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JP2001154407A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Info

Publication number
JP2001154407A
JP2001154407A JP34127199A JP34127199A JP2001154407A JP 2001154407 A JP2001154407 A JP 2001154407A JP 34127199 A JP34127199 A JP 34127199A JP 34127199 A JP34127199 A JP 34127199A JP 2001154407 A JP2001154407 A JP 2001154407A
Authority
JP
Japan
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toner
image forming
forming apparatus
particles
image
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP34127199A
Other languages
English (en)
Inventor
Marekatsu Mizoe
希克 溝江
Shuichi Aida
修一 會田
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP34127199A priority Critical patent/JP2001154407A/ja
Publication of JP2001154407A publication Critical patent/JP2001154407A/ja
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期の使用によってもドラム上の帯電電
位を安定に与えられ、飛散、ドラム削れ、かぶり、ボ
タ、白抜けなどの画像不良が生じないような画像形成装
置を提供することにある。 【解決手段】 接触帯電部材として体積抵抗値が、10
4Ωcm〜109Ωcmの範囲である磁性粒子で構成され
る磁気ブラシを備え、結着樹脂成分としてゲルパーミエ
ーションクロマトグラフイーによって測定されたクロマ
トグラムが分子量1×103〜8×104及び分子量1×
105〜2×106のそれぞれの分子量領域に少なくとも
一つの極大値をもつビニル系モノマーの重合体を含有す
るトナーを含む画像形成装置を用いて画像形成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触帯電部材、感
光体、トナー及びこれらを用いた画像形成装置、プロセ
スカートリッジを利用したプリンター、複写機、ファク
シミリ等の電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該
潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて
紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力な
どにより転写材上にトナー画像を定着して複写物を得る
ものである。また、転写材上に転写されずに感光体上に
残ったトナー粒子はクリーニング工程により感光体上よ
り除去される。このような電子写真法での帯電手段とし
ては、所謂コロトロン、スコロトロンと呼ばれるコロナ
放電を利用した手段が用いられていたが、コロナ放電特
に負または正コロナを生成する際に多量のオゾンを発生
することから、電子写真装置にオゾン捕獲のためのフィ
ルタを具備する必要性があり、装置の大型化又は、ラン
ニングコストがアップするなどの問題点があった。
【0003】このような問題点を解決するための技術と
して、ローラー又は、ブレードなどの帯電部材を感光体
表面に接触させることにより、その接触部分近傍に狭い
空間を形成し所謂パッシェンの法則で解釈できるような
放電を形成することによりオゾン発生を極力抑さえた帯
電方法が開発され、例えば、特開昭57−178257
号公報、特開昭56−104351号公報、特開昭58
−40566号公報、特開昭58−139156号公
報、特開昭58−150975号公報で公知技術となっ
ている。
【0004】しかしながら、ブレード、ローラー帯電方
式などにおいては、感光体と接触させて帯電を行う方式
においては感光体上へのトナー融着と言った問題が発生
しやすい傾向にある。また、そのため感光体に近接させ
て、直接の接触を避けて用いる方法も検討されている。
感光体を帯電させる部材としては、前記のローラー又は
ブレードまたは、ブラシ、細長い導電性板状物に抵抗層
を施した部材などが挙げられるが、その際、近接距離の
制御が難しいという問題点があり実用化に難点があっ
た。
【0005】そのため、比較的感光体への接触負荷の小
さい、磁性粒子を磁石体にて保持した所謂磁気ブラシを
帯電部材として用いる技術が検討されている。例えば、
特開昭59−133569号公報では鉄粉をコーティン
グした粒子をマグネットロールに保持させて電圧を印加
して帯電する方法、特開平4−116674号公報には
直流を有する交流を印加した帯電装置が、さらには、環
境依存性等を改善するために、特開平7ー72667号
公報においては、スチレンアクリル樹脂などをコーティ
ングすることが開示されている。
【0006】しかしこれらの技術の残っている課題とし
て、長期使用によってクリーニング装置をすり抜けた、
あるいはクリーナーレス装置のばあいはそのまま直接、
転写残余のトナーが帯電器である磁気ブラシ中に混入
し、磁性粒子表面にトナーの樹脂成分が付着、スペント
してしまう事によって高抵抗化てしまい、電子写真感光
体上に安定な帯電電位を与えることが難しく、白抜けや
かぶり画像という画像不良が生じるという問題点があ
る。
【0007】また、トナーから遊離した外添剤が磁性粒
子に付着する事によって感光体の削れる量が促進され画
像形成装置の耐久性が劣るという問題点も生じ、さらに
は、磁気ブラシ中に混入したトナーが磁性粒子に印加さ
れる振動電圧、あるいは磁気ブラシの回転による遠心力
により磁気ブラシ帯電器内から帯電器外に飛散してしま
い、電子写真装置の機械内を汚染し、特に像露光を行う
潜像形成手段を汚染することで正確な潜像形成が不可能
になり、それに伴う画像不良が生じる問題点がある。
【0008】さらに磁性粒子中に混入したトナーが蓄積
し、磁性粒子が高抵抗化し安定した帯電性が得られない
だけでなく、磁性粒子中に保持しきれない蓄積したトナ
ーがドラム上、あるいは紙上に塊となって落下しボタ状
の画像不良が生じる問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように長期の
使用によってもドラム上の帯電電位を安定に与えられ、
飛散、ドラム削れ、かぶり、ボタ、白抜けなどの画像不
良が生じないような画像形成装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく本発明では、導電性支持体と、この上に設置され
た感光層とを有し、静電潜像を担持するための感光体
と、該感光体に帯電部材を接触させて電圧を印加するこ
とによって該感光体を帯電させる帯電手段と、像露光を
行うことにより該感光体上に静電潜像を形成する潜像形
成手段と、この静電潜像をトナー担持体上のトナーによ
ってトナー像として可視化する現像手段と、このトナー
像を転写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置
において、前記接触帯電部材として体積抵抗値が、10
4Ωcm〜109Ωcmの範囲である磁性粒子で構成され
る磁気ブラシを備え、前記トナーは、結着樹脂成分とし
てゲルパーミエーションクロマトグラフイーによって測
定されたクロマトグラムが分子量1×103〜8×104
及び分子量1×105〜2×106のそれぞれの分子量領
域に少なくとも一つの極大値をもつビニル系モノマーの
重合体、または、このビニル系モノマーの重合体とビニ
ル系モノマーの重合体以外の重合体との混合物を含有す
ることを特徴とする画像形成装置により達成される。
【0011】更に本発明では、導電性支持体と、この上
に設置された感光層とを有し、静電潜像を担持するため
の感光体と、その周囲に該感光体に帯電部材を接触させ
て電圧を印加することによって該感光体を帯電させる帯
電手段とを有し、像露光を行うことにより該感光体上に
静電潜像を形成する潜像形成手段、この静電潜像をトナ
ー担持体上のトナーによってトナー像として可視化する
現像手段、このトナー像を転写材に転写する転写手段、
及び感光体上の転写残余のトナーをクリーニングするク
リーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つ
の手段が前記帯電手段と一体に支持され、画像形成装置
本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
前記接触帯電部材として体積抵抗値が、104Ωcm〜
1010Ωcmの範囲である磁性粒子で構成される磁気ブ
ラシを備え、前記トナーは、結着樹脂成分としてゲルパ
ーミエーションクロマトグラフイーによって測定された
クロマトグラムが分子量1×103〜8×104及び分子
量1×105〜2×106のそれぞれの分子量領域に少な
くとも一つの極大値をもつビニル系モノマーの重合体、
または、このビニル系モノマーの重合体とビニル系モノ
マーの重合体以外の重合体との混合物を含有することを
特徴とするプロセスカートリッジにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。上述したように帯電部材である磁性粒子の高抵抗
化を防止、ドラム削れを抑制するためには磁性粒子への
トナー樹脂の付着、スペント、外添剤の付着を防止しな
ければならない。また磁気ブラシ中に混入したトナーの
飛散、ボタ画像を防止するためには、混入したトナーと
磁気ブラシ中の磁性粒子との摩擦帯電量がある程度高
く、保持されることによって、磁性粒子と混入したトナ
ーとの鏡映力が強くなり飛散やトナーの塊が落下しにく
くなる。また、混入トナーが感光体上に戻され、現像器
で回収やクリーニング装置で回収されれば、画像不良を
防止できる。
【0013】特にクリーナーレスシステムの場合は転写
残余のトナーが直接磁気ブラシ中の磁性粒子に接触する
ため磁性粒子へのトナー樹脂の付着、スペントがしやす
く、また、転写残余のトナーを現像行程で回収するため
に、転写残余のトナーの摩擦帯電極性を一次帯電行程で
制御し、感光体上に戻さなければならず、摩擦帯電極性
の制御が不十分であると現像行程での回収が不十分にな
り、かぶり画像の不良画像が生じ、帯電粒子が回転する
ことで転写残余のトナーが飛散してしまい、機内を、露
光部を汚し、露光不良による画像不良が生じてしまう。
従って、クリーナーレスシステムにおいても、磁気ブラ
シ中の磁性粒子と混入したトナーとの摩擦帯電量をある
程度高く、保持しなければならない。
【0014】そこで、本発明のトナーは、結着樹脂成分
としてゲルパーミエーションクロマトグラフイー(以下
「GPC」ということがある。)によって測定されたク
ロマトグラムが分子量1×103〜8×104及び分子量
1×105〜2×106のそれぞれの分子量領域に少なく
とも一つの極大値をもつビニル系モノマーの重合体、ま
たは、このビニル系モノマーの重合体とビニル系モノマ
ーの重合体以外の重合体との混合物を含有することを特
徴とする。この様なトナーは、耐衝撃性や流動性に優れ
ており、良好な耐久性が発揮される。
【0015】また、帯電用の磁性粒子への付着が防止さ
れ、且つそれらを傷つけることも防止されるので長期的
に均一な帯電性が維持され、更には、感光体表面、クリ
ーニングブレードなどへの付着や傷をも防止されるの
