レベルにコントロールする必要がある。この第二工
程に用いる単量体として代表的であるのが、
【化61】 で示されるメタクリル酸グリシジルである。第三工程で
は、グラフト化ポリウレタン中に導入されたエポキシ基
の開環を行うと共に分子中に水酸基を導入するのである
が、この時に使用される物質としては分子内にアミノ基
及び水酸基を併せ持つ化合物で、その例示としては、
は、グラフト化ポリウレタン中に導入されたエポキシ基
の開環を行うと共に分子中に水酸基を導入するのである
が、この時に使用される物質としては分子内にアミノ基
及び水酸基を併せ持つ化合物で、その例示としては、
【化62】 で示されるジエタノールアミン等がある。尚、この反応
においてはエポキシ基を完全に開環させるためアミンを
大過剰に用いても問題となることはない。第四工程で
は、第三工程で得られたポリウレタンをフィルム状に成
形する。具体的には、一度溶解させ、ガラス板上に流し
込み、キャスティングフィルムを作成する。このフィル
ムは、その表面に水酸基の単分子が突き出た状態とな
る。第五工程では、前記第四工程で得られたフィルム状
ポリウレタンを表面グラフト化させるのであり、機能性
単量体と重合開始剤を溶解させた溶媒中に浸漬させ、グ
ラフト重合させる。即ち、フィルム表面に存在する水酸
基に、ビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合に
より結合させて側鎖を延長化するのである。例えば水溶
性の単量体をグラフトさせる場合、Ce(IV)のような重合
開始剤を単量体と共に水に溶解させ、前記フィルム状ポ
リウレタンを浸漬させてグラフト重合化させればよい。
また、単量体を2種使用してのグラフト化共重合させる
こともできる。
においてはエポキシ基を完全に開環させるためアミンを
大過剰に用いても問題となることはない。第四工程で
は、第三工程で得られたポリウレタンをフィルム状に成
形する。具体的には、一度溶解させ、ガラス板上に流し
込み、キャスティングフィルムを作成する。このフィル
ムは、その表面に水酸基の単分子が突き出た状態とな
る。第五工程では、前記第四工程で得られたフィルム状
ポリウレタンを表面グラフト化させるのであり、機能性
単量体と重合開始剤を溶解させた溶媒中に浸漬させ、グ
ラフト重合させる。即ち、フィルム表面に存在する水酸
基に、ビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合に
より結合させて側鎖を延長化するのである。例えば水溶
性の単量体をグラフトさせる場合、Ce(IV)のような重合
開始剤を単量体と共に水に溶解させ、前記フィルム状ポ
リウレタンを浸漬させてグラフト重合化させればよい。
また、単量体を2種使用してのグラフト化共重合させる
こともできる。
【0027】以上記述したように表面グラフトしたポリ
ウレタンは、主鎖のポリウレタンに従来にない特性を加
えたうえに、表面グラフトされた物質が分子レベルの非
常に薄い状態で結合しているため、その表面性状はグラ
フト化した物質の特性が確実に且つ十分に発揮されると
いう、今までにない画期的な材料となり、特に両末端ア
ルコール変性シリコーンオイル、アルカンジオール又は
ポリエチレングリコールを用いた材料は主鎖に新たに加
えられた特性である付着防止性、剥離性、すべり性、水
に対する親和性等が付加され、防汚塗料、船底塗料を始
めとしてより有効な多くの用途が期待できる。
ウレタンは、主鎖のポリウレタンに従来にない特性を加
えたうえに、表面グラフトされた物質が分子レベルの非
常に薄い状態で結合しているため、その表面性状はグラ
フト化した物質の特性が確実に且つ十分に発揮されると
いう、今までにない画期的な材料となり、特に両末端ア
ルコール変性シリコーンオイル、アルカンジオール又は
ポリエチレングリコールを用いた材料は主鎖に新たに加
えられた特性である付着防止性、剥離性、すべり性、水
に対する親和性等が付加され、防汚塗料、船底塗料を始
めとしてより有効な多くの用途が期待できる。
【0028】
【実施例】[実施例1] 〔1〕ポリウレタン主鎖の合成 『G2000』 (アタクチックブタジエンオリゴマー:日本曹達製,分
子量2000)
子量2000)
【化63】 『X−22−160AS』 (両末端アルコール変性シリコーンオイル:信越化学
製,分子量1600)
製,分子量1600)
【化64】 MDI(4,4−メチレンジフェニルジイソシアネー
ト)
ト)
【化65】 BD(ブタンジオール)
【化66】 500mlの四つ口フラスコに『G2000』56.0
g、『X−22−160AS』18.9g、N,N−ジ
メチルアセトアミド/トルエン=1/4混合溶剤120
mlを加え、2時間超音波をあてて溶解した。その後、
玉付き冷却管及び撹拌機を取り付け、乾燥窒素気流中に
て前記混合溶媒60mlに溶解させたMDI(分子量2
