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JP2001139525A - 光学活性フルオレン誘導体、それを含む液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

光学活性フルオレン誘導体、それを含む液晶組成物および液晶表示素子

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Publication number
JP2001139525A
JP2001139525A JP2000234763A JP2000234763A JP2001139525A JP 2001139525 A JP2001139525 A JP 2001139525A JP 2000234763 A JP2000234763 A JP 2000234763A JP 2000234763 A JP2000234763 A JP 2000234763A JP 2001139525 A JP2001139525 A JP 2001139525A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
phenylene
general formula
compound
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000234763A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuji Harufuji
龍士 春藤
Junichi Inagaki
順一 稲垣
Hiromichi Inoue
博道 井上
Eiji Okabe
英二 岡部
Hideo Saito
秀雄 齊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP2000234763A priority Critical patent/JP2001139525A/ja
Publication of JP2001139525A publication Critical patent/JP2001139525A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液晶表示素子、特に反強誘電性液晶表示素子
に好適に使用できる、新規な光学活性化合物を提供す
る。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1はアルキル基であり、これらの基中に存在
する−CH2−基はそれぞれ独立に−O−、−CO−O
−、−C≡C−若しくは−CH=CH−で置き換えられ
てもよく、R2はアルキル基であり、アルキル鎖末端の
−CH3は−CF3若しくは−CH2Fで置き換えられて
もよく、A1は−CH2−、−CF2−または−CO−で
あり、A2は1,4−フェニレンまたは1個あるいは2個
以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl、Br若しく
はトリフルオロメチル基で置換された1,4−フェニレ
ンであり、A3はアルキル基又はフッ化アルキル基であ
り、A4は単結合、−O−または−COO−であり、X
は−COO−、−CH2O−または−OCH2−であり、
mは0から10の整数であり、C*は不斉炭素を示す)
で表される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子、特
に反強誘電性液晶表示素子に好適に使用できる、新規な
光学活性化合物およびそれを使用してなる液晶組成物、
並びにこの液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶は表示装置用材料として広く用いら
れている。多くの液晶表示素子はネマチック液晶を用い
た表示方式であるツィステッドネマチック方式(TN方
式)、ツイスト角を200°以上にしたスーパーツイス
テッドネマチック方式(STN方式)、各画素にスイッ
チング素子として薄膜トランジスター(TFT)等を用
いるアクティブマトリックス方式である。これらの液晶
表示素子は電気光学応答速度の面から、陰極線管(CR
T)を用いる表示に比べ劣っている。一方、反強誘電性
液晶を用いた表示素子はネマチック液晶を用いた表示素
子に比べ高速応答、広視野角であるなど優れていること
から、CRTでの動画表示並みのレベルを達成できる技
術として最近盛んに研究され、その開発が試みられてい
る。
【0003】反強誘電相は、2つの強誘電状態と1つの
反強誘電状態の3つの安定状態を示し、この3状態スイ
ッチングを表示に利用する。この3状態スイッチングの
特徴は、反強誘電相と強誘電相との転移の際に、急峻な
しきい値特性と幅の広い光学的ヒステリシスを示すこと
である(A. D. L.チャンダニら, ジャーナル・オブ・
アプライド・フィジックス,27巻,No.5,L729頁,19
88年)。この特徴と単純マトリクス方式との組み合わせ
により広い視野角と高いコントラストを兼ね備えた表示
が可能である。
【0004】また、最近では、しきい値を持たない無し
きい値反強誘電性液晶(乾ら、J.Mater.Chem.,6
(4),671頁,1996年)が開発された。これらの液晶は
V字状の光学応答を示し、TFTなどのアクティブマト
リクス方式との組み合わせにより、単純マトリクス方式
では難しい階調表示が容易な表示素子が実現できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】3安定の反強誘電性液
晶を表示素子に使用する場合、動作温度範囲が室温付近
を含む幅広い範囲であること、しきい値電圧が低いこと
などの特性を満たさなければならない。無しきい値反強
誘電性液晶の場合は明確なしきい値がなく、V字状の光
学応答を示し、ヒステリシスの少ない液晶材料が必要で
ある。また一般的な液晶化合物と同じように光、熱など
に対しての安定性、良好な相溶性なども必要である。
【0006】
【課題を解決する手段】上記の条件を満たした反強誘電
性液晶化合物を見出すべく鋭意研究を行い以下の発明を
完成した。すなわち、本発明者らは、分子骨格中に少な
