JP2001140194A - キャストコート紙 - Google Patents
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- JP2001140194A JP2001140194A JP31362999A JP31362999A JP2001140194A JP 2001140194 A JP2001140194 A JP 2001140194A JP 31362999 A JP31362999 A JP 31362999A JP 31362999 A JP31362999 A JP 31362999A JP 2001140194 A JP2001140194 A JP 2001140194A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】嵩が高く低密度であり、剛度が高く紙器などの
用途に適した軽量なシートで、さらにキャスト紙として
の品質と生産性を向上させたことを可能とする嵩高なキ
ャストコート紙を提供することにある。 【解決手段】シート上に顔料および接着剤を主成分とす
る被覆組成物を塗被し、加熱ドラム面に圧接して光沢仕
上げするキャストコート紙において、該シートが、多層
抄合せ構造をとり、その抄合せ層数が3層以上で、シー
ト全体の坪量が90〜600g/m2、その密度が0.
50〜0.75g/cm3であり、最外層の坪量が15
〜100g/m2、その密度が0.60〜0.90g/
cm3であり、中層の密度が0.20〜0.60g/c
m3であるキャストコート紙。該シートの透気度が、J
Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて測定
した透気度で1500秒以下であるキャストコート紙。
該シートが、J Tappi 紙パルプ試験法No.1
9で測定した層間強度で0.6〜1.5g・cmである
キャストコート紙。
用途に適した軽量なシートで、さらにキャスト紙として
の品質と生産性を向上させたことを可能とする嵩高なキ
ャストコート紙を提供することにある。 【解決手段】シート上に顔料および接着剤を主成分とす
る被覆組成物を塗被し、加熱ドラム面に圧接して光沢仕
上げするキャストコート紙において、該シートが、多層
抄合せ構造をとり、その抄合せ層数が3層以上で、シー
ト全体の坪量が90〜600g/m2、その密度が0.
50〜0.75g/cm3であり、最外層の坪量が15
〜100g/m2、その密度が0.60〜0.90g/
cm3であり、中層の密度が0.20〜0.60g/c
m3であるキャストコート紙。該シートの透気度が、J
Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて測定
した透気度で1500秒以下であるキャストコート紙。
該シートが、J Tappi 紙パルプ試験法No.1
9で測定した層間強度で0.6〜1.5g・cmである
キャストコート紙。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度の平滑性、光沢
性、印刷適性を備えた軽量キャストコート紙に関するも
のである。さらに詳しくは、原紙を嵩高にして密度を下
げ、空隙を設けて通気性を上げ、キャスト処理の作業性
を向上させるとともに、鏡面ロールとの密着性を上げ、
平滑性と鏡面感を向上させ、かつ嵩高な原紙使用によっ
て同一米坪のシートより厚くし剛度向上させて結果とし
て軽量化を可能としたキャストコート紙に関するもので
ある。
性、印刷適性を備えた軽量キャストコート紙に関するも
のである。さらに詳しくは、原紙を嵩高にして密度を下
げ、空隙を設けて通気性を上げ、キャスト処理の作業性
を向上させるとともに、鏡面ロールとの密着性を上げ、
平滑性と鏡面感を向上させ、かつ嵩高な原紙使用によっ
て同一米坪のシートより厚くし剛度向上させて結果とし
て軽量化を可能としたキャストコート紙に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】キャストコート紙は、高い平滑性、光沢
性を持った最高級の塗工印刷用紙として位置付けられ、
多色刷の美術印刷、雑誌表紙、レコードジャケット、マ
ッチ箱などに用いられている。これらの印刷用途の他、
高級手提げ袋、化粧品・アクセサリー類・洋菓子用の箱
等の包装用にも広く使用されており、それぞれの用途に
適した品質が付与されている。中でも雑誌や包装に使用
される場合、充分な紙力強度のほか、一般紙と同様シー
トの軽量化が求められている。しかし、キャストコート
紙は一般の紙・板紙もしくはその表面にアンダーコート
層を設けたシートにキャストコート塗料、あるいは湿潤
剤を塗工して、湿潤状態にある塗工層が加熱した鏡面ロ
ールに圧着され鏡面ロールの金属面の平滑性をうつしと
って、高い平滑性と光沢性を付与されて製造されるが、
高い平滑性、表面性を持たせるため塗工量が片面15〜
30g/m2と比較的多く、普通のコート紙同様に原紙
坪量が増すにつれて塗工量も増加するため、軽量化する
ことは難しかった。
性を持った最高級の塗工印刷用紙として位置付けられ、
多色刷の美術印刷、雑誌表紙、レコードジャケット、マ
ッチ箱などに用いられている。これらの印刷用途の他、
高級手提げ袋、化粧品・アクセサリー類・洋菓子用の箱
等の包装用にも広く使用されており、それぞれの用途に
適した品質が付与されている。中でも雑誌や包装に使用
される場合、充分な紙力強度のほか、一般紙と同様シー
トの軽量化が求められている。しかし、キャストコート
紙は一般の紙・板紙もしくはその表面にアンダーコート
層を設けたシートにキャストコート塗料、あるいは湿潤
剤を塗工して、湿潤状態にある塗工層が加熱した鏡面ロ
ールに圧着され鏡面ロールの金属面の平滑性をうつしと
って、高い平滑性と光沢性を付与されて製造されるが、
高い平滑性、表面性を持たせるため塗工量が片面15〜
30g/m2と比較的多く、普通のコート紙同様に原紙
坪量が増すにつれて塗工量も増加するため、軽量化する
ことは難しかった。
【0003】また包装紙器箱の用途では重量が200g
/m2以上では紙器箱としての強度が確立されるが、原
紙重量が上がると、加熱鏡面で加圧してキャスト処理を
施す場合、塗被液の水分が、加熱による水蒸気化後に紙
層を貫通しにくくなり、生産性を落とすばかりでなく、
裏面の平滑が著しく低下するなどの問題があった。そこ
で、これまでにも乾燥効率の向上を目的とし、原紙の透
気性を向上させることにより乾燥効率を高めるといった
提案がなされている(例えば、特開昭56−26094
及び特開平3−193995が公報)が、これらの方法
では、その塗工量が10〜30g/m2と多く、蒸発さ
せる水分量も多いことと、紙器箱用の米坪の高い、たと
えば200g/m2以上のシートにおいては剛度を高め
る手段がないため、省資源、ゴミ低減が重要視される現
在、今までの原紙密度で軽量化すると紙厚さが確保され
ないため、剛度の低い紙器箱となり、所望する軽量化が
果たされず、剛度を維持して軽量化を果たし、かつ、キ
ャスト処理が効率的に行われる原紙とは、なり得ない。
そのため、キャスト品質と生産性の両立を果たす原紙が
必要とされていた。従来、密度約0.7g/cm3、坪
量60g/m2以上の原紙が使用されているが、この密
度の原紙を使用して軽量化すると以下の問題がある。例
えば、原紙坪量を100g/m2から40g/m2にし、
アンダーコート層塗工量を10g/m2、キャストコー
ト層塗工量を25g/m2をにした場合、得られたキャ
ストコート紙は75g/m2になり、約40%軽量化さ
れる。しかし、現在の原紙を使用して坪量を落とした場
合、腰が弱くなり、また厚さも減るため、印刷を行う際
に裏抜けや紙詰まり等の作業性上難点が生じるなどの問
題である。
/m2以上では紙器箱としての強度が確立されるが、原
紙重量が上がると、加熱鏡面で加圧してキャスト処理を
施す場合、塗被液の水分が、加熱による水蒸気化後に紙
層を貫通しにくくなり、生産性を落とすばかりでなく、
裏面の平滑が著しく低下するなどの問題があった。そこ
で、これまでにも乾燥効率の向上を目的とし、原紙の透
気性を向上させることにより乾燥効率を高めるといった
提案がなされている(例えば、特開昭56−26094
及び特開平3−193995が公報)が、これらの方法
では、その塗工量が10〜30g/m2と多く、蒸発さ
せる水分量も多いことと、紙器箱用の米坪の高い、たと
えば200g/m2以上のシートにおいては剛度を高め
る手段がないため、省資源、ゴミ低減が重要視される現
在、今までの原紙密度で軽量化すると紙厚さが確保され
ないため、剛度の低い紙器箱となり、所望する軽量化が
果たされず、剛度を維持して軽量化を果たし、かつ、キ
ャスト処理が効率的に行われる原紙とは、なり得ない。
そのため、キャスト品質と生産性の両立を果たす原紙が
必要とされていた。従来、密度約0.7g/cm3、坪
量60g/m2以上の原紙が使用されているが、この密
度の原紙を使用して軽量化すると以下の問題がある。例
えば、原紙坪量を100g/m2から40g/m2にし、
アンダーコート層塗工量を10g/m2、キャストコー
ト層塗工量を25g/m2をにした場合、得られたキャ
ストコート紙は75g/m2になり、約40%軽量化さ
れる。しかし、現在の原紙を使用して坪量を落とした場
合、腰が弱くなり、また厚さも減るため、印刷を行う際
に裏抜けや紙詰まり等の作業性上難点が生じるなどの問
題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、嵩が
高く低密度であり、剛度が高く紙器などの用途に適した
軽量なシートで、さらにキャスト紙としての品質と生産
性を向上させたことを可能とする嵩高なキャストコート
紙を提供することにある。
高く低密度であり、剛度が高く紙器などの用途に適した
軽量なシートで、さらにキャスト紙としての品質と生産
性を向上させたことを可能とする嵩高なキャストコート
紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、多層抄き合わ
せした板紙を使用して、かつ、それらのシートの各層の
密度を最適化することで、嵩高な構造を作り、剛度を維
持し、さらに通気性を上げて、キャストコート紙の軽量
化を果たした上で鏡面感、平滑感を上げ、生産性を向上
させ得るために具体的には以下の構成をとる。 1.シート上に顔料及び接着剤を主成分とする被覆組成
物を塗被し、加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするキ
ャストコート紙において、該シートが、多層抄合せ構造
をとり、その抄合せ層数が3層以上で、シート全体の坪
量が90〜600g/m2、その密度が0.50〜0.
