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JP2001165497A - 空調用ダンパ - Google Patents

空調用ダンパ

Info

Publication number
JP2001165497A
JP2001165497A JP34568499A JP34568499A JP2001165497A JP 2001165497 A JP2001165497 A JP 2001165497A JP 34568499 A JP34568499 A JP 34568499A JP 34568499 A JP34568499 A JP 34568499A JP 2001165497 A JP2001165497 A JP 2001165497A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
casing
photocatalyst
opening
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34568499A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuzuki Ogawa
胤 小河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DAIRITSU KK
Original Assignee
DAIRITSU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DAIRITSU KK filed Critical DAIRITSU KK
Priority to JP34568499A priority Critical patent/JP2001165497A/ja
Publication of JP2001165497A publication Critical patent/JP2001165497A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Air-Flow Control Members (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光触媒による流通空気の脱臭等の浄化機能を
兼ね備えた空調用ダンパを提供する。 【解決手段】 ダクトと連結され、空気の流通路を形成
するケーシング10と、ケーシング内に配設され、前記
流通路の開閉または開度調整を行う弁体22と、弁体2
2を作動してダンパを開閉制御するダンパ開閉装置32
とを備える空調用ダンパにおいて、その空調用ダンパの
構成部材の少なくとも一部の表面及び/または付加的部
材40の表面に光触媒の被覆を設けるとともに、その光
触媒を活性化する光を照射する光源50を配設する。弁
体22は弁口23を有する円筒体として構成することが
でき、その内側面に光触媒の被覆を形成することができ
る。また、光触媒被覆用の付加的部材40は、直管状の
光源50を囲む筒状の網状体から構成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダクト内を流動す
る空気の量を調節しまたは遮断する装置である空調用ダ
ンパに関し、より詳しくは、光触媒装置が一体にハイブ
リッド化され、脱臭等の空気浄化機能が兼ね備えられた
空調用ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】ビルや工場等のダクト系(給・排気系)
には、その内部を流れる空気の量を調節しまたは遮断す
るために、各種のダンパが設けられている。送風機の出
入口、ダクトの分岐等に取付けられ風量の調節を行う風
量調節ダンパ、ダクトが防火区画を貫通する部分、火を
使用する厨房排気フード吸込み口等に取付けられ、火災
等の発生による急激な温度上昇を感知して自動的に流路
を閉鎖する防火ダンパ、煙感知器と連動して流路を閉鎖
する煙感知器連動ダンパ、気流に方向性をもたせ逆流を