50.3)20.0gを撹拌しながら添加し、オイルバ
スで温度を70〜75℃に上げて激しく撹拌しながら1
時間反応させた。その後、N,N−ジメチルアセトアミ
ド20mlに溶解したBD(分子量90)3.78gを
10分かけて滴下し、温度を105〜115℃に上げた
後、1時間反応させた。昇温5分後に上記混合溶媒20
mlに溶解したジラウリン酸ジ−nブチル錫(分子量6
32)0.56gを10分かけて添加した。室温まで放
冷した後、大量のメタノール中に投入し、3回沈殿物を
メタノールで洗浄し、1時間真空乾燥した。白色の弾性
塊状のポリウレタンを得た。得られたポリウレタンのI
Rを図1に示した。
g、『X−22−160AS』18.9g、N,N−ジ
メチルアセトアミド/トルエン=1/4混合溶剤120
mlを加え、2時間超音波をあてて溶解した。その後、
玉付き冷却管及び撹拌機を取り付け、乾燥窒素気流中に
て前記混合溶媒60mlに溶解させたMDI(分子量2
50.3)20.0gを撹拌しながら添加し、オイルバ
スで温度を70〜75℃に上げて激しく撹拌しながら1
時間反応させた。その後、N,N−ジメチルアセトアミ
ド20mlに溶解したBD(分子量90)3.78gを
10分かけて滴下し、温度を105〜115℃に上げた
後、1時間反応させた。昇温5分後に上記混合溶媒20
mlに溶解したジラウリン酸ジ−nブチル錫(分子量6
32)0.56gを10分かけて添加した。室温まで放
冷した後、大量のメタノール中に投入し、3回沈殿物を
メタノールで洗浄し、1時間真空乾燥した。白色の弾性
塊状のポリウレタンを得た。得られたポリウレタンのI
Rを図1に示した。
【0029】〔2〕ポリウレタンのグラフト化反応 メタクリル酸グリシジル
【化67】 100mlナス型フラスコに下記配合の材料を溶解した
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 3.0 g メタクリル酸グリシジル 4.0 ml AIBN 0.04g ジオキサン 30.0 ml 温浴中で70℃、3.5時間振盪して反応させた後、室
温に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のメタクリル酸グリシジルグラ
フト化ポリウレタンを得た。得られたメタクリル酸グリ
シジルグラフト化ポリウレタンのIRを図2に示した。
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 3.0 g メタクリル酸グリシジル 4.0 ml AIBN 0.04g ジオキサン 30.0 ml 温浴中で70℃、3.5時間振盪して反応させた後、室
温に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のメタクリル酸グリシジルグラ
フト化ポリウレタンを得た。得られたメタクリル酸グリ
シジルグラフト化ポリウレタンのIRを図2に示した。
【0030】[実施例2] 〔1〕ポリウレタン主鎖の合成 『PEG1000』 (ポリエチレングリコール:ナカライタスク製,分子量
1000)300mlの四つ口フラスコに『G200
0』28.0g、『PEG1000』6.0g、ジオキ
サン60mlを加え、1時間超音波をあてて溶解した
(尚、『PEG1000』は80℃、1時間真空乾燥
し、脱水して使用した)。その後、玉付き冷却管及び撹
拌機を取り付け、乾燥窒素気流中にてジオキサン30m
lに溶解させたMDI(分子量250.3)10.0g
を撹拌しながら添加し、オイルバスで温度を70〜75
℃に上げて激しく撹拌しながら1時間反応させた。その
後、ジオキサン10mlに溶解したBD(分子量90)
1.8gを10分かけて滴下し、温度を105〜115
℃に上げた後、1時間反応させた。昇温5分後にジオキ
サン10mlに溶解したジラウリン酸ジ−nブチル錫
(分子量632)0.14gを10分かけて添加した。
室温まで放冷した後、大量のメタノール中に投入し、3
回沈殿物をメタノールで洗浄し、1時間真空乾燥した。
白色の弾性塊状のポリウレタンを得た。得られたポリウ
レタンのIRを図3に示した。
1000)300mlの四つ口フラスコに『G200
0』28.0g、『PEG1000』6.0g、ジオキ
サン60mlを加え、1時間超音波をあてて溶解した
(尚、『PEG1000』は80℃、1時間真空乾燥
し、脱水して使用した)。その後、玉付き冷却管及び撹
拌機を取り付け、乾燥窒素気流中にてジオキサン30m
lに溶解させたMDI(分子量250.3)10.0g
を撹拌しながら添加し、オイルバスで温度を70〜75
℃に上げて激しく撹拌しながら1時間反応させた。その
後、ジオキサン10mlに溶解したBD(分子量90)
1.8gを10分かけて滴下し、温度を105〜115
℃に上げた後、1時間反応させた。昇温5分後にジオキ
サン10mlに溶解したジラウリン酸ジ−nブチル錫