75g/cm3であり、最外層の坪量が15〜100g
/m2、その密度が0.60〜0.90g/cm3であ
り、中層の密度が0.20〜0.60g/cm3である
ことを特徴とするキャストコート紙。 2.該キャストコート紙に使用する該シートの透気度
が、J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じ
て測定した透気度で1500秒以下であることを特徴と
する前述1.記載のキャストコート紙。 3.キャストコート紙に使用するシートが、J Tap
pi 紙パルプ試験法No.19で測定した層間強度で
0.6〜1.5g・cmであることを特徴とする前述1
〜2の1項記載のキャストコート紙である。
せした板紙を使用して、かつ、それらのシートの各層の
密度を最適化することで、嵩高な構造を作り、剛度を維
持し、さらに通気性を上げて、キャストコート紙の軽量
化を果たした上で鏡面感、平滑感を上げ、生産性を向上
させ得るために具体的には以下の構成をとる。 1.シート上に顔料及び接着剤を主成分とする被覆組成
物を塗被し、加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするキ
ャストコート紙において、該シートが、多層抄合せ構造
をとり、その抄合せ層数が3層以上で、シート全体の坪
量が90〜600g/m2、その密度が0.50〜0.
75g/cm3であり、最外層の坪量が15〜100g
/m2、その密度が0.60〜0.90g/cm3であ
り、中層の密度が0.20〜0.60g/cm3である
ことを特徴とするキャストコート紙。 2.該キャストコート紙に使用する該シートの透気度
が、J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じ
て測定した透気度で1500秒以下であることを特徴と
する前述1.記載のキャストコート紙。 3.キャストコート紙に使用するシートが、J Tap
pi 紙パルプ試験法No.19で測定した層間強度で
0.6〜1.5g・cmであることを特徴とする前述1
〜2の1項記載のキャストコート紙である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、シート上に顔料及び接
着剤を主成分とする塗被紙用被覆組成物を塗被し、加熱
ドラム面に圧接して光沢仕上げするキャスト塗被紙にお
いて、そのシートの剛度を発現し軽量化することと、
キャスト処理する際の生産性と品質を向上させるため
に、以下の方法をとる。すなわち、そのシートが抄紙機
の複数のワイヤーパートから抄きあげた多層のシートを
乾燥して得られるものであり、その層数が3層以上で、
坪量が90〜600g/m2、仕上げた板紙全体の密度
が0.5〜0.75g/cm3とする。このような密度
で嵩高であり剛度の高いキャスト塗被紙用のシートを得
るためには、中層は密度が0.2〜0.6g/cm3と
低くして、嵩を得るための層として形成し、この中層に
接して外層として形成される紙層の密度を0.6〜0.
9g/cm3と高くして形成することにより中層に形成
された低密度層のヤング率の低下を外層の高密度層を加
えることにより補完するとともに、サンドイッチ構造を
作ることでの剛度の高いシートを得ることができるも
のである。
着剤を主成分とする塗被紙用被覆組成物を塗被し、加熱
ドラム面に圧接して光沢仕上げするキャスト塗被紙にお
いて、そのシートの剛度を発現し軽量化することと、
キャスト処理する際の生産性と品質を向上させるため
に、以下の方法をとる。すなわち、そのシートが抄紙機
の複数のワイヤーパートから抄きあげた多層のシートを
乾燥して得られるものであり、その層数が3層以上で、
坪量が90〜600g/m2、仕上げた板紙全体の密度
が0.5〜0.75g/cm3とする。このような密度
で嵩高であり剛度の高いキャスト塗被紙用のシートを得
るためには、中層は密度が0.2〜0.6g/cm3と
低くして、嵩を得るための層として形成し、この中層に
接して外層として形成される紙層の密度を0.6〜0.
9g/cm3と高くして形成することにより中層に形成
された低密度層のヤング率の低下を外層の高密度層を加
えることにより補完するとともに、サンドイッチ構造を
作ることでの剛度の高いシートを得ることができるも
のである。
【0007】これらのサンドイッチ構造で示す、外層と
は中層よりも外側に位置する層であり中層と実質的に接
しているかあるいは別の層を介して外側に位置している
層であり、最外層に存在する層を指す。これらのサンド
イッチ構造は低い密度の中層を、それより高い密度の外
層で補完するように構成されていればよく、つまり、低
密度な中層以外の層はすべて外層である構成である。
は中層よりも外側に位置する層であり中層と実質的に接
しているかあるいは別の層を介して外側に位置している
層であり、最外層に存在する層を指す。これらのサンド
イッチ構造は低い密度の中層を、それより高い密度の外
層で補完するように構成されていればよく、つまり、低
密度な中層以外の層はすべて外層である構成である。
【0008】シートの剛度Sはシートを片持ち梁と考え
たとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、
(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・c
m2、B:試料巾mm、W:試料質量kg、T:試料厚
さmm)で示され、剛度Sはヤング率とシート厚さの3
乗に比例すると考えることができる。
たとき、S=E・I/B・W=E・T3/12・W、
(E:ヤング率MPa、I:断面二次モーメントN・c
m2、B:試料巾mm、W:試料質量kg、T:試料厚
さmm)で示され、剛度Sはヤング率とシート厚さの3
乗に比例すると考えることができる。
【0009】さらに板紙のような積層構造のシートの剛
度は、Tappi Nov、1963、Vol.46、
No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の
式を用いて、それぞれの層のヤング率と断面二次モーメ
ントから、各層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の
和で全層の剛度値が求められるとしている。この考え方
に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠いほど、すな
わち紙厚さが厚いほど剛度がでるので、中層は嵩高にす
れば良い。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示
されるのでヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果
的である。
度は、Tappi Nov、1963、Vol.46、
No.11のA.T.Lueyによると、同様に前述の
式を用いて、それぞれの層のヤング率と断面二次モーメ
ントから、各層の剛度値を求め、それら各層の剛度値の
和で全層の剛度値が求められるとしている。この考え方
に基づけば、紙の厚さ中心からの距離が遠いほど、すな
わち紙厚さが厚いほど剛度がでるので、中層は嵩高にす
れば良い。また、剛度は厚さの3乗とヤング率の積で示
されるのでヤング率は外層ほど高い方が剛度向上に効果
的である。
【0010】このことから、中層の密度は0.2〜0.