防止するチャッキダンパ、等である。(なお、本明細書
において、ダクト系に設けられるこのようなダンパを、
緩衝器等と区別するために、必要な箇所では「空調用ダ
ンパ」の用語を使用する)
【0003】このような空調用ダンパは、一般に、ダク
ト(類似の風洞体を含む)と連結されて空気の流通路を
形成するケーシングと、ケーシング内に設けられ、流通
路の開度を調節し、または流通路を開閉する可動の制御
部材、すなわち弁体と、弁体を作動してダンパを開閉制
御するダンパ開閉装置とから構成される。典型的には、
その弁体はケーシング内に回転可能に軸支された1また
は複数の板状の羽根として形成され、該羽根がケーシン
グの長さ方向に平行なときは流路が全開され、また、9
0度回転してケーシングと直角に位置するときには流路
が遮蔽される。また、その羽根を回転作動させるダンパ
開閉装置は、手動機構によるものの他、ケーシング内を
流れる空気の熱に感応して作動する温度ヒューズを備え
た自動閉鎖機構によるもの(防火ダンパ)、電気モータ
によるもの、シリンダを備えたガス圧作動機構によるも
の等がある。
【0004】ところで、近年、酸化チタンに代表される
光半導体の微粒子からなる光触媒に高い関心が集めら
れ、環境浄化等の観点から、種々の利用と応用が検討さ
れ開発されている。すなわち、光半導体の微粒子にその
バンドキャップ以上のエネルギの波長の光(酸化チタン
の場合は、波長400nm以下の紫外線)が照射される
と、荷電帯の電子の伝導帯への光励起に基づく伝導電子
・正孔対の発生とそれによる水酸基ラジカル、活性酸素
種(スーパーオキサイドイオン)の生成によって、有機
化合物の分解等に触媒として作用する酸化触媒性の、つ
まり、酸化力を有する活性表面が形成される。したがっ
て、このような光半導体の微粒子を被覆として基体表面
に適用し、これにそれの活性化のための光(自然光も含
む)を照射することにより、臭い成分の分解等に基づく
環境浄化機能等を発現させることができる。
【0005】そして、空調機器の分野においても、この
ような光触媒被覆とその光触媒を活性化する光を照射す
る光源とからなる光触媒装置は、室内空気の脱臭(消
臭)装置としてすでに実用化されている。具体的には、
この装置は室内設置型であり、室内空気を吸込んで光触
媒作用により脱臭処理した後、再度室内に循環するよう
に構成されている。また、例えば、特開平11−211
209号及び特開平11−211210号では、ダクト
系(ダクト間またはダクトと吹出口間)に設置する空気
浄化装置として、ハニカム構造体に光触媒の被覆を施し
た光触媒担持体と直管型の紫外線蛍光ランプからなる光
源とを、ダクトと連結されて通風路を形成するケーシン
グ(管または箱)内に配置してユニット化した光触媒ユ
ニットが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする技術的課題】このように、基
体表面に施された光触媒被覆とそれを活性化する光を照
射する光源とからなる光触媒装置を空気の浄化に利用す
る試みは、すでに種々の具体的形態において開発され、
また、その一部はすでに実用化されている。
【0007】ただ、これまでに知られているこの種の空
気浄化装置は、ダクト系に設ける形態のものもあるが
(前述の公報)、いずれにしても独立した装置として構
成されたものである。そのため、ダクト系に設ける場合
にも、新たに別途取付けて設置する必要がある。この
点、ダクト系には必須の装置であるダンパに光触媒装置
を一体化すれば、ダクト系の施工上でも有利なことにな
る。また、光触媒作用は表面反応であることから、光触
媒の被覆はより広い面積に亘って施されるほど好ましい
が、ダンパは弁体(羽根)等の構成部材をケーシング内
に備えており、それを光触媒被覆のための基材として利
用できれば更に有利であることになる。
【0008】そこで、本発明は、ダクト内を流動する空
気を制御する空調用ダンパに光触媒装置をハイブリッド
化した空調用ダンパ、すなわち、光触媒作用に基づく脱
臭等の空気浄化機能を兼ね備えた空調用ダンパの提供を
課題とするものである。
【0009】