で、画像形成装置として、常に安定した鮮明でカブリの
ない画像が得られる。前述の目的を達成するために有効
に寄与しているのは分子量が105〜2×106の領域に
GPCクロマトグラムの極大値を有するビニル系モノマ
ーの重合体である。分子量の極大値が105以下である
とトナーの耐衝撃性及び耐久性が低下し、また、2×1
6以上であるとトナーの定着温度が高くなる。しかし
ながらこの領域の分子量を有する重合体が増えると、熱
定着に対して定着温度が高くなるという好ましくない現
象をもたらす。
【0016】このため後述するように、GPCクロマト
グラムにおいて、分子量の極大値が103〜8×104
領域にある重合体を適当に混合しなければならない。分
子量の極大値が103以下であるとトナーが凝集する傾
向があり、トナーの流動性も低下する。一方、分子量の
極大値が8×104以上であるとトナーの定着温度が高
くなる。尚、結着樹脂のGPCクロマトグラムにおい
て、分子量の極大値が105〜2×106の領域のみにあ
る場合には、トナーの定着温度が高くなり、一方、分子
量の極大値が103〜8×104の領域のみにある場合に
は、トナーの耐衝撃性及び耐久性が低下する。このよう
な重合体は、前記GPCクロマトグラムにおいて分子量
が103〜8×104及び105〜2×106の領域にそれ
ぞれ少なくとも1つの極大値を有するように合成の段階
で調整されてもよいし、または、分子量が103〜8×
104に極大値を有する重合体Aと、分子量が105〜2
×106に極大値を有する重合体Bとを混合して作製し
てもよい。後者の場合、重合体A及びBの混合比はB/
A=2/1〜1/50が好ましい。B/A>2の領域で
は、現在一般に用いられている熱による定着方式を採用
する場合、多大の熱エネルギーを必要とするため好まし
くない。B/A<1/50の領域ではA及びBの混合の
効果が認められないため好ましくない。また、重合体A
と重合体Bとはその組成が同一である必要は必ずしもな
いが、それぞれのモノマーの主成分が同一であることが
好ましい。
【0017】本発明において、ビニル系重合体または共
重合体の分子量分布のピーク位置の分子量を測定するに
は、公知の通常の測定方法を用いることができる。例え
ば、本発明においては、GPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフイー)によるクロマトグラムのピークの
分子量は次の条件で測定することができる。すなわち、
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、こ
の温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒ
ドロフラン)に毎分1mlの流速で流し、試料濃度とし
て、0.05〜0.1重量%に調整した樹脂のTHF試
料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分
子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数
種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量
線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線
作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pr
essure Chemical Co製または東洋ソ
ーダ工業社製の分子量が、6×102、2.1×103
4×103、1.75×104、5.1×104、1.1
×105、3.9×105、8.6×105、2×106
4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度
の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。ま
た、検出器にはR1(屈折率)検出器を用いる。なお、
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を適確
に測定すために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数
組み合わせるのが良く、例えば、Watevs社製のμ
−styvage1500、103、104、105の
組み合わせや、KF−802、803、804、805
の組み合わせ、または、東ソー社製のTSKgel G
1000H、G2000H、G2500H、G3000
H、G4000H、G5000H、G6000H、G7
00H、GHMの組み合わせが好ましい。
【0018】本発明に適用するビニル系モノマーとして
は例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロル
スチレンなどのスチレン及びその置換体、アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸アクチル、アクリ
ル酸フエニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミド等のような二重結合を有するモノカルボン
酸もしくはその置換体、例えばマレイン酸、マレイン酸
ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルなどの
ような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体、
例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどの
ようなビニルエステル類、例えばビニルメチルケトン、
ビニルエキシルケトンなどのようなビニルケトン類、例
えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエーテル類
等のビニル単量体が単独でもしくは2つ以上組み合わせ
て用いられる。これらの中では、ビニル系モノマーの重
合体は、スチレンを主成分とするスチレン系共重合体ま
たはスチレンを主成分とするスチレン系共重合体の混合
物であることがより好ましい。
【0019】また、上述のGPCクロマトグラムにおい
て2つの分子量領域に少なくとも一つの極大値をもつビ
ニル系重合体を結着樹脂成分として、トナー全質量中に
30質量%以上含有させることが好ましく、50質量%
以上含有させることがより好ましい。
【0020】本発明では結着樹脂成分の含有量より少な
い割合で、ビニル系モノマーの重合体以外の重合体とし
て、以下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコー
ン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エ
ポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フエノール樹脂、脂肪族又は脂環族
炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフイン、
パラフインワツクスなどである。
【0021】本発明のトナーは、磁性微粒子を含有させ
ることができる。この様な磁性微粒子としては、磁性を
示すか磁化可能な材料であればよく、例えば鉄、マンガ
ン、ニツケル、コバルト、クロムなどの金属、マグネタ
イト、ヘマタイト、各種フエライト、マンガン合金、そ
の他の強磁性合金などがあり、これらを平均粒径が約
0.05〜5μm(より好ましくは0.1〜2μm)の
微粉末としたものが使用できる。含有させる磁性微粒子
の量は、トナー全質量の15〜70質量%が好ましく、
25〜45質量%がより好ましい。
【0022】更に本発明では、140℃における溶融粘
度が10〜106CPSのエチレン系オレフイン単重合
体もしくはエチレン系オレフイン共重合体を微量添加す
ることが好ましい。この重合体は、トナー全質量中に
0.1〜5質量%含有させることが好ましく、この重合
体を含有させることにより、トナー各成分の分散性、相
溶性が改善され、磁性粒子、感光体表面、クリーニング
部材等に対する付着や傷をより長期的に防止する効果が
得られる。この様な重合体としては、具体的には、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、ポリエチレレン骨格を有する
アイオノマーなどがあり、上記共重合体においてはオレ
フインモノマーを50モル%以上(より好ましくは60
モル%以上)含んでいるものが好ましい。なお、溶融粘
度の測定はBrookfield法を用い、ここではB
型粘度計に少量サンプルアダプターを取付けたものを用
いた。
【0023】また本発明のトナーには着色・荷電制御等
の目的で種々の物質を添加してもよい。例えば、カーボ
ンブラツク、鉄黒、グラフアイト、ニグロシン、モノア
ゾ染料の金属錯体、群青、フタロシアニンブルー、ハン
ザイエロー、ベンジンイエロー、キナクリドン等の各種
レーキ顔料などである。
【0024】更に、流動性向上剤として疎水性コロイダ
ルシリカ等をトナー全質量中に10〜40質量%含有さ
せてもよい。この流動性向上剤はトナーの外部に混合し
て用いてもよく、添加量はトナー全質量に対して0.5
〜5質量%が好ましい。
【0025】本発明のトナーは、5μm以下の粒径を有
するトナー粒子が17〜60個数%含有され、8〜1
2.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜23個数%
含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が
2.0体積%以下で含有され、トナーの体積平均粒径が
4〜9μmであり、5μm以下のトナー粒子群が下記式 N/V=−0.04N+k [式中、Nは5μm以下の粒径を有するトナー粒子の個
数%を示し、Vは5μm以下の粒径を有するトナー粒子
の体積%を示し、kは4.5〜6.5の正数を示す。但
し、Nは17〜60の正数を示す。]を満足する粒度分
布を有したトナーであることが好ましい。
【0026】上記の粒度分布を有する本発明のトナー
は、感光体上に形成された潜像の細線に至るまで、忠実
に再現することが可能であり、網点およびデジタルのよ
うなドット潜像の再現にも優れ階調性及び解像性にすぐ
れた画像を与える。さらに、コピーまたはプリントアウ
トを続けた場合でも高画質を保持し、かつ、高濃度の画
像の場合でも、少ないトナー消費量で良好な現像を行う
ことが可能であり、経済性および、複写機またはプリン
ター本体の小型化にも利点を有するものである。
【0027】従来、トナーにおいては粒径が5μm以下
のトナー粒子は、帯電量コントロールが困難であった
り、トナーの流動性を損ない、また、トナー飛散して機
械を汚す成分として、さらに、画像のかぶりを生ずる成
分として、積極的に減少させることが必要であると考え
られていた。しかし、本発明者らが例えば、0.5μm
〜30μmにわたる粒度分布を有するトナーを用いて、
感光体上の表面電位を変化し、多数のトナー粒子が現像
され易い大きな現像電位コントラストから、ハーフトー
ンへ、さらに、ごくわずかのトナー粒子しか現像されな
い小さな現像電位コントラストまで、感光体上の表面電
位を変化させた潜像を現像するテストと行った。そし
て、感光体上の現像されたトナー粒子を集め、トナー粒
度分布を測定したところ、8μm以下のトナー粒子が多
く、特に5μm以下のトナー粒子が多いことを明らかに
した。すなわち、この結果から、現像に最も適した5μ
m以下の粒径のトナー粒子が感光体の潜像の現像に円滑
に供給される場合に潜像に忠実であり、潜像からはみ出
すことなく、真に再現性の優れた画像がえられることが
判明した。このように、5μm以下の磁性トナー粒子が
高品質な画質を形成するための必須の成分であることが
分かった。
【0028】また、該トナーにおいては、8〜12.7
μmの範囲の粒子が1〜23個数%であることが一つの
