JP2001165299A - 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 - Google Patents
車両用自動変速機のクリープ力制御装置Info
- Publication number
- JP2001165299A JP2001165299A JP35226899A JP35226899A JP2001165299A JP 2001165299 A JP2001165299 A JP 2001165299A JP 35226899 A JP35226899 A JP 35226899A JP 35226899 A JP35226899 A JP 35226899A JP 2001165299 A JP2001165299 A JP 2001165299A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brake
- vehicle
- automatic transmission
- creep force
- force
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、車両用自動変速機のクリープ力制
御装置に関し、坂道でのクリープ力制御の解除時に車両
の後退を防止してドライバに違和感を与えないうにす
る。 【解決手段】 自動変速機が走行レンジであるときに所
定の条件が成立すると、走行時に係合される摩擦要素の
係合力を低下させてニュートラル状態とするクリープ力
制御装置において、車輪に制動力を付与するブレーキ装
置と、ブレーキ装置の作動流体圧に関連するパラメータ
値を検出する検出手段20と、検出手段20からの検出
情報に基づきパラメータ値が所定値未満となったことが
検出されると、ニュートラル状態を解除する解除手段1
1とをそなえるように構成する。
御装置に関し、坂道でのクリープ力制御の解除時に車両
の後退を防止してドライバに違和感を与えないうにす
る。 【解決手段】 自動変速機が走行レンジであるときに所
定の条件が成立すると、走行時に係合される摩擦要素の
係合力を低下させてニュートラル状態とするクリープ力
制御装置において、車輪に制動力を付与するブレーキ装
置と、ブレーキ装置の作動流体圧に関連するパラメータ
値を検出する検出手段20と、検出手段20からの検出
情報に基づきパラメータ値が所定値未満となったことが
検出されると、ニュートラル状態を解除する解除手段1
1とをそなえるように構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機が走行
レンジで停車した場合に、トルクコンバータによるクリ
ープ力を低減するようにした、車両用自動変速機のクリ
ープ力制御装置に関する。
レンジで停車した場合に、トルクコンバータによるクリ
ープ力を低減するようにした、車両用自動変速機のクリ
ープ力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車等の車両に備えられた
トルクコンバータ式の自動変速機において、シフトレン
ジが走行レンジ(以下、Dレンジという)のままで停車
すると、低速段(例えば、第1速段)を達成するために
係合されていた摩擦要素(以下、フォワードクラッチと
いう)をスリップさせて、ニュートラル状態に近づける
ように制御する技術が提案されている。
トルクコンバータ式の自動変速機において、シフトレン
ジが走行レンジ(以下、Dレンジという)のままで停車
すると、低速段(例えば、第1速段)を達成するために
係合されていた摩擦要素(以下、フォワードクラッチと
いう)をスリップさせて、ニュートラル状態に近づける
ように制御する技術が提案されている。
【0003】このような制御は、一般にニュートラル制
御又はクリープ力制御と呼ばれるものであり、このよう
なニュートラル制御を停車中に実行することで、トルク
コンバータを介して伝達されるエンジントルクを減少し
て、燃料消費量及びアイドル振動の低減を図ることがで
きる。ニュートラル制御の開始条件としては、例えば、
車速0km/h,フットブレーキ操作中,スロットル開
度0%及び第1速段達成から所定時間経過しているこ
と、等が設定されており、上記全ての条件が成立する
と、コントローラからの指令に基づきニュートラル制御
が開始される。
御又はクリープ力制御と呼ばれるものであり、このよう
なニュートラル制御を停車中に実行することで、トルク
コンバータを介して伝達されるエンジントルクを減少し
て、燃料消費量及びアイドル振動の低減を図ることがで
きる。ニュートラル制御の開始条件としては、例えば、
車速0km/h,フットブレーキ操作中,スロットル開
度0%及び第1速段達成から所定時間経過しているこ
と、等が設定されており、上記全ての条件が成立する
と、コントローラからの指令に基づきニュートラル制御
が開始される。
【0004】また、フットブレーキ操作の解除,アクセ
ルペダルの操作,車速が所定値以上となった、等のニュ
ートラル制御解除条件がいずれか1つでも成立すると、
ニュートラル制御が解除される。
ルペダルの操作,車速が所定値以上となった、等のニュ
ートラル制御解除条件がいずれか1つでも成立すると、
ニュートラル制御が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の技術では、フットブレーキ操作の解除は、ブレー
キランプスイッチからの情報に基づいて検出される。ブ
レーキランプスイッチは、ブレーキランプが点灯すると
オンとなるスイッチであり、従来の技術では、ブレーキ
ランプスイッチがオフになると、ドライバがブレーキを
操作を解除したと判定するように構成されているのであ
る。
従来の技術では、フットブレーキ操作の解除は、ブレー
キランプスイッチからの情報に基づいて検出される。ブ
レーキランプスイッチは、ブレーキランプが点灯すると
オンとなるスイッチであり、従来の技術では、ブレーキ
ランプスイッチがオフになると、ドライバがブレーキを
操作を解除したと判定するように構成されているのであ
る。
【0006】ここで、図4(a)はブレーキオイルの圧
力(ブレーキ圧)の特性を示す図であって、図4(b)
は坂道(登坂路)で停車中の車両に生じる前後加速度
(前後G)を示す図である。図4(a)に示すように、
フットブレーキを解除すると、ブレーキ圧が徐々に低下
していくことになるが、ブレーキランプスイッチはその
特性上、ブレーキ圧が下がってもオン信号を発信しつづ
け、ブレーキ圧が最低値となった後、オフに切り換わる
(ブレーキランプSW解除点)。
力(ブレーキ圧)の特性を示す図であって、図4(b)
は坂道(登坂路)で停車中の車両に生じる前後加速度
(前後G)を示す図である。図4(a)に示すように、
フットブレーキを解除すると、ブレーキ圧が徐々に低下
していくことになるが、ブレーキランプスイッチはその
特性上、ブレーキ圧が下がってもオン信号を発信しつづ
け、ブレーキ圧が最低値となった後、オフに切り換わる
(ブレーキランプSW解除点)。
【0007】したがって、登坂路で車両停車状態(ニュ
ートラル制御実行中)にある場合、フットブレーキを解
除して実際に制動力が消失しても、ブレーキランプスイ
ッチがオフとなるまではニュートラル制御が解除され
ず、クリープ力及び制動力の両方が同時に略0となるた
め、このような状況下では車両が後退することが考えら