【解決手段】本発明にかかる空調用ダンパは、その構成
要素の少なくとも一部または付加的要素の表面に光触媒
の被覆を設けるとともに、該光触媒を活性化するための
光源を配置したものである。すなわち、基本的には、ダ
クトと連結されて空気の流通路を形成するケーシング
と、ケーシング内に配設され、その流通路の開閉または
開度調整を行う弁体と、弁体を作動してダンパを開閉制
御するダンパ開閉装置とを備える空調用ダンパにおい
て、その空調用ダンパの構成部材の少なくとも一部の表
面及び/または付加的部材の表面に光触媒の被覆を設け
るとともに、その光触媒を活性化する光を照射する光源
を配設したことを特徴とするものである。(請求項1)
【0010】なおここで、上記の付加的部材は、光触媒
被覆の表面積をより十分に確保し、また光源からの光を
より有効に利用するために、空調用ダンパの構成部材と
は別に付加的に用いられる光触媒被覆のための基体表面
を提供する部材要素であり、空調用ダンパとしての機能
を阻害しない範囲で適切に配設して用いられる。その好
ましい一例は、金属の網状体から形成されたものであ
り、またこれは気流中において光源を取囲むように配置
される。
【0011】また、本発明にかかる空調用ダンパは、好
ましいより具体的な一形態によれば、有底円筒状(中空
円筒状)の本体ケーシング(主ケーシング)と、一側が
本体ケーシングの側面にこれと連通状に接続され、他側
はダクトと連結されて空気の流通路を形成する入口側ケ
ーシング及び出口側ケーシングと、本体ケーシング内に
その内面に密接状に回動可能に配設され、入口側ケーシ
ング及び出口側ケーシングとの接続開口の少なくとも一
方の開閉または開度調節を行う円筒状の弁体と、弁体を
回動してダンパを開閉制御するダンパ開閉装置と、弁体
の内側表面及び/または付加的部材の表面に形成された
光触媒の被覆と、弁体の中心軸線に沿って配置され、そ
の光触媒を活性化する光を照射する直管状の光源とを備
えることを特徴とするものである。(請求項2)
【0012】本発明にかかる空調用ダンパによれば、ダ
ンパ開閉装置を操作または作動して弁体を調節制御する
ことによって流通する空気の調節または遮断を行うこと
ができる一方、光触媒被覆とこれを活性化するための光
を照射する光源とを備えるので、その流通する空気を光
触媒作用によって処理することができる。すなわち、臭
い成分の分解による脱臭等、空気の浄化処理を行うこと
ができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1乃至図4は本発明の一実施の
形態の空調用ダンパを示すものであり、図1は上方から
見た平面図(一部を切り欠いて内部を示す)、図2は図
1のA−A線に沿った断面図(中心横断面図)、図3は
図1のB−B線に沿った断面図(中心縦断面図、図4は
その構成要素である弁体を展開して示した説明図であ
る。
【0014】図1乃至図3のように、本実施の形態の空
調用ダンパは、ダクトまたは類似の風洞体と連結されて
空気の流通路(通風路)を形成するケーシングを備えて
いる。詳細には、全体を10で示すこのケーシングは、
中央に位置する有底円筒状(中空円柱状)の本体ケーシ
ング12と、この本体ケーシング12の両側の側面にこ
れに連通状に接続された入口側ケーシング14及び出口
側ケーシング15とから構成されている。これらの入口
側ケーシング14及び出口側ケーシング15は、ダクト
との連結部を形成するものであり、本実施の形態では、
丸形ダクトに差込み接続可能な円筒形状からなってい
る。したがって、本実施形態の空調用ダンパは、所謂、
丸形ダンパとして構成され、丸形ダクト間に接続されて
入口側ケーシング14から本体ケーシング12を経て出
口側ケーシング15を通る空気の流通路を形成する。
【0015】なお、これらのケーシング10の構成要素
は、以下に述べる他のダンパ構成要素と同様に、鋼板等
の金属板材から一般に形成されている。したがって、本
体ケーシング12と入口側ケーシング14及び出口側ケ
ーシング15とは溶接によって接続され、それらの間に
は、入口側及び出口側ケーシング14,15の内径にほ
