JP2001140663A - バルブタイミング制御装置、動力出力装置 - Google Patents
バルブタイミング制御装置、動力出力装置Info
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
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- Y02T10/7072—Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 内燃機関の停止時と始動時に、吸気バルブの
閉タイミングを最適に制御し、円滑且つ迅速な内燃機関
の始動を達成する。 【解決手段】 内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを
所定の調整角度の範囲内で調整可能なタイミング調整機
構とを備えた動力出力装置に用いられるバルブタイミン
グ制御装置であって、内燃機関の停止要求があったとき
に、タイミング調整機構の閉タイミングを最進角位置に
設定する停止時制御手段と、内燃機関の始動要求があっ
た際、前回の始動と今回の始動との間に、運転者の意思
に基づく停止操作(例えば、IG・OFF操作)が存在
したかを判断する停止履歴判断手段と、停止操作が存在
しない場合には、内燃機関の始動時にタイミング調整機
構の閉タイミングを最遅角位置に設定する始動時制御手
段と、を備えるようにする。
閉タイミングを最適に制御し、円滑且つ迅速な内燃機関
の始動を達成する。 【解決手段】 内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを
所定の調整角度の範囲内で調整可能なタイミング調整機
構とを備えた動力出力装置に用いられるバルブタイミン
グ制御装置であって、内燃機関の停止要求があったとき
に、タイミング調整機構の閉タイミングを最進角位置に
設定する停止時制御手段と、内燃機関の始動要求があっ
た際、前回の始動と今回の始動との間に、運転者の意思
に基づく停止操作(例えば、IG・OFF操作)が存在
したかを判断する停止履歴判断手段と、停止操作が存在
しない場合には、内燃機関の始動時にタイミング調整機
構の閉タイミングを最遅角位置に設定する始動時制御手
段と、を備えるようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸気バルブの閉タ
イミングを所定の調整角度の範囲内で調整可能なバルブ
調整機構を備えた動力出力装置、及び該動力出力装置に
用いられるバルブタイミング制御装置に関する。
イミングを所定の調整角度の範囲内で調整可能なバルブ
調整機構を備えた動力出力装置、及び該動力出力装置に
用いられるバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のクランクシャフトに対
するカムシャフトの回転位相を変更して、吸気バルブの
閉タイミングを変更するタイミング調整機構を備えた動
力出力装置が提案されている(特開平10−22723
6)。
するカムシャフトの回転位相を変更して、吸気バルブの
閉タイミングを変更するタイミング調整機構を備えた動
力出力装置が提案されている(特開平10−22723
6)。
【0003】このタイミング調整機構は、クランクシャ
フトと同期して回転するハウジングと、カムシャフトに
結合され、ハウジングに対して相対的に所定の調整角度
範囲内で回転可能なベーンと、油の流入によって自身の
体積を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位
相を進角させる進角室と、油の流入によって自身の体積
を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位相を
遅角させる遅角室と、を備えている。
フトと同期して回転するハウジングと、カムシャフトに
結合され、ハウジングに対して相対的に所定の調整角度
範囲内で回転可能なベーンと、油の流入によって自身の
体積を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位
相を進角させる進角室と、油の流入によって自身の体積
を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位相を
遅角させる遅角室と、を備えている。
【0004】従って、進角室と遅角室への油の流入を制
御することにより、吸気バルブを駆動するカムシャフト
のクランクシャフトに対する回転位相を可変とし、これ
によって吸気バルブの閉タイミングを(開タイミングを
含めて)変更できるようになっている。
御することにより、吸気バルブを駆動するカムシャフト
のクランクシャフトに対する回転位相を可変とし、これ
によって吸気バルブの閉タイミングを(開タイミングを
含めて)変更できるようになっている。
【0005】このようなタイミング調整機構を備えた動
力出力装置においては、内燃機関の始動が適切に行えな
い場合がある。一般に、内燃機関の吸気バルブの閉タイ
ミングは、吸気の慣性を利用して混合気をできるだけ多
くシリンダ内に充填するために、吸気工程におけるクラ
ンクシャフトの下死点以降の回転角、即ち遅角側として
いるが、この状態のままで冷えた内燃機関を始動する
と、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難な場合があ
る。一方、吸気バルブの閉タイミングが早い状態(進角
側の状態)で暖まった内燃機関を始動すると、圧縮圧力
が高くなりすぎて始動時に大きな振動が生じる場合があ
る。
力出力装置においては、内燃機関の始動が適切に行えな
い場合がある。一般に、内燃機関の吸気バルブの閉タイ
ミングは、吸気の慣性を利用して混合気をできるだけ多
くシリンダ内に充填するために、吸気工程におけるクラ
ンクシャフトの下死点以降の回転角、即ち遅角側として
いるが、この状態のままで冷えた内燃機関を始動する
と、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難な場合があ
る。一方、吸気バルブの閉タイミングが早い状態(進角
側の状態)で暖まった内燃機関を始動すると、圧縮圧力
が高くなりすぎて始動時に大きな振動が生じる場合があ
る。
【0006】このような問題を解決するものとして、更
に、この特開平10−227236に開示されるタイミ
ング調整機構においては、ベーンに、スプリングによっ
てハウジング側に付勢されたロックピンを設け、一方、
ハウジング側に、ベーンが最進角位置にある場合のロッ
クピンと係合可能な進角側係合孔を形成する構造が提案
されている。従って、このタイミング調整機構は、油圧
状態と無関係に吸気バルブの閉タイミングを最進角側に
固定することができる。
に、この特開平10−227236に開示されるタイミ
ング調整機構においては、ベーンに、スプリングによっ
てハウジング側に付勢されたロックピンを設け、一方、
ハウジング側に、ベーンが最進角位置にある場合のロッ
クピンと係合可能な進角側係合孔を形成する構造が提案
されている。従って、このタイミング調整機構は、油圧
状態と無関係に吸気バルブの閉タイミングを最進角側に
固定することができる。
【0007】特開平10−227236の図10及び図
11には、内燃機関の停止時及び始動時の双方におい
て、上記のタイミング調整機構の制御方法が提案されて
おり、以下、本発明と特に関係がある部分の概要につい
て説明する。
11には、内燃機関の停止時及び始動時の双方におい
て、上記のタイミング調整機構の制御方法が提案されて
おり、以下、本発明と特に関係がある部分の概要につい
て説明する。
【0008】このタイミング調整機構の制御は、モータ
によって走行可能であり走行中であっても内燃機関が電
気制御装置(ECU)によって自動的に停止・始動され
得るハイブリット車両に適用されており、まず、内燃機
関の停止要求が生じた場合には、その停止要求がECU
による停止か運転者の意思による停止(イグニッション
キーのオフ操作による停止)かを判断する。ここで、E
CUによる自動停止要求の場合には、次回の始動もEC
Uによる自動始動であると考え、次回の始動時の内燃機
関が暖かい状態であると予想して、吸気バルブの閉タイ
ミングを最遅角側に内燃機関を停止する。一方、運転者
の意思に基づく停止要求の場合には、内燃機関の温度
(冷却水で判断する)が高ければ最遅角側に設定し、内
燃機関の温度が低ければ最進角側に固定して内燃機関を
停止する。
によって走行可能であり走行中であっても内燃機関が電
気制御装置(ECU)によって自動的に停止・始動され
得るハイブリット車両に適用されており、まず、内燃機
関の停止要求が生じた場合には、その停止要求がECU
による停止か運転者の意思による停止(イグニッション
キーのオフ操作による停止)かを判断する。ここで、E
CUによる自動停止要求の場合には、次回の始動もEC
Uによる自動始動であると考え、次回の始動時の内燃機
関が暖かい状態であると予想して、吸気バルブの閉タイ
ミングを最遅角側に内燃機関を停止する。一方、運転者
の意思に基づく停止要求の場合には、内燃機関の温度
(冷却水で判断する)が高ければ最遅角側に設定し、内
燃機関の温度が低ければ最進角側に固定して内燃機関を
停止する。
【0009】上記のようにして内燃機関を停止した後、
始動要求が生じた場合には、まず、この始動要求がEC
Uによる自動始動要求であるか、運転者の意思に基づく
始動要求(イグニッションキーのオン操作)であるかを
判断する。ここで、ECUによる自動始動の場合には、
前回の停止もECUによる自動停止であり、吸気バルブ
の閉タイミングは最遅角側に設定されており、且つ現在
も内燃機関が暖かい状態であると想定されるという思想
から、原則この状態のまま内燃機関を始動する。一方、
内燃機関の始動要求が運転者の意思に基づく場合は、前
回の内燃機関停止時が運転者の意思に基づく停止であっ
たと考えることができるとし、再度内燃機関の温度状態
を判断する。これは、温度が高い状態だったので吸気バ
ルブ閉タイミングを最遅角側にして内燃機関を停止した
場合においても、イグニッションキーのオフ操作後の次
回の内燃機関の始動時は、既に内燃機関の温度が低下し
ている状況が多分に存在という思想に基づく。判断の結
果、今回の始動時の内燃機関の温度が高ければ、勿論前
回の停止時の内燃機関の温度が高かったことは明らかで
あるとして、(停止時に設定された最遅角側の閉タイミ
ングで)そのまま内燃機関を始動する。一方、内燃機関
の温度が低いと判断された場合には、前回の停止時に内
燃機関の温度が高かったため閉タイミングが最遅角側に
設定されている場合と、温度が低かったため最進角側に
設定されている場合の双方の可能性があるため、一度吸
気バルブの閉タイミングを最進角側に固定する動作(制
御)を行い、エンジンを始動する。
始動要求が生じた場合には、まず、この始動要求がEC
Uによる自動始動要求であるか、運転者の意思に基づく
始動要求(イグニッションキーのオン操作)であるかを
判断する。ここで、ECUによる自動始動の場合には、
前回の停止もECUによる自動停止であり、吸気バルブ