くとも1個のフルオレン−2,7−ジイル基、フルオレ
ノン−2,7−ジイル基または9,9−ジフルオロフルオ
レン−2,7−ジイル基などのフルオレン骨格を持ち、
コア構造と光学活性基との連結基がエステル結合である
置換フルオレン誘導体の中に反強誘電性液晶組成物の構
成成分として好適に用いることができる化合物を見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0007】尚、フルオレン骨格構造を有する強誘電性
液晶化合物のいくつかは公知であり、例えば、高頭ら
(Mol. Cryst. Liq. Cryst.,183B,339頁,1990年)
により化合物[FL1]が報告されている。しかしなが
ら、[FL1]は光学活性基部分がエーテル結合であ
り、本発明の化合物との構造上の類似性は極めて小さ
い。またこれらの化合物は反強誘電性液晶への使用を意
図したものではない。
【0008】
【化2】
【0009】本発明は光学活性化合物(第1〜第9発
明)、それを含有する液晶組成物(第10発明)、並び
にその液晶組成物を用いた液晶表示素子(第11発明)
からなる。
【0010】本発明の第1は、下記一般式(1)で表さ
れるフルオレン骨格を有する光学活性化合物に関する。
【化3】 (式中、R1は直鎖状または分岐状の炭素数3から20
のアルキル基であり、これらの基中に存在する1個の−
CH2−若しくは隣接していない2個の−CH2−はそれ
ぞれ独立に−O−、−CO−O−、−C≡C−若しくは
−CH=CH−で置き換えられてもよく、R2は直鎖状
または分岐状の炭素数1から10のアルキル基であり、
アルキル鎖末端の−CH3は−CF3若しくは−CH2
で置き換えられてもよく、A1は−CH2−、−CF2
または−CO−であり、A2は1,4−フェニレンまたは
1個あるいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、
Cl、Br若しくはトリフルオロメチル基で置換された
1,4−フェニレンであり、A3は−CH3、−CFH2
−CF2H、−CF3、−CH2CH3、−CH2CF3、−
CF2CH3または−CF2CF3であり、A4は単結合、
−O−または−COO−であり、Xは−COO−、−C
2O−または−OCH2−であり、mは0から10の整
数であり、C*は不斉炭素を示す。)
【0011】本発明の第2は、式(1)において、A1
が−CH2−である場合である。本発明の第3および第
4は、式(1)において、A1が−CH2−であり、且
つ、A2が1,4−フェニレンであるか(第3)、または
1個あるいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、
Cl若しくはトリフルオロメチル基で置換された1,4
−フェニレンである場合(第4)である。本発明の第5
および第6は、式(1)において、A1が−CO−また
は−CF2−であり、A2が1,4−フェニレンであるか
(第5)または1個あるいは2個以上の水素原子がそれ
ぞれ独立にF、Cl、Br若しくはトリフルオロメチル
基で置換された1,4−フェニレンである場合(第6)
である。本発明の第7〜9は、式(1)において、R1
が直鎖状の炭素数3から20のアルキル基であり、これ
らの基中に存在する1個の−CH2−若しくは隣接して
いない2個の−CH2−は−O−で置き換えられてもよ
く、R2は直鎖状の炭素数1から10のアルキル基であ
り、A1は−CH2−であり、A2は1,4−フェニレンま
たは1個あるいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立に
F、Cl、Br若しくはトリフルオロメチル基で置換さ
れた1,4−フェニレンであり、A3は−CH 3または−
CF3であり、A4は単結合または−O−であり、Xは−
COO−であるか(第7)、−CH2O−であるか(第
8)または−OCH2−である場合(第9)である。本
発明の第10は、第1〜第9発明に記載のいずれかの化
合物を少なくとも1種含有する液晶組成物である。本発
明の第11は、第1〜第9発明に記載のいずれかの化合
物を少なくとも1種含有する液晶組成物を用いて構成さ
れた液晶素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】一般式(1)のA2として好まし
い基を以下に例示する。
【0013】
【化4】
【0014】一般式(1)で表される化合物としては具
体的には以下の5種の構造(1−1)、(1−2)、
(1−3)、(1−4)および(1−5)が好ましい。
【0015】
【化5】
【0016】さらに、A2まで限定すると以下に示す2
7種の化合物が特に好ましい。
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】これらの式において、R1は炭素数3から
20のアルキル基またはアルコキシル基が好ましいが、
より好ましくは炭素数5〜16の直鎖状のアルキル基ま
たはアルコキシル基である。具体的にはアルキル基とし
て、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニ
ル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシルが好ましい。具
体的なアルコキシル基としてペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキ
シ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキ
シ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデ
シルオキシ、ヘキサデシルオキシが好ましい。
【0021】本発明の化合物の光学活性基はコア構造と
の連結にエステル結合により結合している。従って光学
活性部の製造にはR体またはS体の光学活性な2級アル
コールを原料に用いる。光学活性アルコールは一般式
(2)で表すことができる。
【0022】
【化9】
【0023】一般式(2)で表されるアルコールは、R
2が直鎖状または分岐状の炭素数1から10のアルキル
基であり、アルキル鎖末端の−CH3は−CF3若しくは