ぼ等しい円形の接続開口16がそれぞれ形成されてい
る。なお、本体ケーシング12は入口側及び出口側ケー
シング14,15よりも大径に形成され、また、その円
筒本体の両側端の開口面は、円板状の着脱可能な端板1
8及び20によって封鎖されている。
【0016】上記の接続開口16を開閉しまたはそれの
開度を調節するために、本体ケーシング12の内部に
は、円筒形状の弁体22がその内面に密接状に回動可能
に配置されている。すなわち、この弁体22は予め弁口
23を形成した金属板を円筒状に加工したものであり、
その外径は、本体ケーシング12の内面との間に円滑な
回動のための間隙が確保される一方、その内面に実質的
に密接して、ダンパ閉鎖時の流通空気の漏れを可及的に
少なくするような寸法とされている。
【0017】そして、その弁口23は、正面視で正円形
の接続開口16と対応する形状で形成されている。詳細
には、弁体22を展開して示す図4のように、この弁口
23は、弁体22が円筒状であるために、展開方向に少
しだけ径が引伸ばされた楕円形として形成されている。
これによって、流路は弁口23と接続開口16との重な
り範囲に限定され、弁体22が本体ケーシング12内で
回動されて、その弁口23が接続開口16に一致すると
き流路は完全に開かれ、また、弁口23が接続開口16
から完全に外れるとき、流路は閉じられる。なお、この
弁口23は2箇所の接続開口16にそれぞれ対応して弁
体22には2個設けられるが、その一方の弁口23は、
接続開口16よりも大きい限りにおいてはどのような形
状であることもできる。空気の流路を二重に開閉する本
形態の弁体22の場合、圧力損失をより少なくする点で
は、むしろその方が好ましいかもしれない。また、この
弁体22の変形として、全体を多孔で通気性の円筒状体
として形成し、弁口23に対応する部分を遮蔽部として
形成することもできる。ただしこの場合、全開時におい
てもなお、接続開口16はその弁体自体によって少なか
らず遮蔽されることになる。
【0018】この円筒状の弁体22を本体ケーシング1
2内で容易に回動自在とするために、特に図3に示され
るように、その両側端にはそれぞれ弁端部材24が取付
けられ、また取付アーム26を介してそれぞれ支軸28
及び30がその中心軸線上に取付けられている。そし
て、これらの支軸28及び30は、本体ケーシング12
の端板18及び20の中心に軸受して支持されている。
したがって、弁体22は本体ケーシング12内でその中
心軸線回りに回動可能とされている。なお、弁端部材2
4は、取付アーム26を介して弁体22と支軸28,3
0とを結合し、また後述する光源のソケットを中心部に
支持することが可能な形態のものであればよいが、本実
施の形態では、弁体22の径にほぼ等しい直径を有する
円板状に形成され、ネジ等によって弁体22の端面に着
脱可能に取付けられている。したがって、弁体22の内
部は、両端が弁端部材24によって塞がれた密閉状の内
部空間を形成している。また、取付アーム26は、より
具体的には、例えば支軸28,30との溶接による結合
のための中心ボスを備えたものであることができ、ま
た、弁端部材24とはネジ等によって取外し可能に取付
けられる。
【0019】そして、風量調節ダンパとして構成される
本実施の形態の空調用ダンパは、支軸28,30の一方
が弁体操作軸28として形成され、弁体22を回動して
風量を調節するためのダンパ開閉装置32がその操作軸
28に連結可能に、本体ケーシング12の端板18上に
取付けられている。より詳細には、このダンパ開閉装置
32は、基台33に回転可能に支持されたウォーム軸3
4と、これに噛合う中空のウォームホイール軸35、及
びウォーム軸34に連結された回転ハンドル36を備
え、上記の操作軸28はそのウォームホイール軸35に
挿通され、止めネジによってこれに連結されている。し
たがって、回転ハンドル36を手で回すことによって、
その回転はウォーム軸34及びウォームホイール軸35
を介して操作軸28に伝動され、弁体22を回動する。
なお、ダンパ開閉装置32の基台33の上面には、ウォ