6g/cm3であることが必要である。0.2g/cm3
未満にしようとすると後で述べる層間強度の低下が激し
く、0.6g/cm3を越えると目的とする最終的な嵩
高板紙の密度を得ることができない。さらに好ましい中
層の密度は0.3〜0.5g/cm3である。外層に形
成する紙層の密度は、0.6〜0.9g/cm3であ
る。0.6g/cm3未満であるとヤング率の低下を招
き、剛度の向上が期待できない。一方、外層の密度は高
い方がヤング率向上という意味では良いが、抄紙段階で
0.9g/cm3を越える密度を得ることは実質的に困
難であるのが現状である。
6g/cm3であることが必要である。0.2g/cm3
未満にしようとすると後で述べる層間強度の低下が激し
く、0.6g/cm3を越えると目的とする最終的な嵩
高板紙の密度を得ることができない。さらに好ましい中
層の密度は0.3〜0.5g/cm3である。外層に形
成する紙層の密度は、0.6〜0.9g/cm3であ
る。0.6g/cm3未満であるとヤング率の低下を招
き、剛度の向上が期待できない。一方、外層の密度は高
い方がヤング率向上という意味では良いが、抄紙段階で
0.9g/cm3を越える密度を得ることは実質的に困
難であるのが現状である。
【0011】このように、剛度を向上させるため、中層
のいずれの側にも外層を形成し、さらに外層のヤング率
を上げることが好ましいが、外層の一方の面のみ、密
度、ヤング率を高くした外層を設け、その外層のみの高
密度化で全体の密度が上昇することを抑止する方法も可
能である。この方法により、もう一方の面では密度、ヤ
ング率は上げずに、全体の厚さを薄くすることなく、剛
性とヤング率をバランスさせてなお、操業性を改善する
こともできる。ただし、いずれの外層も密度、ヤング率
を高くした場合に比べ、剛度向上の程度は小さくなる。
のいずれの側にも外層を形成し、さらに外層のヤング率
を上げることが好ましいが、外層の一方の面のみ、密
度、ヤング率を高くした外層を設け、その外層のみの高
密度化で全体の密度が上昇することを抑止する方法も可
能である。この方法により、もう一方の面では密度、ヤ
ング率は上げずに、全体の厚さを薄くすることなく、剛
性とヤング率をバランスさせてなお、操業性を改善する
こともできる。ただし、いずれの外層も密度、ヤング率
を高くした場合に比べ、剛度向上の程度は小さくなる。
【0012】さらに、上記キャスト処理する際の生産
性と品質を向上させるための考え方として、通気性の特
性値である透気度を特定の数値範囲にする必要がある。
すなわち、キャストコート法においては、湿潤塗工層を
鏡面仕上げの金属面に圧着し乾燥するため、塗工層中の
水分は原紙層を通過して反対側に抜けさせる必要があ
る。乾燥効率の向上のため、原紙シートの透気性を向上
させれば良いが、前述したように低米坪で達成できる通
気性が、米坪を上げて行ったとき、たとえば200g/
m2以上では著しく通気性が悪くなるため、キャストコ
ート紙に使用するシートの透気度を、J Tappi
紙パルプ試験方法No.5に準じて測定した透気度で1
500秒以下にする。即ち、キャストコート法において
は、湿潤塗工層を鏡面仕上げの金属面に圧着した状態で
乾燥する必要があるため、塗工層中の水分は原紙層を通
過して反対側に抜け蒸発しなければならない。従って、
1500秒を越えると通気性が悪く乾燥効率が極めて劣
るので、低速度で生産しなくてはならず、生産性が劣
る。しかしながら、通気性を単に良化させれば良いので
はない。すなわち良好な通気性を維持して、かつ、コー
ト原紙としての平滑性と原紙の層間強度を保持していな
いと、キャスト紙としての鏡面感、平滑性、光沢が劣る
こととなる。さらに層間強度が低いと、製造時に塗工層
の一部が鏡面仕上げの金属面に取られたり、紙層の層間
内で剥離をおこしたり、いわゆるドラムピックが発生す
る。これらを抑止するために結局キャストコート紙の生
産性を下げざるを得ない。そこで、鋭意検討した結果、
ベースシートを多層抄きとし、さらにパルプ配合により
各層の密度をコントロールして機能分化させて、通気性
と平滑性、層間強度を両立させれば、高度の平滑性、光
沢性、印刷適性を備え、キャスト処理の作業性を向上さ
せることが可能となる。その方法は前述したようにシー
トを多層構造の積層体として構成するのである。
性と品質を向上させるための考え方として、通気性の特
性値である透気度を特定の数値範囲にする必要がある。
すなわち、キャストコート法においては、湿潤塗工層を
鏡面仕上げの金属面に圧着し乾燥するため、塗工層中の
水分は原紙層を通過して反対側に抜けさせる必要があ
る。乾燥効率の向上のため、原紙シートの透気性を向上
させれば良いが、前述したように低米坪で達成できる通
気性が、米坪を上げて行ったとき、たとえば200g/
m2以上では著しく通気性が悪くなるため、キャストコ
ート紙に使用するシートの透気度を、J Tappi
紙パルプ試験方法No.5に準じて測定した透気度で1
500秒以下にする。即ち、キャストコート法において
は、湿潤塗工層を鏡面仕上げの金属面に圧着した状態で
乾燥する必要があるため、塗工層中の水分は原紙層を通
過して反対側に抜け蒸発しなければならない。従って、
1500秒を越えると通気性が悪く乾燥効率が極めて劣
るので、低速度で生産しなくてはならず、生産性が劣
る。しかしながら、通気性を単に良化させれば良いので
はない。すなわち良好な通気性を維持して、かつ、コー
ト原紙としての平滑性と原紙の層間強度を保持していな
いと、キャスト紙としての鏡面感、平滑性、光沢が劣る
こととなる。さらに層間強度が低いと、製造時に塗工層
の一部が鏡面仕上げの金属面に取られたり、紙層の層間
内で剥離をおこしたり、いわゆるドラムピックが発生す
る。これらを抑止するために結局キャストコート紙の生
産性を下げざるを得ない。そこで、鋭意検討した結果、
ベースシートを多層抄きとし、さらにパルプ配合により
各層の密度をコントロールして機能分化させて、通気性
と平滑性、層間強度を両立させれば、高度の平滑性、光
沢性、印刷適性を備え、キャスト処理の作業性を向上さ
せることが可能となる。その方法は前述したようにシー
トを多層構造の積層体として構成するのである。
【0013】外層に用いる密度を高くするパルプとして
は、特段の制約はなく、どの種類のパルプを選択しても
構わないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉
樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないように
し、前述したキャスト紙の生産性向上を目的として、通
気性の特性値である透気度を1500秒以下にするため
には、最外層の坪量は15〜100g/m2であること
が必要である。すなわち15g/m2未満であると抄紙
できないか、出来ても高ヤング率発現の効果は小さい。
一方100g/m2を越えると相対的に中層の坪量が減
り、嵩高な構造ができにくく、緻密構造の外層が多いた
めに通気性能が悪くなるからである。
は、特段の制約はなく、どの種類のパルプを選択しても
構わないが、NUKP、NBKP、などのN材(針葉
樹)パルプの叩解度を高くして剛度を失わないように
し、前述したキャスト紙の生産性向上を目的として、通
気性の特性値である透気度を1500秒以下にするため
には、最外層の坪量は15〜100g/m2であること
が必要である。すなわち15g/m2未満であると抄紙
できないか、出来ても高ヤング率発現の効果は小さい。
一方100g/m2を越えると相対的に中層の坪量が減
り、嵩高な構造ができにくく、緻密構造の外層が多いた
めに通気性能が悪くなるからである。
【0014】板紙の製造方法として、一般には約10ス
テーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m
2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを展開してウエ
ットシートを形成する。例えばまず最外層に位置する外
層を形成するワイヤーパートに40g/m2程度のパル
プ層を形成して脱水したのち毛布に転移させる。次に中
層も同様に別のワイヤーパートで紙層を形成し毛布に乗
った最外層を重ね合わせて2層を形成する。この2層を
さらに別のワイヤーパートで形成した紙層に重ね合わせ
る手法を繰り返し、最後にもう一方の最外層を形成し、
全体で10層程度の多層抄き板紙を得る。
テーション程度の複数のワイヤーパート上に数十g/m
2の乾燥米坪に対応するパルプスラリーを展開してウエ
ットシートを形成する。例えばまず最外層に位置する外
層を形成するワイヤーパートに40g/m2程度のパル
プ層を形成して脱水したのち毛布に転移させる。次に中
層も同様に別のワイヤーパートで紙層を形成し毛布に乗
った最外層を重ね合わせて2層を形成する。この2層を
さらに別のワイヤーパートで形成した紙層に重ね合わせ
る手法を繰り返し、最後にもう一方の最外層を形成し、
全体で10層程度の多層抄き板紙を得る。
【0015】ワイヤーパート上ではパルプスラリーの濃
度は、当初0.5質量%程度であるがワイヤー上で脱水
されて10質量%程度の濃度にまで上昇しウエットシー
トとなる。このウエットシートを毛布で取り次のワイヤ
ーパートで形成されたウエットシートを重ねあわせる。