の閉タイミングは最遅角側に設定されており、且つ現在
も内燃機関が暖かい状態であると想定されるという思想
から、原則この状態のまま内燃機関を始動する。一方、
内燃機関の始動要求が運転者の意思に基づく場合は、前
回の内燃機関停止時が運転者の意思に基づく停止であっ
たと考えることができるとし、再度内燃機関の温度状態
を判断する。これは、温度が高い状態だったので吸気バ
ルブ閉タイミングを最遅角側にして内燃機関を停止した
場合においても、イグニッションキーのオフ操作後の次
回の内燃機関の始動時は、既に内燃機関の温度が低下し
ている状況が多分に存在という思想に基づく。判断の結
果、今回の始動時の内燃機関の温度が高ければ、勿論前
回の停止時の内燃機関の温度が高かったことは明らかで
あるとして、(停止時に設定された最遅角側の閉タイミ
ングで)そのまま内燃機関を始動する。一方、内燃機関
の温度が低いと判断された場合には、前回の停止時に内
燃機関の温度が高かったため閉タイミングが最遅角側に
設定されている場合と、温度が低かったため最進角側に
設定されている場合の双方の可能性があるため、一度吸
気バルブの閉タイミングを最進角側に固定する動作(制
御)を行い、エンジンを始動する。
【0010】以上のような制御によれば、内燃機関の冷
間時の始動においては、吸気バルブの閉タイミングが最
進角側の状態で始動することができ、始動時の圧縮圧力
不足を防止して確実に始動することができる。又、内燃
機関の温暖時の始動においては、閉タイミングが最遅角
側の状態で始動することができ、始動時の振動・異音等
を防止することができる。
間時の始動においては、吸気バルブの閉タイミングが最
進角側の状態で始動することができ、始動時の圧縮圧力
不足を防止して確実に始動することができる。又、内燃
機関の温暖時の始動においては、閉タイミングが最遅角
側の状態で始動することができ、始動時の振動・異音等
を防止することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に示したタイミン
グ調整機構や、内燃機関の停止時及び始動時のバルブタ
イミング制御によれば、既に示したような利点を、ある
程度の状況において得ることができるが、一方で、ハイ
ブリット車両等の特性(実状況)が必ずしも十分に反映
されていない面もある。
グ調整機構や、内燃機関の停止時及び始動時のバルブタ
イミング制御によれば、既に示したような利点を、ある
程度の状況において得ることができるが、一方で、ハイ
ブリット車両等の特性(実状況)が必ずしも十分に反映
されていない面もある。
【0012】具体的に説明すると、上記の制御は、EC
Uによる内燃機関の自動停止の後は必ずECUによる自
動始動であり、イグニッションキーのオフ操作による内
燃機関の停止の後は必ずイグニッションキーのオン操作
による内燃機関の始動であることを前提としているが、
実際には、ECUによる内燃機関の自動停止の後に、運
転者のイグニッションキーのオフ操作によってモータを
含めた「動力出力装置(例えば車両)」自体が停止さ
れ、次回のイグニッションキーのオン操作によって内燃
機関を始動する場合がある。反対に、運転者のイグニッ
ションキーのオフ操作によって内燃機関を停止した後
に、次回のイグニッションキーのオン操作時においては
内燃機関を始動せず、取り敢えずモータによって走行
し、その後に必要に応じてECUによって内燃機関を自
動始動する場合もある。
Uによる内燃機関の自動停止の後は必ずECUによる自
動始動であり、イグニッションキーのオフ操作による内
燃機関の停止の後は必ずイグニッションキーのオン操作
による内燃機関の始動であることを前提としているが、
実際には、ECUによる内燃機関の自動停止の後に、運
転者のイグニッションキーのオフ操作によってモータを
含めた「動力出力装置(例えば車両)」自体が停止さ
れ、次回のイグニッションキーのオン操作によって内燃
機関を始動する場合がある。反対に、運転者のイグニッ
ションキーのオフ操作によって内燃機関を停止した後
に、次回のイグニッションキーのオン操作時においては
内燃機関を始動せず、取り敢えずモータによって走行
し、その後に必要に応じてECUによって内燃機関を自
動始動する場合もある。
【0013】以上の事を考慮すると、例えば、イグニッ
ションキーのオフ操作による内燃機関の停止の際、内燃
機関の温度が高かったため閉タイミングが最遅角側に設
定され、長時間を経た後にイグニッションキーのオン操
作により車両の「モータのみ」で走行し、その後にEC
Uによって内燃機関が自動的に始動される場合を考える
と、イグニッションキーのオン・オフ操作を経て内燃機
関が十分冷めているにも拘らず、ECUによる自動始動
のため閉タイミングの再設定が行われず、最遅角側で始
動される場合があり、ノッキング等の振動・異音等が生
じる可能性がある。
ションキーのオフ操作による内燃機関の停止の際、内燃
機関の温度が高かったため閉タイミングが最遅角側に設
定され、長時間を経た後にイグニッションキーのオン操
作により車両の「モータのみ」で走行し、その後にEC
Uによって内燃機関が自動的に始動される場合を考える
と、イグニッションキーのオン・オフ操作を経て内燃機
関が十分冷めているにも拘らず、ECUによる自動始動
のため閉タイミングの再設定が行われず、最遅角側で始
動される場合があり、ノッキング等の振動・異音等が生
じる可能性がある。
【0014】又、上記の制御によれば、内燃機関の冷間
時のイグニッションキーのオン操作による始動において
は、「常に」モータによって内燃機関のクランクシャフ
トを所定角度だけ逆回転してロックピンを係合させ、吸
気バルブの閉タイミングを最進角側に固定する動作が必
要であるため、内燃機関の始動に遅れが生じて運転者に
不快感を与える可能性がある。特に、走行中等のECU
による自動始動の場合と比較して、運転者のイグニッシ
ョンキーのオン操作による内燃機関の始動の場合には、
内燃機関の始動が「運転者の意思」に反して遅れること
になり、運転者に強い違和感を与えることになる。
時のイグニッションキーのオン操作による始動において
は、「常に」モータによって内燃機関のクランクシャフ
トを所定角度だけ逆回転してロックピンを係合させ、吸
気バルブの閉タイミングを最進角側に固定する動作が必
要であるため、内燃機関の始動に遅れが生じて運転者に
不快感を与える可能性がある。特に、走行中等のECU
による自動始動の場合と比較して、運転者のイグニッシ
ョンキーのオン操作による内燃機関の始動の場合には、
内燃機関の始動が「運転者の意思」に反して遅れること
になり、運転者に強い違和感を与えることになる。
【0015】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、いわゆるハイブリット車両等に適用して
も、静粛且つ確実に内燃機関を始動することができ、そ
れに加えて、迅速に始動して運転者に与える違和感を防
止することができるバルブタイミング制御装置を得るこ
とを目的とする。
ものであり、いわゆるハイブリット車両等に適用して
も、静粛且つ確実に内燃機関を始動することができ、そ
れに加えて、迅速に始動して運転者に与える違和感を防
止することができるバルブタイミング制御装置を得るこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、内燃機関と、
この内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを所定の調整
角度の範囲内で調整可能なタイミング調整機構と、を備
えた動力出力装置に用いられるバルブタイミング制御装
置であって、この内燃機関の停止要求があったときに、
タイミング調整機構の閉タイミングを最進角位置に設定
する停止時制御手段と、内燃機関の始動要求があった
際、この内燃機関の前回の始動と今回の始動との間に運
転者の意思に基づく動力出力装置の停止操作が存在した
かを判断する停止履歴判断手段と、この停止操作が存在
しない場合には、内燃機関の始動要求時にタイミング調
整機構の閉タイミングを最遅角位置に再設定する始動時
制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成する
ものである。
この内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを所定の調整
角度の範囲内で調整可能なタイミング調整機構と、を備
えた動力出力装置に用いられるバルブタイミング制御装
置であって、この内燃機関の停止要求があったときに、
タイミング調整機構の閉タイミングを最進角位置に設定
する停止時制御手段と、内燃機関の始動要求があった
際、この内燃機関の前回の始動と今回の始動との間に運
転者の意思に基づく動力出力装置の停止操作が存在した
かを判断する停止履歴判断手段と、この停止操作が存在
しない場合には、内燃機関の始動要求時にタイミング調
整機構の閉タイミングを最遅角位置に再設定する始動時
制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成する
ものである。
【0017】このバルブタイミング制御装置は、内燃機
関の停止時には吸気バルブの閉タイミングを常に最進角
側に設定し、取敢えず始動性を優先した状態で停止・待
機する。次回の始動時においては、その状況に応じて最
進角位置のまま始動するか、又は、最遅角側に再設定す
るかを判断するように制御する。従って、始動時の内燃
機関が冷めた状態であれば、(停止時に常に閉タイミン
グが最進角側に設定されているため)バルブタイミング
を再設定する必要がなくなり、素早く内燃機関を始動す
ることができるので、始動の遅延によって運転者に与え
る不快感を防止することが可能になる。又、内燃機関が
暖かい状態における始動であっても、閉タイミングを最
進角側から最遅角側に再設定する際には、例えば、モー
タ等によって内燃機関のクランクシャフトを「正方向回
転」させることで行うことができるので、いわゆるクラ
ンキング動作を利用して内燃機関の始動と同時にバルブ
タイミングを変更することができる。従って、バルブタ
イミングの変更による内燃機関の始動の遅れがほとんど
生じない。
関の停止時には吸気バルブの閉タイミングを常に最進角
側に設定し、取敢えず始動性を優先した状態で停止・待
機する。次回の始動時においては、その状況に応じて最
進角位置のまま始動するか、又は、最遅角側に再設定す
るかを判断するように制御する。従って、始動時の内燃
機関が冷めた状態であれば、(停止時に常に閉タイミン
グが最進角側に設定されているため)バルブタイミング
を再設定する必要がなくなり、素早く内燃機関を始動す
ることができるので、始動の遅延によって運転者に与え
る不快感を防止することが可能になる。又、内燃機関が
暖かい状態における始動であっても、閉タイミングを最
進角側から最遅角側に再設定する際には、例えば、モー
タ等によって内燃機関のクランクシャフトを「正方向回
転」させることで行うことができるので、いわゆるクラ
ンキング動作を利用して内燃機関の始動と同時にバルブ
タイミングを変更することができる。従って、バルブタ
イミングの変更による内燃機関の始動の遅れがほとんど