れるのである。なお、この場合には、その直後ブレーキ
ランプスイッチがオフとなり、ニュートラル制御が解除
されてクリープ力が生じるので、安全上は何ら問題とは
ならないが、ドライバが違和感を覚えるという課題があ
る。
ートラル制御実行中)にある場合、フットブレーキを解
除して実際に制動力が消失しても、ブレーキランプスイ
ッチがオフとなるまではニュートラル制御が解除され
ず、クリープ力及び制動力の両方が同時に略0となるた
め、このような状況下では車両が後退することが考えら
れるのである。なお、この場合には、その直後ブレーキ
ランプスイッチがオフとなり、ニュートラル制御が解除
されてクリープ力が生じるので、安全上は何ら問題とは
ならないが、ドライバが違和感を覚えるという課題があ
る。
【0008】また、ニュートラル制御の開始時において
も、ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキ
圧が十分に立ち上がる前にブレーキランプスイッチがオ
ンに切り換わるため、実際には制動力が作用する前にニ
ュートラル制御が開始されてクリープ力がなくなること
になり、登坂路では、やはり上述と同様の課題が生じ
る。
も、ドライバがブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキ
圧が十分に立ち上がる前にブレーキランプスイッチがオ
ンに切り換わるため、実際には制動力が作用する前にニ
ュートラル制御が開始されてクリープ力がなくなること
になり、登坂路では、やはり上述と同様の課題が生じ
る。
【0009】本発明は上述の課題に鑑みて創案されたも
のであり、特に坂道でのニュートラル制御(クリープ力
制御)の解除時に車両の後退を防止してドライバに違和
感を与えないようにした、車両用自動変速機のクリープ
力制御装置を提供することを目的とする。
のであり、特に坂道でのニュートラル制御(クリープ力
制御)の解除時に車両の後退を防止してドライバに違和
感を与えないようにした、車両用自動変速機のクリープ
力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用自動変速
機のクリープ力制御装置では、自動変速機のシフトレン
ジが走行レンジであるときに所定の条件が成立すると、
走行時に係合される摩擦要素の係合力を低減させてクリ
ープ力を低下させることによりニュートラル状態が形成
される。ここで、ドライバがブレーキ装置の作動を解除
すると、検出手段によりブレーキ装置の流体圧に関連す
るパラメータ値が検出される。そして、このパラメータ
値が所定値未満となると、解除手段においてブレーキ装
置の操作が解除されたもの判定されて、ニュートラル状
態が解除される。これにより、ブレーキ操作の有無の検
出にブレーキランプスイッチを用いる場合と比べて、ブ
レーキ装置の流体圧に関連するパラメータを直接検出し
てブレーキ操作の解除を検出するので、制動力の消失前
に速やかにクリープ力が上昇して、車両の後退が防止さ
れる。
機のクリープ力制御装置では、自動変速機のシフトレン
ジが走行レンジであるときに所定の条件が成立すると、
走行時に係合される摩擦要素の係合力を低減させてクリ
ープ力を低下させることによりニュートラル状態が形成
される。ここで、ドライバがブレーキ装置の作動を解除
すると、検出手段によりブレーキ装置の流体圧に関連す
るパラメータ値が検出される。そして、このパラメータ
値が所定値未満となると、解除手段においてブレーキ装
置の操作が解除されたもの判定されて、ニュートラル状
態が解除される。これにより、ブレーキ操作の有無の検
出にブレーキランプスイッチを用いる場合と比べて、ブ
レーキ装置の流体圧に関連するパラメータを直接検出し
てブレーキ操作の解除を検出するので、制動力の消失前
に速やかにクリープ力が上昇して、車両の後退が防止さ
れる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置
について説明すると、図1はその全体構成を示す模式
図、図2はその作用を説明するためのタイムチャートで
あって、(a)はブレーキ解除時のブレーキ圧の変化を
示す図、(b)は登坂路(緩斜面)における車両の前後
加速度(前後G)の変化を示す図、図3はその動作の概
略を説明するフローチャートである。
施形態にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置
について説明すると、図1はその全体構成を示す模式
図、図2はその作用を説明するためのタイムチャートで
あって、(a)はブレーキ解除時のブレーキ圧の変化を
示す図、(b)は登坂路(緩斜面)における車両の前後
加速度(前後G)の変化を示す図、図3はその動作の概
略を説明するフローチャートである。
【0012】図1に示すように、自動変速機1はエンジ
ン2と結合された状態で図示しない車両に搭載されてい
る。エンジン2の出力軸2aはトルクコンバータ3を介
して変速機構4に連結され、その変速機構4は図示しな
いディファレンシャルギアを介して車両の駆動輪と接続
されている。また、エンジン2の出力軸2aは、トルク
コンバータ3のポンプインペラ3aに接続されており、
この出力軸2aの回転に伴いポンプインペラ3aが回転
すると、ATF(オートマチック・トランスミッション
・フルード)を介してタービンランナ3bが回転駆動さ
れ、その回転が変速機構4に伝達されるようになってい
る。
ン2と結合された状態で図示しない車両に搭載されてい
る。エンジン2の出力軸2aはトルクコンバータ3を介
して変速機構4に連結され、その変速機構4は図示しな
いディファレンシャルギアを介して車両の駆動輪と接続
されている。また、エンジン2の出力軸2aは、トルク
コンバータ3のポンプインペラ3aに接続されており、
この出力軸2aの回転に伴いポンプインペラ3aが回転
すると、ATF(オートマチック・トランスミッション
・フルード)を介してタービンランナ3bが回転駆動さ
れ、その回転が変速機構4に伝達されるようになってい
る。
【0013】詳細は説明しないが、変速機構4は、複数
組の遊星歯車機構及びその構成要素(サンギア,ピニオ
ンギア及びリングギア)の動作を許容又は規制するクラ
ッチやブレーキ類から構成されており、これらのクラッ
チやブレーキの係合状態を油圧源(オイルポンプ)から
供給されるATFにより適宜切り換えて、所望の変速段
を達成するようになっている。なお、この変速機構4の
構造については、一般に広く知られたものであるので、
フォワードクラッチ7以外の構成については図示を省略
する。
組の遊星歯車機構及びその構成要素(サンギア,ピニオ
ンギア及びリングギア)の動作を許容又は規制するクラ
ッチやブレーキ類から構成されており、これらのクラッ
チやブレーキの係合状態を油圧源(オイルポンプ)から
供給されるATFにより適宜切り換えて、所望の変速段
を達成するようになっている。なお、この変速機構4の
構造については、一般に広く知られたものであるので、
フォワードクラッチ7以外の構成については図示を省略
する。
【0014】このような自動変速機1において、シフト
レンジがNレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行
レンジ)に切換えられたとき、変速機構4は発進に備え
るために第1速段に切り換えられるが、このときには、