−CH2Fで置き換えられてもよく、A3が−CH3、−
CFH2、−CF2H、−CF3、−CH2CH3、−CH2
CF3、−CF2CH3または−CF2CF3であり、A4
単結合、−O−または−COO−を示し、mが0から1
0の整数であり、C*が不斉炭素を示す。
【0024】一般式(2)で表されるアルコールの中
で、A3が−CH3、−CFH2、−CF2H、−CF3
−CH2CH3、−CH2CF3または−CF2CF3であ
り、A4が単結合であり、R2が直鎖状の炭素数1から1
0のアルキル基であり、mが0から10の整数であるア
ルコールのほとんどは既知の化合物であり、容易に入手
することができる。例えば、1−(トリフルオロメチ
ル)−アルカノール類は、鈴木らの方法(リキッド・ク
リスタルズ,Vol.6,No.2,167頁,1989年)により製造
できる。具体的な構造を以下に示す。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】一般式(2)で表されるアルコールの中
で、A3が−CF3であり、A4が単結合であり、R2が分
岐状の炭素数1から10のアルキル基であり、mが0か
ら10の整数であるアルコールを用いて製造される一般
式(1)の化合物はチルト角を大きくすることができる
ことから重要である。このようなアルコールは特開平1
0−195004公報に記載の方法で製造することがで
きる。具体的なアルコールの構造を以下に示す。
【0028】
【化12】
【0029】一般式(2)で表される光学活性アルコー
ルにおいて、A3が−CH3または−CF3を示し、A4
−O−または−COO−を示し、R2が直鎖状の炭素数
1から10のアルキル基(アルキル鎖末端の−CH3
−CF3若しくは−CH2Fで置き換えられてもよい)を
示し、mが0から10の整数で表されるアルコールは、
特開昭64−3154号公報、特開平5−983号公
報、特開平10−139706号公報および特開平10
−87541号公報に開示されており、さらに本発明者
らもその構造を含む化合物の製造法を特開平10−24
8593号公報にて開示している。したがって、これら
の光学活性アルコールは、本発明の化合物を製造するた
めの出発原料として製造可能である。具体的な構造を以
下に示す。
【0030】
【化13】
【0031】次に本発明の化合物の製造例を示す。本発
明の一般式(1)で表される化合物は次の経路で製造す
ることができる。一般式(1−1)、(1−2)、(1
−3)、(1−4)で表される化合物を製造するには、
一般式[FL2]で表される7−置換フルオレン−2−
カルボン酸誘導体を原料として用いる。一般式[FL
2]の化合物は以下のように製造することができる。
【0032】
【化14】
【0033】一般式[FL2]で表され、R1がアルコ
キシル基を示し、A1が−CH2−で表される化合物[F
L2−1]はグレイらの方法(J.Chem. Soc., 3228ペ
ージ,1957年)を参考にして製造した。すなわち、フル
オレン(a)と塩化アセチルとのフリーデルクラフツ反
応により2−アセチルフルオレン(b)を得ることがで
きる。(b)をバイヤービリガー反応により酸化すると
2−アセトキシフルオレン(c)を得ることができる。
(c)とアセチルクロライドとのフリーデルクラフツ反
応により2−アセトキシ−7−アセチルフルオレン
(d)を得ることができる。(d)を加水分解した後、
ハロゲン化アルキルとのエーテル化反応により2−アル
コキシ−7−アセチルフルオレン(e)を得ることがで
きる。(e)を次亜臭素酸ナトリウムなどの酸化剤によ
り酸化することで7−アルコキシフルオレン−2−カル
ボン酸[FL2−1]を製造することができる。
【0034】一般式[FL2]で表される化合物の中
で、R1がアルコキシル基を示し、A1が−CO−を示す
化合物[FL2−2]は以下のように製造することがで
きる。2−アルコキシ−7−アセチルフルオレン(e)
を酸素により酸化することで2−アルコキシ−7−アセ
チルフルオレノン(f)を得ることができる。(f)を
次亜臭素酸ナトリウムなどの酸化剤により酸化すること
で7−アルコキシフルオレノン−2−カルボン酸[FL
2−2]を製造することができる。
【0035】
【化15】
【0036】一般式[FL2]で表される化合物の中
で、R1がアルキル基を示し、A1が−CH2−を示す化
合物[FL2−3]はダビソンらの方法 (Mol.Cryst.
Liq. Cryst., Vol. 129,17,1985)を参考にして製造し
た。
【0037】すなわち、フルオレン(a)とアルキルカ
ルボン酸クロリドとのフリーデルクラフツ反応により、
対応する2−アシルフルオレン(g)が得られる。
(g)をヒドラジンにより還元することで2−アルキル
フルオレン(h)を得ることができる。(h)を塩化ア
セチルとのフリーデルクラフツ反応により2−アセチル
−7−アルキルフルオレン(i)を得ることができる。
(i)を次亜臭素酸ナトリウムなどの酸化剤により酸化
することで7−アルキルフルオレン−2−カルボン酸
[FL2−3]を製造することができる。一般式[FL
2]で表される化合物の中で、R1がアルキル基を示
し、A1が−CO−を示す化合物[FL2−4]は
(i)を出発原料として[FL2−2]と同様の製造工
程により製造することができる。
【0038】
【化16】
【0039】一般式(1)で表される化合物中、(1−
1)で表される化合物は以下のようにして製造すること
ができる。すなわち、4−ヒドロキシ安息香酸誘導体の
ヒドロキシ基を適当な保護基により保護された[Ph
1](式中Pは保護基を示す)と一般式(2)で表され
る光学活性アルコールとのエステル化反応により光学活
性エステル誘導体(3)が得られる。Pがアセチル基で
ある場合、(3)をアンモニア、ジエチルアミンなどに
より脱保護(脱アセチル化)を行い対応する光学活性フ
ェノール誘導体(4)を得ることができる。(4)とフ
ルオレン酸誘導体[FL2−1]または[FL2−3]
とのエステル化反応により一般式(1−1)で表され
る化合物を製造することができる。
【0040】
【化17】
【0041】一般式(1−2)で表される化合物は以下
のようにして製造することができる。すなわち、(4)
と[FL2−2]または[FL2−4]とのエステル化