生じない。
【0018】更に、このバルブタイミング制御装置は、
内燃機関の始動要求時の閉タイミングの再設定の必要の
有無を、内燃機関の前回の始動と今回の始動との間に、
運転者のイグニッションキーのオフ操作等の運転者の意
思に基づく「動力出力装置の停止操作」が存在したかで
判断するように構成した。この「動力出力装置の停止操
作」は内燃機関の停止操作だけを意味するものではな
く、既に内燃機関が停止している状態でモータ等に供給
する電力を停止する場合等も含んでいる。即ち、動力出
力装置の動力出力機能(モータ、内燃機関を問わない)
を停止させることとほぼ同義である。
内燃機関の始動要求時の閉タイミングの再設定の必要の
有無を、内燃機関の前回の始動と今回の始動との間に、
運転者のイグニッションキーのオフ操作等の運転者の意
思に基づく「動力出力装置の停止操作」が存在したかで
判断するように構成した。この「動力出力装置の停止操
作」は内燃機関の停止操作だけを意味するものではな
く、既に内燃機関が停止している状態でモータ等に供給
する電力を停止する場合等も含んでいる。即ち、動力出
力装置の動力出力機能(モータ、内燃機関を問わない)
を停止させることとほぼ同義である。
【0019】このような動力出力装置の停止操作が、内
燃機関の前回の始動と今回の始動との間に存在した場合
には、この内燃機関の前回の「停止」から今回の始動ま
でにかかった時間が、内燃機関が十分冷却される程度経
っていると判断でき、一方、このような動力出力装置の
停止操作が存在しなければ、前回の内燃機関の「停止」
から今回の始動までにかかった時間が短く、現在も暖か
い状態であると判断することができる。従って、このよ
うな操作履歴の有無という至ってシンプルな判断手法で
ありながら、ハイブリット車両等の特性を考慮して確実
にエンジンの温度状態を見極めることができる。
燃機関の前回の始動と今回の始動との間に存在した場合
には、この内燃機関の前回の「停止」から今回の始動ま
でにかかった時間が、内燃機関が十分冷却される程度経
っていると判断でき、一方、このような動力出力装置の
停止操作が存在しなければ、前回の内燃機関の「停止」
から今回の始動までにかかった時間が短く、現在も暖か
い状態であると判断することができる。従って、このよ
うな操作履歴の有無という至ってシンプルな判断手法で
ありながら、ハイブリット車両等の特性を考慮して確実
にエンジンの温度状態を見極めることができる。
【0020】結果として、このバルブタイミング制御装
置をハイブリット車両等の動力出力装置に適用すれば、
内燃機関の温度状況等を的確に判断することによる始動
の円滑性と、バルブタイミングの再設定による始動遅れ
の不具合の防止とを両立することができる。
置をハイブリット車両等の動力出力装置に適用すれば、
内燃機関の温度状況等を的確に判断することによる始動
の円滑性と、バルブタイミングの再設定による始動遅れ
の不具合の防止とを両立することができる。
【0021】又、上記発明において内燃機関のクランク
シャフトに電動機(モータ)が連結されている場合に
は、内燃機関の停止時に、電動機によってクランクシャ
フトを逆回転させて吸気バルブの閉タイミングを最進角
位置に設定するようにしてもよい。停止時の場合にはク
ランクシャフトを逆回転させてバルブタイミングを設定
しても、運転者に不快感等を与えることはほとんどな
い。
シャフトに電動機(モータ)が連結されている場合に
は、内燃機関の停止時に、電動機によってクランクシャ
フトを逆回転させて吸気バルブの閉タイミングを最進角
位置に設定するようにしてもよい。停止時の場合にはク
ランクシャフトを逆回転させてバルブタイミングを設定
しても、運転者に不快感等を与えることはほとんどな
い。
【0022】更に、上記のように電動機によってクラン
クシャフトを逆回転させる場合において、この内燃機関
と駆動輪との間にクラッチ等の動力接断手段が配置され
ている際には、この動力接断手段を、クランクシャフト
の逆回転が駆動輪に伝達しない状態にすることが好まし
い。このようにすれば、クランクシャフトの逆回転によ
って駆動輪に伝達される駆動ショックが防止されるの
で、運転者に与える違和感を防止することができる。
クシャフトを逆回転させる場合において、この内燃機関
と駆動輪との間にクラッチ等の動力接断手段が配置され
ている際には、この動力接断手段を、クランクシャフト
の逆回転が駆動輪に伝達しない状態にすることが好まし
い。このようにすれば、クランクシャフトの逆回転によ
って駆動輪に伝達される駆動ショックが防止されるの
で、運転者に与える違和感を防止することができる。
【0023】又、電動機によってクランクシャフトを逆
回転させる場合には、その逆回転角度は、タイミング調
整機構を所定の調整角度以上回転させる角度に設定され
ているのが好ましく、又、以上のように電動機によって
クランクシャフトを逆回転する場合であって、内燃機関
の停止要求が、運転者の意思に基づく動力出力装置の停
止操作と同時になされた場合には、この逆回転が完了す
るまで(逆回転させる)電動機への通電状態を維持する
ことが好ましい。
回転させる場合には、その逆回転角度は、タイミング調
整機構を所定の調整角度以上回転させる角度に設定され
ているのが好ましく、又、以上のように電動機によって
クランクシャフトを逆回転する場合であって、内燃機関
の停止要求が、運転者の意思に基づく動力出力装置の停
止操作と同時になされた場合には、この逆回転が完了す
るまで(逆回転させる)電動機への通電状態を維持する
ことが好ましい。
【0024】又更に、電動機によるクランクシャフトの
逆回転速度を制御する回転速度制御手段を備えるように
し、クランクシャフトの逆回転の完了時に、慣性力によ
ってタイミング調整機構の閉タイミングが遅角側にズレ
ない範囲に回転速度を制御することが好ましい。これ
は、クランクシャフトが逆回転中に、吸気バルブの閉タ
イミングが最進角側に移行したのにも拘らず、例えば、
クランクシャフトの逆回転が突然ストップしたために、
カム軸等の自身の回転慣性力が作用してタイミング調整
機構の閉タイミングが遅角側にズレる場合があり、最適
な逆回転速度に制御してこのようなズレを防止するもの
である。
逆回転速度を制御する回転速度制御手段を備えるように
し、クランクシャフトの逆回転の完了時に、慣性力によ
ってタイミング調整機構の閉タイミングが遅角側にズレ
ない範囲に回転速度を制御することが好ましい。これ
は、クランクシャフトが逆回転中に、吸気バルブの閉タ
イミングが最進角側に移行したのにも拘らず、例えば、
クランクシャフトの逆回転が突然ストップしたために、
カム軸等の自身の回転慣性力が作用してタイミング調整
機構の閉タイミングが遅角側にズレる場合があり、最適
な逆回転速度に制御してこのようなズレを防止するもの
である。
【0025】以上は主に、内燃機関の停止時にクランク
シャフトを逆回転させて吸気バルブの閉タイミングを最
進角側に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、内燃機関の作動を維持した状態で
停止時制御手段によってタイミング調整機構の閉タイミ
ングを最進角位置に設定し、この閉タイミングの設定完
了後に内燃機関を停止する内燃機関停止遅延手段を備え
るようにしてもよい。このようにすれば、内燃機関が作
動状態にあるので、油圧等による通常の制御によって閉
タイミングを最進角側に変更することができ、電動機に
よるクランク軸の逆回転動作等が不要となり、円滑にエ
ンジンを停止することができる。
シャフトを逆回転させて吸気バルブの閉タイミングを最
進角側に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、内燃機関の作動を維持した状態で
停止時制御手段によってタイミング調整機構の閉タイミ
ングを最進角位置に設定し、この閉タイミングの設定完
了後に内燃機関を停止する内燃機関停止遅延手段を備え
るようにしてもよい。このようにすれば、内燃機関が作
動状態にあるので、油圧等による通常の制御によって閉
タイミングを最進角側に変更することができ、電動機に
よるクランク軸の逆回転動作等が不要となり、円滑にエ
ンジンを停止することができる。
【0026】又、タイミング調整機構が、油圧によって
閉タイミングを調整可能であり、且つ内燃機関が停止状
態であっても油圧を発生可能な油圧発生装置を備えるよ
うにしてもよい。このようにすれば、内燃機関が完全に
停止した後であってもクランクシャフトを逆回転する必
要がなく、油圧によって閉タイミングを最進角側に設定
することが可能になる。
閉タイミングを調整可能であり、且つ内燃機関が停止状
態であっても油圧を発生可能な油圧発生装置を備えるよ
うにしてもよい。このようにすれば、内燃機関が完全に
停止した後であってもクランクシャフトを逆回転する必
要がなく、油圧によって閉タイミングを最進角側に設定
することが可能になる。
【0027】更に、動力出力装置が、車両に採用される
変速機を備えている場合には、この変速機が走行ポジシ
ョンの場合に、停止時制御手段による閉タイミングの最
進角制御を禁止するようにしてもよい。このようにすれ
ば、特に走行ポジションにおけるECU等による内燃機
関の自動停止要求に限っては、ほとんどの場合がその後
に即座に始動されることが予測できるので、停止時に閉
タイミングを進角側に制御することを特別に禁止して次
回の始動を円滑に行うことができる。
変速機を備えている場合には、この変速機が走行ポジシ
ョンの場合に、停止時制御手段による閉タイミングの最
進角制御を禁止するようにしてもよい。このようにすれ
ば、特に走行ポジションにおけるECU等による内燃機
関の自動停止要求に限っては、ほとんどの場合がその後
に即座に始動されることが予測できるので、停止時に閉
タイミングを進角側に制御することを特別に禁止して次
回の始動を円滑に行うことができる。
【0028】又、動力出力装置の環境状態を検出する状
態検出手段を備えるようにし、停止時制御手段が、この
状態検出手段によって検出される環境状態に応じてタイ
ミング調整機構の閉タイミングの進角状態を最進角未満
に可変に設定可能とすることも好ましい。このようにす
れば、常に最進角に設定するのではなく、例えば内燃機
関の温度状態に対応して次回の内燃機関の始動時の状態
を予測し、閉タイミングを最適な進角状態に設定するこ
とができ、次回の内燃機関の円滑な始動を達成すること
ができる。なお、この場合には、内燃機関の始動時にも
この状態検出手段による検出情報を利用して、吸気バル
ブの閉タイミングを最適な状態に再設定することも好ま
しく、これらの停止時の始動時の組合せにより、内燃機
関の始動時に短時間で最適なバルブタイミング状態にす
ることができる。
態検出手段を備えるようにし、停止時制御手段が、この
状態検出手段によって検出される環境状態に応じてタイ
ミング調整機構の閉タイミングの進角状態を最進角未満
に可変に設定可能とすることも好ましい。このようにす
れば、常に最進角に設定するのではなく、例えば内燃機
関の温度状態に対応して次回の内燃機関の始動時の状態
を予測し、閉タイミングを最適な進角状態に設定するこ