特徴である。これは、5μm以下の粒径のトナー粒子の
存在の必要性と関係があり、5μm以下の粒径のトナー
粒子は、潜像を厳密に覆い、忠実に再現する能力を有す
るが、潜像自身において、その周囲のエッジ部の電界強
度が中央部よりも高くなる。このため、潜像内部がエッ
ジ部より、トナー粒子ののりがうすくなり、画像濃度が
薄く見えることがある。特に、5μm以下の磁性トナー
粒子は、その傾向が強い。しかしながら、8〜12.7
μmの範囲のトナー粒子を1個数%〜23個数%含有さ
せることによって、この問題を解決し、さらに鮮明にで
きることを発見した。
【0029】すなわち、8〜12.7μmの粒径の範囲
のトナー粒子が、5μm以下の粒径のトナー粒子に対し
て、適度にコントロールされた帯電量をもつためと考え
られており、潜像のエッジ部より電界強度の小さい内側
に供給されて、エッジ部に対する内側のトナー粒子のの
りの少なさを補って、均一なる現像画像が形成される。
その結果、高い濃度で解像性及び階調性の優れたシヤー
プな画像が提供される。
【0030】さらに、5μm以下の粒径の粒子につい
て、その個数%(N)と体積%(V)との間に、N/V
=−0.04N+k(但し、4.5≦k≦6.5;17
≦N≦60)なる関係をトナーが満足している事が好ま
しい。5μm以下の粒度分布の状態を検討する中で、本
発明をより効果的にするような紛体の存在状態があるこ
とを知見した。すなわち、あるNの値に対して、N/V
が大きいということは、5μm以下の粒子まで広く含ん
でいることを示しており、N/Vが小さいということ
は、5μm付近の粒子の存在率が高く、それ以下の粒径
の粒子が少ないことを示していると解される。N/Vの
値が2.1〜5.82の範囲内にあり、且つNが17〜
60の範囲にあり、且つ上記関係式をさらに満足する場
合に、細線再現性及び解像性が向上し、より高画質が達
成される。
【0031】また、16μm以上の粒径の磁性トナー粒
子については、2.0体積%以下にし、できるだけ少な
いことが好ましい。
【0032】kに関しては,k<4.5では、5.0μ
mより小さな粒径のトナー粒子数が少なく、画像濃度、
解像性、鮮鋭さで劣ったものとなる。従来、不要と考え
がちであった微細な磁性トナー粒子の適度な存在が、現
像において、トナーの最密重点化を果たし、粗れのない
均一な画像を形成するのに貢献する。特に細線及び画像
の輪郭部を均一に埋めることにより、視覚的にも鮮鋭さ
をより助長するものである。すなわち、k<4.5で
は、この粒度分布成分の不足に起因して、これらの特性
の点で劣ったものとなる。
【0033】また、k>6.5では、必要以上の微粉の
存在によって、くり返しコピーをつづけるうちに、画像
濃度が低下する傾向がある。この様な現像は、必要以上
の荷電をもった過剰の微粉状磁性トナー粒子が現像スリ
ーブ上、あるいは現像キャリア表面に帯電付着して、正
常なトナーの現像スリーブ、現像キャリアへの担持およ
び荷電付与を阻害することによって発生すると考えられ
る。
【0034】また、16μm以上の粒径の磁性トナー粒
子は2.0体積%以下であることが好ましく、この値が
2.0体積%より多いと、細線再現における妨げになる
ばかりでなく、転写において、感光体上に現像されたト
ナー粒子の薄層面に16μm以上の粗めのトナー粒子が
突出して存在することで、トナー層を介した感光体と転
写紙間の微妙な密着状態を不規則なものとして、転写条
件の変動をひきおこし、転写不良画像を発生させる要因
となる。
【0035】更には、トナーの体積平均径は4〜9μm
であることが好ましい。体積平均粒径4μm未満では、
グラフィク画像などの画像面積比率の高い用途では、転
写紙上のトナーののり量が少なく、画像濃度の低いとい
う問題点が生じやすい。これは、先に述べた潜像におけ
るエッジ部に対して、内部の濃度が下がる理由と同じ原
因によると考えられる。体積平均粒径9μmを越えた場
合は解像度が良好でなく、また複写の初めは良くとも使
用をつづけていると画質低下を発生しやすい。
【0036】トナーの粒度分布は種々の方法によって測
定できるが、本発明においてはコールターカウンターを
用いて行った。すなわち、測定装置としてはコールター
カウント(コールター社製)を用い、個数分布,体積分
布を測定した。電界液は1級塩化ナトリウムを用いて1
%NaCl水溶液を調製する。測定法としては、前記電
界水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1
〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い、アパチヤーとして100μアパチヤーを
用いて、個数を基準として2〜40μの粒子の粒度分布
を測定して、それから本発明に係るところの値を求め
た。
【0037】次に本発明の帯電手段について、以下説明
する。
【0038】本発明の画像形成装置における帯電手段
は、感光体に帯電部材を接触させて電圧を印加すること
によって該感光体を帯電させるものである。帯電部材と
しては磁気ブラシを使用し、この磁気ブラシを感光体を
接触させて帯電させる。磁気ブラシの構成、形状等は、
特に限定されるものではなく、通常の画像形成装置にお
いて通常用いられるものを使用することができる。
【0039】本発明の帯電部材である磁性ブラシを構成
する磁性粒子としては,体積抵抗値が104Ωcm〜1
9Ωcmのものを用いる。磁性粒子の体積抵抗値が1
4Ωcm未満であると、感光体表面に傷やピンホール
等の欠陥が存在した場合、そこに集中して電荷が流れて
しまい帯電部材及び感光体の通電破壊が生じてしまい、
また、109Ωcmを越えると感光体に良好な帯電が行
われなくなり帯電不良が生じてしまう。
【0040】磁性粒子の体積抵抗の測定方法は、図2に
示すセルBに磁性粒子を充填し、該磁性粒子に接するよ
う電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加し、
その時ながれる電流を測定することにより得た。測定条
件は、23℃、65%の環境で充填磁性粒子と電極との
接触面積2cm2、厚み1mm、上部電極に10kg、
印加電圧100Vである。
【0041】本発明において、帯電部材である磁気ブラ
シと感光体を十分に接触させるため、帯電性が向上し、
また転写残トナーの帯電器内への取り込み性も向上し、
帯電器内に混入したトナーを感光体上に吐き出させる機
会も増す。このため、磁気ブラシは感光体に対して収速
差をもって移動させることが好ましい。
【0042】帯電部材に用いられる磁性粒子の体積平均
粒径は10〜40μmであることが好ましい。この体積
平均粒径が、10μmより小さいと、感光体への磁気ブ
ラシの付着が生じやすく、また磁気ブラシとしたときに
磁性粒子の搬送性に劣ってしまう。また、粒径が40μ
mを越えると磁性粒子と感光体との接触点が減少し注入
帯電方法の帯電一様性が劣化する傾向にある。上記磁性
粒子の体積平均粒径は、さらに好ましくは、15〜30
μmである。
【0043】磁性粒子の平均粒径及び分布はレーザー回
折式粒度分布測定装置HEROS(日本電子製)を用い
て、0.05μm〜350μmの範囲を32対数分割し
て測定し、体積50%メジアン径をもって平均粒径とし
た。
【0044】本発明に用いる磁性粒子を保持する保持部
材と感光体との間隙は0.2〜2mmの範囲に設定する
ことが好ましい。この間隔が0.2mmより小さいと磁
性粒子がその間隙を通りにくくなり、スムーズに保持部
材上を磁性粒子が搬送されずに帯電不良や、ニップ部に
磁性粒子が過剰に溜り、感光体への付着が生じやすくな
り、2mm以上では感光体と磁性粒子のニップ幅を広く
形成しにくいので好ましくない。上記保持部材と感光体
との間隙は、さらに好ましくは0.2〜1mmであり、
特に好ましくは、0.3〜0.7mmである。
【0045】本発明に用いる磁性粒子としては、フェラ
イト粒子が好ましく用いられる。フェライトの組成とし
ては、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、鉄、リチウ
ム、ストロンチウム、バリウム等の金属元素を含むもの
が好適に使用される。
【0046】フェライト粒子の中では、銅、マンガンま
たはリチウムと鉄を含むフェライト粒子が好ましく、銅
またはマンガンと鉄を含むフェライト粒子が更に好まし
い。
【0047】その好ましい組成比率は、
【0048】
【数1】(A1)X1・(A2)X2 ・・・ (An)
Xn・(Fe)Y・(O)Z (ここで、A1〜Anは、元素を表し、A1は、銅、マ
ンガンまたはリチウムから選択される。また、X1〜X
n及びYは酸素以外の含有元素の原子個数比率を示
す。)
【0049】
【数2】0.02< X1/Y < 5 であり、好ましくは、
【0050】
【数3】0.03< X1/Y < 3.5 更に好ましくは、
【0051】
【数4】0.05< X1/Y < 1 である。A2以降の好ましい元素としては、A1で使用
されていない元素で、銅、マンガン、リチウム、亜鉛、
マグネシウムが挙げられる。さらに、本発明のフェライ
ト粒子には、リン、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、ビスマス、ケイ素、アルミニウム
等を含有させることができる。
【0052】帯電用磁性粒子の好ましい構成としては、
磁性粒子中の酸素を除く元素の総原子数の内、鉄、銅、
マンガン、リチウム、亜鉛、マグネシウムの含有原子数
が80原子個数%以上のものが好ましく用いられ、さら
に好ましくは90原子個数%以上、最も好ましくは95
原子個数%以上である。
【0053】フェライトは、酸化物の固溶体であり厳密
な化学量論に基づくとは限らないが、銅を用いた場合
は、
【0054】
【数5】(CuO)X1・(Fe23X1・(A2)X2
・・・ (An)Xn・(Fe) Y-2X1・(O)Z-4X1 で表現可能である。マンガンを用いた場合は、
【0055】
【数6】(MnO)X1・(Fe23X1・(A2)X2
・・・ (An)Xn・(Fe) Y-2X1・(O)Z-4X1 であり、更に、リチウムを用いた場合
【0056】
【数7】(Li2O)X1/2・(Fe235X1/2・(A
2)X2・・・(An)Xn・(Fe) Y-5X1・(O)Z-8X1 である。
【0057】帯電用磁性粒子は、その特徴的な使用形態
により、銅、マンガン、リチウムを使用した粒子の場合
には、特に耐久性に優れるという効果がある。特に銅及
びマンガンを使用した場合にその耐久性の効果が大き
い。この理由としては、電圧が印加されて感光体を帯電
する際にフェライトを通して電流の流れる際、この電流
パスが元素により異なり、特に銅またはマンガンで構成
されるフェライトの場合には、電流のパスが多く形成さ
れるためと推測される。また、帯電の際に、磁性ブラシ
と感光体との電荷のやり取りがスムーズな表面を形成し
て行われるためと推測される。
【0058】本発明の磁性粒子としては、体積粒径が5
μm以上の粒子の短軸長さ/長軸長さの標準偏差が、
0.08以上である磁性粒子を使用するのことが好まし
く、0.10以上である磁性粒子を使用するのことが、
更に好ましい。特に、クリーナレス画像形成装置の場合
には、このの範囲の磁性粒子を用いることにより、磁性
粒子と感光体表面との接触性が向上し、転写残りのトナ
ー成分があっても感光体を十分に帯電することができ
る。また、このの範囲の磁性粒子を用いると、磁性粒子
同士の表面クリーニング効果があり、長期使用によって
も粒子表面への異物堆積が抑制されるという効果の持続
性が大きい。
【0059】5μm以上の粒子の短軸長さ/長軸長さの
標準偏差が、0.08よりも小さい場合には、形状のば
らつきが少なすぎてしまい、お互いの表面クリーニング
効果が十分ではない。
【0060】形状のばらつきによって、また、磁性粒子
同士の負荷や磁性粒子の形状に対応して、クリーニング
に好適な形状が存在し、負荷が集中し表面クリーニング
効果を生じるものと考えられる。また、磁性粒子の5〜
20μm部分の短軸長さ/長軸長さの標準偏差は、0.