このような工程を複数回繰り返して、一体となったウエ
ットシートをプレスパートに導入し複数のプレスロール
で粗脱水する。多層の抄きあわせ紙では、その層間強度
を効率的に強くするために、湿紙状態で抄きあわせてい
く。
度は、当初0.5質量%程度であるがワイヤー上で脱水
されて10質量%程度の濃度にまで上昇しウエットシー
トとなる。このウエットシートを毛布で取り次のワイヤ
ーパートで形成されたウエットシートを重ねあわせる。
このような工程を複数回繰り返して、一体となったウエ
ットシートをプレスパートに導入し複数のプレスロール
で粗脱水する。多層の抄きあわせ紙では、その層間強度
を効率的に強くするために、湿紙状態で抄きあわせてい
く。
【0016】キャスト処理される際に塗工層は再湿潤さ
れるが、塗工層の水分が原紙層を貫通して通過していく
場合の通気抵抗としての透気度は、塗工される前の原紙
層としての数値として把握されるべきである。正木栄一
らによる1970年の印刷局研究所報告、No2、37
にあるように、塗工層は、毛細管半径が原紙層より一桁
小さく、空隙の確率密度値も塗工層は紙単独のシートの
1/3程度であるため、紙シートより通気性がはるかに
低い、このため塗工層の存在下では、それぞれの紙シー
トの特性値は把握できないのである。そのため、ウェッ
トキャスト法、ゲル化キャスト法等の様にあらかじめ、
抄造完成した塗工原紙に塗料を塗工後キャストドラム面
で乾燥しながらキャスト処理を行う場合は、塗工前の原
紙の透気度物性が把握できるものの、塗工後、塗料が一
旦、乾燥された後に、塗工層を再湿潤可塑化するリウェ
ットキャスト法のように、紙塗工前の原紙が得られない
場合は、キャスト処理前の塗工紙の塗工層を剥離した
後、透気度を測定する必要がある。
れるが、塗工層の水分が原紙層を貫通して通過していく
場合の通気抵抗としての透気度は、塗工される前の原紙
層としての数値として把握されるべきである。正木栄一
らによる1970年の印刷局研究所報告、No2、37
にあるように、塗工層は、毛細管半径が原紙層より一桁
小さく、空隙の確率密度値も塗工層は紙単独のシートの
1/3程度であるため、紙シートより通気性がはるかに
低い、このため塗工層の存在下では、それぞれの紙シー
トの特性値は把握できないのである。そのため、ウェッ
トキャスト法、ゲル化キャスト法等の様にあらかじめ、
抄造完成した塗工原紙に塗料を塗工後キャストドラム面
で乾燥しながらキャスト処理を行う場合は、塗工前の原
紙の透気度物性が把握できるものの、塗工後、塗料が一
旦、乾燥された後に、塗工層を再湿潤可塑化するリウェ
ットキャスト法のように、紙塗工前の原紙が得られない
場合は、キャスト処理前の塗工紙の塗工層を剥離した
後、透気度を測定する必要がある。
【0017】多層抄合わせシート試料をJIS−P−8
139記載の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法によ
る層間剥離方法で塗工層を含んだオモテ層と中層の層間
を剥離し測定する。各層の剥離が困難なときは、多層抄
合わせシート試料を60℃の温水に1時間含漬した上で
剥ぎ取る。塗工層を剥ぎ取った残りの原紙層を手抄きシ
ート乾燥時に使用する乾燥フレームで挟み、100℃の
乾燥機内で乾燥させ、さらに65%RH、20℃で調湿
しJ Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて
王研式透気度測定機で測定する。この時の透気度が15
00秒以内であれば塗工前のシートの透気度が1500
秒以下であったと推定できる。これらの測定法による透
気度が1500秒を超えると通気性が悪い特性がキャス
ト処理前に把握できる。キャスト処理時における、前述
のような膨れ状態発生や、密度アップの現象がキャスト
処理前の抄紙後の管理で把握できるのである。一方、密
度アップや層間剥離を抑止するため、これらの対応以外
に、パルプフリーネスを一定の範囲内にするような制御
を行うと、通気性を維持して高度の平滑性、光沢性、印
刷適性を備え、キャスト処理の作業性を向上させること
も可能である。
139記載の板紙の抄き合わせ層の剥離強さ試験法によ
る層間剥離方法で塗工層を含んだオモテ層と中層の層間
を剥離し測定する。各層の剥離が困難なときは、多層抄
合わせシート試料を60℃の温水に1時間含漬した上で
剥ぎ取る。塗工層を剥ぎ取った残りの原紙層を手抄きシ
ート乾燥時に使用する乾燥フレームで挟み、100℃の
乾燥機内で乾燥させ、さらに65%RH、20℃で調湿
しJ Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて
王研式透気度測定機で測定する。この時の透気度が15
00秒以内であれば塗工前のシートの透気度が1500
秒以下であったと推定できる。これらの測定法による透
気度が1500秒を超えると通気性が悪い特性がキャス
ト処理前に把握できる。キャスト処理時における、前述
のような膨れ状態発生や、密度アップの現象がキャスト
処理前の抄紙後の管理で把握できるのである。一方、密
度アップや層間剥離を抑止するため、これらの対応以外
に、パルプフリーネスを一定の範囲内にするような制御
を行うと、通気性を維持して高度の平滑性、光沢性、印
刷適性を備え、キャスト処理の作業性を向上させること
も可能である。
【0018】本発明のキャストコート紙は、基本的に低
密度の中層と高密度の外層から構成すればよいが、使用
用途によってはその外層のいずれか一方あるいは両方に
塗工層を形成して良好な印刷性を得ることができる。塗
工層に用いられる顔料としては炭酸カルシウムやカオリ
ン・クレー、タルク、酸化チタン、プラスチックピグメ
ントなどがあり、結着剤してはSBRラテックスや澱
粉、カゼイン、ポバール、など既知のものが使用でき
る。またその塗工量は全体で20〜30g/m2程度で
あり、これらを単層であるいは2層で形成することがで
きる。この塗工層を直接中層を構成するパルプ層に形成
することもできるが、得られる平滑性が低く印刷適性も
劣る場合が多く、普通、外層として密度の高いパルプ層
を形成した上に塗工層を形成するものである。また、こ
れら塗工層直下の中層に対して外層となる層には叩解度
を高めて平滑化した紙層とする方が好ましいが、この場
合はもう一方の外層坪量を低減して通気性の透気度値を
さらに低減するよう設計する必要がある。
密度の中層と高密度の外層から構成すればよいが、使用
用途によってはその外層のいずれか一方あるいは両方に
塗工層を形成して良好な印刷性を得ることができる。塗
工層に用いられる顔料としては炭酸カルシウムやカオリ
ン・クレー、タルク、酸化チタン、プラスチックピグメ
ントなどがあり、結着剤してはSBRラテックスや澱
粉、カゼイン、ポバール、など既知のものが使用でき
る。またその塗工量は全体で20〜30g/m2程度で
あり、これらを単層であるいは2層で形成することがで
きる。この塗工層を直接中層を構成するパルプ層に形成
することもできるが、得られる平滑性が低く印刷適性も
劣る場合が多く、普通、外層として密度の高いパルプ層
を形成した上に塗工層を形成するものである。また、こ
れら塗工層直下の中層に対して外層となる層には叩解度
を高めて平滑化した紙層とする方が好ましいが、この場
合はもう一方の外層坪量を低減して通気性の透気度値を
さらに低減するよう設計する必要がある。
【0019】外層のパルプフリーネスは、板紙として製
造後その外層を剥離して、負荷をかけずに解繊離解した
パルプスラリーのフリーネスが350〜750mlcs
fであることが好ましい。フリーネスとして350ml
csf未満であると外層としての密度は容易にえられる
が原紙トータルでの透気度が1500秒を越えることと
なり、通気性が劣る。これを避けるためには、極端に製
造速度を落とすなどの対応が必要であり現実的でない。
一方、750mlcsfを超えると透気度は小さくでき
るが、得られた剛性と表面平滑性が低くなる。
造後その外層を剥離して、負荷をかけずに解繊離解した
パルプスラリーのフリーネスが350〜750mlcs
fであることが好ましい。フリーネスとして350ml
csf未満であると外層としての密度は容易にえられる
が原紙トータルでの透気度が1500秒を越えることと
なり、通気性が劣る。これを避けるためには、極端に製
造速度を落とすなどの対応が必要であり現実的でない。
一方、750mlcsfを超えると透気度は小さくでき
るが、得られた剛性と表面平滑性が低くなる。
【0020】中層に用いるパルプは、その低密度性を発
揮するためにマーセル化パルプや、カールドフアイバー
などの出来上がったパルプを化学処理で低密度化特性を
付与したパルプと、TMP、CTMPのような機械パル
プ、一部化学処理した機械パルプあるいは、数平均パル
プ繊維長が1.0mm以下の画分が9.0質量%以下の
パルプなどがあるが、マーセル化パルプやカールドフイ
バーは高価であったりその供給量が制限されたりするた
め大量に用いるのは好ましくなく、機械パルプがもっと
も好ましい。さらに、機械パルプには、一般にN材を単
に機械力で破砕したのち離解したものであり、GP、T
MP、RGP等があるが、TMPが好ましい。中でもラ
ジアータパインやサザンパイン、ダグラスフアーなどの
木材から得られたものが、繊維が剛直で変形しにくく紙