とができ、次回の内燃機関の円滑な始動を達成すること
ができる。なお、この場合には、内燃機関の始動時にも
この状態検出手段による検出情報を利用して、吸気バル
ブの閉タイミングを最適な状態に再設定することも好ま
しく、これらの停止時の始動時の組合せにより、内燃機
関の始動時に短時間で最適なバルブタイミング状態にす
ることができる。
【0029】又、上記発明において、タイミング調整機
構は、自身の温度変化に基づく形状変化によって冷間時
の吸気バルブの閉タイミングを固定する係合手段を備え
るようにしてもよい。このようにすれば、シンプルな構
造で冷間時に進角状態又は遅角状態を固定することがで
き、更に、温暖状況では自動的に吸気バルブの閉タイミ
ングが可変状態に維持されるので、これまで説明した制
御装置に適合して円滑な制御を可能にする。なお、この
係合手段による固定力は、内燃機関の始動の際にカムシ
ャフトの回転抵抗によってズレないように設定すること
が好ましいが、一方で、油圧等による吸気バルブの閉タ
イミングの調整機構と組み合わせる場合には、この油圧
等によって生じる調整力より弱く設定しておくことが好
ましい。
構は、自身の温度変化に基づく形状変化によって冷間時
の吸気バルブの閉タイミングを固定する係合手段を備え
るようにしてもよい。このようにすれば、シンプルな構
造で冷間時に進角状態又は遅角状態を固定することがで
き、更に、温暖状況では自動的に吸気バルブの閉タイミ
ングが可変状態に維持されるので、これまで説明した制
御装置に適合して円滑な制御を可能にする。なお、この
係合手段による固定力は、内燃機関の始動の際にカムシ
ャフトの回転抵抗によってズレないように設定すること
が好ましいが、一方で、油圧等による吸気バルブの閉タ
イミングの調整機構と組み合わせる場合には、この油圧
等によって生じる調整力より弱く設定しておくことが好
ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】図1は、本発明の第1実施形態に係るバル
ブタイミング制御装置が適用される動力出力装置として
のハイブリット車両1の構成を示したものである。この
ハイブリット車両1は、内燃機関であるエンジン10
と、このエンジン10の出力軸に増速機18を介して連
結される発電機12と、この発電機12に対してクラッ
チ16を介して直列配置されるモータ14と、このモー
タ14の出力軸に、減速機(又は変速機)20及びデフ
ァレンシャルギヤ(デフ)22を介して連結される駆動
輪24と、以上の発電機12等を制御する電気制御ユニ
ット(ECU)と、を備える。クラッチ16は動力接断手
段であり、解放状態では発電機12の軸とモータ14の
出力軸は互いに独立して回転可能であり、係合状態では
双方が一体となって回転する。
ブタイミング制御装置が適用される動力出力装置として
のハイブリット車両1の構成を示したものである。この
ハイブリット車両1は、内燃機関であるエンジン10
と、このエンジン10の出力軸に増速機18を介して連
結される発電機12と、この発電機12に対してクラッ
チ16を介して直列配置されるモータ14と、このモー
タ14の出力軸に、減速機(又は変速機)20及びデフ
ァレンシャルギヤ(デフ)22を介して連結される駆動
輪24と、以上の発電機12等を制御する電気制御ユニ
ット(ECU)と、を備える。クラッチ16は動力接断手
段であり、解放状態では発電機12の軸とモータ14の
出力軸は互いに独立して回転可能であり、係合状態では
双方が一体となって回転する。
【0032】更に、発電機12及びモータ14には、各
々、インバータ26、28が設けられている。この発電
機12及びモータ14は、その名称とは無関係に共に発
電機及び電動機として機能することができるものであ
り、発電機として機能する場合には、インバータ26、
28に連結される電池30が、この発電機12及び(又
は)モータ14からの充電用の電力の供給を受けて充電
される。一方、電動機として機能する場合には、この電
池30が発電機12及び(又は)モータ14に対してイ
ンバータ26、28を介して駆動用の電力を供給する。
々、インバータ26、28が設けられている。この発電
機12及びモータ14は、その名称とは無関係に共に発
電機及び電動機として機能することができるものであ
り、発電機として機能する場合には、インバータ26、
28に連結される電池30が、この発電機12及び(又
は)モータ14からの充電用の電力の供給を受けて充電
される。一方、電動機として機能する場合には、この電
池30が発電機12及び(又は)モータ14に対してイ
ンバータ26、28を介して駆動用の電力を供給する。
【0033】電気制御ユニット(ECU)32は、エン
ジン10、発電機12等をまとめて制御する。そのた
め、ECU32は、運転者からの加速要求を示すアクセ
ル開度、減速要求を示すブレーキ踏み力、エンジンブレ
ーキ要求を示すエンジンブレーキスイッチ状態等が入力
されている。更に、ECU32は、発電機12及びモー
タ14の回転数を、それぞれ回転数センサ34、36に
より、又、電池30の充電状態(SOC)をSOCセン
サ38により、エンジン10の各種情報を各種センサに
より(この点については詳細に後述する)、それぞれ検
出している。
ジン10、発電機12等をまとめて制御する。そのた
め、ECU32は、運転者からの加速要求を示すアクセ
ル開度、減速要求を示すブレーキ踏み力、エンジンブレ
ーキ要求を示すエンジンブレーキスイッチ状態等が入力
されている。更に、ECU32は、発電機12及びモー
タ14の回転数を、それぞれ回転数センサ34、36に
より、又、電池30の充電状態(SOC)をSOCセン
サ38により、エンジン10の各種情報を各種センサに
より(この点については詳細に後述する)、それぞれ検
出している。
【0034】又、ECU32は、発電機12及びモータ
14を発電機として機能させるか、又は電動機として機
能させるかを決定し、インバータ26、28を制御する
ことにより発電機12、モータ14のトルクを制御す
る。又、これと組合せてクラッチ16の係合状態(オ
ン、オフ)を合せて制御する。
14を発電機として機能させるか、又は電動機として機
能させるかを決定し、インバータ26、28を制御する
ことにより発電機12、モータ14のトルクを制御す
る。又、これと組合せてクラッチ16の係合状態(オ
ン、オフ)を合せて制御する。
【0035】このハイブリット車両1は以上のように構
成されていることから、 (1)エンジン発電機付電気自動車とも言える、いわゆ
るシリーズハイブリット走行モード(以下SHVモード
という) (2)エンジン10と各電動機の双方で車輪24を直接
駆動する、いわゆるパラレルハイブリット走行モード
(以下PHVモードという) を走行状態に応じて切換えることができる。
成されていることから、 (1)エンジン発電機付電気自動車とも言える、いわゆ
るシリーズハイブリット走行モード(以下SHVモード
という) (2)エンジン10と各電動機の双方で車輪24を直接
駆動する、いわゆるパラレルハイブリット走行モード
(以下PHVモードという) を走行状態に応じて切換えることができる。
【0036】SHVモードでは、ECU32によりクラ
ッチ16が開放状態とされており、エンジン10の動力
が増速機18を介して発電機12に入力され、この発電
機12の発電出力がインバータ26によって直流に変換
された後、別のインバータ28を介して再度交流に変換
されてモータ14に供給される。又、モータ14が必要
とする供給電力より発電機12が発生する発電出力の方
が大きい場合には、その一部が電池30の充電に利用さ
れる。反対に、発電機12の発電出力よりモータ14の
必要電力の方が大きい場合には、電池30によってその
不足分だけの電力が補われる。
ッチ16が開放状態とされており、エンジン10の動力
が増速機18を介して発電機12に入力され、この発電
機12の発電出力がインバータ26によって直流に変換
された後、別のインバータ28を介して再度交流に変換
されてモータ14に供給される。又、モータ14が必要
とする供給電力より発電機12が発生する発電出力の方
が大きい場合には、その一部が電池30の充電に利用さ
れる。反対に、発電機12の発電出力よりモータ14の
必要電力の方が大きい場合には、電池30によってその
不足分だけの電力が補われる。
【0037】PHVモードにおいては、ECU32によ
ってクラッチ16が係合状態(オン)になっており、エ
ンジン10の動力が駆動輪24に直接伝達される。EC
U32はアクセル開度等からハイブリット車両1が要求
する要求出力トルクを演算し、エンジン10の動力がそ
の要求出力トルクに満たない場合は、発電機12及びモ
ータ14を電動機と機能させてその不足分を補い、反対
に、要求出力トルクに対してエンジン10の動力が過剰
であるときは、発電機12やモータ14を発電機として
機能させ、過剰分を電力に変換して電池30に蓄える。
ってクラッチ16が係合状態(オン)になっており、エ
ンジン10の動力が駆動輪24に直接伝達される。EC
U32はアクセル開度等からハイブリット車両1が要求
する要求出力トルクを演算し、エンジン10の動力がそ
の要求出力トルクに満たない場合は、発電機12及びモ
ータ14を電動機と機能させてその不足分を補い、反対
に、要求出力トルクに対してエンジン10の動力が過剰
であるときは、発電機12やモータ14を発電機として
機能させ、過剰分を電力に変換して電池30に蓄える。
【0038】以上に示したSHVモード及びPHVモー
ドは、主に車速の所定の閾値を基準にして切換えられ、
低速域では高トルクのモータ14を利用するSHVモー
ド、高速域ではエンジン10の動力を積極的に利用する
PHVモードに設定される。この結果、エンジン10
を、最も効率が良く且つ高トルクを出力する限られた回
転数範囲のみで使用することができるので、このハイブ
リッド車両1は、既存のガソリンエンジン車よりも燃費
の向上と低エミッション化が実現されている。
ドは、主に車速の所定の閾値を基準にして切換えられ、
低速域では高トルクのモータ14を利用するSHVモー
ド、高速域ではエンジン10の動力を積極的に利用する
PHVモードに設定される。この結果、エンジン10
を、最も効率が良く且つ高トルクを出力する限られた回
転数範囲のみで使用することができるので、このハイブ
リッド車両1は、既存のガソリンエンジン車よりも燃費
の向上と低エミッション化が実現されている。
【0039】次に、このハイブリット車両1のエンジン
10の一部構成と、このエンジン10の吸気バルブの閉
タイミングを所定の調整角度の範囲内で調整可能なタイ
ミング調整機構について、図2等を参照して詳細に説明
する。
10の一部構成と、このエンジン10の吸気バルブの閉
タイミングを所定の調整角度の範囲内で調整可能なタイ
ミング調整機構について、図2等を参照して詳細に説明
する。
【0040】図2に示すように、タイミング調整機構1
11のベーン式プーリ111A(詳細は後述する)は、
エンジン10の吸気側カムシャフト112の軸端に取り
付けられており、隣接してドリブンギヤ122が設置さ
れている。又、排気側カムシャフト123にはタイミン
グプーリ124が連結されている。このドリブンギヤ1