08以上とするとそれより大きい粒子の表面クリーニン
グ効果が大きくなるので好ましく、0.10以上とする
と、更にクリーニング性が向上するので好ましい。
【0061】ここで、短軸長さ/長軸長さは以下のよう
に測定し、その標準偏差を求めた。日立製作所製FE−
SEM(S−800)を用い、500倍に拡大した粒子
像を無作為に100個抽出し、その画像情報を元に、た
とえば、Image Analyzer V10(東洋
紡績株式会社製)により、画像解析した結果の統計処理
を行う。解析の詳細は、まず、電子顕微鏡写真より、実
体顕微鏡を経由した画像信号を解析装置に入力し、画像
情報を2値化する。次に、2値化された画像情報を元に
以下のような解析を行う。
【0062】詳しくは、Image Analyzer
V10(東洋紡績株式会社製)説明書に詳しく記載が
あるが、簡潔に方法を説明すれば、対象物の形状を楕円
に置き換える手続きを経て、その楕円の長軸と短軸の長
さの比をとるということである。その手続きは、以下に
示す通りである。磁性粒子又はトナーの、2値化された
形状に対して、座標(u,v)における微小面積Δs=
Δu・Δvの比重を1とした場合、原点(X,Y)に対
して、該粒子の2値化された形状の重心を通り、水平軸
及び垂直軸についての2次モーメント(水平軸について
の2次モーメント Mx、垂直軸についての2次モーメ
ントMy)は、各々 Mx = Σ Σ ( u−X )2 My = Σ Σ ( v−Y )2 で表され、慣性相乗モーメントMxyは、 Mxy= Σ Σ ( u−X )・( v−Y ) であり、以下の式をみたす角度θは、2つの解を持つ。
【0063】
【数8】 更に、水平軸と角θをなす軸方向の慣性モーメントは、
Mθは、 Mθ=Mx・(cosθ)2+My・(sinθ)2−M
xy・sin2θ で表され、前記θの2つの解を代入し、計算された、M
θのうち小さい方が主軸となる。更に、任意の軸上に、
(1/Mθ)0.5に相当する点をプロットするとこれら
は、楕円を作り、この主軸が、慣性主軸と一致するとす
れば、Mθの小さな値を取る方向をA、大きな方をBと
すると以下の楕円となる。
【0064】
【数9】A・x2+B・y2 = 1 本発明における短軸長さ/長軸長さは、以上の楕円に対
して、 短軸長さ/長軸長さ = (A/B)0.5 にて表されたものである。
【0065】また、5μm〜20μm部分の測定法は、
前記電子顕微鏡写真において、該粒子の最大弦長が、5
μm〜20μmであるものについて解析を行う。
【0066】本発明における帯電用磁性粒子の製造方法
は、例えばCu−Znフェライトを製造するにあたっ
て、Fe23、CuO、ZnOをそれぞれ45〜55モ
ル%、20〜30モル%、20〜30モル%の割合で配
合して適当な分散剤、結合剤等と水を加えてスラリーと
した後、適当な方法で造粒、分級し1000〜1300
℃程度で焼成することにより、本発明に用いる体積抵抗
値を有する磁性粒子を得ることができる。さらに必要に
応じて解砕、粉砕処理、分級処理を行うことにより所望
のサイズの磁性粒子が得られる。
【0067】さらにフェライト粒子の好ましい製造方法
としては、20μm〜200μmのフェライト粒子を粉
砕する方法が挙げられる。また、形状分布を制御しつつ
粉砕した後に、適宜分級を行い、そのまま使用すること
ができ、また、必要に応じて、その他の粒子と混合して
用いることが可能である。また、フェライトの固まりを
粉砕することによる製法も可能であるが、その効率とい
う観点からは、フェライト粒子を粉砕することが好まし
い。また、帯電用磁性粒子の粒径調整は、粉砕工程時の
粉砕強度、処理時間の調整により行ない、必要に応じて
分級工程を行なうことにより調整する。
【0068】本発明の帯電部材として用いる磁性粒子
は、抵抗調整やトナーに対する摩擦帯電極性を制御する
等を行う目的で磁性粒子の外側に表面層を有した形態が
好ましい。表面層の形態は、該磁性粒子の表面を蒸着膜
や、導電性樹脂膜、導電性顔料分散樹脂膜等でコートし
たものが好ましい。この表面層は必ずしも該磁性粒子を
完全に被覆する必要は無く、本発明の効果が得られる範
囲で該磁性粒子が露出していても良い。つまり表面層が
不連続に形成されていても良い。
【0069】磁性粒子の被覆用に用いる結着樹脂として
は、スチレン、クロルスチレン等のスチレン類;エチレ
ンプロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフ
ィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪
族モノカルボン酸エステルビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエ
ーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、
ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独
重合体あるいは共重合体などが挙げられ、特に代表的な
結着樹脂としては、導電性微粒子の分散性やコート層と
しての成膜性、生産性という点などから、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレンが挙げられる。更にポリカーボネ
ート、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
【0070】例えば、フッ素樹脂としては、例えばポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフロオロエチレン、ポリジ
クロロジフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどと、他のモノマ
ーが共重合した溶媒可溶の共重合体が挙げられる。
【0071】また、シリコーン樹脂としては、例えば信
越シリコーン社製KR271、KR282、KR31
1、KR255、KR155(ストレートシリコーンワ
ニス)、KR211、KR212、KR216、KR2
13、KR217、KR9218(変性用シリコーンワ
ニス)、SA−4、KR206、KR5206(シリコ
ーンアルキッドワニス)、ES1001、ES1001
N、ES1002T、ES1004(シリコーンエポキ
シワニス)、KR9706(シリコーンアクリルワニ
ス)、KR5203、KR5221(シリコーンポリエ
ステルワニス)や東レシリコーン社製のSR2100、
SR2101、SR2107、SR2110、SR21
08、SR2109、SR2400、SR2410、S
R2411、SH805、SH806A、SH840等
が用いられる。
【0072】また、抵抗調整のために導電性顔料を分散
させて樹脂被膜を形成させてもよい。本発明に係わる導
電性微粒子としては、銅、ニッケル、鉄、アルミニウ
ム、金、銀等の金属あるいは酸化鉄、フェライト、酸化
亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属
酸化物更にはカーボンブラック等の電子伝導性の導電紛
が挙げられ、さらにイオン導電剤として、過塩素酸リチ
ウム、4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0073】また、環境による抵抗変化を制御するとい
う点からは、磁性粒子表面を親水基と疎水基を有する化
合物であるカップリング剤で表面を被覆し疎水化処理を
行ってもよい。カップリング剤の場合、極薄い被膜(分
子レベルで)を磁性粒子表面に形成するので、磁性粒子
の抵抗値に与える影響が少なく、磁性粒子であるコアの
抵抗さえ調整すれば、被覆層への抵抗調整の処理は行わ
なくても構わない。
【0074】カップリング剤としては、例えばイソプロ
ポキシトリイソステアロイルチタネート、ジヒドロキシ
ビス(ラクタト)チタン、ジイソプロポキシビス(アセ
チルアセナト)チタン等のチタネート系、例えばアセト
アルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミ
ニウム系、例えばジメチルアミノプロピルトリメトキシ
シラン、n−オクタデシルジメチルメメトキシシラン、
n−ヘキシルトリエトキシシラン、3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシ
ラン等のシラン系カップリング剤等が挙げられ、適宜ア
ミノ基やフッ素などの様々な官能基を導入してもよい。
【0075】カップリング剤による磁性粒子の表面被覆
方法は、公知の方法を用いることができるが,中でもカ
ップリング剤を適当な溶媒に溶解させて得られる溶液
に、磁性粒子を添加し、これを撹拌して磁性粒子表面に
カップリング剤の被膜を形成させた後、加熱して溶媒を
除去し磁性粒子を取り出して加熱乾燥する湿式方法が好
ましい。
【0076】本発明に用いる帯電部材を印加する際の電
圧としては、直流電圧のみでもよいし、直流交流成分重
畳電圧でもよい。交流成分としては、注入帯電方法の場
合、装置のプロセススピードにもよるが100Hz〜1
0kHz程度の周波数で、印加交流成分のピークピーク
間電圧は1000V程度以下が好ましい。1000Vを
越えると、印加電圧に対して感光体電位が得られてしま
うので、潜像面が電位的に波打ち、かぶりや濃度うすを
生じることがある。
【0077】放電を用いる帯電方法の場合は交流成分と
しては、装置のプロセススピードにもよるが100Hz
〜10kHz程度の周波数で、印加交流成分のピークピ
ーク間電圧は1000V程度以上で、放電開始電圧の2
倍以上が好ましい。印加する交流成分の波形はサイン
波、矩形波、鋸波等が使用できる。
【0078】次に、本発明の感光体について以下説明す
る。
【0079】本発明の画像形成装置における感光体は、
特に限定されるものではなく、通常の画像形成装置にお
いて通常用いられる感光体と同様の構成とすることがで
きる。
【0080】本発明の画像形成装置では、電荷注入層を
有した感光体を用いることが好ましい。電荷注入層を有
した感光体を用いると、電荷を感光体に直接注入させる
ことにより帯電を行う注入帯電を、より効率的に行うこ
とができるからである。
【0081】帯電部材として磁性粒子を用いた磁気ブラ
シを使用し、DC電圧のみを印加した場合には、放電開
始電圧が存在するために、放電による感光体への電位が
印加電圧まで帯電されず、それだけ帯電部材と感光体と
の間で電位差が大きくなり、帯電部材である磁性粒子も
感光体上に漏れてしまいやすい傾向にあるので、注入帯
電方法を用いること、すなわち、電荷注入層を有した感
光体を用いることが好ましい。
【0082】また、放電による帯電では、放電生成物に
より感光体表面がダメージを受け、劣化あるいは高温高
湿下での画像流れを生じ易いという問題点があり、その
点でも注入帯電方法を用いること、すなわち、電荷注入
層を有した感光体を用いることが好ましい。
【0083】従来の感光ドラムを用いて良好な電荷注入
帯電を行いたい場合には、少ないトラップ点に効率良く
電荷注入をしなければならないため、帯電部材の抵抗値
は1×103Ω以下でなくてはならず、通常の感光ドラ
ム表面材質の抵抗値は1×1015Ωcm以上であるのに
対して、電荷注入層を設けた場合には感光体表面に電荷
を保持できる領域が増加するため、もっと高い抵抗値の
帯電部材を用いても良好な帯電が行なうことができる。
実際には、電荷注入層の抵抗値が1×108〜1×10
15Ωcmの範囲であれば、1×107Ωの帯電部材で
も、印加電圧に対して帯電される感光体表面電位が90