(分子量632)0.14gを10分かけて添加した。
室温まで放冷した後、大量のメタノール中に投入し、3
回沈殿物をメタノールで洗浄し、1時間真空乾燥した。
白色の弾性塊状のポリウレタンを得た。得られたポリウ
レタンのIRを図3に示した。
【0031】〔2〕ポリウレタンのグラフト化反応 〔2−1〕HEMAグラフト化ポリウレタンの合成 HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)
【化68】 100mlナス型フラスコに下記配合の材料を溶解した
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g HEMA 4.1 g AIBN 0.30g ジオキサン 40.0 g メタノール 4.4 g 温浴中で70℃、3.5時間振盪して反応させた後、室
温に戻し開栓し、反応物をエバポレータで濃縮した後、
過剰のジエチルエーテル中に投入した。ジエチルエーテ
ルで3回洗浄し、30分間真空乾燥した。その結果、白
色弾性塊状のHEMAグラフト化ポリウレタンを得た。
得られたHEMAグラフト化ポリウレタンのIRを図4
に示した。
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g HEMA 4.1 g AIBN 0.30g ジオキサン 40.0 g メタノール 4.4 g 温浴中で70℃、3.5時間振盪して反応させた後、室
温に戻し開栓し、反応物をエバポレータで濃縮した後、
過剰のジエチルエーテル中に投入した。ジエチルエーテ
ルで3回洗浄し、30分間真空乾燥した。その結果、白
色弾性塊状のHEMAグラフト化ポリウレタンを得た。
得られたHEMAグラフト化ポリウレタンのIRを図4
に示した。
【0032】〔2−2〕メタクリル酸グリシジルグラフ
ト化ポリウレタンの合成100mlナス型フラスコに下
記配合の材料を溶解した後充填し、窒素ガスで大気を充
分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g メタクリル酸グリシジル 6.3 g AIBN 0.23g ジオキサン 40.0 g メタノール 4.4 g 温浴中で70℃、10時間振盪して反応させた後、室温
に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のメタクリル酸グリシジルグラ
フト化ポリウレタンを得た。得られたメタクリル酸グリ
シジルグラフト化ポリウレタンのIRを図5に示した。
ト化ポリウレタンの合成100mlナス型フラスコに下
記配合の材料を溶解した後充填し、窒素ガスで大気を充
分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g メタクリル酸グリシジル 6.3 g AIBN 0.23g ジオキサン 40.0 g メタノール 4.4 g 温浴中で70℃、10時間振盪して反応させた後、室温
に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のメタクリル酸グリシジルグラ
フト化ポリウレタンを得た。得られたメタクリル酸グリ
シジルグラフト化ポリウレタンのIRを図5に示した。
【0033】〔2−3〕シリコーングラフト化ポリウレ
タンの合成 『X−24−8201』 (撥水性シリコーン:信越化学製)
タンの合成 『X−24−8201』 (撥水性シリコーン:信越化学製)
【化69】 100mlナス型フラスコに下記配合の材料を溶解した
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g 『X−24−8201』 3.7 g AIBN 0.27g ジオキサン 40.0 g 温浴中で70℃、10時間振盪して反応させた後、室温
に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のシリコーングラフト化ポリウ
レタンを得た。得られたメタクリル酸グリシジルグラフ
ト化ポリウレタンのIRを図6に示した。
後充填し、窒素ガスで大気を充分置換して密栓した。 前記〔1〕で合成したポリウレタン 5.0 g 『X−24−8201』 3.7 g AIBN 0.27g ジオキサン 40.0 g 温浴中で70℃、10時間振盪して反応させた後、室温
に戻し開栓し、反応物を過剰のメタノール中に投入し
た。メタノールで3回洗浄し、1時間真空乾燥した。そ
の結果、白色弾性顆粒状のシリコーングラフト化ポリウ
レタンを得た。得られたメタクリル酸グリシジルグラフ
ト化ポリウレタンのIRを図6に示した。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、特性改質
剤として二重結合を有しないジオールを用いて合成した
ポリウレタンを主鎖とし、各種機能性単量体を主鎖にグ
ラフト重合により結合させてなる高分子化合物より成