層を形成した際、低密度になる傾向が顕著で、プレス時
の密度低下が少ないため特に好ましい。また、機械破砕
する際に化学薬品を添加する方法や、パルプ化したのち
漂白する工程をへるパルプも本発明の範疇にはいる。
揮するためにマーセル化パルプや、カールドフアイバー
などの出来上がったパルプを化学処理で低密度化特性を
付与したパルプと、TMP、CTMPのような機械パル
プ、一部化学処理した機械パルプあるいは、数平均パル
プ繊維長が1.0mm以下の画分が9.0質量%以下の
パルプなどがあるが、マーセル化パルプやカールドフイ
バーは高価であったりその供給量が制限されたりするた
め大量に用いるのは好ましくなく、機械パルプがもっと
も好ましい。さらに、機械パルプには、一般にN材を単
に機械力で破砕したのち離解したものであり、GP、T
MP、RGP等があるが、TMPが好ましい。中でもラ
ジアータパインやサザンパイン、ダグラスフアーなどの
木材から得られたものが、繊維が剛直で変形しにくく紙
層を形成した際、低密度になる傾向が顕著で、プレス時
の密度低下が少ないため特に好ましい。また、機械破砕
する際に化学薬品を添加する方法や、パルプ化したのち
漂白する工程をへるパルプも本発明の範疇にはいる。
【0021】さらに、本発明の課題として、層間強度の
問題がある。一般に上記機械パルプを使用した場合、必
要なインターナルボンドテスターによって測定される層
間強度は0.6〜1.5Kg−cmであり、さらに好ま
しくは0.7〜0.9kg−cm程度である。0.6未
満であると紙器として用いた場合、印刷時、特にタック
の強い印刷インキでベタ印刷する場合に中層で層間剥離
を起こし、部分的に膨れを生じたり、製函機を高速で通
過したり、集積される際に紙器のエッジ部を起点として
剥離する場合があり好ましくない。一方1.5kg−c
mを越えると強度は充分であるが、ヤング率が極端に高
くなり、罫割れやロール状に巻とるのが困難になる場合
があるため好ましくない。
問題がある。一般に上記機械パルプを使用した場合、必
要なインターナルボンドテスターによって測定される層
間強度は0.6〜1.5Kg−cmであり、さらに好ま
しくは0.7〜0.9kg−cm程度である。0.6未
満であると紙器として用いた場合、印刷時、特にタック
の強い印刷インキでベタ印刷する場合に中層で層間剥離
を起こし、部分的に膨れを生じたり、製函機を高速で通
過したり、集積される際に紙器のエッジ部を起点として
剥離する場合があり好ましくない。一方1.5kg−c
mを越えると強度は充分であるが、ヤング率が極端に高
くなり、罫割れやロール状に巻とるのが困難になる場合
があるため好ましくない。
【0022】多層で抄紙する板紙にはその層間強度を強
くするために一般にデンプン粒子の分散水溶液を各層間
にスプレーして粒子としてのせ、乾燥ゾーンで含有する
水分とともに加熱して糊化する方法がある。本発明では
特に中層の低密度層の層間強度が低下する傾向にあるた
め使用するデンプンは糊化温度が45〜70℃であるも
のを使用することが好ましい。糊化温度が45℃未満で
あると夏場に分散液の温度があがり、デンプン分散液自
体が糊化するため好ましくなく。70℃を越えると、紙
中に残るデンプン粒子の糊化が完全に起こらず粒子のま
ま残存するため層間強度の向上に寄与することができな
くなるため好ましくない。
くするために一般にデンプン粒子の分散水溶液を各層間
にスプレーして粒子としてのせ、乾燥ゾーンで含有する
水分とともに加熱して糊化する方法がある。本発明では
特に中層の低密度層の層間強度が低下する傾向にあるた
め使用するデンプンは糊化温度が45〜70℃であるも
のを使用することが好ましい。糊化温度が45℃未満で
あると夏場に分散液の温度があがり、デンプン分散液自
体が糊化するため好ましくなく。70℃を越えると、紙
中に残るデンプン粒子の糊化が完全に起こらず粒子のま
ま残存するため層間強度の向上に寄与することができな
くなるため好ましくない。
【0023】さらに、中層には、上記機械パルプを主体
とする材料を使用するべきであるが、汎用の雑誌古紙や
新聞古紙などを配合して密度を任意に調整することによ
り、機械パルプの使用量を低減してコストと得られる密
度のバランスを任意に設定することができる。古紙を配
合する際にも、剛直なパルプからできたものを使用する
ほど低密度のものをえることができる。また、使用する
パルプの樹種のルンケル比は1.2以上であることが特
に好ましい。ルンケル比は繊維の直径を樹種皮膜の厚み
で除した値であり、ルンケル比が大きいほど堅くて太
く、低い密度の中層を形成することができる。
とする材料を使用するべきであるが、汎用の雑誌古紙や
新聞古紙などを配合して密度を任意に調整することによ
り、機械パルプの使用量を低減してコストと得られる密
度のバランスを任意に設定することができる。古紙を配
合する際にも、剛直なパルプからできたものを使用する
ほど低密度のものをえることができる。また、使用する
パルプの樹種のルンケル比は1.2以上であることが特
に好ましい。ルンケル比は繊維の直径を樹種皮膜の厚み
で除した値であり、ルンケル比が大きいほど堅くて太
く、低い密度の中層を形成することができる。
【0024】紙料中には必要に応じて、本発明の嵩高板
紙の品質を損なわない範囲で、一般抄紙用の填料、サイ
ズ剤、歩留り向上剤、紙力増強剤などを添加することが
できる。そして抄紙機のpHも酸性抄紙の4.5付近か
ら中性抄紙の6〜8程度の範囲とすることが可能であ
る。また、各種のコーターを設置して塗工することもで
きる。紙の表面あるいは中間にスプレーするもの、ある
いは内填で添加するものはポリビニルアルコールやラテ
ックス、アルキルケテンダイマー系、無水マレイン酸
系、スチレンアクリル酸系、スチレンアクリル系などの
各種サイズ剤、顔料、染料などを塗布あるいは含浸する
ことも可能である。抄紙機も一般に多層で抄きあげるも
のであればよく、円網多層、長網多層、などの抄紙機を
適宜使用できる。
紙の品質を損なわない範囲で、一般抄紙用の填料、サイ
ズ剤、歩留り向上剤、紙力増強剤などを添加することが
できる。そして抄紙機のpHも酸性抄紙の4.5付近か
ら中性抄紙の6〜8程度の範囲とすることが可能であ
る。また、各種のコーターを設置して塗工することもで
きる。紙の表面あるいは中間にスプレーするもの、ある
いは内填で添加するものはポリビニルアルコールやラテ
ックス、アルキルケテンダイマー系、無水マレイン酸
系、スチレンアクリル酸系、スチレンアクリル系などの
各種サイズ剤、顔料、染料などを塗布あるいは含浸する
ことも可能である。抄紙機も一般に多層で抄きあげるも
のであればよく、円網多層、長網多層、などの抄紙機を
適宜使用できる。
【0025】本発明のキャストコート紙の米坪は90〜
600g/m2であり、汎用としては150〜450g
/m2程度のキャストコート紙であり、剛度を高めるこ
とにより100g/m2以上も米坪を低減することが可
能なキャストコート紙である。
600g/m2であり、汎用としては150〜450g
/m2程度のキャストコート紙であり、剛度を高めるこ
とにより100g/m2以上も米坪を低減することが可
能なキャストコート紙である。
【0026】このシートは密度を下げて、嵩高にしたた
め、従来のシートに比べ同一重量でも厚くでき、剛度が
向上し、強い紙器箱が製造できる。また、従来のシート
と同一厚さのシートでは、密度が低い分、軽量化できる
ため、より軽いキャストコート紙の製造も可能となる。
め、従来のシートに比べ同一重量でも厚くでき、剛度が
向上し、強い紙器箱が製造できる。また、従来のシート
と同一厚さのシートでは、密度が低い分、軽量化できる
ため、より軽いキャストコート紙の製造も可能となる。
【0027】本発明に使用される内添薬品は特に限定さ
れるものではないが、通常使用されている各種のアニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留まり
向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等が適宜選択して使用さ
れる。
れるものではないが、通常使用されている各種のアニオ
ン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留まり
向上剤、紙力増強剤、サイズ剤等が適宜選択して使用さ
れる。
【0028】具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤
としては、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオ
ン性、アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミ
ンおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリア
ミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミンおよびその誘
導体、カチオン性および両性澱粉、酸化澱粉、カボキシ
メチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親
水性のポリマー粒子等の有機系化合物、および硫酸バン