反応により製造することができる。一般式(1−3)で
表される化合物は次のようにして製造することができ
る。(1−2)を三フッ化ホウ素などのルイス酸存在
化、エタンジチオールを反応させることで対応するチオ
ケタール(5)を得ることができる。(5)をN−ヨー
ドスクシイミドまたはN−ブロモスクシイミドなどの存
在下、フッ化水素ピリジン錯体などによりフッ素化する
ことで(1−3)を製造することができる。
【0042】
【化18】
【0043】一般式(1−4)で表される化合物は以下
のようにして製造することができる。すなわち、[FL
2]を硫酸などの酸触媒の存在下、エタノールあるいは
メタノールなどによりエステル化を行い、ついで水素化
リチウムアルミニウムなどにより還元することで対応す
るアルコール(j)が得られる。(j)と光学活性フェ
ノール(4)をアゾカルボン酸ジエチル、トリフェニル
ホスフィンを用いたエーテル化反応により(1―4)を
製造することができる。
【0044】
【化19】
【0045】一般式(1−5)で表される化合物は以下
のようにして製造することができる。すなわち、(e)
を過酸化物を用いたバイヤービリガー反応により酸化
し、酸化物を加水分解することにより2−アルコキシ−
7−ヒドロキシフルオレン(k)が得られる。(k)と
特許第2511760号の方法で製造することができる
光学活性エステル(6)を水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、水素化ナトリウムなどの塩基を用いたエーテル
化反応により(1−5)を製造することができる。
【0046】
【化20】
【0047】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の化
合物をさらに詳細に説明する。なお、下記の実施例およ
び比較例において、各種の物性値の測定は次の方法で行
った。 相転移温度:試料をスライドガラスに置き、カバーガラ
スで覆ったものをホットステージに乗せ、偏向顕微鏡下
で、1℃/minで昇温して測定した。相転移においてN
はネマチック相、SAはスメクチックA相、SCはスメ
クチックC相、SC*はカイラルスメクチックC相、S
CA*は反強誘電相、 SCγ*はフェリ誘電相、SXは
未同定のスメクチック相、Isoは透明点を示す。 融点:示差走査熱量分析(DSC)を用い、1℃/min
で昇温して測定した。 光学応答:配向処理を施した、電極間隔が2μmのセル
に各組成物を注入し、Vppが20V、1kHzの矩形波
を印加したときの透過光強度の変化から測定した。 しきい値電圧:透明電極を備えたガラス基板にポリイミ
ド系配向膜を塗布した一組の基板の一方をラビング処理
してお互いに向き合わせ、電極間隔が5μmとしたセル
に液相で注入し、徐冷してSCA*相とした。反強誘電
相と強誘電相との間の転移のしきい値電圧は、この液晶
セルに50mHzの三角波を印加したときの光学応答と印
加電圧とを二現象オシロスコープで観測し、しきい値に
よって適当に定めた印加電圧の下で光学応答の変化から
測定した。
【0048】実施例1 化合物番号[4]の製造 (第1段階)フルオレン150gをジクロルメタン1L
に加えた溶液を0℃まで冷却し、無水塩化アルミニウム
126gを少しづつ加えた。つぎに塩化アセチル74g
とジクロルメタン400mlからなる溶液を滴下し、0℃
を保ちながら1時間かくはんした。反応液を氷の入った
6N塩酸1Lにそそぎ、析出した固形物を濾過により分
取した。このものを乾燥した後、トルエンを用いて再結
晶して165gの2−アセチルフルオレンを得た。(融
点:129℃)
【0049】(第2段階)2−アセチルフルオレンを1
65g、ぎ酸320g、無水酢酸120g、ジクロルメ
タン1Lからなる溶液に硫酸40mlを加え、つぎに過酸
化水素水120mlを滴下した。室温で30分かくはんし
てから、40℃まで加熱して5時間さらにかくはんし
た。水1Lを加え、ジクロルメタン層を分液し、飽和炭
酸ナトリウム水、亜硫酸水素ナトリウム水、水の順番で
洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して固形物を
得た。このものをヘプタン、酢酸エチル1:1の混合溶
媒を用いて再結晶して、2−アセトキシフルオレン14
9gを得た。(融点:130℃)
【0050】(第3段階)2−アセトキシフルオレン1
40gをジクロルメタン1Lに加えた溶液を0℃まで冷
却し、無水塩化アルミニウム189gを加え、つぎに塩
化アセチル62g、ジクロルメタン100mlからなる溶
液を滴下し、0℃を保ちながら5時間かくはんした。反
応液を6N塩酸にそそぎ込み、ジクロルメタンで抽出
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して固形物を得
た。このものをエタノール、酢酸エチルの混合溶媒を用
いて再結晶を行い143gの2−アセトキシ−7−アセ
チルフルオレンを得た。(融点:134℃)
【0051】(第4段階)2−アセトキシ−7−アセチ
ルフルオレン150g、水酸化カリウム30g、エチレ
ングルコール400ml、エタノール1L、水50mlを仕
込み、5時間還流した。エタノールを減圧蒸留により留
去し、残った溶液を6N塩酸1Lに注いだ。析出した固
形物を濾過により分取し、乾燥、酢酸を用いて再結晶
し、106gの2−アセチル−7−ヒドロキシフルオレ
ンを得た。(融点:220〜222℃)
【0052】(第5段階)2−アセチル−7−ヒドロキ
シフルオレン20g、臭化オクチル22.5g、炭酸カ
リウム18g、ジメチルホルムアミド200mlからなる
溶液を3時間還流した。反応液に6N塩酸を加え、トル
エンで抽出、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥、濃縮した。濃縮物をヘプタンを用いて再結晶を行
い26gの2−アセチル−7−オクチルオキシフルオレ
ンを得た。(相転移温度:Cr 98 SX 108.5
Iso)
【0053】(第6段階)2−アセチル−7−オクチル
オキシフルオレン10gをジオキサン180mlに一旦溶
解してから、溶液を0℃まで冷やした。そこへ水酸化ナ
トリウム18.6gを水90mlに溶かした溶液に臭素6.