り、主鎖のポリウレタンの特性が従来のポリウレタンの
有している特性を保有したまま、新たな特性が付与され
たものとなり、さらにグラフト重合により導入された側
鎖のブロックポリマーの特性を併せ持つものとなる。し
たがって、本発明により得られる機能性グラフト化ポリ
ウレタンは、ゴム弾性、耐摩耗性、耐酸化性、耐油性、
耐老化性などの従来のポリウレタンの特性に加え、特性
改質剤として選定したジオールの種類、並びに側鎖に結
合される機能性単量体の種類により、各種の有用な特性
及び機能を付与することができる。例えば特性改質剤と
してのジオールとして両末端アルコール変性シリコーン
オイルを用いた場合には、新たにすべり性、付着防止
性、剥離性などが付与される。したがって、従来にない
優れた効果を有する素材として多種の分野で利用するこ
とができるものとなる。
剤として二重結合を有しないジオールを用いて合成した
ポリウレタンを主鎖とし、各種機能性単量体を主鎖にグ
ラフト重合により結合させてなる高分子化合物より成
り、主鎖のポリウレタンの特性が従来のポリウレタンの
有している特性を保有したまま、新たな特性が付与され
たものとなり、さらにグラフト重合により導入された側
鎖のブロックポリマーの特性を併せ持つものとなる。し
たがって、本発明により得られる機能性グラフト化ポリ
ウレタンは、ゴム弾性、耐摩耗性、耐酸化性、耐油性、
耐老化性などの従来のポリウレタンの特性に加え、特性
改質剤として選定したジオールの種類、並びに側鎖に結
合される機能性単量体の種類により、各種の有用な特性
及び機能を付与することができる。例えば特性改質剤と
してのジオールとして両末端アルコール変性シリコーン
オイルを用いた場合には、新たにすべり性、付着防止
性、剥離性などが付与される。したがって、従来にない
優れた効果を有する素材として多種の分野で利用するこ
とができるものとなる。
【図1】実施例1〔1〕にて合成した分子内に二重結合
を導入したポリウレタンのIRチャートである。
を導入したポリウレタンのIRチャートである。
【図2】実施例1〔2〕にて合成したメタクリル酸グリ
シジルグラフト化ポリウレタンのIRチャートである。
シジルグラフト化ポリウレタンのIRチャートである。
【図3】実施例2〔1〕にて合成した分子内に二重結合
を導入したポリウレタンのIRチャートである。
を導入したポリウレタンのIRチャートである。
【図4】実施例2〔2−1〕にて合成したHEMAグラ
フト化ポリウレタンのIRチャートである。
フト化ポリウレタンのIRチャートである。
【図5】実施例2〔2−2〕にて合成したメタクリル酸
グリシジルグラフト化ポリウレタンのIRチャートであ
る。
グリシジルグラフト化ポリウレタンのIRチャートであ
る。
【図6】実施例2〔2−3〕にて合成したシリコーング
ラフト化ポリウレタンのIRチャートである。
ラフト化ポリウレタンのIRチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA53 AA77 AA80 AF04 AF26 AF55 AF58 AH12 AH19 BC01 BC07 4J026 AB03 BA02 BA03 BA05 BA06 BA09 BA10 BA11 BA19 BA25 BA29 BA30 BA32 BA39 BA41 BA43 BB01 BB02 BB03 BB04 DA02 DA17 DB02 DB12 FA03 GA01 4J034 CA04 CA15 CB03 CB07 CC03 DA01 DB04 DB07 DG03 DG08 DM01 DP19 HA07 HC03 HC09 HC12 HC13 HC22 HC46 HC64 HC67 HC71 HC73 LA06 LA13 LA32 LA36 QB14 QB15 QB17
Claims (22)
- 【請求項1】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結合
を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤として
の作用を有するジオール、及びジイソシアネートの反応
により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この主鎖
に、ビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合によ
り結合させて側鎖としたことを特徴とする機能性グラフ
ト化ポリウレタン。 - 【請求項2】 ジオールが分子内に少なくとも一つ以上
のビニル基を有することを特徴とする請求項1に記載の
機能性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項3】 ジオールがポリブタジエンジオールであ
ることを特徴とする請求項1又は2に記載の機能性グラ