ド、アルミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩
化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のア
ルミ化合物、さらに硫酸第一鉄、塩化第二鉄あるいはコ
ロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適
宜組み合わせて使用する。
としては、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオ
ン性、アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミ
ンおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリア
ミン、ポリアミド、ポリアミドポリアミンおよびその誘
導体、カチオン性および両性澱粉、酸化澱粉、カボキシ
メチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコール、尿素
−ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親
水性のポリマー粒子等の有機系化合物、および硫酸バン
ド、アルミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩
化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のア
ルミ化合物、さらに硫酸第一鉄、塩化第二鉄あるいはコ
ロイダルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物等を適
宜組み合わせて使用する。
【0029】サイズ剤としては、酸性抄紙用サイズ剤と
してロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性抄紙
用サイズ剤としアルキルケテンダイマー系サイズ剤、ア
ルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の各種サイズ剤を挙
げることができる。そして、発泡性粒子を混合したパル
プスラリー中には一般に公知である填料、例えばタル
ク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重
質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アル
ミノ珪酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料やポリスチレ
ン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等も
適宜選択して併用が可能である。さらに、染料、pH調
整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙
用添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。また、サイ
ズプレス、ゲートロール等の塗工方法にてシートの表面
に澱粉、ポリビニルアルコール、各種表面サイズ剤、顔
料等を塗布することも可能である。
してロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、中性抄紙
用サイズ剤としアルキルケテンダイマー系サイズ剤、ア
ルケニル無水コハク酸系サイズ剤等の各種サイズ剤を挙
げることができる。そして、発泡性粒子を混合したパル
プスラリー中には一般に公知である填料、例えばタル
ク、カオリン、焼成カオリン、クレー、ケイソウ土、重
質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、二酸化チタン、硫酸マグネシウム、シリカ、アル
ミノ珪酸塩、ベントナイト等の鉱物質填料やポリスチレ
ン粒子、尿素ホルマリン樹脂粒子等の有機合成填料等も
適宜選択して併用が可能である。さらに、染料、pH調
整剤、スライムコントロール剤、消泡剤、粘剤等の抄紙
用添加助剤も用途に応じて適宜使用できる。また、サイ
ズプレス、ゲートロール等の塗工方法にてシートの表面
に澱粉、ポリビニルアルコール、各種表面サイズ剤、顔
料等を塗布することも可能である。
【0030】以上の構成原料を主原料とし、通常の抄紙
マシーンにてシート化する。まず、抄紙工程のワイヤー
パートを経てシート状とした後、プレスパートにより脱
水し、ドライヤーパートにより乾燥処理をするが、その
後に、必要であればアンダーコート塗料を原紙に塗工し
て、平滑性を上げることも可能である。
マシーンにてシート化する。まず、抄紙工程のワイヤー
パートを経てシート状とした後、プレスパートにより脱
水し、ドライヤーパートにより乾燥処理をするが、その
後に、必要であればアンダーコート塗料を原紙に塗工し
て、平滑性を上げることも可能である。
【0031】アンダーコート塗料は、鉱物質顔料と接着
剤および助剤からなる。顔料は天然物ではカオリン、重
質炭酸カルシウム、蝋石クレー等があり、合成物では軽
質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、
プラスチックピグメント等がある。接着剤は主に水溶性
高分子である各種の変性デンプン、カゼイン、カルボキ
シメチルセルロース(CMC)、各種たんぱく類、ポリ
ビニルアルコール等と、スチレン・ブタジェン共重合ラ
テックス(SBR)、メタルメタクリレート・ブタジェ
ン共重合ラテックス等の共重合体ラテックスがある。そ
の他として、分散剤、耐水化剤、保水剤染料等が挙げら
れ、これらを混合分散して塗料とする。
剤および助剤からなる。顔料は天然物ではカオリン、重
質炭酸カルシウム、蝋石クレー等があり、合成物では軽
質炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、
プラスチックピグメント等がある。接着剤は主に水溶性
高分子である各種の変性デンプン、カゼイン、カルボキ
シメチルセルロース(CMC)、各種たんぱく類、ポリ
ビニルアルコール等と、スチレン・ブタジェン共重合ラ
テックス(SBR)、メタルメタクリレート・ブタジェ
ン共重合ラテックス等の共重合体ラテックスがある。そ
の他として、分散剤、耐水化剤、保水剤染料等が挙げら
れ、これらを混合分散して塗料とする。
【0032】アンダーコート塗料の塗工量は乾燥状態で
約5〜20g/m2程度が好ましい。また、平滑性をよ
り高くする場合には、アンダーコート剤塗工後にカレン
ダー処理を施しても良く、その場合には線圧25〜10
0kg/cmの範囲で処理を行うことが好ましい。キャ
ストコート塗料は、主に鉱物質顔料と接着剤からなり、
その他に凝固剤、離型剤、染料等を添加し分散、混合す
る。使用される顔料、接着剤としは上述のアンダーコー
ト塗料と同様のものが使用可能である。また、離型剤と
しては、オレイン酸マグネシウム、ステアリン酸アンモ
ニウム等の不溶性または可溶性石鹸類、動物性、植物性
の油脂類、合成樹脂エマルジョン、アルキルケテンダイ
マー、アルキルフォスフェート等が挙げられる。
約5〜20g/m2程度が好ましい。また、平滑性をよ
り高くする場合には、アンダーコート剤塗工後にカレン
ダー処理を施しても良く、その場合には線圧25〜10
0kg/cmの範囲で処理を行うことが好ましい。キャ
ストコート塗料は、主に鉱物質顔料と接着剤からなり、
その他に凝固剤、離型剤、染料等を添加し分散、混合す
る。使用される顔料、接着剤としは上述のアンダーコー
ト塗料と同様のものが使用可能である。また、離型剤と
しては、オレイン酸マグネシウム、ステアリン酸アンモ
ニウム等の不溶性または可溶性石鹸類、動物性、植物性
の油脂類、合成樹脂エマルジョン、アルキルケテンダイ
マー、アルキルフォスフェート等が挙げられる。
【0033】その他、凝固剤には蟻酸、クロトン酸、イ
タコン酸、アクリル酸等の有機酸、蟻酸カルシウム、塩
化カルシウム等の電解質等、塗膜中の接着成分を固化さ
せる如何なる凝固剤も使用することができる。このキャ
ストコート塗料を塗工量(乾燥状態)15〜30g/m
2の範囲で適宜選択して、各種コーティング法により原
紙に塗工する。すなわち、塗料がまだ湿潤状態にあるう
ちに直接または若干の乾燥処理を施した後に、加熱され
たキャストドラムの鏡面に圧着して乾燥する直接法ある
いは半直接法、塗工後に凝固作用のある水溶液(酸また
は電解質の水溶液等)に塗膜を接触させてゲル化し、キ
ャストドラムに圧着し乾燥する凝固法、塗工後にいった
ん乾燥後、必要に応じて仕上げ処理を行い、水または湿
潤剤などの水溶液を塗付して塗膜面を膨潤させてキャス
トドラムに圧着する再湿潤法等である。
タコン酸、アクリル酸等の有機酸、蟻酸カルシウム、塩
化カルシウム等の電解質等、塗膜中の接着成分を固化さ
せる如何なる凝固剤も使用することができる。このキャ
ストコート塗料を塗工量(乾燥状態)15〜30g/m
2の範囲で適宜選択して、各種コーティング法により原
紙に塗工する。すなわち、塗料がまだ湿潤状態にあるう
ちに直接または若干の乾燥処理を施した後に、加熱され
たキャストドラムの鏡面に圧着して乾燥する直接法ある