フォワードクラッチ7(前進時に係合する係合要素)及
び適当な摩擦係合要素を係合することで第1速段が実現
されるようになっている。
レンジがNレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行
レンジ)に切換えられたとき、変速機構4は発進に備え
るために第1速段に切り換えられるが、このときには、
フォワードクラッチ7(前進時に係合する係合要素)及
び適当な摩擦係合要素を係合することで第1速段が実現
されるようになっている。
【0015】一方、車室内には、図示しない入出力装
置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記
憶装置(ROM,RAM,BURAM等),中央処理装
置(CPU)及びタイマカウンタ等を備えたA/T−E
CU(自動変速機制御ユニット、以下、単にECUとい
う)11が設置されており、後述する各種センサからの
情報に基づいて各種の制御信号が設定されて、自動変速
機1の総合的な制御が行なわれるようになっている。
置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記
憶装置(ROM,RAM,BURAM等),中央処理装
置(CPU)及びタイマカウンタ等を備えたA/T−E
CU(自動変速機制御ユニット、以下、単にECUとい
う)11が設置されており、後述する各種センサからの
情報に基づいて各種の制御信号が設定されて、自動変速
機1の総合的な制御が行なわれるようになっている。
【0016】ECU11の入力側には、エンジン2の回
転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ12、タ
ービンランナ3bの回転速度Nt(即ち、フォワードク
ラッチ7の入力回転速度)を検出するタービン回転速度
センサ13、車両の走行速度(車速)Vsを検出する車
速センサ14、ブレーキ装置のブレーキオイルの圧力
(流体圧)が所定値よりも大きくなるとオン信号を出力
するブレーキ圧スイッチ(検出手段)20、エンジン2
のスロットル開度θTH(=アクセル操作量)を検出する
スロットルセンサ16、ATFの油温TOIL を検出する
油温センサ17、及び運転者にて選択されたシフトポジ
ション(例えば、Nレンジ,Dレンジ,Pレンジ及びR
レンジ等)を検出するためのシフトポジションセンサ1
8が接続されている。
転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ12、タ
ービンランナ3bの回転速度Nt(即ち、フォワードク
ラッチ7の入力回転速度)を検出するタービン回転速度
センサ13、車両の走行速度(車速)Vsを検出する車
速センサ14、ブレーキ装置のブレーキオイルの圧力
(流体圧)が所定値よりも大きくなるとオン信号を出力
するブレーキ圧スイッチ(検出手段)20、エンジン2
のスロットル開度θTH(=アクセル操作量)を検出する
スロットルセンサ16、ATFの油温TOIL を検出する
油温センサ17、及び運転者にて選択されたシフトポジ
ション(例えば、Nレンジ,Dレンジ,Pレンジ及びR
レンジ等)を検出するためのシフトポジションセンサ1
8が接続されている。
【0017】そして、ECU11では、スロットルセン
サ16で検出されたスロットル開度θTH及び車速センサ
14で検出された車速Vsを用いて図示しない変速マッ
プから目標変速段を設定し、この目標変速段を達成すべ
く変速機構4のクラッチ及びブレーキの係合状態を切り
換えて変速制御を実行するようになっている。また、E
CU11の出力側には、上述のオイルポンプからの作動
油を切換制御して変速機構4のクラッチやブレーキの係
合要素を作動させるための多数のソレノイドや圧力調整
弁(プレッシャコントロールバルブ)が接続されてい
る。なお、図1中では、このような多数のソレノイドや
圧力調整弁のうち、フォワードクラッチ7の係合状態を
切り換えるソレノイド19及び圧力調整弁21のみを図
示しており、他のソレノイド及び圧力調整弁については
図示を省略する。
サ16で検出されたスロットル開度θTH及び車速センサ
14で検出された車速Vsを用いて図示しない変速マッ
プから目標変速段を設定し、この目標変速段を達成すべ
く変速機構4のクラッチ及びブレーキの係合状態を切り
換えて変速制御を実行するようになっている。また、E
CU11の出力側には、上述のオイルポンプからの作動
油を切換制御して変速機構4のクラッチやブレーキの係
合要素を作動させるための多数のソレノイドや圧力調整
弁(プレッシャコントロールバルブ)が接続されてい
る。なお、図1中では、このような多数のソレノイドや
圧力調整弁のうち、フォワードクラッチ7の係合状態を
切り換えるソレノイド19及び圧力調整弁21のみを図
示しており、他のソレノイド及び圧力調整弁については
図示を省略する。
【0018】ソレノイド19はECU11によりその作
動が制御されるようになっており、このソレノイド19
の作動に応じて圧力調整弁21へのパイロット圧供給状
態が調整されるようになっている。また、本実施形態で
はソレノイド19のデューティ率が増加するほど、圧力
調整弁21へのパイロット圧の供給量が低下するような
特性に設定されている。
動が制御されるようになっており、このソレノイド19
の作動に応じて圧力調整弁21へのパイロット圧供給状
態が調整されるようになっている。また、本実施形態で
はソレノイド19のデューティ率が増加するほど、圧力
調整弁21へのパイロット圧の供給量が低下するような
特性に設定されている。
【0019】また、ソレノイド19により圧力調整弁2
1へパイロット圧が供給されると、圧力調整弁21のス
プール21aが図中左側に移動して、フォワードクラッ
チ7のライン圧が排出されて、フォワードクラッチ7の
係合力が低下するようになっている。また、これとは逆
に、ソレノイド19によりパイロット圧が排出される
と、フォワードクラッチ7にライン圧が供給されるよう
になっている。このように、ソレノイド19のデューテ
ィ率を制御することで、フォワードクラッチ7の係合力
を調整できるようになっているのである。
1へパイロット圧が供給されると、圧力調整弁21のス
プール21aが図中左側に移動して、フォワードクラッ
チ7のライン圧が排出されて、フォワードクラッチ7の
係合力が低下するようになっている。また、これとは逆
に、ソレノイド19によりパイロット圧が排出される
と、フォワードクラッチ7にライン圧が供給されるよう
になっている。このように、ソレノイド19のデューテ
ィ率を制御することで、フォワードクラッチ7の係合力
を調整できるようになっているのである。
【0020】次に、ニュートラル制御(クリープ力制
御)について簡単に説明すると、このニュートラル制御
は、Dレンジで走行中の車両が停止したときにフォワー
ドクラッチ7の係合力を低下させてニュートラル状態に
近い状態に制御するものであり、摩擦係合要素としての
フォワードクラッチ7をスリップさせることでニュート
ラル制御(クリープ力制御)が実行されるようになって
いる。
御)について簡単に説明すると、このニュートラル制御
は、Dレンジで走行中の車両が停止したときにフォワー
ドクラッチ7の係合力を低下させてニュートラル状態に
近い状態に制御するものであり、摩擦係合要素としての
フォワードクラッチ7をスリップさせることでニュート