%以上であるような良好な効率で帯電が可能である。
【0084】したがって、本発明に係わる感光体として
は、良好な電荷注入帯電性が得られる表面に電荷注入層
を有する感光体、特に電子写真感光体であることが好ま
しい。このことと同時に、十分な帯電性と画像流れをお
こさない条件を満足するために、感光体表面の電荷注入
層の体積抵抗値は1×108Ωcm〜1×1015Ωcm
の範囲である感光体を用いるのが好ましい。画像流れ等
の点から、体積抵抗値が1×1011Ωcm〜1×1014
Ωcmのものを用いるのが好ましく、さらに体積抵抗値
の環境変動等も考慮すると、体積抵抗値が1×1012Ω
cm〜1×10 14Ωcmのものを用いるのが更に好まし
い。体積抵抗値が1×108Ωcm未満では高湿環境で
帯電電荷が表面方向に保持されないために画像流れが生
じ、1×1015Ωcmを越えると帯電部材からの帯電電
荷を十分に注入すること、また保持することができない
ため、帯電不良を生じる傾向にある。このような機能層
を感光体表面に設けることによって、帯電部材から注入
された帯電電荷を保持する役割を果たし、更に光露光時
にこの電荷を感光体基体に逃す役割を果たし、残留電位
を低減させる。
【0085】電荷注入層としては、絶縁性のバインダー
に光透過性で、かつ導電性の粒子を適量分散させて中抵
抗とした材料で構成するもの、絶縁性のバインダーに光
透過性の高いイオン導電性を持つ樹脂を混合する、もし
くは共重合させて構成するもの、または中抵抗で光導電
性のある樹脂単体で構成するもの等が考えられるが、こ
れらで構成された電荷注入層がいずれも108〜1015
Ωcm程度の抵抗を持つことが特徴である。
【0086】以上のような構成をとることによって、従
来は接触帯電部材の1×103Ωcmの抵抗値以下でな
ければ起きなかった電荷注入による帯電と、逆に1×1
4Ωcm以上でないと防止することができなかったピ
ンホールリークの防止を両立することができる。
【0087】また本発明は、従来では低抵抗の接触帯電
部材を用いないと生じなかった電荷注入による良好な帯
電性と、低抵抗の接触帯電部材では防止することのでき
なかった感光体上のピンホールによるリークという特性
を同時に満足させ、十分な電位収束性を得るために、電
荷注入層を有した感光体に接触して、注入により帯電を
行う接触帯電部材の磁性粒子よりなる磁気ブラシの体積
抵抗値が、104Ωcm〜109Ωcmの範囲中にある接
触帯電部材を用いたものである。
【0088】また、本発明の画像形成装置は、上記の帯
電部材と感光体により、接触させて帯電する方法をする
ことによって、帯電開始電圧Vhが小さく、感光体帯電
電位を帯電部材に印加する電圧のほとんど90%以上ま
でに帯電させることが可能になった。例えば、本発明の
帯電部材に絶対値で100〜2000Vの直流電圧を印
加した時、本発明の電荷注入層を有する感光体の帯電電
位を印加電圧の80%以上、さらには90%以上にする
ことができる。これに対し、従来の放電を利用した帯電
によって得られる感光体の帯電電位は、印加電圧が64
0V以下ではほとんど0Vであり、640V以上では印
加電圧から640Vを引いた値の帯電電位程度しか得ら
れなかった。
【0089】ここで電荷注入層の体積抵抗値の測定方法
は、表面に導電膜を蒸着させたポリエチレンテレフタラ
ート(PET)フィルム上に電荷注入層を作成し、これ
を体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製41
40B pAMATER)にて、23℃、65%の環境
で100Vの電圧を印加して測定するというものであ
る。この電荷注入層は金属蒸着膜などの無機の層、ある
いは導電性微粒子を結着樹脂中に分散させた導電粉樹脂
分散層などによって構成される。そして、蒸着膜は蒸
着、導電粉樹脂分散膜はディッピング塗工法、スプレー
塗工法、ロールコート塗工法、及びビーム塗工法等の適
当な塗工法にて塗工することによって形成される。ま
た、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン導電性
を持つ樹脂を混合、もしくは共重合させて構成するも
の、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成する
ものでもよい。導電性微粒子を分散させた膜の場合、導
電性微粒子の添加量は結着樹脂100質量部に対して2
〜250質量部、より好ましくは2〜190質量部であ
ることが好ましい。2質量部以下の場合には、所望の体
積抵抗値を得にくくなる。また250質量部以上の場合
には、膜強度が低下してしまい電荷注入層が削りとられ
やすくなり、感光体の寿命が短くなる傾向になるからで
あり、また抵抗が低くなってしまい、潜像電位が流れる
ことによる画像不良を生じやすくなるからである。
【0090】電荷注入層に含有される導電性微粒子とし
ては、SnO2を主成分とする導電性微粒子を使用する
のが好ましい。
【0091】また電荷注入層のバインダーは下層のバイ
ンダーと同じとすることも可能であるが、この場合には
電荷注入層の塗工時に電荷輸送層の塗工面を乱してしま
う可能性があるため、コート法を特に選択する必要があ
る。
【0092】また本発明においては、電荷注入層が滑材
性粒子を含有することが好ましい。その理由は、帯電時
に感光体と注入帯電部材の摩擦が低減されるために帯電
ニップが拡大し、帯電特性を向上させることができ、ま
たクリーナーレスシステムの場合に帯電部材への転写残
トナーの混入を極力少なくすることができ、転写効率を
向上させることができるためである。滑材性粒子として
は、臨界表面張力の低いフッ素系樹脂、シリコーン系樹
脂、またはポリオレフィン系樹脂を用いるのが好まし
い。さらに好ましくは4フッ化エチレン樹脂(PTF
E)が用いられる。
【0093】この場合、滑材性粒子の添加量は、バイン
ダー100質量部に対して2〜50質量部が好ましく、
5〜40質量部が更に好ましい。2質量部以下では滑材
粉末の量が十分ではないために、帯電特性を十分向上さ
せることができず、また50質量部以上では、画像の分
解能、感光体の感度が大きく低下してしまうからであ
る。本発明における電荷注入層の膜厚は0.1〜10μ
mであることが好ましく、1〜7μmであることが更に
好ましい。
【0094】本発明の画像形成装置では、導電性支持体
上に感光体が設置されている。すなわち、本発明の感光
体は、導電性支持体と該支持体上に形成された感光層を
有する感光体である。
【0095】上記導電性支持体としては通常の画像形成
装置が備える感光体に用いられる導電性支持体と同様の
ものを用いることができる。具体的には鉄、銅、ニッケ
ル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジ
ウム、鉛、亜鉛、金、銀などの金属や合金、またはそれ
らの酸化物やカーボン、導電性樹脂などの導電性材料を
成形加工した導電性支持体や、所望の形状および物性の
基材表面に前記導電性材料を適当な方法で塗布したり蒸
着して得られる導電性支持体が使用可能である。形状と
してはドラム状、ベルト状、シート状等が挙げられる
が、本発明においてはドラム状の導電性支持体が好まし
く用いられる。
【0096】上記、感光層は少なくとも上記導電性支持
体に接する側に光キャリアを生成する電荷発生材料と、
キャリアを輸送する電荷輸送材料とを共に含有する層
(以下電荷発生層、輸送層という)を有し、その上に表
面層として上記電荷注入層を設けてもよい。前記電荷発
生、輸送の代わりに光キャリアを生成する電荷発生材料
を含有する電荷発生層とキャリアを輸送する電荷輸送輸
送材料を含有する電荷輸送層とが積層された構成を用い
ても良い。その場合、電荷発生層と電荷輸送層のどちら
を導電性支持体に接する側に形成してもよい。
【0097】さらに上記電荷発生層、輸送層と導電性支
持体との間に導電性支持体側から順に導電層および下引
き層を設けることができる。また、導電層と下引き層は
1つの層にまとめることもできる。ここで本明細書にお
いて感光層とは、上記導電性支持体上に形成される、表
面層としての上記電荷注入層以外の、全ての層をまとめ
た概念として用いている。
【0098】上記電荷発生材料として具体的には、フタ
ロシアニン顔料、アゾ顔料、アモルファスシリコン、ト
リフェニルメタン色素などが挙げられる。上記電荷輸送
材料として、具体的にはピレン化合物、カルバゾール化
合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン化合物、
スチリル化合物、スチルベン化合物等が挙げられる。ま
た、バインダー樹脂として、具体的にはポリエステル、
ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、フェノー
ル樹脂、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられ
る。さらに、反応性のエポキシ、(メタ)アクリルモノ
マーやオリゴマーも混合後、硬化させて、用いることが
可能である。
【0099】上記電荷発生、輸送層を電荷発生層と電荷
輸送層の2層構造に代えることが可能である。前記電荷
発生層は上記電荷発生材料のみで構成される場合もある
が、それ以外の場合には上記バインダー樹脂等を含有す
ることができる。電荷発生層における電荷発生材料の含
有量は、層構成材料全質量に対して30〜100質量%
であることが好ましい。また、電荷発生層の厚さは、好
ましくは0.1〜0.5μm程度である。
【0100】上記、電荷輸送層は、バインダー樹脂と、
前記バインダー樹脂に対して、好ましくは30〜120
質量%の電荷輸送材料とを含有し、さらに、必要に応じ
て通常の電荷輸送層が含有するのと同様な各種任意成分
を含有することができる。電荷輸送層の厚さは10〜3
0μm程度であることが好ましい。
【0101】また、上記任意に設けられる下引き層は、
例えば導電性支持体から注入される電荷が感光層表面に
帯電される電荷に影響を及ぼすのを防ぐために設けられ
る層であり、主に上記と同様のバインダー樹脂から構成
可能であり前記導電性材料やアクセプターを含有しても
よい。下引き層の厚さは、好ましくは0.1〜1.0μ
m程度であることが好ましい。
【0102】さらに、上記導電層は、例えば上記導電性
支持体の表面状態を改善するために設けられる層であ
り、上記と同様のバインダー樹脂に前記導電性材料が分
散された構成をとることが可能である。導電層の厚さは
10〜20μm程度であることが好ましい。
【0103】本発明に用いられる感光体を製造する方法
としては、通常、導電性支持体上に、導電層、下引き
層、電荷発生層、輸送層、電荷注入層を蒸着、塗布等で
積層する方法が用いられる。積層の方法については、具
体的には塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロー
ルコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電
塗布、粉体塗布等が用いられる。上記塗布方法は各層毎
にその構成成分を、有機溶媒等に溶解、分散させた溶
液、分散液等を上記の方法より塗布した後、溶媒を乾燥
などによって除去することによって行うことができる。
あるいは、反応硬化型のバインダー樹脂を用いる場合に
は、各層構成成分を樹脂原料成分および必要に応じて添
加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分
散液等を、上記の方法により塗布した後、例えば熱、光