フト化ポリウレタン。 - 【請求項4】 主鎖の特性改質剤としてのジオールが、
両末端アルコール変性シリコーンオイルであることを特
徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の機能性グラ
フト化ポリウレタン。 - 【請求項5】 主鎖の特性改質剤としてのジオールが、
ポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項
1〜4の何れか一項に記載の機能性グラフト化ポリウレ
タン。 - 【請求項6】 機能性単量体が親水性モノマーであるこ
とを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の機能
性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項7】 機能性単量体が以下に示すモノマーの一
種以上であることを特徴とする請求項6に記載の機能性
グラフト化ポリウレタン。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 - 【請求項8】 機能性単量体が親油性モノマーであって
単独のグラフト重合、或いは二元又は三元のグラフト共
重合させたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項
に記載の機能性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項9】 機能性単量体が以下に示すモノマーの一
種以上であることを特徴とする請求項8に記載の機能性
グラフト化ポリウレタン。 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 - 【請求項10】 機能性単量体が親水性モノマーと親油
性モノマーの混合物であることを特徴とする請求項1〜
9の何れか一項に記載の機能性グラフト化ポリウレタ
ン。 - 【請求項11】 グラフト化された各側鎖は、親水性モ
ノマーと親油性モノマーがランダム、交互、又はブロッ
ク共重合されていることを特徴とする請求項10に記載
の機能性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項12】 機能性単量体が撥水性モノマーである
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の機
能性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項13】 機能性単量体が以下に示すモノマーの
一種以上であることを特徴とする請求項13に記載の機
能性グラフト化ポリウレタン。 【化16】 - 【請求項14】 機能性単量体が撥水撥油性モノマーで
あることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載
の機能性グラフト化ポリウレタン。 - 【請求項15】 機能性単量体が以下に示すモノマーの
一種以上であることを特徴とする請求項14に記載の機
能性グラフト化ポリウレタン。 【化17】 【化18】 【化19】 【化20】 【化21】 - 【請求項16】 機能性単量体が以下に示すモノマーの
一種以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れか
一項に記載の機能性グラフト化ポリウレタン。 【化22】 【化23】 - 【請求項17】 主鎖を構成するポリウレタンと、側鎖
を構成するグラフト重合によって導入されたブロックポ
リマーとの割合が95:5〜5:95であることを特徴
とする請求項1〜16の何れか一項に記載の機能性グラ
フト化ポリウレタン。 - 【請求項18】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結
合を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤とし
ての作用を有するジオール、及びジイソシアネートの反
応により合成されるポリウレタンを主鎖とし、この主鎖
にビニル基及びエポキシ基を有する機能性単量体をグラ
フト重合により結合させて側鎖とし、この側鎖のエポキ
シ基にアミノ基及び水酸基を有する化合物を反応させて
水酸基を導入し、このポリウレタンをフィルム状に成形
し、さらにフィルム表面に存在する水酸基に、ビニル基
を有する機能性単量体をグラフト重合により結合させて
側鎖を延長化したことを特徴とする機能性グラフト化ポ
リウレタン。 - 【請求項19】 フィルム状ポリウレタンにグラフト重
合する機能性単量体が 【化24】 であることを特徴とする請求項18に記載の機能性グラ
フト化ポリウレタン。 - 【請求項20】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結