ラル制御(クリープ力制御)が実行されるようになって
いる。
【0021】本実施形態ではニュートラル制御の開始条
件として以下の(1)〜(3)条件が設定されている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオン(ブレーキ圧が所
定値Pa以上)であること。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル非操作(ス
ロットル開度が所定量以下)が検出されたこと。 (3)車速センサ14により検出された車速Vsが所定
値未満であること。
件として以下の(1)〜(3)条件が設定されている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオン(ブレーキ圧が所
定値Pa以上)であること。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル非操作(ス
ロットル開度が所定量以下)が検出されたこと。 (3)車速センサ14により検出された車速Vsが所定
値未満であること。
【0022】そして、以上の条件が全て成立したと判定
されると(つまり、車両が走行状態からほぼ停止状態に
移行したと推測されると)、ニュートラル制御が開始さ
れるようになっている。このときの動作の概要を簡単に
説明すると、まずエンジン回転速度センサ12で検出さ
れたエンジン回転速度Ne及び油温センサ17で検出さ
れたATF油温T0IL に基づいてフォワードクラッチ7
のソレノイド19のデューティ率Dのスリップ直前値D
N が設定される。これにより、ニュートラル制御の開始
条件の成立直後にソレノイド19のデューティ率Dが1
00%からスリップ直前値DN までステップ状に減少す
る。これにより、圧力制御弁21のスプール21aに作
用するパイロット圧供給量が増加して、フォワードクラ
ッチ7のライン圧がドレーンされて係合力が低下するの
である。
されると(つまり、車両が走行状態からほぼ停止状態に
移行したと推測されると)、ニュートラル制御が開始さ
れるようになっている。このときの動作の概要を簡単に
説明すると、まずエンジン回転速度センサ12で検出さ
れたエンジン回転速度Ne及び油温センサ17で検出さ
れたATF油温T0IL に基づいてフォワードクラッチ7
のソレノイド19のデューティ率Dのスリップ直前値D
N が設定される。これにより、ニュートラル制御の開始
条件の成立直後にソレノイド19のデューティ率Dが1
00%からスリップ直前値DN までステップ状に減少す
る。これにより、圧力制御弁21のスプール21aに作
用するパイロット圧供給量が増加して、フォワードクラ
ッチ7のライン圧がドレーンされて係合力が低下するの
である。
【0023】その後、フォワードクラッチ7は次第に解
放側に操作され、このときまでフォワードクラッチ7を
介して駆動輪側と接続され係合状態で停止保持されてい
たタービンランナ3bが回転し始める。そして、タービ
ン回転速度Ntが上昇してスリップ判定値Nt0を越える
と、トルクコンバータ3のスリップ量ΔN(=Ne−N
t)を予め設定された目標値にすべく、ソレノイド19
のデューティ率Dがフィードバック制御されるのであ
る。
放側に操作され、このときまでフォワードクラッチ7を
介して駆動輪側と接続され係合状態で停止保持されてい
たタービンランナ3bが回転し始める。そして、タービ
ン回転速度Ntが上昇してスリップ判定値Nt0を越える
と、トルクコンバータ3のスリップ量ΔN(=Ne−N
t)を予め設定された目標値にすべく、ソレノイド19
のデューティ率Dがフィードバック制御されるのであ
る。
【0024】一方、ニュートラル制御の解除条件は以下
のように設定されており、そのいずれかが満たされたと
き、つまり運転者の発進意思が推測されるときに解除条
件が成立したと判定され、ECU(この場合、解除手段
として機能する)11により、ニュートラル制御が解除
されるようになっている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオフ(ブレーキ圧が所
定値Pa未満)になった場合。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル操作(スロ
ットル開度θthが所定値以上)が検出された場合。 (3)車速センサ14で検出された走行速度Vsが所定
値以上になった場合。
のように設定されており、そのいずれかが満たされたと
き、つまり運転者の発進意思が推測されるときに解除条
件が成立したと判定され、ECU(この場合、解除手段
として機能する)11により、ニュートラル制御が解除
されるようになっている。 (1)ブレーキ圧スイッチ20がオフ(ブレーキ圧が所
定値Pa未満)になった場合。 (2)スロットルセンサ16によりアクセル操作(スロ
ットル開度θthが所定値以上)が検出された場合。 (3)車速センサ14で検出された走行速度Vsが所定
値以上になった場合。
【0025】そして、上記の3つの条件のうち1つでも
成立すれば、ニュートラル制御が解除されるようになっ
ているのである。また、ニュートラル制御を解除する場
合には、徐々にソレノイド19のデューティ率Dを上昇
させてタービン回転速度Ntを減少させ、フォワードク
ラッチ7を係合側に操作する。そして、エンジン回転速
度センサ12とタービン回転速度センサセンサ13とか
らの情報に基づいて同期判定が行なわれ、タービンラン
ナ3bの回転速度Ntがエンジン回転速度Neと同期し
たと判定されると、所定時間経過後にソレノイド19の
デューティ率が100%に設定される。
成立すれば、ニュートラル制御が解除されるようになっ
ているのである。また、ニュートラル制御を解除する場
合には、徐々にソレノイド19のデューティ率Dを上昇
させてタービン回転速度Ntを減少させ、フォワードク
ラッチ7を係合側に操作する。そして、エンジン回転速
度センサ12とタービン回転速度センサセンサ13とか
らの情報に基づいて同期判定が行なわれ、タービンラン
ナ3bの回転速度Ntがエンジン回転速度Neと同期し
たと判定されると、所定時間経過後にソレノイド19の
デューティ率が100%に設定される。
【0026】ところで、本発明では、フットブレーキの
操作の有無の判定を、ブレーキ装置を作動させる流体圧
に関連するパラメータ値に基づいている点、具体的に
は、本実施形態ではブレーキ圧スイッチ20からの信号
をニュートラル制御の開始及び解除のトリガとして用い
る点に大きな特徴がある。ここで上記パラメータ値とし
ては、本実施形態では、ブレーキオイルの圧力(ブレー
キ圧)が用いられており、ブレーキ圧が所定値Pa以上
か否かによりブレーキ操作の有無を判定しているのであ
る。
操作の有無の判定を、ブレーキ装置を作動させる流体圧
に関連するパラメータ値に基づいている点、具体的に
は、本実施形態ではブレーキ圧スイッチ20からの信号
をニュートラル制御の開始及び解除のトリガとして用い
る点に大きな特徴がある。ここで上記パラメータ値とし
ては、本実施形態では、ブレーキオイルの圧力(ブレー
キ圧)が用いられており、ブレーキ圧が所定値Pa以上
か否かによりブレーキ操作の有無を判定しているのであ
る。
【0027】これ対して、一般的にブレーキの操作の有
無の判定は、ブレーキランプスイッチ(ストップランプ
スイッチともいう)からの情報を用いることが考えられ