ームホイール軸35の先端に取付けられた指針と対応し
て、ダンパの開閉状態を示す開度目盛が表示されている
(図示されていない)。なおまた、本空調用ダンパのケ
ーシング10外面の適当箇所には、建造物に吊棒を介し
て固定するための吊金具38が固着されている(図1、
図2)。
【0020】本実施の形態の空調用ダンパは、風量調節
ダンパとして以上のように構成され、ダンパ開閉装置3
2を操作することにより弁体22を回動し、本体ケーシ
ング12と入口側ケーシング14及び出口側ケーシング
15との間の接続開口16の開度を調節し、以ってダク
トを流通する空気の流量(風量)を調節することができ
る。そして、この空調用ダンパには、その流通する空気
に含まれる臭い成分等を分解してこれを浄化するため
の、光触媒の被覆(薄膜)とこの光触媒にこれを活性化
する光を照射する光源とから構成される光触媒装置が一
体にハイブリッド化されている。
【0021】すなわち、上記の空調用ダンパにおいて、
その弁体22の内側表面と弁端部材24の中側表面には
光触媒の被覆(図示されない)が施されている。つま
り、両端に取付けられた円板状の弁端部材24によって
内部が実質的に閉鎖された円筒状の弁体22には、その
内面全体に光触媒の被覆が形成されている。また、この
弁体22内には、光触媒被覆の面積をより増加して表面
反応である光触媒反応をより増大するための付加的部材
として、ステンレス等の金属材からなる網状体を星形断
面の筒状に形成した光触媒被覆用基体40が、弁体22
と同心状に取付けられて、そして、その全表面に光触媒
の被覆が形成されている。
【0022】他方、円筒状の弁体22の内部には、直管
形の紫外線蛍光ランプからなる光源50がその中心軸線
に沿って配設されている。すなわち、弁体22の両端に
取付けられた弁端部材24の中心にはソケット52がそ
れぞれ取付けられ、この一対のソケット52間にその蛍
光ランプ50が装着されている。そして、その電極に給
電するリード線54は、本体ケーシング12の端板1
8,20を通して、または中空軸として形成された支軸
30の内部を通してダンパ外部に導かれ、適当な箇所に
取り付けられた安定器を含む電源装置と接続されてい
る。なお、この蛍光ランプ50として片側口金型のもの
を使用する場合には、リード線54は一方側から取り出
すことができ、また例えば、ソケット52を支軸30と
一体化して取付アーム26を省くことができる。
【0023】ここで、光触媒は光半導体の微粒子からな
り、その光半導体としては酸化チタンの他にも種々の金
属酸化物等が知られているが、化学的に安定であり、無
害であること、また一般の照明光にも含まれている紫外
線によって容易に活性化されること等の点で、酸化チタ
ン、特にそのアナターゼ型、が最も一般に実用されてい
るものでもあり、好適に用いることができる。また、こ
の光触媒の微粒子は、吸着性を有するゼオライト等の担
体に担持させた形態で用いることもできる。
【0024】そして、この光半導体の微粒子からなる光
触媒の薄膜からなる被覆は、種々の方法で基体表面に形
成することができる。すなわち、有機または無機のバイ
ンダを用いて、光触媒がそのバインダによって結着され
た被膜の形態で基体表面に被着形成する方法、具体的に
は、光触媒をバインダの溶液に分散・混合し、これを基
体表面にコーティングし、次いで乾燥・硬化する方法、
光触媒をゾルとして基体表面にコーティングし、次いで
焼成して薄膜として被着形成するゾル塗布‐焼成法、あ
るいは、光半導体の前駆物質を用いたCVD法及びゾル
ゲル法、電子ビーム蒸着等の薄膜形成技術に基づく方
法、等である。ただし、本実施の形態において、光触媒
被覆を形成する基体は金属であることからすれば、好ま
しい方法はゾル塗布‐焼成法である。より具体的には、
すでに実用化されている方法であるが、アナターゼ型酸
化チタンの微粒子とアモルファス型過酸化チタンの微粒
子との混合物からなるゾルを基体表面に塗布し、次いで
焼成する方法である。アモルファス型過酸化チタンは、
バインダとして働くとともに、焼成によってアナターゼ
型酸化チタンに変わる。