22とタイミングプーリ124は、クランクシャフト1
68の端部に取り付けられたクランクプーリ168Aに
よって、タイミングベルト127を介して回転駆動さ
れ、クランクプーリ168Aに対してタイミングプーリ
124及びドリブンギヤ122が1対2のギヤ比に設定
されているため、クランクシャフト68が2回転する
と、タイミングプーリ124及びベーン式プーリ111
Aが1回転するようになっている。
11のベーン式プーリ111A(詳細は後述する)は、
エンジン10の吸気側カムシャフト112の軸端に取り
付けられており、隣接してドリブンギヤ122が設置さ
れている。又、排気側カムシャフト123にはタイミン
グプーリ124が連結されている。このドリブンギヤ1
22とタイミングプーリ124は、クランクシャフト1
68の端部に取り付けられたクランクプーリ168Aに
よって、タイミングベルト127を介して回転駆動さ
れ、クランクプーリ168Aに対してタイミングプーリ
124及びドリブンギヤ122が1対2のギヤ比に設定
されているため、クランクシャフト68が2回転する
と、タイミングプーリ124及びベーン式プーリ111
Aが1回転するようになっている。
【0041】又、吸気側及び排気側カムシャフト11
2、123には、計4対のカム120がそれぞれ形成さ
れており、各カム120には、エンジン10の気筒毎に
設けられた吸気及び排気バルブ162、164の上端部
が当接している。従って、吸気側及び排気側カムシャフ
ト112、123と一体となってカム120が回転する
と、吸気及び排気バルブ162、164が開閉駆動され
る。なお、クランクシャフト168にはクランクプーリ
168Aに隣接してオイルポンプ115が連結されてお
り、又、このクランクシャフト168の反対側には図1
で示した増速機(図示は省略)を介して発電機12が連
結されている。
2、123には、計4対のカム120がそれぞれ形成さ
れており、各カム120には、エンジン10の気筒毎に
設けられた吸気及び排気バルブ162、164の上端部
が当接している。従って、吸気側及び排気側カムシャフ
ト112、123と一体となってカム120が回転する
と、吸気及び排気バルブ162、164が開閉駆動され
る。なお、クランクシャフト168にはクランクプーリ
168Aに隣接してオイルポンプ115が連結されてお
り、又、このクランクシャフト168の反対側には図1
で示した増速機(図示は省略)を介して発電機12が連
結されている。
【0042】次に、タイミング調整機構111について
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0043】タイミング調整機構111は、図3に拡大
して示されるように、吸気側カムシャフト112の端部
に取り付けられるベーン式プーリ111Aと、更に別体
として、オイルポンプ115によって圧送されるオイル
の油路を変更するオイルコントロールバルブ116と、
電子制御装置32(これは図1に示すECU32であ
る)と、を備える。
して示されるように、吸気側カムシャフト112の端部
に取り付けられるベーン式プーリ111Aと、更に別体
として、オイルポンプ115によって圧送されるオイル
の油路を変更するオイルコントロールバルブ116と、
電子制御装置32(これは図1に示すECU32であ
る)と、を備える。
【0044】吸気側カムシャフト112は、エンジン1
0のシリンダヘッド118の上端面及び半円筒のベアリ
ングキャップ119によって回転可能に軸支されてい
る。この吸気側カムシャフト112の先端側(図3の左
側)の部分には、広径部121が形成されており、この
広径部121の外周には、自身の外周に外歯122Aが
形成された円筒状のドリブンギヤ122が周方向に摺動
回転自在な状態で設置されている。このドリブンギヤ1
22と吸気側カムシャフト112の端部によって、後述
するベーン式プーリ111Aが連結される。
0のシリンダヘッド118の上端面及び半円筒のベアリ
ングキャップ119によって回転可能に軸支されてい
る。この吸気側カムシャフト112の先端側(図3の左
側)の部分には、広径部121が形成されており、この
広径部121の外周には、自身の外周に外歯122Aが
形成された円筒状のドリブンギヤ122が周方向に摺動
回転自在な状態で設置されている。このドリブンギヤ1
22と吸気側カムシャフト112の端部によって、後述
するベーン式プーリ111Aが連結される。
【0045】このベーン式プーリ111Aは、中空円筒
状のハウジング128と、このハウジング128の内部
に回転自在に収容されたベーン129とを備える。具体
的に、ハウジング128の内側には、図4、図5に示さ
れるように、周方向に約90°の間隔で、吸気側カムシ
ャフト112の軸心に向けて突在する4つの凸部133
が形成されており、各凸部133の中央にはタップ孔1
30Aが形成されている。従って、このタップ孔130
Aと螺合するボルト130によって、ハウジング128
がドリブンギヤ122に同軸状に連結されている。
状のハウジング128と、このハウジング128の内部
に回転自在に収容されたベーン129とを備える。具体
的に、ハウジング128の内側には、図4、図5に示さ
れるように、周方向に約90°の間隔で、吸気側カムシ
ャフト112の軸心に向けて突在する4つの凸部133
が形成されており、各凸部133の中央にはタップ孔1
30Aが形成されている。従って、このタップ孔130
Aと螺合するボルト130によって、ハウジング128
がドリブンギヤ122に同軸状に連結されている。
【0046】ベーン129には、中央位置にボルト孔1
40が形成されており、このボルト孔140を貫通する
取付ボルト141によって吸気側カムシャフト112の
軸端に同軸状に連結されている。このベーン129を軸
視した場合の形状は、図4及び図5に示されるように、
約十字状になっており、各突起は油圧を受ける受圧部1
32とされている。
40が形成されており、このボルト孔140を貫通する
取付ボルト141によって吸気側カムシャフト112の
軸端に同軸状に連結されている。このベーン129を軸
視した場合の形状は、図4及び図5に示されるように、
約十字状になっており、各突起は油圧を受ける受圧部1
32とされている。
【0047】従って、ハウジング128に形成される4
つの凸部133と、ベーン129の4つの受圧部132
等により、4つの進角油圧室113(図4参照)と、4
つの遅角油圧室114(図5参照)とが構成される。な
お、各油圧室を密閉するために、ハウジング128の端
面には、既に示したボルト130の先端を利用して、円
板状のカバー138が取り付けられている(図3参
照)。
つの凸部133と、ベーン129の4つの受圧部132
等により、4つの進角油圧室113(図4参照)と、4
つの遅角油圧室114(図5参照)とが構成される。な
お、各油圧室を密閉するために、ハウジング128の端
面には、既に示したボルト130の先端を利用して、円
板状のカバー138が取り付けられている(図3参
照)。
【0048】各受圧部132の外周面には、カムシャフ
ト軸方向の外周溝135が形成されており、この外周溝
135の内部には、板ばね137によってハウジング1
28の内周面側に付勢された状態のシール部材136が
配置されている。従って、このシール部材136によっ
て、進角油圧室113と遅角油圧室114とが独立した
空間となるようにシールされる。
ト軸方向の外周溝135が形成されており、この外周溝
135の内部には、板ばね137によってハウジング1
28の内周面側に付勢された状態のシール部材136が
配置されている。従って、このシール部材136によっ
て、進角油圧室113と遅角油圧室114とが独立した
空間となるようにシールされる。
【0049】このシール部材136は、バイメタルによ
って構成されており、冷間時には外側に湾曲してシール
力が増大するように設定されている。又、温暖時にはそ
の湾曲具合が弱まり、シール状態を維持しつつもベーン
129がハウジング128に対して滑らかに摺動できる
程度のシール力が生じるようになっている。
って構成されており、冷間時には外側に湾曲してシール
力が増大するように設定されている。又、温暖時にはそ
の湾曲具合が弱まり、シール状態を維持しつつもベーン
129がハウジング128に対して滑らかに摺動できる
程度のシール力が生じるようになっている。
【0050】ベーン129は、ハウジング128に対し
て回転自在に収容されていることから、ハウジング12
8に対して図4の状態から図5の状態まで摺動回転する
ことができ、この回転角の分だけハウジング128に対
してベーン129が回転位相差を有することになる。こ
の回転位相差は、ハウジング128がクランクシャフト
168に同期して回転することを考慮すると、クランク
シャフト168に対するものと同義であり、従って、進
角油圧室113と遅角油圧室114の大きさを油圧によ
って調整すれば、クランクシャフト168に対する吸気
側カムシャフト112の回転位相を変更することができ
る。
て回転自在に収容されていることから、ハウジング12
8に対して図4の状態から図5の状態まで摺動回転する
ことができ、この回転角の分だけハウジング128に対
してベーン129が回転位相差を有することになる。こ
の回転位相差は、ハウジング128がクランクシャフト
168に同期して回転することを考慮すると、クランク
シャフト168に対するものと同義であり、従って、進
角油圧室113と遅角油圧室114の大きさを油圧によ
って調整すれば、クランクシャフト168に対する吸気
側カムシャフト112の回転位相を変更することができ
る。
【0051】なお、以上のように構成されたタイミング
調整機構111によれば、図9に示すバルブタイミング
ダイヤグラムに例示されるように、吸気バルブ162の
閉タイミングを、クランクシャフト168の下死点から
約90°遅角させた位置を挟む調整角度の範囲(下死点
を基準にして最進角位置α1(=80°)と最遅角位置
α2(=120°)との間の範囲)で可変に設定するこ
とができる。このように吸気バルブ162の閉タイミン
グを大きく遅角させるのは、エンジン10の出力トルク
と回転数とを効率の良い状態で定常運転できるハイブリ
ット車両1の特性を考慮したためである。吸気バルブ1
62の閉タイミングを遅角側に設定すると、吸気バルブ
162は圧縮工程にあっても未だ開いているから、エン
ジン10の燃焼室に一旦吸入された混合気の一部は吸気
マニホールド側に逆流することになり、実際の圧縮工程
を短くすることができる。
調整機構111によれば、図9に示すバルブタイミング
ダイヤグラムに例示されるように、吸気バルブ162の
閉タイミングを、クランクシャフト168の下死点から
約90°遅角させた位置を挟む調整角度の範囲(下死点
を基準にして最進角位置α1(=80°)と最遅角位置
α2(=120°)との間の範囲)で可変に設定するこ
とができる。このように吸気バルブ162の閉タイミン
グを大きく遅角させるのは、エンジン10の出力トルク
と回転数とを効率の良い状態で定常運転できるハイブリ
ット車両1の特性を考慮したためである。吸気バルブ1
62の閉タイミングを遅角側に設定すると、吸気バルブ