るが、ブレーキランプスイッチからの検出情報を用いる
と、実際に制動力が発生する前にオン信号が出力された
り、あるいは実際に制動力が解除された後にオフ信号が
出力されたりすることがあり、ブレーキ装置の作動状態
に対して微小なズレが生じてしまう。
無の判定は、ブレーキランプスイッチ(ストップランプ
スイッチともいう)からの情報を用いることが考えられ
るが、ブレーキランプスイッチからの検出情報を用いる
と、実際に制動力が発生する前にオン信号が出力された
り、あるいは実際に制動力が解除された後にオフ信号が
出力されたりすることがあり、ブレーキ装置の作動状態
に対して微小なズレが生じてしまう。
【0028】つまり、ブレーキランプスイッチは、その
特性上、ブレーキペダル踏み込み時には、ブレーキペダ
ルの遊びの範囲内(このとき制動力は生じていない)で
もオン信号を発してしまい、この場合ECU11ではブ
レーキ装置が作動しているものと判定してしまう。そし
て、このような場合に他のニュートラル制御開始条件が
整うとニュートラル制御が開始されることとなる。
特性上、ブレーキペダル踏み込み時には、ブレーキペダ
ルの遊びの範囲内(このとき制動力は生じていない)で
もオン信号を発してしまい、この場合ECU11ではブ
レーキ装置が作動しているものと判定してしまう。そし
て、このような場合に他のニュートラル制御開始条件が
整うとニュートラル制御が開始されることとなる。
【0029】しかしながら、例えば緩斜面では、ドライ
バはDレンジのクリープ力を期待して、ほとんどブレー
キペダルを踏み込まずに軽く足を載せているだけの場合
もある。つまり、ドライバとしては、エンジンのクリー
プ力と制動力との合計が坂道での重力と釣り合うことを
予想して、あまり強くブレーキを踏み込まないことも考
えられるのである。このような場合、制動力はほとんど
なく(特に、ブレーキペダルが遊びの範囲にある場合に
は、制動力は0である)、またニュートラル制御により
クリープ力もほとんど発生しない。このため、車両が登
坂路にある場合には車両が後退することが考えられるの
である。
バはDレンジのクリープ力を期待して、ほとんどブレー
キペダルを踏み込まずに軽く足を載せているだけの場合
もある。つまり、ドライバとしては、エンジンのクリー
プ力と制動力との合計が坂道での重力と釣り合うことを
予想して、あまり強くブレーキを踏み込まないことも考
えられるのである。このような場合、制動力はほとんど
なく(特に、ブレーキペダルが遊びの範囲にある場合に
は、制動力は0である)、またニュートラル制御により
クリープ力もほとんど発生しない。このため、車両が登
坂路にある場合には車両が後退することが考えられるの
である。
【0030】また、ニュートラル制御中において、坂道
でブレーキを確実に踏み込んで停止している場合であっ
ても、ブレーキ解除時にブレーキペダル位置が遊びの範
囲に入ると、制動力がなくなっているにも関わらずブレ
ーキランプスイッチではオン信号を出力したままの状態
となることが考えられ、ECU11でブレーキ操作の解
除を判定できない場合がある。したがって、ドライバが
フットブレーキを解除して実際に制動力が0となってか
ら、ブレーキランプスイッチがオフとなるまでの間は、
制動力及びクリープ力の両方が略0となり、車両が登坂
路にある場合、フットブレーキ解除直後にDレンジであ
るにも関わらず車両が後退することが考えられるのであ
る。
でブレーキを確実に踏み込んで停止している場合であっ
ても、ブレーキ解除時にブレーキペダル位置が遊びの範
囲に入ると、制動力がなくなっているにも関わらずブレ
ーキランプスイッチではオン信号を出力したままの状態
となることが考えられ、ECU11でブレーキ操作の解
除を判定できない場合がある。したがって、ドライバが
フットブレーキを解除して実際に制動力が0となってか
ら、ブレーキランプスイッチがオフとなるまでの間は、
制動力及びクリープ力の両方が略0となり、車両が登坂
路にある場合、フットブレーキ解除直後にDレンジであ
るにも関わらず車両が後退することが考えられるのであ
る。
【0031】そこで、本実施形態では、ブレーキランプ
スイッチの代わりにブレーキ圧スイッチ20が用いられ
ており、ブレーキ圧が所定値Pa以上となってブレーキ
圧スイッチ20がオンとなるとフットブレーキが操作さ
れたと判定し、逆にブレーキ圧が所定値Pa未満となっ
てブレーキ圧スイッチ20がオフとなると、フットブレ
ーキの操作が解除されたと判定されるようになっている
のである。
スイッチの代わりにブレーキ圧スイッチ20が用いられ
ており、ブレーキ圧が所定値Pa以上となってブレーキ
圧スイッチ20がオンとなるとフットブレーキが操作さ
れたと判定し、逆にブレーキ圧が所定値Pa未満となっ
てブレーキ圧スイッチ20がオフとなると、フットブレ
ーキの操作が解除されたと判定されるようになっている
のである。
【0032】ここで、上記のブレーキ圧の所定値Paに
ついて説明すると、この所定値Paは、クリープ力がな
くても緩斜面で車両が停止できる程度のブレーキ圧に設
定されている。すなわち、この所定値Paを高めに設定
しすぎると、ドライバが大きな踏力でブレーキペダルを
踏み込まないとニュートラル制御を開始することができ
ず、平坦路等では却って使い勝手が悪化するほか、ニュ
ートラル制御中には、僅かにブレーキ踏力を緩めただけ
でニュートラル制御が解除されてしまう。そこで、上記
所定値Paを、クリープ力が発生していなくも緩斜面で
車両が停止できる程度のブレーキ圧に設定しているので
ある。
ついて説明すると、この所定値Paは、クリープ力がな
くても緩斜面で車両が停止できる程度のブレーキ圧に設
定されている。すなわち、この所定値Paを高めに設定
しすぎると、ドライバが大きな踏力でブレーキペダルを
踏み込まないとニュートラル制御を開始することができ
ず、平坦路等では却って使い勝手が悪化するほか、ニュ
ートラル制御中には、僅かにブレーキ踏力を緩めただけ
でニュートラル制御が解除されてしまう。そこで、上記
所定値Paを、クリープ力が発生していなくも緩斜面で
車両が停止できる程度のブレーキ圧に設定しているので
ある。
【0033】つまり、図2(a)に示すように、ブレー
キ操作を解除すると、ブレーキ圧は通常徐々低下してや
がて最低値となる。しかし、このとき車両が緩斜面で停
止していたとすると、図2(b)に示すように、車両
は、ブレーキ解除と同時に動き出すのではなく、ある程
度ブレーキ圧が低下するまでは動きださない。そこで、
この動きだす直前のブレーキ圧Paをブレーキ圧スイッ
チ20の切り換え値(所定値)として設定しているので
ある。これにより、ブレーキ圧がPa未満となると、ニ
ュートラル制御が解除されてクリープ力が車両に作用
し、図2(a)の実線で示すように、車両の停車状態が
維持されることになる。
キ操作を解除すると、ブレーキ圧は通常徐々低下してや
がて最低値となる。しかし、このとき車両が緩斜面で停
止していたとすると、図2(b)に示すように、車両
は、ブレーキ解除と同時に動き出すのではなく、ある程
度ブレーキ圧が低下するまでは動きださない。そこで、
この動きだす直前のブレーキ圧Paをブレーキ圧スイッ
チ20の切り換え値(所定値)として設定しているので
ある。これにより、ブレーキ圧がPa未満となると、ニ
ュートラル制御が解除されてクリープ力が車両に作用
し、図2(a)の実線で示すように、車両の停車状態が
維持されることになる。