【0025】また、この光触媒を活性化する光(電磁
波)は、酸化チタンの場合、波長400nm以下の光、つ
まり紫外線である。そのため、光源50には、一般の照
明ランプの光にも紫外線は含まれるが、最適には紫外線
ランプが使用される。ただし、最近では、可視領域の光
によっても活性化され得る酸化チタン光触媒が開発され
ており、このような光触媒を用いる場合には、通常の照
明ランプも効果的に使用することができる。
【0026】このように、本実施の形態の空調用ダンパ
においては、円筒状の弁体22及び弁端部材24の内側
表面、及び網状体からなる光触媒被覆用基体40の表面
に光触媒の被覆が施され、また、その弁体22の中心部
には直管状の光源50が軸線に沿って配設されている。
そのため、光源50を点灯すると、被覆として施された
光触媒はその光を受けて活性化され、酸化触媒性の反応
表面を形成する。それによって、流通する空気に含まれ
るアミンやメルカプタン類等の臭い成分を酸化分解し、
脱臭することができる。また、その他の有害成分、汚れ
成分等の有機物を酸化分解し、また窒素酸化物NOx を
無害化(硝酸化)することができる。更に、ダイオキシ
ン類あるいは環境ホルモンを含む排気系に本ダンパが適
用された場合には、その無害化も期待することができ
る。すなわち、本実施の形態の空調用ダンパによれば、
流通する空気を清浄化することができる。さらに、光源
50からの紫外線は、殺菌にも役立つことができる。
【0027】また、この光触媒の被覆と光源とからなる
光触媒装置について、本実施の形態では、流通する空気
を制御する弁体22が円筒状に構成され、そしてその中
心軸線に沿って直管状蛍光ランプからなる光源50が配
設されているので、光触媒を活性化するための高い光量
を得ることができるとともに、その照射を効果的に利用
することができる。すなわち、光源50から放射された
光の一部は、網状体からなる光触媒基体40の光触媒被
覆に当たりその活性化に利用されるが、この光触媒基体
40を透過した残余の光は、弁体22の内面に形成され
た光触媒被覆に当ってその活性化に利用され、さらにそ
の反射光は、再度基体40または弁体22の他の箇所の
光触媒被覆の活性化に利用される。こうして、光源50
からの光は、弁口23を通して漏れる分を除けば、その
全部が光触媒の活性化に効果的に利用されることができ
る。またここで、円筒状の弁体22の両側端に取付けら
れた弁端部材24が弁体22内部を閉鎖する円板状の形
態であることは、この点でも意義がある。
【0028】光触媒の被覆を形成するための付加的部材
である光触媒被覆用基体40は、その被覆のための十分
な表面積を有する一方、流通する空気に対して余り抵抗
とならないことが重要である。また、光触媒反応はその
表面において生じることから、流通する空気が光触媒被
覆の表面と接触する機会がより十分に得られることが望
ましい。これらの点から、本実施の形態のように、基体
40は適度な剛性を有する網状体から形成されることが
好ましく、また空気流をその網の目でせん断するように
配置することが好ましい。そして、この網状体自体は、
金属細線をメッシュ状に織成したもの、あるいは金属板
に多数の細孔を形成した多孔板、エキスパンドメタル等
であることができる。また、この網状体からなる光触媒
被覆用基体40は、直管状の光源50を取囲む筒状であ
ることが受光効率からも好ましい。更に、それの星形の
断面形状は光触媒被覆の表面積をより多くする上で好ま
しいが、単なる円筒状または同様の形状であってもよ
く、その場合、それを光源50の回りに多重に配置する
こともできる。
【0029】なお、本実施の形態において、光触媒機能
により多く寄与しているのは、付加的部材である基体4
0に施された光触媒被覆である。そのため、弁体22及
び弁端部材24の内側面は、光触媒の被覆を施すことな
く、単に反射面として利用されることもできる。また逆
に、弁体22の内側面の光触媒被覆のみによって、所望
の効果が得られるのであれば、その基体40は適宜省く
こともできる。
【0030】ところで、本実施の形態の空調用ダンパに