6mlを加えて調製した次亜臭素酸ナトリウムを滴下し
た。ゆっくりと室温までもどして1時間かくはんしてか
ら、40℃まで温度を上げて1時間かくはんした。6N
塩酸1Lを加え析出した結晶を濾別して乾燥した。得ら
れた粗結晶を酢酸を用いて再結晶することで7−オクチ
ルオキシフルオレン−2−カルボン酸11gを得た。
(相転移温度:Cr 206.5SX 226.5 N 2
52.5 Iso)
【0054】(第7段階)4−アセトキシ−安息香酸ク
ロライド6g、R−(+)−オクタノール(光学純度99
%ee)4.1g、ピリジン20ml、トルエン50mlか
らなる溶液を3時間還流した。水を加えトルエン層を6
N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水で順次洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた
残査にメタノール50mlと30%アンモニア水5mlを加
え1時間室温でかくはんした。溶媒を留去して得られた
残査をトルエンで希釈、分液して、トルエン層を6N塩
酸、飽和炭酸ナトリウム水で順次洗浄した後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査
をトルエン/酢酸エチルを溶媒とするシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製して4−ヒドロキシ−(1−
メチルヘプタオキシカルボニル)ベンゼン4gを得た。
【0055】(第8段階)4−ヒドロキシ−(1−メチ
ルヘプタオキシカルボニル)ベンゼン1g、7−オクチ
ルオキシフルオレン−2−カルボン酸1.3gをクロロ
ホルム100mlに加えてけんだく溶液とし、そこへジシ
クロヘキシルカルボジイミド1gを加え室温で12時間
かくはんした。水を加え有機層を6N塩酸、飽和炭酸ナ
トリウムで順次洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した。溶媒を留去して得られた残査をトルエンを用いた
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さらに
アセトンで2回の再結晶して4−(1−メチルヘプタオ
キシカルボニル)フェニル=7−オクチルオキシフルオ
レン−2−カルボキシレート0.9gを得た。相転移温
度を構造式図中に記した。
【0056】実施例2 化合物番号[137]の製造 (第1段階)4−アセトキシ−2−フルオロ安息香酸6
0gに塩化チオニル60mlとジメチルホルムアミド数滴
加え、3時間還流させた後、過剰の塩化チオニルを留去
した。残査を減圧蒸留により精製して64gの4−アセ
トキシ−2−フルオロ安息香酸クロライドを得た。(沸
点:(3.99hPa)111〜115℃)
【0057】(第2段階)4−アセトキシ−2−フルオ
ロ安息香酸クロライド6g、R−(+)−6−エトキシ−
1,1,1−トリフルオロ−2−ヘキサノール(光学純度
99%ee)5g、ピリジン20ml、トルエン50nlか
らなる溶液を3時間還流した。水を加えトルエン層を6
N塩酸、飽和炭酸ナトリウム水で順次洗浄した後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた
残査にジエチルアミン50mlを加え1時間還流した。ジ
エチルアミンを留去して得られた残査をトルエンで希釈
し、このトルエン溶液を6N塩酸、飽和炭酸ナトリウム
水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去して得られた残査をトルエン/酢酸エチ
ルを溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製して4−ヒドロキシ−2−フルオロ−(1−トリフ
ルオロメチル−5−エトキシ−ペンタオキシカルボニ
ル)ベンゼン4gを得た。(融点:86〜87℃)
【0058】(第3段階)4−ヒドロキシ−2−フルオ
ロ−(1−トリフルオロメチル−5−エトキシ−ペンタ
オキシカルボニル)ベンゼン0.9g、7−オクチルオ
キシフルオレン−2−カルボン酸0.94g、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド0.7g、クロロホルム100m
lを用いて、実施例1、第8段階と同様の方法により、
0.3gの3−フルオロ−4−(1−トリフルオロメチ
ル−5−エトキシ−ペンタオキシカルボニル)フェニル
=7−オクチルオキシフルオレン−2−カルボキシレー
トを得た。相転移温度を構造式図中に記した。
【0059】実施例3 化合物番号〔16〕の製造 (第1段階)フルオレン102gをジクロルメタン1L
に加えた溶液を0℃に冷却し、無水塩化アルミニウム1
05gを分割投入し、つぎにオクタノイルクロライド1
00gを滴下した。0℃に保ちながら3時間かくはんし
た後、反応液を6N塩酸1L注ぎこみ反応を終わらせ
た。ジクロルメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥、溶媒を留去して固形物を得た。このものをヘプタ
ンと酢酸エチルを混合した溶媒で再結晶し、158gの
2−オクタノイルフルオレンを得た。