等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要に応じて
溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
【0104】次に、本発明の現像手段について説明す
る。
【0105】本発明の画像形成装置における現像手段
は、トナーを担持したトナー担持体を備え、このトナー
担持体上のトナーを静電潜像上に付着させて、この静電
潜像をトナー画像として可視化する手段である。
【0106】現像手段は、特に限定されるものではな
く、通常の画像形成装置において通常用いられる現像手
段と同様の構成とすることができる。
【0107】具体的には、例えば、接触2成分現像手
段、接触1成分現像手段等が好適な現像手段として挙げ
られる。ここで接触2成分現像手段とは、トナーに対し
て磁性キャリアを混合したものを現像剤として用いて磁
気力によって搬送して感光体の表面に対して接触状態で
現像する手段である。
【0108】また、接触1成分現像手段では、非磁性ト
ナーについてはこれを単独で現像剤としてブレード等で
スリーブ上にコーティングし、磁性トナーについては、
この磁性トナーを単独で現像剤として接触状態で現像す
る手段である。
【0109】このようにして現像剤、つまり、接触2成
分現像手段においては、トナーに対して磁性のキャリア
を混合したもの、接触1成分現像手段においては、トナ
ーそれ自体と転写残余トナーが感光体の表面において接
触している場合、静電的力に摺擦力が加わり、効果的に
転写残余トナーを現像手段にて回収できる傾向にあり、
良好な画像が得られるので好ましい。
【0110】本発明に用いる現像手段が例えば接触2成
分現像手段である場合には、具体的には、以下の構成の
現像器等が挙げられる。すなわち、トナーと現像用磁性
キャリアの混合物からなる現像剤を担持する回転可能な
ドラム状の現像スリーブ(トナー担持体)と、現像スリ
ーブ内に固定配置されたマグネットローラと、現像剤を
現像スリーブの表面に薄層に形成するために配置された
規制ブレードと、現像剤を貯留する現像容器と、現像容
器内の現像剤を撹拌する現像剤撹拌スクリューと、必要
に応じて現像容器内にトナーを供給する補充用トナーホ
ッパー部とを備える現像器が挙げられる。
【0111】上記現像スリーブは、少なくとも現像時に
おいては、感光体の表面と最も近い箇所での間隙が約2
00〜800μmになるように配置されることが好まし
く、この現像スリーブの面に形成された現像剤の薄層が
感光体の表面に対する現像剤接触領域(現像領域、現像
部位)は1.0〜10.0mmになるように設計される
ことが好ましい。また、通常、上記現像ブレードは少な
くとも現像時においては回転運動するものである。
【0112】上記接触2成分現像手段で用いられる現像
用磁性キャリアとして、具体的にはCu−Znフェライ
ト、Mn−Mgフェライト、磁性粉分散型樹脂粒子等か
らなる磁性粒子やこれらの表面をシリコーン樹脂、アク
リル樹脂、フッ素樹脂等で被覆処理したもの等が挙げら
れる。これらの磁性粒子については、その体積平均粒子
径が好ましくは20〜200μm、より好ましくは30
〜80μmのものが用いられる。
【0113】また2成分現像剤におけるトナーと現像用
磁性キャリアの混合比としては、具体的には質量比で、
トナー:現像用磁性キャリアとして、4:100〜1
2:100程度を挙げることができる。
【0114】次に、本発明の画像形成装置の概要を図に
沿って説明する。
【0115】本発明の画像形成装置(図1)は、導電性
支持体上に感光層を有する電子写真感光体12、この電
子写真感光体に帯電部材を接触させて電圧を印加するこ
よによって該感光体を帯電させる帯電手段11と、像露
光を行うことにより該感光体上に静電潜像を形成する潜
像形成手段13と、この静電潜像をトナー担持体上のト
ナーによってトナー像して可視化する現像手段18と、
このトナー画像を転写材Pに転写する転写手段14とを
有し、トナー画像転写後の感光体表面に残余するトナー
を感光体上からクリーニングする手段を有する画像形成
装置、または、別途にクリーニングする手段を有せず
に、トナー画像転写後の感光体表面に残余するトナーを
感光体上から現像手段で回収するクリーナーレスによる
画像形成装置である。
【0116】本発明の画像形成装置の有する感光体、帯
電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段およびクリ
ーニング手段のうち感光体、帯電手段、現像手段(トナ
ーを含む)については以上に説明した通りである。
【0117】本発明の画像形成装置における像露光を行
うことにより該感光体表面に静電潜像を形成させる潜像
形成手段、および現像手段により得られるトナー画像を
転写材に転写する転写手段、転写後のドラム上に残った
転写残余のトナーをクリーニングする手段については、
通常の画像形成装置に通常用いられる潜像形成手段およ
び転写手段、クリーニング手段と同様のものを用いるこ
とができる。
【0118】なお、転写手段については、転写材を介し
て感光体の表面に接触する部材を有し、転写が該部材に
より転写材を感光体の表面に接触させて行われる接触転
写のための転写手段であることが好ましい。
【0119】また、本発明では、上記のように通常のク
リーニング手段を備えていても良いし、別途にクリーニ
ングする手段を有せずに、現像手段がトナー像を記録媒
体上に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収す
るクリーニング手段を兼ねているクリーナレスの画像形
成装置であってもよい。
【0120】また、本発明は、導電性支持体と、この上
に設置された感光層とを有し、静電潜像を担持するため
の感光体と、その周囲にこの感光体に帯電部材を接触さ
せて電圧を印加することによって該感光体を帯電させる
帯電手段を有し、像露光を行うことにより該感光体上に
静電潜像を形成する潜像形成手段、この静電潜像をトナ
ー担持体上のトナーによってトナー像として可視化する
現像手段、このトナー像を転写材に転写する転写手段、
及び感光体上の転写残余のトナーをクリーニングするク
リーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つ
の手段が前記帯電手段と一体に支持され、画像形成装置
本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、
前記接触帯電部材として上記の磁気ブラシを備え、前記
トナーは、結着樹脂成分としてクロマトグラムがそれぞ
れの上記の2つの分子量領域のそれぞれに少なくとも一
つの極大値をもつ重合体を含有することを特徴とするプ
ロセスカートリッジである。
【0121】すなわち、本発明のプロセスカートリッジ
は、感光体と帯電手段とを有し、潜像形成手段と、現像
手段と、転写手段と、クリーニング手段とからなる群よ
り選ばれる少なくとも1つの手段が前記帯電手段と一体
に支持され、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセ
スカートリッジである。
【0122】上記の各手段の組み合わせは任意であり、
例えば、帯電手段と潜像形成手段とを感光体に一体に支
持したプロセスカートリッジ、帯電手段と現像手段とを
感光体に一体に支持したプロセスカートリッジ、帯電手
段と潜像形成手段と転写手段とを感光体に一体に支持し
たプロセスカートリッジ等が例示できる。そして、本発
明のプロセスカートリッジは画像形成装置本体に着脱自
在である。
【0123】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明する
が,本発明は,これら実施例に限定されるものではな
い。
【0124】まず本発明の画像形成装置に使用される接
触帯電部材である磁気ブラシを構成する磁性粒子、感光
体及びトナーの製造例について説明する。 [磁性粒子の製造例1]Fe2350モル%、CuO2
5モル%、ZnO25モル%にリンを0.05質量%添
加し、1質量%のポリビニールアルコール水溶液を加え
ボールミルにて分散混合し、スプレードライヤーにより
造粒成形を行った。次いで、1150℃の条件下6時間
の焼成を行なった。焼成物をハンマーミルにて解粉した
平均粒径100μmの球状のフェライト粒子を得た。こ
のフェライト粒子を更に振動ミルにて粉砕し、分級を行
い平均粒径24.5μm、5μm以上の粒子の短軸/長
軸長さの標準偏差が0.14、5〜20μmの粒子の短
軸/長軸長さの標準偏差が0.15である磁性粒子を得
た。
【0125】上記磁性粒子100質量部に対して、チタ
ンカップリング剤(イソプロポキシトリイソステアロイ
ルチタネート)0.10質量部とシラン系カップリング
剤(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン)0.15質量部をトルエン溶媒を用
いて混合させた後、湿式コートし、上記オーブンで17
0℃でキュアした。体積抵抗値は2×107Ωcmであ
った。 [磁性粒子の製造例2]Fe2353モル%、CuO2
3.5モル%、ZnO23.5モル%にリンを0.07
5質量%添加し、1質量%のポリビニールアルコール水
溶液を加えボールミルにて分散混合し、スプレードライ
ヤーにより造粒成形を行った。次いで、1150℃の条
件下6時間の焼成を行なった。焼成物をハンマーミルに
て解粉し、分級を行い、平均粒径30.2μmの球状の
フェライト粒子を得た。粒径10μm以下の体積%が
5.0%、5μm以上の粒子の短軸/長軸長さの標準偏
差が0.07、5〜20μmの粒子の短軸/長軸長さの
標準偏差が0.07である磁性粒子を得た。
【0126】上記磁性粒子100質量部に対して、シラ
ン系カップリング剤(オクタデシルトリエトキシシラ
ン)0.15質量部をトルエン溶媒を用いて混合させた
後、湿式コートし、オーブンで170℃でキュアした。
体積抵抗値は2.5×107Ωcmであった。 [感光体製造例]感光体は負帯電用の有機光導電性物質
を用いた感光体(以下「OPC感光体」という)であ
り、φ30mmのアルミニウム製のシリンダーを導電性
支持体として用い、その上に機能層を5層設けた。
【0127】第1層は導電層であり、アルミニウムシリ
ンダーの欠陥等をならすため、またレーザ露光の反射に
よるモアレの発生を防止するために設けられている厚さ
約20μmの導電性粒子分散樹脂層である。前記導電性
微粒子分散樹脂層は、バインダー樹脂としてフェノール
樹脂を用い、前記バインダー樹脂100質量部に対して
100質量部の導電性微粒子(酸化スズ)を均一に分散
させた層である。
【0128】第2層は正電荷注入防止層(下引き層)で
あり、アルミニウム支持体から注入された正電荷が感光
体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割
を果たし、6−66−610−12−ナイロン樹脂とメ
トキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程度に抵
抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0129】第3層は電荷発生層であり、バインダー樹
脂としてポリビニルブチラールを用い、前記バインダー
樹脂100質量部に対して、66質量部の顔料(オキシ
チタニウムフタロシアニン)を分散した厚さ約0.3μ
mの層であり、レーザ露光を受けることによって正負の
電荷対を発生する。