いは半直接法、塗工後に凝固作用のある水溶液(酸また
は電解質の水溶液等)に塗膜を接触させてゲル化し、キ
ャストドラムに圧着し乾燥する凝固法、塗工後にいった
ん乾燥後、必要に応じて仕上げ処理を行い、水または湿
潤剤などの水溶液を塗付して塗膜面を膨潤させてキャス
トドラムに圧着する再湿潤法等である。
【0034】また、キャストコート紙は過度に乾燥され
ることが多く、コート処理後に大気中で吸湿することに
より著しくカールする場合があるので、通常は裏面に水
を塗布したり、加湿処理を施す処置がなされる。さら
に、用途にもよるが、裏面に一般の塗工紙と同様の塗工
が施されているものもある。
ることが多く、コート処理後に大気中で吸湿することに
より著しくカールする場合があるので、通常は裏面に水
を塗布したり、加湿処理を施す処置がなされる。さら
に、用途にもよるが、裏面に一般の塗工紙と同様の塗工
が施されているものもある。
【0035】
【実施例】以下の実施例により本発明を詳細に説明する
が、もちろん本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、以下において、配合量、濃度、
塗布量などを示す数値は、固形分または、有効成分の質
量基準の数値である。 実施例1 熊谷理機工業製の配向性抄紙機を用い、ワイヤースピー
ド300m/minで熊谷理機工業製のパルプ叩解機を
用いて以下の〜の三種類のパルプをそれぞれ叩解
し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄き合わせる際
に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子コーンスター
チの澱粉ONL510を澱粉濃度2.0%として霧吹き
スプレーで固型分付着量が1.0g/m2となるように
スプレーした後、抄き合わせる。市販NBKP、45
0mlcsf、40g/m2、ラジアータパインTM
P350mlcsf、170g/m2、市販NBKP
450mlcsf、40g/m2。さらに由利ロール機
械のキャレンダーのエア圧制御で、ニップ圧を10kg
/cmとして、30m/minのスピードで抄き合わせ
た湿紙状のシートを敷島カンバス製のモノプラスチック
カンバスシートに挟み加圧処理する。その後、フエロタ
イプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。
さらにその後20℃・65%RHで調湿し、由利ロール
機械のキャレンダーでニップ圧を20kg/cmとし
て、20m/minのスピードでキャレンダー処理して
塗工前の原紙シートを得る。その後20℃・65%RH
で調湿し、坪量、厚さ、密度とZ強度を測定する。
が、もちろん本発明はこれらの実施例によって限定され
るものではない。なお、以下において、配合量、濃度、
塗布量などを示す数値は、固形分または、有効成分の質
量基準の数値である。 実施例1 熊谷理機工業製の配向性抄紙機を用い、ワイヤースピー
ド300m/minで熊谷理機工業製のパルプ叩解機を
用いて以下の〜の三種類のパルプをそれぞれ叩解
し、順次、抄紙し、抄き合わせていく。抄き合わせる際
に、各層の表側(フェルトサイド)へ王子コーンスター
チの澱粉ONL510を澱粉濃度2.0%として霧吹き
スプレーで固型分付着量が1.0g/m2となるように
スプレーした後、抄き合わせる。市販NBKP、45
0mlcsf、40g/m2、ラジアータパインTM
P350mlcsf、170g/m2、市販NBKP
450mlcsf、40g/m2。さらに由利ロール機
械のキャレンダーのエア圧制御で、ニップ圧を10kg
/cmとして、30m/minのスピードで抄き合わせ
た湿紙状のシートを敷島カンバス製のモノプラスチック
カンバスシートに挟み加圧処理する。その後、フエロタ
イプの円筒加熱ドライヤー型乾燥機を用いて乾燥する。
さらにその後20℃・65%RHで調湿し、由利ロール
機械のキャレンダーでニップ圧を20kg/cmとし
て、20m/minのスピードでキャレンダー処理して
塗工前の原紙シートを得る。その後20℃・65%RH
で調湿し、坪量、厚さ、密度とZ強度を測定する。
【0036】この塗工原紙シートにアンダーコート塗料
を下塗りした。即ち、炭酸カルシウム80部、変性デン
プン11部および、分散剤0.5部(アロンT6330
東亜合成化学社製)、消泡剤0.2部(フォーマスター
APサンノプコ社製)をカウレス分散機にて混合撹拌
し、これにスチレンブタジェン共重合ラテックス8部、
ぬれ剤0.08部を加えて十分に撹拌して、塗量の固形
分が40%になるように調整したアンダーコート塗料を
メタリングバー方式で15g/m2塗工した。その後、
線圧50kgf/cmでスーパーカレンダー処理を行っ
た。また、塗工用クレー(アンシレックス93EMC社
製)75部、炭酸カルシウム(ソフトン2200、白石
カルシウム社製)20部、二酸化チタン(W−10、石
原産業社製)5部、ピロリン酸ソーダ0.5部を35部
の水とともにニーダー中で混合撹拌し、スラリーを作
る。別に溶解した15%濃度のカゼイン溶液(カゼイン
純分に対し1.5%の苛性ソーダの存在下に60±1℃
で0.5時間撹拌溶解したもの)13部(固形分とし
て)を上記スラリーに加え、次いでスチレン・ブタジェ
ン共重合ラテックス17部(固形分として)を混合して
十分撹拌したのち、オレイン酸アンモニウム0.25部
を添加し、最終的に塗料の固形分濃度が40%になるよ
うに調整した。この塗料の粘度は900mPa・s(ブ
ルックフィールド粘度計60rpm、20℃)で、pH
は7.2であった。この塗料を前述のアンダーコート剤
を塗工した原紙に乾燥重量25g/m2になるようにメ
タリングバー方式で塗工し、次いで赤外線予備加熱機に
より塗膜の固形分濃度を52%になるまで乾燥し、次い
で0.5%蟻酸水溶液と接触させ、表面温度が内部加熱
方式により110℃に保たれているキャストドラム表面
に圧着し、密着状態のまま乾燥した。得られた塗工紙の
水分は4%であった。
を下塗りした。即ち、炭酸カルシウム80部、変性デン
プン11部および、分散剤0.5部(アロンT6330
東亜合成化学社製)、消泡剤0.2部(フォーマスター
APサンノプコ社製)をカウレス分散機にて混合撹拌
し、これにスチレンブタジェン共重合ラテックス8部、
ぬれ剤0.08部を加えて十分に撹拌して、塗量の固形
分が40%になるように調整したアンダーコート塗料を
メタリングバー方式で15g/m2塗工した。その後、
線圧50kgf/cmでスーパーカレンダー処理を行っ
た。また、塗工用クレー(アンシレックス93EMC社
製)75部、炭酸カルシウム(ソフトン2200、白石
カルシウム社製)20部、二酸化チタン(W−10、石
原産業社製)5部、ピロリン酸ソーダ0.5部を35部
の水とともにニーダー中で混合撹拌し、スラリーを作
る。別に溶解した15%濃度のカゼイン溶液(カゼイン
純分に対し1.5%の苛性ソーダの存在下に60±1℃
で0.5時間撹拌溶解したもの)13部(固形分とし
て)を上記スラリーに加え、次いでスチレン・ブタジェ
ン共重合ラテックス17部(固形分として)を混合して
十分撹拌したのち、オレイン酸アンモニウム0.25部
を添加し、最終的に塗料の固形分濃度が40%になるよ
うに調整した。この塗料の粘度は900mPa・s(ブ
ルックフィールド粘度計60rpm、20℃)で、pH
は7.2であった。この塗料を前述のアンダーコート剤
を塗工した原紙に乾燥重量25g/m2になるようにメ
タリングバー方式で塗工し、次いで赤外線予備加熱機に
より塗膜の固形分濃度を52%になるまで乾燥し、次い
で0.5%蟻酸水溶液と接触させ、表面温度が内部加熱
方式により110℃に保たれているキャストドラム表面
に圧着し、密着状態のまま乾燥した。得られた塗工紙の
水分は4%であった。
【0037】実施例2 原紙の配合が市販NBKP、450mlcsf、40
g/m2、カールドファイバー(CF)650mlc
sf、130g/m2、市販NBKP450mlcs
f、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の
条件でキャストコート加工を行った。
g/m2、カールドファイバー(CF)650mlc
sf、130g/m2、市販NBKP450mlcs
f、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の
条件でキャストコート加工を行った。
【0038】実施例3 原紙の配合が市販NBKP、450mlcsf、40
g/m2、マーセル化パルプ(MP)550mlcs
f、130g/m2、市販NBKP450mlcs
f、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の
条件でキャストコート加工を行った。
g/m2、マーセル化パルプ(MP)550mlcs
f、130g/m2、市販NBKP450mlcs
f、30g/m2としたこと以外は、実施例1と同様の
条件でキャストコート加工を行った。
【0039】比較例1 原紙の配合が市販NBKP、450mlcsf/市販
LBKP、400mlcsf=50/50配合として、
抄き合わせしない一層抄きとして坪量を200g/m2