おいては、入口側ケーシング14及び出口側ケーシング
15を丸形ダクトに差込接続されるに適した丸形ケーシ
ングとして形成し、また、本体ケーシング12に対して
直角に、またそれらの軸線を一致させて結合したが、こ
れらのケーシングの形状と配列は、本ダンパが適用され
るダクト系の具体的構造等に応じて、適宜に設計するこ
とができる。
【0031】図5及び図6は別の実施の形態の空調用ダ
ンパを示すものであり、図5はそれの平面図、図6はそ
れの弁体を展開して示す説明図である。なお、同図にお
いて、前述の実施の形態の空調用ダンパと同一または対
応する部分には、同一または『 '』を付した符号が使用
されている。
【0032】図5のように、本別の実施の形態の空調用
ダンパは角形のダクトに接続して使用されるものであ
り、そのケーシング10'において、その入口側ケーシ
ング14'及び出口側ケーシング15'は角形の断面形状
に形成され、またそれらの先端にはダクトとの結合のた
めのフランジが設けられている。また、これらの入口側
及び出口側ケーシング14'及び15'は、本体ケーシン
グ12に対して45度の角度をもって、また本体ケーシ
ング12の軸線方向(長さ方向)両側端に近接した位置
にそれぞれ接続されている。その他の構造は前述の空調
用ダンパと同一であり、本体ケーシング12内には入口
側及び出口側ケーシング14'及び15'との接続開口
(16)を開閉する円筒状の弁体22'が回動可能に配設
され、またその弁体22'を作動してダンパを開閉制御
するダンパ開閉装置32が本体ケーシング12の外側端
面に設けられている。ただし、図6のように、この弁体
22'の弁口23'は、その接続開口と対応して方形に形
成され、また展開方向と直角方向(弁体22'の軸線方
向)に離れて設けられている。したがって、本空調用ダ
ンパのダンパとしての機能は前述と同様であり、ダンパ
開閉装置32を操作して弁体22'を回動することによ
り、ダクト系を流通する空気の風量を調節することがで
きる。
【0033】そして、この角型ダンパには、前述の空調
用ダンパと同様に、光触媒の薄膜からなる被覆と、その
光触媒を活性化する光を照射する光源とから構成される
光触媒装置が一体化されている。すなわち、その円筒状
の弁体22'の内面及び/または光触媒被覆用基体40
(図示しない)の表面には光触媒被覆が施されるととも
に、弁体22'の内部にはその中心軸線に沿って、光触
媒を活性化する光を照射する直管状の光源50が配置さ
れている。
【0034】そのため、本別の実施の形態の空調用ダン
パによれば、光源50からの光によって活性化された光
触媒の作用(酸化触媒作用)によって、臭い成分の分解
による脱臭等、流通する空気の浄化を行うことができ
る。そして、本実施の形態では、本体ケーシング12に
対して入口側ケーシング14'と出口側ケーシング15'
が少しではあるが離れて接続されているので、空気は本
体ケーシング12内を少しだけ長い経路で流通されるの
で、その分、空気流が光触媒被覆と接触する機会は多く
なり、光触媒作用による空気の浄化機能を高めることが
できる。また、本体ケーシング12は入口側及び出口側
ケーシング14'及び15'の軸線に対して傾斜して結合
されているので、全体のその横幅(ダクト軸線と直角方
向の幅)をより少なくすることができる。
【0035】以上、本発明の空調用ダンパについて具体
的な実施の形態に基づき説明したが、本発明の空調用ダ
ンパは、その構成部材及び/または付加的部材を光触媒
被覆用基体として利用し、これに光触媒の被覆を施すと
ともに、この光触媒を活性化する光を照射する光源を設
けることを基本として、それ以外の種々の形態で実施す
ることができる。例えば、ダンパ自体を、羽根を弁体と
する当分野で一般的なダンパとして構成し、その羽根及
び/または付加的部材を光触媒被覆用基体として利用す
ることができる。また、ダンパの形式またはダンパ開閉
装置の形式としては、上述のような手動型の風量調整ダ
ンパの他にも、電気モータあるいはエアーシリンダを備
える遠隔操作型ダンパとして、また、流路の開閉のみを