【0060】(第2段階)2−オクタノイルフルオレン
158gをジエチレングリコール1Lに加熱(100
℃)して溶かした溶液に水酸化カリウム73g、つぎに
ヒドラジン65gを加え、ディーンスタークで水を抜き
ながら250℃になるまで加熱して6時間かくはんし
た。水を加え、ジエチルエーテルで抽出、エーテル層を
水洗して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留
去して得られた残査をエタノールにより再結晶し、10
3gの2−オクチルフルオレンを得た。(融点:64〜
66℃)
【0061】(第3段階)2−オクチルフルオレン80
gをジクロルメタン800mlに加えた溶液を0℃に冷却
し、無水塩化アルミニウム42gを加えた。次に塩化ア
セチル22gを滴下し、0℃を保ちながら2時間かくは
んした。反応液を6N塩酸1Lにそそぎ込み、ジエチル
エーテルで抽出、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー、再結晶により精製して73gの2−アセチ
ル−7−オクチルフルオレンを得た。
【0062】(第4段階)2−アセチル−7−オクチル
フルオレン60gをジオキサン1Lに一旦溶解してか
ら、溶液を0℃まで冷やした。そこへ水酸化ナトリウム
112gを水550mlに溶かした溶液に臭素40mlを加
えて調製した次亜臭素酸ナトリウムを滴下した。ゆっく
りと室温までもどして1時間かくはんしてから、40℃
まで温度を上げて30分かくはんした。6N塩酸2Lを
加え析出した結晶を濾別して乾燥した。得られた粗結晶
を酢酸を用いて再結晶することで40gの7−オクチル
フルオレン−2−カルボン酸を得た。
【0063】(第5段階)4−ヒドロキシ−(1−メチ
ルヘプタオキシカルボニル)ベンゼン1.1g、7−オ
クチルフルオレン−2−カルボン酸1.4g、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド1g、クロロホルム100mlを
用いて、実施例1、第8段階と同様の方法により4−
(1−メチルヘプタオキシカルボニル)フェニル=7−
オクチルフルオレン−2−カルボキシレート2gを得
た。相転移温度を構造式図中に記した。
【0064】実施例4 化合物番号[192]の製造 (第1段階)2−アセチル−7−オクチルオキシフルオ
レン16g、粉末状の水酸化カリウム2g、2−ブタノ
ン250mlからなる溶液を加熱還流しながら、溶液中に
酸素を1時間バブリングし、さらに室温で1時間かくは
んした。塩酸水を加え、クロロホルムで抽出、無水硫酸
マグネシウムで乾燥、溶媒を留去して得られた残査をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶により精製
し、10gの2−アセチル−7−オクチルオキシフルオ
レノンを得た。
【0065】(第2段階)2−アセチル−7−オクチル
オキシフルオレノン9.5gをジオキサン150mlに一
旦溶解してから、溶液を0℃まで冷やした。そこへ水酸
化ナトリウム16.8gを水83mlに溶かした溶液に臭
素6mlを加えて調製した次亜臭素酸ナトリウムを滴下し
た。ゆっくりと室温までもどして1時間かくはんしてか
ら、40℃まで温度を上げて1時間かくはんした。6N
塩酸を加え析出した結晶を濾別して乾燥した。得られた
粗結晶を酢酸を用いて再結晶することで7−オクチルオ
キシフルオレノン−2−カルボン酸7gを得た。
【0066】(第3段階)4−ヒドロキシ−2−フルオ
ロ−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)ベンゼン
1.8g、7−オクチルオキシフルオレノン−2−カル
ボン酸2.3g、ジシクロヘキシルカルボジイミド1.6
5g、クロロホルム200mlを用いて、実施例1、第8
段階と同様の方法により3−フルオロ−4−(1−メチ
ルヘプチルオキシカルボニル)フェニル)=7−オクチ
ルオキシフルオレノン−2−カルボキシレート2gを得
た。相転移温度を構造式図中に記した。
【0067】実施例5 化合物番号[200]の製造 (第1段階)3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチル
オキシカルボニル)フェニル)=7−オクチルオキシフ
ルオレノン−2−カルボキシレート2gとエタンジチオ
ール1mlをジクロロメタン35mlに溶かした溶液を0℃
まで冷やし、そこへ三フッ化ホウ素エーテル錯体2mlを
加えた。室温まで温度を上げて6時間かくはんして、そ
こへ飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、ジクロルメタン
層を分液、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。トルエン
を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶
により精製して3−フルオロ−4−(1−メチルヘプチ
ルオキシカルボニル)フェニル)=7−オクチルオキシ
フルオレノン−2−カルボキシレートエチレンジチオケ
タール1.5gを得た。(融点:54℃)
【0068】(第2段階)N−ヨードスクシイミド1.