としたこと以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
LBKP、400mlcsf=50/50配合として、
抄き合わせしない一層抄きとして坪量を200g/m2
としたこと以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
【0040】比較例2 原紙の配合が市販NBKP、450mlcsf/市販
LBKP、400mlcsf=20/80配合として抄
き合わせしない一層抄きとして坪量を200g/m2と
し、原紙作製後のキャレンダー処理を行わずに塗工原紙
を得る。それ以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
LBKP、400mlcsf=20/80配合として抄
き合わせしない一層抄きとして坪量を200g/m2と
し、原紙作製後のキャレンダー処理を行わずに塗工原紙
を得る。それ以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
【0041】比較例3 原紙の配合が市販NBKP、450mlcsf/市販
LBKP、400mlcsf=50/50配合として、
抄き合わせしない一層抄きとして坪量を400g/m2
としたこと以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
LBKP、400mlcsf=50/50配合として、
抄き合わせしない一層抄きとして坪量を400g/m2
としたこと以外の他の条件は、実施例1と同様の条件
で、キャストコート加工を行った。
【0042】上記の実施例1〜3、比較例1〜3につい
ての紙質を表1に示した。各紙質評価の測定法は以下の
方法によった。 1.原紙透気度(塗布前):塗料を塗布する前の段階で
J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて旭
精工社製の王研式平滑透気度測定装置を用いて測定し
た。 2.原紙透気度(塗工層剥離後):塗料塗布後キャスト
処理前の塗工紙をJIS−P−8139記載の板紙の抄
き合わせ層の剥離強さ試験法による層間剥離方法で、塗
工層を含んだオモテ層と中層の層間を剥離し測定する。
多層抄合わせシート試料を60℃の温水に1時間含漬し
た上で剥ぎ取る。塗工層を剥ぎ取った残りの原紙層を手
抄きシート乾燥時に使用する乾燥フレームで挟み、10
0℃の乾燥機内で乾燥させ、さらに65%RH、20℃
で調湿し、J Tappi 紙パルプ試験方法No.5
に準じて王研式透気度測定機で測定する。 3.剛度(テーバー剛度):熊谷理機工業社製のテーバ
ー剛度試験機により、CD、繊維方向の剛度をJIS−
P−8125によって測定した。 4.王研平滑度:キャスト処理後に調湿した試料を旭精
工社製の王研式平滑透気度測定装置を用いて平滑度測定
した。測定値は測定時間20秒後の値を採用した。 5.光沢度:JIS−P−8142による角度75度で
村上色彩技術研究所の光沢度計を用いて測定した。
ての紙質を表1に示した。各紙質評価の測定法は以下の
方法によった。 1.原紙透気度(塗布前):塗料を塗布する前の段階で
J Tappi 紙パルプ試験方法No.5に準じて旭
精工社製の王研式平滑透気度測定装置を用いて測定し
た。 2.原紙透気度(塗工層剥離後):塗料塗布後キャスト
処理前の塗工紙をJIS−P−8139記載の板紙の抄
き合わせ層の剥離強さ試験法による層間剥離方法で、塗
工層を含んだオモテ層と中層の層間を剥離し測定する。
多層抄合わせシート試料を60℃の温水に1時間含漬し
た上で剥ぎ取る。塗工層を剥ぎ取った残りの原紙層を手
抄きシート乾燥時に使用する乾燥フレームで挟み、10
0℃の乾燥機内で乾燥させ、さらに65%RH、20℃
で調湿し、J Tappi 紙パルプ試験方法No.5
に準じて王研式透気度測定機で測定する。 3.剛度(テーバー剛度):熊谷理機工業社製のテーバ
ー剛度試験機により、CD、繊維方向の剛度をJIS−
P−8125によって測定した。 4.王研平滑度:キャスト処理後に調湿した試料を旭精
工社製の王研式平滑透気度測定装置を用いて平滑度測定
した。測定値は測定時間20秒後の値を採用した。 5.光沢度:JIS−P−8142による角度75度で
村上色彩技術研究所の光沢度計を用いて測定した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】以上に述べた方法により製造されたキャ
ストコート紙は、嵩高で低密度な原紙を用いることで、
より軽量化され、また剛度が上がることで一般紙器箱へ
の利用範囲が増えるとともに、通気性が出ることからキ
ャスト処理での湿潤した塗工面乾燥性が向上し、鏡面
感、平滑感、作業性が増したシート生産性良好なキャス
トコート紙を得ることが出来る。
ストコート紙は、嵩高で低密度な原紙を用いることで、
より軽量化され、また剛度が上がることで一般紙器箱へ
の利用範囲が増えるとともに、通気性が出ることからキ
ャスト処理での湿潤した塗工面乾燥性が向上し、鏡面
感、平滑感、作業性が増したシート生産性良好なキャス
トコート紙を得ることが出来る。
Claims (3)
- 【請求項1】シート上に顔料および接着剤を主成分とす
る被覆組成物を塗被し、加熱ドラム面に圧接して光沢仕
上げするキャストコート紙において、該シートが、多層
抄合せ構造をとり、その抄合せ層数が3層以上で、シー
ト全体の坪量が90〜600g/m2、その密度が0.
50〜0.75g/cm3であり、最外層の坪量が15
〜100g/m2、その密度が0.60〜0.90g/
cm3であり、中層の密度が0.20〜0.60g/c
m3であることを特徴とするキャストコート紙。 - 【請求項2】該キャストコート紙に使用する該シートの
透気度が、J Tappi 紙パルプ試験方法No.5
に準じて測定した透気度で1500秒以下であることを
特徴とする請求項1記載のキャストコート紙。 - 【請求項3】該キャストコート紙に使用する該シート
が、J Tappi 紙パルプ試験法No.19で測定
した層間強度で0.6〜1.5g・cmであることを特
徴とする請求項1または2記載のキャストコート紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31362999A JP2001140194A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | キャストコート紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31362999A JP2001140194A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | キャストコート紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001140194A true JP2001140194A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18043631
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31362999A Pending JP2001140194A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | キャストコート紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001140194A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027244A (ja) * | 2004-07-22 | 2006-02-02 | Dainippon Printing Co Ltd | 金属蒸着紙およびその製造方法 |
JP2010261109A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Daio Paper Corp | 多層抄き板紙 |
-
1999
- 1999-11-04 JP JP31362999A patent/JP2001140194A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006027244A (ja) * | 2004-07-22 | 2006-02-02 | Dainippon Printing Co Ltd | 金属蒸着紙およびその製造方法 |
JP2010261109A (ja) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Daio Paper Corp | 多層抄き板紙 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060106 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080416 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080422 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080916 |