【0034】なお、急斜面において、ブレーキ圧がPa
近傍でニュートラル制御を実行している(即ち、クリー
プ力0)場合には、制動力が重力に負けて車両が後退す
ることが考えられるが、この場合には、坂道勾配が大き
すぎてクリープ力が重力に負けて車両が後退したとドラ
イバは感じて、あらためて強くブレーキペダルを踏み込
むことになるので、ドライバが違和感を覚えることもな
い。
近傍でニュートラル制御を実行している(即ち、クリー
プ力0)場合には、制動力が重力に負けて車両が後退す
ることが考えられるが、この場合には、坂道勾配が大き
すぎてクリープ力が重力に負けて車両が後退したとドラ
イバは感じて、あらためて強くブレーキペダルを踏み込
むことになるので、ドライバが違和感を覚えることもな
い。
【0035】また、上記所定値Paを、クリープ力との
釣合いで緩斜面で車両が停止できる程度のブレーキ圧に
設定してもよい。つまり、クリープ力とブレーキ圧Pa
時の制動力との合力が、緩斜面で車両を停止させる最小
の力となるように所定値Paを設定してもよい。本発明
の一実施形態としての車両用自動変速機のクリープ力制
御装置は、上述のように構成されているので、ブレーキ
操作解除によりニュートラル制御を中止する場合の動作
の概略を図3のフローチャートを用いて説明すると以下
のようになる。
釣合いで緩斜面で車両が停止できる程度のブレーキ圧に
設定してもよい。つまり、クリープ力とブレーキ圧Pa
時の制動力との合力が、緩斜面で車両を停止させる最小
の力となるように所定値Paを設定してもよい。本発明
の一実施形態としての車両用自動変速機のクリープ力制
御装置は、上述のように構成されているので、ブレーキ
操作解除によりニュートラル制御を中止する場合の動作
の概略を図3のフローチャートを用いて説明すると以下
のようになる。
【0036】まず、ステップS1においてニュートラル
制御が実行中であるか否かが判定される。そして、既に
ニュートラル制御が実行中であれば、ステップS2に進
み、ブレーキ圧スイッチ20がオフになったか否かが判
定される。ブレーキ圧スイッチ20がオフであれば、ニ
ュートラル制御の解除条件が成立したため、ステップS
3に進んでニュートラル制御の解除が行なわれる。この
場合、図2(b)に示すように、ブレーキ圧が低下して
も緩斜面で車両が動きだす直前のタイミングでブレーキ
圧スイッチ20がオフに切り換わるので、さらにブレー
キ圧が低下しても、クリープ力が生じて車両の後退を防
止することができる。
制御が実行中であるか否かが判定される。そして、既に
ニュートラル制御が実行中であれば、ステップS2に進
み、ブレーキ圧スイッチ20がオフになったか否かが判
定される。ブレーキ圧スイッチ20がオフであれば、ニ
ュートラル制御の解除条件が成立したため、ステップS
3に進んでニュートラル制御の解除が行なわれる。この
場合、図2(b)に示すように、ブレーキ圧が低下して
も緩斜面で車両が動きだす直前のタイミングでブレーキ
圧スイッチ20がオフに切り換わるので、さらにブレー
キ圧が低下しても、クリープ力が生じて車両の後退を防
止することができる。
【0037】一方、ブレーキ圧スイッチ20がオフでな
ければ、いまだドライバはフットブレーキを操作してい
るものとして、ステップS4で他のニュートラル制御解
除条件(スロットル開度θthが所定値以上、又は車速V
sが所定値以上)が成立しているか否かが判定される。
そして、これらの解除条件のうち1つでも成立している
場合には、上記ステップS3に進みニュートラル制御が
解除される。また、これらの解除条件が1つも成立して
いなければ、ステップS5に進みニュートラル制御を継
続する。
ければ、いまだドライバはフットブレーキを操作してい
るものとして、ステップS4で他のニュートラル制御解
除条件(スロットル開度θthが所定値以上、又は車速V
sが所定値以上)が成立しているか否かが判定される。
そして、これらの解除条件のうち1つでも成立している
場合には、上記ステップS3に進みニュートラル制御が
解除される。また、これらの解除条件が1つも成立して
いなければ、ステップS5に進みニュートラル制御を継
続する。
【0038】また、ステップS1でニュートラル制御が
実行されていないと判定されると、ステップS6に進
み、ニュートラル制御の開始条件が全て成立したか否か
が判定される。そして、開始条件が成立した場合にはス
テップS7に進んでニュートラル制御が開始され、そう
でない場合にはリターンする。このように、本実施形態
にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置では、
ブレーキ圧スイッチ20からの信号をニュートラル制御
の解除及び開始のトリガとして用いることにより、ドラ
イバが違和感を覚えることなくニュートラル制御の解除
及び開始を行なうことができる。すなわち、ニュートラ
ル制御の解除時には、制動力が働いている時間内に確実
にクリープ力による駆動力が発生するため、制動力及び
クリープ力の両方が同時に作用しない状態を回避でき、
登坂路での車両の後退を回避することができる。特に、
緩斜面で制動力が車両にほとんど作用していない状態で
のニュートラル制御解除時の後退防止に効果が大きい。
実行されていないと判定されると、ステップS6に進
み、ニュートラル制御の開始条件が全て成立したか否か
が判定される。そして、開始条件が成立した場合にはス
テップS7に進んでニュートラル制御が開始され、そう
でない場合にはリターンする。このように、本実施形態
にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置では、
ブレーキ圧スイッチ20からの信号をニュートラル制御
の解除及び開始のトリガとして用いることにより、ドラ
イバが違和感を覚えることなくニュートラル制御の解除
及び開始を行なうことができる。すなわち、ニュートラ
ル制御の解除時には、制動力が働いている時間内に確実
にクリープ力による駆動力が発生するため、制動力及び
クリープ力の両方が同時に作用しない状態を回避でき、
登坂路での車両の後退を回避することができる。特に、
緩斜面で制動力が車両にほとんど作用していない状態で
のニュートラル制御解除時の後退防止に効果が大きい。
【0039】また、ニュートラル制御開始時において
も、上述と同様に、制動力が確実に作用してから(つま
り、ブレーキ圧が立ち上がってから)ニュートラル制御
を開始するため、制動力及びクリープ力の両方が略0と
なる状態を回避できる。これに対して、ストップランプ
スイッチをニュートラル制御のトリガとして用いた場合
には、ブレーキランプスイッチがオフとなる以前にブレ
ーキ圧が低下してしまい、図2(b)中に破線〔又は図
4(b)参照〕で示すように、一時的に車両が後退して
しまうことが考えられるが、本装置によれば、このよう
な車両の後退を確実に回避することができる。
も、上述と同様に、制動力が確実に作用してから(つま
り、ブレーキ圧が立ち上がってから)ニュートラル制御
を開始するため、制動力及びクリープ力の両方が略0と
なる状態を回避できる。これに対して、ストップランプ
スイッチをニュートラル制御のトリガとして用いた場合
には、ブレーキランプスイッチがオフとなる以前にブレ
ーキ圧が低下してしまい、図2(b)中に破線〔又は図
4(b)参照〕で示すように、一時的に車両が後退して
しまうことが考えられるが、本装置によれば、このよう