行い、火災等の発生時には流路を閉じる防火ダンパとし
て、あるいは両方の機能を備える風量調整可能防火ダン
パとして、更には、チャッキダンパとして構成すること
ができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の空調用ダンパ
は、その構成要素の少なくとも一部及び/または光触媒
被覆用の付加的要素の表面に光触媒の被覆を設けるとと
もに、該光触媒を活性化するための光源を配置したもの
である。すなわち、基本的には、ダクトと連結され、空
気の流通路を形成するケーシングと、ケーシング内に配
設され、前記流通路の開閉または開度調整を行う弁体
と、弁体を作動してダンパを開閉制御するダンパ開閉装
置とを備える空調用ダンパにおいて、その空調用ダンパ
の構成部材の少なくとも一部の表面及び/または付加的
部材の表面に光触媒の被覆を設けるとともに、その光触
媒を活性化する光を照射する光源を配設したものであ
る。
【0037】そのため、本発明の空調用ダンパによれ
ば、光触媒装置が一体化されているので、ダンパとして
ダクト系を流通する空気の制御を行うことができるだけ
でなく、臭い成分を分解して脱臭する等、その流通する
空気を浄化することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施の形態の空調用ダンパの
平面図である。
【図2】図2は図1のA−A線に沿った断面図である。
【図3】図3は図1のB−B線に沿った断面図である。
【図4】図4はその空調用ダンパの構成要素である弁体
の展開図である。
【図5】図5は本発明の別の実施の形態の空調用ダンパ
の平面図である。
【図6】図6はその空調用ダンパの構成要素である弁体
の展開図である。
【符号の説明】
10 ケーシング 12 本体ケーシング 14 入口側ケーシング 15 出口側ケーシング 16 接続開口 22 弁体 23 弁口 32 ダンパ開閉装置 40 光触媒被覆用基体(付加的部材) 50 光源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダクトと連結されて空気の流通路を形成
    するケーシングと、 前記ケーシング内に配設され、前記空気流通路の開閉ま
    たは開度調整を行う弁体と、 前記弁体を作動してダンパを開閉制御するダンパ開閉装
    置とを備える空調用ダンパにおいて、 前記空調用ダンパの構成部材の少なくとも一部の表面及
    び/または付加的部材の表面に光触媒の被覆を設けると
    ともに、前記光触媒を活性化する光を照射する光源を配
    設したことを特徴とする空調用ダンパ。
  2. 【請求項2】 有底円筒状の本体ケーシングと、 前記本体ケーシングの側面に一側が連通状に接続され、
    他側はダクトと連結されて空気の流通路を形成する入口
    側ケーシング及び出口側ケーシングと、 前記本体ケーシング内にその内面と密接状に回動可能に
    配設され、前記入口側ケーシング及び出口側ケーシング
    との接続開口の少なくとも一方の開閉または開度調節を
    行う円筒状の弁体と、 前記弁体を回動してダンパを開閉制御するダンパ開閉装
    置と、 前記弁体の内側表面及び/または付加的部材の表面に形
    成された光触媒の被覆と、 前記本体弁体の中心軸線に沿って配置され、その光触媒
    を活性化する光を照射する直管状の光源とを備えること
    を特徴とする空調用ダンパ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017100141A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 株式会社新三興鋼管 八角パイプのスエージ加工方法、及び八角パイプ
CN114322157A (zh) * 2022-01-05 2022-04-12 大自然智能物联科技(北京)有限公司 一种安装在空调新风管道减少风阻的光催化载体

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