162は圧縮工程にあっても未だ開いているから、エン
ジン10の燃焼室に一旦吸入された混合気の一部は吸気
マニホールド側に逆流することになり、実際の圧縮工程
を短くすることができる。
【0052】次に、この進角油圧室113と遅角油圧室
114の大きさを調整する構造について説明する。
114の大きさを調整する構造について説明する。
【0053】図3に示されるように、吸気側カムシャフ
ト112の内部には、進角側油路P1と遅角側油路P2と
が形成されており、進角側油路P1は進角油圧室113
に、遅角側油路P2は遅角油圧室114に常に接続され
ている。具体的に、進角側油路P1は、吸気側カムシャ
フト112の内部を貫通してベーン129の中心部に連
続し、このベーン129の各受圧部132の付根部分か
ら進角油圧室113に向けて常に開口している。即ち、
進角側油路P1の一部はベーン129と一体になってい
る。一方、遅角側油路P2は、吸気側カムシャフト11
2の内部を貫通して広径部121の外周に連続し、更
に、この広径部121の外周からハウジング128の凸
部133の側端部にまで達して常に遅角油圧室114に
開口している。即ち、遅角側油路P2の一部はハウジン
グ128と一体になっている。
ト112の内部には、進角側油路P1と遅角側油路P2と
が形成されており、進角側油路P1は進角油圧室113
に、遅角側油路P2は遅角油圧室114に常に接続され
ている。具体的に、進角側油路P1は、吸気側カムシャ
フト112の内部を貫通してベーン129の中心部に連
続し、このベーン129の各受圧部132の付根部分か
ら進角油圧室113に向けて常に開口している。即ち、
進角側油路P1の一部はベーン129と一体になってい
る。一方、遅角側油路P2は、吸気側カムシャフト11
2の内部を貫通して広径部121の外周に連続し、更
に、この広径部121の外周からハウジング128の凸
部133の側端部にまで達して常に遅角油圧室114に
開口している。即ち、遅角側油路P2の一部はハウジン
グ128と一体になっている。
【0054】この進角側及び遅角側油路P1、P2は、図
3に示されるように、シリンダヘッド118の内部を貫
通して、オイルコントロールバルブ116、オイルフィ
ルタ155及びオイルポンプ115を介してオイルパン
157まで連続している。なお、既に図2で示したよう
に、オイルポンプ115はクランクシャフト168によ
って駆動され、所定の油圧を発生する。
3に示されるように、シリンダヘッド118の内部を貫
通して、オイルコントロールバルブ116、オイルフィ
ルタ155及びオイルポンプ115を介してオイルパン
157まで連続している。なお、既に図2で示したよう
に、オイルポンプ115はクランクシャフト168によ
って駆動され、所定の油圧を発生する。
【0055】オイルコントロールバルブ116は、図3
に示されるように、ケーシング170と、ケーシング1
70に収容されたスプール176と、このスプール17
6を軸方向に駆動する電磁ソレノイド178と、このス
プール176を電磁ソレノイド178側に常に付勢する
スプリング179とを備える。このケーシング170に
は、進角側油路P1が接続される進角側ポート171
と、進角側油路P1から流れ込んだオイルをオイルパン
157に排出する進角側ドレンポート172と、遅角側
油路P2が接続される遅角側ボート173と、遅角側油
路P2から流れ込んだオイルをオイルパン157に排出
する遅角側ドレンポート174と、オイルポンプによっ
て供給されるオイルが流入する流入ポート175と、が
形成されている。従って、このオイルコントロールバル
ブ116は、 (1)流入ポート175と遅角側ポート173とを連通
し、進角側ポート171と進角側ドレンポート172と
を連通することにより、遅角側油路P2を介して遅角油
圧室114にオイルを供給すると共に、進角油圧室11
3から進角側油路P1を介してオイルを排出して、ベー
ン129を遅角側に回転させる状態(以下遅角状態とい
う) (2)流入ポート175と進角側ポート171とを連通
し、遅角側ポート173と遅角側ドレンポート174と
を連通することにより、進角側油路P1を介して進角油
圧室113にオイルを供給すると共に、遅角油圧室11
4から遅角側油路P2を介してオイルを排出して、ベー
ン129を進角側に回転させる状態(以下遅角状態とい
う)を切換えることができる。なお、このスプール17
6は、電磁ソレノイド178に印加する電圧をデューテ
ィー制御することによって、その位置を制御することが
できる。そのため、オイルの流入量及び排出量等をより
きめ細かく制御することができ、吸気バルブ162の閉
タイミングを最進角位置α1と最遅角位置α2との間の
任意の位置に位置決め可能である。
に示されるように、ケーシング170と、ケーシング1
70に収容されたスプール176と、このスプール17
6を軸方向に駆動する電磁ソレノイド178と、このス
プール176を電磁ソレノイド178側に常に付勢する
スプリング179とを備える。このケーシング170に
は、進角側油路P1が接続される進角側ポート171
と、進角側油路P1から流れ込んだオイルをオイルパン
157に排出する進角側ドレンポート172と、遅角側
油路P2が接続される遅角側ボート173と、遅角側油
路P2から流れ込んだオイルをオイルパン157に排出
する遅角側ドレンポート174と、オイルポンプによっ
て供給されるオイルが流入する流入ポート175と、が
形成されている。従って、このオイルコントロールバル
ブ116は、 (1)流入ポート175と遅角側ポート173とを連通
し、進角側ポート171と進角側ドレンポート172と
を連通することにより、遅角側油路P2を介して遅角油
圧室114にオイルを供給すると共に、進角油圧室11
3から進角側油路P1を介してオイルを排出して、ベー
ン129を遅角側に回転させる状態(以下遅角状態とい
う) (2)流入ポート175と進角側ポート171とを連通
し、遅角側ポート173と遅角側ドレンポート174と
を連通することにより、進角側油路P1を介して進角油
圧室113にオイルを供給すると共に、遅角油圧室11
4から遅角側油路P2を介してオイルを排出して、ベー
ン129を進角側に回転させる状態(以下遅角状態とい
う)を切換えることができる。なお、このスプール17
6は、電磁ソレノイド178に印加する電圧をデューテ
ィー制御することによって、その位置を制御することが
できる。そのため、オイルの流入量及び排出量等をより
きめ細かく制御することができ、吸気バルブ162の閉
タイミングを最進角位置α1と最遅角位置α2との間の
任意の位置に位置決め可能である。
【0056】この電磁ソレノイド178等を制御するE
CU32の入力ポートには、図1で既に示した以外にも
図3に示されるように、例えば、エンジン10の負荷を
検出する吸気圧センサ80、クランクシャフト168の
回転数と回転速度を検出する回転数センサ81及びクラ
ンク角センサ82、吸気側カムシャフト112の回転角
度を検出するカム角センサ83、エンジン10の水温を
検出する水温センサ84、イグニッションキーのオン・
オフ状態を検出するイグニッションスイッチ85等が接
続されている。
CU32の入力ポートには、図1で既に示した以外にも
図3に示されるように、例えば、エンジン10の負荷を
検出する吸気圧センサ80、クランクシャフト168の
回転数と回転速度を検出する回転数センサ81及びクラ
ンク角センサ82、吸気側カムシャフト112の回転角
度を検出するカム角センサ83、エンジン10の水温を
検出する水温センサ84、イグニッションキーのオン・
オフ状態を検出するイグニッションスイッチ85等が接
続されている。
【0057】次に、以上に示したハイブリット車両1に
適用されるバルブタイミング制御装置による、エンジン
10の停止時及び始動時の制御について詳細に説明す
る。
適用されるバルブタイミング制御装置による、エンジン
10の停止時及び始動時の制御について詳細に説明す
る。
【0058】図6にはエンジン10の停止時のバルブタ
イミング制御のフローチャートが示されている。まず、
エンジン10の停止要求(ECU32による自動停止要
求か、運転者のイグニッションキーのオフ操作による停
止要求かを問わず)があったときに、ステップ200に
おいて、ハイブリット車両1がPHVモードである場合
を考慮してECU32によってクラッチ16を解放し、
次にステップ202に進んで、エンジン10を停止す
る。ステップ204において、オイルコントロールバル
ブ116を進角状態とした後、ステップ206において
発電機12によりエンジン10のクランクシャフト16
8を所定角度逆回転する。なお、ステップ204におい
てオイルコントロールバルブ116を進角状態としたの
は、エンジン10の停止指令を出した直後は未だ油圧が
発生しているため、遅角油圧室114と連通する遅角側
油路P2をドレン状態にすると共に、残圧によりベーン
129を進角側に円滑に回転させるためである。又、発
電機12によってクランクシャフト168を逆回転する
前記所定角度は、タイミング調整機構111のハウジン
グ128が、調整角度以上回転できる程度に設定されて
おり、具体的には、この調整角度の2倍以上に設定され
ている。
イミング制御のフローチャートが示されている。まず、
エンジン10の停止要求(ECU32による自動停止要
求か、運転者のイグニッションキーのオフ操作による停
止要求かを問わず)があったときに、ステップ200に
おいて、ハイブリット車両1がPHVモードである場合
を考慮してECU32によってクラッチ16を解放し、
次にステップ202に進んで、エンジン10を停止す
る。ステップ204において、オイルコントロールバル
ブ116を進角状態とした後、ステップ206において
発電機12によりエンジン10のクランクシャフト16
8を所定角度逆回転する。なお、ステップ204におい
てオイルコントロールバルブ116を進角状態としたの
は、エンジン10の停止指令を出した直後は未だ油圧が
発生しているため、遅角油圧室114と連通する遅角側
油路P2をドレン状態にすると共に、残圧によりベーン
129を進角側に円滑に回転させるためである。又、発
電機12によってクランクシャフト168を逆回転する
前記所定角度は、タイミング調整機構111のハウジン
グ128が、調整角度以上回転できる程度に設定されて
おり、具体的には、この調整角度の2倍以上に設定され
ている。
【0059】ステップ206でクランクシャフト168
の逆回転が完了した後、ステップ208において、もし
内燃機関の停止要求が、運転者の意思に基づくハイブリ
ット車両1の停止操作(イグニッションキーのオフ操
作)と同時である場合には、ステップ206の制御が完
了した後、発電機12への通電状態をカットする(車両
を停止する)。
の逆回転が完了した後、ステップ208において、もし
内燃機関の停止要求が、運転者の意思に基づくハイブリ
ット車両1の停止操作(イグニッションキーのオフ操
作)と同時である場合には、ステップ206の制御が完
了した後、発電機12への通電状態をカットする(車両
を停止する)。
【0060】以上のように制御すれば、吸気側カムシャ
フト112は、吸気バルブ162により付勢されている