な車両の後退を確実に回避することができる。
【0040】なお、本発明の車両用自動変速機のクリー
プ力制御装置は、上述の実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可
能である。例えば、上記実施形態では、ブレーキ装置の
作動流体圧に関連するパラメータ値を検出する検出手段
としてブレーキ圧スイッチ20を用いているが、このよ
うなブレーキ圧スイッチ20の代わりに、ブレーキ圧を
直接検出できるようなブレーキ圧センサを用いてもよ
い。
プ力制御装置は、上述の実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可
能である。例えば、上記実施形態では、ブレーキ装置の
作動流体圧に関連するパラメータ値を検出する検出手段
としてブレーキ圧スイッチ20を用いているが、このよ
うなブレーキ圧スイッチ20の代わりに、ブレーキ圧を
直接検出できるようなブレーキ圧センサを用いてもよ
い。
【0041】また、ブレーキ圧センサを用いた場合に
は、検出されたブレーキ圧からドライバのブレーキ操作
の特性を学習して、ニュートラル制御開始条件及び解除
条件の閾値を設定するようにしてもよい。すなわち、ブ
レーキ踏力が強く、したがってブレーキ圧が高いドライ
バに対しては、閾値を上記所定値Paよりも高く設定
し、ブレーキ圧が低いドライバに対しては、閾値を所定
値Paよりも低く設定することが考えられる。さらに
は、ブレーキ圧センサを用いた場合には、ニュートラル
制御開始時と解除時とで異なる閾値を設定して、ニュー
トラル制御の開始と解除とでヒステリシスを持たせるよ
うにしてもよい。この場合、ニュートラル制御開始時の
閾値を解除時よりも高めに設定するのが好ましい。そし
て、このように設定することにより、制御のハンチング
を防止することができる。
は、検出されたブレーキ圧からドライバのブレーキ操作
の特性を学習して、ニュートラル制御開始条件及び解除
条件の閾値を設定するようにしてもよい。すなわち、ブ
レーキ踏力が強く、したがってブレーキ圧が高いドライ
バに対しては、閾値を上記所定値Paよりも高く設定
し、ブレーキ圧が低いドライバに対しては、閾値を所定
値Paよりも低く設定することが考えられる。さらに
は、ブレーキ圧センサを用いた場合には、ニュートラル
制御開始時と解除時とで異なる閾値を設定して、ニュー
トラル制御の開始と解除とでヒステリシスを持たせるよ
うにしてもよい。この場合、ニュートラル制御開始時の
閾値を解除時よりも高めに設定するのが好ましい。そし
て、このように設定することにより、制御のハンチング
を防止することができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の車両用自
動変速機のクリープ力制御装置によれば、検出手段から
の信号に基づいてブレーキ装置の作動流体圧に関連する
パラメータ値が所定値未満となるとニュートラル状態を
解除することにより、ドライバが違和感を覚えることな
くニュートラル状態を解除することができる。すなわ
ち、ニュートラル状態の解除時には、制動力が確実に作
用している時間内にニュートラル状態を解除してクリー
プ力による駆動力を発生させることができるため、制動
力及びクリープ力の両方が同時に消失する状態を回避で
き、登坂路での車両の後退を回避することができる。特
に、緩斜面においてドライバによる制動力が弱い場合、
ニュートラル状態解除時の後退防止に効果が大きいとい
う利点がある。
動変速機のクリープ力制御装置によれば、検出手段から
の信号に基づいてブレーキ装置の作動流体圧に関連する
パラメータ値が所定値未満となるとニュートラル状態を
解除することにより、ドライバが違和感を覚えることな
くニュートラル状態を解除することができる。すなわ
ち、ニュートラル状態の解除時には、制動力が確実に作
用している時間内にニュートラル状態を解除してクリー
プ力による駆動力を発生させることができるため、制動
力及びクリープ力の両方が同時に消失する状態を回避で
き、登坂路での車両の後退を回避することができる。特
に、緩斜面においてドライバによる制動力が弱い場合、
ニュートラル状態解除時の後退防止に効果が大きいとい
う利点がある。
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の全体構成を示す模式図である。
のクリープ力制御装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の作用を説明するための図であっ
て、(a)はブレーキ解除時のブレーキ圧の変化を示す
図、(b)は登坂路(緩斜面)における車両の前後加速
度(前後G)の変化を示す図である。
のクリープ力制御装置の作用を説明するための図であっ
て、(a)はブレーキ解除時のブレーキ圧の変化を示す
図、(b)は登坂路(緩斜面)における車両の前後加速
度(前後G)の変化を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機
のクリープ力制御装置の動作の概略を説明するフローチ
ャートである。
のクリープ力制御装置の動作の概略を説明するフローチ
ャートである。
【図4】従来の技術の課題を説明するための図であっ
て、図2に対応する図である。
て、図2に対応する図である。
7 フォワードクラッチ(摩擦要素) 11 ECU(解除手段) 20 ブレーキ圧センサ(検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児島 星 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 PA42 PA43 PA46 PA47 RA27 RB02 RB09 RB28 RC13 SA07 SB04 TA01 TB17 UA05 VA32Z VA37Z VA42Y VA48Z VA62Z VA64Z VA66Z VB01W VB01Z VB16W VC01Z VC03W VD11W
Claims (1)
- 【請求項1】 自動変速機のシフトレンジが走行レンジ
であるときに所定の条件が成立すると、走行時に係合さ
れる摩擦要素の係合力を低下させてクリープ力を低減さ
せ、ニュートラル状態に近づけるように構成された車両
用自動変速機のクリープ力制御装置において、 車両の車輪に制動力を付与するブレーキ装置と、 該ブレーキ装置を作動させる流体圧に関連するパラメー
タ値を検出する検出手段と、 該検出手段からの検出情報に基づき、該パラメータ値が
所定値未満となったことが検出されると、該ニュートラ
ル状態を解除する解除手段とをそなえたことを特徴とす
る、車両用自動変速機のクリープ力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35226899A JP2001165299A (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35226899A JP2001165299A (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001165299A true JP2001165299A (ja) | 2001-06-19 |
Family