【0130】第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネ
ート樹脂100質量部に対して、100質量部のヒドラ
ゾンを分散した厚さ15μmの層であり、P型半導体で
ある。従って、感光体表面に帯電された負電荷はこの層
を移動することはできず、電荷発生層で発生した正電荷
のみを感光体表面に輸送することができる。
【0131】第5層は電荷注入層であり、光硬化性のア
クリル樹脂[R604(日本化薬社製)]にSnO2超微
粒子、さらに接触帯電部材と感光体との接触時間を増加
させて、均一な帯電を行うために粒径約0.25μmの
4フッ化エチレン樹脂粒子を分散したものである。
【0132】具体的には、アンチモンをドープし、低抵
抗化した粒径約0.03μmのSnO2粒子を前記アク
リル樹脂100質量部に対して150質量部、更に4フ
ッ化エチレン樹脂粒子を20質量部分散したものであ
る。このようにして調合した塗工液をスプレー塗工法に
て厚さ約3μmに塗工して電荷注入層とした。これによ
って感光体表面層の体積抵抗値は電荷輸送層単体の場合
の2×1015Ωcmであったのに比べ、感光体表面の抵
抗は、5×1012Ωcmにまで低下した感光体を得た。
【0133】[現像剤の製造例1]平均分子量8,20
0のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(モノマー重
量比65:35)81質量部と平均分子量215,00
0のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(65:3
5)19質量部とを混合しGPCによる分子量分布曲線
において9,700と235,000に極大値を有する
重合体を得た。この重合体100質量部、カーボンブラ
ック3質量部、含金染料2質量部、140℃における溶
融粘度が4200CPSのポリエチレン2重量部をボー
ルミルにて粉砕混合し、ロールミルにて溶融混練した。
冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いで超音速ジ
エツト粉砕機にて微粉砕した。得られた粉体を風力分級
機で分級し、体積平均径D=8.5μmのトナー粒子1
を得た。このトナー粒子100質量部に疎水性コロイド
状シリカを外添し、トナー1を作製した。トナーの物性
を表1に整理した。
【0134】次にフェノール/ホルムアルデヒドモノマ
ー(50/50)を重合させマグネタイト粒子を内包し
た球状の磁性樹脂キャリアを得た。このキャリア100
質量部に対しアクリル樹脂を0.6部コートし、現像キ
ャリア1を作製した。トナー1と現像キャリア1を7:
100の割合で混合し、現像剤1を作製した。
【0135】[現像剤の製造例2]平均分子量57,0
00のスチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチル
共重合体(モノマー重量比70:18:12)85質量
部と平均分子量約750,000のスチレン−アクリル
酸ブチル共重合体(65:35)15質量部とから成
り、GPCによる分子量が67,000と950,00
0に極大値を有する重合体混合物を得た。これを100
質量部、カーボンブラック4質量部、含金染料2質量
部、140℃における溶融粘度が約33,000CPS
のポリエチレン3質量部から成るトナー粒子2を作製し
た。次に実施例1と同様な外添剤、現像キャリアを用い
て現像剤2を得た。
【0136】[現像剤の製造例3]平均分子量19,0
00のスチレン−メタクリル酸ブチル(モノマー質量比
7:3)共重合体70質量部と平均分子量280,00
0スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体(7:3)3
0質量部とから成り、GPCクロマトグラムにおいて2
1,000と295,000とに極大値を有する重合体
混合物を得た。これを100質量部、カーボンブラック
3質量部、含金染料2質量部、140℃における溶融粘
度が4,300CPSのポリエチレン3質量部を用いて
トナー粒子3を作製した。次に実施例1と同様な外添
剤、現像キャリアを用いて現像剤3を得た。
【0137】[現像剤の製造例4]平均分子量19,0
00のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体(モノマー
重量比65:35)40質量部、平均分子量160,0
00のスチレン−アクリル酸ブチル−アクリロニトリル
共重合体(65:30:5)60質量部とから成り、G
PCクロマトグラムにおいて20,000と175,0
00とに極大値を有する重合体混合物を得た。これを1
00質量部、カーボンブラック3質量部、含金染料2質
量部、140℃における溶融粘度が280CPSのポリ
プロピレン2質量部を用いてトナー粒子4を作製した。
次に実施例1と同様な外添剤、現像キャリアを用いて現
像剤4を得た。
【0138】[現像剤の製造例5]平均分子量8,20
0のスチレン−アクリル酸ブチル共重合体100質量部
を用い、平均分子量215,000のスチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体を用いないことを除いては実施例1
と同様に行いトナー粒子5を作製し、更に現像剤5を作
製した。 [現像剤の製造例6]平均分子量215,000のスチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体100質量部のみを結
着樹脂とする以外は実施例1と同様に行い、トナー粒子
6を作製し,更に現像剤6を作製した。 [現像剤の製造例7]現像剤1のトナー粒子について粒
度分布を変更した以外は、すべて現像剤の製造例1と同
様な方法でトナー粒子7を作製し、更に現像剤7を作製
した。 [現像剤の製造例8]現像剤2のトナー粒子について粒
度分布を変更した以外は、すべて現像剤の製造例2と同
様な方法でトナー粒子8を作製し,更に現像剤8を作製
した。
【0139】現像剤1〜8の粒度分布を表1に示す。
【0140】
【表1】 [評価方法]まず、本発明の実施例に用いた電子写真装
置の概略図を図1に示す。
【0141】本発明の電子写真装置としてレーザービー
ムを用いたデジタル複写機(キヤノン社製:GP55)
を用意した。この装置の概略は、感光体の帯電手段とし
てコロナ帯電器を備え、現像手段として1成分ジャンピ
ング現像方法を採用した1成分現像器を備え、転写手段
としてコロナ帯電器、ブレードクリーニング手段、帯電
前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリー
ニング手段、感光体は1体型のユニットとなっている。
プロセススピードは150mm/sである。この装置を
以下のように改造を施し、クリーナーレスシステムの画
像形成装置とした。
【0142】現像部分を1成分のジャンピング現像か
ら、2成分現像剤を使用可能にした改造を施した。現像
器はトナーと現像用磁性キャリアの混合物からなる現像
剤を担持する回転可能なドラム状の現像スリーブ(トナ
ー担持体)と現像スリーブ内に固定配置されたマグネッ
トローラと現像剤を現像スリーブ表面に薄層に形成する
ために配置された規制ブレードと、現像剤を貯留する現
像容器と、現像容器内の現像剤を撹拌する現像剤撹拌ス
クリューとを備えている。
【0143】現像スリーブは少なくとも現像時において
は感光体に対し最近接領域が約500μmになるように
配置され、該現像スリーブの面に形成された現像剤の薄
層が感光体に対して接触する状態で現像できるように設
定されている。さらに、帯電部分にマグネットローラー
を内包したΦ16導電性非磁性スリーブを配し、帯電用
磁気ブラシを形成する。さらにコロナ帯電器を用いた転
写手段をローラー転写方式に変更し、帯電前露光手段と
クリーニングブレードを取り除いた、マイナス帯電性の
感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた反転現像の
クリーナーレスシステムの電子写真装置を用意した。
【0144】帯電部分は磁気ブラシとして穂立ちさせる
ための非磁性の表面をブラスト処理したアルミニウム製
の導電スリーブと、これに内包されるマグネットロール
を用い、該磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は約
500μmとし、磁性粒子をスリーブ上にコートした。
またマグネットロールは固定、スリーブ表面が感光体表
面の周速に対して逆方向に回転するようにし、感光体と
磁気ブラシが均一に接触するように設定した。
【0145】また帯電部材である磁性粒子を感光体との
間に幅約3mmの帯電ニップが形成されるように導電性
非磁性スリーブ上に40g装着し、この状態において、
該帯電器を180mm/sの周速において150mm/
sの周速にて回転する感光体と対向に回転させ、帯電を
行った。現像バイアスは−500Vの直流成分に100
0Vpp/3kHzの矩形波を重畳する。一次帯電バイ
アスは感光体1を用いた場合には−700Vdc電圧に
0.5kVpp、1000Hzの交流成分を重畳した電
圧を感光体2を用いた場合には−700Vdc電圧に
1.8kVpp、1000Hzの交流成分を重畳した電
圧とした。
【0146】次に評価は以下の方法で行った。 (1)評価1 上記画像形成装置を用いて、22℃/5%環境下で20
%文字原稿にてA4横送りで連続1万枚耐久を行い、感
光体の1周目の表面電位と、2周目以降の飽和電位を耐
久の前後で測定し、飽和電位と1周目電位の差(電位の
収束性)を算出した。
【0147】耐久前後の電位の差を帯電性の低下として
以下の評価項目に従い判断した。
【0148】 ◎:耐久後の帯電性が耐久前に比べて30V以下の範囲
の低下 ○:耐久後の帯電性の耐久前に比べて30〜50Vの範
囲の低下 △:耐久後の帯電性の耐久前に比べて50〜90Vの範
囲の低下 ×:耐久後の帯電性の耐久前に比べて90V以上の低下 (2)評価2 30℃/80%環境下で20%文字原稿にてA4横送り
で連続2千枚耐久を行い、ベタ黒、ハーフトーン、ベタ
白画像の画出しを行い、帯電器からの飛散が起因で生じ
る露光部汚染による白抜け画像、及びトナー塊の落下に
よるポチ状の画像不良を以下の評価に従い判断した。 ◎:白抜け、ポチ状の画像不良の発生全くなし 〇:軽微な白抜け、ポチ状の画像不良が認められるが実
用上問題なし △:一部だが連続的なに白抜け、ポチ状の画像不良が発
生 ×:画像不良が画像全面に広がっている
【0149】(3)評価3 22℃/5%環境下で20%文字原稿にてA4横送りで
連続1万枚耐久を行い、耐久中にベタ黒、ハーフトー
ン、ベタ白画像の画出しを行い、感光体の削れ、またド
ラム上の傷による画像不良を以下の評価項目に従い評価
をした。 ◎:スジ、帯電不良によるかぶり画像の発生全くなし 〇:軽微なスジ、帯電不良によるかぶり画が発生するが
実用上問題なし △:一部だが連続的なスジ、帯電不良によるかぶり画が
発生 ×:上記の画像不良が目立つ
【0150】[実施例1]磁性粒子1、現像剤1、を用
いて上記耐久評価を行なった結果を表2に整理した。
【0151】
【表2】 本実施例では、帯電性が良好で飛散や感光体削れが防止
され、高画質が達成された。 [実施例2]耐久前後の帯電電位の差は、30〜40V
程度を維持し、感光体削れやトナー飛散が防止され良好
な画質が得られた。 [実施例3、4]各評価に於いて、実施例1と同等な高
画質が達成された。 [実施例5、6]一部で軽微な白抜けが発生したが実用
上問題のないレベルであり、全体的に画質は良好であっ
た。 [比較例1]実施例1で現像剤を1から5に変更した以