カム120の影響で自身の回転が抑制されているので、
ベーン129の回転が抑制された状態でハウジング12
8だけが回転し、吸気バルブ162の閉タイミングが最
進角位置に設定される。
フト112は、吸気バルブ162により付勢されている
カム120の影響で自身の回転が抑制されているので、
ベーン129の回転が抑制された状態でハウジング12
8だけが回転し、吸気バルブ162の閉タイミングが最
進角位置に設定される。
【0061】次に、エンジン10の始動時のバルブタイ
ミング制御装置による制御を説明する。
ミング制御装置による制御を説明する。
【0062】図7には、エンジン10の始動時のバルブ
タイミング制御のフローチャートが示されている。エン
ジン10の始動要求があった場合には、ステップ250
において、エンジン10の前回の始動から今回の始動ま
での間に、イグニッションキーのオフ操作(ハイブリッ
ト車両1の停止操作)の存在を判定する。判定の結果が
正、即ちイグニッションキーのオフ操作の履歴があった
場合には、エンジン10の温度が十分冷めており、且
つ、バイメタルで構成されるシール部材136によって
閉タイミングが最進角位置に固定されているものと判断
してステップ252に進み、そのままエンジン10を始
動する。
タイミング制御のフローチャートが示されている。エン
ジン10の始動要求があった場合には、ステップ250
において、エンジン10の前回の始動から今回の始動ま
での間に、イグニッションキーのオフ操作(ハイブリッ
ト車両1の停止操作)の存在を判定する。判定の結果が
正、即ちイグニッションキーのオフ操作の履歴があった
場合には、エンジン10の温度が十分冷めており、且
つ、バイメタルで構成されるシール部材136によって
閉タイミングが最進角位置に固定されているものと判断
してステップ252に進み、そのままエンジン10を始
動する。
【0063】一方、ステップ250の判定の結果が否、
即ちイグニッションキーのオフ操作の履歴がない場合に
は、ハイブリット車両1の走行状態において前回ECU
32によってエンジン10が自動停止され、且つ今回も
ECU32による自動始動であると判断し、エンジン1
0の温度も未だ十分高いことが予想されるため、ステッ
プ254に進んでオイルコントロールバルブ116を遅
角状態に設定した後、ステップ252に進んでエンジン
を始動する。エンジン10は十分暖かいため、バイメタ
ルにより構成されるシール部材136のシール力も、ベ
ーン129とハウジング128とが円滑に相対回転でき
る程度であるため、エンジン10のクランキングに伴う
油圧の発生と相俟って、吸気バルブ162の閉タイミン
グが滑らかに遅角側に変更されながら、エンジン10が
始動される。
即ちイグニッションキーのオフ操作の履歴がない場合に
は、ハイブリット車両1の走行状態において前回ECU
32によってエンジン10が自動停止され、且つ今回も
ECU32による自動始動であると判断し、エンジン1
0の温度も未だ十分高いことが予想されるため、ステッ
プ254に進んでオイルコントロールバルブ116を遅
角状態に設定した後、ステップ252に進んでエンジン
を始動する。エンジン10は十分暖かいため、バイメタ
ルにより構成されるシール部材136のシール力も、ベ
ーン129とハウジング128とが円滑に相対回転でき
る程度であるため、エンジン10のクランキングに伴う
油圧の発生と相俟って、吸気バルブ162の閉タイミン
グが滑らかに遅角側に変更されながら、エンジン10が
始動される。
【0064】以上のように制御すれば、エンジン10の
停止時には吸気バルブ162の閉タイミングが常に最進
角側に設定されるので、次回の冷間時のエンジン10の
始動時では、進角状態のまま素早くエンジンを始動する
ことができる。一方、温暖時のエンジン10の始動であ
っても、発電機12によってクランクシャフト168を
「正方向」に回転させるクランキングの力を利用して、
円滑に最進角状態から最遅角状態に変更することができ
るので、冷間時の迅速且つ確実な始動と、温暖時の円滑
且つ静粛な始動とを合理的に両立させることができる。
停止時には吸気バルブ162の閉タイミングが常に最進
角側に設定されるので、次回の冷間時のエンジン10の
始動時では、進角状態のまま素早くエンジンを始動する
ことができる。一方、温暖時のエンジン10の始動であ
っても、発電機12によってクランクシャフト168を
「正方向」に回転させるクランキングの力を利用して、
円滑に最進角状態から最遅角状態に変更することができ
るので、冷間時の迅速且つ確実な始動と、温暖時の円滑
且つ静粛な始動とを合理的に両立させることができる。
【0065】更に、以上の制御によれば、エンジン10
の始動要求時の温度状態を、「運転者のイグニッション
キーのオフ操作の履歴」という至って簡単な方法で判断
することができるので、敢えて複雑な構成及び制御が不
要である。しかしながら、この履歴の有無の判断はハイ
ブリット車両1等の特性を十分反映したものであり、始
動時のエンジンの温度状態をより確実に見極めることが
できる。
の始動要求時の温度状態を、「運転者のイグニッション
キーのオフ操作の履歴」という至って簡単な方法で判断
することができるので、敢えて複雑な構成及び制御が不
要である。しかしながら、この履歴の有無の判断はハイ
ブリット車両1等の特性を十分反映したものであり、始
動時のエンジンの温度状態をより確実に見極めることが
できる。
【0066】なお、以上のような温度状態(環境状態)
の判定の際に、エンジンの温度(水温センサ84等によ
る)を含めた判断をしてもよく、更に確実にエンジン1
0の温度状態を見極めて円滑に始動することができる。
又、イグニッションキーのオフ操作からの経過時間をタ
イマ86によって計測し、その経過時間も考慮して始動
時の閉タイミングを再設定してもよい。
の判定の際に、エンジンの温度(水温センサ84等によ
る)を含めた判断をしてもよく、更に確実にエンジン1
0の温度状態を見極めて円滑に始動することができる。
又、イグニッションキーのオフ操作からの経過時間をタ
イマ86によって計測し、その経過時間も考慮して始動
時の閉タイミングを再設定してもよい。
【0067】特に、上記のように構成されたタイミング
調整機構111は、バイメタルによるシール部材136
によって、冷間時にはバルブタイミングが固定された状
態、温暖時にはバルブタイミングが円滑に変更できる状
態に自然に設定することができ、上記の停止時及び始動
時の制御に最適に適合して、簡単な構造であるにも拘ら
ず確実なエンジン10の始動が達成される。
調整機構111は、バイメタルによるシール部材136
によって、冷間時にはバルブタイミングが固定された状
態、温暖時にはバルブタイミングが円滑に変更できる状
態に自然に設定することができ、上記の停止時及び始動
時の制御に最適に適合して、簡単な構造であるにも拘ら
ず確実なエンジン10の始動が達成される。
【0068】なお、吸気バルブの閉タイミングを固定す
る係合手段は、上記の場合に限定されるものではなく、
例えば図8に示されるように、ハウジング128の内周
側にバイメタルによる突起150を設けて、冷間時に受
圧部132と係合してバルブタイミングを固定するよう
にしてもよい。又、以上のようにバイメタルを採用する
以外にも、ハウジング128とベーン129とを異なる
材料を採用し、熱膨張率の差によって冷間時にベーン1
29がハウジング128によって締め付けられ、この締
め力によって吸気バルブの閉タイミングが固定されるよ
うにしてもよく、又、公知のロックピンによる固定(例
えば特開平10−227236号公報)を採用しても構
わない。
る係合手段は、上記の場合に限定されるものではなく、
例えば図8に示されるように、ハウジング128の内周
側にバイメタルによる突起150を設けて、冷間時に受
圧部132と係合してバルブタイミングを固定するよう
にしてもよい。又、以上のようにバイメタルを採用する
以外にも、ハウジング128とベーン129とを異なる
材料を採用し、熱膨張率の差によって冷間時にベーン1
29がハウジング128によって締め付けられ、この締
め力によって吸気バルブの閉タイミングが固定されるよ
うにしてもよく、又、公知のロックピンによる固定(例
えば特開平10−227236号公報)を採用しても構
わない。
【0069】又、上記の制御においては、エンジン10
を停止した後に、発電機12によって閉タイミングを最
進角側に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定
されず、エンジン10が運転状態の間に通常の油圧制御
によって閉タイミングを最進角側に設定し、その後エン
ジンを素早く停止するようにしてもよい。
を停止した後に、発電機12によって閉タイミングを最
進角側に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定
されず、エンジン10が運転状態の間に通常の油圧制御
によって閉タイミングを最進角側に設定し、その後エン
ジンを素早く停止するようにしてもよい。
【0070】エンジンの停止指令発生直後は、未だ油圧
が残存しているため、先ず進角状態とする指令を出した
後、わずかな時間のみエンジン停止指令を遅延させるだ
けで最進角状態に移行させることができる。
が残存しているため、先ず進角状態とする指令を出した
後、わずかな時間のみエンジン停止指令を遅延させるだ
けで最進角状態に移行させることができる。
【0071】以上に示した実施形態においては、タイミ
ング調整機構がベーン式の場合に限って例示したが、吸
気側カムシャフトに対してヘリカル状に噛合した所定の
部材を、油圧やソレノイド等によって軸方向に移動させ
て閉タイミングを調整するヘリカルタイプの場合にも本
発明のバルブタイミング制御装置を適用することができ
る。
ング調整機構がベーン式の場合に限って例示したが、吸
気側カムシャフトに対してヘリカル状に噛合した所定の
部材を、油圧やソレノイド等によって軸方向に移動させ
て閉タイミングを調整するヘリカルタイプの場合にも本
発明のバルブタイミング制御装置を適用することができ
る。
【0072】
【発明の効果】本発明に係る動力出力装置及びバルブタ
イミング制御装置によれば、バルブタイミング調整機構
を有するエンジンを備えた、いわゆるハイブリット車両
等に適用したとしても、静粛且つ確実に内燃機関を始動
することができ、更に、迅速に始動して運転者に与える
違和感を防止することができる。
イミング制御装置によれば、バルブタイミング調整機構
を有するエンジンを備えた、いわゆるハイブリット車両
等に適用したとしても、静粛且つ確実に内燃機関を始動
することができ、更に、迅速に始動して運転者に与える
違和感を防止することができる。
【図1】本発明の実施形態に係るバルブタイミング制御
装置が適用されるハイブリット車両のシステム構成を示
すブロック図
装置が適用されるハイブリット車両のシステム構成を示
すブロック図
【図2】同ハイブリット車両のエンジン及びタイミング
調整機構の一部を示す斜視図
調整機構の一部を示す斜視図
【図3】同タイミング調整機構の構成を示す部分断面図
【図4】図3におけるA−A矢視であり、閉タイミング