ID=18422905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35226899A Pending JP2001165299A (ja) | 1999-12-10 | 1999-12-10 | 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001165299A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7044890B2 (en) | 2002-12-10 | 2006-05-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and method for automatic transmission |
JP2008215139A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Nissan Motor Co Ltd | 停車検知装置およびこれを用いた変速機中立制御装置およびエンジンアイドルストップ制御装置 |
EP2003372A1 (en) | 2007-06-15 | 2008-12-17 | JATCO Ltd | Control device and method for automatic transmission |
EP2003373A1 (en) | 2007-06-15 | 2008-12-17 | JATCO Ltd | Control device and method for automatic transmission |
CN102452326A (zh) * | 2010-10-20 | 2012-05-16 | 三菱自动车工业株式会社 | 车辆驱动力控制装置 |
-
1999
- 1999-12-10 JP JP35226899A patent/JP2001165299A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7044890B2 (en) | 2002-12-10 | 2006-05-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and method for automatic transmission |
JP2008215139A (ja) * | 2007-03-01 | 2008-09-18 | Nissan Motor Co Ltd | 停車検知装置およびこれを用いた変速機中立制御装置およびエンジンアイドルストップ制御装置 |
EP2003372A1 (en) | 2007-06-15 | 2008-12-17 | JATCO Ltd | Control device and method for automatic transmission |
EP2003373A1 (en) | 2007-06-15 | 2008-12-17 | JATCO Ltd | Control device and method for automatic transmission |
CN102452326A (zh) * | 2010-10-20 | 2012-05-16 | 三菱自动车工业株式会社 | 车辆驱动力控制装置 |
US8956266B2 (en) | 2010-10-20 | 2015-02-17 | Mitsubishi Jidosha Kogyo Kabushiki Kaisha | Vehicle driving force control device |
CN102452326B (zh) * | 2010-10-20 | 2015-07-22 | 三菱自动车工业株式会社 | 车辆驱动力控制装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0872669B1 (en) | System for controlling engaging and disengaging operations of releasable coupling device placed in automotive power train | |
US6773372B2 (en) | Vehicle drive control apparatus and method | |
US6338398B1 (en) | Vehicle with braking force retaining unit | |
US7134538B2 (en) | Vehicle take-off control apparatus and method | |
JPH06265006A (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP4229155B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP4839865B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP3430280B2 (ja) | 自動変速機のクリープ防止装置 | |
US7044886B2 (en) | Shift control apparatus for automatic transmission | |
US20080119323A1 (en) | Control device for vehicle automatic transmission | |
JP2001165299A (ja) | 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 | |
JP3736329B2 (ja) | 車両の走行制御装置 | |
JP2005105894A (ja) | 車両のエンジン自動停止装置 | |
JP4586493B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JPH10318288A (ja) | 自動クラッチ制御装置 | |
JP3630072B2 (ja) | 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 | |
JP5003032B2 (ja) | 自動変速機の制御装置 | |
JP2003003893A (ja) | エンジンの出力制御装置 | |
KR100290356B1 (ko) | 자동변속기차량의브레이킹시변속제어방법 | |
JPH11123957A (ja) | 坂道発進補助装置 | |
JP3465512B2 (ja) | 自動変速機のヒルホールド付きクリープ防止装置 | |
JPH0920161A (ja) | 自動変速機の後退防止装置 | |
JP4122668B2 (ja) | 自動変速機の変速制御装置 | |
JPH062827Y2 (ja) | 車両の発進制御装置 | |
KR100279429B1 (ko) | 자동변속기의 유온 변화에 따른 터빈 슬립량 제어방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20041130 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050222 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050621 |