48g、ジクロロメタン20mlからなる溶液を一旦−7
0℃まで冷やし、そこへ70%フッ化水素ピリジン錯体
3mlを滴下した。−30℃まで内温を上げてから、3−
フルオロ−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニ
ル)フェニル)=7−オクチルオキシフルオレノン−2
−カルボキシレート エチレンジチオケタール1.5g
をジクロロメタン10mlに溶かした溶液を滴下した。−
30℃で30分かくはんした後、反応液を飽和炭酸ナト
リウム水に注ぎこみ反応を終えた。ジクロルメタンで抽
出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し
て得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製、さらに再結晶により精製して3−フルオロ
−4−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)フェニ
ル)=9,9−ジフルオロ−7−オクチルオキシフルオ
レン−2−カルボキシレート1gを得た。相転移温度を
構造式図中に記した。
【0069】実施例6 化合物番号[213]の製造 (第1段階)2−デシルオキシフルオレンカルボン酸
5.7gを硫酸4ml、エタノール130ml中で12時間
還流した。エタノールを留去して得られた残査にトルエ
ンと水を加え抽出した。トルエン層を炭酸ナトリウム水
で中和して無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留
去して得られた残査をエタノールで再結晶して3.8g
のエチル=2−デシルオキシフルオレンカルボキシレー
トを得た。このものの相転移温度はCr 94 SA 1
07.7 Isoであった。
【0070】(第2段階)水素化リチウムアルミニウム
1.8gをエーテル30mlに加えてけんだく溶液とし、
そこへエチル=2−デシルオキシフルオレンカルボキシ
レート1.8gをエーテル50mlに溶かした溶液を滴下
し、滴下後、室温で8時間かくはんした。20%硫酸水
溶液80mlを加え酢酸エチル50mlで抽出、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査を
エタノールで再結晶して1.1gの2−ヒドロキシメチ
ル−7−デシルオキシフルオレンを得た。(融点142
℃)
【0071】(第3段階)2−ヒドロキシメチル−7−
デシルオキシフルオレン0.3g、4−ヒドロキシ−2
−フルオロ−(1−メチルヘプチルオキシカルボニル)
ベンゼン0.23g、トリフェニルホスフィン0.26g
をTHF20mlに溶解した。この溶液を一旦0℃に冷却
し、そこへ40mlのジエチルアゾカルボン酸の40%ト
ルエン溶液を加え、室温で12時間かくはんした。水と
トルエンを加え抽出したトルエン層を6N塩酸、飽和炭
酸水素ナトリウム水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(トルエン)、再結晶(ア
セトン)で精製して0.24gの化合物番号[213]
を得た。相転移温度を構造式図中に記した。
【0072】実施例7 化合物番号[221]の製造 (第1段階)2−アセチル−7−オクチルオキシフルオ
レン7.2gを実施例1(第2段階)と同様の方法によ
り2−アセトキシ−7−オクチルオキシフルオレン4.
1gを得た。(融点:101〜102℃)
【0073】(第2段階)2−アセトキシ−7−オクチ
ルオキシフルオレン4.1g、水酸化リチウム0.6gを
50mlのエチレングリコール中で1時間還流した。反応
溶液を水100mlに注ぎ、析出した結晶を濾別して乾燥
した。この粗結晶をクロロホルムで再結晶して3gの2
−オクチルオキシ−7−ヒドロキシフルオレンを得た。
(融点:151〜152℃)
【0074】(第3段階)2−オクチルオキシ−7−ヒ
ドロキシフルオレン2.5g、1−メチルヘプチル=4
−ブロモメチルベンゾエート2.6g、水酸化カリウム
0.54gをジメチルホルムアミド100ml中で5時間
還流した。トルエンと水を加え分液し、有機層を6N塩
酸、飽和炭酸ナトリウム水、水で順次洗浄して無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残査
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、さら
にアセトンにより2回再結晶して化合物番号[221]
を得た。相転移温度を構造式図中に記した。実施例1か
ら7に従い、一般式(1)で表される化合物1〜230
を製造した。化合物の構造と相転移温度を示す。
【0075】
【化21】
【0076】
【化22】
【0077】
【化23】
【0078】
【化24】
【0079】
【化25】
【0080】
【化26】
【0081】
【化27】
【0082】
【化28】
【0083】
【化29】
【0084】
【化30】
【0085】
【化31】
【0086】
【化32】
【0087】
【化33】
【0088】
【化34】
【0089】
【化35】
【0090】
【化36】
【0091】
【化37】
【0092】
【化38】
【0093】
【化39】
【0094】
【化40】
【0095】
【化41】
【0096】
【化42】
【0097】
【化43】
【0098】実施例8(明確なヒステリシスを示す反強
誘電性液晶組成物) 以下の組成の反強誘電性液晶組成物(MIX1)を調製
した。
【0099】
【化44】
【0100】上記組成物(MIX1)は相分離を起こさ
ないで良好な相溶性を示し、均一な組成物が得られた。
この組成物の相転移温度を示す。 Cr 室温以下 SCA* 114.3 SCγ* 115.