合を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤とし
ての作用を有するジオール、及びジイソシアネートを反
応させてポリウレタンを合成する第一工程、 第一工程により得られたポリウレタンを主鎖とし、この
主鎖にビニル基を有する機能性単量体をグラフト重合に
より結合させて側鎖とする第二工程よりなることを特徴
とする機能性グラフト化ポリウレタンの合成法。 - 【請求項21】 少なくとも分子内に一つ以上の二重結
合を有する一種以上のジオール、主鎖の特性改質剤とし
ての作用を有するジオール、及びジイソシアネートを反
応させてポリウレタンを合成する第一工程、 前記第一工程で得られたポリウレタンを主鎖とし、この
主鎖にビニル基及びエポキシ基を有する機能性単量体を
グラフト重合により結合させて側鎖とする第二工程、 前記第二工程で得られたグラフト化ポリウレタンの側鎖
のエポキシ基にアミノ基及び水酸基を有する化合物を反
応させて水酸基を導入する第三工程、 前記第三工程で得られたポリウレタンをフィルム状に成
形する第四工程、 前記第四工程で得られたフィルム状ポリウレタンを、重
合開始剤及び機能性単量体を溶解させた溶液中に浸漬さ
せてグラフト重合させる第五工程よりなることを特徴と
する機能性グラフト化ポリウレタンの合成法。 - 【請求項22】 グラフト重合させる際に使用する溶媒
がジオキサンとメチルアルコールの混合溶液であること
を特徴とする請求項20又は21に記載の機能性グラフ
ト化ポリウレタンの合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35771499A JP2001172338A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 機能性グラフト化ポリウレタン及びその合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35771499A JP2001172338A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 機能性グラフト化ポリウレタン及びその合成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001172338A true JP2001172338A (ja) | 2001-06-26 |
Family
ID=18455545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35771499A Pending JP2001172338A (ja) | 1999-12-16 | 1999-12-16 | 機能性グラフト化ポリウレタン及びその合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001172338A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004504452A (ja) * | 2000-07-26 | 2004-02-12 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | アルコキシシリル基含有結合剤および結合剤組成物、その製造方法および使用 |
WO2017154829A1 (ja) * | 2016-03-09 | 2017-09-14 | ダイキン工業株式会社 | 成形体の製造方法 |
-
1999
- 1999-12-16 JP JP35771499A patent/JP2001172338A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004504452A (ja) * | 2000-07-26 | 2004-02-12 | ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン | アルコキシシリル基含有結合剤および結合剤組成物、その製造方法および使用 |
WO2017154829A1 (ja) * | 2016-03-09 | 2017-09-14 | ダイキン工業株式会社 | 成形体の製造方法 |
JP2017160330A (ja) * | 2016-03-09 | 2017-09-14 | ダイキン工業株式会社 | 成形体の製造方法 |
US11225557B2 (en) | 2016-03-09 | 2022-01-18 | Daikin Industries, Ltd. | Method for producing molded article |
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