外は全て同様な方法で耐久評価を行なったところ、表2
に示す様に、帯電性が低下し画質の低下が認められた。 [比較例2]実施例2で現像剤を2から6に変更した以
外は全て同様な方法で耐久評価を行なったところ、画質
の低下が認められた。
【0152】
【発明の効果】本発明の画像形成装置およびプロセスカ
ートリッジにおいて、結着樹脂成分として分子量1×1
3〜8×104及び分子量1×105〜2×106のそれ
ぞれの分子量領域に少なくとも一つの極大値をもつビニ
ル系モノマーの重合体を含有するトナーを用いることに
より、帯電用の磁性粒子への付着や感光体の削れ等が防
止されるので均一な帯電が長期的に維持され、また、ト
ナー飛散、画像かぶり、トナーのボタ落ちによる画像欠
陥も防止されるので高画質が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による画像形成装置の構成
を概略的に示す縦断面図である。
【図2】 帯電部材である磁性粒子の体積抵抗値を測定
する装置を説明する図である。
【符号の説明】 10:現像剤 11:磁気ブラシ帯電器 12:感光体 13:像露光 14:転写ローラ 15:帯電用磁性粒子 16:磁石を内包する導電性スリーブ 17:現像スリーブ 18:現像器 19:撹拌スクリュー 20:定着機 21、 22:電極 23:ガイドリング 24:電流計 25:電圧計 26:定電圧装置 27:測定サンプル 28:絶縁物 P :転写材
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507B (72)発明者 荒平 文弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 EE11 2H005 AA01 AA06 CA04 CA13 DA07 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA01 FC03 2H068 AA05 AA06 BB03 BB31 BB33 BB51 CA37 FA27 FC01 FC08 FC11 FC15 2H077 AA11 AB02 AD06 AD13 EA01 EA15

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体と、この上に設置された感
    光層とを有し、静電潜像を担持するための感光体と、該
    感光体に帯電部材を接触させて電圧を印加することによ
    って該感光体を帯電させる帯電手段と、像露光を行うこ
    とにより該感光体上に静電潜像を形成する潜像形成手段
    と、この静電潜像をトナー担持体上のトナーによってト
    ナー像として可視化する現像手段と、このトナー像を転
    写材に転写する転写手段とを有する画像形成装置におい
    て、 前記帯電部材として体積抵抗値が、104Ωcm〜109
    Ωcmの範囲である磁性粒子で構成される磁気ブラシを
    備え、 前記トナーは、結着樹脂成分としてゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフイーによって測定されたクロマトグラ
    ムが分子量1×103〜8×104及び分子量1×105
    〜2×106のそれぞれの分子量領域に少なくとも一つ
    の極大値をもつビニル系モノマーの重合体、または、こ
    のビニル系モノマーの重合体とビニル系モノマーの重合
    体以外の重合体との混合物を含有することを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記結着樹脂成分がトナー全質量に対し
    て30質量%以上含有されている請求項1記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 ビニル系モノマーの重合体が、スチレン
    を主成分とするスチレン系共重合体またはこのスチレン
    系共重合体とスチレン系共重合体以外のビニル系モノマ
    ーの重合体との混合物であることを特徴とする請求項1
    または2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トナー全質量に対して15〜70質
    量%の磁性微粒子を含有することを特徴とする請求項1
    〜3の何れか一項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 140℃における溶融粘度が10〜10
    6CPSであるエチレン系オレフイン単重合体またはエ
    チレン系オレフイン共重合体が、前記トナー全質量に対
    して0.1〜5質量%含有されることを特徴とする請求
    項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記磁性粒子における体積粒径が5μm
    以上の粒子の短軸長さ/長軸長さの標準偏差が、0.0
    8以上であることを特徴とする請求項1記載の画像形成
    装置。
  7. 【請求項7】 前記磁性粒子の体積平均粒径が10μm
    〜40μmであることを特徴とする請求項1または6記
    載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記磁性粒子が、磁性コア粒子の外側に
    表面層を有することを特徴とする請求項1、6、または
    7記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記表面層が、導電性樹脂、もしくは導
    電性粒子を含有した結着樹脂、またはカップリング剤を
    含有することを特徴とする請求項8記載の画像形成装
    置。
  10. 【請求項10】 前記感光体の表面層が108Ωcm〜
    1015Ωcmの体積抵抗値を有する電荷注入層であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記電荷注入層が、光透過性で絶縁性
    のバインダーに、導電性微粒子を分散させたものである
    ことを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記電荷注入層に含有される導電性微
    粒子が、SnO2を主成分とすることを特徴とする請求
    項10または11記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記電荷注入層に潤滑性粉体を含有さ
    せることに特徴を有する請求項10〜12の何れか一項
    に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 潤滑性粉体がフッ素系樹脂、シリコー
    ン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂であることを特
    徴とする請求項10〜13の何れか一項に記載の画像形
    成装置。
  15. 【請求項15】 前記転写手段が転写材を介して感光体
    の感光層表面に接触する部材を有し、転写が該転写部材
    により転写材を感光体の感光層表面に接触させて行われ
    る接触転写であることを特徴とする請求項1記載の画像
    形成装置。
  16. 【請求項16】 該画像形成装置が感光体上に残存した
    転写残トナーをクリーニングするための独立したクリー
    ニング機構を有さず、転写後の感光体上に残余するトナ
    ーを現像工程により回収することを特徴とする請求項1
    記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 導電性支持体と、この上に設置された
    感光層とを有し、静電潜像を担持するための感光体と、
    その周囲に該感光体に帯電部材を接触させて電圧を印加
    することによって該感光体を帯電させる帯電手段とを有
    し、像露光を行うことにより該感光体上に静電潜像を形
    成する潜像形成手段、この静電潜像をトナー担持体上の
    トナーによってトナー像として可視化する現像手段、こ
    のトナー像を転写材に転写する転写手段、及び感光体上
    の転写残余のトナーをクリーニングするクリーニング手
    段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段が前記
    帯電手段と一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自
    在であるプロセスカートリッジにおいて、 前記帯電部材として体積抵抗値が、104Ωcm〜10
    10Ωcmの範囲である磁性粒子で構成される磁気ブラシ
    を備え、 前記トナーは、結着樹脂成分としてゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフイーによって測定されたクロマトグラ
    ムが分子量1×103〜8×104及び分子量1×105
    〜2×106のそれぞれの分子量領域に少なくとも一つ
    の極大値をもつビニル系モノマーの重合体、または、こ
    のビニル系モノマーの重合体とビニル系モノマーの重合
    体以外の重合体との混合物を含有することを特徴とする
    プロセスカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記結着樹脂成分がトナー全質量に対
    して30質量%以上含有されている請求項17記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  19. 【請求項19】 ビニル系モノマーの重合体が、スチレ
    ンを主成分とするスチレン系共重合体またはこのスチレ
    ン系共重合体とスチレン系共重合体以外のビニル系モノ
    マーの重合体との混合物であることを特徴とする請求項
    17または18記載のプロセスカートリッジ。
  20. 【請求項20】 前記トナー全質量に対して15〜70
    質量%の磁性微粒子が含有されていることを特徴とする
    請求項17〜19の何れか一項に記載のプロセスカート
    リッジ。
  21. 【請求項21】 140℃における溶融粘度が10〜1
    6CPSであるエチレン系オレフイン単重合体または
    エチレン系オレフイン共重合体が、前記トナー全質量に
    対して0.1〜5質量%含有されていることを特徴とす
    る請求項17〜20の何れか一項に記載のプロセスカー
    トリッジ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7220526B2 (en) 2004-03-15 2007-05-22 Konica Minolta Holdings, Inc. Image forming method
CN100395666C (zh) * 2004-10-19 2008-06-18 夏普株式会社 二成分显影剂及图像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7220526B2 (en) 2004-03-15 2007-05-22 Konica Minolta Holdings, Inc. Image forming method
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