5 SC* 116.4SA 150.2 Iso また、組成物(MIX1)と化合物[M]の各温度での
しきい値電圧を比較した結果を図1に示す。組成物(M
IX1)は化合物[M]単独より非常に低いしきい値電
圧を示し、その温度依存性も非常に小さく改善される。
【0101】実施例9(明確なしきい値を示さない反強
誘電性液晶組成物) 以下の組成の液晶組成物(MIX2)を調製した。
【0102】
【化45】
【0103】上記組成物(MIX2)の相転移温度を示
す。 Cr 室温以下 SCA* 88.4 SA 93.8 Is
o 75℃における三角波電圧に対する光学応答を図2に示
す。ヒステリシスのない、V字状の光学応答を示す。
【0104】
【発明の効果】本発明の化合物の特徴は、その多くの化
合物が広い温度範囲で反強誘電相を示すか、あるいは反
強誘電性液晶相を示さないものも、潜在的な反強誘電性
を有していることである。また、他の反強誘電性液晶成
分と混合した場合、相分離を起こすことなく良好な相溶
性を示し、熱、光などに対して十分に安定であるなど反
強誘電性液晶材料として優れた性質を有している。本発
明の化合物に対して第2成分として反強誘電性液晶化合
物を添加した組成物を調製すると、しきい値電圧が低く
なるだけでなく、その温度依存性も非常に小さく改善さ
れた組成物が得られる。更に、本発明の化合物に添加す
る化合物の構成成分を適当に選択することで明確なしき
い値を示さないV字状の光学応答を示す組成物を調整す
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】組成物(MIX1)と化合物[M]の各温度で
のしきい値電圧を比較した結果を示した図である。
【図2】組成物(MIX2)の75℃における三角波電
圧に対する光学応答を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 1/141 1/137 510 (72)発明者 齊藤 秀雄 千葉県市原市飯沼195番地6

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は直鎖状または分岐状の炭素数3から20
    のアルキル基であり、これらの基中に存在する1個の−
    CH2−若しくは隣接していない2個の−CH2−はそれ
    ぞれ独立に−O−、−CO−O−、−C≡C−若しくは
    −CH=CH−で置き換えられてもよく、R2は直鎖状
    または分岐状の炭素数1から10のアルキル基であり、
    アルキル鎖末端の−CH3は−CF3若しくは−CH2
    で置き換えられてもよく、A1は−CH2−、−CF2
    または−CO−であり、A2は1,4−フェニレンまたは
    1個あるいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、
    Cl、Br若しくはトリフルオロメチル基で置換された
    1,4−フェニレンであり、A3は−CH3、−CFH2
    −CF2H、−CF3、−CH2CH3、−CH2CF3、−
    CF2CH3または−CF2CF3であり、A4は単結合、
    −O−または−COO−であり、Xは−COO−、−C
    2O−または−OCH2−であり、mは0から10の整
    数であり、C*は不斉炭素を示す)で表される化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)において、A1は−CH2
    である請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)において、A2は1,4−フ
    ェニレンである請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)において、A2は1個ある
    いは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl若し
    くはトリフルオロメチル基で置換された1,4−フェニ
    レンである請求項2に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)において、A1は−CO−
    であり、 A2は1,4−フェニレンまたは1個あるいは
    2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl若しくは
    トリフルオロメチル基で置換された1,4−フェニレン
    である請求項1に記載の化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(1)において、A1は−CF2
    であり、 A2は1,4−フェニレンまたは1個あるいは
    2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl若しくは
    トリフルオロメチル基で置換された1,4−フェニレン
    である請求項1に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 一般式(1)において、R1は直鎖状の
    炭素数3から20のアルキル基であり、これらの基中に
    存在する1個の−CH2−若しくは隣接していない2個
    の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、R2は直
    鎖状の炭素数1から10のアルキル基であり、A1は−
    CH2−であり、A2は1,4−フェニレンまたは1個あ
    るいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl、
    Br若しくはトリフルオロメチル基で置換された1,4
    −フェニレンであり、A3は−CH 3または−CF3であ
    り、A4は単結合または−O−であり、Xは−COO−
    である請求項1に記載の化合物。
  8. 【請求項8】 一般式(1)において、R1は直鎖状の
    炭素数3から20のアルキル基であり、これらの基中に
    存在する1個の−CH2−若しくは隣接していない2個
    の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、R2は直
    鎖状の炭素数1から10のアルキル基であり、A1は−
    CH2−であり、A2は1,4−フェニレンまたは1個あ
    るいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl、
    Br若しくはトリフルオロメチル基で置換された1,4
    −フェニレンであり、A3は−CH 3または−CF3であ
    り、A4は単結合または−O−であり、Xは−CH2O−
    である請求項1に記載の化合物。
  9. 【請求項9】 一般式(1)において、R1は直鎖状の
    炭素数3から20のアルキル基であり、これらの基中に
    存在する1個の−CH2−若しくは隣接していない2個
    の−CH2−は−O−で置き換えられてもよく、R2は直
    鎖状の炭素数1から10のアルキル基であり、A1は−
    CH2−であり、A2は1,4−フェニレンまたは1個あ
    るいは2個以上の水素原子がそれぞれ独立にF、Cl、
    Br若しくはトリフルオロメチル基で置換された1,4
    −フェニレンであり、A3は−CH 3または−CF3であ
    り、A4は単結合または−O−であり、Xは−OCH2
    である請求項1に記載の化合物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載のいずれかの化合
    物を少なくとも1種含有する液晶組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9に記載のいずれかの化合
    物を少なくとも1種含有する液晶組成物を用いて構成さ
    れた液晶素子。
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