が最進角状態を示す断面図
が最進角状態を示す断面図
【図5】図3におけるA−A矢視であり、閉タイミング
が最遅角状態を示す断面図
が最遅角状態を示す断面図
【図6】本発明の実施形態に係るバルブタイミング制御
装置によるエンジン停止時のバルブタイミング制御を示
すフローチャート
装置によるエンジン停止時のバルブタイミング制御を示
すフローチャート
【図7】同バルブタイミング制御装置によるエンジン始
動時のバルブタイミング制御を示すフローチャート
動時のバルブタイミング制御を示すフローチャート
【図8】タイミング調整機構の他の構成例を示す断面図
【図9】吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミングを
例示するバルブタイミングダイヤグラム
例示するバルブタイミングダイヤグラム
10…エンジン 12…発電機 14…モータ 16…クラッチ 26、28…インバータ 32…ECU 111…タイミング調整機構 111A…ベーン式プーリ 112…吸気側カムシャフト 113…進角油圧室 114…遅角油圧室 116…オイルコントロールバルブ 123…排気側カムシャフト 124…タイミングプーリ 128…ハウジンジ 129…ベーン 132…受圧部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01L 1/34 F02D 29/00 C F02D 29/00 29/02 D 29/02 321A 321 41/06 320 41/06 320 41/12 320 41/12 320 B60K 9/00 E (72)発明者 高岡 俊文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鈴木 孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡田 大文 大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 Fターム(参考) 3G092 AA11 AC02 DA01 DA09 DF04 DF09 DG02 DG05 DG09 EA03 EA04 EA13 EA14 EA16 EA17 EA28 EA29 FA31 GA01 GA10 HA05Z HA13X HA13Z HE01Z HE03Z HE08Z HF01X HF01Z HF02Z HF08Z HF12Z HF15X HF19Z HF20Z HF25Z HF26Z 3G093 AA07 AA16 BA21 BA22 CA00 CA01 DA01 DA03 DA05 DA07 DA12 DA13 DB11 DB23 EA15 EB09 EC04 FB01 FB02 FB04 3G301 HA01 HA19 HA26 KA01 KA28 LA07 LC08 NE11 NE12 NE17 NE19 NE21 NE23 PA07Z PE01Z PE03Z PE08Z PE10A PE10Z PF05Z PF06Z PF07Z PF16Z PG01Z 5H115 PA01 PA05 PG04 PI16 PI24 PI29 PU08 PU22 PU24 PU25 PU26 PU27 PV07 PV09 QN12 RB08 RE01 RE07 SE04 SE05 SJ12 TB01 TE08 TI01 TO05 TO21
Claims (11)
- 【請求項1】内燃機関と、該内燃機関の吸気バルブの閉
タイミングを所定の調整角度の範囲内で調整可能なタイ
ミング調整機構と、を備えた動力出力装置に用いられる
バルブタイミング制御装置であって、 前記内燃機関の停止要求があったときに、前記タイミン
グ調整機構の前記閉タイミングを最進角位置に設定する
停止時制御手段と、 前記内燃機関の始動要求があった際、該内燃機関の前回
の始動と今回の始動との間に、運転者の意思に基づく前
記動力出力装置の停止操作が存在したかを判断する停止
履歴判断手段と、 前記停止操作が存在しない場合には、前記内燃機関の始
動時に前記タイミング調整機構の前記閉タイミングを最
遅角位置に設定する始動時制御手段と、を備えることを
特徴とするバルブタイミング制御装置。 - 【請求項2】請求項1において、 前記内燃機関のクランクシャフトには電動機が連結され
ており、 前記停止時制御手段が、該電動機によって前記クランク
シャフトを逆回転させて前記吸気バルブの閉タイミング
を最進角位置に設定することを特徴とするバルブタイミ
ング制御装置。 - 【請求項3】請求項2において、 前記内燃機関と該内燃機関の回転動力が伝達される駆動
輪との間には、該回転動力の伝達を断つことが可能な動
力接断手段が配置されており、 前記電動機が前記クランクシャフトを逆回転する際に
は、該動力接断手段が、前記クランクシャフトの回転が
前記駆動輪に伝達しない状態にすることを特徴とするバ
ルブタイミング制御装置。 - 【請求項4】請求項2又は3において、 前記電動機による前記クランクシャフトの逆回転角度
が、前記タイミング調整機構により内燃機関の吸気側カ
ムシャフトを前記調整角度以上回転させる角度に設定さ
れていることを特徴とするバルブタイミング制御装置。 - 【請求項5】請求項2、3又は4において、更に、 前記内燃機関の停止要求が、前記運転者の意思に基づく
前記動力出力装置の前記停止操作と同時になされた場合
には、前記電動機による前記クランクシャフトの逆回転
が完了するまで該電動機への通電状態を維持する通電停
止遅延手段を備えることを特徴とするバルブタイミング
制御装置。 - 【請求項6】請求項2乃至5のいずれかにおいて、 前記電動機による前記クランクシャフトの逆回転速度を
制御する回転速度制御手段と、を備え、 前記クランクシャフトの逆回転の完了時に、慣性力によ
って前記タイミング調整機構の閉タイミングが遅角側に
ずれない範囲に前記回転速度を制御することを特徴とす
るバルブタイミング制御装置。 - 【請求項7】請求項1において、更に、 前記内燃機関の停止要求が出されても、前記停止時制御
手段による前記タイミング調整機構の閉タイミングの調
整中は前記内燃機関を作動状態に維持し、該閉タイミン
グの調整完了後に前記内燃機関を停止する内燃機関停止
遅延手段と、を備えることを特徴とするバルブタイミン
グ制御装置。 - 【請求項8】請求項1記載のバルブタイミング制御装置
が用いられる前記動力出力装置であって、 前記タイミング調整機構が油圧によって前記閉タイミン
グを調整し、且つ前記内燃機関が停止状態であっても油
圧を発生可能な油圧発生装置を備えることを特徴とする
動力出力装置。 - 【請求項9】請求項1において、 前記動力出力装置が、車両に採用される変速機を備えて
おり、 該変速機が走行ポジションの場合に前記停止時制御手段
による前記閉タイミングの制御を禁止する停止時制御禁
止手段を備えることを特徴とするバルブタイミング制御
装置。 - 【請求項10】請求項1において、更に、 前記動力出力装置の環境状態を検出する状態検出手段を
備え、 前記停止時制御手段が、該状態検出手段により検出され
る環境状態に応じて前記タイミング調整機構の前記閉タ
イミングの進角状態を最進角未満に変更することを特徴
とするバルブタイミング制御装置。 - 【請求項11】請求項1記載のバルブタイミング制御装
置が用いられる前記動力出力装置であって、 前記タイミング調整機構が、自身の温度変化に基づく形
状変化によって冷間時に前記吸気バルブの閉タイミング
を固定可能な係合手段を備えることを特徴とする動力出
力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32988899A JP2001140663A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | バルブタイミング制御装置、動力出力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32988899A JP2001140663A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | バルブタイミング制御装置、動力出力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001140663A true JP2001140663A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18226385
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32988899A Pending JP2001140663A (ja) | 1999-11-19 | 1999-11-19 | バルブタイミング制御装置、動力出力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001140663A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233913A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-09-07 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の可変動弁機構制御装置 |
JP2008190537A (ja) * | 2008-03-25 | 2008-08-21 | Hitachi Ltd | 内燃機関のバルブタイミング制御装置 |
JP2014095298A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Denso Corp | バルブタイミング調整装置 |
US8838319B2 (en) | 2010-12-24 | 2014-09-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle and control method for vehicle |
JP2014202186A (ja) * | 2013-04-09 | 2014-10-27 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
-
1999
- 1999-11-19 JP JP32988899A patent/JP2001140663A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP5725037B2 (ja) * | 2010-12-24 | 2015-05-27 | トヨタ自動車株式会社 | 車両および車両用制御方法 |
JP2014095298A (ja) * | 2012-11-07 | 2014-05-22 | Denso Corp | バルブタイミング調整装置 |
JP2014202186A (ja) * | 2013-04-09 | 2014-10-27 | 株式会社デンソー | バルブタイミング調整装置 |
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